JPWO2013140806A1 - 断熱箱体および冷蔵庫 - Google Patents

断熱箱体および冷蔵庫

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卓人 柴山
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Abstract

本発明に係る断熱箱体(102A)は、外面材(105)、内面材(106)、および発泡ポリウレタン樹脂を備えている。発泡ポリウレタン樹脂は、内面材(106)および外面材(105)の間に形成される閉空間(120)内に充填されている。発泡ポリウレタン樹脂の原料組成物を閉空間(120)内に充填する方向を充填方向としたときに、発泡ポリウレタン樹脂の充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比は0.6以上1.5以下である。

Description

本発明は、外面材と内面材とで形成された空間に発泡ポリウレタン樹脂の原料を注入して、発泡充填してなる断熱箱体、およびこの断熱箱体を用いた冷蔵冷蔵庫に関する。特に、製造条件管理を簡便にすることにより、断熱性能および品質の向上を可能にする断熱箱体、およびこの断熱箱体を用いた冷蔵庫に関する。
従来から、冷蔵庫の断熱材としては、発泡させたポリウレタンが使用されている。ポリウレタンを発泡硬化させるためには、一般に、硬化反応を促進するために、キュア炉と称する加熱炉が必要である。
冷蔵庫を構成する断熱箱体は、通常、内部に閉空間を形成するように、外面材(外箱材)および内面材(内箱材)を組み合わせて構成され、この閉空間の内部に発泡ポリウレタン樹脂が充填されている。発泡ポリウレタン樹脂の充填に際しては、断熱箱体は発泡治具に収容されることにより、外面材および内面材の間に閉空間が保持される。次に、保持された閉空間に対して、ポリウレタンとなる原料組成物(ポリイソシアネート、ポリオール、触媒および発泡剤等からなる組成物)が注入される。その後、キュア炉により発泡治具とともに断熱箱体が加熱されることにより、ポリイソシアネートおよびポリオールの縮合反応(硬化反応)と発泡とがほぼ同時に行われる。
ただし、キュア炉は、断熱箱体を発泡治具とともに加熱する必要があることなどから大規模な設備となる。そこで、キュア炉のような大規模設備を用いないでポリウレタンの硬化発泡を行う技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、図8に模式的に示すように、発泡治具201の表面に、複数の温調パネル204を取り付けることによって、キュア炉を用いずに発泡治具201を加熱する発泡装置が開示されている。
発泡治具201は、内部に、冷蔵庫を構成する断熱箱体を収容しており、発泡治具台板202の上に載置されている。発泡治具201には複数の注入口203が設けられている。また、発泡治具201の表面には複数の温調パネル204が取り付けられており、それぞれの温調パネル204には、温水パイプ205が接続されており、複数の温調パネル204同士は、必要に応じて温水パイプ205により連結されている。温水パイプ205には、温度調節器を備えた温水供給装置(図示せず)から温度調節された温水が供給される。
注入口203から原料組成物を注入してから、温調パネル204を流通させる温水の温度を調節することで、温調パネル204からの熱によって発泡治具201の温度を制御することができる。それゆえ、特許文献1によれば、原料組成物の注入量を低減できるだけでなく、脱型時間を短縮することができるとされる。また、特許文献1によれば、キュア炉によらなくても品質の安定した発泡が可能となるため、キュア炉のような大規模設備を不要となるとされる。
特開2004−150770号公報
ところで、断熱箱体の形状維持には、主として、外面材の強度と、当該外面材に近接する発泡ポリウレタン樹脂の外被部分(スキン層)の強度とが寄与する。スキン層の発泡ポリウレタン樹脂は樹脂密度が高いため、厚み方向の内部よりも高い強度を有している。したがって、充填した原料組成物の発泡硬化に伴って、発泡ポリウレタン樹脂のスキン層が、内部圧力よりも高い強度を実現できれば、発泡治具から断熱箱体を脱型できることになる。
もし、内部圧力がスキン層の強度を超えるような状態で脱型すると、断熱箱体は膨れ変形してしまう。それゆえ、断熱箱体の変形を防ぐためには、一般的には、スキン層が十分な強度を発揮できるまで長時間待機(脱型時間を長めに設定)したり、外面材の強度を高くしたりする対処が行われる。
ところが、これらの対処では、発泡治具の加熱時間が長くなるため、余分なエネルギーが必要となる。脱型時間が長くなれば加熱時間も長くなるため、加熱のためのエネルギーが増大する。また、例えば外面材の厚みを大きくすることで強度を高くすれば、外面材の熱容量も増大するので、発泡治具に加える熱量も増加してしまう。しかも、発泡治具の加熱温度を良好に制御できない場合、発泡ポリウレタン樹脂が良好に発泡硬化できないため、原料組成物の使用量も増加する。
ここで、特許文献1に開示の技術によれば、キュア炉を用いる必要がないので、この点で省エネルギー化を図ることができるが、さらに、温調パネルにより発泡治具の加熱温度を良好に制御することができるので、より省エネルギー化を図れるだけでなく、原料組成物の使用量も適正化することが可能である。加えて、発泡ポリウレタン樹脂の内部圧力の適正化も図ることも可能となるため、脱型時間の長時間化も回避することができる。しかしながら、この技術は、結果的には発泡ポリウレタン樹脂の強度が十分となるような脱型時間を設定しているため、脱型時間をさらに短縮化できる余地がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、良好な品質を実現しつつ脱型時間のさらなる短縮化が可能な、信頼性の高い断熱箱体と、これを用いた冷蔵庫とを提供することを目的とする。
本発明に係る断熱箱体は、前記の課題を解決するために、内面材および外面材と、前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を充填し、発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、を備え、前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向としたときに、前記発泡ポリウレタン樹脂の前記充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比が0.6以上1.5以下である構成である。
また、本発明に係る断熱箱体は、前記の課題を解決するために、内面材および外面材と、前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、前記外面材に設けられる注入口から、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を注入して充填し、当該原料組成物を発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、を備え、前記発泡ポリウレタン樹脂が、複数個のセルから構成され、前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向とし、前記セルの長手方向が前記充填方向を基準に厚み方向に向かって成す角度をセル角度としたときに、前記発泡ポリウレタン樹脂においては、前記注入口から見て前記充填方向の末端部分のセルが、前記注入口近傍の前記セルよりも前記セル角度が大きくなっており、かつ、前記末端部分のセルのセル角度は、80°未満である構成であってもよい。
さらに、本発明には、前記断熱箱体を備えている冷蔵庫も含まれる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明では、以上の構成により、良好な品質を実現しつつ脱型時間のさらなる短縮化が可能な、信頼性の高い断熱箱体と、これを用いた冷蔵庫とを提供することができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る断熱箱体およびこれを用いた冷凍冷蔵庫の構成例を示す模式的断面図である。 図1に示す冷凍冷蔵庫の内部の構成例を示す正面図である。 図1および図2に示す冷凍冷蔵庫を構成する断熱箱体に発泡ポリウレタン樹脂を充填するための充填装置の構成例を示す模式図である。 図3に示す充填装置を用いて断熱箱体に発泡ポリウレタン樹脂を充填する工程の一例を示す模式図である。 本発明における断熱箱体と、未充填箇所が発生した断熱箱体と、高密度充填状態の断熱箱体とのそれぞれについて、発泡ポリウレタン樹脂の充填時の状態を対比する模式的な対比図である。 本発明において、断熱箱体内の発泡ポリウレタン樹脂を構成するセルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る断熱箱体におけるセル角度の違いを説明する模式的断面図である。 本発明の実施の形態3に係る断熱箱体の第一の構成例を示す模式的斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る断熱箱体の第二の構成例を示す模式的斜視図である。 冷蔵庫分野で用いられる、従来のポリウレタンの発泡装置の構成の一例を示す模式図である。
