JP5216615B2 - 無線通信システム、通信管理装置、及び、コンピュータプログラム - Google Patents

無線通信システム、通信管理装置、及び、コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線端末のハンドオーバを実施する無線通信システム、通信管理装置、及び、コンピュータプログラムに関する。
従来、無線LANを用いた無線通信システムでは、無線端末が移動することによって無線アクセスポイントからの電波が弱くなった場合、当該無線端末の通信先を、現在通信している無線アクセスポイントから、より電波の強い他の無線アクセスポイントに切り替えるハンドオーバが行なわれている。
例えば特許文献1には、無線LAN(Local Area Network)を用いた無線端末において、最適な接続切替先の無線アクセスポイントを決定することが記載されている。
特開2008−34906号公報
上述した従来の無線通信システムにおいては、無線端末自体にハンドオーバの機能を組み込む必要があった。そのため、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末では、無線アクセスポイントからの無線信号の受信レベルが低下した場合でもハンドオーバができず、通信品質の劣化や通信断が発生してしまう。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末のハンドオーバを行なうことができる無線通信システム、通信管理装置、及び、コンピュータプログラムを提供することにある。
この発明は、上記の課題を解決すべくなされたもので、通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントは、自身に帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子を記憶する情報記憶部と、自身に帰属している前記無線端末における通信品質の情報を取得し、当該無線端末毎の基本サービスセット識別子と、取得した前記通信品質の情報とを所定の間隔毎に前記通信管理装置へ通知する通信品質通知部と、前記通信管理装置から基本サービスセット識別子と通信品質測定要求とを受信し、前記情報記憶部に受信した当該基本サービスセット識別子が記憶されていなければ当該基本サービスセット識別子を前記情報記憶部に書き込み、受信した当該基本サービスセット識別子を設定した通信品質測定要求を無線により送信し、当該基本サービスセット識別子を用いて通信を行っている前記無線端末から、自身が送信した無線信号の通信品質の情報を受信して前記通信管理装置へ返送する通信品質返送部と、前記通信品質返送部が返送した通信品質の情報に対応して、前記通信管理装置から接続切替先の無線アクセスポイントの通知を受信し、自身が前記接続切替先の無線アクセスポイントである場合に、前記通信品質返送部が受信し、前記情報記憶部に書き込んだ前記基本サービスセット識別子を自身に帰属する無線端末の基本サービスセット識別子として登録し、前記受信した基本サービスセット識別子を用いて通信を行っている前記無線端末の帰属処理を行い、自身が前記接続切替先の無線アクセスポイントではない場合に、前記情報記憶部から通信品質返送部が受信した前記基本サービスセット識別子を削除する切替部と、を備え、前記通信管理装置は、前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の基本サービスセット識別子と当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視部と、前記通信品質監視部により、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部と、前記通信品質測定要求部が送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示部と、を備える、ことを特徴とする無線通信システムである。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記切替指示部は、最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントが、前記無線端末が現在帰属している無線アクセスポイントとは異なる場合に、最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知することを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記通信管理装置は、前記切替指示部による切替通知によって帰属先が切替わった前記無線端末について帰属先の切替えを所定時間規制する品質保持部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントは、他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から接続要求と通信品質の情報とを受信し、受信した前記通信品質の情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部をさらに備え、前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記通信品質の情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、前記通信管理装置は、前記無線アクセスポイントから前記通信品質の情報と前記接続許可問合とを受信し、当該通信品質が接続切替を許可する所定の通信品質を満たしている場合に切替の許可を返送する品質保持部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントは、他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から当該無線端末の端末識別情報と接続要求とを受信し、受信した前記端末識別情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部とをさらに備え、前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記端末識別情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、前記通信管理装置は、前記端末識別情報に対応付けて、当該端末識別情報により特定される無線端末のハンドオーバ履歴を記憶する接続管理情報記憶部と、前記無線アクセスポイントから前記端末識別情報と前記接続許可問合とを受信し、当該端末識別情報に対応した前記接続管理情報記憶部内のハンドオーバ履歴を参照して、最後に切替を行なった時刻から所定時間が経過しており、かつ、所定時間内の切替が所定回数を超えないと判断した場合に、切替の許可を返送するとともに、前記端末識別情報に対応して前記接続管理情報記憶部に記憶されている前記ハンドオーバ履歴を更新する品質保持部とをさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントは、自身の無線アクセスポイント識別情報と、自身に帰属している前記無線端末の情報を通知する帰属端末通知部と、他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から接続要求を受信し、自身の無線アクセスポイント識別情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部とをさらに備え、前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記無線アクセスポイント識別情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、前記通信管理装置は、各無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を記憶する接続管理情報記憶部と、前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を受信して前記接続管理情報記憶部に書き込む更新部と、前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と前記接続許可問合とを受信し、当該無線アクセスポイント識別情報に対応して前記接続管理情報記憶部に記憶されている前記無線端末の情報に基づいて当該無線アクセスポイントに帰属している無線端末の数を取得し、取得した無線端末の数が所定より少ない場合に切替の許可を返送する品質保持部とをさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記通信管理装置は、各無線アクセスポイントの設定情報を記憶する設定管理情報記憶部を備え、前記設定管理情報記憶部を参照して、共通して設定すべき設定情報とは異なる設定情報を設定している前記無線アクセスポイントを特定し、特定した前記無線アクセスポイントに対して前記共通して設定すべき設定情報を送信する設定複写部をさらに備え、前記無線アクセスポイントは、前記通信管理装置から設定情報を受信し、受信した当該設定情報により前記情報記憶部に記憶されている自身の前記設定情報を更新する情報管理部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントは、自身の無線アクセスポイント識別情報と、自身に帰属している前記無線端末の情報を通知する帰属端末通知部を備え、前記通信管理装置は、各無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報、及び、各無線端末のスループットの情報を記憶する接続管理情報記憶部と、各サービスの提供に必要なスループット及び通信品質を記憶する設定管理情報記憶部と、前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を受信して前記接続管理情報記憶部に書き込む更新部と、前記接続管理情報記憶部を参照して、サービスレベル判定対象の無線端末のスループットを読み出すとともに当該無線端末が属する前記無線アクセスポイントを特定し、特定した当該無線アクセスポイントへサービスレベル判定対象の前記無線端末の通信品質測定要求を送信し、前記設定管理情報記憶部を参照して、前記無線アクセスポイントから返送された通信品質の情報と前記読み出したスループットとから提供可能なサービスを特定して出力する閲覧部とを備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する無線通信システムであって、前記無線アクセスポイントと前記無線端末は、無線LANにより通信することを特徴とする。
