JPWO2013118841A1 - 末端不飽和α−オレフィン重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする末端不飽和α−オレフィン重合体、有機過酸化物を原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理する上記末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法、及び原料ポリオレフィンを、温度200〜500℃で滞留時間1時間以内で加熱処理する末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法により、不飽和度が高く、炭素数5以上のα−オレフィンの重合体である末端不飽和α−オレフィン重合体、及び副生成物の発生量が少ない末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法を提供する。

Description

本発明は、末端不飽和α−オレフィン重合体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは末端不飽和基濃度の高い末端不飽和α−オレフィン重合体、及び副生成物を低減でき、効率的な末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法に関する。
高分子量ポリオレフィンは化学的安定性が高く、力学物性に優れ、安価なことから工業部材等として幅広く用いられている。一方で、低分子量ポリオレフィンは、ワックス類としての使用に限定されているが、その高機能化が期待されている。
ポリオレフィンの機能化は長年にわたり行われてきたが、低分子量〜中分子量領域での効率的な製造技術がないうえ、炭化水素であるポリオレフィンに対する極性等の付加技術も限定されていた。特に低分子量〜中分子量ポリオレフィンをメタロセン触媒により製造する試みが近年なされているが、より高い機能を付与するために必要な不飽和基の官能基等を制御して導入するには限界があった。
特許文献1及び2には、不飽和基の導入のため、高分子量ポリオレフィン、特にポリプロピレンを熱分解することが開示されている(特許文献1及び2)。特許文献1は、アイソタクチックポリプロピレンを370℃で熱分解したポリプロピレン(例えば1分子当りのビニリデン基数は1.8個)を開示し、特許文献2は、ポリブテンを370℃で熱分解した熱分解ポリブテン(例えば1分子当りのビニリデン基数は1.53〜1.75個)を開示する。
また、特許文献3には、プロピレンやブテン−1の単独重合体又は共重合体を原料として、末端不飽和ポリオレフィンを製造する方法が記載されている。
一方、ワックス成分や潤滑油成分としては、より炭素数が大きいα−オレフィンの重合体が用いられるが、特に炭素数5以上のα−オレフィン重合体に対して、多量の不飽和基を効率よく導入する方法について何ら具体的に開示されていない。
特開2003−40921号公報 特開2003−137927号公報 国際公開第2011/148586号
特許文献1及び特許文献2では、高分子量体を高分解することでビニリデン数を増加しているが、大量の副生成物の発生により、目的とする構造の収率が低下する等の課題があることがわかった。
本発明の目的は、不飽和度が高く、炭素数5以上のα−オレフィンの重合体である末端不飽和α−オレフィン重合体を提供することである。
本発明の他の目的は、副生成物の発生量が少ない末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする末端不飽和α−オレフィン重合体。
[2]1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個以下である、[1]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[3]炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、[1]又は[2]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[4]炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、[1]又は[2]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[5]100℃における動粘度が3〜2000mm/s2であり、メソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[6]示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定において、融点が20℃以上100℃以下であり、ピーク温度が一つだけ観測され、かつ該ピークの半値幅が15℃以内である、[1]〜[5]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[7]重量平均分子量Mwが500〜100,000であり、かつ、分子量分布Mw/Mnが1.10〜2.60である、[1]〜[6]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[8]有機過酸化物を原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
[9]原料ポリオレフィンを、温度200〜500℃で滞留時間1時間以内で加熱処理することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
[10]前記加熱処理の処理時間が30秒〜10時間である、[8]又は[9]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
本発明によれば、不飽和度が高く、炭素数5以上のα−オレフィンの重合体である末端不飽和α−オレフィン重合体を提供できる。
また、本発明によれば、副生成物の発生量が少ない末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法を提供できる。
[末端不飽和α−オレフィン重合体]
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、末端不飽和基の濃度が高く、反応性に優れる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造に用いられるα−オレフィンとしては、ペンテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−1等が挙げられる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含むことが好ましく、また、炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含んでいても好ましい。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、メソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%であることが好ましく、25〜70モル%であることがより好ましく、30〜60モル%であることがさらに好ましい。
メソトリアッド分率[mm]が20モル%未満であると、ベタツキ等による取扱い性が悪くなり、一方80モル%を超えると、結晶性が高くなるため、低温溶融性が低下し、塗布性等の作業性が悪くなる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であり、2.1〜28モル%であることが好ましく、2.2〜25モル%であることがより好ましく、2.3〜23モル%であることが更に好ましく、2.5〜20モル%であることが特に好ましい。
