JPWO2014024439A1 - 無線通信システムにおける無線通信制御方法および装置 - Google Patents

無線通信システムにおける無線通信制御方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多様な移動速度を有する移動端末のハンドオーバの頻発を有効に抑制することができる無線通信システムにおける無線通信制御方法および装置を提供する。【解決手段】移動端末(10)のハンドオーバ履歴から、当該移動端末が経験した第1セル(35B)と第2セル(35A)との間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析部(102)と、ハンドオーバ頻度に基づいて第1セルと第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択部(103)と、ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して第1セルと第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制部(104)と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は複数セルを有する無線通信システムに係り、特にハンドオーバ制御機能を備えた無線通信システムにおける無線通信制御方法および装置に関する。
複数のセルを管理する複数の基地局を有する無線通信システムでは、移動端末が接続中のセルから他のセルに移動する際、ハンドオーバ(以下、適宜、HOと略記する。)と呼ばれる接続先のセルの切替処理が行われ、それによりセル間で移動端末の通信を継続することができる。移動端末のハンドオーバを実現するには、まず、接続中のセル(以下、ソースセル(source cell)という。)を管理する基地局が、移動端末に対して、所定のイベントが発生した場合に測定報告を送信するように指示しておく。所定のイベントとしては、例えばソースセルの無線品質の劣化などがある。移動端末による測定報告は、ソースセルおよびその隣接セル群の無線品質の測定結果を含む。基地局は、移動端末から測定報告を受信すると、測定報告に基づいて切り替え先のセル(以下、ターゲットセル(target cell)という。)を決定し、移動端末およびターゲットセルとのシグナリングを含むハンドオーバ手順を開始する。
測定報告送信のトリガとなるイベントの一例がLTE(Long Term Evolution)/ E−UTRAN (Evolved UTRAN)による非特許文献1に規定されている。非特許文献1においてEvent A3 (Neighbor becomes offset better than serving)として規定された報告イベントの本質的部分は以下の式(1)によって表わされる。
Ps + Os < Pt + Ot ・・・(1)
ここで、Pはソースセルの無線品質の測定結果、Pは隣接セルの無線品質の測定結果、Oはソースセルの無線品質に対するオフセット値、Oは隣接セルの無線品質に対するオフセット値である。
LTEの場合、P及びPは下りリファレンス信号の受信電力RSRP(Reference Signal Received Power)又は基準信号受信品質RSRQ(Reference Signal Received Quality)である。RSRQは総受信電力RSSI(Received Signal Strength Indicator)に対するRSRPの比率である。また、式(1)中のOはソースセルの下りリファレンス信号の無線品質に作用し、Oは隣接セルの下りリファレンス信号の無線品質に作用する。
は、一般に、セル個別オフセットCIO(Cell Individual Offset)と呼ばれるハンドオーバ・パラメータであり、隣接リストに登録された隣接セルごとに異なるオフセット値を設定することができる。CIOは、基地局が管理するセルに接続する移動端末に対して当該基地局が通知する隣接リストに含まれる。
基地局に式(1)の動作条件が設定されると、その基地局が管理するセルに接続する移動端末に対して式(1)の動作条件が通知される。移動端末は、ソースセルの無線品質及び隣接セルの無線品質のそれぞれの測定結果PおよびPが式(1)の条件を満たせば、それをトリガとして、当該ソースセルを管理する基地局へ測定報告を送信する。
基地局は、移動端末から測定報告を受信すると、測定報告に基づきターゲットセルを決定し、ターゲットセルへのハンドオーバ処理を開始する。このとき、ハンドオーバの開始が遅すぎると、ターゲットセルへのハンドオーバを完了する前にソースセルの無線品質が所要品質を下回ってしまい通信の異常切断が発生する。一方、ハンドオーバの開始が早すぎると、ターゲットセルへのハンドオーバを完了した直後にターゲットセルの無線品質が所要品質を下回ってしまい通信の異常切断が発生する。また、ハンドオーバの開始が早すぎるとき、ターゲットセルへのハンドオーバを完了した直後に再び元のセルに対するハンドオーバの条件が満たされ、反復ハンドオーバ(以下、適宜、ping-pong HOと記す。)が生じる場合がある。
ターゲットセルへのハンドオーバのタイミングが遅すぎて失敗する場合(以下、「Too Late HO」という。)には、CIO(すなわち、式(1)におけるオフセット値O)を増やすことによりハンドオーバのタイミングを早めてハンドオーバの成功率を改善できる。一方、ターゲットセルへのハンドオーバのタイミングが早すぎて失敗する場合(以下、「Too Early HO」という。)には、CIOを減らすことによりハンドオーバのタイミングを遅くしてハンドオーバの成功率を改善できる。したがって、上述したオフセット値O(CIO)等のハンドオーバ・パラメータを動的に調節することでハンドオーバ失敗を低減することが可能となる。
たとえば、特許文献1には、端末の測定報告に基づき、TTT(Time-To-Trigger)やCIO等のHOパラメータをセル単位で動的に調節することでHO失敗(Too Late HO,Too Early HO)を低減するハンドオーバ最適化方法が開示されている。
また、非特許文献2には、ハンドオーバの履歴情報に基づいてping-pong HOが生じた端末を検出し、周辺基地局からの制御信号の到達時間差の変動に基づいて静止状態と判定した端末のみハンドオーバを抑制する方法が開示されている。
国際特許公開第2010/002926A1号明細書
3GPP TS36.331 v9.3.0 (5.5.4.4, pages 75-76) Feher et al., "Ping-pong Reduction using Sub cell Movement Detection," IEEE VTC2012-spring, 2012.
