JPWO2013121571A1 - 電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれらの製造方法並びにこれらを用いた高電圧機器及び送配電機器 - Google Patents
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Abstract
充填材の分散性を向上し、一様な低熱膨張性及び機械的強度を維持するとともに、樹脂組成物又は樹脂硬化物の絶縁特性、特に、耐トリーイング特性を向上し、当該樹脂組成物又は樹脂硬化物を適用した高電圧機器及び送配電機器等の信頼性を高める。母材である絶縁樹脂1と、大粒径充填材2と、この大粒径充填材2よりも粒径が小さい小粒径充填材3とを含み、大粒径充填材2及び小粒径充填材3を絶縁樹脂1に分散した電気絶縁用樹脂組成物において、絶縁樹脂1と大粒径充填材2とは互いに親和性を有し、絶縁樹脂1と小粒径充填材3とは互いに親和性を有しない。
Description
本発明は、電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれらの製造方法並びにこれらを用いた高電圧機器及び送配電機器に関する。
モータやインバータ等の高電圧機器、変圧器や遮断器等の送配電機器等に適用される絶縁材料として絶縁樹脂が多用されている。特に、1970年代以降に開発が進められてきたエンジニアリングプラスチックは、それまでの樹脂よりも絶縁性、機械的特性、耐熱性及び耐候性に優れることから、適用範囲が広がっている。
一方で、絶縁樹脂単体としては、金属材料と比較して熱膨張率が大きいことから、絶縁樹脂の低熱膨張化を目的として、さらには、低コスト化や機械的強度向上の観点から、シリカやアルミナ等、熱膨張率が極めて小さく絶縁性を有する無機充填材が多量に添加される。しかしながら、近年の機器の更なる小型化により、絶縁樹脂に対しては、従来よりも熱的応力が増大する傾向にある。その結果、絶縁樹脂と導体金属との接着界面におけるはがれや樹脂割れの発生が問題となっている。
上記の問題に対しては、更なる充填材の添加によって対策が図られてきたが、過剰な充填材の添加は、樹脂粘度を大幅に増加させるために作業性が低下する。また、気泡等を巻き込みやすいことから、樹脂中ボイドや樹脂クラックが発生しやすい。加えて、そのようなボイドの内部においては、局所的な電界が大幅に上昇するために、絶縁樹脂内部あるいは絶縁樹脂と充填材との間に沿ってトリーと呼ばれる電気的パスが成長し、絶縁破壊に至る。
非特許文献1には、エポキシ樹脂にナノシリカを添加したシリカ/エポキシナノコンポジット樹脂の高強度化に関して、ナノシリカとして疎水性シリカを用いた場合に網目構造を形成されることが記載されている。
特許文献1には、極性を持つエポキシ樹脂に、極性を有する微細エラストマー粒子又は極性を有する分子を持つ液状エラストマー及び粒径が大きい無機化合物を分散した絶縁注型樹脂が開示されている。
特許文献2には、平均粒径0.5〜5μmの二酸化ケイ素及び一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸化ケイ素を含む電気絶縁用樹脂混合物が開示されている。
特許文献3には、1次粒径が1〜100μmのシリカ、アルミナ又はムライトからなるマイクロ粒子と、樹脂に対する親和性を有する1次粒径が1〜1000nmのナノ粒子とを含む絶縁用注型樹脂組成物が開示されている。
佐野ら:ナノコンポジット樹脂の強度解析技術の開発:平成23年電気学会全国大会論文集、2-072
一般に、親水性を有する材料と疎水性を有する材料とは、相分離する傾向にある。このため、例えば、疎水基によって改質された充填材を、親水基を側鎖に有する樹脂に添加した混合物である樹脂組成物の場合、充填材と樹脂との親和性が低いため、混合物の粘性抵抗力と浮力との合力が充填材の微粒子に働く重力以下であると、次第に充填材が沈降し始め、相分離が発生し易い。その結果、樹脂組成物又はこれを硬化して形成した樹脂硬化物における微粒子濃度が低い領域においては、絶縁性及び強度が向上しない。また、親和性が低い材料同士を強力な撹拌力で均一に分散させた場合、粘度が大幅に増加するため、多量に添加することは難しく、その結果、樹脂組成物又はこれを硬化して形成した樹脂硬化物の低熱膨張化や機械的特性を向上させることは困難である。
特許文献1〜3に記載されている樹脂組成物は、電気絶縁に用いるものであるが、母材となる樹脂における充填材の分散性を十分に考慮したものではなく、相分離の問題を確実に解決するものとは言い難い。
