JPWO2014003195A1 - アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルの製造方法 - Google Patents

アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

液相反応で、緩和な反応条件のもと、アリル基を有するアルケン化合物から直接、一段階の反応で、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを製造する。下記の式(a)で表されるアルケン化合物を、均一系パラジウム触媒の存在下、酸化剤としてキノン類を用いて、下記の式(Ib)で表される二酸化炭素/水系を求核剤として溶媒下で反応させて下記の式(Ic)で表されるアリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る。求核剤として二酸化炭素/アルコール系、フェノールまたはその誘導体を用いることによりアリル部位を有する不飽和エーテルを得ることができる。【化1】(式中、R1は、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基により置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、有機合成の技術分野に属し、特に、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルの新規な製造方法に関する。
不飽和一級アルコールおよび不飽和エーテルは、化学工業的に需要が高い化合物である。とりわけアリル部位を有する化合物は、香料、合成樹脂、農薬および薬品などさまざまな用途に使用される産業的に重要なものが多い。そのため、これらアリル部位を有する不飽和一級アルコールおよび不飽和エーテルを効率よく製造する方法が盛んに開発されている。
従来のアリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る方法としては、ジアリルエーテルをパラジウム化合物の存在下に加水分解する方法がある(特許文献1)。しかし、加水分解を起こすためには大量の水が必要であり、さらにその大量の水を除去するために莫大なエネルギーが必要となる。また、ジアリルエーテルをパラジウム化合物とリン化合物とを含む触媒の存在下に熱処理してアリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る方法もある(特許文献2)。しかし、該方法では、100℃〜150℃の高温条件を維持することが必要である。さらに、該方法では、触媒の濃度、反応温度および熱処理時間のバランスを適切に制御しておく必要があり、当該制御が適切ではない場合には、過剰反応が進行してアルカジエン、アルカトリエン等が主生成物として得られ、所望とするアリル部位を有する不飽和一級アルコールが得られない。
このように、ジアリルエーテルを出発原料とした場合には、加水分解の後処理や高度な反応制御等が要求される。そのため、目的とするアリル部位を有する不飽和一級アルコールと共通する構造をもつアルケン化合物、すなわちアリル部位を有するアルケン化合物を出発原料にできれば、より簡素な反応工程で反応が進むことが考えられ、製造コストを抑制する観点からも有利となり得るものと期待されている。
このようなアルケン化合物を出発原料とする方法としては、例えば、アリル基を有するアルケン化合物であるプロピレンを、固体パラジウム触媒下、酢酸の存在下で酸素により酸化して酢酸アリルを合成し、該酢酸アリルを加水分解することによりアリルアルコールを得るという方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、該方法では、アルケン化合物から直接アリルアルコールを生成することができないために、反応中間物として酢酸アリルが一旦合成され、その結果として少なくとも二段階の反応工程が必要となる。また、アルケン化合物から酢酸アリルを合成する際に100〜300℃かつ約1MPaという高温高圧条件が必要である。さらに、アリルアルコールを生成するためには、得られた酢酸アリルを加水分解する必要があるが、加水分解には、上述したように莫大なエネルギーが必要とされる。そのため、加水分解等の余分な反応工程を一切必要とせず、アリル基を有するアルケン化合物から一段階の反応のみで直接、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを製造するという、より簡素な製造方法の実現が望まれている。
このようなアルケン化合物から直接アリルアルコールを製造する方法として、アリル基を有するアルケン化合物であるプロピレンを、モリブデンを主成分とし、ビスマス、ニッケル、コバルト、鉄等を含む多成分組成の不均一系触媒を使用して気相接触酸化する方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、このような気相反応を実現するためには、300℃近くの高温条件で反応させることが必要であり、結果として装置や燃料が高くつき、製造コストが高くなってしまう。
このようなことから、高温条件が必要とされる気相反応によるのではなく、液相反応によって、アリル基を有するアルケン化合物から一段階の反応のみで直接、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを製造するという簡素な反応が実現できれば、従来のような複雑な反応制御や厳しい反応条件が不要となり、製造コストを抑える点からも有利となり得る。しかし、アリル基を有するアルケン化合物に対して酸触媒下で水和反応を行うとしても、当該水和反応は平衡反応であり、その平衡は水酸基が脱離する側に著しく偏っているために、水酸基が付加する側、すなわちアルコールが生成する方向には反応が殆ど進まない。さらには、マルコフニコフ則に従いアルケン化合物の末端炭素に水酸基が結合しないように反応が進むために、所望の一級アルコールが得られず、結果として二級アルコールしか得られない。このような反応上の制約もあるために、液相反応で、アリル基を有するアルケン化合物から直接アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを製造する方法は、その実現が切望されてはいるものの、これまでのところその報告例は見当たらない。
