以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。尚、各図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
図1(a)は、本発明の実施例1に係る発光装置1の構成を示す断面図である。図1(b)は、発光装置1を構成する高屈折率層30を図1(a)に示す矢印の方向から見た平面図である。発光装置1は、光透過性基板10、高屈折率層30、透明電極40、発光層を含む有機機能層50、反射電極60が積層されて構成され、透明電極40と反射電極60との間に電圧を印加することにより発光層において生成される光を光透過性基板10の表面から取り出す所謂ボトムエミッション型の有機EL発光装置である。
光透過性基板10は、ガラスや樹脂などの光透過性を有する材料からなる厚さ例えば500μm程度の板状部材である。光透過性基板10の光取り出し面は、平坦面となっており光放出空間を充たす空気(屈折率1)と接している。尚、光透過性基板10が例えばガラスにより構成される場合、その屈折率は1.5程度である。光透過性基板10の光取り出し面とは反対側の面は、図1(b)に示す複数の四角錐状の凹部からなる凹凸構造を有する。尚、光透過性基板10は、屈折率が同程度の2以上の異種材料の積層体であってもよい。
高屈折率層30は、光透過性基板10の屈折率よりも高く且つ透明電極40の屈折率と同程度の屈折率を有する光透過性部材により構成される。高屈折率層30は、例えば屈折率1.8程度のエポキシ樹脂などにより構成することができる。高屈折率層30は、光透過性基板10の凹凸面と密着する(対応する)凹凸面を有する。すなわち、高屈折率層30は、光透過性基板10に形成された複数の四角錐状凹部に対応する複数の四角錐状(ピラミッド状)の凸部31を有する。
高屈折率層30の凸部31の表面は、光取り出し面に対して傾斜した傾斜面を形成している。尚、高屈折率層30の凹凸面と、光透過性基板10の凹凸面とは密着している故、光透過性基板10側にも等価な傾斜面が形成されることになる。複数の凸部31は、互いに同一の形状およびサイズを有し、縦方向および横方向において整列した状態で並ぶ周期構造を形成している。図1(c)は光屈折率層30の凹凸面を構成する凸部31の1単位を示す斜視図である。凸部31のサイズは、有機機能層50において生成される光の波長よりも十分に大きいことが好ましい。凸部31の底面の一辺の長さは例えば10μm、高さは例えば14μm程度である。複数の凸部31は、切削研磨、レーザー加工、化学的エッチング、熱インプリントなどの公知の表面加工技術を用いて高屈折率層30の表面を加工することにより形成することができる。また、光透過性基板10の凹凸面上に樹脂を塗布する方法によって高屈折率層30の凹凸面を形成することとしてもよい。
凸部31の側面の一部には本発明の第1の光反射膜を構成する反射膜20が設けられている。反射膜20は、四角錐状の凸部31の4つの側面のうち、互いに隣接する2つの側面を覆っている。反射膜20は、凸部31の互いに向かい合う側面の一方(例えば面a1)を被覆し、他方の側面(例えば面b)を被覆しないように形成されている。また、反射膜20は、互いに隣接する凸部31の互いに向かい合う側面の一方(例えば面a2)を被覆し、他方の側面(例えば面b)を被覆しないように形成されている。また、反射膜20は、複数の凸部31において、互いに同じ方向を向いている側面を被覆している。反射膜20は、高反射率を有する材料、例えばAgやAlなどの金属により構成される。反射膜20は、例えば、高屈折率層30の凹凸面上にパターニングされたレジストマスクを形成した後、真空蒸着やスパッタ法などにより該レジストマスクを介して上記の金属を高屈折率層30の凹凸面上に堆積することにより形成することができる。このように、高屈折率層30は、光透過性基板10および反射膜20の双方と接している。高屈折率層30の厚さは、例えば100μmであり、透明電極40と接する面は平坦となっている。
反射膜20は、光透過性基板10および高屈折率層30との界面において光取り出し面に対して傾斜した光反射面を形成する。一方、光反射膜20が形成されていない光透過性基板10と高屈折率層30との他の界面には、発光層を含む有機機能層50の延在する面に対して傾斜した光透過面が形成される。高屈折率層30の平坦面上には、透明電極40、発光層を含む有機機能層50、反射電極60が積層されて構成される有機EL素子が形成されている。
図2(a)は、本発明の実施例に係る有機EL素子のより詳細な構造を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)における2b−2b線に沿った断面図である。
