JPWO2014013638A1 - 発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム - Google Patents

発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014013638A1
JPWO2014013638A1 JP2014525679A JP2014525679A JPWO2014013638A1 JP WO2014013638 A1 JPWO2014013638 A1 JP WO2014013638A1 JP 2014525679 A JP2014525679 A JP 2014525679A JP 2014525679 A JP2014525679 A JP 2014525679A JP WO2014013638 A1 JPWO2014013638 A1 JP WO2014013638A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
cantilever
generation module
piezoelectric
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2014525679A
Other languages
English (en)
Inventor
純矢 小川
純矢 小川
後藤 浩嗣
浩嗣 後藤
貴司 中川
貴司 中川
建太朗 野村
建太朗 野村
博之 柳生
博之 柳生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2014013638A1 publication Critical patent/JPWO2014013638A1/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/18Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing electrical output from mechanical input, e.g. generators
    • H02N2/185Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing electrical output from mechanical input, e.g. generators using fluid streams
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/30Piezoelectric or electrostrictive devices with mechanical input and electrical output, e.g. functioning as generators or sensors
    • H10N30/304Beam type
    • H10N30/306Cantilevers

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

発電モジュール(A1)は、流体を受けて自励振動するカンチレバー部(12)および前記カンチレバー部に設けられた圧電変換部(14)を備えた発電装置(1)と、発電装置で発生する交流電圧を整流して蓄電する蓄電部(5)と、蓄電部から電力供給を受けて駆動されるデバイス(6)とを備えている。

