JPWO2012147348A1 - 慣性力センサとこれに用いるゼロ点補正方法 - Google Patents
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Abstract
検出部は慣性力に応じた被補正信号を出力する。被補正信号を補正して補正後信号を生成する。第1と第2の時点において第1と第2の環境値をそれぞれ得る。第1と第2の環境値の差分値を算出する。その差分値の絶対値が所定の判定閾値よりも大きい場合に環境変化検出信号を出力する。第1の時点での補正後信号の平均化信号と第2の時点での補正後信号の平均化信号との差分値をオフセット差分値として算出する。環境変化検出信号が出力された場合に、オフセット差分値を保持する。保持されたオフセット差分値を被補正信号と加算して補正後信号を生成する。この方法により、環境の急峻な変化が生じても、出力オフセットを容易に低減できる。
Description
本発明は、携帯電話や、スマートフォンなどの情報通信端末の入力装置、デジタルスチルカメラなどの手振れ補正用、ナビゲーションシステム、車両制御システムなどに用いられる角速度センサや加速度センサなどの慣性力センサとそれに用いるゼロ点補正方法に関する。
図17は従来の慣性力センサ801のブロック図である。慣性力センサ801は、慣性力が与えられる検出素子802と、その慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路803と、検出回路803の出力側に接続されたローパスフィルタ(LPF)804と、LPF804の出力を補正する補正回路805とを備える。補正回路805は、補正量が外部から書き込まれてその補正量を保持する補正量保持部806と、LPF804の出力側及び補正量保持部806の出力側に接続された補正部807とを有する。補正部807は、補正量保持部806が保持する補正量に基づいてLPF804の出力値を補正する。
慣性力センサ801は、慣性力が入力されていないときはゼロ等の所定の基準値の信号を出力し、慣性力が入力されたときにこの慣性力に応じた信号を出力することが求められる。そこで、慣性力センサ801は、検出素子802の製造ばらつきに起因する出力のズレや、検出回路803の電気的なオフセットなどに起因する出力オフセット(初期オフセット)を測定し、その補正値を補正量保持部806に保持した状態で出荷される。
また、慣性力センサの製造工程で発生する出力オフセットの他、慣性力センサの動作中に急峻な周囲の温度変化が生じても出力オフセットの値が初期値から変化する。このような温度変化が生じても出力オフセットを補正するために、製造工程において、想定される温度変化に対する出力オフセットを補正する補正量を逐次不揮発メモリに記憶させて、ルックアップテーブルを設ける。このルックアップテーブルを参照することにより、周囲温度の変化に応じた適正な出力オフセットを補正できる。
出荷時に製造工程において周囲温度値と出力オフセット補正値が書き込まれたルックアップテーブルを作成し搭載することで、慣性力センサ801では、製造工数が増大し、製造コストが高くなる。
慣性力センサ801はビデオカメラの画面振れを検出する回路に応用できる。この場合、慣性力センサ801は慣性力として角速度を検出することで画面振れを検出し、この検出結果に対応した補正角度信号を出力する。そのビデオカメラでは、電源を入れて慣性力センサにより正規の角速度信号が得られるまでの間に、補正角度信号により補正を行わない状態にすることで電源オン時の画面振れを防止する。
慣性力センサ801において、出荷時に補正値が書き込まれた後でも、例えば、検出素子802に応力が印加されたり、経時変化や環境変化によって、慣性力が入力されていない状態であっても出力オフセットが発生したりする場合がある。オフセットを除去するためにハイパスフィルタを挿入することができる。しかし、ハイパスフィルタの遅延時間に起因し、慣性力センサの電源投入やスリープ解除等の補正開始時に検出信号が安定するまでに時間がかかる。
慣性力センサ801に類似する従来の慣性力センサが特許文献1〜5に記載されている。
検出部は慣性力に応じた被補正信号を出力する。被補正信号を補正して補正後信号を生成する。第1の時点において第1の環境値を得る。第1の時点より後の第2の時点において第2の環境値を得る。第1の環境値と第2の環境値との差分値を環境差分値として算出する。環境差分値の絶対値が所定の判定閾値よりも大きい場合に環境変化検出信号を出力する。第1の時点まで続く所定の期間において補正後信号を平均化して第1の平均化信号を出力する。第2の時点まで続く所定の期間において補正後信号を平均化して第2の平均化信号を出力する。第1の平均化信号と第2の平均化信号との差分値をオフセット差分値として算出する。環境変化検出信号が出力された場合に、オフセット差分値を保持する。被補正信号を補正して補正後信号を生成するために、保持されたオフセット差分値を被補正信号と加算して補正後信号を生成する。この方法により、周囲温度等の環境の急峻な変化が生じても、出力オフセットを容易に低減することができる。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における慣性力センサ8のブロック図である。慣性力センサ8は、検出素子9と、角速度等の慣性力が与えられる検出素子9を駆動する駆動回路13と、検出素子9に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路10と、検出回路10が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(A/D)変換器14と、A/D変換器14で変換されたデジタル信号が入力されるローパスフィルタ(LPF)11と、LPF11の出力を補正する補正部12とを備える。慣性力センサ8は、周囲温度の変化を検出する環境変化検出部5と、環境変化検出部5から出力される環境変化検出信号Scに基づきオフセット補正値Smを設定するオフセット設定部6とをさらに備える。この構成により、慣性力センサ8は周囲環境に急峻な変化が生じても、出力オフセットを容易に低減することができ、したがって出力の精度を向上させることができる。
