JPWO2013011836A1 - 電池モジュール - Google Patents
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Abstract
高い難燃性が確保しやすい電池モジュールを提供するために、本発明に係る電池モジュールは、2つの主面である表面および裏面を有する平板状の基体と、前記表面あるいは前記裏面に基体から立設して形成される区分け隔壁部(212)と、前記基体上に搭載される複数の単位電池と、を有し、前記単位電池と隣接する前記単位電池との間に前記区分け隔壁部(212)が設けられている。
Description
本発明は、リチウムイオン電池などの二次単位電池を用いて構成される電池モジュールに関する。
近年、環境問題から、戸建て住宅などの家庭用途や、輸送機器、建設機器等の産業用途に用いることが可能な、風力発電、太陽光発電等から得られるクリーンエネルギーが注目されている。しかし、クリーンエネルギーは状況に応じた出力の変動が大きいという問題を有している。例えば、太陽光発電によるエネルギーは、太陽が昇っている日中には得られるが、太陽が沈んだ後の夜間には得られない。
クリーンエネルギーの出力を安定化するために、クリーンエネルギーを一時的に電池に蓄える技術が用いられる。例えば、電池に蓄えられた太陽光エネルギーは、太陽が沈んだ後の夜間にも利用可能となる。このようなクリーンエネルギーを蓄えるための電池としては、一般的に鉛電池が使用されていたが、鉛蓄電池は一般的に大型であり、エネルギー密度が低い、という欠点がある。
そこで、近年では、常温で作動可能であり、エネルギー密度も高いリチウムイオン二次電池が注目されている。チウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いという特性に加えて、インピーダンスが低いため応答性に優れている、という特徴も有する。
リチウムイオン二次電池としては、例えば、可撓性のフィルムの内部に電池要素が封入されているラミネート電池がある。ラミネート電池は、一般的に平板状であり、正極および負極が可撓性フィルムの外部に引き出されている。
上記のようなラミネート電池の2個以上を直列に接続して、容器本体(ケーシング)内に収容しモジュール化することで、大容量化に好適なものとする技術が知られている。
例えば、特許文献1(特許第3970684号公報)には、シート状に形成された4枚のシート状二次電池セルを互いに直列に接続して構成された組電池と、この組電池を収容する薄型直方体形状のケーシングとで構成された電池モジュールが開示されている。
特許第3970684号公報
リチウムイオン二次電池は、他の電池に比べて高いエネルギー密度を有するので、安全性確保のために、特に高い難燃性が求められている。電池の難燃性は、電極材料を難燃性に優れたものにしたり、単位電池の構造の工夫によっても高めることができるが、単位電池を内蔵する電池モジュールの構造にも高い難燃性の確保が強く望まれている。
しかし、特許文献1に開示された電池モジュールは、2枚の二次電池セルで組電池を構成するに際し、袋状外装体のシール部を互いに重ね合せる構造を有するので、電池モジュールが異常な状態で使用された結果、一方の電池に発熱などの異常が生じた場合に、それが他方の電池に伝播しやすい、との課題があった。
加えて、特許文献1に開示された電池モジュールは、可撓性がある二次電池セルを直方体形状のケーシング内に収納する構造を有するので、電池モジュールの薄型化に伴う剛性の減少が抑えがたく、電池モジュールの薄型化が困難であるとの課題を有した。
剛性を保つことが困難で、電池モジュールに反りが生ずるような場合、電池モジュール内に収納した二次電池セルから引き出されている端子に応力がかかり、電池セル間の電気接続部が棄損しやすく信頼性が低下したり、所望の電気的特性が得にくくなったりする、との問題が生ずる。
また、この電池モジュールから電力を供給する機器を設計する場合、電池モジュール搭載部分の寸法に、この反り分の寸法余裕を持たせる必要があり、当該機器自体の薄型化が困難になる、などの問題も生ずる。
そこで、本発明の目的は、高い難燃性構造が確保し易く、加えて、信頼性を保ちつつ薄型化が容易な電池モジュールを提供することにある。
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明に係る電池モジュールは、2つの主面である表面および裏面を有する平板状の基体と、前記表面あるいは前記裏面に基体から立設して形成される区分け隔壁部と、前記基体上に搭載される複数の単位電池と、を有し、前記単位電池と隣接する前記単位電池との間に前記区分け隔壁部が設けられている。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記区分け隔壁部が前記表面および前記裏面の両面に形成されている。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記区分け隔壁部が、前記基体から突出して形成されるとともに、前記表面あるいは前記裏面における平面上の形状で矩形状をなす。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記区分け隔壁部が、前記基体から突出して形成されるとともに、前記表面あるいは前記裏面における平面上の形状でロの字形状をなす。
また、本発明に係る電池モジュールは、複数の前記区分け隔壁部が、前記単位電池と隣接する前記単位電池との間に設けられている。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記表面の複数の前記単位電池上に設置される第1面カバー体と、前記裏面の複数の前記単位電池上に設置される第2面カバー体と、を有する。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記第1面カバー体と前記第2面カバー体とがアルミニウムで構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記表面および前記裏面とは異なる側面であって、対向する2つの側面に表面あるいは裏面の平面方向に沿って設けられる突状ガイド部材を有する。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記突状ガイド部材は、前記周縁隔壁部から突出あるいは基体から延在するように設けられ、前記突出する突出量あるいは延在する延長量が変化するテーパー部を有する。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記2つの側面に設けられる突状ガイド部材において、表面あるいは裏面に垂直方向の幅が互いに異なる。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記区分け隔壁部が、前記単位電池の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に設けられると共に、前記区分け隔壁部には切り欠き部が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記基体の表面を覆う第1面カバー体を有し、前記第1面カバー体と前記切り欠き部とで囲繞される開口が形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記基体の裏面を覆う第2面カバー体を有し、前記第2面カバー体と前記切り欠き部とで囲繞される開口が形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記区分け隔壁部には前記切り欠き部が複数設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記切り欠き部は、前記区分け隔壁部の前記引き出しタブの引き出し方向と交差する箇所に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記単位電池の前記引き出しタブには、正極引き出しタブと負極引き出しタブとがあり、前記正極引き出しタブは前記単位電池の本体部の一方の辺から引き出されると共に、前記負極引き出しタブは前記本体部の前記一方の辺と対向する他方の辺から引き出されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記単位電池の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に、前記単位電池が一方向に複数配列されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、それぞれの前記単位電池の前記引き出しタブの引き出し方向と交差する前記区分け隔壁部に、前記切り欠き部が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、複数の前記単位電池が互いに電気接続されることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記電気接続の接続形態が直列接続であることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記単位電池が電気化学素子であることを特徴とする。
また、本発明に係る電池モジュールは、前記単位電池がリチウムイオン二次電池であることを特徴とする。
本発明に係る電池モジュールによれば、面内で隣接する単位電池それぞれの間に設けた区分け隔壁部により、電池モジュールが異常状態で使用された場合に生ずる可能性のある一の電池の異常発熱などが他の電池に伝播し難く保てるので、高い難燃性が確保しやすい電池モジュールが提供できる。加えて、電池搭載面の両面に設けた区分け隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る電池モジュールを構成する単位電池100及びその予備加工工程を示す図である。この単位電池100としては、リチウムイオンが負極と正極とを移動することにより充放電が行われるリチウムイオン二次単位電池が用いられる。
単位電池100の電池本体部110は、複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層された電極積層体、および電解液(いずれも図示しない)が、平面視で矩形のラミネートフィルム外装材内に収容された構造となっている。そして、電池本体部110の一方の端部からは、正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130が引き出されている。上記のような複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層された積層方向をシート厚方向として定義する。
正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130は、いずれも平面状で、ラミネートフィルム外装材内において、それぞれ、シート状正極、シート状負極と直接またはリード体などを介して接続されている。ラミネートフィルム外装材は、熱融着樹脂層を有する金属ラミネートフィルムにより構成されている。より具体的には、例えば2枚の金属ラミネートフィルムが、熱融着樹脂層同士を相対して重ねられてラミネートフィルム外装材を構成し、シート状正極、シート状負極およびセパレータを有する電極積層体や電解液を、内部に収容した状態でラミネートフィルム外装材の外周辺が熱シールされることで、その内部が密閉されている。
ここで、ラミネートフィルム外装材よりなる電池本体部110から引き出される正極引き出しタブ120や負極引き出しタブ130などの金属片は、「引き出しタブ」と称することとし、ラミネートフィルム外装材の内側でセパレータや電解液などを介して積層されているシート状正極やシート状負極を「電極」と称する。
なお、電極積層体には、上記のように複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層したものの他に、シート状正極とシート状負極とがセパレータを介し積層したものを巻回し、これが圧縮されることにより積層体をなすものも含まれる。
上記のような単位電池100においては、正極引き出しタブ120の材質としてはアルミニウムまたはアルミニウム合金が、また、負極引き出しタブ130の材質としては、ニッケル、他の金属にニッケルメッキを施した材料(ニッケルメッキ材。例えば、ニッケルメッキをした銅など)、ニッケルと他の金属のクラッド(ニッケルクラッド材。例えば、ニッケル−銅クラッドなど)が一般的に用いられている。本実施形態においては、アルミニウム製の正極引き出しタブ120が、また、ニッケルメッキをした銅からなる負極引き出しタブ130がそれぞれ用いられている。
以上のように構成される単位電池100に対して、電池モジュールに組み込み前段としての予備加工を実施する。まず、図32(A)に示すように、単位電池100の周縁部におけるラミネートフィルム外装材の4箇所に、位置合わせ貫通孔111を設ける。このような位置合わせ貫通孔111は、後の工程において、単位電池100を単位電池収容体200にセットする際に用いる。
単位電池収容体200には単位電池位置合わせ突起部241が設けられているが、単位電池100を単位電池収容体200に載置する際には、単位電池位置合わせ突起部241を位置合わせ貫通孔111に貫通させるようにすれば、簡単に単位電池100を単位電池収容体200にセッティングすることが可能となり、製造効率がよい。
続いて、図1(B)の工程においては、正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130の2箇所、正極引き出しタブ120と負極引き出しタブ130との間に位置するラミネートフィルム外装材の1箇所の計3箇所に絶縁テープ115を貼着して、より確実な絶縁性を確保するようにする。
また、図1(B)の工程においては、銅製の継ぎ足しタブ部材140を、溶着部143で超音波溶着することで、正極引き出しタブ120に接続する。このような継ぎ足しタブ部材140を用いる理由について説明する。
本発明に係る電池モジュールを構成する上では、単位電池100の正極引き出しタブ120と、この単位電池100に隣り合う単位電池100の負極引き出しタブ130とを、ネジによって機械的に銅製のバスバーに固着することで、電気接続を行うようにする。
ここで、単位電池100のアルミニウムを含む正極引き出しタブ120と、銅製のバスバーとを機械的に固着させる構成では、電位差の問題により所定の年月が経過した後の導電性が劣化する可能性がある。
そこで、本発明に係る電池モジュールにおいては、上述のように、単位電池100の正極引き出しタブ120には、銅製の継ぎ足しタブ部材140を溶着により接合しておく。そして、銅製の継ぎ足しタブ部材140と、バスバーとを機械的に固着することによって、電位差による導電性劣化の問題を解決する。このような構成によれば、機械的な電気接続部では、同種の金属材料による電気接続となり、電位差の問題がなく、年月の経過による導電性の劣化が発生することがほとんどなくなる。