Description

本発明は、発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システムに関するものである。
近年、振動エネルギを電気エネルギに変換する機能を有する発電モジュールは、環境発電(エナジーハーベスティング)などの分野で注目されている。
この種の発電モジュールとしては、例えば、風力によって圧電素子を振動させる発電手段と、この発電手段で発電された電気エネルギを蓄える蓄電手段と、蓄電手段からの電力が間欠的に供給される電気回路とを備えた圧電発電モジュールが提案されている(日本国特許公開2010−106809号公報参照;以下、文献1と称する)。
上述の発電手段は、図19に示すように、圧電素子110と、圧電素子110が固着された保持体140と、受風翼120と、受風翼120を圧電素子110に接続して受風翼120の振動運動等を圧電素子110に伝達する接続体130とを備えている。なお、図19の発電手段は、1個の保持体140に対して、圧電素子110、受風翼120および接続体130の各々を8個ずつ備えている。
圧電素子110は、ステンレスのシム板を2枚のPZT系セラミックス板で挟んだ圧電バイモルフ素子である。
文献1には、発生電圧と平均風速との関係として図20が例示され、平均風速が7m/sec程度までは発生電圧が増加し、これを超えると発生電圧が減少する旨が記載されている。
上述の圧電発電モジュールは、カルマン渦が発生することで圧電素子110へ持続した振動を与えることができるものと推測される。しかしながら、この圧電発電モジュールでは、発電手段が、圧電素子110以外にも、保持体140、接続体130および受風翼120を備えている必要があり、圧電素子110に比べて発電手段が大型化してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、流体を利用して発電可能であり且つ小型化が可能な発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システムを提供することにある。
本発明の発電モジュール(A1)は、流体を受けて自励振動するカンチレバー部(12)および前記カンチレバー部(12)に設けられた圧電変換部(14)を備えた発電装置(1)と、前記発電装置(1)で発生する交流電圧を整流して蓄電する蓄電部(5)と、前記蓄電部(5)から間欠的に電力供給を受けて駆動されるデバイス(6)とを備えることを特徴とする。
この発電モジュール(A1)において、前記発電装置(1)は、枠状の支持部(11)と、前記支持部(11)に揺動自在に支持された前記カンチレバー部(12)と、前記圧電変換部(14)と、前記支持部(11)と前記カンチレバー部(12)との間に設けられ前記支持部(11)の厚み方向に沿って前記流体が通過可能な流路(15)とを備え、前記カンチレバー部(12)の先端部(12a)を、前記カンチレバー部(12)の基端部(12b)よりも前記支持部(11)から離れる向きにずらしてあることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記圧電変換部(14)は、前記カンチレバー部(12)の厚み方向の一面(121)側において前記一面(121)側から順に第1電極(14a)、圧電薄膜(14b)、第2電極(14c)を有し、前記圧電薄膜(14b)の内部応力によって、前記カンチレバー部(12)の前記先端部(12a)を、前記基端部(12b)よりも前記支持部(11)から離れる向きにずらしてあることが好ましい。
この発電モジュールにおいて、前記圧電変換部(14)は、前記カンチレバー部(12)の厚み方向の一面(121)側において前記一面(121)側から順に第1電極(14a)、圧電薄膜(14b)、第2電極(14c)を有し、前記カンチレバー部(12)の前記一面(121)側に設けられた応力制御膜(19)によって、前記カンチレバー部(12)の前記先端部(12a)を、前記基端部(12b)よりも前記支持部(11)から離れる向きにずらしてあることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記デバイス(6)は、前記圧電変換部(14)の振動情報を検知する検知部(61)と、前記検知部(61)で検知された振動情報を含む無線信号の送信を行う無線送信部(62)とを備えることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記発電装置は、前記圧電変換部(14)として、前記蓄電部(5)に接続された第1圧電変換部(141)と、前記検知部(61)に接続された第2圧電変換部(142)とを備えることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記圧電変換部(14)は、前記圧電変換部(14)と前記蓄電部(5)とを電気的に接続する第1状態と、前記圧電変換部(14)と前記検知部(61)とを電気的に接続する第2状態とを切り替える切替回路(9)に接続されてなることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記デバイス(6)は、検知部(61)と、前記検知部(61)で得られた検知結果を送信する無線送信部(62)とを備えることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記カンチレバー部(12)および前記圧電変換部(14)は基板(10)に形成されており、前記発電装置(1)は前記基板(10)を支持する設置ボディを備え、前記基板(10)又は前記設置ボディに、前記蓄電部(5)および前記デバイス(6)が保持され、前記蓄電部(5)は、前記圧電変換部(14)に電気的に接続されていることが好ましい。
この発電モジュール(A1)において、前記蓄電部(5)および前記デバイス(6)は、前記基板(10)において、前記カンチレバー部(12)を囲む外周部(11)に搭載されていてもよい。
この発電モジュール(A1)において、前記設置ボディ(1b)は載置面(1bc)と設置面(1bd)とを有し、前記蓄電部(5)および前記デバイス(6)は、前記載置面(1bc)に搭載されていてもよい。
本発明の空調管理システムは、前記発電モジュール(A1)と、空調機(A2)とを備え、前記発電モジュール(A1)が前記空調機(A2)の給気ダクトもしくは排気ダクト(4)の内部に配置され、前記空調機(A2)は、前記無線送信部(62)からの無線信号を受信する無線受信部(71)を備え、前記無線受信部(71)で受信した前記無線信号に含まれている前記振動情報に基づいて前記流体の流量もしくは流速が目標値となるようにファン(74)の運転状態を制御することを特徴とする。
本発明の発電モジュールにおいては、流体を利用して発電可能であり且つ小型化が可能となる。
本発明の空調管理システムにおいては、流体を利用して発電可能であり且つ小型化が可能な発電モジュールを備えた空調管理システムを提供することが可能となる。
実施形態1の発電モジュールの概略構成図である。 図2Aは実施形態1における発電装置の概略平面図、図2Bは図2AのA−A’概略断面図、図2Cは図2AのB−B’概略断面図、図2Dは図2Aの要部断面図である。 実施形態1の発電モジュールの他の構成例の概略構成図である。 実施形態1の発電モジュールの特性説明図である。 実施形態1の発電モジュールの特性説明図である。 実施形態1における空調管理システムの概略構成図である。 図7Aは実施形態2における発電装置の概略平面図、図7Bは図7AのA−A’概略断面図、図7Cは図7AのB−B’概略断面図、図7Dは図7Aの要部断面図である。 実施形態3における発電装置の概略断面図である。 図9Aは実施形態4における発電装置の概略平面図、図9Bは図9AのA−A’概略断面図、図9Cは図9BのB−B’概略断面図、図9Dは図9Aの要部断面図である。 図10Aは実施形態5における発電装置の概略断面図、図10Bは実施形態5における発電装置の他の概略断面図である。 図11Aは実施形態6における発電装置の概略断面図、図11Bは実施形態6における発電装置の他の概略断面図である。 実施形態7の空調管理システムの要部説明図である。 実施形態8の空調管理システムの要部説明図である。 実施形態9の発電モジュールの概略構成図である。 実施形態10の発電モジュールの概略構成図である。 実施形態1の発電モジュールの概略構成図である。 実施形態5の発電モジュールの概略構成図である。 実施形態6の発電モジュールの概略構成図である。 従来例における発電手段を模式的に示す説明図である。 従来例における起電力(発生電圧)の風速依存性の一例を示す説明図である。
(実施形態1)
以下では、本発明の第1の実施形態について図1〜図6,図16に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1は、図1,図2に示すように、流体を受けて自励振動するカンチレバー部12に圧電変換部14が設けられた発電装置1と、発電装置1で発生する交流電圧を整流して蓄電する蓄電部5と、蓄電部5から(間欠的に)電力供給を受けて駆動されるデバイス6とを備える。
発電装置1は、図2に示すように、枠状の支持部11と、支持部11に揺動自在に支持されたカンチレバー部12と、カンチレバー部12に設けられた圧電変換部14とを備えている。また、発電装置1は、支持部11とカンチレバー部12との間に設けられ支持部11の厚み方向(図2B,図2Cの上下方向)に沿って流体が通過可能な流路15を備えている。また、発電装置1は、カンチレバー部12の先端部12aを、カンチレバー部12の基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。
言い換えれば、発電装置1は、開口11aを有する枠状の支持部11と、カンチレバー部12とを備える。カンチレバー部12は、支持部11の開口11a側に配置される。本実施形態では、カンチレバー部12の基端部12bが開口11a内に位置する。カンチレバー部12は、第1端(基端部12b)と第2端(先端部12a)とを有する。カンチレバー部12の第1端は、第2端が揺動自在となるように支持部11に支持されている。カンチレバー部12の第2端側(先端部12a側)は、支持部11の厚み方向において、第1端側(基端部12b側)よりも支持部11から離れている。本実施形態では、カンチレバー部12は、第2端が支持部11から離れるように湾曲している。
発電装置1は、カンチレバー部12の自励振動によって圧電変換部14が交流電圧を発生する。
本実施形態の発電装置1は、例えば、流体を通過させる中空筒状のダクト内に、第1の方向(支持部11の厚み方向)の第1の側の面(図2B,図2Cの上側の面)がダクトの上流側へ向くように配置して使用される。
次に、発電装置1の各構成要素について、図2に基づいて詳細に説明する。
発電装置1は、MEMS(micro electro mechanical systems)の製造技術を利用して製造されている。本実施形態では、発電装置1は半導体基板を用いて形成される。
発電装置1は、支持部11とカンチレバー部12とが、基板10から形成されている。発電装置1は、基板10の一表面(第1面)101側においてカンチレバー部12が形成されている。また、発電装置1は、圧電変換部14が、基板10にモノリシックに形成されている。すなわち、カンチレバー部12および圧電変換部14は、基板10に形成されている。
基板10としては、シリコン基板10a上のシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜10b上にシリコン層10cが形成されたSOI基板を用いている。基板10の上記一表面101は、(100)面としてあるが、これに限らず、例えば、(110)面でもよい。
支持部11は、SOI基板のうちシリコン基板10aと埋込酸化膜10bとシリコン層10cとから形成されている。これに対して、カンチレバー部12は、SOI基板のうち埋込酸化膜10bとシリコン層10cとから形成されており、支持部11に比べて薄肉であり、可撓性を有している。このカンチレバー部12は、弾性を有している。
