JPWO2013100128A1 - 色素増感太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、作用極と、作用極に対向する対極と、作用極と対極との間に配置される電解質とを備え、作用極が、導電性基板と、導電性基板上に設けられ、集電配線を含有する配線含有部と、配線含有部の上に設けられ、樹脂と、樹脂の流動を抑制する流動抑制材とを含有する樹脂配線保護層とを備える、色素増感太陽電池である。

Description

本発明は、色素増感太陽電池及びその製造方法に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極及び対極の間に配置される電解質とを備えている。
ここで、作用極は、多孔質酸化物半導体層で得られた電気を効率よく外部に引き出すため、透明導電膜上に集電配線を有することが一般的である。さらに作用極においては、電解質による集電配線の腐食を防止するため、集電配線が配線保護層で被覆されることが一般的である。
このような作用極を有する色素増感太陽電池として、集電配線上に、ガラス成分などからなる絶縁層、および、ポリイミドなどの樹脂からなる保護層を順次配置した色素増感太陽電池が知られている(下記特許文献1)。
特許第4528082号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の色素増感太陽電池は以下に示す課題を有していた。すなわち、上記色素増感太陽電池では、集電配線が電解質により腐食される場合があった。このため、上記色素増感太陽電池は、耐久性の点で改善の余地を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題が生じる原因について鋭意検討した。その結果、色素増感太陽電池において、ガラス成分などからなる絶縁層の上に、樹脂などからなる保護層が設けられている場合、保護層が非常に薄くなることが原因ではないかと本発明者は考えた。すなわち、保護層が非常に薄くなっているために、保護層が保護機能を十分に果たさず、電解質が浸透しやすくなって集電配線を腐食し、その結果、優れた耐久性を得ることが困難なのではないかと本発明者は考えた。さらに本発明者は、保護層が非常に薄くなる原因について考えた。その結果、以下のことが、保護層が非常に薄くなる原因ではないかと考えた。すなわち、色素増感太陽電池が高温環境下に置かれると、樹脂などからなる保護層中の樹脂の流動性が増す。一方、保護層が設けられる絶縁層の表面は必ずしも平坦ではなく、集電配線から離れる方向に向かって凸状となることもある。この場合、保護層中の樹脂の流動性が増すことで、保護層中の樹脂は流れ落ちてしまい、絶縁層の上に残る樹脂の量が少なくなる。そこで、本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、保護層中に、樹脂の流動を抑制する流動抑制材を導入することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を解決するに至った。
即ち本発明は、作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを備え、前記作用極が、導電性基板と、前記導電性基板上に設けられ、集電配線を含有する配線含有部と、前記配線含有部の上に設けられ、樹脂と、前記樹脂の流動を抑制する流動抑制材とを含有する樹脂配線保護層とを備える色素増感太陽電池である。
この色素増感太陽電池によれば、当該色素増感太陽電池が高温環境下に置かれ、作用極の樹脂配線保護層中の樹脂が流動しても、その樹脂の流動が、樹脂配線保護層中に含まれる流動抑制材によって十分に抑制される。このため、配線含有部の上で樹脂配線保護層の厚さが低下することが十分に抑制され、色素増感太陽電池において、樹脂配線保護層が、電解質に対する保護機能の低下を十分に抑制することが可能となる。従って、電解質が樹脂配線保護層を浸透して集電配線を腐食することが十分に抑制され、その結果、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を実現することが可能となる。
上記色素増感太陽電池においては、前記流動抑制材が無機系乾燥材であり、前記電解質が酸化還元対を含有することが好ましい。
この色素増感太陽電池によれば、電解質中に水分が混入しても、その水分が、樹脂配線保護層中に含まれる無機系乾燥材によって十分に吸収される。このため、電解質中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが十分に抑制される。その結果、本発明の色素増感太陽電池は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
また上記色素増感太陽電池においては、前記流動抑制材が無機系乾燥材であり、前記流動抑制材が球状であり、前記流動抑制材の平均粒径が200nm以下であることが好ましい。
この場合、流動抑制材の平均粒径が200nmを超える場合と比較して、電解質中の水分を効果的に吸収できる。このため、電解質中の水分が電解質から効果的に除去され、電解質中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが効果的に抑制され、より優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池において、前記樹脂配線保護層中の前記流動抑制材の含有率が1〜50体積%であることが好ましい。
この場合、流動抑制材の含有率が上記範囲を外れる場合に比べて、集電配線が十分に樹脂で覆われるため、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を実現することが可能となる。
また上記色素増感太陽電池においては、前記樹脂配線保護層の最低膜厚が3〜50μmであることが好ましい。
この場合、樹脂配線保護層の最低膜厚が3μm未満である場合に比べて、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を実現することができる。また樹脂配線保護層の最低膜厚が50μmを超える場合に比べて、導電性基板と接触する面の面積がより減少する結果、発電に寄与する領域を相対的に増加させることが可能となり、光電変換特性をより向上させることができる。
上記色素増感太陽電池において、前記導電性基板が、基板と、前記基板上に設けられ、錫を含有する導電膜とを有し、前記集電配線が銀粒子を含有し、前記集電配線が、前記導電膜と接触する接触部を有し、前記接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有し、前記集電配線と前記導電膜との間で前記接触部に隣接して空隙が形成されていることが好ましい。
この場合、導電膜が熱収縮又は熱膨張すると、配線含有部に含まれる集電配線は、導電膜との界面付近において熱収縮や熱膨張による過大な応力を受ける。このとき、集電配線と導電膜との接触部に応力が加えられても、集電配線と導電膜との間で接触部に隣接して空隙が形成されているため、空隙により、接触部に加わる応力が十分に緩和される。また接触部が銀錫合金からなる銀錫合金部を有している。ここで、銀錫合金部は、錫を含有する導電膜と共通の錫を含有し、銀粒子を含有する集電配線と共通の銀を含有する。このため、銀錫合金部は、集電配線及び導電膜のいずれに対しても高い密着性を有する。このため、導電膜からの集電配線の剥離が十分に抑制され、集電配線と導電膜との接触抵抗の増加が十分に抑制される。従って、上記色素増感太陽電池によれば、光電変換効率の低下を十分に抑制でき、より優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池において、前記導電性基板が、基板と、前記基板上に設けられ、錫を含有する導電膜とを有し、前記集電配線が銀粒子を含有し、前記集電配線が、前記導電膜に接触し、銀と錫との混合物からなる銀錫混合部を有することが好ましい。
この場合、集電配線が、導電膜に接触する銀錫混合部を有している。ここで、銀錫混合部は、銀と錫との混合物からなる。すなわち銀錫混合部は、導電性を有し、しかも、導電膜と共通の錫を含有している。また銀錫混合部は、集電配線と共通の銀を含有している。このため、銀錫混合部は、ガラスフリット部に比べて、集電配線と導電膜との接触抵抗を低下させることができる。このため、上記色素増感太陽電池によれば、集電配線と導電膜との接触抵抗を低下させることができる。また、銀錫混合部は、導電膜と共通の錫を含有し、かつ、集電配線と共通の銀を含有している。このため、銀錫混合部は、導電膜に対しても銀粒子に対しても十分な密着性を確保することができる。このため、上記色素増感太陽電池によれば、より優れた光電変換特性及び耐久性を有することが可能となる。
また上記色素増感太陽電池においては、前記配線含有部が、前記集電配線を覆い、ガラス成分を含有するガラス保護層を更に含むことが好ましい。
この場合、ガラス保護層によって集電配線が電解質から保護される。このため、色素増感太陽電池において、電解質による集電配線の腐食が抑制されるため、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を実現することができる。
