JPWO2013136748A1 - 無線装置 - Google Patents
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Abstract
アプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76から複数のデータを入力する。アプリケーション管理部78において入力した複数のデータのそれぞれには、複数種類規定された優先度のうちのいずれかが付与されている。生成部66は、入力した複数のデータをもとに、複数のパケット信号を生成する。ここで、生成部66は、優先度をもとに、ひとつのパケット信号に、ふたつ以上のデータを集約させながら格納する。処理部56、変復調部54、RF部52は、生成した複数のパケット信号を順次報知する。
Description
本発明は、通信技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を報知する無線装置に関する。
安全運転支援システムを実用化するために、車車間通信を行う車両用通信装置が使用される。車両用通信装置は、一定周期にて、各車両間で自車両の情報を送受信し合う情報交換型アプリケーションを実行する。このような情報交換型アプリケーションにおいて、通信エリア内に存在する車両台数が増加した場合、通信トラヒックが増加するため輻輳が発生し、車車間通信を十分行えず安全支援サービスを提供できなくなるおそれがある。これに対応するために、車両の危険な状況および通信路のトラヒック量に基づいて自車両の送信周期を制御したり、車両の危険度に基づいて、自車両の受信感度、送信電力、アンテナ指向性、周波数を再設定したりすることがなされる。しかしながら、これらの技術では、ひとつの情報交換型アプリケーションしか同時に実行できない。そこで、車車間通信において複数アプリケーションを利用するために、車両用通信装置には、複数のアプリケーション部と、下位プロトコル部との間にミドルウェア部が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
データを送信すべき周期は、アプリケーションごとに異なる。また、データのサイズも、アプリケーションごとに異なる。このようなアプリケーションごとに異なった要求を満たしながらも、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対するデータを効率的に送信することが望まれる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対するデータを効率的に送信する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、複数のデータを入力する入力部と、入力部において入力した複数のデータをもとに、複数のパケット信号を生成する生成部と、生成部において生成した複数のパケット信号を順次報知する報知部とを備える。入力部において入力した複数のデータのそれぞれには、複数種類規定された優先度のうちのいずれかが付与されており、生成部は、優先度をもとに、ひとつのパケット信号にふたつ以上のデータを集約させながら格納する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対するデータを効率的に送信できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
つまり、車車間通信として、端末装置は、車両の速度あるいは位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、前述の情報をもとに車両の接近等を認識する。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時間分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。
このような状況下において、前述のごとく、端末装置には、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対応したデータを送信することが望まれる。また、各アプリケーションのデータに対して要求される報知間隔およびサイズは異なる。これに対応するために、通信システムは、複数種類の優先度を規定し、各アプリケーションに対していずれかの優先度を付与する。ここでは、要求される報知間隔が短くなるほど、優先度が高くなる。端末装置は、優先度をもとに、複数のアプリケーションのデータをひとつのパケット信号に集約させて格納する。また、端末装置は、パケット信号に格納すべきデータのサイズを予め受けつけ、受けつけたサイズを最大値として、当該サイズ以下であるサイズのデータをパケット信号に格納する。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。ここでは、第1車両12aのみに示しているが、各車両12には、端末装置14が搭載されている。また、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外214が、エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。路車送信期間において、複数のパケット信号が報知されることもある。また、パケット信号には、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。なお、パケット信号には、路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する制御情報も含まれる。
