JPWO2013108317A1 - 無線通信システム、送信電力制御装置、基地局装置、パラメータ供給装置、及び送信電力制御方法 - Google Patents

無線通信システム、送信電力制御装置、基地局装置、パラメータ供給装置、及び送信電力制御方法 Download PDF

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Abstract

第1の基地局(3)は、第1のセル(6)を形成する。複数の第2の基地局(1−1及び1−2)は、第1のセル(6)と少なくとも一部が重なり合う第2のセル(5−1及び5−2)を形成する。供給装置(20)は、複数の第2のセル(5−1及び5−2)の各々が受ける上り干渉を示す上り干渉指標に基づいて、複数の第2のセル(5−1及び5−2)のうちの対象セル(5−1)が受ける第1の上り干渉と他の第2のセル(5−2)が受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータ(PI)を供給する。制御装置(10)は、干渉パラメータ(PI)を用いて対象セル(5−1)に関する上り送信電力制御を行う。

Description

本発明は、無線通信システムにおける上り送信電力制御に関する。
近年、スマートフォンの普及等により、モバイルサービスにおけるデータ通信トラヒック量が著しく増加している。また、全データ通信トラヒックの7割は、利用者宅内、小規模オフィス、及び商業施設内などの屋内通信で発生している。このようなトラヒック需要の増大に対応するため、屋内に設置可能な超小型の基地局の開発が進められている。この超小型基地局の送信電力は、屋外に設置されている基地局(以下マクロ基地局と呼ぶ)に比べて小さく、超小型基地局の通信エリア(i.e. セル)は、マクロ基地局に比べて極めて小さい。したがって、この超小型基地局の通信エリアはフェムトセルと呼ばれ、超小型の基地局はフェムトセル基地局と呼ばれている。フェムトセル基地局は、前述の高需要トラヒックを収容できるだけでなく、建物の高層階、地下街等の電波が届きにくい場所にも設置できるので、カバレッジ(所要品質を満たす通信エリア)拡大手段としても注目されている。
フェムトセル基地局は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)のW-CDMA及びE-UTRA等の携帯電話の無線通信規格、並びにIEEE 802.16m等の無線MAN(Wireless Metropolitan Area Network)の無線通信規格で使用することが検討されている。W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)規格では、フェムトセル基地局はHome NodeB (HNB)と呼ばれる。また、LTE(Long Term Evolution)とも呼ばれる3GPPのE-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)規格では、フェムトセル基地局はHome eNodeB (HeNB)と呼ばれる。フェムトセル基地局は、直接的に又はフェムトGW(ゲートウェイ)を介して、上位ネットワーク(e.g. 通信事業者のコアネットワーク)に接続する。フェムトGWは、W-CDMA規格ではHome NodeB Gateway、E-UTRA規格ではHome eNodeB Gatewayと呼ばれる。
なお、本明細書では、フェムトセル基地局に接続して通信を行う移動局を「フェムトセル移動局」と呼び、マクロ基地局に接続して通信を行う移動局を「マクロ移動局」と呼ぶ。
フェムトセル基地局がW-CDMAで使用される場合は、上り(アップリンク)と下り(ダウンリンク)において送信電力制御を伴う個別チャネルを用いたデータ送受信や、ダウンリンクにおける共用チャネルを用いたデータ送受信が行われる。また、フェムトセル基地局がE-UTRAで使用される場合は、無線周波数の帯域及び時間が複数のリソースブロック(PRB;Physical Resource Block)に分割され、基地局に備えられたスケジューラがPRBの割当を行ない、割り当てられたPRBを用いたデータ送受信が行われる。さらに、フェムトセル基地局がIEEE 802.16mで使用される場合は、通信規格にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を採用し無線周波数の帯域をサブキャリアに分割して、基地局に備えられたスケジューラがサブキャリアの割当を行ない、割り当てたサブキャリアを用いたデータ送受信が行われる。なお、サブキャリアを束ねたものが、E-UTRAでいうところのリソースブロックに相当する。
また、フェムトセルの運用形態の1つとして、予め登録された移動局のみがフェムトセルに帰属可能な運用形態が知られている。3GPPでは、予め登録された移動局グループはClosed Subscriber Group(CSG)と呼ばれ、CSGに含まれる移動局の帰属のみが許可されるセルはCSGセルと呼ばれる。CSGの場合、移動局がフェムトセル内に位置しているとき、フェムトセル基地局に登録されている移動局はフェムトセル基地局を介してネットワークに接続できる。一方、フェムトセル基地局に登録されていない移動局は、フェムトセル基地局を介してネットワークに接続することができないか、登録されている移動局に比べてフェムトセル基地局との通信が制限される。
フェムトセル基地局を利用する場合に想定される干渉シナリオの1つに、フェムトセルがマクロセルに上り干渉を及ぼすシナリオがある。ここで、上り干渉とは、基地局の上り受信(言い換えると移動局の上り送信)が他セルの移動局の上り送信から被る干渉を意味する。つまり、この干渉シナリオでは、フェムトセル移動局の上り送信がマクロ基地局の上り受信(言い換えるとマクロ移動局の上り送信)に及ぼす干渉を対象とする。この干渉シナリオは、フェムトセルとマクロセルの上り周波数帯域が同一であり、フェムトセルがCSGセルであり、かつフェムトセル基地局がマクロ基地局の近くに配置されている場合に特に問題となる。この場合、フェムトセル基地局の近くに位置するマクロ移動局の送信電力が相対的に小さいため、フェムトセル移動局の上り送信がマクロ移動局の上り送信に及ぼす干渉が深刻になる。
非特許文献1及び2、並びに特許文献1は、フェムトセルからマクロセルへの上り干渉を抑制するための技術を開示している。非特許文献1及び2は、フェムトセルとマクロセルの間の伝播損を考慮して、フェムトセルの上り送信電力の制御を行うことを開示している。具体的には、非特許文献1は、フェムトセル基地局とマクロ基地局の間の伝播損を測定し、この伝播損が小さいほどフェムトセル移動局の上り送信電力も小さくなるように送信電力制御を行うことを開示している。また、非特許文献2は、フェムトセル移動局とマクロ基地局の間の伝播損を測定し、この伝播損が小さいほどフェムトセル移動局の上り送信電力も小さくなるように送信電力制御を行うことを開示している。ここで、送信電力制御の具体例は、フェムトセル基地局における上り目標受信電力の調整、及びフェムトセル移動局における上り最大送信電力の調整を含む。
特許文献1は、マクロセル内に配置されたフェムトセル基地局の数が変化することに着目し、マクロセル内のフェムトセル基地局の数に依らず、マクロセル内に配置された複数のフェムトセルからマクロセルへの上り干渉を抑制することを目的としている。この目的のために、特許文献1は、以下の手法を開示している。すなわち、マクロセル内に配置された複数のフェムトセル基地局のうち通信中のフェムトセル移動局を有するフェムトセル基地局の数を求める。次に、マクロ基地局が受ける全上り干渉量の許容値を、求めたフェムトセル基地局数によって除算することで、フェムトセル基地局1台当たりに許される上り干渉量の上限値Icapを計算する。そして、各フェムトセル基地局は、フェムトセルとマクロセルの間の伝播損PLupを考慮して、マクロセルに与える上り干渉が上限値Icapを超えないように、フェムトセル移動局の最大送信電力PMAXを決定する。
特開2011−82636号公報
J. Gora, K.I. Pedersen, A. Szufarska, S. Strzyz,、"Cell-Specific Uplink Power Control for Heterogeneous Networks in LTE"、Vehicular Technology Conference Fall (VTC 2010-Fall), 2010 IEEE 72nd、6-9 Sept. 2010、[online] ; IEEE Xplore <URL: http://ieeexplore.ieee.org/xpl/freeabs_all.jsp?arnumber=5594439>、[retrieved on 9 December 2011] 3GPP TR 36.921 V10.0.0 (2011-04)、"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); FDD Home eNode B (HeNB) Radio Frequency (RF) requirements analysis"、2011年4月
上述したように、特許文献1に開示された手法は、マクロセル内に配置され且つ通信中のフェムトセル移動局を有するフェムトセル基地局の数を求め、この数を用いてフェムトセル移動局の上り送信電力を制御する。しかしながら、本件の発明者等は、特許文献1の手法には以下に述べる問題があることを見出した。すなわち、特許文献1は、マクロ基地局における上り干渉の許容量をフェムトセル基地局数で除算し、フェムトセル基地局1台当たりに許される上り干渉量の上限値Icapを各フェムトセル基地局に均等に課している。しかしながら、特許文献1は、複数のフェムトセル基地局が互いに異なる大きさの上り干渉を受けることを考慮していない。
フェムトセルが受けている上り干渉を考慮しないことに起因する問題点の1つを以下に説明する。複数のフェムトセル基地局は、一般的に、マクロセル内での設置場所、及び近くに存在しているマクロ移動局の数がそれぞれ異なるから、受けている上り干渉の大きさも互いに異なる。例えば、受けている上り干渉が相対的に小さいフェムトセル基地局は、マクロ基地局から同距離に配置された他のフェムトセル基地局に比べて上り送信電力を低減できる可能性が高い。受けている上り干渉が小さいフェムトセル基地局は、上り送信電力を低下させても他のフェムトセル基地局と同程度の上り通信品質を確保できる可能性が高いためである。これに対して、受けている上り干渉が相対的に大きいフェムトセル基地局は、他のフェムトセル基地局と均等に課された上り干渉量の上限値Icapに従って上り送信電力を低減することで、必要な上り通信品質を確保できなくなるおそれがある。
なお、非特許文献1及び2は、フェムトセルとマクロセルの間の伝播損を考慮してフェムトセルの上り送信電力を制御することを開示しているのみである。つまり、非特許文献1及び2に記載された上り送信電力制御も、フェムトセルが受けている上り干渉を直接的に考慮するものではない。
