JPWO2013108688A1 - 画像処理装置および方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができるようにする画像処理装置および方法に関する。本開示の画像処理装置は、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部か、若しくは、前記変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された前記色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを受け取る受け取り部を備える。本開示は、例えば、画像データを処理する画像処理装置等に適用することができる。

Description

本開示は、画像処理装置および方法に関し、色差信号の画質を向上させる画像処理装置および方法に関する。
近年、画像情報をデジタルとして取り扱い、その際、効率の高い情報の伝送、蓄積を目的とし、画像情報特有の冗長性を利用して、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償により圧縮するMPEG(Moving Picture Experts Group)などの方式に準拠した装置が、放送局などの情報配信、及び一般家庭における情報受信の双方において普及した。
特に、MPEG2(ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission) 13818-2)は、汎用画像符号化方式として定義されており、飛び越し走査画像及び順次走査画像の双方、並びに標準解像度画像及び高精細画像を網羅する標準で、プロフェッショナル用途及びコンシューマ用途の広範なアプリケーションに現在広く用いられている。MPEG2圧縮方式を用いることにより、例えば720×480画素を持つ標準解像度の飛び越し走査画像であれば4〜8Mbps、1920×1088画素を持つ高解像度の飛び越し走査画像であれば18〜22Mbpsの符号量(ビットレート)を割り当てることで、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能である。
MPEG2は主として放送用に適合する高画質符号化を対象としていたが、MPEG1より低い符号量(ビットレート)、つまりより高い圧縮率の符号化方式には対応していなかった。携帯端末の普及により、今後そのような符号化方式のニーズは高まると思われ、これに対応してMPEG4符号化方式の標準化が行われた。画像符号化方式に関しては、1998年12月にISO/IEC 14496-2としてその規格が国際標準に承認された。
更に、近年、当初テレビ会議用の画像符号化を目的として、H.26L (ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) Q6/16 VCEG(Video Coding Expert Group))という標準の規格化が進んでいる。H.26LはMPEG2やMPEG4といった従来の符号化方式に比べ、その符号化、復号化により多くの演算量が要求されるものの、より高い符号化効率が実現されることが知られている。また、現在、MPEG4の活動の一環として、このH.26Lをベースに、H.26Lではサポートされない機能をも取り入れ、より高い符号化効率を実現する標準化がJoint Model of Enhanced-Compression Video Codingとして行われた。
標準化のスケジュールとしては、2003年3月にはH.264及びMPEG-4 Part10 (Advanced Video Coding、以下AVCと記す)という名の元に国際標準となった。
ところで、AVCにおいては、符号化の処理単位(符号化単位)として、マクロブロックとサブマクロブロックによる階層構造が規定されている。しかしながら、このマクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない。
そこで、PostAVC符号化方式となる、HEVC(High Efficiency Video Coding)においては、マクロブロックの代わりの符号化単位としてコーディングユニット(CU(Coding Unit))が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなAVCやHEVCにおいては、色差信号に対する量子化パラメータは、chroma_qp_index_offsetというオフセット値を用いて、輝度信号に対する量子化パラメータを変換することにより生成される。
したがって、色差信号に対する量子化パラメータも、輝度信号に対する量子化パラメータと同様に、符号量をより低減させようと、より大きなブロックほど、より大きな値が設定されるようになされていた。
Benjamin Bross, Woo-Jin Han, Jens-Rainer Ohm, Gary J. Sullivan, Thomas Wiegand," Working Draft 4 of High-Efficiency Video Coding ", JCTVC-F803_d2, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC)of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 6th Meeting: Torino, IT, 14-22 July, 2011
しかしながら、直交変換サイズが大きなブロックは、動きが少ない、一様な画像である場合が多く、動きベクトルによって参照される頻度が多い。そのため、色差信号に対する量子化パラメータを、上述したように設定することにより、参照される可能性がより高いブロック程、より大きな量子化パラメータを用いて量子化することとなり、色差信号の画質をより大幅に低減させてしまう恐れがあった。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することを目的とする。
本開示の一側面は、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する量子化部とを備える画像処理装置である。
前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定することができる。
前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位の前記オフセットを、より小さな値に設定することができる。
前記オフセット設定部は、前記画像データが符号化された符号化データのビットレートに応じて、より参照され易い大きさの直交変換係数に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定することができる。
前記オフセット設定部は、前記変換単位の大きさに応じて、予め定められた前記オフセットの初期値を補正することができる。
前記オフセット設定部は、長方形の変換単位に対する前記オフセットとして、前記変換単位と、同じ若しくは近似する大きさの正方形の変換単位に対する前記オフセットの値を設定することができる。
前記オフセット設定部は、前記画像データを直交変換する際の変換単位の大きさおよび形状に応じて、前記オフセットを設定することができる。
本開示の一側面は、また、画像処理装置の画像処理方法であって、オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する画像処理方法である。
本開示の他の側面は、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部とを備える画像処理装置である。
本開示の他の側面は、また、画像処理装置の画像処理方法であって、オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、逆量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する画像処理方法である。
本開示のさらに他の側面は、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、前記画像データを符号化する符号化部と、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットと、前記符号化部により生成された符号化データとを伝送する伝送部とを備える画像処理装置である。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのパラメータセットとして伝送することができる。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された複数の前記オフセットを、1つにまとめて、前記パラメータセットとして伝送することができる。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのシーケンスパラメータセットとして伝送することができる。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのピクチャパラメータセットとして伝送することができる。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのアダプテーションパラメータセットとして伝送することができる。
前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのスライスヘッダとして伝送することができる。
本開示のさらに他の側面は、また、画像処理装置の画像処理方法であって、オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、符号化部が、前記画像データを符号化し、伝送部が、設定された前記オフセットと、生成された符号化データとを伝送する画像処理方法である。
本開示のさらに他の側面は、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取る受け取り部と、前記受け取り部により受け取られた前記符号化データを復号する復号部と、前記受け取り部により受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記復号部により前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部とを備える画像処理装置である。
本開示のさらに他の側面は、また、画像処理装置の画像処理方法であって、受け取り部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取り、復号部が、受け取られた前記符号化データを復号し、逆量子化部が、受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する画像処理方法である。
本開示の一側面においては、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットが設定され、設定されたオフセットを用いて輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、色差信号に対する量子化パラメータを用いて、画像データの直交変換係数が量子化される。
本開示の他の側面においては、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットが設定され、設定されたオフセットを用いて輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、色差信号に対する量子化パラメータを用いて、画像データの量子化された直交変換係数が逆量子化される。
本開示のさらに他の側面においては、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットが設定され、画像データが符号化され、設定されたオフセットと、生成された符号化データとが伝送される。
本開示のさらに他の側面においては、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、画像データを符号化した符号化データとが受け取られ、受け取られた符号化データが復号され、受け取られた符号化データから抽出されたオフセットを用いて輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、色差信号に対する量子化パラメータを用いて、符号化データが復号されて得られた、画像データの量子化された直交変換係数が逆量子化される。
本開示によれば、画像を処理することができる。特に、色差成分の画質の低減を抑制することができる。
画像符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。 量子化ステップと量子化パラメータとの関係の例を示す図である。 色差成分の量子化パラメータと、輝度成分の量子化パラメータから算出されるパラメータとの関係を示す図である。 コーディングユニットの構成例を説明する図である。 ピクチャパラメータセットのシンタックスの例を示す図である。 変換係数のシンタックスの例を示す図である。 直交変換部および量子化部の主な構成例を示すブロック図である。 TUサイズに応じた色差信号に対する量子化パラメータ制御の例を説明する図である。 符号化処理の流れの例を説明するフローチャートである。 直交変換量子化処理の流れの例を説明するフローチャートである。 画像復号装置の主な構成例を示すブロック図である。 逆量子化部の主な構成例を示すブロック図である。 復号処理の流れの例を説明するフローチャートである。 逆量子化逆直交変換処理の流れの例を説明するフローチャートである。 多視点画像符号化方式の例を示す図である。 本技術を適用した多視点画像符号化装置の主な構成例を示す図である。 本技術を適用した多視点画像復号装置の主な構成例を示す図である。 階層画像符号化方式の例を示す図である。 本技術を適用した階層画像符号化装置の主な構成例を示す図である。 本技術を適用した階層画像復号装置の主な構成例を示す図である。 コンピュータの主な構成例を示すブロック図である。 テレビジョン装置の主な構成例を示すブロック図である。 の主な構成例を示すブロック図である。 記録再生機の主な構成例を示すブロック図である。 撮像装置の主な構成例を示すブロック図である。 スケーラブル符号化利用の一例を示すブロック図である。 スケーラブル符号化利用の他の例を示すブロック図である。 スケーラブル符号化利用のさらに他の例を示すブロック図である。
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(画像符号化装置)
2.第2の実施の形態(画像復号装置)
3.第3の実施の形態(多視点画像符号化・多視点画像復号装置)
4.第4の実施の形態(階層画像符号化・階層画像復号装置)
5.第5の実施の形態(コンピュータ)
6.第6の実施の形態(テレビジョン受像機)
7.第7の実施の形態(携帯電話機)
8.第8の実施の形態(記録再生装置)
9.第9の実施の形態(撮像装置)
10.スケーラブル符号化の応用例
<1.第1の実施の形態>
<画像符号化装置>
図1は、本技術を適用した画像処理装置である画像符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。
図1に示される画像符号化装置100は、例えばHEVC(High Efficiency Video Coding)符号化方式や、H.264及びMPEG(Moving Picture Experts Group)4 Part10(AVC(Advanced Video Coding))符号化方式のように、動画像の画像データを符号化する。
図1に示されるように画像符号化装置100は、A/D変換部101、画面並べ替えバッファ102、演算部103、直交変換部104、量子化部105、可逆符号化部106、および蓄積バッファ107を有する。また、画像符号化装置100は、逆量子化部108、逆直交変換部109、演算部110、ループフィルタ111、フレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114、動き予測・補償部115、予測画像選択部116、およびレート制御部117を有する。
A/D変換部101は、入力された画像データをA/D変換し、変換後の画像データ(デジタルデータ)を画面並べ替えバッファ102に供給し、記憶させる。画面並べ替えバッファ102は、記憶した表示の順番のフレームの画像を、GOP(Group Of Picture)に応じて、符号化のためのフレームの順番に並べ替え、フレームの順番を並び替えた画像を、演算部103に供給する。画面並べ替えバッファ102は、各フレーム画像を、符号化処理の処理単位(符号化単位)となる所定の部分領域毎に演算部103に供給する。
また、画面並べ替えバッファ102は、フレームの順番を並び替えた画像を、同様に部分領域毎に、イントラ予測部114および動き予測・補償部115にも供給する。
演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、予測画像選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算し、その差分情報を直交変換部104に出力する。例えば、イントラ符号化が行われる画像の場合、演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、イントラ予測部114から供給される予測画像を減算する。また、例えば、インター符号化が行われる画像の場合、演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算する。
直交変換部104は、演算部103から供給される差分情報に対して、離散コサイン変換やカルーネン・レーベ変換等の直交変換を施す。なお、この直交変換の方法は任意である。直交変換部104は、その直交変換により得られた変換係数を量子化部105に供給する。
