(実施例1)
本発明の実施例1を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例1は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。ITSは、例えば、700MHz帯高度道路交通システムの標準規格(一般社団法人電波産業会)に規定されている。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
つまり、車車間通信として、端末装置は、車両の速度あるいは位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、前述の情報をもとに車両の接近等を認識する。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。
次に、本実施例の概略を説明する。端末装置には、複数種類のアプリケーション、特に周期的にデータが発生するアプリケーション(以下、「周期的アプリケーション」という)とバースト的にデータが発生するアプリケーション(以下、「バーストアプリケーション」という)との組合せを効率的に処理することが望まれる。周期的アプリケーションのデータを効率的に処理するために、当該データを送信するための領域が確保される。しかしながら、周期的アプリケーションであっても、必ずしもすべての送信機会にデータが発生するとは限らない。周期アプリケーションのデータが発生しない場合、当該周期アプリケーションのために確保されていた領域は、空き領域となってしまう。そのため、伝送効率が悪化する。これに対応するため、端末装置は、バーストアプリケーションからのデータを受けつけた場合、周期的アプリケーションに確保されていながらも、データを未格納である領域に、バーストアプリケーションからのデータを格納する。端末装置は、一定時間にわたって空き領域が得られなければエラーを返す。
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。ここでは、第1車両12aのみに示しているが、各車両12には、端末装置14が搭載されている。また、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外214が、エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。路車送信期間において、複数のパケット信号が報知されることもある。また、パケット信号には、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。なお、パケット信号には、路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する制御情報も含まれる。
端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア212に存在すると推定する。端末装置14は、エリア212に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号を報知する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、端末装置14は、エリア外214に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を報知する。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、制御部28、ネットワーク通信部30を含む。また、処理部26は、フレーム規定部32、選択部34、生成部36を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置14あるいは他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。例えば、無線周波数として、700MHz帯が使用される。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
フレーム規定部32は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム規定部32は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部32は、時刻の情報にて示されたタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。なお、フレーム規定部32は、復調結果から制御情報を検出し、検出した制御情報をもとにフレームを生成してもよい。このような処理は、他の基地局装置10によって形成されたフレームのタイミングに同期したフレームを生成することに相当する。
図3(a)−(d)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。これは、端末装置14が報知に使用可能なサブフレームを複数時間多重することによってフレームが形成されているといえる。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。図3(b)−(d)の説明は、後述し、図2に戻る。
選択部34は、フレームに含まれた複数のサブフレームのうち、路車送信期間を設定すべきサブフレームを選択する。具体的に説明すると、選択部34は、フレーム規定部32にて規定されたフレームを受けつける。また、選択部34は、図示しないインターフェイスを介して、選択したサブフレームに関する指示を受けつける。選択部34は、指示に対応したサブフレームを選択する。これとは別に、選択部34は、自動的にサブフレームを選択してもよい。その際、選択部34は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは端末装置14からの復調結果を入力する。選択部34は、入力した復調結果のうち、他の基地局装置10からの復調結果を抽出する。選択部34は、復調結果を受けつけたサブフレームを特定することによって、復調結果を受けつけていないサブフレームを特定する。
これは、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレーム、つまり未使用のサブフレームを特定することに相当する。未使用のサブフレームが複数存在する場合、選択部34は、ランダムにひとつのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、選択部34は、復調結果に対応した受信電力を取得し、受信電力の小さいサブフレームを優先的に選択する。