陽極を構成する複数の透明電極40は、それぞれ帯状をなしており、高屈折率層30上においてY方向に沿って伸長し、互いに一定間隔おいてX方向に並置されている。透明電極40の各々は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の金属酸化物導電体等からなる。透明電極40の屈折率は高屈折率層30と同程度(屈折率1.8程度)とされる。透明電極40の各々の表面には、透明電極40に電源電圧を供給する為のバスライン72が形成されている。高屈折率層30及び透明電極40上には絶縁膜71が形成されている。絶縁膜71には、夫々がY方向に伸張するストライプ状の開口部が形成されている。絶縁膜71の表面に複数の開口部を設けることにより複数のバンク(隔壁)が形成される。開口部の各々は、透明電極40に達しており、開口部の底面において透明電極40各々の表面が露出している。絶縁膜71の各開口部内における透明電極40上には、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53R、53G、53B、電子輸送層54がこの順序で積層されて構成される有機機能層50が形成されている。正孔注入層51及び正孔輸送層52の材料としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。発光層53R、53G、53Bは、それぞれ、赤色発光、緑色発光、青色発光を行う蛍光性有機金属化合物等からなる。発光層53R、53G、53Bは、絶縁膜71のバンクによって互いに隔てられた状態で並置されている。すなわち、有機機能層50は、バンクによって隔てられた複数の発光領域を形成している。発光層53R、53G、53Bおよび絶縁膜71の表面を覆うように電子輸送層54が形成されている。電子輸送層54の表面を覆うように陰極を構成する帯状の反射電極60が形成されている。反射電極60は、仕事関数が低く且つ高反射率を有するAlなどの金属または合金等からなる。反射電極60は、本発明の第2の光反射膜を構成するものである。尚、有機機能層50の屈折率は、透明電極40および高屈折率層30と同程度(屈折率1.8程度)とされる。
このように、赤、緑、青の光をそれぞれ発する発光層53R、53G、53Bは、ストライプ状に繰り返し配置されており、光取り出し面となる光透過性基板10の表面からは、赤、緑、青の光が任意の割合で混色されて単一の発光色として認識される光が放出される。
図3乃至図5は、上記した本発明の実施例に係る発光装置1において、有機機能層50で生成された光の外部に放出されるまでの経路のいくつかを例示した断面図である。尚、理解を容易にするために、反射電極60により形成される光反射面が凸部31の底部の深さ位置に存在するものとして説明する。高屈折率層30、透明電極40および有機機能層50は、互いに同程度の屈折率を有する故、各界面において屈折や反射が生じない。更に光透過性基板10および高屈折率層の凹凸構造が周期的である故、反射電極60が上記の位置に存在するものと想定しても実質的に問題はない。この場合、発光点は反射電極60上にあるとみなされる。
図3(a)に示すように、法線nの右側から入射角θ1(法線nの右側から入射する光線を正とする)で入射した光線Aは、反射膜20により形成される光反射面a1で反射された後、反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Aは、光透過性基板10の内部を直進し、反射膜20により形成される光反射面a2で反射された後、光取り出し面dから外部に放出される。
図3(b)に示すように、法線nの右側から入射角θ2(θ1>θ2)で入射した光線Bは、反射膜20により形成される光反射面a1で反射された後、反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Bは、光透過性基板10の内部を直進し、反射膜20により形成される光反射面a2で反射された後、光取り出し面dから外部に放出される。
図3(c)に示すように、法線nに平行に入射した光線Cは、反射膜20により形成される光反射面a1と直交する故、入射経路と同一の経路を辿って反射電極60により形成される光反射面cに向かう。光線Cは、光反射面cで反射された後、反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Cは、そのまま光透過性基板10内を直進して光取り出し面dから外部に放出される。
図4(a)に示すように、法線nの左側から入射角θ4(θ4<0)で入射した光線Dは、反射膜20により形成される光反射面a1で反射された後、反射電極60により形成される光反射面cで反射され再び光反射面a1で反射される。その後、光線Dは反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Dは、光透過性基板10の内部を直進し、反射膜20により形成される光反射面a2で反射された後、光取り出し面dから外部に放出される。