本発明に係る断熱箱体は、内面材および外面材と、前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を充填し、発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、を備え、前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向としたときに、前記発泡ポリウレタン樹脂の前記充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比が0.6以上1.5以下である構成である。
前記構成によれば、断熱箱体中の発泡ポリウレタン樹脂は、その厚み方向における圧縮強度が向上する。それゆえ、脱型時の内部圧力により断熱箱体が変形する可能性をより一層低減することができる。その結果、断熱箱体の良好な品質を維持しつつ、脱型時間の短縮化を図ることができるので、信頼性の高い断熱箱体を効率的に製造することができる。
前記構成の断熱箱体においては、前記発泡ポリウレタン樹脂は、複数個のセルから構成され、前記セルにおける前記充填方向に対する前記厚み方向のアスペクト比が、0.8以上1.0以下である構成であってもよい。
通常のセルの形状は、充填方向に長い形状となっているが、前記構成によれば、セルの形状が円形に近い形状となるため、厚み方向の圧縮強度を増加させることができる。それゆえ、厚み方向の圧縮強度がより向上し、脱型時の内部圧力により断熱箱体が変形する可能性をさらに一層低減することができるので、脱型時間のさらなる短縮化が可能となる。
また、本発明に係る断熱箱体は、内面材および外面材と、前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、前記外面材に設けられる注入口から、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を注入して充填し、当該原料組成物を発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、を備え、前記発泡ポリウレタン樹脂は、複数個のセルから構成され、前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向とし、前記セルの長手方向が前記充填方向を基準に厚み方向に向かって成す角度をセル角度としたときに、前記発泡ポリウレタン樹脂においては、前記注入口から見て前記充填方向の末端部分のセルが、前記注入口近傍の前記セルよりも前記セル角度が大きくなっており、かつ、前記末端部分のセルのセル角度は、80°未満である構成であってもよい。
また、前記構成の断熱箱体においては、前記発泡剤としては、大気圧での沸点が零度より高い主発泡剤と、大気圧での沸点が零度以下の副発泡剤と、が併用される構成であってもよい。
前記構成によれば、断熱箱体の閉空間に原料組成物を注入した直後から副発泡剤が気化してポリウレタン樹脂の発泡が迅速に開始される。それゆえ、原料組成物の注入速度が上昇するので、断熱箱体の製造効率を向上することが可能となる。また、ポリウレタン樹脂の発泡速度も上昇するので、発泡ポリウレタン樹脂の未充填箇所が発生するおそれを有効に抑制することができる。
また、前記構成の断熱箱体においては、前記副発泡剤が二酸化炭素である構成であってもよい。
前記構成によれば、二酸化炭素は大気圧での沸点が−79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質であるため、これを発泡剤として用いることで、環境に与える影響を有効に軽減することができる。しかも、発泡速度が上昇するため、セルが充填方向に伸びにくくなり、円形に近い形状のセルを形成しやすくすることができる。
また、本発明に係る冷蔵庫は、前述した構成の断熱箱体を備えていればよい。これにより、優れた品質の冷蔵庫を効率的に製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[冷蔵庫の構成例]
まず、本実施の形態に係る断熱箱体およびこれを用いた冷蔵庫の代表的な一例について、図1および図2を参照して具体的に説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る冷凍冷蔵庫101は、断熱箱体102A、扉103、冷却部104等を備えている。冷凍冷蔵庫101は、後述するように、冷蔵室112に加えて冷凍室113を有する冷蔵庫である。
断熱箱体102Aは、例えば鋼材(鉄鋼板、ステンレス鋼板等)からなる外面材105と、各種樹脂材(ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)からなる内面材106とから構成されている。外面材105と内面材106との間には閉空間が形成され、この閉空間内に断熱材としての発泡ポリウレタン樹脂107(あるいはポリウレタンフォーム)が充填されている。
断熱箱体102Aは、冷凍冷蔵庫101の本体であり、図1および図2に示すように、底面124を下方に天面123を上方にした状態で床面に載置され、これら底面124、天面123、左右の両側面125、および背面126(並びに後述する段差面127)は、内部に発泡ポリウレタン樹脂107が充填される壁部となっているが、前面は、図2に示すように、重力方向に対して垂直をなす開口部となっている。なお、説明の便宜上、天面123、底面124、左右の両側面125、および背面126となる壁部を、それぞれ天面壁部、底面壁部、側面壁部、および背面壁部と称する場合がある。
また、断熱箱体102Aの内部は、複数の収納室111となっており、図1および図2に示す例では、仕切壁部128により冷蔵室112および冷凍室113に区分されている。冷蔵室112は、単独の収納室であってもよいが、例えば、通常の物品を冷蔵する収納室とは別に、例えば野菜を収納する野菜室が設けられてもよい。また、冷凍室113も単独の収納室であってもよいが、通常の物品を冷凍する収納室とは別に、例えば製氷室が設けられてもよい。
断熱箱体102Aの前面の開口部は、図1に示すように、扉103により閉止可能となっている。扉103は、断熱箱体102Aに対して開閉可能に設けられ、閉止状態では、収納室111を密閉状態とすることができる。扉103の開閉方式は、回転運動型であってもよいし前後運動型であってもよい。例えば、扉103の内面に、物品を収納可能とする棚を設ける場合には、回転運動型を適用することができる。
図2に示すように、収納室111の内壁面には案内レール115が固定されている。また、扉103には枠体が設けられており、この枠体が案内レール115に連結されている。扉103を開閉するときには、枠体は、案内レール115に沿って前後運動する。枠体を円滑に前後運動させるためには、案内レール115に枠体を挟み込むように、回転体を設けてもよい。
また、図2に示すように、収納室111の内部には、枠体に支持されるように樹脂製の収納ケース116が設けられている。なお、収納効率を向上する目的で、収納ケース116の上部に、より小さなケース(図示せず)を配置する構成を採用してもよい。また、収納室111の内部には、収納状態にある収納ケース116よりも奥側に突出する突起部122が設けられている。この突起部122は、内面材106を内部側に突出加工することによって形成することができる。
収納室111の上部奥側には図示しない冷気吹出口が設けられ、下部奥側には冷気吸込口114が設けられている。冷気吹出口から収納室111内に吹き出された冷気の大部分は、収納ケース116内に流れ込む。そして、収納ケース116の前面に設けられた図示しない通風孔から収納ケース116外に排出される。排出された冷気は、扉103と収納ケース116との隙間を流れる。この冷気のうち、突起部122を越えて左右および下に流れる冷気は格段に少なく、大部分が収納ケース116の外面(側面または底面)と収納室111の壁面との隙間を流れて、冷気吸込口114に吸い込まれる。
また、扉103と断熱箱体102Aの開口部との間には、図示しないシール部材が設けられている。このシール部材は、扉103と開口部とが当接する部分の隙間をシールする。これにより、突起部122を越えた冷気が収納室111の外部に流出することが防止される。なお、シール部材としては、軟質かつ断熱性に優れたガスケットまたはパッキン等が好適に用いられる。
