JPWO2013038721A1 - 海流・潮流・波浪を含む自然エネルギーを利用する発電構造物 - Google Patents

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Abstract

海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する発電構造物は化石燃料発電に代わる発電装置としてばかりでなく発電構造物を構成する反転誘導曲面柱水路構造物は消波堤の用途にも応用できる。上部板と下部板の対向する面にそれぞれ垂直方向に対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を設け、複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させる。

Description

本発明は、海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する多用途に応用可能な発電構造物並びに消波反転誘導曲面柱水路構造物に関するものである。
海流・潮流・波浪・河川水流を利用して発電する水車発電装置などの構造物には鉛直起動軸水車の倉掛水車、昔からある水平起動軸両用水車、その他サヴォニウス式風車やダリウス式風車等を応用した水車があり、また、水平起動軸水車では船のエンジンの代わりに発電機を設置したスクリュウ式水車や海底設置型プロペラ式水車乃至発電装置、魚雷型水車、縄跳び式水車等の多種多様な水車がある。狭い海峡を更に埋め立てて狭くし、海水流の流れを速くしてプロペラの高速回転を得ようとする例もある。水平起動軸水車も鉛直起動軸水車も単一軸ではどちらも一長一短のある構造であり技術的研究が継続されている。これらの水車を応用した効率よい海洋発電構造物や係る構造物を波浪防波堤として役立てる技術は未だに見出されていない。
また、地球の自転速度は長期的には、主に潮汐摩擦(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によって次第に遅くなっていることがアメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and Space Administration)などの報告で分かっている。この地球の自転速度の遅れに合わせて原子時計を調整するために数年に一度「うるう秒」を挿入して調整している。地球の自転を遅らすほどに自然エネルギーは巨大エネルギーを保有しており、この巨大な自然エネルギーを有効利用することが本願発明の主たる課題であり、係る自然エネルギーを有効利用することによって潮汐摩擦を軽減させて地球の自転運動速度の減速による予期し得ぬ支障を先延ばしすることに寄与するも実証はされていない。
本発明者は、海流・潮流・波浪を含む自然エネルギーを利用する発電構造物について興味を持ち思索を続けており、以前に「波浪水車装置及びこの波浪水車装置を用いた海洋発電装置」について特許出願し特許を取得した(特許文献1参照)。本発明は自然エネルギーを利用する点において前記発明と共通するが、従来の水車の概念とは全く異なる技術的思想に基づくものである。
特許第4260546号公報
地球表面積の約7割を占める海洋において、太陽エネルギーを受けて空気乃至海面との温度差を生じ、太陽・月の引力が海面の上下方向に作用して海流・潮流が発生すると考えられる。米国エネルギー省によれば、海流・潮流等の自然現象に基づく自然エネルギーは世界の電力需要の約2倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有し、波力を含めると約3倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有していると言われている。本発明は、このような膨大な自然エネルギーを発電に有効利用するための装置の開発と太陽エネルギーに原因すると言われる台風・エルニーニョ・ハリケーンや地震による津波等の自然災害を低減することを主な課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて配置されており、
前記一対の板動翼機構体の各先頭部、外周側、軌道内側及び後方の何れかに間隙をおいて1乃至複数個の水路構成障害物を上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路とし、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
平面視略台形状の上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を内蔵する一対の台形柱構造物を前記
板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて並べて上部板と上部板及び下部板と下部板同士を連結してV字型台形柱構造物を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物を装着し、前記V字型台形柱構造物と集取水水路構造物の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物を装着し、
前記V字型台形柱構造物の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室を装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、上下に間隔をおいて一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させて板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、1又は複数のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記軌道と連結して前記複数個の板動翼体を前記エンドレス状の軌道の下方部にそれぞれ垂設して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させ板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有することを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記エンドレス状の軌道は、略楕円乃至長円形状のシングル軌道、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道又は少なくとも一点において交差する軌道又は前記交差軌道とシングル軌道を組み合わせた軌道の何れかからなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記板動翼体は、平板状板動翼、箱型状板状板動翼、縁枠付き板動翼及び可変式垂直動翼付き水平複葉翼の中の何れか一種を板動翼主軸に固定してあり、該板動翼主軸を回転することによって板動翼体の向きを調整可能に設けられており、水流の圧力によって軌道を周回運動する際に板動翼体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道又は水流に平行な方向に向いて走行するように構成されてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記板動翼体は、板動翼主軸の上端部と下端部にそれぞれ水平動翼を複葉翼状に装着し、各水平動翼は断面が円弧形又は半円弧形の3D立体曲面形状に形成し、前記上下の水平動翼の中間部には水流方向により半旋回可能な2枚の可変式垂直動翼を主軸方向に沿って装着し、前記可変式垂直動翼の両側部に枠渕板を設けたことを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記反転誘導曲面柱水路構造物は複数の曲面柱構造物を湾曲面が垂直になるように間隙をおいて並べて配置して、隣接する曲面柱構造物と曲面柱構造物との間隙を流水を反転誘導させる水路としてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記の発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、該2台の板動翼機構体の中間部に台船を配置して前記板動翼体が水流によってバタフライ泳法のように作動して軌道を周回することを特徴とする発電構造物とすることが好ましい。
少なくとも一点において交差する交差軌道又は該交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせたエンドレス状の軌道を備えた前記の発電構造物において、
上下に離間して複数の上部板を設け、上段の上部板には略楕円乃至長円形状のエンドレス状の内周軌道を設け、他の上部板には少なくとも一点において交差する交差軌道をそれぞれ対応して設け、
前記上部板に形成された内周軌道には間隔をおいて連結された複数個の板動翼の主軸が走行部を介して走行可能に掛架し、該板動翼主軸の下方部に二股状アームを装着し、二股状アームの各先端部には下方に垂下する板動翼体を保持する2本の従軸を係止し、係る2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ前記他の上部板に設けられる前記交差軌道にそれぞれ走行可能に掛架していることを特徴とする発電構造物。
前記の課題を解決するために、本発明は、少なくとも片面が湾曲面に形成された大小2個の曲面柱構造物を両者の曲面とも同一方向で前方乃至上方に向くように配置した一体型構造物であって、大型の第2曲面柱構造物の湾曲面部に水路となる間隙をあけて小型の第1曲面柱構造物を重ね且つ第1曲面柱構造物の高さよりも後方の第2曲面柱構造物の高さを高く設けてなることを特徴とする消波反転誘導曲面柱水路構造物とする。
本発明の発電構造物による海流・潮流発電は、従来の風車等の風力発電に比較して大量の水流移動力を確保することができ、1翼の板動翼体で100%の水流力を確保でき、3翼セットすれば300%の水流力を確保でき強力なトルクを発生することが可能となる。更に風力や太陽エネルギー等に比較して得られるエネルギーの変動率が低いので、年間を通して安定的な稼働が可能である。風力や太陽エネルギーは風向きや太陽の向きに応じてプロペラや光パネルの向きを変える構造が複雑であるに対して本発明の発電構造物は自動的に水流方向に向かって発電することが可能であり複雑な機構は一切不要である。本発明の発電構造物や消波反転誘導曲面柱水路構造物を海底斜面に飛び石状に配置して波浪同士を衝突させて波力を消耗させることによって津波等の自然災害を防ぐ効果をも併有するものである。
(a)は本発明の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の平面図であり、(b)は板の突き合わせ接合部の部分拡大図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第3実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 図1の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の正面視説明図である。 可変式複葉翼状の水平板動翼体の斜視図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の平面視説明図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の側面視説明図である。 本発明の第5実施の形態に係る消波反転誘導曲面柱水路構造物の縦断面説明図である。 本発明の第5実施の形態に係る消波反転誘導曲面柱水路構造物の配置例を示す説明図である。 本発明の第6実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 (a)は本発明の第7実施の形態に係る一点において交差する交差軌道を組み合わせた板動翼機構体の一例を示す平面図であり、(b)は板動翼体主軸及び従軸と上部板との関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下「本発明の実施の形態」と称する)について図面を参照して説明する。しかしながら本発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。また、符号の説明の項で「r,r’鋼管部(第3実施の形態)」のように記載したのは例示であって、この符号が第3実施の形態に限定して用いることを意味するものではない。
本発明の第1実施の形態に係る発電構造物1は、請求項1に記載される発明を含むものであり、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、上部板191と下部板192を柱乃至水路構成障害物D,E,F,G,Hで支持する躯体の前記上部板と下部板に上部軌道溝(レール)193及び下部軌道溝(レール)194等からなるエンドレス状の軌道100,100をそれぞれ対応させて設ける。この軌道は敷設した状態の平面から見た形状がエンドレス状である限り特に限定されず、あらゆる形状を含み立体的な軌道も含まれる。軌道自体も板動翼体を走行可能に係止でる限り特に限定するものではない。例えば、略楕円乃至長円形状のシングル軌道(図1又は図2参照)、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道(図3参照)、又は少なくとも一点において交差する交差軌道又は前記交差軌道を含む複数の軌道の組み合わせ(図12参照)の何れかからなるものが好ましい。
複数個の板動翼体の主軸21〜34をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体(41〜47,71〜77)が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体A,Aを構成し、
前記一対の板動翼機構体A,Aを先頭部が後部より広い略V字状の水路を構成する間隙をおいて配置し、
前記一対の板動翼機構体A,Aの各先頭部、外周側、軌道内側及び後方にそれぞれ間隙をおいて複数個の水路構成障害物D,E,F,G,Hを上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路として構成し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路Wgでは軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路Wbでは水流に添って軌道と平行若しくは軌道寄りの方向に向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する起動チェーン(101〜114,121〜134)、起動輪48M、ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM及び増速機L等の回転伝導手段を介して発電装置Nを作動させることを特徴とする。
発電構造物は海水による耐腐食性を有する強度を保持する材料であれば何ら限定されず例えば耐腐食性を施した鋼材や合金、各種構造材料やプラスチック材料等が使用可能である。水路構成障害物の形状は特に限定されるものではなく、装置を設置する条件、例えば、海流・潮流・波浪・河川の流水状況に応じて変更可能であり、水路構成障害物D,E,F,G,Hの中の必要なもののみを選択して用いることも可能である。
本発明の第2実施の形態に係る発電構造物1は、請求項2に記載される発明を含むものであり、図1に示すように、前記一対の板動翼機構体A,A(図2参照)を平面視略台形状の上部板と下部板の中間部に備えた一対の台形柱構造物を前記楕円乃至長円形状の軌道がV字型形状になるように並べて上部板と上部板及び下部板と下部板を連結してV字型台形柱構造物A1,A2を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物A1,A2の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物B1,B2を装着し、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2を装着し、
前記V字型台形柱構造物A1,A2の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室Uを装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸R,R’として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
前記第2実施の形態に係る発電構造物1は、図1又は図2に示すシングル軌道100sからなり、左右一対の相似形構造物をV字型に連結したV字型台形柱構造物A1,A2と、該V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的で装着される集取水水路構造物B1,B2と、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に装着される反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2と、前記V字型台形柱構造物の上部に発電用動力を発生する機構を内蔵した機関室Uとを備えており、前記の左側に位置する構造物(A1,B1,C1)と右側に位置する構造物(A2,B2,C3)とは、図1の部分拡大図(b)に示すように、それぞれの構造物を構成する左右の板の突き合わせ部を一方の実線乃至点線で示す両端部の隙間に他方の板の端部を噛み合わせ、或いは実線部の下方に重ね合わせて両板の重ね合わせ部に左右に細長状の貫通孔を設けてこの貫通孔にボルト・ナットを通して接合し、両板を左右方向に引張り又は押込んで広狭調節可能に固定することが好ましい。また、前記左側構造物と右側構造物の先頭部R,(R’)を回動可能に係止し後部を広狭調節して水流速度と流量を調節する機能を備えることが好ましい。更に、前記の発電構造物は台船の船底部に吊り下がりローラーを付けて配置し又は浮かした状態で錨や基礎杭で海底に繋ぎ留めておくことも可能である。前記各構造物を骨格をなす躯体を支える上部板と下部板と柱等は耐腐食性の鋼材等を用いて強固に構成される。水路構成障害物D,E,F,G,Hを柱の代わりに又は柱と共に筋交い等を設けてもよい。
V字型台形柱構造物A1,A2は、図2及び図4に示すように台形状の上部板と下部板の対向する面にそれぞれ垂直方向に対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道である軌道溝又はレール193,194が設けられており、上部板191から下部板192へ、モノレール式又はボギー車体式に板動翼主軸29,31,33を吊下し、前記板動翼主軸を上部板191と下部板192の軌道溝193,194を走行するキャスター車輪29E,31E,33E及び29F,31F,33Fで受け、或いは板動翼体が浮力を発生して軽くするためにキャスター車輪の代わりに軌道を走行する小舟型のフロートで板動翼主軸を受けるように構成してもよい(図示せず)。また、図4に示す例えば、起動チェーン軸31Aと上部板キャスター軸31Bと鉛直板動翼主軸31Cと下部板キャスター軸31Dは一本の連結軸であり本明細書では板動翼主軸(21〜34,51〜64)と略称する。但し、第7実施の形態に係る発電構造物に係る板動翼主軸は、起動チェーン軸乃至上部板キャスター軸を鉛直板動翼主軸に連結せずに板動翼主軸(起動チェーン軸)に二股状アームを装着して該二股状アームの各先端部に板動翼体の従軸を係止して板動翼体を垂下する点において他の垂下式板動翼体の実施例とは異なる。