また本発明は、作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを備える色素増感太陽電池の製造方法において、前記作用極を製造する作用極製造工程を含み、前記作用極製造工程が、導電性基板上に集電配線を含む配線含有部を形成する配線含有部形成工程と、前記配線含有部を覆うように、第1の樹脂を含む樹脂配線保護層を形成する樹脂配線保護層形成工程とを含み、前記樹脂配線保護層形成工程が、第2の樹脂と、前記第2の樹脂の流動を抑制する流動抑制材とを含有する樹脂組成物を前記配線含有部上に配置させ、前記樹脂配線保護層を形成する工程を含む、色素増感太陽電池の製造方法である。ここで、第2の樹脂は、第1の樹脂と同一の樹脂又は第1の樹脂の前駆体で構成される。
この色素増感太陽電池の製造方法によれば、樹脂配線保護層形成工程において、樹脂組成物を配線含有部上に配置して樹脂配線保護層を形成する際、樹脂組成物が配線含有部上で流動しようとしても、樹脂組成物中の流動抑制材により第2の樹脂の流動が十分に抑制される。従って、配線含有部の上で樹脂配線保護層の厚さを十分に確保することが可能となる。従って、得られる色素増感太陽電池において、電解質に対する樹脂配線保護層の保護機能の低下を十分に抑制することが可能となり、電解質が樹脂配線保護層に浸透して集電配線を腐食することを十分に抑制することができる。その結果、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を製造することができる。
また上記製造方法においては、前記流動抑制材が無機系乾燥材であり、前記電解質が酸化還元対を含有することが好ましい。
この場合、得られる色素増感太陽電池において、電解質中に水分が混入しても、その水分が、樹脂配線保護層中に含まれる無機系乾燥材によって十分に吸収される。このため、電解質中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが十分に抑制される。その結果、本発明の色素増感太陽電池の製造方法は、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を製造することが可能となる。
また上記製造方法においては、前記流動抑制材が球状であり、前記流動抑制材の平均粒径が200nm以下であることが好ましい。
この場合、流動抑制材の平均粒径が200nmを超える場合と比較して、樹脂の流動を効果的に抑制しつつ配線含有部を樹脂組成物で満遍なく覆うことができる。このため、流動抑制材により配線含有部上で樹脂組成物の厚さをより十分に確保することが可能となり、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を製造することができる。
また上記製造方法においては、前記樹脂配線保護層の最低膜厚が3〜50μmであることが好ましい。
この場合、樹脂配線保護層の最低膜厚が3μm未満である場合に比べて、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を製造することができる。また樹脂配線保護層の最低膜厚が50μmを超える場合に比べて、導電性基板と接触する面の面積がより減少する結果、発電に寄与する領域を相対的に増加させることが可能となり、光電変換特性をより向上させることができる。
また上記製造方法においては、前記配線含有部が、前記集電配線を覆い、ガラス成分を含有するガラス保護層を更に含むことが好ましい。
この場合、ガラス保護層によって集電配線が電解質から保護される。このため、製造される色素増感太陽電池において、電解質による集電配線の腐食が抑制されるため、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を製造することができる。
上記色素増感太陽電池の製造方法においては、前記樹脂配線保護層形成工程において、前記樹脂組成物が前記配線含有部上に配置された後に加熱処理され、前記集電配線が、前記導電性基板上に設けられる第1金属配線部と、前記第1金属配線部上に設けられる第2金属配線部とを有し、前記第1金属配線部及び前記第2金属配線部が空隙を有し、前記第2金属配線部の空隙率が前記第1金属配線部の空隙率よりも小さいことが好ましい。
この場合、樹脂配線保護層形成工程において、樹脂組成物を配線含有部上に配置した後、加熱処理させて樹脂配線保護層を形成する際、第1金属配線部の空隙中の空気が熱により膨張しても、第2金属配線部によって、その膨張した空気が樹脂配線保護層を突き抜けることが十分に抑制される。このため、得られる色素増感太陽電池の配線保護層において、電解質が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。その結果、電解質による集電配線の腐食が十分に抑制され、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池を得ることができる。
また上記製造方法は、前記配線含有部上に配置されるときの前記樹脂組成物がペースト状である場合に特に有用である。
配線含有部上に配置されるときの樹脂組成物がペースト状である場合に、樹脂配線保護層の厚さが薄くなりやすい。その点、本発明の製造方法では、樹脂組成物中に流動抑制材が含まれているため、樹脂組成物がペースト状でも、第2の樹脂の流動が十分に抑制され、形成される樹脂配線保護層の厚さの低下を十分に抑制できる。
本発明によれば、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池及びその製造方法が提供される。
本発明に係る色素増感太陽電池の一実施形態を示す部分断面図である。 図1の作用極を示す部分断面図である。 図2の配線部を示す断面図である。 図1の集電配線の一例を示す断面図である。 図1の集電配線の他の例を示す断面図である。 図1の作用極の製造方法の一工程を示す図である。 図1の作用極の製造方法の一工程を示す図である。 図1の作用極の製造方法の一工程を示す図である。 図1の作用極の製造方法の一工程を示す図である。 図1の作用極の製造方法の一工程を示す図である。 図3の配線部の変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る色素増感太陽電池の実施形態について図面を用いて説明する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1は本発明に係る色素増感太陽電池の一実施形態を示す部分断面図、図2は、図1の作用極を示す部分断面図、図3は、図2の配線部を示す断面図である。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極10と、作用極10に対向するように配置される対極20とを備えている。作用極10と対極20とは封止部40によって連結されている。そして、作用極10と対極20との間には電解質30が配置されている。具体的には、作用極10と対極20と封止部40とによって包囲されるセル空間内には電解質30が充填されている。
図2に示すように、作用極10は、導電性基板11と、導電性基板11の上に設けられる多孔質酸化物半導体層12と、多孔質酸化物半導体層12を包囲するように設けられる配線部13とを備えている。導電性基板11は、透明基板14と、透明基板14の対極20側に多孔質酸化物半導体層12と接触するように設けられる透明導電膜15とを備えている。配線部13は、透明導電膜15上で多孔質酸化物半導体層12を包囲するように又は多孔質酸化物半導体層12の周囲に設けられる配線含有部16と、配線含有部16を被覆する樹脂配線保護層17とを備えている。ここで、配線含有部16は、透明導電膜15上に設けられる集電配線18と、集電配線18を被覆するガラス配線保護層19とを有している。図3に示すように、樹脂配線保護層17は、樹脂17aと、樹脂17aの流動を抑制する流動抑制材17bとを有している。
多孔質酸化物半導体層12には光増感色素が担持されている。また図1に示すように、対極20は、対極基板21と、対極基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えている。
封止部40は、作用極10と対極20とを連結している。封止部40は作用極10の多孔質酸化物半導体層12側の表面上、即ち透明導電膜15の表面上に固定されると共に、対極20に固定されている。ここで、封止部40は通常、対極基板21上に固定されるが、触媒層22上に固定されてもよい。
色素増感太陽電池100によれば、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、作用極10の樹脂配線保護層17中の樹脂17aが流動しても、その樹脂17aの流動が樹脂配線保護層17中に含まれる流動抑制材17bによって十分に抑制される。このため、配線含有部16の上で樹脂配線保護層17の厚さが低下することが十分に抑制され、色素増感太陽電池100において、電解質30に対する樹脂配線保護層17の保護機能の低下を十分に抑制することが可能となる。従って、電解質30が樹脂配線保護層17を浸透して集電配線18を腐食することを十分に抑制することができる。その結果、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100が実現される。
次に、作用極10、光増感色素、対極20、電解質30及び封止部40について詳細に説明する。
<作用極>
(透明基板)
透明基板14を構成する材料は、例えば透明な材料であればよい。このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)及びポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板14の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
(透明導電膜)