量子化部105は、直交変換部104から供給される変換係数を量子化する。量子化部105は、量子化された変換係数を可逆符号化部106に供給する。
可逆符号化部106は、量子化部105において量子化された変換係数を、任意の符号化方式で符号化し、符号化データ(ビットストリーム)を生成する。係数データは、レート制御部117の制御の下で量子化されているので、この符号化データの符号量は、レート制御部117が設定した目標値となる(若しくは目標値に近似する)。
また、可逆符号化部106は、イントラ予測のモードを示す情報等を含むイントラ予測情報をイントラ予測部114から取得し、インター予測のモードを示す情報や動きベクトル情報などを含むインター予測情報を動き予測・補償部115から取得する。さらに、可逆符号化部106は、ループフィルタ111において使用されたフィルタ係数等を取得する。
可逆符号化部106は、これらの各種情報を任意の符号化方式で符号化し、符号化データ(ビットストリーム)に含める(多重化する)。可逆符号化部106は、このように生成された符号化データを蓄積バッファ107に供給して蓄積させる。
可逆符号化部106の符号化方式としては、例えば、可変長符号化または算術符号化等が挙げられる。可変長符号化としては、例えば、H.264/AVC方式で定められているCAVLC(Context-Adaptive Variable Length Coding)などが挙げられる。算術符号化としては、例えば、CABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding)などが挙げられる。
蓄積バッファ107は、可逆符号化部106から供給された符号化データを、一時的に保持する。蓄積バッファ107は、所定のタイミングにおいて、保持している符号化データを、ビットストリームとして、例えば、後段の図示せぬ記録装置(記録媒体)や伝送路などに出力する。つまり、符号化された各種情報が、画像符号化装置100によって画像データが符号化されて得られた符号化データを復号する装置(以下、復号側の装置とも称する)(例えば、後述する図11の画像復号装置200)に供給される。
また、量子化部105において量子化された変換係数は、逆量子化部108にも供給される。逆量子化部108は、その量子化された変換係数を、量子化部105による量子化に対応する方法で逆量子化する。逆量子化部108は、得られた変換係数を、逆直交変換部109に供給する。
逆直交変換部109は、逆量子化部108から供給された変換係数を、直交変換部104による直交変換に対応する方法で逆直交変換する。逆直交変換された出力(局所的に復元された差分情報)は、演算部110に供給される。
演算部110は、逆直交変換部109から供給された逆直交変換結果、すなわち、局所的に復元された差分情報に、予測画像選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115から供給される予測画像を加算し、局所的に再構成された画像(以下、再構成画像と称する)を得る。その再構成画像は、ループフィルタ111またはフレームメモリ112に供給される。
ループフィルタ111は、デブロックフィルタや適応ループフィルタ等を含み、演算部110から供給される再構成画像に対して適宜フィルタ処理を行う。例えば、ループフィルタ111は、再構成画像に対してデブロックフィルタ処理を行うことにより再構成画像のブロック歪を除去する。また、例えば、ループフィルタ111は、そのデブロックフィルタ処理結果(ブロック歪みの除去が行われた再構成画像)に対して、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)を用いてループフィルタ処理を行うことにより画質改善を行う。
なお、ループフィルタ111が、再構成画像に対してさらに、他の任意のフィルタ処理を行うようにしてもよい。また、ループフィルタ111は、必要に応じて、フィルタ処理に用いたフィルタ係数等の情報を可逆符号化部106に供給し、それを符号化させるようにすることもできる。
ループフィルタ111は、フィルタ処理結果(以下、復号画像と称する)をフレームメモリ112に供給する。
フレームメモリ112は、演算部110から供給される再構成画像と、ループフィルタ111から供給される復号画像とをそれぞれ記憶する。フレームメモリ112は、所定のタイミングにおいて、若しくは、イントラ予測部114等の外部からの要求に基づいて、記憶している再構成画像を、選択部113を介してイントラ予測部114に供給する。また、フレームメモリ112は、所定のタイミングにおいて、若しくは、動き予測・補償部115等の外部からの要求に基づいて、記憶している復号画像を、選択部113を介して、動き予測・補償部115に供給する。
選択部113は、フレームメモリ112から出力される画像の供給先を示す。例えば、イントラ予測の場合、選択部113は、フレームメモリ112からフィルタ処理されていない画像(再構成画像)を読み出し、周辺画素として、イントラ予測部114に供給する。
また、例えば、インター予測の場合、選択部113は、フレームメモリ112からフィルタ処理された画像(復号画像)を読み出し、参照画像として、それを動き予測・補償部115に供給する。
イントラ予測部114は、フレームメモリ112から、処理対象領域の周辺に位置する周辺領域の画像(周辺画像)を取得すると、その周辺画像の画素値を用いて、基本的にプレディクションユニット(PU(Prediction Unit))を処理単位として予測画像を生成するイントラ予測(画面内予測)を行う。イントラ予測部114は、予め用意された複数のモード(イントラ予測モード)でこのイントラ予測を行う。
つまり、イントラ予測部114は、候補となる全てのイントラ予測モードで予測画像を生成し、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像を用いて各予測画像のコスト関数値を評価し、最適なモードを選択する。イントラ予測部114は、最適なイントラ予測モードを選択すると、その最適なモードで生成された予測画像を、予測画像選択部116に供給する。
また、イントラ予測部114は、最適なイントラ予測モード等、イントラ予測に関する情報を含むイントラ予測情報を、適宜可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
動き予測・補償部115は、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像と、フレームメモリ112から供給される参照画像とを用いて、基本的にPU(inter PU)を処理単位として、動き予測(インター予測)を行い、検出された動きベクトルに応じて動き補償処理を行い、予測画像(インター予測画像情報)を生成する。動き予測・補償部115は、予め用意された複数のモード(インター予測モード)でこのようなインター予測を行う。
つまり、動き予測・補償部115は、候補となる全てのインター予測モードで予測画像を生成し、各予測画像のコスト関数値を評価し、最適なモードを選択する。動き予測・補償部115は、最適なインター予測モードを選択すると、その最適なモードで生成された予測画像を、予測画像選択部116に供給する。
また、動き予測・補償部115は、最適なインター予測モード等、インター予測に関する情報を含むインター予測情報を可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
予測画像選択部116は、演算部103や演算部110に供給する予測画像の供給元を選択する。例えば、イントラ符号化の場合、予測画像選択部116は、予測画像の供給元としてイントラ予測部114を選択し、そのイントラ予測部114から供給される予測画像を演算部103や演算部110に供給する。また、例えば、インター符号化の場合、予測画像選択部116は、予測画像の供給元として動き予測・補償部115を選択し、その動き予測・補償部115から供給される予測画像を演算部103や演算部110に供給する。
レート制御部117は、蓄積バッファ107に蓄積された符号化データの符号量に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
さらに、画像符号化装置100は、色差量子化オフセット設定部121を有する。
直交変換部104の直交変換処理は所定の大きさの領域(直交変換単位、変換単位、または、TU(Transform Unit)とも称する)毎に行われる。この直交変換単位(変換単位)のサイズ(大きさ)は、予め用意された複数の候補の中から選択される。つまり、直交変換部104は、各大きさを変換単位として直交変換を行い、コスト関数値が最も小さくなるサイズ(符号量が最も小さくなるサイズ)を、変換単位のサイズ(最適TUサイズとも称する)として選択する。
直交変換部104は、その最適TUサイズの変換単位毎に行った直交変換処理により得られる直交変換係数を量子化部105に供給する。また、直交変換部104は、最適TUサイズに関する情報を、色差量子化オフセット設定部121に供給する。
色差量子化オフセット設定部121は、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセット値であるchroma_qp_index_offsetを、最適TUサイズに応じて設定する。色差量子化オフセット設定部121は、このように設定したchroma_qp_index_offsetを、量子化部105および逆量子化部108に供給する。
量子化部105は、色差量子化オフセット設定部121から供給されたchroma_qp_index_offsetを用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その色差信号に対する量子化パラメータを用いて、直交変換部104から供給される色差信号の直交変換係数を量子化する。
逆量子化部108は、色差量子化オフセット設定部121から供給されたchroma_qp_index_offsetを用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その色差信号に対する量子化パラメータを用いて、量子化部105から供給される色差信号の量子化データ(量子化された変換係数)を逆量子化する。
<量子化パラメータ>
次に、量子化について説明する。量子化部105は、係数データに対して量子化ステップで除算した結果を整数値に丸める処理である量子化を行う。量子化部105は、この量子化により係数の値を小さくすることができる。したがって、画像符号化装置100は、この量子化結果の係数(量子化値)を符号化することにより、量子化前の直交変換係数を符号化する場合よりも、符号量を低減させることができる。
換言するに、量子化ステップのサイズによって符号量の調整が可能である。したがって、量子化ステップのサイズを制御することにより、ビットストリームのレート制御が可能になる。
逆量子化の際には、量子化に用いられた量子化ステップと同一のサイズの量子化ステップが必要になる。AVCやHEVCでは、この量子化ステップの代わりに量子化パラメータが復号側の装置に伝送される。この量子化ステップ(QS)と量子化パラメータ(QP)との間に所定の関係が予め定義される。例えば、AVCの場合、以下の式(1)のような関係が定義されている。
Figure 2013108688
図3は、この量子化ステップ(QS)と量子化パラメータ(QP)との関係の例をグラフとして示す図である。図3のグラフに示されるように、量子化パラメータが6増えると量子化ステップが2倍になるようになされている。
また、以上のような関係に従って、量子化ステップの所望のレンジに合わせて、量子化ステップの取り得る値の範囲が予め定義される。例えばAVCの場合、量子化ステップの最大値が最小値の256倍となるように、量子化パラメータの値として0乃至51までの値が定義されている。
<色差信号の量子化>
次に、色差信号に対する量子化処理について述べる。
色差信号も対する量子化パラメータQPcは、輝度信号に対する量子化パラメータQPY、および、所定のパラメータQPIに応じて、図3に示される表のように与えられる。このパラメータQPIは、ピクチャパラメータセット(Picture Parameter Set)中に含まれる、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセット値chroma_qp_index_offsetというパラメータを用いて以下の式(2)のように算出される。
Figure 2013108688
したがって、ユーザは、chroma_qp_index_offsetの値を調整することで、色差信号に対する量子化値を制御することができる。
なお、ハイプロファイル(High Profile)以上においては、Cb信号およびCr信号のそれぞれに対して互いに独立にchroma_qp_index_offsetを設定することができる。
<コーディングユニット>
ところで、AVCにおいては、符号化の処理単位(符号化単位)として、マクロブロックとサブマクロブロックによる階層構造が規定されている。しかしながら、このマクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない。
そこで、PostAVC符号化方式となる、HEVC(High Efficiency Video Coding)においては、マクロブロックの代わりの符号化単位としてコーディングユニット(CU(Coding Unit))が規定されている。
このコーディングユニット(CU)は、コーディングツリーブロック(CTB(Coding Tree Block))とも呼ばれ、AVCにおけるマクロブロックと同様の役割を果たす、ピクチャ単位の画像の多層構造の部分領域である。つまり、CUは、符号化処理の単位(符号化単位)である。マクロブロックの大きさが16×16画素に固定されているのに対し、CUの大きさは固定されておらず、それぞれのシーケンスにおいて画像圧縮情報中に指定されることになる。
特に、最大の大きさを持つCUを、ラージストコーディングユニット(LCU(Largest Coding Unit)と呼び、また、最小の大きさを持つCUをスモーレストコーディングユニット(SCU(Smallest Coding Unit))と称する。すなわち、LCUは、最大符号化単位であり、SCUは、最小符号化単位である。例えば画像圧縮情報に含まれるシーケンスパラメータセットにおいて、これらの領域のサイズが指定されることになるが、それぞれ、正方形で、2の冪乗で表される大きさに限定される。つまり、ある階層の(正方形の)CUが2x2に4分割された各領域が1階層下の(正方形の)CUとなる。
図4に、HEVCで定義されているコーディングユニット(Coding Unit)の例を示す。図4の例では、LCUの大きさが128(2N(N=64))であり、最大階層深度が5(Depth=4)となる。2Nx2Nの大きさのCUは、split_flagの値が「1」である場合、1つ下の階層となる、NxNの大きさのCUに分割される。
更に、CUは、イントラ若しくはインター予測の処理単位となる領域(ピクチャ単位の画像の部分領域)であるプレディクションユニット(Prediction Unit(PU))に分割され、また、直交変換の処理単位となる領域(ピクチャ単位の画像の部分領域)である、トランスフォームユニット(Transform Unit(TU))に分割される。
インター予測のPU(Inter Prediction Unit)の場合、大きさ2Nx2NのCUに対して、2Nx2N、2NxN、Nx2N、NxNの4種類のサイズが設定可能である。つまり、1つのCUに対して、そのCUと同サイズの1つPU、そのCUを縦若しくは横に2分割した2つのPU、若しくは、そのCUを縦および横にそれぞれ2分割した4つのPUを定義することができる。
画像符号化装置100は、このようなピクチャ単位の画像の部分領域を処理単位として符号化に関する各処理を行う。以下においては、画像符号化装置100が、HEVCで定義されるCUを符号化単位とする場合について説明する。つまり、LCUが最大符号化単位となり、SCUが最小符号化単位となる。ただし、画像符号化装置100による符号化の各処理の処理単位は、これに限らず、任意である。例えば、AVCで定義されるマクロブロックやサブマクロブロックを処理単位とするようにしてもよい。
なお、以下において、「(部分)領域」には、上述した各種領域(例えば、マクロブロック、サブマクロブロック、LCU、CU、SCU、PU、およびTU等)が全て含まれる(それらのいずれかであってもよい)。もちろん、上述した以外の単位が含まれてもよいし、説明の内容に応じて不可能な単位は、適宜、除外するものとする。
<量子化パラメータに関するシンタクス>
上述したように、符号化側の装置において量子化に用いられた量子化パラメータ(QP)は、復号側の装置に伝送される。例えば、HEVCの場合、量子化パラメータQPをCU単位で伝送することが可能である。上述したようにCUは階層化構造を有し、LCU内に複数の大きさのCUを形成することができる。画像符号化装置100は、このうち、任意の大きさ以上のCUについてのみ量子化パラメータを伝送させるようにすることができる。
どの大きさのCUまで量子化パラメータを伝送するかは、例えば、図5に示されるピクチャパラメータセットにおけるシンタクス要素であるmax_cu_qp_delta_depthにより指定される。
また、HEVCの場合、符号量を低減させるため、処理対象のCUである注目CUの量子化パラメータの代わりに、その注目CUの量子化パラメータと、注目CUの周辺のCUの量子化パラメータとの差分値(差分量子化パラメータ)が伝送される。
図6は、変換係数のシンタックスの例を示す図である。図6に示されるように、例えば、その注目CUの差分量子化パラメータを表すcu_qp_deltaなるパラメータが、上述したシンタクス要素max_cu_qp_delta_depthにより指定される大きさ以上のCU毎に伝送される。
この差分量子化パラメータcu_qp_deltaは、以下の式(3)に従って算出される。