本発明の目的は、充填材の分散性を向上し、一様な低熱膨張性及び機械的強度を維持するとともに、樹脂組成物又は樹脂硬化物の絶縁特性、特に、耐トリーイング特性(耐トリー特性)を向上し、当該樹脂組成物又は樹脂硬化物を適用した高電圧機器及び送配電機器等の信頼性を高めることにある。
本発明は、母材である絶縁樹脂と、大粒径充填材と、この大粒径充填材よりも粒径が小さい小粒径充填材とを含む電気絶縁用樹脂組成物において、絶縁樹脂と大粒径充填材とは互いに親和性を有し、絶縁樹脂と小粒径充填材とは互いに親和性を有しないことを特徴とする。
本発明によれば、樹脂組成物の相分離を抑制し、低熱膨張性及び機械的特性を損ねることなく、耐トリーイング特性を向上することができる。この樹脂組成物を用いることにより、高電圧機器及び送配電機器の信頼性を向上することができる。
本発明は、母材となる絶縁樹脂と、絶縁樹脂中に分散した粒径の異なる2種類の充填材とを含む電気絶縁用樹脂組成物に関する。
本発明は、上記の2種類の充填材のうち、粒径が大きい充填材(大粒径充填材)と絶縁樹脂とが互いに親和性を有し、かつ、粒径が小さい充填材(小粒径充填材)と絶縁樹脂とが互いに親和性を有しないことが特徴である。
以下、本発明の実施形態に係る電気絶縁用樹脂組成物(単に「樹脂組成物」とも呼ぶ。)及びその硬化物(樹脂硬化物)並びにこれらの製造方法並びにこれらを用いた高電圧機器及び送配電機器について説明する。
前記電気絶縁用樹脂組成物は、母材である絶縁樹脂と、大粒径充填材と、この大粒径充填材よりも粒径が小さい小粒径充填材とを含み、大粒径充填材及び小粒径充填材は、絶縁樹脂に分散された状態であり、絶縁樹脂と大粒径充填材とは互いに親和性を有し、絶縁樹脂と小粒径充填材とは互いに親和性を有しない。
ここで、大粒径充填材は、低熱膨張性及び機械的特性(強度)を向上させるとともに、粘度の増加を抑制する作用を有する。また、大粒径充填材は、混練の際、小粒径充填材を絶縁樹脂に均一に分散するための微小な撹拌部材としての機能を有するとともに、小粒径充填材の配置を限定し、小粒径充填材の凝集を促進する作用を有する。
さらに、「親和性を有する」とは、2つの部材を混練(撹拌)して分散した後、それぞれが分離して凝集する傾向が小さいことをいう。一方、「親和性を有しない」とは、2つの部材を混練(撹拌)して分散した後、それぞれが分離して凝集する傾向が大きいことをいう。本明細書においては、「親和性を有しない」性質を溶解パラメータの差で表す場合もある。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、小粒径充填材は、網目状凝集体を形成していることが望ましい。「網目状凝集体」とは、小粒径充填材同士が凝集せずにデンドライト状の構造となったものをいう。この網目状凝集体は、トリーの進展を妨げる領域の連続性を高める作用を有する。本明細書においては、網目状凝集体の寸法として、デンドライト状の構造の枝の幅を長手方向に積分平均して得られる値を用いる場合もある。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、絶縁樹脂及び大粒径充填材は、親水性であることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、大粒径充填材は、絶縁樹脂に分散された状態における平均粒径が1〜500μmであり、かつ、絶縁樹脂100重量部に対して100〜567重量部の割合で混合されていることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、小粒径充填材は、絶縁樹脂に分散された状態における最小径が平均で1〜1000nmであり、かつ、絶縁樹脂100重量部に対して30重量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、絶縁樹脂と小粒径充填材との溶解パラメータの差が1.0(MPa)1/2以上であることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、絶縁樹脂は、エポキシ樹脂であることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、大粒径充填材は、シリカであることが望ましい。
前記電気絶縁用樹脂組成物において、小粒径充填材は、疎水性シリカ又はスチレンブタジエンラバーであることが望ましい。
前記樹脂硬化物は、電気絶縁用樹脂組成物を硬化して形成したものである。
前記高電圧機器は、電気絶縁用樹脂組成物で導体部を被覆した構成を有する。
前記送配電機器は、電気絶縁用樹脂組成物で導体部を被覆した構成を有する。
前記高電圧機器は、樹脂硬化物で導体部を被覆した構成を有する。