図3(b)は、第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置14がパケット信号を報知可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号を報知可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置14がパケット信号を報知可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図3(c)は、第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(d)は、第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。図2に戻る。選択部34は、選択したサブフレームの番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、選択部34から、サブフレームの番号を受けつける。生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームに路車送信期間を設定し、路車送信期間において報知すべきパケット信号を生成する。ひとつの路車送信期間において複数のパケット信号が送信される場合、生成部36は、それらを生成する。パケット信号は、制御情報、ペイロードによって構成されている。制御情報には、路車送信期間を設定したサブフレーム番号等が含まれる。また、ペイロードには、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。これらのデータは、ネットワーク通信部30によって、図示しないネットワーク202から取得される。処理部26は、変復調部24、RF部22に対して、路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信させる。制御部28は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。処理部56は、タイミング特定部60、転送決定部62、取得部64、生成部66、ユーザIF部68、通知部70、アプリケーション処理部76、アプリケーション管理部78を含む。また、タイミング特定部60は、抽出部72、キャリアセンス部74を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。ここでは差異を中心に説明する。
変復調部54、処理部56は、受信処理において、図示しない他の端末装置14あるいは基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、前述のごとく、変復調部54、処理部56は、路車送信期間において、基地局装置10からのパケット信号を受信し、車車送信期間において、他の端末装置14からのパケット信号を受信する。
抽出部72は、変復調部54からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。その際、抽出部72は、図1のエリア212内に存在すると推定する。抽出部72は、サブフレームのタイミングと、パケット信号のメッセージヘッダの内容をもとに、フレームを生成する。その結果、抽出部72は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。パケット信号の報知元が、他の端末装置14である場合、抽出部72は、同期したフレームの生成処理を省略する。抽出部72は、エリア212内に存在する場合、使用されている路車送信期間を特定した後、残りの車車送信期間を特定する。抽出部72は、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報をキャリアセンス部74へ出力する。
一方、抽出部72は、基地局装置10からのパケット信号を受けつけていない場合、つまり基地局装置10に同期したフレームを生成していない場合、図1のエリア外214に存在すると推定する。抽出部72は、エリア外214に存在する場合、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行をキャリアセンス部74に指示する。
キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつける。キャリアセンス部74は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。これは、路車送信期間に対してNAV(Network Allocation Vector)を設定し、NAVを設定した期間以外でキャリアセンスを実行することに相当する。一方、キャリアセンス部74は、抽出部72から、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行を指示された場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。キャリアセンス部74は、決定した送信タイミングを変復調部54、RF部52へ通知し、パケット信号をブロードキャスト送信させる。
転送決定部62は、制御情報の転送を制御する。転送決定部62は、制御情報のうち、転送対象となる情報を抽出する。転送決定部62は、抽出した情報をもとに、転送すべき情報を生成する。ここでは、この処理の説明を省略する。転送決定部62は、転送すべき情報、つまり制御情報のうちの一部を生成部66に出力する。生成部66は、アプリケーション管理部78からデータを受けつけ、転送決定部62から制御情報の一部を受けつける。アプリケーション管理部78から受けつけるデータについては後述する。生成部66は、受けつけた制御情報の一部を制御情報に格納し、データをペイロードに格納することによって、パケット信号を生成する。処理部56、変復調部54、RF部52は、生成部66において生成した複数のパケット信号を順次報知する。制御部58は、端末装置14の動作を制御する。
取得部64は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、GPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等は、端末装置14の外部にあってもよい。取得部64は、位置情報をアプリケーション処理部76へ出力する。
アプリケーション処理部76は、複数種類のアプリケーションを実行可能である。各アプリケーションは、複数の端末装置14間において実行される。つまり、送信側の端末装置14はデータを生成して、当該データが格納されたパケット信号を報知し、受信側の端末装置14はパケット信号を受信して、パケット信号に含まれたデータをもとに所定の処理を実行する。そのため、ひとつのアプリケーションは、送信側の処理(以下、「送信側アプリケーション」という)と、受信側の処理(以下、「受信側アプリケーション」という)に分けられる。ここで、ひとつの端末装置14において実行される送信側アプリケーションと受信側アプリケーションとは、一致しなくてもよい。以下では、送信側アプリケーションと受信側アプリケーションとは、アプリケーションと総称されることもある。
複数種類のアプリケーションは、次のように分類される。ひとつ目は、共通アプリケーションである。共通アプリケーションとは、他の車両12の接近を運転者に警告するためのアプリケーションであり、すべての端末装置14において実行される。アプリケーション処理部76は、共通アプリケーションにおける送信側アプリケーションを実行する際、取得部64からの位置情報を入力する。また、アプリケーション処理部76は、位置情報を周期的にアプリケーション管理部78に出力する。
一方、アプリケーション処理部76は、共通アプリケーションにおける受信側アプリケーションとして、他の端末装置14からのパケット信号に含まれた位置情報をアプリケーション管理部78から取得する。アプリケーション処理部76は、アプリケーション管理部78から取得した他の端末装置14の位置情報と、取得部64から入力した位置情報とをもとに、他の車両12の接近を検出する。アプリケーション処理部76は、他の車両12の接近を通知部70に通知させる。通知部70は、モニタあるいはスピーカを介して運転者への通知を実行する。ふたつ目は、自由アプリケーションである。自由アプリケーションは、すべての端末装置14ではなく、任意の端末装置14においてのみ実行される。複数の自由アプリケーションが同時に実行されてもよい。
