JPWO2014034249A1 - モード変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ファイバ(マルチモードファイバ、フューモードファイバ、マルチコアファイバ)の固有高次モードに対応し、LP21の光強度分布に類似する光を出力することができるモード変換素子を提供するものである。モード変換素子100は、2個の入力ポート及び1個の出力ポートを有し、コア層12の膜厚dが1次モード光を許容する厚みである2×1型MMI導波路1と、MMI導波路1の各入力ポートに一端がそれぞれ接続される2本の入力導波路2と、MMI導波路1の出力ポートに一端が接続される1本の出力導波路3と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、多モード光干渉導波路を備えるモード変換素子に関する。
近年の情報通信量の増大を背景に、将来の大容量化手段の一つとして、モード多重伝送技術が注目されている。
本願発明者は、モード多重伝送システムのキーデバイスの一つであるモード変換器についての基礎検討を行ない、多モード光干渉導波路に基づくモード変換器の設計を検討し、波長分割多重通信(WDM:Wavelength Division Multiplex)で利用する光信号の波長を指す総称であるCバンド(波長の帯域:1530nm〜1570nm)全域で、ほぼ無損失で0次モード光と1次モード光とを互いに変換できることを確認した(例えば、非特許文献1参照)。
ZHAO Zhao他、「マルチモード多重伝送用モードコンバーターの基礎検討」、電子情報通信学会大会講演論文集、Vol.2012、エレクトロニクス1、Page151、2012.03.06
従来のモード変換器は、入力導波路から位相が互いにπずれた2つの0次モード光を入射すると1次モード光として結像し、光ファイバの伝搬モードの一つであるLP11の光強度分布(電磁界分布及び位相関係)に類似する光(以下、「擬似LP11」と称す。図3(c)参照)を出力することができる。
しかしながら、従来のモード変換器は、光ファイバの他の伝搬モードであるLP21の光強度分布(電磁界分布及び位相関係)に類似する光(以下、「擬似LP21」と称す。図3(b)参照)を出力することができるものではなく、光ファイバの垂直方向への光強度分布による更なる大容量化の余地を残すものである。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、光ファイバ(マルチモードファイバ、フューモードファイバ、マルチコアファイバ)の固有高次モードに対応し、LP21の光強度分布に類似する光(擬似LP21)である高次モードを出力することができるモード変換素子を提供するものである。
本発明に係るモード変換素子においては、N個(Nは2以上の整数)の入力ポート及び1個の出力ポートを有し、コア層の膜厚が高次モード光を許容する厚みであるN×1型多モード光干渉導波路と、N×1型多モード光干渉導波路の各入力ポートに一端がそれぞれ接続されるN本の入力導波路と、N×1型多モード光干渉導波路の出力ポートに一端が接続される1本の出力導波路と、を備えるものである。
本発明に係るモード変換素子においては、M次モード光(MはM≧1を満たす整数)を高次モードに変換して、LP21の光強度分布に類似する光(擬似LP21)を出力することができ、光ファイバ(マルチモードファイバ、フューモードファイバ、マルチコアファイバ)の固有高次モードによる伝送容量の増加を図ることができる。
(a)は第1の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図1(a)に示すモード変換素子の矢視A−A’線の断面図であり、(c)は図1(a)に示すモード変換素子の矢視B−B’線の断面図であり、(d)は図1(a)に示すモード変換素子の矢視C−C’線の断面図である。 第1の実施形態に係るモード変換素子の製造方法を説明する説明図であり、(a)は図1(c)に示すモード変換素子の矢視B−B’線の断面図に対応するSOI基板上にSiO膜を堆積した状態の断面図であり、(b)は図1(c)に示すモード変換素子の矢視B−B’線の断面図に対応するマスクを形成した状態の断面図であり、(c)は図1(c)に示すモード変換素子の矢視B−B’線の断面図に対応するエッチングによりハイメサ構造を形成した状態の断面図である。 (a)は図1(a)に示すモード変換素子におけるビーム伝搬法(beam propagation method:BPM)シミュレーションによる1次モード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図であり、(b)は図1(a)に示す出力導波路の出射面におけるBPMシミュレーションによる擬似LP21の光強度分布を示す説明図であり、(b)は従来のモード変換器の出力導波路の出射面におけるBPMシミュレーションによる擬似LP11の光強度分布を示す説明図である。 (a)は0次モード光又は1次モード光を入射した場合における図1(a)に示すモード変換素子による変換効率のTEモードの波長依存性を示す透過スペクトルであり、(b)は0次モード光又は1次モード光を入射した場合における図1(a)に示すモード変換素子による変換効率のTMモードの波長依存性を示す透過スペクトルである。 (a)は第2の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図5(a)に示す入力導波路における屈折率変化手段の拡大図であり、(c)は図5(b)に示す屈折率変化手段の矢視D−D’線の断面図であり、(d)は図5(a)に示すモード変換素子の矢視E−E’線の断面図である。 (a)は第3の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図6(a)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図であり、(c)は図6(a)に示すモード変換素子の矢視G−G’線の断面図である。 