図4(b)に示すように、法線nの左側から入射角θ5(θ5>高屈折率層と光透過性基板との臨界角)で入射した光線Eは、反射膜が形成されていない光透過面bに対して臨界角よりも大きい角度で入射する故、光透過面bで全反射される。その後、光線Eは反射膜20により形成される光反射面a1で反射された後、反射電極60により形成される光反射面cで反射され、光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Eは、光透過性基板10内を直進して光取り出し面dから外部に放出される。
図4(c)に示すように、光反射面a1とほぼ平行となる角度で高屈折率層30に入射した光線Fは、反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Fは、光透過性基板10内を直進して光取り出し面dから外部に放出されるか場合によっては光透過性基板10と空気との界面d(光取り出し面)で全反射される。
図5(a)に示すように、光透過性基板10と空気との界面dで全反射された光線Gは、反射膜20により形成される光反射面aで反射する。光反射面aは、界面dに対して傾斜している故、光線Gは、臨界角よりも小さい入射角で界面dに入射することとなり、全反射されることなく光取り出し面dから外部に放出される。
図5(b)に示すように、光透過性基板10から反射膜が形成されていない光透過面bを透過して高屈折率層30に入射した光線Hは、反射電極60により形成される光反射面cおよび反射膜20により形成される光反射面a1で反射され、反射膜が形成されていない光透過面bを透過して光透過性基板10に入射する。光線Hは、光透過性基板10の内部を直進し、反射膜20により形成される光反射面a2で反射された後、光取り出し面dから外部に放出される。
このように、本実施例に係る発光装置1において、光透過性基板10は、高屈折率層30の表面に設けられた複数の四角錐状の凸部31からなる凹凸面に対応する対応凹凸面を有し、両面反射性の反射膜20が該凹凸面および対応凹凸面を部分的に接している。光透過性基板10よりも高い屈折率を有する高屈折率層30は、光透過性基板10の凹凸面および反射膜20の表面を界面として光透過性基板10上に設けられる。このような光取り出し構造によれば、光透過性基板10と高屈折率層30との界面は、発光層を含む有機機能層50が延在する面に対して傾斜した傾斜面を形成するので、当該界面に対して臨界角以上の角度で入射する光を減じることができ、当該界面での全反射を抑制することができる。また、反射膜20は、光取り出し面に対して傾いた光反射面を形成している。これにより、光透過性基板10と空気との界面(光取り出し面)で全反射された光や、高屈折率層30を経て光透過性基板10に入射した光は、反射膜20で反射された後、臨界角よりも小さい入射角で光取り出し面に入射することができる。従って、光取り出し面と反射電極60との間で延々と反射が繰り返されることを防止するこができる。また、反射膜20が形成された光反射面と、反射膜が形成されていない光透過面が向かい合うように配置されているので、高屈折率層30内を進行する光は、比較的短い経路で光透過性基板10に入射することができる。
図6(a)および図6(b)は、それぞれ、本実施例に係る発光装置1の光取り出し構造における光線追跡図であって、高屈折率層の1つの凸部の底部を5等分する点P1〜P4のそれぞれにおいて、10°、30°、50°、70°、90°、110°、130°、150°、170°の角度で高屈折率層に入射する合計36本の光線の進路をシミュレーションした結果である。尚、光透過性基板の屈折率n1を1.5、高屈折率層の屈折率n2を1.8、光放出空間を充たす空気の屈折率n0を1、反射電極により形成される光反射面cと高屈折率層の凸部の側面とのなす角αを40°(図6(a))および55°(図6(b))とし、反射電極により形成される光反射面cが高屈折率層の凸部の底部の深さ位置に存在するものとしてシミュレーションを実施した。本実施例に係る光取り出し構造によれば、反射電極により形成される光反射面cでの反射を最大2回経ることにより36本全ての光線を外部に放出させることができた。
一方、図7は、光透過性基板の凹凸面上に反射膜が設けられていない比較例に係る光取り出し構造における光線追跡図であって、高屈折率層の1つの凸部の底部を5等分する点P1〜P4のそれぞれにおいて、10°、30°、50°、70°、90°、110°、130°、150°、170°の角度で高屈折率層30に入射する合計36本の光線の進路をシミュレーションした結果である。尚、光の進路は対称性を有する故、図7においては、110°、130°、50°、170°の角度で高屈折率層に入射する光線を非表示とした。尚、光透過性基板の屈折率n1を1.5、高屈折率層の屈折率n2を1.8、光放出空間を充たす空気の屈折率n0を1、反射電極により形成される光反射面cと凸部の側面とのなす角αを55°とし、反射電極により形成される光反射面cが高屈折率層の凸部の底部の深さ位置に存在するものとしてシミュレーションを実施した。比較例に係る光取り出し構造によれば、光反射面cでの反射の回数が0〜2回で外部に放出される光線は36本中20本であり、本実施例に係る光取出し構造よりも少ないことが確認された。すなわち、光透過性基板の凹凸面上に反射膜を有しない構造においては、約44%の光は、光反射面cでの反射を3回以上経なければ外部に取り出すことができない。