板動翼体は、往路では流れに対して直角方向に向きを変えて水流を板動翼体の全面で受けて往路Wgの水流力により軌道を周回する。板動翼体は内部を空洞とし浮力発生により軽くすることによって周回し易くすることが好ましい。復路Wbでは板動翼体は復路反転水流即ち往路水流と逆水流方向に上昇するために抵抗の少ない魚類形態のように単純構造とすることが望ましい。図2に示す板動翼体が軌道に対して直角(横方向)乃至平行(縦方向)寄りに方向転換するための必要動力は起動チェーン軸27とともに板動翼主軸27(起動チェーン軸と共通軸)に組み込まれた図4に示す板動翼主軸歯車Kが軌道の周回に応じて起動チェーン106と隣の起動チェーン107との角度が変化する作用により起動チェーンに組み込まれた固定歯車止め50が作用して自動的に相応して板動翼主軸歯車Kを回転する動力が生じて機関室U内で変速歯車の組み合わせやワンウエイ歯車などが自動的に板動翼主軸歯車Kの角度を決定する板動翼方向転換装置・機能を有する。板動翼方向転換装置・機能の他の例として、PLC(programmable logic controler)の記憶領域に軌道上における板動翼主軸の位置とその位置における板動翼主軸の軌道に対する角度を予め記憶させておき、例えばラダープログラムによって板動翼主軸が所定の角度を向くように板動翼主軸歯車Kに対して指示して自動的に板動翼体の向きを調整するように構成してもよい。また、第3実施の形態に示すダブル軌道(図3参照)や第7実施の形態に示す交差軌道(図12参照)の場合は、板動翼体がその軌道を走行することによって自動的に方向転換する機能を有するが前記PLCによる板動翼方向転換装置・機能を併用してもよい。板動翼体の周回によって板動翼体と連動する起動チェーン(101〜114)に連結された起動輪48Mが回転し起動軸49Mに連結されたディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM等を経由して増速機Lで増速されて発電機Nの動力となる。
板動翼体(41〜47,71〜77)は、例えば平板、箱状板、仕切り板又は縁枠付き板或いは断面が円弧状、半円弧状又は花弁状等の長尺板状体を海面から海底方向に垂直に延長して板動翼主軸に取り付けたものからなり、更に、これら長尺板状の左右両側に枠縁板(図2−90,91,図3−92)を取り付けて箱形状とし、前記長尺板状の上端部と下端部に断面が長方形、円弧状、半円弧状又は花弁状等の水平動翼を複葉動翼状に取り付けた水平複葉翼(41G,H〜47G,H,71G,H〜77G,H)が好ましい。ダリュウス式水車やプロペラ式水車は回転速度は速くてもトルクは小さく、倉掛式の鉛直軸乃至水平軸水車が大きなトルクが得られより効率的であることから、本発明では倉掛式水車を応用した蓋のない箱形板動翼(バケット式)が好ましい。前記水平動翼や長尺板状の断面は魚類の体型に類似したダリウス式円弧形などが好ましい。軌道1周回に設置する板動翼体の数は、設置する場所や設置条件によって異なるが往路・復路それぞれ3個以上が好ましく10個以上多いほどより好ましい。機械的抵抗・水流抵抗などを差し引き板動翼体の周回速度が水流速度に近いことが好ましい。
図1で示すV字型台形柱構造物A1,A2では水流の入口を広く、出口を狭くして水流の流速を速くするように構成されている。係るV字型台形柱構造物A1,A2を更に2個並列に並べてW字型に連結し、大型発電構造物を構成してもよい。係る大型発電構造物を設置する場合、水深が深く板動翼体の垂直方向の長さ(α)は10〜100m、或いはこれ以上の長さが必要となり、水平板動翼の長さ(β)も前記板動翼体の垂直方向の長さ(α)との関連で適宜設定する必要がある。小規模河川用の小型発電構造物・中型発電構造物にあっても水深に応じて前記α・βの数値を設定すれば対応可能である。海流速度は年間を通じて概ね安定してるので発電の変動率・稼働率も安定し、安定した電力供給が可能である。また、W字型台形柱構造物を複数個並べて超大型発電構造物を設計することも可能であり、更に鉛直軸で多軸系の台形柱構造物A1を斜め下流方向へ連結すれば海流の流れ方向を変更し、海流・潮流の海溝・海嶺への衝突と水流圧力を緩衝しつつ膨大な自然エネルギーを電力に変換し、台風、津波等の自然災害の回避、更には地球の自転速度の低速化を遅らせることに役立つことも期待し得る。
次に、前記第3実施の形態に係る発電構造物について説明する。第3実施の形態に係る発電構造物は、請求項6に記載される発明を含むものであり、シングル軌道を備えた前記第2実施の形態に係る発電構造物においてシングル軌道に代えて図3に示すようなダブル軌道100wを備えており、前記第2実施の形態のシングル軌道に相当する外周軌道99の内側の復路寄りに、前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道98を設け、板動翼体は水平動翼の中央部乃至やや外側寄りに板動翼主軸21〜34を設け内側端部に板動翼従軸81〜87を設けて、前記板動翼主軸は前記外周軌道を周回し板動翼従軸が前記内周軌道を周回するように構成される。更に、内周軌道98は、板動翼従軸が後方の湾曲部を周回しやすくするために変曲点97以降の湾曲部を外側にやや拡張するように設けることが好ましい。
外周軌道に係る起動チェーン軸にはストッパー89を備え、或いは外周軌道に係る起動チェーン軸と内周軌道に係る起動チェーン軸とを斜め方向に連結されるドアクローザー式折畳みアーム88が設けてある。図6に示す旋回自在な垂直板動翼(175a,175b)の場合、水流方向P1(図1)が板動翼体に直角に当たるようになったときにドアクローザー式折畳みアーム88が伸張し或いはストッパー89が作用して垂直板動翼は閉じた状態で往路を走行し、更に曲線軌道を通過時点では枠縁板92が自動的に閉鎖しその後往路では開いた状態で走行する。板動翼体が往路から復路向かう湾曲軌道を通過する時点では水流力を受けて左右の垂直板動翼は水流の方向へ旋回解放して復路反転走行が軽くなるように補助する。旋回自在な垂直板動翼は復路反転水路を遡り上流側の曲線軌道を通過し往路側に差し掛かって上下の水平板動翼に設置された旋回止めストッパー89で止まり、水流力により自然に箱状の底板の役割をなし水流を漏らさずに取り込んで周回する。
次に、前記第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物について説明する。第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物は、請求項10に記載される発明を含むものであり、前記第2実施の形態に係る発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、前記板動翼体がバタフライ泳法のように作動しながら軌道を周回するように構成される。詳細には図7,8に示すように、台船202を中央に配置し台船の左右両側にそれぞれ一対の側面板212,212を空間をあけて設置し対向する面にそれぞれ対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を備えた側面板軌道溝(レール)193,194を設け、複数個の板動翼体の板動翼主軸をそれぞれ起動チェーン210,211で間隔をおいて連結し、板動翼主軸の両端部にローラー車輪207〜209を回転可能に取り付けて前記一対の側面板軌道溝にそれぞれ走行可能に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする板動翼機構体を構成し、この板動翼機構体を台船の左右両側に並列に配置する。
バタフライ型発電構造物の前方にある集取水目的の角柱台形構造物の最前部には甲板部中心点Rと底部中心点R’を連結する鋼管部(r,r’)が係留部として設けられ、バタフライ型発電構造物の旋回中心軸として機能することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
台船内部には前記板動翼体の周回に伴って左右の起動チェーン210,211に係合する起動輪が回転することによって生じる動力(トルク)がデファレンシャルギヤーM又は笠ギヤー、ウォームギヤー及び増速機L等を介して発電機を回転して発電する。
図8に示すように枠縁付水平板動翼は軌道の外側部分でボスピン乃至蝶番によって折り畳み可能に構成されている。バタフライ型発電構造物は略下半分が水流中に沈み、上半分を台船の浮力によって水面に浮上した状態で配置する。枠縁付水平板動翼は空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で枠縁付水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行し、前記したとおり発電機を回転する動力が発生する。
大波・津波の水流は巨大な加速度と水圧力を伴いテトラブロック等の防波堤ブロック(ケーソン)に衝突したときの衝撃力は計り知れなく巨大である。テトラブロックを高く積み上げた防波堤に巨大な津波が衝突した場合、テトラブロックの隙間へ波が進入して満杯になると浮力により水中に浮かんだと同じ状態になって、突き上げる衝撃によりブロックは簡単に崩れ飛散し流出してしまい消波堤ブロックとしての役割を果たさないことが東日本大地震による巨大津波によって明らかになった。本発明の発電構造物における反転誘導曲面柱水路構造物の内側曲面部を潮流・水流方向に対向して配置することによって消波堤ブロックに代わるものとして応用できることを見出して本発明に至ったものであり、従来のテトラブロックの欠点が改良され巨大な津波が衝突した場合にも充分対応可能なものとなる。
本発明の第5実施の形態に係る消波反転誘導曲面柱水路構造物XZは、請求項12に記載される発明を含むものであり、図9に示すとおり少なくとも一方が湾曲面に形成された大小2個の曲面柱構造物X,Zを両者の湾曲面X1,Z1とも同一方向で前方乃至上方に向くように配置した一体型構造物であって、大型の第2曲面柱構造物Zの湾曲面Z1に水路Yとなるトンネル状の間隙をあけて小型の第1曲面柱構造物Xを重ね且つ第1曲面柱構造物Xの高さよりも後方の第2曲面柱構造物Zの高さが高くなるように一体化してあり、係る消波反転誘導曲面柱水路構造物XZを湾曲面側を波浪に対向するように設置する。例えば、水位15mの海底にこの消波反転誘導曲面柱水路構造物を設置し、波高15mの高波(水深30m)が繰り返し押せ寄せたと仮定すると、波浪第1波の下部水流P30と、その上方の上部水流P15(0〜15m)の2段に分流させ、下部水流P30はトンネル状の水路Yに流入通過しP31となり、P32・P33となって後方の第2湾曲面Z1を上昇しょうとする。
一方、上部水流P15は第1湾曲面X1をジャンプして水流力を上空中へ飛散させて後、第1湾曲面X1の背後にP18のように自然落下し一部はP19のように上昇するが、第2湾曲面Zをジャンプしようとする下部水流P32,P33の頭頂部上へ落下水流P33,P34となるため、水流の流速エネルギーは時間差により消耗・消滅し合流乃至撹乱水流P34,P35となる。第1・第2湾曲面X1・Z1をジャンプできなかった水流は戻り反転水流P20となって第2波水流P40と衝突して第2波水流の進行を阻止して波力を消耗減衰させる効果を奏する。反転水流P20と第2波水流P40が衝突した際の波高が消波効果の目印を表す。第2湾曲面Zを乗り越えた水流P36,P37は鉛直落下し水流の衝撃力を失い消波堤の役割を完了する。更に、曲面柱構造物Zの背面側の設置近傍地面に側溝Y1を設けて鉛直落下した水を一時的に貯水して後方への波の伝搬を遮断することによって波力並びに水流速を消耗ないし消滅する効果をより高めることができる。
図10は本発明の消波反転誘導曲面柱水路構造物XZの配置例を示すものであり、前記消波反転誘導曲面柱水路構造物XZを平面視で略への字形状、略逆への字形状又は湾曲形状に構築し、第1湾曲面柱構造物Xが沖合に向くように消波反転誘導曲面柱水路構造物XZを飛び石状乃至散点状に交互に間隙をおいて配置する(図10参照)。このように配置することによって、左右の波浪水流の方向を誘導して波浪水流同士を中央の間隙部で正面衝突させて打ち消し合い、又は左右へ分流させて衝突させることによって消波効果を奏する。最初に湾の入口中央の沖へ入口堤(1)(への字型)を配置して波浪水流1を左右へ分流2,3する。左へ分流した波浪水流2を再び分岐堤(2)へ衝突させて左右4・5へ分流する。右へ分流した波浪水流3を分岐堤(3)へ衝突させて再び左右へ分流6・7する。よって、5と6は衝突合流し水流力を減衰しながら出口堤(4)へ衝突して3度左右へ分流しながら消滅する。このように障害物を飛び石状に配置することによって津波の威力を減じることは、東北大地震における松島湾沿岸で湾内に点在する小島が障害物となって津波の被害を減じたことからも明らかである。
次に、本発明の第6実施の形態に係る発電構造物について説明する。この第6実施の形態に係る発電構造物は、請求項3に記載される発明を含むものであり、図11に示すように、第1又は第2実施の形態に係る発電構造物における下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに略楕円乃至長円形状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部にキャスター車輪(21E〜34E)を装着し前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道と平行な方向を向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本発明の発電構造物は、板動翼体を主軸の上方部のみで軌道に掛架する点及び下部板を取り除いて天板を用いる点において他の発電構造物と異なる。天板を用いることによって板動翼体を下部板と天板の両方で支持して強固に固定するものである。
台形柱構造物A1,A2の下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部を前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置した構造物を台船の船底に設置するように構成してもよい。
この発電構造物は、台形柱構造物A1,A2、集取水水路構造物B1,B2、反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2のような巨大な構造物を設ける代わりに、板動翼機構体を海底に向けて垂下するように構成する。或いは、水路構成障害物(D,E,F,G,H)を板動翼機構体と一緒に海底に向けて垂下するように構成してもよい。これらを洋上の設置点まで運搬して洋上に浮かべた台船から板動翼機構体、更に水路構成障害物を海底に向けて垂下して設置する。板動翼機構体に潮流が当たることによって台船の船首側が下方に傾くことを防止するために台船自体をバラスト等で安定化することが好ましい。或いは、台船の船首側をワイヤーで海底に固定するとともに水路構成障害物の下端部を海底に固定してもよい。
本発明の第7実施の形態に係る発電構造物は、請求項6及び請求項11に記載される発明を含み、図12(a)に示すように太線で描かれる長円形の内周軌道98と細線で描かれる一点99aで交差する交差軌道99を設けた板動翼機構体を備えてなる。本実施の形態について特徴的な部分について以下説明する。図12(b)に示すように上下に離間して設けた3枚の上部板の上段の第1上部板191aには中央溝の両側に畝状の内周軌道98が形成され、中段の第2上部板191bと下段の第3上部板191cには溝状の交差軌道99b,99cがそれぞれ対応して形成されている。複数個の板動翼主軸(起動チェーン軸:51〜59)がそれぞれ間隔をおいて起動チェーン122で連結されており、この板動翼主軸には下向きに車輪又はベアリングを取り付けた走行部(51E〜59E)が前記内周軌道98に添って走行可能に装着されている。また、前記板動翼主軸の下方には二股状アーム52Fが装着されており、二股状アームの各先端部には、第3上部板の下方に垂下する板動翼体(41〜49)を保持する2本の従軸(81a,81b〜89a,89b)が係止している。前記板動翼体の2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ第2上部板191b及び第3上部板191cに設けられる交差軌道99b,99c(平面視内周軌道98の左右に位置する)を貫通し軌道との接触面にそれぞれベアリングを介して走行可能に掛架している。そして前記板動翼体が内周軌道98に添って走行するに従って左右の従軸82a,82bを結んだ直線の向きつまり板動翼体の向きが変わり、板動翼体が水流に対向する図12(a)の右側に位置する往路では両軌道又は水流に対して略直角方向を向き、図12(a)の左側に位置する復路では両軌道に平行乃至軌道寄りの方向を向いて走行するように構成される。また、上部板は前記第1上部板191aと第2上部板191bの2枚で構成することも可能であるが板動翼体の揺動を抑制し或いは強度を考慮して第3上部板191cを含む3枚で構成することが好ましい。
また、隣接する従軸、例えば、82aと83a、82bと83bをそれぞれ図示しないドアクローザー式折畳みアーム(図3:88参照)でパンタグラフ状に可動連結して板動翼体の揺動を抑制することが好ましい。或いは前記板動翼体の中央部(板動翼主軸に相当する位置)を前記上部板の内周軌道98と対応して設けた図示しない下部板の内周軌道98に走行可能に係合させて揺動を抑制するように構成してもよい。交差軌道99における交差点99aは水流の上流側乃至下流側の何れの側にも配置できるが、板動翼機構体を先頭部が後方部より広いV字状に設置した場合に板動翼体の向きを水流に平行に近づけるためには図12に示すように上流側に配置することが好ましい。また、本発明の第6実施の形態に係る発電構造物と同様に前記上部板の上方に図示しない天板を設けて該天板に内周軌道を対応させて設け、前記板動翼主軸(起動チェーン軸)を上方に延長して走行部(51E〜59E)乃至キャスター車輪を前記天板の内周軌道に添って走行可能に設けてもよい。交差点において確実に直線方向を走行するように交差軌道99b,99cを走行する進行方向の前後に先細状のガイドGdを従軸に装着することが好ましい。また、本実施の形態に係る発電構造物を前記V字型台形柱構造物とし水路構造物と共に台船に設置して台船の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することも本発明の範囲に含まれる。
海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する発電構造物は化石燃料による発電に代わる発電装置として期待できるばかりでなく発電構造物を構成する反転誘導曲面柱水路構造物は消波堤としての用途にも応用できる。
A 板動翼機構体
A1,A2 (V字型)台形柱構造物
B1,B2 集取水水路構造物
C1,C2 反転誘導曲面柱水路構造物
D,E,F,G,H 水路構成障害物
P,P1,P2,P3,・・・ 水流