続く、図1(C)の工程においては、正極引き出しタブ120に継ぎ足された継ぎ足しタブ部材140に貫通孔145を設け、負極引き出しタブ130に貫通孔135を設ける。これらの貫通孔は、後述するように(1)単位電池100を単位電池収容体200に機械的に固定するため、(2)単位電池収容体200のバスバーにタブを電気的に接続するため、及び、(3)タブとセンス線を電気的に接続するために利用される。
続く、図1(D)の工程においては、単位電池100の電池本体部110に両面テープ150を貼り付ける。両面テープ150は、電池本体部110のそれぞれの面に3条ずつ、計両面合わせて6条を貼り付けるようにする。この両面テープ150の単位電池100と貼着していない面は、単位電池収容体200との貼着、及び、カバー体のカバー体絶縁シートとの貼着に利用されることで、電池モジュール内での単位電池100の位置が固定される。
次に、以上のように準備加工された単位電池100を収容するための単位電池収容体200の詳細な構成について説明する。図2及び図3は本発明の実施形態に係る電池モジュールを構成する上で用いられる電池収容体200を説明する図である。また、図26乃至図29は電池収容体200の断面図であり、図30は図26乃至図29で示す断面図が電池収容体200におけるどの箇所であるかを説明する図である。図26は図30のA−A断面を見た図であり、図27は図30のB−B断面を見た図であり、図28は図30のC−C断面を見た図であり、図29は図30のD−D断面を見た図である。
電池収容体200は、ABSなどの合成樹脂製の部材であり、電池収容体200においては、単位電池100などが組み付けられ、単位電池100同士などの配線が行われる。
電池収容体200は、平板状の基体と、基体の2つの主面である表面および裏面の周縁部に形成された周縁隔壁部と、を有する。周縁隔壁部は、基体表面側に設けられた第1面周縁隔壁部と、基体裏面側に設けられた第2面周縁隔壁部と、から構成されている。ここで、図2は電池収容体200の基体表面側を斜視的にみた図であり、図3は電池収容体200の基体裏面側を斜視的にみた図である。図2に示されている基体表面側の電池収容体の主面を第1面210、また、図3に示されている基体裏面側の電池収容体の主面を第2面220として、以下、説明する。
第1面210においては、基体表面の周縁を囲むように、基体表面から垂直方向に立設した第1面周縁隔壁部211が設けられている。この第1面周縁隔壁部211で囲まれた内側のエリアは、後述するカバー体によって遮蔽される。
また、第1面210における第1面周縁隔壁部211で囲まれた内側のエリアにおいては、基体表面から垂直方向に立設した第1面区画分け隔壁部212が設けられており、第1面内で互いに隣接する単位電池100の間の隔壁を成している。また、第1面区分け隔壁部218も設けられており、第1区分け隔壁部212と共に単位電池100を収容する収容室などを区画分けする構成になっている。
第1面210においては、主として、上記のような第1面区画分け隔壁部212と第1面区分け隔壁部218によって、単位電池100を収容する収容室である第1電池収容室215、第2電池収容室216と、単位電池100のタブの電位を検出するためのセンス線を収容する収容室である第1面配線収容室217とが構成されるようになっている。
上記のような第1面区画分け隔壁部218においては、壁部の高さが、他の部分より低くされた線引き回し切り欠き部214が設けられることで、センス線などを一方の収容室から他方の収容室へと引き回すことが可能とされている。
同様に、第2面220においても、基体裏面の周縁部に囲むように、基体裏面から垂直方向に立設した第2面周縁隔壁部221が設けられている。この第2面周縁隔壁部211で囲まれた内側のエリアは、後述するカバー体によって遮蔽される。
また、第2面220における第2面周縁隔壁部221で囲まれた内側のエリアにおいては、基体裏面から垂直方向に立設した第2面区画分け隔壁部222が設けられており、第2面内で互いに隣接する単位電池100の間の隔壁を成している。また、第2面区分け隔壁部228も設けられており、第2区分け隔壁部222と共に単位電池100を収容する収容室などを区画分けする構成になっている。
第2面220においては、主として、上記のような第2面区画分け隔壁部222と第2面区分け隔壁部228によって、単位電池100を収容する収容室である第3電池収容室225、第4電池収容室226と、単位電池100のタブの電位を検出するためのセンス線を収容する収容室である第2面配線収容室227とが構成されるようになっている。
上記のような第2面区画分け隔壁部228においては、壁部の高さが、他の部分より低くされた線引き回し切り欠き部224が設けられることで、センス線などを一方の収容室から他方の収容室へと引き回すことが可能とされている。
上記に示すように、単位電池収容体200は、第1面210において第1電池収容室215及び第2電池収容室216の2つの単位電池100の収容室を有しており、第2面220において第3電池収容室225及び第4電池収容室226の2つの単位電池100の収容室を有しており、両面で合わせて計4つの単位電池100の収容室を有している。仮にひとつの電池収容室に1つの単位電池100を収容するものとすると、本実施形態に係る単位電池収容体200では、最大で4つの単位電池100を収容することが可能である。なお、本発明における電池モジュールでは、単位電池収容体200で収容可能とする単位電池100の数は、この例に限定されるものではなく、単位電池収容体200の両面を利用するのであれば、単位電池収容体200で収容可能とする単位電池100の数は、任意の数とすることができる。
単位電池収容体200の一方の端部(第1電池収容室215及び第4電池収容室226が配されている側の端部)においては、第1貫通孔231が設けられており、その第1貫通孔231と、第1面周縁隔壁部211及び第2面周縁隔壁部221の周縁隔壁部との間には第1コネクタ232が設けられる。この第1コネクタ232からは、直列接続される単位電池100の電源が取り出せるようになっている。
第1コネクタ232には、第1面210に収容される単位電池100からの電源線、及び、第2面220に収容される単位電池100からの電源線が接続されるために、第1面210と第2面220との間を貫通する上記のような第1貫通孔231が設けられていることが好ましい。
また、第1貫通孔231は単位電池100からの電源線を第1コネクタ232に接続する作業を行う際のスペースをも提供するものであり、製造効率上も有効である。
同じく、単位電池収容体200の一方の端部(第1電池収容室215及び第4電池収容室226が配されている側の端部)においては、第2貫通孔233が設けられており、その第2貫通孔233と、第1面周縁隔壁部211及び第2面周縁隔壁部221の周縁隔壁部との間には第2コネクタ234が設けられる。この第2コネクタ234からは、直列接続される各単位電池100のタブの電位情報が取り出せるようになっている。このような各単位電池100のタブの電位情報によって、後述するバッテリー管理回路ユニット500が各々の単位電池100の管理を行うことができるようになっている。
第2コネクタ234には、第1面210に収容される単位電池100からのセンス線、及び、第2面220に収容される単位電池100のタブ電位のセンス線が接続されるために、第1面210と第2面220との間を貫通する上記のような第2貫通孔233が設けられていることが好ましい。
また、第2貫通孔233は単位電池100からのセンス線を第2コネクタ234に接続する作業を行う際のスペースをも提供するものであり、製造効率上も有効である。
単位電池収容体200の一方の端部(第1電池収容室215及び第4電池収容室226が配されている側の端部)であり、第1貫通孔231と第2貫通孔233との間には、第1面210と第2面220との間を貫通する取手貫通孔235が設けられており、取手貫通孔235とその周囲が取手部236として機能するようになっている。このような取手部236は、電池モジュールの取り扱い性を向上させるものである。
単位電池収容体200における第1面210の第2電池収容室216と、第2面220の第3電池収容室225との間には、第1面210と第2面220との間を貫通するバスバー引き回し貫通孔237が設けられている。
本発明に係る電池モジュールにおいては、各電池収容室に配された電池が直列接続されるが、このバスバー引き回し貫通孔237によって、1つのバスバーを第1面210の第2電池収容室216と、第2面220の第3電池収容室225との間を跨がせることが可能となり、これにより、第2電池収容室216に収容される単位電池100と第3電池収容室225に収容される単位電池100とを、このバスバーを介して電気接続することができるようになっている。
また、単位電池収容体200の一方の端部(第1電池収容室215及び第4電池収容室226が配されている側の端部)には、第1面210と第2面220との間を貫通するヒューズ取り付け貫通孔238が設けられている。直列接続される単位電池100の電源ラインにはヒューズを介挿するが、このヒューズがヒューズ取り付け貫通孔238を利用して配置される。また、ヒューズ取り付け貫通孔238の両長手方向近傍には、ヒューズや端子、バスバーを螺着するために利用される2つのヒューズ固着ネジ孔249が配されている。これらヒューズ固着ネジ孔249は、内周にネジパターンが切られた金属の筒状体が、樹脂で形成される単位電池収容体200に一体モールドで埋め込まれるような形で設けられることが好ましい。
また、単位電池収容体200には、第1面210と第2面220との間を貫通するカバー体係止貫通孔239が2箇所に設けられている。単位電池収容体200においては、後述するように、第1面210に配された単位電池100や各種配線を第1面カバー体310により、また、第2面220に配された単位電池100や各種配線を第2面カバー体320により遮蔽するが、カバー体の取付けに際し、カバー体に設けられた係止片は、先のカバー体係止貫通孔239が係合するようになっている。
第1電池収容室215、第2電池収容室216、第3電池収容室225、第4電池収容室226のそれぞれの収容室には、基体表面または基体裏面から立設されてなり、略十字形状をなした単位電池載置部240が設けられている。
これらの単位電池載置部240は、各収容室の4箇所に設けられている。また、単位電池載置部240の基体表面または基体裏面からの高さは、単位電池100の電極積層領域105の厚さの略半分程度である。これにより、単位電池100が収容室にセットされたとき、これを安定させることが可能となる。
また、単位電池載置部240の十字形の中央部には、ピン突起状の単位電池位置合わせ突起部241が設けられている。単位電池100が収容室にセットされたとき、4つの単位電池位置合わせ突起部241が、単位電池100の周縁部におけるラミネートフィルム外装材の4箇所に設けられている位置合わせ貫通孔111に、それぞれ嵌合するようになっている。これにより、単位電池100を単位電池収容体200に取り付ける際には、簡単に単位電池100の位置合わせを行うことができるので、生産性が向上する。
また、第1電池収容室215、第2電池収容室216、第3電池収容室225、第4電池収容室226のそれぞれの収容室には、基体表面または基体裏面から立設されたタブ部材載置部245が設けられている。これらのタブ部材載置部245は、各収容室の2箇所に設けられている。
これらのタブ部材載置部245は、基体表面または基体裏面からの高さが場所によって異なるようにされており、これにより、後述するバスバーが安定的に載置することができるようになっている。具体的には、バスバーが載置される箇所に相当するタブ部材載置部245の高さは、載置されない箇所に比べて低くなっている。
また、タブ部材載置部245の一部には、タブ部材固着ネジ孔246が設けられている。タブ部材固着ネジ孔246は、内周にネジパターンが切られた金属の筒状体が、樹脂で形成される単位電池収容体200に一体モールドで埋め込まれるような形で設けられることが好ましい。
このタブ部材固着ネジ孔246を利用して、単位電池100のタブと、バスバーと、センス線の端子とを一体的に、ネジで螺着することで、(1)単位電池100を単位電池収容体200に機械的に固定し、(2)単位電池収容体200のバスバーにタブを電気的に接続し、及び、(3)タブとセンス線を電気的に接続することができるようになっている。
単位電池収容体200の外周における一方の対向する端部には、第1端側突状ガイド部材250、及び、第2端側突状ガイド部材255が設けられている。これら第1端側突状ガイド部材250、及び、第2端側突状ガイド部材255は、凸部が長手方向に連続するような構造であり、後述するラックにおける凹部に、これらをスライドさせることで、本発明に係る電池モジュールを蓄電装置のラックに収容することが可能となる。
第1端側突状ガイド部材250の両端部にはテーパー部251及びテーパー部252が、また、第2端側突状ガイド部材255の両端部にはテーパー部256及びテーパー部257がそれぞれ設けられることで、上記のように、ラックにおける凹部に電池モジュールを差し込み入れる際には、差し込みが容易となり取り扱い性が向上する。また、ラックにおける凹部から電池モジュールを取り外す際には、各テーパー部がアソビとなるので、電池モジュールの抜き去り方向に留意する必要性があまりなく、取り扱い性が向上する。
第1端側突状ガイド部材250の幅と、第2端側突状ガイド部材255の幅とは、互いに異なるものを用いることで、想定していない姿勢で、電池モジュールがラックに対して抜き差しされることを防止することが可能となる。なお、第1端側突状ガイド部材250の幅は、或いは、第2端側突状ガイド部材255の幅は、基体表面または基体裏面と垂直な方向でみた長さとして定義することができる。
第1端側突状ガイド部材250及び第2端側突状ガイド部材255はいずれも、基体表面および基体裏面とは異なる側面であって、対向する2つの側面に基体表面あるいは基体裏面の平面方向に沿って設けられるものである。
第1端側突状ガイド部材250及び第2端側突状ガイド部材255は、周縁隔壁部(211,221)から突出あるいは基体から延在するように設けられるものある。また、各テーパー部は、前記突出する突出量あるいは延在する延長量が変化するものである、ということができる。
第1端側突状ガイド部材250及び第2端側突状ガイド部材255は、周縁隔壁部(211,221)から突出あるいは基体から延在するように設けられるものある。また、各テーパー部は、前記突出する突出量あるいは延在する延長量が変化するものである、ということができる。
