JPWO2013005303A1 - 過給機付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

過給機付き内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013005303A1
JPWO2013005303A1 JP2013522641A JP2013522641A JPWO2013005303A1 JP WO2013005303 A1 JPWO2013005303 A1 JP WO2013005303A1 JP 2013522641 A JP2013522641 A JP 2013522641A JP 2013522641 A JP2013522641 A JP 2013522641A JP WO2013005303 A1 JPWO2013005303 A1 JP WO2013005303A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
target
internal combustion
combustion engine
throttle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013522641A
Other languages
English (en)
Inventor
聡 吉嵜
聡 吉嵜
清徳 高橋
清徳 高橋
正史 柴山
正史 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013522641A priority Critical patent/JPWO2013005303A1/ja
Publication of JPWO2013005303A1 publication Critical patent/JPWO2013005303A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

本発明は、エア逆モデルを用いた目標スロットル開度の計算を過給付き内燃機関に適用する場合において、過給機の過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが乖離している状況でのトルクの制御性を向上させることを課題とする。このため、本発明が提供する制御装置は、通常は要求トルクを目標トルクとして決定するが、要求トルクと現在トルクとが乖離している状況で要求トルクに減少方向の変化が生じた場合は、現在トルクよりも低い値を目標トルクとして決定する。好ましくは、要求トルクの減少量に応じて目標とするトルク減少量を決定し、現在トルクから目標トルク減少量を差し引いた値を目標トルクとして決定する。そして、このように決定される目標トルクから目標空気量を計算し、目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する。

Description

本発明は、スロットルを有する過給機付き内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する過給機付き内燃機関の制御装置に関する。
特開2010−053705号公報に開示されているように、エア逆モデルを用いた計算によって目標スロットル開度を決定する方法が知られている。エア逆モデルは、エアモデル、すなわち、スロットルの動作に対する吸入空気量の応答をモデル化し、それを数式で表したものの逆モデルである。要求トルクから目標空気量を算出し、それをエア逆モデルに入力することによって、要求トルクを実現するのに必要なスロットル開度が算出される。
エア逆モデルを用いた目標スロットル開度の計算は、自然吸気型の内燃機関だけでなく、過給機付き内燃機関の制御にも適用することができる。ただし、その場合、過給機付き内燃機関に特有の次のような問題が生じる。
過給機付き内燃機関の場合、過給機による空気量の応答遅れにより、加速開始から暫くの間は要求トルクと現在トルクとが大きく乖離した状況が続くことになる。エア逆モデルでは、現在の空気量を目標空気量に最速で到達させるように目標スロットル開度の計算が行われる。このため、実トルクが要求トルクに対して不足している状況では、空気量を速やかに増大させるようにスロットルは最大開度まで開かれるようになる。
このような状況でドライバによりアクセルペダルの一時的な戻し操作が行われたとする。その操作は要求トルクに反映され、要求トルクは一時的に減少する。しかし、要求トルクと現在トルクとが大きく乖離している状況では、要求トルクが多少減少したとしても依然として現在トルクは要求トルクに対して不足している。このため、エア逆モデルにより算出される目標スロットル開度は最大開度のままとなり、現在トルクは要求トルクに向けて単調に増加し続ける。その結果、ドライバは期待する減速感を得ることができず、違和感を覚えることになる。
また、要求トルクには、ドライバがアクセルペダル操作を介して要求するトルクと、ECT(Electronic Controlled Transmission)やTRC(Traction Control System)等の車両制御デバイスが車両制御のために要求するトルクとが含まれる。このため、加速中における要求トルクの一時的な減少は、アクセルペダルの一時的な戻し操作だけでなく、車両制御デバイスからのトルクダウン要求によってもたらされる場合がある。しかし、要求トルクと現在トルクとの乖離が大きい場合には、エア逆モデルにより算出される目標スロットル開度は最大開度のままとなり、車両制御デバイスからのトルクダウン要求がスロットル開度に反映されない可能性がある。
特開2010−053705号公報 特開2010−223046号公報
本発明は、エア逆モデルを用いた目標スロットル開度の計算を過給付き内燃機関に適用する場合において、過給機の過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが乖離している状況でのトルクの制御性を向上させることを課題とする。そして、そのような課題を達成するために、本発明は、次のような過給機付き内燃機関の制御装置を提供する。
本発明の1つの形態によれば、本制御装置は、ドライバや車両制御デバイスが内燃機関に対して要求する要求トルクを受け取り、要求トルクを参照して内燃機関に出力させる目標トルクを決定する。そして、目標トルクから目標空気量を計算し、目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する。本制御装置は、後述する特定の状況を除いては、つまり、通常の状況では、要求トルクを目標トルクとして決定する。要求トルクを最速で実現するための目標スロットル開度を算出するためである。ただし、加速時に発生する過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが乖離している状況において要求トルクに減少方向の変化が生じた場合には、本制御装置は通常とは異なる方法で目標トルクを決定する。この場合、本制御装置は、現在トルクよりも低い値を目標トルクとして決定する。
