JPWO2013140515A1 - 符号化システム及びエンコーダ再配置方法 - Google Patents

符号化システム及びエンコーダ再配置方法 Download PDF

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Abstract

符号化システムは、複数の情報源の何れかから供給される連続性を有する信号を符号化し、符号化された信号の一部を含むパケットを生成する複数のエンコーダを有する。各エンコーダは、何れかの情報源から供給される信号を符号化する第1のエンコーダと、第1のエンコーダのうちの少なくとも一つから出力されたパケットを通信ネットワークへ転送し、一方、第1のエンコーダに障害が発生した場合にその第1のエンコーダが符号化する信号をその第1のエンコーダの代わりに符号化する第2のエンコーダとに分類される。何れかの信号についての第1のエンコーダと第2のエンコーダのうちの一方に障害が発生したときに、他方のエンコーダがその障害の発生を検知して、障害が発生したエンコーダを除く複数のエンコーダのそれぞれを複数の情報源のそれぞれに対する第1のエンコーダ及び第2のエンコーダとして再配置し、その再配置の結果を各エンコーダに通知する。

Description

本発明は、例えば、連続性を有する複数の信号を複数のエンコーダを用いて符号化して、その符号化された信号を通信ネットワークへ伝送する符号化システム、及びその符号化システムが有するエンコーダを各信号に対して再配置する方法に関する。
近年、ニュースまたはスポーツ中継の映像信号といった、連続性を有する信号を、インターネット・プロトコル(internet protocol, IP)に従ったネットワーク(以下、単にIPネットワークと呼ぶ)を通じて中継したり、配信するサービスが普及しつつある。このようなサービスでは、IPネットワークを通じて配信された映像信号をエンドユーザが直接視聴することもあるため、中継されたり、配信される映像信号の一部が欠落することは好ましくない。
そこで、例えば、カメラまたは映像編集装置といった映像情報源から出力された映像信号を圧縮するために複数のエンコーダを備え、そのうちの何れかのエンコーダを用いて映像信号を圧縮する符号化システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
例えば、特許文献1には、現用系エンコーダと待機用エンコーダとが直列に配置された符号化システムが開示されている。このシステムでは、通常時において、映像ストリームは現用系エンコーダによって符号化され、その符号化された映像ストリームは一旦待機用エンコーダにバッファされた後に伝送路に送出される。一方、現用系エンコーダに障害が発生した場合には、直接待機系エンコーダに映像ストリームが入力され、待機系エンコーダによって符号化された後、その符号化された映像ストリームが伝送路に送出される。その際、待機系エンコーダは、現用エンコーダの障害発生により送出が中断された位置をバッファされている映像ストリームと直接入力された映像ストリームとを比較することで特定し、その中断位置以降の映像ストリームを送出する。これにより、例え現用系エンコーダに障害が発生しても、伝送路に送出される映像ストリームの一部に欠落が生じることが防止される。
特開2011−217137号公報
しかし、上述したような符号化システムでは、一つの映像信号を扱う一方のエンコーダに障害が発生した状態で、さらに他方のエンコーダにも障害が発生すると、その映像信号は配信されなくなってしまう。
そこで本明細書は、複数のエンコーダに障害が発生しても連続性を有する信号に欠落を生じさせることなく、符号化したその信号を通信ネットワークに伝送可能な符号化システムを提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、複数の情報源のそれぞれから供給される連続性を有する信号を符号化して、符号化されたその信号を通信ネットワークへ送出する符号化システムが提供される。
この符号化システムは、上記の複数の情報源の何れかから供給される連続性を有する信号を符号化し、符号化された信号の一部を含むパケットを生成する複数のエンコーダと、複数の情報源からの信号を、複数のエンコーダのそれぞれに伝送するマトリクススイッチと、複数のエンコーダの何れかから送出されたパケットを複数のエンコーダのうちの他のエンコーダまたは通信ネットワークへ転送するネットワークスイッチとを有する。
複数のエンコーダのそれぞれは、複数の情報源の何れかから供給される信号を符号化する第1のエンコーダと、第1のエンコーダのうちの少なくとも一つから出力されたパケットを、ネットワークスイッチを介して受信して、そのパケットを通信ネットワークへ転送し、一方、第1のエンコーダのうちの何れかに障害が発生した場合にその第1のエンコーダが符号化する信号をその第1のエンコーダの代わりに符号化してパケットを生成し、そのパケットをネットワークスイッチを介して通信ネットワークへ送出する第2のエンコーダとに分類される。そして複数の情報源のうちの何れかからの信号が経由する第1のエンコーダと第2のエンコーダのうちの一方に障害が発生したときに、その第1のエンコーダと第2のエンコーダのうちの他方のエンコーダがその障害の発生を検知すると、その他方のエンコーダが、障害が発生したエンコーダを除く複数のエンコーダのそれぞれを複数の情報源のそれぞれに対する第1のエンコーダ及び第2のエンコーダとして再配置するとともに、再配置の結果を複数のエンコーダのそれぞれに通知する。そして複数のエンコーダのそれぞれは、再配置の結果に従って、複数の情報源の何れかから供給された信号についての第1のエンコーダまたは第2のエンコーダとなる。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された符号化システムは、複数のエンコーダに障害が発生しても連続性を有する信号に欠落を生じさせることなく、符号化したその信号を通信ネットワークに伝送できる。
図1は、一つの実施形態による、符号化システムの概略構成図である。 図2は、正常時における、同一の映像情報源に対して使用されるエンコーダのグループ及び映像信号の流れを示す図である。 図3は、現用系のエンコーダの何れかに障害が発生した直後における、映像信号の流れを示す図である。 図4は、待機系のエンコーダに障害が発生した直後における、映像信号の流れを示す図である。 図5は、図3に示された状態の後に再配置されたエンコーダに対する映像信号の流れを示す図である。 図6は、エンコーダの概略構成図である。 図7は、符号化映像信号を含むIPパケットの構成図である。 図8は、送出確認パケットの構成図である。 図9は、図2に対応する、何れのエンコーダにも障害が発生していないときの管理テーブルの一例を示す。 図10は、何れのエンコーダにも障害が発生していないときの現用系と待機系のエンコーダ間の信号の交換手順を示すシーケンス図である。 図11は、待機系に属するエンコーダの制御部により実行される、そのエンコーダへ符号化映像信号を送出する現用系のエンコーダについての障害検知及び映像信号の経路切替処理の動作フローチャートである。 図12は、現用系に属するエンコーダの制御部により実行される、そのエンコーダと同一グループの待機系のエンコーダに発生した障害の検知及び映像信号の経路切替処理の動作フローチャートである。 図13は、現用系のエンコーダが復旧した時の経路切替処理の動作フローチャートである。 図14は、待機系のエンコーダが復旧した時の経路切替処理の動作フローチャートである。 図15は、何れかのエンコーダにおいて障害が発生した場合における、各エンコーダの再配置処理の動作フローチャートである。 図16は、優先度が相対的に高い映像情報源に対応する現用系のエンコーダに障害が発生した場合における、更新後の管理テーブルの一例を示す図である。 図17は、優先度が相対的に低い映像情報源に対応する現用系のエンコーダに障害が発生した場合における、更新後の管理テーブルの一例を示す図である。
