JPWO2013150730A1 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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正昭 大土井
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一広 遣水
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成伸 池永
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Abstract

太陽電池モジュール(10)は、受光面側保護部材(14)と、裏面側保護部材(15)と、太陽電池素子(13)と、受光面側保護部材(14)と裏面側保護部材(15)との間に太陽電池素子(13)を封止する封止層(11)と、を備える。受光面側保護部材(14)と、太陽電池素子(13)との間の85℃における1cm2あたりの体積抵抗は、1?1013〜1?1017Ω・cm2である。

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題などが深刻さを増す中、クリーンかつ枯渇のおそれが無いエネルギー生成手段として太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分などの屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
上記の太陽電池モジュールは、一般に、以下の手順によって製造される。まず、多結晶シリコン、単結晶形シリコンなどにより形成される結晶型太陽電池素子(以下、発電素子あるいはセルと表記する場合もあるが、同じことを示す。)、あるいはアモルファスシリコンや結晶シリコンなどをガラスなどの基板の上に数μmの非常に薄い膜を形成して得られる薄膜型太陽電池素子などを製造する。次に、結晶型太陽電池モジュールを得るには、受光面側保護部材/太陽電池封止材/結晶型太陽電池素子/太陽電池封止材/裏面側保護部材の順に積層する。一方、薄膜系太陽電池モジュールを得るには、薄膜型太陽電池素子/太陽電池封止用シート/裏面側保護部材の順に積層する。その後、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法などを利用することにより、太陽電池モジュールが製造される。このようにして製造される太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分などの屋外での使用にも適したものとなっている。
太陽電池封止材して、例えば、特許文献1〜3に記載されたものが挙げられる。特許文献1には、太陽電池封止膜として、エチレン酢酸ビニル共重合体膜が記載されている。特許文献2には、α−オレフィン系共重合体からなる太陽電池封止材が記載されている。特許文献3には、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する太陽電池封止材用樹脂組成物が記載されている。
特開2010−53298号公報 特開2006−210906号公報 特開2010−258439号公報
近年、メガソーラーなど発電システムの大規模化により、システムの高電圧化が進んでいる。太陽電池モジュールのフレームは一般に接地されていることから、フレームとセルとの間の電位差がそのままシステム電圧となるため、システム電圧が上昇することにより、フレームとセルとの間の電位差が大きくなる。また、受光面側保護部材に用いられるガラスは、太陽電池封止材から形成された封止層に比較して電気抵抗が低く、フレームを介して受光面側保護部材とセルとの間にも高電圧が発生する。すなわち、直列接続されたモジュールは、セルとモジュールフレーム間、及びセルとガラス面との電位差が接地側から順次電位差が大きくなり、最も大きいところではほぼシステム電圧の高電圧の電位差が維持されてしまう。このような状態で用いられた太陽電池モジュールは、出力が大きく低下し、特性劣化が起こるPID(Potential Induced Degradationの略)現象が発生しやすくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、PID現象の発生を抑制できる太陽電池モジュールを提供するものである。
本発明者らによる検討の結果、日中発電している状況下ではモジュール温度が80℃を越えることもあり、このような環境において前述したPIDと呼ばれる特性劣化が起こることを知見した。そこで、受光面側保護部材と太陽電池素子との間の85℃における体積抵抗を特定の範囲にすることにより、太陽電池モジュールのセルとモジュールフレーム間に高電圧を印加した状態を維持しても太陽電池モジュールの出力低下を抑えることができ、PID現象の発生を大幅に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
受光面側保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に前記太陽電池素子を封止する封止層と、
を備え、
前記受光面側保護部材と、前記太陽電池素子との間の85℃における1cmあたりの体積抵抗が1×1013〜1×1017Ω・cmである、太陽電池モジュールが提供される。
本発明によれば、PID現象の発生を抑制できる太陽電池モジュールが提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す断面図である。 太陽電池素子の受光面と裏面の一構成例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1で示す太陽電池モジュール10は、受光面側保護部材14と、裏面側保護部材15と、太陽電池素子13と、受光面側保護部材14と裏面側保護部材15との間に太陽電池素子13を封止する封止層11と、を備える。受光面側保護部材14と、太陽電池素子13との間の85℃における1cmあたりの体積抵抗は、1×1013〜1×1017Ω・cmである。
体積抵抗は、単位面積あたりの体積抵抗Rrを意味し、ここに、抵抗実測値をR1、太陽電池素子面積をSとすれば、Rr=R1*Sで算出される。体積抵抗率をRρとし、封止材厚さをLとすれば、Rr=Rρ*Lの関係がある。
図1に示されるように、太陽電池モジュール10は、インターコネクタ16により電気的に接続された複数の太陽電池素子13を備えている。図1では、太陽電池素子13が直列に接続された例を示すが、太陽電池素子13は並列に接続されていてもよい。受光面保護部材14と裏面側保護部材15とが太陽電池素子13を挟持し、これらの保護部材と複数の太陽電池素子13との間に、封止層11が充填されている。封止層11は、受光面側封止層11Aと裏面側封止層11Bとから構成されており、受光面側封止層11Aは太陽電池素子13の受光面に形成された電極と接しており、裏面側封止層11Bが太陽電池素子13裏面に形成された電極と接している。電極とは、太陽電池素子13の受光面及び裏面にそれぞれ形成された集電部材であり、後述する集電線、タブ付用母線、及び裏面電極層などを含む。
太陽電池モジュール10の受光面側保護部材14と、太陽電池素子13との間の85℃における1cmあたりの体積抵抗は、以下のように測定することができる。
太陽電池モジュール10は、図1で示すように直列に接続された複数の太陽電池素子13を備えるため、一つの太陽電池素子13を含む試験片を、ウォータージェットカッターなどを用いて切り出す。また、太陽電池素子13が並列に接続されている場合も、同様に一つの太陽電池素子13を含む試験片を切り出せばよい。ついで裏面側保護部材15を剥離する。こうして受光面側保護部材14/受光面側封止層11A/太陽電池素子13/裏面側封止層11Bの構成を有する試験片が得られる。この試験片を85℃雰囲気の恒温槽内に戴置し、抵抗測定器の一方(グランド側)の電極を太陽電池素子13に接続し、もう片方を受光面側保護部材14に電極サイズに合わせた導電性ゴムを介して他方(高電圧の電極)に接触する事により、受光面側保護部材14と、太陽電池素子13との間の体積抵抗を測定することができる。
また、測定を安定化させるために、ガード電極を用いることが好ましく、電極と同様に導電性ゴムを介してガラスに密着させて使用する。この際、用いる電極は太陽電池素子13よりも小さいサイズの電極形状を用いセッティングすることが好ましい。測定に際しては、JISやASTM等の樹脂の体積抵抗を測定する規格で定められた測定装置、電極形状を用いることが好ましい。抵抗測定に用いる装置は、通常体積抵抗を測定する装置を用いることができる。
この測定では、厳密には受光面側保護部材14と受光面側封止層11Aとをあわせた抵抗を測定していることになるが、受光面側保護部材14として一般に用いられているソーダガラスの体積抵抗は本発明において好適に用いられる受光面側封止層11Aの抵抗に比べ十分低い抵抗であり、測定値は実質的に受光面側封止層11Aの抵抗と等しい。ただし、いずれの測定も電圧印加した後、測定値が安定せず抵抗値が増加する傾向が続く場合には、1000秒後の値を用いる。
得られた抵抗値R1は、受光面側封止層11Aの抵抗に実質的に等しい。抵抗値R1に太陽電池素子面積Sをかけて規格化した値を算出し、単位面積あたりの体積抵抗Rrと定義する。
85℃における受光面側保護部材14と太陽電池素子13との間の1cmあたりの体積抵抗Rrは、1×1013〜1×1017Ω・cmであるが、1×1014〜1×1017Ω・cmであることが好ましい。85℃における受光面側保護部材14と太陽電池素子13との間の1cmあたりの体積抵抗Rrが1×1013〜1×1017Ω・cmであると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験においてPID現象の発生までの時間が、240時間、さらには500時間以上に長期化できる傾向にある。また、85℃における受光面側保護部材14と太陽電池素子13との間の1cmあたりの体積抵抗が1×1014〜1×1017Ω・cmであると、100℃以上の高温下でのPID現象の発生までの時間を長期化でき、さらには、電圧が1000V以上の高電圧下でのPID現象の発生までの時間を長期化できる傾向にある。
85℃における受光面側保護部材14と太陽電池素子13との間の体積抵抗Rrは、受光面側封止層11Aの体積抵抗を上記範囲にすることで制御することができる。したがって、受光面側封止層11Aの1cmあたりの体積抵抗Rrは、1×1013〜1×1017Ω・cmであることが好ましく、1×1014〜1×1017Ω・cmがより好ましく、1×1014〜1×1016Ω・cmがさらに好ましい。また、85℃における受光面側封止層11Aの1cmあたりの体積抵抗が1×1014Ω・cm以上であると、100℃以上の高温下でのPID現象の発生までの時間を長期化でき、さらには、電圧が1000V以上の高電圧下でのPID現象の発生までの時間を長期化できる傾向にあるため好ましい。
受光面側封止層11Aの厚みと、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗とを制御することで、85℃における受光面側封止層11Aの1cmあたりの体積抵抗を上記範囲することができる。85℃における受光面側封止層11Aの1cmあたりの体積抵抗が1×1013Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験において、少なくとも1日間はPID現象の発生を抑制することができる。受光面側封止層11Aの1cmあたりの体積抵抗が、1×1017Ω・cm以下であると、静電気が発生しにくくなるので、太陽電池モジュール10内にゴミの混入を防いで、発電効率や長期信頼性の低下を抑制することができる。
受光面側封止層11Aの厚みは、モジュールの小型化の観点から、少なくとも1cm以下であることが好ましいが、取扱いの観点から、50〜1000μmであることが好ましく、100〜800μmであることがより好ましい。
なお、ここでいう受光面側封止層11Aの厚みは、太陽電池素子13の受光面側表面と受光面側保護部材14との距離をいう。
温度100℃、印加電圧500Vで測定される、受光面側封止層11Aの体積固有抵抗は、1×1013〜1×1018Ω・cmとすることが好ましい。こうすることで、受光面側封止層11Aの厚みを数100μmの取扱いやすい厚みとしつつ、受光面側保護部材14と太陽電池素子13との間の85℃における体積抵抗を1×1013〜1×1017Ω・cmの範囲にすることができる。受光面側封止層11Aの前記体積固有抵抗は、好ましくは1×1014〜1×1018Ω・cmであり、より好ましくは5×1014〜1×1018Ω・cmであり、1×1015〜1×1018Ω・cmであることがさらに好ましい。受光面側封止層11Aの前記体積固有抵抗が、5×1014Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験においてPID現象の発生がさらに長期化できる傾向にある。
なお、本発明において封止層11(受光面側封止層11A、裏面側封止層11B)の体積固有抵抗は、JIS K6911に準拠して測定することができる。
裏面側封止層11Bは、受光面側封止層11Aの厚みと同一であってもよいし異なっていてもよいが、モジュールの小型化の観点から、少なくとも1cm以下であることが好ましく、取扱いの観点から、50〜1000μmであることが好ましく、150〜800μmであることがより好ましい。
また、温度100℃、印加電圧500Vで測定される、裏面側封止層11Bの体積固有抵抗は、受光面側封止層11Aと同一であってもよいし、異なっていてもよい。したがって、温度100℃、印加電圧500Vで測定される、封止層11全体の体積固有抵抗が1×1013〜1×1018Ω・cmであってもよいし、好ましくは1×1014〜1×1018Ω・cmであり、より好ましくは5×1014〜1×1018Ω・cmとすることができる。