透明導電膜15を構成する材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜15は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜15が単層で構成される場合、透明導電膜15は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。透明導電膜15の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
(多孔質酸化物半導体層)
多孔質酸化物半導体層12は酸化物半導体粒子で構成されている。上記酸化物半導体粒子としては、例えば酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される酸化物半導体粒子が挙げられる。これら酸化物半導体粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが好ましい。この場合、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなる。即ち光電変換を行う場が広くなる。その結果、より多くの電子を生成することができる。多孔質酸化物半導体層12の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。
(集電配線)
集電配線18は、透明導電膜15よりも低い抵抗を有する導電性材料からなる粒子を有する。このような導電性材料として、例えば銀及び銅が挙げられる。
ここで、図4に示すように、集電配線18が、銀からなる銀粒子51を含有し、透明導電膜15が錫を含有する場合、集電配線18は、透明導電膜15と接触する接触部Bを有し、接触部Bが、銀と錫との合金からなる銀錫合金部50を有し、集電配線18と透明導電膜15との間で接触部Bに隣接して空隙A1が形成されていることが好ましい。
この場合、透明導電膜15が熱収縮又は熱膨張すると、配線含有部16に含まれる集電配線18は、透明導電膜15との界面付近において熱収縮や熱膨張による過大な応力を受ける。このとき、集電配線18と透明導電膜15との接触部Bに応力が加えられても、集電配線18と透明導電膜15との間で接触部Bに隣接して空隙A1が形成されているため、空隙A1により、接触部Bに加わる応力が十分に緩和される。また接触部Bが銀錫合金からなる銀錫合金部50を有している。ここで、銀錫合金部50は、錫を含有する透明導電膜15と共通の錫を含有し、銀粒子を含有する集電配線18と共通の銀を含有する。このため、銀錫合金部50は、集電配線18及び透明導電膜15のいずれに対しても高い密着性を有する。このため、透明導電膜15からの集電配線18の剥離が十分に抑制され、集電配線18と透明導電膜15との接触抵抗の増加が十分に抑制される。従って、光電変換特性の低下を十分に抑制でき、優れた耐久性を有することが可能となる。
図4に示す集電配線18においては、接触部Bは、銀と錫との合金からなる銀錫合金部50と、ガラスフリットからなるガラスフリット部53とを有している。また集電配線18は、透明導電膜15から離間した本体部Cに、空隙A2とガラスフリット部63とを有していてもよい。
また図5に示すように、集電配線18が、銀からなる銀粒子51を含有し、透明導電膜15が錫を含有する場合、集電配線18は、透明導電膜15に接触し、銀と錫との混合物からなる銀錫混合部52を有することが好ましい。
この場合、集電配線18が、透明導電膜15に接触する銀錫混合部52を有している。ここで、銀錫混合部52は、銀と錫との混合物からなる。すなわち銀錫混合部52は、導電性を有し、しかも、透明導電膜15と共通の錫を含有している。また銀錫混合部52は、集電配線18と共通の銀を含有している。このため、銀錫混合部52は、ガラスフリット部53に比べて、集電配線18と透明導電膜15との接触抵抗を低下させることができる。このため、上記色素増感太陽電池100によれば、集電配線18と透明導電膜15との接触抵抗を低下させることができる。また、銀錫混合部52は、透明導電膜15と共通の錫を含有し、かつ、集電配線18と共通の銀を含有している。このため、銀錫混合部52は、透明導電膜15に対しても銀粒子51に対しても十分な密着性を確保することができる。このため、色素増感太陽電池100は、より優れた光電変換特性及び耐久性を有することが可能となる。
図5に示す集電配線18においては、ガラスフリットからなるガラスフリット部53と銀錫混合部52とを結合してなる結合体55を有し、結合体55において、ガラスフリット部53が、透明導電膜15と共に形成される凹部53aを有し、この凹部53aに銀錫混合部52が入り込んでいることが好ましい。
この場合、集電配線18が、透明導電膜15に接触するガラスフリット部53と、透明導電膜15に接触する銀錫混合部52とを結合してなる結合体55を有しており、ガラスフリット部53において透明導電膜15と共に形成される凹部53aに銀錫混合部52が入り込んでいる。このため、結合体55においては、ガラスフリット部53の凹部53aに入り込んでいる銀錫混合部52の分だけ、集電配線18と透明導電膜15との接触面の面積に占めるガラスフリット部53の面積の割合が減少される。ここで、銀錫混合部52は、銀と錫との混合物からなるため、ガラスフリット部53に比べて、集電配線18と透明導電膜15との接触抵抗を低下させることができる。またガラスフリット部53は透明導電膜15に接触しているため、ガラスフリット部53が透明導電膜15に接触していない場合に比べて、透明導電膜15に対する集電配線18の密着性をより十分に確保することができる。従って、透明導電膜15に対する集電配線18の密着性をより十分に確保しながら、集電配線18と透明導電膜15との間の接触抵抗を低下させることができる。このため、色素増感太陽電池100は、より優れた光電変換特性及び耐久性を有することが可能となる。
なお、集電配線18と透明導電膜15との間には空隙A1が形成されていてもよい。さらに集電配線18には、透明導電膜15から離れた位置に、空隙A2と、銀と錫との混合物からなる銀錫混合部62と、ガラスフリットからなるガラスフリット部63とを有していてもよい。
(ガラス配線保護層)
ガラス配線保護層19は、ガラス成分を主成分として有する。ガラス成分としては、例えばホウ酸鉛系ガラス、ホウケイ酸ビスマス塩系ガラス、アルミノリン酸塩系ガラス及びリン酸亜鉛系ガラスが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いてもよい。
(樹脂配線保護層)
樹脂配線保護層17は、樹脂17aと、樹脂17aの流動を抑制する流動抑制材17bとを含む。
樹脂17aとしては、酸変性ポリオレフィン系樹脂や、ポリイミド樹脂などを用いることができる。中でも、ポリイミド樹脂が好ましい。この場合、樹脂配線保護層17が電解質30により腐食されにくくなる。
流動抑制材17bは、樹脂17aの流動を抑制するものであればよい。このような流動抑制材17bとしては、無機物が用いられる。無機物が用いられるのは、無機物が樹脂17aよりも硬く、樹脂17aのように流動することはないためである。また樹脂17aの表面がガラス配線保護層19の表面に近づくことで、無機物がガラス配線保護層19の表面に押し付けられ、それによって無機物が樹脂17aとともに流れ落ちにくくなるとも考えられる。無機物は、導電性の無機物であっても、絶縁性の無機物であってもよい。
上記無機物は、無機系乾燥材であることが好ましい。この場合、電解質30中に水分が混入しても、その水分は樹脂配線保護層17中に含まれる無機系乾燥材によって十分に吸収される。このため、電解質30中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが十分に抑制される。その結果、色素増感太陽電池100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
無機系乾燥材は、電解質30中の水分を吸収する機能を有するものであればよい。無機系乾燥材としては、物理的に水分を吸着する物理的乾燥材、及び、化学的に水分と反応する化学的乾燥材があるが、いずれを用いることも可能である。物理的乾燥材は通常、多孔質であり、このような多孔質の物理的乾燥材としては、例えば無機系酸化物を含有する乾燥材、及び炭素質材料が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、無機系酸化物には、2種以上の無機系酸化物を含む複合酸化物も含まれる。無機系酸化物を含有する乾燥材としては、例えば合成シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、合成ゼオライト、セリサイト、カオリン及びタルクなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。炭素質材料としては、例えば活性炭、カーボンナノチューブ及びカーボンブラックなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機物としては、無機系乾燥材のほか、例えばシリカ、チタニアなどの乾燥材として機能しない絶縁性の無機物などを用いることもできる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
無機物の形状は特に制限されないが、例えば球状、星型、ロッド状、チューブ状、立方体状、直方体状、及び多角形体状が挙げられる。無機物の形状は球状又はロッド状であることが好ましい。無機物の形状が球状である場合、ペーストの作製が容易である、粒径が揃いやすい、添加量が少量で済むという利点が得られる。また無機物の形状がロッド状である場合、形状に異方性があり、長手方向に水分を吸収しやすいという利点が得られる。