以下、図を参照しつつ、一つの実施形態による符号化システムについて説明する。この符号化システムは、連続性、特に時間的な連続性を有する信号の一例である映像信号を符号化して、その符号化した映像信号を通信ネットワークへ伝送する。そのために、この符号化システムは、連続性を有する信号の情報源の一例である、映像情報源の数と等しい数の現用系のエンコーダと、現用系のエンコーダ数よりも少なく、かつ2台以上の待機系のエンコーダとを有する。そしてこの符号化システムでは、何れのエンコーダにも障害が発生していない場合、各映像情報源から送出された映像信号は、現用系のエンコーダの何れかで符号化された後、何れかの待機系のエンコーダを経由してIPネットワークへ送出される。そして何れかのエンコーダで障害が発生し、そのエンコーダが符号化映像信号を含むパケットを送信できなくなった場合、障害が発生したエンコーダと同一の映像信号を扱うエンコーダが障害の発生を検知する。そして障害発生を検知したエンコーダが、映像信号ごとに、どのエンコーダが現用系または待機系として機能するかを規定する管理テーブルを更新する。その際、障害発生を検知したエンコーダは、障害発生したエンコーダが扱う映像信号を供給する第1の映像情報源より優先度が低い第2の映像情報源についての待機系エンコーダを第1の映像情報源の待機系エンコーダとしても利用するよう管理テーブルを更新する。そして障害の発生を検知したエンコーダは、更新した管理テーブルを他のエンコーダに通知する。各エンコーダは、更新された管理テーブルに従って扱う映像信号を変更する。
図1は、一つの実施形態による符号化システムの概略構成図である。符号化システム1は、マトリクススイッチ2と、6台のエンコーダ3−1〜3−6と、スイッチングハブ4と、ルータ5とを有する。さらに、符号化システム1は、各エンコーダ3−1〜3−6、スイッチングハブ4及びルータ5を流れるパケットのトラフィックを監視するネットワーク管理装置(図示せず)を有していてもよい。なお、符号化システム1が有するエンコーダの台数は6台に限られない。符号化システム1は、符号化システム1に映像信号を入力する映像情報源の数に1加算した数よりも多く、かつ映像情報源の数の2倍よりも少ない台数のエンコーダを有することができる。
マトリクススイッチ2は、映像信号を入力するための複数の入力端子と、映像信号を出力するための複数の出力端子とを有する。
マトリクススイッチ2の各入力端子には、それぞれ、符号化システム1へ映像信号を送出する複数の映像情報源10−1〜10−4が接続される。またマトリクススイッチ2の各出力端子には、それぞれ、エンコーダ3−1〜3−6が有する複数の映像入力端子のうちの何れかが、映像信号伝送用の信号線を介して接続される。そしてマトリクススイッチ2は、複数の入力端子のそれぞれと、複数の出力端子のそれぞれとを、例えば、外部の機器から入力される設定情報に基づいて任意に接続する。そして、マトリクススイッチ2は、各映像情報源から取得した映像信号を、エンコーダ3−1〜3−6のそれぞれへ出力する。
エンコーダ3−1〜3−6は、現用系のエンコーダと待機系のエンコーダに分類される。エンコーダ3−1〜3−6のうちの現用系のエンコーダは、映像情報源10−1〜10−4からマトリクススイッチ2を介して取得した映像信号の何れかを符号化する。そして現用系のエンコーダは、符号化された映像信号をIPパケット化した後、そのIPパケットをスイッチングハブ4を介して待機系のエンコーダへ送出する。一方、エンコーダ3−1〜3−6のうちの待機系のエンコーダは、現用系のエンコーダから正常にIPパケットを受信している間、その受信したIPパケットの宛先アドレスを書き換えてIPネットワーク6へ送出する。そして待機系のエンコーダは、現用系のエンコーダに障害が発生したときに、障害が発生したエンコーダの代わりに映像信号を符号化する。
エンコーダ3−1〜3−6の何れも、現用系のエンコーダあるいは待機系のエンコーダとして利用可能である。例えば、符号化システム1は、エンコーダ3−1〜3−4を現用系のエンコーダとし、エンコーダ3−5及び3−6を待機系のエンコーダとすることができる。
エンコーダ3−1〜3−6の詳細、及び、何れかのエンコーダに障害が発生した時のエンコーダの切り替え手順に関しては後述する。
スイッチングハブ4は、ネットワークスイッチの一例であり、各エンコーダ間、及び各エンコーダとルータ5間でパケットを転送する。そのために、スイッチングハブ4は、複数のIPネットワーク接続用のポートを有し、各ポートは、それぞれ、各エンコーダ3−1〜3−6及びルータ5と、IPパケット伝送用の信号回線を介して接続される。そしてスイッチングハブ4は、各エンコーダ3−1〜3−6及びルータ5間の通信を中継する。そのために、スイッチングハブ4は、各エンコーダ3−1〜3−6から受信したIPパケットのヘッダに格納された宛先アドレスを参照して、その宛先アドレスに対応するエンコーダまたはルータ5と接続されたポートからIPパケットを送出する。
ルータ5は、スイッチングハブ4と通信ネットワークの一例であるIPネットワーク6との間に接続される。そしてルータ5は、何れかのエンコーダ3−1〜3−6から出力され、スイッチングハブ4を経由して入力されたIPパケットをルーティングして、そのIPパケットをIPネットワーク6へ送出する。
以下、何れのエンコーダにも障害が発生していない場合、及び、何れかのエンコーダに障害が発生した場合のそれぞれにおける、映像信号の流れを説明する。その後に、各エンコーダにより実行される、障害発生の検知及び切り替え時の処理について説明する。
図2は、何れのエンコーダにも障害が発生していない正常時における、同一の映像情報源に対して使用されるエンコーダのグループ及び映像信号の流れを示す図である。本実施形態では、エンコーダ3−1〜3−4は現用系のエンコーダであり、エンコーダ3−5及び3−6が待機系のエンコーダである。そしてエンコーダ3−1、3−2及び3−5が一つのグループを形成し、映像情報源10−1及び10−2から供給された映像信号を符号化する。すなわち、矢印201に示されるように、映像情報源10−1から供給された映像信号は、マトリクススイッチ2を介してエンコーダ3−1に入力され、エンコーダ3−1によって符号化される。さらにエンコーダ3−1は、符号化された映像信号を順次IPパケット化する。そしてエンコーダ3−1は、そのIPパケットを、矢印202に示されるように、スイッチングハブ4を介してエンコーダ3−5へ送出する。
同様に、矢印203に示されるように、映像情報源10−2から供給された映像信号は、マトリクススイッチ2を介してエンコーダ3−2に入力され、エンコーダ3−2によって符号化される。そしてエンコーダ3−2は、符号化された映像信号を順次IPパケット化する。そしてエンコーダ3−2は、そのIPパケットを、矢印204に示されるように、スイッチングハブ4を介してエンコーダ3−5へ送出する。
エンコーダ3−5は、エンコーダ3−1及び3−2から受け取った、符号化された映像信号を含むIPパケットの宛先アドレスを書き換えて、IPネットワーク6へ転送する。
同様に、エンコーダ3−3、3−4及び3−6が、他のグループを形成する。そして、映像情報源10−3から供給された映像信号をエンコーダ3−3が符号化し、符号化された映像信号を順次IPパケット化する。そしてエンコーダ3−3は、そのIPパケットを、スイッチングハブ4を介してエンコーダ3−6へ送出する。また映像情報源10−4から供給された映像信号をエンコーダ3−4が符号化し、符号化された映像信号を順次IPパケット化する。そしてエンコーダ3−4は、そのIPパケットを、スイッチングハブ4を介してエンコーダ3−6へ送出する。符号装置3−6は、エンコーダ3−3及び3−4から受け取った、符号化された映像信号を含むIPパケットの宛先アドレスを書き換えて、IPネットワーク6へ転送する。
図3は、現用系のエンコーダの何れかに障害が発生した直後における、映像信号の流れを示す図である。この例では、エンコーダ3−1に障害が発生したと仮定する。
