JPWO2014050910A1 - 固体粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液とナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することにより、該難水溶性医薬化合物の結晶を析出させることを特徴とする、該難水溶性医薬化合物の結晶の製造方法。当該方法により得られる難水溶性医薬化合物の結晶は、微粒かつより均一な粒径分布を有し、吸収性・持続性に優れる。

Description

本発明は、晶析法を用いた難水溶性医薬化合物の固体粒子の製造方法及びそれにより得られる該医薬化合物の固体粒子に関する。より詳細には、本発明は、貧溶媒添加析出法において、貧溶媒としてナノバブル水またはナノバブル水溶液を用いることを特徴とする難水溶性医薬化合物の固体粒子の製造方法、並びに当該方法により得られる、分散性・吸収性が改善された難水溶性医薬化合物の固体粒子に関する。
(発明の背景)
晶析法は、過飽和を推進力とした非平衡状態での結晶化現象を利用した結晶の析出方法である。医薬化合物の晶析では、目的化合物の熱変性を避けるために、常温で操作できる非溶媒(貧溶媒)添加晶析法(Anti-solvent Crystallization)が多用されている。貧溶媒添加晶析法は、水等に不溶性の化合物を易溶媒に溶解させた後、化合物溶液に別の溶媒(水等)を混合することで、溶液を過飽和状態にして結晶を析出させる方法である。この方法により得られる結晶は高純度であり、また貧溶媒の種類、添加量により、回収できる溶質の量が決定されることから、高溶解度溶液から結晶を高回収率で得ることが可能であるため、医薬化合物の収率を向上させる手法としても注目されている。現在、晶析法を使用している製品も多数存在している(非特許文献1)。また、アモルファスにおいても、加熱/冷却または加圧/減圧すること等で結晶性を持たせる晶析方法を用いることができる。
しかし、結晶品質を高度に制御する技術は未成熟であるため、微粒子化や均一な粒径分布を得ること等が課題である。医薬化合物が難水溶性の場合、液剤化の際、粒子サイズが大きいと分散性が悪く、溶媒に添加剤を加える必要がある。また、注射剤とする場合には、注射針が太くなり、患者の負担が増すといった問題がある。そのため、各研究者は、その微粒子化や粒径分布の改善のために、高圧晶析装置(PureNano等)、高圧ホモジナイザー、ホモジナイザー、スターバースト等やWet-Milling装置等を使用している(非特許文献2)。前者(高圧晶析装置、高圧ホモジナイザー、ホモジナイザー、スターバースト等)は高エネルギーを要し、後者(Wet-Milling装置)は一般に操作時間が長く、収率が低下し、大量操作が困難であること等の欠点を有する。析出後の微粒子化・均一化操作が簡便な微小で均一な粒径を有する結晶を調製し得る晶析法の開発が望まれている。
特許文献1には、貧溶媒添加晶析において、貧溶媒中に気泡を発生させて、有機顔料溶液と混合し、該気泡表面で該有機顔料の微粒子を析出させることにより、ナノサイズの粒子、中空粒子を製造する方法が記載されている。該気泡の発生手段としては、旋回液流式マイクロバブル発生装置や微小真空核群を発生させる超音波発生器が記載されている。しかし、有機顔料の結晶化度が上がると粒子サイズが大きくなる傾向があるため、超音波発生装置を用いて気泡を粉砕することにより、気泡表面で凝集した粒子を破砕・分散させ、微粒化する手法が採用されている。また、難水溶性医薬化合物への適用については何ら示唆されていない。
特開2011−194366号公報
International Journal of Nanomedicine 2008:3(3) 295-309 European Journal of Pharmaceutical Sciences 2003:18 113-120
本発明の目的は、貧溶媒添加析出法(例、貧溶媒添加晶析法)を用いて、析出後の微粒化処理を必要とせずに、分散性・吸収性・製剤化が可能な、微小で均一な粒径を有する医薬化合物の固体粒子及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、難水溶性医薬化合物の貧溶媒添加析出法(例、貧溶媒添加晶析法)において、ナノバブルを含む水(以下、ナノバブル水という)またはナノバブルを含む水溶液(以下、ナノバブル水溶液という)を貧溶媒として用いると、通常の水を用いた場合に比べて、微粒でかつより均一な粒径分布を有する固体粒子が得られることを見出した。また、ナノバブル水またはナノバブル水溶液を用いて析出した固体粒子は、通常の水を用いて析出した固体粒子よりも、溶媒への分散性に優れることを見出した。
本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
〔1〕難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液とナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することにより、該難水溶性医薬化合物の固体粒子を析出させることを特徴とする、該難水溶性医薬化合物の固体粒子の製造方法。
〔2〕ナノバブル水またはナノバブル水溶液が平均径500nm以下の気体泡を含有する、上記〔1〕記載の方法。
〔3〕難水溶性医薬化合物が、25℃で水に対して15000ppm未満の溶解度を示すものである、上記〔1〕記載の方法。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法により得られる、難水溶性医薬化合物の固体粒子。
〔5〕上記〔4〕の固体粒子を含む、医薬組成物。
貧溶媒添加析出法(例、貧溶媒添加晶析法)において、貧溶媒としてナノバブル水またはナノバブル水溶液を使用することにより、微粒かつ均一な粒径分布を有する難水溶性医薬化合物の固体粒子を得ることができるので、析出後の微粒子化処理によるコストや収率低下を回避することができる。また、加圧溶解式で調製したナノバブルは安定に水中に存在するため、それを使用することにより、微粒子の製造時にナノバブルを発生しながらでなくとも、事前に加圧溶解式で調製したナノバブル水/水溶液を用いて微粒子結晶の製造が可能であり、それにより、微粒子製造の利便性が向上する。また、難水溶性医薬化合物の微粒子製剤を無菌製剤として製剤化する場合、無菌化処理が必須となる。ビーズミル等を用いて微粒子化を実施する場合、新たに無菌原薬調製工程(ろ過滅菌工程、凍結乾燥工程、粉砕工程等々)が必要になり、製造工程が増大するが、本発明の貧溶媒添加析出法では、無菌化工程はろ過滅菌工程のみであり、無菌化処理にかかるコストや工数を軽減することができる。また、難水溶性医薬化合物を水性液剤として製剤化する場合、溶媒への分散性が向上し、溶媒に懸濁化剤を添加することなく製剤化が可能となる。さらに薬物の生体内での吸収性および持続性が改善される。注射剤として調製する場合には、微粒子化により細い注射針の使用が可能となり、患者の負担が軽減される。