Figure 2013108688
ここで、LeftQPは、注目CUの左に位置するCUの量子化パラメータであり、PrevQPは、注目CUの直前に処理されたCUの量子化パラメータである。つまり、注目CUの量子化パラメータと、注目CUの左のCU、若しくは、注目CUの直前に処理されたCUの量子化パラメータとの差分値が伝送される。
<chroma_qp_index_offsetの制御>
上述したように色差信号に対する量子化パラメータは、輝度信号に対する量子化パラメータから生成される。したがって、色差信号に対する量子化パラメータも、輝度信号に対する量子化パラメータと同様に、符号量をより低減させようと、より大きなブロックほど、より大きな値が設定される。
しかしながら、直交変換サイズが大きなブロックは、動きが少ない、一様な画像である場合が多く、動きベクトルによって参照される頻度が多い。そのため、色差信号に対する量子化パラメータを、上述したように設定することにより、参照される可能性がより高いブロック程、より大きな量子化パラメータを用いて量子化することとなり、色差信号の画質をより大幅に低減させてしまう恐れがあった。
そこで、色差量子化オフセット設定部121が、直交変換単位のサイズに応じてchroma_qp_index_offsetの値を設定するようにし、より大きな変換単位(TU)に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるようにする。つまり、より大きな変換単位(TU)のchroma_qp_index_offsetが、より小さな値に設定されるようにする。
このようにすることにより、色差量子化オフセット設定部121は、より多く参照されるTUの画質を向上させることができる。つまり、色差量子化オフセット設定部121は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。これにより、画像符号化装置100は、出力する符号化データの符号化効率を向上させることができる。
<直交変換部、量子化部、色差量子化オフセット設定部>
図7は、図1の直交変換部104および量子化部105の主な構成例を示すブロック図である。
図7に示されるように、直交変換部104は、4×4直交変換部151、8×8直交変換部152、16×16直交変換部153、4×4コスト関数算出部154、8×8コスト関数算出部155、16×16コスト関数算出部156、およびTUサイズ決定部157を有する。
4×4直交変換部151は、4×4画素を直交変換単位(TU)として、演算部103から供給される差分画像を直交変換する。4×4直交変換部151は、直交変換の結果として得られた直交変換係数を4×4コスト関数算出部154に供給する。
4×4コスト関数算出部154は、4×4直交変換部151から供給された直交変換係数を用いて、直交変換単位(TU)のサイズを4×4画素とする場合のコスト関数値を算出する。4×4コスト関数算出部154は、算出したコスト関数値を、4×4直交変換部151から供給された直交変換係数とともにTUサイズ決定部157に供給する。
8×8直交変換部152は、8×8画素を直交変換単位(TU)として、演算部103から供給される差分画像を直交変換する。8×8直交変換部152は、直交変換の結果として得られた直交変換係数を8×8コスト関数算出部155に供給する。
8×8コスト関数算出部155は、8×8直交変換部152から供給された直交変換係数を用いて、直交変換単位(TU)のサイズを8×8画素とする場合のコスト関数値を算出する。8×8コスト関数算出部155は、算出したコスト関数値を、8×8直交変換部152から供給された直交変換係数とともにTUサイズ決定部157に供給する。
16×16直交変換部153は、16×16画素を直交変換単位(TU)として、演算部103から供給される差分画像を直交変換する。16×16直交変換部153は、直交変換の結果として得られた直交変換係数を16×16コスト関数算出部156に供給する。
16×16コスト関数算出部156は、16×16直交変換部153から供給された直交変換係数を用いて、直交変換単位(TU)のサイズを16×16画素とする場合のコスト関数値を算出する。16×16コスト関数算出部156は、算出したコスト関数値を、16×16直交変換部153から供給された直交変換係数とともにTUサイズ決定部157に供給する。
TUサイズ決定部157は、供給された各サイズの直交変換単位に対応するコスト関数値を比較し、その値が最も小さい(符号量が最も少なくなる)サイズを、最適な直交変換単位(TU)のサイズ(最適TUサイズ)として選択する。
つまり、直交変換部104は、予め用意された直交変換単位のサイズの候補のそれぞれについて、直交変換を行い、コスト関数値を求め、その値に基づいて最適TUサイズを選択する。
なお、図7の例の場合、その直交変換単位のサイズの候補として、4×4画素、8×8画素、および16×16画素の3つが用意されているが、この候補の数、および、各候補のサイズは、任意である。例えば32×32画素といった、上述したサイズより大きな直交変換単位を候補に含めるようにしても良い。また、例えば4×8画素や16×8画素といった、長方形の直交変換単位を候補に含めるようにしてもよい。
また、直交変換部104は、予め用意された全ての候補について、このように直交変換を行い、コスト関数値を求め、その値に基づいて最適TUサイズを選択するようにしてもよいが、状況に応じて一部の候補を選択し、その一部の候補についてのみ、直交変換を行い、コスト関数値を求め、その中から最適TUサイズを選択するようにしてもよい。例えば、画面端やスライス境界などにおいて、直交変換単位のサイズに制限が必要な場合、直交変換部104は、予め用意された候補の中から、許容されるサイズの候補を選択するようにしてもよい。
TUサイズ決定部157は、選択した最適TUサイズを示す情報を、色差量子化オフセット設定部121に供給する。また、TUサイズ決定部157は、演算部103から供給される差分画像が、最適TUサイズの直交変換単毎に直交変換されて得られた直交変換係数を量子化部105(量子化処理部172)に供給する。
色差量子化オフセット設定部121は、直交変換部104から供給される最適TUサイズに応じて、chroma_qp_index_offsetを設定する。その際、色差量子化オフセット設定部121は、より大きなTUに対して、より小さな値を設定するようにする。
例えば、色差量子化オフセット設定部121が、予め設定されるchroma_qp_index_offsetの初期値を、最適TUサイズに応じて補正するようにしてもよい。この場合、chroma_qp_index_offsetの初期値は、例えば、プロファイルやレベル毎、シーケンス毎、ピクチャ毎、若しくはスライス毎等、所定の単位毎に予め設定される。または、符号化規格において、所定の固定値が、chroma_qp_index_offsetの初期値として予め規定されているようにしてもよい。
色差量子化オフセット設定部121は、このchroma_qp_index_offsetの補正量を、最適TUサイズに応じて決定する。例えば、図8に示されるように、16×16画素、8×8画素、および4×4画素の各候補に対して、補正量を−Δ(Δ≧0)、0、Δ(Δ≧0)とするとする。色差量子化オフセット設定部121は、これらの中から、最適TUサイズに対応する補正量を選択し、chroma_qp_index_offsetの初期値を、その補正量で補正する。
なお、この例においては、8×8画素を基準(chroma_qp_index_offsetの初期値に対応するTUサイズ)とし、他のTUサイズの場合に補正を行うようにしているが、この基準とするTUサイズは任意である。例えば、4×4画素を基準(補正量0)としてもよいし、16×16画素を基準(補正量0)としてもよい。
また、この補正量は、全てのTUサイズの候補について予め設定されていても良いが、一部若しくは全部の候補について、所定の演算により求めるようにしてもよい。この演算は、補正量がTUサイズに応じて決まる(依存する)ようなものであれば、どのような演算であってもよい。また、補正量がTUサイズ以外のパラメータにも依存するような演算であっても良い。このようにすることにより、補正量の候補を記憶するために必要な記憶容量を低減させることができる。
また、TUサイズの各候補について、chroma_qp_index_offsetが予め設定されており、色差量子化オフセット設定部121は、最適TUサイズに対応するchroma_qp_index_offsetを、その中から選択するのみとしてもよい。このようにすることにより、色差量子化オフセット設定部121の処理が容易になる。ただし、chroma_qp_index_offsetの候補を多く記憶しなければならず、補正量を記憶する場合よりも大きな記憶領域が必要になる。
さらに、色差量子化オフセット設定部121が、最適TUサイズに応じて、所定の演算によりchroma_qp_index_offsetを算出するようにしてもよい。この演算は、chroma_qp_index_offsetの値がTUサイズに応じて決まる(依存する)ようなものであれば、どのような演算であってもよい。このようにすることにより、chroma_qp_index_offsetやその補正量を記憶する必要が無いので、必要な記憶容量を低減させることができる。
つまり、色差量子化オフセット設定部121は、任意の方法で、最適TUサイズに応じたchroma_qp_index_offsetを算出することができる。
色差量子化オフセット設定部121は、以上のように算出したchroma_qp_index_offsetを、量子化部105(色差量子化値決定部171)に供給する。
図7に示されるように、量子化部105は、色差量子化値決定部171および量子化処理部172を有する。
色差量子化値決定部171は、上述した式(2)や図3に示される表を用いて、色差量子化オフセット設定部121から供給されたchroma_qp_index_offsetや、輝度信号に対する量子化パラメータから、色差信号に対する量子化パラメータを求める。色差量子化値決定部171は、求めた色差信号に対する量子化パラメータを、量子化処理部172に供給する。
量子化処理部172は、直交変換部104(TUサイズ決定部157)から供給される輝度信号の直交変換係数を、輝度信号に対する量子化パラメータを用いて量子化する。また、量子化処理部172は、直交変換部104(TUサイズ決定部157)から供給される色差信号の直交変換係数を、色差量子化値決定部171から供給された色差信号に対する量子化パラメータを用いて量子化する。
この色差信号に対する量子化パラメータは、上述したように、より大きなTUに対して、より小さな値が設定されるようになされているので、量子化処理部172は、色差信号の画質の低減を抑制するように量子化を行うことができる。
量子化処理部172は、このように量子化された直交変換係数を、可逆符号化部106および逆量子化部108に供給する。
なお、色差量子化オフセット設定部121は、chroma_qp_index_offsetを、逆量子化部108にも供給する。逆量子化部108は、このchroma_qp_index_offsetを用いて逆量子化を行うが、その処理は、復号側の装置(例えば図11の画像復号装置200)の逆量子化部と同様であるので、その説明は省略する(後述する復号側の装置の説明を適用することができる)。
なお、図8に示される補正量ΔおよびΔは、互いに同一の値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
例えば、コスト関数を用いたRD最適化によるモード判定を行う場合、TUサイズは、ビットレート、すなわち、量子化パラメータの値に依存する。すなわち、より低いビットレートにおいては、最適TUサイズとして16×16画素が選ばれやすく、高いビットレートにおいては、最適TUサイズとして4×4画素が選ばれやすい。
このため、量子化パラメータに応じてΔ1とΔ2の値を個別に調整することにより、画像符号化装置100は、符号化効率をより向上させることが可能である。
<符号化処理の流れ>
次に、以上のような画像符号化装置100により実行される各処理の流れについて説明する。最初に、図9のフローチャートを参照して、符号化処理の流れの例を説明する。
ステップS101において、A/D変換部101は入力された画像をA/D変換する。ステップS102において、画面並べ替えバッファ102は、A/D変換された画像を記憶し、各ピクチャの表示する順番から符号化する順番への並べ替えを行う。
ステップS103において、イントラ予測部114は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行う。ステップS104において、動き予測・補償部115は、インター予測モードでの動き予測や動き補償を行うインター動き予測処理を行う。
ステップS105において、予測画像選択部116は、イントラ予測部114および動き予測・補償部115から出力された各コスト関数値に基づいて、最適予測モードを決定する。つまり、予測画像選択部116は、イントラ予測部114により生成された予測画像と、動き予測・補償部115により生成された予測画像のいずれか一方を選択する。
ステップS106において、演算部103は、ステップS102の処理により並び替えられた画像と、ステップS105の処理により選択された予測画像との差分を演算する。差分データは元の画像データに較べてデータ量が低減される。したがって、画像をそのまま符号化する場合に較べて、データ量を圧縮することができる。
ステップS107において、直交変換部104、量子化部105、および色差量子化オフセット設定部121は、直交変換量子化処理を実行し、ステップS106の処理により生成された差分情報を直交変換し、さらにその直交変換を量子化する。
ステップS107の処理により量子化された差分情報は、次のようにして局部的に復号される。すなわち、ステップS108において、逆量子化部108はステップS107の処理により量子化された直交変換係数を、その量子化に対応する方法で逆量子化する。ステップS109において、逆直交変換部109は、ステップS108の処理により得られた直交変換係数を、ステップS107の処理に対応する方法で逆直交変換する。
ステップS110において、演算部110は、予測画像を局部的に復号された差分情報に加算し、局部的に復号された画像(演算部103への入力に対応する画像)を生成する。ステップS111においてループフィルタ111は、ステップS110の処理により生成された画像をフィルタリングする。これによりブロック歪み等が除去される。
ステップS112において、フレームメモリ112は、ステップS111の処理によりブロック歪みの除去等が行われた画像を記憶する。なお、フレームメモリ112にはループフィルタ111によりフィルタ処理されていない画像も演算部110から供給され、記憶される。
このフレームメモリ112に記憶された画像は、ステップS103の処理やステップS104の処理に利用される。
ステップS113において、可逆符号化部106は、ステップS107の処理により量子化された変換係数を符号化し、符号化データを生成する。すなわち、差分画像(インターの場合、2次差分画像)に対して、可変長符号化や算術符号化等の可逆符号化が行われる。
なお、可逆符号化部106は、ステップS105の処理により選択された予測画像の予測モードに関する情報を符号化し、差分画像を符号化して得られる符号化データに付加する。例えば、イントラ予測モードが選択された場合、可逆符号化部106は、イントラ予測モード情報を符号化する。また、例えば、インター予測モードが選択された場合、可逆符号化部106は、インター予測モード情報を符号化する。これらの情報は、例えばヘッダ情報等として符号化データに付加(多重化)される。
ステップS114において蓄積バッファ107は、ステップS113の処理により生成された符号化データを蓄積する。蓄積バッファ107に蓄積された符号化データは、適宜読み出され、任意の伝送路(通信路だけでなく記憶媒体等も含む)を介して復号側の装置に伝送される。
ステップS115においてレート制御部117は、ステップS114の処理により蓄積バッファ107に蓄積された圧縮画像に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
ステップS115の処理が終了すると、符号化処理が終了される。
<直交変換量子化処理の流れ>
次に図10のフローチャートを参照して、図9のステップS107において実行される直交変換量子化処理の流れの例を説明する。
直交変換量子化処理が開始されると、直交変換部104の4×4直交変換部151、8×8直交変換部152、および16×16直交変換部153は、ステップS151において、各サイズを直交変換単位(TU)として、直交変換を行う。
ステップS152において、4×4コスト関数算出部154、8×8コスト関数算出部155、および16×16コスト関数算出部156は、ステップS151の処理により得られた各TUサイズの直交変換結果(直交変換係数)を用いて、各TUサイズに対するコスト関数を算出する。
ステップS153において、TUサイズ決定部157は、ステップS152において算出された各TUサイズに対するコスト関数値を用いて最適TUサイズを決定する。
ステップS154において、色差量子化オフセット設定部121は、ステップS153において決定された最適TUサイズに従って、chroma_qp_index_offsetを決定する。
ステップS155において、直交変換部104は、ステップS153において決定された最適TUサイズで差分画像を直交変換する。ここで改めて直交変換を行っても良いが、例えば、TUサイズ決定部157が、ステップS151において得られた各TUサイズに対応する直交変換係数の中から、最適TUサイズに対応する直交変換係数を選択するようにしてもよい。
ステップS156において、量子化処理部172は、符号化対象の画像の輝度成分(輝度信号)に対する量子化パラメータを設定する。
ステップS157において、色差量子化値決定部171は、chroma_qp_index_offsetに基づいて、符号化対象の画像の色差成分(色差信号)に対する量子化パラメータを設定する。