この場合、エンコーダ3−5が、エンコーダ3−1からIPパケットを受信できなくなったことにより、エンコーダ3−1に障害が発生したことを検知する。そして矢印301に示されるように、エンコーダ3−5が、エンコーダ3−1の代わりに映像情報源10−1からの映像信号を受け取ってその映像信号を符号化し、その符号化映像信号をIPパケット化する。そしてエンコーダ3−5は、矢印302に示されるように、符号化映像信号を含むIPパケットを、スイッチングハブ4を介してIPネットワーク6へ送出する。これに伴い、エンコーダ3−5は、エンコーダ3−2に対する待機系のエンコーダとして機能しなくなる。そこでエンコーダ3−2も、矢印303に示されるように、映像情報源10−2から供給された映像信号を符号化したものを含むIPパケットを、スイッチングハブ4を介してIPネットワーク6へ送出する。
なお、エンコーダ3−1が属するグループとは異なるグループ、すなわち、エンコーダ3−3、3−4及び3−6が属するグループについては、この時点では、エンコーダ3−1の障害発生の前後で映像信号の流れは変化しない。
図4は、待機系のエンコーダに障害が発生した直後における、映像信号の流れを示す図である。この例では、エンコーダ3−5に障害が発生したと仮定する。
この場合、エンコーダ3−1または3−2が、エンコーダ3−5から、IPパケットをIPネットワーク6へ送出する度に通知される送出確認のIPパケットを受信できなくなったことにより、エンコーダ3−5に障害が発生したことを検知する。そして矢印401及び402に示されるように、エンコーダ3−1及び3−2は、符号化映像信号を含むIPパケットを、待機系のエンコーダを経由させずにIPネットワーク6へ送出する。
なお、エンコーダ3−1が属するグループとは異なるグループについては、この時点では、エンコーダ3−1の障害発生の前後で映像信号の流れは変化しない。
図3または図4に示された状態では、障害が発生したエンコーダが属するグループと同じグループに属する他のエンコーダで符号化された映像信号は、待機系のエンコーダを経由せずに、IPネットワーク6へ送出される。そのため、このグループの他のエンコーダにおいてさらに障害が発生すると、このグループによって符号化されていた映像信号は、IPネットワーク6へ送出されなくなってしまう。
そこで、本実施形態による符号化システム1は、障害が発生していないエンコーダを、所定の規則に従って現用系と待機系とに再配置することで、何れの映像情報源からの映像信号も、二つのエンコーダを経由してからIPネットワーク6へ送出する。
図5は、図3に示された状態の後に、再配置されたエンコーダに対する映像信号の流れを示す図である。
図3に示された、エンコーダ3−1に障害が発生した状態でも、待機系のエンコーダとして、エンコーダ3−6が機能している。そこで、図5の矢印501及び502に示されるように、エンコーダ3−5及び3−2で符号化された映像情報源10−1及び10−2からの映像信号を含むIPパケットは一旦エンコーダ3−6に送られる。そしてそれらのIPパケットは、エンコーダ3−6にて、映像情報源10−1及び10−2に対応する宛先アドレスに書き換えられた後、IPネットワーク6へ転送される。すなわち、この状態では、エンコーダ3−6が、全ての映像情報源に対しての待機系のエンコーダとして機能する。これにより、図5に示された時点で、障害が発生していないエンコーダの何れかにさらに障害が発生しても、全ての映像信号は欠落することなくIPネットワーク6へ送出される。
なお、エンコーダ3−5に障害が発生した場合も、符号化システム1は、エンコーダ3−1及び3−2で符号化された映像信号を含むIPパケットが一旦エンコーダ3−6を経由してからIPネットワーク6へ送出されるように、映像信号の経路を変更可能である。
以下、エンコーダ3−1〜3−6の詳細について説明する。なお、エンコーダ3−1〜3−6は、同一の構成及び同一の機能を有することができる。そこで以下では、エンコーダ3−1についてのみ説明する。
図6は、エンコーダ3−1の概略構成図である。エンコーダ3−1は、映像入力端子11−1〜11−4と、バッファ12−1〜12−4と、セレクタ13と、符号化部14と、送信部15と、ネットワークインターフェース部16と、受信部17と、復号部18と、記憶部19と、制御部20とを有する。バッファ12−1〜12−4、セレクタ13、符号化部14、送信部15、受信部17、復号部18、記憶部19及び制御部20は、それぞれ、別個の回路として形成されてもよく、あるいは、一つの集積回路として形成されてもよい。
映像入力端子11−1〜11−4は、それぞれ、マトリクススイッチ2の何れかの出力端子と映像伝送用の信号線を介して接続され、映像情報源10−1〜10−4のうちの何れかからの映像信号を受け取る。本実施形態では、各映像入力端子11−1〜11−4と、その映像入力端子に入力される映像信号を供給する映像情報源10−1〜10−4とは一意に対応する。例えば、映像入力端子11−1には、映像情報源10−1から供給された映像信号が入力される。同様に、映像入力端子11−2〜11−4には、それぞれ、映像情報源10−2〜10−4から供給された映像信号が入力される。これにより、制御部20は、映像信号が供給された映像入力端子を特定することによって、その映像信号を供給した映像情報源を特定できる。
なお、エンコーダ3−1が有する映像入力端子の数は4本に限られない、エンコーダ3−1は、エンコーダ3−1が符号化する可能性の有る映像信号を供給する映像情報源の数と同数以上の映像入力端子を有することが好ましい。
各映像入力端子11−1〜11−4に入力された映像信号は、それぞれ、バッファ12−1〜12−4へ出力される。
バッファ12−1〜12−4は、それぞれ、例えば、揮発性の読み書き可能な半導体メモリを有し、映像入力端子11−1〜11−4から受け取った映像信号を所定期間分記憶する。待機系のエンコーダでは、バッファ12−1〜12−4に記憶された映像信号は、障害が発生したエンコーダにおける、符号化が中断した映像信号中の位置を特定するために使用される。そのため、所定期間は、その中断した位置を特定するために十分な期間の映像信号を保存できるように、エンコーダ3−1がIPパケットを受信していないと判定するのにIPパケットの受信を待つ期間よりも長い期間、例えば、160msec〜200msecに設定される。
現用系のエンコーダでは、バッファ12−1〜12−4のうちの一つから、所定期間を経過した映像信号から順にセレクタ13により読み出され、符号化部14に渡される。一方、待機系のエンコーダでは、バッファ12−1〜12−4に保存された映像信号は、符号化が中断した位置を特定するために、セレクタ13を介して制御部20により読み出される。そして中断位置が特定された後、バッファ12−1〜12−4のうちの符号化が中断した映像信号が保存されているバッファから、制御部20により特定された中断位置以降の映像信号がセレクタ13を介して順に符号化部14へ出力される。
セレクタ13は、例えば、N入力2出力のスイッチを有し、制御部20からの制御信号に従って、バッファ12−1〜12−4から入力された映像信号のうちの何れか一つを符号化部14または制御部20へ出力する。
符号化部14は、バッファ12−1〜12−4の何れかから受け取った映像信号のデータ量を削減するために、その映像信号を符号化する。例えば、符号化部14は、Moving Picture Experts Group(MPEG)により策定された動画像の符号化規格であるMPEG-2、MPEG-4またはMPEG-4 Part 10 Advanced Video Coding(MPEG-4 AVC/H.264)に従って、映像信号を符号化する。そして符号化部14は、符号化された映像信号を、例えば、MPEG-2トランスポートストリーム(MPEG-2 TS)形式に従ってパケット化する。符号化部14は、パケット化した符号化映像信号を送信部15へ出力する。