また、本発明は、通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムにおける前記通信管理装置であって、前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子と、当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視部と、前記通信品質監視部により、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部と、前記通信品質測定要求部が送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示部と、を備えることを特徴とする通信管理装置である。
また、本発明は、通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムにおける前記通信管理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子と、当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視ステップと、前記通信品質監視ステップにおいて、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部ステップと、前記通信品質要求ステップにおいて送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
本発明によれば、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末のハンドオーバを実施することができる。また、無線通信システムに、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末と、ハンドオーバ機能を搭載している無線端末とが混在している場合でも、ハンドオーバ後の無線端末の通信品質を確保することができる。加えて、複数の無線アクセスポイントに同一の設定情報を簡易に設定することができる。さらには、任意の無線端末の受信レベルを測定して当該無線端末に提供可能なサービスのレベルをユーザに提示することができる。
本発明の一実施の形態による無線通信システムの全体構成図である。 同実施の形態によるルータの内部構成を示すブロック図である。 同実施の形態による無線アクセスポイントの内部構成を示すブロック図である。 同実施の形態による接続端末情報のデータ構成例を示す図である。 同実施の形態によるハンドオーバ履歴情報のデータ構成例を示す図である。 同実施の形態によるハンドオーバ機能非搭載無線端末のハンドオーバシーケンス図である。 同実施の形態によるハンドオーバ機能非搭載無線端末のハンドオーバシーケンス図である。 同実施の形態によるハンドオーバ機能搭載無線端末のハンドオーバシーケンス図である。 同実施の形態によるばたつき判定に基づくハンドオーバ拒否シーケンス図である。 同実施の形態による受信レベル判定に基づくハンドオーバ拒否シーケンス図である。 同実施の形態による帰属無線端末台数判定に基づくハンドオーバ拒否シーケンスを示す図である。 同実施の形態によるルータの処理フローを示す図である。 同実施の形態によるルータの処理フローを示す図である。 同実施の形態による設定情報更新処理シーケンス図である。 同実施の形態によるサービスグレード判定を説明するための図である。
[1. 無線通信システムの構成]
図1は、本発明の一実施の形態による無線通信システムの全体構成を示す図である。同図において、無線通信システムは、通信管理装置としてのルータ1と、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(以下「アクセスポイント」を「AP」と記載)装置である複数の無線AP2と、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末3と、ハンドオーバ機能を搭載している無線端末4と、パーソナルコンピュータなどの端末5からなる。
無線AP2は、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)、光通信、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の有線によりルータ1とデータの送受信を行なうが、無線AP2とルータ1とが無線により通信することでもよい。例えば、PLCアダプタ機能を有する無線AP2が、PLCによりルータ1と通信を行なう場合、電力線や同軸線によりルータ1と接続することができる。無線端末3、無線端末4は、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の可搬のコンピュータ端末であり、無線AP2と無線LANによりデータの送受信を行なう。以下、無線端末3と無線端末4を総称して単に「無線端末」とも記載する。また、端末5は、例えばパーソナルコンピュータであり、ルータ1または無線AP2とケーブル等により接続される。
図2は、図1に示すルータ1の内部構成を示すブロック図であり、本発明と関係する機能ブロックのみ抽出して示してある。同図において、ルータ1は、通信部11、情報記憶部12、通信品質監視部13、通信管理部14、タイマ15、情報管理部16及びルーチング部17を備える。通信部11は、電力線や同軸線、ケーブルなどの有線によりデータの送受信を行なう。無線により無線AP2と通信する場合、通信部11は、無線によりデータの送受信を行なう機能をさらに有する。ルーチング部17は、受信したデータの宛先情報に基づいて当該データのルーチングを行なう。タイマ15は所定時間を計測する。
情報記憶部12は、接続管理情報記憶部121及び設定管理情報記憶部122を備える。接続管理情報記憶部121は、各無線端末がハンドオーバ機能搭載無線端末であるか非搭載無線端末であるかの情報、各無線端末のスループットの情報、各無線端末がハンドオーバ停止中であるか否かの情報、各無線端末の通信品質の情報、無線端末3のハンドオーバが必要であるかを判断するための通信品質の閾値の情報、無線端末4のハンドオーバを許可するための通信品質の閾値の情報、各無線端末4のハンドオーバ履歴情報、各無線AP2に帰属している無線端末を示す接続端末情報などの情報を記憶している。設定管理情報記憶部122は、各無線AP2や無線端末の設定情報、各種サービスの提供に必要な通信品質及びスループットの情報などの情報を記憶している。
通信品質監視部13は、各無線AP2に帰属している無線端末3の通信品質の情報を受信し、接続管理情報記憶部121に書き込むとともに、受信した通信品質と無線端末3のハンドオーバが必要であるかを判断するための通信品質の閾値とを比較してハンドオーバの必要性の有無を判断する。
通信管理部14は、無線端末3の接続切替先の決定や、無線端末4にハンドオーバを許可するかの判断を行い、接続切替先となる無線AP2に対して接続切替処理を指示する。通信管理部14は、更新部141、通信品質測定要求部142、切替指示部143及び品質保持部144を備える。更新部141は、各無線AP2から当該無線AP2に帰属している無線端末の情報を受信して接続管理情報記憶部121に書き込む。通信品質測定要求部142は、無線AP2に対して無線端末の通信品質を取得して返送するよう要求する。切替指示部143は、無線AP2へ接続切替の実行または拒否を指示する。品質保持部144は、無線端末が接続可能な複数の無線AP2に対してハンドオーバを短い時間で繰り返すばたつきを制限したり、無線端末がハンドオーバした後に所定の通信品質を確保できるかを判断したりする。
情報管理部16は、設定管理部161及び設定複写部164を備え、設定管理部161は、設定受信部162及び閲覧部163を備える。設定受信部162は、各AP2の設定情報や、各無線端末の設定情報を受信し、設定管理情報記憶部122に書き込む。閲覧部163は、設定管理情報記憶部122に記憶されている設定情報等に基づいて端末5に各種情報を表示させる。設定複写部164は、複数の無線AP2に対して同一の設定情報を送信し、設定情報を更新させる。
図3は、図1に示す無線AP2の内部構成を示すブロック図であり、本発明と関係する機能ブロックのみ抽出して示してある。
同図において、無線AP2は、無線通信部21、有線通信部22、情報記憶部23、通信処理部24、情報管理部25を備える。無線通信部21は、無線LANなどの無線通信によりデータの送受信を行なう。有線通信部22は、電力線や同軸線などの有線によりデータの送受信を行なう。情報記憶部23は、自身に帰属している無線端末の帰属情報や、無線AP用の設定情報などの各種情報を記憶する。
通信処理部24は、各無線端末との通信を制御し、帰属端末通知部241、通信品質通知部242、通信品質返送部243、切替部244、接続要求受信部245を備える。帰属端末通知部241は、自身に帰属している無線端末の情報をルータ1に通知する。通信品質通知部242は、自身に帰属している無線端末3の通信品質を定期的にルータ1へ通知する。通信品質返送部243は、ルータ1から自無線AP2または他の無線AP2に帰属している無線端末の通信品質の測定要求を受信し、当該無線端末の通信品質を取得してルータ1へ返送する。切替部244は、ルータ1から接続切替の指示を受信し、他の無線AP2に帰属している無線端末を自身に帰属させるための帰属処理を行なう。接続要求受信部245は、他の無線AP2に帰属している無線端末4から接続要求を受信した場合に、ルータ1へ接続許可問合を送信する。
情報管理部25は、情報記憶部23に記憶されている設定情報が登録あるいは変更された場合にルータ1へ当該設定情報を通知したり、ルータ1から受信した無線AP用の設定情報によって、情報記憶部23に現在記憶されている自身の設定情報を更新したりする。
[2. データ構成]