断熱箱体102Aは、本実施の形態では、実質的に直方体状(四角柱状)となっているが、下部の後側(背面126側)が切り欠かれたように凹んでいる。具体的には、断熱箱体102Aは前面が開口部で、天面123および左右の側面125は平坦面となっているが、背面126の下部と底面124の後部が、それぞれ内部に向かって折れ曲がるように凹んでいる。背面126から前側に折れ曲がった面は、下方に向いた段差面127となっており、この段差面127の前側は、傾斜面を介して底面124につながっている。
断熱箱体102Aの下部の後ろ側(凹んだ位置)には、冷却部104(あるいは冷却手段)が設けられる。冷却部104は、収納室111内を冷却するものであり、圧縮機、凝縮器、蒸発器等を配管接続した冷却サイクルとして構成されている。冷却部104は空気を冷却して冷気を生成し、この冷気を収納室111の上方の冷気吹出口から供給し、収納室111の下方に設けられる冷気吸込口114を模式的に図示している。
断熱箱体102A内に充填される発泡ポリウレタン樹脂107は、後述するように、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤等を含有する原料組成物を、注入口121aから内部に注入して充填し、発泡硬化させることにより形成される。本実施の形態では、注入口121aは、断熱箱体102Aの段差面127の中央部に設けられている。
なお、本実施の形態では、注入口121aは段差面127に1箇所のみ設けられているが、本発明はこれに限定されず、2箇所以上設けられてもよい。また、断熱箱体102Aの断熱性能をさらに一層向上させるために、断熱材として、発泡ポリウレタン樹脂107に加えて真空断熱材を併用してもよい。例えば、断熱箱体102Aの閉空間に真空断熱材を設置してから発泡ポリウレタン樹脂107を充填することで、発泡ポリウレタン樹脂107中に真空断熱材を埋設すればよい。
[発泡ポリウレタン樹脂の充填(製造)装置]
次に、前記構成の断熱箱体102Aの閉空間に発泡ポリウレタン樹脂107を充填する充填装置の代表的な一例について、図3を参照して具体的に説明する。発泡ポリウレタン樹脂107の原料組成物は、前記の通り、ポリイソシアネート成分、発泡剤等を含有している。この原料組成物は、例えば、図3に示すような発泡ポリウレタン樹脂の充填装置(発泡ポリウレタン樹脂の製造装置)を用いて、断熱箱体102A内に充填され、発泡硬化することにより発泡ポリウレタン樹脂107が製造される。
図3に示す充填装置は、第一貯留部131、第二貯留部132、混合部133、副発泡剤貯留部134、および副発泡剤混合部135等を備えており、これらが、第一供給ライン136aまたは第二供給ライン136bを介して接続されている。
第一貯留部131は、ポリイソシアネート成分(ポリイソシアネートを主成分とする組成物)を混合部133に供給可能に貯留しており、第二貯留部132は、ポリオール成分(ポリオールを主成分とする組成物)に主発泡剤を混合したものを混合部133に供給可能に貯留している。第一貯留部131および第二貯留部132の具体的な構成は特に限定されず、いずれも、発泡ポリウレタンフォームの製造分野で公知の貯留容器(例えば、貯留タンク等)を好適に用いることができる。
第一貯留部131は、第一供給ライン136aを介して混合部133に接続され、第二貯留部132は、第二供給ライン136bを介して混合部133に接続されている。また、第二貯留部132と混合部133との間には、副発泡剤混合部135を介して副発泡剤貯留部134が接続されている。副発泡剤貯留部134は、副発泡剤を副発泡剤混合部135に供給可能に貯留している。副発泡剤としては、後述するように、例えば二酸化炭素を用いているので、副発泡剤貯留部134としては、二酸化炭素を液状で貯留する公知のボンベ等を用いることができる。
混合部133は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分、並びに前述した発泡剤(主発泡剤および副発泡剤)を混合して吐出するものであり、吐出される混合物(原料組成物)は、発泡しながら硬化することによって発泡ポリウレタン樹脂107となる。混合部133の具体的な構成は特に限定されず、例えば公知のミキシングヘッドを好適に用いることができる。また、副発泡剤混合部135は、主発泡剤が混合されたポリオール成分に、副発泡剤を液状で添加して混合するものであり、例えば公知のスタティックミキサー等が好適に用いられる。
第一供給ライン136aは、ポリイソシアネート成分を混合部133へ供給可能とする配管であり、第二供給ライン136bは、発泡剤を混合したポリオール成分を混合部133へ供給可能とする配管である。これら配管の具体的な構成は特に限定されず、発泡ポリウレタン樹脂の製造分野で公知のパイプ、ホース等により構成されていればよい。また、必要に応じて、開閉弁、流量測定器、分岐弁等を備えていてもよい。
なお、図3に示す充填装置(製造装置)は代表的な一例であって、本発明における発泡ポリウレタン樹脂107の充填装置は前記構成に限定されず、公知の各種構成を好適に用いることができる。
[発泡ポリウレタン樹脂の原料組成物]
次に、発泡ポリウレタン樹脂107の原料組成物の代表的な一例について具体的に説明する。前述したように、原料組成物は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、および発泡剤を含有しており、これら各成分は、個別に貯留されるか、または、一部が混合された状態で貯留されている。そして、これら各成分は、充填時に混合部133により混合されて原料組成物として断熱箱体102A内に注入される。
第一貯留部131に貯留されるポリイソシアネート成分は、前記の通り、ポリイソシアネートを含有する組成物である。ポリイソシアネートとしては、目的とする発泡ポリウレタン樹脂107に要求される物性等に応じて公知の化合物を挙げることができる。典型的には、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂肪環族系、または脂肪族系のポリイソシアネート、もしくはこれらを変性した変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
より具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、アントラセンジイソシアネート、ジメチルジフェニルジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;これらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体;等を挙げることができる。これら化合物中における置換基の位置は特に限定されない。またこれら化合物および変性体は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。つまり、第一貯留部131に貯留されるポリイソシアネート成分は、1種類のみのポリイソシアネートから成ってもよいし、複数種類のポリイソシアネートの混合物であってもよい。
第二貯留部132に貯留されるポリオール成分は、前記の通り、ポリオールを含有する組成物である。ポリオールとしては、目的とする発泡ポリウレタン樹脂107に要求される物性等に応じて公知の化合物を挙げることができるが、典型的には、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水酸基含有ジエン系ポリマー等が挙げられる。
より具体的には、例えば、ポリエーテル系ポリオールとしては、多価アルコール、糖類、アルカノールアミン、ポリアミン、多価フェノールその他のイニシエーターに環状エーテルまたはアルキレンオキシドを付加して得られる化合物等が挙げられる。前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用いることができ、前記糖類としては、シュークロース、デキストロース、ソルビトール等を用いることができ、前記アルカノールアミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を用いることができ、前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ポリメチレンポリフェニルアミン等を用いることができ、前記多価フェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フェノール樹脂系初期縮合物等を用いることができる。また、ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオール、環状エステル開環重合体系のポリオール、芳香族系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。これら化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。つまり、第二貯留部132に貯留されるポリオール成分は、1種類のみのポリオールから成ってもよいし、複数種類のポリオールの混合物であってもよい。