上述した特許文献1の問題は、マクロセル及びフェムトセルを利用する環境に限らず、複数の小規模セルが大規模セルと重なり合って配置された環境において一般的に発生し得る。このような環境は、階層化セル構造(Hierarchical Cell Structure(HCS))、又はHeterogeneous Network(HetNet)と呼ばれている。
本発明は、発明者等によって得られた上述の知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、複数の小規模セルが大規模セルと重なり合って配置された環境において、大規模セルへの上り干渉の抑制に起因して小規模セルの上り通信品質が過度に低下することの防止に寄与できる無線通信システム、送信電力制御装置、基地局装置、パラメータ供給装置、送信電力制御方法、及びプログラムの提供を目的とする。
本発明の第1の態様は、無線通信システムを含む。当該無線通信システムは、第1の基地局、複数の第2の基地局、パラメータ供給装置、及び制御装置を含む。前記第1の基地局は、第1のセルを形成する。前記複数の第2の基地局は、各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する。前記パラメータ供給装置は、各第2のセルが受ける上り干渉を示す指標情報に基づいて、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを供給する。前記制御装置は、前記干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行う。
本発明の第2の態様は、無線通信システムで使用される送信電力制御装置を含む。前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局、及び各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局を含む。そして、前記送信電力制御装置は、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行うよう構成されている。
本発明の第3の態様は、基地局装置を含む。当該基地局装置は、上述した本発明の第2の態様に係る送信電力制御装置と、前記対象セルに属する移動局と通信可能な無線通信部を有する。
本発明の第4の態様は、無線通信システムで使用されるパラメータ供給装置を含む。前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局と、各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局と、前記複数の第2の基地局により形成される複数の第2のセルに含まれる対象セルに関する上り送信電力制御を行う制御装置を有する。そして、前記パラメータ供給装置は、各第2のセルが受ける上り干渉を示す指標情報に基づいて、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを、前記上り送信電力制御のために前記制御手段に供給するよう構成されている。
本発明の第5の態様は、無線通信システムで使用される送信電力制御方法を含む。前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局、及び各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局を含む。そして、前記送信電力制御方法は、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行うことを含む。
本発明の第6の態様は、上述した本発明の第5の態様に係る送信電力制御方法をコンピュータに行わせるためのプログラムを含む。
上述した本発明の各態様によれば、複数の小規模セルが大規模セルと重なり合って配置された環境において、大規模セルへの上り干渉の抑制に起因して小規模セルの上り通信品質が過度に低下することの防止に寄与可能な無線通信システム、送信電力制御装置、基地局装置、パラメータ供給装置、送信電力制御方法、及びプログラムを提供できる。
本発明の実施の形態1に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの他の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムのさらに他の構成例を示す図である。 図1〜3に示された送信電力制御装置の構成例を示すブロック図である。 図1〜3に示されたパラメータ供給装置の構成例を示すブロック図である。 送信電力制御装置による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。 パラメータ供給装置による干渉パラメータの供給手順の具体例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るフェムトセル基地局による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るフェムトセル移動局の動作の具体例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る管理サーバによる干渉パラメータの供給手順の具体例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るフェムトセル基地局による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。 上り送信電力制御の具体例において考慮されるマクロ基地局が受ける上り干渉を示すグラフである。 上り送信電力制御の具体例において考慮されるマクロ基地局が受ける上り干渉を示すグラフである。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムのネットワーク構成例を示している。本実施の形態の無線通信システムは、複数のフェムトセル基地局1、及びマクロ基地局3を有する。各フェムトセル基地局1は、フェムトセル5を形成し、フェムトセル移動局2との間で無線通信を行う。マクロ基地局3は、マクロセル6を形成し、マクロ移動局4との間で無線通信を行う。各フェムトセル5は、マクロセル6と少なくとも一部が重なり合っている。
図1の例では、複数のフェムトセル基地局1は、2つのフェムトセル基地局1−1及び1−2を含む。フェムトセル基地局1−1及び1−2は、フェムトセル5−1及び5−2をそれぞれ形成する。フェムトセル5−1及び5−2は、マクロセル6と少なくとも一部が重なり合っている。フェムトセル基地局1−1は、フェムトセル5−1内においてフェムトセル移動局2−1との間で無線通信を行う。同様に、フェムトセル基地局1−2は、フェムトセル5−2内においてフェムトセル移動局2−2との間で無線通信を行う。
既に述べた通り、マクロセル6と重なり合うフェムトセル5−1及び5−2は、マクロセル6に対して上り干渉を及ぼす。つまり、フェムトセル移動局2−1及び2−2の上り送信は、マクロ基地局3の上り受信(言い換えるとマクロ移動局4の上り送信)に干渉を及ぼす。フェムトセル5からマクロセル6への上り干渉を抑制するために、送信電力制御装置10は、フェムトセル5の上り送信電力制御(上りTPC(Transmission Power Control))を行う。ここでは、送信電力制御装置10による制御対象セルがフェムトセル5−1であるとして説明する。なお、送信電力制御装置10は、複数のフェムトセル5(例えばセル5−1及び5−2)の上り送信電力を制御するように構成されてもよい。また、複数のフェムトセル5の上り送信電力制御を行うために、フェムトセル5毎に別個の送信電力制御装置10を配置してもよい。
送信電力制御装置10は、非特許文献1及び2に記載された手法と同様に、フェムトセル5−1とマクロセル6の間の伝播損Lを考慮して、上り送信電力制御を行なってもよい。伝播損Lとしては、フェムトセル移動局2−1とマクロ基地局3の間の伝播損を用いてもよいし、フェムトセル基地局1−1とマクロ基地局3の間の伝播損を用いてもよい。具体的に述べると、送信電力制御装置10は、伝播損Lが小さいほどフェムトセル移動局2−1の送信電力を小さくするように送信電力制御を行えばよい。
フェムトセル移動局2−1の送信電力を調整するための制御方法には、様々なバリエーションが存在する。具体的には、W-CDMA、E-UTRA、IEEE 802.16m等で規定されている上り送信電力制御方式にしたがって、フェムトセル移動局2−1の上り送信電力を調整すればよい。例えば、送信電力制御装置10は、フェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hを調整してもよい。この場合、フェムトセル移動局2−1からの上り信号の受信電力が上り目標受信電力PO_Hに近づくようにフェムトセル基地局1−1がフェムトセル移動局2−1の送信電力を制御する。例えば、フェムトセル基地局1−1は、上り目標受信電力PO_Hをフェムトセル移動局2−1に通知してもよい。また、フェムトセル基地局1−1は、いわゆるクローズドループ送信電力制御によって、上り目標受信電力PO_Hに近づくように送信電力の増加又は減少をフェムトセル移動局2−1に指示してもよい。また、送信電力制御装置10は、上り目標受信電力PO_Hに代えて、フェムトセル移動局2−1の最大送信電力PMAX,Hを調整してもよい。
さらに、送信電力制御装置10は、フェムトセル5−1の上り送信電力制御において、干渉パラメータPIを用いる。干渉パラメータPIは、複数のフェムトセル5(ここではセル5−1及び5−2)に含まれる対象セル(セル5−1)が受ける上り干渉と他のセル(セル5−2)が受ける上り干渉との大きさの違いが反映されている。ここで、対象セル(セル5−1)が受ける上り干渉は、フェムトセル基地局1−1による上り受信が対象セル(セル5−1)の近くに位置するマクロ移動局4による上り送信から受ける干渉である。また、他のセル(セル5−2)が受ける上り干渉とは、フェムトセル基地局1−2による上り受信が他のセル(セル5−2)の近くに位置するマクロ移動局4による上り送信から受ける干渉である。
干渉パラメータPIは、対象セル(セル5−1)が受けている上り干渉量に応じて定まる。したがって、一般的に、受けている上り干渉量が異なるフェムトセル間では、干渉パラメータPIは異なる値となる。干渉パラメータPIは、フェムトセル移動局2−1の上り送信電力の制御に利用される何らかのパラメータを補正するために使用される。例えば、干渉パラメータPIは、フェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hを補正する補正パラメータとして定義されてもよい。また、干渉パラメータPIは、フェムトセル移動局2−1の最大送信電力PMAX,Hを補正する補正パラメータとして定義されてもよい。