図4は、ルータ1の接続管理情報記憶部121に記憶される接続端末情報のデータ構成例を示す図である。同図において、接続端末情報は、無線AP2を特定する識別子である無線APIDと、無線AP2に接続されている無線端末との通信に用いられるBSSID(Basic Service Set Identifier;基本サービスセット識別子)と、当該無線端末を特定する識別子である端末IDとを対応づけた情報からなる。BSSIDとは、IEEE 802.11シリーズの無線LANに用いられるネットワーク識別子の一つである。各無線AP2において付与するBSSIDは各無線AP2毎に固有であり、また、通信を行なっている無線端末それぞれに異なる値が用いられる。また、端末IDには、例えば、無線端末のMAC(Media Access Control)アドレスを用いることができる。
図5は、ルータ1の接続管理情報記憶部121に記憶されるハンドオーバ履歴情報のデータ構成例を示す図である。同図において、ハンドオーバ履歴情報は、無線端末4を特定する端末IDと、当該無線端末4がハンドオーバを最後に行なった時刻(最終ハンドオーバ時刻)と、当該無線端末4が所定時間内にハンドオーバを行なった回数(ハンドオーバ回数)とを対応付けた情報からなる。ルータ1の通信品質監視部13は、このハンドオーバ回数を所定の周期でクリアする。
[3. ハンドオーバ機能非搭載無線端末のハンドオーバ手順]
図6及び図7は、ハンドオーバ機能非搭載の無線端末3のハンドオーバシーケンスを示す図である。ここでは、複数の無線AP2として、無線AP2a及び無線AP2bがあるものとする。図6において、無線AP2aはBSSID「ABC」を用いて無線LANにより無線端末3と通信しており、無線AP2bはBSSID「EDF」を用いて無線LANにより他の無線端末3または無線端末4と通信しているものとする(ステップS105)。無線AP2aの帰属端末通知部241は、無線端末3と通信を行なう前の帰属処理において、自身の無線APIDと、自身に帰属した無線端末3から受信した端末IDと、当該無線端末3との通信で使用するBSSIDとをルータ1に通知する。ルータ1の更新部141は、受信した無線APID、端末ID及びBSSIDを対応付けた情報を、接続管理情報記憶部121に記憶されている接続端末情報に登録する。帰属処理後、ルータ1のルーチング部17は無線端末3から送信されたデータを無線AP2aから受信してインターネットなどのネットワークへ送信するとともに、当該ネットワークを介して受信した無線端末3宛てのデータを無線AP2aへ送信し、無線AP2aは当該データを無線LANにより無線端末3へ送信する(ステップS110)。
ルータ1の通信品質監視部13は、PER(Packet Error Rate)監視または定期ポーリングにより、各無線AP2に帰属している無線端末3の通信品質を監視している(ステップS115)。PER監視の場合、無線AP2の通信品質通知部242は、自身の無線APIDと、自身に帰属する無線端末3との通信において使用しているBSSIDまたは当該無線端末3の端末IDと、当該無線端末3から通知されたPERとをルータ1に周期的に通知する。ルータ1の通信品質監視部13は、PERが所定の閾値を超えた場合に、通信品質が劣化したためハンドオーバが必要であると判断する。なお、無線端末3において自律的にPERを無線AP2へ通知してもよく、無線AP2の通信品質通知部242が無線端末3にPER通知要求を送信し、当該PER通知要求の応答として無線端末3がPERを送信することでもよい。
一方、定期ポーリングの場合、ルータ1の通信品質監視部13が定期的に各無線AP2に受信レベル測定要求を送信し、各無線AP2の通信品質通知部242は、自身に帰属している無線端末3に受信レベル測定のためのフレームを送信する。具体的には、IEEE 802.11 Management FrameのNull Function、QoSNull又はICMP Echo Requestのいずれかの無線端末環境測定用フレームを送信する。この無線端末環境測定用フレームには、BSSIDと、送信元の無線AP2の無線APIDが含まれる。無線端末3は、無線端末環境測定用フレームについての受信レベルを測定し、その測定結果をResponseに設定して無線AP2に返送する。当該Responseには、無線端末環境測定用フレームから取得したBSSID及び無線APIDも設定される。無線AP2の通信品質通知部242は返送されたResponseから取得した受信レベルの測定結果と、無線端末3のBSSIDまたは端末IDと、自身の無線APIDとを設定したレベル通知をルータ1へ返送する。ルータ1の通信品質監視部13は、受信レベルが所定の閾値より低い場合に、通信品質が劣化したためハンドオーバが必要であると判断する。
なお、上記においては通信品質としてPER、受信レベルを用いているが、通信品質を判断可能な他の指標を用いてもよい。
ステップS115における通信品質の監視により、無線AP2aと無線端末3との間の通信品質が劣化し、ハンドオーバが必要であることを検出すると、ルータ1の通信品質測定要求部142は、この通信品質の劣化が検出された無線端末3が現在帰属している無線AP2a以外の無線AP2へ、当該無線端末3との間の通信において使用しているBSSIDを追加するよう指示する(ステップS120)。同図においては、ルータ1の通信品質測定要求部142は、BSSID「ABC」を設定したBSSID追加指示を無線AP2bへ送信している。無線AP2bの通信品質返送部243は、情報記憶部23に現在使用しているBSSID「EDF」に追加して、ルータ1から受信したBSSID「ABC」を書き込む(ステップS125)。
次に、ルータ1の通信品質測定要求部142は、通信品質の劣化が検出された無線端末3のBSSIDを設定した受信レベル測定要求を全ての無線AP2へ送信し、当該無線端末3の受信レベルを測定するよう指示する。受信レベル測定要求を受信した各無線AP2は、無線端末3の受信レベルの測定値を取得して返送する。同図においては、ルータ1から受信レベル測定要求を受信した無線AP2aの通信品質返送部243は(ステップS130)、上述した定期ポーリングにおける受信レベル取得手順と同様の手順により無線端末3から受信レベルを取得する(ステップS135)。つまり、無線AP2aの通信品質返送部243は、自身の無線APIDと受信レベル測定要求から取得したBSSID「ABC」とを設定した無線端末環境測定用フレームを無線端末3に送信する。無線端末3は、当該無線端末環境測定用フレームに対する受信レベルを測定し、この測定結果とBSSID及び無線APIDとを設定したResponseを無線AP2aに返送する。無線AP2aの通信品質返送部243は、自身の無線APIDが設定されているResponseから取得した受信レベルの測定結果と、無線端末3のBSSIDまたは端末IDと、自身の無線APIDとを設定した受信レベル通知をルータ1へ返送する(ステップS140)。ルータ1の通信品質測定要求部142は、受信した受信レベル通知に設定されているBSSID、無線APID及び受信レベルを対応づけて接続管理情報記憶部121に記憶する。
同様に、ルータ1から受信レベル測定要求を受信した無線AP2bの通信品質返送部243は(ステップS145)、ステップS135と同様の手順により無線端末3から受信レベルを取得する(ステップS150)。無線AP2bの通信品質返送部243は、無線端末3から返送された、自身の無線APIDが設定されているResponseより取得した受信レベルの測定結果と、無線端末3のBSSIDまたは端末IDと、自身の無線APIDとを設定した受信レベル通知をルータ1へ返送する(ステップS155)。ルータ1の通信品質測定要求部142は、受信レベル通知に設定されているBSSID、無線APID及び受信レベルを対応づけて接続管理情報記憶部121に記憶する。
図7において、ルータ1の切替指示部143は、受信レベル測定要求を送信した全ての無線AP2から受信レベルを受信して接続管理情報記憶部121に記憶すると、各無線AP2から受信した受信レベルを比較し、最も高い受信レベルを選択する(ステップS205)。ここでは、無線AP2bから受信した受信レベルが最も高いものとする。ルータ1は、最も高い受信レベルに対応付けて接続管理情報記憶部121に記憶されている無線APIDと、無線端末3のBSSIDに対応付けて接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている無線APIDとが異なることにより、ハンドオーバを実施すべきであると判断する。
ルータ1の切替指示部143は、選択した最もよい受信レベルに対応付けて接続管理情報記憶部121に記憶されている無線APIDから、接続切替先の無線AP2が無線AP2bであることを認識する。ルータ1は、無線AP2b以外の無線AP2から、無線端末3が使用しているBSSIDを削除するとともに、無線AP2bに無線端末3の新たな帰属先となるよう指示する。そこで、ルータ1の切替指示部143は、BSSID「ABC」と、接続切替元である無線AP2aの無線APIDと、接続切替先である無線AP2bの無線APIDとを設定した無線AP切替通知を無線AP2a,無線AP2bに送信する。無線AP切替通知を受信した無線AP2aの切替部244は(ステップS210)、接続切替先が自身の無線APIDではないため、情報記憶部23に記憶していたBSSID「ABC」を削除する(ステップS215)。
一方、無線AP切替通知を受信した無線AP2bの切替部244は(ステップS220)、接続切替先が自身の無線APIDであるため、情報記憶部23に記憶していたBSSID「ABC」を、自身に帰属する無線端末3のBSSIDとして登録する(ステップS225)。無線AP2bの切替部244は、無線端末3との間で、従来技術と同様の処理によって帰属処理を行なう(ステップS230)。ここでの帰属処理とは、無線端末3と無線AP2bとでBSSを構成するため、無線端末3の情報を無線AP2bの情報記憶部23に登録する一連の処理をいう。帰属処理が終了すると、無線AP2bの切替部244は、帰属完了通知をルータ1に送信する(ステップS235)。