単位電池収容体200においては、第1面210に配された単位電池100や各種配線を第1面カバー体310により、また、第2面220に配された単位電池100や各種配線を第2面カバー体320により遮蔽する構造を採る。このために、第1面カバー体310を第1面210にネジにより螺着するために用いられるカバー体固着ネジ孔260が、第1面210に9個設けられている。同様に、第2面カバー体320を第1面220にネジにより螺着するために用いられるカバー体固着ネジ孔260が、第2面220に同じく9個設けられている。それぞれの面に、カバー体固着ネジ孔260は9個設けられているが、全てのカバー体固着ネジ孔260でネジ留めする必要はない。また、カバー体固着ネジ孔260を一の面に設ける数は、9個に限らず任意の数とすることができる。また、図に例示するように、カバー体固着ネジ孔260を設置する位置は、第1面210と第2面220で互いに対称になるように隣接して配置している。こうすることで、同位置に配置する場合に比べ、ネジ孔に要する厚を減じることができるので、電池モジュールを薄型化し易くできる。
次に、以上のように構成される単位電池収容体200に単位電池100などの各部品を組み付けて、本発明に係る電池モジュールとする工程について説明する。
まず、図4及び図5を参照して、単位電池収容体200の第1面210における取り付け工程について説明する。
第1コネクタ232、第2コネクタ234が設けられている区画と、第1電池収容室215の区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第1バスバー271を載置する。この第1バスバー271には、タブ部材載置部245に載置したときに、タブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に2つの貫通孔が設けられている。
電源線281の電源線端子282の孔と、第1バスバー271の貫通孔(第1コネクタ側の貫通孔)と、タブ部材固着ネジ孔246にはネジ283が挿通される。続いて、電源線端子282と第1バスバー271とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ283で螺着することで、機械的固着及び電気的接続を行う。
電源線281の電源線端子282が設けられていない方の端部は、第1コネクタ232のケーシングで囲われた不図示の端子と電気接続が図られる。
また、第1面区画分け隔壁部212が形成するスペースには、サーミスタ286が配され、このサーミスタ286のサーミスタ接続線285は、第2コネクタ234の不図示の端子と電気接続が図られる。
サーミスタ286は、電池モジュール内の温度を検出し、その検出信号は第2コネクタ234を介してバッテリー管理回路ユニット500に送信される。本発明に係る電池モジュールにおいては、バッテリー管理回路ユニット500が、このサーミスタ286から温度データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
次に、第1電池収容室215の区画と第2電池収容室216の区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第2バスバー272を載置する。この第1バスバー272には、これをタブ部材載置部245に載置したときに、タブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に2つの貫通孔が設けられている。
次に、第1面210における第2電池収容室216に設けられているタブ部材載置部245と、第2面220における第3電池収容室225に設けられているタブ部材載置部245と、に第3バスバー273を取り付ける。この第3バスバー273の断面は、略Z字状をなしており、バスバー引き回し貫通孔237を利用して、第1面210と第2面220との間を跨ぐようにして取り付けられる。この第3バスバー273には、これが所定位置に取り付けられたとき、タブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に2つの貫通孔が設けられている。
続いて、図5に示すように、第1電池収容室215と第2電池収容室216のそれぞれに単位電池100を載置する。このとき、単位電池収容体200の単位電池位置合わせ突起部241を単位電池100の位置合わせ貫通孔111に貫通させるようにすればよいので、簡単に単位電池100を単位電池収容体200に載置することができる。
なお、単位電池100を各収容室に載置する上では、両面テープ150が利用され、収容室に貼り付けられる形で固定される。
次に、図5に示すように、センス線287のセンス線端子288の孔と、タブ部材の孔(負極引き出しタブ130の貫通孔135、又は継ぎ足しタブ部材140の貫通孔145)と、バスバーの貫通孔と、タブ部材固着ネジ孔246とにネジ289が挿通される。続いて、センス線端子288とバスバーとタブ部材とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ289で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
センス線287のセンス線端子288が設けられていない方の端部は、第2コネクタ234の不図示の端子と電気接続が図られる。センス線端子288で検出されるタブの電位は、第2コネクタ234を介してバッテリー管理回路ユニット500に送信される。バッテリー管理回路ユニット500は、各タブからの電位データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
センス線端子288と第2コネクタ234との間のセンス線287の引き回しには、第1面配線収容室217が利用される。
次に、図6及び図7を参照して、単位電池収容体200の第2面220における各種部品の取り付け工程について説明する。
まず、第3電池収容室225の区画と第4電池収容室226の区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第4バスバー274を載置する。この第4バスバー274には、タブ部材載置部245に載置したときに、タブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に2つの貫通孔が設けられている。
また、第4電池収容室226の区画と、第1コネクタ232、第2コネクタ234が設けられている区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第5バスバー275を載置する。この第5バスバー275には2つの貫通孔が設けられているが、一方の貫通孔はタブ部材載置部245におけるタブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に、もう一方の貫通孔はヒューズ固着ネジ孔249と対応する箇所に設けられている。
続いて、ヒューズ取り付け貫通孔238にはヒューズ290が載置される。一方のヒューズ290の端子孔と、第5バスバー275との貫通孔と、ヒューズ固着ネジ孔249とには、ネジ283が挿通され、ヒューズ290と第5バスバー275とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ283で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
また、他方のヒューズ290の端子孔と、電源線281の電源線端子282と、ヒューズ固着ネジ孔249とには、ネジ283が挿通され、ヒューズ290と電源線端子282とヒューズ固着ネジ孔249とを一体的にネジ283で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
また、電源線281の電源線端子282が設けられていない方の端部は、第1コネクタ232の不図示の端子と電気接続が図られる。
続いて、図7に示すように、第3電池収容室225と第4電池収容室226のそれぞれに単位電池100を載置する。このとき、単位電池収容体200の単位電池位置合わせ突起部241を単位電池100の位置合わせ貫通孔111に貫通させるようにすればよいので、簡単に単位電池100を単位電池収容体200に載置することができる。
なお、単位電池100を各収容室に載置する上では、両面テープ150が利用され、収容室に貼り付けられる形で固定される。
次に、図7に示すように、センス線287のセンス線端子288の孔と、タブ部材の孔(負極引き出しタブ130の貫通孔135、又は継ぎ足しタブ部材140の貫通孔145)と、バスバーの貫通孔と、タブ部材固着ネジ孔246とにネジ289が挿通される。続いて、センス線端子288とバスバーとタブ部材とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ289で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
センス線287のセンス線端子288が設けられていない方の端部は、第2コネクタ234の不図示の端子と電気接続が図られる。センス線端子288で検出されるタブの電位は、第2コネクタ234を介してバッテリー管理回路ユニット500に送信される。バッテリー管理回路ユニット500は、各タブからの電位データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
センス線端子288と第2コネクタ234との間のセンス線287の引き回しには、第2面配線収容室227が利用される。
以上のように、単位電池収容体200に各種部品を取り付けることで、4つの単位電池100を直列接続した電圧は、第1コネクタ232から取り出すことができる。また、それぞれの単位電池100のタブ電位、及び、サーミスタによる検出温度は、第2コネクタ234から取り出すことができる。
次に、以上のように各種部品が取り付けられた単位電池収容体200を遮蔽するカバー体について説明する。図8は本発明の実施形態に係る電池モジュールを構成する上で用いられる第1面カバー体310を説明する図であり、図9は第2面カバー体320を説明する図である。第1面カバー体310と第2面カバー体320とは鏡対称の関係にある以外は同様の構成を有しているので、以下、第1面カバー体310を例にとり説明する。
第1面カバー体310は、単位電池収容体200の第1面210に収容される単位電池100、電源線281、センス線287やサーミスタ286などを遮蔽するアルミニウム製のカバー用の部材である。
第1面カバー体310には、第1面カバー体310が第1面210に取り付けられたとき、第1電池収容室215に収容されている単位電池100と、第2電池収容室216に収容されている単位電池100とを押圧するための絞り加工(電池押圧絞り加工部311)が施されている。また、電池押圧絞り加工部311によって、単位電池100を押圧する面は押圧面312として定義される。電池押圧絞り加工部311に基づく押圧面312は、第1面カバー体310装着時、単位電池100の電極積層領域105を押圧することで、単位電池100の経年使用による膨張などを押さえ込み、単位電池100の寿命を伸ばす効果を有する。
なお、電池押圧絞り加工部311は図8の紙面から飛び出す方向で形成されているものである。破線は、第1面カバー体310の裏面側の様子を示したものである。
また、第1面カバー体310には、第1面カバー体310が第1面210に取り付けられたとき、カバー体固着ネジ孔260と対応する位置に、ネジ孔314と切り欠き部315とが形成されている。ネジ孔314の周囲には、ネジ孔絞り加工部313が設けられることで、ネジ孔314の周囲における第1面カバー体310と第1面210とが密着する形で、第1面カバー体310が固着される。なお、ネジ孔絞り加工部313は図8の紙面から飛び出す方向で形成されているものである。
また、第1面カバー体310の一辺には、単位電池収容体200に設けられている2箇所のカバー体係止貫通孔239に係合する係止片316が設けられている。
次に、単位電池収容体200に収容された単位電池100や配線類を保護するために、以上のような第1面カバー体310に絶縁性を付与する工程について以下に説明する。まず、図10に示すように、第1面カバー体310に対して2条の両面テープ350を貼着する。
続いて、2条の両面テープ350を利用して、図11に示すカバー体絶縁シート360を、第1面カバー体310に貼り付ける。カバー体絶縁シート360には、第1面カバー体310の押圧面312に対応した押圧面対応型抜き部361と、第1面カバー体310のネジ孔314に対応したネジ孔対応型抜き部362と、第1面カバー体310の切り欠き部315に対応したネジ孔対応切り欠き部363と、が設けられている。
引き続き、第1面カバー体310の2つの押圧面312には、3条の両面テープ370が貼着される。この3条の両面テープ370が利用されることで、それぞれの押圧面312には、押圧面絶縁シート380が貼り付けられる。
続いて、図13に示すように、絶縁シートが施された第1面カバー体310及び第2面カバー体320を、第1面カバー体310と第2面カバー体320とで単位電池収容体200を挟み込むようにして取り付ける。第1面カバー体310と第2面カバー体320を単位電池収容体200に取り付ける上では、それぞれの係止片316、326をカバー体係止貫通孔239に係合させる。
なお、第1面カバー体310と第2面カバー体320とで単位電池収容体200を挟み込む際には、単位電池100に設けられている両面テープ150が利用され、押圧面絶縁シート380と単位電池100とが貼り合わされる。
また、第1面カバー体310側から7本のネジ390を利用して、第1面カバー体310と単位電池収容体200のカバー体固着ネジ孔260とを螺着する。同様に、第2面カバー体320側からも7本のネジ390を利用して、第2面カバー体320と単位電池収容体200のカバー体固着ネジ孔260とを螺着する。
図14は、以上のような工程により製造される本発明の実施形態に係る電池モジュール400を示す図である。図14(A)は電池モジュール400の主面をみた図であり、図14(B)は図14(A)のXの方向から電池モジュール400をみた図であり、図14(C)は図14(A)のYの方向から電池モジュール400をみた図である。
電池モジュール400の外観としては、電池の電源が取り出される第1コネクタ232と、電池のタブ電位や温度などのモニタデータが取り出される第2コネクタ234が露出した状態となる。
また、電池モジュール400の一方の対向する端部には、それぞれ両端部にテーパー部を有する第1端側突状ガイド部材250及び第2端側突状ガイド部材255が配された構造となる。これらの突状ガイド部材は後述する蓄電装置のラックに電池モジュール400が取り付けられる際に利用される。
また、図31は本発明の実施形態に係る電池モジュール400の断面図である。図31において、図31(Q)は図31(P)のA−A断面を見た図であり、図31(R)は図31(P)のB−B断面を見た図である。
以上のような本発明に係る電池モジュール400によれば、周縁隔壁部(211、221)により電池モジュール400の剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュール400が提供できる。
