JPWO2014061082A1 - 受電装置、送電装置及び送受電システム - Google Patents

受電装置、送電装置及び送受電システム Download PDF

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Abstract

電力伝送効率を向上する。受電装置(20)は、磁界を媒介として電力を受電する受電コイル(21)と受電コイル(21)に並置された磁性シート(22)を備えている。磁性シート(22)は、第1比透磁率を有する第1部分と、第1部分より受電コイル(21)から離れており第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有している。磁性シート(22)において、受電コイル(21)に近い第1部分では、磁束が強いため、比透磁率が比較的小さくても多くの磁束を捕捉できる。また、比透磁率が小さいと、通常、磁気損失も小さいので、エネルギー損失が低減する。一方、受電コイル(21)から離れた第2部分では、磁束が弱いため、比透磁率が比較的大きいことで、磁束の捕捉効果が高まる。これにより、一様に同じ比透磁率をもつ磁性シートを用いる場合よりも、電力伝送効率を向上させることができる。

Description

本発明は、受電装置、送電装置及び送受電システムに関する。
非接触で電力を伝送する技術として、電磁誘導方式と近傍磁界中の共鳴現象を利用した方式(以下磁界共鳴方式と呼ぶ)が実用化あるいは研究開発されている。
電磁誘導方式では、基本的な送受電系は一対のコイルを有する。送電コイルに生じた高周波磁界(磁束)が受電コイルを貫くことにより受電コイルに起電力が誘起されることで受電コイルに電流が流れ、電力(電気エネルギー)が送電側から受電側に空間的に伝送される。
磁界共鳴方式では、基本的な送受電系は、キャパシタが直列に接続された一対の共振コイル(いわゆるLC共振コイル)を有する。一対の共振コイルは共振周波数が一致しているため共振コイル間で共鳴現象が生じ、高周波磁界を媒介として、電力(電気エネルギー)が送電側から受電側に空間的に伝送される。
特開2010−283263号公報
NIKKEI ELECTRONICS 2007.12.3 117頁〜128頁
ところで、送受電コイルの近傍に金属が配置されると、電力伝送の媒介となる高周波磁界と金属が相互作用し、共振周波数が設計値から外れるために電力伝送効率が低下するという問題があった。このような金属の影響を抑止するため、大きな比透磁率をもつ絶縁性の磁性シートをコイルと金属の間に挿入し、(磁性シートの中を磁束が通ることで)磁気回路的に磁束の流れを変え、金属との相互作用を抑制して電力伝送効率を改善することが考えられる。
しかし、単に磁性シートを用いただけでは磁気損失が生じるために電力伝送効率の改善は制限される。
発明の一観点によれば、磁界を媒介として電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルに並置された磁性体と、を有し、前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記受電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有する、受電装置が提供される。
また、発明の一観点によれば、磁界を媒介として電力を送電する送電コイルと、前記送電コイルに並置された磁性体と、を有し、前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記送電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有する、送電装置が提供される。
また、発明の一観点によれば、磁界を媒介として電力を送電する送電コイルを有する送電装置と、前記電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、を有し、前記送電装置または前記受電装置の少なくとも一方は、前記送電コイルまたは前記受電コイルに並置された磁性体を有し、前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記送電コイルまたは前記受電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有する、送受電システムが提供される。
開示の受電装置、送電装置及び送受電システムによれば、電力伝送効率を向上できる。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態の送受電システムの一例を示す図である。 送受電システムのコイル部分と磁性体の一例を示す斜視図である。 図1の送電装置の一部を拡大した図である。 第2の実施の形態の送受電システムの一例を示すブロック図である。 第1の例の磁性シートの一部を示す断面図である。 受電装置内において磁性シートがない場合、磁性シートが単一の比透磁率を有する場合、磁性シートの比透磁率の分布が図5と逆の場合を示す図である。 受電コイルに近い側の磁性層の比透磁率を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。 受電コイルに近い側の磁性層の厚さ(シート厚)を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。 受電コイルと磁性シートの間の距離を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。 受電コイルと磁性シートの間に接着層が設けられた例を示す図である。 