特開平7−179378号公報 特開平8−208542号公報 特開2004−10532号公報 特開2002−97164号公報
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、液相反応で、緩和な反応条件のもと、アリル基を有するアルケン化合物から直接、一段階の反応で、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、アリル基を有するアルケン化合物を出発原料として、一段階の液相反応のみによって、直接、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを合成できる方法を新たに見出した。さらに、本発明者らは、このような新規の合成反応が、緩和な反応条件下で十分に進むものであることも新たに見出した。
かくして、本発明に従えば、下記の式(a)で表されるアルケン化合物を、均一系パラジウム触媒の存在下、酸化剤としてキノン類を用いて、下記の式(Ib)で表される二酸化炭素/水系を求核剤として溶媒下で反応させて下記の式(Ic)で表されるアリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る工程を含むことを特徴とする不飽和一級アルコールの製造方法が提供される。
Figure 2014003195
(式中、Rは、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子を表す。)
さらに、本発明に従えば、下記の式(a)で表されるアルケン化合物を、均一系パラジウム触媒の存在下、酸化剤としてキノン類を用いて、下記の式(IIb)で表される二酸化炭素/アルコール系、フェノールまたはフェノール誘導体を求核剤として溶媒下で反応させて下記の式(IIc)で表されるアリル部位を有する不飽和エーテルを得る工程を含むことを特徴とする不飽和エーテルの製造方法も提供される。
Figure 2014003195
(式中、Rは、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子であり、Rは、置換基で置換されていてもよいフェニル基、または炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)
本発明によれば、上述したアルケン化合物のアリル基の末端の炭素原子に対して、酸素原子を含む官能基が導入された生成物、すなわち、不飽和アルコール、不飽和エーテルが得られる。
不飽和アルコールを得る場合には、当該アルケン化合物としては、主鎖が比較的短い脂肪族アルケン化合物、または置換基が比較的少ない芳香族アルケン化合物が挙げられる。すなわち、上記Rとしては、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基により置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子が挙げられる。このようなアルケン化合物としては、例えば、1−オクテン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ヘプテンのような脂肪族アルケン化合物、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベンゼン、1−フルオロ−4−アリルベンゼン、1−クロロ−4−アリルベンゼン、アリルアントラセン、アリルナフタレン、アリルフェナントレン、アリルアセナフテン、アリルビフェニルのような芳香族アルケン化合物が挙げられるが、好ましくは、直鎖状の脂肪族アルケン化合物、またはアリルベンゼンもしくはその誘導体である。ここでいうアリルベンゼンの誘導体とは、アリルベンゼンに置換基が置換した化合物を意味する。すなわち、上述したアルケン化合物のうち好適な化合物としては、例えば、1−オクテンおよびプロピレン等の脂肪族アルケン化合物、および、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベンゼン、2−メトキシアリルベンゼン、1−フルオロ−4−アリルベンゼン、および1−トリフルオロメチル−4−アリルベンゼン等のアリルベンゼンおよびその誘導体を使用することができる。
また、不飽和エーテルを得る場合には、当該アルケン化合物としては、主鎖が比較的短い脂肪族アルケン化合物、または置換基が比較的少ない芳香族アルケン化合物が挙げられる。すなわち、上記Rとしては、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基により置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子が挙げられる。このようなアルケン化合物としては、例えば、1−オクテン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ヘプテンのような脂肪族アルケン化合物、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベンゼン、1−フルオロ−4−アリルベンゼン、1−クロロ−4−アリルベンゼン、アリルアントラセン、アリルナフタレン、アリルフェナントレン、アリルアセナフテン、アリルビフェニルのような芳香族アルケン化合物が挙げられるが、好ましくは、アリルベンゼンまたはその誘導体である。すなわち、上述したアルケン化合物のうち好適な化合物としては、例えば、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベンゼン、1−フルオロ−4−アリルベンゼン、および1−トリフルオロメチル−4−アリルベンゼン等のアリルベンゼンおよびその誘導体を使用することができる。