端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア212に存在すると推定する。端末装置14は、エリア212に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号を報知する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、端末装置14は、エリア外214に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を報知する。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、制御部28、ネットワーク通信部30を含む。また、処理部26は、フレーム規定部32、選択部34、生成部36を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置14あるいは他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
フレーム規定部32は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム規定部32は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部32は、時刻の情報にて示されたタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。なお、フレーム規定部32は、復調結果から制御情報を検出し、検出した制御情報をもとにフレームを生成してもよい。このような処理は、他の基地局装置10によって形成されたフレームのタイミングに同期したフレームを生成することに相当する。
図3(a)−(d)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。これは、端末装置14が報知に使用可能なサブフレームを複数時間多重することによってフレームが形成されているといえる。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。図3(b)−(d)の説明は、後述し、図2に戻る。
選択部34は、フレームに含まれた複数のサブフレームのうち、路車送信期間を設定すべきサブフレームを選択する。具体的に説明すると、選択部34は、フレーム規定部32にて規定されたフレームを受けつける。また、選択部34は、図示しないインターフェイスを介して、選択したサブフレームに関する指示を受けつける。選択部34は、指示に対応したサブフレームを選択する。これとは別に、選択部34は、自動的にサブフレームを選択してもよい。その際、選択部34は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは端末装置14からの復調結果を入力する。選択部34は、入力した復調結果のうち、他の基地局装置10からの復調結果を抽出する。選択部34は、復調結果を受けつけたサブフレームを特定することによって、復調結果を受けつけていないサブフレームを特定する。
これは、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレーム、つまり未使用のサブフレームを特定することに相当する。未使用のサブフレームが複数存在する場合、選択部34は、ランダムにひとつのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、選択部34は、復調結果に対応した受信電力を取得し、受信電力の小さいサブフレームを優先的に選択する。
図3(b)は、第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置14がパケット信号を報知可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号を報知可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置14がパケット信号を報知可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図3(c)は、第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(d)は、第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。図2に戻る。選択部34は、選択したサブフレームの番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、選択部34から、サブフレームの番号を受けつける。