また、面内で隣接する単位電池100それぞれの間に設けた区分け隔壁部(212、222)により一の電池の異常発熱などが他の電池に伝播し難く保てるので、高い難燃性が確保しやすい電池モジュールが提供できる。加えて、電池搭載面の両面に設けた区分け隔壁部(212、222、218、228)により電池モジュール400の剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュール400が提供できる。
また、単位電池100をシート厚方向に押圧するカバー体(310、320)により電池要素100の変形を効果的に抑制できるので、繰返し充放電性能などの電池特性を良好に保ち易い電池モジュール400が提供できる。加えて、電池搭載面の両面に設けた周縁リブ部や区分け隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
次に、単位電池収容体200の収容室の全てを単位電池100に取り付けずに利用する形態について図15乃至図17を参照して説明する。
これまで説明した電池モジュール400においては、単位電池収容体200における4つの収容室の全てに単位電池100が収容され、これらが直列接続され、第1コネクタ232からは単位電池100の4倍の電圧を取り出すようにしていた。
ところで、電池モジュール400を直列接続した電圧を利用する充電装置においては、単位電池100の4倍の倍数の電圧が常に利用される分けではない。そこで、電池モジュール400の中に、例えば、単位電池100を1つのみ搭載した、単位電池100の1倍の電圧が取り出させるものを用意することで、種々の充電装置に対応することが可能となる。
以下、単位電池収容体200の収容室の1つのみに単位電池100を取り付けて、単位電池100と同電圧を取り出す電池モジュール400について図15乃至図17を参照して説明する。以下において、単位電池収容体200や単位電池100などは、これまで説明したものと同様のものが用いられるので説明を省略する。
図15及び図16は上記のような単位電池100と同電圧を取り出す電池モジュール400の各種部品の取り付け工程を説明する図である。このような電池モジュール400では、第2面220の第4電池収容室226に単位電池100を収容して、電池モジュール400を構成する。
まず、第4電池収容室226の区画と、第1コネクタ232、第2コネクタ234が設けられている区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第5バスバー275を載置する。この第5バスバー275には2つの貫通孔が設けられているが、一方の貫通孔はタブ部材載置部245におけるタブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に、もう一方の貫通孔はヒューズ固着ネジ孔249と対応する箇所に設けられている。
続いて、ヒューズ取り付け貫通孔238にはヒューズ290が載置される。一方のヒューズ290の端子孔と、第5バスバー275との貫通孔と、ヒューズ固着ネジ孔249とには、ネジ283が挿通され、ヒューズ290と第5バスバー275とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ283で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
また、他方のヒューズ290の端子孔と、電源線281の電源線端子282と、ヒューズ固着ネジ孔249とには、ネジ283が挿通され、ヒューズ290と電源線端子282とヒューズ固着ネジ孔249とを一体的にネジ283で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
また、電源線281の電源線端子282が設けられていない方の端部は、第1コネクタ232の不図示の端子と電気接続が図られる。
続いて、第3電池収容室225の区画と第4電池収容室226の区画との間に設けられているタブ部材載置部245に第4バスバー274を載置する。この第4バスバー274には、タブ部材載置部245に載置したときに、タブ部材固着ネジ孔246と対応する箇所に2つの貫通孔が設けられている。
また、図15に示すように、電源線281の電源線端子282の孔と、第4バスバー274の貫通孔と、タブ部材固着ネジ孔246にはネジ283が挿通される。続いて、電源線端子282と第4バスバー274とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ283で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。電源線281の電源線端子282が設けられていない方の端部は、第1コネクタ232の不図示の端子と電気接続が図られる。電源線281の引き回しには、第2面配線収容室227が利用される。
続いて、図16に示すように、第4電池収容室226のみに単位電池100を載置する。このとき、単位電池収容体200の単位電池位置合わせ突起部241を単位電池100の位置合わせ貫通孔111に貫通させるようにすればよいので、簡単に単位電池100を単位電池収容体200に載置することができる。
なお、単位電池100を各収容室に載置する上では、両面テープ150が利用され、収容室に貼り付けられる形で固定される。
次に、図16に示すように、センス線287のセンス線端子288の孔と、タブ部材の孔(負極引き出しタブ130の貫通孔135)と、第4バスバー274の貫通孔と、タブ部材固着ネジ孔246とにネジ289が挿通される。続いて、センス線端子288と第4バスバー274とタブ部材とタブ部材固着ネジ孔246とを一体的にネジ289で螺着することで、これらの機械的固着及び電気的接続を行う。
センス線287のセンス線端子288が設けられていない方の端部は、第2コネクタ234の不図示の端子と電気接続が図られる。センス線端子288で検出されるタブの電位は、第2コネクタ234を介してバッテリー管理回路ユニット500に送信される。バッテリー管理回路ユニット500は、各タブからの電位データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
センス線端子288と第2コネクタ234との間のセンス線287の引き回しには、第2面配線収容室227が利用される。
このように、単位電池収容体200に各種部品を取り付けることで、1つの単位電池100と同じ電圧を、第1コネクタ232から取り出すことができる。また、搭載される1つの単位電池100のタブ電位、及び、サーミスタによる検出温度は、第2コネクタ234から取り出すことができる。
以上のような単位電池収容体200にカバー体を設けるときにおいては、第1面210は単位電池100が配されていないブランクの構成となるので、第1面210側に設ける第1面カバー体310としてはカバー体絶縁シート360を省略することができる。
一方、第1面210においては、第4電池収容室226のみに単位電池100が搭載された構成であり、第3電池収容室225はブランクとなるので、カバー体絶縁シート360と押圧面絶縁シート380を1つのみ貼着した、図17に示すような第2面カバー体320を利用することできる。
以上のような単位電池収容体200と、カバー体とを用いて、図13にしたのと同様の方法で、単位電池収容体200を遮蔽することで、単位電池100と同電圧を取り出す電池モジュール400を構成することができる。
続いて、以上のような本発明に係る電池モジュール400の管理を行うバッテリー管理回路ユニット500の構成の概略について説明する。図18、図19、図20はバッテリー管理回路ユニット500の製造工程を説明する図である。また、図21はバッテリー管理回路ユニット500を示す図である。
図18において、バッテリー管理回路ユニット500を構成する各基板やコネクタ類が取り付けられるシャーシ510は、底面部511と、この底面部511から垂直に延在する側壁部512とからなっている。底面部511には、複数のネジ孔部513が底面部511から垂直に立設するようにして設けられている。
また、シャーシ510の対向する2つの側壁部512には、側壁部512の長手方向にわたり複数の通風孔515が設けられている。対向する2つの側壁部512間は、通風孔515により、気流が流れやすいようになっている。
また、シャーシ510の側壁部512には、電池モジュール400との電気接続を行うためのコネクタ516が取り付けられている。また、底面部511には基板から発せられる熱を放熱するための放熱シート517が取り付けられる。
図19は第1回路基板520の製造工程を示している。第1回路基板520には、FETなどの使用時に発熱する半導体部品521が搭載されているが、これら半導体部品521には、底面部524とこれから垂直方向に延在するフィン525とからなるヒートシンク523が、図示するようにボルト527、ナット528で取り付けられる。
なお、本実施形態においては、半導体部品521にヒートシンク523を取り付ける際には、ボルト527、ナット528からなる固着手段を用いているが、ヒートシンク523を半導体部品521に取り付ける際には、接着剤を用いて両者を貼着するようにしても良い。さらに、ヒートシンク523を半導体部品521に取り付ける際に、ボルト527、ナット528と接着剤とを併用するようにしても良い。
図20は第1回路基板520と第2回路基板540とをシャーシ510に対して、ネジ孔部513を利用してネジ545で固定する工程を示しており、図21は完成したバッテリー管理回路ユニット500を示している。
図21に示すように、通風孔515が設けられた対向する2つの側壁部512に垂直な方向と、ヒートシンク523のフィン525の長手方向とは平行の関係となっている。このため、通風孔515から出入りする気流により、ヒートシンク523のフィン525が効率的に冷却され、半導体部品521の効率を向上させることが可能となっている。
以上のように構成される電池モジュール400及びバッテリー管理回路ユニット500を用いることで蓄電装置600を構成することが可能となる。図22は本発明の実施形態に係る電池モジュール400が用いられた蓄電装置600の概要を示す図である。
蓄電装置600の筐体590の中には、複数の電池モジュール400を収容するモジュール収容ラック550と、このモジュール収容ラック550に一体的に取り付けられたバッテリー管理回路ユニット500とが収容される。さらに、筐体590における、これらの上下の空間には、パワーコンディショナーやバッテリー管理回路ユニット500冷却のための送風ユニットなども設けられるが、図22ではこれらを図示していない。
モジュール収容ラック550の上下には、13対の凹状ガイド部材560が設けられている。上下1対の凹状ガイド部材560に対して、1つの電池モジュール400がその上下に設けられている第1端側突状ガイド部材250(下側)、第2端側突状ガイド部材255(上側)で填り合い、挿抜可能となる。
なお、第1端側突状ガイド部材250の幅と、第2端側突状ガイド部材255の幅とは、互いに異なるものとし、これに対応するようにモジュール収容ラック550側の凹状ガイド部材560の凹部の幅を上下で異ならせるように構成すると、電池モジュール400の天地を間違えると、モジュール収容ラック550に電池モジュール400を挿入できなくなるので、誤使用の防止に役立てることができる。
モジュール収容ラック550に収容されている13個の電池モジュール400は、隣り合う電池モジュール400の第1コネクタ232同士が不図示のワイヤーハーネスで直列接続されることで、バッテリー管理回路ユニット500に入力される。
図22に示す実施形態においては、4つの単位電池100の直列接続が収納された電池モジュール400が12個、及び、1つの単位電池100が収納された電池モジュール400が1個、の計13個の電池モジュール400がモジュール収容ラック550に取り付けられており、全ての電池モジュール400の合計で単位電池100の49倍の電圧を取り出せるようになっている。
一方、13個の電池モジュール400の第2コネクタ234は、それぞれ独立した配線で、バッテリー管理回路ユニット500に接続される。バッテリー管理回路ユニット500はこれにより、各単位電池100の電位データと、各電池モジュール400内の温度データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態においては、電池モジュール400の1つの電池収容室に収容する電池の構成が先の実施形態と異なるものであるので、以下この点について説明する。
先の実施形態においては、電池モジュール400の1つの電池収容室には単位電池100が1つ収納される構成となっていたが、本実施形態においては、複数の単位電池100が互いに並列接続された組電池が、電池モジュール400の1つの電池収容室に収容されるようになっている。
これをより具体的に説明する。図23は本発明の他の実施形態に係る電池モジュール400を構成するための、単位電池100の並列接続からなる組電池を説明する図である。図23の例では、2つの単位電池100を並列接続して1つの組電池を構成する場合を示しているが、3つ以上の単位電池100を並列接続して1つの組電池を構成するようにしても良い。
図23に示す実施形態では、一方の単位電池100の正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130を折り曲げて、他方の単位電池100の折り曲げていない正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130に接続するようにしている。ここで、2つの単位電池100の、互いに同じ極性同士の引き出しタブが、例えば図24に示すように溶着で接合される。これにより、図24に示すような、単位電池100の並列接続からなる組電池を得る。
本実施形態においては、上記のような組電池を、単位電池収容体200における第1電池収容室215、第2電池収容室216、第3電池収容室225、第4電池収容室226に収容して、先の実施形態と同様の要領で直列接続を行う。
このような実施形態によれば、1つの電池収容室に1つの単位電池100を収容するものに比べて、より容量の大きい電池モジュール400を構成することが可能となる。
以上、本発明に係る電池モジュールによれば、周縁隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
また、面内で隣接する単位電池それぞれの間に設けた区分け隔壁部により一の電池の異常発熱などが他の電池に伝播し難く保てるので、高い難燃性が確保しやすい電池モジュールが提供できる。加えて、電池搭載面の両面に設けた区分け隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
また、単位電池をシート厚方向に押圧するカバー体により電池要素の変形を効果的に抑制できるので、繰返し充放電性能などの電池特性を良好に保ち易い電池モジュールが提供できる。加えて、電池搭載面の両面に設けた周縁リブ部や区分け隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