第2の例の磁性シートの一部を示す図である。 面f10側の磁性層の他の例を示す平面図である。 磁性材料の体積占有率の分布が図11(A)の磁性シートと逆の場合を示す図である。 第3の例の磁性シートの一部を示す図である。 磁性材料の体積占有率の分布が図14(A)の磁性シートと逆の場合を示す図である。 第4の例の磁性シートの一部を示す図である。 第5の例の磁性シートの一部を示す断面図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下では磁界共鳴方式で電力伝送を行う送受電システムを例にして説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の送受電システムの一例を示す図である。図1(A)は、送受信システムの全体図、図1(B)は、受電装置20の一部の拡大図である。
また、図2は、送受電システムのコイル部分と磁性体の一例を示す斜視図である。
送受電システムは、送電装置10と、受電装置20を有している。
送電装置10は、1次コイル11aと2次コイル11bを有する送電コイル11と、磁性体(以下磁性シートと呼ぶ)12を有する。また、受電装置20は、3次コイル21aと4次コイル21bを有する受電コイル21と、磁性シート22と、金属部品23を有する。矢印Mは、磁束を模式的に示したものである。金属部品23は、たとえば、充電池などである。
なお、図2に示されているように、磁性シート12,22の大きさは、送電コイル11や受電コイル21よりも大きく、磁束が発散しないようになっている。また、1次コイル11aには入力ポートINが設けられており、2次コイル11b及び3次コイルには、容量素子C1,C2が設けられ、4次コイルには、負荷RLが接続されている。入力ポートINには、たとえば、整合器を介して高周波電源が接続されるが図1、図2では図示が省略されている。また、受電装置20は、たとえば、整流回路やDC−DCコンバータを有するが図示が省略されている。
受電コイル21は、磁界を媒介として電力を受電する。
受電コイル21は周回形状を有する。図1、図2において、受電コイル21の周回軸A21−A22を通る、受電コイル21の断面形状が斜線で示されている。受電コイル21は、周回軸方向から見て円形状であるが、角形状など他の形状であってもよい。また、受電コイル21は、同一平面上のスパイラルコイルでもよいし、らせん形状のヘリカルコイルであってもよい。
磁性シート22は、受電コイル21の周回軸方向に並置されている。受電コイル21がヘリカルコイルの場合、「受電コイル21の周回軸方向に並置されている」とは、ヘリカルコイルのらせん軸方向に且つヘリカルコイルに重ならない位置に並置されていることを意味する。磁性シート22は、たとえば、周回軸に垂直な方向に伸びるシート形状を有する。
また、磁性シート22は、受電コイル21の受電側と反対側に配置されている。なお、「受電コイル21の受電側と反対側」とは、図1に示されているように、受電コイル21において、受電の際に送電コイル11に対向する側(受電側)とは反対側を意味する。磁性シート22は、受電コイル21に対して、受電の際に送電側(送電装置10)と対向する受電装置20の対向面20a側とは反対側に配置されている、ということもできる。
磁性シート22は、絶縁性を有していることが望ましい。磁性シート22は、磁性性を有していることにより、磁束による渦電流の発生を防げ、発熱による電力伝送効率の損失を抑制できる。
磁性シート22は、受電コイル21の近傍に設けられている金属部品23の影響で、電力伝送効率が悪化することを抑制するものであり、磁束を効率よく集めるためには大きな比透磁率を有していることが望ましい。ただ、比透磁率が大きな磁性材料は、磁気損失(複素比透磁率の虚数項)が大きくなりやすい。磁性材料の磁気物性は、比透磁率(=複素比透磁率の実数項)とtanδ(=複素比透磁率の虚数項/複素比透磁率の実数項)で規定される。よって、比透磁率に依らずtanδが一定であっても、大きな比透磁率の場合には磁気損失は大きくなってしまう。
本実施の形態の受電装置20において、磁性シート22は、受電コイル21に近い部分の比透磁率よりも、受電コイル21から離れた部分の比透磁率が大きくなっている。磁性シート22において、受電コイル21に近い部分では、磁束が強いため、比透磁率が比較的小さくても多くの磁束を捕捉できる。また、比透磁率が小さいと、通常、磁気損失も小さいので、エネルギー損失が低減する。一方、受電コイル21から離れた部分では、磁束が弱いため、比透磁率が比較的大きいことで、磁束の捕捉効果が高まる。これにより、一様に同じ比透磁率をもつ磁性シートを用いる場合よりも、電力伝送効率を向上させることができる。
送電装置10側の磁性シート12についても、同様の構造をもつようにしてもよい。
図3は、図1の送電装置の一部を拡大した図である。
送電コイル11は、磁界を媒介として電力を送電する。
送電コイル11は周回形状を有する。図1〜図3において、送電コイル11の周回軸A11−A12を通る、送電コイル11の断面形状が斜線で示されている。送電コイル11は、周回軸方向から見て円形状であるが、角形状など他の形状であってもよい。また、送電コイル11は、同一平面上のスパイラルコイルでもよいし、らせん形状のヘリカルコイルであってもよい。
磁性シート12は、送電コイル11の周回軸方向に並置されている。送電コイル11がヘリカルコイルの場合、「送電コイル11の周回軸方向に並置されている」とは、ヘリカルコイルのらせん軸方向に且つヘリカルコイルに重ならない位置に並置されていることを意味する。磁性シート12は、たとえば、周回軸に垂直な方向に伸びるシート形状を有する。