しかしながら、ハンドオーバを実行する移動端末の移動速度が多様なセルでは、高速で移動する端末のToo Late HOを解消するためにセル単位のHOパラメータを調節すると、低速〜中速で移動する端末において望ましくないping-pong HOが著しく増大するという問題が発生する。以下、図1および図2を参照して、ping-pong HO増大について説明する。
図1はハンドオーバを説明するための模式的セル構成図であり、図2は移動端末のハンドオーバにおけるソースセルおよびターゲットセルの受信品質の時間変化を示すグラフである。まず、図1に示すように、ソースセル内に、高速移動する移動端末MS1と、それよりも低い速度の移動端末MS2と、が混在すると仮定する。この場合、図2(A)に示すように、高速端末MS1でToo Late HO失敗が生じないようにCIOを増加させ、端末による測定報告のタイミングを早めるように制御する場合がある。
ところが、このように高速端末MS1のハンドオーバを成功させるようにCIOを増やすと、図2(B)に示すように、移動に伴う無線品質の変化が高速端末と比べて緩やかな低速〜中速の端末MS2では、HOタイミングが早すぎることとなり、HO完了直後に再び測定報告の送信条件が満たされる状態に陥ることが多い。この状態は、ソースセルとターゲットセルの無線品質の差が所定値を超えるまで継続し、その間にセルでping-pong HOが多発することとなる。低速〜中速の端末MS2でping-pong HOが多発する問題は、非特許文献2のように静止端末のみのハンドオーバを抑制する方法では解決することができない。このように、多様な移動状態にある移動端末に対してセル単位で一律にハンドオーバ・パラメータを設定すると、ping-pong HOが生じる端末数が増大する。
そこで、本発明の目的は、移動端末のハンドオーバの頻発を有効に抑制することができる無線通信システムにおける無線通信制御方法および装置を提供することにある。
本発明による無線通信制御装置は、複数のセルを備え、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおける無線通信制御装置であって、移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、を備えることを特徴とする。
本発明による無線通信制御方法は、複数のセルを備え、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を算出し、前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択し、ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制する、ことを特徴とする。
本発明による基地局は、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおけるセルを管理する基地局であって、移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、を備えることを特徴とする。
本発明による無線通信システムは、セルを管理する基地局と移動端末とを有し、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムであって、前記基地局は、移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、移動端末の反復ハンドオーバ等の望ましくないハンドオーバの頻発を有効に抑制することができる。
図1はハンドオーバを説明するための模式的セル構成図である。 図2(A)は高速端末のハンドオーバにおけるソースセルおよびターゲットセルの受信品質の時間変化を示すグラフであり、図2(B)は低速〜中速端末のハンドオーバにおけるソースセルおよびターゲットセルの受信品質の時間変化を示すグラフである。 図3は本発明による無線通信制御を適用する無線通信システムの一例を示す模式的構成図である。 図4は本発明の第1実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。 図5は第1実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。 図6は第1実施形態におけるHO履歴分析の一例を示す模式図である。 図7は本発明の第2実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。 図8は第2実施形態における基地局の動作の第1例を示すフローチャートである。 図9は第2実施形態における基地局の動作の第2例を示すフローチャートである。 図10は本発明の第3実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。 図11は第3実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。 図12は本発明の第4実施形態による無線通信システムにおける基地局およびネットワーク管理システムの概略的構成を示すブロック図である。 図13(A)はToo Late HOを示すシーケンス図、図13(B)はToo Early HOを示すシーケンス図、図13(C)はHO to Wrong Cellを示すシーケンス図、 図14は第4実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。 図15は第4実施形態におけるHO失敗検出の第1例を示すフローチャートである。 図16は第4実施形態におけるHO失敗検出の第2例のIncoming HO失敗の場合を示すフローチャートである。 図17は第4実施形態におけるHO失敗検出の第2例のOutgoing HO失敗の場合を示すフローチャートである。 図18は第4実施形態におけるHO失敗検出の第3例のIncoming HO失敗の場合を示すフローチャートである。 図19は第4実施形態におけるHO失敗検出の第3例のOutgoing HO失敗の場合を示すフローチャートである。 図20は第4実施形態におけるHO最適化動作を示すフローチャートである。
以下に述べる本発明の実施形態によれば、移動端末が経験したセル間の直近のハンドオーバ頻度に基づいてハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択し、選択された移動端末に対してハンドオーバを抑制することで、セル間の不要なハンドオーバを有効に抑制する。
以下、図3に示す無線通信システムを一例として本発明の実施形態を説明する。図3に示すように、ここでは、基地局(eNB)30Aおよび30Bがセル35Aおよびセル35Bをそれぞれ管理し、セル35A内にセル35Bがあり、セル35Bを移動端末(UE)10(図3では低速の移動端末10aあるいは高速の移動端末10b)が通信を継続しながら通過するものとする。また、以下の説明では、移動端末10がセル35Aからセル35Bへ入ってくる場合(Incoming HO)と、セル35Bからセル35Aへ出て行く場合(Outgoing HO)についてそれぞれ説明する。なお、本発明は図3に示すシステム構成に限定されるものではなく、任意のセル配置におけるセル間ハンドオーバに適用可能である。また、以下の説明では、適宜、Incoming HOのターゲットセルおよびOutgoing HOのソースセルを自セルと記す。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態によれば、他のセルを管理する基地局から移動端末のハンドオーバ要求があったときに、自セルを管理する基地局の無線通信制御装置は、当該移動端末のハンドオーバ履歴に基づいて当該移動端末のハンドオーバ(Incoming HO)を抑制すべきか否かを判定し、抑制対象であれば当該移動端末のハンドオーバを拒否する応答をハンドオーバ要求元の基地局へ返す。これによりハンドオーバの繰り返し等の不要なハンドオーバを抑制することができる。
1.1)構成
図4は本実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。図4において、セル35Aがソースセル、セル35Bがターゲットセルとなり、ソースセル35Aを管理する基地局30Aからのハンドオーバ要求に対して、ターゲットセル35Bを管理する基地局30Bはハンドオーバ許可/拒否の応答を返す。基地局30Aおよび30Bは同じ構成を有するが、図4では本実施形態の説明に関連する部分のみが図示されている。基地局30Aにはハンドオーバ制御を実行するハンドオーバ制御部101Aが、基地局30Bにはハンドオーバ制御部101Bがそれぞれ備えられている。さらに、セル35Bを管理する基地局30Bの無線通信制御装置は、本実施形態の動作に関連する機能として、ハンドオーバ履歴分析部102、移動端末選択部103およびハンドオーバ抑制部104を有する。
1.2)動作
図5は本実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。図5において、ハンドオーバ履歴分析部102は、セル35Aを管理する基地局30Aからハンドオーバ要求を受信すると(動作S101;YES)、移動端末10のハンドオーバ履歴を取得する(動作S102)。ハンドオーバ履歴は基地局30Aから受け取ることができる。続いて、ハンドオーバ履歴分析部102は、後述するように、ハンドオーバ履歴を分析し、セル35Bとセル35Aとの間のping-pong HOの頻度を集計する(動作S103)。