無機物が無機系乾燥材で構成され、無機物の形状が球状である場合、無機物の平均粒径は、200nm以下であることが好ましい。この場合、無機物が無機系乾燥材で構成される場合、無機系乾燥材の平均粒径が200nmを超える場合と比較して、電解質30中の水分を効果的に吸収できる。このため、電解質30中の水分が電解質30から効果的に除去され、電解質30中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが効果的に抑制され、より優れた耐久性を有することが可能となる。ここで、「平均粒径」とは、複数個の粒状の無機物を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、 SEM)で観察したときの2次元画像の面積S1をそれぞれ求め、これらの面積S1をそれぞれ円の面積に等しいと考え、これらの面積から下記式:
R1=2×(S1/π)1/2
に基づいてそれぞれ算出したR1の平均値を言うものとする。また「球状」とは、複数個の粒状の無機物をSEMで観察したときの2次元画像において、その無機物の外周上の任意の2点を結ぶ線分のうち最も短い線分に対するその線分に直交する線分の長さの比が1以上1.5以下である形状を言うものとする。
無機物の平均粒径はより好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均粒径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。特に、無機物が無機系乾燥材で構成される場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、水分をより吸収させることができる。
無機物の形状がロッド状である場合、無機物の平均長さは、好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均長さは、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均長さが1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。特に、無機物が無機系乾燥材で構成される場合、無機物の平均長さが1nm未満である場合に比べて、水分をより吸収させることができる。また無機物の平均径は、好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。特に、無機物が無機系乾燥材で構成される場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、水分をより吸収させることができる。ここで、径とは、ロッドの長手方向に直交する面の外周とその外周を横切る直線との2つの交点間を結ぶ線分のうち長さが最大となる線分の長さを言うものとする。ここで、「平均径」とは、複数本のロッド状の無機物の端面をSEMで観察したときの2次元画像の面積S2をそれぞれ求め、これらの面積S2をそれぞれ円の面積に等しいと考え、これらの面積から下記式:
R2=2×(S2/π)1/2
に基づいてそれぞれ算出したR2の平均値を言うものとする。また「平均長さ」とは、複数本のロッド状の無機物の端面以外の面をSEMで観察したときの最も長い部分の長さの平均値を言うものとする。
無機物の形状が星型である場合、無機物の平均径は好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。特に、無機物が無機系乾燥材で構成される場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、水分をより吸収させることができる。ここで、径とは、SEMで観察したときの2次元画像において、星型の無機物の任意の2つの頂点間を結ぶ線のうち長さが最大となる線の長さを言い、「平均径」とは、複数個の星型の無機物について測定した径の平均値を言うものとする。
樹脂配線保護層17中の流動抑制材17bの含有率は、1〜50体積%であることが好ましく、5〜30体積%であることがより好ましい。この場合、集電配線18が十分に樹脂17aで覆われるため、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を実現することが可能となる。
<対極>
対極基板21は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン、ステンレス、アルミニウム等の耐食性の金属材料や、上述した透明基板14にITO、FTO等の導電性酸化物からなる膜を形成したものや、炭素、導電性高分子で構成される。対極基板21の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜10.0mmとすればよい。
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
<光増感色素>
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
<電解質>
電解質30は酸化還元対を含有するものであり、通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、バレロニトリル、ピバロニトリル、グルタロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチロニトリル、フェニルアセトニトリル、アクリロニトリル、スクシノニトリル、オキサロニトリル、ペンタニトリル、アジポニトリルなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオン、亜鉛錯体、鉄錯体、コバルト錯体などのレドックス対などの対が挙げられる。電解質30は、上記有機溶媒に代えて、イオン液体と揮発性成分としての上記有機溶媒との混合物からなるイオン液体電解質を含んでいてもよい。また、電解質30は、有機溶媒に代えて、イオン液体を含んでいてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、エチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ブチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、又は、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド等が好適に用いられる。上記電解質には添加剤を加えてもよい。添加剤としては、ヨウ化リチウム、I、4−ターシャリーブチルピリジン、グアニジウムチオシアネート、1−ブチルベンゾイミダゾール及びN−メチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。さらに電解質30としては、上記電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル状となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
<封止部>
封止部40としては、酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、例えば酸変性ポリエチレン系熱可塑性樹脂及び、酸変性プロピレン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
酸変性ポリエチレン系熱可塑性樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン及びエチレン−アクリル酸共重合体が挙げられる。中でも、アイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体又は無水マレイン酸変性ポリエチレンが作用極10との接着性が高い点から好ましい。なお、酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンに酸をランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合させたもの、またはこれらを金属イオンで中和したものを意味する。また、酸変性ポリエチレンとは、ポリエチレンに酸をランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合させたもの、またはこれらを金属イオンで中和したものを意味する。一例を挙げると、エチレンメタクリル酸共重合体は、エチレンとメタクリル酸とを共重合させたものであるため、酸変性ポリエチレンとなり、エチレンメタクリル酸共重合体を金属イオンで中和したアイオノマーは酸変性ポリエチレンとなる。
次に、上述した色素増感太陽電池100の製造方法について図6〜図10を参照しながら説明する。図6〜図10は、作用極を製造する一連の工程を示す図である。
[準備工程]
まず作用極10及び対極20を準備する。
<作用極製造工程>
作用極10は、以下のようにして準備することができる。
はじめに透明基板14の上に透明導電膜15を形成する。透明導電膜15の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解(Spray
Pyrolysis Deposition:SPD)法及び化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法などが用いられる。