前記送配電機器は、樹脂硬化物で導体部を被覆した構成を有する。
前記電気絶縁用樹脂組成物の製造方法は、母材である絶縁樹脂に大粒径充填材及び小粒径充填材を混合し、混練することにより絶縁樹脂に分散することを特徴とする。ここで、絶縁樹脂と大粒径充填材とは互いに親和性を有し、絶縁樹脂と小粒径充填材とは互いに親和性を有しない。
前記樹脂硬化物の製造方法は、母材である絶縁樹脂に大粒径充填材及び小粒径充填材を混合し、混練することにより絶縁樹脂に分散し、脱泡し、加熱して硬化することを特徴とする。
絶縁樹脂としては、熱硬化性のエポキシ樹脂を主体とする樹脂、フェノール樹脂を主体とする樹脂、メラミン樹脂を主体とする樹脂、ユリア樹脂を主体とする樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を主体とする樹脂、アルキド樹脂を主体とする樹脂、ウレタン樹脂を主体とする樹脂、シリコーン樹脂を主体とする樹脂、熱可塑性のポリエチレン樹脂を主体とする樹脂、ポリプロピレンを主体とする樹脂、ポリ塩化ビニルを主体とする樹脂、ポリスチレン樹脂を主体とする樹脂、ポリ酢酸ビニルを主体とする樹脂、アクリル樹脂を主体とする樹脂、フッ素樹脂を主体とする樹脂、若しくはエラストマー樹脂を主体とする樹脂、又はこれらの変性物若しくは混合物を適用することができる。
また、大粒径充填材としては、絶縁性の酸化物、窒化物、水酸化物、炭酸塩若しくはケイ酸塩又はこれらに準ずる充填材或いはこれらの中から2種以上を選択して混合したものを適用することができる。上記に該当する汎用的な充填材としては、シリカ、アルミナ、ガラス繊維などがあげられる。これらは安価に入手可能であり、特に、アルミナは樹脂の熱伝導性を向上することを目的とする場合においては特に好ましい。
また、小粒径充填材としては、絶縁性の酸化物、窒化物、水酸化物、層状シリケート若しくは高分子化合物又はこれらに準ずる充填材或いはこれらの中から2種以上を選択して混合したものを適用することができる。
絶縁樹脂と同じ極性の大粒径充填材は、絶縁樹脂との相溶性が高いことから、絶縁樹脂中で均一に分散し、その結果、絶縁樹脂の熱膨張率が抑制され、かつ、機械的特性が向上する。また、一般に、極性の異なる材料同士は、相分離する傾向にあるが、本発明においては、大粒径充填材の添加により樹脂粘度を増加するため、大粒径充填材の間(粒子間)に小粒径充填材がトラップされ、小粒径充填材が絶縁樹脂中でマクロ的に均一に分散する。
さらに、小粒径充填材と絶縁樹脂との極性が異なる場合、小粒径充填材は、絶縁樹脂中の大粒径充填材の間で線状構造が互いに接した網目状の構造体を形成する。そのような網目構造は、絶縁樹脂の絶縁特性や機械的特性を向上させ、特に、耐トリーイング特性に関してはトリーの進展を食い止めることができる。その結果、従来の樹脂を用いた場合に発生していたトリーの進展を妨げることができ、耐トリーイング特性を大幅に向上することができる。
したがって、本発明によれば、従来と同等以上の低熱膨張性・機械的特性を保持しながらも、これまで以上に絶縁樹脂の耐トリーイング特性を向上することができる。
さらに、本発明において、絶縁樹脂中に分散した大粒径充填材は、平均粒径が1〜500μmであり、かつ、当該絶縁樹脂100重量部に対して100〜567重量部の割合で混合されていることが望ましい。
ここで、大粒径充填材の平均粒径とは、絶縁樹脂中に分散した状態における大粒径充填材の粒子それぞれの粒径の平均値をいい、図1A及び1Bに示す符号2の粒子に関するものである。粒径の測定方法については、特に限定するものではないが、本実施例においては、SEM画像の一定方向における1個の粒子の最大粒径をその粒子の粒径と定義して複数個の粒子の平均値を算出した。
例えば、大粒径充填材の平均粒径が500μmである場合、充填材の製造コストを低減することが可能である。充填材の平均粒径が小さくなるに従って、製造コストが増加する傾向にあるが、粒度分布を広くすることにより、大粒径充填材を高充填した場合においても低粘度化を実現可能である。この場合の望ましい粒度分布は、0.1μm〜100μmである。
大粒径充填材の添加量は、絶縁樹脂100重量部に対して、100重量部以上とすることにより絶縁樹脂の熱膨張率が低減され、機械的強度も向上する。さらに、絶縁樹脂よりも充填材が安価である場合、充填材を多く入れれば入れるほど、材量コストを安くすることができる。一方で、567重量部より多く添加した場合、樹脂粘度が大幅に増加するために、作業性の低下や絶縁樹脂内部でのボイドの発生につながり、その結果、機械的強度や絶縁性が低下する。したがって、樹脂コストを抑制し、かつ、従来と同等以上の機械的特性や絶縁性を保持するためにも100〜567重量部とすることが好ましい。