移動端末選択部103は、分析結果(ping-pong HOの頻度)に基づいて、セル35Bとセル35Aとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する(動作S104)。ハンドオーバ抑制部104は、ハンドオーバ対象の移動端末がハンドオーバ抑制対象として選択されたものであるか否かを判定する(動作S105)。ハンドオーバ抑制対象でなければ(動作S105;NO)、ハンドオーバ抑制部104はセル35Aの基地局101Aへハンドオーバ許可の応答を返し(動作S106)、ハンドオーバ抑制対象であれば(動作S105;YES)、ハンドオーバ拒否の応答を返す(動作S107)。
1.3)ハンドオーバ履歴分析
移動端末のハンドオーバ履歴としては、例えば、3GPP TS36.423 v9.5.0(非特許文献3)にて規定されているUE History Information(ハンドオーバ要求時にソース側の基地局30Aから通知される)を用いることができる。UE History Informationには、移動端末が通信中に滞在したセルが最大16個まで記録され、移動端末がアイドル状態に遷移する際に履歴が破棄される。したがって、UE History Informationには直近のハンドオーバ履歴が記録されている。なお、ハンドオーバ履歴の他の形態としては、過去の所定の期間内に実行されたハンドオーバについてセルIDと滞在期間とを記録したリストを用いてもよい。
図6は本実施形態におけるHO履歴分析の一例を示す模式図である。図6に示すように、ハンドオーバ履歴には、滞在したセルIDとその滞在時間とが時系列に記録されている。したがって、ハンドオーバ履歴分析部102は、記録が新しい順にハンドオーバ履歴を末尾までトレースすることにより、セル35Bとセル35Aとの間のping-pong HO数Nをカウントすることができる。具体的には、記録が新しい順にハンドオーバ履歴を末尾までトレースし、下記のping-pong HOカウント条件1および2を全て満たすごとにカウントNを1つ増やす。
・ 条件1:移動端末が自セル(セル35B)へ滞在してから次に自セルへ滞在するまでの間に滞在したセルの滞在時間の総和が所定の最小滞在時間(MTS:Minimum Time of Stay, 例えばMTS=5 sec)以内である。
・ 条件2:自セルの次に滞在したセルがハンドオーバ要求のソースセル(セル35A)である。
図6に示すハンドオーバ履歴では、上記条件1および2を満たすのは2回あるから、ping-pong HO回数N=2である。
移動端末選択部103は、ping-pong HO回数Nが所定値NTHを超える場合、ハンドオーバ対象の移動端末をセル35Bとセル35Aとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末として選択する。ハンドオーバ抑制部104は、ハンドオーバ対象の移動端末が選択された端末であれば、セル35Aを管理する基地局からのハンドオーバ要求に対してハンドオーバを拒否する応答を返す。それ以外の端末であればハンドオーバ要求に対してハンドオーバを許可する応答を返す。
なお、上述した形態の他に、ハンドオーバ履歴分析部102は、単位時間あたりにセル35Bとセル35Aとの間で生じるping-pong HOの頻度をセルペア単位で集計する形態であっても構わない。この場合、移動端末選択部103は、セル35Bとセル35Aとの間のセルペア単位のping-pong HOの頻度が所定値を超えるときに、セル35Bとセル35Aとの間でハンドオーバを試みる全ての移動端末を、セル35Bとセル35Aとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末として選択しても構わない。
1.4)効果
上述したように、本発明の第1実施形態によれば、Incoming HOの対象となる移動端末が直近のハンドオーバ履歴においてターゲットセルとソースセルとの間でハンドオーバを繰り返していれば、当該移動端末のハンドオーバを拒否する。これによりping-pong HO等の不要なハンドオーバを有効に抑制することができる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態によれば、他のセルからのハンドオーバ(すなわち、Incoming HO)に対しては抑制を行わず、上述した第1実施形態と同様にして選択された移動端末がIncoming HOを完了した後、当該移動端末から測定報告があると、当該移動端末のハンドオーバ(すなわち、Outgoing HO)のターゲットセルの候補から、直前に接続していた他のセルを除外してターゲットセルを決定する。すなわち、過去に不要なハンドオーバを頻発していた他のセルへのハンドオーバを避けることで、ハンドオーバの繰り返し等の不要なハンドオーバを抑制することができ、さらにハンドオーバ失敗の可能性を低減させることができる。
2.1)構成
図7は本実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態による無線通信システムは、第1実施形態によるシステム構成と同様であるが、他のセルからのIncoming HOに対して抑制を行わない点と、セル35Bに接続している移動端末10から測定情報を取得しハンドオーバ抑制部104の制御に利用する点が異なっている。したがって、図4および図5に示す第1実施形態と同じ機能ブロックおよび動作ステップには同じ参照番号を付して説明は簡略化し、第1実施形態と異なる機能を中心に説明する。
2.2)動作(第1例)
図8は本実施形態における基地局の動作の第1例を示すフローチャートである。図8において、ハンドオーバ制御部101Bは移動端末10に関するハンドオーバ要求(incoming HO)を受信すると(動作S101;YES)、通常のハンドオーバ処理を完了する。
続いて、ハンドオーバ履歴分析部102が当該移動端末のハンドオーバ履歴を分析し(動作S102、S103)、移動端末選択部103が、ハンドオーバ履歴の分析結果(ping-pong HOの頻度)に基づいて、セル35Bとセル35Aとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する(動作S104)。なお、移動端末10に関するハンドオーバ要求を受信しない場合には(動作S101;NO)、動作S102−S104は実行されない。ハンドオーバ要求がなかった場合(動作S101;NO)あるいは動作S104が完了した場合には、続く動作S201を実行する。
ハンドオーバ抑制部104は、セル35Bに接続している移動端末から測定報告があると(動作S201;YES)、その移動端末が動作S104で選択された移動端末かどうかを判定する(動作S202)。選択された移動端末でなければ(動作S202;NO)、ハンドオーバ制御部101Bは通常のハンドオーバ処理を開始し、当該移動端末のターゲットセルを決定し(動作S203)、ターゲットセルへハンドオーバ要求を送信して(動作S204)、処理を終了する。
移動端末が動作S104で選択された移動端末であれば(動作S202;YES)、ハンドオーバ抑制部104はハンドオーバ制御部101Bのハンドオーバ候補セルからセル35Aを除外し(動作S205)、ハンドオーバ制御部101Bはハンドオーバ候補セルが残っていれば(動作S206;YES)、当該移動端末のターゲットセルを決定し(動作S203)、ターゲットセルへハンドオーバ要求を送信する(動作S204)。ハンドオーバ候補セルが存在しなければ(動作S206;NO)、処理を終了する。
2.3)動作(第2例)
図9は本実施形態における基地局の動作の第2例を示すフローチャートである。上述した第1例と異なるのは、図9における動作S207の判断を入れたことである。すなわち、ハンドオーバ候補セルから先の接続セルを除外する動作(S205)を実行するかどうかはセル35Bの無線品質に依存している。
図9において、動作S101〜S104および動作S201は、図8に示す第1例のフローと同じであるから説明は省略する。ハンドオーバ抑制部104は、セル35Bに接続している移動端末から測定報告があると(動作S201;YES)、セル35Bの無線品質Qselfが所定値Qminより小さいか否かを判断する(動作S207)。セル35Bの無線品質Qselfとしては、RSRPあるいはRSRQを用いることができる。
self<Qminであれば(動作S207;YES)、ハンドオーバ制御部101Bは通常のハンドオーバ処理を開始し、当該移動端末のターゲットセルを決定し(動作S203)、ターゲットセルへハンドオーバ要求を送信して(動作S204)、処理を終了する。セル35Bの無線品質Qselfが所定値Qmin以上であれば(動作S207;NO)、ハンドオーバ抑制部104は、その移動端末が動作S104で選択された移動端末かどうかを判定する(動作S202)。選択された移動端末でなければ(動作S202;NO)、上述したように動作S203および動作S204を実行する。
移動端末が動作S104で選択された移動端末であれば(動作S202;YES)、ハンドオーバ抑制部104はハンドオーバ制御部101Bのハンドオーバ候補セルからセル35Aを除外し(動作S205)、ハンドオーバ制御部101Bはハンドオーバ候補セルが残っていれば(動作S206;YES)、当該移動端末のターゲットセルを決定し(動作S203)、ターゲットセルへハンドオーバ要求を送信する(動作S204)。ハンドオーバ候補セルが存在しなければ(動作S206;NO)、処理を終了する。