以上のような規定がなされている状況下において、アプリケーション処理部76は、登録が許可された自由アプリケーションにおける送信側アプリケーションを実行する際、生成したデータをアプリケーション管理部78に出力する。一方、アプリケーション処理部76は、受信側アプリケーションを実行する際、アプリケーション管理部78から受けつけたデータに対して、当該自由アプリケーションに応じた処理を実行する。
アプリケーション管理部78は、送信側アプリケーションに対する処理として、ユーザIF部68から予めアプリケーション登録要求を受けつける。次に、アプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76からの複数のデータを入力し、複数のデータをもとにパケット信号を生成させるために、パケット信号生成の対象となる複数のデータを生成部66に出力する。アプリケーション管理部78によるデータの出力処理についての具体例は後述する。
一方、アプリケーション管理部78は、受信側アプリケーションに対する処理として、抽出部72において受信したパケット信号に格納されたデータを受けつける。アプリケーション管理部78は、受けつけたデータのうち、アプリケーション処理部76において実行されている受信側アプリケーションに対応したデータをアプリケーション処理部76に出力する。また、アプリケーション管理部78は、他のデータを破棄する。
以上をまとめると、通信システム100において、基地局装置10と端末装置14は、いずれも約100ms周期で通信を実行する。また、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。基地局装置10は、路車送信期間を確保するために、送信時刻および路車間通信期間情報をパケット信号に含めて、周囲の端末装置に通知する。エリア212内の端末装置14は、基地局装置10から受信した送信時刻に基づいて時刻同期し、路車間通信期間情報に基づき送信を停止することによって、路車送信期間以外のタイミングでCSMA/CAにてパケット信号を送信する。車車間通信のペイロードは共通アプリケーションのデータと自由アプリケーションのデータによって構成される。
以下では、アプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78での処理を具体的に説明する。まず、複数のアプリケーションに対する処理の全体像を説明するために、アプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78とが関係するプロトコルスタックを使用する。図5は、端末装置14でのプロトコルスタックを示す。上から2段のアプリケーション処理部76とアプリケーション管理部78は、送信側の端末装置14に含まれているので、送信側アプリケーションに対する処理を実行している。下から2段のアプリケーション管理部78とアプリケーション処理部76は、受信側の端末装置14に含まれるので、受信側アプリケーションに対する処理を実行している。送信側のアプリケーション処理部76は、複数種類のアプリケーションを実行する。ここでは、共通アプリケーション、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーション、第3自由アプリケーションであるとする。アプリケーション処理部76は、各アプリケーションに対応したデータをアプリケーション管理部78に出力する。
アプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76において起動されているアプリケーションを管理する。また、送信側のアプリケーション管理部78は、アプリケーション処理部76から複数のデータを受けつけ、ひとつのパケット信号に格納するために、複数のデータを集約する。複数のデータを集約したパケット信号は、アプリケーション管理部78から出力される。
受信側のアプリケーション管理部78は、複数のデータを集約したパケット信号を入力する。アプリケーション管理部78は、パケット信号に含まれた共通アプリケーション用のデータを抽出して、データをアプリケーション処理部76に出力する。また、アプリケーション管理部78は、後段のアプリケーション処理部76において起動されている自由アプリケーションを管理し、起動されている自由アプリケーションに対応したデータを抽出する。その際、データの抽出は、自由アプリケーション用ヘッダに含まれたアプリケーションIDをもとになされる。アプリケーション管理部78は、抽出したデータをアプリケーション処理部76に出力する。一方、アプリケーション管理部78は、残ったデータを破棄する。例えば、後段のアプリケーション処理部76では、第3自由アプリケーションは実行されていないので、アプリケーション管理部78は、第3自由アプリケーションのデータを破棄する。アプリケーション処理部76は、アプリケーション管理部78からのデータを受けつけ、データに対応したアプリケーションを実行する。ここでは、共通アプリケーション、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーション、第4自由アプリケーションであるとする。
以下では、自由アプリケーションを周期的アプリケーションとバーストアプリケーションに分類することもある。周期的アプリケーションとは、周期的にデータを送信すべきアプリケーションであり、バーストアプリケーションとは、非周期的にデータを送信すべきアプリケーションである。なお、自由アプリケーションが、周期的アプリケーションとバーストアプリケーションとを総称することもあれば、周期的アプリケーションとバーストアプリケーションとの一方を示すこともある。
図6は、アプリケーション管理部78の構成を示す。アプリケーション管理部78は、周期的アプリケーションデータ割当部160、バーストアプリケーションデータ割当部162を含む。周期的アプリケーションデータ割当部160は、周期的にデータを送信すべき周期的アプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する。周期的アプリケーションデータ割当部160は、登録要求に応じて領域を確保する。これは、周期的アプリケーションをスケジューリングすることに相当する。
図7は、アプリケーション管理部78によるタイミングの割当て例を示す。これは、周期的アプリケーションデータ割当部160によるスケジューリングに相当する。つまり、図7の第1自由アプリケーションから第8自由アプリケーションは、周期的アプリケーションに相当する。前提として、端末装置14は、100msecのフレームにおいてひとつのパケット信号を報知しているとする。また、第1自由アプリケーションと第2自由アプリケーションの送信間隔が「100msec間隔」として登録され、第3自由アプリケーションと第6自由アプリケーションの送信間隔が「200msec間隔」として登録され、第5自由アプリケーションの送信間隔が「500msec間隔」として登録され、第4自由アプリケーションの送信間隔が「1secにつき3回」として登録され、第7自由アプリケーションの送信間隔が「1secにつき2回」として登録され、第8自由アプリケーションと第9自由アプリケーションの送信間隔が「1secにつき1回」として登録されているとする。
第3自由アプリケーションから第9自由アプリケーションは、順にアプリケーション登録要求時の指定データサイズが大きいものとする。図示のごとく、各フレームにおいて報知されるパケット信号が「第1パケット信号」、「第2パケット信号」・・・と示される。さらに、周期的アプリケーションとバーストアプリケーションに割当て可能なデータサイズが、「最大自由領域サイズ」と示される。