ステップS158において、量子化処理部172は、ステップS156において設定された輝度信号に対する量子化パラメータを用いて、輝度信号の直交変換係数を量子化する。また、量子化処理部172は、ステップS157において設定された色差信号に対する量子化パラメータを用いて、色差信号の直交変換係数を量子化する。
このように、輝度成分および色差成分を量子化すると、量子化部105は、直交変換量子化処理を終了し、処理を図9のステップS107に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
以上のように、各処理を行うことにより、画像符号化装置100は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。これにより、画像符号化装置100は、出力する符号化データの符号化効率を向上させることができる。
<2.第2の実施の形態>
<画像復号装置>
図11は、本技術を適用した画像処理装置である画像復号装置の主な構成例を示すブロック図である。図11に示される画像復号装置200は、上述した画像符号化装置100に対応し、画像符号化装置100が画像データを符号化して生成したビットストリーム(符号化データ)を正しく復号し、復号画像を生成する。
図11に示されるように画像復号装置200は、蓄積バッファ201、可逆復号部202、逆量子化部203、逆直交変換部204、演算部205、ループフィルタ206、画面並べ替えバッファ207、およびD/A変換部208を有する。また、画像復号装置200は、フレームメモリ209、選択部210、イントラ予測部211、動き予測・補償部212、および選択部213を有する。
蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化データを蓄積し、所定のタイミングにおいてその符号化データを可逆復号部202に供給する。可逆復号部202は、蓄積バッファ201より供給された、図1の可逆符号化部106により符号化された情報を、可逆符号化部106の符号化方式に対応する方式で復号する。可逆復号部202は、復号して得られた差分画像の量子化された係数データを、逆量子化部203に供給する。
また、可逆復号部202は、符号化データを復号して得られた最適な予測モードに関する情報を参照し、最適な予測モードにイントラ予測モードが選択されたかインター予測モードが選択されたかを判定する。つまり、可逆復号部202は、伝送されてきた符号化データにおいて採用された予測モードが、イントラ予測であるか、インター予測であるかを判定する。
可逆復号部202は、その判定結果に基づいて、その予測モードに関する情報を、イントラ予測部211若しくは動き予測・補償部212に供給する。例えば、画像符号化装置100において最適な予測モードとしてイントラ予測モードが選択された場合、可逆復号部202は、符号化側から供給された、その選択されたイントラ予測モードに関する情報であるイントラ予測情報をイントラ予測部211に供給する。また、例えば、画像符号化装置100において最適な予測モードとしてインター予測モードが選択された場合、可逆復号部202は、符号化側から供給された、その選択されたインター予測モードに関する情報であるインター予測情報を動き予測・補償部212に供給する。
逆量子化部203は、可逆復号部202により復号されて得られた量子化された係数データを、図1の量子化部105の量子化方式に対応する方式(逆量子化部108と同様の方式)で逆量子化を行う。逆量子化部203は、逆量子化された係数データを逆直交変換部204に供給する。
逆直交変換部204は、図1の直交変換部104の直交変換方式に対応する方式で逆量子化部203から供給される係数データを逆直交変換する。逆直交変換部204は、この逆直交変換処理により、画像符号化装置100において直交変換される前の差分画像に対応する差分画像を得る。
逆直交変換されて得られた差分画像は、演算部205に供給される。また、演算部205には、選択部213を介して、イントラ予測部211若しくは動き予測・補償部212から予測画像が供給される。
演算部205は、差分画像と予測画像とを加算し、画像符号化装置100の演算部103により予測画像が減算される前の画像に対応する再構成画像を得る。演算部205は、その再構成画像をループフィルタ206に供給する。
ループフィルタ206は、供給された再構成画像に対して、デブロックフィルタ処理や適応ループフィルタ処理等を含むループフィルタ処理を適宜施して復号画像を生成する。例えば、ループフィルタ206は、再構成画像に対してデブロックフィルタ処理を行うことにより、ブロック歪を除去する。また、例えば、ループフィルタ206は、そのデブロックフィルタ処理結果(ブロック歪みの除去が行われた再構成画像)に対して、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)を用いてループフィルタ処理を行うことにより画質改善を行う。
なお、ループフィルタ206が行うフィルタ処理の種類は任意であり、上述した以外のフィルタ処理を行ってもよい。また、ループフィルタ206が、図1の画像符号化装置100から供給されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うようにしてもよい。
ループフィルタ206は、フィルタ処理結果である復号画像を画面並べ替えバッファ207およびフレームメモリ209に供給する。なお、このループフィルタ206によるフィルタ処理は省略することもできる。つまり、演算部205の出力が、フィルタ処理されずに、フレームメモリ209に格納されるようにすることもできる。例えば、イントラ予測部211は、この画像に含まれる画素の画素値を周辺画素の画素値として利用する。
画面並べ替えバッファ207は、供給された復号画像の並べ替えを行う。すなわち、図1の画面並べ替えバッファ102により符号化の順番のために並べ替えられたフレームの順番が、元の表示の順番に並べ替えられる。D/A変換部208は、画面並べ替えバッファ207から供給された復号画像をD/A変換し、図示せぬディスプレイに出力し、表示させる。
フレームメモリ209は、供給される再構成画像や復号画像を記憶する。また、フレームメモリ209は、所定のタイミングにおいて、若しくは、イントラ予測部211や動き予測・補償部212等の外部の要求に基づいて、記憶している再構成画像や復号画像を、選択部210を介してイントラ予測部211や動き予測・補償部212に供給する。
イントラ予測部211は、図1のイントラ予測部114と基本的に同様の処理を行う。ただし、イントラ予測部211は、符号化の際にイントラ予測により予測画像が生成された領域に対してのみ、イントラ予測を行う。
動き予測・補償部212は、可逆復号部202から供給されるインター予測情報に基づいてインター予測(動き予測や動き補償を含む)を行い、予測画像を生成する。なお、動き予測・補償部212は、可逆復号部202から供給されるインター予測情報に基づいて、符号化の際にインター予測が行われた領域に対してのみ、インター予測を行う。
イントラ予測部211および動き予測・補償部212は、予測処理単位の領域毎に、生成した予測画像を、選択部213を介して演算部205に供給する。
選択部213は、イントラ予測部211から供給される予測画像、若しくは、動き予測・補償部212から供給される予測画像を演算部205に供給する。
画像復号装置200は、さらに、色差量子化オフセット設定部221を有する。
画像復号装置200においても、上述した画像符号化装置100において行われる処理と基本的に同様の処理が実行され、最適TUサイズに応じてchroma_qp_index_offsetがセットされ、そのchroma_qp_index_offsetを用いて色差信号に対する量子化パラメータが行われる。ただし、画像復号装置200の場合、最適TUサイズは、実際に行われた直交変換の処理単位(直交変換単位)のサイズであるので、画像符号化装置100の直交変換部104が行うような、最適TUサイズを決定するための処理は省略される。
可逆復号部202は、符号化データを復号すると、その複合した注目領域について、直交変換単位のサイズ(最適TUサイズ)を取得する。この最適TUサイズに関する情報は、任意である。例えば図6に示されるようなシンタクスとして、符号化データの所定の位置に格納されるようにしてもよいし。符号化データとは別に伝送されるようにしてもよい。可逆復号部202は、復号して得られたデータを解析してその最適TUサイズに関する情報を抽出し、それを色差量子化オフセット設定部221に供給する。
色差量子化オフセット設定部221は、可逆復号部202から供給される最適TUサイズを用いて、chroma_qp_index_offsetを設定する。この処理は、色差量子化オフセット設定部121の場合と同様である。つまり、色差量子化オフセット設定部221は、より大きなTUに対して、より小さな値が設定されるように、chroma_qp_index_offsetを設定する。
最適TUサイズからchroma_qp_index_offsetを求める方法は任意であるが、chroma_qp_index_offsetの誤差をより低減させるために、色差量子化オフセット設定部121と同じ方法を用いるのが望ましい。
そのために、例えば、画像符号化装置100および画像復号装置200の両方に、chroma_qp_index_offsetを求める互いに共通の方法が予め定められていてもよいし、この画像符号化装置100において適用されたchroma_qp_index_offsetを求める方法に関する情報が、画像符号化装置100から画像復号装置200に伝送されるようにしてもよい。
色差量子化オフセット設定部221は、設定したchroma_qp_index_offsetを、逆量子化部203に供給する。
逆量子化部203は、色差信号について、色差量子化オフセット設定部221から供給されたchroma_qp_index_offsetを用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、可逆復号部202から供給される、量子化された色差信号の直交変換係数を逆量子化する。
<可逆復号部、色差量子化オフセット設定部、逆量子化部>
図12は、図11の逆量子化部203の主な構成例を示すブロック図である。
図12に示されるように、逆量子化部203は、色差量子化値決定部251および逆量子化処理部252を有する。
色差量子化値決定部251は、色差量子化値決定部171と同様に、上述した式(2)や図3に示される表を用いて、色差量子化オフセット設定部221から供給されたchroma_qp_index_offsetや、輝度信号に対する量子化パラメータから、色差信号に対する量子化パラメータを求める。色差量子化値決定部251は、求めた色差信号に対する量子化パラメータを、逆量子化処理部252に供給する。
逆量子化処理部252は、可逆復号部202から供給される、輝度信号の、量子化された直交変換係数を、輝度信号に対する量子化パラメータを用いて逆量子化する。また、逆量子化処理部252は、可逆復号部202から供給される、色差信号の、量子化された直交変換係数を、色差量子化値決定部251から供給された色差信号に対する量子化パラメータを用いて逆量子化する。
逆量子化処理部252は、このように逆量子化されて得られた直交変換係数を、逆直交変換部204に供給する。逆直交変換部204は、その直交変換係数を逆直交変換し、差分画像を復元する。
以上のように、画像符号化装置100の場合と同様に、TUサイズに応じて、より大きなTUに対して、より小さな値が設定されるようにchroma_qp_index_offsetの値を決定するので、逆量子化部203は、色差信号の画質の低減を抑制するように量子化された直交変換係数を、正しく逆量子化することができる。
つまり、画像復号装置200は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制するように、画像データが符号化されて得られた符号化データを正しく復号することができる。したがって、画像復号装置200は、量子化による色差信号の画質の低減の抑制を実現することができ、符号化データの符号化効率の向上を実現させることができる。
<復号処理の流れ>
次に、以上のような画像復号装置200により実行される各処理の流れについて説明する。最初に、図13のフローチャートを参照して、復号処理の流れの例を説明する。
復号処理が開始されると、ステップS201において、蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化データを蓄積する。ステップS202において、可逆復号部202は、蓄積バッファ201から供給される符号化データを復号する。すなわち、図1の可逆符号化部106により符号化されたIピクチャ、Pピクチャ、並びにBピクチャが復号される。
このとき、動きベクトル情報、参照フレーム情報、予測モード情報(イントラ予測モード、またはインター予測モード)、並びに、量子化に関するパラメータ等の情報も復号される。
ステップS203において、色差量子化オフセット設定部221、逆量子化部203、および逆直交変換部204は、逆量子化逆直交変換処理を行い、ステップS202の処理により得られた、量子化された直交変換係数を逆量子化し、得られた直交変換係数をさらに逆直交変換する。
これにより図1の直交変換部104の入力(演算部103の出力)に対応する差分情報が復号されたことになる。
ステップS204において、イントラ予測部211、または動き予測・補償部212は、可逆復号部202から供給される予測モード情報に対応して、それぞれ画像の予測処理を行う。すなわち、可逆復号部202からイントラ予測モード情報が供給された場合、イントラ予測部211は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行う。また、可逆復号部202からインター予測モード情報が供給された場合、動き予測・補償部212は、インター予測処理(動き予測および動き補償を含む)を行う。
ステップS205において、演算部205は、ステップS203の処理により得られた差分情報に、ステップS204の処理により得られた予測画像を加算する。これにより元の画像データが復号される。
ステップS206において、ループフィルタ206は、ステップS205の処理により得られた再構成画像に対して、デブロックフィルタ処理や適応ループフィルタ処理等を含むループフィルタ処理を適宜行う。
ステップS207において、画面並べ替えバッファ207は、復号画像データのフレームの並べ替えを行う。すなわち、復号画像データの、画像符号化装置100の画面並べ替えバッファ102(図1)により符号化のために並べ替えられたフレームの順序が、元の表示の順序に並べ替えられる。
ステップS208において、D/A変換部208は、画面並べ替えバッファ207においてフレームが並べ替えられた復号画像データをD/A変換する。この復号画像データが図示せぬディスプレイに出力され、その画像が表示される。
ステップS209において、フレームメモリ209は、ステップS206の処理によりフィルタリングされた復号画像を記憶する。
<量子化パラメータ復号処理の流れ>
次に、図13のステップS203において実行される逆量子化逆直交変換処理の流れの例を、図14のフローチャートを参照して説明する。
逆量子化逆直交変換処理が開始されると、色差量子化オフセット設定部221は、ステップS251において、可逆復号部202において抽出された最適TUサイズ(可逆復号部202において復号された符号化データのTUサイズ)を取得する。
ステップS252において、色差量子化オフセット設定部221は、ステップS251において取得した最適TUサイズに従って、より大きなTUに対してより小さな値が設定されるように、chroma_qp_index_offsetを決定する。
ステップS253において、逆量子化処理部252は、画像の輝度成分(輝度信号)に対する量子化パラメータを設定する。
ステップS254において、色差量子化値決定部251は、ステップS252において決定されたchroma_qp_index_offsetに基づいて、画像の色差成分(色差信号)に対する量子化パラメータを設定する。
ステップS255において、逆量子化処理部252は、ステップS253において設定された輝度成分に対する量子化パラメータを用いて、輝度信号に対する量子化パラメータを用いて、輝度信号の、量子化された直交変換係数を逆量子化する。また、逆量子化処理部252は、ステップS254において設定された色差信号に対する量子化パラメータを用いて、色差信号の、量子化された直交変換係数を逆量子化する。
ステップS256において、逆直交変換部204は、ステップS255の処理により得られた直交変換係数に対して、最適TUサイズで逆直交変換を行う。このようにして、差分画像が復元されると、逆直交変換部204は、逆量子化逆直交変換処理を終了し、処理を図13のステップS203に戻し、それ以降の処理を実行させる。
以上のように、各処理を行うことにより、画像復号装置200は、量子化による色差信号の画質の低減の抑制を実現することができる。これにより、画像復号装置200は、符号化データの符号化効率の向上を実現することができる。
<応用例>
以上においては、画像符号化装置100および画像復号装置200のそれぞれにおいて、chroma_qp_index_offsetが求められるように説明したが、これに限らず、例えば、符号化側の装置(画像符号化装置100)が、自身が設定したchroma_qp_index_offsetを、復号側の装置(画像復号装置200)に伝送し、復号側の装置(画像復号装置200)がそのchroma_qp_index_offsetを利用して色差信号に対する量子化パラメータを求めるようにしても良い。
その場合、そのchroma_qp_index_offsetが、符号化データに付加されて伝送されるようにしても良い。その場合、chroma_qp_index_offsetが付加される位置は任意である。