また、磁性シート12は、送電コイル11の送電側と反対側に配置されている。なお、「送電コイル11の送電側と反対側」とは、図1に示されているように、送電コイル11において、送電の際に受電コイル21に対向する側(送電側)とは反対側を意味する。磁性シート12は、送電コイル11に対して、送電の際に受電側(受電装置20)と対向する送電装置10の対向面10a側とは反対側に配置されている、ということもできる。
また、磁性シート12は、絶縁性を有していることが望ましい。磁性シート12は、磁性性を有していることにより、磁束による渦電流の発生を防げ、発熱による電力伝送効率の損失を抑制できる。
本実施の形態の送電装置10において、磁性シート12は、送電コイル11に近い部分の比透磁率よりも、送電コイル11から離れた部分の比透磁率が大きくなっている。磁性シート12において、送電コイル11に近い部分では、磁束が強いため、比透磁率が比較的小さくても多くの磁束を捕捉できる。また、比透磁率が小さいと、通常、磁気損失も小さいので、エネルギー損失が低減する。一方、送電コイル11から離れた部分では、磁束が弱いため、比透磁率が比較的大きいことで、磁束の捕捉効果が高まる。これにより、一様に同じ比透磁率をもつ磁性シートを用いる場合よりも、電力伝送効率を向上させることができる。
なお、送受電システムにおいて、送電装置10、受電装置20の両方の磁性シート12,22が、上記のような比透磁率の分布を有していることが電力伝送効率の向上という観点から、より好ましいが、どちらか一方は単一の比透磁率を有していてもよい。また、送電装置10、受電装置20のどちらか一方では、磁性シートを設けなくてもよい(たとえば、金属部品が送電コイル11または受電コイル21の近傍にない場合など)。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態の送受電システムの一例を示すブロック図である。
送電装置30は、高周波電源31、整合器32、送電コイル33、絶縁性の磁性シート34を有している。また、受電装置40は、受電コイル41、絶縁性の磁性シート42、整流回路43、DC−DCコンバータ44、負荷45を有している。
高周波電源31は、図示しない発振器と増幅器を有し、所定の(共振)周波数をもつ電圧を発生する。
整合器32は、反射波(無効電力)を抑制するため、高周波電源31からみた送電コイル33のインピーダンスに対し、インピーダンス整合(マッチング)を行う。なお、送電コイル33のインピーダンスは、受電コイル41との位置関係によって変動する。
送電コイル33は、整合器32を経て高周波電源31から送られた電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、空間に磁気エネルギーを放射する。
磁性シート34は、たとえば、前述の磁性シート12と同様の比透磁率の分布をもっていて、送電コイル33に近い部分の比透磁率が、送電コイル33から離れた部分の比透磁率よりも小さい。磁性シート34は、たとえば、ニッケル系のフェライトまたはマンガン系のフェライトなどの軟磁性材料である。
受電コイル41は、送電コイル33から空間に送出された磁気エネルギーを捕え、電気エネルギー(交流電力)に変換する。
磁性シート42は、たとえば、前述の磁性シート22と同様の比透磁率の分布をもっていて、受電コイル41に近い部分の比透磁率が、受電コイル41から離れた部分の比透磁率よりも小さい。磁性シート42は、たとえば、ニッケル系のフェライトまたはマンガン系のフェライトなどである。
整流回路43は、交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換する。
DC−DCコンバータ44は、整流により得られた直流電圧を、負荷45で用いられる所定の直流電圧値に変換する。
負荷45は、たとえば、充電池や電球など、電力を消費するデバイスである。
なお、磁性シート34,42の一方は、単一の比透磁率を有していてもよい。
以下、受電装置40の磁性シート42の例を複数説明するが、送電装置30の磁性シート34についても同様の構造としてよい。
(磁性シートの第1の例)
図5は、第1の例の磁性シートの一部を示す断面図である。図5では、受電装置40における磁性シート42の例が示されており、受電コイル41と金属部品50(たとえば、図4に示した負荷45)も合わせて模式的に示されている。なお、受電コイル41と磁性シート42の配置や大きさの関係は、図2に示した受電コイル21と磁性シート22との関係と同様である。
磁性シート42は、受電コイル41に近い部分に設けられた第1の比透磁率を有する磁性層421と、受電コイル41から離れた部分に設けられた第1の比透磁率よりも大きい第2の比透磁率を有する磁性層422を有する。磁性層421,422は、ニッケル系のフェライトまたはマンガン系のフェライトなどを用いて、比透磁率が調整されている。
(電力伝送効率の見積もり例)
このような磁性シート42を用い、下記の条件で電力伝送効率をシミュレーションした。なお、送電側の磁性シート34は単一の比透磁率を有しているものとした。
送電(共振)周波数を1〜10MHzとした。その条件下での、磁性層421の比透磁率を100程度、磁性層422の比透磁率を500程度とした。また、各磁性層421,422のtanδを0.01〜0.1程度、電気伝導度を2μS/m程度とした。送電装置30の磁性シート34の比透磁率を500程度とし、tanδは0.01〜0.1程度、電気伝導度は2μS/m程度とした。磁性シート34,42のサイズは、80mm×80mmの正方形で、厚みは0.5mmとした。磁性シート42では、磁性層421の厚みを0.2mm、磁性層422の厚みを0.3mmとした。