図1は実施の形態1における慣性力センサ8のブロック図である。慣性力センサ8は、検出素子9と、角速度等の慣性力が与えられる検出素子9を駆動する駆動回路13と、検出素子9に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路10と、検出回路10が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(A/D)変換器14と、A/D変換器14で変換されたデジタル信号が入力されるローパスフィルタ(LPF)11と、LPF11の出力を補正する補正部12とを備える。慣性力センサ8は、周囲温度の変化を検出する環境変化検出部5と、環境変化検出部5から出力される環境変化検出信号Scに基づきオフセット補正値Smを設定するオフセット設定部6とをさらに備える。この構成により、慣性力センサ8は周囲環境に急峻な変化が生じても、出力オフセットを容易に低減することができ、したがって出力の精度を向上させることができる。
図2は検出素子9である音叉型の角速度センサ素子101の上面図である。図3は図2に示す角速度センサ素子101の線3−3における断面図である。角速度センサ素子101は、音叉型のシリコン基板102、103と、シリコン基板102、103上に形成された下部電極108、109、110、111、112、113とを備える。角速度センサ素子101は、下部電極108、109、110、111、112、113上にそれぞれ形成された圧電薄膜114、115、116、117、118、119と、圧電薄膜114、115、116、117、118、119上にそれぞれ形成された上部電極120、121、122、123、124、125とをさらに備える。上部電極120、122、123、125は駆動電極である。上部電極121、124は検出電極である。なお、下部電極は全て基準電位に接続されている。シリコン基板102、103はY軸の方向に延びてアーム106、107をそれぞれ構成する。アーム106、107はX軸の方向に配列されている。X軸とY軸とZ軸は互いに直角である。
角速度センサ素子101は、駆動電極120、122、123、125に所定の駆動電圧が印加されることにより、図2に示すX軸の方向に振動する。X軸の方向に振動している状態で、角速度センサ素子101にY軸の周りの角速度が印加されると、角速度により発生したコリオリ力によりアーム106、107がZ軸方向に撓む。これに伴い、圧電薄膜115、118が撓むことにより、検出電極121、124に電荷が発生する。この電荷の量がコリオリ力に比例することから、角速度を検出することが可能となる。
角速度センサ素子101のアーム106、107はX軸の互いに逆方向に動くように振動している。よって、Y軸の周りに角速度が印加された場合に発生するコリオリ力は、アーム106、107をそれぞれZ軸の互いに逆の方向に撓ませる。したがって、検出電極121、124にコリオリ力に応じて発生する電荷、または回路に接続したときに流れる電流は互いに逆極性を有する。
電極126はアーム106、107の駆動振動に同期した信号を出力する。この信号は駆動振動と同じ周波数を有する。電極126から出力された信号は駆動回路13に入力され、検出回路67における同期検波器65へ入力される。
図4は検出回路10と駆動回路13としてそれぞれ機能する検出回路67と駆動回路51のブロック図である。入力端子60、61は、角速度センサ素子101の検出電極121、124にそれぞれ電気的に接続される。角速度センサ素子101の検出電極121、124において互いに逆極性の電流が発生する、これらの電流が電流電圧変換器62、63によって電圧に変換され、差動アンプ64によって差動演算されることにより、実質的に合算することができる。差動アンプ64の出力する信号は同期検波器65に入力され、クロック生成器50から出力されるクロック信号で同期検波されて、検波出力端子66から検波信号として出力される。
駆動回路51は、図2と図3に示す角速度センサ素子101を駆動する。モニタ入力端子40はモニタ電極126に電気的に接続される。モニタ電極126に発生する電荷により起因するモニタ電流は駆動振動に同期する。電流電圧変換器41はモニタ電流を電圧に変換することによりモニタ信号を出力する。電圧に変換されたモニタ電流であるモニタ信号は直流(DC)変換器42によりDC信号に変換される。自動利得制御(AGC)回路43は、DC変換器42の出力するDC信号のレベルに応じたゲインでモニタ信号を増幅する。バンドパスフィルタ(BPF)44は、増幅されたモニタ信号の不要な周波数成分を除去する。出力増幅器45はBPF44の出力を増幅する。反転増幅器46は出力増幅器45の出力を反転させる。出力増幅器45の出力は駆動出力端子47に接続され、反転増幅器46の出力は駆動出力端子48に接続される。駆動出力端子47、48は角速度センサ素子101の駆動電極120、122、123、125のうちの所定の電極に接続される。
駆動回路51のモニタ入力端子40及び駆動出力端子47、48は角速度センサ素子101に接続されて駆動ループを形成する。そして、自励発振により角速度センサ素子101に駆動電圧が印加される。DC変換器42が出力するDC信号のレベルが増加すればAGC回路43のゲインが下がり、そのレベルが減少すればAGC回路43のゲインが増加する。この制御によって、AGC回路43へ入力されるモニタ信号のレベルが概一定になり、結果的に駆動振動の振幅が一定に保たれる。
移相器49は電流電圧変換器41によって電圧に変換されたモニタ信号の位相を90度回転させる。クロック生成器50は移相器49の出力を用いて同期検波用の方形波のクロック信号を作る。クロック信号を用いて検出回路67の同期検波器65は同期検波を行う。
慣性力センサ8は、慣性力が入力されていないときはゼロ等の所定の基準値の信号を出力し、慣性力が入力されたときにこの慣性力に応じた値の信号を出力する。出力オフセットは、慣性力が入力されないときには出力する信号の値と所定の基準値との差である。慣性力センサ8では、動作中に急峻な周囲の温度変化等の環境変化が生じた場合でも出力オフセットを低減できる。
図1に示すA/D変換器14は同期検波器65が出力するアナログ信号である検波信号をデジタル信号に変換する。LPF11はデジタル信号に変換された検波信号のうち所定のカットオフ周波数以下の周波数の成分を被補正信号Sfとして通過させて出力し、カットオフ周波数より高い周波数の成分を通過させない。すなわち、LPF11は、検出回路10が出力する信号のうちの所定のカットオフ周波数以上の周波数の成分を減衰させることで、必要な角速度成分が含まれる周波数の帯域に信号の帯域を制限し、不要な信号の一部を抑圧する。しかしながら、LPF11は周囲環境の急峻な変化に伴い発生する慣性力センサ8の出力オフセットを不要な信号として抑圧できない場合がある。