基板10の一表面101側には、シリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜18aが形成されている。発電装置1は、基板10と圧電変換部14とが、第1の絶縁膜18aによって電気的に絶縁されている。また、発電装置1は、基板10の他表面(第2面)102側に、シリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜18bが形成されている。第1の絶縁膜18aおよび第2の絶縁膜18bは、熱酸化法により形成してある。第1の絶縁膜18aおよび第2の絶縁膜18bの形成方法は、熱酸化法に限らず、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などでもよい。ただし、第2の絶縁膜18bは、必ずしも設ける必要はない。
上述の基板10は、SOI基板に限らず、単結晶のシリコン基板や多結晶のシリコン基板、酸化マグネシウム(MgO)基板、金属基板、ガラス基板、ポリマー基板などを用いることも可能である。基板10として、MgO基板やガラス基板やポリマー基板などの絶縁性基板を用いる場合、第1の絶縁膜18aおよび第2の絶縁膜18bは必ずしも設ける必要はない。
支持部11は、枠状の形状として、矩形枠状の形状を採用することが好ましい。これにより、発電装置1は、製造時に、支持部11およびカンチレバー部12の基礎となるウェハ(ここでは、SOIウェハ)を準備し、このウェハから多数の発電装置1を形成する前工程を行い、後工程において個々の発電装置1に分離するような製造方法を採用する場合に、ダイシング工程の作業性を向上させることが可能となる。
また、支持部11は、外周形状が矩形状であることが好ましいが、内周形状については矩形状に限らず、例えば、矩形状以外の多角形状や円形状、楕円形状などの形状でもよい。また、支持部11の外周形状は矩形状以外の形状でもよい。
発電装置1は、カンチレバー部12が、平面視において支持部11の内側に配置されている。発電装置1は、基板10に、カンチレバー部12を囲む平面視U字状のスリット10dを形成することによって、カンチレバー部12における支持部11との連結部位以外の部分が、支持部11と空間的に分離されている。これにより、カンチレバー部12は、平面視形状が長方形状に形成されている。発電装置1は、スリット10dが、流路15を構成している。
カンチレバー部12は長さを有する。カンチレバー部12は、長さ方向の第2端(先端部12a)が揺動自在となるように、長さ方向の第1端(基端部12b)で支持部11に支持されている。カンチレバー部12は、支持部11との間に隙間(流路15)が形成されるように支持部11に支持されている。カンチレバー部12の揺動に応じて、上記隙間の開口面積が変化する。
カンチレバー部12は、一面121(第1面)と他面122(第2面)とを有する。基端部12bにおいて、カンチレバー部12の一面121は支持部11の一表面111(第1面)に段差なく連続している。
圧電変換部14は、カンチレバー部12の厚み方向の一面121側(基板10の上記一表面101側;カンチレバー部12における第1の方向の第1の側の面)に形成されている。圧電変換部14は、カンチレバー部12側から順に、第1電極(下部電極)14a、圧電体層14b及び第2電極(上部電極)14cを有している。第1電極14aは、カンチレバー部12上に形成されている。圧電体層14bは、第1電極14a上に形成されている。第2電極14cは、圧電体層14b上に形成されている。要するに、圧電変換部14は、圧電体層14bと、この圧電体層14bを厚み方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極14aおよび第2電極14cを備えている。
したがって、発電装置1は、カンチレバー部12の振動によって圧電変換部14の圧電体層14bが応力を受け第2電極14cと第1電極14aとに電荷の偏りが発生し、圧電変換部14において交流電圧が発生する。要するに、発電装置1は、圧電変換部14が圧電材料の圧電効果を利用して発電する振動型の発電素子である。
圧電体層14bの平面形状は、第1電極14aよりも平面サイズがやや小さく、且つ、第2電極14cよりもやや大きな、矩形状に形成されている。ここで、発電装置1は、支持部11とカンチレバー部12とを結ぶ方向(図2Aの左右方向)において、第1電極14aと圧電体層14bと第2電極14cとが重なっている領域の支持部11側の端を、支持部11とカンチレバー部12との境界に揃えてある。カンチレバー部12が振動するとき、カンチレバー部12と支持部11との境界に応力が集中する。従って、発電装置1は、上記領域の支持部11側の端が上記境界よりもカンチレバー部12側にある場合に比べて、カンチレバー部12の振動時に応力が高くなる部分に存在する圧電変換部14の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。
圧電変換部14で発生する交流電圧は、圧電体層14bの振動に応じた正弦波状の交流電圧となる。ここで、発電装置1の圧電変換部14は、流路15を流体が流れることによって発生する自励振動を利用して発電する。発電装置1の共振周波数は、カンチレバー部12と圧電変換部14とからなる可動部の構造パラメータおよび材料により決まる。流路15を流れる流体としては、例えば、空気などがある。
発電装置1は、支持部11に、第1電極14aに第1配線部17aを介して電気的に接続された第1パッド16aと、第2電極14cに第2配線部17cを介して電気的に接続された第2パッド16cとが設けられている。第1配線部17a、第2配線部17c、第1パッド16aおよび第2パッド16cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Irなどでもよい。また、第1配線部17a、第2配線部17c、第1パッド16aおよび第2パッド16cの材料は、同じ材料に限らず、別々の材料を採用してもよい。また、第1配線部17a、第2配線部17c、第1パッド16aおよび第2パッド16cは、単層構造に限らず、2層以上の多層構造でもよい。
また、発電装置1は、第2配線部17cと第1電極14aとの短絡を防止する絶縁層(図示せず)を設けてある。この絶縁層は、シリコン酸化膜により構成してあるが、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。また、発電装置1は、基板10の材料に応じて、適宜の絶縁膜を設けてもよい。
圧電体層14bの圧電材料としては、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)を採用しているが、これに限らず、例えば、PZT−PMN(Pb(Mn,Nb)O3)やその他の不純物を添加したPZTでもよい。また、圧電材料は、AlN、ZnO、KNN(K0.5Na0.5NbO3)や、KN(KNbO3)、NN(NaNbO3)、KNNに不純物(例えば、Li,Nb,Ta,Sb,Cuなど)を添加したものなどでもよい。なお、本実施形態における発電装置1では、圧電体層14bが、圧電薄膜により構成されている。
第1電極14aの材料としては、Ptを採用しているが、これに限らず、例えば、Au、Al、Irなどでもよい。また、第2電極14cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Irなどでもよい。
発電装置1は、第1電極14aの厚みを500nm、圧電体層14bの厚みを3000nm、第2電極14cの厚みを500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。
発電装置1は、基板10と第1電極14aとの間に緩衝層を設けた構造でもよい。緩衝層の材料は、圧電体層14bの圧電材料に応じて適宜選択すればよく、圧電体層14bの圧電材料がPZTの場合、例えば、SrRuO3、(Pb,La)TiO3、PbTiO3、MgO、LaNiO3などを採用することが好ましい。また、緩衝層は、例えば、Pt膜とSrRuO3膜との積層膜により構成してもよい。なお、発電装置1は、緩衝層を設けることにより、圧電体層14bの結晶性を向上させることが可能となる。
また、発電装置1の構成は、上述の例に限らず、例えば、圧電変換部14におけるカンチレバー部12の幅方向(図2Aの上下方向)に沿った方向の幅寸法を小さくして、1つのカンチレバー部12の上記一面121側において複数の圧電変換部14を上記幅方向に並設し、これら複数の圧電変換部14の直列回路の一端、他端を第1パッド16a、第2パッド16cそれぞれに電気的に接続するように構成してもよい。
次に、発電装置1の製造方法の一例について簡単に説明する。
発電装置1の製造にあたっては、まず、SOI基板からなる基板10を準備し、その後、絶縁膜形成工程を行う。絶縁膜形成工程では、熱酸化法などを利用して、基板10の上記一表面101側、上記他表面102側それぞれに、シリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜18a、第2の絶縁膜18bを形成する。絶縁膜形成工程では、第1の絶縁膜18a、第2の絶縁膜18bを形成する方法として熱酸化法を採用しているが、これに限らず、CVD法などを採用してもよい。
上述の絶縁膜形成工程の後には、基板10の上記一表面101側の全面に、第1電極14aおよび第1配線部17aの基礎となる第1導電層を形成する第1導電層形成工程を行い、続いて、圧電体層14bの基礎となる圧電材料層を形成する圧電材料層形成工程を行う。第1導電層形成工程において第1導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法などを採用してもよい。また、圧電材料層形成工程において圧電材料層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法やゾルゲル法などを採用してもよい。
圧電材料層形成工程の後には、圧電材料層をパターニングして圧電体層14bを形成する圧電材料層パターニング工程を行い、続いて、第1導電層をパターニングして第1電極14aおよび第1配線部17aを形成する第1導電層パターニング工程を行う。圧電材料層パターニング工程では、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電材料層をパターニングする。また、第1導電層パターニング工程では、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第1導電層をパターニングする。
上述の第1導電層パターニング工程の後には、基板10の上記一表面101側に上記絶縁層を形成する絶縁層形成工程を行う。その後には、第2電極14cおよび第2配線部17cの基礎となる第2導電層を基板10の上記一表面101側の全面に形成する第2導電層形成工程を行ってから、第2導電層をパターニングして第2電極14c及び第2配線部17cを形成する第2導電層パターニング工程を行う。上述の第2導電層形成工程において第2導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法などを採用してもよい。また、第2導電層パターニング工程では、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第2導電層をパターニングする。
上述の第2導電層パターニング工程の後には、第1パッド16aおよび第2パッド16cの基礎となる第3導電層を、基板10の上記一表面101側の全面に形成する第3導電層形成工程を行い、その後、第3導電層をパターニングして第1パッド16aおよび第2パッド16cを形成する第3導電層パターニング工程を行う。なお、第1パッド16aおよび第2パッド16cに対応する部位に開口が形成されたマスクを用いて、第1パッド16aおよび第2パッド16cに対応する箇所にだけ第3導電層を形成してもよい。