第一貯留部131に貯留されるポリイソシアネート成分、または、第二貯留部132に貯留されるポリオール成分には、前記ポリイソシアネートまたはポリオール以外の成分、例えば、水、触媒および各種添加剤(発泡剤を除く)を含んでいてもよい。ここでいう添加剤とは、整泡剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤等を挙げることができる。
触媒は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との樹脂化反応(縮合重合反応)を促進させる成分であれば、公知の化合物を好適に用いることができる。具体的には、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のアミン触媒;オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等の金属化合物系触媒;トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のイソシアヌレート化触媒;等を挙げることができる。これら触媒は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態では、触媒は、ポリオール成分に予め含有されていればよい。すなわち、本実施の形態では、第二貯留部132に貯留されるポリオール成分は、1種以上のポリオールに加えて、主発泡剤および触媒が混合された組成物となっている。なお、触媒の混合手法は、これに限定されず、ポリイソシアネート成分に混合されてもよいし、公知の他の手法で、ポリオール成分またはポリイソシアネート成分に対して随時混合されてもよい。
本実施の形態では、発泡剤は、前述したように、主発泡剤と副発泡剤との2種類が用いられる。このうち、主発泡剤は、第二貯留部132内で、ポリオール成分に混合されて貯留され、副発泡剤は、第二貯留部132とは別に副発泡剤貯留部134に貯留され、後からポリオール成分に混合される。
なお、各種の条件によっては、主発泡剤もポリオール成分とは別に貯留されて適宜混合されてもよいし、主発泡剤がポリイソシアネート成分に混合された状態で第一貯留部131に貯留されてもよいし、主発泡剤だけでなく副発泡剤も予めポリオール成分に混合されて第二貯留部132に貯留されてもよいし、副発泡剤はポリイソシアネート成分に混合されて第一貯留部131に貯留されてもよい。
主発泡剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の化学反応により生じる反応熱で気化可能な物質であり、具体的には、略大気圧での沸点が零度より高い物質であればよい。具体的には、例えば、炭素数6以下の低級炭化水素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、各種代替フロン等を挙げることができる。中でも、n−ペンタン、i−ペンタン(2−メチルブタン)、c−ペンタン(シクロペンタン)等のペンタン類は、環境への負荷が相対的に小さいため、好ましく用いることができる。これらペンタン類の中でも、特にシクロペンタンがより好ましく用いられる。シクロペンタンは、沸点が約49℃であることから、常温(例えば約25℃)以下で貯留されるポリオール成分に混合しても気化しないため発泡しない。しかしながら、混合部133から吐出された後にポリオール成分とポリイソシアネート成分と反応すれば、その反応熱によって沸点まで容易に温度上昇できるので、シクロペンタンは容易に発泡することができる。
副発泡剤は、主発泡剤よりも低い沸点を有し、常温で気体である物質であればよく、具体的には、略大気圧での沸点が零度以下の物質であればよい。副発泡剤として特に好ましい一例としては、二酸化炭素(炭酸ガス、CO2 )が挙げられる。もちろん副発泡剤は二酸化炭素に限定されず、前記の条件を満たす公知の他の気体であってもよい。なお、二酸化炭素は、略大気圧での沸点が−79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、発泡剤として耐環境性にも優れている。本発明では、二酸化炭素を副発泡剤として用いることで、後述するように、発泡力および充填性の高い発泡ポリウレタン樹脂107を得ることができる。
[断熱箱体への発泡ポリウレタン樹脂の充填]
次に、断熱箱体102A内に発泡ポリウレタン樹脂107を充填する方法について、図3、図4および図5を参照して具体的に説明する。
まず、図3に示す充填装置では、第二貯留部132から、主発泡剤(例えばシクロペンタン)が混合されたポリオール成分が供給され、このポリオール成分に対して、副発泡剤貯留部134から副発泡剤(例えば二酸化炭素)を液状で添加され、副発泡剤混合部135により混合される。
なお、主発泡剤とポリオール成分との相溶性が低く分離し易い場合には、副発泡剤混合部135の上流側に同様の混合手段を用いて、主発泡剤とポリオール成分とを混合しても構わない。また、副発泡剤である二酸化炭素は、超臨界状態または亜臨界状態でポリオール成分に混合しても構わない。
次に、主発泡剤および副発泡剤が混合されたポリオール成分と、第一貯留部131から供給されるポリイソシアネート成分とを、混合部133で混合する。このとき、副発泡剤が二酸化炭素であれば、その添加量は、ポリオール成分およびポリイソシアネート成分の重量の和に対し、0.05重量%以上2.0重量%以下であればよく、0.5重量%前後(例えば0.3から0.7重量%の範囲内)であれば好ましい。
断熱箱体102Aは、図示しない発泡治具により、外面材105および内面材106が組み合わせられた状態で保持される。このとき、図4に示すように、断熱箱体102Aの内部には閉空間120が形成されている。そして、図4に示すように、注入口121aから閉空間120内に原料組成物108が注入される。なお、図4では説明の便宜上、発泡治具および充填装置の記載を省略している。
また、図4では、原料組成物108を閉空間120内に注入する方向、すなわち、(注入口121aから注入された原料組成物108が発泡硬化することにより、発泡ポリウレタン樹脂107が充填されていく方向を「充填方向」(あるいは流れ方向)とし、実線の矢印D1で示す。また、充填方向に直交する方向(充填方向に対して直角を成す方向)が、発泡ポリウレタン樹脂107の「厚み方向」となり、図4では点線の矢印D2で示す。さらに、図4では、重力方向(鉛直方向)をブロック矢印Dgで示す。
原料組成物108は、注入口121aから閉空間120の奥側に向かって充填方向D1に向かって流入し、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の硬化反応(樹脂化反応)と、主発泡剤および副発泡剤の2種類の発泡剤による発泡現象とが並行して行われる。これによりポリウレタン樹脂には内部圧力が発生するので、充填方向D1および厚み方向D2に発泡硬化しながら膨張するので、閉空間120内に充填される。
なお、この「内部圧力」とは、発泡ポリウレタン樹脂107の内部において発泡剤が発泡することで外部に向かって生じる圧力のことである。発泡および硬化の途中にある発泡ポリウレタン樹脂107(説明の便宜上、「充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107」と称する)は流動性を有しているが、前記の内部圧力が発生することで流動しながら膨張する。その結果、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107は、閉空間120内全体に充填されることになる。一般的には、原料組成物の体積を基準とすれば、発泡ポリウレタン樹脂107は例えば約30倍程度に膨張するため、これにより内部圧力が発生する。
また、充填方向D1および厚み方向D2は、図4に示すように相対的な関係にあり、断熱箱体102Aにおいて常に特定の方向を指すわけではない。例えば、図4に示すように、断熱箱体102Aが長手方向を水平とする位置で発泡治具により固定支持されていれば、断熱箱体102Aの天面壁部および底面壁部(並びに図示しない側面壁部)は、重力方向Dgに沿って立設する。一方、背面壁部は、重力方向Dgに対して直角を成すように水平に位置する。それゆえ、天面壁部および底面壁部では、図中点線で囲んだ円で示すように、充填方向D1が重力方向Dgとなり、厚み方向D2は重力方向Dgに直交する方向すなわち水平方向となる。一方、背面壁部では、充填方向D1が水平方向となり、厚み方向D2が重力方向Dgとなる。