第1パケット信号において、自由アプリケーション用ヘッダ、第1自由アプリケーションのデータ(以下、単に「第1自由アプリケーション」ということもあり、他の自由アプリケーションについても同様)が優先的に割り当てられる。これらは、第2パケット信号から第3パケット信号においても同様である。アプリケーション管理部78は、自由領域のうち、未割り当ての領域に他の自由アプリケーションを順番に割り当てる。
例えば、送信間隔が「100msec間隔」である自由アプリケーションは、スケジューリング方法によらずすべてのパケット信号に割り当てられる必要があることから、最初に第1自由アプリケーションと第2自由アプリケーションを割り当てる。次に、残りの自由アプリケーションのうちデータサイズの大きいものから順に、複数のパケット信号のうち残りの割当て可能なデータサイズの総和が最も大きいものの組合せを選択して割り当てる。ここで、第3自由アプリケーションの送信間隔が「200msec間隔」として登録されていることから、割当て可能なパケット信号の組合せは、奇数番目のパケット信号あるいは偶数番目のパケット信号の2通りである。
この段階では第1パケットから第10パケットの間でそれぞれ残りの割り当て可能なデータサイズが同じであるため、アプリケーション管理部78は、第3自由アプリケーションを奇数番目のパケット信号に割り当てる。次に、アプリケーション管理部78は、複数のパケット信号のうち、第4自由アプリケーションを割り当てるものを選択する。ここでは、複数のパケット信号のうち、偶数番目のパケット信号の残りの割当て可能なデータサイズが大きいため、それらのパケット信号のうち第2パケット信号と第4パケット信号と第6パケット信号を選択し、それぞれに第4自由アプリケーションを割り当てる。
つづく第5自由アプリケーション以降に対しても同様の処理を実行するが、自由アプリケーションを割り当てる際に、選択した複数のパケット信号のうちひとつでも最大自由領域サイズをこえてしまう場合、他のパケット信号の組合せを選択し、自由アプリケーションを割り当てる。このように、周期的アプリケーションデータ割当部160は、送信間隔あるいは単位時間あたりの送信回数と、一度に送信されるデータのサイズとにしたがって、アプリケーションのデータを格納するための領域をスケジューリングする。図6に戻る。
スケジューリングの終了後、つまり領域の確保後、周期的アプリケーションデータ割当部160は、確保した領域に格納するためのデータであって、かつ周期的アプリケーションのデータを順次入力する。周期的アプリケーションデータ割当部160は、パケット信号のうち、確保した領域に、順次入力した周期的アプリケーションのデータを格納する。当該パケット信号は、エリア212内にて車車送信期間において送信され、エリア外214にてフレーム構成とは無関係に送信される。
バーストアプリケーションデータ割当部162は、非周期にデータを送信すべきバーストアプリケーションのデータを入力する。バーストアプリケーションデータ割当部162は、周期的アプリケーションデータ割当部160において入力した登録要求によって未確保の領域のサイズが、バーストアプリケーションのデータのサイズ以上であれば、当該未確保の領域にデータを直ちに格納させる。一方、バーストアプリケーションデータ割当部162は、周期的アプリケーションデータ割当部160において入力した登録要求によって未確保の領域のサイズが、バーストアプリケーションのデータのサイズ以上でない場合、データをすぐにパケット信号に格納させずに、待機させる。バーストアプリケーションデータ割当部162は、周期的アプリケーションのデータの送信タイミングまでに当該周期的アプリケーションのデータが到来しなかった場合、当該周期的アプリケーションのために確保した領域をバーストアプリケーションのデータの送信に使用する。つまり、登録要求によって確保されながらも、周期的アプリケーションのデータを未格納である領域と、登録要求によって未確保の領域とを合わせた領域のサイズが、バーストアプリケーションのデータのサイズ以上であれば、バーストアプリケーションデータ割当部162は、バーストアプリケーションのデータをパケット信号に格納させる。
ここでは、バーストアプリケーションデータ割当部162の構成をさらに詳細に説明する。図8は、バーストアプリケーションデータ割当部162の構成を示す。バーストアプリケーションデータ割当部162は、入力部110、分類部112、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116、中優先度アプリケーション用データ蓄積部118、低優先度アプリケーション用データ蓄積部120、調節部122を含む。これは、アプリケーション管理部78、特にバーストアプリケーションデータ割当部162のうち、送信側アプリケーションを処理するための構成に相当する。
入力部110は、アプリケーション処理部76からのデータを順次入力する。入力されるデータは、アプリケーション処理部76において動作している複数のアプリケーションのそれぞれから出力されている。ここで、複数のアプリケーションには、バーストアプリケーションに相当する。各データには、アプリケーションを特定するための識別情報(以下、「アプリケーションID」という)、送信有効期限が付与されている。入力部110は、順次入力したデータを分類部112に出力する。
分類部112は、入力部110からのデータを入力する前に、ユーザIF部68を介してアプリケーション登録要求を受けつける。アプリケーション登録要求は、本端末装置14から送信すべきデータに対応したアプリケーションを登録するための要求である。ここでのアプリケーション登録要求は、バーストアプリケーションに対する要求であるとする。アプリケーション登録要求の際に、複数規定された送信の優先度のうちのいずれかが登録される。送信の優先度が高くなると、データが送信されやすくなり、送信の優先度が低くなると、データが送信されにくくなる。一例として、送信の優先度として、「高」、「中」、「低」が規定されている。
このような登録がなされた後、分類部112は、入力部110からのデータを入力する。このようなデータは、複数規定された送信の優先度のうちのいずれかに対応したデータであって、かつバーストアプリケーションからのデータであるといえる。分類部112は、登録された送信の優先度にしたがって、入力したデータを分類する。具体的に説明すると、分類部112は、優先度「高」のバーストアプリケーションのデータを高優先度アプリケーション用データ蓄積部116に出力し、優先度「中」のバーストアプリケーションのデータを中優先度アプリケーション用データ蓄積部118に出力し、優先度「低」のバーストアプリケーションのデータを低優先度アプリケーション用データ蓄積部120に出力する。
高優先度アプリケーション用データ蓄積部116は、データを入力し、調節部122から抽出されるまで、当該データを記憶する。つまり、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116は、FIFO(First−In First−Out)型のメモリである。中優先度アプリケーション用データ蓄積部118、低優先度アプリケーション用データ蓄積部120も、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116と同様に動作する。なお、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116、中優先度アプリケーション用データ蓄積部118、低優先度アプリケーション用データ蓄積部120のそれぞれにおける記憶量が異なっていてもよい。