例えば、chroma_qp_index_offsetが、所定のパラメータセットとして伝送されるようにしても良い。その場合、chroma_qp_index_offsetが、所定の単位毎に、1つにまとめて伝送されるようにしてもよい。例えば、シーケンス内のchroma_qp_index_offsetが、シーケンスパラメータセット(SPS(Sequence Parameter Set))に格納されるようにしてもよい。また、ピクチャ内のchroma_qp_index_offsetが、ピクチャパラメータセット(PPS(picture parameter set))に格納されるようにしてもよい。また、chroma_qp_index_offsetが、アダプテーションパラメータセット(APS(Adaptation Parameter Set))に格納されるようにしてもよい。
なお、スライス内のchroma_qp_index_offsetが、スライスヘッダやCUヘッダ等に格納されるようにしてもよい。また、これら以外の位置にchroma_qp_index_offsetが付加されるようにしても良い。さらに、1つのchroma_qp_index_offsetに関する情報が符号化データの複数の位置に付加されるようにしてもよい。
もちろん、chroma_qp_index_offsetが、符号化データとは別のデータとして伝送されるようにしてもよい。
また、chroma_qp_index_offsetの代わりに、上述したchroma_qp_index_offsetの補正量や、chroma_qp_index_offsetの候補といった、各直交変換単位(TU)のchroma_qp_index_offsetの決定に利用される各種パラメータが、符号化側の装置から復号側の装置に伝送されるようにしてもよい。その場合も、伝送の仕方は、上述したchroma_qp_index_offsetの場合と同様である。
また、HEVCにおいては、32×2といった、長方形の直交変換単位(NSQT)を用いることも可能である。このような長方形の直交変換単位(TU)のchroma_qp_index_offsetの値として、同一(若しくは近似する)の面積の直交変換単位(TU)のchroma_qp_index_offsetの値を用いるようにしてもよい。例えば、32×2画素の直交変換単位(TU)のchroma_qp_index_offsetを、8×8画素の直交変換単位(TU)と同一の値に設定するようにしてもよい。
もちろん、長方形の直交変換単位(TU)に対して、chroma_qp_index_offsetの値を新たに定めてもよい。つまり、chroma_qp_index_offsetが、直交変換単位(TU)の大きさおよび形状に応じて設定されるようにしてもよい。また、chroma_qp_index_offsetが、直交変換単位(TU)の大きさまたは形状に応じて設定されるようにしてもよい。
なお、以上においては、chroma_qp_index_offsetを設定する単位を、直交変換単位としたが、chroma_qp_index_offsetの値は、画像内の部分領域(ピクチャ内ローカル)毎であれば(サブピクチャレベルであれば)、任意の単位毎に制御することができる。例えば、PU、CU、LCU、単位であっても、或いは、PU単位であっても良い。また、マクロブロックやサブマクロブロックであってもよい。
<3.第3の実施の形態>
<多視画像点符号化・多視点画像復号への適用>
上述した一連の処理は、多視点画像符号化・多視点画像復号に適用することができる。図15は、多視点画像符号化方式の一例を示す。
図15に示されるように、多視点画像は、複数の視点の画像を含み、その複数の視点のうちの所定の1つの視点の画像が、ベースビューの画像に指定されている。ベースビューの画像以外の各視点の画像は、ノンベースビューの画像として扱われる。
図15のような多視点画像を符号化・復号する場合、各ビューの画像を符号化・復号するが、この各ビューの符号化・復号に対して、第1の実施の形態および第2の実施の形態において上述した方法を適用するようにしてもよい。このようにすることにより、各ビューについて、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
さらに、各ビューの符号化・復号において、第1の実施の形態および第2の実施の形態において上述した方法において使用されるフラグやパラメータを共有するようにしてもよい。例えば、chroma_qp_index_offset、最適TUサイズ、および色差信号に対する量子化パラメータ等を、各ビューの符号化・復号において共有するようにしてもよい。もちろん、これらの内の一部のみを、各ビューの符号化・復号において共有するようにしてもよいし、これら以外の必要な情報も、各ビューの符号化・復号において共有するようにしてもよい。このようにすることにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
なお、共有の方法は任意である。例えば、このようなパラメータが、各ビュー共通のパラメータとして、ビットストリームの、各ビューの処理において参照可能な所定の位置に格納されるようにしてもよいし、各ビューの処理において他のビューのパラメータを参照することができるようにしてもよい。
<多視点画像符号化装置>
図16は、上述した多視点画像符号化を行う多視点画像符号化装置を示す図である。図16に示されるように、多視点画像符号化装置600は、符号化部601、符号化部602、および多重化部603を有する。
符号化部601は、ベースビュー画像を符号化し、ベースビュー画像符号化ストリームを生成する。符号化部602は、ノンベースビュー画像を符号化し、ノンベースビュー画像符号化ストリームを生成する。多重化部603は、符号化部601において生成されたベースビュー画像符号化ストリームと、符号化部602において生成されたノンベースビュー画像符号化ストリームとを多重化し、多視点画像符号化ストリームを生成する。
この多視点画像符号化装置600の符号化部601および符号化部602に対して、画像符号化装置100(図1)を適用することができる。つまり、例えば、上述したように、符号化部601および符号化部602は、直交変換単位の大きさまたは形状に応じて、オフセット値(chroma_qp_index_offset)を設定し、そのオフセット値を用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その量子化パラメータを用いて色差信号を量子化する。これにより、多視点画像符号化装置600(符号化部601および符号化部602)は、各ビューについて、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
また、符号化部601と符号化部602とが、上述したような量子化に関する各種パラメータを共有することにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
<多視点画像復号装置>
図17は、上述した多視点画像復号を行う多視点画像復号装置を示す図である。図17に示されるように、多視点画像復号装置610は、逆多重化部611、復号部612、および復号部613を有する。
逆多重化部611は、ベースビュー画像符号化ストリームとノンベースビュー画像符号化ストリームとが多重化された多視点画像符号化ストリームを逆多重化し、ベースビュー画像符号化ストリームと、ノンベースビュー画像符号化ストリームとを抽出する。復号部612は、逆多重化部611により抽出されたベースビュー画像符号化ストリームを復号し、ベースビュー画像を得る。復号部613は、逆多重化部611により抽出されたノンベースビュー画像符号化ストリームを復号し、ノンベースビュー画像を得る。
この多視点画像復号装置610の復号部612および復号部613に対して、画像復号装置200(図11)を適用することができる。つまり、例えば、上述したように、復号部612および復号部613は、直交変換単位の大きさまたは形状に応じて、オフセット値(chroma_qp_index_offset)を設定し、そのオフセット値を用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その量子化パラメータを用いて色差信号を逆量子化する。これにより、多視点画像復号装置610(復号部612および復号部613)は、各ビューについて、色差信号の画質の低減を抑制するように量子化された直交変換係数を、正しく逆量子化することができる。つまり、多視点画像復号装置610(復号部612および復号部613)は、各ビューについて、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
また、復号部612と復号部613とが、上述したような量子化に関する各種パラメータを共有することにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
<4.第4の実施の形態>
<階層画像点符号化・階層画像復号への適用>
上述した一連の処理は、階層画像符号化・階層画像復号に適用することができる。図18は、階層画像符号化方式の一例を示す。
図18に示されるように、階層画像は、複数の階層の画像を含み、その複数の階層のうちの所定の1つの階層の画像が、ベースレイヤの画像に指定されている。ベースレイヤの画像以外の各階層の画像は、ノンベースレイヤ(エンハンスメントレイヤとも称する)の画像として扱われる。
図18のような階層画像を符号化・復号する場合、各階層の画像を符号化・復号するが、この各階層の符号化・復号に対して、第1の実施の形態および第2の実施の形態において上述した方法を適用するようにしてもよい。このようにすることにより、各階層について、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
さらに、各階層の符号化・復号において、第1の実施の形態および第2の実施の形態において上述した方法において使用されるフラグやパラメータを共有するようにしてもよい。例えば、chroma_qp_index_offset、最適TUサイズ、および色差信号に対する量子化パラメータ等を、各階層の符号化・復号において共有するようにしてもよい。もちろん、これらの内の一部のみを、各階層の符号化・復号において共有するようにしてもよいし、これら以外の必要な情報も、各階層の符号化・復号において共有するようにしてもよい。このようにすることにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
このような階層画像の例として、空間解像度によって階層化したもの(空間解像度スケーラビリティとも称する)がある(spatial scalability)。空間解像度スケーラビリティを有する階層画像の場合、階層毎に画像の解像度が異なる。例えば、空間的に最も低解像度の画像の階層をベースレイヤとされ、ベースレイヤよりも高解像度の画像の階層をノンベースレイヤ(エンハンスメントレイヤ)とされる。
ノンベースレイヤ(エンハンスメントレイヤ)の画像データは、他の階層から独立したデータとし、ベースレイヤの場合と同様に、その画像データのみによりその階層の解像度の画像を得ることができるようにしてもよいが、その階層の画像と他の階層(例えば1つ下の階層)の画像との差分画像に対応するデータとするのが一般的である。この場合、ベースレイヤの階層の解像度の画像は、そのベースレイヤの画像データのみにより得られるが、ノンベースレイヤ(エンハンスメントレイヤ)の階層の解像度の画像は、その階層の画像データと、他の階層(例えば1つ下の階層)の画像データを合成することにより得られる。このようにすることにより、階層間の画像データの冗長性を抑制することができる。
このような空間解像度スケーラビリティを有する階層画像は、階層毎に画像の解像度が異なるので、各階層の符号化・復号の処理単位の解像度も互いに異なる。したがって、各階層の符号化・復号において例えば、chroma_qp_index_offset、最適TUサイズ、および色差信号に対する量子化パラメータ等のような量子化に関するパラメータを共有する場合、各階層の解像度比に応じて、その量子化に関するパラメータの値を補正するようにしてもよい。
なお、スケーラビリティ性を持たせるパラメータは、空間解像度に限らず、例えば、時間解像度がある(temporal scalability)。時間解像度スケーラビリティを有する階層画像の場合、階層毎に画像のフレームレートが異なる。また、その他にも、例えば、階層毎に画像データのビット深度が異なるビット深度スケーラビリティ(bit-depth scalability)や、階層毎にコンポーネントのフォーマットが異なるクロマスケーラビリティ(chroma scalability)等がある。
また、その他にも、例えば、階層毎に画像の信号雑音比(SNR(Signal to Noise ratio))が異なるSNRスケーラビリティ(SNR scalability)がある。
このような解像度以外のパラメータにスケーラビリティ性を持たせる場合も、解像度の場合と同様に、そのスケーラブルなパラメータの階層間の比に応じて、階層間で共有する量子化に関するパラメータの値を補正するようにしてもよい。
<階層画像符号化装置>
図19は、上述した階層画像符号化を行う階層画像符号化装置を示す図である。図19に示されるように、階層画像符号化装置620は、符号化部621、符号化部622、および多重化部623を有する。
符号化部621は、ベースレイヤ画像を符号化し、ベースレイヤ画像符号化ストリームを生成する。符号化部622は、ノンベースレイヤ画像を符号化し、ノンベースレイヤ画像符号化ストリームを生成する。多重化部623は、符号化部621において生成されたベースレイヤ画像符号化ストリームと、符号化部622において生成されたノンベースレイヤ画像符号化ストリームとを多重化し、階層画像符号化ストリームを生成する。
この階層画像符号化装置620の符号化部621および符号化部622に対して、画像符号化装置100(図1)を適用することができる。つまり、例えば、上述したように、符号化部621および符号化部622は、直交変換単位の大きさまたは形状に応じて、オフセット値(chroma_qp_index_offset)を設定し、そのオフセット値を用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その量子化パラメータを用いて色差信号を量子化する。これにより、階層画像符号化装置620(符号化部621および符号化部622)は、各階層について、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
また、符号化部621と符号化部622とが、上述したような量子化に関する各種パラメータを共有することにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
<階層画像復号装置>
図20は、上述した階層画像復号を行う階層画像復号装置を示す図である。図20に示されるように、階層画像復号装置630は、逆多重化部631、復号部632、および復号部633を有する。
逆多重化部631は、ベースレイヤ画像符号化ストリームとノンベースレイヤ画像符号化ストリームとが多重化された階層画像符号化ストリームを逆多重化し、ベースレイヤ画像符号化ストリームと、ノンベースレイヤ画像符号化ストリームとを抽出する。復号部632は、逆多重化部631により抽出されたベースレイヤ画像符号化ストリームを復号し、ベースレイヤ画像を得る。復号部633は、逆多重化部631により抽出されたノンベースレイヤ画像符号化ストリームを復号し、ノンベースレイヤ画像を得る。
この階層画像復号装置630の復号部632および復号部633に対して、画像復号装置200(図11)を適用することができる。つまり、例えば、上述したように、復号部632および復号部633は、直交変換単位の大きさまたは形状に応じて、オフセット値(chroma_qp_index_offset)を設定し、そのオフセット値を用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求め、その量子化パラメータを用いて色差信号を逆量子化する。これにより、階層画像復号装置630(復号部632および復号部633)は、各階層について、色差信号の画質の低減を抑制するように量子化された直交変換係数を、正しく逆量子化することができる。つまり、階層画像復号装置630(復号部632および復号部633)は、各階層について、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
また、復号部632と復号部633とが、上述したような量子化に関する各種パラメータを共有することにより、伝送する符号量の増大を抑制することができ、符号化効率の低減を抑制することができる。
<5.第5の実施の形態>
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図21に示されるようなコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図21において、コンピュータ800のCPU(Central Processing Unit)801は、ROM(Read Only Memory)802に記憶されているプログラム、または記憶部813からRAM(Random Access Memory)803にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM803にはまた、CPU801が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU801、ROM802、およびRAM803は、バス804を介して相互に接続されている。このバス804にはまた、入出力インタフェース810も接続されている。