1分子当りの末端不飽和基濃度が2.0モル%未満であると、反応性に劣り、接着性能が低下する。また、末端不飽和基濃度が30モル%を超えると反応点が多くなり、ゲルが発生し接着性能が低下したり、溶融流動性が悪くなり、塗布性等の作業性が悪くなる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個以下であることが好ましく、1.3〜2.5個であることがより好ましく、1.35〜2.5個であることがさらに好ましく、1.4〜2.0個であることが特に好ましい。
1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超える場合、末端不飽和基を起点とした反応による耐熱性の付与が期待される。一方、1分子当りの末端不飽和基の数が2.5個以下の場合、ポリオレフィンの分岐構造が少なくなる。分岐構造は、直鎖状構造及び溶融流動性が異なるため塗布等の挙動が変化するおそれがある。
なお、末端不飽和基としては、ビニル基、ビニリデン基、トランス(ビニレン)基等が挙げられるが、本明細書で定義する末端不飽和基とは、ビニル基及びビニリデン基を意味する。ビニル基及びビニリデン基はラジカル重合性、各種反応の適用範囲が広く、多様な要求に対応できる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体における末端不飽和基濃度及び末端不飽和基数は、ビニル基及びビニリデン基の総量の濃度及び数を意味する。ビニル基のみ存在する場合は、ビニル基のみの濃度及び数を意味し、ビニル基及びビニリデン基両方含む場合は、両方の和の濃度及び数を意味する。
上述の末端不飽和基濃度や1分子当りの末端不飽和基の数は、1H−NMR測定により求めることができる。具体的には、1H−NMR測定より得られるδ4.8〜4.6(2H)に出現する末端ビニリデン基、δ5.9〜5.7(1H)に出現する末端ビニル基及びδ1.05〜0.60(3H)に出現するメチル基に基づいて、末端不飽和基濃度(C)(モル%)が算出できる。
ビニリデン基のCH2(4.8〜4.6ppm)・・・(i)
ビニル基のCH(5.9〜5.7ppm)・・・(ii)
側鎖末端のCH3(1.05〜0.60ppm)・・・(iii)
ビニリデン基量=[(i)/2]/[(iii)/3]×100 モル%
ビニル基量=(ii)/[(iii)/3]×100 モル%
末端不飽和基濃度=[ビニリデン基量]+[ビニル基量]
上記方法により算出した末端不飽和基濃度(C、モル%)と、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)及びモノマー分子量(M)から、下記式により1分子当りの末端不飽和基の数を算出することができる。
1分子当りの末端不飽和基の数(個)=(Mn/M)×(C/100)
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、重量平均分子量Mwが500〜100,000であることが好ましく、700〜90,000であることがより好ましく、800〜80,000であることがさらに好ましい。
重量平均分子量が500以上であると、末端ビニリデン基を基点とした反応によってポリオレフィンに耐熱性を付与する場合に、ポリオレフィンの柔軟性が良好となる。一方、重量平均分子量が100,000以下であると、溶融粘度が小さくなり、塗布性等の作業性が向上する。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定できる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、分子量分布Mw/Mnが1.10〜2.60であることが好ましく、1.10〜2.55であることがより好ましく、1.10〜2.50であることが更に好ましい。
分子量分布が1.10以上であると製造が容易となる一方、分子量分布が2.60を超えると、分子量分布が広く官能基濃度のバラつきが懸念され、硬化性等の性能が悪くなる。
分子量分布Mw/Mnは、GPC法により重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)をそれぞれ測定することにより求めることができる。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算分子量を対応するポリマーの分子量に換算するため、Mark−Houwink−桜田の式の定数K及びaを用いてUniversal Calibration法により求めることができる。
具体的には「『サイズ排除クロマトグラフィー』、森定雄著、p.67〜69、1992年、共立出版」に記載の方法によって決定できる。なお、K及びαは、「『Polymer Handbook』,John Wiley&Sons,Inc.」に記載されている。また、新たに算出する絶対分子量に対する極限粘度の関係から定法によって決定することもできる。
GPCの測定装置及び測定条件は例えば以下である。
検出器:液体クロマトグラフィー用RI検出器 ウオーターズ 150C
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.3質量%
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定において、融点が20℃以上100℃以下であり、ピーク温度が一つだけ観測され、かつ該ピークの半値幅が15℃以内であることが好ましい。
上記融解挙動測定は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を室温から190℃まで、100℃/分で昇温し、190℃で5分保持した後、−30℃まで、10℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることで、吸熱ピークを示す融解曲線を得ることで行われる。示差走査型熱量計としては特に限定されないが、例えばパーキンエルマー社製DSC7(商品名)を用いることができる。本発明では、得られた融解曲線におけるピークトップの温度を融点(Tm)とする。
前記融点は、低温融解性と保管性の観点から、好ましくは30〜90℃、より好ましくは35〜85℃、さらに好ましくは40〜80℃である。また、融点の測定に際して得られる吸熱ピークの半値幅は、DSCにて融点(Tm)を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を言い、低温融解成分、シャープメルト性の観点から、好ましくは1〜9℃、より好ましくは1〜7℃、さらに好ましくは2〜7℃である。半値幅が小さいことは吸熱ピークがシャープ、つまり融解挙動が急速であることを示し、この場合、低温融解成分等により高温保管安定性やベタツキ等取り扱い性の課題の発生が抑制される。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、100℃における動粘度が3〜2000mm/s2であることが好ましい。
100℃における動粘度は、JIS K2283に準拠して測定する値であり、10〜1500mm/s2であることが好ましく、より好ましくは30〜1000mm/s2であり、更に好ましくは50〜500mm/s2である。
100℃動粘度が3mm/s2未満であると、硬化等での性能が不十分であり、100℃動粘度が2000mm/s2を超えると、粘度が高いため、室温での流動性が低下し塗布性等の性能が低下し、接着剤、シーリング等の用途で使うことが難しい。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法]
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体を原料ポリオレフィンとして用い、これに対して有機過酸化物を0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする。