以下、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
上述した本発明の第1の実施の形態に係る電池モジュール400は、単位電池100の一方の端部から正極引き出しタブ120と負極引き出しタブ130が引出されている、いわゆる片タブの単位電池を収容する。また、電池モジュール400の片面に2枚、両面で4枚の単位電池100を収容する。また、電池モジュール400のモジュール収容ラック550への挿抜は、電池モジュール400の上下に各1本設けた突状ガイド部材(250、255)をモジュール収容ラック550の凹状ガイド部材560に嵌め合わせることで実現している。
しかし、本発明の電池モジュールは、こういった構成に限られるものでない。
図25は本発明の第2の実施形態にかかる電池モジュール700の主要構成部分を示す斜視図と平面図である。
図25(A)と図25(C)は、本電池モジュール700を第1面側から見た図であり、図25(B)と図25(D)は、本電池モジュール700を第2面側から見た図である。
本発明の第2の実施の形態に係る電池モジュール700は、単位電池701の一方の端部から正極引き出しタブ702が引き出され、他方の端部から負極引き出しタブ703が引き出されている、いわゆる両タブの単位電池701を収容している。
また、電池モジュール700は、片面に4枚まで、両面に8枚までの単位電池701を収容できる。ただし、本実施例の電池モジュール700は、7枚の単位電池701を搭載する場合の構成を例示している。
また、電池モジュール701は、上下各2本の凸状ガイド部材704を備えており、この2本の凸状ガイド部材704を、モジュール収容ラック550の凹状ガイド部材560の互いに隣り合う2本の凹状部に嵌め合わせることで、モジュール収容ラック550と挿抜することができる。
一般に、電池モジュールは、収容する単位電池の厚さが変わると、それに合せて電池モジュール自体の厚さも変える場合が多い。しかし、上述したように、嵌め合わせに用いるガイド部材の本数を調整することで、互いに厚さの異なる電池モジュールであっても同じモジュール収容ラックに収容することができる。
なお、第1の実施形態で詳述したとおり、本実施例の凸状ガイド部材704の幅も、電池モジュール701の上下で互いに異なるものとすることにより、モジュール収容ラック550への誤った方向での挿抜を防止することができる。
第2の実施形態の電池モジュール700で単位電池701を直列接続する場合、図25に示すとおり、面内で隣り合う単位電池701の正極タブ702と負極タブ703の収容方向が互いに逆になる方向に単位電池701を収容し、面内で隣合う単位電池701は、バスバー706で正極引き出しタブ702と負極引き出しタブ703を交互に接続し、第1面と第2面との接続には第1の実施形態で用いた第3バスバー273と同様の、第1面と第2面とに跨る、バスバー707で接続することで、単位電池間の配線経路長を短縮できる。
第2の実施形態の電池モジュール700は、第1の実施形態の電池モジュール400と同様に、第1面周縁隔壁部708、第2面周縁隔壁部709、第1面区分け隔壁部710、第2面区分け隔壁部711を有する。従って、第1の実施形態の電池モジュール400と同様に、電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供できる。
また、電池モジュール701の電池収容室を遮蔽する不図示のカバー体も、第1の実施形態の第1カバー体310や第2カバー体320と同様に、不図示の電池押圧絞り加工部で単位電池701の電極積層領域705を押圧するように構成することができる。従って、第1の実施形態の電池モジュール400と同様に、電池要素の変形を効果的に抑制できるので、繰返し充放電性能などの電池特性を良好に保ち易い電池モジュールが提供できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。電池モジュールが、異常加熱や異常振動などの異常な状況下で使用され、その結果、電池モジュールを構成する複数の単位電池のうち、1つの単位電池が異常発熱し、その単位電池内にガスが発生するような場合、ラミネート電池では、電池の内圧が所定値以上になったところで、ラミネート外装体の外周辺の熱シールの一部を開放してラミネート外装体内のガスをラミネート外層体の外部に排気する。そこで、第3の実施形態においては、ラミネート外装体内で生じたガスをラミネート外装体外に排気する場合であっても、当該ガスの隣接する単位電池への影響を低減することを可能とする構成を実現する。
なお、第3実施形態に用いる単位電池はこれまでに説明したものと異なる構造となっているので、以下、単位電池から説明する。
図32は本発明の他の実施形態に係る電池モジュールを構成する単位電池100及びその予備加工工程を示す図である。この単位電池100としては、リチウムイオンが負極と正極とを移動することにより充放電が行われる、電気化学素子の1種であるリチウムイオン二次単位電池が用いられる。
図32(A)は予備加工を施していない単位電池100を示している。単位電池100の電池本体部110は、複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層された電極積層体、および電解液(いずれも図示しない)が、平面視で矩形のラミネートフィルム外装材内に収容された構造となっている。そして、電池本体部110の一方の端部(辺)からは正極引き出しタブ120が、また、前記一方の端部と対向する他方の端部(辺)からは負極引き出しタブ130が引き出されている。上記のような複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層された積層方向をシート厚方向として定義する。
正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130は、いずれも平面状で、ラミネートフィルム外装材内において、それぞれ、シート状正極、シート状負極と直接またはリード体などを介して接続されている。ラミネートフィルム外装材は、熱融着樹脂層を有する金属ラミネートフィルムにより構成されている。より具体的には、例えば2枚の金属ラミネートフィルムが、熱融着樹脂層同士を相対して重ねられてラミネートフィルム外装材を構成し、シート状正極、シート状負極およびセパレータを有する電極積層体や電解液を、内部に収容した状態でラミネートフィルム外装材の外周辺が熱シールされることで、その内部が密閉されている。
ここで、ラミネートフィルム外装材よりなる電池本体部110から引き出される正極引き出しタブ120や負極引き出しタブ130などの金属片は、「引き出しタブ」と称することとし、ラミネートフィルム外装材の内側でセパレータや電解液などを介して積層されているシート状正極やシート状負極を「電極」と称する。
なお、電極積層体には、上記のように複数のシート状正極と複数のシート状負極とがセパレータを介して積層したものの他に、シート状正極とシート状負極とがセパレータを介し積層したものを巻回し、これが圧縮されることにより積層体をなすものも含まれる。
上記のような単位電池100においては、正極引き出しタブ120の材質としてはアルミニウムまたはアルミニウム合金が、また、負極引き出しタブ130の材質としては、ニッケル、他の金属にニッケルメッキを施した材料(ニッケルメッキ材。例えば、ニッケルメッキをした銅など)、ニッケルと他の金属のクラッド(ニッケルクラッド材。例えば、ニッケル−銅クラッドなど)が一般的に用いられている。本実施形態においては、アルミニウム製の正極引き出しタブ120が、また、ニッケルメッキをした銅からなる負極引き出しタブ130がそれぞれ用いられている。
以上のように構成される単位電池100に対して、電池モジュールに組み込み前段としての予備加工を実施する。まず、図32(B)に示すように、銅製の継ぎ足しタブ部材140を、溶着部143で超音波溶着することで、正極引き出しタブ120に接続する。このような継ぎ足しタブ部材140を用いる理由について説明する。
本発明に係る電池モジュールを構成する上では、単位電池100の正極引き出しタブ120と、この単位電池100に隣り合う単位電池100の負極引き出しタブ130とを、ネジによって機械的に銅製のバスバーに固着することで、電気接続を行うようにする。
ここで、単位電池100のアルミニウムを含む正極引き出しタブ120と、銅製のバスバーとを機械的に固着させる構成では、電位差の問題により所定の年月が経過した後の導電性が劣化する可能性がある。
そこで、本発明に係る電池モジュールにおいては、上述のように、単位電池100の正極引き出しタブ120には、銅製の継ぎ足しタブ部材140を溶着により接合しておく。そして、銅製の継ぎ足しタブ部材140と、バスバーとを機械的に固着することによって、電位差による導電性劣化の問題を解決する。このような構成によれば、機械的な電気接続部では、同種の金属材料による電気接続となり、電位差の問題がなく、年月の経過による導電性の劣化が発生することがほとんどなくなる。
続く、図32(C)の工程においては、正極引き出しタブ120に位置合わせ貫通孔124を設け、正極引き出しタブ120に継ぎ足された継ぎ足しタブ部材140に貫通孔145を設け、負極引き出しタブ130に位置合わせ貫通孔134及び貫通孔135を設ける。これらの貫通孔のうち、正極引き出しタブ120の位置合わせ貫通孔124及び負極引き出しタブ130の位置合わせ貫通孔134については、単位電池100を後に詳しく説明する単位電池収容体800にセットする際に利用する。
単位電池収容体800には単位電池位置合わせ突起部860が設けられているが、単位電池100を単位電池収容体800に載置する際には、単位電池位置合わせ突起部860を位置合わせ貫通孔124、位置合わせ貫通孔134に貫通させるようにすれば、簡単に単位電池100を単位電池収容体800にセッティングすることが可能となり、製造効率がよい。
また、継ぎ足しタブ部材140の貫通孔145、及び、負極引き出しタブ130の貫通孔135については、後述するように(1)単位電池100を単位電池収容体800に機械的に固定するため、(2)単位電池収容体200のバスバーにタブを電気的に接続するため、及び、(3)タブとセンス線、電源線を電気的に接続するために利用される。
次に、以上のように準備加工された単位電池100を収容するための単位電池収容体800の詳細な構成について説明する。図33及び図34は本発明の実施形態に係る電池モジュールを構成する上で用いられる電池収容体800を説明する図である。
電池収容体800は、ABSなどの合成樹脂製の部材であり、電池収容体800においては、単位電池100などが組み付けられ、単位電池100同士などの配線が行われる。
電池収容体800は、平板状の基体と、基体の2つの主面である表面および裏面の周縁部に形成された周縁隔壁部と、を有する。周縁隔壁部は、基体表面側に設けられた第1面周縁隔壁部と、基体裏面側に設けられた第2面周縁隔壁部と、から構成されている。ここで、図33は電池収容体800の基体表面側を斜視的にみた図であり、図34は電池収容体800の基体裏面側を斜視的にみた図である。図33に示されている基体表面側の電池収容体の主面を第1面801、また、図34に示されている基体裏面側の電池収容体の主面を第2面812として、以下、説明する。
第1面801においては、基体表面の周縁を囲むように、基体表面から垂直方向に立設した第1面周縁隔壁部802が設けられている。この第1面周縁隔壁部802で囲まれた内側のエリアは、後述するカバー体によって遮蔽される。
また、第1面801における第1面周縁隔壁部802で囲まれた内側のエリアにおいては、基体表面から垂直方向に立設した第1面区画分け隔壁部803が設けられており、第1面内で互いに隣接する単位電池100の間の隔壁を成し、単位電池100を収容する独立した収容室を供するようになっている。また、第1面区画分け隔壁部803は、一列に配列される端部に位置する単位電池100の隔壁としても機能する。第1面区画分け隔壁部803により、第1面801側においては、第1電池収容室807、第2電池収容室808、第3電池収容室809、第4電池収容室810の計4つの単位電池100の収容空間を構成することが可能となる。
第1面801の一端側と、これに対向する他端側とにおいては、第1面周縁隔壁部802と、第1面区画分け隔壁部803との中間に位置し、基体表面から垂直方向に立設した第1面中間隔壁部805が設けられている。第1面区画分け隔壁部803と第1面中間隔壁部805との間の空間は、単位電池100のタブの電位を検出するセンス線などを這わせるための第1面センス線収容部811として利用される。
第1面区画分け隔壁部803により形成される単位電池100の収容室に、単位電池100が収容されたとき、その引き出しタブが引き出される方向と、第1面区画分け隔壁部803が交差する箇所には、区画分け隔壁切り欠き部804が設けられている。また、同様に、前記引き出しタブが引き出される方向と第1面中間隔壁部805とが交差する箇所には、中間隔壁切り欠き部806が設けられている。区画分け隔壁切り欠き部804、中間隔壁切り欠き部806を設ける効用については、後に説明する。
第2面812においても、基体裏面の周縁部に囲むように、基体裏面から垂直方向に立設した第2面周縁隔壁部813が設けられている。この第2面周縁隔壁部813で囲まれた内側のエリアは、後述するカバー体によって遮蔽される。
また、第2面812における第2面周縁隔壁部813で囲まれた内側のエリアにおいては、基体表面から垂直方向に立設した第2面区画分け隔壁部814が設けられており、第2面内で互いに隣接する単位電池100の間の隔壁を成し、単位電池100を収容する独立した収容室を供するようになっている。また、第2面区画分け隔壁部814は、一列に配列される端部に位置する単位電池100の隔壁としても機能する。第2面区画分け隔壁部814により、第2面812側においては、第5電池収容室818、第6電池収容室819、第7電池収容室820、第8電池収容室821の計4つの単位電池100の収容空間を構成することが可能となる。電池収容体800においては、第1面801と第2面812とで合わせて、計8つの単位電池100を収容する。
第2面812の一端側と、これに対向する他端側とにおいては、第2面周縁隔壁部813と、第2面区画分け隔壁部814との中間に位置し、基体表面から垂直方向に立設した第2面中間隔壁部816が設けられている。第2面区画分け隔壁部814と第2面中間隔壁部816との間の空間は、単位電池100のタブの電位を検出するセンス線などを這わせるための第2面センス線収容部822として利用される。
第2面区画分け隔壁部814により形成される単位電池100の収容室に、単位電池100が収容されたとき、その引き出しタブが引き出される方向と、第2面区画分け隔壁部814が交差する箇所には、区画分け隔壁切り欠き部815が設けられている。また、同様に、前記引き出しタブが引き出される方向と第2面中間隔壁部816とが交差する箇所には、中間隔壁切り欠き部817が設けられている。第2面区画分け隔壁部814、中間隔壁切り欠き部817を設ける効用については、後に説明する。