貧溶媒として通常の注射用水を用いた貧溶媒添加晶析により析出したレサトルビド(resatorvid)の結晶の顕微鏡写真である。 貧溶媒としてナノバブル水を用いた貧溶媒添加晶析により析出したレサトルビドの結晶の顕微鏡写真である。
(発明の詳細な説明)
本発明の難水溶性医薬化合物の固体粒子の製造方法は、難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することにより、該難水溶性医薬化合物の固体粒子を析出させることを特徴とする。
本明細書において「固体粒子」とは、結晶または非定型結晶を意味し、好ましくは、結晶である。結晶は、結晶形が単一であっても結晶形混合物であってもよい。結晶は、薬学的に許容される共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。
本明細書において「析出法」とは、過飽和を推進力とした非平衡状態での固体粒子化現象を利用した固体粒子の析出方法を意味し、好ましくは、晶析法である。
本明細書において「晶析法」とは、過飽和を推進力とした非平衡状態での結晶化現象を利用した結晶の析出方法を意味する。
本明細書において「貧溶媒添加析出法」とは、水等に不溶性の化合物を良溶媒に溶解させた後、化合物溶液に別の溶媒(水等)を混合することで、溶液を過飽和状態にして固体粒子を析出させる方法を意味し、好ましくは、貧溶媒添加晶析法である。
本明細書において「貧溶媒添加晶析法」とは、水等に不溶性の化合物を良溶媒に溶解させた後、化合物溶液に別の溶媒(水等)を混合することで、溶液を過飽和状態にして結晶を析出させる方法であることを意味する。
本明細書において「難水溶性」とは、25℃で水に対して15000ppm未満、好ましくは150ppm未満の溶解度を示すこと、または25℃で水に対する溶解度が15mg/mL未満、好ましくは0.05mg/mL未満であることを示す。従って、本明細書における「難水溶性」には水不溶性も含まれる。溶解度は常法に従って測定することができる(例えば、第16改正日本薬局方第37−40頁参照)。
難水溶性医薬化合物としては、以下の化合物またはその塩が挙げられる。
(1)解熱、鎮痛、抗炎症薬
サリチル酸、スルピリン、フルフェナム酸、ジクロフェナック、インドメタシン、アトロピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファイノール、ケトプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、オキシモルフォン、アスピリン、アミノピリン、フェナセチン、アセトアミノフェノン、フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、メフェナム酸、ブコローム、ベンジダミン、メピリゾール、チアラミド、チノリジン、キシロカイン、ペンタゾシン、デキサメタゾン、ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、アズレン、イソプロピルアンチピリン、サザピリン、クロフェゾン、エトドラッグまたはその塩など;
(2)精神安定薬
ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジアゼボキシドなど;
(3)抗精神病薬
クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、スルピリド、塩酸クロカプラミン、ゾテピン、ハロペリドールなど;
(4)抗菌薬
グリセオフルビン、ランカシジン類〔ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(J.Antibiotics),38,877−885(1985)〕、アゾール系化合物〔2−〔(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル〕−4−〔4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル−3−(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロン、フルコナゾール、イトラコナゾール等〕、ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリムなど;
(5)抗生物質
ゲンタマイシン、ジペカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トプラマイシン、アミカシン、ディベカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナム、アモキシリン、セファレキシン、エリスロマイシン、バカンピシン、ミノサイクリン、クロラムフェニコールまたはそれらの塩など;
(6)抗腫瘍薬
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラジノシド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチン、HER2阻害剤(WO 98/03505AおよびWO 01/77107A等に記載の複素環化合物等)、タキソール、塩酸ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、メスナ、ジメスナ、アミノグルテチミド、タモキシフェン、アクロライン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロフォスファミド、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)など;
(7)抗高脂血症薬