送電コイル33の1次コイルは、直径55mm(直径1mmの銅線を使用)で1巻きしたものを用い、2次コイル(共振コイル)は、直径70mm(直径1mmの銅線を使用)で1巻きしたものを用いた。送電コイル33の4次コイルは、直径55mm(直径1mmの銅線を使用)で1巻きしたものを用い、3次コイル(共振コイル)は、直径70mm(直径1mmの銅線を使用)で1巻きしたものを用いた。送電コイル33と受電コイル41に設けられる図示しないコンデンサ(共振用コンデンサ)の容量は0.063μF程度とした。また、共振用コンデンサの誘電正接は0.01%程度とした。送電距離(送電コイル33と受電コイル41間の距離)は、50mm程度とした。送電コイル33と磁性シート34間の距離と、受電コイル41と磁性シート42間の距離と、磁性シート42と金属部品50間の距離は、0.3mm程度とした。また、負荷抵抗は10Ω程度とした。
上記のような条件では、電力伝送効率は、67%程度であった。
(比較例)
図6は、受電装置内において磁性シートがない場合、磁性シートが単一の比透磁率を有する場合、磁性シートの比透磁率の分布が図5と逆の場合を示す図である。
図6(A)は、磁性シートが、受電コイル41と金属部品50間に設けられていない場合を示す図である。受電コイル41と金属部品50間の距離を1.1mmとして、その他は上記のような条件で電力伝送効率を見積もった結果、電力伝送効率は11%程度であった。
図6(B)は、磁性シートが単一の比透磁率を有する場合を示す図である。磁性シート60は、上記の条件の送電装置30側の磁性シート34と同じ特性及び大きさをもつ。その他は上記のような条件で電力伝送効率を見積もった結果、電力伝送効率は65%程度であった。
図6(C)は、磁性シートの比透磁率の分布が図5と逆の場合を示す図である。磁性シート62の、磁性層621は、厚さが0.3mm、比透磁率が500程度であり、磁性層622は、厚さが0.2mm、比透磁率が100程度である。その他は上記のような条件で電力伝送効率を見積もった結果、電力伝送効率は63%程度であった。
上記3つの例の中では、図6(B)の単一の比透磁率を有する磁性シート60を用いた場合が、65%程度と最も大きな電力伝送効率を示したが、図5に示した磁性シート42を用いた場合よりは小さかった。これは、前述したように磁性シート42において、受電コイル41に近い側の磁性層421の比透磁率を小さくすることで、磁気損失が低減されたからと考えられる。
なお、磁性シートも金属部品50もない場合の電力伝送効率は、61%であった。また、図5に示した磁性層421の比透磁率を1にした場合(すなわち磁性層421がない場合)、電力伝送効率は63%程度となり、図6(B)の場合よりも小さくなった。これは、磁性シート42の厚さが薄くなり、磁性シート42が十分な磁束を捕捉できなくなったためと考えられる。
図7は、受電コイルに近い側の磁性層の比透磁率を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。横軸が受電コイル41に相対する磁性層421の比透磁率を示し、縦軸が電力伝送効率(%)を示している。磁性層422の比透磁率は500で固定されている。
磁性層421の比透磁率が磁性層422の比透磁率より低いと、磁性層421と422の比透磁率が等しい場合よりも電力伝送効率は高くなる。磁性層421の比透磁率はたとえば20以上である。磁性層421の比透磁率が1のとき、磁性層421は磁性を示さないため、磁性層421と422の比透磁率が等しい場合よりも電力伝送効率は低くなる。
前述した条件のうち、磁性層421の比透磁率を変化させ(tanδは0.01で固定)、その他の条件は同じにしたとき、図7に示されているように、比透磁率が100程度になるまで、比透磁率の増加に伴い電力伝送効率も上昇する。しかし、比透磁率が100程度を超えると比透磁率の増加に伴い電力伝送効率が下降する。
この結果から、比透磁率が100程度までは、比透磁率の増加に伴って捕捉される磁束が増大することによる電力伝送効率を向上させる効果が、磁気損失の増大により電力伝送効率を低下させる効果を上回っていると考えられる。そして、比透磁率が100程度を超えると、比透磁率の増加に伴って捕捉される磁束が増大することによる電力伝送効率を向上させる効果が、磁気損失の増大により電力伝送効率を低下させる効果を下回ると考えられる。
そのため、磁性層421の比透磁率と電力伝送効率との関係が図7に示したような特性を示す場合は、前述した条件のように磁性層421の比透磁率は、100程度とすることが望ましい。
図8は、受電コイルに近い側の磁性層の厚さ(シート厚)を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。横軸が受電コイル41に相対する磁性層421の厚さ(mm)を示し、縦軸が電力伝送効率(%)を示している。
前述した条件のうち、磁性層421の厚さを変化させ(磁性シート42の厚さは0.5mmで固定)、その他の条件は同じにしたとき、図8に示されているように、磁性層421の厚さが0.2mm程度になるまで、厚さの増加に伴い電力伝送効率も上昇する。しかし、磁性層421の厚さが0.2mm程度を超えると厚さの増加に伴い電力伝送効率が下降する。この結果から以下のことが考えられる。
磁性層421の厚さが0.2程度までは、磁性層421が厚くなることに伴って、磁性層422の厚さが薄くなることによる磁気損失の減少による電力伝送効率を向上させる効果が、捕捉される磁束の減少により電力伝送効率を低下させる効果を上回る。そして、磁性層421の厚さが0.2mm程度を超えると、磁性層421が厚くなることに伴って、磁気損失の減少による電力伝送効率を向上させる効果が、捕捉される磁束の減少により電力伝送効率を低下させる効果を下回る。