その後、原料組成物108の発泡硬化が進行すれば、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107は、閉空間120全体に行き渡る。このように全体に発泡ポリウレタン樹脂107が充填されても、発泡治具が加熱されることにより発泡ポリウレタン樹脂107では発泡硬化が継続される。それゆえ、厚み方向D2の内部から外部(外面材105および内面材106)に向かって膨張および硬化が進行し、結果として、外面材105および内面材106に近接する外被部分(スキン層)の密度が上昇する。それゆえ、スキン層の強度(または剛性)も向上するので、最終的にスキン層の強度が内部圧力よりも高くなれば、発泡治具から断熱箱体102Aを脱型する。
ここで、断熱箱体102Aの脱型時間(発泡ポリウレタン樹脂107の原料組成物を注入してから、当該原料組成物が発泡硬化し、発泡治具から断熱箱体102Aを脱型するまでに要する時間)は、発泡ポリウレタン樹脂107の強度と、発泡ポリウレタン樹脂107の内部圧力とのバランスに左右される。この点について、図5を参照して具体的に説明する。
なお、図5では、説明の便宜上、断熱箱体102Aをできるだけ簡略化した形状に模式的に図示している。また、図5では、断熱箱体102Aを固定支持する発泡治具140も同様に模式的に図示している。それゆえ、図5に示す断熱箱体102Aは実際に製造される断熱箱体の形状を具体的に図示しているわけではなく、同様に、図5に示す発泡治具140も、実際に使用される発泡治具の形状を具体的に図示しているわけではない。また、説明の便宜上、図5に示す模式的な断熱箱体102Aは、内面材106に模式的な突起部122が設けられている(突起部122については図2参照)。
原料組成物108の発泡は発泡ポリウレタン樹脂107の温度と密接に関係しており、発泡ポリウレタン樹脂107の温度は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の化学反応と発泡治具140の温度(以下、治具温度と称する)とに影響を受ける。なお、化学反応には、ポリオール成分のアミノ基とポリイソシアネート成分のイソシアネート基とがウレア結合(尿素結合)を形成する反応、並びに、ポリオール成分の水酸基とポリイソシアネート成分のイソシアネート基とがウレタン結合を形成する反応とが含まれる。
治具温度が低ければ、図5の2段目の「未充填発生」において矢印Hで示すように、化学反応により生じた熱(反応熱)が発泡治具140に奪われる。これにより、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107の温度が低下し、発泡ポリウレタン樹脂107の発泡倍率も低下する。そのため、注入口121aから見た末端部分に発泡ポリウレタン樹脂107の未充填箇所130が発生する。
また、内面材106に設けられる突起部122は、充填方向D1に対して直交する方向すなわち厚み方向D2(D1およびD2は図5には図示せず)に向かって突出している。そのため、突起部122に対しては、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107の流動抵抗が突起部122近傍で高くなり、未充填箇所130が発生しやすくなる。未充填箇所130の発生は、断熱箱体102Aの断熱性能を低下させる。しかも、未充填箇所130では内部(閉空間120)が空洞になっているため、当該箇所に変形が生じやすくなり、また、外観不良も発生しやすくなる。
さらに、各成分の種類または含有量等によっては硬化反応が相対的に速い原料組成物108も存在する。このような原料組成物108は、断熱箱体102Aの最終的な充填箇所である末端部分でも、迅速に硬化反応が進むので、当該末端部分では、充填途中にある発泡ポリウレタン樹脂107の流動性が他の部分よりも大幅に低下する。その結果、特に末端部分では未充填箇所130が生じやすくなる。したがって、断熱箱体102Aの製造に際しては、末端部分または突起部122等の細部構造のいずれにおいても、発泡ポリウレタン樹脂107が充填されていることが重要になる。
そこで、未充填箇所130を発生させない手法として、原料組成物108の注入量(発泡ポリウレタン樹脂107の充填量)をあらかじめ多く設定する手法が知られている。例えば、断熱箱体102Aの閉空間120の体積に対して、発泡ポリウレタン樹脂107の体積が1.2倍程度となるように原料組成物108の注入量が設定される。これにより、発泡ポリウレタン樹脂107の密度が高くなるため未充填を防止または抑制することが可能となる。
しかしながら、原料組成物108の使用量(発泡ポリウレタン樹脂107の充填量)が多くなるため、製造コストの増加を招く。しかも、図5の3段目の「高密度充填」に示すように、脱型後の変形が生じやすくなるため、断熱箱体102Aの品質低下を招くおそれもある。
具体的には、発泡ポリウレタン樹脂107が高密度になると、治具温度が高温になった場合、発泡ポリウレタン樹脂107が過充填状態になりやすい。この状態では、発泡ポリウレタン樹脂107の内部は一層膨張しようとするため、図中矢印Pで示す内部圧力が上昇する。治具温度が適切な場合であっても、未充填を回避するために原料組成物108の使用量を多くすれば、過充填状態が生じやすくなる。その結果、脱型時には、発泡ポリウレタン樹脂107の強度(特にスキン層の強度)が内部圧力に対して十分でない状態となりやすく、その結果、断熱箱体102Aに膨れ変形が生じてしまうおそれがある。
このような変形を防ぐためには、脱型時間を予め長めに設定することになる。脱型時間を長くするということは、発泡ポリウレタン樹脂107の硬化が内部まで十分に進行し、かつ、発泡ポリウレタン樹脂107の温度が低下して内部圧力が低下するまで待機することを意味する。その結果、断熱箱体102Aの生産効率は低下することになる。また、脱型時間が長くなると発泡治具140の温度調節の時間も長くなるため、発泡治具140に加える熱量も増加する。それゆえ、発泡ポリウレタン樹脂107を高密度化する手法は、省エネルギーまたは省資源といった環境に優れた対応に逆行することになる。
これに対して、本発明では、発泡ポリウレタン樹脂107の充填方向D1に対する厚み方向D2の圧縮強度比が0.6以上1.5以下となるように、発泡ポリウレタン樹脂107を充填する。特に、本実施の形態では、前記の通り、主発泡剤に加えて副発泡剤を併用することで、発泡率をより一層上昇させることができるとともに、圧縮強度比を前記の範囲内に設定することができる。
これにより、発泡ポリウレタン樹脂107の厚み方向の圧縮強度が向上するため、脱型時に発泡ポリウレタン樹脂107の内部圧力が残存していても、厚み方向に膨らむような変形の発生を有効に抑制することができる。つまり、内部圧力が残存している状態でも脱型が可能であることから、脱型時間を短縮化することができる。その結果、断熱箱体102Aの生産効率の改善を図ることができるとともに、発泡治具140を温度制御しながら長時間加熱する必要もないので、省エネルギー化を図ることもできる。
しかも、主発泡剤および副発泡剤を併用して圧縮強度比を前記の範囲内に設定するように原料組成物108を注入すれば、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107の流動性を向上させることも可能となる。それゆえ、内面材106に設けられた突起部122において流動抵抗が高くなっても、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107が突起部122内に充填される。そのため、高密度充填を行わなくても、図5の1段目に示すように、未充填箇所130の発生を抑制して良好な品質の断熱箱体102Aを製造することができる。
また、発泡剤として、主発泡剤に副発泡剤を併用することで、発泡剤の絶対量を増加させて発泡ポリウレタン樹脂107の密度を低下させることができるとともに、発泡ポリウレタン樹脂107中には、セル(独立気泡)が従来よりも迅速かつ均一に形成されやすくなる。特に副発泡剤が二酸化炭素であれば、セルをより迅速かつ均一に形成することが可能となるので、発泡効率も向上する。その結果、得られる発泡ポリウレタン樹脂107の密度を低下させることができるので、原料組成物108の使用量を低下させ、省資源化を図ることも可能になる。
ここで、本実施の形態における発泡ポリウレタン樹脂の圧縮強度は、JIS K7220に準じて測定している。ただし、JIS K7220では試験片の厚みは50mmに規定されているが、一般的な冷蔵庫の断熱箱体では、試験片の厚みを50mmとすることが困難であるため、本実施の形態では、厚み20mmの条件で圧縮強度を測定している。また、試験片の底面積は、JIS K7220では2500mm2 以上であるが、本実施の形態では、1500mm2 以上としている。さらに、圧縮強度の測定個数は、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、これら試験片それぞれについて圧縮強度を測定して平均値を算出している。