続いて、基板10の上記一表面101側から、支持部11、カンチレバー部12以外の部位(スリット10dの形成予定領域)をカンチレバー部12の厚みに対応する分だけエッチングすることで溝を形成する溝形成工程を行う。その後には、基板10の上記他表面102側から支持部11以外の部位をエッチングすることで支持部11と併せてカンチレバー部12を形成するカンチレバー部形成工程を行うことによって、発電装置1を得る。上述の溝形成工程では、リソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して溝を形成する。また、上述のカンチレバー部形成工程では、リソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して、支持部11と併せてカンチレバー部12を形成する。溝形成工程およびカンチレバー部形成工程での各エッチングは、垂直深堀が可能な誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用いたドライエッチングである。なお、このカンチレバー形成工程において、スリット10dが形成される。
発電装置1の製造にあたっては、カンチレバー部形成工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の発電装置1に分割するようにしている。
ところで、発電装置1は、上述のように支持部11とカンチレバー部12との間に設けられ支持部11の厚み方向に沿って流体が通過可能な流路15を備え、カンチレバー部12の先端部12aを、カンチレバー部12の基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。ここにおいて、初期のずれG1(図2B参照)は、200μm以上であることが好ましい。なお、図2Bでは、カンチレバー部12の中立面とカンチレバー部12の先端面との交線の、支持部11の厚み方向におけるずれを初期のずれG1としてある。
カンチレバー部12は、外部振動や流体などが作用していない初期状態において、図2B,図2Cのように、カンチレバー部12の先端部12aを、カンチレバー部12の基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。ここで、カンチレバー部12は、上記一面121側が凹曲面となり且つ他面122側が凸曲面となるように、湾曲している。本実施形態における発電装置1では、圧電体層14bを構成する圧電薄膜の内部応力によって、カンチレバー部12の先端部12aを、基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。つまり本実施形態では、圧電体層14bを構成する圧電薄膜の内部応力によって、カンチレバー部12の第2端側(先端部12a側)は、支持部11の厚み方向において第1端側(基端部12b側)よりも支持部11から離れている。圧電薄膜の内部応力は、例えば、圧電薄膜をスパッタ法やCVD法により成膜する場合、ガス圧や、温度などのプロセス条件を適宜設定することによって調整することができる。
ここで、発電装置1の動作について説明する。
発電装置1は、流体の流れる方向と支持部11の厚み方向とが一致し、基板10の上記一表面101側が流体の上流側、基板1の上記他表面102側が流体の下流側となるように配置して使用する。この発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体が流路15を通る際に流速が速くなるので、カンチレバー部12の上記他面122側と支持部11の内側面とで囲まれた空間10fの圧力が下がり、カンチレバー部12の先端部12aが支持部11に近づく向き(上記空間10f側)へ変位する。そして、この発電装置1では、カンチレバー部12の上記一面121と支持部11の上記一表面111とが面一になったところで、カンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側とでの圧力差がなくなるので、カンチレバー部12の弾性力によってカンチレバー部12の先端部12aが元の位置に戻る。発電装置1は、このような動作が繰り返されることでカンチレバー部12が自励振動するので、圧電変換部14が発電することとなる。
以上説明した発電装置1は、上述のように、支持部11とカンチレバー部12との間に設けられ支持部11の厚み方向に沿って流体が通過可能な流路15を備えている。さらに、発電装置1は、カンチレバー部12の先端部12aを、カンチレバー部12の基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。これにより、発電装置1は、流路15を通る流体の流れ(気流)によって発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差と、カンチレバー部12の弾性とによって自励振動を発生させることができるので、流体を利用して発電可能となる。
なお、流路15を通る流体は、空気に限らず、ガス、空気とガスとの混合気体、液体などでもよい。
蓄電部5は、圧電変換部14に電気的に接続されている。
蓄電部5は、例えば、発電装置1で発生する交流電圧を整流するダイオードブリッジからなる全波整流回路と、この全波整流回路の出力端間に接続されたコンデンサとで構成することができる。この場合、発電モジュールA1は、発電装置1の一方の出力端を、全波整流回路の一方の入力端に接続し、発電装置1の他方の出力端を、全波整流回路の他方の入力端に接続し、コンデンサの両端間に、デバイス6を接続すればよい。
また、蓄電部5は、例えば、両波倍電圧整流回路により構成することもできる。両波倍電圧整流回路は、2個のダイオードの直列回路と2個のコンデンサの直列回路とが並列接続されている。要するに、両波倍電圧整流回路は、2個のダイオードと2個のコンデンサとがブリッジ接続されている。蓄電部5が両波倍電圧整流回路の場合、発電モジュールA1は、発電装置1の一方の出力端を、2個のダイオードの直列回路における両ダイオードの接続点に接続し、発電装置1の他方の出力端を、2個のコンデンサの直列回路における両コンデンサの接続点に接続すればよい。そして、発電モジュールA1は、2個のコンデンサの直列回路の両端間に、デバイス6を接続すればよい。
デバイス6としては、例えば、センサ、LED(Light Emitting Diode)、無線回路などを用いることが可能である。
発電モジュールA1は、蓄電部5からデバイス6への電力供給路に設けられたスイッチング素子8と、蓄電部5の蓄電量を監視する蓄電量監視部7とを備えている。スイッチング素子8は、例えば、MOSFETなどにより構成することができる。蓄電量監視部7は、蓄電部5の出力端間の電圧を蓄電量として監視し、蓄電量と予め設定した規定値との比較結果に基いてスイッチング素子8をオンオフする機能を有している。
すなわち、発電モジュールA1は、蓄電部5の蓄電量を監視する蓄電量監視部7を備える。蓄電量監視部7は、蓄電部5の蓄電量が所定の第1閾値よりも大きいときに、蓄電部5からデバイス6へ電力を供給させ、蓄電部5の蓄電量が第1閾値以下である所定の第2閾値よりも小さいときに、蓄電部5からデバイス6への電力供給を停止させる。第1閾値と第2閾値とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
例えば、蓄電量監視部7は、蓄電部5の蓄電量がデバイス6の駆動のために予め設定した上記規定量に到達すると、スイッチング素子8をオンさせ、上記規定量よりも低下すると、スイッチング素子8をオフさせる。これにより、デバイス6は、蓄電部5から間欠的に電力供給されることになる。したがって、デバイス6は、間欠的に駆動される。ここで、発電モジュールA1は、デバイス6がセンサの場合、センサが動作できるように、上記規定値を設定すればよい。また、発電モジュールA1は、デバイス6がLEDの場合、LEDを点灯させることができるように、上記規定値を設定すればよい。また、発電モジュールA1は、デバイス6が無線回路の場合、例えば無線回路から無線信号を送信できるように、上記規定値を設定すればよい。なお、無線回路の無線通信規格としては、例えば、EnOceanなどを採用することができる。
以上説明した発電モジュールA1は、流体を受けて自励振動するカンチレバー部12およびカンチレバー部12に設けられた圧電変換部14を備えた発電装置1と、発電装置1で発生する交流電圧を整流して蓄電する蓄電部5と、蓄電部5から(間欠的に)電力供給を受けて駆動されるデバイス6とを備えているので、流体を利用して発電可能であり且つ小型化が可能である。
ここで、発電装置1は、枠状の支持部11と、支持部11に揺動自在に支持されたカンチレバー部12と、カンチレバー部12に設けられた圧電変換部14と、支持部11とカンチレバー部12との間に設けられ支持部11の厚み方向に沿って流体が通過可能な流路15とを備え、カンチレバー部12の先端部12aを、カンチレバー部12の基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてあることが好ましい。これにより、発電モジュールA1は、発電装置1において、支持部11とカンチレバー部12との間に設けられた流路15を通過する流体を利用して発電することが可能となる。
発電モジュールA1は、圧電変換部14が、カンチレバー部12の厚み方向の上記一面121側において上記一面121側から順に第1電極14a、圧電薄膜14b、第2電極14cを有し、圧電薄膜14bの内部応力によって、カンチレバー部12の先端部12aを、基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。これにより、発電モジュールA1は、発電装置1の構成要素を増加させることなく、流体を利用した発電が可能となる。
ところで、発電モジュールA1は、図16に示すように、蓄電部5およびデバイス6が基板10に保持されていてもよい。この場合、蓄電部5およびデバイス6は、基板10において、カンチレバー部12を囲む外周部(つまり支持部11)に搭載されていることが好ましい。
また、発電モジュールA1は、基板10を支持する設置ボディ(図示せず)を備えていてもよい。この場合、蓄電部5およびデバイス6は、設置ボディに保持されてもよい。設置ボディが設置面と載置面とを有し、蓄電部5およびデバイス6が、設置面に搭載されていてもよい。設置ボディは、立体回路形成基板などを利用して形成してもよいし、支持部11を保持するクリップなどでもよい。
これらの構成の場合、デバイス6を備えた発電モジュールA1を、外部電源から独立して配置することができ、発電モジュールA1の配置場所の自由度を高めることができる。
また図3に示すように、デバイス6が、検知部61と、検知部61で得られた検知結果を送信する無線送信部62とを備える構成としてもよい。この場合、検知部61で得られた検知結果を無線で送信することができ、発電モジュールA1の配置場所の自由度を高めることができる。
蓄電部5およびデバイス6が基板10または設置ボディに保持され、デバイス6が検知部61および無線送信部62を備えることが、さらに好ましい。この場合発電モジュールA1は、自身で発電した電力を用いて検知部61が検知動作を行い、無線送信部62が検知部61の検知結果を無線で送信することができる。ここで発電モジュールA1は、カンチレバー部12の自励振動のエネルギーにより発電するので、何らかの流れがある場所に発電モジュールA1を配置すれば、自立的に発電して動作する。従って、配管の内部などの、保守点検が困難であったり、外部電源の確保が困難であったり、有線通信が困難な場所であるような場所にでも、モジュールを設置することができる。
発電モジュールA1は特に、デバイス6が、圧電変換部14の振動情報を検知する検知部61と、検知部61で検知された振動情報を含む無線信号の送信を(間欠的に)行う無線送信部62とを備えている構成としてもよい。なお、無線送信部62の無線通信規格としては、例えば、EnOceanなどを採用することができる。