次に、透明導電膜15上に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷する。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストは、上述した酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
次に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを焼成して透明導電膜15上に多孔質酸化物半導体層12を形成する(図2参照)。焼成温度は酸化物半導体粒子により異なるが、通常は140〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子により異なるが、通常は30分〜5時間である。
(配線含有部形成工程)
次に、図6に示すように、多孔質酸化物半導体層12を包囲するように又は多孔質酸化物半導体層12の周囲に集電配線18を形成する。集電配線18は、導電材を含む導電ペーストを透明導電膜15上に塗布し、乾燥させた後、焼成することによって得ることができる。
特に、図4に示すような集電配線18は、例えば、銀粒子と、有機バインダ樹脂と、ガラスフリットからなる無機バインダと、溶媒とを含む導電ペーストを、スクリーン印刷法などを用いて透明導電膜15上に塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。
接触部Bにおいて、銀錫合金部50を得るためには、導電ペースト中の銀粒子と透明導電膜15とがいずれも融解する温度まで導電ペーストを加熱すればよい。具体的には、導電ペーストを400〜600℃まで加熱すればよい。
また集電配線18と透明導電膜15との間に空隙A1を形成するためには、導電ペースト中の溶媒の量や、無機バインダの量を調整すればよい。
さらに、集電配線18に空隙A1を形成するためには、無機バインダとして銀粒子よりも低い融点を有するものを用いる。この場合、銀粒子51よりも先に無機バインダが融解するため、無機バインダが重力の作用により透明導電膜15に向かうことが可能となる。その結果、集電配線18に空隙A1が形成される。
図5に示すような集電配線18は、例えば、銀粒子と、銀と錫との混合物からなる銀錫混合粒子と、銀錫混合粒子よりも高い温度で融解するガラスフリットと、有機バインダ樹脂と、溶媒とを含む銀ペーストを、スクリーン印刷法などを用いて透明導電膜15上に塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。ここで、銀錫混合粒子は、例えば銀粒子と錫粒子を混合し焼成することで製造することができる。
この銀ペーストを、透明導電膜15上に塗布し、焼成すると、まず銀錫混合粒子がガラスフリットよりも先に融解し、銀錫混合粒子の少なくとも一部が沈み、透明導電膜15に達して、透明導電膜15に接触する銀錫混合部52が形成される。そして、銀ペーストの温度をさらに上昇させると、ガラスフリットが融解し、ガラスフリットが沈み、透明導電膜15に達して、透明導電膜15に接触するガラスフリット部53が形成される。このとき、ガラスフリットが沈んで銀錫混合部52の一部を覆えば、凹部53aを有するガラスフリット部53が形成されると同時に、凹部53aに銀錫混合部52が入り込んだ構造となり、結合体55が形成される。またガラスフリットが沈んで銀錫混合部52を覆わなければ、ガラスフリット部53が形成される。
このとき、銀錫混合部52を得るためには、銀錫混合粒子と透明導電膜15とがともに融解しない温度で銀ペーストを加熱するようにする。これは、銀錫混合粒子と透明導電膜15とがともに融解する温度で銀ペーストを加熱すると、銀錫混合部52に銀と錫との合金が形成されてしまうためである。
また集電配線18と透明導電膜15との間に空隙A1を形成するためには、無機バインダとして銀粒子よりも低い融点を有するものを用いる。この場合、銀粒子51よりも先に無機バインダが融解するため、無機バインダが重力の作用により透明導電膜15に向かうことが可能となる。その結果、集電配線18に空隙A1が形成される。
上記有機バインダ樹脂としては、例えばジヒドロターピネオールなどが挙げられる。また溶媒としては、例えばエチルセルロースが挙げられる。
次に、集電配線18上に以下のようにしてガラス配線保護層19を形成する。
まずガラス成分を主成分とするガラスペーストを準備する。続いて、図7に示すように、このガラスペースト19Aを、例えばスクリーン印刷法やディスペンスなどの手法により集電配線18を被覆するように塗布する。その後、上記ガラスペースト19Aを焼成する。こうして、集電配線18をガラス配線保護層19で被覆して配線含有部16を得る(図8)。
(樹脂配線保護層形成工程)
次に、配線含有部16を覆うように樹脂配線保護層17を形成する。このためにはまず、第2の樹脂としての樹脂17aと、樹脂17aの流動を抑制する流動抑制材17bと、樹脂17aを溶解する溶媒とを含むペースト状の樹脂組成物を準備する。そして、図9に示すように、このペースト状の樹脂組成物17Aを、例えばスクリーン印刷法やディスペンスなどの手法により配線含有部16上に配置する。このとき、ペースト状の樹脂組成物17Aは、ガラス配線保護層19の表面が透明導電膜15の表面に対して傾斜する傾斜面19bを有している場合(図3参照)、その傾斜面19bに沿って流れ落ちる。ここで、図3に示すように、傾斜面19bは、ガラス配線保護層19の表面において透明導電膜15から最も離れた位置にある頂部19aと導電性基板11とを結ぶ面である。その後、樹脂組成物17Aを加熱処理させて樹脂組成物17Aから溶媒を除去する。こうして、配線含有部16のガラス配線保護層19上に樹脂配線保護層17が形成され、配線部13が得られる(図10)。
このとき、樹脂配線保護層17は、その最低膜厚が3〜50μmとなるように形成することが好ましい。この場合、樹脂配線保護層17の最低膜厚が3μm未満である場合に比べて、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を製造することができる。また樹脂配線保護層17の最低膜厚が50μmを超える場合に比べて、導電性基板11と接触する面の面積がより減少する結果、発電に寄与する領域を相対的に増加させることが可能となり、光電変換特性をより向上させることができる。
また流動抑制材17bに含まれる無機物の形状が球状である場合、無機物の平均粒径は、200nm以下であることが好ましい。この場合、流動抑制材17bの平均粒径が200nmを超える場合と比較して、樹脂17aの流動を効果的に抑制しつつ配線含有部16を樹脂組成物で満遍なく覆うことができ、配線含有部16上で樹脂組成物17Aの厚さをより十分に確保することが可能となり、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を製造することができる。言い換えると、無機物の平均粒径は、200nm以下である場合、流動抑制材17bの平均粒径が200nmを超える場合に比べて、樹脂配線保護層17が配線含有部16のガラス配線保護層19を完全に覆うことができずに流動抑制材17bをつたって電解質30が浸入し、集電配線18を腐食することがより十分に抑制される。
流動抑制材17bに含まれる無機物の平均粒径はより好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均粒径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。
流動抑制材17bに含まれる無機物の形状がロッド状である場合、無機物の平均長さは、好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均長さは、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均長さが1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。また無機物の平均径は、好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。
流動抑制材17bに含まれる無機物の形状が星型である場合、無機物の平均径は好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。但し、無機物の平均径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。この場合、無機物の平均粒径が1nm未満である場合に比べて、樹脂17aの流動性をより十分に抑制できる。
<対極製造工程>
一方、対極20は、以下のようにして得ることができる。
即ちまず対極基板21を準備する。そして、対極基板21の上に触媒層22を形成する。触媒層22の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。
[封止部形成工程]
次に、作用極10上に封止部40を形成する。
[色素担持工程]
次に、作用極10の多孔質酸化物半導体層12に光増感色素を担持させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層12に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させても、光増感色素を多孔質酸化物半導体層12に担持させることが可能である。
[電解質配置工程]
次に、作用極10上であって封止部40の内側に電解質30を配置する。電解質30は、作用極10上であって封止部40の内側に注入したり、印刷したりすることによって得ることができる。