そのため、磁性層421の厚さと電力伝送効率との関係が図8に示したような特性を示す場合は、前述した条件のように磁性層421の厚さは、0.2mm程度とすることが望ましい。
図9は、受電コイルと磁性シートの間の距離を変化させたときの電力伝送効率の変化を示すシミュレーション結果である。横軸が受電コイル41と磁性シート42の間の距離(mm)を示し、縦軸が電力伝送効率(%)を示している。なお、横軸は対数表示されている。
前述した条件のうち、受電コイル41と磁性シート42の間の距離を変化させ、その他の条件は同じにしたとき、図9に示されているように、距離が0.3mm程度になるまで、距離が長くなることに伴い電力伝送効率も上昇する。しかし、距離が0.3mm程度を超えると、距離が長くなることに伴い電力伝送効率が下降する。この結果から以下のことが考えられる。
距離が0.3mm程度になるまでは、比透磁率が高い磁性層422が受電コイル41から離れることによる磁気損失の減少による電力伝送効率を向上させる効果が、捕捉される磁束の減少により電力伝送効率を低下させる効果を上回る。そして、距離が0.3mm程度を超えると、磁気損失の減少による電力伝送効率を向上させる効果が、捕捉される磁束の減少により電力伝送効率を低下させる効果を下回る。
そのため、受電コイル41と磁性シート42の間の距離と電力伝送効率との関係が図9に示したような特性を示す場合は、前述した条件のように受電コイル41と磁性シート42間に、0.3mm程度の隙間をあけることが望ましい。
なお、受電コイル41と磁性シート42の間には、上記のような距離に対応した厚さをもつ接着層を設けてもよい。
図10は、受電コイルと磁性シートの間に接着層が設けられた例を示す図である。図10に示されているように、受電コイル41と磁性シート42の間に接着層70が設けられている。このような接着層70により磁性シート42が受電コイル41に固定される。
接着層70は、たとえば、樹脂などの絶縁材料であるが磁性は有さない。受電コイル41と磁性シート42間の隙間の距離と電力伝送効率との関係が図9に示したような特性を示す場合は、接着層70の厚さを、0.3mm程度とすることで、高い電力伝送効率が得られる。
(磁性シートの第2の例)
図11は、第2の例の磁性シートの一部を示す図である。図11(A)は、第2の例の磁性シートの一部を示す断面図であり、図11(B)は、磁性シートの面f10の平面図であり、図11(C)は、磁性シートの面f11の平面図である。
図11では、受電装置40における磁性シート42aの例が示されており、受電コイル41と金属部品50も合わせて示されている。なお、受電コイル41と磁性シート42aとの配置や大きさの関係は、図2に示した受電コイル21と磁性シート22との関係と同様である。
図5に示したような磁性シート42と同様に、図11の磁性シート42aも2つの磁性層423,424を有するが、磁性シート42aでは磁性層423,424は同じ比透磁率(真の比透磁率)をもつ直方体形状の磁性材料の小片80に分割されている。なお、真の比透磁率とは、磁性材料そのものが有している比透磁率である。
このような磁性シート42aでは、小片80のサイズや、小片80間の距離(隙間の幅)を調整することで単位体積当たりに占める磁性材料の体積占有率を調整できる。磁性材料の体積占有率が大きいほど、実効的な(見掛けの)比透磁率は大きい。よって、小片80のサイズや小片80間の距離を調整することで、小片80に分割された磁性シート42aの実効的な比透磁率を調整することができる。
図11の例では、面f10側の磁性層423と、面f11側の磁性層424は、小片80の大きさは同じであるが、面f10側の磁性層423の方が面f11側の磁性層424よりも小片80間の隙間が大きい。つまり、磁性シート42aは、面f10側よりも面f11側の方が磁性材料(小片80)の含有率が多い。
これにより、受電コイル41に近い側(面f10側)の実効的な比透磁率を、受電コイル41から遠い側(面f11側)の実効的な比透磁率よりも小さくでき、図5に示した磁性シート42を用いた場合と同様の効果を得ることができる。また、異なる真の比透磁率を有する磁性材料を用意しなくてもよくなる。
図12は、面f10側の磁性層の他の例を示す平面図である。図12に示されている例では、磁性層423の小片80a間の距離は図11(C)に示した磁性層424と同じであるが、大きさが磁性層424の小片80より小さくなっている。
以上のような磁性シート42aを用い、下記の条件で電力伝送効率をシミュレーションした。なお、送電側の磁性シート34は単一の比透磁率を有しているものとした。
送電(共振)周波数を1〜10MHzとした。その条件下での、磁性シート42aの磁性材料(小片80)の真の比透磁率を700程度とした。また、磁性材料のtanδを0.01〜0.1程度、電気伝導度を2μS/m程度とした。送電装置30の磁性シート34の比透磁率を500程度とし、tanδは0.01〜0.1程度、電気伝導度は2μS/m程度とした。磁性シート34,42aのサイズは、80mm×80mmの正方形で、厚みは0.5mmとした。磁性シート42aでは、磁性層423の厚みを0.2mm、磁性層424の厚みを0.3mmとした。図11に示した場合では、直方体形状の小片80の大きさは、磁性層423で4mm×4mm×0.2mmで、磁性層424で4mm×4mm×0.3mmとした。図12に示した場合では、磁性層423の小片80aのサイズは、1mm×1mm×0.2mmとした。また、図11に示した場合では、小片80間の距離は、磁性層423で0.2mm、磁性層424で1mmとした。図12に示した場合では、磁性層423において小片80a間の距離は0.2mmとした。これにより、磁性層423の実効的な比透磁率が100程度となり、磁性層424の実効的な比透磁率が500程度となる。その他の条件は、磁性シート42を適用した場合と同様にした。