以上の説明から明らかなように、本実施例に係る発光装置1は、透明電極40と光透過性基板10との間に透明電極40と屈折率が略等しい高屈折率層を有し、光透過性基板10と高屈折率層30との間に光取り出し面に対して傾斜した両面反射性の反射膜を有するので、比較的短い光路長および比較的少ない反射回数で外部に光を取り出すことができ、光取り出し効率を飛躍的に向上させることができる。
図8(a)は、高屈折率層30の凹凸面に形成された反射膜20のパターンの第1の改変例を示す平面図、図8(b)は当該改変されたパターンの反射膜20が形成された凸部31の一単位を示す斜視図である。これらの図に示されるように、反射膜20は四角錐状の凸部31の各側面の略半分の領域を覆うように設けられていてもよい。かかる反射膜20のパターンによれば、四角錐状の凸部31の4つの側面のそれぞれに光透過面が形成されるので、光の放出方向を分散させることが可能となる。尚、光取り出し効率の観点から、このような改変パターンにおいても、互いに向かい合う部分の一方にのみ反射膜20を設けることが好ましい。図8(a)に示す例では、互いに向かい合う部分a1´とb´のうち、部分a1´にのみ反射膜20が設けられる。また、互いに隣接する凸部間において互いに向かい合う部分a2´とb´についても同様である。
図9(a)は、高屈折率層30の凹凸面に形成された反射膜20のパターンの第2の改変例を示す平面図である。図9(a)に示されるように、反射膜20のパターンを図1(b)に示す反射膜のパターンと、図8(a)に示す反射膜のパターンの混在パターンとしてもよい。
図9(b)は、高屈折率層30の凹凸面に形成された反射膜20のパターンの第3の改変例を示す平面図である。反射膜20は、四角錐状の凸部31の各々の4つの側面のうち互いに隣接する2つの側面を覆っている。図9(b)に示すように、反射膜20は、凸部毎若しくは複数の凸部からなるブロック毎に互いに異なる方向を向いている側面を覆うように形成されていてもよい。図9(b)に示す例では、反射膜20は、4つの凸部31により構成されるブロック毎に互いに異なる向きで配置されている。かかる反射膜20のパターンによれば、反射膜20で覆われていない光透過面が図9(b)の中心を向いており、図9(b)に示されるユニットを繰り返し敷き詰めることにより、全体的に均一な方向の光を得ることができる。
図10(a)および図10(b)は、高屈折率層30の凸部31の形状の第1の改変例を示す平面図である。これらの図に示されるように、凸部31の1単位の形状は三角錐状であってもよい。反射膜20は、三角錐の3つの側面のうちの1つを覆うように形成されている。また、図10(a)に示すように、反射膜20は、互いに隣接する凸部間において互いに向かい合う側面の一方のみを被覆するように形成されている(例えば面aと面b)。尚、図10(b)に示すように、互いに隣接する凸部間において互いに向かい合う側面の双方が反射膜で覆われていない光透過面となる領域が含まれていてもよい(例えば面b1と面b2)。このように、凸部31の形状を三角錐状とし、互いに隣接する凸部間において互いに向かい合う側面の双方が光反射面とならないように反射膜を形成することにより光取り出し効率を向上させるとともに光の放出方向を分散させることが可能となる。特に図10(a)に示す構成によれば、全体として均一な光を得ることができる。
図11(a)は、高屈折率層30の凸部31の形状の第2の改変例を示す平面図である。図11(b)は当該改変された形状の凸部31の1単位を示す斜視図である。これらの図に示されるように、凸部31の1単位の形状は円錐状であってもよい。反射膜20は、円錐の側面の略半分の領域を覆っている。尚、反射膜20の被覆範囲は光取り出し効率等を勘案して適宜変更することが可能である。図11(a)に示すように、凸部31の反射膜20によって被覆される部分の向きを互いに同一方向に向けることによりマスクを使用しない所謂斜め蒸着(蒸着粒子の飛来方向に対して被蒸着面を傾けて蒸着を行う方法)によって反射膜20のパターンを形成することが可能となり製造が容易となる。一方、図11(c)に示すように、凸部31の反射膜20によって被覆される部分の向きを例えば複数の凸部31からなるブロック毎に異ならしめることにより、光の放出方向を分散させることが可能となる。
図12に示すように、高屈折率層30の凹凸面を構成する複数の凸部31は、隣接する凸部との間に間隙を有して並んでいてもよい。
尚、上記の説明においては、高屈折率層30と透明電極40とを別々に設ける構成としたが、図13に示すように、高屈折率層30は透明電極の機能を兼ね備えていてもよい。すなわち、この場合、高屈折率層30は、ITOなどの金属酸化物導電体により構成される。