本発明で用いる均一系パラジウム触媒とは、パラジウムに各種の配位子が配位した配位化合物からなり、その反応系において、反応物が存在する溶液(反応物と同じ相)に溶解している触媒のことをいう。本発明で用いる均一系パラジウム触媒を構成するのに好ましい配位子としては、例えば、ホスフィン配位子、アミン配位子、ニトリル配位子、スルフィニル配位子、カルベン配位子、π配位子、およびアニオン性配位子等が挙げられるが、特に好ましい配位子は、ホスフィン配位子である。ここで本発明で用いるホスフィン配位子とは、単座第三級ホスフィン配位子または二座第三級ホスフィン配位子から選択されるものである。単座第三級ホスフィン配位子とは、第三級ホスフィン構造からなる配位子を単一個含み、1つのパラジウム原子(金属イオン)に対して1つの配位座を占めるものである。二座第三級ホスフィン配位子とは、第三級ホスフィン構造からなる配位子を2個含み、1つのパラジウム原子(金属イオン)に対して2つの配位座を占めるものである。
本発明で用いる均一系パラジウム触媒は、好ましくは、パラジウムにこのようなホスフィン配位子が配位した配位化合物からなるものである。このような均一系パラジウム触媒は、上記のホスフィン配位子が当初から配位されてなる配位化合物を、そのまま反応系に添加して用いてもよいし、あるいは適当なパラジウム化合物(パラジウム前駆体)と、上記のホスフィン配位子とを反応系内で混合して形成される配位化合物を用いてもよい。
本発明で用いる均一系パラジウム触媒は、配位化合物の形成について上記のいずれの方法を用いても反応系に適用することができるが、好ましくは、パラジウムに上記のホスフィン配位子が当初から配位されてなる配位化合物を用いることである。このような配位化合物としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)を挙げることができる。当該テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムは、優れた触媒効果を有するのみならず、上記のホスフィン配位子に相当するトリフェニルホスフィンを分子内に十分量含んでいるために、上記のホスフィン配位子を追加して使う必要が無いという点でも簡便で取扱いが容易な材料である。
また、本発明で用いる均一系パラジウム触媒は、上述したように、適当なパラジウム化合物(パラジウム前駆体)と、上記のホスフィン配位子とを反応系内で混合して形成される配位化合物を用いてもよい。このようなパラジウム化合物(パラジウム前駆体)としては、例えば、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、トリフルオロ酢酸パラジウム(Pd(TFA)2)、パラジウム ビス(アセチルアセトナート)(Pd(acac)2)、パラジウム ジベンジリデンアセトン(Pd2(dba)3)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)を使用することができる。
この他にも、このようなパラジウム化合物(パラジウム前駆体)としては、トリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリトリルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリキシリルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメシチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリテトラメチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメチルメトキシフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(t−ブチルイソニトリル)パラジウム、ジクロロビス(t−アミルイソニトリル)パラジウム、ジクロロビス(シクロヘキシルイソニトリル)パラジウム、ジクロロビス(フェニルイソニトリル)パラジウム、ジクロロビス(p−トリルイソニトリル)パラジウム、ジクロロビス(2,6−ジメチルフェニルイソニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、(1,5−シクロオクタジエン)(無水マレイン酸)パラジウム、ビス(ノルボルネン)(無水マレイン酸)パラジウム、ビス(無水マレイン酸)(ノルボルネン)パラジウム、(ジベンジリデンアセトン)(ビピリジル)パラジウム、(p−ベンゾキノン)(o−フェナンスロリン)パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、テトラアンミンジクロロパラジウム、ジナトリウムテトラクロロパラジウム、安息香酸パラジウム、α−ピコリン酸パラジウム、ビス(8−オキシキノリン)パラジウム、ビス(アリル)パラジウム、(η−アリル)(η−シクロペンタジエニル)パラジウムを使用することができる。
本発明で用いる均一系パラジウム触媒は、例えば、使用に際して、如上のパラジウム化合物(パラジウム前駆体)と、上記のホスフィン配位子とを溶媒中で攪拌混合することによって形成することができる。
上記のホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、トリス(p-フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-1-ナフチルホスフィン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、ジシクロヘキシル(2',4',6'-トリイソプロピル-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン、亜リン酸トリフェニル、3-(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリシクロヘキシルホスフィンおよびトリオクチルホスフィンなどを挙げることができる。このうち好ましくは、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、トリス(p-フルオロフェニル)ホスフィン、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、3-(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリオクチルホスフィンであり、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p-フルオロフェニル)ホスフィン、トリオクチルホスフィンを使用することができる。