封止層11は、樹脂組成物からなる太陽電池封止材Sから形成される。この太陽電池封止材Sはシート状であることが好ましく、必要に応じて架橋させてもよく、非架橋でもかまわない。以下、この封止層11の形成に用いられる太陽電池封止材Sについて説明する。
太陽電池封止材Sは、受光面側封止層11Aを形成する第一太陽電池封止材S1と、裏面側封止層11Bを形成する第二太陽電池封止材S2との一対から構成されていてもよい。以下、太陽電池封止用封止材Sは、第一太陽電池封止材S1と第二太陽電池封止材S2との総称として使用することもある。
太陽電池封止材Sのうち少なくとも第一太陽電池封止材S1は、150℃、250Paで3分間加熱減圧した後、150℃、100kPaで15分間加熱加圧することにより架橋処理したとき、JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1×1013〜1×1018Ω・cmであることが好ましく、より好ましくは1×1014〜1×1018Ω・cm、さらに好ましくは5×1014〜1×1018Ω・cmであり、1×1015〜1×1018Ω・cmであることが特に好ましい。150℃、250Paで3分間加熱減圧した後、150℃、100kPaで15分間加熱加圧することにより架橋処理した第一太陽電池封止材S1の体積固有抵抗を調べることで、太陽電池モジュール10中の受光面側封止層11Aの体積固有抵抗を調べることができる。
また、第二太陽電池封止材S2も、150℃、250Paで3分間加熱減圧した後、150℃、100kPaで15分間加熱加圧することにより架橋処理したとき、JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1×1013〜1×1018Ω・cmであってもよく、より好ましくは1×1014〜1×1018Ω・cm、さらに好ましくは5×1014〜1×1018Ω・cmであり、1×1015〜1×1018Ω・cmであることが特に好ましい。150℃、250Paで3分間加熱減圧した後、150℃、100kPaで15分間加熱加圧することにより架橋処理した体積固有抵抗を調べることで、太陽電池モジュール10中の裏面側封止層11Bの体積固有抵抗を調べることができる。
太陽電池封止材Sのうち少なくとも第一太陽電池封止材S1の体積固有抵抗が4×1014Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験においてPID現象の発生がさらに長期化できる傾向にある。太陽電池封止材S全体の前記体積固有抵抗が上記範囲を満たすものであってもよい。
太陽電池封止材Sは架橋性樹脂を含む樹脂組成物からなることが好ましい。架橋性材樹脂としては、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体、高密度エチレン系樹脂、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、プロピレン(共)重合体、1−ブテン(共)重合体、4−メチルペンテン−1(共)重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン・芳香族ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂、エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α−オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α−オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体などのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体などのエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、不飽和カルボン酸エステル(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、エチレン・アクリル酸金属塩共重合体、エチレン・メタアクリル酸金属塩共重合体などのアイオノマー樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル酸系樹脂、メタアクリル酸系樹脂、環状オレフィン(共)重合体、α−オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・共役ジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α−オレフィン・共役ポリエン・スチレン共重合体、メタアクリル酸・スチレン共重合体、エチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、ポリエステルカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、1,2ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、液晶性ポリエステル、ポリ乳酸などが挙げられる。
これらの中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、プロピレン(共)重合体、1−ブテン(共)重合体、4−メチルペンテン−1(共)重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン・芳香族ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂、エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α−オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α−オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体などのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、不飽和カルボン酸エステル(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体などのエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸金属塩共重合体、エチレン・メタアクリル酸金属塩共重合体などのアイオノマー樹脂、環状オレフィン(共)重合体、α−オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・共役ジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α−オレフィン・共役ポリエン・スチレン共重合体、メタアクリル酸・スチレン共重合体が好ましい。
これらの架橋性樹脂は、後述するメタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物を、実質的に使用せずに製造することが好ましい。又は、製造後に樹脂を酸などにより処理する脱灰処理を行い、金属成分やイオン含有量を低減させることが好ましい。いずれの方法によっても、体積抵抗が1×1011Ω/cm以上となり、電気特性の優れる封止層11を形成させることができる。架橋性樹脂は、シラン化合物によって変性されていても良い。
また、少なくとも第一太陽電池封止材S1は、架橋性樹脂として、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなることが好ましい。これにより、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物を架橋させて受光面側封止層11Aを形成させることができる。
第二太陽電池封止材S2は、第一太陽電池封止材S1と同一の組成から形成されていてもよいし、異なる組成から形成されていてもよく、架橋性樹脂としてエチレン・α−オレフィン共重合体を含んでいてもよい。第一太陽電池封止材S1及び第二太陽電池封止材S2がいずれもエチレン・α−オレフィン共重合体を含むものであってもよい。こうすることで、封止層11全体が、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物を架橋させて形成されたものにすることができる。
太陽電池封止材Sに含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体がより好ましい。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα−オレフィンであり、特に好ましいのは炭素数が3〜8のα−オレフィンである。このようなα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。中でも、入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが好ましい。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、下記a1)〜a4)の少なくとも一つを満たすエチレン・α−オレフィン共重合体が用いられる。
a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であるとともに、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが0.1〜50g/10分である。
a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cmである。
a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。
太陽電池封止材Sに用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、上記a1)〜a4)のいずれか2つを満たすことがより好ましく、上記a1)〜a4)のいずれか3つを満たすことがさらに好ましく、上記a1),a3)およびa4)の3つを満たすこともとりわけ好ましい。上記a1)〜a4)のすべてを満たすことが特に好ましい。以下、a1)〜a4)について説明する。
a1)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の割合は10〜20mol%であり、好ましくは12〜20mol%、より好ましくは12〜18mol%、さらに好ましくは13〜18mol%である。α−オレフィン単位の含有割合を10mol%以上にすることで、高透明性の封止層11が得られる傾向にある。また、柔軟性が高いため、太陽電池素子13の割れや、薄膜電極のカケなどの発生を抑制することができる。一方、α−オレフィン単位の含有割合が20mol%以下であると、シート化しやすく耐ブロッキング性が良好なシートを得ることができ、また、架橋させることで耐熱性を向上させることができる。
a2)
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレ−ト(MFR)は、通常0.1〜50g/10分であり、好ましくは2〜50g/10分であり、より好ましくは10〜50g/10分であり、さらに好ましくは10〜40g/10分、特に好ましくは12〜27g/10分、最も好ましくは15〜25g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、後述する重合反応の際の重合温度、重合圧力、並びに重合系内のエチレンおよびα−オレフィンのモノマー濃度と水素濃度のモル比率などを調整することにより、調整することができる。
(カレンダー成形)
MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、カレンダー成形によってシートを製造することができる。MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物の流動性が低いため、シートを電池素子とラミネートする際にはみ出した溶融樹脂によるラミネート装置の汚れを防止できる点で好ましい。
(押出成形)
MFRが2g/10分以上、好ましくはMFRが10g/10分以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物の流動性が向上し、シート押出成形時の生産性を向上させることができる。
MFRが50g/10分以下であると、分子量が大きくなるため、チルロールなどのロール面への付着を抑制できるため、剥離を不要とし、均一な厚みのシートに成形することができる。さらに、「コシ」がある樹脂組成物となるため、0.1mm以上の厚いシートを容易に成形することができる。また、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が向上するため、十分に架橋させて、耐熱性の低下を抑制することができる。
MFRが27g/10分以下であると、さらに、シート成形時のドローダウンを抑制でき幅の広いシートを成形でき、また架橋特性および耐熱性がさらに向上し、最も良好な太陽電池封止材シートを得ることができる。
なお後述する太陽電池モジュールのラミネート工程において樹脂組成物の架橋処理を行わない場合は、溶融押出工程において有機過酸化物の分解の影響が小さいため、MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満、好ましくは0.5g/10分以上8.5g/10分未満の樹脂組成物を用い、押出成形によってシートを得ることもできる。樹脂組成物の有機過酸化物含有量が0.15重量部以下である場合には、MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満の樹脂組成物を用い、シラン変性処理、または微架橋処理を行いつつ170〜250℃の成形温度で押出成形によってシートを製造することもできる。MFRがこの範囲にあるとシートを太陽電池素子とラミネートする際にはみ出した溶融樹脂によるラミネート装置の汚れを防止できる点で好ましい。