クロフィブラート、2−クロロ−3−〔4−(2−メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸エチル〔ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chem. Pharm. Bull),38,2792−2796(1990)〕、クリノフィブラート、コレスチラミン、ソイステロール、ニコチン酸トコフェロール、ニコモール、ニセリトロール、プロブコール、エラスターゼなど;
(8)鎮咳・去痰薬
エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカピン、コデイン、ジヒドロコデイン、アロクラマイド、クロルフェジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロテレノール、サルプタモール、テレプタリン、ブロムヘキシン、カルボシスティン、エチルシスティン、メチルシスティンまたはその塩など;
(9)筋弛緩薬
プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、バクロフェン、ダントロレンナトリウムなど;
(10)抗てんかん薬
フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロルジアゼポキシド、フェノバルビタール、カルバマゼピン、プリミドンなど;
(11)抗潰瘍薬
ランソプラゾール、メトクロプラミド、ファモチジン、オメプラゾール、スルピリド、トレピブトン、塩酸セトラキサート、ゲフェルナート、マレイン酸イルソグラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテートなど;
(12)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェネルジンなど;
(13)抗アレルギー薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、メトキシフェナミン、フマル酸クレマスチン、塩酸シプロヘプタジン、メキタジン、酒石酸アリメマジンなど;
(14)強心薬
トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、アミノフィリン、エチレフリンなど;
(15)不整脈治療薬
プロプラノロール、アルプレノロール、プフェトロール、オクスプレノロール、塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチンなど;
(16)血管拡張薬
オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、ニフェジピン、二硝酸イソソルビット、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、ベラパミル、塩酸ニカルジピン、酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネパシド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリンなど;
(17)降圧利尿薬
ヘキサメトニウムブロミド、ペントリニウム、メカミルアミン、エカラジン、クロニジン、ジルチアゼム、ニフェジピン、フロセミド、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、フロロチアジド、エタクリン酸など;
(18)糖尿病治療薬
グリミジン、グリプジド、フェンフォルミン、プフォルミン、メトフォルミン、グリベンクラミド、トルブタミドなど;
(19)抗結核薬
イソニアジド、エタンブトール、パラアミノサリチル酸など;
(20)麻薬拮抗薬
レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその塩など;
(21)ホルモン薬
ステロイドホルモン類、例えば、デキサメサゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ペタメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、エストリオールなど;
(22)骨・軟骨疾患予防・治療剤
プロスタグランジンA1誘導体、ビタミンD誘導体、ビタミンK誘導体、エイコサペンタエン酸誘導体、ベンジルホスホン酸、ビスホスホン酸誘導体、性ホルモン誘導体、フェノールスルフォフタレイン誘導体、ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体、チエノインダゾール誘導体、メナテトレノン誘導体、ヘリオキサンチン誘導体などの非ペプチド性骨形成促進作用物質、ペプチド性骨形成促進物質など;
(23)関節疾患治療剤
p38MAPキナーゼ阻害剤(WO 00/64894等に記載のチアゾール系化合物等)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、デキサベタメタゾン、ベタメタゾン等の抗炎症ステロイド剤、インドメタシン、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ピロキシカム、スリンダク等の非ステロイド性消炎鎮痛剤など;
(24)頻尿治療剤
塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジンなど;
(25)抗アンドロゲン剤
オキセンドロン、アリルエストレノール、酢酸クロルマジノン、カプロン酸ゲストノロン、酢酸オサプロン、フルタミド、ビカルタミドなど;
(26)脂溶性ビタミン薬
ビタミンK類(ビタミンK、K、KおよびK)、葉酸(ビタミンM)など;
(27)ビタミン誘導体
ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6−トランス−コレカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロールなどのビタミンD誘導体、5,6−トランス−エルゴカルシフェロール等のビタミンD誘導体など;
(28)抗セプシス・抗セプティックショック薬
Toll様受容体(TLR)シグナル阻害剤(WO 99/46242、WO 01/10826)、例えば、エチル (6R)−6−[(2−クロロ−4−フルオロアニリノ)スルホニル]−1−シクロヘキセン−1−カルボキシラート(d−エチル 6−[N−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルファモイル]−1−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(レサトルビド)、エチル (3S)−3−[N−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルファモイル]−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシラートなど;