第3の実施形態に係るモード変換素子の製造方法を説明する説明図であり、(a)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するSOI基板の断面図であり、(b)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第1のマスクを形成した状態の断面図であり、(c)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するエッチングによりストリップ構造を形成した状態の断面図であり、(d)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第1のマスクを除去した状態の断面図であり、(e)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第2のマスクを形成した状態の断面図であり、(f)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するエッチングによりコア層に段差を形成した状態の断面図である。 (a)は第3の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す斜視図であり、(b)は図8(b)に示す高次モード変換器のコア層を説明するための断面図であり、(c)は図8(b)に示す高次モード変換器におけるBPMシミュレーションによる0次モード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図である。 (a)は図6(a)に示すモード変換素子におけるBPMシミュレーションによるモード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図であり、(b)は図6(a)に示す補助導波路におけるBPMシミュレーションによる2つの基本モードの様子(光フィールド)を示す説明図であり、(c)は図6(a)に示す入力導波路におけるBPMシミュレーションによる2つの垂直方向1次モードの様子(光フィールド)を示す説明図であり、(d)は図6(a)に示す出力導波路の出射面におけるBPMシミュレーションによる擬似LP21の光強度分布を示す説明図である。 図6(a)に示すモード変換素子による擬似LP11の過剰損失の波長依存性を示すグラフである。 (a)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合の一例を示す斜視図であり、(b)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合の他の例を示す斜視図であり、(c)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合のさらに他の例を示す斜視図であり、(d)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅及び膜厚を異ならせた場合の一例を示す斜視図であり、(e)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅及び膜厚を異ならせた場合の他の例を示す斜視図である。 (a)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の他の例を示す平面図である。 (a)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す斜視図であり、(b)は図13(a)に示すMMI導波路の導波路長及び導波路幅の理論式を説明するための説明図であり、(c)は図12(a)に示すモード変換素子におけるBPMシミュレーションによるモード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係るモード変換素子100は、図1(a)に示すように、2入力かつ1出力型である2×1型多モード光干渉(Multimode Interference:MMI)導波路(以下、「MMI導波路」と称す)1と、MMI導波路1の入力側の各ポート(以下、「入力ポート」と称す)に一端がそれぞれ接続され他端を入射面とする2本の入力導波路2と、MMI導波路1の出力側のポート(以下、「出力ポート」と称す)に一端が接続され他端を出射面とする1本の出力導波路3と、が基板10上に集積されている。また、入力導波路2及び出力導波路3は、基板10の水平面で考えるとシングルモード導波路であるが、基板10に対して光の導波方向の垂直面で考えるとMMI導波路である。
なお、本実施形態に係るMMI導波路1は、光の導波方向に沿った導波路の長さ(以下、「導波路長LMMI」と称す)が80μmであり、導波路幅WMMIが6μmである、略矩形状の干渉領域を有する。
また、本実施形態に係る各入力導波路2は、導波路長が50μm程度であり、導波路幅Waが1μmである直線導波路である。
また、本実施形態に係る出力導波路3は、導波路長が50μm程度であり、導波路幅Wbが2μmである直線導波路である。また、本実施形態に係る出力導波路3は、MMI導波路1の出力側の辺に対して略中央に接続されている。
なお、本実施形態に係るMMI導波路1、入力導波路2及び出力導波路3は、層構造が同一であり、ハイメサ導波路である。また、これらの断面構造は、図1(b)、図1(c)及び図1(d)に示すように、Si基板を基材とする基板10上に、SiOからなる第1のクラッド層11、Siからなるコア層12、及びSiOからなる第2のクラッド層13が、それぞれ積層されたハイメサ構造である。また、ハイメサ構造に対しては、SiOや低誘電率有機膜であるBCB(benzocyclobutene:ベンゾシクロブテン)を非導波領域に埋め込み、埋め込み層14が形成される。
本実施形態においては、第1のクラッド層11の膜厚は1μm程度であり、コア層12の膜厚は1μmであり、第2のクラッド層13の膜厚は1μm程度である。
なお、本発明の特徴であるコア層12の膜厚dは、垂直方向の1次モード光を許容する(1次モードカットオフ層厚より厚い)厚みであれば、1μmに限られるものではなく、理論上は、1次モード光をコア層12内に閉じ込めることができない(1次モード光がコア層12から放射する)厚みが0.29μm以下であるために、コア層12の膜厚dを0.29μmより厚くすればよい。
また、本実施形態においては、少なくとも1次モード光を許容させるために、コア層12の膜厚dを0.29μmより厚くしているが、2次以上の高次モード光を許容するには、その高次モード光を許容する厚みに応じて、コア層12の膜厚dを設定すればよい。
特に、コア層12の膜厚dは、モード変換素子100の製造時間及びコスト等の実用面を考慮すると、0.6μm以上であり、3μm以下であることが好ましい。