この場合、圧電変換部14の振動情報としては、例えば、圧電変換部14で発生する交流電圧のピーク値や周波数などがある。なお、検知部61は、例えば、ピークホールド回路や電圧−周波数変換回路などを採用することができる。
ここで、圧電変換部14で発生する交流電圧のピーク値(絶対値)は、流体の流速が増加するにしたがって増加する。図4は、交流電圧のピーク値からなる発生電圧と流速との相関例を示したものである。図4では、3種類の発電装置1それぞれの相関例F1,F2,F3を示してある。3種類の発電装置1は、カンチレバー部12の長さ寸法が同じでカンチレバー部12の幅寸法を異ならせてある。相対的には、相関例F1が、カンチレバー部12の幅寸法が小さい場合、相関例F3が、カンチレバー部12の幅寸法が大きい場合、相関例F2が、カンチレバー部12の幅寸法が、相関例F1と相関例F3との中間の場合である。図4から分かるように、発電装置1は、カンチレバー部12の幅寸法を大きくすれば、自励振動を開始する流速が大きくなるが、流速の増加にしたがって発生電圧が緩やかに増加する傾向があるので、比較的広い流速域で流速センサとしても使用することが可能となる。一方、発電装置1は、カンチレバー部12の幅寸法を小さくすれば、自励振動を開始する流速が小さくなり、流速の増加にしたがって発生電圧が急峻に増加する傾向にあるので、比較的狭い流速域で流速センサとして使用することが可能となる。また、発電装置1は、カンチレバー部12の幅寸法を小さくすれば、発生電圧が飽和する流速が比較的低いので、安定した発生電圧を維持したい場合の発電用途に適していると考えられる。
また、圧電変換部14で発生する交流電圧の周波数は、図5に示すように、流体の流速が増加するにしたがって減少する。これは、発電装置1では、流体の流速が増加するとカンチレバー部12の上記一面121側の圧力が増加するため、周波数が低下するものと推考される。流速と周波数との関係は、ほぼ線形である。
したがって、発電モジュールA1は、検知部61で検知された振動情報を含む無線信号を(間欠的に)送信することが可能となる。
図6は、上述の発電モジュールA1を用いた空調管理システムの概略構成図である。この空調管理システムは、発電モジュールA1と、空調機(エアコンディショナー)A2とを備えている。発電モジュールA1は、空調機A2の給気ダクト(図示せず)もしくは排気ダクト(図示せず)の内部に配置されている。
空調機A2は、無線送信部62からの無線信号を受信する無線受信部71を備え、無線受信部71で受信した無線信号に含まれている振動情報に基づいて流体の流量もしくは流速が目標値となるようにファン74の運転状態を制御する。これにより、空調管理システムには、流体を利用して発電可能であり且つ小型化が可能な発電モジュールを備えた空調管理システムとして利用することが可能となる。
空調機A2は、ファン74を回転させるモータ73と、運転スイッチ75と、モータ73を制御する制御部72と、リモートコントローラからのリモコン信号などに基づいて流量や流速の目標値を設定する設定部76とを備えている。空調機A2は、運転スイッチ75をオンさせることにより、制御部72がモータ73を駆動してファン74を回転させる。制御部72は、設定部76により設定された流量もしくは流速の目標値となるようにモータ73の回転速度をフィードバック制御する。これにより、空調管理システムは、省エネルギ化を図ることが可能となる。なお、制御部72は、例えば、適宜のプログラムを搭載したマイクロコンピュータなどからなる制御回路、モータ73を駆動する駆動回路などを備えた構成とすればよい。
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態について図7に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1の基本構成については、実施形態1と同じであり、発電装置1の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態における発電装置1は、図7に示すように、カンチレバー部12の上記一面121側に設けられた応力制御膜19(図7C,図7D参照)によって、カンチレバー部12の先端部12aを、基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。つまり本実施形態では、カンチレバー部12の上記一面121側に設けられた応力制御膜19によって、カンチレバー部12の第2端側(先端部12a側)は、支持部11の厚み方向において第1端側(基端部12b側)よりも支持部11から離れている。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を省略する。
応力制御膜19は、第2電極14cにおける圧電体層14b側とは反対側に形成してある。すなわち、応力制御膜19は、第2電極14c上に形成してある。応力制御膜19は、SiO2膜により構成してあるが、これに限らず、例えば、Si34膜などにより構成してもよい。なお、応力制御膜19は、カンチレバー部12と第1電極14aとの間に形成してもよい。また、応力制御膜19は、カンチレバー部12の上記他面122側に形成してもよい。また、図7では、圧電変換部14の全面を覆うように応力制御膜19を形成しているが、応力制御膜19は、圧電変換部14の一部のみを覆うように形成されていてもよい。
本実施形態における発電装置1は、実施形態1と同様、流路15を通る流体の流れによって発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差と、カンチレバー部12の弾性とによって自励振動を発生させ、発電させることができる。本実施形態における発電装置1は、実施形態1に比べて圧電体層14bのプロセス条件の自由度が高くなり、より高品質な圧電体層14bを形成することが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。
なお、発電装置1は、応力制御膜19に起因してカンチレバー部12に作用する応力と圧電薄膜である圧電体層14bの内部応力との両方によって、カンチレバー部12の先端部12aを、基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてもよい。
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態について図8に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1の基本構成については、実施形態1と同じであり、発電装置1の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態における発電装置1は、図8に示すように、カンチレバー部12を支持部11に対して傾けて配置することによって、カンチレバー部12の先端部12aを、基端部12bよりも支持部11から離れる向きにずらしてある。すなわち、本実施形態における発電装置1は、支持部11の一表面111(支持部11の厚み方向に直交する面;図8における上面)に対してカンチレバー部12が傾いている。
すなわち、本実施形態の発電装置1は、開口11aを有する枠状の支持部11と、カンチレバー部12とを備える。カンチレバー部12は、支持部11の開口11a側に配置される。本実施形態では、カンチレバー部12は、開口11aに対向するように、支持部11に支持される。カンチレバー部12は、第1端(基端部12b)と第2端(先端部12a)とを有する。カンチレバー部12の第1端は、第2端が揺動自在となるように支持部11に支持されている。カンチレバー部12の第2端側は、支持部11の厚み方向において、第1端側よりも支持部11から離れている。本実施形態では、カンチレバー部12は、支持部11の一表面111に対して傾斜するように支持部11に保持されている。
なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1で説明した図2の発電装置1は、MEMSの製造技術を利用して製造した薄膜型の圧電型振動発電装置であり、第1電極14a、圧電体層14bおよび第2電極14cそれぞれを第1金属薄膜、圧電薄膜および第2金属薄膜により構成している。これに対して、本実施形態における発電装置1は、バルク型の圧電型振動発電装置である。この発電装置1は、圧電体層14bとしてバルクを利用しており、圧電体層14bの厚み方向の他面142側に金属膜からなる第1電極14aを形成し且つ一面141側に金属膜からなる第2電極14cを形成した梁部材20を支持部11に対して傾けて配置してある。梁部材20は、支持部11の上記一表面111上に設けた取付台部21に対して、例えば、接着剤などによって固定すればよい。取付台部21は、梁部材20を所望の角度で傾けて配置するための傾斜面21aを有している。また、本実施形態における発電装置1では、圧電体層14bがカンチレバー部12を兼ねている。なお、取付台部21は、支持部11に対して例えば接着剤などによって固定すればよい。
支持部11は、例えば、金属板を機械加工することによって形成したものでもよいし、樹脂成形品により構成してもよいし、実施形態1と同様に基板10をMEMSの製造技術などを利用して加工することによって形成したものでもよい。
本実施形態における発電装置1は、実施形態1と同様、流路15を通る流体の流れによって発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差と、カンチレバー部12の弾性とによって自励振動を発生させることができるので、流体を利用して発電可能となる。
(実施形態4)
本発明の第4の実施形態について図9に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1の基本構成については、実施形態1と同じであり、発電装置1の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態における発電装置1は、図9に示すように、支持部11の内側面の形状が実施形態1における発電装置1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における発電装置1の支持部11は、流路15の断面積が支持部11の厚み方向の両側で当該厚み方向の中間よりも広くなる形状に形成されている。
本実施形態における発電装置1は、実施形態1において説明した製造方法において、溝形成工程およびカンチレバー部形成工程の各エッチングをアルカリ系溶液による異方性エッチングとすることで、上述の支持部11および流路15の形状を実現することが可能である。
本実施形態における発電装置1では、支持部11を、流路15の断面積が支持部11の厚み方向の両側で当該厚み方向の中間よりも広くなる形状としてあることにより、流路15を通る流体の流量を大きくすることが可能となる。よって、発電装置1は、流体が流路15を通ることにより発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差を大きくすることが可能となり、より効率良く発電することが可能となる。
なお、本実施形態における発電装置1の支持部11および流路15の形状を他の実施形態において採用してもよい。
(実施形態5)
本発明の第5の実施形態について図10,図17に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1の基本構成については、実施形態1と同じであり、発電装置1の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態における発電装置1は、図10に示すように、支持部11、カンチレバー部12、圧電変換部14および流路15を備えた発電素子1aと、発電素子1aを収納する収納部材1bとを備えている。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