送信部15は、符号化部14または受信部17から受け取った、パケット化された符号化映像信号に対して誤り訂正符号化処理または誤り検出符号化処理を実行した後、順次IPパケット化する。
図7は、本実施形態によるエンコーダの送信部15により生成される、符号化映像信号を含むIPパケットの構成図である。IPパケット700は、先頭から順に、ヘッダ領域710と、データ領域720とを含む。
ヘッダ領域710の構造は、インターネットプロコトルに従って規定される。そしてヘッダ領域710は、宛先アドレス711と、送信元アドレス712とを含む。エンコーダ3−1が現用系に属する場合、宛先アドレス711は、宛先アドレスとして、エンコーダ3−1が属するグループ内の待機系のエンコーダのアドレスとなる。一方、エンコーダ3−1が待機系に属する場合、宛先アドレス711は、受信部17から受け取ったIPパケット内に格納された符号化映像信号の配信先のアドレスとなる。配信先のアドレスは、例えば、映像信号の配信に利用される特定のサーバのIPアドレスまたはマルチキャストアドレスとすることができる。また、送信元アドレス712は、エンコーダ3−1自身のIPアドレスである。
また、データ領域720には、例えば、MPEG-2 TSのパケット単位に分割された符号化映像信号が格納される。なお、現用系のエンコーダでは、映像情報源が映像信号を出力していない場合であっても、送信部15はIPパケットを定期的に生成する。この場合、Iデータ領域720には空白を表す所定のデータが格納される。
送信部15は、制御部20から通知された宛先アドレス及び送信元アドレスを各IPパケットのヘッダに格納する。そして送信部15は、一つまたは複数のMPEG-2 TSパケットをIPパケットのデータ領域に格納することで、IPパケットを生成する。さらに送信部15は、IPパケットに、Transmission Control Protocol(TCP)またはUser Datagram Protocol(UDP)に準拠したヘッダをさらに追加してもよい。
送信部15は、生成したIPパケットを、一旦送信バッファ151に記憶する。そして送信部15は、送信バッファ151に記憶されているIPパケットを所定の間隔(例えば、32msec間隔)でネットワークインターフェース部16へ出力する。
待機系のエンコーダでは、送信バッファ151に記憶されているIPパケットは、ネットワークインターフェース部16へ出力されるとともに消去される。さらに送信部15は、ネットワークインターフェース部16へ出力したIPパケットに含まれる映像情報の位置を表す位置情報をそのIPパケットから抽出し、その位置情報を含む送出確認パケットを生成する。そして送信部15は、その送出確認パケットを現用系のエンコーダへ送出する。
送出確認パケットは、各エンコーダの制御に利用される制御用パケットの一例である。
図8は、制御用パケットの構成図である。制御用パケット800は、先頭から順に、ヘッダ領域810と、制御領域820とを含む。ヘッダ領域810の構造は、インターネットプロコトルに従って規定される。そしてヘッダ領域810は、宛先アドレス811と、送信元アドレス812とを含む。送出確認パケットの場合、宛先アドレスは、現用系のエンコーダのIPアドレスであり、送信元アドレス812は、待機系のエンコーダ自身のIPアドレスである。
制御領域820には、この制御用パケットの種別を表すフラグ821と、エンコーダの制御に利用される制御情報822とが含まれる。制御用パケットが送出確認パケットである場合、フラグ821は送出確認パケットに対応する所定のビット列を有し、制御情報822は位置情報を含む。この位置情報は、例えば、送出したIPパケットのデータ領域内に格納されている、MPEG-2TSパケットのヘッダ領域内にある、コンティニュイティ・カウンタの値とすることができる。あるいは、位置情報は、送出したIPパケットのTCPヘッダ領域に格納されている、シーケンスナンバーとすることができる。
一方、現用系のエンコーダでは、送信バッファ151に記憶されているIPパケットは、待機系のエンコーダから受信した送出確認パケットに含まれる位置情報により、IPネットワーク6へ送出されたことが確認されると消去される。
さらに、送信部15は、制御部20から受け取った障害検知情報、復旧情報または管理テーブルといった制御情報を受け取ると、その制御情報を含む制御用のパケットを生成し、その制御用のパケットをネットワークインターフェース部16へ出力する。
ネットワークインターフェース部16は、エンコーダ3−1をIPネットワーク6に接続するためのインターフェース回路を有する。そしてネットワークインターフェース部16は、送信部15から受け取ったIPパケットをスイッチングハブ4へ出力する。またネットワークインターフェース部16は、スイッチングハブ4から受け取ったIPパケットを受信部17へ渡す。
受信部17は、受信バッファ171を有する。そして待機系のエンコーダは、所定期間中、現用系のエンコーダから受け取ったIPパケットを一時的に受信バッファ171に格納する。所定期間は、例えば、受信バッファ171に保存されている符号化映像だけでその符号化映像を復号可能な期間、例えば、少なくとも一つのGroup Of Pictures(GOP)に含まれる全てのフレームが受信バッファ171に記憶されるのに必要な期間とすることができる。受信バッファ171に格納されたIPパケットは、所定期間経過後に、送信部15へ出力される。なお受信部17は、IPパケットを送信部15へ出力する前に、IPパケットのデータ領域に対して誤り訂正復号処理または誤り検出処理を実行してもよい。また、待機系のエンコーダでは、受信部17は、IPパケットに含まれる送信元アドレスを制御部20へ通知する。そして制御部20が同一グループ内の現用系のエンコーダに障害が発生したことを検知すると、受信バッファ171内のIPパケット中の符号化映像信号は復号部18へ出力される。
さらに受信部17は、他のエンコーダから制御用のパケットを受信すると、その制御用のパケットに含まれる制御情報を制御部20に渡す。また、現用系のエンコーダでは、受信部17は、待機系のエンコーダから送出確認パケットを受信すると、その送出確認パケットの制御領域に含まれる位置情報を取り出して送信部15へ通知する。
復号部18は、現用系のエンコーダに障害が発生した場合に、その障害が発生したエンコーダによる符号化が中断した位置を特定するために、符号化映像信号を復号し、制御部20へ渡す。
記憶部19は、例えば、不揮発性の読み書き可能な半導体メモリを有する。そして記憶部19は、エンコーダ3−1を制御するために使用される各種の情報、例えば、映像情報源ごとの優先度、配信先のアドレス、現用系のエンコーダと待機系のエンコーダを規定する管理テーブルを記憶する。
図9は、図2に対応する、何れのエンコーダにも障害が発生していないときの管理テーブルの一例を示す。管理テーブル900は、各行に一つのエンコーダについての情報を格納する。例えば、最上位の行には、エンコーダ3−1についての情報が格納され、最下行には、エンコーダ3−6についての情報が格納される。管理テーブル900の各列には、左から順に、エンコーダの識別番号、エンコーダが属するグループ番号、映像情報源の優先度、エンコーダステータス、エンコーダのIPアドレス、映像情報源が配信されるIPアドレス及び映像情報源の識別番号が格納される。
エンコーダの識別番号は符号化システム1が有する各エンコーダを他のエンコーダと識別するための番号であり、エンコーダごとに一意に設定される。なお、エンコーダの識別番号は、そのエンコーダの物理アドレスであってもよい。またエンコーダが属するグループは、そのエンコーダが属する待機系のエンコーダが扱う映像情報源ごとに設定され、グループ番号は、グループごとに設定される。例えば、図2に示した例では、エンコーダ3−5は、映像情報源10−1と10−2からの映像信号を扱うので、それらの映像情報源からの映像信号を扱うエンコーダ3−1、3−2及び3−5が同一のグループ'1'に含まれる。また、エンコーダ3−6は、映像情報源10−3と10−4からの映像信号を扱うので、それらの映像情報源からの映像信号を扱うエンコーダ3−3、3−4及び3−5が同一のグループ'2'に含まれる。