a3)
ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は0.865〜0.884g/cmであり、好ましくは0.866〜0.883g/cm、より好ましくは0.866〜0.880g/cm、さらに好ましくは0.867〜0.880g/cmである。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.884g/cm以下であると、透明性及び柔軟性を向上させることができる。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.865g/cm以上であると、シート化しやすくなり、耐ブロッキング性が良好なシートが得られ、また、耐熱性を向上させることができる。
a4)
ASTM D2240に準拠して測定される、エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は60〜85であり、好ましくは62〜83、より好ましくは62〜80、さらに好ましくは65〜80である。エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は、エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を後述の数値範囲に制御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く、密度が高いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く、密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が低くなる。ショアA硬度が60以上であると、シート化しやすく耐ブロッキング性が良好なシートが得られ、さらに耐熱性も向上させることができる。一方、ショアA硬度が85以下であると、透明性及び柔軟性を向上させるとともに、シート成形を容易にすることができる。
また、太陽電池封止材Sに含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体は、以下のa5)〜a10)の少なくとも一つをさらに満たすことが好ましく、以下のa5)〜a10)のいずれか2つを満たすことがより好ましく、以下のa5)〜a10)のいずれか3以上を満たすことがさらに好ましく、以下のa5)〜a10)のすべてを満たすことがよりさらに好ましい。
a5)アルミニウム元素の含有量が10〜500ppmである。
a6)13C−NMRスペクトル及び後述する式(1)から求められるB値が0.9〜1.5である。
a7)13C−NMRスペクトルにおける、Tααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が1.5以下である。
a8)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布Mw/Mnが、1.2〜3.5である。
a9)塩素イオンの含有割合が2ppm以下である。
a10)酢酸メチルへの抽出量が5重量%以下である。
a5)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、アルミニウム元素(以下、「Al」とも記す)の含有量(残渣量)が好ましくは10〜500ppmであり、より好ましくは20〜400ppm、さらに好ましくは20〜300ppmである。Al含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体の重合過程において添加する有機アルミニウムオキシ化合物や有機アルミニウム化合物の濃度に依存する。Al含有量を10ppm以上にすることで、例えば100℃などの高温での電気特性の低下を防ぐことができる。一方、Al含有量が500ppm以下にすることで、シート化したときも、外観が良好なシートが得られる。
上記のような、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム元素をコントロールする手法としては、例えば、後述のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法に記載の(II−1)有機アルミニウムオキシ化合物及び(II−2)有機アルミニウム化合物の製造工程における濃度、又は、エチレン・α−オレフィン共重合体の製造条件のメタロセン化合物の重合活性を調整することによって、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム元素をコントロールすることができる。
a6)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、13C−NMRスペクトル及び下記式(1)から求められるB値は0.9〜1.5であることが好ましく、0.9〜1.3であることがさらに好ましく、0.95〜1.3であることがより好ましく、0.95〜1.2であることが特に好ましく、1.0〜1.2であることが最も好ましい。B値は、エチレン・α−オレフィン共重合体を重合する際の重合触媒を変更することにより調整可能である。より具体的には、後述するメタロセン化合物を用いることで、B値が上記の数値範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
B値=[POE]/(2×[P]×[P]) (1)
〔式(1)中、[P]はエチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるエチレンに由来する構成単位の割合(モル分率)を示し、[P]はエチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の割合(モル分率)を示し、[POE]は全dyad連鎖に含まれるα−オレフィン・エチレン連鎖の割合(モル分率)を示す〕
このB値は、エチレン・α−オレフィン共重合体中における、エチレン単位とα−オレフィン単位の分布状態を表す指標であり、J.C.Randall(Macromolecules,15,353(1982))、J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))らの報告に基づいて求めることができる。B値が大きいほど、エチレン単位又はα−オレフィン共重合体のブロック的連鎖が短くなり、エチレン単位とα−オレフィン単位の分布が一様であり、共重合ゴムの組成分布が狭いことを示している。なお、B値が0.9以上にすることで、シート化したとき外観が良好なシートを得ることができる。
a7)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、13C−NMRスペクトルにおける、Tααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)は1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることがさらに好ましく、1.0以下であることが特に好ましく、0.7以下であることが最も好ましい。Tαβ/Tααは、エチレン・α−オレフィン共重合体を重合する際の重合触媒を変更することにより調整可能である。より具体的には、後述するメタロセン化合物を用いることで、Tαβ/Tααが上記の数値範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
13C−NMRスペクトルにおけるTααとTαβは、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位中の「CH」のピーク強度に対応する。より具体的には、下記の一般式(2)に示すように、第3級炭素に対する位置が異なる2種類の「CH」のピーク強度をそれぞれ意味している。
Figure 2013150730
Tαβ/Tααは以下のようにして求めることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体の13C−NMRスペクトルをNMR測定装置(例えば、日本電子社製の商品名「JEOL−GX270」)を使用して測定する。測定は、試料濃度が5重量%になるように調整されたヘキサクロロブタジエン/d6−ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を用いて、67.8MHz、25℃、d6−ベンゼン(128ppm)基準で行う。測定された13C−NMRスペクトルを、リンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry,43,p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry Physics,C29,201(1989))に従って解析し、Tαβ/Tααを求める。
エチレン・α−オレフィン共重合体の13C−NMRにおける、Tααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)は、重合反応中における、α−オレフィンの重合触媒への配位状態を示している。Tαβ型でα−オレフィンが重合触媒に配位した場合、α−オレフィンの置換基がポリマー鎖の重合成長反応の妨げとなり、低分子量成分の生成を助長する傾向にある。このため、シートにベタツキが発生してブロッキングしてしまい、シートの繰り出し性が悪化する傾向にある。さらに、低分子量成分がシート表面にブリードしてくるために接着の阻害となり、接着性が低下する。
a8)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布Mw/Mnは、シート化しやすく耐ブロッキング性が良好なシートが得られ、さらに接着性も向上できるという観点から、1.2〜3.5の範囲にあることが好ましく、1.7〜3.0の範囲にあることがより好ましく、1.7〜2.7の範囲にあることがさらに好ましく、1.9〜2.4の範囲にあることが特に好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布Mw/Mnは、重合に際し、後述のメタロセン化合物を用いることにより調整することができる。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、Waters社製のゲル浸透クロマトグラフ(商品名「Alliance GPC−2000型」)を使用し、以下のようにして測定する。分離カラムには、商品名「TSKgel GMH6−HT」を2本、及び商品名「TSKgel GMH6−HTL」を2本使用する。カラムサイズは、いずれも内径7.5mm、長さ300mmとし、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業社製)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品社製)0.025重量%を用いる。移動相を1.0ml/分の速度で移動させ、試料濃度は15mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いる。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000及びMw>4×10については東ソー社製のものを用いる。また、分子量が1000≦Mw≦4×10についてはプレッシャーケミカル社製のものを用いる。分子量は、ユニバーサル校正して、用いた各α−オレフィンに合わせエチレン・α−オレフィン共重合体に換算した値である。
a9)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、固相抽出処理後の抽出液からイオンクロマトグラフィーにより検出される塩素イオンの含有割合は、2ppm以下であることが好ましく、1.5ppm以下であることがさらに好ましく、1.2ppm以下であることが特に好ましい。塩素イオンの含有割合は、後述するメタロセン化合物の構造及び重合条件を調整することにより調整することができる。すなわち、触媒の重合活性を高くすることにより、エチレン・α−オレフィン共重合体中の触媒残渣量を少なくし、塩素イオンの含有割合が上記の数値範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体中の塩素イオンの含有割合が2ppm以下にすることで、太陽電池モジュールの長期信頼性を得ることができる。塩素原子を含まないメタロセン化合物を用いることで、実質的に塩素イオンを含まないエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体中の塩素イオンの含有割合は、例えば、オートクレーブなどを用いて滅菌洗浄されたガラス容器にエチレン・α−オレフィン共重合体を約10g精秤し、超純水を100ml加えて密閉した後、常温で30分間超音波(38kHz)抽出を行って得られる抽出液を使用し、ダイオネクス社製のイオンクロマトグラフ装置(商品名「ICS−2000」)を用いて測定することができる。
a10)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、酢酸メチルへの抽出量は、シート化しやすく耐ブロッキング性が良好なシートが得られ、さらに接着性も向上できるという観点から、5重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることがより好ましく、3.5重量%以下であることがさらに好ましく、2重量%以下であることが特に好ましい。酢酸メチルへの抽出量が多いことは、エチレン・α−オレフィン共重合体に低分子量成分が多く含まれており、分子量分布又は組成分布が広がっていることを示している。そのため、後述のメタロセン化合物を使用し、重合条件を調整することにより、酢酸メチルへの抽出量が少ないエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。例えば、重合器内での重合滞留時間を短くすることにより、重合活性が低下したメタロセン化合物を重合系外に出せば、低分子量成分の生成を抑制できる。