調節部122は、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116、中優先度アプリケーション用データ蓄積部118、低優先度アプリケーション用データ蓄積部120のそれぞれから送信の優先度に応じてデータを抽出する。バーストアプリケーションのデータをパケット信号に格納可能である場合、調節部122は、高優先度アプリケーション用データ蓄積部116からデータを抽出する。高優先度アプリケーション用データ蓄積部116から抽出するデータがなく、かつバーストアプリケーションのデータをパケット信号に格納可能である場合、調節部122は、中優先度アプリケーション用データ蓄積部118からデータを抽出する。中優先度アプリケーション用データ蓄積部118からも抽出するデータがなく、かつバーストアプリケーションのデータをパケット信号に格納可能である場合、調節部122は、低優先度アプリケーション用データ蓄積部120からデータを抽出する。ここで、調節部122は、データを抽出する際に、パケット信号に未格納なデータのうち、送信有効期限をこえたデータを破棄してもよい。調節部122は、抽出したデータを生成部66に出力する。生成部66は、車車送信期間において送信すべきパケット信号にデータを格納する。
図9(a)−(b)は、アプリケーション管理部78の処理概要を示す。図9(a)は、バーストアプリケーションであるアプリケーションAのデータを格納させる前に確保された領域を示す。図示のごとく、自由アプリケーションヘッダ、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーション、第3自由アプリケーション、第7自由アプリケーションに対して領域が確保されている。これらのアプリケーションは、周期的アプリケーションに相当する。ここで、第1自由アプリケーション、第2自由アプリケーション、第7自由アプリケーションのデータはすでに格納されており、第3自由アプリケーションのデータは格納されていない。アプリケーションAのデータのサイズは、未確保の領域のサイズよりも大きい。
パケット信号の送信タイミングまで、第3自由アプリケーションのデータが到来しなければ、第3自由アプリケーションのために確保した領域が無駄になる。送信タイミングとは、パケット信号を送信するタイミングそのものではなく、パケット信号を送信するために、パケット信号にデータを格納しなければならないタイミングである。バーストアプリケーションデータ割当部162は、図9(b)のごとく、アプリケーションAのデータをパケット信号に格納させる。なお、第3自由アプリケーションのために確保した領域と、未確保の領域とを合わせた領域のサイズは、アプリケーションAのデータのサイズよりも大きい。
図10は、アプリケーション管理部78の別の処理概要を示す。これは、図9(a)と同様に領域が確保されているが、第3自由アプリケーションのデータも送信タイミングまでに到来している場合に相当する。そのため、アプリケーションAのデータは、パケット信号に格納されない。
図11は、端末装置14によって生成されるパケット信号のフォーマットを示す。これは、アプリケーション管理部78から出力されるパケット信号のフォーマットであり、生成部66においてペイロードに格納される。先頭から順に、アプリケーションヘッダ、共通領域、自由領域が配置される。共通領域は、共通アプリケーションのために使用される領域であり、そこには、共通アプリケーション用データが格納される。自由領域は、自由アプリケーションのために使用される領域であり、自由アプリケーション用ヘッダ、自由アプリケーション用データに分けられる。ここでの自由アプリケーションは、周期的アプリケーションであってもよく、バーストアプリケーションであってもよい。
自由アプリケーション用ヘッダには、アプリケーション数に関する情報に加えて、各自由アプリケーションに対する制御情報が含まれる。自由アプリケーションに対する制御情報は、アプリケーションID、データサイズを含む。ここで、データサイズは、後述の自由アプリケーションのデータに関する。自由アプリケーション用データには、各自由アプリケーションのデータを含む。なお、自由領域に含まれる自由アプリケーションの数は2に限定されない。
図11では、第1自由アプリケーション用のヘッダ、第2自由アプリケーション用のヘッダ、第1自由アプリケーション用のデータ、第2自由アプリケーション用のデータの順に配置されている。しかしながら、第1自由アプリケーション用のヘッダ、第1自由アプリケーション用のデータ、第2自由アプリケーション用のヘッダ、第2自由アプリケーション用のデータの順に配置されてもよい。つまり、ひとつの自由アプリケーションに対するヘッダとデータとが連続して配置されてもよい。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図12は、アプリケーション管理部78によるデータの格納手順を示すフローチャートである。バーストアプリケーションデータ割当部162は、バーストアプリケーションデータを受けつける(S10)。データサイズ<未確保領域サイズでなく(S12のN)、データサイズ<(未確保領域サイズ+未格納領域サイズ)でなければ(S14のN)、処理は終了される。一方、データサイズ<未確保領域サイズである場合(S12のY)、あるいはデータサイズ<(未確保領域サイズ+未格納領域サイズ)である場合(S14のY)、バーストアプリケーションデータ割当部162は、バーストアプリケーションデータをパケット信号に格納する(S16)。
本発明の実施例によれば、未確保の領域だけではなく未格納の領域にも、バーストアプリケーションのデータを格納するので、パケット信号における空き領域を低減できる。空き領域が低減されることによって、データを効率的に送信できる。また、未格納の領域にも、バーストアプリケーションのデータを格納するので、バーストアプリケーションのデータに対する伝送遅延を低減できる。また、周期的アプリケーションのデータのために領域を確保するとともに、未格納の領域にバーストアプリケーションのデータを格納するので、性質の異なったデータを効率的に処理できる。
また、バーストアプリケーションに対して、送信の優先度の高いデータから優先的にパケット信号に格納させるので、送信の優先度の高いデータの送信頻度を高くできる。また、送信の優先度の高いデータの送信頻度が高くなるので、送信機会が車車送信期間に限定される場合であっても、送信機会の低減を抑制できる。また、送信の優先度に応じた送信機会が実現されるので、送信機会が車車送信期間に限定される場合であっても、データ処理を効率的に実行できる。また、送信有効期限をこえたデータを破棄するので、不要なデータの送信を抑制できる。そのことによって、周波数の利用効率の悪化を抑制できる。また、送信の優先度に関係なく、共通アプリケーションのデータを周期的に送信するので、共通アプリケーションのデータの周期性を維持できる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。実施例2における端末装置は、実施例1と同様に、周期的アプリケーションのデータとバーストアプリケーションのデータとをパケット信号に格納する。ここでは、バーストアプリケーション用の領域が予め確保される。複数種類のバーストアプリケーションは、バーストアプリケーション用に確保された領域を共用する。実施例2に係る通信システム100、基地局装置10、端末装置14、アプリケーション管理部78は、図1、図2、図4、図6と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図6の周期的アプリケーションデータ割当部160は、実施例1と同様に、周期的アプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する。周期的アプリケーションデータ割当部160は、登録要求に応じて、領域を確保する。図13は、本発明の実施例2に係るアプリケーション管理部78によるタイミングの割当て例を示す。これは、図7と同様であるが、「バースト領域」が配置されている。バースト領域は、バーストアプリケーションのデータを格納するために確保される領域であり、複数種類のバーストアプリケーションによって共有される。このように、周期的アプリケーションデータ割当部160は、周期的アプリケーションのデータを格納するための領域を確保するタイミングにおいて、バースト領域を確保する。図6に戻る。周期的アプリケーションデータ割当部160は、実施例1と同様に、確保した領域に周期的アプリケーションのデータを格納させる。