また、光ファイバを接続する出力導波路3は、コア層12の縦横の比率(コア層12の膜厚d及び導波路幅Wb)が同一である対称的な矩形の断面形状にすることにより、出力導波路3から出射する光の分布を均一にすることができ、光ファイバのコアに効率よく入射することができる。
また、本実施形態に係るモード変換素子100の層構造は、光導波路の材料系として、SiO/Si/SiO構造としているが、この材料系に限定するものではなく、例えば、InP系半導体材料であってもよいし、LiNbO系材料であっても適用可能である。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、MMI導波路1、入力導波路2及び出力導波路3をハイメサ導波路とし、埋め込み構造としているが、層構造を限定するものではなく、リッジ構造やハイメサ構造であっても適用可能である。
つぎに、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法を説明する。
まず、通常のSOI(Siliconon Insulator)基板20上に、熱CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を用いて、SiO膜30を堆積する(図2(a))。
そして、ステッパ(縮小投影露光装置)によるフォトリソグラフィ法を用いて、図1(a)に示す、MMI導波路1、入力導波路2及び出力導波路3の平面形状に合わせて、エッチング用のマスク40を形成する(図2(b))。
このマスク40を用いて、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)法によりドライエッチングを施して、第2のクラッド層13となるSiO膜30、コア層12となるSOI基板20のSi層、及び第1のクラッド層11となるSOI基板20のSiO層における不要な部分を除去し、断面形状としてハイメサ構造を形成する(図2(c))。なお、図2(c)においては、エッチングの進行が、SOI基板20の基板10の表面まで達して一部が除去されており、基板10にエッチング底面10cを図示している。
その後、熱CVD法を用いて、エッチングで除去した部分にSiO膜30を堆積して埋め込み層14を形成し、第2のクラッド層13の直上にあるマスク40を、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図1(c))。
そして、複数のモード変換素子100素子が形成された基板10に対して、モード変換素子100素子間の境界に沿って劈開することで、図1に示す構造を有するモード変換素子100素子を得ることができる。この劈開により、モード変換素子100素子の後方端面(基板10の一端面10a、入力導波路2の入射面)及び前方端面(基板10の他端面10b、出力導波路3の出射面)がそれぞれ形成される。
最後に、前方端面及び後方端面に反射防止膜をそれぞれ形成して、モード変換素子100素子の製造を終了する。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法においては、フォトリソグラフィ法にステッパを用いているが、必ずしもこれに限られるわけではなく、例えば、電子ビーム露光装置であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、SiO膜30及び埋め込み層14の形成に熱CVD法を用いているが、例えば、プラズマCVD法であっても、スパッタ法であっても適用可能である。
また、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法においては、ハイメサ構造の製造工程をICP法に限られるものではなく、例えば、NLD(magnetic neutral loop discharge)法、もしくはRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法であっても適用可能である。
さらに、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法においては、エッチングの進行を基板10にまで到達させたハイメサ構造としているが、必ずしも基板10にまでエッチングを施す必要はなく、コア層12となるSOI基板20のSi層がエッチングされていればよく、例えば、メサ構造であってもよい。
また、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法においては、モード変換素子100素子の後方端面及び前方端面の形成は、必ずしも劈開である必要はなく、例えば、モード変換素子100素子を切り出した後に研磨してもよいし、切り出したモード変換素子100素子の後方端面及び前方端面に、コーティング等を施してもよい。
つぎに、本実施形態に係るモード変換素子100の動作について説明する。
モード変換素子100は、図示しない他の集積デバイス(発光素子、レーザー装置など)からの位相が互いにπずれた2つの1次モード光を2本の入力導波路2の入射面にそれぞれ入射すると、図3(a)に示すように、出力導波路3で0次モード光及び1次モード(高次モード)として結像し、図3(b)に示すように、光ファイバの伝搬モードの一つであるLP21の光強度分布(電磁界分布及び位相関係)に類似する光(擬似LP21)を出力導波路3の出射面から出力することができる。
このように、本実施形態に係るモード変換素子100は、他の集積デバイスから入力導波路2に入力される1次モード光を0次モード光及び1次モード光(高次モード)に変換して、擬似LP21として出力することができ、出力導波路3に接続する光ファイバ(マルチモードファイバ、フューモードファイバ、マルチコアファイバ)の固有高次モードを有効に活用するができ、伝送容量の増加を図ることができる。
つぎに、本実施形態に係るモード変換素子100において、波長多重伝送技術(波長分割多重通信(WDM))を前提に考え、Cバンド(波長の帯域:1530nm〜1570nm)内での変換効率の波長依存性及び偏波依存性をビーム伝搬法(beam propagation method:BPM)を用いて検討した。
位相が互いにπずれた2つの0次モード光を2本の入力導波路2にそれぞれ入射した場合(擬似LP11)におけるTE(Transverse Magnetic)モード及びTM(Transverse Electric)モードの透過率と、位相が互いにπずれた2つの1次モード光を2本の入力導波路2にそれぞれ入射した場合(擬似LP21)におけるTEモード及びTMモードの透過率とを、ビーム伝搬法により求めた結果を図4に示す。