つまり、本実施の形態は、干渉パラメータPIを用いることによって、各フェムトセル5がマクロセル6に与える上り干渉量の上限値を、複数のフェムトセル5の間で共通とするのではなく、フェムトセル5が受けている上り干渉の大きさによってフェムトセル5毎に定めることができる。具体的には、本実施の形態は、相対的に大きな上り干渉を受けているフェムトセル5については、当該フェムトセル5がマクロセル6に及ぼす上り干渉量の上限値を上げる(つまり緩和する)。反対に、相対的に小さい上り干渉しか受けていないフェムトセル5については、当該フェムトセル5がマクロセル6に及ぼす上り干渉量の上限値を下げる(つまり厳しくする)。
例えば、送信電力制御装置10は、対象セル(セル5−1)及び他のセル(セル5−2)が共にマクロ基地局3からの伝播損が同一となる場所に配置されている場合であっても、受けている上り干渉の大きさの違いに応じて、対象セル(セル5−1)がマクロセル6に与える上り干渉の上限と、他のセル(セル5−2)がマクロセル6に与える上り干渉の上限とに差を設けるようにすればよい。具体的に述べると、対象セル(セル5−1)が受ける上り干渉が他のセル(セル5−2)が受ける上り干渉より大きい場合に、他のセル(セル5−2)がマクロセル6に与える上り干渉の上限に比べて対象セル(セル5−1)がマクロセル6に与える上り干渉の上限が大きくなるように、フェムトセル移動局2−1の上り送信電力制御を行う。言い換えると、この場合に、対象セル(セル5−1)に対する干渉パラメータPIは、送信電力制御装置10による上り送信電力制御によって、他のセル(セル5−2)がマクロセル6に与える上り干渉の上限に比べて対象セル(セル5−1)がマクロセル6に与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される。
また、例えば、対象セル(セル5−1)及び他のセル(セル5−2)が共にマクロ基地局3からの伝播損が同一となる場所に配置されている場合であっても、受けている上り干渉の大きさの違いに応じて、フェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hと、フェムトセル基地局1−2における上り目標受信電力PO_Hとに差を設けるようにしてもよい。具体的に述べると、対象セル(セル5−1)が受ける上り干渉が他のセル(セル5−2)が受ける上り干渉より大きい場合に、送信電力制御装置10は、他のセル(セル5−2)のフェムトセル基地局1−2における上り目標受信電力PO_Hに比べて対象セル(セル5−1)のフェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hが大きくなるように決定してもよい。言い換えると、この場合に、対象セル(セル5−1)に対する干渉パラメータPIは、送信電力制御装置10による上り送信電力制御によって、他のセル(セル5−2)のフェムトセル基地局1−2における上り目標受信電力PO_Hに比べて対象セル(セル5−1)のフェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hが大きくなるように決定される。
パラメータ供給装置20は、複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の各々から各フェムトセル5(各フェムトセル基地局1)が受けている上り干渉の大きさを示す指標(以下、上り干渉指標)を受信する。そして、パラメータ供給装置20は、受信した各フェムトセル5の上り干渉指標に基づいて干渉パラメータPIを生成し、生成したパラメータPIを対象フェムトセル5−1の上り送信電力制御のために送信電力制御装置10に供給する。なお、パラメータ供給装置20は、複数のフェムトセル5の上り送信電力制御のために、複数の送信電力制御装置10の各々に対して干渉パラメータPIを供給してもよい。
パラメータ供給装置20によって収集される上り干渉指標は、各フェムトセル5が受けている上り干渉の大きさを表すものであればよい。例えば、上り干渉指標は、上り干渉電力、Interference over Thermal(IoT)、又はOverload Indicator(OI)を含む。ここで、上り干渉電力は、フェムトセル基地局1が周辺セルに属する移動局から受信する上り干渉信号の受信電力である。IoT[dB]は、上り干渉電力の熱雑音電力に対する相対値である。また、OIは、LTEにおいて定義・使用されている上り干渉電力の大きさを表す指標である。
特許文献1に関して既に述べた通り、対象セル5−1の上り送信電力制御において、通信中のフェムトセル移動局2を有するフェムトセル基地局1の数を考慮するのでは十分ではない。これに対して、本実施の形態に係る送信電力制御装置10は、対象のフェムトセル5−1における上り送信電力制御のために、干渉パラメータPIを用いる。干渉パラメータPIは、複数のフェムトセル5(ここではセル5−1及び5−2)に含まれる対象セル(セル5−1)が受ける上り干渉と他のセル(セル5−2)が受ける上り干渉との大きさの違いを反映している。
複数のフェムトセル基地局1は、一般的に、マクロセル6内での設置場所、及び近くに存在しているマクロ移動局4の数がそれぞれ異なるから、受けている上り干渉の大きさも互いに異なる。例えば、受けている上り干渉が相対的に小さいフェムトセル基地局1は、マクロ基地局から同距離に配置された他のフェムトセル基地局1に比べて上り送信電力を低減できる可能性が高い。受けている上り干渉が小さいフェムトセル基地局1は、上り送信電力を低下させても他のフェムトセル基地局1と同程度の上り通信品質を確保できる可能性が高いためである。これに対して、受けている上り干渉が相対的に大きいフェムトセル基地局1は、他のフェムトセル基地局1と均等に課された上り干渉量の上限値Icapに従って上り送信電力を低減することで、必要な上り通信品質を確保できなくなるおそれがある。しかしながら、本実施の形態における上り送信電力制御は、複数のフェムトセル5が受けている上り干渉の大きさの違いを考慮し、マクロセル6への上り干渉の抑制のために課される制限の程度をフェムトセル5毎に変えることができる。マクロセル6への上り干渉の抑制のために課される制限とは、例えば、フェムトセル5からマクロセル6への上り干渉の上限値の低減、フェムトセル基地局1における上り目標受信電力の低減、又はフェムトセル移動局2の最大送信電力の低減、である。
ところで、送信電力制御装置10及びパラメータ供給装置20の配置は、ネットワークアーキテクチャの設計思想に基づいて、又は無線通信規格に応じて、適宜決定されるものである。例えば、図2に示すように、送信電力制御装置10は、フェムトセル基地局1と一体的に配置されてもよい。また、パラメータ供給装置20は、上位ネットワーク150を介して複数のフェムトセル基地局1と通信可能な管理サーバ151に配置されてもよい。上位ネットワーク150は、例えば、通信事業者の無線アクセスネットワーク及びコアネットワーク、IP(Internet Protocol)専用線、公衆インターネットを含む。
また、図3に示すように、送信電力制御装置10及びパラメータ供給装置20は共に、フェムトセル基地局1と一体的に配置されてもよい。また、送信電力制御装置10が有する機能は、無線通信システム内に分離して配置されてもよい。例えば、送信電力制御装置10による上り送信電力制御の機能は、フェムトセル移動局2、フェムトセル基地局1、及び上位ネットワーク150内の制御装置(e.g. RNC(Radio Network Controller))によって実現されてもよい。
さらに、送信電力制御装置10は、フェムトセル移動局2−1に配置されてもよい。この場合、フェムトセル移動局2−1は、フェムトセル基地局1−1又は管理サーバ151から干渉パラメータPIを受信し、パラメータPIを用いて自身の上り送信電力を補正すればよい。
以下では、送信電力制御装置10及びパラメータ供給装置20の構成及び動作の具体例について詳しく説明する。図4は、送信電力制御装置10の構成例を示すブロック図である。図4において、送信電力制御装置10は、上り送信電力制御部11を含む。上り送信電力制御部11は、パラメータ供給装置20から干渉パラメータPIを受信する。そして、上り送信電力制御部11は、パラメータPIを用いて、対象のフェムトセル5に属するフェムトセル移動局2の上り送信電力制御を行う。上り送信電力制御は、例えば、フェムトセル基地局1における上り目標受信電力PO_Hの調整、又はフェムトセル移動局2−1の最大送信電力PMAX,Hの調整を含む。
図5は、パラメータ供給装置20の構成例を示すブロック図である。図5において、パラメータ供給装置20は、干渉パラメータ生成部21および干渉パラメータ送信部22を含む。干渉パラメータ生成部21は、複数のフェムトセル5の各々の上り干渉指標を収集する。そして、干渉パラメータ生成部21は、受信した複数の上り干渉指標の大小関係を考慮して対象セル(ここではセル5−1)に関する干渉パラメータPIを生成する。各フェムトセル5の上り干渉指標は、例えば、フェムトセル基地局1、又はRNC等の制御装置から干渉パラメータ生成部21に送られる。干渉パラメータ送信部22は、生成された干渉パラメータPIを送信電力制御装置10に供給する。
図6は、送信電力制御装置10による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。ステップS11では、送信電力制御装置10は、パラメータ供給装置20から干渉パラメータPIを受信する。干渉パラメータPIは、対象フェムトセル(セル5−1)が受ける上り干渉と他フェムトセル(セル5−2)が受ける上り干渉との大きさの違いが反映されたパラメータである。ステップS12では、送信電力制御装置10は、干渉パラメータPIを用いて、対象のフェムトセル5に関する上り送信電力制御を実施する。
図7は、パラメータ供給装置20の動作を示すフローチャートである。ステップS21では、パラメータ供給装置20は、複数のフェムトセル5の各々の上り干渉指標を受信する。ステップS22では、パラメータ供給装置20は、受信した複数の上り干渉指標の大小関係を考慮して対象セル(ここではセル5−1)に関する干渉パラメータPIを生成する。ステップS23では、パラメータ供給装置20は、干渉パラメータPIを送信電力制御装置10に送信する。
<発明の実施の形態2>
本実施の形態では、上述した発明の実施の形態1の具体例について説明する。本実施の形態では、LTE方式の無線通信システムに関して説明する。また、本実施の形態では、図2の構成例のように、送信電力制御装置10の機能がフェムトセル基地局1に配置され、パラメータ供給装置20の機能が管理サーバ151に配置された例について説明する。さらに、本実施の形態では、フェムトセル5の上り送信電力制御のために、干渉パラメータPIを対象のフェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_Hに反映させる例について説明する。なお、以下では、フェムトセル基地局1−1における上り目標受信電力PO_H,iと表記する。添字iは、複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)のi番目であることを意味する。具体的には、干渉パラメータPIは、上り目標受信電力PO_H,iに対する"補正パラメータΔi"として上り送信電力制御に利用される。