ルータ1の切替指示部143は、帰属完了通知を受信すると、接続切替、つまり、ハンドオーバが行なわれた無線端末3のBSSID(または端末ID)に対応したタイマ15を起動する(ステップS240)。これにより、再び無線端末3の通信品質が劣化し、図6のステップS115において通信品質の劣化が検出された場合であっても、無線端末3のBSSID(または端末ID)に対応して起動されたタイマ15が満了していない場合には、ステップ120以降のハンドオーバを処理実行しない。ルータ1の更新部141は、無線端末3のBSSIDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている無線APIDを、無線AP2aの無線APIDから無線AP2bの無線APIDに書き換える(ステップS245)。以降、無線端末3と無線AP2bとの間でBSSID「ABC」を用いた通信が行なわれる(ステップS250)。ルータ1のルーチング部17は、無線端末3から送信されたデータを無線AP2bから受信してインターネットなどのネットワークへ送信するとともに、当該ネットワークを介して受信した無線端末3宛てのデータを無線AP2bへ送信し、無線AP2bは当該データを無線LANにより無線端末3へ送信する(ステップS255)。
上記によれば、ハンドオーバ機能を搭載していない無線端末に対して、ハンドオーバを行なうことが可能となる。
なお、上記においては、ルータ1が無線LAN機能を有さない場合を例に説明したが、ルータ1が無線LAN機能を有する場合は、ルータ1が無線通信部21、情報記憶部23、通信処理部24及び情報管理部25を有し、無線AP2と同様の処理を実行する。具体的には、ルータ1は、ステップS120の前または後に、自身の備える情報記憶部23に現在使用しているBSSID(例えばBSSID「GHI」)に追加して、BSSID「ABC」を追加し、ステップ145の前または後に、BSSID「ABC」及び自身の無線APIDを設定した無線端末環境測定用フレームを無線端末3に送信する。無線端末3は、ルータ1から受信した無線端末環境測定用フレームに対する受信レベルを測定してResponseを返送する。これにより、ルータ1は、受信したResponseに設定されている受信レベルと、ルータ1の無線APID及び無線端末3のBSSIDまたは端末IDとを対応づけて接続管理情報記憶部121に記憶する。
そして、図7のステップS205において選択された受信レベルがルータ1の無線APIDと対応付けられている場合、ルータ1は、無線端末3の帰属処理を行い、無線端末3のBSSIDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている無線APIDを、自身の無線APIDに書き換え、タイマ15を起動する。さらに、ルータ1は、BSSID「ABC」と、接続切替元である無線AP2aの無線APIDと、接続切替先であるルータ1の無線APIDとを設定した無線AP切替通知を無線AP2a,無線AP2bに送信し、無線AP2a、無線AP2bからBSSID「ABC」を削除する。一方、ステップS205において選択された受信レベルがルータ1以外の無線APIDと対応付けられている場合、ルータ1は、自身の備える情報記憶部23からBSSID「ABC」を削除する。これにより、BSSID「GHI」のみが帰属している無線端末のBSSIDとして記憶されることになる。
[4. ハンドオーバ機能搭載無線端末の品質保証手順]
ハンドオーバ機能を搭載している無線端末の場合、従来は、無線端末主導でハンドオーバが行われているものがほとんどであり、必ずしもハンドオーバ後の品質を確保することはできなかった。例えば、置局設計等の問題で、無線端末が帰属先の無線APを短い時間で連続して切り替える無線AP間のばたつき現象が発生した場合、通信がスムーズでなくなり、通信品質劣化が発生するという問題がある。また、接続切替後の無線APからの無線信号の受信レベルや、接続切替先の無線APにおける負荷を考慮したハンドオーバ可否の判定は行なっていない。ここでは、このような問題を解決するための処理について説明する。
図8は、ハンドオーバ機能搭載無線端末である無線端末4のハンドオーバシーケンスを示す図である。同図において、複数の無線AP2として、無線AP2a及び無線AP2bがあるものとする。無線端末4は、無線AP2aに帰属し、無線LANにより通信している(ステップS305)。無線AP2aの帰属端末通知部241は、無線端末4と通信を行なう前の帰属処理において、自身の無線APIDと、帰属した無線端末4から受信した端末IDと、当該無線端末4との通信で使用するBSSIDとをルータ1に通知する。ルータ1の更新部141は、受信した無線APID、端末ID及びBSSIDを対応付けた情報を、接続管理情報記憶部121に記憶されている接続端末情報に登録する。この登録は、図6における無線端末3の場合の処理と同様である。帰属処理後、ルータ1のルーチング部17は無線端末4から送信されたデータを無線AP2aから受信してインターネットなどのネットワークへ送信するとともに、当該ネットワークを介して受信した無線端末4宛てのデータを無線AP2aへ送信し、無線AP2aは当該データを無線LANにより無線端末4へ送信する。
無線端末4は、現在帰属している無線AP2aからの無線信号の受信レベルが所定以下であることを検出し、かつ、無線AP2aとは異なる無線AP2、ここでは、無線AP2bの受信レベルが所定以上であることを検出した場合、無線AP2bへのハンドオーバを行なうと判断する。無線端末4は、自身の端末IDと、無線AP2bからの無線信号(例えば、報知信号)の受信レベルとを設定した接続要求を無線AP2bへ送信する(ステップS310)。無線AP2bの接続要求受信部245は、接続許可問合として、接続要求から取得した端末ID及び自身の無線APIDを設定した端末照会と、当該接続要求から取得した受信レベル及び自身の無線APIDを設定した端末受信レベル通知とをルータ1へ通知する(ステップS315)。なお、無線AP2bが、端末IDを設定した接続要求を無線端末4から受信し、当該無線端末4に無線端末環境測定用フレームを送信することによって、接続要求元の無線端末4から受信レベルを取得してもよい。
ルータ1の品質保持部144は、受信した接続許可問合が、ハンドオーバにより接続してきた無線端末に関するものであるか否かを判断する(ステップS320)。具体的には、品質保持部144は、接続許可問合として受信した端末照会に設定されている端末ID及び無線APIDの組が、接続管理情報記憶部121に記憶されている接続端末情報に登録されているか否かを判断する。登録されていない場合、品質保持部144は、接続許可問合がハンドオーバにより接続してきた無線端末に関するものであると判断し、品質保持部144は、ばたつき検知を行なう(ステップS325)。具体的には、品質保持部144は、受信した端末IDに対応して接続管理情報記憶部121内のハンドオーバ履歴情報に登録されている最終ハンドオーバ時刻及びハンドオーバ回数を読み出す。品質保持部144は、現在の時刻が最終ハンドオーバ時刻から所定時間以上経過した時刻であり、かつ、ハンドオーバ回数が所定の回数以下であるかを判定する。現在の時刻が最終ハンドオーバ時刻から所定時間以上経過した時刻であり、かつ、ハンドオーバ回数が所定の回数以下であると判定した場合、さらに、品質保持部144は、受信レベルによるばたつき判定を行なう。品質保持部144は、受信した端末IDに対応して接続管理情報記憶部121に記憶されている、ハンドオーバ時刻が現在より所定時間前までの受信レベル全てを読み出すと、読み出した受信レベルの平均値を算出する。そして、品質保持部144は、端末受信レベル通知から取得した受信レベルと、算出した受信レベルの平均値とを比較する。端末受信レベル通知から取得した受信レベルのほうが、接続要求送信元の無線端末4が所定時間内にハンドオーバした際の受信レベルの平均よりも高い場合、品質保持部144はばたつきが発生していないと判断する。
ばたつきが発生していない場合、品質保持部144は、ステップS315において受信した無線端末4の受信レベルが所定の閾値以上であるかを判断する(ステップS330)。受信レベルが所定の閾値以上であった場合、続いて、品質保持部144は、接続切替先無線AP2に帰属中の無線端末数の確認を行なう。
品質保持部144は、ステップS315において受信した無線AP2bの無線APIDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている端末IDの数を取得する。品質保持部144は、この取得した端末IDの数、つまり、接続切替先の無線AP2bに帰属している無線端末数が所定の閾値より少ないかを判断する(ステップS335)。接続切替先の無線AP2bに帰属している無線端末数が所定の閾値より少ない場合、品質保持部144はハンドオーバを許可すると判断し、無線端末4の端末IDや、当該端末IDに対応して接続管理情報記憶部121から読み出したBSSID等の帰属処理に必要な無線端末4に関する情報を無線AP2bへ通知する(ステップS340)。
無線AP2bの切替部244は、無線端末4に関する情報を受信すると、ルータ1へ応答を返送するとともに(ステップS345)、無線端末4と無線AP2bとの間の通信を確立するための帰属処理を行なう(ステップS350)。ここでの帰属処理とは、無線端末4と無線AP2bとでBSSを構成するため、接続要求によって通知された、あるいは、ルータ1から通知された無線端末4の情報を情報記憶部23に登録する一連の処理をいう。無線AP2bの切替部244は、帰属処理が完了すると、自身の無線APIDと、帰属処理を行なった無線端末4の端末ID及びBSSIDとを設定した帰属完了通知をルータ1へ返送する(ステップS355)。
ルータ1の更新部141は、帰属完了通知から取得した端末IDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に現在登録されている無線APIDを接続切替元の無線APIDとして一時的に記憶すると、当該端末IDと対応づけて接続端末情報に登録されている無線APID及びBSSIDの情報を、帰属完了通知から取得した無線APID及びBSSIDにより更新する。さらに、更新部141は、帰属完了通知から取得した端末IDに対応させて接続管理情報記憶部121内のハンドオーバ履歴情報に現在の時刻を書き込むとともに、当該ハンドオーバ履歴情報に登録されているハンドオーバ回数を1加算した回数へ更新する(ステップS360)。更新部141が接続端末情報及びハンドオーバ履歴情報を更新し、接続管理情報記憶部121にステップS315において受信した端末ID及び受信レベルと、現在の時刻を示すハンドオーバ時刻とを対応づけて記憶すると、切替指示部143は、ステップS355において受信した帰属完了通知に対する応答を無線AP2bに返送する(ステップS365)。帰属処理後、ルータ1のルーチング部17は無線端末4から送信されたデータを無線AP2bから受信してインターネットなどのネットワークへ送信するとともに、当該ネットワークを介して受信した無線端末4宛てのデータを無線AP2bへ送信し、無線AP2bは当該データを無線LANにより無線端末4へ送信する。