実施の形態1における慣性力センサ8は、環境変化検出部5およびオフセット設定部6を備え、周囲温度等の周囲環境の急峻な変化が生じても、出力オフセットを低減する。以下、慣性力センサ8において周囲環境の急峻な変化が生じても、出力オフセットを低減するゼロ点補正方法について説明する。慣性力センサ8では周囲環境として周囲温度の変化に対して補正動作を実行する。検出素子9と検出回路10と駆動回路13とA/D変換器14とLPF11は、検出素子9に与えられた角速度や加速度等の慣性力を検出して、その慣性力に応じた被補正信号Sfを出力する検出部8Aを構成する。
図5は環境変化検出部5のブロック図である。環境変化検出部5は、環境値保持部21と環境値差分演算部22と環境値比較部23とを有する。環境値保持部21は検出素子9の周囲の温度の値である環境値Taを取り込んで環境値Tmとして保持して出力する。環境値差分演算部22は、環境値保持部21で保持されている環境値Tmと現時点の環境値Taの差分の絶対値である環境差分値Dtを算出する。環境値比較部23は、算出された環境差分値Dtを所定の判定閾値Tthと比較する。
環境値保持部21に保持されている環境値Taの初期値Tiは、慣性力センサ8の製造工程における環境値Taである。製造工程においては環境値Taの初期値Tiでの出力オフセットがゼロになるように慣性力センサ8が調整されている。
実際に慣性力センサ8が使用されるときの周囲温度である環境は、製造工程における周囲温度である周囲環境とは異なる場合が多い。慣性力センサ8の製造工程からの出荷時には環境値保持部21は環境値Tmとして初期値Tiを保持している。環境値差分演算部22は、実際の環境値Taと環境値保持部21の保持する環境値Tmとの差分の絶対値である環境差分値Dtを所定の時間間隔Trごとに出力する。
環境値比較部23は所定の時間間隔Trごとに環境差分値Dtを判定閾値Tthと比較する。具体的には、環境値比較部23に所定の時間間隔Trの間隔でラッチ信号が入力され、このラッチ信号をトリガとして環境差分値Dtから判定閾値Tthを引いて得られた差分を検出する。検出された差分が正の値である場合には環境値比較部23は、環境変化があったとして環境変化検出信号Scを出力する。差分がゼロ以下である場合、環境値比較部23は環境変化がなかったものとして環境変化検出信号Scを出力しない。実施の形態1では、所定の時間間隔Trは5msec以上である。
このように、環境差分値Dtの判定閾値Tthより大きい変化が生じた場合、環境変化検出信号Scが発生し、環境差分値Dtの判定閾値Tthより大きい変化が生じない場合には環境変化検出信号Scが発生しない。そして、環境変化検出信号Scに基づき慣性力センサ8の出力が補正される。なお、判定閾値Tthは環境変化検出部5の外部や慣性力センサ8の外部から設定可能であるので、容易に変更できる。
環境変化検出信号Scが発生した時点の環境値Taが環境値保持部21に取り込まれ環境値Tmとして保持される。具体的には、環境値保持部21は環境変化検出信号Scをラッチ信号として環境値Taを取り込んで環境値Tmとして保持する。この動作により、環境変化を検出した時点での環境値Taを基準値として、その時点以後の環境値Taの変化を比較することが可能となる。
図6はオフセット設定部6のブロック図である。オフセット設定部6は平均処理部31と平均化信号保持部32と差分演算部33と補正量保持部34とを備える。平均処理部31は、補正部12(図1参照)が現在の時点までの所定の期間Paに出力された補正後信号Soを加算平均して得られた平均化信号Saを出力する。平均化信号保持部32は、平均処理部31から出力された平均化信号Saを平均化信号Ssとして保持して出力する。差分演算部33は、平均化信号保持部32で保持されている平均化信号Ssから平均化信号Saを引いて得られた差分をオフセット差分値Doとして算出する。補正量保持部34はオフセット差分値Doを保持する。
補正部12から出力された補正後信号Soは、周囲環境である周囲温度の変化によってオフセットを生じる。そこで、そのオフセットを補正し適正なゼロ点を維持するため、補正部12はオフセット設定部6から出力されるオフセット補正値SmをLPF11が出力する被補正信号Sfと加算する。
平均処理部31はある時点までの所定の期間Paにおいて補正部12から出力される補正後信号Soを平均化して得られる平均化信号Saを算出しその時点での平均化信号Saとして出力する。平均処理部31は所定の期間Paに所定の時間間隔Tqごとに補正部12から出力される補正後信号Soであるオフセット値を加算して合計する。
実施の形態1では、平均処理部31はデジタル加算器を用いて所定の時間間隔Tq毎に32回だけオフセット値を加算して得られた合計値を算出する。すなわち、所定の期間Paは所定の時間間隔Tqの32倍である。そして、合計値を下位方向へ4ビット分シフトされることにより、合計値を32で除して平均化することにより平均化信号Saを得る。一般に、平均処理部31は所定の時間間隔Tq毎に補正後信号Soを2n回だけ加算して合計値を算出し、算出された合計値を下位方向にnビットシフトさせることで、平均化信号Saを容易に得ることができる。ここで数nは自然数である。所定の期間Paは所定の時間間隔Tqのn倍である。実施の形態1では補正後信号Soを加算する間隔である所定の時間間隔Tqは、環境値を取り込む所定の時間間隔Trの1/32であるが、所定の時間間隔Trの1/32の時間より短くする。すなわち、実施の形態1における慣性力センサ8では平均処理部31は補正後信号Soをn回だけ加算する期間である所定の期間Paは環境値を検出する所定の時間間隔Trと同じであるが、所定の時間間隔Trより短くてもよい。
平均化信号保持部32が保持するオフセット補正値Smの初期値は慣性力センサ8の製造工程において設定された加算平均オフセット値である。この初期値は、製造工程における環境値に合わせて補正後信号Soのオフセットがゼロになるように調整されている。その後は、環境変化検出信号が発生する時点まで加算平均化されてきた平均処理部31からの平均化信号Saを取り込み保持する。