[封止工程]
次に、作用極10と対極20とを対向させる。そして、封止部40を加圧しながら溶融させることによって封止部40と対極20とを接着させる。即ち、作用極10と対極20と封止部40とによって電解質30を封止する。こうして、封止部40によって作用極10と対極20とを連結させる。
こうして色素増感太陽電池100が得られる。上記色素増感太陽電池100の製造方法によれば、樹脂配線保護層形成工程において、ペースト状の樹脂組成物17Aをスクリーン印刷法やディスペンスなどの手法により配線含有部16上に配置すると、樹脂組成物17Aは配線含有部16の表面に沿って流れ落ち、配線含有部16の上における樹脂組成物17Aの厚さが減少しようとする。この場合でも、樹脂組成物中の流動抑制材17bにより樹脂17aの流動が十分に抑制される。すなわち、樹脂組成物17Aが流れ落ちることが十分に抑制される。従って、配線含有部16の上で樹脂配線保護層17の厚さを十分に確保することが可能となる。従って、得られる色素増感太陽電池100において、樹脂配線保護層17が、電解質30に対する保護機能の低下を十分に抑制することが可能となり、電解質30が樹脂配線保護層17に浸透して集電配線18を腐食することを十分に抑制することができる。その結果、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を製造することができる。
また色素増感太陽電池100の製造に際しては、ガラス配線保護層19の表面が透明導電膜15の表面に対して傾斜する傾斜面19bを有しており(図3参照)、ペースト状の樹脂組成物17Aをガラス配線保護層19の上に塗布すると、その傾斜面19bに沿って流れ落ちる。このとき、透明導電膜15と配線含有部16との界面と、傾斜面19bとのなす角が90度未満であるため、樹脂組成物17Aが、透明導電膜15と配線含有部16との界面に対して90度の角度をなす面(以下、「垂直面」と呼ぶ)上に配置される場合に比べると、樹脂組成物17Aは、ガラス配線保護層19の傾斜面19b上で流れ落ちにくくなる。加えて、樹脂組成物17A中には流動抑制材17bが含まれている。このため、樹脂組成物17Aが薄くなることがより十分に抑制される。別言すると、傾斜面19b上で樹脂配線保護層17の厚さを十分に確保することができる。このため、得られる色素増感太陽電池100において、電解質30に対する樹脂配線保護層17の保護機能の低下をより十分に抑制することが可能となり、電解質30が樹脂配線保護層17に浸透して集電配線18を腐食することをより十分に抑制することができる。その結果、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を製造することができる。
さらにガラス配線保護層19の表面が透明導電膜15の表面に対して傾斜する傾斜面19bを有していると(図3参照)、得られる色素増感太陽電池100において以下の効果が得られる。すなわち、ガラス配線保護層19の傾斜面19bは、透明導電膜15と配線含有部16との界面に対して90度未満の角度で傾斜していることになる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれ、樹脂配線保護層17の流動性が高まったとしても、樹脂配線保護層17が上記垂直面上に配置される場合に比べて、樹脂配線保護層17が流れ落ちにくくなる。その結果、樹脂配線保護層17の厚さの低下が十分に抑制され、電解質30に対する樹脂配線保護層17の保護機能の低下が十分に抑制される。このため、色素増感太陽電池100の耐久性がより向上する。
さらに、ガラス配線保護層19の表面が透明導電膜15の表面に対して傾斜する傾斜面19bを有していると(図3参照)、樹脂組成物17Aをガラス配線保護層19の表面上に塗布する際、以下の効果を得ることもできる。すなわち、上記傾斜面19bは、導電性基板11の表面のうち配線含有部16と導電性基板11との界面に隣接する表面(以下、「隣接面」と呼ぶ)に対して鈍角をなす。このため、樹脂組成物17Aをガラス配線保護層19の傾斜面19bと上記隣接面との境界部分を覆うように塗布する際、その境界部分にまで樹脂組成物17Aを十分に塗布することができる。このため、得られる配線部13において、樹脂配線保護層17と境界部分との間に、電解質30が溜まり込みやすい空隙が形成されることが十分に抑制される。このため、色素増感太陽電池100の耐久性を向上させることができる。
また、こうして得られる色素増感太陽電池100においては、上記ガラス配線保護層19の傾斜面19bは、導電性基板11の表面のうちの隣接面に対して鈍角をなす。このため、樹脂配線保護層17が、隣接面と垂直面との境界部分を覆う場合に比べて、樹脂配線保護層17に無理な応力がかかりにくく、樹脂配線保護層17が、傾斜面19bと隣接面との境界部分から剥離しにくい。このため、樹脂配線保護層17と、傾斜面19bと隣接面との境界部分との間に空隙が形成されにくくなる。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下に置かれても、空隙中の空気の膨張により、樹脂配線保護層17が剥離することを十分に抑制することができ、色素増感太陽電池100の耐久性を向上させることができる。
さらに、流動抑制材17bが無機系乾燥材を含む場合、得られる色素増感太陽電池100において、電解質30中の水分が樹脂配線保護層17中の無機系乾燥材によって吸収されるため、電解質30中において水分による酸化還元対間の望ましくない副反応が起こることが十分に抑制される。その結果、得られる色素増感太陽電池100は、優れた耐久性を有することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、樹脂配線保護層17が、ペースト状の樹脂組成物を配線含有部16上に配置させ、樹脂組成物が配線含有部16の傾斜面に沿って流れ落ちた後、樹脂組成物を加熱処理させることによって形成されているが、樹脂配線保護層17は、例えばシート状の樹脂組成物を配線含有部16上に配置させ、樹脂組成物が溶融によって流れ落ちた後に樹脂組成物を冷却することによっても形成することが可能である。
また樹脂組成物に含まれる第2の樹脂として樹脂17aが用いられているが、第2の樹脂としては、紫外線硬化樹脂の前駆体である紫外線硬化性樹脂を用いることも可能である。この場合、ペースト状の樹脂組成物を配線含有部16上に配置させ、樹脂組成物が配線含有部16の表面に傾斜面に沿って流れ落ちた後、樹脂組成物を紫外線によって硬化させることによって樹脂配線保護層17を得ることができる。また第2の樹脂としては、ポリイミド樹脂の前駆体であり且つ加熱によりイミド化するポリアミド樹脂を用いることも可能である。
さらに上記色素増感太陽電池100の製造方法においては、集電配線18が以下のように構成されることが好ましい(集電配線形成工程)。
すなわち図11に示すように、集電配線18は、導電性基板11上に設けられる第1金属配線部18aと、第1金属配線部18a上に設けられる第2金属配線部18bとを有する。ここで、第1金属配線部18aおよび第2金属配線部18bが空隙A2を有し、第2金属配線部18bの空隙率が第1金属配線部18aの空隙率よりも小さいことが好ましい。
この場合、集電配線18の上にガラス配線保護層19を形成した後、樹脂組成物を配線含有部16上に配置して加熱処理し、樹脂配線保護層17を形成する際、第1金属配線部18aの空隙中の空気が熱により膨張しても、第2金属配線部18bによって、その膨張した空気が樹脂配線保護層17を突き抜けることが十分に抑制される。このため、製造される色素増感太陽電池100の樹脂配線保護層17において、電解質30が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。その結果、電解質30による集電配線18の腐食が十分に抑制され、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池100を製造することができる。なお、加熱処理としては、例えば樹脂組成物の乾燥のほか、樹脂組成物をイミド化する処理などが挙げられる。
上記実施形態においては、配線含有部16が集電配線18とガラス配線保護層19とで構成されているが、配線含有層16は集電配線18のみで構成されてもよい。
さらに上記実施形態では、作用極10の導電性基板が透明導電性基板11で構成されているが、対極20がシースルー電極で構成されていれば、作用極10の導電性基板は透明である必要はない。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、以下のようにして作用極を作製した。まず10cm×10cm×4mmのFTO膜付きガラス基板を準備した。続いて、FTO膜付きガラス基板のうちFTO膜側の表面上に、スクリーン印刷法によって平均粒径20nmの酸化チタンを含むスラリー状分散液を塗布し、乾燥した。その後、500℃で1時間加熱処理することにより、FTO膜付きガラス基板上に、厚さ25μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。
次に、0.8μmの平均粒径を有する銀粒子とエチルセルロースとガラスフリットとジヒドロテルピネオールとをそれぞれ70質量%、3質量%、3質量%、24質量%配合してなる集電配線形成用の銀ペーストを、スクリーン印刷法によって多孔質酸化物半導体層を包囲するように塗布し、乾燥させた。その後、銀ペーストを、500℃で1時間加熱処理することにより集電配線を形成した。