始めに、干渉パラメータPI(ここでは補正パラメータΔi)が反映された上り目標受信電力PO_H,iを生成する方法の具体例について説明する。ここでは、制御対象のフェムトセル基地局1−1を含む複数のフェムトセル基地局1の総数をNとする。まず、制御対象のフェムトセル基地局1−1の近傍にマクロ移動局4がいると仮定した場合のマクロ移動局4が送信する上りPRB当たりのSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の推定値Γ[dB]を定義する。Γは、ΓMIN以上でなければならないとする。ΓMIN[dB]は、マクロ移動局4の上り通信品質が所定の品質を満たすために要求されるSINRの最小値である。ΓMINは、予め設定される。
Γを定式化するに当たって、希望波電力(マクロセル6の上り信号電力)と干渉電力を考慮する必要がある。ここでは、干渉電力として、制御対象のフェムトセル基地局1−1に帰属するフェムトセル移動局2−1がマクロ基地局3の上り受信(希望波)に与える干渉電力I [dBm]と、マクロセル6内に位置する他のフェムトセル移動局(移動局2−2等)の寄与を考慮する。なお、LTEでは、1つのマクロセル6内に位置する複数のマクロ移動局4は互いに異なるPRBを使用する。したがって、1つのマクロセル6内に位置する他のマクロ移動局からの干渉は0と仮定できる。また、他のマクロセル内に位置するマクロ移動局及びフェムトセル移動局は、マクロ基地局3から相対的に十分に距離が離れていると仮定し、これらからの干渉はIと比べて無視できると仮定する。この結果、各フェムトセル移動局2−1がマクロ基地局3の上り受信に与える干渉電力を等しくする場合、Γは近似的に以下の式(1)により定義できる。
Figure 2013108317
ただし、S [dBm] は、希望波電力、つまりマクロ基地局3におけるマクロ移動局4からの上り受信電力、である。式(1)では、N個のフェムトセル5からの全上り干渉電力が1つのフェムトセル5当たりの上り干渉電力IのN倍になると仮定している。なお、式(1)に記載されたNは、対数表示としている。これにより、同一マクロセル6内に位置する複数のフェムトセル5からの寄与が考慮される。また、熱雑音は無視できると仮定している。
次に、S及びIを定式化する。LTEでは、PRB当たりの平均的な上り送信電力PUL,j,i [dBm] が以下の式(2)に従うように、上り送信電力制御が実施される。ただし、jはMまたはHを表す添え字で、それぞれマクロ移動局4又はフェムトセル移動局2に対応する。PMAX,j [dBm] は、上り最大送信電力である。PO_j [dBm]は、上り目標受信電力である。Li,jは、マクロ基地局3とフェムトセル移動局2−1の間の伝播損LM,i(各フェムトセル当たりフェムトセル移動局が1台である場合を仮定しているので、フェムトセル移動局の添字としてフェムトセルの添字iを用いることとする)、又はフェムトセル基地局1−1とフェムトセル移動局2−1の間の伝搬損LH,iである。なお、ここでは、マクロ移動局4がフェムトセル基地局1−1の近傍に位置すると仮定しているので、マクロ基地局3とマクロ移動局4の間の伝搬損は、マクロ基地局3とフェムトセル移動局2−1の間の伝播損LM,iに等しいと仮定する。αjは、伝搬損LM,i及びLH,iに適用される補正値である。
Figure 2013108317
式(2)においてPUL,j,iがPMAX,jに達していない場合を考えると、S及びIは以下の式(3−1)及び(3−2)により表すことができる
Figure 2013108317
式(3−1)では、右辺の第2項までがマクロ移動局4の送信電力に対応する。マクロ移動局4はフェムトセル基地局1−1の近傍に位置すると仮定しているので、マクロ移動局4からマクロ基地局3までの伝搬損は、フェムトセル移動局2−1からマクロ基地局3までの伝搬損Lに等しいと仮定できる。したがって、式(3−1)は、マクロ移動局4の上り信号(送信電力PO_M+αM,i)が、伝搬損LM,iを受けて、受信電力Sでマクロ基地局3にて受信されることを意味する。一方、式(3−2)では、右辺の第2項までがフェムトセル移動局2−1の送信電力に対応する。したがって、式(3−2)は、フェムトセル移動局2−1の上り信号(送信電力PO_H,i+αH,i)が、伝搬損LM,iを受けて、受信電力Iでマクロ基地局3にて受信されることを意味する。
次に、干渉パラメータPIとしての補正パラメータΔiを上り目標受信電力PO_H,iに加算される例を示す。補正パラメータΔiが上り目標受信電力PO_H,iに加算されることによって、フェムトセル移動局2−1がマクロ基地局3に与える干渉電力IがΔiだけ変化する。また、式(1)の等号が成立する条件は、マクロ基地局3における希望波信号のSINRが最小となる状況に対応する。言い換えると、式(1)の等号が成立する条件は、複数のフェムトセル移動局2からの上り干渉電力の合計が上限となる状況に対応する。つまり、この状況では、フェムトセル移動局2−1の送信電力が許容される最大値(ただし、PMAX,jとは異なる)となる。したがって、補正パラメータΔiが加算された干渉電力Iの上限は、以下の式(4)のように表すことができる。
Figure 2013108317
式(3−1)及び(3−2)を式(4)に代入すると、対象のフェムトセル5−1における上り目標受信電力PO_H,iは、式(5)のように定式化できる。
Figure 2013108317
式(5)の右辺の第5項(−10Log10N)は、全てのフェムトセル5に関して共通的に決まる値であり、複数のフェムトセル5の総数Nを考慮して、マクロ基地局3における上り干渉の許容量をNで除算したことを意味している。つまり、右辺の第5項は、フェムトセル基地局1台当たりに許される上り干渉量の上限を各フェムトセル基地局1に均等に課すことを意味している。しかしながら、式(5)の右辺の第6項(+Δi)は、対象フェムトセル5−1が受けている上り干渉の大きさ、特に、他のフェムトセル(セル5−2等)が受けている上り干渉の大きさとの違いを、考慮して決定される。以下では、Δiの求め方の具体例を説明する。
Δiは、以下のようにして求めるとよい。まず、マクロ移動局4の上り通信品質を維持するため、マクロ基地局3が被る全上り干渉電力がΔiの付加の前後で変化しないようにする。そのために、式(4)のIを複数のフェムトセル基地局1の全てにわたって足し合わせた結果は、Δiを付加する前の足し合わせ結果と等しくなるようにする。従って、マクロ基地局3が被る全上り干渉電力が不変である場合、以下の式(6)が成立する。
Figure 2013108317
次に、Δiは、対象フェムトセル基地局1−1が受けている上り干渉が大きいほど大きくなるように決定される。その理由は、対象フェムトセル基地局1−1が受けている上り干渉が相対的に大きいときは、フェムトセル移動局2−1の上り送信電力をできるだけ大きくすることで対象フェムトセル5−1の上り通信品質を確保できる。一方、対象フェムトセル基地局1−1が受けている上り干渉が相対的に小さいときは、フェムトセル移動局2−1の上り送信電力を小さくしても対象フェムトセル5−1の上り通信品質を確保できるためである。
例えば、Δiは、対象フェムトセル基地局1−1が受けている上り干渉の大きさを表す上り干渉指標の単調増加関数として定義されてもよい。上り干渉指標がInterference over Thermal(IoT)である場合、Δiは、IoTH,iの単調増加関数として定義されてもよい。ここで、IoTH,iは、対象フェムトセル基地局1−1が受けているIoTを表す。単調増加関数の具体例として、IoTH,iが最小値の0であるときにΔiが最小値−Δmaxとなり、IoTH,iが所定の値Io以上のときにΔiが最大値Δmaxとなる1次関数を考える。この場合、Δiは、以下の式(7)のように定式化できる。Δmaxは、Ioを所定の値(例えば10dB)に設定した上で、式(7)を式(6)に代入することで求められる。ただし、式(7)は一例であり、Δiが式(6)の関係と単調増加関数であるとの条件を満たせば、Δiの定式化は任意である。
Figure 2013108317
式(5)〜(7)を用いることで、マクロセル6と重なり合う複数のフェムトセル5からマクロセル6に及ぼされる上り干渉を一定レベル以下に抑えることができる。さらに、複数のフェムトセル5の各々が受けている上り干渉の大きさの違いを考慮し、受けている上り干渉が相対的に小さいフェムトセル5の上り送信電力を相対的に大きく低減させることができる。反対に、受けている上り干渉が相対的に大きいフェムトセル5の上り送信電力の低減量を相対的に小さくすることができる。したがって、式(5)〜(7)を用いることによって、マクロセル6への上り干渉の抑制に起因してフェムトセル移動局2−1の上り通信品質が過度に低下することを抑制できる。
具体的には、式(5)〜(7)を用いると、マクロ基地局3における全上り干渉の上限値は、フェムトセル基地局1の設置台数によらず、且つ各フェムトセル移動局2の送信電力の調整によらず、マクロ移動局4からマクロ基地局3に到達する上り信号(希望波)の受信電力SからΓMINを差し引いて決まる値となる。したがって、マクロセル6の上り信号の通信品質(i.e. SINR)はΓMIN以上となることが期待できる。
また、式(5)〜(7)を用いると、マクロセル6が受ける上り干渉の上限値を一定値(つまりS−ΓMIN)とするために必要な干渉電力の低減量を、複数のフェムトセル5の間で均等ではなく重みを付けて配分することができる。つまり、相対的に小さい上り干渉しか受けていないフェムトセル5については、当該フェムトセル5に属するフェムトセル移動局2の送信電力を下げることがきる。一方、相対的に大きな上り干渉を受けているフェムトセル5については、他のセルにおいて下げた分を配分することで、当該フェムトセル5に属するフェムトセル移動局2の送信電力を上げることができる。ここで、"フェムトセル移動局2の送信電力"は、"フェムトセル5がマクロセル6に及ぼす上り干渉量の上限値"と読み替えてもよい。
続いて、以下では、本実施の形態に係る無線通信システムの構成及び動作について説明する。図8は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。上述したように、本実施の形態では、フェムトセル基地局1−1は送信電力制御装置10(上り送信電力制御部11)の機能を有する。図8に示した上り送信電力制御部11は、PI取得部110及び上りTPC設定部111を有する。PI取得部110は、管理サーバ151に配置された干渉パラメータ送信部22から干渉パラメータPI(ここでは、補正パラメータΔi)を受信する。なお、式(5)に従って上り目標受信電力を計算するためには、複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の数Nが必要である。したがって、PI取得部110は、干渉パラメータPI(補正パラメータΔi)と共に複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の数Nを受信してもよい。上りTPC設定部111は、干渉パラメータPIが反映された上り目標受信電力PO_H,iを生成し、これを無線通信部100に供給する。