なお、圧縮強度比が0.6未満であると、発泡ポリウレタン樹脂107の厚み方向の強度(または剛性)が十分向上しないおそれがある。一方、圧縮強度比が1.5を超えると、発泡ポリウレタン樹脂107の充填方向の強度(または剛性)が低下するおそれがある。それゆえ、断熱箱体102Aとして良好な強度(または剛性)を実現させるためにも、圧縮強度比は、0.6〜1.5の範囲内であることが好ましい。また、圧縮強度比が0.7〜0.8の範囲内であれば、熱伝導率の大幅な変化を回避できるため、より好ましい。
[発泡ポリウレタン樹脂のセル]
さらに、本実施の形態では、発泡ポリウレタン樹脂107を構成するセル(独立気泡)の形状が円形(または球形)に近づくことがより好ましい。この点について、図6を参照して具体的に説明する。図6には、発泡ポリウレタン樹脂107を発泡方向(すなわち充填方向)に切断して、その断面を顕微鏡により拡大した写真図面と、この写真図面中の1つのセル110を模式的に拡大した模式図とが含まれる。
図6に示すように、セル110は、発泡ポリウレタン樹脂107の内部にある独立気泡である。発泡方向(充填方向D1)を縦方向とし、発泡方向に垂直な方向(厚み方向D2)を横方向としたときに、本実施の形態では、セル110の縦径d1に対する横径d2の比、すなわちアスペクト比が0.8以上1.0以下となっている。
なお、縦径d1は充填方向D1の最大長さを意味し、横径D2は厚み方向D2の最大長さを意味している。また、本実施の形態では、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、各試験片当たり合計50個のセルについて、それぞれ光学顕微鏡または電子顕微鏡で拡大して縦径d1および横径d2を測定し、これら平均値を算出した上で、縦径d1の平均値に対する横径d2の平均値の比をアスペクト比として算出している。試験片は、セルがつぶれないように鋭利な刃物を用いて、発泡ポリウレタン樹脂を充填方向に切除して採取している。
本実施の形態では、圧縮強度比が0.6〜1.5の範囲内であり、かつ、アスペクト比が0.8〜1.0の範囲内であれば、セル110の形状が充填方向D1に伸びることを抑制できるため、セル110が円形に近づくことになる。通常、セル110の形状は、充填方向D1に長くなるので、充填方向D1の圧縮強度に優れるが厚み方向D2の圧縮強度には劣っていた。これに対して、セル110が円形に近づけば、厚み方向D2の圧縮強度が増加するとともに、充填方向D1についても良好な圧縮強度を実現できるため、内部圧力による断熱箱体102Aの変形を有効に抑制することができ、脱型時間をさらに短縮することが可能となる。
また、脱型時間の短縮化によって、発泡治具140を温度制御しながら長時間加熱する必要もないので、省エネルギー化を図ることもできる。しかも、高密度充填を行わなくても、未充填箇所130の発生を有効に抑制し、かつ、脱型後の膨れ変形等の発生も有効に抑制できる。さらに、セル110が円形に近づくほど発泡効率がよいことになるので、発泡ポリウレタン樹脂107の充填量の増加を抑え、かつ、良好な強度も実現することができる。それゆえ、生産時の省エネルギー化と良好な品質の実現とを両立することができる。
なお、セル110のアスペクト比が0.8未満であれば、従来のセル110と同様に充填方向D1に長い形状となる。一方、アスペクト比が1.0を超えると、セル110が厚み方向D2に長い形状となる。厚み方向D2は伝熱方向となるので、セル110が伝熱方向に長いと熱が伝わりやすくなり、発泡ポリウレタン樹脂107の断熱性能に影響を及ぼすおそれがある。また、アスペクト比は0.8〜1.0の範囲内であればよいが、0.8〜0.9の範囲内であれば、熱伝導率の大幅な変化を回避できるため、より好ましい。
ここで、セル110のアスペクト比を前記の範囲内に設定する方法は特に限定されないが、前述したように、本実施の形態では、主発泡剤と副発泡剤とを併用して発泡ポリウレタン樹脂107を充填することにより実現している。特に、副発泡剤が二酸化炭素であれば、原料組成物108を閉空間120内に注入した直後から副発泡剤が気化して迅速に発泡が開始される。それゆえ、発泡ポリウレタン樹脂107の充填速度が向上し、セル110の形状が円形(球形)に近い状態となるため、アスペクト比を0.8〜1.0の範囲内に設定することが可能となる。
なお、主発泡剤および副発泡剤を併用して発泡ポリウレタン樹脂107を充填する方法に関して、その詳細な条件等は特に限定されず、断熱箱体102Aの具体的な構成、冷凍冷蔵庫101の用途、要求される断熱性能等に応じて適宜設定することができる。
このように、本実施の形態では、発泡ポリウレタン樹脂107の充填方向D1に対する厚み方向D2の圧縮強度比が0.6以上1.5以下であり、好ましくは、発泡ポリウレタン樹脂107中に形成されるセル110において、その充填方向D1に対する厚み方向D2のアスペクト比が、0.8以上1.0以下であれば、断熱箱体102Aの製造に際して、脱型時間を短縮化できるとともに省エネルギー化および省資源化等も図ることができる。それゆえ、当該断熱箱体102Aを用いることにより、優れた品質の冷凍冷蔵庫101を効率的に製造することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1に係る断熱箱体102Aは、発泡ポリウレタン樹脂107の充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比を0.6〜1.5の範囲内に設定する構成であり、好ましくは、さらに、発泡ポリウレタン樹脂107を構成するセル110の充填方向に対する厚み方向のアスペクト比を0.8〜1.0の範囲内に設定する構成であったが、本実施の形態2では、充填方向を基準としたセル110の角度を所定条件に設定することによって、前記実施の形態1と同様に、厚み方向の圧縮強度を向上することができる。この点について、図7を参照して具体的に説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係る断熱箱体102Bは、基本的に前記実施の形態1に係る断熱箱体102Aと同様であるが、発泡ポリウレタン樹脂107中のセル110の「セル角度」が異なっている。
セル角度は、セル110の長手方向が充填方向D1を基準に厚み方向D2に向かって成す角度として定義される。セル110の長手方向が充填方向D1であるときには、セル角度は0°であり、セル110の長手方向が厚み方向D2であるときには、セル角度を90°である。本実施の形態に係る断熱箱体102Bにおいては、発泡ポリウレタン樹脂107のうち、注入口121aから見て充填方向の末端部分のセル110が、注入口121a近傍のセル110よりも、セル角度が大きくなっており、かつ、末端部分のセル110のセル角度は、80°未満となっている。
図7に示す断熱箱体102Bにおいては、前記実施の形態1に係る断熱箱体102Aと同様に、段差面127の中央部に注入口121aが設けられている。それゆえ、注入口121a近傍のセル110とは、図7において楕円R1で囲んでいる、背面壁部の長手方向の中央部分に位置するセル110を指すことになる。なお、この注入口121a近傍のセル110のセル角度をθ1とする。また、図7では、背面壁部を説明する便宜上、断熱箱体102Bの背面壁部のみを図の下方に投影して図示した上で、注入口121a近傍のセル110となる領域を楕円R1で囲んでいる。この背面壁部の中央部分は、断熱箱体102Bの高さ方向(図7のブロック矢印Dh)に沿った中心部分に相当する。
一方、充填方向の末端部分のセル110とは、背面壁部の中央部分から外れた部分のセル110、具体的には、例えば、天面壁部、底面壁部、側面壁部等に位置するセル110を指す。特に、図7において楕円R2−1で囲んでいる側面壁部における前後方向の手前1/3のセル110、あるいは、一点鎖線の楕円R2−2で囲んでいる側面壁部における奥側の1/3のセル110が挙げられる。なお、末端部分のセル110のセル角度をθ2とすれば、本実施の形態では、セル角度は、θ2>θ1かつθ2<80°の条件を満たすことになる。
本実施の形態では、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、各試験片当たり合計50個のセルについて、それぞれ光学顕微鏡または電子顕微鏡で拡大して得られたセルの構造を画像解析し、複数のセル角度を取得している。比較に際しては、複数のセル角度の平均値を算出して用いるか、複数のセル角度について分布を取り、最も数が多い角度を比較用のセル角度として用いる。また、画像処理方法は特に限定されないが、後述する実施例および比較例では、株式会社平泉洋行製の画像処理ソフトウエア:PORE!SCAN(商品名)を使用している。