I1,I2,J1,J2 反転水路
Wg 往路、 Wb 復路
R,R’ 旋回中心軸
r,r’ 鋼管部(第3実施の形態)
K 板動翼主軸歯車
M ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアー
L 増速機
N 発電機
U 機関室
1 発電構造物
21〜34 板動翼主軸(第1及び第2実施の形態)
21E,F〜34E,F キャスター車輪(第1及び第2実施の形態)
51〜64 板動翼主軸(第3実施の形態)
51E〜59E 走行部(第7実施の形態)
51F〜59F 二股状アーム(第7実施の形態)
41〜49 板動翼体(第1,2及び7実施の形態)
71〜77 板動翼体(第3実施の形態)
41G,H〜47G,H 水平複葉翼(第1及び第2実施の形態)
71G,H〜77G,H 水平複葉翼(第3実施の形態)
141〜147 垂直板動翼(第1及び第2実施の形態)
171〜177 垂直板動翼(第3実施の形態)
172a,172b/175a,175b 垂直板動翼(第3実施の形態)
48M 起動輪
49M 起動軸
50 固定歯車止め
81〜87 板動翼従軸(第3実施の形態)
81a,81b〜89a,89b 板動翼従軸(第7実施の形態)
88 折畳みアーム(第3実施の形態)
89 ストッパー(第3実施の形態)
90〜92 枠縁板
97 軌道の変曲点(第3実施の形態)
98 内周軌道(第3及び第7実施の形態)
99 外周軌道(第3実施の形態)
99a 交差点 99b,99c 交差軌道、 Gd ガイド(第7実施の形態)
100 軌道(シングル,ダブル)
100s シングル軌道
100w ダブル軌道
101〜114 起動チェーン(第1及び第2実施の形態)
121〜134 起動チェーン(第3実施の形態)
191 上部板(第1及び第2実施の形態)
191a,191b,191c 第1,第2,第3上部板(第7実施の形態)
192c 天板(第6実施の形態)
192d 下部板(第1及び第2実施の形態)
193 上部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
194c 天板軌道溝(レール)(第6実施の形態)
194d 下部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
201 台船(第4実施の形態)、 202 台船底部(第4実施の形態)
203,204 板動翼体(第4実施の形態)
205,206 板動翼主軸(第4実施の形態)
207〜209 ローラー車輪(第4実施の形態)
210〜211 起動チェーン(第4実施の形態)
212 側面板(第4実施の形態)
213 側面板軌道溝(レール)(第4実施の形態)
X1 第1湾曲面(第5実施の形態)
Z1 第2湾曲面(第5実施の形態)
Y1 側溝(第5実施の形態)
Y トンネル状水路(第5実施の形態)
X 第1湾曲面柱構造物(第5実施の形態)
Z 第2湾曲面柱構造物(第5実施の形態)
XZ 消波反転誘導曲面柱水路構造物(第5実施の形態)
本発明は、海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する多用途に応用可能な発電構造物に関するものである。
海流・潮流・波浪・河川水流を利用して発電する水車発電装置などの構造物には鉛直起動軸水車の倉掛水車、昔からある水平起動軸両用水車、その他サヴォニウス式風車やダリウス式風車等を応用した水車があり、また、水平起動軸水車では船のエンジンの代わりに発電機を設置したスクリュウ式水車や海底設置型プロペラ式水車乃至発電装置、魚雷型水車、縄跳び式水車等の多種多様な水車がある。狭い海峡を更に埋め立てて狭くし、海水流の流れを速くしてプロペラの高速回転を得ようとする例もある。水平起動軸水車も鉛直起動軸水車も単一軸ではどちらも一長一短のある構造であり技術的研究が継続されている。これらの水車を応用した効率よい海洋発電構造物や係る構造物を波浪防波堤として役立てる技術は未だに見出されていない。
また、地球の自転速度は長期的には、主に潮汐摩擦(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によって次第に遅くなっていることがアメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and Space Administration)などの報告で分かっている。この地球の自転速度の遅れに合わせて原子時計を調整するために数年に一度「うるう秒」を挿入して調整している。地球の自転を遅らすほどに自然エネルギーは巨大エネルギーを保有しており、この巨大な自然エネルギーを有効利用することが本願発明の主たる課題であり、係る自然エネルギーを有効利用することによって潮汐摩擦を軽減させて地球の自転運動速度の減速による予期し得ぬ支障を先延ばしすることに寄与するも実証はされていない。
本発明者は、海流・潮流・波浪を含む自然エネルギーを利用する発電構造物について興味を持ち思索を続けており、以前に「波浪水車装置及びこの波浪水車装置を用いた海洋発電装置」について特許出願し特許を取得した(特許文献1参照)。本発明は自然エネルギーを利用する点において前記発明と共通するが、従来の水車の概念とは全く異なる技術的思想に基づくものである。
特許第4260546号公報
地球表面積の約7割を占める海洋において、太陽エネルギーを受けて空気乃至海面との温度差を生じ、太陽・月の引力が海面の上下方向に作用して海流・潮流が発生すると考えられる。米国エネルギー省によれば、海流・潮流等の自然現象に基づく自然エネルギーは世界の電力需要の約2倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有し、波力を含めると約3倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有していると言われている。本発明は、このような膨大な自然エネルギーを発電に有効利用するための装置の開発と太陽エネルギーに原因すると言われる台風・エルニーニョ・ハリケーンや地震による津波等の自然災害を低減することを主な課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて配置されており、
前記一対の板動翼機構体の各先頭部、外周側、軌道内側及び後方の何れかに間隙をおいて1乃至複数個の水路構成障害物を上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路とし、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本願明細書等において、「先頭部」「最前部」または「前方」なる用語は水流に対向する側を意味し、「後方」または「後部」なる用語は水流に反対向する側を意味する。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
平面視略台形状の上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を内蔵する一対の台形柱構造物を前記
板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて並べて上部板と上部板及び下部板と下部板同士を連結してV字型台形柱構造物を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物を装着し、前記V字型台形柱構造物と集取水水路構造物の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物を装着し、
前記V字型台形柱構造物の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室を装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体の前記上部板と下部板に、1又は複数のエンドレス状の軌道を対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させ板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架垂設して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させ板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記エンドレス状の軌道は、略楕円乃至長円形状のシングル軌道、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道又は少なくとも一点において交差する軌道又は前記交差軌道とシングル軌道を組み合わせた軌道の何れかからなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記板動翼体は、板動翼主軸の上端部と下端部にそれぞれ水平動翼を複葉翼状に装着し、各水平動翼は断面が円弧形又は半円弧形の3D立体曲面形状に形成し、前記上下の水平動翼の中間部には、水流方向により半旋回可能な2枚の可変式垂直動翼を主軸方向に沿って装着し、前記可変式垂直動翼の少なくとも外側の周縁部を含み左右両側周縁部に枠渕板を互いに異なる方向に向けて延設させてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記反転誘導曲面柱水路構造物は複数の曲面柱構造物を湾曲面が垂直になるように間隙をおいて並べて配置して、隣接する曲面柱構造物と曲面柱構造物との間隙を流水を反転誘導させる水路としてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記の発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、該2台の板動翼機構体の中間部に台船を配置して前記板動翼体は枠縁付水平板動翼が軌道の外側部分でボスピン乃至蝶番によって折り畳み可能に構成されていて空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で枠縁付水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行する一連の動作がバタフライ泳法の腕で水をかく動作に対応して軌道を周回することを特徴とする発電構造物とすることが好ましい。
少なくとも一点において交差する交差軌道又は該交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせたエンドレス状の軌道を備えた前記の発電構造物において、
上下に離間して複数の上部板を設け、上段の上部板には略楕円乃至長円形状のエンドレス状の内周軌道を設け、他の上部板には少なくとも一点において交差する交差軌道をそれぞれ対応して設け、
前記上部板に形成された内周軌道には間隔をおいて連結された複数個の板動翼の主軸が走行部を介して走行可能に掛架し、該板動翼主軸の下方部に二股状アームを装着し、二股状アームの各先端部には下方に垂下する板動翼体を保持する2本の従軸を係止し、係る2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ前記他の上部板に設けられる前記交差軌道にそれぞれ走行可能に掛架していることを特徴とする発電構造物。
本発明の発電構造物による海流・潮流発電は、従来の風車等の風力発電に比較して大量の水流移動力を確保することができ、1翼の板動翼体で100%の水流力を確保でき、3翼セットすれば300%の水流力を確保でき強力なトルクを発生することが可能となる。更に風力や太陽エネルギー等に比較して得られるエネルギーの変動率が低いので、年間を通して安定的な稼働が可能である。風力や太陽エネルギーは風向きや太陽の向きに応じてプロペラや光パネルの向きを変える構造が複雑であるに対して本発明の発電構造物は自動的に水流方向に向かって発電することが可能であり複雑な機構は一切不要である。本発明の発電構造物や消波反転誘導曲面柱水路構造物を海底斜面に飛び石状に配置して波浪同士を衝突させて波力を消耗させることによって津波等の自然災害を防ぐ効果をも併有するものである。
(a)は本発明の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の平面図であり、(b)は板の突き合わせ接合部の部分拡大図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第3実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 図1の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の正面視説明図である。 可変式複葉翼状の水平板動翼体の斜視図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の平面視説明図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の側面視説明図である。 本発明の第5実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 (a)は本発明の第6実施の形態に係る一点において交差する交差軌道を組み合わせた板動翼機構体の一例を示す平面図であり、(b)は板動翼体主軸及び従軸と上部板との関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下「本発明の実施の形態」と称する)について図面を参照して説明する。しかしながら本発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。また、符号の説明の項で「r,r’鋼管部(第3実施の形態)」のように記載したのは例示であって、この符号が第3実施の形態に限定して用いることを意味するものではない。
本発明の第1実施の形態に係る発電構造物1は、請求項1に記載される発明を含むものであり、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、上部板191と下部板192を柱乃至水路構成障害物D,E,F,G,Hで支持する躯体の前記上部板と下部板に上部軌道溝(レール)193及び下部軌道溝(レール)194等からなるエンドレス状の軌道100,100をそれぞれ対応させて設ける。この軌道は敷設した状態の平面から見た形状がエンドレス状である限り特に限定されず、あらゆる形状を含み立体的な軌道も含まれる。軌道自体も板動翼体を走行可能に係止できる限り特に限定するものではない。例えば、略楕円乃至長円形状のシングル軌道(図1又は図2参照)、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道(図3参照)、又は少なくとも一点において交差する交差軌道又は前記交差軌道を含む複数の軌道の組み合わせ(図10参照)の何れかからなるものが好ましい。
複数個の板動翼体の主軸21〜34をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体(41〜47,71〜77)が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体A,Aを構成し、
前記一対の板動翼機構体A,Aを先頭部が後部より広い略V字状の水路を構成する間隙をおいて配置し、
前記一対の板動翼機構体A,Aの各先頭部、外周側、軌道内側及び後方にそれぞれ間隙をおいて複数個の水路構成障害物D,E,F,G,Hを上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路として構成し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路Wgでは軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路Wbでは水流に添って軌道と平行若しくは軌道寄りの方向に向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する起動チェーン(101〜114,121〜134)、起動輪48M、ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM及び増速機L等の回転伝導手段を介して発電装置Nを作動させることを特徴とする。
発電構造物は海水による耐腐食性を有する強度を保持する材料であれば何ら限定されず例えば耐腐食性を施した鋼材や合金、各種構造材料やプラスチック材料等が使用可能である。水路構成障害物の形状は特に限定されるものではなく、装置を設置する条件、例えば、海流・潮流・波浪・河川の流水状況に応じて変更可能であり、水路構成障害物D,E,F,G,Hの中の必要なもののみを選択して用いることも可能である。
本発明の第2実施の形態に係る発電構造物1は、請求項2に記載される発明を含むものであり、図1に示すように、前記一対の板動翼機構体A,A(図2参照)を平面視略台形状の上部板と下部板の中間部に備えた一対の台形柱構造物を前記楕円乃至長円形状の軌道がV字型形状になるように並べて上部板と上部板及び下部板と下部板を連結してV字型台形柱構造物A1,A2を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物A1,A2の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物B1,B2を装着し、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2を装着し、
前記V字型台形柱構造物A1,A2の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室Uを装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸R,R’として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
前記第2実施の形態に係る発電構造物1は、図1又は図2に示すシングル軌道100sからなり、左右一対の相似形構造物をV字型に連結したV字型台形柱構造物A1,A2と、該V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的で装着される集取水水路構造物B1,B2と、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に装着される反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2と、前記V字型台形柱構造物の上部に発電用動力を発生する機構を内蔵した機関室Uとを備えており、前記の左側に位置する構造物(A1,B1,C1)と右側に位置する構造物(A2,B2,C3)とは、図1の部分拡大図(b)に示すように、それぞれの構造物を構成する左右の板の突き合わせ部を一方の実線乃至点線で示す両端部の隙間に他方の板の端部を噛み合わせ、或いは実線部の下方に重ね合わせて両板の重ね合わせ部に左右に細長状の貫通孔を設けてこの貫通孔にボルト・ナットを通して接合し、両板を左右方向に引張り又は押込んで広狭調節可能に固定することが好ましい。また、前記左側構造物と右側構造物の先頭部R,(R’)を回動可能に係止し後部を広狭調節して水流速度と流量を調節する機能を備えることが好ましい。更に、前記の発電構造物は台船の船底部に吊り下がりローラーを付けて配置し又は浮かした状態で錨や基礎杭で海底に繋ぎ留めておくことも可能である。前記各構造物を骨格をなす躯体を支える上部板と下部板と柱等は耐腐食性の鋼材等を用いて強固に構成される。水路構成障害物D,E,F,G,Hを柱の代わりに又は柱と共に筋交い等を設けてもよい。