酢酸メチルへの抽出量は、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体を約10g程度精秤し、酢酸メチルやメチルエチルケトンなどの低沸点かつエチレン・α−オレフィン共重合体の貧溶媒となる有機溶媒を用いて、各溶媒沸点以上の温度でソックスレー抽出を行い、抽出前後のエチレン・α−オレフィン共重合体の重量差又は抽出溶媒を揮発させた残渣量より算出される。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、以下に示す種々のメタロセン化合物を触媒として用いて製造することができる。メタロセン化合物としては、例えば、特開2006−077261号公報、特開2008−231265号公報、特開2005−314680号公報などに記載のメタロセン化合物を用いることができる。ただし、これらの特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用してもよいし、二種以上のメタロセン化合物を組み合わせて使用してもよい。
メタロセン化合物を用いる重合反応としては、例えば、従来公知のメタロセン化合物(化合物(I))と、助触媒(化合物(II))とからなるオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィンなどから選ばれる一種以上のモノマーを供給する方法が挙げられる。
化合物(II)としては、有機アルミニウムオキシ化合物(化合物(II−1))、化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物(化合物II−2)、及び有機アルミニウム化合物(化合物(II−3))からなる群より選択される少なくとも一種の化合物とすることができる。
化合物(II)として、例えば、特開2006−077261号公報、特開2008−231265号公報、及び特開2005−314680号公報などに記載のメタロセン化合物を用いることもできる。ただし、これらの特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用してもよい。これら化合物は、個別に、あるいは予め接触させて重合雰囲気に投入してもよい。さらに、例えば特開2005−314680号公報などに記載の微粒子状無機酸化物担体に担持して用いてもよい。
なお、好ましくは、化合物(II−2)を実質的に使用せずに製造することで、電気特性の優れるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の重合は、従来公知の気相重合法、及びスラリー重合法、溶液重合法などの液相重合法のいずれでも行うことができる。好ましくは溶液重合法などの液相重合法により行われる。上記のようなメタロセン化合物を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行ってエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する場合、(I)のメタロセン化合物は、反応容積1リットル当り、通常10−9〜10−1モル、好ましくは10−8〜10−2モルになるような量で用いられる。
化合物(II−1)は、化合物(II−1)と、化合物(I)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(II−1)/M]が通常1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。化合物(II−2)は、化合物(I)中の全遷移金属(M)とのモル比[(II−2)/M]が、通常0.5〜50、好ましくは1〜20となるような量で用いられる。化合物(II−3)は、重合容積1リットル当り、通常0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
溶液重合法では、上述のようなメタロセン化合物の存在下に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行うことによって、コモノマー含量が高く、組成分布が狭く、分子量分布が狭いエチレン・α−オレフィン共重合体を効率よく製造できる。ここで、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとの仕込みモル比は、通常、エチレン:α−オレフィン=10:90〜99.9:0.1、好ましくはエチレン:α−オレフィン=30:70〜99.9:0.1、さらに好ましくはエチレン:α−オレフィン=50:50〜99.9:0.1である。
溶液重合法において使用できるα−オレフィンの例には、極性基含有オレフィンも包含される。極性基含有オレフィンとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、及びこれらのナトリウム塩などの金属塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和グリシジル類などを挙げることができる。また、芳香族ビニル化合物、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン類;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどを反応系に共存させて高温溶液重合を進めることも可能である。また、溶液重合法においては、炭素数が3〜20の環状オレフィン類、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、などを併用してもよい。
「溶液重合法」とは、後述の不活性炭化水素溶媒中にポリマーが溶解した状態で重合を行う方法の総称である。溶液重合法における重合温度は、実用的な生産性の観点から、通常0〜200℃、好ましくは20〜190℃、より好ましくは40〜180℃である。
重合圧力は、通常、常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜8MPaゲージ圧の条件下である。共重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。反応時間(共重合反応が連続法で実施される場合には、平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なり、適宜選択することができるが、通常1分間〜3時間、好ましくは10分間〜2.5時間である。さらに、重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるエチレン・α−オレフィン共重合体の分子量は、重合系中の水素濃度や重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する化合物(II)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量は、生成するエチレン・α−オレフィン共重合体1kgあたり0.001〜5,000NL程度が適当である。また、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体の分子末端に存在するビニル基及びビニリデン基は、重合温度を高くすること、水素添加量を極力少なくすることで調整できる。
溶液重合法において用いられる溶媒は、通常、不活性炭化水素溶媒であり、好ましくは常圧下における沸点が50℃〜200℃の飽和炭化水素である。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素が挙げられる。なお、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類や、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素も「不活性炭化水素溶媒」の範疇に入り、その使用を制限するものではない。
前記したように、溶液重合法においては、従来繁用されてきた芳香族炭化水素に溶解する有機アルミニウムオキシ化合物のみならず、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解するMMAOのような修飾メチルアルミノキサンを使用できる。この結果、溶液重合用の溶媒として脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素を採用すれば、重合系内や生成するエチレン・α−オレフィン共重合体中に芳香族炭化水素が混入する可能性をほぼ完全に排除することが可能となる。すなわち、溶液重合法は、環境負荷を軽減化でき、人体健康への影響を最小化できるという特徴も有する。なお、物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン・α−オレフィン共重合体、及び所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施されるのが好ましい。
太陽電池封止材Sは、前述のエチレン・α−オレフィン共重合体に加え、エチレン性不飽和シラン化合物などのシランカップリング剤、有機過酸化物などの架橋剤を含有することが、好ましい。シランカップリング剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部とすることができるが、エチレン性不飽和シラン化合物の含有量をエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜4重量部とすることがより好ましい。架橋剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜3重量部とすることができるが、有機過酸化物の含有量をエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.2〜3重量部にすることがより好ましい。
中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン化合物が0.1〜3重量部、有機過酸化物が0.2〜2.5重量部太陽電池封止材Sに含有されることがさらに好ましい。エチレン性不飽和シラン化合物が0.1重量部以上であると接着性が向上する。一方、エチレン性不飽和シラン化合物が5重量部以下であると、コストと性能とのバランスがよくなり、シート化したとき外観が良好なシートを得ることができる。また、使用時において封止層11の絶縁破壊電圧が低下するのを防ぐことができ、透湿性及び接着性の低下を防ぐこともできる。さらに外観の良好な封止層11を形成することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物は、従来公知のものが使用でき、特に制限はない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。好ましくは、接着性が良好なγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
有機過酸化物は、エチレン性不飽和シラン化合物と、エチレン・α−オレフィン共重合体とのグラフト変性の際のラジカル開始剤として、さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体の太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋反応の際のラジカル開始剤として用いられる。エチレン・α−オレフィン共重合体に、エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト変性することにより、受光面側保護部材14、裏面側保護部材15、太陽電池素子13、電極との接着性が良好な太陽電池モジュール10が得られる。さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体を架橋することにより、耐熱性、接着性に優れた太陽電池モジュール10を得ることができる。
好ましく用いられる有機過酸化物は、エチレン・α−オレフィン共重合体にエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト変性したり、エチレン・α−オレフィン共重合体を架橋したりすることが可能なものであればよいが、押出シート成形での生産性と太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度のバランスから、有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃である。有機過酸化物の1分間半減期温度が100℃以上であると、シート化した場合、外観の良好なシートを生産性よく得ることができる。また、耐湿性及び接着性を向上させることもできる。さらに使用時において封止層11の絶縁破壊電圧の低下を防ぐこともできる。有機過酸化物の1分間半減期温度が170℃以下であると、シート化して太陽電池モジュール10の生産性を向上させることができ、太陽電池封止材Sの耐熱性、接着性の低下を防ぐこともできる。