試験片の採取箇所は、内面材または外面材の部分構造、もしくは閉空間内に設けられている配線等によって充填時の流動が阻害されていない箇所を選択している。例えば、平面が続いている箇所から採取することが好ましい。流動が阻害されている箇所のセルは角度が乱れているため試験片として採用できない。また、セルがつぶれないように鋭利な刃物を用いて、発泡ポリウレタン樹脂の厚み方向の中心部分を切除して採取している。
セル110のセル角度を前記の条件(θ2>θ1かつθ2<80°すなわち80°>θ2>θ1)に設定する方法は特に限定されないが、前述したように、本実施の形態では、主発泡剤と副発泡剤とを併用して発泡ポリウレタン樹脂107を充填することにより実現している。特に、副発泡剤が二酸化炭素であれば、原料組成物108を閉空間120内に注入した直後から副発泡剤が気化して迅速に発泡が開始される。それゆえ、充填途中の発泡ポリウレタン樹脂107の流動性および充填速度が向上するため、注入口121a近傍のセル角度θ1と、末端部分のセル角度θ2とが、前記の条件を満たすことになる。
なお、主発泡剤および副発泡剤を併用して発泡ポリウレタン樹脂107を充填する方法に関して、その詳細な条件等は特に限定されず、断熱箱体102Aの具体的な構成、冷凍冷蔵庫101の用途、要求される断熱性能等に応じて適宜設定することができる。
このように、本実施の形態では、注入口121a付近のセル110よりも充填方向の末端部分のセル110が厚み方向に傾いている。通常、セル110は充填方向に伸びた形状(セル110の長手方向が充填方向を向いた状態)となっているため、厚み方向よりも充填方向の圧縮強度が強い。これに対して、本実施の形態では、末端部分のセル110が厚み方向に傾くことにより、発泡ポリウレタン樹脂107の厚み方向の圧縮強度が増えることになる。
したがって、本実施の形態によれば、注入口121a付近より末端部分において内部圧力による断熱箱体102Bの変形を防止することができる。特に、断熱箱体102Bを壁部は、注入口121a付近よりそれ以外の部分(つまり末端部分)の方が割合的に多いため、充填方向に長い形状のセル110を厚み方向に傾けることで、厚み方向の圧縮強度を向上することができる。それゆえ、脱型時の内部圧力により断熱箱体102Bが変形する可能性をさらに一層低減することができるので、脱型時間の短縮化が可能となる。
なお、本実施の形態2に係る構成(セル角度が80°>θ2>θ1となる構成)は、それ単独でも十分に作用効果を奏するが、さらに、前記実施の形態1に係る構成(発泡ポリウレタン樹脂107の充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比が0.6〜1.5の範囲内であり、好ましくは、セル110の充填方向に対する厚み方向のアスペクト比が0.8〜1.0の範囲内となる構成)と組み合わせることで、より一層良好な作用効果を奏することができる。
(実施の形態3)
前記実施の形態1または2においては、注入口121aは断熱箱体102Aまたは断熱箱体102Bの段差面127に形成されていたが、本発明はこれに限定されず、他の箇所の注入口が設けられてもよい。この点について、図8および図9を参照して具体的に説明する。
例えば、図8に示す断熱箱体102Cは、構造的には、前記実施の形態1に係る断熱箱体102Aまたは前記実施の形態2に係る断熱箱体102Bと同様であるが、注入口121cは、段差面127ではなく底面124に設けられている。発泡ポリウレタン樹脂107の充填時には、断熱箱体102Cは、前記実施の形態1または2と同様に、背面126を下向きにした状態で配置される。
なお、図8に示す構成の断熱箱体102Cにおいては、注入口121c近傍のセル110とは、底面壁部に位置するセル110を指すことになり、充填方向の末端部分のセル110とは、底面壁部から外れた部分のセル110、具体的には、例えば、天面壁部、側面壁部、背面壁部等に位置するセル110を指す。
あるいは、図9に示す断熱箱体102Dも、構造的には、断熱箱体102A〜103Cと同様であるが、注入口121dは、背面126に4箇所設けられている。具体的には、背面壁部のうち、左右の側面壁部との連結部位に十分な間隔を有するように2箇所ずつ、合計4箇所設けられている。また、左側2箇所の注入口121dと右側2箇所の注入口121dはそれぞれ対向する位置関係にある。発泡ポリウレタン樹脂107の充填時には、断熱箱体102Dは、背面126を上向きに(前面の開口部を下向きに)した状態で配置される。
なお、図9に示す構成の断熱箱体102Dにおいては、注入口121d近傍のセル110とは、当該注入口121dに直下または近接の背面壁部に位置するセル110を指すことになり、充填方向の末端部分のセル110とは、注入口121dから離れた部分のセル110、具体的には、例えば、注入口121dの近傍から外れた背面壁部、天面壁部、側面壁部、背面壁部等に位置するセル110を指す。
このように、本実施の形態においても、注入口121cまたは注入口121d付近のセル110よりも充填方向の末端部分のセル110が厚み方向に傾いている。それゆえ、発泡ポリウレタン樹脂107の厚み方向の圧縮強度が増えるので、末端部分において内部圧力による断熱箱体102Cまたは断熱箱体102Dの変形を防止することができる。その結果、脱型時の内部圧力により断熱箱体102Cまたは断熱箱体102Dが変形する可能性をさらに一層低減することができるので、脱型時間の短縮化が可能となる。また、本実施の形態においても、前記実施の形態1に係る構成と組み合わせることで、より一層良好な作用効果を奏することができる。
また、前記実施の形態1および2、または本実施の形態3では、いずれも冷凍冷蔵庫101用の断熱箱体102A〜102Dを例示して本発明を説明しているが、本発明はこれに限定されず、冷蔵庫の分野以外であっても、断熱箱体もしくは類似する構成の断熱構造体を用いた分野、例えば車載シート等の分野に広く好適に用いることができる。
本発明について、実施例、比較例および従来例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例、比較例および従来例における各種の測定方法または評価方法は次に示すようにして行った。
(測定方法または評価方法)
[圧縮強度の測定および圧縮強度比の評価]
前述したように、発泡ポリウレタン樹脂の圧縮強度は、JIS K7220に準じて測定した。なお、試験片の厚みは20mmとし、試験片の底面積は1500mm2 以上とした。また、圧縮強度の測定個数は、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、これら試験片それぞれについて、充填方向および厚み方向の圧縮強度を測定して平均値を算出した。そして、充填方向の圧縮強度に対する厚み方向の圧縮強度の比を、本発明の圧縮強度比として算出して評価した。
[アスペクト比の測定および評価]
前述したように、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、各試験片当たり合計50個のセルについて、光学顕微鏡の観察により、縦径d1(50個の平均値)に対する横径d2(50個の平均値)の比をアスペクト比として算出して評価した。
[セル角度の測定および評価]
前述したように、断熱箱体の1つの箇所から3個の試験片を採取し、各試験片当たり合計50個のセルについて、光学顕微鏡で観察した構造を、株式会社平泉洋行製の画像処理ソフトウエア:PORE!SCAN(商品名)を使用して画像解析し、複数のセル角度の平均値を算出した上で、注入口近傍と充填方向との末端部分との双方について、セル角度を比較して評価した。
[脱型時間の測定および評価]
発泡ポリウレタン樹脂の発泡硬化の時間(発泡治具の加熱時間)を変化させて発泡ポリウレタン樹脂を充填することにより、複数種類の断熱箱体を得た。それぞれの断熱箱体について、発泡ポリウレタン樹脂の充填が完了してから1日後に、その壁部の厚みを測定することで、脱型時間を特定した。従来の断熱箱体の脱型時間を基準(従来例)として、各実施例の脱型時間がどの程度短縮されたのかについて評価した。
[発泡ポリウレタン樹脂の熱伝導率の測定および評価]
発泡ポリウレタン樹脂の熱伝導率は、JIS−A1412−2に準じて、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定装置:オートλHC−074(300)(商品名)を用いて測定した。従来の断熱箱体の熱伝導率を基準(従来例)として、各実施例の熱伝導率の変化の程度について評価した。従来の断熱箱体よりも熱伝導率の変化が5%を超えている場合には「×」と評価し、5%以下であれば「○」と評価した。
[発泡ポリウレタン樹脂の独立気泡率の測定および評価]