次に、ガラスフリットを含むガラスフリットペーストを準備し、このガラスフリットペーストを、スクリーン印刷法によって集電配線を被覆するように塗布した。次いで、このガラスフリットペーストを500℃で1時間加熱処理することにより、ガラス配線保護層を形成した。こうして配線含有部を得た。
次に、ポリイミドワニス(加熱することによりポリイミド樹脂となる前駆体)と、平均粒径20nmのシリカ粒子からなる流動抑制材とを含むペースト状の樹脂組成物を用意した。ペースト状の樹脂組成物は、ポリイミドワニスをN−メチル−2−ピロリドンからなる溶媒に溶解させてポリイミドワニス溶液を調製した後、このポリイミドワニス溶液に上記流動抑制材を添加することにより用意した。このとき、ポリイミドワニスと流動抑制材との合計中の流動抑制材の配合割合が10質量%となるようにした。こうして得られたペースト状の樹脂組成物をスクリーン印刷法によってガラス配線保護層を被覆するように塗布した。その後、ペースト状の樹脂組成物を、350℃で2時間加熱処理することにより樹脂配線保護層を形成した。このとき、樹脂配線保護層の最低膜厚は5μmであった。また樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率は5体積%であった。こうして作用極を作製した。
次に、作用極を、色素溶液中に一昼夜浸漬させた後、取り出して乾燥させ、多孔質酸化物半導体層に、ルテニウムピリジン錯体(N719)からなる光増感色素を担持させた。色素溶液は、アセトニトリルとtert−ブチルアルコールとを1:1の体積比で混合してなる混合溶媒中に、上記光増感色素をその濃度が0.3mol/Lとなるように溶解させることで作製した。
次に、多孔質酸化物半導体層の上に、ヨウ素、ヨウ素イオンを含むイオン液体(ヘキシルメチルイミダゾリウムアイオダイド)と、メトキシプロピオニトリルとからなる電解質を塗布して配置した。
次に、封止部を形成するための封止部形成体を準備した。封止部形成体は、10cm×10cm×100μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに、四角形状の開口を形成することによって得た。このとき、開口は、5cm×5cmの大きさとなるようにした。
そして、この封止部形成体を、作用極の上に載せた後、封止部形成体を加熱溶融させることによって作用極に接着させた。
次に、対極を用意した。対極は、55cm×55cm×40μmのチタン箔の上にスパッタリング法によって厚さ10nmの白金からなる触媒層を形成することによって用意した。また、上記封止部形成体をもう1つ準備し、この封止部形成体を、対極のうち作用極と対向する予定の面に、上記と同様にして接着させた。
そして、作用極に接着させた封止部形成体と、対極に接着させた封止部形成体とを対向させ、封止部形成体同士を重ね合わせた。そして、この状態で封止部形成体を加圧しながら封止部形成体を加熱溶融させた。こうして作用極と対極との間に封止部を形成し、色素増感太陽電池を得た。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例2)
流動抑制材を、平均粒径20nmのシリカ粒子から、平均長さ100nm、平均径30nmのチタニアからなるチタニアロッドに変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から10体積%に変更し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから10μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例3)
流動抑制材を、平均粒径20nmのシリカ粒子から、平均長さ100nm、平均外径20nm、平均内径2nmのカーボンナノチューブに変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から8体積%に変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例4)
流動抑制材を、平均粒径20nmのシリカ粒子から、平均径100nmの星型のチタニアに変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から15体積%に変更し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから10μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例5)
ペースト状の樹脂組成物を、55cm×55cm×100μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなり50cm×50cmの開口部が形成された1枚のシート状樹脂組成物に変更し、シート状の樹脂組成物を配線含有部上に配置した後、120℃、30分で樹脂組成物を溶融させて流動化させるとともに、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から10体積%に変更し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから50μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例6)
ペースト状の樹脂組成物中の樹脂を、ポリイミド樹脂から紫外線(UV)硬化性樹脂である31X101(スリーボンド社製)に変更し、樹脂組成物を配線含有部上に配置した後、紫外線を30秒間照射して樹脂配線保護層を形成し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから6μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例7)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表1に示すように5μmから30μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例8)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表1に示すように5μmから50μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例9)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表1に示すように5μmから100μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例10)
流動抑制材を、平均粒径20nmのシリカ粒子から、平均粒径200nmの合成ゼオライト(商品名:モレキュラーシーブ3A、ユニオン昭和(株)製)からなる無機系乾燥材に変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例11)
無機系乾燥材を、平均粒径200nmの合成ゼオライトから、平均粒径200nmの合成シリカ(商品名:マイクロイド、(株)東海化学工業所製)に変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から8体積%に変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例12)
無機系乾燥材を、平均粒径200nmの合成ゼオライトから、平均粒径200nmの活性炭に変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から10体積%に変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例13)
無機系乾燥材を、平均粒径200nmの球状の合成ゼオライトから、平均長さ200nm、平均径20nmのロッド状の合成ゼオライトに変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から10体積%に変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例14)
無機系乾燥材を、平均粒径200nmの合成ゼオライトから、平均径100nmの星型の合成ゼオライトに変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から10体積%に変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例15)
流動抑制材を、平均粒径20nmのシリカ粒子から、平均粒径39.5nmのカーボンブラック(商品名「ケッチェンブラックEC300J」、ライオン株式会社製)に変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から12体積%に変更し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから6μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例16)
ペースト状の樹脂組成物中の樹脂を、ポリイミド樹脂から紫外線(UV)硬化性樹脂である31X101(スリーボンド社製)に変更し、樹脂配線保護層中の流動抑制材の含有率を5体積%から6体積%に変更し、樹脂組成物を配線含有部上に配置した後、紫外線を30秒照射して樹脂配線保護層を形成し、樹脂配線保護層の最低膜厚を5μmから6μmに変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例17)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表2に示すように5μmから30μmに変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例18)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表2に示すように5μmから50μmに変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例19)