V字型台形柱構造物A1,A2は、図2及び図4に示すように台形状の上部板と下部板の対向する面にそれぞれ垂直方向に対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道である軌道溝又はレール193,194が設けられており、上部板191から下部板192へ、モノレール式又はボギー車体式に板動翼主軸29,31,33を吊下し、前記板動翼主軸を上部板191と下部板192の軌道溝193,194を走行するキャスター車輪29E,31E,33E及び29F,31F,33Fで受け、或いは板動翼体が浮力を発生して軽くするためにキャスター車輪の代わりに軌道を走行する小舟型のフロートで板動翼主軸を受けるように構成してもよい(図示せず)。また、図4に示す例えば、起動チェーン軸31Aと上部板キャスター軸31Bと鉛直板動翼主軸31Cと下部板キャスター軸31Dは一本の連結軸であり本明細書では板動翼主軸(21〜34,51〜64)と略称する。但し、第7実施の形態に係る発電構造物に係る板動翼主軸は、起動チェーン軸乃至上部板キャスター軸を鉛直板動翼主軸に連結せずに板動翼主軸(起動チェーン軸)に二股状アームを装着して該二股状アームの各先端部に板動翼体の従軸を係止して板動翼体を垂下する点において他の垂下式板動翼体の実施例とは異なる。
板動翼体は、往路では流れに対して直角方向に向きを変えて水流を板動翼体の全面で受けて往路Wgの水流力により軌道を周回する。板動翼体は内部を空洞とし浮力発生により軽くすることによって周回し易くすることが好ましい。復路Wbでは板動翼体は復路反転水流即ち往路水流と逆水流方向に上昇するために抵抗の少ない魚類形態のように単純構造とすることが望ましい。図2に示す板動翼体が軌道に対して直角(横方向)乃至平行(縦方向)寄りに方向転換するための必要動力は起動チェーン軸27とともに板動翼主軸27(起動チェーン軸と共通軸)に組み込まれた図4に示す板動翼主軸歯車Kが軌道の周回に応じて起動チェーン106と隣の起動チェーン107との角度が変化する作用により起動チェーンに組み込まれた固定歯車止め50が作用して自動的に相応して板動翼主軸歯車Kを回転する動力が生じて機関室U内で変速歯車の組み合わせやワンウエイ歯車などが自動的に板動翼主軸歯車Kの角度を決定する板動翼方向転換装置・機能を有する。板動翼方向転換装置・機能の他の例として、PLC(programmable logic controler)の記憶領域に軌道上における板動翼主軸の位置とその位置における板動翼主軸の軌道に対する角度を予め記憶させておき、例えばラダープログラムによって板動翼主軸が所定の角度を向くように板動翼主軸歯車Kに対して指示して自動的に板動翼体の向きを調整するように構成してもよい。また、第3実施の形態に示すダブル軌道(図3参照)や第7実施の形態に示す交差軌道(図10参照)の場合は、板動翼体がその軌道を走行することによって自動的に方向転換する機能を有するが前記PLCによる板動翼方向転換装置・機能を併用してもよい。板動翼体の周回によって板動翼体と連動する起動チェーン(101〜114)に連結された起動輪48Mが回転し起動軸49Mに連結されたディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM等を経由して増速機Lで増速されて発電機Nの動力となる。
板動翼体(41〜47,71〜77)は、例えば平板、箱状板、仕切り板又は縁枠付き板或いは断面が円弧状、半円弧状又は花弁状等の長尺板状体を海面から海底方向に垂直に延長して板動翼主軸に取り付けたものからなり、更に、これら長尺板状の左右両側に枠縁板(図2−90,91,図3−92)を取り付けて箱形状とし、前記長尺板状の上端部と下端部に断面が長方形、円弧状、半円弧状又は花弁状等の水平動翼を複葉動翼状に取り付けた水平複葉翼(41G,H〜47G,H,71G,H〜77G,H)が好ましい。ダリュウス式水車やプロペラ式水車は回転速度は速くてもトルクは小さく、倉掛式の鉛直軸乃至水平軸水車が大きなトルクが得られより効率的であることから、本発明では倉掛式水車を応用した蓋のない箱形板動翼(バケット式)が好ましい。前記水平動翼や長尺板状の断面は魚類の体型に類似したダリウス式円弧形などが好ましい。軌道1周回に設置する板動翼体の数は、設置する場所や設置条件によって異なるが往路・復路それぞれ3個以上が好ましく10個以上多いほどより好ましい。機械的抵抗・水流抵抗などを差し引き板動翼体の周回速度が水流速度に近いことが好ましい。
図1で示すV字型台形柱構造物A1,A2では水流の入口を広く、出口を狭くして水流の流速を速くするように構成されている。係るV字型台形柱構造物A1,A2を更に2個並列に並べてW字型に連結し、大型発電構造物を構成してもよい。係る大型発電構造物を設置する場合、水深が深く板動翼体の垂直方向の長さ(α)は10〜100m、或いはこれ以上の長さが必要となり、水平板動翼の長さ(β)も前記板動翼体の垂直方向の長さ(α)との関連で適宜設定する必要がある。小規模河川用の小型発電構造物・中型発電構造物にあっても水深に応じて前記α・βの数値を設定すれば対応可能である。海流速度は年間を通じて概ね安定してるので発電の変動率・稼働率も安定し、安定した電力供給が可能である。また、W字型台形柱構造物を複数個並べて超大型発電構造物を設計することも可能であり、更に鉛直軸で多軸系の台形柱構造物A1を斜め下流方向へ連結すれば海流の流れ方向を変更し、海流・潮流の海溝・海嶺への衝突と水流圧力を緩衝しつつ膨大な自然エネルギーを電力に変換し、台風、津波等の自然災害の回避、更には地球の自転速度の低速化を遅らせることに役立つことも期待し得る。
次に、前記第3実施の形態に係る発電構造物について説明する。第3実施の形態に係る発電構造物は、請求項6,7に記載される発明を含むものであり、シングル軌道を備えた前記第2実施の形態に係る発電構造物においてシングル軌道に代えて図3に示すようなダブル軌道100wを備えており、前記第2実施の形態のシングル軌道に相当する外周軌道99の内側の復路寄りに、前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道98を設け、板動翼体は水平動翼の中央部乃至やや外側寄りに板動翼主軸21〜34を設け内側端部に板動翼従軸81〜87を設けて、前記板動翼主軸は前記外周軌道を周回し板動翼従軸が前記内周軌道を周回するように構成される。更に、内周軌道98は、板動翼従軸が後方の湾曲部を周回しやすくするために変曲点97以降の湾曲部を外側にやや拡張するように設けることが好ましい。
外周軌道に係る起動チェーン軸にはストッパー89を備え、或いは外周軌道に係る起動チェーン軸と内周軌道に係る起動チェーン軸とを斜め方向に連結されるドアクローザー式折畳みアーム88が設けてある。図3,6に示す旋回自在な垂直板動翼(175a,175b)の場合、水流方向P1(図1)が板動翼体に直角に当たるようになったときにドアクローザー式折畳みアーム88が伸張し或いはストッパー89が作用して垂直板動翼は閉じた状態で往路を走行する。更に可変式垂直動翼の外側の周縁部には枠渕板92を水流方向により半旋回可能に延設させ、曲線軌道を通過時点では枠縁板92が自動的に閉鎖しその後往路では開いた状態で走行する。板動翼体が往路から復路向かう湾曲軌道を通過する時点では水流力を受けて左右の垂直板動翼は水流の方向へ旋回解放して復路反転走行が軽くなるように補助する。旋回自在な垂直板動翼は復路反転水路を遡り上流側の曲線軌道を通過し往路側に差し掛かって上下の水平板動翼に設置された旋回止めストッパー89で止まり、水流力により自然に箱状の底板の役割をなし水流を漏らさずに取り込んで周回する。
次に、前記第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物について説明する。第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物は、請求項9に記載される発明を含むものであり、前記第2実施の形態に係る発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、前記板動翼体がバタフライ泳法のように作動しながら軌道を周回するように構成される。詳細には図7,8に示すように、台船202を中央に配置し台船の左右両側にそれぞれ一対の側面板212,212を空間をあけて設置し対向する面にそれぞれ対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を備えた側面板軌道溝(レール)193,194を設け、複数個の板動翼体の板動翼主軸をそれぞれ起動チェーン210,211で間隔をおいて連結し、板動翼主軸の両端部にローラー車輪207〜209を回転可能に取り付けて前記一対の側面板軌道溝にそれぞれ走行可能に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする板動翼機構体を構成し、この板動翼機構体を台船の左右両側に並列に配置する。
バタフライ型発電構造物の前方にある集取水目的の角柱台形構造物の最前部には甲板部中心点Rと底部中心点R’を連結する鋼管部(r,r’)が係留部として設けられ、バタフライ型発電構造物の旋回中心軸として機能することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
台船内部には前記板動翼体の周回に伴って左右の起動チェーン210,211に係合する起動輪が回転することによって生じる動力(トルク)がデファレンシャルギヤーM又は笠ギヤー、ウォームギヤー及び増速機L等を介して発電機を回転して発電する。
図8に示すように枠縁付水平板動翼は軌道の外側部分でボスピン乃至蝶番によって折り畳み可能に構成されている。バタフライ型発電構造物は略下半分が水流中に沈み、上半分を台船の浮力によって水面に浮上した状態で配置する。枠縁付水平板動翼は空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で枠縁付水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行し、前記したとおり発電機を回転する動力が発生する。
次に、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物について説明する。この第5実施の形態に係る発電構造物は、請求項3,5に記載される発明を含むものであり、図9に示すように、第1又は第2実施の形態に係る発電構造物における下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに略楕円乃至長円形状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部にキャスター車輪(21E〜34E)を装着し前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道と平行な方向を向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本発明の発電構造物は、板動翼体を主軸の上方部のみで軌道に掛架する点及び下部板を取り除いて天板を用いる点において他の発電構造物と異なる。天板を用いることによって板動翼体を下部板と天板の両方で支持して強固に固定するものである。
台形柱構造物A1,A2の下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部を前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置した構造物を台船の船底に設置するように構成してもよい。
この発電構造物は、台形柱構造物A1,A2、集取水水路構造物B1,B2、反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2のような巨大な構造物を設ける代わりに、板動翼機構体を海底に向けて垂下するように構成する。或いは、水路構成障害物(D,E,F,G,H)を板動翼機構体と一緒に海底に向けて垂下するように構成してもよい。これらを洋上の設置点まで運搬して洋上に浮かべた台船から板動翼機構体、更に水路構成障害物を海底に向けて垂下して設置する。板動翼機構体に潮流が当たることによって台船の船首側が下方に傾くことを防止するために台船自体をバラスト等で安定化することが好ましい。或いは、台船の船首側をワイヤーで海底に固定するとともに水路構成障害物の下端部を海底に固定してもよい。
本発明の第6実施の形態に係る発電構造物は、請求項6及び請求項10に記載される発明を含み、図10(a)に示すように太線で描かれる長円形の内周軌道98と細線で描かれる一点99aで交差する交差軌道99を設けた板動翼機構体を備えてなる。本実施の形態について特徴的な部分について以下説明する。図10(b)に示すように上下に離間して設けた3枚の上部板の上段の第1上部板191aには中央溝の両側に畝状の内周軌道98が形成され、中段の第2上部板191bと下段の第3上部板191cには溝状の交差軌道99b,99cがそれぞれ対応して形成されている。複数個の板動翼主軸(起動チェーン軸:51〜59)がそれぞれ間隔をおいて起動チェーン122で連結されており、この板動翼主軸には下向きに車輪又はベアリングを取り付けた走行部(51E〜59E)が前記内周軌道98に添って走行可能に装着されている。また、前記板動翼主軸の下方には二股状アーム52Fが装着されており、二股状アームの各先端部には、第3上部板の下方に垂下する板動翼体(41〜49)を保持する2本の従軸(81a,81b〜89a,89b)が係止している。前記板動翼体の2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ第2上部板191b及び第3上部板191cに設けられる交差軌道99b,99c(平面視内周軌道98の左右に位置する)を貫通し軌道との接触面にそれぞれベアリングを介して走行可能に掛架している。そして前記板動翼体が内周軌道98に添って走行するに従って左右の従軸82a,82bを結んだ直線の向きつまり板動翼体の向きが変わり、板動翼体が水流に対向する図10(a)の右側に位置する往路では両軌道又は水流に対して略直角方向を向き、図10(a)の左側に位置する復路では両軌道に平行乃至軌道寄りの方向を向いて走行するように構成される。また、上部板は前記第1上部板191aと第2上部板191bの2枚で構成することも可能であるが板動翼体の揺動を抑制し或いは強度を考慮して第3上部板191cを含む3枚で構成することが好ましい。
また、隣接する従軸、例えば、82aと83a、82bと83bをそれぞれ図示しないドアクローザー式折畳みアーム(図3:88参照)でパンタグラフ状に可動連結して板動翼体の揺動を抑制することが好ましい。或いは前記板動翼体の中央部(板動翼主軸に相当する位置)を前記上部板の内周軌道98と対応して設けた図示しない下部板の内周軌道98に走行可能に係合させて揺動を抑制するように構成してもよい。交差軌道99における交差点99aは水流の上流側乃至下流側の何れの側にも配置できるが、板動翼機構体を先頭部が後方部より広いV字状に設置した場合に板動翼体の向きを水流に平行に近づけるためには図10(a)に示すように上流側に配置することが好ましい。また、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物と同様に前記上部板の上方に図示しない天板を設けて該天板に内周軌道を対応させて設け、前記板動翼主軸(起動チェーン軸)を上方に延長して走行部(51E〜59E)乃至キャスター車輪を前記天板の内周軌道に添って走行可能に設けてもよい。交差点において確実に直線方向を走行するように交差軌道99b,99cを走行する進行方向の前後に先細状のガイドGdを従軸に装着することが好ましい。また、本実施の形態に係る発電構造物を前記V字型台形柱構造物とし水路構造物と共に台船に設置して台船の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することも本発明の範囲に含まれる。
海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する発電構造物は化石燃料による発電に代わる発電装置として期待できるばかりでなく発電構造物を構成する反転誘導曲面柱水路構造物は消波堤としての用途にも応用できる。
A 板動翼機構体
A1,A2 (V字型)台形柱構造物
B1,B2 集取水水路構造物
C1,C2 反転誘導曲面柱水路構造物
D,E,F,G,H 水路構成障害物
P,P1,P2,P3,・・・ 水流
I1,I2,J1,J2 反転水路
Wg 往路、 Wb 復路
R,R’ 旋回中心軸
r,r’ 鋼管部(第3実施の形態)
K 板動翼主軸歯車
M ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアー
L 増速機
N 発電機
U 機関室
1 発電構造物
21〜34 板動翼主軸(第1及び第2実施の形態)
21E,F〜34E,F キャスター車輪(第1及び第2実施の形態)
51〜64 板動翼主軸(第3実施の形態)
51E〜59E 走行部(第6実施の形態
51F〜59F 二股状アーム(第6実施の形態
41〜49 板動翼体(第1,2及び6実施の形態
71〜77 板動翼体(第3実施の形態)
41G,H〜47G,H 水平複葉翼(第1及び第2実施の形態)
71G,H〜77G,H 水平複葉翼(第3実施の形態)
141〜147 垂直板動翼(第1及び第2実施の形態)
171〜177 垂直板動翼(第3実施の形態)
172a,172b/175a,175b 垂直板動翼(第3実施の形態)
48M 起動輪
49M 起動軸
50 固定歯車止め
81〜87 板動翼従軸(第3実施の形態)
81a,81b〜89a,89b 板動翼従軸(第6実施の形態
88 折畳みアーム(第3実施の形態)
89 ストッパー(第3実施の形態)
90〜92 枠縁板
97 軌道の変曲点(第3実施の形態)
98 内周軌道(第3及び第6実施の形態
99 外周軌道(第3実施の形態)
99a 交差点 99b,99c 交差軌道、 Gd ガイド(第6実施の形態
100 軌道(シングル,ダブル)
100s シングル軌道
100w ダブル軌道
101〜114 起動チェーン(第1及び第2実施の形態)
121〜134 起動チェーン(第3実施の形態)
191 上部板(第1及び第2実施の形態)
191a,191b,191c 第1,第2,第3上部板(第6実施の形態
192c 天板(第5実施の形態
192d 下部板(第1及び第2実施の形態)
193 上部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
194c 天板軌道溝(レール)(第5実施の形態
194d 下部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
201 台船(第4実施の形態)、 202 台船底部(第4実施の形態)
203,204 板動翼体(第4実施の形態)
205,206 板動翼主軸(第4実施の形態)