差分演算部33では、所定の時間間隔Trごとに生じるラッチ信号に同期して現時点まで加算平均化されてきた平均処理部31からの平均化信号Saと平均化信号保持部32から出力される加算平均オフセット値との差分値をオフセット差分値として算出する。このオフセット差分値は、所定の時間間隔Trごとに更新される。
補正量保持部34は、環境変化検出信号Scに基づいて、差分演算部33から出力されるオフセット差分値を保持する。同時に、補正量保持部34はその保持したオフセット差分値をオフセット補正値Smとして補正部12に出力する。補正部12はLPF11から出力される被補正信号Sfに加算して得られた補正後信号Soを出力する。オフセット差分値Doは所定の時間間隔Trごとに更新され得るが、環境変化検出信号Scが発生しない限り、補正量保持部34は保持するオフセット差分値を更新せず、したがってオフセット補正値Smを更新しない。すなわち、補正量保持部34は環境変化検出信号Scが発生したときに差分演算部33から出力されるオフセット差分値Doを保持してオフセット補正値Smを更新する。さらに、補正量保持部34は、環境変化検出信号Scが発生していないときには、補正量保持部34は保持するオフセット差分値を更新せず、オフセット補正値Smを更新しない。
図7は慣性力センサ8の信号を示し、環境変化検出信号Scと環境値Ta、Tmとオフセット差分値Doとオフセット補正値Smとを示す。実施の形態1では環境値は温度の値である。
時点tp0において環境変化検出信号Scが発生し、環境値保持部21は環境値T1を保持する。また、時点tp0において、補正量保持部34は時点tp0におけるオフセット差分値Doを保持する。平均化信号保持部32は時点tp0での平均化信号Saを平均化信号Ssとして保持する。
時点tp0後でかつ次に環境変化検出信号Scが発生する前において環境値保持部21は環境値T1を保持し、環境変化検出信号Scの発生後に環境値保持部21は環境値T2を保持する。環境値T1、T2と判定閾値TthはT2−T1>Tthを満たす。
時点tp0より後の時点tp1において環境変化検出信号Scが発生したときに、環境値保持部21の保持する環境値が環境値T1から環境値T2に変化する。時点tp1の直前までは、平均化信号保持部32は環境変化検出信号Scが前回発生した時点tp0での平均化信号Saを平均化信号Ssとして保持している。平均化信号保持部32は、時点tp1で環境変化検出信号Scが発生した時に平均処理部31が出力する平均化信号Saを新たに取り込み、平均化信号Ssとして保持する。同時に、補正量保持部34は、環境変化検出信号Scが発生した時点tp1に差分演算部33が出力するオフセット差分値Doを取り込み保持する。補正部12は、取り込まれて保持されたオフセット差分値DoをLPF11が出力する被補正信号Sfに加算し、補正後信号Soでは適正なゼロ点が維持される。
ゼロ点が適正に維持されると、その後の差分演算部33で算出されるオフセット差分値Doの絶対値は図7に示すように時点tp1において小さくなる。
なお、T2−T1>Tthの条件における補正部12が加算するオフセット差分値Do(オフセット補正値Sm)が、負の値である場合には、一般的に、T1―T2>Tthの条件における補正部12が加算するオフセット差分値Doは正の値となる。
時点tp1以降も同様に、環境値Taが環境値T2から判定閾値Tthより大きい絶対値だけ環境値T3に変化したときに、環境変化検出部5の環境値比較部23は環境変化検出信号Scを出力し、環境値保持部は環境値T3を保持する。環境変化検出信号Scが出力されると、そのときの平均化信号Saが平均化信号保持部32で平均化信号Ssとして保持され、補正量保持部34は、そのときのオフセット差分値Doをオフセット補正値Smとして保持する。
上記のオフセット調整は慣性力が検出素子9に与えられていない時に行われる。
また、このゼロ点補正方法は、慣性力センサ8のX軸方向のオフセット調整だけでなく、Y軸方向、Z軸方向のオフセット調整にも適用できる。
このように、ゼロ点補正方法を用いた慣性力センサ8は、周囲環境の急峻な変化が生じても、出力オフセットを容易に低減することができる。
なお、実施の形態1における慣性力センサ8では、温度の値が環境値である。しかし、温度に限らず、例えば、光、音、加速度、圧力等の、慣性力センサ8の周囲の環境の変化に対してゼロ点補正する場合にも適用可能である、さらに、実施の形態1における慣性力センサ8はA/D変換器14によりデジタル信号処理を行うが、実施の形態1における慣性力センサ8はA/D変換器14を備えずにゼロ点補正するためにアナログ処理を用いてもよい。
(実施の形態2)
図8は実施の形態2における慣性力センサ208のブロック図である。図8において図1から図4に示す実施の形態1における慣性力センサ8と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態2における慣性力センサ208は、角速度等の慣性力が与えられる検出素子9と、検出素子9に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路10と、検出回路10が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D)変換器220と、A/D変換器220で変換されたデジタル信号が入力されるローパスフィルタ(LPF)211と、LPF211の出力を補正する補正回路212と、A/D変換器220以後の各回路を動作させるクロック信号を発生するクロック発生器221とを備える。
図8は実施の形態2における慣性力センサ208のブロック図である。図8において図1から図4に示す実施の形態1における慣性力センサ8と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態2における慣性力センサ208は、角速度等の慣性力が与えられる検出素子9と、検出素子9に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路10と、検出回路10が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D)変換器220と、A/D変換器220で変換されたデジタル信号が入力されるローパスフィルタ(LPF)211と、LPF211の出力を補正する補正回路212と、A/D変換器220以後の各回路を動作させるクロック信号を発生するクロック発生器221とを備える。