バーストアプリケーションデータ割当部162は、バーストアプリケーションのデータを入力する。バーストアプリケーションデータ割当部162は、バーストアプリケーションのデータを図13のバースト領域に格納する。このようなバースト領域は、予め確保した共通領域ともいえる。
本発明の実施例によれば、周期的アプリケーションと同様に、バーストアプリケーション用の共通領域を予め確保するので、処理を簡易化できる。また、共通領域に、複数種類のバーストアプリケーションのデータを順に格納させるので、無駄な領域のサイズを低減できる。無駄な領域のサイズが低減することによって、伝送効率を改善できる。このように、処理を簡易化しながら、伝送効率を改善できる。
(実施例3)
実施例3は、これまでと同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。これまでは、周期的アプリケーションのデータとバーストアプリケーションのデータとをパケット信号に格納することを説明した。実施例3は、バーストアプリケーションのデータを割当可能な領域のサイズを取得することに関する。これは、実施例1、2の前段階の処理に相当する。周期的アプリケーションのデータが送信されるどうかわからない状況においては、送信タイミングまで正確な空き領域のサイズが把握されない。そのため、バーストアプリケーションに対して、送信可能なデータサイズが見積もられない。これに対応するために、実施例3に係る端末装置は、所定期間に含まれる複数のパケット信号のうち、周期的アプリケーションのために確保されていない領域のサイズの最大値を空き領域のサイズとして応答する。実施例3に係る通信システム100、基地局装置10、端末装置14は、図1、図2、図4と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図14は、本発明の実施例3に係るアプリケーション管理部78の構成を示す。アプリケーション管理部78は、第1入力部170、第2入力部172、出力部174を含む。図14では、アプリケーション管理部78のうち、実施例3に関連した構成が示されている。
第1入力部170は、アプリケーション処理部76から、周期的アプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する。アプリケーション管理部78は、登録要求に応じて領域を確保する。ここまでは、実施例1、2と同様の処理である。第2入力部172は、アプリケーション処理部76を介してユーザIF部68から、バーストアプリケーションのデータを格納可能なパケット信号中の領域のサイズを問い合わせるためのサイズ要求を入力する。
アプリケーション管理部78は、第2入力部172において入力したサイズ要求に対して、登録要求によって未確保の領域のサイズをもとに、空き領域のサイズを導出する。具体的に説明すると、アプリケーション管理部78は、所定のパケット信号のうち、第1入力部170において入力した登録要求によって未確保の領域のサイズを空き領域のサイズとする。例えば、1secの間に含まれる複数のパケット信号のそれぞれのうち、未確保の領域の最大値が空き領域のサイズとされる。
図15は、アプリケーション管理部78による処理概要を示す。図示のごとく、パケット信号は、100msec間隔で送信されるので、1secの間には10個のパケット信号が含まれる。各パケット信号における領域の割当は、図7と同様である。アプリケーション管理部78は、各パケット信号の未確保の領域のサイズを比較し、未確保の領域が最大である第7パケット信号を特定する。この未確保の領域が、図示のごとく、空き領域に相当する。図14に戻る。出力部174は、アプリケーション管理部78において導出した空き領域のサイズをアプリケーション処理部76に出力する。
本発明の実施例によれば、未確保の領域のサイズをもとに導出した空き領域のサイズを出力するので、バーストアプリケーションのデータを格納させるための空き領域のサイズを把握させることができる。また、未確保の領域のサイズを空き領域のサイズとするので、バーストアプリケーションのデータを確実に格納可能な領域のサイズを通知できる。バーストアプリケーションのデータを確実に格納可能な領域のサイズを通知するので、当該サイズに、送信が要求されるバーストアプリケーションのデータサイズがおさまることによって、その後の処理を簡易化できる。
(実施例4)
実施例4は、これまでと同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。実施例3では、所定期間に含まれる複数のパケット信号のうち、周期的アプリケーションのために確保されていない領域のサイズの最大値を空き領域のサイズとして応答している。実施例4に係る端末装置は、実施例3と比較して空き領域のサイズの導出方法が異なる。実施例4に係る端末装置は、サイズ要求を受けつけたタイミングにおいて、データを未格納の領域と、未確保の領域とを合わせた領域のサイズを空き領域のサイズとして応答する。つまり、領域を確保しながらもデータが格納されていなければ、その領域は空いていると見なされる。そのため、実施例4における空き領域は、実施例3における空き領域よりも大きくなる傾向にある。実施例4に係る通信システム100、基地局装置10、端末装置14、アプリケーション管理部78は、図1、図2、図4、図14と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
図14のアプリケーション管理部78は、所定のパケット信号のうち、登録要求によって確保されながらも、周期的アプリケーションのデータを未格納である領域と、登録要求によって未確保の領域とを合わせた領域のサイズを空き領域のサイズとする。なお、未格納である領域は、サイズ要求を入力したタイミングにおいて判定される。
図16は、本発明の実施例4に係るアプリケーション管理部78による処理概要を示す。各パケット信号における領域の割当は、図7と同様である。例えば、第5パケット信号の第9自由アプリケーションは、点線で囲まれているが、これは、領域が確保されながらも、サイズ要求を受けつけたタイミングにおいてデータが未格納であることを示す。第10パケット信号では、第6自由アプリケーション、第7自由アプリケーション、第8自由アプリケーションのために確保した領域が、未格納の領域になっている。第10パケット信号において、未格納の領域と未確保の領域とを合わせた空き領域が、第1パケット信号から第10パケット信号のうちの最大値になっている。そのため、出力部174は、第10パケット信号における空き領域のサイズをアプリケーション処理部76に出力する。
本発明の実施例によれば、サイズ要求を入力したタイミングでの空き領域のサイズを通知するので、データを格納可能な最大サイズを通知できる。また、最大サイズが通知されるので、データサイズが拡大されて、伝送効率を改善できる。