上記のような条件とすることで、図5に示したような磁性シート42を適用した場合と同様に、電力伝送効率が67%程度となった。
(比較例)
図13は、磁性材料の体積占有率の分布が図11(A)の磁性シートと逆の場合を示す図である。
磁性シート71の、磁性層711は、厚さが0.3mm、実効的な比透磁率が500であり、磁性層712は、厚さが0.2mm、実効的な比透磁率が100である。その他は上記のような条件で電力伝送効率を見積もった結果、電力伝送効率は63%程度にとどまり、図11(A)に示したような磁性シート42aよりも電力伝送効率は小さかった。
(磁性シートの第3の例)
図14は、第3の例の磁性シートの一部を示す図である。図14(A)は、第3の例の磁性シートの一部を示す断面図であり、図14(B)は、磁性シートの面f12の平面図であり、図14(C)は、磁性シートの面f13の平面図である。
図14では、受電装置40における磁性シート42bの例が示されており、受電コイル41と金属部品50も合わせて示されている。なお、受電コイル41と磁性シート42bとの配置や大きさの関係は、図2に示した受電コイル21と磁性シート22との関係と同様である。
磁性シート42bは、面f12から面f13に伸びる溝425が形成されており、溝425の幅は、面f12から面f13に向かうほど、つまり、受電コイル21から離れるほど狭くなっている。図14の例では、磁性シート42bは、溝425によって、同じ比透磁率(真の比透磁率)をもつ直方体形状の磁性材料の小片81に分割されているが、必ずしも完全に分割されていなくてもよい。
このような磁性シート42bでは、溝425の幅を調整することで単位体積当たりに占める磁性材料の体積占有率を調整できる。磁性材料の体積占有率が大きいほど、実効的な比透磁率は大きい。よって、溝425の幅を調整することで、磁性シート42bの実効的な比透磁率を調整することができる。
図14の例では、面f12側の溝425の幅よりも、面f13側の溝425の幅の方が狭い。そのため、磁性シート42bは、面f12側よりも面f13側の方が磁性材料の含有率が多い。
これにより、受電コイル41に近い側(面f12)の実効的な比透磁率を、受電コイル41から遠い側(面f13側)の実効的な比透磁率よりも小さくでき、前述した磁性シート42を用いた場合と同様の効果を得ることができる。また、異なる真の比透磁率を有する磁性材料を用意しなくてもよくなる。
以上のような磁性シート42bを用い、下記の条件で電力伝送効率をシミュレーションした。なお、送電側の磁性シート34は単一の比透磁率を有しているものとした。
送電(共振)周波数を1〜10MHzとした。その条件下での、磁性シート42bの磁性材料(小片81)の真の比透磁率を800程度とした。また、磁性材料のtanδを0.01〜0.1程度、電気伝導度を2μS/m程度とした。送電装置30の磁性シート34の比透磁率を500程度とし、tanδは0.01〜0.1程度、電気伝導度は2μS/m程度とした。磁性シート34,42bのサイズは、80mm×80mmの正方形で、厚みは0.5mmとした。磁性シート42bでは、小片81の面f12での面積は4mm×4mm、面f13での面積は、2.9mm×2.9mmとした。また、面f12での溝425の幅(小片81間の距離)は、1.3mm、面f13での溝425の幅は、0.2mmとした。その他の条件は、磁性シート42を適用した場合と同様にした。
上記のような条件とすることで、図5に示したような磁性シート42を適用した場合と同様に、電力伝送効率は67%程度となった。
(比較例)
図15は、磁性材料の体積占有率の分布が図14(A)の磁性シートと逆の場合を示す図である。
磁性シート72の溝721は、受電コイル41に近い側の幅が狭く、受電コイル41から離れるほど幅が広くなっている。その他は上記のような条件で電力伝送効率を見積もった結果、電力伝送効率は62%〜63%程度にとどまり、図14(A)に示したような磁性シート42bよりも電力伝送効率は小さかった。
(磁性シートの第4の例)
図16は、第4の例の磁性シートの一部を示す図である。図16(A)は、第4の例の磁性シートの一部を示す断面図であり、図16(B)は、磁性シートの面f14の平面図であり、図16(C)は、磁性シートの面f15の平面図である。
図16では、受電装置40における磁性シート42cの例が示されており、受電コイル41と金属部品50も合わせて示されている。なお、受電コイル41と磁性シート42cとの配置や大きさの関係は、図2に示した受電コイル21と磁性シート22との関係と同様である。
磁性シート42cは、面f14から面f15に向かうほど、つまり受電コイル41から離れるほど径(直径)が狭くなる複数の開口部426が形成されている。図16の例では、開口部426は、磁性シート42cを貫通しているが、必ずしも貫通していなくてもよい。
このような磁性シート42cでは、開口部426の径が磁性シート42cの厚さ方向で調整されることで、単位体積当たりに示す磁性材料の体積占有率を調整できる。磁性材料の体積占有率が大きいほど、実効的な(見掛けの)比透磁率は大きい。よって、開口部426の径を調整することで、磁性シート42cの実効的な比透磁率を調整することができる。
図16の例では、開口部426の径は、面f14側よりも、面f15側の方が狭い。そのため、磁性シート42cは、面f14側よりも面f15側の方が磁性材料の含有率が多い。