擬似LP11及び擬似LP21における透過率の過剰損失は、図4に示すように、Cバンド全域で2dB(特に、TEモードでは、0.5dB)以内に抑制されており、波長依存性が弱く、モード変換素子100を通信に使用するうえで問題がないことがわかる。なお、TMモードにおける透過率の過剰損失がTEモードにおける透過率の過剰損失より大きいのは、MMI導波路1の導波路長LMMIによるモード間の依存性によるものである。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、MMI導波路1、入力導波路2及び出力導波路3を同一工程にて製造し、MMI導波路1のコア層12の膜厚dと、入力導波路2のコア層12の膜厚dと、出力導波路3のコア層12の膜厚dとを等しくしている。
これに対し、MMI導波路1のコア層12の膜厚dと出力導波路3のコア層12の膜厚dとが、垂直方向の1次モード光を許容する厚みであれば、MMI導波路1のコア層12の膜厚dと入力導波路2のコア層12の膜厚dと出力導波路3のコア層12の膜厚dとが異なってもよい。
しかしながら、MMI導波路1のコア層12の膜厚dと入力導波路2のコア層12の膜厚dと出力導波路3のコア層12の膜厚dとを異ならせることは、製造工程の増加を招くために、MMI導波路1のコア層12の膜厚dと入力導波路2のコア層12の膜厚dと出力導波路3のコア層12の膜厚dとを等しくすることが好ましい。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、2個の入力ポート及び1個の出力ポートを有する2×1型MMI導波路1を備え、擬似LP21を出力する場合について説明したが、MMI導波路1は2個の入力ポートに限られるものではなく、N個(Nは2以上の整数)の入力ポートを有するN×1型MMI導波路1により、光ファイバの他の伝搬モード(例えば、LP31など)の光強度分布に類似する光を出力することができる。
(本発明の第2の実施形態)
図5(a)は第2の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す入力導波路における屈折率変化手段の拡大図であり、図5(c)は図5(b)に示す屈折率変化手段の矢視D−D’線の断面図であり、図5(d)は図5(a)に示すモード変換素子の矢視E−E’線の断面図である。図5において、図1乃至図4と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係るモード変換素子100は、図5(a)に示すように、各入力導波路2に対してそれぞれ配設され、導波路の屈折率を変化させる屈折率変化手段50をさらに備える。
なお、本実施形態に係る屈折率変化手段50は、PIN(p-intrinsic-n)ダイオード構造によるキャリア注入により導波路の屈折率を変化させる構造を一例として説明するが、導波路の屈折率を変化させる構造であれば、この構造に限られるものではない。
屈折率変化手段50は、図5(b)及び図5(c)に示すように、半導体層110の真性半導体領域111に不純物を添加してなるp型半導体領域112及びn型半導体領域113を真性半導体領域111と共に導波方向に沿って並設してpin接合を構成する屈折率変化領域51と、屈折率変化領域51のp型半導体領域112に電圧を印加するための第1の電極52aと、屈折率変化領域51のn型半導体領域113に電圧を印加するための第2の電極52bと、p型半導体領域112及び第1の電極52aを電気的に接続する第1の接続部53aと、n型半導体領域113及び第2の電極52bを電気的に接続する第2の接続部53bと、を備える。
屈折率変化領域51は、第1の電極52a及び第1の接続部53a並びに第2の電極52b及び第2の接続部53bを介してpin接合に順方向の電圧が印加されると、キャリア(電子及びホール)が真性半導体領域111に供給され、このキャリアのプラズマ効果により真性半導体領域111の屈折率が変化する。
なお、本実施形態に係る屈折率変化領域51は、真性半導体領域111の屈折率の変化により、他の集積デバイスから入力導波路2の入射面に入射される1次モード光が、MMI導波路1の入力ポートで0次モード光として結合するように、入力導波路2を伝播する光の光路長を変化させる。
また、屈折率変化領域51は、真性半導体領域111がp型半導体領域112及びn型半導体領域113とのそれぞれの境界において導波方向に延在する2つの溝(トレンチ51a)を有する構造である。
特に、屈折率変化領域51のトレンチ51aの幅は、波長オーダー若しくはそれ以下にすることにより、狭いパターンほどエッチング深さが浅くなり、周囲に比べてエッチング量が抑制される効果(RIEラグ:reactive ion etching lag)を利用し、オーバーエッチングを抑制することができる。
また、屈折率変化領域51における真性半導体領域111は、導波路(コア層12)になるリブ部111aと、リブ部111aの膜厚(エッチングされないSi層の膜厚)よりも膜厚(エッチングされたSi層の膜厚(Si層残厚))が薄く、導波方向に沿ってリブ部111aの両側に並設されるスラブ部111bと、を備える。
また、p型半導体領域112及びn型半導体領域113全体の膜厚は、真性半導体領域111のスラブ部111bの膜厚(Si層残厚)よりも厚い。
つぎに、本実施形態に係るモード変換素子100の動作について説明する。
モード変換素子100は、第1の電極52a及び第2の電極52bに電圧を印加しない状態において、位相が互いにπずれた2つの1次モード光が他の集積デバイスから2本の入力導波路2の入射面にそれぞれ入射されると、第1の実施形態で前述したように、擬似LP21(図3(b)参照)として出力導波路3の出射面から出力される。
これに対し、モード変換素子100は、第1の電極52a及び第2の電極52bに電圧が印加されると、p型半導体領域112、真性半導体領域111及びn型半導体領域113からなるpin接合が順バイアスされる。
そして、p型半導体領域112及びn型半導体領域113から真性半導体領域111であるリブ部111aにキャリアが供給され、供給されたキャリアはリブ部111aに蓄積されて、キャリアのプラズマ効果により、リブ部111a(コア層12)の屈折率を変化させる。