補正回路212は、LPF211の出力側に接続された補正量生成部213aと、補正量生成部213aの出力側に接続された補正量保持部214と、LPF211の出力側及び補正量保持部214の出力側に接続された補正部215とを有している。
補正部215は、図1から図4に示す実施の形態1における慣性力センサ8の補正部12と同様に、補正量保持部214が保持する補正量に基づいてLPF211の出力値を補正する。この構成により、出荷時に補正値が書き込まれた後でも、慣性力が入力されていない状態において出力値に含まれる出力オフセットを低減することができる。
また、慣性力センサ208は、検出素子9に対して慣性力以外の応力が加わることによる出力オフセットに限らず、環境変動や筐体、検出素子9及び検出回路10などの経時変化に起因する出力オフセットも低減することができる。
検出素子9や検出回路10の経時変化に伴う出力オフセットは、所望の角速度の成分の周波数に比べて低い周波数を有し、例えば0.001Hz以下または0Hzである。例えば、センサを実装する基板の反りにより発生する外部応力に起因する出力オフセットは所望の角速度の成分の周波数に比べて十分に低い周波数を有し、ほぼ直流(DC)成分として現れる。
図17に示す従来の慣性力センサ801では、出荷時に保持された補正値によってLPF804の出力を補正するので、出荷後で慣性力センサ801を使用している間の検出素子9や検出回路の経時変化に伴う出力オフセットを補正することができない。実施の形態2における慣性力センサ208は出荷後でも出力オフセットを低減することができる。
次に、慣性力センサ208の動作を詳細に説明する。LPF211は、検出回路10の出力のうちの所定のカットオフ周波数以上の周波数を有する成分を減衰させることで、必要な角速度成分が含まれる周波数帯域に帯域を制限し、不要な信号の一部を抑圧するフィルタである。なお、LPF211に代えて、必要な角速度成分を含む周波数帯の信号を通過させるとしたバンドパスフィルタ等を用いてもよい。
補正量生成部213aは、LPF211の出力側に接続されたハイパスフィルタ(HPF)213bと、LPF211の出力側及びHPF213bの出力側に接続された演算回路213cを有している。演算回路213cはLPF211の出力値とHPF213bの出力値との差分値を出力する。
ここで、LPF211のカットオフ周波数fclは、HPF213bのカットオフ周波数fchよりも高くする。この構成により、HPF213bのカットオフ周波数fchよりも低い周波数の成分を出力オフセットとして抽出することができる。
例えば、所望の角速度成分の周波数が0.001Hz〜20Hzの周波数範囲にある場合、LPF211のカットオフ周波数を20Hz以上とし、HPF213bのカットオフ周波数を0.001Hz以下とする。これにより、0.001Hz〜20Hzの周波数範囲にある角速度成分を検出しつつ、0.001Hz以下の不要なオフセット成分を除去することが可能となる。
クロック発生器221はクロック生成部222及びクロック選択部223により構成される。クロック生成部222は、周波数f0のクロックCLK0と、周波数f1のクロックCLK1と、周波数f1よりも高い周波数f2のクロックCLK2の3種類の周波数のクロックを生成する。クロック選択部223は外部から供給されるクロック選択信号CSELに従ってクロックCLK1及びCLK2のいずれかのクロックを選択して、選択されたクロックをクロックCLKとして出力する。
HPF213bのクロック入力にはクロックCLKが供給され、HPF213b以外の回路すなわち、A/D変換器220、LPF211、演算回路213c、補正量保持部214、補正部215にはクロックCLK0が供給されている。クロックCLK0、CLK1、CLK2の周波数f0、f1、f2のいずれの2つの周波数の比の値は2のべき乗であり、異なる周波数のクロックで動作する回路間では、サンプル値の補間または間引が行われる。
クロックCLK0の周波数f0は標本化定理より、角速度検出信号の帯域の少なくとも2倍以上に設定する必要がある。実施の形態2では、f0=1kHz、f1=125Hz、f2=8kHzで設定されている。
次に、慣性力センサ208の補正開始時の応答性を向上させるすなわち応答速度を大きくする方法について説明する。補正開始時の応答に時間がかかると、慣性力センサ208を例えば、カメラに搭載した場合には、補正開始直後、モニタ画面内でモニタ画像がゆれる。ここで、慣性力センサ208の補正開始時とは、慣性力センサ208の電源のオン時、外部のホストからの指令信号を受け付けた時、あるいは慣性力センサ208が省電力のためにスリープモードを備えている場合には、このスリープモードの解除のタイミング等である。
慣性力センサ208において、補正開始時の応答が遅れる理由は、前述したように、HPF213bのカットオフ周波数fchを非常に低く設定する必要があるためにHPF213bが収束するすなわちHPF213bの出力値が安定するまでの収束時間が長くなるためである。実施の形態2における慣性力センサ208では、HPF213bのカットオフ周波数fchを補正開始時のみ通常動作状態のカットオフ周波数fchよりも高い周波数に切り替えることで、HPF213bの収束時間を短縮して、補正開始時の応答性を向上させている。HPF213bのカットオフ周波数の切り替えについて、以下、詳しく説明する。
図8において、HPF213bは所定の次数のデジタルフィルタで構成されている。デジタルフィルタが例えば有限インパルス応答(以下FIR)フィルタで構成される場合には、デジタルフィルタの周波数特性は、次数、フィルタ係数及びデジタルフィルタに供給されるクロックの周波数により決定される。次数とフィルタ係数を固定とすると、クロックの周波数を高くするとカットオフ周波数は高くなり、クロックの周波数を低くするとカットオフ周波数は低くなる。そこで、実施の形態2では、カットオフ周波数をHPF213bに供給するクロックCLKによって切り替える。
デジタルフィルタのカットオフ周波数を切り替える方法としては、クロックの周波数を固定にして、フィルタ係数を切り替える方法も考えられる。しかし、カットオフ周波数をDC付近に設定するためには高次のデジタルフィルタが必要となり、サイズが大きくなり、消費電力も増加する。また、フィルタ係数を切り替えるには、デジタルフィルタを一旦リセットする必要があるので、フィルタ係数の切り替えに時間がかかるとともに、この切り替え時間中はデジタルフィルタからの出力が途切れてしまう。一方、実施の形態2における慣性力センサ201のクロックの周波数を切り替える方法であれば、カットオフ周波数を即座に連続的に切り替えることができる。