上記に示すように、単位電池収容体800は、第1面801において第1電池収容室807、第2電池収容室808、第3電池収容室809、第4電池収容室810の4つの単位電池100の収容室を有しており、第2面812において第5電池収容室818、第6電池収容室819、第7電池収容室820、第8電池収容室821の4つの単位電池100の収容室を有しており、両面で合わせて計8つの単位電池100の収容室を有している。仮にひとつの電池収容室に1つの単位電池100を収容するものとすると、本実施形態に係る単位電池収容体800では、最大で8つの単位電池100を収容することが可能である。なお、本発明における電池モジュールでは、単位電池収容体800で収容可能とする単位電池100の数は、この例に限定されるものではなく、単位電池収容体800の両面を利用するのであれば、単位電池収容体800で収容可能とする単位電池100の数は、任意の数とすることができる。
単位電池収容体800の一方の端部(第1電池収容室807及び第8電池収容室821が配されている側の端部)においては、直列接続される単位電池100の電源が取り出せる第1コネクタ828が配される空間である第1コネクタ収容凹部824が設けられている。
図35は第1コネクタ828の電池収容体800への取り付けを説明する図であり、図35(B)は図35(A)の要部拡大図である。単位電池収容体800の側壁には、第1コネクタ828を取り付けるための第1コネクタ取り付け開口部825と、その両側に第1コネクタ取り付けネジ孔826とが設けられており、第1コネクタ828を第1コネクタ取り付け開口部825にはめ込み、第1コネクタ取り付けネジ孔826に取り付けネジ829を螺着させることで、第1コネクタ828を電池収容体800に固着する。第1コネクタ収容凹部824の近傍には、第1面801と第2面812とを貫通する電源線用開口部827が設けられており、第1面801側に設けられる第1コネクタ828の電源線881を第2面812側に引き回せるようになっている。
単位電池収容体800の一方の端部第4電池収容室810及び第5電池収容室818が配されている側の端部)においては、単位電池100からのセンス線、サーミスタ接続線からの出力が取り出せる第2コネクタ840が配される空間である第2コネクタ取り付け凹部832が設けられている。
この第2コネクタ234からは、直列接続される各単位電池100のタブの電位情報、モジュール内の温度情報が取り出せるようになっている。このような各単位電池100のタブの電位情報によって、後述するバッテリー管理回路ユニット1100が各々の単位電池100の管理を行うことができるようになっている。
電池モジュール1000を蓄電装置1200に装着する際には、電池モジュール1000をレール部材で位置規制しつつ、蓄電装置1200筐体の奥部にあるコネクタ(後述する第7コネクタ1152)に嵌合させるが、このとき、レール部材などに公差があると、第2コネクタ840と第7コネクタ1152との嵌合が困難となる。そこで、第2コネクタ840は、上記のような公差をカバーするように、若干変位可能に構成されている。
このような第2コネクタ840について、図36乃至図38に基づいて説明する。図36は第2コネクタ840のコネクタ取り付けパネル847への取り付けを説明する図であり、図37はコネクタ取り付けパネル847の電池収容体800への取り付けを説明する図であり、図38は電池収容体800に取り付けられた第2コネクタ840正面図である。
第2コネクタ840の本体部841の両端には、2つの貫通孔843(図36には不図示)が設けられており、これらの2つの貫通孔843にそれぞれブッシュ844が取り付けられているが、このブッシュ844の外径は、貫通孔843の内径より2Δbより小さくなっており、これによりブッシュ844に対して第2コネクタ840の本体部841は2Δbの変位を行い得るようになっている。
この第2コネクタ840は、コネクタ取り付けパネル847のコネクタ取り付け開口部848にはめ込まれ、コネクタ取り付けパネル847のコネクタ取り付けネジ孔849と、ブッシュ844と、締結部材852の雌ネジ孔853とに挿入・螺着される取り付けネジ850によって、コネクタ取り付けパネル847に対して固着される。したがって、第2コネクタ840は、コネクタ取り付けパネル847に対して、2Δbの変位量で変位可能となっている。
第2コネクタ取り付け凹部832におけるパネル取り付け基台部833には、パネル取り付け基台部833を形成する平面より突出するネジ孔周縁突状部835が設けられており、ネジ孔周縁突状部835の中心には、コネクタ取り付けパネル847を電池収容体800に対して取り付けるために利用されるパネル取り付けネジ孔834が設けられている。
コネクタ取り付けパネル847の両側に設けられている取り付け切り欠き部851内に、挿通されるネジ孔周縁突状部835の外径は、取り付け切り欠き部851の内側部より2Δa小さくされており、コネクタ取り付けパネル847は電池収容体800に対して2Δa変位可能となる。
第2コネクタ840が取り付けられたコネクタ取り付けパネル847は、コネクタ取り付けネジ孔849と、抜け止めワッシャー837と、取り付け切り欠き部851と、パネル取り付けネジ孔834とに挿通された取り付けネジ836によって、電池収容体800に取り付けられる。
コネクタ取り付けパネル847は電池収容体800に対して2Δa変位可能となり、さらに、第2コネクタ840はコネクタ取り付けパネル847に対して2Δb変位可能となるので、第2コネクタ840は電池収容体800に対して2Δa+2Δbの変位が可能となる。ここで、Δa>Δbの寸法関係に設定することにより、レール部材によって位置規制されながら誘導される電池モジュール1000の第2コネクタ840は、より滑らかに第7コネクタ1152に嵌合する。
単位電池収容体800の(第1電池収容室807及び第8電池収容室821が配されている側の端部)においては、第1面801と第2面812との間を貫通する取手貫通孔854が設けられており、取手貫通孔854とその周囲が取手部855として機能するようになっている。このような取手部855は、電池モジュールの取り扱い性を向上させるものである。
単位電池収容体800における第1面801の第4電池収容室810と、第2面812の第5電池収容室818との間には、第1面801と第2面812との間を貫通するバスバー引き回し貫通孔867が設けられている。
本発明に係る電池モジュールにおいては、各電池収容室に配された電池が直列接続されるが、このバスバー引き回し貫通孔867によって、面間バスバー877を第1面801の第4電池収容室810と、第2面812の第5電池収容室818との間を跨がせることが可能となり、これにより、第4電池収容室810に収容される単位電池100と第5電池収容室818に収容される単位電池100とを、面間バスバー877を介して電気接続することができるようになっている。
第1電池収容室807乃至第8電池収容室821のそれぞれの収容室には、基体表面または基体裏面から立設さようにして、それぞれ2つの単位電池位置合わせ突起部860が設けられている。
それぞれの収容室の一方の単位電池位置合わせ突起部860は、正極引き出しタブ120の位置合わせ貫通孔124に、また、他方の単位電池位置合わせ突起部860は、負極引き出しタブ130の位置合わせ貫通孔134に嵌合するようになっており、これにより、単位電池100を単位電池収容体800に迅速に位置合わせしてセットすることが可能となり、製造効率上有効である。
また、それぞれの収容室には、基体表面または基体裏面の平面から立設されたタブ部材載置部861が設けられている。タブ部材載置部861は単位電池収容体800に単位電池100がセットされたときに、単位電池100の正極引き出しタブ120、負極引き出しタブ130やこれらタブ間に配設されるバスバーを前記平面から所定距離離した状態で保つための構成である。
タブ部材載置部861の一部にはタブ部材固着ネジ孔862が設けられており、このタブ部材固着ネジ孔862を利用してネジ止め行うことで、(1)単位電池100を単位電池収容体800に機械的に固定し、(2)単位電池収容体800のバスバーにタブを電気的に接続し、及び、(3)タブとセンス線、電源線を電気的に接続することができるようになっている。タブ部材固着ネジ孔862は、内周にネジパターンが切られた金属の筒状体が、樹脂で形成される単位電池収容体800に一体モールドで埋め込まれるような形で設けられることが好ましい。
タブ部材載置部861におけるタブ部材固着ネジ孔862の一部には、十字状のリブ構造が設けられ、タブ部材固着ネジ孔862を補強するようになっている。また、タブ部材固着ネジ孔862のうち、タブ部材間バスバー876が設けられる箇所においては、相隣るタブ部材固着ネジ孔862の間に、ネジ孔間架橋部863が設けられ、安定的にタブ部材間バスバー876を載置することができるようになっている。さらに、このネジ孔間架橋部863の上面には、バスバー位置決め突起部864が設けられており、タブ部材間バスバー876に予め設けられる貫通孔にバスバー位置決め突起部864を嵌合することで、タブ部材間バスバー876を簡便にセットすることでき、製造効率を向上させるようになっている。
また、第1面801の第1電池収容室807に収容される単位電池100の正極引き出しタブ120、及び、第2面812の第8電池収容室821に収容される単位電池100の負極引き出しタブ130はそれぞれ、センス線以外に電源線にも接続されるが、このために用いる端部バスバー875を固定するために、それぞれの収容室には端部バスバー固定枠865が設けられている。
単位電池収容体800の外周における一の端部には第1端側突状ガイド部材870が、また当該端部と対向する他の端部には第2端側突状ガイド部材872が設けられている。
これら第1端側突状ガイド部材870、及び、第2端側突状ガイド部材872は、凸部が長手方向に連続するような構造であり、後述するレール部材における凹状ガイド部材1145に、これらをスライドさせることで、本発明に係る電池モジュール1000を蓄電装置1200の筐体に収容することが可能となる。
これら第1端側突状ガイド部材870、及び、第2端側突状ガイド部材872は、凸部が長手方向に連続するような構造であり、後述するレール部材における凹状ガイド部材1145に、これらをスライドさせることで、本発明に係る電池モジュール1000を蓄電装置1200の筐体に収容することが可能となる。
第1端側突状ガイド部材870の両端部にはテーパー部871が、また、第2端側突状ガイド部材872の両端部にはテーパー部873がそれぞれ設けられることで、上記のように、レール部材における凹状ガイド部材1145に電池モジュール1000を差し込み入れる際には、差し込みが容易となり取り扱い性が向上する。また、レール部材における凹状ガイド部材1145から電池モジュール1000を取り外す際には、各テーパー部がアソビとなるので、電池モジュール1000の抜き去り方向に留意する必要性があまりなく、取り扱い性が向上する。
第1端側突状ガイド部材870の幅と、第2端側突状ガイド部材872の幅とは、互いに異なるものを用いることで、想定していない姿勢で、電池モジュール1000が蓄電装置1200に対して抜き差しされることを防止することが可能となる。なお、第1端側突状ガイド部材870の幅は、或いは、第2端側突状ガイド部材872の幅は、基体表面または基体裏面と垂直な方向でみた長さとして定義することができる。
第1端側突状ガイド部材870及び第2端側突状ガイド部材872はいずれも、基体表面および基体裏面とは異なる側面であって、対向する2つの側面に基体表面あるいは基体裏面の平面方向に沿って設けられるものである。
第1端側突状ガイド部材870及び第2端側突状ガイド部材872は、周縁隔壁部(802,813)から突出あるいは基体から延在するように設けられるものある。また、各テーパー部は、前記突出する突出量あるいは延在する延長量が変化するものである、ということができる。
単位電池収容体800においては、第1面801に配された単位電池100や各種配線を第1面カバー体910により、また、第2面812に配された単位電池100や各種配線を第2面カバー体920により遮蔽する構造を採る。
このために、第1面カバー体910を第1面801にネジにより螺着するために用いられるカバー体固着ネジ孔869が、第1面801に16個設けられている。同様に、第2面カバー体920を第1面220にネジにより螺着するために用いられるカバー体固着ネジ孔869が、第2面812に同じく16個設けられている。それぞれの面に、カバー体固着ネジ孔869は16個設けられているが、全てのカバー体固着ネジ孔869でネジ留めする必要はない。また、カバー体固着ネジ孔869を一の面に設ける数は、16個に限らず任意の数とすることができる。
次に、以上のように構成される単位電池収容体800に単位電池100などの各部品を組み付けて、本発明に係る電池モジュールとする工程について説明する。
図39に示す工程においては、第1面801の第4電池収容室810に収容される単位電池100と、第2面812の第5電池収容室818に収容される単位電池100との導通のために利用される面間バスバー877をセットする。面間バスバー877をバスバー引き回し貫通孔867に挿通し、面間バスバー877に設けられている貫通孔をバスバー位置決め突起部864に嵌合することで、面間バスバー877の取り付けが完了する。面間バスバー877には、タブ部材固着ネジ孔862に対応する貫通孔も予め設けられている。
図40に示す工程においては、タブ部材間バスバー876に設けられている貫通孔をバスバー位置決め突起部864に嵌合することで、タブ部材間バスバー876をタブ部材載置部861にセットする。タブ部材間バスバー876には、タブ部材固着ネジ孔862に対応する貫通孔も予め設けられている。また、この工程においては、端部バスバー固定枠865に、端部バスバー875をセットする。この端部バスバー875にも、タブ部材固着ネジ孔862に対応する貫通孔が予め設けられている。また、各電池収容室における斜線部に接着剤を塗布する。
続く、図41に示す工程においては、接着剤が塗布されている第1電池収容室807、第2電池収容室808、第3電池収容室809、第4電池収容室810のそれぞれに単位電池100を収容する。このとき、単位電池100の正極引き出しタブ120の位置合わせ貫通孔124及び負極引き出しタブ130の位置合わせ貫通孔134を、電池収容体800の単位電池位置合わせ突起部860に貫通させることで、簡便に位置合わせを行うことができ、製造効率がよい。図中、単位電池100の正極引き出しタブ120が引き出された側には(+)のマークを、また、負極引き出しタブ130が引き出された側には(−)のマークを記入している。図41に示すように、隣り合う電池収容室に収容される単位電池100のタブの極性は、電池収容体800の一端部側おいて、相異なるようになっている。これによりタブ部材間バスバー876を介して、単位電池100のタブ同士が電気接続されると、直列接続を構成するようになっている。