さらに、本発明において、絶縁樹脂中に分散した小粒径充填材は、平均粒径が1〜1000nmであり、かつ、絶縁樹脂100重量部に対して30重量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
一般に、ナノメートルオーダの充填材が絶縁樹脂中に分散した場合、表面エネルギーが大きいために凝集し易い。一方で、条件によっては、複数の線状構造が互いに接して網目構造を形成する。そのため、ここでいう小粒径充填材の平均粒径は、一次粒子で構成された充填材の場合は、一次粒子の粒径の平均値であり、一次粒子が判然としない場合、例えば、一体となったデンドライト状の網目構造が観察される場合は、デンドライト状の網目構造の枝の長手方向と垂直な幅の最小値をいい、図1Bの符号4に関するものである。粒径の測定方法については、特に限定するものではないが、実施例においては、SEM画像の長手方向に垂直な幅の積分平均をその粒子の平均粒径として算出した。
表1は、均一の球体粒子の場合であってその球状粒子が体積濃度2%で分散している系(樹脂組成物)における粒子半径と粒子間距離との関係及び粒子半径と粒子の比表面積との関係を示したものである。ここで、粒子間距離とは、隣り合う二つの粒子の球中心間の距離を指す。
本表より、粒子半径が小さくなるに従って、粒子間距離が減少し、比表面積が増加することがわかる。このことから、充填材の粒径を小さくすることにより、樹脂と充填材との相互作用領域(面積)が広がり、樹脂特性を大幅に向上することが可能である。
小粒径充填材の平均の最小径が1000nm以下である場合、樹脂と充填材との間及び充填材と充填材との間の相互作用領域が、大粒径充填材を添加した場合と比べて大幅に広がるため、樹脂との反応領域が拡大し、樹脂特性が大幅に変化する。一方で、小粒径充填材の平均の最小径が1nm以下となると、表面エネルギーが増加するため、樹脂中に容易に均一に分散しにくくなり、そのような充填材の製造コストも大幅に増加する。さらに、小粒径充填材を絶縁樹脂100重量部に対して30重量部以上添加した場合、絶縁樹脂との極性が異なるためにチクソ性による高粘度化が課題となる。
本発明の構成においては、大粒径充填材を併せて添加することから、過剰に小粒径充填材を添加すると、更なる粘度上昇を引き起こし、上記同様、機械的特性や絶縁特性が低下する。したがって、小粒径充填材の添加量は、樹脂100重量部に対して30重量部以下が望ましく、特に大粒径充填材が多量に添加されている場合においては10重量部以下とすることが望ましい。
さらに、本発明においては、絶縁樹脂と小粒径充填材との溶解パラメータ(SP値)の差が1.0(MPa)1/2以上であることが望ましい。
SP値(Solubility Parameter)は、異種材料間の混ざりやすさを表すパラメータであり、値が近いほど混ざりやすい性質を示す。一般に、SP値が大きいほど極性が大きいとされている。本発明においては、SP値の差が1.0(MPa)1/2以上である場合、絶縁樹脂と小粒径充填材との極性の差が大きくなり、効果が顕著となることを確認している。したがって、絶縁樹脂と小粒径充填材とのSP値の差は、1.0(MPa)1/2以上であることが望ましい。
さらに、本発明においては、絶縁樹脂及び大粒径充填材が親水性であり、かつ、小粒径充填材が疎水性であること、或いは、絶縁樹脂及び大粒径充填材が疎水性であり、かつ、小粒径充填材が親水性であることが望ましい。
親水性を示す材料としては、分子の主鎖あるいは側鎖に極性を有するヒドロキシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシル基などが有する材料が適用される。また、疎水性を示す材料としては、分子の主鎖あるいは側鎖にメチル基、メトキシ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基などを有する材料が適用される。一般に、極性が高い材料は親水性を示す。一方、極性が低い材料は疎水性を示す。その結果、絶縁樹脂と大粒径充填材とが同じ極性を有し、かつ、絶縁樹脂と小粒径充填材とが異なる極性を有することになるため、本発明と同様の構成となり、本発明の効果が得られる。
さらに、上述の電気絶縁用樹脂組成物は、モータやインバータ等の高電圧機器や、変圧器や遮断器等の送配電機器に適用することが可能である。
つぎに、絶縁特性の一つであるトリーイング特性の測定方法について説明する。
(トリーイング特性の測定方法)