有機過酸化物としては公知のものが使用できる。1分間半減期温度が100〜170℃の範囲にある有機過酸化物の好ましい具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミル−パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、などが挙げられる。好ましくは、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられる。
太陽電池封止材Sには、紫外線吸収剤、光安定化剤、及び耐熱安定剤からなる群より選択される少なくとも一種の添加剤が含有されることが好ましい。これらの添加剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.005〜5重量部であることが好ましい。さらに、上記三種から選ばれる少なくとも二種の添加剤を含有することが好ましく、特に上記三種の全てが含有されていることが好ましい。上記添加剤の配合量が上記範囲にあると、高温高湿への耐性、ヒートサイクルの耐性、耐候安定性、及び耐熱安定性を向上する効果を十分に確保し、かつ、太陽電池封止材Sの透明性や、受光面側保護部材14、裏面側保護部材15、太陽電池素子13、電極、アルミニウムとの接着性の低下を防ぐことができるので好ましい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p−オクチルフェニルサルチレートなどのサリチル酸エステル系のものが用いられる。
光安定化剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などのヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系化合物などのものが好ましく使用される。
耐熱安定剤としては、具体的には、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、及びビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト系耐熱安定剤;3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物などのラクトン系耐熱安定剤;3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a"−(メチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダードフェノール系耐熱安定剤;硫黄系耐熱安定剤;アミン系耐熱安定剤などを挙げることができる。また、これらを一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、ホスファイト系耐熱安定剤、及びヒンダードフェノール系耐熱安定剤が好ましい。
太陽電池封止材Sには、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させることができる。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体以外の各種ポリオレフィン、スチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体などが挙げられる。これらは、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.0001〜50重量部、好ましくは0.001〜40重量部含有されていてもよい。また、ポリオレフィン以外の各種樹脂、及び/又は各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、及び分散剤などから選ばれる一種以上の添加剤を適宜含有することができる。
太陽電池封止材Sに架橋助剤を含有させる場合において、架橋助剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.05〜5重量部であると、適度な架橋構造を有することができ、耐熱性、機械物性、接着性を向上できるため好ましい。
架橋助剤としては、オレフィン系樹脂に対して一般に使用される従来公知のものが使用できる。このような架橋助剤は、分子内に二重結合を二個以上有する化合物である。具体的には、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレートなどのモノアクリレート;t−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートなどのモノメタクリレート;1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどのジアクリレート;1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのトリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート;ジビニルベンゼン、ジ−i−プロペニルベンゼンなどのジビニル芳香族化合物;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌレート;ジアリルフタレートなどのジアリル化合物;トリアリル化合物;p−キノンジオキシム、p−p'−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム;フェニルマレイミドなどのマレイミドが挙げられる。これらの架橋助剤の中でより好ましいのは、ジアクリレート、ジメタクリレート、ジビニル芳香族化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのトリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌレート、ジアリルフタレートなどのジアリル化合物;トリアリル化合物:p−キノンジオキシム、p−p'−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム:フェニルマレイミドなどのマレイミドである。さらにこれらの中で特に好ましいのは、トリアリルイソシアヌレートであり、封止層11の気泡発生や架橋特性のバランスが最も優れる。
太陽電池封止材Sは、キュラストメーターにて150℃、反転速度100cpmで測定した最大トルク値の90%に到達する時間(Tc90)が、8〜14分であることも好ましい態様の一つである。より好ましくは8〜13分、さらに好ましくは9〜12分である。Tc90を8分以上にすることで、シート化したとき外観の良好なシートを得ることができる。また、使用時において封止層11の絶縁破壊電圧の低下を防止することができる。さらに、耐湿性及び接着性を向上させることができる。Tc90を14分以下にすることで、架橋に要する時間が短くなり、太陽電池モジュール10の製造時間を短くすることができる。
太陽電池封止材Sは、マイクロレオロジーコンパウンダーにて120℃、30rpmの条件で混練を行い、最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜100分であることも好ましい態様の一つである。より好ましくは最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜90分、さらに好ましくは最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜80分である。最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10分以上にすることで、シート化した場合に外観が良好なシートを得ることができる。また、使用時において封止層11の絶縁破壊電圧の低下を防止することができる。さらに、耐湿性及び接着性を向上させることができる。最低トルク値から0.1Nm上がった時間を100分以下にすることで、架橋特性が向上し、耐熱性、及び、受光面側保護部材14(特に、ガラス板)に対する接着性を向上させることができる。
太陽電池封止材Sの製造方法としては通常用いられている方法が利用できるが、ニーダー、バンバリミキサー、押出機などにより溶融ブレンドすることにより製造することが好ましい。特に、連続生産が可能な押出機での製造が好ましい。
シート状の太陽電池封止材Sの厚みは、通常0.01〜2mm、好ましくは、0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1.2mm、さらに好ましくは0.2〜1mm、よりさらに好ましくは0.3〜0.9mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、受光面側保護部材14として用いられたガラス板、太陽電池素子13、薄膜電極などのラミネート工程における、破損が抑制でき、かつ、十分な光線透過率を確保することにより高い光発電量を得ることができる。さらには、低温での太陽電池モジュールのラミネート成形ができるので好ましい。
太陽電池封止材Sの成形方法には特に制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出シート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形など)を採用することが可能である。特に、押出機中でエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン性不飽和シラン化合物、有機過酸化物、紫外線吸収剤、光安定化剤、耐熱安定剤、及び必要に応じてその他添加剤を、例えば、ポリ袋などの袋の中で人力でのブレンドや、ヘンシェルミキサー、タンブラー、スーパーミキサーなどの攪拌混合機を用いてブレンドしたエチレン・α−オレフィン共重合体と各種添加剤を配合した組成物を、押出シート成形のホッパーに投入し、溶融混練を行いつつ押出シート成形を行うことが最も好ましい実施形態である。押出温度は、100〜130℃の範囲が好ましい。押出温度を100℃以上にすると、太陽電池封止材Sの生産性を向上させることができる。押出温度を130℃以下にすると外観が良好なシートを得ることができる。また、使用時において封止層11の絶縁破壊電圧の低下を防止することができる。さらに、耐湿性及び接着性を向上させることもできる。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが例えば10g/10分以下の場合は、溶融樹脂を加熱した金属ロール(カレンダーロール)で圧延することによって所望の厚さのシートやフィルムを作製するカレンダー成形機を使用し、エチレン・α−オレフィン共重合体と、シランカップリング剤、有機過酸化物、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、および必要に応じて用いられるその他添加剤と、の溶融混練を行いつつカレンダー成形を行い、シート状の太陽電池封止材Sを得ることもできる。
カレンダー成形機としては、公知の各種カレンダー成形機を用いることができ、ミキシングロール、三本カレンダーロール、四本カレンダーロールを用いることができる。四本カレンダーロールとしては、とくに、I型、S型、逆L型、Z型、斜Z型などを用いることができる。また、カレンダーロールに掛ける前に、エチレン系樹脂組成物を適度な温度まで熱しておくことも好ましく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などを設置することも好ましい実施形態の一つである。カレンダー成形の温度範囲は、ロール温度を、通常40〜100℃とすることが好ましい。
また、太陽電池封止材Sをシート化する場合、シート表面には、エンボス加工が施されてもよい。太陽電池封止材Sのシート表面をエンボス加工によって装飾することで、シート同士、又はシート状の太陽電池封止材Sと他の部材とのブロッキングを防止することができる。さらに、エンボスが太陽電池封止材Sの貯蔵弾性率を低下させるため、太陽電池封止材Sと太陽電池素子13とをラミネートする時に太陽電池素子13などに対するクッションとなって、太陽電池素子13の破損を防止することができる。
太陽電池封止材Sの単位面積当りの凹部の合計体積Vと、太陽電池封止材Sのシートの見掛けの体積Vとの百分比V/V×100で表される空隙率P(%)が、10〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがより好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。なお、シート状の太陽電池封止材Sの見掛けの体積Vは、単位面積に太陽電池封止材の最大厚みを乗じることにより得られる。空隙率Pが10%以上であると、十分なクッション性を得ることができ、太陽電池素子13の割れを防止することができる。また、太陽電池封止材Sの空隙率Pが10%以上であると、空気の通り道を十分に確保できるため、太陽電池モジュール10に空気が残留して外観が悪化したり、長期使用時には、残留した空気中の水分により電極の腐食が生じたりすることを抑制できる。また、太陽電池モジュール10の各部材の外部にはみ出して、ラミネーターを汚染することも抑制できる。一方、空隙率Pが80%以下にすることで、ラミネート加工の加圧時に空気を確実に脱気して、太陽電池モジュール10内に空気が残留するのを防止することができる。このため、太陽電池モジュール10の外観の悪化を防ぎ、残留した空気中の水分による電極の腐食の懸念もなくなり、十分な接着強度を得ることもできる。
空隙率Pは、次のような計算により求めることができる。エンボス加工が施された太陽電池封止材Sの、見掛けの体積V(mm)は、太陽電池封止材Sの最大厚みtmax(mm)と単位面積(例えば1m=1000×1000=10mm)との積によって、下記式(3)のようにして算出される。
(mm)=tmax(mm)×10(mm) (3)
一方、この単位面積の太陽電池封止材Sの実際の体積V(mm)は、太陽電池封止材Sを構成する樹脂の比重ρ(g/mm)と単位面積(1m)当りの太陽電池封止材Sの実際の重さW(g)と、を下記式(4)に当てはめることにより算出される。