この他にも、このようなホスフィン配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−i−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリアリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、ビス(2−フリル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、t−ブチルビス(トリメチルシリル)ホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、シクロへキシルジフェニルホスフィン、ジアリルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジメチル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、ジフェニル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、ジビニルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、(2−メトキシフェニル)メチルフェニルホスフィン、トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、(+)−ネオメンチルジフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジフェニル(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンおよびビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィンを使用することができる。
本発明で用いる酸化剤であるキノン類としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、2−クロロベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、フェナントレンキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン (DDQ) 、テトラクロロベンゾキノン(クロラニル)などが挙げられる。このうち好ましくは、1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノンであり、例えば、1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ベンゾキノンを用いることができる。
本発明で用いる求核剤としては、アリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る場合には、上記の式(Ib)で示した二酸化炭素/水系を使用する。ここでいう二酸化炭素/水系とは、液体の水に気体の二酸化炭素を溶解させたいわゆる炭酸の状態を意味し、例えば、二酸化炭素を加圧(例えば40気圧)して水に溶解させることで形成することができる。
また、本発明で用いる求核剤としては、アリル部位を有する不飽和エーテルを得る場合には、上記の式(IIb)で示した二酸化炭素/アルコール系、フェノールまたはフェノール誘導体を使用する。ここでいう二酸化炭素/アルコール系とは、液体のアルコール(例えば、メタノールやエタノール等)に気体の二酸化炭素を溶解させた状態を意味し、例えば、二酸化炭素を加圧(例えば40気圧)してアルコールに溶解させることで形成することができる。このようなアルコールとしては、炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールを用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール及びtert−ブタノールを用いることができるが、取扱いの容易さから、メタノール、エタノールを用いることが好ましく、例えば、メタノールを用いることができる。また、このようなアルコールとして無水アルコールを用いてもよく、例えば、無水メタノール、無水エタノール、無水プロパノール、無水イソプロパノール、無水n−ブタノール、無水sec−ブタノール、無水イソブタノール及び無水tert−ブタノールを用いることができ、取扱いの容易さから、無水メタノール、無水エタノールを用いることが好ましく、例えば、無水メタノールを用いることができる。このようにして構成される二酸化炭素/アルコール系は、例えば、二酸化炭素/メタノール系、または二酸化炭素/エタノール系を使用することができ、当該メタノール及びエタノールは、水溶液の形態で用いてもよいし、無水メタノール及び無水エタノールの無水物を用いてもよい。フェノールまたはフェノール誘導体としては、例えば、フェノール、4−メトキシフェノール、4−ニトロフェノール、ピロカテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ピクリン酸、チモール、カルバクロール、2−クロロ−4−メトキシフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノールを使用することができ、このうち例えば、フェノール、4−メトキシフェノール、4−ニトロフェノールを使用することができる。