続いて、ルータ1の切替指示部143は、一時的に記憶していた接続切替元の無線APIDにより特定される無線AP2aに、無線端末4の端末IDや、当該端末IDに対応して接続管理情報記憶部121から読み出したBSSID等を設定した帰属解除通知を送信する(ステップS370)。無線AP2aの切替部244は、帰属解除通知に設定されている無線端末4の端末IDやBSSID等を用いて帰属解除処理を行なうと、ルータ1へ応答を返送する(ステップS375)。
なお、端末照会、端末受信レベル通知から取得した端末ID及び受信レベルと、ハンドオーバ時刻とを対応づけた情報は、所定の周期毎に接続管理情報記憶部121から削除するようにしてもよい。この場合、ハンドオーバ時刻を記憶しなくともよい。
なお、上記のステップS330及びステップS335の処理を、図7のステップS205の後に実行することでもよい。つまり、ルータ1は、最もよい値であるとして選択した受信レベルが所定の閾値以上であり、かつ、最も高い受信レベルの無線AP2に帰属している無線端末数が所定より少ない場合にハンドオーバを実施すべきと判断する。
図9は、ばたつき判定によるハンドオーバ拒否シーケンスを示す図である。同図において、無線端末4は、無線AP2aに帰属し、無線LANにより通信している(ステップS405)。無線端末4は、無線AP2aからの無線信号について受信レベルの低下を検出すると、上述した図8の処理によって、無線AP2bへハンドオーバを行ない(ステップS410)、ルータ1の通信品質測定要求部142は、無線AP2bが無線端末4から送信された接続要求より取得した受信レベルを接続管理情報記憶部121に書き込む(ステップS415)。無線端末4は、無線AP2bに帰属し、無線LANにより通信を行う(ステップS420)。無線AP2bは、帰属完了通知をルータ1に送信する(ステップS425)。
ハンドオーバ後に無線端末4が、無線AP2bからの無線信号について受信レベルの低下を検出すると、上述した図8と同様の処理によって、無線AP2aへのハンドオーバを行ない(ステップS430)、ルータ1の通信品質測定要求部142は、無線AP2aが無線端末4から送信された接続要求より取得した受信レベルを接続管理情報記憶部121に書き込む(ステップS435)。無線端末4は無線AP2aに帰属し、無線LANにより通信を行う(ステップS440)。無線AP2aは、帰属完了通知をルータ1に送信する(ステップS445)。
なお、ステップS410、S430におけるハンドオーバシーケンスでは、図8のステップS325に示すように、ルータ1は、最終ハンドオーバ時刻が現在の時刻から所定時間以上経過しており、かつ、ハンドオーバ回数が所定の回数以下であることを確認し、さらに、端末受信レベル通知により通知された受信レベルが、現在から所定の時間内において接続要求元の無線端末4がハンドオーバした際の受信レベルの平均よりも高ことを確認している。
さらに、無線端末4が、無線AP2aからの無線信号について受信レベルの低下を検出すると、上述した図8のステップS310〜S315と同様の処理を行う。つまり、無線端末4は、自身の端末IDと、無線AP2bからの無線信号の受信レベルとを設定した接続要求を無線AP2bへ送信し(ステップS450)、無線AP2bの切替部244は、接続要求から取得した端末ID及び自身の無線APIDを設定した端末照会と、当該接続要求から取得した受信レベル及び自身の無線APIDを設定した端末受信レベル通知とをルータ1へ通知する(ステップS455)。
ルータ1の品質保持部144は、受信した端末IDに対応して接続管理情報記憶部121内のハンドオーバ履歴情報に登録されている最終ハンドオーバ時刻及びハンドオーバ回数を読み出す。品質保持部144は、最終ハンドオーバ時刻が現在の時刻から所定時間が経過していない場合、ハンドオーバ回数が所定の回数を超えている場合、あるいは、取得した受信レベルが、現在から所定の時間内において接続要求元の無線端末4がハンドオーバした際の受信レベルの平均以下である場合、ばたつきが発生していると判断する(ステップS460)。品質保持部144は、無線AP2bへハンドオーバ接続拒否と、端末IDとを設定した端末情報通知を返送し(ステップS465)、無線AP2bの切替部244は、応答を返送する(ステップS470)。
無線AP2bは、受信した端末IDにより特定される無線端末4からの接続要求に対する応答フレームを送信せず、ハンドオーバ接続を拒否する(ステップS475)。また、無線AP2bの切替部244は、ハンドオーバ接続拒否対象として無線端末4の端末IDを情報記憶部23に記憶しておく。これにより、無線AP2bの切替部244は、無線端末4から受信した接続要求に設定されている端末IDが、ハンドオーバ接続拒否対象として情報記憶部23に記憶されている場合に、ハンドオーバ接続を拒否する。
ルータ1の品質保持部144は、ステップS465において応答を受信すると、接続要求送信元の無線端末4の端末IDに対応させてタイマ15を起動する(ステップS480)。そして、タイマ15が満了すると、ルータ1の品質保持部144は、ハンドオーバ接続拒否を通知した無線AP2bに対してハンドオーバ許可通知を送信する(ステップS485)。ハンドオーバ許可通知には、満了したタイマ15に対応した端末IDが設定される。無線AP2bの切替部244は、ハンドオーバ許可通知から取得した端末IDを、情報記憶部23に記憶されている接続拒否対象の端末IDから削除する。
なお、上記においては、接続要求を受信した無線AP2bに対して、接続要求送信元の無線端末4のタイマ15が満了するまでの一定時間ハンドオーバを規制しているが、接続管理情報記憶部121から受信した端末IDに対応した、ハンドオーバ時刻が現在より所定時間前までの受信レベル全てを読み出して最も低い受信レベルを特定し、この特定した受信レベルに対応した無線APIDにより特定される無線AP2に対して、上記と同様の手順により、タイマ15が満了するまでの一定時間ハンドオーバを規制するようにしてもよい。
図10は、受信レベル判定によるハンドオーバ拒否シーケンスを示す図である。同図において、ステップS505〜S515において、図8に示すステップS305〜S315と同様の処理を行なう。つまり、無線端末4は無線AP2aに帰属して無線LANにより通信しており(ステップS505)、無線AP2aからの無線信号の受信レベルが所定以下であり、無線AP2bの受信レベルが所定以上であることを検出した場合、接続要求を無線AP2bへ送信する(ステップS510)。無線AP2bの接続要求受信部245は、接続要求から取得した端末ID及び自身の無線APIDを設定した端末照会と、当該接続要求から取得した受信レベル及び自身の無線APIDを設定した端末受信レベル通知とをルータ1へ通知する(ステップS515)。
ルータ1の品質保持部144は、図8のステップS320〜ステップS325と同様の処理を行い、受信した端末照会、すなわち、接続許可問合がハンドオーバにより接続してきた無線端末に関するものであり、かつ、ばたつきが発生していないことを確認する(ステップS520)。品質保持部144は、ステップS515において受信した無線端末4の受信レベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する。受信レベルが所定の閾値に満たない場合(ステップS525)、図9のステップS465〜S475と同様の処理を行なう。つまり、ルータ1の品質保持部144は、無線AP2bへハンドオーバ接続拒否と、端末IDとを設定した端末情報通知を返送し(ステップS530)、無線AP2bの切替部244は、応答を返送する(ステップS535)。無線AP2bは、受信した端末IDにより特定される無線端末4からの接続要求に対する応答フレームを送信せず、接続を拒否する(ステップS540)。
図11は、接続切替先無線AP2の帰属無線端末台数判定によるハンドオーバ拒否シーケンスを示す図である。同図において、ステップS605〜S615において、図8に示すステップS305〜S315と同様の処理を行なう。つまり、無線端末4が無線AP2aに帰属して無線LANにより通信しており(ステップS605)、無線AP2aからの無線信号の受信レベルが所定以下であり、無線AP2bの受信レベルが所定以上であることを検出した場合、接続要求を無線AP2bへ送信する(ステップS610)。無線AP2bの接続要求受信部245は、接続要求から取得した端末ID及び自身の無線APIDを設定した端末照会と、当該接続要求から取得した受信レベル及び自身の無線APIDを端末受信レベル通知とをルータ1へ通知する(ステップS615)。
ルータ1の品質保持部144は、図8のステップS320〜ステップS330と同様の処理を行い、受信した端末照会、すなわち、接続許可問合がハンドオーバにより接続してきた無線端末に関するものであり、かつ、ばたつきが発生しておらず、受信レベルが所定の閾値以上であることを確認する(ステップS620)。さらに、品質保持部144は、無線AP2bの無線APIDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている端末IDの数を取得し、この取得した端末IDの数、つまり、無線AP2bに帰属している無線端末数が所定の閾値より少ないかを判断する。無線AP2bに帰属している無線端末数が所定の閾値以上である場合(ステップS625)、図9のステップS465〜S475と同様の処理を行なう。つまり、ルータ1の品質保持部144は、無線AP2bへハンドオーバ接続拒否と、端末IDとを設定した端末情報通知を返送し(ステップS630)、無線AP2bの切替部244は、応答を返送する(ステップS635)。無線AP2bは、受信した端末IDにより特定される無線端末4からの接続要求に対する応答フレームを送信せず、接続を拒否する(ステップS640)。
上記により、接続切替先が複数ある場合に、ハンドオーバ機能搭載無線端末の位置によって発生するばたつき現象を防止することができる。また、ハンドオーバ機能搭載無線端末やハンドオーバ機能非搭載無線端末が複数混在している場合においても、通信品質を確保しながらハンドオーバを行なわせることができる。また、ルータがハンドオーバの許可または停止を無線APに指示することができるため、従来の様に詳細な無線APの置局設計が不要になる。