上記の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法は、ガス状の副生成物量を低減できるので、純度を向上させることができる。また、末端不飽和α−オレフィン重合体を安価に製造できる。
原料ポリオレフィンのメソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%であると、原料ポリオレフィンは低温で容易に溶融でき、又は溶媒への良好な溶解性を有するため、分解反応場の選定範囲及び分解設定温度範囲が広く、比較的低温で分解することが可能である。これにより、副反応を制御できるメリットを有している。加えて、有機過酸化物を併用する分解では、より温和でかつ短時間の反応で効率よく分解でき、原料ポリオレフィンの上記メリットを大きくすることができる。特に原料ポリオレフィンが末端不飽和基を予め有している場合では、上記メリットを最大化できる。また、分解物のメソトリアッド分率も原料ポリオレフィンに由来するため、[mm]が20〜80モル%であると低温で容易に溶融できる、又は溶媒への良好な溶解性を有するため、適用用途範囲が広がる。
上記原料ポリオレフィンのメソトリアッド分率[mm]については、上述の末端不飽和α−オレフィン重合体と同様である。
原料ポリオレフィンの重量平均分子量Mwは、4,000〜1,000,000であることが好ましく、5,000〜900,000であることがより好ましく、6,000〜800,000であることが更に好ましい。
原料ポリオレフィンの重量平均分子量が4,000以上であると、分解率を高く設定することができる。一方、原料ポリオレフィンの重量平均分子量が1,000,000以下であると、分解時の粘度が低くなるため、プロセス上の撹拌動力、撹拌均一性等の制約が生じない。
原料ポリオレフィンは、好ましくは末端不飽和基を1分子当り0.40〜1.00個有することが好ましく、より好ましくは0.45〜1.00個、更に好ましくは0.50〜1.00個、最も好ましくは0.55〜1.00個有する。
1分子当りの末端不飽和基の数が0.40個以上であると、分解によって末端不飽和基の数が十分に増加し、末端不飽和基を増加させるために、高分子量体を分解する必要が生じない。一方、1分子当りの末端不飽和基の数が1.00個以下であると、後述する重合触媒による技術での製造が容易となる。
原料ポリオレフィンは、例えば下記成分(A)、(B)及び(C)の組合せからなるメタロセン触媒を用い、水素を分子量調節剤として用いることにより製造することができる。具体的には、WO2008/047860に開示の方法で製造できる。
(A)シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基を有する周期律表第3族〜10族の金属元素を含む遷移金属化合物
(B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(C)有機アルミニウム化合物
(A)成分のシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又は置換インデニル基を有する周期律表第3〜10族の金属元素を含む遷移金属化合物としては、下記一般式(I)で表される二架橋錯体が挙げられる。
Figure 2013118841
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属等が挙げられる。これらの中ではオレフィン重合活性等の点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適であり、末端ビニリデン基の収率及び触媒活性の点から、ジルコニウムが最も好適である。
1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及びケイ素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましく、E1及びE2のうちの少なくとも一つは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又は置換インデニル基である。
前記置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換へテロシクロペンタジエニル基の置換基としては、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)の炭化水素基、ケイ素含有基又はヘテロ原子含有基等の置換基を示す。
Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。このXの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20のケイ素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基やフェニル基等のアリール基が好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20のアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチルアミド基、ジシクロヘキシルアミド基、メチルエチルアミド基等のアルキルアミド基や、ジビニルアミド基、ジプロペニルアミド基、ジシクロヘキセニルアミド基等のアルケニルアミド基;ジベンジルアミド基、フェニルエチルアミド基、フェニルプロピルアミド基等のアリールアルキルアミド基;ジフェニルアミド基、ジナフチルアミド基等のアリールアミド基が挙げられる。
炭素数1〜20のケイ素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基等のモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基等のジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基等のトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基等の炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基等のケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基等のケイ素置換アリール基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基等が好ましい。
炭素数1〜20のホスフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基等のアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基等のアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基等のアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基等のアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のスルフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基等のアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基等のアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基等のアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基等のアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE1,E2又はXと架橋していてもよい。このYのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類等を挙げることができる。アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミン;ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミン等のアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン等のアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミン等のアリールアミンが挙げられる。