(29)その他
ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセロゴリン、プロスタグランジン類など;
さらに、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、アルツハイマー病治療薬、骨粗鬆症治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、緑内障治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬関節炎治療薬、抗リウマチ薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、双極性障害治療薬、肥満治療薬、ホルモン性疾患治療薬などの公知の医薬化合物も、上記「難水溶性」の定義を充足する限り、本発明において用いられ得る。
上記した化合物の塩としては、薬理学的に許容し得る塩、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ならびにアルミニウム、アンモニウムなどとの塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本明細書における難水溶性医薬化合物としては、生理活性を有するペプチドであってもよい。
本明細書における難水溶性医薬化合物としては、分子量200〜1000を有するものが好ましい。
本発明において使用される「良溶媒」は、所定の難水溶性医薬化合物に対して溶解度の大きい溶媒であれば特に制限はないが、例えば、25℃において難水溶性医薬化合物が150000ppm以上の溶解度を示す溶媒、または25℃において難水溶性医薬化合物が150mg/mL以上の溶解度を示す溶媒を用いることができる。具体的には、難水溶性医薬化合物の種類により異なるが、例えば、有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、リン酸、酢酸、ベンジルアルコールなど、これらは1種または2種以上を併用してもよい)、これら1種または2種以上の有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられる。工業的に用いられている貧溶媒添加析出法(好ましくは貧溶媒添加晶析法)では、固液分離により析出した固体粒子(好ましくは結晶)を回収した後の混合溶媒を更に液液分離して有機溶媒を再利用するプロセスが採用されているが、当該プロセスを蒸留などにより行なうとエネルギーコスト的に不利であるため、低温では水と相互溶解するが、高温になると相互溶解せず二相分離する有機溶媒、例えば、ジイソプロピルアミン(DiPA)、N,N−ジメチルイソプロピルアミン(DMiPA)等を、良溶媒として用いることもできる。
固体粒子の析出(好ましくは晶析)工程に付すべき難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液の濃度は、固体粒子の析出(好ましくは晶析)時の温度における難水溶性医薬化合物の溶解度曲線を、難水溶性医薬化合物−良溶媒−水の三成分相図上に表現し、良溶媒と、貧溶媒としてのナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合したときの見かけの濃度が過飽和領域にあれば、特に制限されない。
次に、難水溶性医薬化合物が溶解した良溶媒と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することにより固体粒子の析出(好ましくは晶析)を行う。
本明細書において「ナノバブル水」とは、1μm以下の直径を有する気体粒子(ナノバブル)が安定に存在する水を意味する。ナノバブルの直径(ナノバブル径)は、好ましくは800nm以下であり、より好ましくは500nm以下である。ナノバブル径の下限に特に制限はないが、例えば、1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上である。また、ナノバブルの平均径は500nm以下、好ましくは1〜500nmの範囲で適宜設定することができるが、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜150nmの範囲で適宜設定される。本明細書において、平均径とは、分布の最頻値に対応する粒子径(モード径)を意味する。
ナノバブルのサイズは均一であることが望ましく、ナノバブル径分布の小径側から累積10%及び累積90%に相当するナノバブル径をそれぞれd10及びd90としたときのd90/d10比は、5以下であることが好ましく4.5以下であることがより好ましい。
ナノバブル径及びその分布は、ブラウン運動に基づくレーザー光の散乱を利用した方法(例、ナノサイト社、LM20など)、電気抵抗変化に基づく方法(例、ベックマン・コールター社、Multisizer4など)、レーザー回折散乱法に基づく方法(例、島津製作所、SALD−7100Hなど)、ミー散乱を利用した方法(例、日本電色工業、NP−500Tなど)等を用いて測定することができるが、本発明に用いられるナノバブル水またはナノバブル水溶液のナノバブル径及びその分布は、ナノサイト社、LM20を用いたレーザ光散乱を利用したトラッキング法(追尾法)を用いて測定されたもの、或いはそれに準じて測定されたものが使用される。
ナノバブル水に含有されるナノバブルの密度は、貧溶媒添加晶析において、ナノバブルを含まない通常の水を貧溶媒として用いた場合に比べて、有意に、より微粒でかつ均一な粒径分布を有する難水溶性医薬化合物の固体粒子を析出し得る限り、特に制限はないが、例えば、10個/mL以上、好ましくは10個/mL以上、より好ましくは10個/mL以上であることが望ましい。ナノバブル密度の上限も特に制限されないが、一般的なナノバブル発生装置で製造可能な程度(例えば、10個/mL以下)であってよい。ナノバブル密度も、上記ナノバブル径の測定装置を用いて測定することができる。