本実施形態では、単位電池100の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に、単位電池100が一方向に複数配列され、さらに、隣り合う単位電池100のタブ同士が電気接続されることで、簡便に単位電池100の直列接続が実現できるようになっている。
タブ部材固着ネジ孔862を利用してネジ889によって、タブ部材間バスバー876と単位電池100のタブの電気的及び機械的固着を行う。ここで、タブ部材間バスバー876を固着する2つのネジ889のうち一方のネジ889には、センス線端子888も合わせて固着する。センス線端子888は、第1面センス線収容部811に配されるセンス線887により第2コネクタ840と導通しており、第2コネクタ840から単位電池100のタブの電位情報を出力可能とされる。
第1電池収容室807における単位電池100の継ぎ足しタブ部材140は、ネジ889によりは、端部バスバー875上で、電源線端子882とセンス線端子888と端部バスバー875と電気的及び機械的固着が施される。この電源線端子882は、電源線881により第1コネクタ828と導通しており、第1コネクタ828からは、電池モジュールとしての正極性の出力を取り出すことができるようになっている。
また、第2電池収容室808と第3電池収容室809との間における2つの第1面区画分け隔壁部803の間には、電池モジュール1000の温度をモニタするためのサーミスタ886が設けられている。このサーミスタ886と、第2コネクタ840とはサーミスタ接続線885とで導通しており、第2コネクタ840からは電池モジュール1000の温度情報を出力可能とされる。
続く、図42に示す工程においては、電池収容体800の第1面801に、ネジ930により第1面カバー体910を取り付ける。ここで、図47の斜視図も参照しつつ、第1面カバー体910について説明する。第1面カバー体910と第2面カバー体920とは鏡対称の関係にある以外は同様の構成を有しているので、以下、第1面カバー体910を例にとり説明する。
第1面カバー体910は、単位電池収容体800の第1面801に収容される単位電池100、電源線881、センス線887やサーミスタ886などを遮蔽するアルミニウム製のカバー用の部材である。
第1面カバー体910には、第1面カバー体910が第1面801に取り付けられたとき、各電池収容室に収容されている単位電池100を押圧するための絞り加工(電池押圧絞り加工部911)が施されている。また、電池押圧絞り加工部911によって、単位電池100を押圧する面は押圧面912として定義される。電池押圧絞り加工部911に基づく押圧面912は、第1面カバー体910装着時、単位電池100の電極積層領域105を押圧することで、単位電池100の経年使用による膨張などを押さえ込み、単位電池100の寿命を伸ばす効果を有する。
また、第1面カバー体910には、第1面カバー体910が第1面801に取り付けられたとき、カバー体固着ネジ孔869と対応する位置に、ネジ孔914が形成されている。ネジ孔914の周囲には、ネジ孔絞り加工部913が設けられることで、ネジ孔914の周囲における第1面カバー体910と第1面801とが密着する形で、第1面カバー体910が固着される。
また、第1面カバー体910においては、第1面カバー体910が電池収容体800に取り付けられたとき、単位電池100の引き出しタブと対応するように、切り欠き部915が設けられている。このような切り欠き部915を設けることにより、電池モジュール1000の排気性能を確保することが可能となる。
続く、図43に示す工程においては、電池収容体800の第2面812において、タブ部材間バスバー876に設けられている貫通孔をバスバー位置決め突起部864に嵌合することで、タブ部材間バスバー876をタブ部材載置部861にセットする。タブ部材間バスバー876には、タブ部材固着ネジ孔862に対応する貫通孔も予め設けられている。また、この工程においては、端部バスバー固定枠865に、端部バスバー875をセットする。この端部バスバー875にも、タブ部材固着ネジ孔862に対応する貫通孔が予め設けられている。また、各電池収容室における斜線部に接着剤を塗布する。
続く、図44に示す工程においては、電池収容体800の第2面812において、接着剤が塗布されている第5電池収容室818、第6電池収容室819、第7電池収容室820、第8電池収容室821のそれぞれに単位電池100を収容する。このとき、単位電池100の正極引き出しタブ120の位置合わせ貫通孔124及び負極引き出しタブ130の位置合わせ貫通孔134を、電池収容体800の単位電池位置合わせ突起部860に貫通させることで、簡便に位置合わせを行うことができ、製造効率がよい。図中、単位電池100の正極引き出しタブ120が引き出された側には(+)のマークを、また、負極引き出しタブ130が引き出された側には(−)のマークを記入している。図44に示すように、隣り合う電池収容室に収容される単位電池100のタブの極性は、電池収容体800の一端部側おいて、相異なるようになっている。これによりタブ部材間バスバー876を介して、単位電池100のタブ同士が電気接続されると、直列接続を構成するようになっている。
本実施形態では、単位電池100の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に、単位電池100が一方向に複数配列され、さらに、隣り合う単位電池100のタブ同士が電気接続されることで、簡便に単位電池100の直列接続が実現できるようになっている。
タブ部材固着ネジ孔862を利用してネジ889によって、タブ部材間バスバー876と単位電池100のタブの電気的及び機械的固着を行う。ここで、タブ部材間バスバー876を固着する2つのネジ889のうち一方のネジ889には、センス線端子888も合わせて固着する。センス線端子888は、第1面センス線収容部811に配されるセンス線887により第2コネクタ840と導通しており、第2コネクタ840から単位電池100のタブの電位情報を出力可能とされる。
第8電池収容室821における単位電池100の負極引き出しタブ130は、ネジ889によりは、端部バスバー875上で、電源線端子882とセンス線端子888と端部バスバー875と電気的及び機械的固着が施される。この電源線端子882は、電源線881により第1コネクタ828と導通しており、第1コネクタ828からは、電池モジュールとしての負極性の出力を取り出すことができるようになっている。
続く、図45に示す工程においては、電池収容体800の第2面812に、ネジ930により第2面カバー体920を取り付ける。
続く、図46に示す工程においては、第1コネクタ828にキャップ部材891を装着する。第1コネクタ828の導電端子には、8つの単位電池100を直列接続した分の電圧が印加された状態となる。そこで、電池モジュール1000を取り扱う上での安全性を担保するために、このようなキャップ部材891により、第1コネクタ828を遮蔽するようにしている。キャップ部材891には2つの係止片892が設けられており、これらに対応して電池収容体800の側壁部に設けられている2つの係止口890に、当該2つの係止片892を挿入することで、第1コネクタ828を覆うようにキャップ部材891を装着することができるようになっている。このキャップ部材891は、電池モジュール1000を蓄電装置1200に装着する際には、取り外される。
以上の工程を経て、図48の斜視図に示されるような電池モジュール1000が完成する。ここで、図49を参照して、他の実施形態に係る電池モジュール1000の特徴点について説明する。
一般的に、電池モジュールには複数の単位電池が収容され、互いに電気接続されて利用されるようになっているが、電池モジュールが異常な状態で使用された結果、複数の単位電池のうち、1つの単位電池で異常が発生し、ラミネートフィルム外装材内に生じたガスをラミネートフィルム外装材外に排気するような場合であっても、当該ガスの隣接する単位電池への影響を低減できることが望ましい。そこで、本実施形態においては、上記のようなガスを排気する排気構造を備えている。図49は本発明の他の実施形態に係る電池モジュール1000の排気構造を説明する図である。
図49(A)は電池モジュール1000の平面図であり、図49(B)は図49(A)に示されるA−A断面図である。この断面図は、電池収容体800に収容されている単位電池100の引き出しタブの幅方向の略中心を切った状態を見るものである。
ラミネートフィルム外装材の内部で生じたガスによりラミネート電池が膨張した場合、ラミネートフィルム外装材の外周辺の熱シールは、ラミネートフィルム外装材が正極引き出しタブ120又は負極引き出しタブ130を挟持している近傍で開放されやすい。
そこで、本実施形態においては、単位電池100の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に設けられている各区画分け隔壁部(第1面区画分け隔壁部803、第2面区画分け隔壁部814)、及び、中間隔壁部(第1面中間隔壁部805、第2面中間隔壁部816)には、それぞれ区画分け隔壁切り欠き部(区画分け隔壁切り欠き部804、区画分け隔壁切り欠き部815)及び中間隔壁切り欠き部(中間隔壁切り欠き部806、中間隔壁切り欠き部817)を設けると共に、カバー体(第1面カバー体910、第2面カバー体920)にも、切り欠き部(切り欠き部915、切り欠き部925)を設けることで、単位電池100のラミネートフィルム外装材から排出するガスを図中の矢印の示すように排気する。
すなわち、本実施形態においては、カバー体(第1面カバー体910、第2面カバー体920)と区画分け隔壁切り欠き部(区画分け隔壁切り欠き部804、区画分け隔壁切り欠き部815)とで開口が形成されるようになる。同様に、カバー体(第1面カバー体910、第2面カバー体920)と中間隔壁切り欠き部(中間隔壁切り欠き部806、中間隔壁切り欠き部817)とで開口が形成されるようになる。そして、上記のような開口が、単位電池100から排出したガスを排気するパスとなる。
また、本実施形態においては、区画分け隔壁切り欠き部(区画分け隔壁切り欠き部804、区画分け隔壁切り欠き部815)と中間隔壁切り欠き部(中間隔壁切り欠き部806、中間隔壁切り欠き部817)が、各単位電池100の引き出しタブの引き出し方向と、区画分け隔壁部、中間隔壁部と交差する箇所に設けられていることもガスの排気性能の向上に役立っている。
他の実施形態に係る電池モジュール1000は、上記の排気構造を有するために、電池モジュール1000に搭載されている複数の単位電池100のうちの1つが異常発熱を起こし、ガスが発生した場合においても、上記のような排気構造でこれを排気することが可能となるために、この単位電池100に隣接する単位電池100への影響を抑制し、電池モジュール1000全体を保全することができる。
続いて、以上のような本発明に係る電池モジュール1000の管理を行うバッテリー管理回路ユニット1100の構成の概略について説明する。図50、図51、図52はバッテリー管理回路ユニット1100の製造工程を説明する図である。また、図53はバッテリー管理回路ユニット1100を示す図である。
図50に示す工程では、コネクタパネル1110に、第3コネクタ1111及び第4コネクタ1112をネジ1115で取り付ける。バッテリー管理回路ユニット1100は、蓄電装置1200への取り付け性などを考慮すると、電池モジュール1000と略同寸法とすることが望ましいが、回路基板1120のみで前記寸法を確保しようとするとコスト面などが問題となるので、コネクタパネル1110を用いるようにしている。
図51に示す工程では、バッテリー管理用の回路が搭載されている回路基板1120にたいして、回路の冷却のために一部に通気孔1126が設けられた側板1125を、回路基板1120のネジ孔部1127及びネジ1129により固着する。
続く、図52に示す工程では、回路基板1120とコネクタパネル1110とをネジ1130により固着する。
図53に示す工程では、コネクタパネル1110に設けられている第3コネクタ1111、第4コネクタ1112のリード線1114を回路基板1120の各端子1123に電気接続する。
以上のようにして構成されるバッテリー管理回路ユニット1100には、第3コネクタ1111、第4コネクタ1112、第5コネクタ1121、第6コネクタ1122が備えられている。
次に、以上のようなバッテリー管理回路ユニット1100と電池モジュール1000とにより構成される蓄電装置1200について説明する。
図54は本発明の他の実施形態に係る電池モジュール1000が用いられた蓄電装置1200の筐体1140を示している。この筐体1140内には、図示するように上段レール部材1141、中段レール部材1142、下段レール部材1143が設けられており、上段レール部材1141の下面、中段レール部材1142の上面、下面、下段レール部材1143の上面には、電池モジュール1000をスライドしつつ蓄電装置1200にセットする際に用いられる凹状ガイド部材1145が設けられている。
また、蓄電装置1200の筐体1140の背面側には、中継ボード1150が設けられている。図55は蓄電装置1200の正面から中継ボード1150をみた図である。この中継ボード1150は、各電池モジュール1000の第2コネクタ840が嵌合する第7コネクタ1152と、バッテリー管理回路ユニット1100の第5コネクタ1121、第6コネクタ1122がそれぞれ嵌合する第8コネクタ1153、第9コネクタ1154とが設けられ、不図示の配線が施されることで、各電池モジュール1000のセンス情報、温度情報をバッテリー管理回路ユニット1100側に中継することができるようになっている。バッテリー管理回路ユニット1100はこれにより、各単位電池100の電位データと、各電池モジュール1000内の温度データを取得して、これに基づいて放電停止などの制御を行うようにしている。
図56は、レール部材の凹状ガイド部材1145を利用して、蓄電装置1200の筐体1140に電池モジュール1000をスライドしつつセットしている様子を示している。このとき、筐体1140の背面側の中継ボード1150の第7コネクタ1152に、電池モジュール1000の第2コネクタ840を嵌合させるようにしなければならない。
レール部材などに公差があると、第2コネクタ840と第7コネクタ1152との嵌合が困難となる。そこで、第2コネクタ840は、上記のような公差をカバーするように、若干変位可能に構成されている。
上記のような変位を可能とするための構成について説明する。図57は本発明の他の実施形態に係る電池モジュール1000の第2コネクタ840周辺の構成を説明する図であり、図57(A)は電池モジュール1000の第2コネクタ840を正面から見た図であり、図57(B)は図57(A)のA−A断面図であり、図57(C)は図57(A)のB−B断面図である。
図57(B)に示すように、電池収容体800のパネル取り付け基台部833には、パネル取り付け基台部833を形成する平面より突出するネジ孔周縁突状部835が設けられている。このネジ孔周縁突状部835の中心には、コネクタ取り付けパネル847を電池収容体800に対して取り付けるためのパネル取り付けネジ孔834が設けられている。