映像情報源の優先度は、数値が低いほど優先度が高いことを表す。エンコーダのステータスは、エンコーダが現用系または待機系の何れに属するか、及び、正常状態か障害発生状態かを表す。例えば、ステータス'1'は、対応するエンコーダが現用系のエンコーダであり、かつ、正常に動作していることを表す。またステータス'2'は、対応するエンコーダが現用系のエンコーダであり、かつ、障害が発生している状態であることを表す。さらに、ステータス'3'は、対応するエンコーダが待機系のエンコーダであり、かつ、正常に動作していることを表す。そしてステータス'4'は、対応するエンコーダが待機系のエンコーダであり、かつ、障害が発生している状態であることを表す。
映像情報源の識別番号は、各映像情報源を他の映像情報源と識別するための番号であり、映像情報源ごとに一意に設定される。
制御部20は、エンコーダ3−1の各部を制御する。また制御部20は、管理テーブルに従って、送信部15がIPパケット化した符号化映像信号に対する宛先アドレスを特定し、その宛先アドレスと、エンコーダ3−1自身のアドレスを送信部15へ通知する。さらに制御部20は、符号化映像信号が正常に伝送されているか否かを監視することにより、エンコーダ3−1と同じグループに属するエンコーダにおいて発生した障害を検知する。そして制御部20は、障害が発生したことを検知すると、映像信号が経由するエンコーダの切替処理を実行する。
さらに制御部20は、符号化システム1に含まれる全てのエンコーダについて、現用系と待機系とに再配置し、その再配置結果に応じて管理テーブルを更新する。そして制御部20は、更新した管理テーブル及び全エンコーダのアドレスを送信部15に渡し、送信部15にその更新した管理テーブルを含む制御用パケットを生成させる。そしてその制御用パケットは、スイッチングハブ4を介して全てのエンコーダへ配信される。
図10は、何れのエンコーダにも障害が発生していないときの現用系と待機系のエンコーダ間の信号の交換手順を示すシーケンス図である。図10では、例として、エンコーダ3−1とエンコーダ3−5とが、同一の映像情報源からの映像信号を扱い、エンコーダ3−1が現用系に属し、エンコーダ3−5が待機系に属するものとする。
エンコーダ3−1は、送信部15が生成した符号化映像信号を含むIPパケットを送信バッファ151に保存する(ステップS101)。そしてエンコーダ3−1は、送信バッファ151に保存されている符号化映像信号を含むIPパケットを、一定間隔ごとに順次待機系のエンコーダ3−5へ送出する(ステップS102)。
一方、エンコーダ3−5は、エンコーダ3−1からのIPパケットをスイッチングハブ4を介して受信すると、受信したIPパケットを受信バッファ171に保存する(ステップS103)。そして受信部17は、受信バッファ171に保存されてから所定期間を経過したIPパケットを送信部15へ出力する。送信部15は、受信したIPパケットの宛先アドレスを管理テーブルを参照して映像情報源に対応するアドレスに書き換える(ステップS104)。そして送信部15は、そのIPパケットを送信バッファ151に記憶する。送信部15は、送信バッファ151に保存されたIPパケットを、最も古いものから順にIPネットワーク6へ送出する(ステップS105)。そして送信部15は、IPネットワーク6へ送出したIPパケットに含まれる符号化映像信号の位置を、そのIPパケットのヘッダまたはIPパケットのデータ領域内のMPEG-2TSパケットのヘッダを参照することにより検出する(ステップS106)。そして送信部15は、送出したIPパケットに含まれる符号化映像信号の位置を表す位置情報を含む送出確認パケットを生成し、その送出確認パケットを現用系のエンコーダ3−1へ送出する(ステップS107)。
エンコーダ3−1は、エンコーダ3−5から送出確認パケットを受信すると、受信部17にてその送出確認パケットに含まれる位置情報を取り出し、送信部15へ渡す。そして送信部15は、送出確認パケットに含まれる位置情報に対応する符号化映像信号を含むIPパケットを送信バッファ151から削除する(ステップS108)。
図11は、待機系に属するエンコーダの制御部20により実行される、そのエンコーダへ符号化映像信号を送出する現用系のエンコーダについての障害検知及び映像信号の経路切替処理の動作フローチャートである。
制御部20は、現用系のエンコーダから、一定期間以上IPパケット未受信か否か判定する(ステップS201)。この一定期間は、例えば、現用系のエンコーダにおけるIPパケットの送出間隔よりも長く、かつ、受信バッファ171が一つのIPパケットを記憶する所定期間よりも短い期間、例えば、50msec〜100msecに設定される。なお、図2に示されたエンコーダ3−5のように、待機系のエンコーダが複数の現用系のエンコーダからのIPパケットを受け付けている場合もある。このような場合、制御部20は、IPパケットに含まれる送信元アドレスを参照することで、そのIPパケットを送出した現用系のエンコーダを識別できる。エンコーダが、ある現用系のエンコーダについて、IPパケットを前回受信してから一定期間内に次のIPパケットを受信している場合(ステップS201−No)、制御部20は、その現用系のエンコーダに障害は発生していないと判定する。そして制御部20は、ステップS201の処理を繰り返す。
一方、エンコーダが、ある現用系のエンコーダについて、前回IPパケットを受信してから一定期間を経過しても次のIPパケットを受信していない場合(ステップS201−Yes)、制御部20は、その現用系のエンコーダに障害が発生したと判定する。そして制御部20は、受信バッファ171に保存されている各IPパケットに含まれる符号化映像信号を復号部18へ出力させる。復号部18は、受け取った符号化映像信号を復号する(ステップS202)。そして復号部18は、復号した映像信号を制御部20へ渡す。
一方、制御部20は、セレクタ13を介して、バッファ12−1〜12−4のうち、障害が発生したエンコーダに対応する映像情報源に対応するバッファから、そのバッファに保存されている映像信号を読み出す(ステップS203)。なお、上記のように、映像情報源10−1〜10−4と映像入力端子11−1〜11−4及びバッファ12−1〜12−4とは、一意に対応している。そのため、制御部20は、管理テーブルを参照して障害が発生した現用系のエンコーダが符号化していた映像信号を供給する映像情報源を特定することにより、その映像情報源からの映像信号が保存されているバッファを特定できる。
制御部20は、映像入力端子から取得した映像信号と復号した映像信号を比較することで、符号化が中断した位置を特定する(ステップS204)。例えば、制御部20は、復号された映像信号に含まれる最後のフレームと、映像入力端子から取得した映像信号に含まれる各フレームとの間でパターンマッチングを行って相互相関値を算出する。そして制御部20は、バッファから取得した映像信号に含まれるフレームのうち、相互相関値が最大となるフレームを符号化中断位置とする。
制御部20は、バッファから、セレクタ13を介して、特定した符号化中断位置以降の映像信号を符号化部14へ出力させる。そして符号化部14は、符号化中断位置以降の映像信号の符号化を開始する(ステップS205)。符号化部14は、符号化映像信号を送信部15へ出力する。送信部15は、受け取った符号化映像信号をIPパケット化する(ステップS206)。そして送信部15は各IPパケットに映像情報源に対応する宛先アドレスを追加する(ステップS207)。そして送信部15は、各IPパケットを順次IPネットワーク6へ送出する(ステップS208)。
これにより、符号化システム1は、現用系のエンコーダに障害が発生しても、そのエンコーダが符号化していた映像信号が欠落することなく、待機系のエンコーダに代わりにその映像信号を符号化させて、IPネットワーク6へ出力させることができる。