ナノバブルが「安定に存在する」とは、貧溶媒添加析出法(好ましくは、貧溶媒添加晶析法)において、難水溶性医薬化合物の固体粒子が析出するのに十分な時間、上記のナノバブル密度条件を維持した状態で水中に存在することを意味する。一般的なナノバブル発生装置で製造されるナノバブル水またはナノバブル水溶液では、ナノバブルの半減期は数日ないし数か月である。
ナノバブルを構成する気体としては、例えば、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等、または酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等から選ばれる1または2以上の気体の混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。混合物としては、例えば、大気中の気体(例、空気)等が挙げられるが、これらに限定されない。ナノバブル内は、真空であってもよい。
本明細書において、「真空」とは通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態を意味する。
一方、ナノバブルを含有させる「水」としては、特に制限はなく、例えば水道水、脱イオン水、蒸留水、滅菌蒸留水、注射用精製水、超純水等を用いることができるが、目的の難水溶性医薬化合物が医薬化合物である場合、医薬上許容される「水」を用いることが望ましい。
また、本明細書における「水溶液」は、水に、通常の貧溶媒添加析出法 (好ましくは、貧溶媒添加晶析法)において貧溶媒中に添加して使用され得る任意の添加剤をさらに含有する水溶液のことをいう。そのような添加剤としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤等が挙げられる。好適な例としては下記の薬理学的に許容し得る担体と同様のものが挙げられる。
上記した添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。添加剤として、好ましくは、界面活性剤(好ましくは、ポリソルベート80など)、懸濁化剤、安定化剤、分散剤、等張化剤等から選ればれる1または2以上の添加剤が挙げられる。
また、本明細書における「ナノバブル水溶液」は、ナノバブル水に、通常の貧溶媒添加析出法 (好ましくは、貧溶媒添加晶析法)において貧溶媒中に添加して使用され得る任意の添加剤をさらに含有する水溶液のことをいう。そのような添加剤としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤等が挙げられる。好適な例としては下記の薬理学的に許容し得る担体と同様のものが挙げられる。
上記した添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。添加剤として、好ましくは、界面活性剤(好ましくは、ポリソルベート80など)、懸濁化剤、安定化剤、分散剤、等張化剤等から選ればれる1または2以上の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、ナノバブルの生成及び/又は安定性に影響を与えない限り、予め水に溶解して直接ナノバブル水溶液として調製することもできるが、まず添加剤を含まない水中にナノバブルを生成させてナノバブル水として後、用時添加剤を溶解してナノバブル水溶液としてもよい。
ナノバブル水の製造方法としては、マイクロバブル(1〜60μm程度の直径を有する気体粒子)とナノバブルとを水中に同時発生させた後、マイクロバブルを浮上分離させてナノバブルのみを残留させる方法と、ナノバブルを直接生成させる方法とに大別されるが、現状では前者が主流である。前者の方法としては、気体を高速旋回で破砕してマイクロバブルを多数発生させ、マイクロバブルを浮上分離してナノバブルを水中に残留させる高速旋回液流式、気体を加圧して過飽和で溶解させた液を急速減圧してマイクロバブルとナノバブルを析出させ、マイクロバブルを浮上分離してナノバブルを水中に残留させる加圧溶解式などがある。
マイクロバブルを構成する気体としては、例えば、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、または酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等から選ばれる1または2以上の気体の混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。混合物としては、例えば、大気中の気体(例、空気)等が挙げられるが、これらに限定されない。マイクロバブル内は、真空であってもよい。
ナノバブル水の製造方法は、好ましくは、加圧溶解式である。例えば、加圧ポンプにより0.2〜0.5MPa程度に加圧された加圧容器内で気体を強制的に溶解させた後、ノズルを通して水中にフラッシュ操作すると、減圧され過飽和となった気体が排水中にマイクロバブルまたはナノバブルとなり放出され、白濁したマイクロバブル水およびナノバブル水の混合物が生成される。その後通気を停止し静置することでマイクロバブルを自然浮上離脱させると、ナノバブルのみが残留した澄明なナノバブル水が生成される。従って、加圧溶解式は、加圧溶解−減圧による析出の2段階の過程を経て、二次的に気体泡を発生させる点で、作動流体中に吸引した気体を直接的に気体泡として生成する他の方式とは異なる。
ナノバブル発生装置としては、例えば、加圧溶解式のIDEC社製nanoGALFTM、オーラテック社製OM4−MD5−045、ニクニ社製マイクロバブルジェネレータなどや、高速旋回液流式のバイ・クリーン社製YJ、アクアエアー社製マイクロバブル発生装置、ローヤル電機社製マイクロブレードなどが挙げられる。ナノバブル発生装置は、好ましくは、加圧溶解式のIDEC社製nanoGALFTMである。
固体粒子の析出は、例えば10〜60℃、好ましくは15〜40℃で行うことができる。
晶析は、例えば10〜60℃、好ましくは15〜40℃で行うことができる。
目的化合物の種類に応じて、濾過性、分離性に優れた結晶を得、かつ結晶の凝集やスケーリングを抑制するといった観点から、ナノバブル水またはナノバブル水溶液を添加する前に、結晶を起晶させ、起晶した結晶を熟成させる工程を行うこともできる。
起晶の方法は特に限定されず、例えば、(i)水を加える方法、(ii)種結晶を添加する方法、(iii) 溶液の温度を冷却する方法などが挙げられる。これらの方法は任意に組み合わせることもできる。例えば、前記(i)および(ii)を組み合わせた場合、種結晶は水と同時かまたはその後添加することができる。