本発明で用いる溶媒としては、特に限定されるものではなく、当業者により適宜選定して利用することができる。特にアリル部位を有する不飽和アルコールを得る場合には、主に極性溶媒を用いることが好ましいが必ずしも極性溶媒に限定されない。したがって、例えば、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(NMP)、アセトニトリル、トルエン、アセトン、2−プロパノール、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPT)、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、またはピリジンを使用することができ、好ましくは、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(NMP)を使用することができる。
また、本発明で用いる溶媒としては、特にアリル部位を有する不飽和エーテルを得る場合には、主に非極性溶媒を用いることが好ましいが必ずしも非極性溶媒に限定されない。したがって、例えば、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ヘキサン、アセトニトリル、キシレン、アセトン、エタノール、ベンゼン、t−ブチルアルコール、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルを使用することができ、好ましくは、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ヘキサン、アセトニトリルであり、例えば、ジオキサン、トルエンを使用することができる。
本発明に係る方法によれば、上記の反応原料を用いて、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルが得られる。
ここで本発明でいうアリル部位を有する不飽和一級アルコールとは、分子内にアリル基由来の構造(炭素数3の直鎖構造のなかに1つの炭素二重結合が含まれる)を有するとともに当該アリル基由来構造の末端炭素に水酸基を有する第一級アルコールを意味し、その一例としては、シンナミルアルコール、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−プロペン−1−オール、2−オクテン−1−オールを挙げることができる。
また、ここで本発明でいうアリル部位を有する不飽和エーテルとは、上記と同様に分子内に上述のアリル基由来の構造を有するとともに当該アリル基由来構造の末端炭素に酸素原子が結合しているエーテル骨格を有する化合物を意味し、その一例としては、シンナミルオキシベンゼン、1-(シンナミルオキシ)-4-メトキシベンゼン、1−(シンナミルオキシ)−4−ニトロベンゼン、1−メトキシ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼン、1−フルオロ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼン、メチルシンナミルエーテル、(4-メトキシ-trans-シンナミル)エーテル、[4-(トリフルオロメチル)‐trans-シンナミル]エーテル、エチルシンナミルエーテル等を挙げることができる。
このように、本発明によれば、均一系パラジウム触媒および酸化剤としてキノン類を用いて、溶媒を適宜選定することによって、アリル基を含有するアルケン化合物から、直接、一段階の反応のみによって、アリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを得ることができる。このように、本発明は、従来の気相反応のように高温高圧条件が要求されるものや、多段階の反応工程および複雑で高度な反応制御が要求されるものと比べて、格段に反応効率の高いものである。
さらに、驚くべきことに、本発明によれば、上記反応が、液相反応で常温〜50℃という非常に緩和な温度条件のもとで、20〜50時間程度、好ましくは、20〜30時間程度(例えば24時間)で、所望のアリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルを得る反応が十分に進行する(後述の実施例参照)。
このような従来では得られなかった反応のメカニズムは未だ充分には解明されてはいないが、アリル基を有するアルケン化合物が分子内に内包する電子論的な電子の偏りが、本発明に係る均一系パラジウム触媒が介在することによって変化し、上述した本発明に係る酸化剤および求核剤も相互に連携することにより、当該アルケン化合物の末端炭素に酸素原子を含有する官能基が導入され易い状況を生み出しているものと推察される。このような反応を可能にするメカニズムの一つの候補としてπ-アリルパラジウム中間体を経る機構が挙げられる。
さらに、上述したように、本発明によって得られるアリル部位を有する不飽和一級アルコールまたは不飽和エーテルとしては、例えば、シンナミルアルコール、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−プロペン−1−オール、2−オクテン−1−オール;シンナミルオキシベンゼン、1-(シンナミルオキシ)-4-メトキシベンゼン、1−(シンナミルオキシ)−4−ニトロベンゼン、1−メトキシ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼン、1−フルオロ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼン、メチルシンナミルエーテル、(4-メトキシ-trans-シンナミル)エーテル、[4-(トリフルオロメチル)‐trans-シンナミル]エーテル、エチルシンナミルエーテルがあり、いずれも産業的に重要な化合物である。このうち例えば、シンナミルアルコールは、良好な芳香を発する物質として、香水、香料、食品、化粧品およびデオドラント等に幅広く利用されている需要の高い化合物である。
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に示すために実施例を記すが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
不飽和一級アルコールの合成