2.4)効果
上述したように、本発明の第2実施形態によれば、ping-pong HO等の不要なハンドオーバを有効に抑制することができる上に、移動端末の無線品質に基づいてハンドオーバ抑制の是非が判断されるので、抑制によるハンドオーバ失敗が生じにくい。また、ハンドオーバ処理中にハンドオーバ履歴分析を行わないので、ハンドオーバの処理遅延によるハンドオーバ失敗が生じにくい。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態によれば、他のセルからのハンドオーバ(Incoming HO)に対しては抑制を行わず、上述した第1実施形態と同様にして選択された移動端末のみに、他のセルとのping-pong HO等の不要なハンドオーバを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知する。これにより、過去に不要なハンドオーバを頻発していた他のセルへのハンドオーバ(Outgoing HO)を抑制することができ、さらに移動端末からの不要な測定報告も抑えられる。
3.1)構成
図10は本実施形態による無線通信システムにおける基地局の概略的構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態による無線通信システムは、第1実施形態によるシステム構成と基本的に同様であるが、他のセルからのIncoming HOに対して抑制を行わない点と、他のセルを管理する基地局からハンドオーバ・パラメータを取得する点が異なっている。したがって、図4および図5に示す第1実施形態と同じ機能ブロックおよび動作ステップには同じ参照番号を付して説明は簡略化し、第1実施形態と異なる機能を中心に説明する。
3.2)動作
図11は本実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。図11において、ハンドオーバ制御部101Bは移動端末10に関するハンドオーバ要求(incoming HO)を受信すると(動作S101;YES)、通常のハンドオーバ処理を開始し、さらにハンドオーバ要求元のセルを管理する基地局から当該移動端末に通知されたハンドオーバ・パラメータを取得する。
続いて、ハンドオーバ履歴分析部102は、既に述べたように、当該移動端末のハンドオーバ履歴を取得して分析し(動作S102、S103)、移動端末選択部103は、ハンドオーバ履歴の分析結果(ping-pong HOの頻度)に基づいて、セル35Bとセル35Aとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する(動作S104)。
続いて、ハンドオーバ抑制部104は、セル35Bに接続している移動端末に対してハンドオーバ・パラメータを通知する際に、当該移動端末が動作S104で選択された移動端末かどうかを判定する(動作S301)。選択された移動端末でなければ(動作S301;NO)、ハンドオーバ制御部101Bはセル35Bに共通のハンドオーバ・パラメータを当該移動端末に通知する(動作S302)。
移動端末が動作S104で選択された移動端末であれば(動作S301;YES)、ハンドオーバ抑制部104は、後述するように、ping-pong HOを抑制するハンドオーバ・パラメータを計算し(動作S303)、当該移動端末へ通知する(動作S304)。このように、移動端末選択部103が選択した移動端末に対してのみ、セル35Aとの間のping-pong HOを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知することで、移動端末からの不要な測定報告が抑制され、移動端末のバッテリ消費および基地局と移動端末の処理負荷を抑えることができる。
3.3)ハンドオーバ抑制動作(第1例)
ハンドオーバ抑制部104は、セル35Aからハンドオーバ要求を受けると、移動端末選択部103が選択した移動端末(例えば、セル35Aとの間のping-pong HO数Nが所定値NTHを超える移動端末)に対してはセル35Aとのping-pong HOを抑制するCIO値を通知し(図11の動作S303、S304)、その他の移動端末にはセル単位で管理するCIO値を通知する(図11の動作S302)。
ping-pong HOを抑制するCIO値は、次式(2)の条件(ハンドオーバのヒステリシスを確保するための必要条件)を満たす値とする。
(a3offsets+ a3offsett) − (CIOst+ CIOts) > 0 ・・・(2)
a3offsets:セル35Aのa3-offset
a3offsett:セル35Bのa3-offset
CIOst: セル35Aからセル35BへのCIO
CIOts: セル35Bからセル35AへのCIO
すなわち、CIO値は次式(3)により決定される。
CIOts := Min(CIOts, a3offsets+a3offsett−CIOst−δ) ・・・(3)
ただし、δはハンドオーバのヒステリシスに対する所定のマージン値である。
なお、セル35Aのハンドオーバ・パラメータ(a3-offset, CIO)の設定値は、例えば、非特許文献1にて規定された,HandoverPreparationInformation a AS-Config a sourceMeasConfig IEから取得できる。当該IEは、Incoming HOの要求時にソースセルを管理する基地局から通知される。
3.4)ハンドオーバ抑制動作(第2例)
セル35Bのハンドオーバ・マージン(a3offset - CIO)が大きすぎると、ハンドオーバ失敗を引き起こす場合がある。そこで、ハンドオーバ抑制部104は、上述した第1例に加えて、セル35Bのハンドオーバ・マージンを過剰に大きくしないようにセル35BのCIO値を調節してから移動端末に通知することもできる。
セル35Bのハンドオーバ・マージンを過剰に大きくしないために、セル35BのCIO値は次式(4)の条件を満たす値とする。
a3offsett- CIOts < MaxHoMargin ・・・(4)
a3offsett:セル35Bのa3-offset
CIOts: セル35Bからセル35AへのCIO
MaxHoMargin: ハンドオーバ・マージンの上限値
すなわち、CIO値は次式(5)により決定される。
CIOts := Max(CIOts,PingPong, a3offsett-MaxHoMargin) ・・・(5)
ただし、CIOts,PingPongは、上記第1例で決定したCIO値である。
この第2例によれば、セル35BのCIO値が過剰に小さくならないように調節することができる。なお、式(5)でMax値を採用するのは、ping-pong HOの抑制よりもハンドオーバ失敗の防止を優先したためである。
3.5)効果
上述したように、本発明の第3実施形態によれば、ping-pong HO等の不要なハンドオーバを有効に抑制することができる上に、移動端末選択部103が選択した移動端末に対してのみ、セル間のping-pong HOを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知することで、移動端末からの不要な測定報告が抑制され、移動端末のバッテリ消費および基地局と移動端末の処理負荷を抑えることができる。
4.第4実施形態
本発明の第4実施形態によれば、移動端末が経験したセル間の直近のping-pong HOの頻度に基づいてハンドオーバを抑制する移動端末を選択し、選択された移動端末に対してハンドオーバを抑制することでセル間の不要なハンドオーバを有効に抑制できることに加えて、ハンドオーバの失敗率等のハンドオーバ品質に応じてハンドオーバ抑制の程度を調整することで不要なハンドオーバを更に有効に抑制することができる。
4.1)構成
図12は本実施形態による無線通信システムにおける基地局およびネットワーク管理システムの概略的構成を示すブロック図である。図12において、基地局(eNB)31Aおよび31Bがセル35Aおよびセル35Bをそれぞれ管理し、セル35A内にセル35Bがある。さらにセル35Aおよび35Bに隣接するように別のセル35Cが配置され、基地局31Cがセル35Cを管理しているものとする。また、ネットワーク管理システム20が設けられ、セル間ハンドオーバの最適化制御を行う。なお、本発明は図12に示すシステム構成に限定されるものではなく、任意のセル配置におけるセル間ハンドオーバに適用可能である。
以下の説明では、図12に示すように、移動端末10がセル35Aからセル35Bに入り、セル35Bを通過してセル35Aへのハンドオーバに失敗し、そのまま別のセル35Cへ入って基地局31Cと再接続する場合について説明する。移動端末10がセル35Aからセル35Bに入る場合(Incoming HO)は、セル35Aがソースセル、セル35Bがターゲットセルとなる。また、移動端末10がセル35Bからセル35A/35Cへ出て行く場合(Outgoing HO)は、セル35Bがソースセル、セル35A/35Cがターゲットセルとなる。
基地局31A、31Bおよび31Cは同じ構成を有するが、図12では本実施形態の説明に関連する部分のみが図示されている。基地局31Aにはハンドオーバ制御を実行するハンドオーバ制御部101Aが、基地局31Bにはハンドオーバ制御部101Bが、基地局31Cにはハンドオーバ制御部101Cが、それぞれ備えられている。さらに、セル35Bを管理する基地局31Bは、本実施形態の動作に関連する機能として、ハンドオーバ履歴分析部102、移動端末選択部103、ハンドオーバ抑制部104およびハンドオーバ失敗検出部105を有する。