生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームに路車送信期間を設定し、路車送信期間において報知すべきパケット信号を生成する。ひとつの路車送信期間において複数のパケット信号が送信される場合、生成部36は、それらを生成する。パケット信号は、制御情報、ペイロードによって構成されている。制御情報には、路車送信期間を設定したサブフレーム番号等が含まれる。また、ペイロードには、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。これらのデータは、ネットワーク通信部30によって、図示しないネットワーク202から取得される。処理部26は、変復調部24、RF部22に対して、路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信させる。制御部28は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。処理部56は、タイミング特定部60、転送決定部62、取得部64、生成部66、ユーザIF部68、通知部70、アプリケーション処理部76、アプリケーション管理部78を含む。また、タイミング特定部60は、抽出部72、キャリアセンス部74を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。ここでは差異を中心に説明する。
変復調部54、処理部56は、受信処理において、図示しない他の端末装置14あるいは基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、前述のごとく、変復調部54、処理部56は、路車送信期間において、基地局装置10からのパケット信号を受信し、車車送信期間において、他の端末装置14からのパケット信号を受信する。
抽出部72は、変復調部54からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。具体的に説明すると、抽出部72は、パケット信号に含まれた制御情報をもとに、基地局装置10からのパケット信号であるか否かを判定する。また、抽出部72は、サブフレームのタイミングと、制御情報に含まれたタイミング情報とをもとに、フレームを生成する。その結果、抽出部72は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。パケット信号の報知元が、他の端末装置14である場合、抽出部72は、同期したフレームの生成処理を省略する。
抽出部72は、制御情報をもとに、使用されている路車送信期間を特定した後、残りの車車送信期間を特定する。抽出部72は、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報をキャリアセンス部74へ出力する。これは、図1のエリア212内での動作に相当する。一方、抽出部72は、基地局装置10からのパケット信号を受けつけていない場合、つまり基地局装置10に同期したフレームを生成していない場合、フレームの構成と無関係のタイミングを選択する。抽出部72は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択すると、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行をキャリアセンス部74に指示する。これは、図1のエリア外214での動作に相当する。
キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつける。キャリアセンス部74は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。一方、キャリアセンス部74は、抽出部72から、キャリアセンスの実行を指示された場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。キャリアセンス部74は、決定した送信タイミングを変復調部54、RF部52へ通知し、パケット信号をブロードキャスト送信させる。
転送決定部62は、制御情報の転送を制御する。転送決定部62は、制御情報のうち、転送対象となる情報を抽出する。転送決定部62は、抽出した情報をもとに、転送すべき情報を生成する。ここでは、この処理の説明を省略する。転送決定部62は、転送すべき情報、つまり制御情報のうちの一部を生成部66に出力する。生成部66は、アプリケーション管理部78からデータを受けつけ、転送決定部62から制御情報の一部を受けつける。アプリケーション管理部78から受けつけるデータについては後述する。生成部66は、受けつけた制御情報の一部を制御情報に格納し、データをペイロードに格納することによって、パケット信号を生成する。
取得部64は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部64は、位置情報をアプリケーション処理部76へ出力する。