207〜209 ローラー車輪(第4実施の形態)
210〜211 起動チェーン(第4実施の形態)
212 側面板(第4実施の形態)
213 側面板軌道溝(レール)(第4実施の形態)
本発明は、海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する多用途に応用可能な発電構造物に関するものである。
海流・潮流・波浪・河川水流を利用して発電する水車発電装置などの構造物には鉛直起動軸水車の倉掛水車、昔からある水平起動軸両用水車、その他サヴォニウス式風車やダリウス式風車等を応用した水車があり、また、水平起動軸水車では船のエンジンの代わりに発電機を設置したスクリュウ式水車や海底設置型プロペラ式水車乃至発電装置、魚雷型水車、縄跳び式水車等の多種多様な水車がある。狭い海峡を更に埋め立てて狭くし、海水流の流れを速くしてプロペラの高速回転を得ようとする例もある。水平起動軸水車も鉛直起動軸水車も単一軸ではどちらも一長一短のある構造であり技術的研究が継続されている。これらの水車を応用した効率よい海洋発電構造物や係る構造物を波浪防波堤として役立てる技術は未だに見出されていない。
また、地球の自転速度は長期的には、主に潮汐摩擦(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によって次第に遅くなっていることがアメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and Space Administration)などの報告で分かっている。この地球の自転速度の遅れに合わせて原子時計を調整するために数年に一度「うるう秒」を挿入して調整している。地球の自転を遅らすほどに自然エネルギーは巨大エネルギーを保有しており、この巨大な自然エネルギーを有効利用することが本願発明の主たる課題であり、係る自然エネルギーを有効利用することによって潮汐摩擦を軽減させて地球の自転運動速度の減速による予期し得ぬ支障を先延ばしすることに寄与するも実証はされていない。
本発明者は、海流・潮流・波浪を含む自然エネルギーを利用する発電構造物について興味を持ち思索を続けており、以前に「波浪水車装置及びこの波浪水車装置を用いた海洋発電装置」について特許出願し特許を取得した(特許文献1参照)。本発明は自然エネルギーを利用する点において前記発明と共通するが、従来の水車の概念とは全く異なる技術的思想に基づくものである。
特許第4260546号公報
地球表面積の約7割を占める海洋において、太陽エネルギーを受けて空気乃至海面との温度差を生じ、太陽・月の引力が海面の上下方向に作用して海流・潮流が発生すると考えられる。米国エネルギー省によれば、海流・潮流等の自然現象に基づく自然エネルギーは世界の電力需要の約2倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有し、波力を含めると約3倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有していると言われている。本発明は、このような膨大な自然エネルギーを発電に有効利用するための装置の開発と太陽エネルギーに原因すると言われる台風・エルニーニョ・ハリケーンや地震による津波等の自然災害を低減することを主な課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて配置されており、
前記一対の板動翼機構体の各先頭部、外周側、軌道内側及び後方の何れかに間隙をおいて1乃至複数個の水路構成障害物を上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路とし、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本願明細書等において、「先頭部」「最前部」または「前方」なる用語は水流に対向する側を意味し、「後方」または「後部」なる用語は水流に反対向する側を意味する。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
平面視略台形状の上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を内蔵する一対の台形柱構造物を前記
板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて並べて上部板と上部板及び下部板と下部板同士を連結してV字型台形柱構造物を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物を装着し、前記V字型台形柱構造物と集取水水路構造物の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物を装着し、
前記V字型台形柱構造物の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室を装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記板動翼体は、板動翼主軸の上端部と下端部にそれぞれ水平動翼を複葉翼状に装着し、各水平動翼は断面が円弧形又は半円弧形の3D立体曲面形状に形成し、前記上下の水平動翼の中間部には、水流方向により半旋回可能な2枚の可変式垂直動翼を主軸方向に沿って装着し、前記可変式垂直動翼の少なくとも外側の周縁部を含み左右両側周縁部に枠縁板を互いに異なる方向に向けて延設させてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記反転誘導曲面柱水路構造物は複数の曲面柱構造物を湾曲面が垂直になるように間隙をおいて並べて配置して、隣接する曲面柱構造物と曲面柱構造物との間隙を流水を反転誘導させる水路としてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
台船を中央に配置し台船の左右両側にそれぞれ一対の側面板を空間をあけて設置し対向する面にそれぞれ対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を備えた側面板軌道溝を設け、複数個の板動翼体の板動翼主軸をそれぞれ起動チェーンで間隔をおいて連結し、板動翼主軸の両端部にローラー車輪を回転可能に取り付けて前記一対の側面板軌道溝にそれぞれ走行可能に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする板動翼機構体を構成し、この板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにして台船の左右両側に並列に配置し、前記板動翼体は水平板動翼が軌道の外側部分で折り畳み可能に構成されていて空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行する一連の動作がバタフライ泳法の腕で水をかく動作に対応して軌道を周回することを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、少なくとも一点において交差する交差軌道又は該交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせたエンドレス状の軌道を備えた前記の発電構造物において、
上下に離間して複数の上部板を設け、上段の上部板には略楕円乃至長円形状のエンドレス状の内周軌道を設け、他の上部板には少なくとも一点において交差する交差軌道をそれぞれ対応して設け、
前記上部板に形成された内周軌道には間隔をおいて連結された複数個の板動翼の主軸が走行部を介して走行可能に掛架し、該板動翼主軸の下方部に二股状アームを装着し、二股状アームの各先端部には下方に垂下する板動翼体を保持する2本の従軸を係止し、係る2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ前記他の上部板に設けられる前記交差軌道にそれぞれ走行可能に掛架していることを特徴とする発電構造物とすることが好ましい。
本発明の発電構造物による海流・潮流発電は、従来の風車等の風力発電に比較して大量の水流移動力を確保することができ、1翼の板動翼体で100%の水流力を確保でき、3翼セットすれば300%の水流力を確保でき強力なトルクを発生することが可能となる。更に風力や太陽エネルギー等に比較して得られるエネルギーの変動率が低いので、年間を通して安定的な稼働が可能である。風力や太陽エネルギーは風向きや太陽の向きに応じてプロペラや光パネルの向きを変える構造が複雑であるに対して本発明の発電構造物は自動的に水流方向に向かって発電することが可能であり複雑な機構は一切不要である。本発明の発電構造物や消波反転誘導曲面柱水路構造物を海底斜面に飛び石状に配置して波浪同士を衝突させて波力を消耗させることによって津波等の自然災害を防ぐ効果をも併有するものである。
(a)は本発明の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の平面図であり、(b)は板の突き合わせ接合部の部分拡大図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第3実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 図1の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の正面視説明図である。 可変式複葉翼状の水平板動翼体の斜視図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の平面視説明図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の側面視説明図である。 本発明の第5実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 (a)は本発明の第6実施の形態に係る一点において交差する交差軌道を組み合わせた板動翼機構体の一例を示す平面図であり、(b)は板動翼体主軸及び従軸と上部板との関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下「本発明の実施の形態」と称する)について図面を参照して説明する。しかしながら本発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。また、符号の説明の項で「r,r’鋼管部(第3実施の形態)」のように記載したのは例示であって、この符号が第3実施の形態に限定して用いることを意味するものではない。
本発明の第1実施の形態に係る発電構造物1は、請求項1に記載される発明を含むものであり、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、上部板191と下部板192を柱乃至水路構成障害物D,E,F,G,Hで支持する躯体の前記上部板と下部板に上部軌道溝(レール)193及び下部軌道溝(レール)194等からなるエンドレス状の軌道100,100をそれぞれ対応させて設ける。この軌道は敷設した状態の平面から見た形状がエンドレス状である限り特に限定されず、あらゆる形状を含み立体的な軌道も含まれる。軌道自体も板動翼体を走行可能に係止できる限り特に限定するものではない。例えば、略楕円乃至長円形状のシングル軌道(図1又は図2参照)、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道(図3参照)、又は少なくとも一点において交差する交差軌道又は前記交差軌道を含む複数の軌道の組み合わせ(図10参照)の何れかからなるものが好ましい。
複数個の板動翼体の主軸21〜34をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体(41〜47,71〜77)が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体A,Aを構成し、
前記一対の板動翼機構体A,Aを先頭部が後部より広い略V字状の水路を構成する間隙をおいて配置し、
前記一対の板動翼機構体A,Aの各先頭部、外周側、軌道内側及び後方にそれぞれ間隙をおいて複数個の水路構成障害物D,E,F,G,Hを上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路として構成し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路Wgでは軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路Wbでは水流に添って軌道と平行若しくは軌道寄りの方向に向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する起動チェーン(101〜114,121〜134)、起動輪48M、ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM及び増速機L等の回転伝導手段を介して発電装置Nを作動させることを特徴とする。
発電構造物は海水による耐腐食性を有する強度を保持する材料であれば何ら限定されず例えば耐腐食性を施した鋼材や合金、各種構造材料やプラスチック材料等が使用可能である。水路構成障害物の形状は特に限定されるものではなく、装置を設置する条件、例えば、海流・潮流・波浪・河川の流水状況に応じて変更可能であり、水路構成障害物D,E,F,G,Hの中の必要なもののみを選択して用いることも可能である。
本発明の第2実施の形態に係る発電構造物1は、請求項2に記載される発明を含むものであり、図1に示すように、前記一対の板動翼機構体A,A(図2参照)を平面視略台形状の上部板と下部板の中間部に備えた一対の台形柱構造物を前記楕円乃至長円形状の軌道がV字型形状になるように並べて上部板と上部板及び下部板と下部板を連結してV字型台形柱構造物A1,A2を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物A1,A2の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物B1,B2を装着し、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2を装着し、
前記V字型台形柱構造物A1,A2の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室Uを装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸R,R’として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
前記第2実施の形態に係る発電構造物1は、図1又は図2に示すシングル軌道100sからなり、左右一対の相似形構造物をV字型に連結したV字型台形柱構造物A1,A2と、該V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的で装着される集取水水路構造物B1,B2と、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に装着される反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2と、前記V字型台形柱構造物の上部に発電用動力を発生する機構を内蔵した機関室Uとを備えており、前記の左側に位置する構造物(A1,B1,C1)と右側に位置する構造物(A2,B2,C3)とは、図1の部分拡大図(b)に示すように、それぞれの構造物を構成する左右の板の突き合わせ部を一方の実線乃至点線で示す両端部の隙間に他方の板の端部を噛み合わせ、或いは実線部の下方に重ね合わせて両板の重ね合わせ部に左右に細長状の貫通孔を設けてこの貫通孔にボルト・ナットを通して接合し、両板を左右方向に引張り又は押込んで広狭調節可能に固定することが好ましい。また、前記左側構造物と右側構造物の先頭部R,(R’)を回動可能に係止し後部を広狭調節して水流速度と流量を調節する機能を備えることが好ましい。更に、前記の発電構造物は台船の船底部に吊り下がりローラーを付けて配置し又は浮かした状態で錨や基礎杭で海底に繋ぎ留めておくことも可能である。前記各構造物を骨格をなす躯体を支える上部板と下部板と柱等は耐腐食性の鋼材等を用いて強固に構成される。水路構成障害物D,E,F,G,Hを柱の代わりに又は柱と共に筋交い等を設けてもよい。
V字型台形柱構造物A1,A2は、図2及び図4に示すように台形状の上部板と下部板の対向する面にそれぞれ垂直方向に対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道である軌道溝又はレール193,194が設けられており、上部板191から下部板192へ、モノレール式又はボギー車体式に板動翼主軸29,31,33を吊下し、前記板動翼主軸を上部板191と下部板192の軌道溝193,194を走行するキャスター車輪29E,31E,33E及び29F,31F,33Fで受け、或いは板動翼体が浮力を発生して軽くするためにキャスター車輪の代わりに軌道を走行する小舟型のフロートで板動翼主軸を受けるように構成してもよい(図示せず)。また、図4に示す例えば、起動チェーン軸31Aと上部板キャスター軸31Bと鉛直板動翼主軸31Cと下部板キャスター軸31Dは一本の連結軸であり本明細書では板動翼主軸(21〜34,51〜64)と略称する。但し、第7実施の形態に係る発電構造物に係る板動翼主軸は、起動チェーン軸乃至上部板キャスター軸を鉛直板動翼主軸に連結せずに板動翼主軸(起動チェーン軸)に二股状アームを装着して該二股状アームの各先端部に板動翼体の従軸を係止して板動翼体を垂下する点において他の垂下式板動翼体の実施例とは異なる。
板動翼体は、往路では流れに対して直角方向に向きを変えて水流を板動翼体の全面で受けて往路Wgの水流力により軌道を周回する。板動翼体は内部を空洞とし浮力発生により軽くすることによって周回し易くすることが好ましい。復路Wbでは板動翼体は復路反転水流即ち往路水流と逆水流方向に上昇するために抵抗の少ない魚類形態のように単純構造とすることが望ましい。図2に示す板動翼体が軌道に対して直角(横方向)乃至平行(縦方向)寄りに方向転換するための必要動力は起動チェーン軸27とともに板動翼主軸27(起動チェーン軸と共通軸)に組み込まれた図4に示す板動翼主軸歯車Kが軌道の周回に応じて起動チェーン106と隣の起動チェーン107との角度が変化する作用により起動チェーンに組み込まれた固定歯車止め50が作用して自動的に相応して板動翼主軸歯車Kを回転する動力が生じて機関室U内で変速歯車の組み合わせやワンウエイ歯車などが自動的に板動翼主軸歯車Kの角度を決定する板動翼方向転換装置・機能を有する。板動翼方向転換装置・機能の他の例として、PLC(programmable logic controler)の記憶領域に軌道上における板動翼主軸の位置とその位置における板動翼主軸の軌道に対する角度を予め記憶させておき、例えばラダープログラムによって板動翼主軸が所定の角度を向くように板動翼主軸歯車Kに対して指示して自動的に板動翼体の向きを調整するように構成してもよい。また、第3実施の形態に示すダブル軌道(図3参照)や第7実施の形態に示す交差軌道(図10参照)の場合は、板動翼体がその軌道を走行することによって自動的に方向転換する機能を有するが前記PLCによる板動翼方向転換装置・機能を併用してもよい。板動翼体の周回によって板動翼体と連動する起動チェーン(101〜114)に連結された起動輪48Mが回転し起動軸49Mに連結されたディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM等を経由して増速機Lで増速されて発電機Nの動力となる。