ネットワーク管理システム20はハンドオーバ最適化部201および品質統計記憶部202を有し、ハンドオーバ最適化部201にはハンドオーバ抑制最適化部203が設けられている。後述するように、品質統計記憶部202は各基地局からハンドオーバ統計情報を取得し、ハンドオーバ最適化部201は基地局に対してハンドオーバ抑制閾値NTHを設定する。
移動端末10がセル35Cで基地局31Cと再接続した場合、基地局31Cは後述するハンドオーバ失敗情報を基地局31Bへ通知する。基地局31Bのハンドオーバ失敗検出部105は、セル35Cからハンドオーバ失敗情報を取得すると、ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗であるかどうかを判定し、ハンドオーバ失敗数を含むハンドオーバ統計情報をネットワーク管理システム20へ報告する。ネットワーク管理システム20のハンドオーバ抑制最適化部203は、基地局から報告されたハンドオーバ統計情報に基づいてハンドオーバ抑制の閾値を逐次的に増減しセルごとに調整する。
4.2)ハンドオーバ失敗の種類
3GPP TS36.300 v.9.7.0は、無線回線の異常切断(RLF:Radio Link Failure)を伴うハンドオーバ失敗の3つの種別、すなわち“Too Late Handover”、“Too Early Handover”、及び“Handover to Wrong Cell”を下記のとおり定義している(22.4.2)。本実施形態では、ハンドオーバ失敗(HO失敗)として、これら3つの種別のハンドオーバ失敗を扱う。
<Too Late HO>
Too Late Handoverは、ハンドオーバ処理の実行中にソースセル(source)でRLFを経験した移動端末(UE)がターゲットセル(target)に接続再確立(無線リンクの再確立を含む)を試みたときの、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバである。又は、ハンドオーバの開始前にソースセルでRLFを経験した移動端末がソースセルとは異なるセルに接続再確立を試みたときの、ソースセルで生じるRLFである。
<Too Early HO>
Too Early Handoverは、ハンドオーバ処理の実行中又はハンドオーバの完了直後にターゲットセルでのRLFを経験した移動端末がソースセルに接続再確立を試みたときの、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバである。
<HO to Wrong Cell>
Handover to Wrong Cellは、ハンドオーバ処理の実行中又はハンドオーバの完了直後にソースセル又はターゲットセルでのRLFを経験した移動端末がソースセル及びターゲットセルのいずれとも異なるセル(neighbor)に接続再確立を試みたときの、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバである。
4.3)ハンドオーバ失敗情報
ハンドオーバ失敗情報としては、例えば3GPP TS36.423 v.9.5.0において規定されているRLF IndicationやHandover Reportを利用することができる(9.1.2.18および9.1.2.19)。RLF Indicationは、異常切断を生じた移動端末の識別情報、異常切断の直前に接続していたセルの識別情報、異常切断後に再接続したセルの識別情報を含む。Handover Reportは、ソースセルとターゲットセルの識別情報、ハンドオーバ失敗の種別を含む。
ソースセルの基地局は、ハンドオーバ失敗情報(すなわち、RLF IndicationおよびHandover Report)を参照することによって、以下に示すようにハンドオーバ失敗種別を検出することができる。
<Too Late HO>
図13(A)に示すように、ソースセルの基地局は、ターゲットセル (ハンドオーバが開始されている場合)、又はソースセルとは異なるセル(ハンドオーバが開始されていない場合)からRLF-Indicationメッセージを受信したこと、かつ、RLF-Indication受信に先立つ所定期間内(Tstore_UE_cntxt)に他のセルへUE Context Releaseメッセージを送信していないこと、を条件としてToo Late HOを検出することができる。
<Too Early HO>
図13(B)に示すように、ターゲットセルの基地局は、ソースセルの基地局からRLF-Indicationメッセージを受信すると、RLF-Indication受信に先立つ所定期間内(Tstore_UE_cntxt)にUE Context Releaseメッセージをソースセルの基地局へ既に送信しているならば、Too Early HOを示すHandover Reportメッセージをソースセルの基地局へ送信する。したがって、ソースセルの基地局は、Handover Reportメッセージを受信したこと、かつ、Handover Report Type IEがToo Early HOを示すこと、を条件としてToo Early HOを検出することができる。
<HO to Wrong Cell>
図13(C)に示すように、ターゲットセルの基地局は、隣接セルからRLF-Indicationメッセージを受信すると、RLF-Indication受信に先立つ所定期間内(Tstore_UE_cntxt)にUE Context Releaseメッセージをソースセルの基地局へ既に送信しているならば、HO to Wrong Cellを示すHandover Reportメッセージをソースセルの基地局へ送信する。したがって、ソースセルの基地局は、Handover Reportメッセージを受信したこと、かつ、Handover Report Type IEがHO to Wrong Cellを示すこと、を条件としてHO to Wrong Cellを検出することができる。
4.4)動作
図14は本実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。図14において、まず、基地局31Bのハンドオーバ抑制部104はネットワーク管理システム20からハンドオーバ抑制閾値を取得する(動作S401)。ハンドオーバ抑制閾値は、上述した第1および第3実施形態の場合にはping-pong HO数の閾値NTH、第2実施形態の場合にはping-pong HO数の閾値NTHおよび無線品質閾値Qminである。
続いて、ハンドオーバ制御部101Bがハンドオーバ要求を受信すると(動作S402;YES)、既に述べたように、ハンドオーバ履歴分析部102および移動端末選択部103によりハンドオーバを抑制する移動端末が選択され(動作S403)、ハンドオーバ抑制部104が選択された移動端末のハンドオーバを抑制する(動作S404)。
ハンドオーバ抑制部104の動作は、上述した第1〜第3実施形態のいずれの動作を採用してもよい。続いて、ハンドオーバ抑制部104は、ハンドオーバを抑制した移動端末の識別情報を記録し(動作S405)、ハンドオーバ抑制の回数を集計する(動作S406)。
続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、他のセルからハンドオーバ失敗情報を取得すると、後述するようにハンドオーバ失敗の分析を行い(動作S407)、ハンドオーバ抑制を原因とするIncoming HO失敗数とOutgoing HO失敗数とをそれぞれ集計し(動作S408、S409)、ハンドオーバ統計情報をネットワーク管理システム20へ報告する(動作S410)。ハンドオーバ統計情報には、動作S406で集計されたハンドオーバ抑制回数と、動作S408およびS409でそれぞれ集計されたIncoming HO失敗数およびOutgoing HO失敗数とが含まれる。以下、ハンドオーバ失敗検出の具体例を詳細に説明する。
4.5)ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗検出(第1例)
ハンドオーバ失敗検出の第1例は、ハンドオーバ抑制部104が第1実施形態による動作を行う場合に適用される。第1実施形態では、他のセルからハンドオーバしてくる移動端末のうち所定の基準に合致するものはハンドオーバを拒否するのでハンドオーバ抑制を原因とするOutgoing HO失敗の検出は不要であり、さらにIncoming Too Early HOおよびIncoming HO to Wrong Cellは生じないので、Incoming Too Late HOのみを検出すればよい。
したがって、ハンドオーバ失敗検出部105はハンドオーバ抑制を原因とするIncoming Too Late HOを検出する。ハンドオーバ抑制がハンドオーバ失敗の原因であることは、次に述べるように、移動端末の識別情報の同一性およびハンドオーバ抑制からの経過時間を考慮して判断することができる。以下、詳細に説明する。