無線通信部100は、フェムトセル移動局2−1に対して、制御データおよびユーザデータがエンコードされた下り信号を送信する。また、無線通信部100は、フェムトセル移動局2−1から送信される上り信号を受信し、上り信号から受信データをデコードする。さらに、無線通信部100は、上り目標受信電力PO_H,iをフェムトセル移動局2−1に送信する。
報知情報取得部101は、マクロ基地局3がマクロセル6内に送信している報知信号を無線経由で受信する。報知情報取得部101は、受信した報知信号から報知情報を復元し、報知情報に含まれるマクロセル送信電力情報を取得する。マクロセル送信電力情報は、(1)マクロ基地局3から送信される下りリファレンス信号の送信電力PTX_M [dBm]、(2)マクロ移動局4における上り送信電力の決定に使用される上り目標受信電力PO_M [dBm]、及び(3)マクロ移動局4における上り送信電力の決定に使用される伝搬損に対する補正係数α、を含む。報知情報取得部101は、例えば、フェムトセル基地局1の初期設置時に、又はフェムトセル基地局1の運用中に周期的(e.g. 数時間〜1日)に起動するNetwork Listening Mode(NLM)において、報知情報の取得動作を行えばよい。
測定報告取得部102は、フェムトセル基地局1−1から送信される下りリファレンス信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)PRX_H [dBm]、及びマクロ基地局3から送信される下りリファレンス信号の受信電力PRX_M [dBm] の測定結果を含む測定報告をフェムトセル移動局2−1から受信する。
干渉指標報告部103は、フェムトセル基地局1−1が受けている上り干渉の大きさを表す上り干渉指標を管理サーバ151の干渉パラメータ生成部21に送信する。上り干渉指標の報告のために、フェムトセル基地局1−1は、受けている上り干渉の大きさを周期的(e.g. 100ミリ秒程度)に測定すればよい。上述したように、上り干渉の大きさは、受信電力の絶対値(e.g. dBm単位)として測定されてもよいし、IoT(e.g. dB単位)として測定されてもよい。また、上り干渉電力の大きさは、LTEで用いられるOverload Indicator(OI)のような他のパラメータとして測定されてもよい。OIは、例えば、上り干渉の大きさに対応した3通りの状態(i.e. 干渉 大レベル、干渉 中レベル、干渉 小レベル)のいずれかを示す値とすれればよい。管理サーバ151に報告される上り干渉指標は、周期的な複数回の上り干渉の測定値を用いて計算された移動平均値を用いて生成されてもよい。干渉指標報告部103は、上り干渉の測定周期より長い報告周期(e.g. 10秒程度)を用いて、管理サーバ151に対する上り干渉指標の報告を行えばよい。
次に、フェムトセル移動局2−1の構成例について説明する。なお、図8に示すフェムトセル移動局2−1の構成は、一般的なLTEの移動局が有する構成と同等である。無線通信部200は、フェムトセル基地局1−1に対して、制御データおよびユーザデータがエンコードされた上り信号を送信する。また、無線通信部200は、フェムトセル基地局1−1から送信される下り信号を受信し、下り信号から受信データをデコードする。さらに、無線通信部200は、フェムトセル基地局1−1から受信した上り目標受信電力PO_H,iを上り送信電力決定部202に供給する。
受信電力測定部201は、フェムトセル基地局1−1のRSRP(PRX_H)と、マクロ基地局3のRSRP(PRX_M)を測定する。これらの測定は、所定の周期(e.g. 100ミリ秒程度)で行われればよい。測定すべき基地局(フェムトセル基地局1−1とマクロ基地局3)及び測定項目(RSRP)の指定は、フェムトセル基地局1−1がフェムトセル移動局2−1にMeasurement Controlメッセージを送信することによって行えばよい。そして、受信電力測定部201は、無線通信部200を介して、PRX_H及びPRX_Mの測定結果をフェムトセル基地局1−1に報告する。当該報告は、所定の周期(e.g. 1秒程度)で行われればよい。報告されるPRX_H及びPRX_Mの測定結果は、所定の重み付け係数を用いてフィルタリングされた値とすればよい。また、報告されるPRX_H及びPRX_Mの測定結果は、複数回の測定値を用いて計算された移動平均値であってもよい。
上り送信電力決定部202は、フェムトセル基地局1−1から受け取った上り目標受信電力PO_H,iを用いて無線通信部200による上り送信電力PUL,Hを決定する。上り送信電力決定部202は、上述した式(2)に従って上り送信電力PUL,Hを決定すればよい。
管理サーバ151に配置された干渉パラメータ生成部21及び送信部22の動作は、発明の実施の形態1において図5を用いて説明した動作と基本的に同様である。干渉パラメータ送信部22は、対象のフェムトセル基地局1−1に対して干渉パラメータPI(補正パラメータΔi)を送信する。干渉パラメータ送信部22が干渉パラメータPIを送信する周期、つまり、干渉パラメータPIの更新周期は、複数のフェムトセル基地局1からの上り干渉指標の報告周期に比べて長い任意の周期(e.g. 100秒程度)とすればよい。なお、式(5)に従って上り目標受信電力PO_H,iを計算するためには、複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の数Nが必要である。したがって、干渉パラメータ送信部22は、干渉パラメータPI(補正パラメータΔi)と共に複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の数Nを送信してもよい。
図9は、本実施の形態に係るフェムトセル基地局1−1による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。ステップS31では、フェムトセル基地局1−1は、自身が管理するフェムトセル5−1に関する上り干渉指標を管理サーバ151に送信する。続くステップS32〜S35では、上述した式(5)を用いて上り目標受信電力PO_H,iを計算するために必要なパラメータを取得又は生成する。
具体的には、ステップS32では、フェムトセル基地局1−1は、マクロ基地局3から送信される報知情報を受信し、報知情報に含まれるマクロセル送信電力情報を取得する。マクロセル送信電力情報は、PTX_M、PO_M、及びαを含む。ステップS33では、フェムトセル基地局1−1は、マクロセル6及び自身が管理するフェムトセル5−1のRSRP(PRX_M及びPRX_H)をフェムトセル移動局2−1から受信する。
ステップS34では、フェムトセル基地局1−1は、マクロ基地局3とフェムトセル移動局2−1の間の伝播損LM,i、及び自身(フェムトセル基地局1−1)とフェムトセル移動局2−1の間の伝播損LH,iを計算する。伝播損LM,iは、マクロセル送信電力情報に含まれるPTX_Mとマクロセル6のRSRP(PRX_M)との差分によって計算できる。また、伝播損LH,iは、基地局1−1自身の送信電力PTX_HとRSRP(PRX_H)との差分によって計算できる。ただし、ここで計算されるLM,i及びLH,iは、厳密には下りリンクの伝播損であるが、上りリンクの周波数と下りリンクの周波数における損失特性に大きな差がないと仮定して、上りリンクの伝播損として用いる。
ステップS35では、フェムトセル基地局1−1は、干渉パラメータPIを管理サーバ151から受信する。
ステップS36では、フェムトセル基地局1−1は、ステップS32〜S35で得られた値を用いて、式(5)に従って上り目標受信電力PO_H,iを計算する。
図10は、フェムトセル移動局2−1の動作の具体例を示すフローチャートである。すテップS41では、フェムトセル移動局2−1は、マクロセル6及び自身が帰属するフェムトセル5−1のRSRP(PRX_M及びPRX_H)を測定する。ステップS42では、フェムトセル移動局2−1は、RSRP(PRX_M及びPRX_H)の測定結果をフェムトセル基地局1−1に送信する。
ステップS43では、フェムトセル移動局2−1は、上り目標受信電力PO_H,iの更新値をフェムトセル基地局1−1から受信したか否かを判定する。上り目標受信電力PO_H,iの更新値を受信した場合、フェムトセル移動局2−1は、上り目標受信電力PO_H,iの更新値を用いて上り送信電力PUL,Hの調整を実施する(ステップS44)。上り送信電力PUL,Hの調整は、PO_H,iの更新値を用いて、式(2)に従って上り送信電力PUL,Hの更新値を計算することにより行えばよい。
図11は、管理サーバ151による干渉パラメータPIの供給手順の具体例を示すフローチャートである。ステップS51では、管理サーバ151は、複数のフェムトセル基地局1の各々から上り干渉指標を受信する。ステップS52では、管理サーバ151は、複数のフェムトセル5に関する複数の上り干渉指標の大小関係を考慮して、少なくとも対象フェムトセル5−1に関する干渉パラメータPI(ここでは、補正パラメータΔi)を生成する。ステップS53では、管理サーバ151は、干渉パラメータPI(補正パラメータΔi)を対象のフェムトセル基地局1−1に送信する。上述したように、管理サーバ151は、干渉パラメータPI(補正パラメータΔi)と共に複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の数Nを送信してもよい。
<発明の実施の形態3>
本実施の形態では、上述した発明の実施の形態1の具体例について説明する。本実施の形態では、図3の構成例のように、送信電力制御装置10及びパラメータ供給装置20の機能が共にフェムトセル基地局1に配置された例について説明する。すなわち、複数のフェムトセル基地局1は、上り干渉指標をお互いに交換する。上り干渉指標を複数の基地局1間で送受信するためには、基地局間で使用可能な通信インタフェース、例えば3GPPで標準化されているX2インタフェースを用いればよい。
図12は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。フェムトセル基地局1−1は、送信電力制御装置10(上り送信電力制御部11)及びパラメータ供給装置20(干渉パラメータ生成部21)の機能を有する。干渉パラメータ生成部21は、管理サーバ151ではなく、他のフェムトセル基地局1から上り干渉指標を受信し、干渉パラメータPIを生成する。
図12に示された上り送信電力制御部11は、上りTPC設定部111を有する。上りTPC設定部111は、干渉パラメータ生成部21によって生成された干渉パラメータPIが反映された上り目標受信電力PO_Hを生成し、これを無線通信部100に供給する。また、図12に示された干渉指標報告部103は、管理サーバ151ではなく、他のフェムトセル基地局1に対して、フェムトセル5−1の上り干渉指標を送信する。