(実施例5)
実施例5は、これまでと同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。実施例5に係る端末装置は、実施例3、4と比較して空き領域のサイズの導出方法が異なる。実施例5に係る端末装置は、これまでの空き領域の実績値を空き領域のサイズとして応答する。例えば、実績値として平均値が使用される。実施例5に係る通信システム100、基地局装置10、端末装置14、アプリケーション管理部78は、図1、図2、図4、図14と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
アプリケーション管理部78は、入力した登録要求によって確保されながらも、周期的アプリケーションのデータを未格納である領域と、入力した登録要求によって未確保の領域とを合わせた領域のサイズであって、かつ所定の期間にわたる実績のサイズを空き領域のサイズとする。これは、1secの間に含まれる複数のパケット信号における空き領域の平均値に相当する。具体的に説明すると、アプリケーション管理部78は、1secに含まれる複数のパケット信号における空き領域の合計値を導出し、合計値をパケット信号数で除算することによって、平均値を導出する。
本発明の実施例によれば、過去の実績のサイズを通知するので、空き領域のサイズの推定精度を向上できる。また、空き領域のサイズの推定精度が向上するので、それに適したデータサイズを設定できる。データサイズが空き領域のサイズに近くなるので、伝送効率を向上できる。
(実施例6)
実施例6は、これまでと同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。実施例6に係る端末装置は、実施例4、5とを組み合わせた方法によって、空き領域のサイズを導出する。実施例6に係る通信システム100、基地局装置10、端末装置14、アプリケーション管理部78は、図1、図2、図4、図14と同様のタイプであり、ここでは差異を中心に説明する。
アプリケーション管理部78は、実施例4と同様に空き領域のサイズ(以下、「第1サイズ」という)を導出する。また、アプリケーション管理部78は、実施例5と同様に空き領域のサイズ(以下、「第2サイズ」という)を導出する。アプリケーション管理部78は、第1サイズと第2サイズとのうちの一方を選択し、選択した一方を空き領域のサイズとする。例えば、アプリケーション管理部78は、小さい方を選択する。なお、アプリケーション管理部78は、大きい方を選択してもよい。
本発明の実施例によれば、サイズ要求を入力したタイミングでの空き領域のサイズと、実績のサイズとのうちの大きい方を通知するので、データを格納可能な最大サイズを高精度で通知できる。また、サイズ要求を入力したタイミングでの空き領域のサイズと、実績のサイズとのうちの小さい方を通知するので、データを確実に格納可能なサイズを高精度で通知できる。
(実施例7)
実施例7も、これまでと同様に、車車間通信がなされるとともに、路車間通信もなされる通信システムに関する。これまでは、車両に搭載された端末装置において、自由アプリケーションが実行され、自由アプリケーションからのデータが当該端末装置から報知されている。実施例7では、端末装置が携帯無線装置に接続される。携帯無線装置は、自由アプリケーションを実行することによって、データを生成する。携帯無線装置は、生成したデータを端末装置に送信する。端末装置は、携帯無線装置からのデータをこれまでと同様に処理する。なお、自由アプリケーションには、周期的アプリケーションとバーストアプリケーションとが含まれる。
図17は、本発明の実施例7に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100では、一例として、ひとつの端末装置14に対して、携帯無線装置150と総称される第1携帯無線装置150a、第2携帯無線装置150bが接続される。端末装置14には、アンテナ50、近距離用アンテナ130が含まれ、第1携帯無線装置150aには、第1近距離用アンテナ152aが含まれ、第2携帯無線装置150bには、第2近距離用アンテナ152bが含まれる。ここで、第1近距離用アンテナ152a、第2近距離用アンテナ152bは、近距離用アンテナ152と総称される。なお、図17では、端末装置14と携帯無線装置150との接続を明確にするために、基地局装置10、他の端末装置14を省略している。また、携帯無線装置150は2台に限定されない。
端末装置14と携帯無線装置150とは、近距離用アンテナ130、近距離用アンテナ152を介して接続される。ここで、端末装置14と携帯無線装置150との接続には、例えば、近距離無線通信システムが使用される。なお、近距離無線通信システムではなく、無線LAN(Local Area Network)であってもよく、端末装置14と携帯無線装置150とが有線にて接続されてもよい。また、携帯無線装置150は、近距離無線通信システムの他に、携帯電話システムにも対応しており、図示しない携帯電話システム用の基地局装置と通信することによって、通話、電子メール、データ通信を実行する。さらに、携帯無線装置150は、スマートホンであってもよく、その際、所定のアプリケーションプログラムを実行してもよい。ここでは、端末装置14のアプリケーション処理部76の機能が携帯無線装置150に備えられていることによって、携帯無線装置150は、自由アプリケーションを実行する。携帯無線装置150は、自由アプリケーションを実行することによって生成したデータを端末装置14に出力する。
端末装置14のアプリケーション管理部78は、これまでと同様の処理を実行することによって、携帯無線装置150からのデータもパケット信号に格納して、当該パケット信号を報知する。また、端末装置14は、受信したパケット信号の中に、携帯無線装置150において実行されている自由アプリケーションのデータが含まれている場合、当該データを抽出して、携帯無線装置150に送信する。これまで、アプリケーション処理と管理とがひとつの端末装置14に含まれていたが、ここでは、それらが端末装置14と携帯無線装置150に分離されている。なお、本実施例において、端末装置14も、共通アプリケーションあるいは自由アプリケーションを実行してもよい。
図18は、端末装置14の構成を示す。端末装置14は、図4と比較して、近距離通信部132、近距離用アンテナ130を含む。近距離通信部132は、前述のごとく、近距離無線通信システムあるいは無線LANに対応した通信処理を実行することによって、近距離用アンテナ130を介して携帯無線装置150と通信する。近距離通信部132は、携帯無線装置150からのデータを受信すると、データをアプリケーション管理部78に出力する。当該データは、携帯無線装置150において実行された自由アプリケーションのデータである。これらは、送信側アプリケーションに対する処理に相当する。
また、近距離通信部132は、アプリケーション管理部78からのデータを入力すると、データを携帯無線装置150へデータを送信する。当該データは、携帯無線装置150において実行されている自由アプリケーションにて処理されるデータである。これらは、受信側アプリケーションに対する処理に相当する。なお、アプリケーション処理部76では、例えば、共通アプリケーションに対する処理が実行されている。
図19は、携帯無線装置150の構成を示す。携帯無線装置150は、近距離通信部154、携帯無線装置内アプリケーション管理部156、携帯無線装置内アプリケーション処理部158を含む。図19では、通信システム100での処理に関連する構成を示しており、携帯電話システムでの処理および所定のアプリケーションプログラムの処理に関連する構成は省略されている。