図15において、基地局31Bのハンドオーバ失敗検出部105はセル35Bに再接続を試行した移動端末があるか否かを判定し(動作S501)、再接続を試行した移動端末(以下、端末UEaという。)があれば(動作S501;YES)、当該端末UEaの識別情報を取得する(動作S502)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、端末UEaがハンドオーバを抑制すべき移動端末(すなわち、移動端末選択部103で選択されたHO抑制対象)であるか否かを判定し(動作S503)、端末UEaがHO抑制対象であれば(動作S503;YES)、端末UEaが直前に接続したセルXの識別情報を取得する(動作S504)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、所定期間内に端末UEaのハンドオーバ要求をセルXから受信したか否かを判定し(動作S505)、受信していれば(動作S505;YES)、Incoming Too Late HOを検出して(動作S506)、処理を終了する。なお、端末UEaがない場合(動作S501;NO)、端末UEaがHO抑制対象でない場合(動作S503;NO)、あるいは所定期間内に端末UEaのハンドオーバ要求をセルXから受信していない場合(動作S505;NO)には、そのまま処理を終了する。
このように、HO抑制対象の移動端末がセル35Bへのハンドオーバ要求を拒否された後にセル35Bへ再接続を試行してきた場合には、セルXにおいてハンドオーバ開始前に異常切断が生じたと判断され、Too Late HOが検出される。
4.6)ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗検出(第2例)
ハンドオーバ失敗検出の第2例は、ハンドオーバ抑制部104が第2あるいは第3実施形態による動作を行う場合に適用される。第2実施形態では、他のセルからのIncoming HOに対しては抑制を行わず、HO抑制対象となった移動端末がOutgoing HOを行う際に、直前に接続していたセル以外のセルの中からハンドオーバ先を決定する。また第3実施形態でも、他のセルからのIncoming HOに対しては抑制を行わず、HO抑制対象となった移動端末のみに、直前に接続していたセルへのOutgoing HOを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知することでセル間のping-pong HOを抑制する。
ハンドオーバ抑制部104が第2あるいは第3実施形態による動作を行う場合には、ハンドオーバ抑制の影響はIncoming HOとOutgoing HOの両方に及ぶ。したがって、ハンドオーバ失敗検出部105はハンドオーバ抑制を原因とするIncoming HO失敗とOutgoing HO失敗の両方を検出する。ハンドオーバ抑制がハンドオーバ失敗の原因であることは、次に述べるように、移動端末の識別情報の同一性およびハンドオーバ抑制からの経過時間を考慮して判断することができる。以下、詳細に説明する。
<Incoming HO失敗の検出>
図16は本実施形態におけるHO失敗検出の第2例のIncoming HO失敗の場合を示すフローチャートである。図16において、ハンドオーバ失敗検出部105は、RLF Indicationメッセージを受信したか否かを判定する(動作S601)。RLF Indicationメッセージの受信があれば(動作S601;YES)、異常切断を生じた端末(以下、端末UEaという。)の識別情報を取得する(動作S602)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、端末UEaがハンドオーバを抑制すべき移動端末(すなわち、移動端末選択部103で選択されたHO抑制対象)であるか否かを判定し(動作S603)、端末UEaがHO抑制対象であれば(動作S603;YES)、端末UEaが直前に接続したセルXの識別情報を取得する(動作S604)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信したか否かを判定し(動作S605)、送信していれば(動作S605;YES)、Incoming HO失敗を検出して(動作S606)、処理を終了する。なお、端末UEaがHO抑制対象でない場合(動作S603;NO)あるいは所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信していない場合(動作S605;NO)には、そのまま処理を終了する。
RLF Indicationメッセージの受信がなければ(動作S601;NO)、基地局31Bのハンドオーバ失敗検出部105はセル35Bに再接続を試行した移動端末があるか否かを判定し(動作S607)、再接続を試行した移動端末(以下、端末UEbという。)があれば(動作S607;YES)、当該端末UEbの識別情報を取得する(動作S608)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、端末UEbがハンドオーバを抑制すべき移動端末(すなわち、移動端末選択部103で選択されたHO抑制対象)であるか否かを判定し(動作S609)、端末UEbがHO抑制対象であれば(動作S609;YES)、端末UEbが直前に接続したセルYの識別情報を取得する(動作S610)。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、端末UEbのHO ReportメッセージをセルYから受信したか否かを判定し(動作S611)、HO ReportメッセージをセルYから受信していなければ(動作S611;NO)、さらに、再接続の試行から過去の所定期間内に端末UEbのハンドオーバ要求をセルYから受信していたか否かを判定する(動作S612)。所定期間内に端末UEbのハンドオーバ要求をセルYから受信していれば(動作S612;YES)、ハンドオーバ失敗検出部105は、Incoming HO失敗を検出して(動作S606)、処理を終了する。なお、再接続を試行した端末UEbがなかった場合(動作S607;NO)、端末UEbがHO抑制対象でない場合(動作S609;NO)、端末UEbのHO ReportメッセージをセルYから受信した場合(動作S611;YES)、あるいは所定期間内に端末UEbのハンドオーバ要求をセルYから受信していなかった(動作S612;NO)には、そのまま処理を終了する。
上述したように、端末がセル35Bに入ってくるハンドオーバ(Incoming HO)の失敗の検出は2系統に分かれる。まず、RLF Indicationメッセージを受信した場合には(動作S601;YES)、たとえば図13を参照すれば、RLF Indicationメッセージの受信より前に端末UEaのIncoming HOが完了しているものの、当該移動端末のハンドオーバが完了した時点がRLF Indicationメッセージの受信(すなわち、異常切断の通知)から過去の所定期間内(Tstore_UE_cntxt)であることから、Incoming HOの失敗と判断する。他方、RLF Indicationを受信せずに(動作S601;NO)、セル35Bに再接続を試行した端末UEbがあった場合には(動作S607;YES)、たとえば図13を参照すれば、他のセルからHO Reportメッセージを受信せず、かつ、再接続から過去の所定期間内に、同じ端末UEbに関するハンドオーバ要求を受信していることから、Incomingハンドオーバ失敗と判断する。
<Outgoing HO失敗の検出>
図17は本実施形態におけるHO失敗検出の第2例のOutgoing HO失敗の場合を示すフローチャートである。図17において、動作S601〜S604は、上述した図16のフローと同じであるから説明は省略する。続いて、ハンドオーバ失敗検出部105は、端末UEaが直前に接続したセルXの識別情報を取得すると(動作S604)、所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信したか否かを判定し(動作S620)、送信していなければ(動作S620;NO)、Outgoing HO失敗を検出して(動作S621)、処理を終了する。なお、端末UEaがHO抑制対象でない場合(動作S603;NO)あるいは所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信した場合(動作S620;YES)には、そのまま処理を終了する。
RLF Indicationメッセージの受信がなければ(動作S601;NO)、ハンドオーバ失敗検出部105はHO Reportメッセージを受信したか否かを判定する(動作S622)。ハンドオーバ失敗を示すHO Reportメッセージを受信したときには(動作S622;YES)、失敗したハンドオーバのハンドオーバ先セル(セルZ)の識別情報を取得し(動作S623)、所定期間内にHO抑制対象の移動端末がセルZへハンドオーバしたか否かを判定する(動作S624)。セルZへハンドオーバしたのであれば(動作624;YES)、Outgoing HO失敗を検出して(動作S621)、処理を終了する。なお、HO Reportメッセージを受信しない場合(動作S622;NO)あるいは所定期間内にHO抑制対象の端末がセルZへハンドオーバしなかった場合(動作S624;NO)には、そのまま処理を終了する。