これにより、受電コイル41に近い側(面f14)の実効的な比透磁率を、受電コイル41から遠い側(面f15側)の実効的な比透磁率よりも小さくでき、図5に示した磁性シート42を用いた場合と同様の効果を得ることができる。また、異なる真の比透磁率を有する磁性材料を用意しなくてもよくなる。
以上のような磁性シート42cを用い、下記の条件で電力伝送効率をシミュレーションした。なお、送電側の磁性シート34は単一の比透磁率を有しているものとした。
送電(共振)周波数を1〜10MHzとした。その条件下での、磁性シート42cの磁性材料の真の比透磁率を650程度とした。また、磁性材料のtanδを0.01〜0.1程度、電気伝導度を2μS/m程度とした。送電装置30の磁性シート34の比透磁率を500程度とし、tanδは0.01〜0.1程度、電気伝導度は2μS/m程度とした。磁性シート34,42cのサイズは、80mm×80mmの正方形で、厚みは0.5mmとした。磁性シート42cでは、開口部426の面f14での直径は1.6mm、面f15での直径は0.1mmとして、面f14から面f15に向けて単調に減少するものとした。また、隣接する開口部426間の距離(ピッチ)は、4.2mmとした。その他の条件は、磁性シート42を適用した場合と同様にした。
上記のような条件とすることで、電力伝送効率は66%〜67%程度となった。
磁性材料の体積占有率の分布を図16(A)の磁性シート42cと逆にすると、図15に示した磁性シート72と同様の断面になる。シミュレーションの結果、電力伝送効率は63%程度にとどまり、図16(A)の磁性シート42cを用いた場合よりも電力伝送効率は小さかった。
(磁性シートの第5の例)
図17は、第5の例の磁性シートの一部を示す断面図である。
図17では、受電装置40における磁性シート42dの例が示されており、受電コイル41と金属部品50も合わせて示されている。なお、受電コイル41と磁性シート42dとの配置や大きさの関係は、図2に示した受電コイル21と磁性シート22との関係と同様である。
磁性シート42dは、同じ比透磁率(真の比透磁率)をもつ磁性材料を有する磁性層427,428を備える。磁性層427,428には、上記の真の比透磁率よりも小さい比透磁率を有する粒子85が分散されている。ただし、粒子85は、受電コイル41に相対する側の磁性層427には、受電コイル41に相対しない側の磁性層428よりも高い濃度で分散されている。粒子85は、アルミナ、樹脂、中空ガラスビーズなどである。粒子85として中空ガラスビーズなどを用いて、比重を磁性シート42dの磁性材料の比重よりも小さくすることで、磁性シート42dの軽量化を図ることもできる。
このような磁性シート42dでは、粒子85の濃度を磁性シート42dの厚さ方向で調整することで、単位体積当たりに示す磁性材料の磁性シート42dの厚さ方向の体積占有率を調整できる。磁性材料の体積占有率が大きいほど、実効的な比透磁率は大きい。よって、粒子85の濃度を磁性シート42dの厚さ方向で調整することで、磁性シート42cの実効的な比透磁率を磁性シート42dの厚さ方向で調整することができる。
図17に示されている例では、粒子85は、受電コイル41に近い側の磁性層427には、受電コイル41から遠い側の磁性層428よりも高い濃度で分散されている。これにより、受電コイル41に近い側(面f16側)の実効的な比透磁率を、受電コイル41から遠い側(面f17側)の実効的な比透磁率よりも小さくでき、図5に示した磁性シート42を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
以上のような磁性シート42dを用い、下記の条件で電力伝送効率をシミュレーションした。なお、送電側の磁性シート34は単一の比透磁率を有しているものとした。
送電(共振)周波数を1〜10MHzとした。その条件下での、磁性シート42dの磁性材料の真の比透磁率を700程度とした。また、磁性材料のtanδを0.01〜0.1程度、電気伝導度を2μS/m程度とした。
また、分散される粒子85を中空ガラスビーズ(比透磁率が1)とし、粒子85のtanδを0.00001程度、電気伝導度を0.1μS/m程度とした。また磁性層427での粒子85の濃度を50%程度(体積比)、磁性層428での粒子の濃度を10%程度(体積比)とした。これにより、磁性層427の実効的な比透磁率が100程度となり、磁性層428の実効的な比透磁率が500程度となる。
磁性シート34,42dのサイズは、80mm×80mmの正方形で、厚みは0.5mmとした。磁性シート42dでは、磁性層427の厚みを0.2mm、磁性層428の厚みを0.3mmとした。その他の条件は、磁性シート42を適用した場合と同様にした。
上記のような条件とすることで、図5に示したような磁性シート42を適用した場合と同様に、電力伝送効率を67%程度とすることができる。
磁性層427と磁性層428を上下入れ替えた場合、シミュレーションの結果、電力伝送効率は63%程度にとどまり、図17の磁性シート42dを用いた場合よりも電力伝送効率は小さかった。
なお、上記の磁性シート42dは、粒子85の濃度を2段階で変えたものであるが、これに限定されない。たとえば、磁性シート42dの面f16から面f17に向けて単調に粒子85の濃度が低くなるようにしてもよい。
(磁性シートの製造方法の一例)
磁性シートは、たとえば、以下の製法により製造される。
磁性粉(フェライトなどの無機粉体)を溶媒(溶液)と混練し、スラリーをつくる。その後スラリーを薄板状に成形する(この薄板はグリーンシートと呼ばれる)。そして、グリーンシートに対して所望の加工を施す。そして、加工したグリーンシートを焼成(焼結)して、磁性シートを完成する。
たとえば、図5に示したような磁性シート42を製造する場合、比透磁率の異なる2枚のグリーンシートを作成し、2枚のグリーンシートを重ねてから焼成することで、磁性シート42が完成する。