ペースト状の樹脂組成物を複数回重ね塗りすることで、樹脂配線保護層の最低膜厚を、表2に示すように5μmから100μmに変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線とFTO膜との間に空隙が形成されていることが確認された。さらに、集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有することが確認された。
(実施例20)
無機系乾燥材を、平均粒径200nmの合成ゼオライトから、平均粒径20nmの合成シリカ(商品名「マイクロド」、東海化学工業所社製)に変更したこと以外は実施例10と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
得られた色素増感太陽電池について、SEMによって、集電配線の断面を観察したところ、集電配線には、ガラスフリット部、及び、空隙が形成されていることが確認された。また集電配線のうちFTO膜との接触部について、SEM(ZEISS社製、ULTRA 55)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDAX製、APOLLO XV)を用いて元素マッピング分析を行ったところ、接触部が、銀と錫との混合物からなる銀錫混合部を有することが確認された。
(実施例21)
集電配線を以下のようにして作製したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
すなわち、まず粒径200nm以下の銀粒子を含む銀ペースト(商品名XA−9053、藤倉化成(株)製)に、焼成後の第1金属配線部中の無機物に占めるガラスフリットの含有率が1質量%となるようにガラスフリットを配合し、第1金属配線部形成用銀ペーストを準備した。そして、この第1金属配線部形成用銀ペーストをFTO膜上にスクリーン印刷法にて印刷し、150℃で乾燥させて第1前駆体部を形成した。
次に、上記第1前駆体部の上に、銀ペースト(商品名XA−9053、藤倉化成(株)製)を第2金属配線部形成用銀ペーストとしてスクリーン印刷法にて印刷し、150℃で乾燥させて第2前駆体部を形成した。
そして、第1前駆体部および第2前駆体部を500℃で1時間焼成し、第1金属配線部および第2金属配線部をそれぞれ形成した。このとき、第2金属配線部は、第1金属配線部のうちFTO膜に接する面の全体を覆っていた。また第1金属配線部および第2金属配線部の厚さはそれぞれ15μm、5μmであった。ここで、第1金属配線部および第2金属配線部の各々における空隙率を測定したところ、それぞれ10%、5%であった。
(比較例1)
流動抑制材を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
[特性評価]
実施例1〜20及び比較例1の色素増感太陽電池について、常温(25℃)の環境下で1000時間放置し、光電変換効率の経時変化を調べることにより色素増感太陽電池の耐久性を調べた。結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において、ηは色素増感太陽電池を製造した直後の光電変換効率を表し、ηは、色素増感太陽電池を製造した後1000時間経過してから測定された光電変換効率を表す。
Figure 2013100128
Figure 2013100128
表1及び表2に示すように、実施例1〜20の色素増感太陽電池は、樹脂配線保護層の最低膜厚が十分に大きくなっていることが分かった。一方、実施例1〜20の色素増感太陽電池は、光電変換効率の低下も十分に抑制されており、優れた耐久性を有することが分かった。これに対し、比較例1の色素増感太陽電池は、樹脂配線保護層の最低膜厚がかなり小さくなっていることが分かった。一方、比較例1の色素増感太陽電池は、耐久性が不十分であることが分かった。
以上のことから、本発明の色素増感太陽電池によれば、優れた耐久性を有することが確認された。
10…作用極
11…導電性基板
12…多孔質酸化物半導体層
14…透明基板
15…透明導電膜
16…配線含有部
17…樹脂配線保護層
17a…樹脂
17b…流動抑制材
18…集電配線
18a…第1金属配線部
18b…第2金属配線部
20…対極
30…電解質
50…銀錫合金部
52…銀錫混合部
100…色素増感太陽電池
A1…空隙
A2…空隙
B…接触部

Claims (15)

  1. 作用極と、
    前記作用極に対向する対極と、
    前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを備え、
    前記作用極が、
    導電性基板と、
    前記導電性基板上に設けられ、集電配線を含有する配線含有部と、
    前記配線含有部の上に設けられ、樹脂と、前記樹脂の流動を抑制する流動抑制材とを含有する樹脂配線保護層とを備える、色素増感太陽電池。
  2. 前記流動抑制材が無機系乾燥材であり、前記電解質が酸化還元対を含有する、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記流動抑制材が球状であり、前記流動抑制材の平均粒径が200nm以下である、請求項2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記樹脂配線保護層中の前記流動抑制材の含有率が1〜50体積%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記樹脂配線保護層の最低膜厚が3〜50μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記導電性基板が、基板と、前記基板上に設けられ、錫を含有する導電膜とを有し、
    前記集電配線が銀粒子を含有し、
    前記集電配線が、前記導電膜と接触する接触部を有し、
    前記接触部が、銀と錫との合金からなる銀錫合金部を有し、
    前記集電配線と前記導電膜との間で前記接触部に隣接して空隙が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記導電性基板が、基板と、前記基板上に設けられ、錫を含有する導電膜とを有し、
    前記集電配線が銀粒子を含有し、
    前記集電配線が、前記導電膜に接触し、銀と錫との混合物からなる銀錫混合部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記配線含有部が、前記集電配線を覆い、ガラス成分を含有するガラス保護層を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記作用極と前記対極との間に配置される電解質とを備える色素増感太陽電池の製造方法において、
    前記作用極を製造する作用極製造工程を含み、
    前記作用極製造工程が、
    導電性基板上に、集電配線を含む配線含有部を形成する配線含有部形成工程と、
    前記配線含有部を覆うように、第1の樹脂を含む樹脂配線保護層を形成する樹脂配線保護層形成工程とを含み、
    前記樹脂配線保護層形成工程が、
    第2の樹脂と、前記第2の樹脂の流動を抑制する流動抑制材とを含有する樹脂組成物を前記配線含有部上に配置させ、前記樹脂配線保護層を形成する工程を含む、色素増感太陽電池の製造方法。
  10. 前記流動抑制材が無機系乾燥材である、請求項9に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  11. 前記流動抑制材が球状であり、前記流動抑制材の平均粒径が200nm以下である、請求項10に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  12. 前記樹脂配線保護層の最低膜厚が3〜50μmである、請求項10又は11に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  13. 前記配線含有部が、前記集電配線を覆い、ガラス成分を含有するガラス保護層を更に含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  14. 前記樹脂配線保護層形成工程において、前記樹脂組成物が前記配線含有部上に配置された後に加熱処理され、
    前記集電配線が、
    前記導電性基板上に設けられる第1金属配線部と、
    前記第1金属配線部上に設けられる第2金属配線部とを有し、
    前記第1金属配線部及び前記第2金属配線部が空隙を有し、
    前記第2金属配線部の空隙率が前記第1金属配線部の空隙率よりも小さい、請求項10〜13のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  15. 前記配線含有部上に配置されるときの前記樹脂組成物がペースト状である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
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