図13は、本実施の形態に係るフェムトセル基地局1−1による上り送信電力制御の具体例を示すフローチャートである。図13に示されたステップS32〜S34並びにステップS36は、図9に示されたステップS31〜S34並びにステップS36と同様である。図13のステップS61では、フェムトセル基地局1−1は、他のフェムトセル基地局1の各々に対して自セル5−1の上り干渉指標を送信する。ステップS651では、フェムトセル基地局1−1は、他のフェムトセル基地局1の各々から各フェムトセル5の上り干渉指標を受信する。ステップS652では、フェムトセル基地局1−1は、他のフェムトセル5の上り干渉指標と自セル5−1の上り干渉指標の大小関係を考慮して、干渉パラメータPI(e.g. 補正パラメータΔi)を生成する。
本実施の形態では、複数のフェムトセル基地局1の間で上り干渉指標を交換する。したがって、本実施の形態は、管理サーバ151を必要としない利点がある。
<その他の実施の形態A>
発明の実施の形態2及び3では、複数のフェムトセル5(複数のフェムトセル基地局1)の各々が受けている上り干渉を示す上り干渉指標を収集し、マクロセル6(マクロ基地局3)が複数のフェムトセル5から受ける上り干渉の合計が一定となるように、干渉パラメータPIを決定する例について示した。具体的に述べると、式(1)に示されたマクロセル6の上りSINR Γが、複数のフェムトセル5から上り干渉を受けた結果として最小値ΓMINとなるとの条件のもとで、式(5)〜(7)による干渉パラメータPI(e.g. 補正パラメータΔi)及び上り目標受信電力PO_H,iを定式化する例を示した。この条件は、複数のフェムトセル移動局2からの上り干渉電力の合計が上限となる状況に対応する。したがって、マクロセル6の上り通信品質を維持しながらも、複数のフェムトセル5全体の上り送信電力を最大化できるため、複数のフェムトセル5全体の上り無線容量を大きくできる。
図14A及び14Bは、マクロ基地局3が受ける上り干渉を便宜的に示した図である。つまり、発明の実施の形態2及び3で述べた例は、図14Aに示した干渉501を、干渉パラメータPIの付加の前後に関わらず一定にすることに対応する。干渉501は、マクロ基地局3が複数のフェムトセル5に属する全てのフェムトセル移動局1の上り送信から受ける上り干渉を表している。しかしながら、干渉パラメータPIを決めるために課される条件は、"マクロセル6(マクロ基地局3)が複数のフェムトセル5から受ける上り干渉の合計が一定"との条件に限られない。以下に3つの変形例を示す。
(変形例1)
"マクロセル6(マクロ基地局3)が複数のフェムトセル5から受ける上り干渉の合計が予め定められた許容値以下" との条件を課す。この条件は、図14Aに示した干渉501を予め定められた許容値以下にすることに対応する。また、この条件は、以下の式(8)が成り立つことと等価である。
Figure 2013108317
例えば、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、式(8)が成り立つとの条件下で、式(7)の単調増加関数の式を用いて干渉パラメータ(e.g. 補正パラメータΔi)を決定すればよい。パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、閾値I2_thresholdを予め保持してもよい。パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、マクロ基地局3からI2_thresholdを受信してもよい。また、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、S−ΓMINを予め保持してもよい。この場合、マクロ基地局3の希望波受信電力Sは、マクロ基地局3の上り目標受信電力PO_Mによって代用されてもよい。また、S−ΓMIN、又はS及びΓMINは、フェムトセル基地局1からパラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)に報告されてもよい。この場合、フェムトセル基地局1は、マクロ基地局3の報知情報に含まれるマクロセル送信電力情報からS−ΓMIN、又はS及びΓMINを取得すればよい。
(変形例2)
"マクロセル6(マクロ基地局3)が受ける全上り干渉が一定"との条件を課す。この条件は、図14Bに示された干渉501及び502の和を干渉パラメータPIの付加の前後に関わらず一定にすることに対応する。干渉502は、マクロセル6が複数のフェムトセル5を除く他のセル(e.g. 他のマクロセル、他のフェムトセル)から受ける上り干渉を表している。また、この条件は、例えば、以下の式(9)として表現できる。
Figure 2013108317
式(9)は、マクロセル6が受ける全上り干渉I3の単位時間当たりの変化量が所定の閾値I3_offset以下となることを意味している。I3(t)は、時刻tにおける全上り干渉I3の測定値である。例えば、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、式(9)が成り立つとの条件下で、式(7)の単調増加関数の式を用いて干渉パラメータ(e.g. 補正パラメータΔi)を決定すればよい。
パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、マクロセル6が受ける全上り干渉I3の測定結果をマクロ基地局3から受信すればよい。また、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、閾値I3_offsetを予め保持してもよい。パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、閾値I3_offsetをマクロ基地局3から受信してもよい。
当該変形例2によれば、マクロ基地局3が受ける全上り干渉を実測値の精度で一定レベルにできるので、マクロ移動局4の上り通信品質をより確実に維持することができる利点がある。
(変形例3)
"マクロセル6(マクロ基地局3)が受ける全上り干渉が予め定められた許容値以下"との条件を課す。この条件は、図14Bに示した干渉501及び502の和を予め定められた許容値以下にすることに対応する。また、この条件は、例えば、以下の式(10)として表現できる。
Figure 2013108317
式(9)は、マクロセル6が受ける全上り干渉I3が所定の閾値I3_threshold以下となることを意味している。例えば、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、式(10)が成り立つとの条件下で、式(7)の単調増加関数の式を用いて干渉パラメータ(e.g. 補正パラメータΔi)を決定すればよい。
パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、マクロセル6が受ける全上り干渉I3の測定結果をマクロ基地局3から受信すればよい。また、パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、閾値I3_thresholdを予め保持してもよい。パラメータ供給装置20(e.g. 管理サーバ151)は、閾値I3_thresholdをマクロ基地局3から受信してもよい。
<その他の実施の形態B>
発明の実施の形態2では、1つのマクロセル6に対して1つの管理サーバ151が存在する構成例を示した。しかしながら、マクロセル6当たり管理サーバ151の数は1つに限定されるものではない。例えば、管理サーバ151は、複数のマクロセル6とこれらと重なり合う複数のフェムトセル5に関して、干渉パラメータPIの供給を行ってもよい。この場合、マクロセル6当たりの管理サーバ151の数は1未満となる。また、マクロセル6当たりの管理サーバ151の数が1以上となる場合も可能である。この場合は、1つの管理サーバ151によって管理されるフェムトセル基地局1の集合は、マクロセル6内に配置された複数のフェムトセル基地局1の一部となる。マクロセル6内の全フェムトセル基地局1の上り干渉指標を把握するために、複数の管理サーバ151の間で上り干渉指標又は干渉パラメータPIを交換してもよい。
<その他の実施の形態C>
発明の実施の形態2では、パラメータ供給装置20が管理サーバ151に配置される例を示した。しかしながら、パラメータ供給装置20は、他の装置に配置されてもよい。例えば、LTE方式の無線通信システムでは、パラメータ供給装置20は、管理サーバ151に相当するOAM(Operation & Maintenance) サーバに配置されてもよいし、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving Gateway)、又はHeNB GWに配置されてもよい。また、W−CDMA方式の無線通信システムでは、パラメータ供給装置20は、HNB GWに配置されてもよいし、又はRNCに配置されてもよい。
<その他の実施の形態D>
発明の実施の形態3では、複数のフェムトセル基地局1の間で上り干渉指標を交換する例を示した。この例では、複数のフェムトセル基地局1は、互いに対等の関係であった。しかしながら、複数のフェムトセル基地局1の関係は必ずしも対等である必要はなく、例えばアンカーとなるフェムトセル基地局1をマクロセル6内で少なくとも1台予め設定してもよい。この場合、各フェムトセル基地局1は、アンカーのフェムトセル基地局1に上り干渉指標を報告すればよい。また、アンカーのフェムトセル基地局1は、管理サーバ151と同様に、干渉パラメータPIを生成し、これを各フェムトセル基地局1に通知すればよい。アンカーの役割は、特定のフェムトセル基地局1が常に行ってもよいし、複数のフェムトセル基地局1の間で所定の周期で交代してもよい。
<その他の実施の形態E>
発明の実施の形態2及び3では、フェムトセル基地局1に接続するフェムトセル移動局2の数が1つの場合を説明した。しかしながら、フェムトセル基地局1に接続するフェムトセル移動局2の数は複数であってもよい。この場合、まず、フェムトセル基地局1は、フェムトセル移動局2毎に、実施形態2又は3のようにして上り目標受信電力PO_Hを求めればよい。LTE方式では、一般的に、セル毎の上り目標受信電力の基準値に移動局毎の補正を加えることで、移動局毎の上り目標受信力PO_Hを設定する。したがって、フェムトセル基地局1は、次に、複数のフェムトセル移動局2に共通に適用される上り目標受信電力の平均値(または中央値)を求め、この平均値に対する差分を各フェムトセル移動局2に対する補正として求めればよい。最後に、フェムトセル基地局1は、求めた平均値と差分を各フェムトセル移動局2に通知すればよい。なお、フェムトセル基地局1は、各フェムトセル移動局2に対して、複数のフェムトセル移動局2の間で共通の上り目標受信力として平均値のみを通知してもよい。