[5. ルータの処理フロー]
図12及び図13は、上述した図6〜11におけるルータ1の処理フローを示す図である。
図12において、まずルータ1は、ハンドオーバ機能完全停止ONが接続管理情報記憶部121に登録されているか否かを判断する(ステップS705)。ハンドオーバ機能完全停止ONが登録されている場合(ステップS705:ON)、ルータ1はハンドオーバ不可であるとし、ハンドオーバ処理を実行しない。通信品質監視部13は、無線端末3の通信品質監視によるハンドオーバの必要性有無の判断を実行せず、品質保持部144が無線AP2から接続許可問合としての端末照会及び端末受信レベル通知を受信した場合は、応答しないかハンドオーバ接続拒否を返送する(ステップS710)。
ハンドオーバ機能完全停止OFFが登録されている場合(ステップS710:OFF)、ルータ1は、ハンドオーバ機能搭載無線端末あるいはハンドオーバ機能非搭載無線端末のいずれの処理を行うかを判断する(ステップS715)。つまり、通信品質監視部13において無線AP2から無線端末3の通信品質の情報を受信するか、無線端末3の通信品質の定期監視の起動であれば、ハンドオーバ機能非搭載無線端末の処理であると判断する。また、品質保持部144が無線AP2から接続要求を受信した場合はハンドオーバ機能搭載無線端末の処理であると判断する。
ハンドオーバ機能非搭載無線端末の処理を行なう場合(ステップS715:ハンドオーバ機能非搭載無線端末)、通信品質の監視にPERを用いるのであれば(ステップS720:PER監視)、通信品質監視部13は、無線AP2から受信したPERが閾値を超えているかを判断する(ステップS725)。PERが閾値を超えていない場合(ステップS725:NO)、接続先の切替は行なわない(ステップS730)。あるいは、通信品質の監視に定期ポーリングを用いるのであれば(ステップS720:定期ポーリング監視)、無線AP2へ受信レベル測定要求を送信し、ICMPなどの無線端末環境測定用フレームを無線端末3に送信するよう指示する(ステップS735)。通信品質監視部13は、無線AP2から、無線端末3が返送した無線端末環境測定用フレームのResponseに設定されていた受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以上であるかを判断する(ステップS740)。受信レベルが閾値以上である場合(ステップS740:YES)、接続先の切替は行なわない(ステップS730)。
ステップS725においてPERが閾値を超えていると判断した場合(ステップS725:YES)、あるいは、ステップS740において受信レベルが閾値よりも低いと判断した場合(ステップS740:NO)、通信品質監視部13はPERまたは受信レベルに伴って受信したBSSIDまたは端末IDに対応したタイマ15が起動中であるか否かを判断する(ステップS745)。タイマ15が起動中でありまだ満了していない場合(ステップS745:YES)、接続先の切替は行なわない(ステップS730)。一方、タイマ15が起動されていないか既に満了している場合(ステップS745:NO)、通信品質測定要求部142は、通信品質の劣化が検出された無線端末3が現在帰属している無線AP2以外の無線AP2へ、当該無線端末3のBSSIDを設定したBSSID追加指示を送信する(ステップS750)。
続いて、通信品質測定要求部142は、通信品質の劣化が検出された無線端末3のBSSIDを設定した受信レベル測定要求を全ての無線AP2へ送信し、当該無線端末3の受信レベルを測定するよう指示する。そして、各無線AP2から返送された受信レベルを比較して最も高い受信レベルを選択し、選択した受信レベルの送信元の無線AP2が、現在無線端末3が帰属している無線AP2と同一であるか否かを判断する(ステップS755)。同一である場合(ステップS755:YES)、接続先の切替は行なわない(ステップS730)。同一ではない場合(ステップS755:NO)、切替指示部143は、最もよい受信レベルに対応した無線AP2への接続切替を行なうとともに(ステップS760)、他の無線AP2へステップS750において追加したBSSIDの削除を指示する(ステップS765)。
切替指示部143は、接続先の切替が完了し、接続切替先の無線AP2から帰属完了通知を受信すると、無線端末3のBSSIDまたは端末IDに対応したタイマ15を起動し(ステップS770)、当該BSSIDまたは端末IDに対応づけてハンドオーバ停止を接続管理情報記憶部121に書き込む。このタイマ15が起動されている間の一定時間、ステップS745の判断処理によって、接続先を切り替えた無線端末3のハンドオーバは制限されることになる。タイマ15が満了した場合、再びハンドオーバが許可される。更新部141は、無線端末3のBSSID(または端末ID)に対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報に登録されている無線APIDを、接続切替元の無線AP2の無線APIDから、接続切替先の無線AP2の無線APIDに書き換える(ステップS775)。
一方、ハンドオーバ機能搭載無線端末の処理を行なう場合(ステップS710:ハンドオーバ機能搭載無線端末)、図13において、品質保持部144は、接続要求送信元の無線AP2の無線APIDに対応して、ハンドオーバ機能個別停止ONが接続管理情報記憶部121に登録されているか否かを判断する(ステップS805)。ハンドオーバ機能個別停止OFFが登録されている場合(ステップS805:OFF)、品質保持部144は、ばたつき検知を行なう(ステップS810)。ばたつきが検出された場合(ステップS810:YES)、品質保持部144はハンドオーバ接続拒否を、端末照会及び端末受信レベル通知の送信元の無線AP2へ送信して、ハンドオーバを拒否する(ステップS815)。
ばたつきが検出されなかった場合(ステップS810:NO)、品質保持部144は、受信レベルが閾値以上であるかを判断する(ステップS820)。受信レベルが閾値未満である場合(ステップS820:NO)、品質保持部144はハンドオーバ接続拒否を、端末照会及び端末受信レベル通知の送信元の無線AP2へ送信して、ハンドオーバを拒否する(ステップS815)。
受信レベルが閾値以上である場合(ステップS820:YES)、品質保持部144は、接続要求送信元の無線AP2に帰属している無線端末数が閾値以上であるかを判断する(ステップS825)。無線AP2に帰属している無線端末数が閾値以上である場合(ステップS825:YES)、品質保持部144はハンドオーバ接続拒否を、端末照会及び端末受信レベル通知の送信元の無線AP2へ送信して、ハンドオーバを拒否する(ステップS815)。
無線AP2に帰属している無線端末数が閾値未満である場合(ステップS825:NO)、切替指示部143は、端末照会及び端末受信レベル通知の送信元の無線AP2へ帰属処理に必要な無線端末4に関する情報を送信し、帰属処理の実行を指示する(ステップS830)。無線AP2から帰属通知を受信すると(ステップS835)、更新部141は、接続管理情報記憶部121内の接続端末情報及びハンドオーバ履歴情報を更新する(ステップS840)。
ステップS805において、接続要求送信元の無線AP2の無線APIDに対応して、ハンドオーバ機能個別停止ONが登録されている場合(ステップS805:ON)、品質保持部144は、接続管理情報記憶部121にこのハンドオーバ機能個別停止が手動あるいは自動のいずれが登録されているかを判断する(ステップS845)。手動が登録されている場合(ステップS845:手動)、品質保持部144はハンドオーバ接続拒否を、接続要求送信元の無線AP2へ送信して、ハンドオーバを拒否する(ステップS815)。
自動が設定されている場合(ステップS845:自動)、品質保持部144は、接続要求元の無線端末4の端末IDに対応してハンドオーバ履歴情報に登録されているハンドオーバ回数を読み出し、閾値以上であるかを判断する(ステップS850)。ハンドオーバ回数が閾値未満である場合(ステップS850:NO)、品質保持部144は、ハンドオーバ機能個別停止を行なわず処理を終了する(ステップS855)。
ハンドオーバ回数が閾値以上である場合(ステップS850:YES)、品質保持部144は、端末IDに対応して接続管理情報記憶部121に記憶されている受信レベルのうち、最も低い受信レベルを選択し、選択した受信レベルに対応した無線APIDを読み出す(ステップS860)。品質保持部144は、読み出した無線APIDにより特定される無線AP2へ、ハンドオーバ機能をOFFにするための指示を送信し(ステップS865)、当該無線APIDに対応させてハンドオーバ機能個別停止ONを接続管理情報記憶部121に書き込む(ステップS870)。品質保持部144は、無線APIDに対応させてタイマ15を起動する。このタイマ15が起動している間、当該無線APIDにより特定される無線AP2におけるハンドオーバ機能が制限される。品質保持部144はタイマ15の満了を検出すると、ハンドオーバ機能を停止した無線AP2へ、ハンドオーバ機能をONにするための指示を送信し(ステップS875)、当該無線APIDに対応させて接続管理情報記憶部121にハンドオーバ機能個別停止OFFを書き込む(ステップS880)。
[5. 一元管理手順]
従来の無線通信システムでは、無線APとルータとの間で機器の連携がとれておらず、ルータに接続されている無線APについては個別に設定を行なう必要があり、各無線APの設定情報の管理や閲覧も、個別に無線APにアクセスして取得しなければならなかった。また、従来は、各無線APに帰属している無線端末個々についての受信レベルを測定することはできたが、ルータの管理下にある無線端末全ての受信レベルを一元的に管理することはできなかった。本実施形態による無線通信システムでは、無線APの設定情報や、無線端末の受信レベル等の一元管理を可能とする。