コネクタ取り付けパネル847の両側に設けられている取り付け切り欠き部851内に、挿通されるネジ孔周縁突状部835の外径は、取り付け切り欠き部851の内側部より、図に示すように、2Δa小さくされており、コネクタ取り付けパネル847は電池収容体800に対して2Δa変位可能となる。
また、図57(C)に示すように、第2コネクタ840の貫通孔843にはブッシュ844が取り付けられているが、このブッシュ844の外径は、貫通孔843の内径より2Δbより小さくなっており、これによりブッシュ844に対して第2コネクタ840の本体部841は2Δbの変位を行い得るようになっている。
コネクタ取り付けパネル847は電池収容体800に対して2Δa変位可能となり、さらに、第2コネクタ840はコネクタ取り付けパネル847に対して2Δb変位可能となるので、第2コネクタ840は電池収容体800に対して2Δa+2Δbの変位が可能となる。
ここで、Δa>Δbの寸法関係に設定することが好ましい。レール部材によって位置規制されながら誘導される電池モジュール1000の第2コネクタ840は、2Δaの裕度により、第7コネクタ1152に対して大まかな位置決めがなされ、さらに、第2コネクタ840と第7コネクタ1152とが嵌合するタイミングで、2Δbの裕度により、第2コネクタ840が第7コネクタ1152と嵌合する。Δa>Δbの寸法関係に設定すると、このように、第2コネクタ840は、より滑らかに第7コネクタ1152に嵌合することが可能となる。
図58は、蓄電装置1200の筐体1140にバッテリー管理回路ユニット1100をセットしている様子を示している。このときバッテリー管理回路ユニット1100の第5コネクタ1121、第6コネクタ1122を、それぞれ中継ボード1150の第8コネクタ1153、第9コネクタ1154に嵌合させる。
図59の工程では、各電池モジュール1000のキャップ部材891を取り外し、電源線1160により各電池モジュール1000を直列接続する。直列接続した両端の電源線1160は、バッテリー管理回路ユニット1100の第3コネクタ1111に入力する。
以上のように、各電池モジュール1000とバッテリー管理回路ユニット1100をセットすることで蓄電装置1200が完成する。
本発明は、近年、クリーンエネルギーの蓄電装置等の分野において、用途が急速に拡大しているリチウムイオン電池等の電池モジュールに係るものである。高いエネルギー密度を有するリチウムイオン電池を単位電池として用いた電池モジュールには、安全性確保のために、特に高い難燃性が求められている。また、従来、可撓性を有する二次電池セルを用いた電池モジュールにおいては、電池モジュールの薄型化に伴う剛性の減少が抑えがたく、電池モジュールの薄型化が困難であるなどの課題があった。本発明に係る電池モジュールによれば、区分け隔壁部で複数の単位電池を独立して収容するので、単位電池の重ね合わせなどによる難燃性低下を防止でき、さらに、区分け隔壁部により電池モジュールの剛性を高く保てるので、薄型化が容易で信頼性を保ちやすい電池モジュールが提供でき、産業上の利用性が非常に大きい。
100・・・単位電池、105・・・電極積層領域、110・・・電池本体部、111・・・位置合わせ貫通孔、115・・・絶縁テープ、120・・・正極引き出しタブ、124・・・位置合わせ貫通孔、130・・・負極引き出しタブ、134・・・位置合わせ貫通孔、135・・・貫通孔、140・・・継ぎ足しタブ部材、143・・・溶着部、145・・・貫通孔、150・・・両面テープ、200・・・単位電池収容体、210・・・第1面、211・・・第1面周縁隔壁部、212・・・第1面区画分け隔壁部、214・・・線引き回し切り欠き部、215・・・第1電池収容室、216・・・第2電池収容室、217・・・第1面配線収容室、218・・・第1面区分け隔壁部、220・・・第2面、221・・・第2面周縁隔壁部、222・・・第2面区画分け隔壁部、224・・・線引き回し切り欠き部、225・・・第3電池収容室、226・・・第4電池収容室、227・・・第2面配線収容室、228・・・第2面区分け隔壁部、231・・・第1貫通孔、232・・・第1コネクタ、233・・・第2貫通孔、234・・・第2コネクタ、235・・・取手貫通孔、236・・・取手部、237・・・バスバー引き回し貫通孔、238・・・ヒューズ取り付け貫通孔、239・・・カバー体係止貫通孔、240・・・単位電池載置部、241・・・単位電池位置合わせ突起部、245・・・タブ部材載置部、246・・・タブ部材固着ネジ孔、249・・・ヒューズ固着ネジ孔、250・・・第1端側突状ガイド部材、251・・・テーパー部、252・・・テーパー部、255・・・第2端側突状ガイド部材、256・・・テーパー部、257・・・テーパー部、260・・・カバー体固着ネジ孔、271・・・第1バスバー、272・・・第2バスバー、273・・・第3バスバー、274・・・第4バスバー、275・・・第5バスバー、281・・・電源線、282・・・電源線端子、283・・・ネジ、285・・・サーミスタ接続線、286・・・サーミスタ、287・・・センス線、288・・・センス線端子、289・・・ネジ、290・・・ヒューズ、310・・・第1面カバー体、311・・・電池押圧絞り加工部、312・・・押圧面、313・・・ネジ孔絞り加工部、314・・・ネジ孔、315・・・切り欠き部、316・・・係止片、320・・・第2面カバー体、321・・・電池押圧絞り加工部、322・・・押圧面、323・・・ネジ孔絞り加工部、324・・・ネジ孔、325・・・切り欠き部、326・・・係止片、350・・・両面テープ、360・・・カバー体絶縁シート、361・・・押圧面対応型抜き部、362・・・ネジ孔対応型抜き部、363・・・ネジ孔対応切り欠き部、370・・・両面テープ、380・・・押圧面絶縁シート、390・・・ネジ、400・・・電池モジュール、500・・・バッテリー管理回路ユニット、510・・・シャーシ、511・・・底面部、512・・・側壁部、513・・・ネジ孔部、515・・・通風孔、516・・・コネクタ、517・・・放熱シート、520・・・第1回路基板、521・・・半導体部品、523・・・ヒートシンク、524・・・底面部、525・・・フィン、527・・・ボルト、528・・・ナット、540・・・第2回路基板、545・・・ネジ、550・・・モジュール収容ラック、560・・・凹状ガイド部材、590・・・筐体、600・・・蓄電装置、700・・・電池モジュール、701・・・単位電池、702・・・正極引き出しタブ、703・・・負極引き出しタブ、704・・・凸状ガイド部材、705・・・電極積層領域、706・・・バスバー、707・・・バスバー、708・・・第1面周縁隔壁部、709・・・第2面周縁隔壁部、710・・・第1面区分け隔壁部、711・・・第2面区分け隔壁部、800・・・単位電池収容体、801・・・第1面、802・・・第1面周縁隔壁部、803・・・第1面区画分け隔壁部、804・・・区画分け隔壁切り欠き部、805・・・第1面中間隔壁部、806・・・中間隔壁切り欠き部、807・・・第1電池収容室、808・・・第2電池収容室、809・・・第3電池収容室、810・・・第4電池収容室、811・・・第1面センス線収容部、812・・・第2面、813・・・第2面周縁隔壁部、814・・・第2面区画分け隔壁部、815・・・区画分け隔壁切り欠き部、816・・・第2面中間隔壁部、817・・・中間隔壁切り欠き部、818・・・第5電池収容室、819・・・第6電池収容室、820・・・第7電池収容室、821・・・第8電池収容室、822・・・第2面センス線収容部、824・・・第1コネクタ収容凹部、825・・・第1コネクタ取り付け開口部、826・・・第1コネクタ取り付けネジ孔、827・・・電源線用開口部、828・・・第1コネクタ、829・・・取り付けネジ、832・・・第2コネクタ取り付け凹部、833・・・パネル取り付け基台部、834・・・パネル取り付けネジ孔、835・・・ネジ孔周縁突状部、836・・・取り付けネジ、837・・・抜け止めワッシャー、840・・・第2コネクタ、841・・・本体部、842・・・金属端子部、843・・・貫通孔、844・・・ブッシュ、847・・・コネクタ取り付けパネル、848・・・コネクタ取り付け開口部、849・・・コネクタ取り付けネジ孔、850・・・取り付けネジ、851・・・取り付け切り欠き部、852・・・締結部材、853・・・雌ネジ孔、854・・・取手貫通孔、855・・・取手部、860・・・単位電池位置合わせ突起部、861・・・タブ部材載置部、862・・・タブ部材固着ネジ孔、863・・・ネジ孔間架橋部、864・・・バスバー位置決め突起部、865・・・端部バスバー固定枠、867・・バスバー引き回し貫通孔、869・・・カバー体固着ネジ孔、870・・・第1端側突状ガイド部材、871・・・テーパー部、872・・・第2端側突状ガイド部材、873・・・テーパー部、875・・・端部バスバー、876・・・タブ部材間バスバー、877・・・面間バスバー、881・・・電源線、882・・・電源線端子、883・・・ネジ、885・・・サーミスタ接続線、886・・・サーミスタ、887・・・センス線、888・・・センス線端子、889・・・ネジ、890・・・係止口、891・・・キャップ部材、892・・・係止片、910・・・第1面カバー体、911・・・電池押圧絞り加工部、912・・・押圧面、913・・・ネジ孔絞り加工部、914・・・ネジ孔、915・・・切り欠き部、920・・・第2面カバー体、921・・・電池押圧絞り加工部、922・・・押圧面、923・・・ネジ孔絞り加工部、924・・・ネジ孔、925・・・切り欠き部、930・・・ネジ、1000・・・電池モジュール、1100・・・バッテリー管理回路ユニット、1110・・・コネクタパネル、1111・・・第3コネクタ、1112・・・第4コネクタ、1114・・・リード線、1115・・・ネジ、1120・・・回路基板、1121・・・第5コネクタ、1122・・・第6コネクタ、1123・・・端子、1125・・・側板、1126・・・通気孔、1127・・・ネジ孔部、1129・・・ネジ、1130・・・ネジ、1140・・・筐体、1141・・・上段レール部材、1142・・・中段レール部材、1143・・・下段レール部材、1145・・・凹状ガイド部材、1150・・・中継ボード、1151・・・基材、1152・・・第7コネクタ、1153・・・第8コネクタ、1154・・・第9コネクタ、1160・・・電源線、1200・・・蓄電装置
Claims (22)
- 2つの主面である表面および裏面を有する平板状の基体と、
前記表面あるいは前記裏面に基体から立設して形成される区分け隔壁部と、
前記基体上に搭載される複数の単位電池と、を有し、
前記単位電池と隣接する前記単位電池との間に前記区分け隔壁部が設けられている電池モジュール。 - 前記区分け隔壁部が前記表面および前記裏面の両面に形成されている請求項1に記載の電池モジュール。
- 前記区分け隔壁部が、前記基体から突出して形成されるとともに、前記表面あるいは前記裏面における平面上の形状で矩形状をなす請求項1又は請求項2に記載の電池モジュール。
- 前記区分け隔壁部が、前記基体から突出して形成されるとともに、前記表面あるいは前記裏面における平面上の形状でロの字形状をなす請求項1乃至請求項3に記載の電池モジュール。
- 複数の前記区分け隔壁部が、前記単位電池と隣接する前記単位電池との間に設けられている請求項1乃至請求項4に記載の電池モジュール。
- 前記表面の複数の前記単位電池上に設置される第1面カバー体と、
前記裏面の複数の前記単位電池上に設置される第2面カバー体と、
を有する請求項2乃至請求項5に記載の電池モジュール。 - 前記第1面カバー体と前記第2面カバー体とがアルミニウムで構成されることを特徴とする請求項4に記載の電池モジュール。
- 前記表面および前記裏面とは異なる側面であって、対向する2つの側面に表面あるいは裏面の平面方向に沿って設けられる突状ガイド部材を有する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記突状ガイド部材は、前記周縁隔壁部から突出あるいは基体から延在するように設けられ、前記突出する突出量あるいは延在する延長量が変化するテーパー部を有する請求項8に記載の電池モジュール。
- 前記2つの側面に設けられる突状ガイド部材において、表面あるいは裏面に垂直方向の幅が互いに異なる請求項8又は請求項9に記載の電池モジュール。
- 前記区分け隔壁部が、前記単位電池の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に設けられると共に、前記区分け隔壁部には切り欠き部が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記基体の表面を覆う第1面カバー体を有し、前記第1面カバー体と前記切り欠き部とで囲繞される開口が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記基体の裏面を覆う第2面カバー体を有し、前記第2面カバー体と前記切り欠き部とで囲繞される開口が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記区分け隔壁部には前記切り欠き部が複数設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記切り欠き部は、前記区分け隔壁部の前記引き出しタブの引き出し方向と交差する箇所に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記単位電池の前記引き出しタブには、正極引き出しタブと負極引き出しタブとがあり、前記正極引き出しタブは前記単位電池の本体部の一方の辺から引き出されると共に、前記負極引き出しタブは前記本体部の前記一方の辺と対向する他方の辺から引き出されることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記単位電池の引き出しタブの引き出し方向と垂直な方向に、前記単位電池が一方向に複数配列されることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- それぞれの前記単位電池の前記引き出しタブの引き出し方向と交差する前記区分け隔壁部に、前記切り欠き部が設けられることを特徴とする請求項17に記載の電池モジュール。
- 複数の前記単位電池が互いに電気接続されることを特徴とする請求項18に記載の電池モジュール。
- 前記電気接続の接続形態が直列接続であることを特徴とする請求項19に記載の電池モジュール。
- 前記単位電池が電気化学素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の電池モジュール。
- 前記単位電池がリチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれか1項に記載の電池モジュール。
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