図12は、現用系に属するエンコーダの制御部20により実行される、そのエンコーダと同一グループの待機系のエンコーダに発生した障害の検知及び映像信号の経路切替処理の動作フローチャートである。
制御部20は、待機系のエンコーダから、一定期間以上送出確認パケット未受信か否か判定する(ステップS301)。この一定期間は、例えば、待機系のエンコーダにおけるIPパケットの送出間隔よりも長く、かつ、送信バッファ151が一つのIPパケットを記憶する所定期間よりも短い期間、例えば、50msec〜100msecに設定される。エンコーダが前回送出確認パケットを受信してから一定期間内に次の送出確認パケットを受信している場合(ステップS301−No)、制御部20は、待機系のエンコーダに障害は発生していないと判定する。そして制御部20は、ステップS301の処理を繰り返す。
一方、エンコーダが前回送出確認パケットを受信してから一定期間を経過しても次の送出確認パケットを受信していない場合(ステップS301−Yes)、制御部20は、待機系のエンコーダに障害が発生し、符号化映像信号を出力できなくなったと判定する。そして制御部20は、送信バッファ151に保存されているIPパケットのうち、最後に受信した送出確認パケットに含まれる位置情報で示された映像信号中の位置を特定する(ステップS302)。
制御部20は、管理テーブルを参照して、自装置が符号化する映像情報源に対応する宛先アドレスを特定する。そして制御部20は、その宛先アドレス及び特定された位置を送信部15へ通知する。送信部15は、その特定された位置以降の符号化映像信号を含む各IPパケットの宛先アドレスを映像情報源に対応するアドレスに書き換える(ステップS303)。その後、送信部15は、特定された位置以降の符号化映像信号を含む各IPパケットをIPネットワーク6へ順次送出する(ステップS304)。
これにより、符号化システム1は、待機系のエンコーダに障害が発生しても、待機系のエンコーダが出力不能となった位置以降の符号化映像信号を含むIPパケットを現用系のエンコーダに直接IPネットワーク6へ出力させることができる。そのため、この符号化システム1は、待機系のエンコーダに障害が発生しても、その待機系のエンコーダを経由する映像信号が欠落することを防止できる。
次に、障害が発生していたエンコーダが復旧する際の映像信号の経路切替処理について説明する。
図13は、現用系のエンコーダが復旧した時の経路切替処理の動作フローチャートである。
復旧した現用系のエンコーダは、制御用パケットの一例である復旧確認パケットを待機系のエンコーダへ送信する(ステップS401)。なお、復旧確認パケットは、例えば、制御情報として、復旧したエンコーダのIPアドレスを含む。また、復旧した現用系のエンコーダの制御部20は、映像入力端子から入力された、障害発生前にそのエンコーダが符号化していた映像信号を供給する映像情報源からの映像信号をバッファに保存開始する(ステップS402)。
一方、復旧確認パケットを受信した待機系のエンコーダは、符号化映像信号を含むIPパケットについて、IPネットワーク6だけでなく、復旧した現用系のエンコーダへの送信を開始する。さらに待機系のエンコーダは、送出確認パケットについても、復旧した現用系のエンコーダへの送信を開始する。
復旧したエンコーダの受信部17は、受信バッファ171に待機系からのIPパケットを保存する(ステップS403)。その後、復旧したエンコーダの制御部20は、一定期間以上送出確認パケット未受信か否か判定する(ステップS404)。そして送出確認パケットを受信している間、ステップS403及びS404の処理が繰り返される。
待機系のエンコーダは、復旧確認パケットを受信してから所定の猶予期間を経過した時点で、映像信号の符号化及び符号化映像信号を含むIPパケットのIPネットワーク6及び復旧したエンコーダへの送出を停止する。さらに待機系のエンコーダは、自身が符号化した映像信号を含む最後のIPパケットを送出すると、送出確認パケットの送出も終了する。
一方、復旧したエンコーダでは、前回送出確認パケットを受信してから一定期間を経過しても次の送出確認パケットを受信しなければ(ステップS404−Yes)、制御部20は、待機系のエンコーダが映像信号の符号化を停止したと判定する。そして制御部20は、受信バッファ171に保存されている各IPパケットに含まれる符号化映像信号を復号部18へ出力させる。復号部18は、受け取った符号化映像信号を復号する(ステップS405)。復号部18は、復号された映像信号を制御部20へ出力する。
復旧したエンコーダの制御部20は、映像入力端子から取得し、バッファされている映像信号と復号した映像信号を比較することで、待機系のエンコーダが符号化を停止した位置を特定する(ステップS406)。なお、符号化停止位置を特定するために、制御部20は、現用系のエンコーダの障害発生時における、待機系のエンコーダが符号化中断位置を特定するのと同様の処理を行うことで、その符号化停止位置を特定できる。
復旧したエンコーダの制御部20は、バッファから、セレクタ13を介して、特定した符号化停止位置以降の映像信号を符号化部14へ出力させる。そして符号化部14は、符号化停止位置以降の映像信号の符号化を開始する(ステップS407)。符号化部14は、符号化映像信号を送信部15へ出力する。送信部15は、受け取った符号化映像信号のIPパケット化を開始する(ステップS408)。その際、送信部15は各IPパケットの宛先アドレスを待機系のエンコーダとする。そして送信部15は、各IPパケットを順次待機系のエンコーダへの送出を開始する(ステップS409)。
これにより、現用系のエンコーダが復旧した際に、IPネットワーク6に送出される映像信号に欠落を生じさせることなく、待機系のエンコーダから、復旧したエンコーダがその映像信号の符号化を引き継ぐことができる。
図14は、待機系のエンコーダが復旧した時の経路切替処理の動作フローチャートである。
復旧した待機系のエンコーダは、復旧確認パケットを現用系のエンコーダへ送信する(ステップS501)。現用系のエンコーダは復旧確認パケットを受信すると、符号化映像信号を含むIPパケットをIPネットワーク6へ送出するだけでなく、復旧した待機系のエンコーダにも送出する。さらに現用系のエンコーダは、送出確認パケットも現用系のエンコーダへ送出する。そして復旧した待機系のエンコーダへのIPパケットの送出が開始されてから、所定の猶予期間が経過すると、現用系のエンコーダは、符号化映像信号を含むIPパケットのIPネットワーク6への送出を停止する。その停止に伴い、現用系のエンコーダは、待機系のエンコーダを介さずにIPネットワーク6へ送出した最後のIPパケットより後のIPパケットについては、送出確認パケットを送出しない。
一方、復旧した待機系のエンコーダでは、受信部17が、受信バッファ171に現用系のエンコーダからのIPパケットの保存を開始する(ステップS502)。
そして復旧したエンコーダの制御部20は、一定期間以上送出確認パケット未受信か否か判定する(ステップS503)。送出確認パケットを受信している間、ステップS503の処理が繰り返される。
一方、復旧したエンコーダでは、送出確認パケットを前回受信してから一定期間を経過しても次の送出確認パケットを受信しなければ(ステップS503−Yes)、制御部20は現用系のエンコーダがIPパケットのIPネットワーク6への送出を停止したと判定する。そして制御部20は、最後に受信した送出確認パケットに含まれる位置情報を参照することにより、受信バッファに保存されているIPパケットのうちで、現用系のエンコーダが最後にIPネットワーク6へ送出したIPパケットを特定する(ステップS504)。制御部20は、特定したIPパケットを受信部17へ通知し、受信部17は、その特定されたIPパケットより後のIPパケットを順次送信部15へ出力する。
そして復旧したエンコーダの送信部15は、特定されたIPパケットより後の各IPパケットの宛先アドレスを映像情報源に対応するアドレスに書き換える(ステップS505)。そして送信部15は、各IPパケットのIPネットワーク6への送出を開始する(ステップS506)。