アプリケーション処理部76は、複数種類のアプリケーションを実行可能である。各アプリケーションは、複数の端末装置14間において実行される。つまり、送信側の端末装置14はデータを生成して、当該データが格納されたパケット信号を報知し、受信側の端末装置14はパケット信号を受信して、パケット信号に含まれたデータをもとに所定の処理を実行する。そのため、ひとつのアプリケーションは、送信側の処理(以下、「送信側アプリケーション」という)と、受信側の処理(以下、「受信側アプリケーション」という)に分けられる。ここで、ひとつの端末装置14において実行される送信側アプリケーションと受信側アプリケーションとは、一致しなくてもよい。以下では、送信側アプリケーションと受信側アプリケーションとは、アプリケーションと総称されることもある。
複数種類のアプリケーションは、次のように分類される。ひとつ目は、共通アプリケーションである。共通アプリケーションとは、他の車両12の接近を運転者に警告するためのアプリケーションであり、すべての端末装置14において実行される。アプリケーション処理部76は、共通アプリケーションにおける送信側アプリケーションを実行する際、取得部64からの位置情報を入力する。また、アプリケーション処理部76は、位置情報を周期的にアプリケーション管理部78に出力する。一方、アプリケーション処理部76は、共通アプリケーションにおける受信側アプリケーションとして、他の端末装置14からのパケット信号に含まれた位置情報をアプリケーション管理部78から取得する。アプリケーション処理部76は、アプリケーション管理部78から取得した他の端末装置14の位置情報と、取得部64から入力した位置情報とをもとに、他の車両12の接近を検出する。アプリケーション処理部76は、他の車両12の接近を通知部70に通知させる。通知部70は、モニタあるいはスピーカを介して運転者への通知を実行する。
ふたつ目は、自由アプリケーションである。自由アプリケーションとは、すべての端末装置14ではなく、任意の端末装置14においてのみ実行される。複数の自由アプリケーションが同時に実行されてもよい。自由アプリケーションの登録要求は、ユーザIF部68を介して実行され、その登録可否は、アプリケーション管理部78においてなされる。ここで、各自由アプリケーションには、複数種類規定された優先度のうちのいずれかが付与されている。優先度は、自由アプリケーションのデータに対して要求される報知間隔をもとに決定される。
例えば、要求されるデータの報知間隔が短くなるほど高くなるような優先度が決定される。つまり、優先度が高くなるほど、リアルタイム性が高いといえる。一例として、ふたつのレベル「高」、「標準」が優先度として規定されている場合、優先度「高」のデータには、フレームごとの報知が要求され、優先度「標準」のデータには、フレームよりも長い間隔の報知が許容される。前述のごとく、フレームの期間は、例えば、100msecとして規定される。このような優先度も、自由アプリケーションの登録要求時に、ユーザIF部68を介して受けつけられる。
以上のような規定がなされている状況下において、アプリケーション処理部76は、登録が許可された自由アプリケーションにおける送信側アプリケーションを実行する際、生成したデータをアプリケーション管理部78に出力する。一方、アプリケーション処理部76は、受信側アプリケーションを実行する際、アプリケーション管理部78から受けつけたデータに対して、当該自由アプリケーションに応じた処理を実行する。
アプリケーション管理部78は、送信側アプリケーションに対する処理として、アプリケーション処理部76からの複数のデータを入力し、複数のデータに対するスケジューリングを実行する。アプリケーション管理部78は、複数のデータをもとに複数のパケット信号を生成させるために、スケジューリングした複数のデータを生成部66に出力する。なお、生成部66では、優先度をもとに、ひとつのパケット信号に、ふたつ以上のデータを集約させながら格納する。その際、生成部66が、低い優先度が付与されたデータよりも、高い優先度が付与されたデータを優先的にパケット信号に格納するように、アプリケーション管理部78は、スケジューリングを実行してもよい。
一方、アプリケーション管理部78は、受信側アプリケーションに対する処理として、抽出部72において受信したパケット信号に格納されたデータを受けつける。アプリケーション管理部78は、受けつけたデータのうち、アプリケーション処理部76において実行されている受信側アプリケーションに対応したデータをアプリケーション処理部76に出力する。また、アプリケーション管理部78は、他のデータを破棄する。
以下では、アプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78での処理を具体的に説明する。ここでは、(1)複数のアプリケーションに対する処理の全体像、(2)アプリケーション管理部78におけるスケジューリング処理、(3)アプリケーションの登録処理を順に説明する。
(1)複数のアプリケーションに対する処理の全体像