加速時における現在トルクは内燃機関が現時点において発生しうる最大トルクであるから、要求トルクをそのまま目標トルクとする場合、現在トルクよりも高い領域での要求トルクの減少はスロットル開度には反映されない。しかし、上記のように目標トルクを決定すれば、要求トルクの減少に合わせて内燃機関が出力するトルクを減少させることができる。このため、要求トルクの減少がドライバのアクセルペダル操作によるものである場合には、期待する減速感をドライバに与えることができる。また、要求トルクの減少が車両制御デバイスからのトルクダウン要求によるものである場合には、必要とされる車両制御を的確に実行することができる。
現在トルクよりも低い値を目標トルクとして決定する際、好ましくは次のような方法で目標トルクを決定する。まず、要求トルクと現在トルクとが乖離している状況で要求トルクに減少方向の変化が生じた場合、要求トルクの減少量に応じて目標とするトルク減少量を決定する。目標トルク減少量の具体的な計算方法としては、例えば、現在トルクと減少前の要求トルクとの比を計算し、その比を補正係数にして要求トルクの減少量を補正した値を目標トルク減少量とすればよい。そして、現在トルクからこの目標トルク減少量を差し引いた値を目標トルクとして決定する。
上記のような目標トルクの決定方法によれば、内燃機関が出力するトルクの実際の減少量は要求トルクの減少量に応じて調整される。このため、要求トルクの減少がドライバのアクセルペダル操作によるものである場合には、ドライバの期待により合致した減速度を車両に発生させることができる。また、要求トルクの減少が車両制御デバイスからのトルクダウン要求によるものである場合には、必要とされる車両制御をより的確に実行することができる。
ところで、過給機付き内燃機関にはスロットルの他にも空気量に関する1又は複数のアクチュエータが設けられている場合がある。例えば、バルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング装置や、過給圧を変化させるウエストゲートバルブ或いは可変ノズル等である。これらのアクチュエータはスロットルと協働して空気量を調整する。ところが、これらのアクチュエータには、スロットルに比較した場合、その動作に対する空気量の応答性が低いという特徴がある。このようなアクチュエータを有する過給機付き内燃機関が制御対象である場合、本制御装置によるアクチュエータの操作には次のような好ましい方法がある。
第1の好ましい方法によれば、本制御装置は、要求トルクに基づいて目標アクチュエータ値を決定し、その目標アクチュエータ値に従ってアクチュエータを操作する。つまり、上記のように決定される目標トルクに基づいた操作はスロットルについてのみ行い、スロットルと協働して空気量を調整する他のアクチュエータに関しては、目標トルクではなく要求トルクそのものに基づいてその目標値を決定する。要求トルクに基づいたアクチュエータの操作によれば、過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが乖離している状況では、アクチュエータは要求トルクが多少減少したとしても空気量を増大させる方向に動作し続ける。これによれば、一旦減少した要求トルクが再び増大に転じた場合に空気量の応答に遅れが発生するのを防ぐことができる。また、スロットルは他のアクチュエータよりも動作に対する空気量の応答性が高いので、上記のように決定される目標トルクに基づいてスロットルを操作することで、要求トルクの減少に合わせて空気量を速やかに減少させることができる。さらには、再び要求トルクが増大に転じた場合には空気量を速やかに増大させることができる。
第2の好ましい方法によれば、本制御装置は、要求トルクから車両制御デバイスが要求するトルクを除いたトルクに基づいて目標アクチュエータ値を決定し、その目標アクチュエータ値に従ってアクチュエータを操作する。本方法によれば、車両制御デバイスによるトルクダウン要求がアクチュエータの動作に反映されることはないので、加速時にはアクチュエータは空気量を増大させる方向に動作し続ける。このため、第1の方法の場合と同様、一旦減少した要求トルクが再び増大に転じた場合に空気量の応答に遅れが発生するのを防ぐことができる。また、本方法によれば、車両制御デバイスによるトルクダウン要求はスロットルの動作に反映される。スロットルは動作に対する空気量の応答性が高いので、トルクダウン要求に合わせて空気量を速やかに減少させることができる。さらには、トルクダウン要求後のトルクアップ要求に合わせて空気量を速やかに増大させることができる。
なお、スロットルの動作に対する空気量の応答性は高いものの、要求トルク減少量に応じて設定される目標トルク減少量があまりに大きい場合には、目標トルク減少量を達成するのに必要な分だけ空気量を減らしきれない場合がある。つまり、スロットルを目標スロットル開度に従い操作することで得られる空気量が目標トルクの実現のために必要な空気量に対して過剰になる可能性がある。そのような場合は、スロットルによる空気量の制御に点火装置による点火時期の制御を組み合わせることで、目標トルクを確実に実現することが可能となる。よって、本発明のより好ましい形態によれば、点火時期を最適点火時期よりも遅角することによって内燃機関が出力するトルクを目標トルクに調整する機能が制御装置に備えられる。
本発明の別の形態によれば、本制御装置は、ドライバによるアクセルペダルの操作量を参照して内燃機関に出力させる目標トルクを決定する。そして、目標トルクから目標空気量を計算し、目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する。本制御装置は、ドライバによるアクセルペダルの操作量に応じて目標トルクを決定することを基本とする。つまり、後述する特定の状況を除く通常の状況では、アクセルペダルの操作量に応じて目標トルクを決定する。ドライバによる加速要求を最速で実現するための目標スロットル開度を算出するためである。ただし、ドライバによりアクセルペダルが踏み込まれ、それに伴う加速の途中でアクセルペダルが戻された場合には、本制御装置は通常とは異なる方法で目標トルクを決定する。この場合、本制御装置は、現在トルクよりも低い値を目標トルクとして決定する。