電極針を樹脂組成物で固めた試料を複数個作製した。この試料の底部に導電性塗料を塗布し、試料を平板電極の表面に接着した。その後、シリコーン油中で、針と平板電極との間に7.5kVrms-50Hzの電圧を60000分印加した。途中の30000分経過時点および試験終了時点において、試料を1〜3個ほど抜き出し、光学顕微鏡にてトリーの進展距離を測定した。
電極針を樹脂組成物で固めた試料を複数個作製した。この試料の底部に導電性塗料を塗布し、試料を平板電極の表面に接着した。その後、シリコーン油中で、針と平板電極との間に7.5kVrms-50Hzの電圧を60000分印加した。途中の30000分経過時点および試験終了時点において、試料を1〜3個ほど抜き出し、光学顕微鏡にてトリーの進展距離を測定した。
電極針(トリー電極)は、オグラ宝石精機工業(株)製の直径1mm、先端の中心角30°、曲率半径5μmを用い、針電極の先端部から平板電極までのギャップは3mmとした。
以下、実施例及び比較例を用いて説明する。
親水性の絶縁樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂と、酸無水物硬化剤との混合物を90℃に予備加熱し、この混合物100重量部に対して、親水性の大粒径充填材(破砕シリカ、平均粒径100μm)を257重量部、疎水性の小粒径充填材である粒子状高分子化合物(側鎖にフェニル基を有する粒子状スチレンブタジエンラバー(Styrene Butadiene Rubber:SBR)、一次粒径100nm以下)を5重量部混合した。ここで、粒子状高分子化合物は、SP値が上記のエポキシ樹脂と1.0(MPa)1/2異なるものである。また、上記の混合物には、適宜、硬化促進剤を添加した。そして、90℃に保温した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。
その後、真空槽にて脱泡し、100℃、5h(5時間)及び170℃、7hの2段階の硬化条件で加熱し、硬化させて樹脂硬化物を得た。
大粒径充填材を含まない樹脂組成物を作製し、トリーイング特性の測定に供した。
親水性の絶縁樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂と、酸無水物硬化剤との混合物を90℃に予備加熱し、この混合物100重量部に対して、小粒径充填材として表面をジメチルポリシロキサンで疎水化処理した疎水性シリカ(平均一次粒径12nm)を3重量部混合した。また、この混合物には、適宜、硬化促進剤を添加した。そして、90℃に保温した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。
その後、真空槽にて脱泡し、80℃、5h及び130℃、14hの2段階の硬化条件で加熱し、硬化させて樹脂硬化物を得た。
(比較例1)
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、実施例1で用いた小粒径充填材である粒子状高分子化合物(側鎖にフェニル基を有する粒子状スチレンブタジエンラバー(SBR)、一次粒径100nm以下、SP値はエポキシ樹脂と1.0(MPa)1/2異なる。)を5重量部混合した。さらに、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、100℃、5h及び170℃、7hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、実施例1で用いた小粒径充填材である粒子状高分子化合物(側鎖にフェニル基を有する粒子状スチレンブタジエンラバー(SBR)、一次粒径100nm以下、SP値はエポキシ樹脂と1.0(MPa)1/2異なる。)を5重量部混合した。さらに、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、100℃、5h及び170℃、7hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
(比較例2)
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、小粒径充填材として表面処理を実施していない親水性シリカ(平均一次粒径12nm)を3重量部添加し、さらに、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、80℃、5h及び130℃、14hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、小粒径充填材として表面処理を実施していない親水性シリカ(平均一次粒径12nm)を3重量部添加し、さらに、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、80℃、5h及び130℃、14hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