この状態において、モード変換素子100は、位相が互いにπずれた2つの垂直方向1次モード(1次モード光)が他の集積デバイスから2本の入力導波路2の入射面にそれぞれ入射されると、リブ部111aの屈折率(光の光路長)が変化していることにより、MMI導波路1の各入力ポートで0次モード光としてそれぞれ結合する。
このため、モード変換素子100は、位相が互いにπずれた2つの0次モード光がMMI導波路1の各入力ポートにそれぞれ入射されることにより、第1の実施形態で前述したように、擬似LP11(図3(c)参照)として出力導波路3の出射面から出力される。
なお、本実施形態においては、屈折率変化手段50を各入力導波路2に対して配設するところのみが第1の実施形態と異なるところであり、屈折率変化手段50による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係るモード変換素子100は、屈折率変化手段50を備えることにより、入力導波路2の入射面に入射された1次モード光を、MMI導波路1の入力ポートに1次モード光又は0次モード光として選択的に入射し、出力導波路3の出射面から擬似LP21の高次モード又は擬似LP11の基本モードを選択的に出力することができるという作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、位相が互いにπずれた2つの垂直方向1次モード(1次モード光)が2本の入力導波路2の入射面にそれぞれ入射された場合に、屈折率変化手段50により位相差を無くしてMMI導波路1の各入力ポートに入射することで、光ファイバの伝搬モードの一つであるLP01の光強度分布に類似する光(擬似LP01)を出力することもできる。
(本発明の第3の実施形態)
図6(a)は第3の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図であり、図6(c)は図6(a)に示すモード変換素子の矢視G−G’線の断面図である。図7は第3の実施形態に係るモード変換素子の製造方法を説明する説明図であり、図7(a)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するSOI基板の断面図であり、図7(b)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第1のマスクを形成した状態の断面図であり、図7(c)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するエッチングによりストリップ構造を形成した状態の断面図であり、図7(d)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第1のマスクを除去した状態の断面図であり、図7(e)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応する第1のマスクを形成した状態の断面図であり、図7(f)は図6(b)に示すモード変換素子の矢視F−F’線の断面図に対応するエッチングによりコア層に段差を形成した状態の断面図である。図8(a)は第3の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す斜視図であり、図8(b)は図8(b)に示す高次モード変換器のコア層を説明するための断面図であり、図8(c)は図8(b)に示す高次モード変換器におけるBPMシミュレーションによる0次モード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図である。図9(a)は図6(a)に示すモード変換素子におけるBPMシミュレーションによるモード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図であり、図9(b)は図6(a)に示す補助導波路におけるBPMシミュレーションによる2つの基本モードの様子(光フィールド)を示す説明図であり、図9(c)は図6(a)に示す入力導波路におけるBPMシミュレーションによる2つの垂直方向1次モードの様子(光フィールド)を示す説明図であり、図9(d)は図6(a)に示す出力導波路の出射面におけるBPMシミュレーションによる擬似LP21の光強度分布を示す説明図である。図10は図6(a)に示すモード変換素子による擬似LP11の過剰損失の波長依存性を示すグラフである。図11(a)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合の一例を示す斜視図であり、図11(b)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合の他の例を示す斜視図であり、図11(c)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅を異ならせた場合のさらに他の例を示す斜視図であり、図11(d)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅及び膜厚を異ならせた場合の一例を示す斜視図であり、図11(e)は図8(a)に示す高次モード変換器の補助導波路の導波路幅及び膜厚を異ならせた場合の他の例を示す斜視図である。図6乃至図11において、図1乃至図5と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係るモード変換素子100は、図6及び図8(a)に示すように、MMI導波路1と、MMI導波路1の入力側の各入力ポートに一端がそれぞれ接続される2本の入力導波路2と、2本の入力導波路2の他端に一端がそれぞれ接続され、他端を入射面とし、当該入力導波路2のコア層12の膜厚より膜厚が薄いコア層12aを有する2本の補助導波路4と、MMI導波路1の出力側の出力ポートに一端が接続され他端を出射面とする1本の出力導波路3と、が基板10上に集積されている。また、本実施形態に係る各補助導波路4は、導波路幅が入力導波路2の導波路幅Waと同一である直線導波路である。
特に、本実施形態に係るモード変換素子100は、補助導波路4及び入力導波路2から構成され、基本モード(0次モード光)を垂直方向1次モード(1次モード光)に変換する高次モード変換器101と、MMI導波路1及び出力導波路3から構成され、1次モード光をLP21モードに変換するLPモード変換器102とに区分される。