入出力インタフェース810には、キーボード、マウス、タッチパネル、および入力端子などよりなる入力部811、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、およびOELD(Organic ElectroLuminescence Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカ等の任意の出力デバイスや出力端子等よりなる出力部812、ハードディスクやフラッシュメモリ等の任意の記憶媒体やその記憶媒体の入出力を制御する制御部等により構成される記憶部813、モデム、LANインタフェース、USB(Universal Serial Bus)、並びにBluetooth(登録商標)等、有線や無線の任意の通信デバイスよりなる通信部814が接続されている。通信部814は、例えばインターネットを含むネットワークを介して他の通信デバイスとの通信処理を行う。
入出力インタフェース810にはまた、必要に応じてドライブ815が接続される。そのドライブ815には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア821が適宜装着される。ドライブ815は、例えばCPU801の制御に従って、自身に装着されたリムーバブルメディア821からコンピュータプログラムやデータ等を読み出す。その読み出されたデータやコンピュータプログラムは、例えば、RAM803に供給される。また、リムーバブルメディア821から読み出されたコンピュータプログラムは、必要に応じて記憶部813にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図21に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、若しくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア821により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM802や、記憶部813に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
上述した実施形態に係る画像符号化装置100(図1)および画像復号装置200(図11)は、衛星放送、ケーブルTVなどの有線放送、インターネット上での配信、及びセルラー通信による端末への配信などにおける送信機若しくは受信機、光ディスク、磁気ディスク及びフラッシュメモリなどの媒体に画像を記録する記録装置、又は、これら記憶媒体から画像を再生する再生装置などの様々な電子機器に応用され得る。以下、4つの応用例について説明する。
<6.第6の実施の形態>
<テレビジョン装置>
図22は、上述した実施形態を適用したテレビジョン装置の概略的な構成の一例を示している。テレビジョン装置900は、アンテナ901、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、表示部906、音声信号処理部907、スピーカ908、外部インタフェース909、制御部910、ユーザインタフェース911、及びバス912を備える。
チューナ902は、アンテナ901を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ902は、復調により得られた符号化ビットストリームをデマルチプレクサ903へ出力する。即ち、チューナ902は、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送部としての役割を有する。
デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームから視聴対象の番組の映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、分離した各ストリームをデコーダ904へ出力する。また、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームからEPG(Electronic Program Guide)などの補助的なデータを抽出し、抽出したデータを制御部910に供給する。なお、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームがスクランブルされている場合には、デスクランブルを行ってもよい。
デコーダ904は、デマルチプレクサ903から入力される映像ストリーム及び音声ストリームを復号する。そして、デコーダ904は、復号処理により生成される映像データを映像信号処理部905へ出力する。また、デコーダ904は、復号処理により生成される音声データを音声信号処理部907へ出力する。
映像信号処理部905は、デコーダ904から入力される映像データを再生し、表示部906に映像を表示させる。また、映像信号処理部905は、ネットワークを介して供給されるアプリケーション画面を表示部906に表示させてもよい。また、映像信号処理部905は、映像データについて、設定に応じて、例えばノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。さらに、映像信号処理部905は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUI(Graphical User Interface)の画像を生成し、生成した画像を出力画像に重畳してもよい。
表示部906は、映像信号処理部905から供給される駆動信号により駆動され、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又はOELD(Organic ElectroLuminescence Display)(有機ELディスプレイ)など)の映像面上に映像又は画像を表示する。
音声信号処理部907は、デコーダ904から入力される音声データについてD/A変換及び増幅などの再生処理を行い、スピーカ908から音声を出力させる。また、音声信号処理部907は、音声データについてノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。
外部インタフェース909は、テレビジョン装置900と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。例えば、外部インタフェース909を介して受信される映像ストリーム又は音声ストリームが、デコーダ904により復号されてもよい。即ち、外部インタフェース909もまた、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送部としての役割を有する。
制御部910は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、プログラムデータ、EPGデータ、及びネットワークを介して取得されるデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、テレビジョン装置900の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース911から入力される操作信号に応じて、テレビジョン装置900の動作を制御する。
ユーザインタフェース911は、制御部910と接続される。ユーザインタフェース911は、例えば、ユーザがテレビジョン装置900を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース911は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部910へ出力する。
バス912は、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、音声信号処理部907、外部インタフェース909及び制御部910を相互に接続する。
このように構成されたテレビジョン装置900において、デコーダ904は、上述した実施形態に係る画像復号装置200(図11)の機能を有する。従って、デコーダ904は、直交変換等の処理単位の大きさに応じて制御された、輝度信号に対する量子化パラメータに対するオフセット値を用いて、色差信号に対する量子化パラメータを求めることができる。したがって、テレビジョン装置900は、量子化による色差信号の画質の低減の抑制を実現することができる。
<7.第7の実施の形態>
<携帯電話機>
図23は、上述した実施形態を適用した携帯電話機の概略的な構成の一例を示している。携帯電話機920は、アンテナ921、通信部922、音声コーデック923、スピーカ924、マイクロホン925、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、制御部931、操作部932、及びバス933を備える。
アンテナ921は、通信部922に接続される。スピーカ924及びマイクロホン925は、音声コーデック923に接続される。操作部932は、制御部931に接続される。バス933は、通信部922、音声コーデック923、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、及び制御部931を相互に接続する。
携帯電話機920は、音声通話モード、データ通信モード、撮影モード及びテレビ電話モードを含む様々な動作モードで、音声信号の送受信、電子メール又は画像データの送受信、画像の撮像、及びデータの記録などの動作を行う。
音声通話モードにおいて、マイクロホン925により生成されるアナログ音声信号は、音声コーデック923に供給される。音声コーデック923は、アナログ音声信号を音声データへ変換し、変換された音声データをA/D変換し圧縮する。そして、音声コーデック923は、圧縮後の音声データを通信部922へ出力する。通信部922は、音声データを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して音声データを生成し、生成した音声データを音声コーデック923へ出力する。音声コーデック923は、音声データを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
また、データ通信モードにおいて、例えば、制御部931は、操作部932を介するユーザによる操作に応じて、電子メールを構成する文字データを生成する。また、制御部931は、文字を表示部930に表示させる。また、制御部931は、操作部932を介するユーザからの送信指示に応じて電子メールデータを生成し、生成した電子メールデータを通信部922へ出力する。通信部922は、電子メールデータを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して電子メールデータを復元し、復元した電子メールデータを制御部931へ出力する。制御部931は、表示部930に電子メールの内容を表示させると共に、電子メールデータを記録再生部929の記憶媒体に記憶させる。
記録再生部929は、読み書き可能な任意の記憶媒体を有する。例えば、記憶媒体は、RAM又はフラッシュメモリなどの内蔵型の記憶媒体であってもよく、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ、又はメモリカードなどの外部装着型の記憶媒体であってもよい。
また、撮影モードにおいて、例えば、カメラ部926は、被写体を撮像して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理部927へ出力する。画像処理部927は、カメラ部926から入力される画像データを符号化し、符号化ストリームを記録再生部929の記憶媒体に記憶させる。
また、テレビ電話モードにおいて、例えば、多重分離部928は、画像処理部927により符号化された映像ストリームと、音声コーデック923から入力される音声ストリームとを多重化し、多重化したストリームを通信部922へ出力する。通信部922は、ストリームを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。これら送信信号及び受信信号には、符号化ビットストリームが含まれ得る。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号してストリームを復元し、復元したストリームを多重分離部928へ出力する。多重分離部928は、入力されるストリームから映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、映像ストリームを画像処理部927、音声ストリームを音声コーデック923へ出力する。画像処理部927は、映像ストリームを復号し、映像データを生成する。映像データは、表示部930に供給され、表示部930により一連の画像が表示される。音声コーデック923は、音声ストリームを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
このように構成された携帯電話機920において、画像処理部927は、上述した実施形態に係る画像符号化装置100(図1)の機能と、画像復号装置200(図11)の機能とを有する。従って、携帯電話機920で符号化及び復号される画像について、画像処理部927は、直交変換等の処理単位の大きさに応じて、色差信号に対する量子化パラメータの、輝度信号に対する量子化パラメータに対するオフセット値を制御したり、そのオフセット値を用いて、輝度信号に対する量子化パラメータから、色差信号に対する量子化パラメータを求めたりすることができる。したがって、携帯電話機920は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
また、以上においては携帯電話機920として説明したが、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)、ネットブック、ノート型パーソナルコンピュータ等、この携帯電話機920と同様の撮像機能や通信機能を有する装置であれば、どのような装置であっても携帯電話機920の場合と同様に、本技術を適用した画像符号化装置および画像復号装置を適用することができる。
<8.第8の実施の形態>
<記録再生装置>
図24は、上述した実施形態を適用した記録再生装置の概略的な構成の一例を示している。記録再生装置940は、例えば、受信した放送番組の音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録する。また、記録再生装置940は、例えば、他の装置から取得される音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録してもよい。また、記録再生装置940は、例えば、ユーザの指示に応じて、記録媒体に記録されているデータをモニタ及びスピーカ上で再生する。このとき、記録再生装置940は、音声データ及び映像データを復号する。
記録再生装置940は、チューナ941、外部インタフェース942、エンコーダ943、HDD(Hard Disk Drive)944、ディスクドライブ945、セレクタ946、デコーダ947、OSD(On-Screen Display)948、制御部949、及びユーザインタフェース950を備える。
チューナ941は、アンテナ(図示せず)を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ941は、復調により得られた符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。即ち、チューナ941は、記録再生装置940における伝送部としての役割を有する。
外部インタフェース942は、記録再生装置940と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。外部インタフェース942は、例えば、IEEE1394インタフェース、ネットワークインタフェース、USBインタフェース、又はフラッシュメモリインタフェースなどであってよい。例えば、外部インタフェース942を介して受信される映像データ及び音声データは、エンコーダ943へ入力される。即ち、外部インタフェース942は、記録再生装置940における伝送部としての役割を有する。
エンコーダ943は、外部インタフェース942から入力される映像データ及び音声データが符号化されていない場合に、映像データ及び音声データを符号化する。そして、エンコーダ943は、符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。
HDD944は、映像及び音声などのコンテンツデータが圧縮された符号化ビットストリーム、各種プログラムおよびその他のデータを内部のハードディスクに記録する。また、HDD944は、映像及び音声の再生時に、これらデータをハードディスクから読み出す。
ディスクドライブ945は、装着されている記録媒体へのデータの記録及び読み出しを行う。ディスクドライブ945に装着される記録媒体は、例えばDVDディスク(DVD-Video、DVD-RAM、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW等)又はBlu-ray(登録商標)ディスクなどであってよい。
セレクタ946は、映像及び音声の記録時には、チューナ941又はエンコーダ943から入力される符号化ビットストリームを選択し、選択した符号化ビットストリームをHDD944又はディスクドライブ945へ出力する。また、セレクタ946は、映像及び音声の再生時には、HDD944又はディスクドライブ945から入力される符号化ビットストリームをデコーダ947へ出力する。
デコーダ947は、符号化ビットストリームを復号し、映像データ及び音声データを生成する。そして、デコーダ947は、生成した映像データをOSD948へ出力する。また、デコーダ904は、生成した音声データを外部のスピーカへ出力する。
OSD948は、デコーダ947から入力される映像データを再生し、映像を表示する。また、OSD948は、表示する映像に、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を重畳してもよい。
制御部949は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、記録再生装置940の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース950から入力される操作信号に応じて、記録再生装置940の動作を制御する。