(i)における水の添加量は、難水溶性医薬化合物の結晶が起晶する程度であればよい。なお、(i)において添加する水の温度は、特に限定されないが晶析を行う温度と同程度の温度としておくのが好ましい。
(ii)における種結晶の添加量は、適宜決定でき、通常溶液中に存在する目的化合物に対して、0.01%〜3%程度が好ましい。起晶後に行う熟成は、攪拌下に行うのが好ましい。熟成させる時間は特に限定されないが、例えば10分〜24時間程度、好ましくは30分〜2時間程度とすることができる。
アモルファスも上記方法に準じて、ナノバブル水またはナノバブル水溶液を添加する前に、結晶を起晶させ、起晶した結晶を熟成させる工程を行うこともできる。
難水溶性医薬化合物溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液との混合は、前者への後者の添加、あるいは後者への前者の添加によって行うことができるが、いずれの場合も、固体粒子(好ましくは結晶)の凝集やスケーリングの発生などを生じにくくするため、難水溶性医薬化合物溶液、またはナノバブル水もしくはナノバブル水溶液を適宜撹拌しながら行うのが好ましい。撹拌条件は、このような問題が生じない範囲で当業者が適宜容易に設定することができる。
結晶化の際の攪拌速度は、例えば、10〜50000rpmの範囲内である。
難水溶性医薬化合物溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液との混合比は、難水溶性医薬化合物の濃度、固体粒子の析出(好ましくは、晶析)温度等の条件によっても異なり、特に制限されないが、固体粒子の析出(好ましくは、晶析)開始時の良溶媒に対して体積比で通常0.1〜400程度、好ましくは0.5〜200程度である。化合物溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液との混合速度(化合物溶液、ナノバブル水、またはナノバブル水溶液の添加速度)も特に限定されず、通常1分〜5時間程度で徐々に添加すればよい。当業者は各種条件に応じて適宜好ましい混合比及び混合速度等を容易に設定することができる。
析出した難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、常法により固液分離を行うことにより回収することができる。必要に応じて、水もしくは水とアルコールとの混合液などを用いて洗浄し、真空乾燥等により乾燥させることができる。
本発明は、貧溶媒添加析出法(好ましくは、貧溶媒添加晶析法)において貧溶媒としてナノバブルを含有する溶媒を使用することにより、ナノバブルを含まない同一溶媒を用いた場合に比べて、より微粒でかつ均一な粒径分布を有する目的化合物の固体粒子(好ましくは結晶)を得ることができることを特徴とする。本明細書では、目的化合物が医薬化合物である場合を中心に記載しているので、難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することによる難水溶性医薬化合物結晶の製造方法について詳細に説明しているが、同様に、易水溶性化合物についても、当該化合物の良溶媒(例えば、水)溶液と、ナノバブルを含有する貧溶媒(例えば、水と混和しかつ目的化合物を溶解しにくい有機溶媒)とを混合することにより、易水溶性化合物の微粒かつ均一な固体粒子(好ましくは結晶)を製造することもできる。また、装置としては、混合晶析出装置や高圧晶析装置(PureNano等)等が挙げられる。
また、本発明は、上記貧溶媒添加析出法(好ましくは、貧溶媒添加晶析法)に加えて、所望により一般的に使用される粉砕機を用いて粉砕してもよい。粉砕機としては、例えば、乳鉢、メカノミル、ジェットミル、ボールミルや、Wet-Milling装置等が挙げられる。
使用する装置としては、他にホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(Microfluidizer等)、スターバースト等が挙げられる。
上記のようにして得られた難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、通常の水を貧溶媒として析出した固体粒子(好ましくは結晶)と比較して、微粒でかつ均一な粒径分布を有する点で新規である。具体的には、本発明の難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、析出後に微粒子化処理がなされていない状態で、各固体粒子(好ましくは結晶)の最大長さ(最も長い部分の長さ)の平均が1500μm以下であり、全固体粒子(好ましくは結晶)の90%以上が最大長さ1500μm以下である。
上記のようにして得られた難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、通常の水を貧溶媒として析出した固体粒子(好ましくは結晶)と比較して、安定な分散性を有する点で新規である。具体的には、本発明の難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、分散状態での安定性の指標であるゼータ電位の絶対値が、20mV以上である。また、本発明の難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)は、溶解性の指標である沈降速度が、50cm/min以下である。
本明細書において、難水溶性医薬化合物の固体粒子の「ゼータ電位」とは、難水溶性医薬化合物を懸濁剤として製剤化する際に使用される分散媒のpHにおいて、分散媒中に分散された該化合物の固体粒子とともに移動する液層の表面(滑り面)と、固体粒子から十分に離れて電気的に中性である領域との電位差をいう。
溶液に対して一定の電圧Eをかけた場合、ゼータ電位ζと、滑り面の運動の相対速度vとの間には、ζ=ηv/εE(η:分散媒の粘度,ε:分散媒の誘電率)の関係が成り立つので、滑り面の運動の相対速度vを計測することにより、ゼータ電位を測定することができる。具体的なゼータ電位の測定方法としては、電気泳動法が主流である。両端に電極を埋め込んだ石英セルに電場Eを与えると、粒子は、逆の極性をもつ電極の方に移動する。この移動速度(泳動速度)は、粒子の荷電状態に比例する。移動速度を、顕微鏡下でストップウォッチにより直接計測したり、あるいはレーザー光を照射し、分散粒子の結像を対物レンズにより回折格子面に投影させることによって測定し、単位電場当たりの移動速度(電気泳動移動度)v/Eを求め、上式に代入してゼータ電位に換算する。ドップラー効果でシフトした周波数(ドップラー周波数)を解析する方法を用いれば、ゼータ電位の分布に関する情報を得ることもできる。レーザー・ドップラー法を用いたゼータ電位測定機器として、例えば、Malvern社製ゼータタイザーナノを用いることができる。