つぎに、図6及び図7を参照して、本実施形態に係るモード変換素子100の製造方法を説明する。
まず、通常のSOI基板20上に、ステッパ(縮小投影露光装置)によるフォトリソグラフィ法を用いて、図6(a)に示す、MMI導波路1、入力導波路2、出力導波路3及び補助導波路4の平面形状に合わせて、エッチング用の第1のマスク40aを形成する(図7(b))。
この第1のマスク40aを用いて、ICP法によりドライエッチングを施して、コア層12となるSOI基板20のSi層における不要な部分を除去し、断面形状としてストリップ構造を形成する(図7(c))。
その後、コア層12の直上にある第1のマスク40aを、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図7(d))。
そして、ステッパ(縮小投影露光装置)によるフォトリソグラフィ法を用いて、図6(a)に示す補助導波路4を除く平面形状に合わせて、エッチング用の第2のマスク40bを形成する(図7(e))。
この第2のマスク40bを用いて、ICP法によりドライエッチングを施して、補助導波路4のコア層12aとなるSOI基板20のSi層を所定の厚さになるようにエッチングし、補助導波路4及び入力導波路2間に垂直方向に段差を設ける(図7(f))。
その後、第2のマスク40bを、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図6(b)、図6(c))。
そして、複数のモード変換素子100素子が形成された基板10に対して、モード変換素子100素子間の境界に沿って劈開することで、図6に示す構造を有するモード変換素子100素子を得ることができる。この劈開により、モード変換素子100素子の後方端面(基板10の一端面10a、補助導波路4の入射面)及び前方端面(基板10の他端面10b、出力導波路3の出射面)がそれぞれ形成される。
最後に、前方端面及び後方端面に反射防止膜をそれぞれ形成して、モード変換素子100素子の製造を終了する。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、MMI導波路1、入力導波路2、出力導波路3及び補助導波路4をストリップ構造としているが、必ずしもこの構造に限られるものではなく、ハイメサ構造やメサ構造や埋め込み構造であっても適用可能である。
つぎに、本実施形態に係るモード変換素子100の動作について、図8及び図9に示すビーム伝搬法(BPM)によりシミュレーションした伝播結果を用いて説明する。
なお、シミュレーションでは、補助導波路4における膜厚D1の1μm及び導波路幅(=Wa)の1μm、入力導波路2における膜厚D2(=4×D1)の4μm、導波路幅Waの1μm及び導波路長L1(=3L/2、L:基本モード及び1次モードのビート長)の72μm、MMI導波路1における導波路長LMMIの35.9μm、導波路幅WMMIの4μm及び膜厚(=D2)の4μm、並びに、出力導波路3における導波路幅Wb(=2×Wa)の2μm及び膜厚(=D2)の4μmを構造パラメーターとしている。
モード変換素子100は、他の集積デバイスからの位相が互いにπずれた2つの基本モード(0次モード光)を2本の補助導波路4の入射面にそれぞれ入力すると(図9(b))、補助導波路4を伝播して入力導波路2に入射し、入力導波路2において2つの自己結像がπ/2の位相差で生成されて、垂直方向1次モード(1次モード光)に変換される(図9(c))。
すなわち、2つの基本モード(0次モード光)は、垂直方向1次モード(1次モード光)に変換された後、位相が互いにπ/2ずれた2つの1次モード光としてMMI導波路1の2つの入力ポートにそれぞれ入射されることになる。
そして、モード変換素子100は、第1の実施形態で前述したように、出力導波路3で0次モード光及び1次モード(高次モード)として結像し、図9(d)に示すように、光ファイバの伝搬モードの一つであるLP21の光強度分布に類似する光(擬似LP21)を出力導波路3の出射面から出力することができる。
特に、本実施形態に係るモード変換素子100の過剰損失は、図10(a)に示すように、Cバンド全域で0.5dB以内に抑制されており、波長依存性が弱く、モード変換素子100を通信に使用するうえで問題がないことがわかる。
なお、本実施形態においては、入力導波路2の前段に補助導波路4を備えるところのみが第1の実施形態と異なるところであり、補助導波路4による作用効果以外は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係るモード変換素子100は、他の集積デバイスから補助導波路4に入力される0次モード光を高次モード変換器101で1次モード光に変換することにより、現在、市販されていない高次モード光を出力する集積デバイスの代わりに、市販されている0次モード光を出力する集積デバイスを光源として用いることができ、モード変換素子100の汎用性を向上させることができるという作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係る補助導波路4のコア層12は、図6及び図8に示すように、導波路幅が入力導波路2のコア層12の導波路幅Waと同一であり、膜厚D1が入力導波路2のコア層12の膜厚D2より薄い場合について説明したが、高次モード変換器101が下位のモード光を上位のモード光に変換できる構造であれば、この構造に限られるものではない。
ここで、基本(0次)モード光及び高次(1次、2次、・・・・)モード光は、コア層の膜厚及び導波路幅に依存しており、コア層の膜厚が厚いほど又はコア層の導波路幅が広いほど、上位のモード光が許容され、コア層内を伝播することができる。
このため、高次モード変換器101が下位のモード光を上位のモード光に変換できる構造とは、例えば、補助導波路4のコア層12aが0次モード光のみを許容する膜厚又は導波路幅であれば、入力導波路2のコア層12が0次モード光を含む少なくとも1次モード光を許容する(1次モード光以上の高次モード光を許容してもよい)膜厚又は導波路幅である。
すなわち、高次モード変換器101が0次モード光を1次モード光に変換する場合は、補助導波路4のコア層12aが0次モード光のみを許容する膜厚又は導波路幅であり、入力導波路2のコア層12が0次モード光及び1次モード光のみを許容する膜厚又は導波路幅であればよい。