図14は、設定情報更新処理シーケンスである。無線AP2への各種設定情報は、ルータ1または無線AP2に接続される端末5により行なう。各無線AP2は、新規に登録した、あるいは変更した設定内容をルータ1に送信し、ルータ1は、受信した設定内容を記憶する。具体的には、端末5から無線AP2aにアクセスして無線APの設定情報、例えば、無線LANの優先制御のON/OFFなどの設定を指示すると、無線AP2の情報管理部25は、受信した設定情報を情報記憶部23に書き込むとともに、当該設定情報をルータ1へ通知する(ステップS905)。同様に、端末5から無線AP2bにアクセスして無線AP2の設定情報、例えば、無線LANの優先制御のON/OFFなどの設定を指示すると、無線AP2bの情報管理部25は、受信した設定情報を情報記憶部23に書き込むとともに、当該設定情報をルータ1へ通知する(ステップS910)。ルータ1の設定受信部162は、受信した設定情報と、当該設定情報の通知元の無線APIDを対応づけて設定管理情報記憶部122に書き込む。
また、ルータ1が無線LAN機能を有する場合、ルータ1の設定受信部162は、無線端末から無線端末用の設定情報を受信し、端末IDに対応づけて設定管理情報記憶部122に書き込む(ステップS915)。なお、ルータ1の設定受信部162が、無線AP2から、当該無線AP2に帰属している無線端末より取得した設定情報を受信することでもよい。
ここでは、上記の処理により、ルータ1の設定管理情報記憶部122には、無線AP2aの無線APIDに対応づけて「WMM(優先制御):ON」が、無線AP2bの無線APIDに対応づけて「WMM(優先制御):OFF」が、無線端末の端末IDに対応づけて「WMM(優先制御):ON」が設定されているものとする。
ユーザが端末5からルータ1にアクセスし、各無線AP2及び各無線端末の設定情報の要求を送信すると、ルータ1の閲覧部163は、設定管理情報記憶部122から各無線AP2及び無線端末の設定情報を、接続管理情報記憶部121内の接続端末情報から各無線AP2に帰属している無線端末の端末IDを読み出して端末5に出力し、表示させる(ステップS920)。ユーザが、無線AP2aと、当該無線AP2aに帰属している無線端末について「WMM(優先制御):ON」が設定されていることを確認すると、全ての無線AP2に対して「WMM(優先制御):ON」を設定することを判断する。ユーザが、複写対象の設定情報を特定する情報、例えば、無線AP2aの無線APIDと、優先制御を示すデータの種類を入力すると、端末5は、ルータ1にこれらの情報を設定した設定複写指示を送信する(ステップS925)。
ルータ1の設定複写部164は、設定複写指示から読み出した無線APIDとデータの種類により特定される設定情報「WMM(優先制御):ON」を設定管理情報記憶部122から読み出すと、設定管理情報記憶部122に記憶されている設定情報の中で、読み出した設定情報とは異なる設定情報を特定し、特定した設定情報に対応した無線APIDを読み出す。設定複写部164は、読み出した無線APIDにより特定される無線AP2bに対して、設定情報「WMM(優先制御):ON」と、設定指示とを送信する(ステップS925)。無線AP2bの情報管理部25は、受信した設定情報により、情報記憶部23に記憶されている設定情報を更新する。また、ルータ1の設定複写部164は、無線AP2の無線APIDに対応して設定管理情報記憶部122に登録されている設定情報「WMM(優先制御):OFF」を、「WMM(優先制御):ON」に書き換える。
図15は、サービスグレード判定を説明するための図である。ルータ1の設定管理情報記憶部122には、同図に示すような、受信レベル及びスループットに対応して、どのようなサービスが提供可能であるかを示す情報が記憶されている。ここでは、映像サービス(Video)、映像サービス(VoD:Video on demand)、電話番号体系が0ABJ系、050系の音声サービス、及び、インターネット電話の音声サービスについて、必要となる受信レベルとUDPのスループットとの関係が示されている。
プロットP1は、受信レベルが−60dBm、UDP(User Datagram protocol)のスループットが83Mbpsの無線端末をプロットしたものである。プロットP1は、映像サービス(Video、VoD)の両方が提供可能なことを示している。プロットP2は、映像サービス(Video)は提供できないが、映像サービス(VoD)が提供可能なことを示している。プロットP3は、電話番号体系が0ABJ系、050系の音声サービス、及び、インターネット電話の音声サービスいずれも提供可能なことを示している。プロットP4は、電話番号体系が050系の音声サービス、及び、インターネット電話の音声サービスが提供可能なことを示している。プロットP5は、インターネット電話の音声サービスが提供可能なことを示している。P6は、いずれの音声サービスも提供不可であることを示している。
ユーザが端末5に端末IDと、サービスグレード表示の指示を入力すると、端末5はルータ1に入力された端末IDとサービスグレード表示要求とを送信する。ルータ1の閲覧部163は、通信品質測定要求部142へ受信レベル測定を要求する。通信品質測定要求部142は、受信した端末IDに対応して接続管理情報記憶部121内の接続端末情報から無線APID及びBSSIDを読み出し、読み出した無線APIDにより特定される無線AP2に、読み出したBSSIDを設定した受信レベル測定要求を送信する。受信レベル測定要求を受信した無線AP2は、図6のステップS135と同様の処理により、無線端末から受信レベルを取得してルータ1に返送する。ルータ1の通信品質測定要求部142は、受信した受信レベルを閲覧部163へ通知し、閲覧部163は、受信した受信レベル、及び、読み出したスループットとから、提供可能なサービスの種類を特定する。閲覧部163は、取得した提供可能なサービスの情報を端末5に出力して、表示させる。
なお、端末IDを特定せずにサービスグレード表示の指示を入力した場合、ルータ1の閲覧部163は、接続端末情報から全ての端末IDと、当該端末IDに対応する無線APID及びBSSIDとを読み出し、各端末IDについて上記と同様の処理を行い端末5に全無線端末それぞれについて提供可能なサービスの情報を表示させる。また、ルータ1が端末5から所定のサービスの種類とサービスグレードの表示要求を受信した場合、接続端末情報から全ての端末IDを読み出し、読み出した各端末IDについて上記と同様の処理を行って各端末IDに対応したサービスの種類を取得すると、全無線端末それぞれについて、受信した種類のサービスの提供が可能か否かの情報を端末5に出力して表示させる。また、上記の処理を利用して、ルータ1は、各無線端末について受信レベルを取得し、受信レベルのみを端末5に表示させるようにしてもよい。
端末5に表示される情報から、無線端末が目的のサービスを提供できないことをユーザが認識した場合、無線端末をより無線AP2に近づけるなどして通信環境の改善を図ることができる。
なお、端末5を、ルータ1とインターネットなどのネットワークを介して接続される管理者の端末としてもよい。これにより、保守事業者から遠隔による保守を行なうことができる。
上記実施形態によれば、ルータ1において、一元的に無線AP2の設定情報の管理、設定、複写を行なうことができるため、設定誤りによる誤動作をなくすとともに、個別に無線AP2の設定を行なうためにかかっていた時間を短縮することができる。
また、無線端末の操作を行なうことなく、ルータ1管理下の無線APに帰属する無線端末の受信レベルを取得することができ、また、この受信レベルを用いて、無線端末に提供可能なサービスグレードをユーザに示すことが可能となる。
なお、上記においては、ルータ1が無線LAN機能を有さない場合の例を中心に説明したが、ルータ1が無線LAN機能を有する場合は、ルータ1において無線AP2と同様の機能を実行する。
上述のルータ1、無線AP2、無線端末3、無線端末4、及び、端末5は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述したルータ1の通信品質監視部13、通信管理部14及び情報管理部16、無線AP2の通信処理部24及び情報管理部25、ならびに、端末5の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
1…ルータ
11…通信部
12…情報記憶部
121…接続管理情報記憶部
122…設定管理情報記憶部
13…通信品質監視部
14…通信管理部
141…更新部
142…通信品質測定要求部
143…切替指示部
144…品質保持部
15…タイマ
16…情報管理部
161…設定管理部
162…設定受信部
163…閲覧部
164…設定複写部
17…ルーチング部
2…無線AP
21…無線通信部
22…有線通信部
23…情報記憶部
24…通信処理部
241…帰属端末通知部
242…通信品質通知部
243…通信品質返送部
244…切替部
245…接続要求受信部
25…情報管理部
3、4…無線端末
5…端末

Claims (11)

  1. 通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムであって、
    前記無線アクセスポイントは、
    自身に帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子を記憶する情報記憶部と、
    自身に帰属している前記無線端末における通信品質の情報を取得し、当該無線端末毎の基本サービスセット識別子と、取得した前記通信品質の情報とを所定の間隔毎に前記通信管理装置へ通知する通信品質通知部と、
    前記通信管理装置から基本サービスセット識別子と通信品質測定要求とを受信し、前記情報記憶部に受信した当該基本サービスセット識別子が記憶されていなければ当該基本サービスセット識別子を前記情報記憶部に書き込み、受信した当該基本サービスセット識別子を設定した通信品質測定要求を無線により送信し、当該基本サービスセット識別子を用いて通信を行っている前記無線端末から、自身が送信した無線信号の通信品質の情報を受信して前記通信管理装置へ返送する通信品質返送部と、
    前記通信品質返送部が返送した通信品質の情報に対応して、前記通信管理装置から接続切替先の無線アクセスポイントの通知を受信し、自身が前記接続切替先の無線アクセスポイントである場合に、前記通信品質返送部が受信し、前記情報記憶部に書き込んだ前記基本サービスセット識別子を自身に帰属する無線端末の基本サービスセット識別子として登録し、前記受信した基本サービスセット識別子を用いて通信を行っている前記無線端末の帰属処理を行い、自身が前記接続切替先の無線アクセスポイントではない場合に、前記情報記憶部から通信品質返送部が受信した前記基本サービスセット識別子を削除する切替部と、
    を備え、
    前記通信管理装置は、