発電素子1aの構成は実施形態1における発電装置1と同じ構成なので、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。発電素子1aは、実施形態1における発電装置1に限らず、実施形態2〜4の何れかにおける発電装置1と同じ構成でもよい。
収納部材1bは、流体が流入する流入口1baと、流体が流出する流出口1bbとが設けられ、流入口1baと流出口1bbとの間に発電素子1aが配置されている。なお、図10A,図10B中の矢印は、流体の流れる方向を模式的に示している。
収納部材1bは、流入口1baから発電素子1aに近づくにつれて開口面積が小さくなり、発電素子1aから流出口1bbに近づくにつれて開口面積が大きくなる形状に形成されている。
収納部材1bは、発電素子1aの支持部11の周部を保持している。収納部材1bは、外周形状を矩形状とし、開口形状を矩形状としてある。このような収納部材1bは、例えば、2つの半角筒状の部材を接合することで形成するようにすれば、発電素子1を容易に収納し且つ保持することが可能となる。
収納部材1bは、立体回路形成基板などを利用して形成してもよく、この場合、収納部材1bに、図3に基づいて説明した蓄電部5、デバイス6、蓄電量監視部7およびスイッチング素子8などを設けてもよい。
つまり発電装置1は、基板10を支持する収納部材1b(設置ボディ)を備え、収納部材1bに、蓄電部5およびデバイス6が保持されていてもよい。特に、収納部材1bが、載置面1bcおよび発電モジュールA1を所定の位置に(接着などにより)設置するための設置面1bdを有し(図17参照)、載置面1bcに、蓄電部5およびデバイス6が搭載されてもよい。
蓄電部5やデバイス6などは、基板10(支持部11)に搭載してもよいし、収納部材1bと一体に結合されるよう構成された別の部材に搭載してもよい。
発電装置1は、上述のように、発電素子1aを収納する収納部材1bを備え、収納部材1bが、流入口1baから発電素子1aに近づくにつれて開口面積が小さくなり、発電素子1aから流出口1bbに近づくにつれて開口面積が大きくなる形状に形成されている。これにより、発電装置1は、流路15を通る流体の流量を大きくすることが可能となる。よって、発電装置1は、流体が流路15を通ることにより発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差を大きくすることが可能となり、より効率良く発電することが可能となる。また、発電装置1は、収納部材1bを備えていることにより、収納部材1bによって発電素子1aを保護することができるとともに、取り扱いが容易になるという利点もある。
(実施形態6)
本発明の第6の実施形態について図11,図18に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1の基本構成については、実施形態5と同じであり、収納部材1bの構成が相違する。
本実施形態における発電装置1は、図11に示すように、収納部材1bが、両面が開放された鼓状の形状に形成されており、実施形態5に比べて、発電素子1aの平面サイズを変えることなく、収納部材1bの流入口1baおよび流出口1bbそれぞれの開口面積を大きくしてある。これにより、発電装置1は、流路15を通る流体の流量を、より大きくすることが可能となる。よって、発電装置1は、流体が流路15を通ることにより発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差を更に大きくすることが可能となり、更に効率良く発電することが可能となる。
本実施形態においても、蓄電部5およびデバイス6が収納部材1bに保持されていてもよい。また、収納部材1bは、載置面1bcおよび発電モジュールA1を所定の位置に(接着などにより)設置するための設置面1bdを有し(図18参照)、載置面1bcに、蓄電部5およびデバイス6が搭載されてもよい。
(実施形態7)
本発明の第7の実施形態について図12に基づいて説明する。
本実施形態の空調管理システムの基本構成については、実施形態1で説明した空調管理システムと同じであり、発電装置1の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1および空調機A2全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態の空調管理システムは、図12に示すように、給気ダクトと排気ダクトとのいずれかからなるダクト4内に配置される流体制御部3を備えている点が相違する。流体制御部3は、発電装置1の流路15を通る流体の流量を増大させるように流体の流れを制御可能なものである。なお、図12中の矢印は、流体の流れる方向を模式的に示している。
発電装置1の構成は、実施形態5の発電装置1と同じ構成であるが、これに限らず、他の実施形態1〜4,6のいずれかの発電装置1と同じ構成でもよい。また、空調管理システムは、複数の発電モジュールA1を備えていてもよい。
流体制御部3と発電装置1とは、ダクト4内において流体の流れる方向に沿って並んで配置されている。空調管理システムは、ダクト4内において、流体制御部3が上流側に配置され、発電装置1が下流側に配置されている。
流体制御部3は、ノズルにより構成されており、発電装置1に近い側が吹出口3b、発光装置1から遠い側が吸込口3aとなるように配置されている。吹出口3bの開口面積は、吸込口3aの開口面積よりも小さい。
空調管理システムは、発電装置1の外部に設けられ流路15を通る流体の流量を増大させるように流体の流れを制御可能な流体制御部3を備えていることにより、発電装置1の流路15を通る流体の流量を、より大きくすることが可能となる。よって、空調管理システムでは、流体が発電装置1の流路15を通ることにより発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差を更に大きくすることが可能となり、発電装置1において更に効率良く発電することが可能となる。これにより、空調管理システムは、間欠的に動作するデバイス6の休止期間を短くすることが可能となる。
(実施形態8)
本発明の第8の実施形態について図13に基づいて説明する。
本実施形態の空調管理システムの基本構成については、実施形態7で説明した空調管理システムと同じであり、流体制御部3の構成が相違するだけなので、発電モジュールA1および空調機A2全体の図示および説明を適宜省略する。
本実施形態の空調管理システムでは、図13に示すように、流体制御部3を、円柱状の形状としてある。
本実施形態の空調管理システムは、実施形態7と同様、発電装置1の外部に設けられ流路15を通る流体の流量を増大させるように流体の流れを制御可能な流体制御部3を備えている。したがって、空調管理システムは、発電装置1の流路15を通る流体の流量を、より大きくすることが可能となる。よって、発電モジュールA1は、流体が発電装置1の流路15を通ることにより発生するカンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側との圧力差を更に大きくすることが可能となり、更に効率良く発電することが可能となる。これにより、空調管理システムは、間欠的に動作するデバイス6の休止期間を短くすることが可能となる。
なお、流体制御部3の形状は円柱状に限らず、例えば、三角柱状の形状や、球状の形状としてもよい。
(実施形態9)
本発明の第9の実施形態について図14に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1は、実施形態1と略同じ構成であり、発電装置1が、圧電変換部14として、蓄電部5に接続された第1圧電変換部141と、検知部61に接続された第2圧電変換部142とを備えている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、実施形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
また、発電装置1の構成は、実施形態1で説明した発電装置1において、例えば、圧電変換部14におけるカンチレバー部12の幅方向(図2Aの上下方向)に沿った方向の幅寸法を小さくして、1つのカンチレバー部12の上記一面121側において2つの圧電変換部14を上記幅方向に並設すればよい。この場合には、一方の圧電変換部14を第1圧電変換部141、他方の圧電変換部14を第2圧電変換部142として、第1圧電変換部141の出力を取り出すための2つのパッドと、第2圧電変換部142の出力を取り出すための2つのパッドとを設ければよい。
本実施形態の発電モジュールA1は、発電装置1が、圧電変換部14として、蓄電部5に接続された第1圧電変換部141と、検知部61に接続された第2圧電変換部142とを備えているので、簡単な回路構成で圧電変換部14の振動情報を検知することが可能となる。本実施形態の発電モジュールA1と同様に圧電変換部14を2つ備えた構成を実施形態1〜8の発電モジュールA1に採用してもよい。本実施形態の発電モジュールA1を実施形態1で説明した空調管理システムに用いてもよい。なお、圧電変換部14の数は、2つに限らず、3つ以上でもよく、少なくとも、第1圧電変換部141と第2圧電変換部142とを1つずつ備えていればよい。また、発電モジュールA1は、圧電変換部14を1つだけ備えた発電装置1を並べて設けた構成としてもよい。
(実施形態10)
本発明の第10の実施形態について図15に基づいて説明する。
本実施形態の発電モジュールA1は、実施形態1と略同じ構成であり、圧電変換部14が、圧電変換部14と蓄電部5とを電気的に接続する第1状態と、圧電変換部14と検知部61とを電気的に接続する第2状態とを切り替える切替回路9に接続されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、実施形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発電モジュールA1における切替回路9は、例えば、蓄電量監視部7がオン、オフを制御するようにすればよい。ここで、蓄電量監視部7は、蓄電量が上記規定値に到達したときに切替回路9を第1状態から第2状態へ切り替えるようにすればよい。
本実施形態の発電モジュールA1では、実施形態9に比べて、蓄電部5の充電毎に蓄電部5の蓄電量が上記規定値に達するまでの時間を短縮することが可能となる。
発電装置1は、流体の流れる方向と支持部11の厚み方向とが一致し、基板10の上記一表面101側が流体の上流側、基板10の上記他表面102側が流体の下流側となるように配置して使用する。この発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体が流路15を通る際に流速が速くなるので、カンチレバー部12の上記他面122側と支持部11の内側面とで囲まれた空間10fの圧力が下がり、カンチレバー部12の先端部12aが支持部11に近づく向き(上記空間10f側)へ変位する。そして、この発電装置1では、カンチレバー部12の上記一面121と支持部11の上記一表面111とが面一になったところで、カンチレバー部12の上記一面121側と上記他面122側とでの圧力差がなくなるので、カンチレバー部12の弾性力によってカンチレバー部12の先端部12aが元の位置に戻る。発電装置1は、このような動作が繰り返されることでカンチレバー部12が自励振動するので、圧電変換部14が発電することとなる。
収納部材1bは、発電素子1aの支持部11の周部を保持している。収納部材1bは、外周形状を矩形状とし、開口形状を矩形状としてある。このような収納部材1bは、例えば、2つの半角筒状の部材を接合することで形成するようにすれば、発電素子1aを容易に収納し且つ保持することが可能となる。
流体制御部3は、ノズルにより構成されており、発電装置1に近い側が吹出口3b、発装置1から遠い側が吸込口3aとなるように配置されている。吹出口3bの開口面積は、吸込口3aの開口面積よりも小さい。