特に、高次モード変換器101は、補助導波路4のコア層12aから入力導波路2のコア層12にモード光を伝播させるにあたり、補助導波路4及び入力導波路2の境界からのモード光の出射による損失を抑制するために、補助導波路4のコア層12aの出射端面は、入力導波路2のコア層12の入射端面に内包されることが好ましい。
このように、補助導波路4のコア層12aは、例えば、図11(a)、図11(b)及び図11(c)に示すように、膜厚D1が入力導波路2のコア層12の膜厚D2と同一であり、導波路幅(例えば、0次モード光のみを許容する幅)が入力導波路2のコア層12の導波路幅Wa(例えば、1次モード光を許容する幅)より狭くしてもよい。
なお、図11(a)においては、補助導波路4のコア層12aの導波方向に沿う中心線と入力導波路2のコア層12の導波方向に沿う中心線とが一致するように、補助導波路4と入力導波路2とが接続されている。
これに対し、図11(b)及び図11(c)においては、入力導波路2のコア層12の中心線に対して補助導波路4のコア層12aの中心線を偏心させて、補助導波路4と入力導波路2とが接続されており、特に、図11(b)においては、入力導波路2のコア層12の中心線に対する補助導波路4のコア層12aの中心線の偏心量を入力導波路2の実効導波路幅の1/4程度としている。
このように、入力導波路2のコア層12と補助導波路4のコア層12aとの不均一な接続構造により、MMI導波路1の入力ポートに入射するモード光に位相差を生じさせ、高次モード光に変換することができる。
特に、図11(a)、図11(b)及び図11(c)に示す高次モード変換器101は、補助導波路4のコア層12aの膜厚D1と入力導波路2のコア層12の膜厚D2とが同一であるため、一括して露光することができ、図8に示す高次モード変換器101と比較して、製造工程を簡略化することができる。
また、補助導波路4のコア層12aは、図11(d)及び図11(e)に示すように、膜厚D1(例えば、0次モード光のみを許容する膜厚)が入力導波路2のコア層12の膜厚D2(例えば、1次モード光を許容する膜厚)より薄く、導波路幅(例えば、0次モード光のみを許容する幅)が入力導波路2のコア層12の導波路幅Wa(例えば、1次モード光を許容する幅)より狭くしてもよい。
特に、図11(d)及び図11(e)に示す高次モード変換器101は、図8に示す高次モード変換器101と比較して、垂直方向のみならず横方向にも高次モードに変換し、モード変換素子100によるLP21を超える更なる多重化を図ることができる。また、図11(d)及び図11(e)に示す高次モード変換器101は、図11(a)、図11(b)及び図11(c)に示す高次モード変換器101と比較して、横方向のみならず垂直方向にも高次モードに変換し、モード変換素子100によるLP21を超える更なる多重化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る高次モード変換器101は、図6、図8及び図11に示すように、補助導波路4及び入力導波路2からなる導波方向又はその垂直方向に二段の段差を設ける場合について説明したが、入力側のコア層の端面が出力側のコア層の端面に内包されるのであれば、複数の段差により構成されてもよい。
また、本実施形態に係るモード変換素子100は、第2の実施形態で前述したように、各入力導波路2に対してそれぞれ配設され、導波路の屈折率を変化させる屈折率変化手段50をさらに備えてもよい。
(本発明の第4の実施形態)
図12(a)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す平面図であり、図12(b)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の他の例を示す平面図である。図13(a)は第4の実施形態に係るモード変換素子の概略構成の一例を示す斜視図であり、図13(b)は図13(a)に示すMMI導波路の導波路長及び導波路幅の理論式を説明するための説明図であり、図13(c)は図12(a)に示すモード変換素子におけるBPMシミュレーションによるモード光の伝播の様子(光フィールド)を示す説明図である。図12及び図13において、図1乃至図11と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係るモード変換素子100は、図12及び図13(a)に示すように、2つの補助導波路4の他端に接続される1×2型MMI導波路5(以下、「前段MMI導波路5」と称す)と、前段MMI導波路5の入力ポートに一端が接続され、他端を入射面とする入力導波路6(以下、前段入力導波路6)と、をさらに備え、2つの補助導波路4が位相調整器を構成する。
特に、本実施形態に係る2本の補助導波路4は、直線領域からなる直線導波路4aと、曲線領域を含む曲線導波路4bとから構成され、直線導波路4a及び曲線導波路4bをそれぞれ伝播する0次モード光の位相差がπとなるように、直線導波路4aの導波路長と曲線導波路4bの導波路長とを異ならせている。
なお、本実施形態に係る前段入力導波路6、前段MMI導波路5及び補助導波路4(直線導波路4a、曲線導波路4b)の層構造は、導波路幅(コア層12aの幅)が異なるだけで、第3の実施形態で前述した補助導波路4の層構造と同一であり、モード変換素子100の製造工程の説明は省略する。
ここで、MMI導波路(前段MMI導波路5、MMI導波路1、入力導波路2)は、公知の技術を用いて設計できるのであるが、例えば、MMI理論に基づいて、前段MMI導波路5の導波路長が3L/8となり、MMI導波路1の導波路長が3L/4となり、入力導波路2の導波路長L1が3L/2となる。
但し、Lは基本モード及び1次モードのビート長であり、下記数1により算出される。
また、下記式1において、図13(b)及び図8(b)を参照して、Wは実効導波路幅を表し(但し、前段MMI導波路5の場合はWとし、MMI導波路1の場合はW’とし、入力導波路2の場合は実効導波路コア厚Dとする。)、WはMMI導波路の導波路幅を表し(但し、前段MMI導波路5の場合はWMMIとし、MMI導波路1の場合はW’MMIとし、入力導波路2の場合は導波路コア厚D2とする。)、Nは導波路(コア層)の屈折率を表し、Nはクラッドの屈折率を表し、λは入射光波長を表し、W1は前段入力導波路6の導波路幅を表し、W2は出力導波路3の導波路幅を表す。
[式1]
=N×3W /4λ
=W+λ/{π(N −N )}1/2 ・・・(1)
2=2×W1=W/4