<その他の実施の形態F>
発明の実施の形態1〜3では、マクロセルと複数のフェムトセルが重なり合って配置されたHetNet環境について説明した。しかしながら、本発明の適用先は、マクロセルと複数のフェムトセルを含む環境に限定されるものではない。例えば、フェムトセル基地局より通信エリアが大きい複数のピコセルとマクロセルとが混在する環境であってもよい。この場合、発明の実施の形態1〜3で説明した上り送信電力制御をピコセルの上り送信電力制御のために適用することができる。また、ピコセル基地局は、マクロ基地局からの報知情報によらず、基地局間インタフェース(e.g. X2インタフェース)を用いて、マクロ基地局から必要な情報を取得してもよい。また、マクロセルとピコセルの混在環境以外にも、マクロセル、ピコセル、及びフェムトセルの混在環境、マクロセル及びマイクロセルの混在環境など、任意のHetNet環境に対して本発明を適用することができる。
<その他の実施の形態G>
発明の実施の形態2及び3では、干渉パラメータPIを上り目標受信電力PO_Hに反映する例を示した。しかしながら、発明の実施の形態1で述べた通り、フェムトセル5の上り送信電力制御において干渉パラメータPIを反映する対象は、上り目標受信電力PO_Hに限られない。例えばフェムトセル移動局2の最大送信電力PMAX,Hに干渉パラメータPIを反映してもよい。上り最大送信電力PMAX,Hを干渉パラメータPIに基づいて調整することにより、フェムトセル移動局2の上り送信電力の変動が大きい場合があっても、マクロ基地局3に与える上り干渉を許容値以下に安定して抑えることができる。
マクロ移動局4とフェムトセル移動局2−1が共に最大送信電力で送信していると仮定した場合、式(3−1)及び(3−2)を以下の式(11−1)及び(11−2)のように置き換えることができる。ここで、PMAX,M [dBm]は、マクロ移動局4の上り最大送信電力である。PMAX,H,i [dBm]は、対象フェムトセル5−1に属するフェムトセル移動局2−1の上り最大送信電力である。
Figure 2013108317
実施の形態2で述べたのと同様にして、式(11−1)及び(11−2)を式(4)に代入することにより、フェムトセル移動局2−1の上り最大送信電力PMAX,H,iは式(12)のように定式化できる。なお、PMAX,Mには、移動局の最大送信電力として3GPPに規定されている値(例えば23dBm)を用いればよい。
Figure 2013108317
<その他の実施の形態H>
発明の実施の形態2では、干渉パラメータPI(具体的には補正パラメータΔi)と共にフェムトセル数(フェムトセル基地局数)Nがフェムトセル基地局1−1(送信電力制御部11)に供給される具体例を示した。しかしながら、フェムトセル数(フェムトセル基地局数)Nは必ずしも供給されなくてもよい。この場合、式(5)及び(9)における"10Log10N"は、干渉マージンとして予め固定的に設定されてもよい。また、送信電力制御装置10又はフェムトセル基地局1−1(送信電力制御部11)は、マクロセル6内に設置されたフェムトセル基地局1の台数を上位ネットワーク150又は管理サーバ151から取得し、そのうちの一定割合(例えば1割)を上述のフェムトセル数(フェムトセル基地局数)Nとして用いてもよい。
<その他の実施の形態I>
発明の実施の形態2及び3は、LTE(E−UTRA)方式の無線通信システムに本発明を適用する場合について説明した。しかしながら、発明の実施の形態1でも述べた通り、本発明の適用先の無線通信方式は特に限定されるものではない。例えば、W−CDMA方式であってもよいし、上り回線と下り回線で同一の無線周波数を時間的に分けて使用するTDD(Time Division Duplex)方式を採用する無線通信システム(例えばWiMAX、IEEE 802.16m)にも本発明は適用可能である。
<その他の実施の形態J>
発明の実施の形態1〜3で述べた送信電力制御装置10及びパラメータ供給装置20の処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)などを含む半導体処理装置を用いて実装されてもよい。また、これらの装置は、マイクロプロセッサ等のコンピュータにプログラムを実行させることによって実装されてもよい。具体的には、図6、7、9、11、及び13のいずれかに示したアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含むプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
また、上述した発明の実施の形態は、適宜組み合わせることも可能である。さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2012年1月17日に出願された日本出願特願2012−7104を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、1−1、1−2 フェムトセル基地局
2、2−1、2−2 フェムトセル移動局
3 マクロ基地局
4 マクロ移動局
5、5−1、5−2 フェムトセル
6 マクロセル
10 送信電力制御装置
11 上り送信電力制御部
20 パラメータ供給装置
21 干渉パラメータ生成部
22 干渉パラメータ送信部
100 無線通信部
101 報知情報取得部
102 測定報告取得部
103 上りRUR報告部
110 干渉パラメータ(PI)取得部
111 上りTPC設定部
150 上位ネットワーク
151 管理サーバ
200 無線通信部
201 受信電力測定部
202 上り送信電力決定部

Claims (48)

  1. 第1のセルを形成する第1の基地局と、
    各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局と、
    各第2のセルが受ける上り干渉を示す指標情報に基づいて、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを供給するパラメータ供給手段と、
    前記干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行う制御手段と、
    を備える無線通信システム。
  2. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限に比べて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルを形成する第2の基地局における上り受信電力に比べて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項1又は2に記載の無線通信システム。
  4. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項1、2、又は4に記載の無線通信システム。
  6. 前記供給手段は、前記対象セルを管理する第2の基地局に対して前記干渉パラメータを通知する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記供給手段は、前記複数の第2の基地局と通信可能な制御装置に配置され、
    前記制御手段は、前記複数の第2の基地局の各々に配置される、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  8. 前記供給手段は、前記複数の第2の基地局のうち少なくとも1つに配置され、
    前記制御手段は、前記複数の第2の基地局の各々に配置される、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  9. 前記制御手段は、(a)第1のセルと前記対象セルの間の伝搬損を表す第1の損失パラメータ、(b)前記対象セルを形成する第2の基地局と前記対象セルに属する移動局との間の伝播損を表す第2の損失パラメータ、(c)前記第1の基地局における上り目標受信電力、及び(d)前記第1の基地局の上り通信における品質要求値をさらに用いて、前記上り送信電力制御を行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  10. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉に関して単調増加する関数として定義された補正パラメータを含み、
    前記補正パラメータは、前記複数の第2のセルにわたる和が実質的に一定となるように決定される、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  11. 前記制御手段は、前記複数の第2の基地局の数、又は前記複数の第2のセルの数をさらに用いて前記上り送信電力制御を行う、請求項1〜10のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  12. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する移動局から送信される上り信号の前記対象セルを形成する対象基地局における目標受信電力を調整することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  13. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する移動局による上り送信電力の最大値を調整することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  14. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する複数の移動局に関する前記目標受信電力の平均値を前記複数の移動局に通知することを含む、請求項12に記載の無線通信システム。
  15. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する複数の移動局に関する前記目標受信電力の平均値、及び前記目標受信電力の平均値に対する移動局毎の差分を、前記複数の移動局の各々に通知することを含む、請求項12に記載の無線通信システム。
  16. 前記複数の第2の基地局の各々は、移動局と通信中の基地局である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  17. 前記指標情報は、Interference over Thermal(IoT)、上り干渉信号の受信電力、又はOverload Indicator(OI)を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  18. 各第2の基地局は、前記第1の基地局に比べて最大許容送信電力が小さい、前記第1の基地局に比べて通信エリアが狭い、及び予め定められた移動局のみ接続を許可している、のうち少なくとも1つの特徴を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  19. 無線通信システムで使用される送信電力制御装置であって、