(mm)=W/ρ (4)
太陽電池封止材Sの単位面積当りの凹部の合計体積V(mm)は、下記式(5)に示されるように、「太陽電池封止材の見掛けの体積V」から「実際の体積V」を差し引くことによって算出される。
(mm)=V−V=V−(W/ρ) (5)
したがって、空隙率(%)は次のようにして求めることができる。
空隙率P(%)=V/V×100
=(V−(W/ρ))/V×100
=1−W/(ρ・V)×100
=1−W/(ρ・tmax・10)×100
空隙率(%)は、上記の計算式によって求めることができるが、製造した太陽電池封止材Sの断面やエンボス加工が施された面を顕微鏡撮影し、画像処理などすることによって求めることもできる。
エンボス加工により形成される凹部の深さは、太陽電池封止材Sの最大厚みの20〜95%であることが好ましく、50〜95%であることがより好ましく、65〜95%であることがより好ましい。シートの最大厚みtmaxに対する凹部の深さDの百分比を、凹部の「深さ率」と称する場合がある。
エンボス加工の凹部の深さとは、エンボス加工によるシート状太陽電池封止材Sの凹凸面の凸部の最頂部と凹部の最深部との高低差Dを示す。また、太陽電池封止材の最大厚みtmaxとは、太陽電池封止材Sの一方の面にエンボス加工してある場合、一方の面の凸部の最頂部から他方の面までの(太陽電池封止材厚さ方向の)距離を示し、太陽電池封止材Sの両方の面にエンボス加工が施されている場合は、一方の面の凸部の最頂部から他方の面の凸部の最頂部までの(太陽電池封止材Sの厚さ方向の)距離を示す。
エンボス加工は、太陽電池封止材Sの片面に施されていても、両面に施されていてもよい。エンボス加工の凹部の深さを大きくする場合は、太陽電池封止材Sの片面にのみ形成するのが好ましい。エンボス加工が太陽電池封止材Sの片面にのみ施されている場合、太陽電池封止材の最大厚みtmaxは0.01mm〜2mmであり、好ましくは0.05〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.15〜1mmであり、さらに好ましくは0.2〜1mmであり、さらに好ましくは0.2〜0.9mmであり、さらに好ましくは0.3〜0.9mmであり、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。太陽電池封止材の最大厚みtmaxがこの範囲内であると、ラミネート工程における、受光面保護部材14として用いられるガラス、太陽電池素子13、薄膜電極などの破損を抑制でき、比較的低温でも太陽電池モジュールのラミネート成形ができるので好ましい。また、太陽電池封止材Sは、十分な光線透過率を確保でき、それを用いた太陽電池モジュールは高い光発電量を有する。
上記太陽電池封止材Sは、太陽電池モジュールサイズに合わせて裁断された枚葉形式、又は太陽電池モジュールを作製する直前にサイズに合わせて裁断可能なロール形式にて用いることができる。太陽電池封止材Sは、一層であってもよいし、二層以上であってもよい。構造を単純にしてコストを下げる観点、及び層間での界面反射を極力小さくし、光を有効に活用する観点などからは、一層であることが好ましい。
受光面側保護部材14は、特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を有することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。受光面側保護部材14の例には、ガラス板や樹脂フィルムなどが含まれる。
受光面側保護部材14としてガラス板を用いる場合、ガラス板は、波長350〜1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。かかるガラス板としては、赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングをしてもよい。
樹脂フィルムとしては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合などが挙げられる。樹脂フィルムは、好ましくは、透明性、強度、コストなどの点で優れたポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート樹脂や、耐侯性のよいフッ素樹脂などである。フッ素樹脂の例としては、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性及び機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。また、封止材層などの他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面保護部材に行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
裏面側保護部材15は透明である必要はなく、特に制限はないが、太陽電池モジュール10の最表層に位置するため、上述の受光面側保護部材14と同様に、耐候性、機械強度などの諸特性を求められる。したがって、受光面保護部材14と同様の材質で裏面側保護部材15を構成してもよい。すなわち、受光面側保護部材14として用いられる上述の各種材料を、裏面側保護部材15としても用いることができる。特に、ポリエステル樹脂、及びガラスを好ましく用いることができる。また、裏面側保護部材15は、太陽光の通過を前提としないため、受光面側保護部材14で求められる透明性は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュール10の機械的強度を増すために、あるいは温度変化による歪、反りを防止するために、補強板を張り付けてもよい。補強板は、例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板などを好ましく使用することができる。
太陽電池モジュール10に用いられる太陽電池素子13は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば、特に制限はない。図1には、太陽電池素子13として、結晶型太陽電池素子を用いた例を示すが、化合物半導体(III−III族、II−VI族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることもできる。結晶型太陽電池素子は、単結晶形、多結晶形、非結晶(アモルファス)形シリコンなどにより形成されるものであり、これらの中では、発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶形シリコンにより形成されたものがより好ましい。
結晶型太陽電池素子及び化合物半導体太陽電池素子はいずれも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃などにより破損し易いことで知られている。したがって、封止層11として柔軟性に優れるものを用いることで、太陽電池素子への応力、衝撃などを吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐことができる。太陽電池モジュール10においては、受光面側封止層11Aが、太陽電池素子13と直接的に接合されていることが望ましい。また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦、太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池素子13を取り出すことができるため、リサイクル性に優れている。封止層11をエチレン系樹脂組成物か形成することで、エチレン系樹脂が熱可塑性を有することにより、封止層11全体としても熱可塑性を有することになるため、リサイクル性の観点からも好ましい。
太陽電池素子には、通常、発生した電気を取り出すための集電電極が配置される。集電電極の例には、バスバー電極、フィンガー電極などが含まれる。一般に、集電電極は、太陽電池素子の表面と裏面の両面に配置した構造をとるが、受光面に集電電極を配置させる場合、できるだけ発電効率を低下させないように配置することが求められる。
図2は、太陽電池素子13の受光面と裏面の一構成例を模式的に示す平面図である。図2においては、太陽電池素子13の受光面22Aと裏面22Bの構成の一例が示されている。図2(A)に示されるように、太陽電池素子13の受光面22Aには、ライン状に多数形成された集電線32と、集電線32から電荷を収集するとともに、インターコネクタ16(図1)と接続されるタブ付用母線(バスバー)34Aと、が形成されている。また、図2(B)に示されるように、太陽電池素子22の裏面22Bには、全面に導電層(裏面電極)36が形成され、その上に導電層36から電荷を収集するとともに、インターコネクタ16(図1)と接続されるタブ付用母線(バスバー)34Bが形成されている。集電線32の線幅は、例えば0.1mm程度であり;タブ付用母線34Aの線幅は、例えば2〜3mm程度であり;タブ付用母線34Bの線幅は、例えば5〜7mm程度である。集電線32、タブ付用母線34A及びタブ付用母線34Bの厚みは、例えば20〜50μm程度である。
集電線32、タブ付用母線34A、及びタブ付用母線34Bは、導電性が高い金属を含むことが好ましい。このような導電性の高い金属の例には、金、銀、銅などが含まれるが、導電性や耐腐食性が高い点などから、銀や銀化合物、銀を含有する合金などが好ましい。導電層36は、導電性の高い金属だけでなく、受光面で受けた光を反射させて太陽電池素子の光電変換効率を向上させるという観点などから、光反射性の高い成分、例えばアルミニウムを含むことが好ましい。集電線32、タブ付用母線34A、タブ付用母線34B、及び導電層36は、太陽電池素子22の受光面22A又は裏面22Bに、前記導電性の高い金属を含む導電材塗料を、例えばスクリーン印刷により50μmの塗膜厚さに塗布した後、乾燥し、必要に応じて例えば600〜700℃で焼き付けすることにより形成される。
つづいて、太陽電池モジュール10の製造方法について説明する。太陽電池モジュール10の製造方法は、(i)受光面側保護部材14と、第一太陽電池封止材S1と、太陽電池素子13と、第二太陽電池封止材S2と、裏面側保護部材15とをこの順に積層して積層体を形成する工程と、(ii)得られた積層体を加圧及び加熱して一体化する工程と、を含む。
工程(i)において、太陽電池封止材Sがエンボス加工されている場合は、凹凸形状(エンボス形状)が形成された面を太陽電池素子13側になるように配置することが好ましい。
工程(ii)において、工程(i)で得られた積層体を、常法に従って真空ラミネーター、又は熱プレスを用いて、加熱及び加圧して一体化(封止)する。封止において、太陽電池封止材Sは、クッション性が高いため、太陽電池素子の損傷を防止することができる。また、脱気性が良好であるため空気の巻き込みもなく、高品質の製品を歩留り良く製造することができる。
太陽電池モジュール10を製造するときに、太陽電池封止材Sを構成するエチレン・α−オレフィン系樹脂組成物を架橋硬化させる。この架橋工程は、工程(ii)と同時に行ってもよいし、工程(ii)の後に行ってもよい。
架橋工程を工程(ii)の後に行う場合、工程(ii)において温度125〜160℃、真空圧1333Pa(10Torr)以下の条件で3〜6分間真空・加熱し;次いで、大気圧による加圧を1〜15分間程度行い、上記積層体を一体化する。工程(ii)の後に行う架橋工程は、一般的な方法により行うことができ、例えば、トンネル式の連続式架橋炉を用いてもよいし、棚段式のバッチ式架橋炉を用いてもよい。また、架橋条件は、通常、130〜155℃で20〜60分程度である。
一方、架橋工程を工程(ii)と同時に行う場合、工程(ii)における加熱温度を145〜170℃とし、大気圧による加圧時間を6〜30分とすること以外は、架橋工程を工程(ii)の後に行う場合と同様にして行うことができる。本発明の太陽電池封止材は特定の有機過酸化物を含有することで優れた架橋特性を有しており、工程(ii)において二段階の接着工程を経る必要はなく、高温度で短時間に完結することができ、工程(ii)の後に行う架橋工程を省略してもよく、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
いずれにしても、太陽電池モジュール10の製造では、架橋剤が実質的に分解せず、かつ、太陽電池封止材Sが溶融するような温度で、太陽電池素子13や受光面側保護部材14及び裏面側保護部材15に太陽電池封止材Sを仮接着し、次いで昇温して十分な接着と架橋とを行って、封止層11を形成させる。諸条件を満足できるような添加剤処方を選べばよく、例えば、上記架橋剤及び上記架橋助剤などの種類及び含浸量を選択すればよい。
上記架橋条件で太陽電池封止材Sをラミネート加工し封止層11を形成させることで、封止層11中のゲル分率を50〜95%、好ましくは50〜90%、さらに好ましくは60〜90%、最も好ましくは65〜90%の範囲にすることが好ましい。ゲル分率を50%以上にすることで、耐熱性が十分な封止層11を形成させることができ、85℃×85%RHでの恒温恒湿試験、ブラックパネル温度83℃での高強度キセノン照射試験、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験、耐熱試験での接着性を向上させることができる。ゲル分率を95%以下にすることで、太陽電池封止材Sの柔軟性が向上し、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験での温度追従性が向上して、剥離などの発生を防止することができる。なお、封止層11中のゲル分率は、例えば、製造した太陽電池モジュール10から封止層11を1g採取し、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量より算出することができる。