オートクレーブ用内筒に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)(ホスフィン配位子の添加無し)、ジオキサン2mL、アリルベンゼン(1)133μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、1,4-ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を入れた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率92%で、シンナミルアルコール(2)を収率44%で得た。
Figure 2014003195
(実施例2)
均一系パラジウム触媒の変更
オートクレーブ用内筒に撹拌子、酢酸パラジウム0.0112g(0.05mmol)、トリフェニルホスフィン0.0262g(0.1mmol)、ジオキサン2mLを入れ、室温中で約5分間撹拌した。次にアリルベンゼン133μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、1,4-ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を加えた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率75%で、シンナミルアルコールを収率17%で得た。
さらに、上記の均一系パラジウム触媒の酢酸パラジウムを、トリフルオロ酢酸パラジウム、パラジウム ビス(アセチルアセトナート)、パラジウム ジベンジリデンアセトンに変更し、上記と同様の手順で得られた結果について、実施例1および上記の本実施例の結果と併せて以下に示す。
Figure 2014003195
(実施例3)
溶媒の変更
さらに、上記の実施例1〜2の実験結果のなかで最も良好な結果が得られた実施例1の実験条件について、溶媒をジオキサンからジメチルスルホキシド(DMSO)に変更して実験を行った。
オートクレーブ用内筒に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)、ジメチルスルホキシド(DMSO)2mL、アリルベンゼン133μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、1,4-ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を入れた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率50%で、シンナミルアルコールを収率38%で得た。
Figure 2014003195
さらに、上記の溶媒を、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(NMP)、アセトニトリル、トルエン、アセトン、2−プロパノールに変更し、上記と同様の手順で得られた結果について、実施例1および上記の本実施例の結果と併せて以下に示す。
Figure 2014003195
(実施例4)
ホスフィン配位子の変更
均一系パラジウム触媒として、ビスアセチルアセトナトパラジウムに、ホスフィン配位子トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンを加えたものを用いて以下の実験を行った。
オートクレーブ用内筒に撹拌子、ビスアセチルアセトナトパラジウム0.0152g(0.05mmol)、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン0.0304g(0.1mmol)、ジオキサン2mLを入れ、約5分間撹拌した。次にアリルベンゼン133μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、1,4-ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を加えた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率62%で、シンナミルアルコールを収率22%で得た。
Figure 2014003195
さらに、上記のホスフィン配位子を、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、トリス(p−フルオロフェニル)ホスフィン、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリオクチルホスフィンに変更し、上記と同様の手順で実験を行った結果について、得られたシンナミルアルコールの収率を、該当するホスフィン配位子とともに以下に示す。
Figure 2014003195
(実施例5)
酸化剤(キノン類)の変更
酸化剤(キノン類)に2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノンを用いて以下の実験を行った。
オートクレーブ用内筒に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)、ジオキサン2mL、アリルベンゼン133μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン0.246g(1.5mmol)を入れた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率99%で、シンナミルアルコールを収率76%で得た。
Figure 2014003195
さらに、上記の酸化剤(キノン類)を、1,4−ベンゾキノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−フェニルベンゾキノン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノンに変更し、上記と同様の手順で得られたそれぞれの結果について、本実施例の結果と併せて以下に示す。
Figure 2014003195
(反応温度の変更)