Claims (12)

  1. 流体を受けて自励振動するカンチレバー部および前記カンチレバー部に設けられた圧電変換部を備えた発電装置と、
    前記発電装置で発生する交流電圧を整流して蓄電する蓄電部と、
    前記蓄電部から電力供給を受けて駆動されるデバイスと
    を備える
    ことを特徴とする発電モジュール。
  2. 前記発電装置は、枠状の支持部と、前記支持部に揺動自在に支持された前記カンチレバー部と、前記圧電変換部と、前記支持部と前記カンチレバー部との間に設けられ前記支持部の厚み方向に沿って前記流体が通過可能な流路とを備え、
    前記カンチレバー部の先端部を、前記カンチレバー部の基端部よりも前記支持部から離れる向きにずらしてある
    ことを特徴とする請求項1記載の発電モジュール。
  3. 前記圧電変換部は、前記カンチレバー部の厚み方向の一面側において前記一面側から順に第1電極、圧電薄膜、第2電極を有し、
    前記圧電薄膜の内部応力によって、前記カンチレバー部の前記先端部を、前記基端部よりも前記支持部から離れる向きにずらしてある
    ことを特徴とする請求項2記載の発電モジュール。
  4. 前記圧電変換部は、前記カンチレバー部の厚み方向の一面側において前記一面側から順に第1電極、圧電薄膜、第2電極を有し、
    前記カンチレバー部の前記一面側に設けられた応力制御膜によって、前記カンチレバー部の前記先端部を、前記基端部よりも前記支持部から離れる向きにずらしてある
    ことを特徴とする請求項2記載の発電モジュール。
  5. 前記デバイスは、前記圧電変換部の振動情報を検知する検知部と、前記検知部で検知された振動情報を含む無線信号の送信を行う無線送信部とを備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電モジュール。
  6. 前記発電装置は、前記圧電変換部として、前記蓄電部に接続された第1圧電変換部と、前記検知部に接続された第2圧電変換部とを備える
    ことを特徴とする請求項5記載の発電モジュール。
  7. 前記圧電変換部は、前記圧電変換部と前記蓄電部とを電気的に接続する第1状態と、前記圧電変換部と前記検知部とを電気的に接続する第2状態とを切り替える切替回路に接続されてなる
    ことを特徴とする請求項5記載の発電モジュール。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の発電モジュールと、空調機とを備え、
    前記発電モジュールが前記空調機の給気ダクトもしくは排気ダクトの内部に配置され、
    前記空調機は、前記無線送信部からの無線信号を受信する無線受信部を備え、前記無線受信部で受信した前記無線信号に含まれている前記振動情報に基づいて前記流体の流量もしくは流速が目標値となるようにファンの運転状態を制御する
    ことを特徴とする空調管理システム。
  9. 前記デバイスは、検知部と、前記検知部で得られた検知結果を送信する無線送信部とを備える
    ことを特徴とする請求項1記載の発電モジュール。
  10. 前記カンチレバー部および前記圧電変換部は基板に形成されており、
    前記発電装置は、前記基板を支持する設置ボディを備え、
    前記基板又は前記設置ボディに、前記蓄電部および前記デバイスが保持され、
    前記蓄電部は、前記圧電変換部に電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の発電モジュール。
  11. 前記蓄電部および前記デバイスは、前記基板において、前記カンチレバー部を囲む外周部に搭載されている
    ことを特徴とする請求項10記載の発電モジュール。
  12. 前記設置ボディは設置面と載置面とを有し、
    前記蓄電部および前記デバイスは、前記載置面に搭載されている
    ことを特徴とする請求項10記載の発電モジュール。
JP2014525679A 2012-07-20 2013-03-05 発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム Ceased JPWO2014013638A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161948 2012-07-20
JP2012161948 2012-07-20
PCT/JP2013/001357 WO2014013638A1 (ja) 2012-07-20 2013-03-05 発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2014013638A1 true JPWO2014013638A1 (ja) 2016-06-30