これにより、待機系のエンコーダが復旧した際に、IPネットワーク6に送出される映像信号に欠落を生じさせることなく、現用系のエンコーダから、復旧した待機系のエンコーダがその映像信号のIPネットワーク6への送出を引き継ぐことができる。
上記の障害発生時または復旧時の映像信号の切替処理により、符号化システム1は、IPネットワーク6に送出される映像信号に欠落を生じさせることなく、映像信号が通る経路を切り替えることができる。さらに符号化システム1は、何れかのエンコーダで障害が発生した後に、さらに他のエンコーダで障害が発生しても、IPネットワーク6に送出される映像信号が欠落することを防止するために、各エンコーダの再配置を行う。
図15は、何れかのエンコーダにおいて障害が発生した場合における、各エンコーダの再配置処理の動作フローチャートである。
何れかのエンコーダにおいて障害が発生した場合、その障害が発生したエンコーダと同一のグループに属するエンコーダが障害検知及びエンコーダ切替処理を実行する(ステップS601)。例えば、図3に示されるように、現用系のエンコーダに障害が発生した場合、その現用系のエンコーダからIPパケットを受信していた待機系のエンコーダが、図10に示した動作フローに従って障害検知及びエンコーダ切替処理を実行する。また、図4に示されるように、待機系のエンコーダに障害が発生した場合、その待機系のエンコーダへIPパケットを送出していた現用系のエンコーダが、図11に示した動作フローに従って障害検知及びエンコーダ切替処理を実行する。なお、以下では、便宜上、障害検知及びエンコーダ切替処理を実行するエンコーダを、マスターエンコーダと呼ぶ。
その後、マスターエンコーダは、管理テーブルを参照して、自装置が符号化する映像信号を供給する映像情報源の優先度よりも低い優先度を持つ映像情報源が有るか否か判定する(ステップS602)。自装置が符号化する映像信号を供給する映像情報源の優先度より低い優先度を持つ映像情報源が有る場合(ステップS602−Yes)、マスターエンコーダは自装置が属するグループを優先度の低い映像情報源に対応するグループと統合する(ステップS603)。そしてマスターエンコーダは、統合したグループ内の全現用系のエンコーダが同一グループ内の待機系のエンコーダを経由してIPケットを送出するよう管理テーブルを更新する(ステップS604)。
図16は、図3に示されるように、優先度が相対的に高い映像情報源に対応する現用系のエンコーダ3−1に障害が発生した場合における、更新後の管理テーブルの一例を示す図である。管理テーブル1600を、図9に示された管理テーブル900と比較すると、全てのエンコーダがグループ'1'に属するように変更されていること、及び、最下行のエンコーダ3−6が全ての映像情報源に対する待機系のエンコーダとなるように変更されている。さらに、最上位行のエンコーダ3−1のエンコーダステータスが障害発生状態を表す'2'に変更されている。
再度図14を参照すると、マスターエンコーダは、更新した管理テーブルを含む制御用パケットを生成し、その制御用パケットを、スイッチングハブ4を介して符号化システム内の全エンコーダへ配信する(ステップS605)。
全エンコーダは、更新した管理テーブルに従って経路切り替え処理を実行する(ステップS606)。この場合、あるエンコーダと、そのエンコーダに対して新たに待機系のエンコーダとして機能するエンコーダとは、図14に示された待機系のエンコーダの復旧時の経路切替処理の動作フローに従って、映像信号の経路を切り替えることができる。この場合、待機系のエンコーダとして機能するエンコーダが、図14に示された動作フローにおける復旧する方のエンコーダに相当する。
一方、ステップS602において、自装置が符号化する映像信号を供給する映像情報源の優先度よりも低い優先度を持つ映像情報源が無い場合(ステップS602−No)、マスターエンコーダはグループを変更しない。そしてマスターエンコーダは、障害が発生したエンコーダが未使用となるように管理テーブルを更新する(ステップS607)。そしてマスターエンコーダは更新した管理テーブルを符号化システム内の全エンコーダへ配信する(ステップS608)。
図17は、優先度が相対的に低い映像情報源に対応する現用系のエンコーダ3−3に障害が発生した場合における、更新後の管理テーブルの一例を示す図である。管理テーブル1700を、図9に示された管理テーブル900と比較すると、行1701に示されたエンコーダ3−3のエンコーダステータスが障害発生状態を表す'2'に変更されている。また最下行に示されたエンコーダ3−6が現用系のエンコーダとなるように変更されている。
ステップS606またはS608の後、符号化システム1は、再配置処理を終了する。
なお、一つの待機系のエンコーダに対して複数の現用系のエンコーダが設定されていることがある。このような場合、待機系のエンコーダに障害が発生すると、複数の現用系のエンコーダがそれぞれ別個にその待機系のエンコーダの障害発生を検知できる。そこでこのような場合、その複数の現用系のエンコーダのうち、予め設定された何れか一つのエンコーダがマスターエンコーダとなって、ステップS601〜S608の処理を実行する。障害発生を検知した他のエンコーダは、ステップS601の障害検知及び経路切替処理のみを実行すればよい。
以上に説明してきたように、この符号化システムは、何れかのエンコーダに障害が発生した後に、その障害が発生したエンコーダにより符号化されていた映像信号が現用系と待機系のエンコーダを経由するように、使用可能なエンコーダの再配置を行う。そのため、この符号化システムは、さらに他のエンコーダに障害が発生しても、IPネットワークへ送出される映像信号に欠落が生じることを防止できる。またこの符号化システムでは、待機系のエンコーダが複数の映像信号を扱うことができるので、エンコーダの数が、映像信号を供給する映像情報源数の2倍よりも少なくて済む。さらにこの符号化システムでは、障害発生を検知したエンコーダが管理テーブルを更新し、その更新した管理テーブルに従って、全てのエンコーダが扱う映像信号を自律的に切り替える。そのため、この符号化システムは、エンコーダ以外に、ネットワーク管理装置といった、エンコーダ間の接続関係を規定する外部の装置を必要としない。そのため、この符号化システムは、システム全体のコストを低減させることができる。
なお、変形例によれば、映像情報源に優先度が設定されていなくてもよい。この場合、障害発生を検知したエンコーダ(上記のマスターエンコーダ)は、全ての映像信号が現用系と待機系のエンコーダを経由するように、自装置が属するグループと他の映像情報源からの映像信号を符号化する他のグループとを統合してもよい。そしてマスターエンコーダは、統合したグループ内の全現用系のエンコーダが同一グループ内の待機系のエンコーダを経由してIPケットを送出するよう管理テーブルを更新してもよい。
また他の変形例によれば、各エンコーダは、複数の音源からそれぞれ供給されるオーディオ信号を符号化してもよい。オーディオ信号は、連続性を有する信号の他の一例である。この場合、各エンコーダは、オーディオ信号を例えば、MPEG-2 AACまたはMPEG-4 AACなどの符号化規格に従って符号化する。またこの例でも、各エンコーダの制御部は、オーディオ信号中でエンコーダの障害発生等により符号化が中断または停止した位置を特定するために、他のエンコーダから受信したIPパケット内の符号化オーディオ信号を復号する。そして制御部は、復号されたオーディオ信号と、マトリクススイッチを介して音源から取得し、バッファに記憶されているオーディオ信号との相互相関値を、時間をずらしつつ計算する。そして制御部は、相互相関値が最大となったときの復号されたオーディオ信号の終端の位置を、符号化が中断または停止した位置と判定する。
また他の変形例によれば、各エンコーダは、映像情報源から映像信号とともに供給されるオーディオ信号も符号化してもよい。この場合、各エンコーダは、符号化された映像信号の一部と符号化されたオーディオ信号の一部とを、一つのIPパケットに含めてもよい。