本明細書において、「沈降速度」とは、粒子が、容器に沈降する速度である。
沈降速度は、メスシリンダーを用い、時間ごとの粒子沈降厚さを測定し、計算式で算出する(第39回地盤工学研究発表会講演集第2247−2248頁(公益社団法人 地盤工学会,2004年6月発行)を参照)。即ち、難水溶性医薬化合物の固体粒子を分散媒に懸濁させ、該懸濁液をメスシリンダーに投入し、フィルムで蓋をして上下に十分浸とうする。メスシリンダーを静置後、所定の時間ごとに固液界面に相当する箇所のメスシリンダーの目盛を読み、その結果から沈降量(液面から固液界面までの距離)と時間との関係を表す沈降曲線を作成する。該沈降曲線の初期接線の傾きを沈降速度として求める。
上記のように、本発明の貧溶媒添加析出法(好ましくは貧溶媒添加晶析法)は、目的化合物の固体粒子(好ましくは結晶)の品質の高度制御(例、微粒化、均一化)を可能にするので、本発明における難水溶性医薬化合物の析出した固体粒子(好ましくは結晶)は、水性液剤(懸濁剤)として製剤化する際に、水性溶媒に懸濁しやすく、溶媒に懸濁化剤等を添加しなくとも容易に均一に分散され得る。特に、注射剤として調製する場合には、微粒化により、注射針を細くすることができ、注射の際の患者の負担を軽減することができる。さらに、難水溶性医薬化合物の動物における投与部位からの吸収性を増大させることもできる。
上記の利点に加えて、本発明における難水溶性医薬化合物の析出した固体粒子(好ましくは結晶)は、ナノバブル水またはナノバブル水溶液の使用により、通常の水を貧溶媒として析出した固体粒子(好ましくは結晶)とは、固体粒子(好ましくは結晶)の形及び/又は表面電荷が異なる場合があり得る。また、ナノバブル水またはナノバブル水溶液ではフリーラジカルが発生しているため、その影響で、通常の水またはその水溶液を貧溶媒として析出した結晶とは異なる物性が付与され得る。これらの点からも、本発明における難水溶性医薬化合物の析出した固体粒子(好ましくは結晶)は、通常の水を貧溶媒として析出した公知固体粒子(好ましくは結晶)とは異なる、新規な固体粒子(好ましくは結晶)である。
本発明における難水溶性医薬化合物の固体粒子(好ましくは結晶)が医薬化合物である場合、そのまま、または薬理学的に許容し得る担体等と混合して医薬組成物とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル)に対して、後述する各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
ここにおいて、薬理学的に許容し得る担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖が挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸が挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩等が挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号等の食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ)が挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアが挙げられる。
前記医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム)等の経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤、脳内投与注射剤、脳脊髄液内投与注射剤、眼内投与注射剤)、外用剤(例、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤が挙げられる。
これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的(例、局所投与、直腸投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経鼻投与、膣内投与、脳内投与、脳脊髄液内投与、点眼投与、眼内投与)に安全に投与できる。
これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤等の放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル)であってもよい。
医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方第16改正に記載の方法等により製造することができる。
なお、医薬組成物中の本発明化合物の含量は、剤形、本発明化合物の投与量等により異なるが、例えば、約0.1〜100重量%である。
経口剤を製造する際には、必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティングを行ってもよい。
コーティングに用いられるコーティング基剤としては、例えば、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤が挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウ等から選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)〕、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;プルラン等の多糖類が挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)〕等のアクリル酸系高分子;セラック等の天然物が挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロース等のセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)〕、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)〕等のアクリル酸系高分子が挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