板動翼体(41〜47,71〜77)は、例えば平板、箱状板、仕切り板又は縁枠付き板或いは断面が円弧状、半円弧状又は花弁状等の長尺板状体を海面から海底方向に垂直に延長して板動翼主軸に取り付けたものからなり、更に、これら長尺板状の左右両側に枠縁板(図2−90,91,図3−92)を取り付けて箱形状とし、前記長尺板状の上端部と下端部に断面が長方形、円弧状、半円弧状又は花弁状等の水平動翼を複葉動翼状に取り付けた水平複葉翼(41G,H〜47G,H,71G,H〜77G,H)が好ましい。ダリュウス式水車やプロペラ式水車は回転速度は速くてもトルクは小さく、倉掛式の鉛直軸乃至水平軸水車が大きなトルクが得られより効率的であることから、本発明では倉掛式水車を応用した蓋のない箱形板動翼(バケット式)が好ましい。前記水平動翼や長尺板状の断面は魚類の体型に類似したダリウス式円弧形などが好ましい。軌道1周回に設置する板動翼体の数は、設置する場所や設置条件によって異なるが往路・復路それぞれ3個以上が好ましく10個以上多いほどより好ましい。機械的抵抗・水流抵抗などを差し引き板動翼体の周回速度が水流速度に近いことが好ましい。
図1で示すV字型台形柱構造物A1,A2では水流の入口を広く、出口を狭くして水流の流速を速くするように構成されている。係るV字型台形柱構造物A1,A2を更に2個並列に並べてW字型に連結し、大型発電構造物を構成してもよい。係る大型発電構造物を設置する場合、水深が深く板動翼体の垂直方向の長さ(α)は10〜100m、或いはこれ以上の長さが必要となり、水平板動翼の長さ(β)も前記板動翼体の垂直方向の長さ(α)との関連で適宜設定する必要がある。小規模河川用の小型発電構造物・中型発電構造物にあっても水深に応じて前記α・βの数値を設定すれば対応可能である。海流速度は年間を通じて概ね安定してるので発電の変動率・稼働率も安定し、安定した電力供給が可能である。また、W字型台形柱構造物を複数個並べて超大型発電構造物を設計することも可能であり、更に鉛直軸で多軸系の台形柱構造物A1を斜め下流方向へ連結すれば海流の流れ方向を変更し、海流・潮流の海溝・海嶺への衝突と水流圧力を緩衝しつつ膨大な自然エネルギーを電力に変換し、台風、津波等の自然災害の回避、更には地球の自転速度の低速化を遅らせることに役立つことも期待し得る。
次に、前記第3実施の形態に係る発電構造物について説明する。第3実施の形態に係る発電構造物は、請求項4に記載される発明を含むものであり、シングル軌道を備えた前記第2実施の形態に係る発電構造物においてシングル軌道に代えて図3に示すようなダブル軌道100wを備えており、前記第2実施の形態のシングル軌道に相当する外周軌道99の内側の復路寄りに、前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道98を設け、板動翼体は水平動翼の中央部乃至やや外側寄りに板動翼主軸21〜34を設け内側端部に板動翼従軸81〜87を設けて、前記板動翼主軸は前記外周軌道を周回し板動翼従軸が前記内周軌道を周回するように構成される。更に、内周軌道98は、板動翼従軸が後方の湾曲部を周回しやすくするために変曲点97以降の湾曲部を外側にやや拡張するように設けることが好ましい。
外周軌道に係る起動チェーン軸にはストッパー89を備え、或いは外周軌道に係る起動チェーン軸と内周軌道に係る起動チェーン軸とを斜め方向に連結されるドアクローザー式折畳みアーム88が設けてある。図3,6に示す旋回自在な垂直板動翼(175a,175b)の場合、水流方向P1(図1)が板動翼体に直角に当たるようになったときにドアクローザー式折畳みアーム88が伸張し或いはストッパー89が作用して垂直板動翼は閉じた状態で往路を走行する。更に可変式垂直動翼の外側の周縁部には枠縁板92を水流方向により半旋回可能に延設させ、曲線軌道を通過時点では枠縁板92が自動的に閉鎖しその後往路では開いた状態で走行する。板動翼体が往路から復路向かう湾曲軌道を通過する時点では水流力を受けて左右の垂直板動翼は水流の方向へ旋回解放して復路反転走行が軽くなるように補助する。旋回自在な垂直板動翼は復路反転水路を遡り上流側の曲線軌道を通過し往路側に差し掛かって上下の水平板動翼に設置された旋回止めストッパー89で止まり、水流力により自然に箱状の底板の役割をなし水流を漏らさずに取り込んで周回する。
次に、前記第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物について説明する。第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物は、請求項6に記載される発明を含むものであり、前記第2実施の形態に係る発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、前記板動翼体がバタフライ泳法のように作動しながら軌道を周回するように構成される。詳細には図7,8に示すように、台船202を中央に配置し台船の左右両側にそれぞれ一対の側面板212,212を空間をあけて設置し対向する面にそれぞれ対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を備えた側面板軌道溝(レール)193,194を設け、複数個の板動翼体の板動翼主軸をそれぞれ起動チェーン210,211で間隔をおいて連結し、板動翼主軸の両端部にローラー車輪207〜209を回転可能に取り付けて前記一対の側面板軌道溝にそれぞれ走行可能に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする板動翼機構体を構成し、この板動翼機構体を台船の左右両側に並列に配置する。
バタフライ型発電構造物の前方にある集取水目的の角柱台形構造物の最前部には甲板部中心点Rと底部中心点R’を連結する鋼管部(r,r’)が係留部として設けられ、バタフライ型発電構造物の旋回中心軸として機能することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
台船内部には前記板動翼体の周回に伴って左右の起動チェーン210,211に係合する起動輪が回転することによって生じる動力(トルク)がデファレンシャルギヤーM又は笠ギヤー、ウォームギヤー及び増速機L等を介して発電機を回転して発電する。
図8に示すように水平板動翼は軌道の外側部分でボスピン乃至蝶番によって折り畳み可能に構成されている。バタフライ型発電構造物は略下半分が水流中に沈み、上半分を台船の浮力によって水面に浮上した状態で配置する。水平板動翼は空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行し、前記したとおり発電機を回転する動力が発生する。
次に、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物について説明する。この第5実施の形態に係る発電構造物は、請求項3に記載される発明を含むものであり、図9に示すように、第1又は第2実施の形態に係る発電構造物における下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに略楕円乃至長円形状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部にキャスター車輪(21E〜34E)を装着し前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道と平行な方向を向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本発明の発電構造物は、板動翼体を主軸の上方部のみで軌道に掛架する点及び下部板を取り除いて天板を用いる点において他の発電構造物と異なる。天板を用いることによって板動翼体を下部板と天板の両方で支持して強固に固定するものである。
台形柱構造物A1,A2の下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部を前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置した構造物を台船の船底に設置するように構成してもよい。
この発電構造物は、台形柱構造物A1,A2、集取水水路構造物B1,B2、反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2のような巨大な構造物を設ける代わりに、板動翼機構体を海底に向けて垂下するように構成する。或いは、水路構成障害物(D,E,F,G,H)を板動翼機構体と一緒に海底に向けて垂下するように構成してもよい。これらを洋上の設置点まで運搬して洋上に浮かべた台船から板動翼機構体、更に水路構成障害物を海底に向けて垂下して設置する。板動翼機構体に潮流が当たることによって台船の船首側が下方に傾くことを防止するために台船自体をバラスト等で安定化することが好ましい。或いは、台船の船首側をワイヤーで海底に固定するとともに水路構成障害物の下端部を海底に固定してもよい。
本発明の第6実施の形態に係る発電構造物は、請求項7に記載される発明を含み、図10(a)に示すように太線で描かれる長円形の内周軌道98と細線で描かれる一点99aで交差する交差軌道99を設けた板動翼機構体を備えてなる。本実施の形態について特徴的な部分について以下説明する。図10(b)に示すように上下に離間して設けた3枚の上部板の上段の第1上部板191aには中央溝の両側に畝状の内周軌道98が形成され、中段の第2上部板191bと下段の第3上部板191cには溝状の交差軌道99b,99cがそれぞれ対応して形成されている。複数個の板動翼主軸(起動チェーン軸:51〜59)がそれぞれ間隔をおいて起動チェーン122で連結されており、この板動翼主軸には下向きに車輪又はベアリングを取り付けた走行部(51E〜59E)が前記内周軌道98に添って走行可能に装着されている。また、前記板動翼主軸の下方には二股状アーム52Fが装着されており、二股状アームの各先端部には、第3上部板の下方に垂下する板動翼体(41〜49)を保持する2本の従軸(81a,81b〜89a,89b)が係止している。前記板動翼体の2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ第2上部板191b及び第3上部板191cに設けられる交差軌道99b,99c(平面視内周軌道98の左右に位置する)を貫通し軌道との接触面にそれぞれベアリングを介して走行可能に掛架している。そして前記板動翼体が内周軌道98に添って走行するに従って左右の従軸82a,82bを結んだ直線の向きつまり板動翼体の向きが変わり、板動翼体が水流に対向する図10(a)の右側に位置する往路では両軌道又は水流に対して略直角方向を向き、図10(a)の左側に位置する復路では両軌道に平行乃至軌道寄りの方向を向いて走行するように構成される。また、上部板は前記第1上部板191aと第2上部板191bの2枚で構成することも可能であるが板動翼体の揺動を抑制し或いは強度を考慮して第3上部板191cを含む3枚で構成することが好ましい。
また、隣接する従軸、例えば、82aと83a、82bと83bをそれぞれ図示しないドアクローザー式折畳みアーム(図3:88参照)でパンタグラフ状に可動連結して板動翼体の揺動を抑制することが好ましい。或いは前記板動翼体の中央部(板動翼主軸に相当する位置)を前記上部板の内周軌道98と対応して設けた図示しない下部板の内周軌道98に走行可能に係合させて揺動を抑制するように構成してもよい。交差軌道99における交差点99aは水流の上流側乃至下流側の何れの側にも配置できるが、板動翼機構体を先頭部が後方部より広いV字状に設置した場合に板動翼体の向きを水流に平行に近づけるためには図10(a)に示すように上流側に配置することが好ましい。また、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物と同様に前記上部板の上方に図示しない天板を設けて該天板に内周軌道を対応させて設け、前記板動翼主軸(起動チェーン軸)を上方に延長して走行部(51E〜59E)乃至キャスター車輪を前記天板の内周軌道に添って走行可能に設けてもよい。交差点において確実に直線方向を走行するように交差軌道99b,99cを走行する進行方向の前後に先細状のガイドGdを従軸に装着することが好ましい。また、本実施の形態に係る発電構造物を前記V字型台形柱構造物とし水路構造物と共に台船に設置して台船の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することも本発明の範囲に含まれる。
海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する発電構造物は化石燃料による発電に代わる発電装置として期待できるばかりでなく発電構造物を構成する反転誘導曲面柱水路構造物は消波堤としての用途にも応用できる。
A 板動翼機構体
A1,A2 (V字型)台形柱構造物
B1,B2 集取水水路構造物
C1,C2 反転誘導曲面柱水路構造物
D,E,F,G,H 水路構成障害物
P,P1,P2,P3,・・・ 水流
I1,I2,J1,J2 反転水路
Wg 往路、 Wb 復路
R,R’ 旋回中心軸
r,r’ 鋼管部(第3実施の形態)
K 板動翼主軸歯車
M ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアー
L 増速機
N 発電機
U 機関室
1 発電構造物
21〜34 板動翼主軸(第1及び第2実施の形態)
21E,F〜34E,F キャスター車輪(第1及び第2実施の形態)
51〜64 板動翼主軸(第3実施の形態)
51E〜59E 走行部(第6実施の形態)
51F〜59F 二股状アーム(第6実施の形態)
41〜49 板動翼体(第1,2及び6実施の形態)
71〜77 板動翼体(第3実施の形態)
41G,H〜47G,H 水平複葉翼(第1及び第2実施の形態)
71G,H〜77G,H 水平複葉翼(第3実施の形態)
141〜147 垂直板動翼(第1及び第2実施の形態)
171〜177 垂直板動翼(第3実施の形態)
172a,172b/175a,175b 垂直板動翼(第3実施の形態)
48M 起動輪
49M 起動軸
50 固定歯車止め
81〜87 板動翼従軸(第3実施の形態)
81a,81b〜89a,89b 板動翼従軸(第6実施の形態)
88 折畳みアーム(第3実施の形態)
89 ストッパー(第3実施の形態)
90〜92 枠縁板
97 軌道の変曲点(第3実施の形態)
98 内周軌道(第3及び第6実施の形態)
99 外周軌道(第3実施の形態)
99a 交差点 99b,99c 交差軌道、 Gd ガイド(第6実施の形態)
100 軌道(シングル,ダブル)
100s シングル軌道
100w ダブル軌道
101〜114 起動チェーン(第1及び第2実施の形態)
121〜134 起動チェーン(第3実施の形態)
191 上部板(第1及び第2実施の形態)
191a,191b,191c 第1,第2,第3上部板(第6実施の形態)
192c 天板(第5実施の形態)
192d 下部板(第1及び第2実施の形態)
193 上部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
194c 天板軌道溝(レール)(第5実施の形態)
194d 下部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
201 台船(第4実施の形態)、 202 台船底部(第4実施の形態)
203,204 板動翼体(第4実施の形態)
205,206 板動翼主軸(第4実施の形態)
207〜209 ローラー車輪(第4実施の形態)
210〜211 起動チェーン(第4実施の形態)
212 側面板(第4実施の形態)
213 側面板軌道溝(レール)(第4実施の形態)
本発明は、海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する多用途に応用可能な発電構造物に関するものである。
海流・潮流・波浪・河川水流を利用して発電する水車発電装置などの構造物には鉛直起動軸水車の倉掛水車、昔からある水平起動軸両用水車、その他サヴォニウス式風車やダリウス式風車等を応用した水車があり、また、水平起動軸水車では船のエンジンの代わりに発電機を設置したスクリュウ式水車や海底設置型プロペラ式水車乃至発電装置、魚雷型水車、縄跳び式水車等の多種多様な水車がある。狭い海峡を更に埋め立てて狭くし、海水流の流れを速くしてプロペラの高速回転を得ようとする例もある。水平起動軸水車も鉛直起動軸水車も単一軸ではどちらも一長一短のある構造であり技術的研究が継続されている。これらの水車を応用した効率よい海洋発電構造物や係る構造物を波浪防波堤として役立てる技術は未だに見出されていない。
また、地球の自転速度は長期的には、主に潮汐摩擦(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によって次第に遅くなっていることがアメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and Space Administration)などの報告で分かっている。この地球の自転速度の遅れに合わせて原子時計を調整するために数年に一度「うるう秒」を挿入して調整している。地球の自転を遅らすほどに自然エネルギーは巨大エネルギーを保有しており、この巨大な自然エネルギーを有効利用することが本願発明の主たる課題であり、係る自然エネルギーを有効利用することによって潮汐摩擦を軽減させて地球の自転運動速度の減速による予期し得ぬ支障を先延ばしすることに寄与するも実証はされていない。
本発明者は、海流・潮流・波浪を含む自然エネルギーを利用する発電構造物について興味を持ち思索を続けており、以前に「波浪水車装置及びこの波浪水車装置を用いた海洋発電装置」について特許出願し特許を取得した(特許文献1参照)。本発明は自然エネルギーを利用する点において前記発明と共通するが、従来の水車の概念とは全く異なる技術的思想に基づくものである。
特許第4260546号公報
地球表面積の約7割を占める海洋において、太陽エネルギーを受けて空気乃至海面との温度差を生じ、太陽・月の引力が海面の上下方向に作用して海流・潮流が発生すると考えられる。米国エネルギー省によれば、海流・潮流等の自然現象に基づく自然エネルギーは世界の電力需要の約2倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有し、波力を含めると約3倍に相当する発電可能自然エネルギーを保有していると言われている。本発明は、このような膨大な自然エネルギーを発電に有効利用するための装置の開発と太陽エネルギーに原因すると言われる台風・エルニーニョ・ハリケーンや地震による津波等の自然災害を低減することを主な課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて配置されており、