    前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局、及び各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局を含み、
    前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行う制御手段を備える、
    送信電力制御装置。
  20. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限に比べて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項19に記載の送信電力制御装置。
  21. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルを形成する第2の基地局における上り受信電力に比べて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項19又は20に記載の送信電力制御装置。
  22. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項19〜21のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  23. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項19、20、又は22に記載の送信電力制御装置。
  24. 前記制御手段は、(a)第1のセルと前記対象セルの間の伝搬損を表す第1の損失パラメータ、(b)前記対象セルを形成する第2の基地局と前記対象セルに属する移動局との間の伝播損を表す第2の損失パラメータ、(c)前記第1の基地局における上り目標受信電力、及び(d)前記第1の基地局の上り通信における品質要求値をさらに用いて、前記上り送信電力制御を行う、請求項19〜23のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  25. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉に関して単調増加する関数として定義された補正パラメータを含み、
    前記補正パラメータは、前記複数の第2のセルにわたる和が実質的に一定となるように決定される、
    請求項19〜24のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  26. 前記制御手段は、前記複数の第2の基地局の数、又は前記複数の第2のセルの数をさらに用いて前記上り送信電力制御を行う、請求項19〜25のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  27. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する移動局から送信される上り信号の前記対象セルを形成する対象基地局における目標受信電力を調整することを含む、請求項19〜26のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  28. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する移動局による上り送信電力の最大値を調整することを含む、請求項19〜26のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  29. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する複数の移動局に関する前記目標受信電力の平均値を前記複数の移動局に通知することを含む、請求項27に記載の送信電力制御装置。
  30. 前記上り送信電力制御は、前記対象セルに属する複数の移動局に関する前記目標受信電力の平均値、及び前記目標受信電力の平均値に対する移動局毎の差分を、前記複数の移動局の各々に通知することを含む、請求項27に記載の送信電力制御装置。
  31. 前記複数の第2の基地局の各々は、移動局と通信中の基地局である、請求項19〜30のいずれか1項に記載の送信電力制御装置。
  32. 請求項19〜31のいずれか1項に記載の送信電力制御装置と、
    前記対象セルに属する移動局と通信可能な無線通信手段と、
    を備える、基地局装置。
  33. 無線通信システムで使用されるパラメータ供給装置であって、
    前記無線通信システムは、
    第1のセルを形成する第1の基地局と、
    各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局と、
    前記複数の第2の基地局により形成される複数の第2のセルに含まれる対象セルに関する上り送信電力制御を行う制御手段と、
    を含み、
    前記パラメータ供給装置は、各第2のセルが受ける上り干渉を示す指標情報に基づいて、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを、前記上り送信電力制御のために前記制御手段に供給する手段を備える、
    パラメータ供給装置。
  34. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限に比べて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項33に記載のパラメータ供給装置。
  35. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルを形成する第2の基地局における上り受信電力に比べて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項33又は34に記載のパラメータ供給装置。
  36. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項33〜35のいずれか1項に記載のパラメータ供給装置。
  37. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項33、34、又は36に記載のパラメータ供給装置。
  38. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉に関して単調増加する関数として定義された補正パラメータを含み、
    前記補正パラメータは、前記複数の第2のセルにわたる和が実質的に一定となるように決定される、
    請求項33〜37のいずれか1項に記載のパラメータ供給装置。
  39. 前記指標情報は、Interference over Thermal(IoT)、上り干渉信号の受信電力、又はOverload Indicator(OI)を含む、請求項33〜38のいずれか1項に記載のパラメータ供給装置。
  40. 無線通信システムで使用される送信電力制御方法であって、
    前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局、及び各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局を含み、
    前記送信電力制御方法は、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行うことを備える、
    送信電力制御方法。
  41. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限に比べて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉が前記第2の上り干渉より大きい場合に、前記上り送信電力制御によって、前記他のセルを形成する第2の基地局における上り受信電力に比べて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項40又は41に記載の方法。
  43. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルが前記第1のセルに与える上り干渉の上限が大きくなるように決定される、請求項40〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記干渉パラメータは、前記上り送信電力制御によって、前記第1の上り干渉が大きくなるにつれて前記対象セルを形成する第2の基地局における上り受信電力が大きくなるように決定される、請求項40、41、又は43に記載の方法。
  45. 前記上り送信電力制御を行うことは、(a)第1のセルと前記対象セルの間の伝搬損を表す第1の損失パラメータ、(b)前記対象セルを形成する第2の基地局と前記対象セルに属する移動局との間の伝播損を表す第2の損失パラメータ、(c)前記第1の基地局における上り目標受信電力、及び(d)前記第1の基地局の上り通信における品質要求値をさらに用いて、前記上り送信電力制御を行うことを含む、請求項40〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記干渉パラメータは、前記第1の上り干渉に関して単調増加する関数として定義された補正パラメータを含み、
    前記補正パラメータは、前記複数の第2のセルにわたる和が実質的に一定となるように決定される、
    請求項40〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記上り送信電力制御を行うことは、前記複数の第2の基地局の数、又は前記複数の第2のセルの数をさらに用いて前記上り送信電力制御を行うことを含む、請求項40〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 無線通信システムで使用される送信電力制御方法をコンピュータに行わせるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
    前記無線通信システムは、第1のセルを形成する第1の基地局、及び各々が前記第1のセルより小さく且つ前記第1のセルと少なくとも一部が重なり合う複数の第2のセルを形成する複数の第2の基地局を含み、
    前記送信電力制御方法は、前記複数の第2のセルに含まれる対象セルが受ける第1の上り干渉と前記複数の第2のセルに含まれる他のセルが受ける第2の上り干渉との大きさの違いが反映された干渉パラメータを用いて、前記対象セルに関する上り送信電力制御を行うことを含む、
    コンピュータ可読媒体。
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