また、工程(i)の前に、あらかじめ、裏面側保護部材15と第二太陽電池封止材S2とを一体化しておいてもよい。こうすることにより、裏面側保護部材15及び第二太陽電池封止材S2をモジュールサイズに裁断する工程を短縮できる。また、裏面側保護部材15と第二太陽電池封止材S2とを一体化したシートでレイアップする工程にすることで、工程(i)を短縮することもできる。第二太陽電池封止材S2と裏面側保護部材15とを一体化させる場合における、第二太陽電池封止材S2と裏面側保護部材15の積層方法は、特に制限されない。積層方法には、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機などの公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法や;予め成形された一方の層上に、他方の層を溶融あるいは加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。
太陽電池モジュール10において封止層11は、太陽電池封止材Sのみから形成されていてもよいが、太陽電池封止材S以外の部材(以下、「他の部材」)を有していてもよい。他の部材としては例えば、表面又は裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層などを挙げることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層、環状オレフィン(共)重合体からなる層、無機化合物からなる層などを挙げることができる。
他の部材の配置には特に制限はなく、本発明の目的との関係で好ましい位置に適宜配置される。すなわち、他の部材は、複数の第一太陽電池封止材S1の間に配置して、受光面側封止層11Aの内部に配置させてもよいし、複数の第二太陽電池封止材S2の間に配置して、裏面側封止層11Bの内部に配置させてもよい。また、受光面側封止層11A又は裏面側封止層11Bの最外層に配置させてもよいし、それ以外の箇所に設けられてもよい。また、受光面側封止層11A又は裏面側封止層11Bの一方にのみ他の部材が設けられてもよいし、受光面側封止層11A又は裏面側封止層11Bの両方に他の部材が設けられてもよい。他の部材の数に特に制限はなく、任意の数を設けることができるし、封止層11は他の部材を備えていなくともよい。
その他の部材を設ける場合は、工程(i)の前にあらかじめ、シート状の太陽電池封止材に他の部材を積層させておけばよく、その積層方法については特に制限はないが、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機などの公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいは予め成形された一方の層上に他方の層を溶融又は加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。
また、適当な接着剤(例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製の商品名「アドマー(登録商標)」、三菱化学社製の商品名「モディック(登録商標)」など)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸三元共重合体(住化シーディエフ化学社製の商品名「ボンダイン(登録商標)」など)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、又はこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法、あるいはヒートラミネート法などにより積層してもよい。接着剤としては、120〜150℃程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。また、両層の接着性を改良するために、例えば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理などを用いてもよい。
このようにして製造された太陽電池モジュール10は、封止層11が、受光面側保護部材14、裏面側保護部材15、薄膜電極、アルミニウム、太陽電池素子13などの各種モジュール部材との接着性、耐熱性のバランスに優れ、さらに、透明性、柔軟性、外観、耐候性、体積固有抵抗、電気絶縁性、透湿性、電極腐食性、プロセス安定性のバランスに優れている。
このようにして製造された太陽電池モジュール10は、直列数台から数十台につないで太陽電池システムを構成することで、50V〜500V住宅用の小規模のものから、600〜1000Vでのメガソーラーと呼ばれる大規模のものにも用いることができる。例えば、家屋の屋根に設置する、キャンプなどのアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用するなど、屋外、屋内を問わず使用することができる。本発明の太陽電池モジュール10は、生産性、発電効率、寿命などに優れているため、こうした太陽電池システムによる発電設備は、コスト、発電効率、寿命などに優れ、実用上高い価値を有し、特に長期間の使用に好適である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)測定方法
[エチレン単位及びα−オレフィン単位の含有割合]
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させて得られた溶液をグラスフィルター(G2)濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。日本電子製のJNM GX−400型NMR測定装置を使用し、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は8000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルより、共重合体中のエチレン単位の含有割合、及びα−オレフィン単位の含有割合を定量した。
[MFR]
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件にてエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRを測定した。
[密度]
ASTM D1505に準拠して、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度を測定した。
[ショアA硬度]
エチレン・α−オレフィン共重合体を190℃、加熱4分、10MPaで加圧した後、10MPaで常温まで5分間加圧冷却して3mm厚のシートを得た。得られたシートを用いて、ASTM D2240に準拠してエチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度を測定した。
[アルミニウム元素の含有量]
エチレン・α−オレフィン共重合体を湿式分解した後、純水にて定容し、ICP発光分析装置(島津製作所社製、ICPS−8100)により、アルミニウムを定量し、アルミニウム元素の含有量を求めた。
[B値]
上述の13C−NMRスペクトルより、下記式(1)に従ってエチレン・α−オレフィン共重合体の「B値」を算出した。
B値=[POE]/(2×[PO]×[PE]) ・・・(1)
(式(1)中、[PE]はエチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるエチレンに由来する構成単位の割合(モル分率)を示し、[PO]はエチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の割合(モル分率)を示し、[POE]は全dyad連鎖に含まれるα−オレフィン・エチレン連鎖の割合(モル分率)を示す)
[Tαβ/Tαα]
前述の文献の記載を参考にし、上述の13C−NMRスペクトルよりエチレン・α−オレフィン共重合体の「Tαβ/Tαα」を算出した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
Waters社製のゲル浸透クロマトグラフ(商品名「Alliance GPC−2000型」)を使用し、以下のようにしてエチレン・α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnを算出した。分離カラムには、商品名「TSKgel GMH6−HT」を2本、及び商品名「TSKgel GMH6−HTL」を2本使用した。カラムサイズは、いずれも内径7.5mm、長さ300mmとし、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業社製)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品社製)0.025重量%を用いた。移動相を1.0ml/分の速度で移動させ、試料濃度は15mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000及びMw>4×10については東ソー社製のものを用いた。また、分子量が1000≦Mw≦4×10についてはプレッシャーケミカル社製のものを用いた。
[塩素イオン含有割合]
オートクレーブなどを用いて滅菌洗浄されたガラス容器にエチレン・α−オレフィン共重合体を約10g精秤し、超純水を100ml加えて密閉した後、常温で30分間超音波(38kHz)抽出を行って抽出液を得た。得られた抽出液を、ダイオネクス社製のイオンクロマトグラフ装置(商品名「ICS−2000」)を用いて分析することにより、エチレン・α−オレフィン共重合体中の塩素イオンの含有割合を測定した。
[酢酸メチル抽出量]
エチレン・α−オレフィン共重合体を約10g程度精秤し、酢酸メチルを用いて、酢酸メチルの沸点以上の温度でソックスレー抽出を行った。抽出前後のエチレン・α−オレフィン共重合体の重量差又は抽出溶媒を揮発させた残渣量から、エチレン・α−オレフィン共重合体の酢酸メチル抽出量を算出した。
[体積固有抵抗]
得られたシートを10cm×10cmのサイズに裁断した後、150℃、250Pa、3分、150℃、100kPa、15分でラミネート装置(NPC社製、LM−110X160S)を用いてラミネートして測定用の架橋シートを作製した。作製した架橋シートの体積固有抵抗(Ω・cm)を、JIS K6911に準拠し、印加電圧500Vで測定した。なお、測定時、高温測定チャンバー「12708」(アドバンスト社製)を用いて温度100±2℃とし、微小電流計「R8340A」(アドバンスト社製)を使用した。
[シートブロッキング性]
シートサンプルのエンボス面を上側にして二枚重ね、ガラス/シートサンプル/シートサンプル/ガラスの構成で、エンボス面を上側にし、その上に400gの重りを乗せた。40℃のオーブンで24時間放置した後、取り出して室温まで冷却し、シートの剥離強度を測定した。測定には、インストロン社製の引張試験機(商品名「Instron1123」)を使用し、シート間の180度ピールにて、スパン間30mm、引張速度10mm/分、23℃の条件で行った。3回の測定値の平均値を採用し、以下の基準に従ってシートブロッキング性を評価した。
良好(○):剥離強度が50gf/cm未満
ややブロッキングあり(△):剥離強度が50〜100gf/cm
ブロッキングあり(×):剥離強度が100gf/cm超
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体の合成
(合成例1)
撹拌羽根を備えた内容積50Lの連続重合器の一つの供給口に、共触媒としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液を8.0mmol/hr、主触媒としてビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのヘキサンスラリーを0.025mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.5mmol/hrの割合で供給し、触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給した。同時に重合器の別の供給口に、エチレンを3kg/hr、1−ブテンを15kg/hr、水素を5NL/hrの割合で連続供給し、重合温度90℃、全圧3MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で連続溶液重合を行った。重合器で生成したエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、重合器の底部に設けられた排出口を介して連続的に排出させ、エチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液が150〜190℃となるように、ジャケット部が3〜25kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導いた。なお、連結パイプに至る直前には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設されており、約0.75L/hrの速度でメタノールを注入してエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液に合流させた。スチームジャケット付き連結パイプ内で約190℃に保温されたエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、約4.3MPaGを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた圧力制御バルブの開度の調整によって連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が約0.1MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。その後、ダイス温度を180℃に設定した単軸押出機を通し、水槽にてストランドを冷却し、ペレットカッターにてストランドを切断し、ペレットとしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は2.2kg/hrであった。物性を表1に示す。