また、上記の説明においては、光透過性基板10および高屈折率層30の凹凸面が錐形状の凹部または凸部からなる周期構造を有する場合を例示したが、図14に示すように、光透過性基板10および高屈折率層30凹凸面を構成する凹部または凸部の形状、サイズ、高さはランダムであってもよい。このようなランダムな凹凸面は、例えばサンドブラストやウォータブラスト等の公知の表面加工技術を用いて形成することができる。反射膜20は、所謂斜め蒸着などによってランダムな形状およびサイズを有する凸部の側面に部分的に形成される。
また、上記の説明においては、光透過性基板10が単一の材料により構成される場合を例示したが、図15に示すように、光透過性基板10は、屈折率が同等である異種材料を積層した積層基板であってもよい。例えば、光透過性基板10は、ガラスからなる第1の層10aと、第1の層10aと屈折率が同等である樹脂からなる第2の層10bとを積層して構成することができる。高屈折率層30に隣接する第2の層10bの材料として凹凸面の形成が比較的容易な材料を選択することにより製造が容易となる。
また、上記の説明においては、図16(b)に示すように、複数の錐状の凹部12によって光透過性基板10の凹凸面を形成する場合を例示したが、図16(a)に示すように複数の錐状の凸部11によって光透過性基板10の凹凸面を形成することとしてもよい。この場合、高屈折率層30は、光透過性基板10の凸部11に対応する複数の錐状の凹部によって構成される凹凸面を有することとなる。
図17(a)は、本発明の実施例2に係る発光装置2の一部を示す断面図である。発光装置2は、高屈折率層30の凹凸面を構成する四角錐状の凸部31の頂部および隣接する凸部間の谷部が、光取り出し面と実質的に平行な面31aおよび31bを有する。高屈折率層30の面31aおよび31b上には反射膜20は形成されておらず、面31aおよび31bは、光透過面となっている。すなわち、本実施例に係る発光装置2は、光取り出し面に対して平行な面31a、31bに形成された第1の光透過面と、有機機能層50の延在する面に対して傾斜した面31cに形成された第2の光透過面を有する。
光取り出し面と実質的に平行な面31aおよび31bを光透過面とすることにより、光取り出し面に対して略直交する光線を外部に取り出しやすくすることができる。すなわち、面31aおよび面31bに対して垂直に入射する光線を透過させると、当該光線はそのまま直進して光取り出し面に対しても垂直に入射する。光取り出し面に対して垂直に入射する光線は光取り出し面で全反射されることはなく、直接外部に取り出すことができる。このような直進光に関しては、反射膜20による反射を経ることなく外部に取り出すことで光取り出し効率を向上させることが可能となる。尚、上記した以外の構成部分は、実施例1に係る発光装置1と同様であるので、それらの説明は省略する。
また、図17(b)に示すように、光取り出し面と実質的に平行な面31aおよび31bが光透過面となるように面31aおよび31bを反射膜20で覆うこととしてもよい。すなわち、反射膜20の面31aおよび31bを覆う部分の膜厚は、光反射面を形成している部分の膜厚よりも小さくなっている。反射膜20を所謂斜め蒸着によって形成することにより、このような膜厚分布を形成することが可能である。
図18(a)は高屈折率層30の凹凸面を構成する複数の凸部31の各々の形状が改変された発光装置2aの一部を示す断面図、図18(b)は当該改変された形状の凸部31により構成される凹凸面を有する高屈折率層30の平面図、図18(c)は当該改変された形状の凸部31の1単位を示す斜視図である。これらの図に示されるように、高屈折率層30の凹凸面を構成する凸部31の各々は角錐台形状を有し、その上底(または下底)が光取り出し面と実質的に平行となる面31dを有している。反射膜20は、角錐台の互いに隣接する2つの側面を覆っており光反射面を形成している。一方、凸部31の上底(または下底)である面31dには反射膜が形成されておらず、面31dは光透過面を形成している。
光取り出し面と実質的に平行な面31dを光透過面とすることにより、上記した発光装置2の場合と同様、面31dに対して垂直に入射する光線は、反射膜20による反射を経ることなく外部に放出されるので光取り出し効率を向上させることが可能となる。
尚、上記の説明においては、凸部31の各々の形状を角錐台とした場合を例示したが、凸部31の形状は円錐台状であってもよい。また、高屈折率層30の凹凸面は、複数の錐台形状の凹部により構成されていてもよい。この場合、光透過性基板10の凹凸面が、複数の錐台形状の凸部によって構成されることとなる(図19参照)。図19に示す構成によれば、光透過面31dは、反射膜20よりも下方に位置している故、発光層から発せられる光は、光透過面31dに対してあらゆる角度で入射し得る。従って、この光透過面31dで全反射が起こり、光透過面31dと反射電極60との間で反射を繰り返す可能性がある。一方、図18(a)に示す構成によれば、光透過面31dは、反射膜よりも上方に位置している故、底面からみて所定の角度より小さい角度で入射する光は、反射膜20によって遮られて光透過面31dに到達することはできず、反射面20よって反射されて外部に取り出される。すなわち、光透過面31dと反射電極60との間での反射の繰り返しが生じにくい。