さらに他の変形例によれば、ルータが、スイッチングハブの代わりに、エンコーダ間のIPパケットまたは送出確認パケットなどの制御用パケットの転送を行ってもよい。この場合、スイッチングハブは省略される。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 符号化システム
2 マトリクススイッチ
3−1〜3−6 エンコーダ
4 スイッチングハブ
5 ルータ
6 IPネットワーク
10−1〜10−4 映像情報源
11−1〜11−4 映像入力端子
12−1〜12−4 バッファ
13 セレクタ
14 符号化部
15 送信部
151 送信バッファ
16 ネットワークインターフェース部
17 受信部
171 受信バッファ
18 復号部
19 記憶部
20 制御部

Claims (7)

  1. 複数の情報源から供給される連続性を有する信号を符号化して、該符号化された前記信号を通信ネットワークへ送出する符号化システムであって、
    前記信号を符号化し、該符号化された前記信号の一部を含むパケットを生成する複数のエンコーダと、
    前記複数の情報源からの前記信号を、前記複数のエンコーダのそれぞれに伝送するマトリクススイッチと、
    前記複数のエンコーダの何れかから送出された前記パケットを前記複数のエンコーダのうちの他のエンコーダまたは通信ネットワークへ転送するネットワークスイッチと、を有し、
    前記複数のエンコーダのそれぞれは、前記複数の情報源の何れかから供給される前記信号を符号化する第1のエンコーダと、前記第1のエンコーダのうちの少なくとも一つから出力された前記パケットを、前記ネットワークスイッチを介して受信して前記パケットを前記通信ネットワークへ転送し、一方、前記第1のエンコーダのうちの何れかに障害が発生した場合に当該第1のエンコーダが符号化する前記信号を当該第1のエンコーダの代わりに符号化して前記パケットを生成し、当該パケットを前記ネットワークスイッチを介して前記通信ネットワークへ送出する第2のエンコーダとに分類され、
    前記複数の情報源のうちの何れかからの前記信号が経由する前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダのうちの一方に障害が発生したときに、当該第1のエンコーダと当該第2のエンコーダのうちの他方のエンコーダが該障害の発生を検知すると、該他方のエンコーダが、障害が発生したエンコーダを除く前記複数のエンコーダのそれぞれを前記複数の情報源のそれぞれに対する前記第1のエンコーダ及び前記第2のエンコーダとして再配置するとともに、該再配置の結果を前記複数のエンコーダのそれぞれに通知し、
    前記複数のエンコーダのそれぞれは、前記再配置の結果に従って、前記複数の情報源の何れかから供給された前記信号についての前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダとなる、符号化システム。
  2. 前記複数のエンコーダの数は、前記複数の情報源の数よりも2以上多く、かつ、前記複数の情報源の数の2倍よりも少なく、
    前記第2のエンコーダの少なくとも一つは複数の前記第1のエンコーダからの前記パケットを前記通信ネットワークへ転送する、請求項1に記載の符号化システム。
  3. 前記障害の発生を検知した前記他方のエンコーダは、前記障害が発生したエンコーダを経由していた信号についても前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダとを経由するように、前記障害が発生したエンコーダを除く前記複数のエンコーダのそれぞれを再配置する、請求項1または2に記載の符号化システム。
  4. 前記複数の情報源のそれぞれには優先度が設定されており、
    前記障害の発生を検知した前記他方のエンコーダは、前記障害が発生したエンコーダを経由していた第1の信号を供給する前記情報源の優先度よりも低い優先度を持つ前記情報源について設定されている前記第2のエンコーダを前記第1の信号についての前記第2のエンコーダとするように前記複数のエンコーダのそれぞれを再配置する、請求項1または2に記載の符号化システム。
  5. 前記第2のエンコーダは、前記第1のエンコーダから前記第1の期間に渡って前記パケットを受信できないと、前記第1のエンコーダに障害が発生したと判定する制御部を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の符号化システム。
  6. 前記第2のエンコーダは、
    前記第1のエンコーダから前記パケットを受信する度に、当該受信したパケットを前記第1の期間よりも長い第2の期間記憶する第1のメモリと、
    前記マトリクススイッチを介して前記第1のエンコーダにより符号化される前記信号を取得する入力端子と、
    前記入力端子を介して取得された前記信号を前記第1の期間よりも長い第3の期間記憶する第2のメモリと、
    前記制御部が前記第1のエンコーダに障害が発生したと判定すると当該第1のメモリに記憶されている前記パケットに含まれる符号化された前記信号を復号する復号部と、
    前記第2のメモリに記憶されている前記信号の少なくとも一部を符号化する符号化部とを有し、
    前記制御部は、復号された前記信号と前記第2のメモリに記憶されている前記信号とを比較することによって、前記第1のエンコーダに障害が発生する前に最後に符号化された前記信号中の位置を特定し、前記第2のメモリに記憶されている前記信号のうち、該特定された位置以降の信号を前記符号化部に符号化させる、請求項5に記載の符号化システム。
  7. 複数の情報源から供給される連続性を有する信号を符号化し、該符号化された前記信号の一部を含むパケットを生成する複数のエンコーダと、前記複数の情報源からの前記信号を、前記複数のエンコーダのそれぞれに伝送するマトリクススイッチと、前記複数のエンコーダの何れかから送出された前記パケットを前記複数のエンコーダのうちの他のエンコーダまたは通信ネットワークへ転送するネットワークスイッチとを有し、
    前記複数のエンコーダのそれぞれは、前記複数の情報源の何れかから供給される前記信号を符号化する第1のエンコーダと、前記第1のエンコーダのうちの少なくとも一つから出力された前記パケットを、前記ネットワークスイッチを介して受信して前記パケットを前記通信ネットワークへ転送し、一方、前記第1のエンコーダのうちの何れかに障害が発生した場合に当該第1のエンコーダが符号化する前記信号を当該第1のエンコーダの代わりに符号化して前記パケットを生成し、当該パケットを前記ネットワークスイッチを介して前記通信ネットワークへ送出する第2のエンコーダとに分類される符号化システムにおける、エンコーダ再配置方法であって、
    前記複数の情報源のうちの何れかの情報源からの前記信号が経由する前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダのうちの一方に障害が発生したときに、前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダのうちの他方のエンコーダが該障害の発生を検知すると、該他方のエンコーダが、障害が発生したエンコーダを除く前記複数のエンコーダのそれぞれを前記複数の情報源のそれぞれに対する前記第1のエンコーダ及び前記第2のエンコーダとして再配置するとともに、該再配置の結果を前記複数のエンコーダのそれぞれに通知し、
    前記複数のエンコーダのそれぞれは、前記再配置の結果に従って、前記複数の情報源の何れかから供給された前記信号についての前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダとなる、
    ことを含むエンコーダ再配置方法。
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