図9は慣性力センサ208のクロックCLK1、クロックCLK2、クロック選択信号CSEL、クロックCLKの波形を示す。
補正を開始する補正開始の時点tsにおいてクロック選択信号CSELはハイレベル(H)であり、補正開始の時点tsから補正を終了する所定時点t0までの補正期間P0だけ経過した後、クロック選択信号CSELはハイレベルからローレベル(L)に切り替わる。クロック選択部223はクロック選択信号CSELがハイレベルである補正期間P0では高い周波数f2のクロックCLK2を選択してクロックCLKとして出力し、クロック選択信号CSELがローレベルの通常動作期間P1では低い周波数f1のクロックCLK1を選択してクロックCLKとして出力する。これにより、HPF213bのクロック入力に供給されるクロックCLKは、補正開始の時点tsから補正期間P0経過後にクロックCLK2からクロックCLK1に連続的に切り替わる。補正期間T0は予め設定された固定値であってもよいし、外部から調整可能であってもよい。後述するように、補正期間P0はHPF213bの収束時間より長くするのが好ましい。実施の形態2では、時点tsの前ではクロック選択信号CSELはローレベルであり、したがって、時点tsまでの期間ではクロック選択部223はクロックCLK1を選択してクロックCLKとして出力する。
所定時点t0から始まる通常動作期間P1では、クロック選択部223がクロックCLK1を選択してクロックCLKとして出力する。通常動作期間P1では、補正部215は補正量保持部214に保持された補正量に基づいて出力オフセットを低減してLPF211の出力を補正して角速度成分を出力する。
図10AはHPF213bの周波数特性を示す。図10Bは補正量生成部213aすなわち演算回路213cの出力の周波数特性を示す。図10Aにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸はHPF213bのゲインを示す。図10Bにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は補正量生成部213aすなわち演算回路213cのゲインを示す。図10Aにおいて、実線で示す特性231はLPF211の周波数特性であり、一点鎖線で示す特性233は補正期間P0でのHPF213bの周波数特性であり、破線で示す特性232は通常動作期間P1でのHPF213bの周波数特性を示す。図10Bにおいて、一点鎖線で示す特性235は補正期間P0での補正量生成部213aの周波数特性であり、破線で示す234は通常動作期間P1での補正量生成部213aの周波数特性である。
図10Aに示すように、矢印Y1で示すように、HPF213bのクロック入力に供給するクロックCLKの周波数を補正開始時にf1(=125Hz)からf2(=8kHz)に上げることにより、HPF213bの特性は特性232から特性233に変わりカットオフ周波数fchを高くすることができ、HPF213bの収束時間を短縮できる。補正期間P0の終了後、矢印Y2に示すように、HPF213bのクロック入力に供給するクロックCLKの周波数をf1=125Hzに下げることにより、特性232のようにカットオフ周波数fchを角速度検出信号230の帯域よりも下げることができる。
上記の動作により、図10Bに示すように、通常動作期間P1では、演算回路213cから出力される補正信号からは、特性234のように角速度検出信号230の帯域以下で、DC付近の低周波数の出力オフセットを取り出すことができる。補正期間P0では、補正信号に角速度検出信号230の一部が含まれるが、この期間は慣性力センサ208の出力は使用されないので問題とならない。なお、補正部215は補正開始の時点tsから所定時間は補正を行わないこととしてもよい。このようにして、通常動作時の出力オフセットを低減できるとともに、補正開始時の応答を速くすることが可能となる。
図11は実施の形態2における慣性力センサ208の補正回路212の出力を示し、補正出力が安定範囲に達するまでの時間(HPF213bの収束時間)を示す。図11において、縦軸はデジタル値で表した出力電圧を示し、横軸は時間を示す。図11は、検出素子9(図2参照)にY軸の周りの角速度が印加された場合の特性を示している。図11において、破線で示す電圧237はHPF213bのクロック入力に供給するクロックCLKの周波数がf1=125Hzの場合の出力電圧であり、一点鎖線で示す電圧238はクロックCLKの周波数がf2=8kHzの場合の出力電圧である。図11に示すように、クロックCLKの周波数がf2=8kHzの場合の収束時間t1の方が、クロックCLKの周波数がf1=125Hzの場合の収束時間t2よりも大幅に短縮される。実施の形態2における慣性力センサ208では、収束時間t1は0.3秒以下であり、収束時間t2は20秒程度である。
補正量生成部213aを設けず、所望の角速度入力の周波数帯域の下限周波数以下のカットオフ周波数を持つハイパスフィルタをLPF211と補正部215の間に直列に挿入することにより、カットオフ周波数以下の出力オフセットの成分を除去することができる。あるいは補正量生成部213aを設けず、DC成分を除去するコンデンサをLPF211と補正部215の間に直列に設けることでも、DC付近の出力オフセットの成分のみを除去することは可能である。しかし、これらの構成では、検出信号自体、つまり実使用帯域の信号自体がハイパスフィルタ或いはコンデンサを通過するので、検出信号の遅延が発生してしまう。一方、実施の形態2における慣性力センサ208は、LPF211と補正部215の間にハイパスフィルタやコンデンサのような遅延量の大きい回路を設けずに不要なオフセットの成分を除去することができる。
(実施の形態3)
図12は実施の形態3における慣性力センサ225のブロック図である。図12において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図12に示す実施の形態3における慣性力センサ225は、実施の形態2の慣性力センサ208のLPF211とHPF213bの間に挿入されたLPF216をさらに備える。LPF216は移動平均処理回路である。