エーテル類としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル等の脂肪族単一エーテル化合物;メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の脂肪族混成エーテル化合物;ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の脂肪族不飽和エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル等の芳香族エーテル化合物、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環式エーテル化合物が挙げられる。
ホスフィン類としては、炭素数1〜20のホスフィンが挙げられる。具体的には、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ヘキシルホスフィン、シクロヘキシルホスフィン、オクチルホスフィン等のモノ炭化水素置換ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジオクチルホスフィン等のジ炭化水素置換ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリ炭化水素置換ホスフィン等のアルキルホスフィンや、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィン等のモノアルケニルホスフィンやホスフィンの水素原子をアルケニルが2個置換したジアルケニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルケニルが3個置換したトリアルケニルホスフィン;ベンジルホスフィン、フェニルエチルホスフィン、フェニルプロピルホスフィン等のアリールアルキルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアリール又はアルケニルが3個置換したジアリールアルキルホスフィン又はアリールジアルキルホスフィン;フェニルホスフィン、トリルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン、プロピルフェニルホスフィン、ビフェニルホスフィン、ナフチルホスフィン、メチルナフチルホスフィン、アントラセニルホスフィン、フェナントニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが2個置換したジ(アルキルアリール)ホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが3個置換したトリ(アルキルアリール)ホスフィン等のアリールホスフィンが挙げられる。チオエーテル類としては、前記のスルフィドが挙げられる。
次に、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような架橋基のうち、少なくとも一つは炭素数1以上の炭化水素基からなる架橋基もしくは、ケイ素含有基であることが好ましい。このような架橋基としては、例えば下記一般式(a)で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基等を挙げることができる。これらの中で、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。
Figure 2013118841
(Dは周期律表第14族元素であり、例えば炭素,ケイ素,ゲルマニウム及びスズが挙げられる。R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基で、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環構造を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、WO2008/066168に記載の具体例が挙げられる。また、他の族の金属元素の類似化合物であってもよい。好ましくは周期律表第4族の遷移金属化合物であり、中でもジルコニウムの化合物が好ましい。
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013118841
上記一般式(II)において、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、A1a及びA2aは、それぞれ上記一般式(I)における一般式(a)で表される架橋基を示し、CH2,CH2CH2,(CH32C,(CH32C(CH32C,(CH32Si及び(C65)2Siが好ましい。A1a及びA2aは、互いに同一でも異なっていてもよい。R4〜R13はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基又はヘテロ原子含有基を示す。ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基及びケイ素含有基としては、上記一般式(I)において説明したものと同様のものが挙げられる。炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基としては、p−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロ)フェニル基、フルオロブチル基等が挙げられる。ヘテロ原子含有基としては、炭素数1〜20のヘテロ原子含有基が挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等の窒素含有基;フェニルスルフィド基、メチルスルフィド基等の硫黄含有基;ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基等の燐含有基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等の酸素含有基等が挙げられる。なかでも、R4及びR5としてはハロゲン原子、酸素、ケイ素等のヘテロ原子を含有する基が、重合活性が高く好ましい。R6〜R13としては、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。X及びYは一般式(I)と同じである。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
上記一般式(II)で表される遷移金属化合物のうち、両方のインデニル基が同一である場合、周期律表第4族の遷移金属化合物としては、WO2008/066168に記載の具体例が挙げられる。また、第4族以外の他の族の金属元素の類似化合物であってもよい。好ましくは周期律表第4族の遷移金属化合物であり、中でもジルコニウムの化合物が好ましい。
一方、上記一般式(II)で表される遷移金属化合物のうち、R5が水素原子で、R4が水素原子でない場合、周期律表第4族の遷移金属化合物としては、WO2008/066168に記載の具体例が挙げられる。また、第4族以外の他の族の金属元素の類似化合物であってもよい。好ましくは周期律表第4族の遷移金属化合物であり、中でもジルコニウムの化合物が好ましい。