上記のように目標トルクを決定すれば、ドライバによるアクセルペダルの戻し操作に合わせて内燃機関が出力するトルクを減少させることができる。これにより、ドライバがアクセルペダルの操作を介して内燃機関に要求するトルクダウンを達成し、期待する減速感をドライバに与えることができる。この場合、より好ましくは、アクセルペダルの戻し量に応じて目標とするトルク減少量を決定し、現在トルクからこの目標トルク減少量を差し引いた値を目標トルクとして決定する。これによれば、内燃機関が出力するトルクの実際の減少量は要求トルクの減少量に応じて調整されるので、ドライバの期待により合致した減速度を車両に発生させることができる。
本発明の実施の形態1の過給機付き内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 目標トルクの決定方法を示すフローチャートである。 目標トルクの具体的な計算例を示す図である。 図1に示す構成の制御装置により制御される過給機付き内燃機関の加速時の動作イメージを示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態2の過給機付き内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 図5に示す構成の制御装置により制御される過給機付き内燃機関の加速時の動作イメージを示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態3の過給機付き内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
本実施の形態の制御装置の適用対象となる内燃機関は、自動車用の過給機付き内燃機関、詳しくは、ターボ過給機を備えた火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。より詳しくは、電子制御式スロットル(以下、単にスロットルと表記する)、吸気バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング装置(以下、IN−VVTと表記する)、及びウエストゲートバルブ(以下、WGVと表記する)を有する内燃機関である。本制御装置は、内燃機関に備えられるECU(Electronic control unit)の一機能として実現される。詳しくは、メモリに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、ECUは制御装置として機能する。ECUが制御装置として機能する場合、ECUは、プログラムされているアクチュエータ制御ロジックに従ってスロットルを含む各アクチュエータの動作を制御する。
図1は、アクチュエータ制御ロジックに従いECUが機能することで実現される制御装置の構成を示す機能ブロックである。本制御装置は、要求トルクを取得し、要求トルクを参照して目標トルクを決定する。要求トルクには、ドライバによるアクセルペダルの操作量から算出されたドライバ要求トルクと、ECTやTRC等の車両制御デバイスから発せられるデバイス要求トルクとが含まれる。要求トルクから目標トルクを決定する方法については追って詳細に説明する。本制御装置は、目標トルクに基づいてスロットル2、WGV4、IN−VVT6及び点火装置8の各目標アクチュエータ値を算出する。以下、本制御装置による各アクチュエータの目標アクチュエータ値の算出方法について説明する。
まず、本制御装置によるスロットル2の目標アクチュエータ値の算出方法について説明する。スロットル2のアクチュエータ値はスロットル開度である。本制御装置は、空気量変換マップ10とエア逆モデル12を用いて目標トルクから目標スロットル開度(図中では目標TAと表記する)を算出する。空気量変換マップ10は、トルクと筒内吸入空気量(或いは、それを無次元化した充填効率又は負荷率)とがエンジン回転数、点火時期及び空燃比を含む種々のエンジン状態量をキーにして関連付けられたマップである。空気量変換マップ10では、現在のエンジン状態量のもとで目標トルクの実現のために必要な筒内吸入空気量が目標空気量(図中では目標KLと表記する)として算出される。
本制御装置は、目標空気量をエア逆モデル12に入力することによって目標スロットル開度を算出する。エア逆モデル12は、詳しくは、吸気弁逆モデルM1、吸気管逆モデルM2、スロットル逆モデルM3、スロットル動作逆モデルM4、スロットル動作モデルM5、スロットルモデルM6、吸気管モデルM7及び吸気弁モデルM8を組み合わせて構成されている。このうちスロットルモデルM6、吸気管モデルM7及び吸気弁モデルM8は簡易的なエアモデルを構成している。
吸気弁逆モデルM1は、筒内吸入空気量と吸気管圧力との関係について調べて作成された実験ベースのモデルである。実験で得られた経験則により、吸気弁逆モデルM1においては筒内吸入空気量と吸気管圧力との関係が直線或いは折れ線で近似されている。目標空気量を吸気弁逆モデルM1に入力することによって、目標空気量を実現するための目標吸気管圧(図中では目標Pmと表記する)が算出される。
吸気管逆モデルM2は、吸気管内の空気に関する保存則、具体的には、エネルギー保存則と流量保存則とに基づいて構築された物理モデルである。吸気管逆モデルM2では、スロットルを通過する空気の流量と吸気管圧との関係が数式で表されている。吸気管逆モデルM2には、目標吸気管圧と現在の仮想吸気管圧(図中では仮想Pmと表記する)との圧力差(図中ではΔPmと表記する)と、現在の仮想空気量(図中では仮想KLと表記する)とが主たる入力情報として入力される。吸気管逆モデルM2は、これらの入力情報に基づいて目標吸気管圧の実現のための目標スロットル通過流量(図中では目標mtと表記する)を算出する。
スロットル逆モデルM3は、スロットル通過流量とスロットル開度との関係を数式で表したモデルである。詳しくは、スロットル開度により決まる流路面積とスロットルの前後の圧力比との関数でスロットル通過流量を表現したものがスロットルモデルの方程式であり、その方程式をスロットル開度の式に変形したものがスロットル逆モデルの方程式である。この方程式で用いる圧力比は実測値でもよいしモデルによる計算値でもよい。スロットル逆モデルM3に目標スロットル通過流量を入力することによって、目標スロットル通過流量の実現のためのスロットル開度が算出される。
スロットル動作逆モデルM4は、スロットル2の動作とその動作を生じさせる入力信号との関係を数式等で近似したモデルである。スロットル逆モデルM3で算出されたスロットル開度をスロットル動作逆モデルM4に入力することによって、それを実現するための入力信号、すなわち、目標スロットル開度が算出される。