図12は実施の形態3における慣性力センサ225のブロック図である。図12において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図12に示す実施の形態3における慣性力センサ225は、実施の形態2の慣性力センサ208のLPF211とHPF213bの間に挿入されたLPF216をさらに備える。LPF216は移動平均処理回路である。
前述したように、環境変化等による出力オフセットの変動の周波数はほぼDCに近い低周波数である。また、角速度検出信号も非常に低い周波数成分(例えば、0.01Hz)を含んでいる。したがって、低周波数の角速度信号を検出しつつ、出力オフセットを低減するためには、通常動作時のHPF213bのクロックCLK1の周波数f1はできるだけ低いことが望ましい。しかしながら、クロックCLK1の周波数f1が検出信号の帯域の最高周波数の2倍以下になると検出信号に折り返しノイズが発生するので、補正信号が歪んで補正部215による補正が正しく行われない。そこで、この折り返しノイズの発生を抑えるために、検出信号がHPF213bに入力される前に帯域制限を行う前処理をする必要がある。例えば、検出信号の帯域を20Hzとし、HPF213bのクロックの周波数f1を31.25Hz(8kHz/256)とすると、検出信号の帯域を15.625Hz以下に制限する必要がある。本実施の形態では、この帯域制限を実施するLPF216として移動平均処回路を用いている。これにより、小規模な回路面積で帯域制限を行うことができる。移動平均の回数等は、帯域制限する周波数により適宜設定すればよい。
(実施の形態4)
図13は実施の形態4における慣性力センサ226のブロック図である。図13において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図13に示す実施の形態4における慣性力センサ226は、実施の形態2の慣性力センサ208の演算回路213cと補正量保持部214との間に挿入されたスイッチ回路217をさらに備える。
図13は実施の形態4における慣性力センサ226のブロック図である。図13において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図13に示す実施の形態4における慣性力センサ226は、実施の形態2の慣性力センサ208の演算回路213cと補正量保持部214との間に挿入されたスイッチ回路217をさらに備える。
前述したように、HPF213aのクロックの周波数f1を下げると、HPF213bに入力する検出信号の周波数帯域を制限するための前処理が必要となり、補正回路212の処理負荷が増加する。そこで、実施の形態4における慣性力センサ226では、スイッチ回路217を所定の周期でオン/オフを切替えて、補正信号を補正量保持部214に間欠的に取り込む。これにより、補正部215による出力オフセットの補正を間欠的に行い、通常動作期間にHPF213bのカットオフ周波数fchを等価的に下げるようにしている。スイッチ回路217は補正量保持部214と補正部215との間に挿入してもよい。また、通常動作期間にHPF213bに供給するクロックCLK1を間欠的に停止させることでHPF213bの動作を周期的に停止させてもよい。
(実施の形態5)
図14は実施の形態5における慣性力センサ227のブロック図である。図14において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図14に示す実施の形態5における慣性力センサ227は、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213dを備える。
図14は実施の形態5における慣性力センサ227のブロック図である。図14において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図14に示す実施の形態5における慣性力センサ227は、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213dを備える。
補正量生成部213dはLPF213eで構成されている。LPF213eの入力はLPF211の出力側に接続され、LPF213eの出力は補正量保持部214に接続される。LPF213eには、実施の形態2のHPF213aと同様に、補正開始の時点tsから補正期間P0には周波数f2の高い周波数のクロックCLK2が供給されてLPF213eのカットオフ周波数を高くし、LPF213eが収束した後に、低い周波数f1のクロックCLK1に切り替えられる。これにより、出力オフセットを低減するとともに、補正開始時間を短縮することができる。また、補正量生成部213dをLPF213eで構成することにより、図8で示す演算回路213cを省略することが可能であり、回路面積及び消費電流を低減することができる。また、実施の形態5における慣性力センサ227は、実施の形態3におけるLPF216をさらに備えてもよく、または実施の形態4におけるスイッチ回路217をさらに備えてもよい。
(実施の形態6)
図15は実施の形態6における慣性力センサ228のブロック図である。図15において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図15に示す実施の形態105における慣性力センサ228は、実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213fを備え、A/D変換器220を備えていない。
図15は実施の形態6における慣性力センサ228のブロック図である。図15において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図15に示す実施の形態105における慣性力センサ228は、実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213fを備え、A/D変換器220を備えていない。
補正量生成部213fは実施の形態2におけるHPF213bの代わりに、コンデンサとコンデンサの両端に接続されたスイッチとで構成された離散型フィルタであるHPF213gを備えている。