本発明で用いる触媒を構成する(B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物としては、比較的低分子量の高純度末端不飽和オレフィン系重合体が得られる点、及び触媒高活性の点でボレート化合物が好ましい。ボレート化合物としては、WO2008/066168に記載の具体例が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。後述する水素と遷移金属化合物とのモル比(水素/遷移金属化合物)が0である場合、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルカルベニウム及びテトラキス(パーフルオロフェニル)ホウ酸メチルアニリニウム等が好ましい。
本発明の製造方法で用いる触媒は、上記(A)成分と(B)成分との組み合わせでもよく、上記(A)成分及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、本発明においては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム及びトリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム及びトリノルマルオクチルアルミニウムがより好ましい。
(A)成分の使用量は、通常0.1×10-6〜1.5×10-5mol/L、好ましくは0.15×10-6〜1.3×10-5mol/L、より好ましくは0.2×10-6〜1.2×10-5mol/L、特に好ましくは0.3×10-6〜1.0×10-5mol/Lである。(A)成分の使用量が0.1×10-6mol/L以上であると、触媒活性が十分に発現され、1.5×10-5mol/L以下であると、重合熱を容易に除去することができる。
(A)成分と(B)成分との使用割合(A)/(B)は、モル比で好ましくは10/1〜1/100、より好ましくは2/1〜1/10である。(A)/(B)が10/1〜1/100の範囲にあると、触媒としての効果が得られると共に、単位質量ポリマー当たりの触媒コストを抑えることができる。また、目的とする末端不飽和α−オレフィン重合体中にホウ素が多量に存在するおそれがない。
(A)成分と(C)成分との使用割合(A)/(C)は、モル比で好ましくは1/1〜1/10000、より好ましくは1/5〜1/2000、更に好ましくは1/10〜1/1000である。(C)成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができる。(A)/(C)が1/1〜1/10000の範囲にあると、(C)成分の添加効果と経済性のバランスが良好であり、また、目的とする末端不飽和α−オレフィン重合体中にアルミニウムが多量に存在するおそれがない。
本発明の製造方法においては、上述した(A)成分及び(B)成分、あるいは(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いて予備接触を行うこともできる。予備接触は、(A)成分に、例えば(B)成分を接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。このような予備接触により触媒活性の向上や、助触媒である(B)成分の使用割合の低減等、触媒コストの低減に効果的である。
原料ポリオレフィンの製造においては、重合反応における水素圧を0.1MPa以下とすると、当該原料ポリオレフィンを用いて得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度が2.0モル%以上となりやすい。原料ポリオレフィンの重合反応における水素圧は、0.005〜0.100MPaであるとより好ましい。
また、重合反応における重合温度は、60〜120℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。重合温度が70℃以上であると、当該原料ポリオレフィンを用いて得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度が2.0モル%以上となりやすい。
本発明の製造方法においては、原料ポリオレフィンを、好ましくは不活性気体雰囲気下で分解することで本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体を製造する。当該分解は好ましくはラジカル分解反応であり、有機過酸化物を使用しない熱分解反応と比較して、比較的穏和な条件で分解反応が進行する。一方熱分解反応の場合、温度200〜500℃で、比較的高い温度で反応が進行する。高温での熱分解反応の場合、大量の副生成物の発生により、目的とする構造の収率が低下する等の課題があるが、滞留時間を調整することで、収率を維持した分解が可能である。具体的には、熱分解反応において滞留時間を短くする方法である。滞留時間は、1〜60分であることが好ましく、1〜30分であることがより好ましい。
上記ラジカル分解反応は、有機過酸化物を原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で反応させることで実施できる。
原料ポリオレフィンに対する有機過酸化物の添加量を0.05質量%以上とすることで、得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度を高めることができる。
上記分解温度は、好ましくは220〜360であり、より好ましくは250〜350℃である。分解温度が200℃未満の場合、分解反応が進まず、得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度が2.0モル%以上とならないおそれがある。一方、分解温度が380℃を超える場合、分解が激しく進行し、撹拌により十分に有機過酸化物が溶融ポリマーに均一拡散する前に分解が終了してしまい、収率が低下するおそれがある。
添加する有機過酸化物は、好ましくは1分間半減期温度が140〜270℃の有機過酸化物であり、当該有機過酸化物の具体例としては以下の化合物が挙げられる:ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエイト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエイト、ジ(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシネオへプタノエイト、t−ヘキシルパーオキシピバレイト、t−ブチルパーオキシピバレイト、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)へキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルプロピルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘササン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、3,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシアセテイト、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−Menthans ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド。
有機過酸化物の添加量は、好ましくは原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%であり、より好ましくは1.0〜4.0質量%である。添加量が0.05質量%未満である場合、分解反応速度が遅くなって生産効率が悪くなるおそれがある。一方、添加量が5.0質量%を超える場合、有機過酸化物の分解に起因する臭気が問題となるおそれがある。