スロットル動作モデルM5、スロットルモデルM6、吸気管モデルM7及び吸気弁モデルM8は、上述の計算過程で用いられる仮想吸気管圧及び仮想空気量を算出するために設けられている。スロットル動作モデルM5は、前述のスロットル動作逆モデルM4に対応する順モデルである。スロットル動作モデルM5に目標スロットル開度を入力することによって、現時点における仮想の実スロットル開度が算出される。また、スロットルモデルM6は前述のスロットル逆モデルM3に対応する順モデルであって、仮想スロットル開度の入力により現在の仮想スロットル通過流量(図中では仮想mtと表記する)を算出する。吸気管モデルM7は前述の吸気管逆モデルM2に対応する順モデルであって、仮想スロットル通過流量の入力により仮想吸気管圧を算出する。そして、吸気弁モデルM8は前述の吸気弁逆モデルM1に対応する順モデルであって、仮想吸気管圧の入力によって仮想空気量を算出する。前述のように、仮想吸気管圧は圧力差(ΔPm)の計算に用いられ、仮想空気量は圧力差とともに吸気管逆モデルM2に入力される。
本制御装置は、上述のエア逆モデル12によって算出された目標スロットル開度に従ってスロットル2を操作する。その操作によって実際に実現されたスロットル2の開度は、図示しないスロットル開度センサによって計測される。
次に、本制御装置によるWGV4の目標アクチュエータ値の算出方法について説明する。WGV4のアクチュエータ値は、WGV4を開閉動作させるソレノイドのデューティである。本制御装置は、過給圧算出マップ14とデューティ算出マップ16を用いて目標吸気管圧からWGV4の目標デューティ(図中では目標WGVデューティと表記する)を算出する。過給圧算出マップ14は、吸気管圧とその実現に必要な過給圧とが種々のエンジン状態量をキーにして関連付けられたマップである。本制御装置は、目標吸気管圧に基づき過給圧算出マップ14を用いて目標過給圧を算出する。デューティ算出マップ16は、過給圧とその実現に必要なデューティとが種々のエンジン状態量をキーにして関連付けられたマップである。本制御装置は、目標過給圧に基づきデューティ算出マップ16を用いて目標WGVデューティを算出し、目標WGVデューティに従ってWGV4を操作する。
次に、本制御装置によるIN−VVT6の目標アクチュエータ値の算出方法について説明する。IN−VVT6のアクチュエータ値は、IN−VVT6の変位角である。本制御装置は、VVT逆モデル18を用いて目標空気量からIN−VVT6の目標変位角(図中では目標VVT変位角と表記する)を算出する。VVT逆モデル18は、IN−VVT6の変位角に対する空気量の応答特性をモデル化したVVTモデルの逆モデルである。VVT逆モデル18によれば、目標空気量を最速で実現するための変位角が目標変位角として算出される。本制御装置は、VVT逆モデル18を用いて算出された目標変位角に従ってIN−VVT6を操作する。
最後に、本制御装置による点火装置8の目標アクチュエータ値の算出方法について説明する。点火装置8のアクチュエータ値は点火時期、詳しくは、エンジン状態から決まる最適点火時期(MBTとトレースノック点火時期のうちより遅角側の点火時期)に対する遅角量である。本制御装置は、前述のスロットル2、WGV4及びIN−VVT6の協働による空気量制御と点火装置8による点火時期制御との併用によってトルクを制御する。ただし、燃費の観点上、空気量によるトルク制御が主たる制御とされ、点火時期によるトルク制御は空気量によるトルク制御を補間する目的で行われる。具体的には、点火時期は基本的には最適点火時期に設定され、空気量によるトルク制御のみでは目標トルクに対して実トルクが過剰になる場合にのみ点火時期の遅角が行われる。
本制御装置は、点火時期算出部20を用いて目標点火時期を算出する。点火時期算出部20には、スロットル開度センサによって計測されたスロットル開度(図中には実TAと表記する)の他、現在のエンジン状態を示すエンジン状態量が入力されている。点火時期算出部20は、それらエンジン状態量に基づいて点火時期を最適点火時期に設定したならば得られる推定トルクを算出する。推定トルクが目標トルク以下の場合は、点火時期算出部20からは最適点火時期が目標点火時期として算出される。しかし、推定トルクが目標トルクより大きい場合には、点火時期算出部20は、推定トルクと目標トルクとの差或いは比に基づいて目標トルクの実現に必要な点火時期の遅角量を決定する。そして、最適点火時期からその遅角量だけ遅角した点火時期を目標点火時期として算出する。本制御装置は、点火時期算出部20で算出された目標点火時期に従って点火装置8を操作する。
以上述べたように、本制御装置は、各アクチュエータの目標アクチュエータ値を算出するためのベース情報として、要求トルクではなく目標トルクを使用する。目標トルクは先に触れたとおり要求トルクを参照して決定される。本制御装置は、要求トルクから目標トルクを決定するための要素として、目標トルク決定部24と現在トルク算出部26とを備えている。
現在トルク算出部26は、内燃機関が出力している現在トルクを算出する要素である。現在トルク算出部26には、エンジン回転数、現在空気量(現在KL)及び目標空燃比(目標A/F)等の現在のエンジン状態を示すエンジン状態量が入力されている。これらのエンジン状態量はセンサによる計測値でもよいし計算値でもよい。現在トルク算出部26はそれらのエンジン状態量を用いて内燃機関が出力している現在トルクを算出する。
目標トルク決定部24には、要求トルクと現在トルク算出部26で算出された現在トルクが入力される。要求トルクの計算は、図示しないパワートレインマネージャで行われている。パワートレインマネージャは車両全体を統合制御する制御装置であって、本制御装置と同様にECUの一機能として実現されている。パワートレインマネージャによる要求トルクの計算や本制御装置による現在トルクの計算は、ECUの演算周期に相当する一定の時間ステップで行われる。目標トルク決定部24は、入力された要求トルクと現在トルクとに基づいて目標トルクを決定する。目標トルク決定部24による目標トルクの決定方法をフローチャートで示したものが図2である。以下、図2のフローチャートを参照しながら目標トルク決定部24の機能について説明する。
図2のフローチャートによれば、目標トルク決定部24は、まず、ステップS1の判定を行う。ステップS1では、目標トルク決定部24は要求トルクと現在トルクとの差を算出し、その差が所定の閾値よりも大きいかどうか判定する。スロットル2はその動作に対する空気量の応答性がWGV4等に比較して高いアクチュエータであるが、目標空気量と実際の空気量との間には若干の応答遅れが発生する。このため、要求トルクと現在トルクとの間に一時的な差が生じることは、過給機付き内燃機関のみならず自然吸気型の内燃機関でも生じる現象である。ところが、過給機付き内燃機関の場合は、加速中に発生する過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが大きく乖離した状況が発生する。ステップS1の判定で用いられる閾値は、過給遅れに伴う要求トルクと現在トルクとの乖離を検出することができるレベルに設定されている。