pH調整剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどが挙げられる。
安定化剤としては、例えばトコフェロール、エデト酸四ナトリウム、ニコチン酸アミド、シクロデキストリン類などが挙げられる。
酸味料としては、例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
香料としては、例えばメントール、ハッカ油、レモン油、バニリンなどが挙げられる。
流動化剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。ここで、軽質無水ケイ酸は、含水二酸化ケイ素(SiO2・nH2O)(nは整数を示す)を主成分とするものであればよく、その具体例として、例えばサイリシア320(商品名、富士シリシア化学(株))、アエロジル200(商品名、日本アエロジル(株))等が挙げられる。
上記した添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はいかなる意味においてもこれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、難水溶性医薬化合物として、エチル (6R)−6−[(2−クロロ−4−フルオロアニリノ)スルホニル]−1−シクロヘキセン−1−カルボキシラート(d−エチル 6−[N−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルファモイル]−1−シクロヘキセン−1−カルボキシラート)(レサトルビド)を用いた。レサトルビドは、WO 99/46242に記載の方法により製造した。
また、ナノバブル水は、IDEC社製ナノバブル発生装置(nanoGALFTMFZ1N−02)を用いて、以下の設定により調製した。
・気泡水流量 約4.0L/min
・溶解圧力 300Kpa±5%
上記方法によりナノバルブ水を製造した場合には、ナノサイト社、LM20を用いたレーザ光散乱を利用したトラッキング法(追尾法)を用いて測定した場合に直径100nmをモード径にもつナノバルブが1億個/mL以上の数密度で存在するナノバルブ水が安定的に製造されることが知られている。また、このようにして得られるナノバルブ水は、ナノバブルの総粒子数や粒子サイズが製造後3日間は大きな変化が無く、ナノバブルが水中に安定に存在していることも知られている(2011年日本近混相流学会年会講演会、前田重雄ら、「nanoGALF技術による直径100nmのナノバブルの高密度・安定製造」を参照)。
比較例1 注射用水を貧溶媒とした晶析によるレサトルビド結晶の製造
レサトルビド10mgをメタノール0.5mLに溶解し、レサトルビドのメタノール溶液を調製した。該溶液を、600rpmで攪拌している注射用水5mLに滴下して、レサトルビドの結晶を析出させた。結晶を回収し、50℃で24時間真空乾燥した。得られた結晶をマイクロスコープで観察した。結果を図1に示す。
実施例1 ナノバブル水を貧溶媒とした晶析によるレサトルビド結晶の製造
注射用水の代わりに、上記条件でナノバブルを生成させた注射用水を用いる以外は比較例1と同様にして、レサトルビドの結晶を得た。得られた結晶をマイクロスコープで観察した。結果を図2に示す。
図1と図2の対比からもわかるように、ナノバブル水を用いることで、通常の注射用水を用いた場合に比べて、各結晶粒子の最大長さの平均値が小さい結晶が得られた。
比較例2 ポリソルベート80水溶液を貧溶媒とした晶析によるレサトルビド結晶の製造
レサトルビド10mgをメタノール0.5mLに溶解し、レサトルビドのメタノール溶液を調製した。また、ポリソルベート80 2mgを注射用水10mLに溶解し、ポリソルベート80水溶液を調製した。前記レサトルビド溶液0.5mLを、600rpmで攪拌している注射用水10mLに滴下して、レサトルビドの結晶を析出させた。結晶を回収し、50℃で24時間真空乾燥した。得られた結晶をマイクロスコープで観察した。
実施例2 ポリソルベート80ナノバブル水溶液を貧溶媒とした晶析によるレサトルビド結晶の製造
注射用水の代わりに、上記条件でナノバブルを生成させた注射用水を用いる以外は比較例2と同様にして、レサトルビドの結晶を得た。得られた結晶をマイクロスコープで観察した。
ナノバブル水溶液を用いることで、通常のポリソルベート80水溶液を用いた場合に比べて、各結晶粒子の最大長さの平均値が小さい結晶が得られた。
貧溶媒添加晶析法は、常温で操作できるため、目的物の熱変性を避けることができ、エネルギーコストも低く抑えることができる上、目的物の収率も向上させ得るとの利点がある反面、結晶品質の制御技術が未成熟なため、医薬品製造への適用が制限されていた。本発明により、貧溶媒添加晶析における結晶品質の高度制御が可能となるので、貧溶媒添加晶析法を、医薬品製造におけるより汎用的な技術として活用することができる。
本出願は、日本で出願された特願2012−212264を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
本発明がその好ましい態様を参照して提示又は記載される一方、本明細書中において、添付の請求の範囲で包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態や詳細の様々な変更をなし得ることは当業者に理解されるであろう。本明細書中に示され又は参照されたすべての特許、特許公報及びその他の刊行物は、参照によりその全体が取り込まれる。

Claims (5)

  1. 難水溶性医薬化合物の良溶媒溶液と、ナノバブル水またはナノバブル水溶液とを混合することにより、該難水溶性医薬化合物の固体粒子を析出させることを特徴とする、該難水溶性医薬化合物の固体粒子の製造方法。
  2. ナノバブル水またはナノバブル水溶液が平均径500nm以下の気体泡を含有する、請求項1記載の方法。
  3. 難水溶性医薬化合物が、25℃で水に対して15000ppm未満の溶解度を示すものである、請求項1記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により得られる、難水溶性医薬化合物の固体粒子。
  5. 請求項4の固体粒子を含む、医薬組成物。
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