分解反応の分解時間は、例えば30秒〜10時間であり、好ましくは1分〜1時間である。分解時間が30秒未満の場合、分解反応が十分に進行しないだけでなく、未分解の有機過酸化物が多量に残存するおそれがある。一方、分解時間が10時間を超える場合、副反応である架橋反応の進行が懸念されることや、得られる末端不飽和α−オレフィン重合体が黄変するおそれがある。
ラジカル分解反応は、例えばバッチ法による分解及び溶融連続法による分解のいずれかの方法を用いることで実施できる。
ラジカル分解反応をバッチ法によって実施する場合、例えば、撹拌装置の付いたステンレス製等の反応容器に窒素、アルゴン等の不活性ガスを充填し、原料ポリオレフィンを入れて加熱溶融させ、溶融した原料ポリオレフィンに及び有機化酸化物を滴下して、所定温度で所定時間加熱することでラジカル熱分解反応を実施できる。
上記有機過酸化物の滴下は、上記分解時間の範囲内で滴下するとよく、当該滴下は連続的な滴下及び分割した滴下のいずれでもよい。また、滴下終了時間からの反応時間は、上記反応時間の範囲内とするとよい。
有機過酸化物は、溶媒に溶解して溶液として滴下してもよい。
上記溶媒は、好ましくは炭化水素系溶媒であり、具体例としてはヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、ナノデカン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、シクロオクタン、シクロドデカン等の脂環式炭化水素;及びベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これら溶媒のなかでも、沸点が100℃以上の溶媒が好ましい。
また、分解の際、原料ポリオレフィンを溶媒に溶解させてもよい。
ラジカル分解反応を溶融連続法によって実施する場合、平均滞留時間でみた反応時間は、例えば20秒〜10分である。溶融連続法はバッチ法と比較して混合状態を良好にでき、反応時間を短くすることができる。
装置は、単軸又は二軸の溶融押出機を用いることができ、好ましくはバレル途中に注入口を有し、減圧脱気が可能な押出機であって、L/D=10以上である押出機である。
溶融連続法によるラジカル分解反応は、上記装置を用いて、有機過酸化物を原料ポリオレフィンに含浸させる方法、又は原料ポリオレフィン及び有機過酸化物を個別に供給して混合する方法が適用できる。
有機過酸化物の原料ポリオレフィンへの含浸は、具体的には所定量の有機過酸化物を窒素等の不活性ガス存在下で原料ポリオレフィンに添加し、室温〜40℃の範囲で撹拌することで、原料ペレットに均一に吸収含浸させることができる。得られた有機過酸化物を含浸させた原料ポリオレフィン(含浸ペレット)を溶融押出によって分解する又は、含浸ペレットをマスターバッチとして原料ポリオレフィンに添加して分解することで末端不飽和ポリオレフィンが得られる。
なお、有機過酸化物が固体である、又は有機過酸化物が原料ポリオレフィンに対して溶解性が低い場合は、有機過酸化物を予め炭化水素溶媒に溶解させた溶液として、原料ポリオレフィンに吸収含浸させるとよい。
原料ポリオレフィン及び有機過酸化物を個別に供給しての混合は、押出機ホッパー部に一定流量で原料ポリオレフィンと有機過酸化物を供給する、又は有機過酸化物をバレル途中に一定流量で供給することで実施できる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体を用いて、その末端不飽和基を官能化することで、末端不飽和基の5モル%以上(好ましくは10モル%以上)が官能基修飾された官能化α−オレフィン重合体とすることができる。
当該官能基は、好ましくは水酸基、エポキシ基、アルコキシ珪素基、アルキル珪素基、カルボキシル基、アミノ基及びイソシアナート基から選択される1以上の官能基である。
また、本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、好ましくは酸無水物構造を有する。酸無水物構造とは、カルボン酸のカルボキシル基2個から1分子の水が失われ、2つのアシル基が1個の酸素原子を共有する構造である。一般に、R1COOCOR2で示される。例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等が挙げられる。
官能化α−オレフィン重合体は、官能基を有することで、極性化合物との相溶性及び分散性を向上させることができ、各種ポリマーとの組成物を得ることが容易になる。また、官能化α−オレフィン重合体が官能基を有することで、水等の極性溶媒への溶解性及び分散性を向上させることができ、エマルジョン系接着剤又は塗料として使用できる。ポリオレフィン系材料への適用としては接着性、塗装性の付与ができ、有機無機顔料の表面状態を改良するため、ポリオレフィン系マスターバッチの製造も可能となるほか、アルコキシ珪素基等では架橋による耐熱性の付与が可能である。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。物性の測定方法及び測定装置を以下に示す。
[末端不飽和基濃度]
1H−NMR測定より得られるδ4.8〜4.6(2H)に出現する末端ビニリデン基、δ5.9〜5.7(1H)に出現する末端ビニル基及びδ1.05〜0.60(3H)に出現するメチル基に基づいて、末端不飽和基濃度(C)(モル%)を算出した。
ビニリデン基のCH2(4.8〜4.6ppm)・・・(i)
ビニル基のCH(5.9〜5.7ppm)・・・(ii)
側鎖末端のCH3(1.05〜0.60ppm)・・・(iii)
ビニリデン基量=[(i)/2]/[(iii)/3]×100 モル%
ビニル基量=(ii)/[(iii)/3]×100 モル%
末端不飽和基濃度(C)=[ビニリデン基量]+[ビニル基量]
[1分子当りの末端不飽和基の数]
上記方法により算出した末端不飽和基濃度(C、モル%)と、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)及びモノマー分子量(M)から、下記式により1分子当りの末端不飽和基の数を算出した。
1分子当りの末端不飽和基の数(個)=(Mn/M)×(C/100)
[動粘度]
JIS K 2283に準拠し測定した。
[重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量及び分子量分布を測定した(ポリスチレン換算)。
GPC測定装置
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0ミリリットル/分50
試料濃度:2.2mg/ミリリットル
注入量:160マイクロリットル
検量線:Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
[融点[Tm]]
示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、商品名:「DSC7」)を用い、試料を室温から190℃まで、100℃/分で昇温し、190℃で5分保持した後、−30℃まで、10℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることで、吸熱ピークを示す融解曲線を得た。得られた融解曲線におけるピークトップの温度を融点(Tm)とした。
[半値幅[℃]]
上記でDSCにて融点(Tm)を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を測定した。
[メソトリアッド分率[mm]]
Macromolecules,24,2334(1991)及びPolymer,30,1350(1989)に記載の方法により13C−NMRを用いて求めた。
[反応性評価]
以下の基準に従って評価した。
◎:末端不飽和基の濃度が2.0〜30モル%、且つ、1分子当りの末端不飽和基の数が1.7〜2.0個
○:末端不飽和基の濃度が2.0〜30モル%、且つ、1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個未満
×:末端不飽和基の濃度が2.0モル%未満又は30モル%を超える
[室温流動性]
以下の基準に従って評価した。