図20(a)は、本発明の実施例3に係る発光装置3の構成を示す断面図である。発光装置3は、高屈折率層30の凹凸面を構成する凸部31の側面に沿って形成される光反射構造が上記した実施例1に係る発光装置1と異なる。すなわち、本実施例に係る光反射構造は、高反射率を有するAgまたはAlなどの金属からなる反射膜20と、光透過性基板10の屈折率よりも低い屈折率を有する材料(例えばSiO2など)からなる低屈折率膜21とを積層した積層反射膜22により構成される。積層反射膜22は、光透過性基板10および高屈折率層30との各界面において光取り出し面に対して傾斜した光反射面を形成する。尚、図20(a)には、低屈折率膜21が光透過性基板10と接し、反射膜20が高屈折率層30と接している場合が例示されているが、反射膜20と低屈折率膜21の配置を入れ替えることとしてもよい。積層反射膜22以外の構成部分は、上記した実施例1に係る発光装置1と同様であるので、それらの説明は省略する。
図20(b)は、上記した積層反射膜22を有する発光装置3の内部における光の経路を示した断面図である。光透過性基板10側から臨界角よりも大きい入射角で積層反射膜22に入射する光線Iは、光透過性基板10と低屈折率膜21の界面で全反射されて光取り出し面に向かう。この場合、反射ロスが生じない故、反射膜20による反射を経る場合と比較して光取り出し効率が高くなる。一方、光透過性基板10側から臨界角よりも小さい入射角で積層反射膜22に入射する光線Jは、低屈折率膜21を透過して反射膜20の表面で反射されて光取り出し面に向かう。このように、光透過性基板10と高屈折率層30との間に低屈折率膜21と反射膜20からなる積層反射膜22を介在させることにより反射ロスを低減することができるので、光取り出し効率をより向上させることが可能となる。
図21は、低屈折率膜21と反射膜20により形成される光反射構造の改変例を示す断面図である。図21に示すように、積層反射膜22aは、低屈折率膜21が反射膜20を挟持するサンドイッチ構造を有していてもよい。これにより、光透過性基板10側および高屈折率層30側から積層反射膜22aに入射する光を全反射させることが可能となり、反射ロスを更に低減することが可能となる。
以下において、反射膜20および低屈折率膜21からなる積層反射膜22を有する本発明の実施例3に係る発光装置3の製造方法について図22(a)〜(d)を参照しつつ説明する。
はじめに、ガラス基板10aと凹凸面を有する樹脂基板10bとが積層されて構成される光透過性基板10を用意する。尚、ガラス基板10aの屈折率と樹脂基板10bの屈折率は同等である。樹脂基板10bの凹凸面は、例えば熱インプリントなどの成型技術を用いて形成される(図22(a))。
次に、スパッタ法などにより、樹脂基板10bの凹凸面上に樹脂基板10aおよびガラス基板10bよりも屈折率の低いSiO2などからなる低屈折率膜21を成膜する。その後、リフトオフ法やエッチング法などにより低反射率膜21を部分的に除去して低屈折率膜21のパターニングを行う(図22(b))。
次に、蒸着法やスパッタ法などにより、樹脂基板10bの凹凸面上にAgまたはAlなどの高反射率を有する金属などからなる反射膜20を成膜する。その後、リフトオフ法やエッチング法などにより反射膜20を部分的に除去して反射膜20のパターニングを行う。反射膜20は、低屈折率膜21上に積層され、樹脂基板10bの凹凸面に沿った積層反射膜22が形成される(図22(c))。
次に、積層反射膜22が形成された樹脂基板10bの凹凸面上に、樹脂基板10bおよびガラス基板10aの屈折率よりも高く且つ透明電極40および有機機能層50の屈折率と同程度の屈折率を有するUV硬化性樹脂を塗布する。その後、UV硬化性樹脂に紫外線を照射してこれを硬化させる。これにより、光透過性基板10上に光透過性基板の凹凸面および積層反射膜22の双方と接する高屈折率層30が形成される(図22(d))。
次に、スパッタ法などにより高屈折率層30上にITOなどの金属酸化物導電体からなる透明導電膜を成膜し、エッチングによりこれをパターニングして透明電極40を形成する。次に、透明電極40を覆うように感光性レジスト(図示せず)を塗布する。その後、露光、現像処理を経て感光性レジストに透明電極40に達する複数の開口部を形成する。これにより、有機機能層を発光色毎に隔てるバンクが形成される。次に、インクジェット法により、複数の開口部の各々の内側に有機材料を塗布することにより透明電極40上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層が積層されて構成される有機機能層50を形成する。次に、反射電極60のパターンに対応する開口部を有するマスクを用いて蒸着法等により有機機能層50上に電極材料であるAlを所望のパターンに堆積させて反射電極60を形成する。必要に応じて反射電極60上に封止層を形成することとしてもよい。以上の各工程を経ることにより、本実施例に係る発光装置3が完成する。