(比較例3)
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、80℃、5h及び130℃、14hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
90℃に予備加熱したビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混合物100重量部に対して、適宜、硬化促進剤を添加した。この混合物を90℃に保持した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。その後、真空槽にて脱泡し、80℃、5h及び130℃、14hの2段階加熱の硬化条件にて硬化させて樹脂硬化物試料を得た。この樹脂硬化物試料を後述する特性評価に供した。
図1Aは、実施例1の樹脂硬化物を示す断面SEM画像である。
本図に示す樹脂硬化物においては、絶縁樹脂1に大粒径充填材2が分散されている。大粒径充填材2の粒径は、50μm以下であり、大部分は20μm以下である。
図1Bは、図1Aの一部(点線で囲んだ領域)を拡大して示したSEM画像である。
本図において、小粒径充填材は、網目状凝集体4を形成している。網目状凝集体4の全体の寸法は、1〜2μmであるが、細長い枝状の部分の幅は、0.1μm程度であり、その部分の長さは、0.1〜0.5μm程度である。粒径0.1μm程度の大粒径充填材2の小片も観察される。
図2は、比較例1の樹脂硬化物の一部を示す写真である。
本図において、樹脂硬化物100は、エポキシ樹脂を母材としているが、小粒径充填材の濃度が高い不透明部10と、小粒径充填材の濃度が低い透明部11とに相分離している。
図3Aは、実施例2の樹脂硬化物におけるトリーの進展を示す模式図である。
本図においては、絶縁樹脂1に分散した小粒径充填材3が凝集して、破線で囲まれた領域の網目状凝集体4を形成している。トリー5は、小粒径充填材3に妨げられながら進展するが、網目状凝集体4に達すると進展しなくなる。
図3Bは、比較例2の樹脂硬化物におけるトリーの進展を示す模式図である。
本図においては、絶縁樹脂1に分散した小粒径充填材3は凝集していないため、トリー5は、小粒径充填材3に妨げられながらも進展する。
図4は、実施例の樹脂硬化物におけるトリーの進展を示す模式図である。
本図においては、絶縁樹脂1に大粒径充填材2及び小粒径充填材3が分散されている。小粒径充填材3は、大粒径充填材2によって移動範囲が限定されるため、凝集しやすくなっている。破線で囲まれた領域は、凝集によって生じた網目状凝集体4を示したものである。トリー5は、大粒径充填材2及び小粒径充填材3に妨げられるため、進展距離が短くなる。
表2及び3は、トリーイング特性の測定結果を示したものである。
表2においては、30000分経過後における実施例2、比較例2及び比較例3から1個ずつ抜き出した試料について示している。
表3においては、60000分経過後における実施例2から3個、比較例2から2個、比較例3から2個をそれぞれ抜き出した試料について示している。
表2及び3に示す測定結果は、トリー進展距離であり、比較例3の結果(表3は2個の試料の平均値)に対する相対値でまとめたものである。ここで、実施例2、比較例2及び比較例3においては、トリーの進展距離を正確に測定するために大粒径充填材を添加していない。
しかしながら、実施例2においては、図3Aのトリー進展モデルに示すように、小粒径充填材のみを添加した場合においても、小粒径充填材がマクロ的には均一に分散し、かつ、小粒径充填材の分散状態が図1Bに示すような網目状に部分的に凝集した構造体であることを光学顕微鏡にて確認してある。したがって、実施例2で示される効果は、大粒径充填材が添加された構成においても得られる効果であると考えられる。また、比較例3においても、小粒径充填材が均一に分散していることを光学顕微鏡にて確認してある。
以下、これらの結果を参照し、本発明の具体的な効果を説明する。
まず、図1A、1B及び図2から、本発明による大粒径充填材および小粒径充填材を用いたことによる効果を説明する。
図1Aより、大粒径充填材2が絶縁樹脂1に均一に分散していることが確認される。