さらに、反応温度を50度から40度に変更し、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、および2,5−t−ブチル−1,4−ベンゾキノンを酸化剤(キノン類)として、上記と同様の手順で得られたそれぞれの結果を以下に示す。特に、2,5−t−ブチル−1,4−ベンゾキノンを酸化剤(キノン類)に用いた場合には、収率が95%まで達した。
Figure 2014003195
(実施例6)
基質(アルケン化合物)の検討
基質(アルケン化合物)に1−オクテンを用いて以下の実験を行った。
オートクレーブ用内筒に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)、ジオキサン2mL、1−オクテン157μL(1mmol)、水180μL(10mmol)、2−tert−ブチルベンゾキノン0.246g(1.5mmol)を入れた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、50度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率64%で、以下の反応式に示すように、2−オクテン−1−オール(27%)の生成を確認した。また、上記と同様の反応条件で、基質を1−オクテンからプロピレンに変更し、プロピレン(1.0 MPa)を反応溶液中に溶解させて該溶液中で反応させたところ、2−プロペン−1−オールの生成が確認された。
Figure 2014003195
さらに、上記の基質(アルケン化合物)を、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベンゼン、2−メトキシアリルベンゼン、1−フルオロ−4−アリルベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−アリルベンゼンに変更し、反応温度を40度として上記と同様の手順で実験を行ったところ、それぞれ、シンナミルアルコール(収率76%)、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール(収率90%)、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール(収率91%)、3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オール(収率84%)、3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2-プロペン−1−オール(収率81%)が得られた。それぞれの結果について、得られた化合物を以下に示す。
Figure 2014003195
(実施例7)
不飽和エーテルの合成
蓋付き試験管に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)、フェノール0.188g(2mmol)、トルエン2mL、アリルベンゼン133μL(1mmol)、1,4-ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を入れ、蓋をして50度のオイルバスで24時間撹拌した。反応後容器を室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率100%で、シンナミルオキシベンゼンを収率83%で得た。
Figure 2014003195
(実施例8)
基質(アルケン化合物)の検討
求核剤に4−メトキシフェノールを用いて以下の実験を行った。
蓋付き試験管に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)、4−メトキシフェノール0.248g(2mmol)、トルエン2mL、アリルベンゼン133μL(1mmol)、ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を入れ、蓋をして50度のオイルバスで24時間撹拌した。反応後容器を室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、転化率は100%で、1-(シンナミルオキシ)-4-メトキシベンゼンを収率59%で得た。
Figure 2014003195
さらに、上記の酸化剤(キノン類)を、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノンに変更するとともに、(アルケン化合物、求核剤)の組み合わせを(アリルベンゼン、4−ニトロフェノール)、(4−メトキシアリルベンゼン(エストラゴール)、フェノール)、(1−フルオロ−4−アリルベンゼン、フェノール)の3通りとして、上記と同様の手順で、各々実験を行ったところ、それぞれ、1−(シンナミルオキシ)−4−ニトロベンゼン、1−メトキシ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼン、1−フルオロ−4−(3−フェノキシ−1−プロペン−1−イル)ベンゼンが得られた。それぞれの結果について、得られた化合物とともに以下に示す。
Figure 2014003195
(実施例9)
求核剤が二酸化炭素/アルコール系の場合の不飽和エーテルの合成
オートクレーブ用内筒に撹拌子、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0578g(0.05mmol)(ホスフィン配位子の添加無し)、ジオキサン2mL、アリルベンゼン(1)133μL(1mmol)、メタノール651μL(10mmol)、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン0.162g(1.5mmol)を入れた。内筒をオートクレーブに入れ、二酸化炭素40気圧をかけた後、40度のオイルバスに設置し24時間撹拌した。反応後オートクレーブを室温まで放冷し、反応溶液を回収した。内部標準としてトリデカンを50μL(0.205mmol)加え、ガスクロマトグラフィーにより収率を算出した。分析の結果、メチルシンナミルエーテル(4)を収率54%で得た。さらに、反応温度50度、反応時間32時間で同様に実施したところ、メチルシンナミルエーテル(4)を収率80%で得た。また、メタノールおよびジオキサンの替わりに、無水メタノールおよび無水ジオキサンを使用した脱水条件下で同様に実施したところ、メチルシンナミルエーテル(4)を収率78%で得た。それぞれの結果について、得られた化合物とともに以下に示す。