前記一対の板動翼機構体の各先頭部、外周側、軌道内側及び後方の何れかに間隙をおいて1乃至複数個の水路構成障害物を上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路とし、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本願明細書等において、「先頭部」「最前部」または「前方」なる用語は水流に対向する側を意味し、「後方」または「後部」なる用語は水流に反対向する側を意味する。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
平面視略台形状の上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を内蔵する一対の台形柱構造物を前記
板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて並べて上部板と上部板及び下部板と下部板同士を連結してV字型台形柱構造物を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物を装着し、前記V字型台形柱構造物と集取水水路構造物の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物を装着し、
前記V字型台形柱構造物の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室を装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記板動翼体は、板動翼主軸の上端部と下端部にそれぞれ水平動翼を複葉翼状に装着し、各水平動翼は断面が円弧形又は半円弧形の3D立体曲面形状に形成し、前記上下の水平動翼の中間部には、水流方向により半旋回可能な2枚の可変式垂直動翼を主軸方向に沿って装着し、前記可変式垂直動翼の少なくとも外側の周縁部を含み左右両側周縁部に枠縁板を互いに異なる方向に向けて延設させてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、前記反転誘導曲面柱水路構造物は複数の曲面柱構造物を湾曲面が垂直になるように間隙をおいて並べて配置して、隣接する曲面柱構造物と曲面柱構造物との間隙を流水を反転誘導させる水路としてなることを特徴とする前記の発電構造物とすることが好ましい。
前記の課題を解決するために、本発明は、少なくとも一点において交差する交差軌道又は該交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせたエンドレス状の軌道を備えた前記の発電構造物において、
上下に離間して複数の上部板を設け、上段の上部板には略楕円乃至長円形状のエンドレス状の内周軌道を設け、他の上部板には少なくとも一点において交差する交差軌道をそれぞれ対応して設け、
前記上部板に形成された内周軌道には間隔をおいて連結された複数個の板動翼の主軸が走行部を介して走行可能に掛架し、該板動翼主軸の下方部に二股状アームを装着し、二股状アームの各先端部には下方に垂下する板動翼体を保持する2本の従軸を係止し、係る2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ前記他の上部板に設けられる前記交差軌道にそれぞれ走行可能に掛架していることを特徴とする発電構造物とすることが好ましい。
本発明の発電構造物による海流・潮流発電は、従来の風車等の風力発電に比較して大量の水流移動力を確保することができ、1翼の板動翼体で100%の水流力を確保でき、3翼セットすれば300%の水流力を確保でき強力なトルクを発生することが可能となる。更に風力や太陽エネルギー等に比較して得られるエネルギーの変動率が低いので、年間を通して安定的な稼働が可能である。風力や太陽エネルギーは風向きや太陽の向きに応じてプロペラや光パネルの向きを変える構造が複雑であるに対して本発明の発電構造物は自動的に水流方向に向かって発電することが可能であり複雑な機構は一切不要である。本発明の発電構造物や消波反転誘導曲面柱水路構造物を海底斜面に飛び石状に配置して波浪同士を衝突させて波力を消耗させることによって津波等の自然災害を防ぐ効果をも併有するものである。
(a)は本発明の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の平面図であり、(b)は板の突き合わせ接合部の部分拡大図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第3実施の形態に係る板動翼機構体を示す説明図である。 本発明の第1乃至第2実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 図1の第1乃至第2実施の形態に係る発電構造物の正面視説明図である。 可変式複葉翼状の水平板動翼体の斜視図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の平面視説明図である。 第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物の側面視説明図である。 本発明の第5実施の形態に係る板動翼機構体の側面視説明図である。 (a)は本発明の第6実施の形態に係る一点において交差する交差軌道を組み合わせた板動翼機構体の一例を示す平面図であり、(b)は板動翼体主軸及び従軸と上部板との関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下「本発明の実施の形態」と称する)について図面を参照して説明する。しかしながら本発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。また、符号の説明の項で「r,r’鋼管部(第3実施の形態)」のように記載したのは例示であって、この符号が第3実施の形態に限定して用いることを意味するものではない。
本発明の第1実施の形態に係る発電構造物1は、請求項1に記載される発明を含むものであり、水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、上部板191と下部板192を柱乃至水路構成障害物D,E,F,G,Hで支持する躯体の前記上部板と下部板に上部軌道溝(レール)193及び下部軌道溝(レール)194等からなるエンドレス状の軌道100,100をそれぞれ対応させて設ける。この軌道は敷設した状態の平面から見た形状がエンドレス状である限り特に限定されず、あらゆる形状を含み立体的な軌道も含まれる。軌道自体も板動翼体を走行可能に係止できる限り特に限定するものではない。例えば、略楕円乃至長円形状のシングル軌道(図1又は図2参照)、前記シングル軌道に相当する外周軌道の内側に前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道を設けたダブル軌道(図3参照)、又は少なくとも一点において交差する交差軌道又は前記交差軌道を含む複数の軌道の組み合わせ(図10参照)の何れかからなるものが好ましい。
複数個の板動翼体の主軸21〜34をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体(41〜47,71〜77)が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体A,Aを構成し、
前記一対の板動翼機構体A,Aを先頭部が後部より広い略V字状の水路を構成する間隙をおいて配置し、
前記一対の板動翼機構体A,Aの各先頭部、外周側、軌道内側及び後方にそれぞれ間隙をおいて複数個の水路構成障害物D,E,F,G,Hを上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路として構成し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路Wgでは軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路Wbでは水流に添って軌道と平行若しくは軌道寄りの方向に向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する起動チェーン(101〜114,121〜134)、起動輪48M、ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM及び増速機L等の回転伝導手段を介して発電装置Nを作動させることを特徴とする。
発電構造物は海水による耐腐食性を有する強度を保持する材料であれば何ら限定されず例えば耐腐食性を施した鋼材や合金、各種構造材料やプラスチック材料等が使用可能である。水路構成障害物の形状は特に限定されるものではなく、装置を設置する条件、例えば、海流・潮流・波浪・河川の流水状況に応じて変更可能であり、水路構成障害物D,E,F,G,Hの中の必要なもののみを選択して用いることも可能である。
本発明の第2実施の形態に係る発電構造物1は、請求項2に記載される発明を含むものであり、図1に示すように、前記一対の板動翼機構体A,A(図2参照)を平面視略台形状の上部板と下部板の中間部に備えた一対の台形柱構造物を前記楕円乃至長円形状の軌道がV字型形状になるように並べて上部板と上部板及び下部板と下部板を連結してV字型台形柱構造物A1,A2を構成し、
連結した前記V字型台形柱構造物A1,A2の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物B1,B2を装着し、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2を装着し、
前記V字型台形柱構造物A1,A2の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室Uを装備し、
前記発電構造物の最前部を旋回中心軸R,R’として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
前記第2実施の形態に係る発電構造物1は、図1又は図2に示すシングル軌道100sからなり、左右一対の相似形構造物をV字型に連結したV字型台形柱構造物A1,A2と、該V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的で装着される集取水水路構造物B1,B2と、前記V字型台形柱構造物A1,A2と集取水水路構造物B1,B2の左右両側に装着される反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2と、前記V字型台形柱構造物の上部に発電用動力を発生する機構を内蔵した機関室Uとを備えており、前記の左側に位置する構造物(A1,B1,C1)と右側に位置する構造物(A2,B2,C3)とは、図1の部分拡大図(b)に示すように、それぞれの構造物を構成する左右の板の突き合わせ部を一方の実線乃至点線で示す両端部の隙間に他方の板の端部を噛み合わせ、或いは実線部の下方に重ね合わせて両板の重ね合わせ部に左右に細長状の貫通孔を設けてこの貫通孔にボルト・ナットを通して接合し、両板を左右方向に引張り又は押込んで広狭調節可能に固定することが好ましい。また、前記左側構造物と右側構造物の先頭部R,(R’)を回動可能に係止し後部を広狭調節して水流速度と流量を調節する機能を備えることが好ましい。更に、前記の発電構造物は台船の船底部に吊り下がりローラーを付けて配置し又は浮かした状態で錨や基礎杭で海底に繋ぎ留めておくことも可能である。前記各構造物を骨格をなす躯体を支える上部板と下部板と柱等は耐腐食性の鋼材等を用いて強固に構成される。水路構成障害物D,E,F,G,Hを柱の代わりに又は柱と共に筋交い等を設けてもよい。
V字型台形柱構造物A1,A2は、図2及び図4に示すように台形状の上部板と下部板の対向する面にそれぞれ垂直方向に対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道である軌道溝又はレール193,194が設けられており、上部板191から下部板192へ、モノレール式又はボギー車体式に板動翼主軸29,31,33を吊下し、前記板動翼主軸を上部板191と下部板192の軌道溝193,194を走行するキャスター車輪29E,31E,33E及び29F,31F,33Fで受け、或いは板動翼体が浮力を発生して軽くするためにキャスター車輪の代わりに軌道を走行する小舟型のフロートで板動翼主軸を受けるように構成してもよい(図示せず)。また、図4に示す例えば、起動チェーン軸31Aと上部板キャスター軸31Bと鉛直板動翼主軸31Cと下部板キャスター軸31Dは一本の連結軸であり本明細書では板動翼主軸(21〜34,51〜64)と略称する。但し、第7実施の形態に係る発電構造物に係る板動翼主軸は、起動チェーン軸乃至上部板キャスター軸を鉛直板動翼主軸に連結せずに板動翼主軸(起動チェーン軸)に二股状アームを装着して該二股状アームの各先端部に板動翼体の従軸を係止して板動翼体を垂下する点において他の垂下式板動翼体の実施例とは異なる。
板動翼体は、往路では流れに対して直角方向に向きを変えて水流を板動翼体の全面で受けて往路Wgの水流力により軌道を周回する。板動翼体は内部を空洞とし浮力発生により軽くすることによって周回し易くすることが好ましい。復路Wbでは板動翼体は復路反転水流即ち往路水流と逆水流方向に上昇するために抵抗の少ない魚類形態のように単純構造とすることが望ましい。図2に示す板動翼体が軌道に対して直角(横方向)乃至平行(縦方向)寄りに方向転換するための必要動力は起動チェーン軸27とともに板動翼主軸27(起動チェーン軸と共通軸)に組み込まれた図4に示す板動翼主軸歯車Kが軌道の周回に応じて起動チェーン106と隣の起動チェーン107との角度が変化する作用により起動チェーンに組み込まれた固定歯車止め50が作用して自動的に相応して板動翼主軸歯車Kを回転する動力が生じて機関室U内で変速歯車の組み合わせやワンウエイ歯車などが自動的に板動翼主軸歯車Kの角度を決定する板動翼方向転換装置・機能を有する。板動翼方向転換装置・機能の他の例として、PLC(programmable logic controler)の記憶領域に軌道上における板動翼主軸の位置とその位置における板動翼主軸の軌道に対する角度を予め記憶させておき、例えばラダープログラムによって板動翼主軸が所定の角度を向くように板動翼主軸歯車Kに対して指示して自動的に板動翼体の向きを調整するように構成してもよい。また、第3実施の形態に示すダブル軌道(図3参照)や第7実施の形態に示す交差軌道(図10参照)の場合は、板動翼体がその軌道を走行することによって自動的に方向転換する機能を有するが前記PLCによる板動翼方向転換装置・機能を併用してもよい。板動翼体の周回によって板動翼体と連動する起動チェーン(101〜114)に連結された起動輪48Mが回転し起動軸49Mに連結されたディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアーM等を経由して増速機Lで増速されて発電機Nの動力となる。
板動翼体(41〜47,71〜77)は、例えば平板、箱状板、仕切り板又は縁枠付き板或いは断面が円弧状、半円弧状又は花弁状等の長尺板状体を海面から海底方向に垂直に延長して板動翼主軸に取り付けたものからなり、更に、これら長尺板状の左右両側に枠縁板(図2−90,91,図3−92)を取り付けて箱形状とし、前記長尺板状の上端部と下端部に断面が長方形、円弧状、半円弧状又は花弁状等の水平動翼を複葉動翼状に取り付けた水平複葉翼(41G,H〜47G,H,71G,H〜77G,H)が好ましい。ダリュウス式水車やプロペラ式水車は回転速度は速くてもトルクは小さく、倉掛式の鉛直軸乃至水平軸水車が大きなトルクが得られより効率的であることから、本発明では倉掛式水車を応用した蓋のない箱形板動翼(バケット式)が好ましい。前記水平動翼や長尺板状の断面は魚類の体型に類似したダリウス式円弧形などが好ましい。軌道1周回に設置する板動翼体の数は、設置する場所や設置条件によって異なるが往路・復路それぞれ3個以上が好ましく10個以上多いほどより好ましい。機械的抵抗・水流抵抗などを差し引き板動翼体の周回速度が水流速度に近いことが好ましい。
図1で示すV字型台形柱構造物A1,A2では水流の入口を広く、出口を狭くして水流の流速を速くするように構成されている。係るV字型台形柱構造物A1,A2を更に2個並列に並べてW字型に連結し、大型発電構造物を構成してもよい。係る大型発電構造物を設置する場合、水深が深く板動翼体の垂直方向の長さ(α)は10〜100m、或いはこれ以上の長さが必要となり、水平板動翼の長さ(β)も前記板動翼体の垂直方向の長さ(α)との関連で適宜設定する必要がある。小規模河川用の小型発電構造物・中型発電構造物にあっても水深に応じて前記α・βの数値を設定すれば対応可能である。海流速度は年間を通じて概ね安定してるので発電の変動率・稼働率も安定し、安定した電力供給が可能である。また、W字型台形柱構造物を複数個並べて超大型発電構造物を設計することも可能であり、更に鉛直軸で多軸系の台形柱構造物A1を斜め下流方向へ連結すれば海流の流れ方向を変更し、海流・潮流の海溝・海嶺への衝突と水流圧力を緩衝しつつ膨大な自然エネルギーを電力に変換し、台風、津波等の自然災害の回避、更には地球の自転速度の低速化を遅らせることに役立つことも期待し得る。
次に、前記第3実施の形態に係る発電構造物について説明する。第3実施の形態に係る発電構造物は、請求項4に記載される発明を含むものであり、シングル軌道を備えた前記第2実施の形態に係る発電構造物においてシングル軌道に代えて図3に示すようなダブル軌道100wを備えており、前記第2実施の形態のシングル軌道に相当する外周軌道99の内側の復路寄りに、前記外周軌道よりも小さく且つ略相似形の内周軌道98を設け、板動翼体は水平動翼の中央部乃至やや外側寄りに板動翼主軸21〜34を設け内側端部に板動翼従軸81〜87を設けて、前記板動翼主軸は前記外周軌道を周回し板動翼従軸が前記内周軌道を周回するように構成される。更に、内周軌道98は、板動翼従軸が後方の湾曲部を周回しやすくするために変曲点97以降の湾曲部を外側にやや拡張するように設けることが好ましい。
外周軌道に係る起動チェーン軸にはストッパー89を備え、或いは外周軌道に係る起動チェーン軸と内周軌道に係る起動チェーン軸とを斜め方向に連結されるドアクローザー式折畳みアーム88が設けてある。図3,6に示す旋回自在な垂直板動翼(175a,175b)の場合、水流方向P1(図1)が板動翼体に直角に当たるようになったときにドアクローザー式折畳みアーム88が伸張し或いはストッパー89が作用して垂直板動翼は閉じた状態で往路を走行する。更に可変式垂直動翼の外側の周縁部には枠縁板92を水流方向により半旋回可能に延設させ、曲線軌道を通過時点では枠縁板92が自動的に閉鎖しその後往路では開いた状態で走行する。板動翼体が往路から復路向かう湾曲軌道を通過する時点では水流力を受けて左右の垂直板動翼は水流の方向へ旋回解放して復路反転走行が軽くなるように補助する。旋回自在な垂直板動翼は復路反転水路を遡り上流側の曲線軌道を通過し往路側に差し掛かって上下の水平板動翼に設置された旋回止めストッパー89で止まり、水流力により自然に箱状の底板の役割をなし水流を漏らさずに取り込んで周回する。