複数のアプリケーションに対する処理の全体像を説明するために、アプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78とが関係するプロトコルスタックを使用する。図5は、端末装置14でのプロトコルスタックを示す。上から2段のアプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78は、送信側の端末装置14に含まれているので、送信側アプリケーションに対する処理を実行している。それらにつづくアプリケーション管理部78とアプリケーション処理部76は、受信側の端末装置14に含まれるので、受信側アプリケーションに対する処理を実行している。送信側のアプリケーション処理部76は、複数種類のアプリケーションを実行する。ここでは、共通アプリケーション、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーションであるとする。アプリケーション処理部76は、各アプリケーションに対応したデータをアプリケーション管理部78に出力する。
複数のアプリケーションに対する処理の全体像を説明するために、アプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78とが関係するプロトコルスタックを使用する。図5は、端末装置14でのプロトコルスタックを示す。上から2段のアプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78は、送信側の端末装置14に含まれているので、送信側アプリケーションに対する処理を実行している。それらにつづくアプリケーション管理部78とアプリケーション処理部76は、受信側の端末装置14に含まれるので、受信側アプリケーションに対する処理を実行している。送信側のアプリケーション処理部76は、複数種類のアプリケーションを実行する。ここでは、共通アプリケーション、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーションであるとする。アプリケーション処理部76は、各アプリケーションに対応したデータをアプリケーション管理部78に出力する。
アプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76において起動されているアプリケーションを管理する。また、送信側のアプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76から受けつけた複数のデータに対するスケジューリングを実行する。スケジューリング処理については後述するが、アプリケーション管理部78は、複数のデータをひとつのパケット信号に格納するために、複数のデータを集約する。複数のデータを集約したパケット信号は、アプリケーション管理部78から出力される。
図6は、端末装置14によって生成されるパケット信号のフォーマットを示す。これは、アプリケーション管理部78から出力されるパケット信号のフォーマットであり、生成部66においてペイロードに格納される。先頭から順に、アプリケーションヘッダ、共通領域、自由領域が配置される。共通領域は、共通アプリケーションのために使用される領域であり、そこには、共通アプリケーション用データが格納される。自由領域は、自由アプリケーションのために使用される領域であり、自由アプリケーション用ヘッダ、自由アプリケーション用データに分けられる。自由アプリケーション用ヘッダには、アプリケーション数に関する情報に加えて、各自由アプリケーションに対する制御情報が含まれる。自由アプリケーションに対する制御情報は、アプリケーションID、データサイズを含む。ここで、データサイズは、後述の自由アプリケーションのデータに関する。自由アプリケーション用データには、各自由アプリケーションのデータを含む。なお、自由領域に含まれる自由アプリケーションの数は2に限定されない。図5に戻る。
受信側のアプリケーション管理部78は、複数のデータを集約したパケット信号を入力する。アプリケーション管理部78は、パケット信号に含まれた共通アプリケーション用のデータを抽出して、データをアプリケーション処理部76に出力する。また、アプリケーション管理部78は、後段のアプリケーション処理部76において起動されている自由アプリケーションを管理し、起動されている自由アプリケーションに対応したデータを抽出する。その際、データの抽出は、自由アプリケーション用ヘッダに含まれたアプリケーションIDをもとになされる。アプリケーション管理部78は、抽出したデータをアプリケーション処理部76に出力する。一方、アプリケーション管理部78は、残ったデータを破棄する。例えば、後段のアプリケーション処理部76では、第2自由アプリケーションは実行されていないので、アプリケーション管理部78は、第2自由アプリケーションのデータを破棄する。アプリケーション処理部76は、アプリケーション管理部78からのデータを受けつけ、データに対応したアプリケーションを実行する。ここでは、共通アプリケーション、第1自由アプリケーション、第3自由アプリケーションであるとする。
(2)アプリケーション管理部78におけるスケジューリング処理