Figure 2014003195
Figure 2014003195
(実施例10)
求核剤及び基質(アルケン化合物)の検討
さらに、上記実施例8と同様の手順に従い、上記の基質(アルケン化合物)を、4−メトキシアリルベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-アリルベンゼンに変更し、反応温度50度、反応時間32時間として上記実施例8と同様の手順で実験を行ったところ、それぞれ、(4-メトキシ-trans-シンナミル)エーテル(収率74%)、[4-(トリフルオロメチル)‐trans-シンナミル]エーテル(収率79%)が得られた。
また、上記実施例8と同様の手順に従い、上記の求核剤を構成するメタノールを、エタノールに変更し、反応時間32時間として上記実施例8と同様の手順で実験を行ったところ、エチルシンナミルエーテルを収率60%で得た。それぞれの結果について、得られた化合物を以下に示す。
Figure 2014003195
Figure 2014003195

Claims (11)

  1. 下記の式(a)で表されるアルケン化合物を、均一系パラジウム触媒の存在下、酸化剤としてキノン類を用いて、下記の式(Ib)で表される二酸化炭素/水系を求核剤として溶媒下で反応させて下記の式(Ic)で表されるアリル部位を有する不飽和一級アルコールを得る工程を含むことを特徴とする不飽和一級アルコールの製造方法。
    Figure 2014003195
    (式中、Rは、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子を表す。)
  2. が、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基、置換基で置換されていてもよいフェニル基、または水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の不飽和一級アルコールの製造方法。
  3. アルケン化合物が、下記の式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)もしくは(a−5)で表されるアリルベンゼンもしくはその誘導体、または、(a−6)もしくは(a−7)で表される直鎖状のアルケンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の不飽和一級アルコールの製造方法。
    Figure 2014003195
  4. 均一系パラジウム触媒が、パラジウムに、単座第三級ホスフィン配位子または二座第三級ホスフィン配位子から選択されるホスフィン配位子が配位された配位化合物からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の不飽和一級アルコールの製造方法。
  5. ホスフィン配位子が、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、トリス(p-フルオロフェニル)ホスフィン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、3-(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびトリオクチルホスフィンからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の不飽和一級アルコールの製造方法。
  6. 均一系パラジウム触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の不飽和一級アルコールの製造方法。
  7. 下記の式(a)で表されるアルケン化合物を、均一系パラジウム触媒の存在下、酸化剤としてキノン類を用いて、下記の式(IIb)で表される二酸化炭素/アルコール系、フェノールまたはフェノール誘導体を求核剤として溶媒下で反応させて下記の式(IIc)で表されるアリル部位を有する不飽和エーテルを得る工程を含むことを特徴とする不飽和エーテルの製造方法。
    Figure 2014003195
    (式中、Rは、置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、もしくはアセナフチル基、または水素原子であり、Rは、置換基で置換されていてもよいフェニル基、または炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)
  8. アルケン化合物が、下記の式(a−1)、(a−2)、(a−3)または(a−4)で表されるアリルベンゼンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項6に記載の不飽和エーテルの製造方法。
    Figure 2014003195
  9. 求核剤が二酸化炭素/メタノール系、二酸化炭素/エタノール系、フェノールまたは4−ニトロフェノールであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の不飽和エーテルの製造方法。
  10. 均一系パラジウム触媒が、パラジウムに、単座第三級ホスフィン配位子または二座第三級ホスフィン配位子から選択されるホスフィン配位子が配位された配位化合物からなることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の不飽和エーテルの製造方法。
  11. 均一系パラジウム触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムであることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の不飽和エーテルの製造方法。
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