次に、前記第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物について説明する。第4実施の形態に係るバタフライ型発電構造物は、請求項6に記載される発明を含むものであり、前記第2実施の形態に係る発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、前記板動翼体がバタフライ泳法のように作動しながら軌道を周回するように構成される。詳細には図7,8に示すように、台船202を中央に配置し台船の左右両側にそれぞれ一対の側面板212,212を空間をあけて設置し対向する面にそれぞれ対応する位置に一対の略楕円乃至長円形状の軌道を備えた側面板軌道溝(レール)193,194を設け、複数個の板動翼体の板動翼主軸をそれぞれ起動チェーン210,211で間隔をおいて連結し、板動翼主軸の両端部にローラー車輪207〜209を回転可能に取り付けて前記一対の側面板軌道溝にそれぞれ走行可能に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする板動翼機構体を構成し、この板動翼機構体を台船の左右両側に並列に配置する。
バタフライ型発電構造物の前方にある集取水目的の角柱台形構造物の最前部には甲板部中心点Rと底部中心点R’を連結する鋼管部(r,r’)が係留部として設けられ、バタフライ型発電構造物の旋回中心軸として機能することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする。
台船内部には前記板動翼体の周回に伴って左右の起動チェーン210,211に係合する起動輪が回転することによって生じる動力(トルク)がデファレンシャルギヤーM又は笠ギヤー、ウォームギヤー及び増速機L等を介して発電機を回転して発電する。
図8に示すように水平板動翼は軌道の外側部分でボスピン乃至蝶番によって折り畳み可能に構成されている。バタフライ型発電構造物は略下半分が水流中に沈み、上半分を台船の浮力によって水面に浮上した状態で配置する。水平板動翼は空中では自動的に折り畳まれた状態で周回し、上流側曲面軌道に差し掛かかった時点で水平板動翼の折り畳み先端部が自重で下方に垂れ下がって水中にダイビングするやいなや水平板動翼の前面部に水流を受けて下方に垂直状に伸張した状態で水中を走行し、前記したとおり発電機を回転する動力が発生する。
次に、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物について説明する。この第5実施の形態に係る発電構造物は、請求項3に記載される発明を含むものであり、図9に示すように、第1又は第2実施の形態に係る発電構造物における下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに略楕円乃至長円形状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部にキャスター車輪(21E〜34E)を装着し前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動する際に前記一対の板動翼機構体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道と平行な方向を向いて走行するように構成され、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物とする。
本発明の発電構造物は、板動翼体を主軸の上方部のみで軌道に掛架する点及び下部板を取り除いて天板を用いる点において他の発電構造物と異なる。天板を用いることによって板動翼体を下部板と天板の両方で支持して強固に固定するものである。
台形柱構造物A1,A2の下部板192dを取り除くとともに上部板191の上方に天板192cを設けて上部板191と天板192cに一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいてチェーンで連結すると共に主軸の上方部を前記上部板191と天板192cに設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置した構造物を台船の船底に設置するように構成してもよい。
この発電構造物は、台形柱構造物A1,A2、集取水水路構造物B1,B2、反転誘導曲面柱水路構造物C1,C2のような巨大な構造物を設ける代わりに、板動翼機構体を海底に向けて垂下するように構成する。或いは、水路構成障害物(D,E,F,G,H)を板動翼機構体と一緒に海底に向けて垂下するように構成してもよい。これらを洋上の設置点まで運搬して洋上に浮かべた台船から板動翼機構体、更に水路構成障害物を海底に向けて垂下して設置する。板動翼機構体に潮流が当たることによって台船の船首側が下方に傾くことを防止するために台船自体をバラスト等で安定化することが好ましい。或いは、台船の船首側をワイヤーで海底に固定するとともに水路構成障害物の下端部を海底に固定してもよい。
本発明の第6実施の形態に係る発電構造物は、請求項7に記載される発明を含み、図10(a)に示すように太線で描かれる長円形の内周軌道98と細線で描かれる一点99aで交差する交差軌道99を設けた板動翼機構体を備えてなる。本実施の形態について特徴的な部分について以下説明する。図10(b)に示すように上下に離間して設けた3枚の上部板の上段の第1上部板191aには中央溝の両側に畝状の内周軌道98が形成され、中段の第2上部板191bと下段の第3上部板191cには溝状の交差軌道99b,99cがそれぞれ対応して形成されている。複数個の板動翼主軸(起動チェーン軸:51〜59)がそれぞれ間隔をおいて起動チェーン122で連結されており、この板動翼主軸には下向きに車輪又はベアリングを取り付けた走行部(51E〜59E)が前記内周軌道98に添って走行可能に装着されている。また、前記板動翼主軸の下方には二股状アーム52Fが装着されており、二股状アームの各先端部には、第3上部板の下方に垂下する板動翼体(41〜49)を保持する2本の従軸(81a,81b〜89a,89b)が係止している。前記板動翼体の2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ第2上部板191b及び第3上部板191cに設けられる交差軌道99b,99c(平面視内周軌道98の左右に位置する)を貫通し軌道との接触面にそれぞれベアリングを介して走行可能に掛架している。そして前記板動翼体が内周軌道98に添って走行するに従って左右の従軸82a,82bを結んだ直線の向きつまり板動翼体の向きが変わり、板動翼体が水流に対向する図10(a)の右側に位置する往路では両軌道又は水流に対して略直角方向を向き、図10(a)の左側に位置する復路では両軌道に平行乃至軌道寄りの方向を向いて走行するように構成される。また、上部板は前記第1上部板191aと第2上部板191bの2枚で構成することも可能であるが板動翼体の揺動を抑制し或いは強度を考慮して第3上部板191cを含む3枚で構成することが好ましい。
また、隣接する従軸、例えば、82aと83a、82bと83bをそれぞれ図示しないドアクローザー式折畳みアーム(図3:88参照)でパンタグラフ状に可動連結して板動翼体の揺動を抑制することが好ましい。或いは前記板動翼体の中央部(板動翼主軸に相当する位置)を前記上部板の内周軌道98と対応して設けた図示しない下部板の内周軌道98に走行可能に係合させて揺動を抑制するように構成してもよい。交差軌道99における交差点99aは水流の上流側乃至下流側の何れの側にも配置できるが、板動翼機構体を先頭部が後方部より広いV字状に設置した場合に板動翼体の向きを水流に平行に近づけるためには図10(a)に示すように上流側に配置することが好ましい。また、本発明の第5実施の形態に係る発電構造物と同様に前記上部板の上方に図示しない天板を設けて該天板に内周軌道を対応させて設け、前記板動翼主軸(起動チェーン軸)を上方に延長して走行部(51E〜59E)乃至キャスター車輪を前記天板の内周軌道に添って走行可能に設けてもよい。交差点において確実に直線方向を走行するように交差軌道99b,99cを走行する進行方向の前後に先細状のガイドGdを従軸に装着することが好ましい。また、本実施の形態に係る発電構造物を前記V字型台形柱構造物とし水路構造物と共に台船に設置して台船の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することも本発明の範囲に含まれる。
海流・潮流・波浪を含む海洋や河川での自然エネルギーを利用する発電構造物は化石燃料による発電に代わる発電装置として期待できるばかりでなく発電構造物を構成する反転誘導曲面柱水路構造物は消波堤としての用途にも応用できる。
A 板動翼機構体
A1,A2 (V字型)台形柱構造物
B1,B2 集取水水路構造物
C1,C2 反転誘導曲面柱水路構造物
D,E,F,G,H 水路構成障害物
P,P1,P2,P3,・・・ 水流
I1,I2,J1,J2 反転水路
Wg 往路、 Wb 復路
R,R’ 旋回中心軸
r,r’ 鋼管部(第3実施の形態)
K 板動翼主軸歯車
M ディファレンシャルギアー・笠ギアー・ウォームギアー
L 増速機
N 発電機
U 機関室
1 発電構造物
21〜34 板動翼主軸(第1及び第2実施の形態)
21E,F〜34E,F キャスター車輪(第1及び第2実施の形態)
51〜64 板動翼主軸(第3実施の形態)
51E〜59E 走行部(第6実施の形態)
51F〜59F 二股状アーム(第6実施の形態)
41〜49 板動翼体(第1,2及び6実施の形態)
71〜77 板動翼体(第3実施の形態)
41G,H〜47G,H 水平複葉翼(第1及び第2実施の形態)
71G,H〜77G,H 水平複葉翼(第3実施の形態)
141〜147 垂直板動翼(第1及び第2実施の形態)
171〜177 垂直板動翼(第3実施の形態)
172a,172b/175a,175b 垂直板動翼(第3実施の形態)
48M 起動輪
49M 起動軸
50 固定歯車止め
81〜87 板動翼従軸(第3実施の形態)
81a,81b〜89a,89b 板動翼従軸(第6実施の形態)
88 折畳みアーム(第3実施の形態)
89 ストッパー(第3実施の形態)
90〜92 枠縁板
97 軌道の変曲点(第3実施の形態)
98 内周軌道(第3及び第6実施の形態)
99 外周軌道(第3実施の形態)
99a 交差点 99b,99c 交差軌道、 Gd ガイド(第6実施の形態)
100 軌道(シングル,ダブル)
100s シングル軌道
100w ダブル軌道
101〜114 起動チェーン(第1及び第2実施の形態)
121〜134 起動チェーン(第3実施の形態)
191 上部板(第1及び第2実施の形態)
191a,191b,191c 第1,第2,第3上部板(第6実施の形態)
192c 天板(第5実施の形態)
192d 下部板(第1及び第2実施の形態)
193 上部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
194c 天板軌道溝(レール)(第5実施の形態)
194d 下部軌道溝(レール)(第1及び第2実施の形態)
201 台船(第4実施の形態)、 202 台船底部(第4実施の形態)
203,204 板動翼体(第4実施の形態)
205,206 板動翼主軸(第4実施の形態)
207〜209 ローラー車輪(第4実施の形態)
210〜211 起動チェーン(第4実施の形態)
212 側面板(第4実施の形態)
213 側面板軌道溝(レール)(第4実施の形態)

Claims (12)

  1. 水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
    上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にのエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
    複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、前記一対の板動翼機構体は先頭部が後部より広い間隙をおいて配置されており、
    前記一対の板動翼機構体の各先頭部、外周側、軌道内側及び後方の何れかに間隙をおいて1乃至複数個の水路構成障害物を上部板と下部板との中間に設け前記各間隙を流水を取り込む水路とし、
    前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物。
  2. 水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
    平面視略台形状の上部板と下部板の中間に水路構成障害物乃至柱を設けた躯体に、前記上部板と下部板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
    複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を内蔵する一対の台形柱構造物を前記板動翼機構体の先頭部が後部より広い間隙をおいて並べて上部板と上部板及び下部板と下部板同士を連結してV字型台形柱構造物を構成し、
    連結した前記V字型台形柱構造物の先頭部に集取水目的の集取水水路構造物を装着し、前記V字型台形柱構造物と集取水水路構造物の左右両側に反転誘導曲面柱水路構造物を装着し、
    前記V字型台形柱構造物の上部には発電用動力を発生する機構を備えた機関室を装備し、
    前記発電構造物の最前部を旋回中心軸として自由旋回可能に設置することにより該構造物がたえず水流に対向する方向に向かうように構成されることを特徴とする発電構造物。
  3. 水流によって板動翼体を周回運動させて得られるエネルギーを利用する発電構造物において、
    上部板と、上部板の上方に設けられた天板にエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
    複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記上部板と天板に設けられた軌道にそれぞれ掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とする一対の板動翼機構体を構成し、
    前記一対の板動翼機構体を先頭部が後部より広い間隙をおいて配置し、
    前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物。
  4. 上下に間隔をおいて一対のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
    複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部と下方部をそれぞれ上方の軌道と下方の軌道に掛架して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
    該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させ板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有し、
    前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物。
  5. 1又は複数のエンドレス状の軌道をそれぞれ対応させて設け、
    複数個の板動翼体の主軸をそれぞれ一定の間隔をおいて連結すると共に主軸の上方部を前記軌道と連結して前記複数個の板動翼体を前記エンドレス状の軌道の下方部にそれぞれ垂設して水流の圧力によって前記板動翼体が前記軌道を周回運動可能とし、
    該板動翼主軸を回転させて軌道に対して直角方向乃至平行方向に方向転換させ板動翼体の向きを調整する板動翼方向転換機能を有し、
    前記板動翼体が水流の圧力によって軌道を周回運動し、前記板動翼体に連動して回転する回転伝導手段を介して発電装置を作動させることを特徴とする発電構造物。
  6. 前記エンドレス状の軌道は、略楕円乃至長円形状のシングル軌道、前記シングル軌道とシングル軌道の内側に別個に設けたシングル軌道と略相似形の内周軌道からなるダブル軌道、少なくとも一点において交差する交差軌道又は該交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせた軌道の何れかからなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の発電構造物。
  7. 前記板動翼体は、平板状板動翼、箱型状板状板動翼、縁枠付き板動翼及び可変式垂直動翼付き水平複葉翼の中の何れか一種を板動翼主軸に固定してあり、該板動翼主軸を回転することによって板動翼体の向きを調整可能に設けられており、水流の圧力によって軌道を周回運動する際に板動翼体が水流に対向する往路では軌道又は水流に対して略直角方向を向き、復路では軌道又は水流に平行な方向に向いて走行するように構成されてなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の発電構造物。
  8. 前記板動翼体は、板動翼主軸の上端部と下端部にそれぞれ水平動翼を複葉翼状に装着し、各水平動翼は断面が円弧形又は半円弧形の3D立体曲面形状に形成し、前記上下の水平動翼の中間部には水流方向により半旋回可能な2枚の可変式垂直動翼を主軸方向に沿って装着し、前記可変式垂直動翼の両側部に枠渕板を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の発電構造物。
  9. 前記反転誘導曲面柱水路構造物は複数の曲面柱構造物を湾曲面が垂直になるように間隙をおいて並べて配置して、隣接する曲面柱構造物と曲面柱構造物との間隙を流水を反転誘導させる水路としてなることを特徴とする請求項1又は2記載の発電構造物。
  10. 請求項1記載の発電構造物を構成する板動翼機構体を前記板動翼主軸が水平方向を向くようにしてそれぞれ水平方向に2台並べて配置し、該2台の板動翼機構体の中間部に台船を配置して前記板動翼体が水流によってバタフライ泳法のように作動して軌道を周回することを特徴とする発電構造物。
  11. 少なくとも一点において交差する交差軌道を含む複数の軌道を組み合わせたエンドレス状の軌道を備えた請求項6記載の発電構造物において、
    上下に離間して複数の上部板を設け、上段の上部板には略楕円乃至長円形状のエンドレス状の内周軌道を設け、他の上部板には少なくとも一点において交差する交差軌道をそれぞれ対応して設け、
    前記上部板に形成された内周軌道に、間隔をおいて連結された複数個の板動翼主軸が走行部を介して走行可能に掛架し、該板動翼主軸の下方部に二股状アームを装着し、該二股状アームの各先端部には下方に垂下する板動翼体を保持する2本の従軸を係止し、係る2本の従軸は前記板動翼主軸から左右に等間隔離れた位置から上方に向いて延設されており、それぞれ前記他の上部板に設けられる前記交差軌道にそれぞれ走行可能に掛架していることを特徴とする発電構造物。
  12. 少なくとも片面が湾曲面に形成された大小2個の曲面柱構造物を両者の曲面とも同一方向で前方乃至上方に向くように配置した一体型構造物であって、大型の第2曲面柱構造物の湾曲面部に水路となる間隙をあけて小型の第1曲面柱構造物を重ね且つ第1曲面柱構造物の高さよりも後方の第2曲面柱構造物の高さを高く設けてなることを特徴とする消波反転誘導曲面柱水路構造物。
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