上述したように、移動端末が他のセルへ出て行く際のハンドオーバ(Outgoing HO)の失敗の検出は2系統に分かれる。まず、RLF Indicationメッセージを受信した場合には(動作S601;YES)、たとえば図13を参照すれば、RLF Indicationメッセージの受信から過去の所定期間内(例えば、Tstore_UE_cntxt)に端末UEaのハンドオーバが完了していなければ、同じ移動端末について異常切断が通知されてきたのであるから、Outgoingハンドオーバ失敗と判断する。他方、RLF Indicationメッセージを受信しなかった場合(動作S601;NO)、HO Reportメッセージの受信から過去の所定期間内に、HO Reportメッセージが示すHO先のセル(セルZ)に対して、HO抑制対象の移動端末がハンドオーバしていれば、Outgoingハンドオーバ失敗と判断する。
4.7)ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗検出(第3例)
ハンドオーバ失敗検出の第3例は、ハンドオーバ抑制部104が第2あるいは第3実施形態による動作を行う場合に適用され、ハンドオーバ失敗検出部105はハンドオーバ抑制を原因とするIncoming HO失敗の種別とOutgoing HO失敗の種別を検出する。
<Incoming HO失敗種別の検出>
図18は本実施形態におけるHO失敗検出の第3例のIncoming HO失敗の場合を示すフローチャートである。図18において、動作S601〜S605は上述した第2例(図16)で説明した通りであるから説明は省略する。動作S605において所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信した場合(動作S605;YES)、ハンドオーバ失敗検出部105は、RLF Indicationメッセージの送信元のセルとハンドオーバ完了メッセージの送信先のセルXとが同じであるか否かを判定する(動作S640)。RLF Indicationメッセージの送信元のセルとハンドオーバ完了メッセージの送信先のセルXとが同じであれば(動作S640;YES)、図13(B)に示すように、Incoming Too Early HOを検出し(動作S641)、異なっていれば(動作S640;NO)、図13(C)に示すように、Incoming HO to Wrong Cellを検出する(動作S642)。
RLF Indicationメッセージの受信がなければ(動作S601;NO)、上述した第2例(図16)で説明したように動作S607〜S612が実行され、所定期間内に端末UEbのハンドオーバ要求をセルYから受信していれば(動作S612;YES)、図13(A)に示すように、ハンドオーバ失敗検出部105はIncoming Too Late HOを検出する(動作S643)、処理を終了する。
<Outgoing HO失敗種別の検出>
図19は本実施形態におけるHO失敗検出の第3例のOutgoing HO失敗の場合を示すフローチャートである。図19において、動作S601〜S604、S620、S622〜S624は、上述した図17のフローと同じであるから説明は省略する。ハンドオーバ失敗検出部105は、所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信しなかった場合(動作S620;NO)、Outgoing Too Late HOを検出して(動作S630)、処理を終了する。なお、端末UEaがHO抑制対象でない場合(動作S603;NO)あるいは所定期間内に端末UEaのハンドオーバ完了メッセージをセルXへ送信した場合(動作S620;YES)には、そのまま処理を終了する。
RLF Indicationメッセージの受信がなければ(動作S601;NO)、ハンドオーバ失敗検出部105は上述したように動作S622〜S624を実行し、所定期間内にHO抑制対象の移動端末がセルZへハンドオーバしたのであれば(動作624;YES)、ハンドオーバ失敗の種別がToo Earlyであるか否かによって(動作S631)、Outgoing Too Early HOあるいはOutgoing HO to Wrong Cellを検出する(動作S632、S633)。なお、HO Reportメッセージを受信しない場合(動作S622;NO)あるいは所定期間内にHO抑制対象の移動端末がセルZへハンドオーバしなかった場合(動作S624;NO)には、そのまま処理を終了する。
4.8)ハンドオーバ最適化
次に、図20を参照しながら、ネットワーク管理システム20のハンドオーバ最適化部201の動作を説明する。
図20は本実施形態におけるHO最適化動作を示すフローチャートである。図20において、ネットワーク管理システム20は基地局からハンドオーバ統計情報を取得し品質統計記憶部202に格納する(動作S701)。ハンドオーバ統計情報には、各基地局で集計されたハンドオーバ抑制回数と、Incoming HO失敗数あるいはIncoming HO失敗数およびOutgoing HO失敗数の両方が含まれる。ハンドオーバ抑制最適化部203は、取得したハンドオーバ統計情報に基づいて、ハンドオーバ抑制を原因するハンドオーバ失敗率Rfを計算する(動作S702)。ハンドオーバ失敗率Rfは、上述した実施形態に応じて以下のように定義することができる。
・第1実施形態の場合:
Rf=(抑制に起因するIncoming Too Late HO数)/(HO抑制数)
・第2、第3実施形態の場合:、
Rf=(抑制に起因するOutgoing HO失敗数 + 抑制に起因するIncoming HO失敗数)/(HO抑制数)
・第2、第3実施形態の場合であって、ハンドオーバ抑制の影響を受けるイベントに限定するとき:
Rf=(抑制に起因するOutgoing Too Late HO数 + 抑制に起因するIncoming Too Early HO数 + 抑制に起因するIncoming HO to Wrong Cell数)/(HO抑制数)
続いて、ハンドオーバ抑制最適化部203は、品質統計記憶部202に格納されたハンドオーバ統計情報を読み出して、ハンドオーバ抑制の閾値(NTHあるいはNTHおよびQmin)を変更する前に比べて、ハンドオーバ失敗率が増加したか否かを判定する(動作S703)。ハンドオーバ抑制の閾値変更前よりハンドオーバ失敗率が増加していれば(動作S703;YES)、ハンドオーバ抑制を緩和する方向にハンドオーバ抑制の閾値を変更する(動作S704)。ハンドオーバ抑制は、ハンドオーバ抑制の閾値NTH、Qminの増加により緩和し、閾値NTH、Qminの低減により強化される。
ハンドオーバ抑制の閾値変更前よりハンドオーバ失敗率が増加していなければ(動作S703;NO)、ハンドオーバ抑制最適化部203は、ハンドオーバ抑制の閾値を変更する前に比べて、ping-pongハンドオーバ率が減少したか否かを判定する(動作S705)。ping-pongハンドオーバ率が減少していれば(動作S705;YES)、ハンドオーバ抑制を強化する方向にハンドオーバ抑制の閾値を変更する(動作S706)。ping-pongハンドオーバ率が減少していなければ(動作S705;NO)、ハンドオーバ抑制の閾値は変更しない。こうして動作S704あるいはS706により決定されたハンドオーバ抑制の閾値が基地局へ通知される(動作S707)。
上述したように、ハンドオーバ最適化部201は、ハンドオーバ抑制の閾値の変更前後のハンドオーバ失敗率およびping-pongハンドオーバ率の変化量に基づいて、ハンドオーバ抑制の閾値を逐次的に変更し基地局へ通知する。
4.9)効果
本発明の第4実施形態によれば、上述した第1〜第3実施形態の効果に加えて、ハンドオーバ抑制の実績に基づいてハンドオーバ抑制の閾値をセルごとに調整することができ、抑制によるハンドオーバ失敗を抑えることができる。
本発明は移動通信システムにおけるセル間ハンドオーバ制御に利用可能である。
10、10a、10b 移動端末
20 ネットワーク管理システム
30、30A、30B 基地局(eNB)
101、101A、101B、101C ハンドオーバ制御部
102 ハンドオーバ履歴分析部
103 移動端末選択部
104 ハンドオーバ抑制部
105 ハンドオーバ失敗検出部
201 ハンドオーバ最適化部
202 品質統計記憶部
203 ハンドオーバ抑制最適化部

Claims (30)

  1. 複数のセルを備え、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおける無線通信制御装置であって、
    移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、
    前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、
    ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信制御装置。
  2. 前記ハンドオーバ履歴分析手段は、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバから所定期間内に前記第1セルへ戻るハンドオーバのみをハンドオーバ頻度の集計対象とすることを特徴とする請求項1に記載の無線通信制御装置。
  3. 前記移動端末選択手段は、前記ハンドオーバ頻度が頻度閾値を超える移動端末をハンドオーバ抑制対象として選択することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信制御装置。
  4. 前記移動端末選択手段は、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを行う移動端末の前記ハンドオーバ頻度の総和が頻度閾値を超えるとき、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを試みる移動端末をハンドオーバ抑制対象として選択することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信制御装置。