Family

ID=49948482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014525679A Ceased JPWO2014013638A1 (ja) 2012-07-20 2013-03-05 発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2014013638A1 (ja)
TW (1) TW201406039A (ja)
WO (1) WO2014013638A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2953259A1 (en) 2014-06-05 2015-12-09 StronGER S.r.l. Device made of piezoelectric material having a fin for harvesting energy from air flows
CN105226993A (zh) * 2014-06-24 2016-01-06 欣兴电子股份有限公司 风力发电装置
TWI573367B (zh) * 2014-07-30 2017-03-01 巫振奇 磁浮式充電裝置以及磁浮式充電模組
ES2896352A1 (es) * 2020-08-24 2022-02-24 Moreno Simon Alberto Dispositivo de obtención de energía a partir del flujo de fluidos circulantes en tuberías
KR102668279B1 (ko) * 2022-02-14 2024-05-23 한국에너지기술연구원 디퓨저 일체형 에너지 하베스터 및 이를 포함하는 공기조화 시스템

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004532743A (ja) * 2000-10-25 2004-10-28 ワシントン ステート ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション 圧電マイクロトランスデューサ、その使用法および製造法
WO2010150866A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 株式会社村田製作所 圧電発電装置及び無線センサネットワーク装置
JP2012085456A (ja) * 2010-10-13 2012-04-26 Seiko Epson Corp 圧電型発電機とその製造方法、およびセンサーノード
JP2012110143A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Seiko Epson Corp 発電装置、電子機器および移動手段

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7560856B2 (en) * 2007-12-03 2009-07-14 Schlumberger Technology Corporation Harvesting energy from flowing fluid
DE102010019740A1 (de) * 2009-12-07 2011-06-09 Siemens Aktiengesellschaft Miniaturisiertes Energieerzeugungssystem

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004532743A (ja) * 2000-10-25 2004-10-28 ワシントン ステート ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション 圧電マイクロトランスデューサ、その使用法および製造法
WO2010150866A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 株式会社村田製作所 圧電発電装置及び無線センサネットワーク装置
JP2012085456A (ja) * 2010-10-13 2012-04-26 Seiko Epson Corp 圧電型発電機とその製造方法、およびセンサーノード
JP2012110143A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Seiko Epson Corp 発電装置、電子機器および移動手段

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014013638A1 (ja) 2014-01-23
TW201406039A (zh) 2014-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014141336A1 (ja) 圧電変換デバイス及びそれを用いたフローセンサ
WO2014013638A1 (ja) 発電モジュールおよびそれを用いた空調管理システム
JP2016086599A (ja) 発電装置
US20120240672A1 (en) Miniaturized energy generation system
Khaligh et al. Kinetic energy harvesting using piezoelectric and electromagnetic technologies—state of the art
KR101004161B1 (ko) 압전 팬, 이를 이용하여 마이크로 전자 장치를 냉각하는방법, 및 이를 포함하는 시스템
US6713942B2 (en) Piezoelectric device with feedback sensor
CA2960072A1 (en) Micromechanical piezoelectric actuators for implementing large forces and deflections
US20130127295A1 (en) Piezoelectric micro power generator and fabrication method thereof
Rudy et al. Millimeter-scale traveling wave rotary ultrasonic motors
WO2014188649A1 (ja) 発電装置
EP2672538A1 (en) Power generating device and power generating module using same
US9729087B2 (en) Vibration power generator, vibration monitoring device, and vibration monitoring system
WO2014016985A1 (ja) フローセンサおよびそれを用いた空調管理システム
JP2009165212A (ja) 圧電体を用いた発電素子およびそれを用いた発電装置
US20020175596A1 (en) Thin profile piezoelectric jet device
JP4651015B2 (ja) 風力発電装置
WO2013186965A1 (ja) 発電装置および発電モジュール
WO2012164545A1 (en) Energy scavenging from a rotating gear using an impact type piezoelectric mems scavenger
WO2014159565A1 (en) Low resonance synthetic jet structure
EP2566038A1 (en) Vibration power generation device and method for manufacturing same
JP2015161229A (ja) 発電装置
WO2013190744A1 (ja) 振動発電装置
JP2015094229A (ja) 流体振動発電装置
JP2014171836A (ja) 消臭靴

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160223

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20160628