ユーザインタフェース950は、制御部949と接続される。ユーザインタフェース950は、例えば、ユーザが記録再生装置940を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース950は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部949へ出力する。
このように構成された記録再生装置940において、エンコーダ943は、上述した実施形態に係る画像符号化装置100(図1)の機能を有する。また、デコーダ947は、上述した実施形態に係る画像復号装置200(図11)の機能を有する。従って、記録再生装置940で符号化及び復号される画像について、エンコーダ943およびデコーダ947は、直交変換等の処理単位の大きさに応じて、色差信号に対する量子化パラメータの、輝度信号に対する量子化パラメータに対するオフセット値を制御したり、そのオフセット値を用いて、輝度信号に対する量子化パラメータから、色差信号に対する量子化パラメータを求めたりすることができる。したがって、記録再生装置940は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
<9.第9の実施の形態>
<撮像装置>
図25は、上述した実施形態を適用した撮像装置の概略的な構成の一例を示している。撮像装置960は、被写体を撮像して画像を生成し、画像データを符号化して記録媒体に記録する。
撮像装置960は、光学ブロック961、撮像部962、信号処理部963、画像処理部964、表示部965、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、制御部970、ユーザインタフェース971、及びバス972を備える。
光学ブロック961は、撮像部962に接続される。撮像部962は、信号処理部963に接続される。表示部965は、画像処理部964に接続される。ユーザインタフェース971は、制御部970に接続される。バス972は、画像処理部964、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、及び制御部970を相互に接続する。
光学ブロック961は、フォーカスレンズ及び絞り機構などを有する。光学ブロック961は、被写体の光学像を撮像部962の撮像面に結像させる。撮像部962は、CCD又はCMOSなどのイメージセンサを有し、撮像面に結像した光学像を光電変換によって電気信号としての画像信号に変換する。そして、撮像部962は、画像信号を信号処理部963へ出力する。
信号処理部963は、撮像部962から入力される画像信号に対してニー補正、ガンマ補正、色補正などの種々のカメラ信号処理を行う。信号処理部963は、カメラ信号処理後の画像データを画像処理部964へ出力する。
画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを符号化し、符号化データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した符号化データを外部インタフェース966又はメディアドライブ968へ出力する。また、画像処理部964は、外部インタフェース966又はメディアドライブ968から入力される符号化データを復号し、画像データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した画像データを表示部965へ出力する。また、画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを表示部965へ出力して画像を表示させてもよい。また、画像処理部964は、OSD969から取得される表示用データを、表示部965へ出力する画像に重畳してもよい。
OSD969は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を生成して、生成した画像を画像処理部964へ出力する。
外部インタフェース966は、例えばUSB入出力端子として構成される。外部インタフェース966は、例えば、画像の印刷時に、撮像装置960とプリンタとを接続する。また、外部インタフェース966には、必要に応じてドライブが接続される。ドライブには、例えば、磁気ディスク又は光ディスクなどのリムーバブルメディアが装着され、リムーバブルメディアから読み出されるプログラムが、撮像装置960にインストールされ得る。さらに、外部インタフェース966は、LAN又はインターネットなどのネットワークに接続されるネットワークインタフェースとして構成されてもよい。即ち、外部インタフェース966は、撮像装置960における伝送部としての役割を有する。
メディアドライブ968に装着される記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、又は半導体メモリなどの、読み書き可能な任意のリムーバブルメディアであってよい。また、メディアドライブ968に記録媒体が固定的に装着され、例えば、内蔵型ハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)のような非可搬性の記憶部が構成されてもよい。
制御部970は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、撮像装置960の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース971から入力される操作信号に応じて、撮像装置960の動作を制御する。
ユーザインタフェース971は、制御部970と接続される。ユーザインタフェース971は、例えば、ユーザが撮像装置960を操作するためのボタン及びスイッチなどを有する。ユーザインタフェース971は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部970へ出力する。
このように構成された撮像装置960において、画像処理部964は、上述した実施形態に係る画像符号化装置100(図1)の機能と画像復号装置200(図11)の機能を有する。従って、撮像装置960で符号化及び復号される画像について、画像処理部964は、直交変換等の処理単位の大きさに応じて、色差信号に対する量子化パラメータの、輝度信号に対する量子化パラメータに対するオフセット値を制御したり、そのオフセット値を用いて、輝度信号に対する量子化パラメータから、色差信号に対する量子化パラメータを求めたりすることができる。したがって、撮像装置960は、量子化による色差信号の画質の低減を抑制することができる。
もちろん、本技術を適用した画像符号化装置および画像復号装置は、上述した装置以外の装置やシステムにも適用可能である。
<10.スケーラブル符号化の応用例>
<第1のシステム>
次に、スケーラブル符号化(階層符号化)されたスケーラブル符号化データの具体的な利用例について説明する。スケーラブル符号化は、例えば、図26に示される例のように、伝送するデータの選択のために利用される。
図26に示されるデータ伝送システム1000において、配信サーバ1002は、スケーラブル符号化データ記憶部1001に記憶されているスケーラブル符号化データを読み出し、ネットワーク1003を介して、パーソナルコンピュータ1004、AV機器1005、タブレットデバイス1006、および携帯電話機1007等の端末装置に配信する。
その際、配信サーバ1002は、端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切な品質の符号化データを選択して伝送する。配信サーバ1002が不要に高品質なデータを伝送しても、端末装置において高画質な画像を得られるとは限らず、遅延やオーバフローの発生要因となる恐れがある。また、不要に通信帯域を占有したり、端末装置の負荷を不要に増大させたりしてしまう恐れもある。逆に、配信サーバ1002が不要に低品質なデータを伝送しても、端末装置において十分な画質の画像を得ることができない恐れがある。そのため、配信サーバ1002は、スケーラブル符号化データ記憶部1001に記憶されているスケーラブル符号化データを、適宜、端末装置の能力や通信環境等に対して適切な品質の符号化データとして読み出し、伝送する。
例えば、スケーラブル符号化データ記憶部1001は、スケーラブルに符号化されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011を記憶するとする。このスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011は、ベースレイヤとエンハンスメントレイヤの両方を含む符号化データであり、復号することにより、ベースレイヤの画像およびエンハンスメントレイヤの画像の両方を得ることができるデータである。
配信サーバ1002は、データを伝送する端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切なレイヤを選択し、そのレイヤのデータを読み出す。例えば、配信サーバ1002は、処理能力の高いパーソナルコンピュータ1004やタブレットデバイス1006に対しては、高品質なスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011をスケーラブル符号化データ記憶部1001から読み出し、そのまま伝送する。これに対して、例えば、配信サーバ1002は、処理能力の低いAV機器1005や携帯電話機1007に対しては、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011からベースレイヤのデータを抽出し、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011と同じコンテンツのデータであるが、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011よりも低品質なスケーラブル符号化データ(BL)1012として伝送する。
このようにスケーラブル符号化データを用いることにより、データ量を容易に調整することができるので、遅延やオーバフローの発生を抑制したり、端末装置や通信媒体の負荷の不要な増大を抑制したりすることができる。また、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011は、レイヤ間の冗長性が低減されているので、各レイヤの符号化データを個別のデータとする場合よりもそのデータ量を低減させることができる。したがって、スケーラブル符号化データ記憶部1001の記憶領域をより効率よく使用することができる。
なお、パーソナルコンピュータ1004乃至携帯電話機1007のように、端末装置には様々な装置を適用することができるので、端末装置のハードウエアの性能は、装置によって異なる。また、端末装置が実行するアプリケーションも様々であるので、そのソフトウエアの能力も様々である。さらに、通信媒体となるネットワーク1003も、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等、有線若しくは無線、またはその両方を含むあらゆる通信回線網を適用することができ、そのデータ伝送能力は様々である。さらに、他の通信等によっても変化する恐れがある。
そこで、配信サーバ1002は、データ伝送を開始する前に、データの伝送先となる端末装置と通信を行い、端末装置のハードウエア性能や、端末装置が実行するアプリケーション(ソフトウエア)の性能等といった端末装置の能力に関する情報、並びに、ネットワーク1003の利用可能帯域幅等の通信環境に関する情報を得るようにしてもよい。そして、配信サーバ1002が、ここで得た情報を基に、適切なレイヤを選択するようにしてもよい。
なお、レイヤの抽出は、端末装置において行うようにしてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ1004が、伝送されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011を復号し、ベースレイヤの画像を表示しても良いし、エンハンスメントレイヤの画像を表示しても良い。また、例えば、パーソナルコンピュータ1004が、伝送されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011から、ベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1012を抽出し、記憶したり、他の装置に転送したり、復号してベースレイヤの画像を表示したりするようにしてもよい。
もちろん、スケーラブル符号化データ記憶部1001、配信サーバ1002、ネットワーク1003、および端末装置の数はいずれも任意である。また、以上においては、配信サーバ1002がデータを端末装置に伝送する例について説明したが、利用例はこれに限定されない。データ伝送システム1000は、スケーラブル符号化された符号化データを端末装置に伝送する際、端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切なレイヤを選択して伝送するシステムであれば、任意のシステムに適用することができる。
そして、以上のような図26のようなデータ伝送システム1000においても、図18乃至図20を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図18乃至図20を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
<第2のシステム>
また、スケーラブル符号化は、例えば、図27に示される例のように、複数の通信媒体を介する伝送のために利用される。
図27に示されるデータ伝送システム1100において、放送局1101は、地上波放送1111により、ベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を伝送する。また、放送局1101は、有線若しくは無線またはその両方の通信網よりなる任意のネットワーク1112を介して、エンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を伝送する(例えばパケット化して伝送する)。
端末装置1102は、放送局1101が放送する地上波放送1111の受信機能を有し、この地上波放送1111を介して伝送されるベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を受け取る。また、端末装置1102は、ネットワーク1112を介した通信を行う通信機能をさらに有し、このネットワーク1112を介して伝送されるエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を受け取る。
端末装置1102は、例えばユーザ指示等に応じて、地上波放送1111を介して取得したベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を、復号してベースレイヤの画像を得たり、記憶したり、他の装置に伝送したりする。
また、端末装置1102は、例えばユーザ指示等に応じて、地上波放送1111を介して取得したベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121と、ネットワーク1112を介して取得したエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122とを合成して、スケーラブル符号化データ(BL+EL)を得たり、それを復号してエンハンスメントレイヤの画像を得たり、記憶したり、他の装置に伝送したりする。
以上のように、スケーラブル符号化データは、例えばレイヤ毎に異なる通信媒体を介して伝送させることができる。したがって、負荷を分散させることができ、遅延やオーバフローの発生を抑制することができる。
また、状況に応じて、伝送に使用する通信媒体を、レイヤ毎に選択することができるようにしてもよい。例えば、データ量が比較的多いベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を帯域幅の広い通信媒体を介して伝送させ、データ量が比較的少ないエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を帯域幅の狭い通信媒体を介して伝送させるようにしてもよい。また、例えば、エンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を伝送する通信媒体を、ネットワーク1112とするか、地上波放送1111とするかを、ネットワーク1112の利用可能帯域幅に応じて切り替えるようにしてもよい。もちろん、任意のレイヤのデータについて同様である。
このように制御することにより、データ伝送における負荷の増大を、より抑制することができる。
もちろん、レイヤ数は任意であり、伝送に利用する通信媒体の数も任意である。また、データ配信先となる端末装置1102の数も任意である。さらに、以上においては、放送局1101からの放送を例に説明したが、利用例はこれに限定されない。データ伝送システム1100は、スケーラブル符号化された符号化データを、レイヤを単位として複数に分割し、複数の回線を介して伝送するシステムであれば、任意のシステムに適用することができる。
そして、以上のような図27のデータ伝送システム1100においても、図18乃至図20を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図18乃至図20を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
<第3のシステム>
また、スケーラブル符号化は、例えば、図28に示される例のように、符号化データの記憶に利用される。