  5. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記第2セルを管理する無線通信制御装置から前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末のハンドオーバ要求があったとき、前記第2セルから前記第1セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  6. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記第2セルを管理する無線通信制御装置へ前記ハンドオーバ要求に対する拒否応答を返すことを特徴とする請求項5に記載の無線通信制御装置。
  7. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末からハンドオーバの測定報告を受信すると、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  8. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記測定報告における前記第1セルの無線品質が品質閾値を超えるときのみ、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項7に記載の無線通信制御装置。
  9. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記第1セルに接続している前記移動端末のハンドオーバ先の候補セルから前記第2セルを除外することを特徴とする請求項7または8に記載の無線通信制御装置。
  10. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末が前記第1セルに接続するとき、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  11. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記移動端末に対して、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知することを特徴とする請求項10に記載の無線通信制御装置。
  12. 前記ハンドオーバ抑制手段は、前記第2セルに接続する移動端末に対して通知されるハンドオーバ・パラメータの設定値に基づいて前記ハンドオーバを抑制するハンドオーバ・パラメータの設定値を決定することを特徴とする請求項11に記載の無線通信制御装置。
  13. ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗を検出するハンドオーバ失敗検出手段を更に有し、
    前記ハンドオーバ抑制手段は、前記ハンドオーバ失敗の発生率に基づいて、前記ハンドオーバ抑制の度合いを調整することを特徴とする請求項1−12のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  14. 前記ハンドオーバ抑制の度合いは、前記ハンドオーバ頻度の頻度閾値および前記第1セルの無線品質の品質閾値の少なくとも一つにより調整されることを特徴とする請求項13に記載の無線通信制御装置。
  15. 複数のセルを備え、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、
    移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を算出し、
    前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択し、
    ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制する、
    ことを特徴とする無線通信制御方法。
  16. 前記ハンドオーバ頻度は、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバから所定期間内に前記第1セルへ戻るハンドオーバのみを集計して算出されることを特徴とする請求項15に記載の無線通信制御方法。
  17. 前記ハンドオーバ頻度が頻度閾値を超える移動端末をハンドオーバ抑制対象として選択することを特徴とする請求項15または16に記載の無線通信制御方法。
  18. 前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを行う移動端末の前記ハンドオーバ頻度の総和が頻度閾値を超えるとき、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを試みる移動端末をハンドオーバ抑制対象として選択する、ことを特徴とする請求項15または16に記載の無線通信制御方法。
  19. 前記第2セルを管理する無線通信制御装置から前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末のハンドオーバ要求があったとき、前記第2セルから前記第1セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項15−18のいずれか1項に記載の無線通信制御方法。
  20. 前記第2セルを管理する無線通信制御装置へ前記ハンドオーバ要求に対する拒否応答を返すこと前記第1セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項19に記載の無線通信制御方法。
  21. 前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末からハンドオーバの測定報告を受信すると、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項15−18のいずれか1項に記載の無線通信制御方法。
  22. 前記測定報告における前記第1セルの無線品質が品質閾値を超えるときのみ、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項21に記載の無線通信制御方法。
  23. 前記第1セルに接続している前記移動端末のハンドオーバ先の候補セルから前記第2セルを除外することを特徴とする請求項21または22に記載の無線通信制御方法。
  24. 前記ハンドオーバ抑制対象である移動端末が前記第1セルに接続するとき、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制することを特徴とする請求項15−18のいずれか1項に記載の無線通信制御方法。
  25. 前記移動端末に対して、前記第1セルから前記第2セルへのハンドオーバを抑制するハンドオーバ・パラメータを通知することを特徴とする請求項24に記載の無線通信制御方法。
  26. 前記第2セルに接続する移動端末に対して通知されるハンドオーバ・パラメータの設定値に基づいて前記ハンドオーバを抑制するハンドオーバ・パラメータの設定値を決定することを特徴とする請求項25に記載の無線通信制御方法。
  27. ハンドオーバ抑制を原因とするハンドオーバ失敗を検出し、前記ハンドオーバ失敗の発生率に基づいて、前記ハンドオーバ抑制の度合いを調整する、ことを特徴とする請求項15−26のいずれか1項に記載の無線通信制御方法。
  28. 前記ハンドオーバ抑制の度合いは、前記ハンドオーバ頻度の頻度閾値および前記第1セルの無線品質の品質閾値の少なくとも一つにより調整されることを特徴とする請求項27に記載の無線通信制御方法。
  29. 移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムにおけるセルを管理する基地局であって、
    移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、
    前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、
    ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、
    を備えることを特徴とする基地局。
  30. セルを管理する基地局と移動端末とを有し、移動端末によるセル間ハンドオーバの履歴を記録する機能を有する無線通信システムであって、
    前記基地局は、
    移動端末のハンドオーバ履歴から第1セルと第2セルとの間のハンドオーバ頻度を求めるハンドオーバ履歴分析手段と、
    前記ハンドオーバ頻度に基づいて、前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制すべき移動端末を選択する移動端末選択手段と、
    ハンドオーバ抑制対象として選択された移動端末に対して前記第1セルと前記第2セルとの間のハンドオーバを抑制するハンドオーバ抑制手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
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