図7は、アプリケーション管理部78による報知タイミングの割当て例を示す。前提として、端末装置14は、100msecのフレームにおいてひとつのパケット信号を報知しているとする。また、第1自由アプリケーションと第2自由アプリケーションの優先度が「高」として登録され、第3自由アプリケーションから第9自由アプリケーションの優先度が「標準」として登録されているとする。図示のごとく、各フレームにおいて報知されるパケット信号が「第1パケット信号」、「第2パケット信号」・・・と示される。また、図6の自由領域に割り当て可能なデータサイズが、「最大自由領域サイズ」と示される。
図7は、アプリケーション管理部78による報知タイミングの割当て例を示す。前提として、端末装置14は、100msecのフレームにおいてひとつのパケット信号を報知しているとする。また、第1自由アプリケーションと第2自由アプリケーションの優先度が「高」として登録され、第3自由アプリケーションから第9自由アプリケーションの優先度が「標準」として登録されているとする。図示のごとく、各フレームにおいて報知されるパケット信号が「第1パケット信号」、「第2パケット信号」・・・と示される。また、図6の自由領域に割り当て可能なデータサイズが、「最大自由領域サイズ」と示される。
第1パケット信号において、自由アプリケーション用ヘッダ、第1自由アプリケーションのデータ(以下、単に「第1自由アプリケーション」ということもあり、他の自由アプリケーションについても同様)が優先的に割り当てられる。これらは、第2パケット信号から第3パケット信号においても同様である。アプリケーション管理部78は、自由領域のうち、未割り当ての領域に他の自由アプリケーションを順番に割り当てる。例えば、ラウンドロビンによる割当てがなされる。その結果、アプリケーション管理部78は、第1パケット信号の最大自由領域サイズを超えないように、第3自由アプリケーション、第4自由アプリケーションを割り当てる。また、アプリケーション管理部78は、第2パケット信号に第5自由アプリケーションを割り当てる。なお、第2パケット信号に第6自由アプリケーションを割り当てた場合、データサイズが最大自由領域サイズを超えてしまうので、アプリケーション管理部78は、第6自由アプリケーションを第2パケット信号に割り当てない。
他のパケット信号に対しても同様の処理を実行するが、第5パケット信号に第4自由アプリケーションを割り当てた状態において、第5自由アプリケーションを割り当ててしまうと、データサイズが最大自由領域サイズを超えてしまう。一方、この状態において、第5自由アプリケーションの代わりに第6自由アプリケーションを割り当てても、データサイズが最大自由領域サイズを超えない。そのため、アプリケーション管理部78は、第5自由アプリケーションと第6自由アプリケーションとの順番を入れ替えることによって、第5パケット信号に第6自由アプリケーションを割り当て、第6パケット信号に第5自由アプリケーションを割り当てる。なお、入れ替え対象となる自由アプリケーションのパケット信号の間隔が大きくなると、遅延時間が大きくなってしまう。アプリケーション管理部78は、予め定められた間隔のパケット信号に格納されうる自由アプリケーションを入れ替えの対象とする。例えば、隣接したパケット信号間に格納されうる自由アプリケーションが入れ替えの対象とされる。図4に戻る。
(3)アプリケーションの登録処理
運転者は、図4のユーザIF部68を介してアプリケーション処理部76に、自由アプリケーションの起動を要求する。この要求が前述の登録要求に相当する。送信側アプリケーションが起動されると、パケット信号にて送信すべきデータ量が増加する。パケット信号によって送信可能なデータ量は有限であるので、すべての自由アプリケーションの起動を認めるべきでない。一方、各自由アプリケーションのデータに対して要求される報知間隔およびサイズは異なる。そのため、アプリケーション管理部78は、自由アプリケーションの登録要求時に、優先度と最大データサイズに関する情報も受けつける。アプリケーション管理部78は、優先度と最大データサイズとをもとに、要求された自由アプリケーションを起動するか否かを決定する。ここでは、優先度に応じた報知間隔を満たしながら、最大データサイズ以下のデータをパケット信号に格納できる場合、アプリケーション管理部78は、当該自由アプリケーションの起動を許可する。
運転者は、図4のユーザIF部68を介してアプリケーション処理部76に、自由アプリケーションの起動を要求する。この要求が前述の登録要求に相当する。送信側アプリケーションが起動されると、パケット信号にて送信すべきデータ量が増加する。パケット信号によって送信可能なデータ量は有限であるので、すべての自由アプリケーションの起動を認めるべきでない。一方、各自由アプリケーションのデータに対して要求される報知間隔およびサイズは異なる。そのため、アプリケーション管理部78は、自由アプリケーションの登録要求時に、優先度と最大データサイズに関する情報も受けつける。アプリケーション管理部78は、優先度と最大データサイズとをもとに、要求された自由アプリケーションを起動するか否かを決定する。ここでは、優先度に応じた報知間隔を満たしながら、最大データサイズ以下のデータをパケット信号に格納できる場合、アプリケーション管理部78は、当該自由アプリケーションの起動を許可する。