有:室温にて、目視により、流動性を有することを確認した。
無:室温にて、目視により、流動性を有しないことを確認した。
製造例1
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ヘキセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度80℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−ヘキセン200gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
製造例2
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−デセン230gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
製造例3
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ドデセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−ドデセン220gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
製造例4
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−オクタデセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−オクタデセン190gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
製造例5
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、炭素数26〜28のαオレフィン混合物400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度110℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性C26〜28共重合体175gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
製造例6
[触媒混合液の調製]
10ミリリットルのガラス製シュレンク瓶に窒素雰囲気下でトリイソブチルアルミニウム0.20ミリモル(0.5ミリモル/ミリリットルのトルエン溶液;0.4ミリリットル)、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド4マイクロモル(5マイクロモル/ミリリットルのトルエン溶液;0.8ミリリットル)及び粉末状のN,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.08ミリモル(64ミリグラム)を入れ室温で1分ほど加え撹拌した後、1−ドデセン1ミリリットルを加えてさらに室温で1時間撹拌し、触媒混合液を調製した。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ドデセン234ミリリットル、1−オクテン166ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモルをいれ、90℃に昇温した。上述の調製工程により得られた触媒混合液を1.6ミリリットル投入後、水素0.05MPaGを導入し、重合を開始した。120分後、残りの触媒混合液1.6ミリリットルを添加し、更に90℃で120分反応させた後、メタノール10ミリリットルを投入し重合を停止させた。内容物を取出し、1質量%NaOH水溶液200ミリリットル中に加え、撹拌した。この溶液を分液ロートに移し、有機層を分取した後、有機層を水洗し、有機層を東洋ろ紙2Cのろ紙で固形分を取り除いた。得られた溶液からロータリーエバポレーター(約1.0×10-4MPaGの減圧下、オイルバス100℃)でトルエン、原料、メタノール等を留去し、無色透明液体235g得た。更に掃く薄膜蒸留装置(柴田科学製分子蒸留装置MS−300特型、高真空排気装置DS−212Z)を用いて5×10-6MPaの減圧下、180℃で蒸留を行い、炭素数24以下の成分を取り除くことにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性1−オクテン/1−ドデセン共重合体を205g得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
Figure 2013118841
実施例1
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例1で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い、末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解アモルファスポリ1−ヘキセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.1質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.64であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.9個であった。
実施例2
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例2で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−デセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.2質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は9100であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.72であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.8個であった。
実施例3
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例3で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−ドデセンを得た。
得られた分解ポリ1−ドデセンの収率は原料ポリオレフィンに対して99.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.81であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.7個であった。
実施例4
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例4で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−オクタデセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.81であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.5個であった。
実施例5
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例5で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解C26〜28共重合体を得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して98.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は6500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.5個であった。