要求トルクと現在トルクとの差が閾値を越えている場合、目標トルク決定部24は、次に、ステップS2の判定を行う。ステップS2では、目標トルク決定部24は要求トルクの減少量、詳しくは、要求トルクの前回値に対する今回値の減少量が所定の閾値より大きいかどうか判定する。ドライバや車両制御デバイスからトルクダウン要求が発せられる場合、その要求は要求トルクの減少量の大きさとして数値化される。ステップS2の判定で用いられる閾値は、ドライバ等からのトルクダウン要求と要求トルクに含まれるノイズ成分とを区別することができるレベルに設定されている。
目標トルク決定部24は、ステップS1の判定結果が否定であった場合には、目標トルクの決定のための処理としてステップS4の処理を実行する。また、ステップS1の判定結果が肯定であるが、ステップS2の判定結果が否定であった場合にも、ステップS4の処理を実行する。ステップS4では、目標トルク決定部24は、要求トルクの今回値(図中ではTRQrq(k)と表記する)をそのまま目標トルクの今回値(図中ではTRQtg(k)と表記する)として決定する。目標トルクの決定後、目標トルク決定部24はステップS5の処理を実施する。ステップS5では、要求トルクの今回値が前回値として記憶される。
しかし、ステップS1の判定結果が肯定であり、さらに、ステップS2の判定結果も肯定であった場合には、目標トルク決定部24は目標トルクの決定のための処理としてステップS3の処理を実行する。ステップS3では、目標トルク決定部24は、要求トルクの減少量に応じて目標とするトルク減少量を決定し、現在トルクよりも目標トルク減少量だけ低い値を目標トルクとして決定する。詳しくは、次のように目標トルクを決定する。まず、目標トルク決定部24は、要求トルクの前回値に対する今回値の減少量(図中ではΔTRQと表記する)を算出する。また、現在トルクの前回値(図中ではTRQcr(k-1)と表記する)と要求トルクの前回値(図中ではTRQrq(k-1)と表記する)との比を算出する。そして、その比を補正係数として要求トルクの減少量を補正したものを目標トルク減少量として算出する。そして、目標トルク決定部24は、要求トルクの前回値から目標トルク減少量を減じて得られる値を目標トルクの今回値(図中ではTRQtg(k)と表記する)として決定する。目標トルクの決定後、目標トルク決定部24はステップS5の処理を実施する。
以上の方法によれば、通常は、要求トルクを最速で実現するための目標スロットル開度が算出されるように要求トルクがそのまま目標トルクとして決定される。しかし、加速時の過給遅れにより要求トルクと現在トルクとが乖離している状況において、ドライバや車両制御デバイスからトルクダウン要求が発せられた場合には、必要なトルク減少量が得られるように現在トルクを基準にして目標トルクが算出される。以下、上記の方法にて目標トルクを決定することの技術的意義について具体的な計算例を用いて説明する。
図3は、上記の方法による目標トルクの計算の具体例を示す図である。この図では、前々回の要求トルクは100Nmであり、現在トルクは80Nmになっている。そして、前回の演算時点において要求トルクは110Nmに増大し、現在トルクは88Nmに増大している。そして、このように要求トルクと現在トルクとが乖離しながらともに増大している状況において、今回、要求トルクは95Nmまで減少している。
図のように要求トルク及び現在トルクが変化する場合、前回の演算時点まではステップS4の処理に従って通常の方法で目標トルクが決定されている。すなわち、前々回の目標トルクは100Nmに決定され、前回の目標トルクは110Nmに決定されている。しかし、要求トルクが減少した今回については、ステップS3の処理に従って目標トルクの計算が行われる。ステップS3で用いられる計算式によれば、要求トルクの減少量が15Nmであり、現在トルクの前回値と要求トルクの前回値との比が0.8であることから、目標とするトルク減少量は15Nmに補正係数の0.8を掛けて得られる12Nmとなる。そして、現在トルクの前回値である88Nmから目標トルク減少量の12Nmを減じて得られる76Nmが目標トルクの今回値として決定される。
加速時における現在トルクは内燃機関が現時点において発生しうる最大トルクであるから、要求トルクをそのまま目標トルクとする場合、現在トルクよりも高い領域での要求トルクの減少はスロットル開度には反映されない。しかし、上記のように現在トルクの前回値を基準にして目標トルクの今回値を決定すれば、要求トルクの減少に合わせて内燃機関が出力するトルクを減少させることができる。図3の例によれば、現在トルクを前回値の88Nmから今回値の76Nmまで下げることができる、しかも、ステップS3で用いられる計算式によれば、要求トルクの減少量が大きいほど現在トルクの減少量も大きくなるように目標トルクが算出される。このため、要求トルクの減少がドライバのアクセルペダル操作によるものである場合には、期待する減速感をドライバに与えることができる。また、要求トルクの減少が車両制御デバイスからのトルクダウン要求によるものである場合には、必要とされる車両制御を的確に実行することができる。
以上のように目標トルクの決定が行われることで、本制御装置によれば、図4にチャートで示すような制御結果を得ることができる。図4は、本制御装置により制御される過給機付き内燃機関の加速時の動作イメージを比較例による動作イメージと比較して示すタイムチャートである。ここでは、比較例として、要求トルクをそのまま目標トルクとする装置、つまり、図1に示す構成から目標トルク決定部24と現在トルク算出部26を除いた装置を用いている。
図4は、アクセルペダルが全開まで踏み込まれた後、アクセルペダルが一時的に少し戻された場合の制御結果を示している。図4の最上段のチャートには、アクセルペダルの開度の時間変化が示されている。2段目のチャートには、本制御装置による目標トルクの時間変化が実線で示され、比較例による目標トルク、すなわち、要求トルクの時間変化が点線で示されている。3段目のチャートには、本制御装置による実トルクの時間変化が実線で示され、比較例による実トルクの時間変化が点線で示されている。4段目のチャートには、本制御装置によるスロットル開度の時間変化が実線で示され、比較例によるスロットル開度の時間変化が点線で示されている。5段目のチャートには、本制御装置による筒内吸入空気量の時間変化が実線で示され、比較例による筒内吸入空気量の時間変化が点線で示されている。そして、最下段のチャートには、本制御装置によるスロットル上流圧の時間変化が実線で示され、比較例によるスロットル上流圧の時間変化が点線で示されている。