    前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の基本サービスセット識別子と当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視部と、
    前記通信品質監視部により、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部と、
    前記通信品質測定要求部が送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示部と、
    を備える、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記切替指示部は、最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントが、前記無線端末が現在帰属している無線アクセスポイントとは異なる場合に、最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記通信管理装置は、前記切替指示部による切替通知によって帰属先が切替わった前記無線端末について帰属先の切替えを所定時間規制する品質保持部をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記無線アクセスポイントは、
    他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から接続要求と通信品質の情報とを受信し、受信した前記通信品質の情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部をさらに備え、
    前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記通信品質の情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、
    前記通信管理装置は、
    前記無線アクセスポイントから前記通信品質の情報と前記接続許可問合とを受信し、当該通信品質が接続切替を許可する所定の通信品質を満たしている場合に切替の許可を返送する品質保持部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  5. 前記無線アクセスポイントは、
    他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から当該無線端末の端末識別情報と接続要求とを受信し、受信した前記端末識別情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部とをさらに備え、
    前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記端末識別情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、
    前記通信管理装置は、
    前記端末識別情報に対応付けて、当該端末識別情報により特定される無線端末のハンドオーバ履歴を記憶する接続管理情報記憶部と、
    前記無線アクセスポイントから前記端末識別情報と前記接続許可問合とを受信し、当該端末識別情報に対応した前記接続管理情報記憶部内のハンドオーバ履歴を参照して、最後に切替を行なった時刻から所定時間が経過しており、かつ、所定時間内の切替が所定回数を超えないと判断した場合に、切替の許可を返送するとともに、前記端末識別情報に対応して前記接続管理情報記憶部に記憶されている前記ハンドオーバ履歴を更新する品質保持部とをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  6. 前記無線アクセスポイントは、
    自身の無線アクセスポイント識別情報と、自身に帰属している前記無線端末の情報を通知する帰属端末通知部と、
    他の無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末から接続要求を受信し、自身の無線アクセスポイント識別情報と接続許可問合とを前記通信管理装置に通知する接続要求受信部とをさらに備え、
    前記切替部は、前記接続要求受信部が送信した前記無線アクセスポイント識別情報及び前記接続許可問合に対応して切替の許可が通知された場合に、前記接続要求の送信元の前記無線端末の帰属処理を行ない、
    前記通信管理装置は、
    各無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を記憶する接続管理情報記憶部と、
    前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を受信して前記接続管理情報記憶部に書き込む更新部と、
    前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と前記接続許可問合とを受信し、当該無線アクセスポイント識別情報に対応して前記接続管理情報記憶部に記憶されている前記無線端末の情報に基づいて当該無線アクセスポイントに帰属している無線端末の数を取得し、取得した無線端末の数が所定より少ない場合に切替の許可を返送する品質保持部とをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  7. 前記通信管理装置は、
    各無線アクセスポイントの設定情報を記憶する設定管理情報記憶部を備え、
    前記設定管理情報記憶部を参照して、共通して設定すべき設定情報とは異なる設定情報を設定している前記無線アクセスポイントを特定し、特定した前記無線アクセスポイントに対して前記共通して設定すべき設定情報を送信する設定複写部をさらに備え、
    前記無線アクセスポイントは、
    前記通信管理装置から設定情報を受信し、受信した当該設定情報により前記情報記憶部に記憶されている自身の前記設定情報を更新する情報管理部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  8. 前記無線アクセスポイントは、
    自身の無線アクセスポイント識別情報と、自身に帰属している前記無線端末の情報を通知する帰属端末通知部を備え、
    前記通信管理装置は、
    各無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報、及び、各無線端末のスループットの情報を記憶する接続管理情報記憶部と、
    各サービスの提供に必要なスループット及び通信品質を記憶する設定管理情報記憶部と、
    前記無線アクセスポイントから当該無線アクセスポイントの無線アクセスポイント識別情報と、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末の情報を受信して前記接続管理情報記憶部に書き込む更新部と、
    前記接続管理情報記憶部を参照して、サービスレベル判定対象の無線端末のスループットを読み出すとともに当該無線端末が属する前記無線アクセスポイントを特定し、特定した当該無線アクセスポイントへサービスレベル判定対象の前記無線端末の通信品質測定要求を送信し、前記設定管理情報記憶部を参照して、前記無線アクセスポイントから返送された通信品質の情報と前記読み出したスループットとから提供可能なサービスを特定して出力する閲覧部とを備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  9. 前記無線アクセスポイントと前記無線端末は、無線LANにより通信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかの項に記載の無線通信システム。
  10. 通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムにおける前記通信管理装置であって、
    前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子と、当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視部と、
    前記通信品質監視部により、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部と、
    前記通信品質測定要求部が送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示部と、
    を備えることを特徴とする通信管理装置。
  11. 通信管理装置と、当該通信管理装置と接続される複数の無線アクセスポイントと、当該無線アクセスポイントと無線により通信する無線端末とからなる無線通信システムにおける前記通信管理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
    前記無線アクセスポイントから、当該無線アクセスポイントに帰属している前記無線端末との通信において使用され、各アクセスポイントにおいて固有の基本サービスセット識別子の中から通信中の前記無線端末に個別に付与され基本サービスセット識別子と、当該無線端末の通信品質の情報とを受信し、当該通信品質が通信品質の劣化を示す所定の条件を満たしているか否かを判断する通信品質監視ステップと、
    前記通信品質監視ステップにおいて、受信した前記通信品質が通信品質の劣化を示す前記所定の条件を満たしていると判断された場合、複数の前記無線アクセスポイントに、前記通信品質監視部が受信した前記基本サービスセット識別子と、通信品質測定要求とを送信する通信品質測定要求部ステップと、
    前記通信品質要求ステップにおいて送信した通信品質測定要求に対応して複数の前記無線アクセスポイントから通信品質の情報を受信し、受信した前記通信品質のうち最もよい通信品質の情報の通知元の前記無線アクセスポイントを接続切替先の無線アクセスポイントとして複数の前記無線アクセスポイントへ通知する切替指示ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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