図11に示したような磁性シート42aを製造する場合、支持体上に、同じ透磁率の2枚のグリーンシートを作成し、ブレード(包丁のようなもの)で所望の小片になるように、切り込みを形成する。そして、2枚のグリーンシートを重ねてから、焼成することで、磁性シート42aが完成する。
図14に示したような磁性シート42bを製造する場合、先端と根元で幅の異なるブレード(ブレードの断面形状が楔型)を使って、グリーンシートに切り込みを形成し、それを焼成することで、磁性シート42bが完成する。
図16に示したような磁性シート42cを製造する場合、先端と根元で径の異なる剣山(個々の針が円錐形状)を使って、グリーンシートに孔を形成し、それを焼成することで、磁性シート42cが完成する。
上記の実施の形態では、磁界共鳴方式の送受電システムについて説明したが、電磁誘導方式の送受電システムについても同様である。すなわち、受電コイルまたは送電コイルに近い部分の比透磁率よりも、受電コイルまたは送電コイルから離れた部分の比透磁率が大きい磁性シートを配置することで同様に電力伝送効率の向上を図れる。
また、磁性シートにおいて、受電コイルまたは送電コイルに近い側の面には、金属箔などが貼り付けられていてもよい。これにより、金属部品と受電コイルまたは送電コイルとの距離などを考慮しなくてもよくなり、電力伝送効率のチューニングが容易になる。
なお、上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例及び均等物は、添付の請求項及びその均等物による本発明の範囲とみなされる。
10 送電装置
10a,20a 対向面
11 送電コイル
11a 1次コイル
11b 2次コイル
12,22 磁性シート
20 受電装置
21 受電コイル
21a 3次コイル
21b 4次コイル
23 金属部品
M 磁束

Claims (12)

  1. 磁界を媒介として電力を受電する受電コイルと、
    前記受電コイルに並置された磁性体と、を有し、
    前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記受電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有することを特徴とする受電装置。
  2. 前記磁性体は、前記受電コイルの受電側と反対側に配置されている、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の受電装置。
  3. 前記磁性体は、前記受電コイルの周回軸方向に並置されたことを特徴とする、請求の範囲第1項または第2項に記載の受電装置。
  4. 前記磁性体は、前記第1部分よりも前記第2部分の方が磁性材料の含有率が多いことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一項に記載の受電装置。
  5. 前記磁性体には、前記受電コイルから離れるほど幅が狭くなる溝が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか一項に記載の受電装置。
  6. 前記磁性体には、前記受電コイルから離れるほど径が狭くなる複数の開口部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか一項に記載の受電装置。
  7. 前記磁性体の前記第1部分と前記第2部分とは、それぞれ層状であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一項に記載の受電装置。
  8. 前記第1部分と前記第2部分は、それぞれ第3の比透磁率をもつ磁性材料と前記第3の比透磁率よりも低い第4の比透磁率をもつ粒子を有し、
    前記粒子は、前記第2部分よりも前記第1部分の方が高い濃度で分散されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項の何れか一項に記載の受電装置。
  9. 前記粒子の比重は、前記磁性材料の比重よりも小さいことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の受電装置。
  10. 前記磁性体は、前記受電コイルに対して、所定の距離をあけて並置されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第9項の何れか一項に記載の受電装置。
  11. 磁界を媒介として電力を送電する送電コイルと、
    前記送電コイルに並置された磁性体と、を有し、
    前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記送電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有することを特徴とする送電装置。
  12. 磁界を媒介として電力を送電する送電コイルを有する送電装置と、
    前記電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、を有し、
    前記送電装置または前記受電装置の少なくとも一方は、前記送電コイルまたは前記受電コイルに並置された磁性体を有し、
    前記磁性体は、第1比透磁率を有する第1部分と、前記第1部分より前記送電コイルまたは前記受電コイルから離れており前記第1比透磁率より大きい第2比透磁率を有する第2部分とを有することを特徴とする送受電システム。
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