一般に、絶縁樹脂1であるエポキシ樹脂は、親水性、すなわち極性を持つ。また、大粒径充填材2であるシリカも、粒子表面に多数のシラノール基を有するため、親水性、すなわち極性を有する。したがって、エポキシ樹脂とシリカとは、一般に、相溶性である。その結果、図1Aに示すように、大粒径充填材2を絶縁樹脂1に均一に分散することは容易である。
さらに、図1Bに示す拡大図より、小粒径充填材が大粒径充填材の間に網目状に部分的に凝集した構造体(網目状凝集体4)を形成していることが分かる。
一方、図2に示す実施例1の組成から大粒径充填材を除いた組成を有する比較例1の樹脂硬化物においては、小粒径充填材とエポキシ樹脂とが相分離している。
実施例で採用した小粒径充填材のようにエポキシ樹脂とSP値とが1.0(MPa)1/2異なる充填材を用いた場合、極性の違いから相分離しやすい傾向がある。これに対して、図1Bに示すように大粒径充填材2を添加することにより、図2のような相分離を抑制することができることが分かる。これは、大粒径充填材2の添加により樹脂粘度が増加し、その結果、小粒径充填材が大粒径充填材の間にトラップされたことによる効果である。
したがって、本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、極性が異なる絶縁樹脂及び大粒径充填材を含む混合物において、小粒径充填材をマクロ的に均一に分散することができ、その結果、極性が異なる小粒径充填材を添加した系においても、絶縁樹脂の低熱膨張性や機械的特性を従来の樹脂組成物以上に維持することができる。
さらに、表2及び3からは、本発明による耐トリーイング特性の向上効果を説明することができる。
すなわち、表2より、小粒径充填材および大粒径充填材を添加していないエポキシ樹脂の硬化物である比較例3と比べて、エポキシ樹脂と同じ極性の小粒径充填材のみを均一に分散したエポキシ樹脂組成物の硬化物である比較例2の場合、トリーの進展を抑制することができることがわかる。
さらに、表3より、実施例2の小粒径充填材としてジメチルポリシロキサンを用いて表面のシラノール基がヒドロキシル基で置き換えられた疎水性シリカを添加した場合、トリーが発生せず、何れの試料よりも耐トリー特性が高いことが分かる。
さらにまた、表3より、比較例2と比較例3とは、同程度のトリー特性となるものの、実施例2は、トリーが発生しない、あるいは発生しても進展がわずかであることが分かる。
本発明による針電極を用いたトリーの進展抑制機構は、次のように説明することが出来る。
図3Bに示すように、比較例2の樹脂硬化物の場合、親水性のシリカ粒子が凝集せずに微小かつ均一に分散した状態となっているため、針電極先端から出現した電気トリー5は、分岐しながらも進展する。
これに対して、図3Aに示すように、実施例2の樹脂硬化物の場合、疎水性のシリカ粒子が網目状に部分的に凝集した状態となっているため、絶縁樹脂1自体がより強固な樹脂となり、トリー5の発生や進展が抑制される。また、トリー5が進展した際にも、網目状凝集体4に至った場合、網目状凝集体4自体の劣化耐性が高いためにトリー5の進展が抑制される。
さらに、トリー5の進展は、劣化耐性の低い絶縁樹脂1(母材)を選択的に通過する傾向があるが、網目状凝集体4を大きく迂回する必要があることから、トリー5の進展が更に遅くなる。
この効果は、図4に示すように、網目状凝集体4が大粒径充填材2の間においても得られる。
よって、絶縁樹脂1中に絶縁樹脂と同じ極性を有する大粒径充填材2と、絶縁樹脂1と異なる極性を有する小粒径充填材3とが同時に添加された場合においては、大粒径充填材2の間で小粒径充填材3が網目状凝集体4を形成することから、トリー5の進展を抑制することが可能である。したがって、本発明の樹脂組成物から得られた樹脂硬化物は、低熱膨張性や機械的強度を維持するとともに、耐トリーイング特性を向上することが可能である。
図5は、実施例1の電気絶縁用樹脂をインバータ用回路基板の封止に適用した例を示したものである。
本図に示す回路基板は、絶縁樹脂1、大粒径充填材2、及び小粒径充填材で形成された網目状凝集体4を含む樹脂組成物を用いて、絶縁層7及び配線パターン6を備えた基板8をモールドしたものである。配線パターン6(導体パターン)は、シート状の絶縁層7を介して基板8の表面に設けられ、かつ、短絡を防ぐため、本発明の樹脂組成物を塗布し、硬化して形成した絶縁性を有する樹脂硬化物(絶縁材)によって封止されている。
本図に示す構造においては、大粒径充填材2の添加によって絶縁樹脂1の熱膨張率が抑制されているため、配線パターン6と樹脂硬化物との接着剥がれや樹脂割れを抑制することができる。
また、配線パターン6の端部、特にその鋭角部においては、電界が局所的に増大するために放電が発生し易い。さらに、例えば、配線パターン6の端部と絶縁層7とが接する部位においては、凹凸構造が密となるため、ボイド等が発生し易く、その結果、電界が局所的に増大するために放電が発生し易い。