図23は、反射膜と低屈折率層からなる光反射構造の変形例を示す断面図である。図23に示すように、光反射構造体24は、光透過性基板10と高屈折率層30との間に設けられた空隙部23と光反射膜20とによって構成されている。空隙部23は光透過性基板10よりも屈折率の低い空気またはその他のガスで充たされていてもよいし、真空であってもよい。空隙部23は、光透過性基板10よりも低い屈折率を有する故、上記した低屈折率膜21と同様の機能を発揮する。すなわち、光反射構造体24は、光透過性基板10および高屈折率層30との各界面において光取り出し面に対して傾斜した光反射面を形成する。尚、図23には、反射膜20が光透過性基板10と接し、空隙部23が高屈折率層30と接している場合が例示されているが、反射膜20と空隙部23の配置を入れ替えることとしてもよい。光反射構造以外の構成部分は上記した実施例1に係る発光装置と同様であるので、それらの説明は省略する。
以下において、反射膜20と空隙部23からなる光反射構造を有する発光装置の製造方法を図24(a)〜(d)を参照しつつ説明する。
はじめに、ガラス基板10aと、凹凸面を有する樹脂基板10bが積層されて構成される光透過性基板10を用意する。尚、ガラス基板10aの屈折率と樹脂基板10bの屈折率は同等である。樹脂基板10bの凹凸面は、例えば熱インプリントなどの成型技術を用いて形成される(図24(a))。
次に、蒸着法やスパッタ法などにより、樹脂基板10bの凹凸面上にAgまたはAlなどの高反射率を有する金属などからなる反射膜20を成膜する。その後、リフトオフ法やエッチング法などにより反射膜20を部分的に除去して反射膜20のパターニングを行う(図24(b))。
次に、高屈折率層30を構成する高屈折率部材30aを用意する。高屈折率樹脂部材30aは、ガラス基板10aおよび樹脂基板10bの屈折率よりも高く且つ透明電極40および有機機能層50の屈折率と同程度の屈折率を有するエポキシ樹脂などからなる。高屈折率部材30aは、樹脂基板10bに形成された凹凸面と対応する(噛み合う)対応凹凸面と、対応凹凸面上に設けられた微小突起32を有する(図24(c))。
次に、微小突起32をスペーサとして、樹脂基板10bの凹凸面と高屈折率部材30aの対応凹凸面とを当接する。微小突起32は反射膜20に当接され、反射膜20上に空隙が形成される。これにより、樹脂基板10aと高屈折率部材30aとの間には反射膜20と空隙部23からなる光反射構造体24が形成される(図24(d))。
透明電極40、有機機能層50および反射電極60を形成する工程は、上記したものと同様であるので説明は省略する。尚、反射膜20は高屈折率部材30aの対応凹凸面上に形成されていてもよいし、樹脂基板10aおよび高屈折率部材30aの双方に形成されていてもよい。また、スペーサとして機能する微小突起32は、樹脂基板10bの凹凸面上に設けられていてもよいし、樹脂基板10bおよび高屈折率部材30aの双方に設けられていてもよい。また、樹脂基板10bおよび高屈折率部材30aとは別体の構造物を凹凸面と対応凹凸面の間に配置して、これをスペーサとして機能させることとしてもよい。
反射膜と空隙部からなる光反射構造を有する発光装置の他の製造方法を図25(a)〜(d)を参照しつつ説明する。
はじめに、ガラス基板10aと、凹凸面を有する樹脂基板10bが積層されて構成される光透過性基板10を用意する。尚、ガラス基板10aの屈折率と樹脂基板10bの屈折率は同等である。樹脂基板10bの凹凸面は、例えば熱インプリントなどの成型技術を用いて形成される。
次に、高屈折率層30を構成する高屈折率部材30aを用意する。高屈折率樹脂部材30aは、光透過性基板10を構成するガラス基板10aおよび樹脂基板10bの屈折率よりも高く且つ透明電極40および有機機能層50の屈折率と同程度の屈折率を有するエポキシ樹脂などからなる。高屈折率樹脂部材30aは、樹脂基板10bに形成された凹凸面に対応する(噛み合う)対応凹凸面を有する。
次に、蒸着法やスパッタ法などにより、高屈折率部材30aの対応凹凸面上にAgまたはAlなどの高反射率を有する金属などからなる反射膜20を成膜する。その後、リフトオフ法やエッチング法などにより反射膜20のパターニングを行う(図25(a))。
次に、高屈折率部材30aと反射膜20の熱膨張係数の差を利用して反射膜20にバックリング構造(皺状のうねり)を形成する。例えば、高屈折率部材30a上に形成された反射膜20を100℃程度で加熱した後、室温まで温度を下げることにより反射膜20にバックリング構造を形成することができる(図25(b))。