なお、本実施形態に係る前段MMI導波路5、MMI導波路1及び入力導波路2は、入射光波長λを1550nmとし、導波路の屈折率Nを3.48とし、クラッドの屈折率Nを1.44として設計した。
特に、本実施形態に係るモード変換素子100は、補助導波路4(前段入力導波路6、前段MMI導波路5)の膜厚D1を0.2μmとし、入力導波路2(MMI導波路1、出力導波路3)の膜厚D2を0.6μmとし、入力導波路2の導波路長L1を1.7μmとして、実デバイスを作製した。
つぎに、モード変換素子100の動作について、図13(a)及び図13(c)を用いて説明する。
前段入力導波路6の入射面に入射された0次モード光は、前段入力導波路6を伝搬して前段MMI導波路5に入射する。
そして、前段MMI導波路5に入射した0次モード光は、2つに平均分割して分岐され、平均分割後の一方の0次モード光は、直線導波路4aを伝搬して一方の入力導波路2に入射し、平均分割後の他方の0次モード光は、曲線導波路4bを伝搬して、平均分割後の一方の0次モード光に対して位相がπずれて他方の入力導波路2に入射する。
なお、0次モード光が入力導波路2に入射した後は、第3の実施形態で前述したモード変換素子100の動作と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態においては、前段MMI導波路5及び前段入力導波路6をさらに備え、2つの補助導波路4が位相調整器を構成するところのみが第3の実施形態と異なるところであり、前段MMI導波路5、前段入力導波路6及び補助導波路4による作用効果以外は、第3の実施形態と同様の作用効果を奏する。
前述した第3の実施形態に係るモード変換素子100は、位相が互いにπずれた2つの基本モード(0次モード光)を入射面にそれぞれ入力するために、2つの集積デバイス(光源)を必要とすると共に、2つの集積デバイス(光源)間で位相をπずらした基本モード(0次モード光)をそれぞれ入力する必要がある。
これに対し、本実施形態に係るモード変換素子100は、前段MMI導波路5により1つの基本モード(0次モード光)を2つに平均分割して分岐し、補助導波路4により2つの基本モード(0次モード光)の位相を互いにπずらすことができるため、1つの集積デバイスのみを光源として用いて擬似LP21モードを生成することができるという作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係るモード変換素子100は、2本の補助導波路4を直線導波路4a及び曲線導波路4bで構成し、2本の補助導波路4の導波路長を異ならせることにより0次モード光の位相差を与えたが、図13(b)に示すように、2本の補助導波路4を直線導波路4aとし、第2の実施形態で前述した屈折率変化手段50を用いて、2本の入力導波路2にそれぞれ入射される0次モード光に位相差を与えてもよい。
また、本実施形態に係るモード変換素子100は、第2の実施形態で前述したように、各入力導波路2に対してそれぞれ配設され、導波路の屈折率を変化させる屈折率変化手段50をさらに備えてもよい。
1 MMI導波路
2 入力導波路
3 出力導波路
4 補助導波路
4a 直線導波路
4b 曲線導波路
5 前段MMI導波路
6 前段入力導波路
10 基板
10a 一端面
10b 他端面
10c エッチング底面
11 第1のクラッド層
12,12a コア層
13 第2のクラッド層
14 埋め込み層
20 SOI基板
30 SiO
40 マスク
40a 第1のマスク
40b 第2のマスク
50 屈折率変化手段
51 屈折率変化領域
51a トレンチ
52a 第1の電極
52b 第2の電極
53a 第1の接続部
53b 第2の接続部
100 モード変換素子
101 高次モード変換器
102 LPモード変換器
110 半導体層
111 真性半導体領域
111a リブ部
111b スラブ部
112 p型半導体領域
113 n型半導体領域

Claims (8)

  1. N個(Nは2以上の整数)の入力ポート及び1個の出力ポートを有し、コア層の膜厚が高次モード光を許容する厚みであるN×1型多モード光干渉導波路と、
    前記N×1型多モード光干渉導波路の各入力ポートに一端がそれぞれ接続されるN本の入力導波路と、
    前記N×1型多モード光干渉導波路の出力ポートに一端が接続される1本の出力導波路と、
    を備え、
    前記各入力導波路は、位相差をπとする2つの高次モード光がそれぞれ入力されることを特徴とするモード変換素子。
  2. 前記請求項1に記載のモード変換素子において、
    前記高次モード光を許容する厚みが、1次モード光を許容する厚みであることを特徴とするモード変換素子。
  3. 前記請求項1又は2に記載のモード変換素子において、
    前記各入力導波路は、位相差をπとする2つの1次モード光がそれぞれ入力されることを特徴とするモード変換素子。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載のモード変換素子において、
    前記N×1型多モード光干渉導波路のコア層の膜厚が、0.29μmより厚いことを特徴とするモード変換素子。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載のモード変換素子において、
    前記出力導波路の導波路幅が、当該出力導波路のコア層の膜厚に等しいことを特徴とするモード変換素子。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載のモード変換素子において、
    前記入力導波路及び出力導波路のコア層の膜厚が、前記N×1型多モード光干渉導波路のコア層の膜厚に等しいことを特徴とするモード変換素子。
  7. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載のモード変換素子において、
    前記N本の入力導波路の他端にそれぞれ接続され、当該入力導波路のコア層に対して膜厚が薄い及び/又は導波路幅が狭いコア層を有するN本の補助導波路を備えることを特徴とするモード変換素子。
  8. 前記請求項7に記載のモード変換素子において、
    前記補助導波路のコア層の膜厚又は導波路幅が、0次モード光を許容する厚み又は導波路幅であることを特徴とするモード変換素子。
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