携帯無線装置内アプリケーション処理部158は、端末装置14でのアプリケーション処理部76と同様の処理を実行する。携帯無線装置内アプリケーション管理部156は、端末装置14のアプリケーション処理部76のうちの一部の処理、特に、アプリケーション管理部78とのインターフェイスに近い部分の処理を実行する。なお、携帯無線装置内アプリケーション管理部156が省略されてもよい。その際は、携帯無線装置内アプリケーション処理部158と近距離通信部154とが接続される。近距離通信部154は、近距離通信部132に対応した処理を実行する。
本発明の実施例によれば、端末装置と携帯無線装置とに処理を分散させるので、端末装置での処理量を低減できる。また、携帯無線装置を使用するので、実行すべきアプリケーションのバリエーションを拡大できる。また、ユーザによって通常使用されている携帯無線装置を通信システムに組み込むので、ユーザの利便性を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例1から7において端末装置14は、車両12に搭載されている。しかしながらこれに限らず例えば、端末装置14が歩行者に携帯されてもよい。本変形例によれば、端末装置14の適用領域を拡大できる。
本発明の実施例1から7において、送信の優先度が3段階とされている。しかしながらこれに限らず例えば、送信の優先度が3段階以外であってもよい。具体的には、2段階でもよく、4段階以上でもよい。本変形例によれば、処理の自由度を向上できる。
実施例1から7の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から7の任意の組合せによる効果を得ることができる。
なお、上記各実施例において、パケット信号は、700MHz帯高度道路交通システム標準規格に適合してもよい。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の端末装置は、周期的にデータを送信すべき第1種のアプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する第1入力部と、第1入力部において入力した登録要求をもとに確保した領域に格納するためのデータであって、かつ第1種のアプリケーションのデータを順次入力する第2入力部と、第2入力部において順次入力した第1種のアプリケーションのデータを、端末間通信が可能な期間において送信すべきパケット信号に格納させる制御部とを備える。第2入力部は、非周期にデータを送信すべき第2種のアプリケーションのデータも入力し、制御部は、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域と、第1入力部において入力した登録要求によって確保されながらも、第1種のアプリケーションのデータを未格納である領域とを合わせた領域のサイズが、第2入力部において入力した第2種のアプリケーションのデータのサイズ以上であれば、第2入力部において入力した第2種のアプリケーションのデータをパケット信号に格納させる。
この態様によると、未確保の領域だけではなく未格納の領域にも、第2種のアプリケーションのデータを格納するので、データを効率的に送信できる。
本発明の別の態様もまた、端末装置である。この装置は、周期的にデータを送信すべき第1種のアプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する第1入力部と、非周期的にデータを送信すべき第2種のアプリケーションのデータを格納可能なパケット信号中の領域のサイズを問い合わせるためのサイズ要求を入力する第2入力部と、第2入力部において入力したサイズ要求に対して、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域のサイズをもとに、空き領域のサイズを導出するアプリケーション管理部と、アプリケーション管理部において導出した空き領域のサイズを出力する出力部と、を備える。
この態様によると、未確保の領域のサイズをもとに導出した空き領域のサイズを出力するので、空き領域のサイズを把握させることができる。
アプリケーション管理部は、所定のパケット信号のうち、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域のサイズを空き領域のサイズとしてもよい。この場合、未確保の領域のサイズを空き領域のサイズとするので、確実にデータを格納可能な領域のサイズを通知できる。
アプリケーション管理部は、所定のパケット信号のうち、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域と、第1入力部において入力した登録要求によって確保されながらも、第1種のアプリケーションのデータを未格納である領域とを合わせた領域のサイズであって、かつ第2入力部がサイズ要求を入力したタイミングでのサイズを空き領域のサイズとしてもよい。この場合、サイズ要求を入力したタイミングでの空き領域のサイズを通知するので、最新のサイズを通知できる。
アプリケーション管理部は、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域と、第1入力部において入力した登録要求によって確保されながらも、第1種のアプリケーションのデータを未格納である領域とを合わせた領域のサイズであって、かつ所定の期間にわたる実績のサイズを空き領域のサイズとしてもよい。この場合、実績のサイズを通知するので、空き領域のサイズの推定精度を向上できる。
アプリケーション管理部は、(1)所定のパケット信号のうち、第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域と、第1入力部において入力した登録要求によって確保されながらも、第1種のアプリケーションのデータを未格納である領域とを合わせた領域の第1サイズであって、かつ第2入力部がサイズ要求を入力したタイミングでの第1サイズを導出するとともに、(2)第1入力部において入力した登録要求によって未確保の領域と、第1入力部において入力した登録要求によって確保されながらも、第1種のアプリケーションのデータを未格納である領域とを合わせた領域の第2サイズであって、かつ所定の期間にわたる実績の第2サイズも導出し、(3)第1サイズと第2サイズとのうちの選択した一方を空き領域のサイズとしてもよい。この場合、サイズ要求を入力したタイミングでの空き領域のサイズと、実績のサイズとのうちの一方を通知するので、データを格納可能なサイズを高精度で通知できる。
本発明のさらに別の態様もまた、端末装置である。この装置は、周期的にデータを送信すべき第1種のアプリケーションのデータをパケット信号に格納するための領域の確保に関する登録要求を入力する第1入力部と、第1入力部において入力した登録要求をもとに確保した領域に格納するためのデータであって、かつ第1種のアプリケーションのデータを順次入力する第2入力部と、第2入力部において順次入力した第1種のアプリケーションのデータを、端末間通信が可能な期間において送信すべきパケット信号に格納させる制御部とを備える。第2入力部は、非周期にデータを送信すべき第2種のアプリケーションのデータも入力し、制御部は、第1入力部において入力した登録要求によって確保した領域に、第2入力部において入力した第1種のアプリケーションのデータを格納するとともに、予め確保した共通領域に、第2入力部において入力した第2種のアプリケーションのデータを格納する。
この態様によると、共通領域を予め確保するので、処理を簡易化しながら、伝送効率を改善できる。