(合成例2)
主触媒としての[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドのヘキサン溶液を0.012mmol/hr、共触媒としてのトリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.05mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.4mmol/hrの割合でそれぞれ供給するとともに、1−ブテンを5kg/hr、水素を100NL/hrの割合で供給した以外は、前述の合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は1.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
(合成例3)
主触媒としてビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液を0.003mmol/hr、共触媒としてのメチルアルミノキサンのトルエン溶液を3.0mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.6mmol/hrの割合でそれぞれ供給したこと;エチレンを4.3kg/hrの割合で供給したこと;1−ブテンの代わりに1−オクテンを6.4kg/hrの割合で供給したこと;1−オクテンと触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給したこと;水素を60NL/hrの割合で供給したこと;及び重合温度を130℃にしたこと以外は、合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は4.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
Figure 2013150730
(3)太陽電池封止材(シート)の製造
(製造例1)
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン化合物としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部、有機過酸化物として1分間半減期温度が166℃のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートを1.0重量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを1.2重量部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノンを0.4重量部、ラジカル捕捉剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.2重量部、及び耐熱安定剤1としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.05重量部、耐熱安定剤2としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部を配合した。
サーモ・プラスチック社製の単軸押出機(スクリュー径20mmφ、L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状:270×0.8mm)を装着し、ダイス温度100℃の条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで、第1冷却ロールにエンボスロールを用いて成形を行い、厚み500μmのエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
(製造例2〜3)
表2に示す配合としたこと以外は、前述の製造例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材)を得た。得られたシートの空隙率はいずれも28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
Figure 2013150730
(実施例1)
製造例1記載の太陽電池封止材を用いて、単結晶セルを用い18セル直列接続した小モジュールを作製した。ガラスには、24×21cmにカットした旭硝子ファブリテック製の白板フロートガラス3.2mm厚みのエンボス付き熱処理ガラスを用いた。結晶系セル(Shinsung製の単結晶セル)は受光面側のバスバー銀電極を中央にして5×3cmにカットしたものを用いた。このセルを銅箔に共晶ハンダを表面コートされた銅リボン電極を用いて18セル直列接続した。バックシートとして、シリカ蒸着PETを含むPET系バックシートを用い、バックシートの一部にセルからの取り出し部位にカッタ−ナイフで約2cm切り込みを入れ18セル直列接続したセルのプラス端子とマイナス端子を取り出し、真空ラミネーター(NPC製:LM−110x160−S)を用いて熱盤温度150℃、真空時間3分、加圧時間15分にてラミネートした。その後、ガラスからはみ出した封止材、バックシートをカットし、ガラスエッジには端面封止材を付与して、アルミフレームを取り付けた後、バックシートから取り出した端子部分の切れ込み部位はRTVシリコーンを付与して硬化させた。
(実施例2)
製造例3記載の太陽電池封止材を用いた以外は実施例1と同様にして小モジュールを作製した。
(実施例3)
製造例2記載の太陽電池封止材を用いた以外は実施例1と同様にして小モジュールを作製した。
(比較例1)
1.変性ポリビニルアセタール樹脂の合成
エチレン含有量15モル%、けん化度98モル%、平均重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA−117)100gを蒸留水に溶解し、濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。この水溶液を40℃にした状態でアンカー型攪拌翼を用いて攪拌しながら35重量%塩酸を32g添加後、ブチルアルデヒド60gを滴下した。水溶液中にポリビニルアセタール樹脂が析出したことを確認した後、さらに35重量%塩酸を64g添加しながら50℃まで昇温して4時間攪拌して反応を完結させ、変性ポリビニルアセタール樹脂の分散液を得た。得られた分散液を冷却し、30重量%水酸化ナトリウム水溶液により分散液のpHを7.5まで中和し、ろ過後、対ポリマー20倍量の蒸留水で水洗/乾燥して平均重合度1700、アセタール化度65モル%の変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
2.太陽電池封止材及び太陽電池モジュールの作製
変性ポリビニルアセタール樹脂100質量部、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサネート30質量部を100℃で5分間、30rpmの条件で、ラボプラストミル(東洋精機社製)で混練し、変性ポリビニルアセタール樹脂組成物を得た。得られた組成物を真空ラミネーターを用いて、厚み0.5mmの25×25センチの開口部をもつSUS製の金属枠を用いて枠の内部のシートをセットし熱盤温度100℃で真空時間3分加圧時間10分にて平坦なシートを作製した。このシート体積固有抵抗は100℃では測定限界よりも低い抵抗値であり、1×10Ωcm以下の体積抵抗であった。また、このシートを用いて、実施例1と同様にラミネーターの熱盤温度のみ125℃に設定し、小モジュールを作製した。
[体積抵抗]
実施例1〜3、比較例1の小モジュールの直列接続された18の結晶系セルのうち、1の結晶系セルを含む試験片を、ウォータージェットカッターを用いて約10cm×10cmのサイズに切り出した後、ガラス/受光面側封止層/セル/裏面側封止層/バックシートの構成を有する試験片を得た。この試験片のセル間を接続しているインターコネクタの銅リボン部分から電極接続用の受光面側リードを端部から取り出した。具体的には、ガラスエッジ部にある銅リボン上部のバックシート、封止材、必要に応じてセルを一部削り、同様のハンダコートされた銅リボンを半田付けし、取り出しリードとした。この試験片を85℃の恒温槽内に載置し、抵抗測定器の一方の電極をセルに接続し、もう片方をガラスに電極サイズに合わせた導電性ゴムを介して接触することにより、受光面側封止層の体積抵抗を測定した。この際、プラス側の大きい電極側に試験片のガラス側がくるように接続し、セル側からの取りしリードをマイナス側の端子に接続した。なお、電圧印加した後、1000秒後の値をセル面積で規格化した値を算出した。結果を表3に示す。恒温槽は、ADCMT社製レジスティビティ・チェンバ12708を用い、体積抵抗測定装置には、ADCMT社製デジタル聴講抵抗/微小電流計8340Aを用いて測定した。
[PID評価]
実施例1〜3、比較例1の小モジュールのプラス端子とマイナス端子を短絡し、電源の高圧側ケーブルを接続した。また電源の低圧側のケーブルはアルミフレームに接続し、アルミフレームは接地した。このモジュールを85℃、85%rhの恒温恒湿槽内にセットし、温度上昇を待った後、−600Vを印加したまま保持した。高圧電源には、松定プレシジョン製HARb−3R10−LFを用い、恒温恒湿槽にはエタック製FS−214C2を用いた。24時間及び240時間電圧を印加後、このモジュールをAM(エアマス)1.5クラスAの光強度分布を有するキセノン光源を用いIV特性を評価した。IV評価には日清紡メカトロニクス製のPVS−116i−Sを用いた。試験後のIV特性の最大出力電力Pmaxが初期値と比べて変化した割合(%)を表3に示す。
Figure 2013150730
実施例1〜3のモジュールは高圧試験後のPmaxの変化量は1%以下の低下にとどまり、良好な結果であったのに対し、比較例1のモジュールでは、24時間電圧を印加した後のPmaxの低下量は6%であり、特性劣化が起こった。
この出願は、2012年4月6日に出願された日本特許出願特願2012−087735を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

  1. 受光面側保護部材と、
    裏面側保護部材と、
    太陽電池素子と、
    前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に前記太陽電池素子を封止する封止層と、
    を備え、
    前記受光面側保護部材と、前記太陽電池素子との間の85℃における1cmあたりの体積抵抗が1×1013〜1×1017Ω・cmである、太陽電池モジュール。
  2. 前記封止層は、
    前記受光面側保護部材と前記太陽電池素子との間に設けられた受光面側封止層と、
    前記裏面側保護部材と前記太陽電池素子との間に設けられた裏面側封止層と、
    を有し、
    前記受光面側封止層の85℃における1cmあたりの体積抵抗が1×1013〜1×1017Ω・cmである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 少なくとも前記受光面側封止層の厚みが1cm以下である、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される、前記受光面側封止層の体積固有抵抗が1.0×1013〜1×1018Ω・cmである、請求項2又は3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記受光面側封止層が、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物を架橋させて形成させたものである、請求項2乃至4いずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  6. JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される、前記封止層全体の体積固有抵抗が1.0×1013〜1×1018Ω・cmである、請求項1乃至5いずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記封止層全体が、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物を架橋させて形成させたものである、請求項1乃至6いずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体が、下記a1)〜a4)の少なくとも一つを満たすものである、請求項5又は7に記載の太陽電池モジュール。
    a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であるとともに、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
    a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが0.1〜50g/10分である。
    a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cmである。
    a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。
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