まず、比較例による制御結果から説明する。比較例によれば、アクセルペダルの開度から計算された要求トルクがそのまま目標トルクとされ、要求トルクそのものである目標トルクに従ってスロットルの操作が行われる。アクセルペダルが踏み込まれると、スロットルが最大開度まで開かれることによって空気量は一瞬急速に立ち上がる。しかし、過給機による過給が行われていないNA領域から過給が行われる過給領域に入ると、過給遅れ、つまり、スロットル上流圧の上昇遅れによって空気量の上昇速度は鈍くなる。その結果、目標トルクと内燃機関が出力する実際のトルクとは大きく乖離する状況が生まれる。この場合、前述のエア逆モデルによる目標スロットル開度の計算によれば、現在トルクを最大速度で目標トルクまで到達させるように、スロットルの最大開度が目標スロットル開度として算出される。この状況においてアクセルペダルが一時的に少し戻された場合、要求トルクそのものである目標トルクはアクセルペダルの戻し量に応じた量だけ減少する。しかし、目標トルクが多少減少したとしても目標トルクと現在トルクとが乖離している状況に変化はないため、スロットル開度は依然として最大開度に貼り付いたままとなる。その結果、空気量は減少することなく単調に増大し続け、それに応じて内燃機関が出力するトルクも単調に増大し続ける。つまり、比較例によれば、ドライバによるアクセルペダルの戻し操作はスロットルの動作に反映されず、結果として、内燃機関が出力するトルクにも反映されない。
これに対して、本制御装置によれば、次のような制御結果を得ることができる。本制御装置によれば、通常は、比較例と同様にアクセルペダルの開度から計算された要求トルクがそのまま目標トルクとされ、その目標トルクに従ってスロットルの操作が行われる。しかし、目標トルクと内燃機関が出力しているトルクとが一定以上乖離している状況においてアクセルペダルの戻し操作が行われた場合は、現在トルク、すなわち、内燃機関が現時点において出力可能な最大トルクを基準にして目標トルクが決定される。ここで決定される目標トルクは、要求トルクの減少量に応じて決定される目標トルク減少量だけ現在トルクよりも低い値とされる。このため、前述のエア逆モデルによる目標スロットル開度の計算によれば、現在トルクをそれよりも低い目標トルクまで下げるように目標スロットル開度は最大開度から目標トルクに応じた開度へと小さくされる。その結果、スロットルは一時的に閉じ側に操作され、それにより空気量が一時的に減少することによって内燃機関が出力するトルクにも一時的な減少が生じる。つまり、本制御装置によれば、ドライバによるアクセルペダルの戻し操作をスロットルの動作に反映させることができ、ひいては、内燃機関が出力するトルクにも反映させることができる。なお、比較例に比べて本制御装置の方がスロットル上流圧の立ち上がりが若干遅くなるのは、上記のようにスロットルが一時的に閉じられるためである。また、本制御装置では空気量が一旦減少するため、比較例に比べて目標トルクと現在トルクが乖離した状態が若干長く続くことになり、その分、スロットル開度が最大開度に貼り付いている時間も長くなっている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を用いて説明する。
図5は、本発明の実施の形態2の制御装置の構成を示す機能ブロック図である。本制御装置は、実施の形態1の制御装置の構成を一部変形したものに相当する。このため、本制御装置を構成する要素のうち、実施の形態1の制御装置と機能において共通する要素については図中に同一の符号を付している。以下では、実施の形態1と共通する機能についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態1と異なる機能を中心に本制御装置の構成について説明する。
本制御装置の実施の形態1の制御装置との相違点は、WGV4及びIN−VVT6の各目標アクチュエータ値の決定に用いるトルク値にある。本制御装置は、目標トルク決定部24で決定される目標トルクではなく、要求トルクに基づいてWGV4及びIN−VVT6の各目標アクチュエータ値を決定する。スロットル2に関しては、実施の形態1の制御装置と同様、目標トルク決定部24で決定される目標トルクに基づいて目標スロットル開度が決定される。
このため、本制御装置は、空気量変換マップ10とは別に、要求トルクを空気量に変換するための空気量変換マップ30を備えている。空気量変換マップ30では、現在のエンジン状態量のもとで要求トルクの実現のために必要な筒内吸入空気量が目標空気量(図中では目標KL2と表記する)として算出される。本制御装置では、要求トルクから変換された目標空気量がVVT逆モデル18に入力され、その目標空気量に基づいてIN−VVT6の目標変位角が算出される。また、本制御装置は、エア逆モデル12が有する吸気弁逆モデルM1と同内容の吸気弁逆モデル32を別に備えている。この吸気弁逆モデル32には、空気量変換マップ30によって要求トルクから変換された目標空気量が入力される。そして、吸気弁逆モデル32で算出された目標吸気管圧(図中では目標Pm2と表記する)が過給圧算出マップ14を用いて目標過給圧に変換され、さらにデューティ算出マップ16を用いてWGV4の目標WGVデューティに変換される。
図6は、本制御装置により制御される過給機付き内燃機関の加速時の動作イメージを示すタイムチャートである。図6のタイムチャートは、本制御装置によるIN−VVT6の変位角の時間変化を示すチャートとWGV4の開度の時間変化を示すチャートを図4のタイムチャートに追加したものに相当する。