実施例6
[末端不飽和α―オレフィン重合体の製造]
内径10ミリ長さ50センチメートルからなる管状反応器にガラスビーズを充填し、マントルヒーターで400℃に加熱した。そこに製造例6で得られた原料ポリオレフィンをポンプで40ミリリットル/時間の流量で通し連続的に分解し、末端不飽和1−オクテン/1−ドデセン共重合体を得た。この時の滞留時間は27分であった。
得られた末端不飽和1−オクテン/1−ドデセン共重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第2表に示した
比較例1
[末端不飽和プロピレン重合体の製造]
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを24L/h、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/h、及びジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンとを質量比1:2:20で接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hで連続供給した。
重合温度を83℃に設定し、反応器の気相部の水素濃度を0.86モル%、反応器内の全圧を0.7MPa・Gに保つように、プロピレン及び水素を連続供給し、重合反応を行った。
得られた重合溶液に、安定剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)をその含有割合が500質量ppmになるように添加し、溶媒であるn−ヘプタンを除去して、原料ポリプロピレンである低結晶性ポリプロピレンを得た。この原料ポリプロピレンをアンダーウオーターカットにより樹脂ペレットとした。
得られた原料ポリプロピレンの立体規則性[mmmm]は45モル%であり、重量平均分子量(Mw)は45,600、末端不飽和基数は0.95個/分子であった。
上記原料ポリプロピレンを用い、以下の条件でラジカル分解を行い、末端不飽和プロピレン重合体を製造した。
具体的には、撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500mL)に原料ポリプロピレン70gを投入した。窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用いて樹脂温度を120℃に昇温した。溶融状態になったことを確認して撹拌を再開し、マントルヒーターを樹脂温度が320℃で一定になるように制御した。この溶融樹脂に、キュメンハイドロパーオキサイド(商品名:パークミルP、日油株式会社製)1.2gを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応させ、空冷して110℃まで冷却した。110℃で温度を保ったまま、トルエン200ミリリットルを投入し、均一溶液を調製した。
このトルエン溶液をテフロン(登録商標)コート製のバットに回収し、トルエンを除去して、100℃で8時間減圧乾燥することでラジカル分解ポリプロピレンを得た。
得られた末端不飽和プロピレン重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第2表に示す。
比較例2
製造例2で製造した原料ポリオレフィンをそのまま評価に供した。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、100℃における動粘度、融点(Tm)、末端不飽和基濃度及び1分子当りの末端不飽和基の数を測定した。結果を第2表に示す。
Figure 2013118841
実施例1〜6の末端不飽和α−オレフィン重合体は、末端不飽和基の濃度が2.0モル%以上と高くなっており、反応性が高い重合体であると言える。したがって、反応型接着剤、反応型ホットメルト接着剤、その他接着剤、粘着剤、封止材、シーリング材、反応性可塑剤等の用途や原料として好適に使用できると言える。また、炭素数5以上のオレフィン重合体であるため、材料耐熱性向上、防水性向上等の効果もあるといえる。
これに対し、比較例1では炭素数3の末端不飽和オレフィン重合体であるため、分子量あたりの末端不飽和濃度が2.0モル%未満であった。また、比較例2では分解反応を行っていないので、分子量あたりの末端不飽和濃度が2.0モル%未満であった。さらに、末端不飽和基濃度が低いため、得られた重合体の反応性は低く、反応型接着剤、封止材、シーリング材、接着剤、可塑剤等の用途での使用は難しい結果となった。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、末端不飽和基を反応点に用いることで、化学的に不活性なポリオレフィン材料に対して接着性、塗装性、コーティング性の付与、ポリオレフィン以外の樹脂とのアロイ材料の製造、無機・有機フィラーとの組成物等の分野に利用できる。さらに反応性原料として活用することにより、反応型接着剤、反応型ホットメルト接着剤、その他接着剤、粘着剤、封止材、シーリング材、ポッティング材、反応性可塑剤等の用途や原料として幅広く利用できる。

Claims (10)

  1. 炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする末端不飽和α−オレフィン重合体。
  2. 1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個以下である、請求項1に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  3. 炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、請求項1又は2に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  4. 炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、請求項1又は2に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  5. 100℃における動粘度が3〜2000mm/s2であり、メソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%である、請求項1〜4のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  6. 示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定において、融点が20℃以上100℃以下であり、ピーク温度が一つだけ観測され、かつ該ピークの半値幅が15℃以内である、請求項1〜5のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  7. 重量平均分子量Mwが500〜100,000であり、かつ、分子量分布Mw/Mnが1.10〜2.60である、請求項1〜6のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
  8. 有機過酸化物を原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
  9. 原料ポリオレフィンを、温度200〜500℃で滞留時間1時間以内で加熱処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
  10. 前記加熱処理の処理時間が30秒〜10時間である、請求項8又は9に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
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