図8(a)−(c)は、アプリケーション管理部78によるアプリケーション登録が拒否される例を示す。図8(a)は、優先度「高」の自由アプリケーションが最大自由領域サイズを占有している場合である。優先度「高」の第1自由アプリケーションから第4自由アプリケーションが最大自由領域サイズを占有している場合、アプリケーション管理部78は、優先度「高」の第5自由アプリケーションの起動要求を拒否する。図8(b)は、優先度「高」の自由アプリケーションの占有率が高く、起動要求された自由アプリケーションのデータサイズをパケット信号に格納できない場合である。優先度「高」の第1自由アプリケーションから第3自由アプリケーションが割り当てられている。この状態において、アプリケーション管理部78は、第4自由アプリケーションを割り当てることによってデータサイズが最大自由領域サイズを超えてしまう場合、第4自由アプリケーションの起動要求を拒否する。この場合、アプリケーション管理部78は、ユーザIF部68を介して、受付可能なデータサイズに関する情報を返信する。
図8(c)は、優先度「標準」の自由アプリケーションの送信遅延が設定値を超えてしまう場合である。設定値は、例えば、1secのように定められる。ここでは、第1自由アプリケーションと第2自由アプリケーションとの優先度が「高」であり、他の自由アプリケーションの優先度が「標準」であるとする。第18自由アプリケーションを割り当てることによって、第3自由アプリケーションと第4アプリケーションとが第Nパケット信号に割り当てられなくなる場合、これらに対する最大遅延許容時間が満たされなくなる。そのため、アプリケーション管理部78は、第18自由アプリケーションの起動要求を拒否する。図4に戻る。処理部56、変復調部54、RF部52は、生成部66において生成した複数のパケット信号を順次報知する。制御部58は、端末装置14の動作を制御する。
これまで、2段階の優先度が規定されている。しかしながら、2段階よりも多くの優先度が規定されてもよい。ここでは、4段階の優先度が規定されている場合を説明する。例えば、優先度「1」に対して、100msecの報知間隔が要求され、優先度「2」に対して、200msecの報知間隔が要求され、優先度「3」に対して、500msecの報知間隔が要求され、優先度「4」に対して、1secの報知間隔が要求される。つまり、優先度「1」の優先度が最も高く、優先度「4」の優先度が最も低い。この場合も、アプリケーション管理部78は、優先度の高い自由アプリケーションに対する割当てを優先的に実行する。
図9は、アプリケーション管理部78による報知タイミングの別の割当て例を示す。第1自由アプリケーションの優先度が「1」であるので、すべてのパケット信号に第1自由アプリケーションが割り当てられる。また、第2自由アプリケーションから第4自由アプリケーションの自由度が「2」であるので、ふたつのパケット信号のうちのひとつに各自由アプリケーションが周期的に割り当てられる。さらに、第5自由アプリケーションから第7自由アプリケーションの自由度が「3」であるので、5つのパケット信号のうちのひとつに各自由アプリケーションが周期的に割り当てられる。最後に、第8自由アプリケーションから第11自由アプリケーションの自由度が「4」であるので、10のパケット信号のうちのひとつに各自由アプリケーションが周期的に割り当てられる。
このような状況下において、図4のアプリケーション管理部78は、優先度「1」の自由アプリケーションを追加して割り当てる場合、すべてのパケット信号のうち、最も空きの少ないパケット信号の空きサイズと、要求されたデータサイズとを比較して、割当て可否を判定する。図9の例では、第10パケット信号において空きが存在しないので、アプリケーション管理部78は、優先度「1」の自由アプリケーションの追加登録を拒否する。
優先度「2」の自由アプリケーションを追加して割り当てる場合、アプリケーション管理部78は、奇数番目のパケット信号あるいは偶数番目のパケット信号を割当て対象にする。図9においてアプリケーション管理部78は、第1パケット信号、第3パケット信号、第5パケット信号、第7パケット信号、第9パケット信号のうち、最も空いているパケット信号の空きサイズと、要求されたデータサイズとを比較して、割当て可否を判定する。
優先度「3」の自由アプリケーションを追加して割り当てる場合、アプリケーション管理部78は、図9において第1パケット信号と第5パケット信号のような500msecごとの組合せを5つ形成する。また、アプリケーション管理部78は、最も空いているパケット信号の空きサイズと、要求されたデータサイズとを比較して、割当て可否を判定する。優先度「4」の自由アプリケーションを追加して割り当てる場合、アプリケーション管理部78は、最も空いているパケット信号の空きサイズと、要求されたデータサイズとを比較して、割当て可否を判定する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図10は、アプリケーション管理部78による割当て手順を示すフローチャートである。登録要求があれば(S10のY)、アプリケーション管理部78は、優先度に対応したパケット信号を選択する(S12)。最大データサイズを格納可能であれば(S14のY)、アプリケーション管理部78は割当てを決定する(S18)。最大データサイズを格納可能でなくても(S14のN)、入れ替えが可能であれば(S16のY)、アプリケーション管理部78は割当てを決定する(S18)。入れ替えが可能でなければ(S16のN)、アプリケーション管理部78は、拒否を決定する(S20)。登録要求がなければ(S10のN)、ステップ12からステップ20の処理はスキップされる。