図28に示される撮像システム1200において、撮像装置1201は、被写体1211を撮像して得られた画像データをスケーラブル符号化し、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1221として、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給する。
スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、撮像装置1201から供給されるスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221を、状況に応じた品質で記憶する。例えば、通常時の場合、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1221からベースレイヤのデータを抽出し、低品質でデータ量の少ないベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1222として記憶する。これに対して、例えば、注目時の場合、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、高品質でデータ量の多いスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221のまま記憶する。
このようにすることにより、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、必要な場合のみ、画像を高画質に保存することができるので、画質劣化による画像の価値の低減を抑制しながら、データ量の増大を抑制することができ、記憶領域の利用効率を向上させることができる。
例えば、撮像装置1201が監視カメラであるとする。撮像画像に監視対象(例えば侵入者)が写っていない場合(通常時の場合)、撮像画像の内容は重要でない可能性が高いので、データ量の低減が優先され、その画像データ(スケーラブル符号化データ)は、低品質に記憶される。これに対して、撮像画像に監視対象が被写体1211として写っている場合(注目時の場合)、その撮像画像の内容は重要である可能性が高いので、画質が優先され、その画像データ(スケーラブル符号化データ)は、高品質に記憶される。
なお、通常時であるか注目時であるかは、例えば、スケーラブル符号化データ記憶装置1202が、画像を解析することにより判定しても良い。また、撮像装置1201が判定し、その判定結果をスケーラブル符号化データ記憶装置1202に伝送するようにしてもよい。
なお、通常時であるか注目時であるかの判定基準は任意であり、判定基準とする画像の内容は任意である。もちろん、画像の内容以外の条件を判定基準とすることもできる。例えば、収録した音声の大きさや波形等に応じて切り替えるようにしてもよいし、所定の時間毎に切り替えるようにしてもよいし、ユーザ指示等の外部からの指示によって切り替えるようにしてもよい。
また、以上においては、通常時と注目時の2つの状態を切り替える例を説明したが、状態の数は任意であり、例えば、通常時、やや注目時、注目時、非常に注目時等のように、3つ以上の状態を切り替えるようにしてもよい。ただし、この切り替える状態の上限数は、スケーラブル符号化データのレイヤ数に依存する。
また、撮像装置1201が、スケーラブル符号化のレイヤ数を、状態に応じて決定するようにしてもよい。例えば、通常時の場合、撮像装置1201が、低品質でデータ量の少ないベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1222を生成し、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給するようにしてもよい。また、例えば、注目時の場合、撮像装置1201が、高品質でデータ量の多いベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221を生成し、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給するようにしてもよい。
以上においては、監視カメラを例に説明したが、この撮像システム1200の用途は任意であり、監視カメラに限定されない。
そして、以上のような図28の撮像システム1200においても、図18乃至図20を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図18乃至図20を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本技術は、予め用意された解像度等が互いに異なる複数の符号化データの中から適切なものをセグメント単位で選択して使用する、例えばMPEG DASH等のようなHTTPストリーミングにも適用することができる。つまり、このような複数の符号化データ間で、符号化や復号に関する情報を共有することもできる。
なお、本明細書では、量子化パラメータが、符号化側から復号側へ伝送される例について説明した。量子化行列パラメータを伝送する手法は、符号化ビットストリームに多重化されることなく、符号化ビットストリームと関連付けられた別個のデータとして伝送され又は記録されてもよい。ここで、「関連付ける」という用語は、ビットストリームに含まれる画像(スライス若しくはブロックなど、画像の一部であってもよい)と当該画像に対応する情報とを復号時にリンクさせ得るようにすることを意味する。即ち、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の伝送路上で伝送されてもよい。また、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の記録媒体(又は同一の記録媒体の別の記録エリア)に記録されてもよい。さらに、情報と画像(又はビットストリーム)とは、例えば、複数フレーム、1フレーム、又はフレーム内の一部分などの任意の単位で互いに関連付けられてよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する量子化部と
を備える画像処理装置。
(2) 前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定する
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位の前記オフセットを、より小さな値に設定する
前記(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記オフセット設定部は、前記画像データが符号化された符号化データのビットレートに応じて、より参照され易い大きさの直交変換係数に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像処理装置。
(5) 前記オフセット設定部は、前記変換単位の大きさに応じて、予め定められた前記オフセットの初期値を補正する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6) 前記オフセット設定部は、長方形の変換単位に対する前記オフセットとして、前記変換単位と、同じ若しくは近似する大きさの正方形の変換単位に対する前記オフセットの値を設定する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7) 前記オフセット設定部は、前記画像データを直交変換する際の変換単位の大きさおよび形状に応じて、前記オフセットを設定する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8) 画像処理装置の画像処理方法であって、
オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する
画像処理方法。
(9) 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部と
を備える画像処理装置。
(10) 画像処理装置の画像処理方法であって、
オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
逆量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する
画像処理方法。
(11) 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
前記画像データを符号化する符号化部と、
前記オフセット設定部により設定された前記オフセットと、前記符号化部により生成された符号化データとを伝送する伝送部と
を備える画像処理装置。
(12) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのパラメータセットとして伝送する
前記(11)に記載の画像処理装置。
(13) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された複数の前記オフセットを、1つにまとめて、前記パラメータセットとして伝送する
前記(12)に記載の画像処理装置。
(14) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのシーケンスパラメータセットとして伝送する
前記(13)に記載の画像処理装置。
(15) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのピクチャパラメータセットとして伝送する
前記(13)または(14)に記載の画像処理装置。
(16) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのアダプテーションパラメータセットとして伝送する
前記(13)乃至(15)のいずれかに記載の画像処理装置。
(17) 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのスライスヘッダとして伝送する
前記(11)乃至(16)のいずれかに記載の画像処理装置。
(18) 画像処理装置の画像処理方法であって、
オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
符号化部が、前記画像データを符号化し、
伝送部が、設定された前記オフセットと、生成された符号化データとを伝送する
画像処理方法。
(19) 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取る受け取り部と、
前記受け取り部により受け取られた前記符号化データを復号する復号部と、
前記受け取り部により受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記復号部により前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部と
を備える画像処理装置。
(20) 画像処理装置の画像処理方法であって、
受け取り部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取り、
復号部が、受け取られた前記符号化データを復号し、
逆量子化部が、受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する
画像処理方法。
100 画像符号化装置, 121 色差量子化オフセット設定部, 151 4×4直交変換部, 152 8×8直交変換部, 153 16×16直交変換部, 154 4×4コスト関数算出部, 155 8×8コスト関数算出部, 156 16×16コスト関数算出部, 157 TUサイズ決定部, 171 色差量子化値決定部, 172 量子化処理部, 200 画像復号装置, 221 色差量子化オフセット設定部, 251 色差量子化値決定部, 252 逆量子化処理部

Claims (20)

  1. 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
    前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する量子化部と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記オフセット設定部は、より大きな前記変換単位の前記オフセットを、より小さな値に設定する
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記オフセット設定部は、前記画像データが符号化された符号化データのビットレートに応じて、より参照され易い大きさの直交変換係数に対して、より細かい量子化ステップにより量子化が行われるように、前記オフセットを設定する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記オフセット設定部は、前記変換単位の大きさに応じて、予め定められた前記オフセットの初期値を補正する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記オフセット設定部は、長方形の変換単位に対する前記オフセットとして、前記変換単位と、同じ若しくは近似する大きさの正方形の変換単位に対する前記オフセットの値を設定する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記オフセット設定部は、前記画像データを直交変換する際の変換単位の大きさおよび形状に応じて、前記オフセットを設定する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 画像処理装置の画像処理方法であって、
    オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
    量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの直交変換係数を量子化する
    画像処理方法。
  9. 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
    前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部と
    を備える画像処理装置。
  10. 画像処理装置の画像処理方法であって、
    オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
    逆量子化部が、設定された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する
    画像処理方法。
  11. 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定するオフセット設定部と、
    前記画像データを符号化する符号化部と、
    前記オフセット設定部により設定された前記オフセットと、前記符号化部により生成された符号化データとを伝送する伝送部と
    を備える画像処理装置。
  12. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのパラメータセットとして伝送する
    請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された複数の前記オフセットを、1つにまとめて、前記パラメータセットとして伝送する
    請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのシーケンスパラメータセットとして伝送する
    請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのピクチャパラメータセットとして伝送する
    請求項13に記載の画像処理装置。
  16. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのアダプテーションパラメータセットとして伝送する
    請求項13に記載の画像処理装置。
  17. 前記伝送部は、前記オフセット設定部により設定された前記オフセットを、前記符号化データのスライスヘッダとして伝送する
    請求項11に記載の画像処理装置。
  18. 画像処理装置の画像処理方法であって、
    オフセット設定部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットを設定し、
    符号化部が、前記画像データを符号化し、
    伝送部が、設定された前記オフセットと、生成された符号化データとを伝送する
    画像処理方法。
  19. 画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取る受け取り部と、
    前記受け取り部により受け取られた前記符号化データを復号する復号部と、
    前記受け取り部により受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記復号部により前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する逆量子化部と
    を備える画像処理装置。
  20. 画像処理装置の画像処理方法であって、
    受け取り部が、画像データを直交変換する際の変換単位の大きさまたは形状に応じて設定された、輝度信号に対する量子化パラメータを基準とする、色差信号に対する量子化パラメータのオフセットと、前記画像データを符号化した符号化データとを受け取り、
    復号部が、受け取られた前記符号化データを復号し、
    逆量子化部が、受け取られた前記符号化データから抽出された前記オフセットを用いて前記輝度信号に対する量子化パラメータから求められた、前記色差信号に対する量子化パラメータを用いて、前記符号化データが復号されて得られた、前記画像データの量子化された直交変換係数を逆量子化する
    画像処理方法。
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