次に、バックリング構造が形成された反射膜20を間に挟んで樹脂基板10bの凹凸面と高屈折率部材30aの対応凹凸面とを当接する。これにより、樹脂基板10aと高屈折率部材30aの間には反射膜20と、反射膜20のバックリング構造に伴って生じた空隙部23からなる光反射構造体24aが形成される(図25(c))。
透明電極40、有機機能層50および反射電極60を形成する工程は、上記したものと同様であるので説明は省略する。
図26(a)は、本発明の実施例4に係る発光装置4の構成を示す斜視図である。図26(b)は、発光装置4を構成する高屈折率層30の平面図である。図26(c)は、高屈折率層30に形成された凹凸面を構成する凸部31の斜視図である。尚、図26(a)においては、理解を容易にするために、光透過性基板10および高屈折率層30からなる構成部分と、透明電極40、有機機能層50および反射電極60からなる構成部分が分割されて表示されている。
発光装置4において、高屈折率層30の凹凸面を構成する複数の凸部31の各々は、光取り出し面に対して傾斜した第1の傾斜面33aと、第1の傾斜面33aとは反対方向に傾斜した第2の傾斜面33bを有する。すなわち、第1の傾斜面33aおよび第2の傾斜面33bは、図26(c)に示されるように、三角柱の2つの側面に対応している。複数の凸部31は、第1の傾斜面同士および第2傾斜面同士が互いに平行となるように且つ隙間なく並んでいる。
第1の傾斜面33aは反射膜20で覆われている。第2の傾斜面33bは反射膜で覆われていない。高屈折率層30は、光透過性基板10の凹凸面および光反射膜20の表面を界面として光透過性基板10上に設けられている。反射膜20は、光透過性基板10および高屈折率層30との各界面において光取り出し面に対して傾斜した光反射面を形成する。本実施例に係る光透過性基板10および高屈折率層30の凹凸構造によれば、反射膜20によって互いに同じ方向を向いた複数の矩形形状(または短冊状)の光反射面が形成されることになる。光透過性基板10は、第2の傾斜面13bにおいて高屈折率層30と接し、光透過性基板10と高屈折率層30との界面において有機機能層50の延在する面に対して傾斜した光透過面が形成される。
有機機能層50は、透明電極40を間に挟んで高屈折率層30上に形成される。有機機能層50は、バンクによって隔てられた複数の発光領域50a、50b、50cを形成している。複数の発光領域50a、50b、50cは、それぞれ矩形形状を有し、透明電極40を介して高屈折率層30上にストライプ状に並置されている。尚、複数の発光領域50a、50b、50cからは互いに異なる発光色の光が生成されることとしてもよい。
高屈折率層30の凹凸面を構成する複数の凸部31の各々は、発光領域50a、50b、50cと重なる位置に設けられ、発光領域50a、50b、50cの長手方向と平行な方向に伸長している。換言すれば、第1の傾斜面33aと第2の傾斜面33bが交差する交差ラインLが発光領域50a、50b、50cの長手方向に沿って伸長している。また、凸部31の伸長方向における長さ(すなわち交差ラインLの長さ)は、発光領域50a、50b、50cの長手方向における長さよりも長くなっている。
本実施例に係る発光装置4によれば、上記した実施例1に係る発光装置1と同様、光取り出し効率の向上を図ることが可能となる。また、高屈折率層30の凹凸面を構成する凸部31の1単位は、2つの傾斜面を有する単純な構造であるので、凹凸面の形成が容易となり、高い製造歩留りを確保することが可能となる。また、第1の傾斜面33a上に形成される光反射面と、第2の傾斜面33b上に形成される光透過面は、単一の方向に並んでいるので、光反射面と光透過面の面積割合をパラメータとした光取り出し効率向上のための最適値設計が容易となる。かかる効果は、交差ラインLの伸長方向を発光領域50a、50b、50cの長手方向と平行な方向に向けることにより、更に助長される。また、第1の傾斜面33a上に形成される光反射面の各々は、矩形形状(短冊状)であり且つ単一の方向を向いているので、発光装置の非点灯時に所定の角度から光取り出し面を眺めたときに見映えの良好な鏡面を視認することができる。
図27(a)および図27(b)に示すように、高屈折率層30の凹凸面を構成する複数の凸部31の各々の伸長方向(すなわち交差ラインLの伸長方向)は、発光領域50a、50b、50cの並ぶ方向または発光領域50a、50b、50cの長手方向と直交する方向に伸長していてもよい。この場合において、交差ラインLは、図27(b)に示すように複数の発光領域50a、50b、50cを跨ぐように伸長していてもよい。或いは、凸部31の各々は、図28に示すように、発光領域50a、50b、50cが並ぶ方向において不連続に形成され、交差ラインLの長さは、発光領域50a、50b、50c方向と一致する幅方向における長さWと同一であってもよい。
尚、上記の各実施例において示された構成は、相互に組み合わせることが可能である。また、光透過性基板10および高屈折率層30の凹凸面は、密着しているので、反射膜20や低屈折率膜21は、光透過性基板10側に形成することとしてもよいし、高屈折率層30側に形成することとしてもよい。