図11は、アプリケーション管理部78による解析手順を示すフローチャートである。アプリケーション管理部78は、取得したパケット信号に含まれたアプリケーションIDを取得する(S50)。アプリケーションIDに対応したアプリケーションが、アプリケーション処理部76において処理中のアプリケーションであれば(S52のY)、アプリケーション管理部78は、データをアプリケーション処理部76に出力する(S54)。ここで、アプリケーション処理部76において処理中のアプリケーションとは、受信側アプリケーションに相当する。一方、アプリケーションIDに対応したアプリケーションが、アプリケーション処理部76において処理中のアプリケーションでなければ(S52のN)、アプリケーション管理部78は、データを破棄する(S56)。
本発明の実施例によれば、優先度をもとにふたつ以上のデータをひとつのパケット信号に集約されるので、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対するデータを効率的に送信できる。また、要求されるデータの報知間隔が短くなるほど高くなるような優先度が付与されるので、要求されるデータの報知間隔に応じたデータの割当てを実現できる。また、優先度に加えて最大データサイズを考慮するので、報知間隔が異なり、かつデータサイズが異なる場合であってもデータの割当てを実現できる。高い優先度が付与されたデータを優先的に割り当てるので、報知周期の規定を満たしやすくできる。また、報知間隔が所定値以上にならない範囲でデータを入れ替えるので、データの送信効率を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の無線装置は、複数のデータを入力する入力部と、入力部において入力した複数のデータをもとに、複数のパケット信号を生成する生成部と、生成部において生成した複数のパケット信号を順次報知する報知部とを備える。入力部において入力した複数のデータのそれぞれには、複数種類規定された優先度のうちのいずれかが付与されており、生成部は、優先度をもとに、ひとつのパケット信号にふたつ以上のデータを集約させながら格納する。
この態様によると、優先度をもとにふたつ以上のデータをひとつのパケット信号に集約されるので、複数種類のデータを効率的に送信できる。
入力部において入力した複数のデータのそれぞれには、要求されるデータの報知間隔が短くなるほど高くなるような優先度が付与されていてもよい。また、要求されるデータの報知間隔が短くなるほど高くなるような優先度が付与されるので、要求されるデータの報知間隔に応じたデータの割当てを実現できる。
生成部は、低い優先度が付与されたデータよりも、高い優先度が付与されたデータを優先的にパケット信号に格納してもよい。また、高い優先度が付与されたデータを優先的に割り当てるので、報知周期の規定を満たしやすくできる。
10 基地局装置、 12 車両、 14 端末装置、 20 アンテナ、 22 RF部、 24 変復調部、 26 処理部、 28 制御部、 30 ネットワーク通信部、 32 フレーム規定部、 34 選択部、 36 生成部、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 転送決定部、 64 取得部、 66 生成部、 68 ユーザIF部、 70 通知部、 72 抽出部、 74 キャリアセンス部、 76 アプリケーション処理部、 78 アプリケーション管理部、 100 通信システム。
本発明によれば、複数種類のアプリケーションのそれぞれに対するデータを効率的に送信できる。
Claims (3)
- 複数のデータを入力する入力部と、
前記入力部において入力した複数のデータをもとに、複数のパケット信号を生成する生成部と、
前記生成部において生成した複数のパケット信号を順次報知する報知部とを備え、
前記入力部において入力した複数のデータのそれぞれには、複数種類規定された優先度のうちのいずれかが付与されており、
前記生成部は、優先度をもとに、ひとつのパケット信号にふたつ以上のデータを集約させながら格納することを特徴とする無線装置。 - 前記入力部において入力した複数のデータのそれぞれには、要求されるデータの報知間隔が短くなるほど高くなるような優先度が付与されていることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
- 前記生成部は、低い優先度が付与されたデータよりも、高い優先度が付与されたデータを優先的にパケット信号に格納することを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
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