発泡ポリウレタン樹脂の独立気泡率は、JIS K7138に準じて、株式会社島津製作所製、乾式自動密度計アキュピック1330(商品名)を用いて測定した。独立気泡率が95%以上であれば、発泡ポリウレタン樹脂が十分に発泡していると評価した。
(実施例1)
ステンレス鋼板からなる外面材とABS樹脂からなる内面材とを組み合わせて閉空間を形成するように断熱箱体を形成し、発泡治具により背面が下向きとなるように固定支持した。そして、段差面に形成された注入口から原料組成物を注入して発泡治具を加熱し、発泡ポリウレタン樹脂を発泡硬化させた。
これにより、圧縮強度比が0.6の断熱箱体を得た。なお、得られた断熱箱体は、その独立気泡率が95%であり、発泡ポリウレタン樹脂が十分に発泡していることが確認された。得られた断熱箱体について、脱型時間および熱伝導率を測定し評価した。その結果を表1に示す。
なお、原料組成物は、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、および触媒を含有しており、発泡剤としては、シクロペンタン(主発泡剤)および二酸化炭素(副発泡剤)を用いた。二酸化炭素の添加量は、ポリイソシアネートおよびポリオールの総重量に対して0.5重量%とした。また、シクロペンタンおよび触媒は予めポリオールに混合しておき、原料組成物の注入時に、シクロペンタン混合ポリオールに二酸化炭素を混合し、これをポリイソシアネートに混合して原料組成物として断熱箱体内に注入した(図3の充填装置参照)。
(実施例2〜5、比較例1)
圧縮強度比を0.7(実施例2)、0.8(実施例3)、1.0(実施例4)、1.5(実施例5)、または1.7(比較例1)に変化させた以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2〜5または比較例1の断熱箱体をそれぞれ得た。なお、得られた断熱箱体は、いずれも独立気泡率が95%であり、発泡ポリウレタン樹脂が十分に発泡していることが確認された。
これら断熱箱体について、脱型時間および熱伝導率を測定して評価した。また、実施例2〜4および比較例1については、セルのアスペクト比も測定して評価した。その結果を表1に示す。
(従来例1、2)
現在市販している冷凍冷蔵庫のうち、同型の断熱箱体であって、圧縮強度比が0.3または0.5のものを、従来例1または従来例2とした。これら断熱箱体について、脱型時間および熱伝導率を測定および評価した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、圧縮強度比が0.6〜1.5の範囲内であれば、従来例1または2に比較して脱型時間を8〜19秒短縮することができ、かつ、熱伝導率の変化の程度も5%未満であった(実施例1〜3および従来例1、2の熱伝導率:20.0mW/mK、実施例4の熱伝導率:20.3mW/mK、実施例5の熱伝導率:20.5mW/mK)。また、アスペクト比が0.8〜1.0の範囲内であっても、脱型時間を短縮でき、かつ熱伝導率の変化も抑えることができた。
一方、圧縮強度比が1.5を超え、アスペクト比が1.0を超えた比較例1では、脱型時間を19秒短縮できたものの、熱伝導率が21.0mW/mKであったため、従来例1または2の熱伝導率(20.0mW/mK)に比べて5%以上上昇した。
また、実施例2および3の結果から、脱型時間の短縮と熱伝導率の維持とを両立させる上では、圧縮強度比は0.7〜0.8の範囲内であることが好ましく、アスペクト比は0.8〜0.9の範囲内であることがより好ましいことも明らかとなった。
(実施例6、7)
注入口付近のセル角度θ1=0°、かつ、充填方向の末端部分のセル角度θ2=30°に設定するか、または、θ1=20°かつθ2=70°に設定した以外は、前記実施例1と同様にして、実施例6または7の断熱箱体をそれぞれ得た。なお、得られた断熱箱体は、いずれも独立気泡率が95%であり、発泡ポリウレタン樹脂が十分に発泡していることが確認された。
これら断熱箱体について、注入口付近の脱型時間に対する末端部分の脱型時間と、熱伝導率とを測定して評価した。その結果を表2に示す。
(比較例2、3)
θ1=20°かつθ2=20°に設定するか、または、θ1=20°かつθ2=80°に設定した以外は、前記実施例1と同様にして、比較例2または3の断熱箱体をそれぞれ得た。なお、得られた断熱箱体は、いずれも独立気泡率が95%であり、発泡ポリウレタン樹脂が十分に発泡していることが確認された。
これら断熱箱体について、注入口付近の脱型時間に対する末端部分の脱型時間と、熱伝導率とを測定して評価した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、θ2>θ1を満たす場合には、脱型時間を短縮することが可能であったが、θ2=θ1では脱型時間を短縮することはできなかった。ただし、θ2=80°の比較例3では、熱伝導率が5%以上変化したため、θ2<80°であることが好ましいことが明らかとなった(実施例6および7、比較例3の熱伝導率:20.0mW/mK、比較例4の熱伝導率:21.0mW/mK)。
前記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
以上のように、本発明では、冷蔵庫を構成する断熱箱体において、断熱材である発泡ポリウレタン樹脂の充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比が所定範囲内であるか、または、注入口近傍のセル角度よりも充填方向の末端部分のセル角度を厚み方向に傾けるか、あるいはこれら両方を満たすことで、断熱箱体の良好な品質を維持しつつ、脱型時間の短縮化を図ることができる。
それゆえ、本発明は、断熱箱体を用いた冷蔵庫の分野に好適に用いることができるだけでなく、冷蔵庫以外にも断熱箱体(もしくは類似する構成の断熱構造体)を用いた分野、例えば車載シート等の分野に広く好適に用いることができる。
101 冷凍冷蔵庫
102A〜102D 断熱箱体
103 扉
104 冷却部
105 外面材
106 内面材
107 発泡ポリウレタン樹脂
108 原料組成物
110 セル
111 収納室
112 冷蔵室(収納室)
113 冷凍室(収納室)
120 閉空間
121a,121c,121d 注入口
122 突起部
123 (断熱箱体の)天面
124 (断熱箱体の)底面
125 (断熱箱体の)側面
126 (断熱箱体の)背面
127 (断熱箱体の)段差面
128 仕切壁部
140 発泡治具

Claims (6)

  1. 内面材および外面材と、
    前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を充填し、発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、
    を備え、
    前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向としたときに、
    前記発泡ポリウレタン樹脂の前記充填方向に対する厚み方向の圧縮強度比が0.6以上1.5以下である、
    断熱箱体。
  2. 前記発泡ポリウレタン樹脂は、複数個のセルから構成され、
    前記セルにおける前記充填方向に対する前記厚み方向のアスペクト比が、0.8以上1.0以下である、
    請求項1に記載の断熱箱体。
  3. 内面材および外面材と、
    前記内面材および前記外面材の間に形成される閉空間内に、前記外面材に設けられる注入口から、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、および発泡剤を含有する原料組成物を注入して充填し、当該原料組成物を発泡および硬化させることにより得られる、発泡ポリウレタン樹脂と、
    を備え、
    前記発泡ポリウレタン樹脂は、複数個のセルから構成され、
    前記原料組成物を前記閉空間内に充填する方向を充填方向とし、前記セルの長手方向が前記充填方向を基準に厚み方向に向かって成す角度をセル角度としたときに、
    前記発泡ポリウレタン樹脂においては、前記注入口から見て前記充填方向の末端部分のセルが、前記注入口近傍の前記セルよりも前記セル角度が大きくなっており、かつ、前記末端部分のセルのセル角度は、80°未満である、
    断熱箱体。
  4. 前記発泡剤としては、
    大気圧での沸点が零度より高い主発泡剤と、
    大気圧での沸点が零度以下の副発泡剤と、が併用される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の断熱箱体。
  5. 前記副発泡剤が二酸化炭素である、
    請求項4に記載の断熱箱体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の断熱箱体を備えている、
    冷蔵庫。

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