このような構造においては、放電によって電気トリーが発生することから、長時間の駆動においては絶縁破壊し易いが、本発明の電気絶縁用樹脂組成物を適用した場合、耐トリーイング特性が向上するため、絶縁破壊を防止することができる。したがって、従来以上に小型化された絶縁回路基板の封止においても適用可能であり、かつ、機器の信頼性をこれまで以上に向上させることができる。
1:絶縁樹脂、2:大粒径充填材、3:小粒径充填材、4:網目状凝集体、5:トリー、6:配線パターン、7:絶縁層、8:基板。
Claims (16)
- 母材である絶縁樹脂と、大粒径充填材と、この大粒径充填材よりも粒径が小さい小粒径充填材とを含み、前記大粒径充填材及び前記小粒径充填材は、前記絶縁樹脂に分散された状態であり、前記絶縁樹脂と前記大粒径充填材とは互いに親和性を有し、前記絶縁樹脂と前記小粒径充填材とは互いに親和性を有しないことを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記小粒径充填材は、網目状凝集体を形成していることを特徴とする請求項1記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記絶縁樹脂及び前記大粒径充填材は、親水性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記大粒径充填材は、前記絶縁樹脂に分散された状態における平均粒径が1〜500μmであり、かつ、前記絶縁樹脂100重量部に対して100〜567重量部の割合で混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記小粒径充填材は、前記絶縁樹脂に分散された状態における平均粒径で1〜1000nmであり、かつ、前記絶縁樹脂100重量部に対して30重量部以下の割合で混合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記絶縁樹脂と前記小粒径充填材との溶解パラメータの差が1.0(MPa)1/2以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記絶縁樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記大粒径充填材は、シリカであることを特徴とする請求項7記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記小粒径充填材は、疎水性シリカ又はスチレンブタジエンラバーであることを特徴とする請求項7又は8に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物を硬化して形成したことを特徴とする樹脂硬化物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物で導体部を被覆した構成を有することを特徴とする高電圧機器。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物で導体部を被覆した構成を有することを特徴とする送配電機器。
- 請求項10記載の樹脂硬化物で導体部を被覆した構成を有することを特徴とする高電圧機器。
- 請求項10記載の樹脂硬化物で導体部を被覆した構成を有することを特徴とする送配電機器。
- 母材である絶縁樹脂と、大粒径充填材と、この大粒径充填材よりも粒径が小さい小粒径充填材とを含み、前記絶縁樹脂と前記大粒径充填材とは互いに親和性を有し、前記絶縁樹脂と前記小粒径充填材とは互いに親和性を有しない電気絶縁用樹脂組成物の製造方法であって、前記絶縁樹脂に前記大粒径充填材及び前記小粒径充填材を混合し、混練することにより前記絶縁樹脂に分散することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物の製造方法。
- 母材である絶縁樹脂と、大粒径充填材と、この大粒径充填材よりも粒径が小さい小粒径充填材とを含み、前記絶縁樹脂と前記大粒径充填材とは互いに親和性を有し、前記絶縁樹脂と前記小粒径充填材とは互いに親和性を有しない電気絶縁用樹脂組成物を硬化して形成した樹脂硬化物の製造方法であって、前記絶縁樹脂に前記大粒径充填材及び前記小粒径充填材を混合し、混練することにより前記絶縁樹脂に分散し、脱泡し、加熱して硬化することを特徴とする樹脂硬化物の製造方法。
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