WGV4やIN−VVT6はスロットル2と協働して空気量を調整するアクチュエータである。ところが、これらはスロットル2に比較すると動作に対する空気量の応答性が低い。このため、加速中のトルクダウン要求に応じて空気量を減らす側にWGV4やIN−VVT6を動作させた場合には、一旦減少した要求トルクが再び増大に転じた場合に空気量の応答に若干の遅れが発生することになる。しかし、本制御装置によれば、過給遅れによって要求トルクと現在トルクとが乖離している状況では、WGV4とIN−VVT6の各チャートに示すように、トルクダウン要求によって要求トルクが減少したとしてもWGV4及びIN−VVT6は空気量を増大させる方向に動作し続ける。これによれば、一旦減少した要求トルクが再び増大に転じた場合に空気量の応答に遅れが発生するのを防ぐことができる。また、スロットル2に関しては実施の形態1の場合と同様に目標トルクに基づいて操作されるので、要求トルクの減少に合わせて空気量を速やかに減少させることができるだけでなく、再び要求トルクが増大に転じた場合に空気量を速やかに増大させることができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態3の制御装置の構成を示す機能ブロック図である。本制御装置は、実施の形態2の制御装置の構成を一部変形したものに相当する。このため、本制御装置を構成する要素のうち、実施の形態2の制御装置と機能において共通する要素については図中に同一の符号を付している。以下では、実施の形態2と共通する機能についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態2と異なる機能を中心に本制御装置の構成について説明する。
本制御装置の実施の形態2の制御装置との相違点は、WGV4及びIN−VVT6の各目標アクチュエータ値の決定に用いるトルク値にある。本制御装置は、要求トルクではなく、要求トルクに含まれるドライバ要求トルク、すなわち、アクセルペダル開度から算出される要求トルクのみに基づいてWGV4及びIN−VVT6の各目標アクチュエータ値を決定する。スロットル2に関しては、実施の形態1の制御装置と同様、ドライバ要求トルクだけでなくECT等の車両制御デバイスの要求トルクも含む要求トルクを参照して目標トルク決定部24で目標トルクが決定され、その目標トルクに基づいて目標スロットル開度が決定される。
本制御装置では、空気量変換マップ30によりドライバ要求トルクが目標空気量(図中では目標KL2と表記する)に変換される。そして、ドライバ要求トルクから変換された目標空気量がVVT逆モデル18に入力され、その目標空気量に基づいてIN−VVT6の目標変位角が算出される。また、本制御装置では、空気量変換マップ30によってドライバ要求トルクから変換された目標空気量が吸気弁逆モデル32に入力される。そして、吸気弁逆モデル32で算出された目標吸気管圧(図中では目標Pm2と表記する)が過給圧算出マップ14を用いて目標過給圧に変換され、さらにデューティ算出マップ16を用いてWGV4の目標WGVデューティに変換される。
以上のように構成される本実施の形態の制御装置によれば、ECT等の車両制御デバイスによるトルクダウン要求がWGV4やIN−VVT6の動作に反映されることはなく、車両制御デバイスによるトルクダウン要求はスロットル2の動作のみに反映される。これにより、WGV4やIN−VVT6を無用に動作させてしまうことがなく、トルクダウン要求により一旦減少した要求トルクが再び増大に転じた場合に空気量の応答に遅れが発生するのを防ぐことができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、実施の形態1に関してはWGVやIN−VVTは必須ではない。実施の形態1の制御装置は、WGVやIN−VVTを有さずスロットルのみを有する過給機付き内燃機関にも応用することができる。また、上述の実施の形態ではスロットルと協働して空気量を調整するアクチュエータとしてWGVとIN−VVTを例に挙げたが、可変ノズル付きのターボ過給機や排気バルブ用の可変バルブタイミング装置もそのようなアクチュエータに含まれると考えてよい。
2 スロットル
4 ウエストゲートバルブ
6 可変バルブタイミング装置
8 点火装置
10 空気量変換マップ
12 エア逆モデル
14 過給圧算出マップ
16 デューティ算出マップ
18 VVT逆モデル
20 点火時期算出部
24 目標トルク決定部
26 現在トルク算出部
M1 吸気弁逆モデル
M2 吸気管逆モデル
M3 スロットル逆モデル
M4 スロットル動作逆モデル
M5 スロットル動作モデル
M6 スロットルモデル
M7 吸気管モデル
M8 吸気弁モデル

Claims (8)

  1. スロットルを有する過給機付き内燃機関の制御装置において、
    目標トルクから目標空気量を計算する手段と、
    前記目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する手段と、
    前記目標スロットル開度に従って前記スロットルを操作する手段と、
    前記内燃機関に対する要求トルクを取得する手段と、
    前記内燃機関が出力している現在トルクを計算する手段と、
    前記要求トルクと前記現在トルクとが乖離していない場合は前記要求トルクを前記目標トルクとして決定するが、前記要求トルクと前記現在トルクとが乖離している状況で前記要求トルクに減少方向の変化が生じた場合は、前記現在トルクよりも低い値を前記目標トルクとして決定する目標トルク決定手段と、
    を備えることを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。
  2. 前記目標トルク決定手段は、前記要求トルクと前記現在トルクとが乖離している状況で前記要求トルクに減少方向の変化が生じた場合、前記要求トルクの減少量に応じて目標とするトルク減少量を決定し、前記現在トルクから前記目標トルク減少量を差し引いた値を前記目標トルクとして決定することを特徴とする請求項1に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
  3. 前記目標トルク決定手段は、前記要求トルクの減少量を前記現在トルクと減少前の前記要求トルクとの比によって補正した値を前記目標トルク減少量として決定することを特徴とする請求項2に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、前記スロットルと協働して空気量を調整するアクチュエータであって前記スロットルに比較して動作に対する空気量の応答性が低いアクチュエータを有し、
    前記制御装置は、
    前記要求トルクに基づいて目標アクチュエータ値を決定する手段と、
    前記目標アクチュエータ値に従って前記アクチュエータを操作する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、前記スロットルと協働して空気量を調整するアクチュエータであって前記スロットルに比較して動作に対する空気量の応答性が低いアクチュエータを有し、
    前記制御装置は、
    前記要求トルクから車両制御デバイスが要求するトルクを除いたトルクに基づいて目標アクチュエータ値を決定する手段と、
    前記目標アクチュエータ値に従って前記アクチュエータを操作する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
  6. 前記スロットルを前記目標スロットル開度に従い操作することで得られる空気量が前記目標トルクの実現のために必要な空気量に対して過剰になる場合に、点火時期を最適点火時期よりも遅角することによって前記内燃機関が出力するトルクを前記目標トルクに調整する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
  7. スロットルを備える過給機付き内燃機関の制御装置において、
    目標トルクから目標空気量を計算する手段と、
    前記目標空気量に基づきエア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算する手段と、
    前記目標スロットル開度に従って前記スロットルを操作する手段と、
    ドライバによるアクセルペダルの操作量を取得する手段と、
    前記内燃機関が出力している現在トルクを計算する手段と、
    ドライバによる前記アクセルペダルの操作量に応じて前記目標トルクを決定することを基本とするが、ドライバにより前記アクセルペダルが踏み込まれ、それに伴う加速の途中で前記アクセルペダルが戻された場合は、前記現在トルクよりも低い値を前記目標トルクとして決定する目標トルク決定手段と、
    を備えることを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。
  8. 前記目標トルク決定手段は、ドライバにより前記アクセルペダルが踏み込まれ、それに伴う加速の途中で前記アクセルペダルが戻された場合、前記アクセルペダルの戻し量に応じて目標とするトルク減少量を決定し、前記現在トルクから前記目標トルク減少量を差し引いた値を前記目標トルクとして決定することを特徴とする請求項7に記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
JP2013522641A 2011-07-05 2011-07-05 過給機付き内燃機関の制御装置 Pending JPWO2013005303A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013522641A JPWO2013005303A1 (ja) 2011-07-05 2011-07-05 過給機付き内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013522641A JPWO2013005303A1 (ja) 2011-07-05 2011-07-05 過給機付き内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2013005303A1 true JPWO2013005303A1 (ja) 2015-02-23

Family

ID=52687842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013522641A Pending JPWO2013005303A1 (ja) 2011-07-05 2011-07-05 過給機付き内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPWO2013005303A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010053705A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010053705A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013005303A1 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP5195064B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009019504A (ja) エンジンの制御方法並びに制御装置
WO2011135681A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6136947B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6287802B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4114574B2 (ja) 内燃機関の吸気量制御装置及び吸気量制御方法
JP2009133276A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2014010067A1 (ja) ターボ過給機付き内燃機関の制御装置
JP4816813B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5273295B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010024963A (ja) 内燃機関の制御装置
CN108571389B (zh) 内燃机的控制装置
JP4499809B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2016205282A (ja) 車両統合制御装置
JP5920176B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5598374B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5664463B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010001794A (ja) 内燃機関の制御装置
JPWO2013005303A1 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP5751344B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5472165B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5376171B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP6686427B2 (ja) エンジン制御装置
JP5085597B2 (ja) エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150310