図16はHPF213gの回路図である。HPF213gは、入力端子271と、コンデンサ272、273、281と、オペアンプ278と、スイッチ274、275、276、277、282、283、284、285と、出力端子279とを備える。コンデンサ273とコンデンサ273の両端に接続されたスイッチ274、275、276、277とでスイッチトキャパシタCs1を構成し、コンデンサ281とコンデンサ281の両端に接続されたスイッチ282、283、284、285で他のスイッチトキャパシタCs2を構成する。スイッチ274、275(スイッチ282、283)はクロックφ1でオン/オフし、スイッチ276、277(スイッチ284、285)はクロックφ2でオン/オフする。入力端子271に入力されたLPF211からの角速度検出信号は、HPF213gで低域成分がカットされて出力端子279から出力され、演算回路213cに供給される。コンデンサ272、273、281は静電容量を形成する容量素子である。
クロックφ1、φ2はクロック選択部223から出力され、HPF213gのクロック入力に供給されるクロックCLKと同じ周波数を有し、互いに逆の位相を有する。HPF213gのカットオフ周波数はコンデンサ272の容量、コンデンサ273の容量及び、クロックCLKの周波数fによって決定される。HPF213gのカットオフ周波数はクロックCLKの周波数fに比例して変化する。これにより、スイッチトキャパシタを用いた実施の形態6における離散型フィルタを使っても、クロックの周波数を切り替えることによりカットオフ周波数を切り替えることができる。これにより、補正開始の時点tsからのフィルタ213gが収束するまでの時間を短縮できる。また、スイッチトキャパシタCs1、Cs2を用いた離散型フィルタを使った慣性力センサ228では、HPF213gを含め、ほとんどすべての回路をアナログ回路で構成できるので、回路面積及び消費電力を削減することができる。また、実施の形態6における慣性力センサ228は、図12に示す実施の形態3におけるLPF216をさらに備えてもよく、または図13に示す実施の形態4におけるスイッチ回路217をさらに備えてもよい。または図14に示す実施の形態5におけるLPF213eをスイッチトキャパシタとオペアンプで構成してもよい。
以上説明した通り、実施の形態2〜6における慣性力センサでは、補正量生成部をクロックで動作するデジタルフィルタやスイッチトキャパシタを用いた離散型フィルタ(アナログフィルタ)で構成し、補正量生成部に供給するクロックの周波数を通常動作期間P1に比べて補正期間P0でのみ高くすることにより、出力オフセットを低減するとともに、補正開始直後から安定して慣性力の検出が可能となる。
本発明における慣性力センサでは、周囲環境に急峻な変化が生じても出力オフセットを容易に低減することができ、携帯電話や、スマートフォンなどの情報通信端末の入力装置、デジタルスチルカメラなどの手振れ補正用、ナビゲーションシステム、車両制御システムなどに用いられる角速度センサや加速度センサなどにおいて有用である。
5 環境変化検出部
6 オフセット設定部
8 慣性力センサ
8A 検出部
9 検出素子
10 検出回路
11 ローパスフィルタ
12 補正部
21 環境値保持部
22 環境値差分演算部
23 環境値比較部
31 平均処理部
32 平均化信号保持部
33 差分演算部
34 補正量保持部
211 ローパスフィルタ(第1のフィルタ)
212 補正回路
213a,213d,213f 補正量生成部
213b,213g ハイパスフィルタ(第2のフィルタ)
213c 演算回路
213e ローパスフィルタ(第2のフィルタ)
214 補正量保持部
215 補正部
216 ローパスフィルタ
217 スイッチ回路
220 A/D変換器
222 クロック生成部
223 クロック選択部
273 容量素子
274,275,276,277 スイッチ
281 容量素子
282,283,284,285 スイッチ
CLK1 クロック(第1のクロック)
CLK2 クロック(第2のクロック)
6 オフセット設定部
8 慣性力センサ
8A 検出部
9 検出素子
10 検出回路
11 ローパスフィルタ
12 補正部
21 環境値保持部
22 環境値差分演算部
23 環境値比較部
31 平均処理部
32 平均化信号保持部
33 差分演算部
34 補正量保持部
211 ローパスフィルタ(第1のフィルタ)
212 補正回路
213a,213d,213f 補正量生成部
213b,213g ハイパスフィルタ(第2のフィルタ)
213c 演算回路
213e ローパスフィルタ(第2のフィルタ)
214 補正量保持部
215 補正部
216 ローパスフィルタ
217 スイッチ回路
220 A/D変換器
222 クロック生成部
223 クロック選択部
273 容量素子
274,275,276,277 スイッチ
281 容量素子
282,283,284,285 スイッチ
CLK1 クロック(第1のクロック)
CLK2 クロック(第2のクロック)
(実施の形態5)
図14は実施の形態5における慣性力センサ227のブロック図である。図14において、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図14に示す実施の形態5における慣性力センサ227は、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213dを備える。
図14は実施の形態5における慣性力センサ227のブロック図である。図14において、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図14に示す実施の形態5における慣性力センサ227は、図8に示す実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213dを備える。
(実施の形態6)
図15は実施の形態6における慣性力センサ228のブロック図である。図15において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図15に示す実施の形態6における慣性力センサ228は、実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213fを備え、A/D変換器220を備えていない。
図15は実施の形態6における慣性力センサ228のブロック図である。図15において、図8に示す実施の形態2おける慣性力センサ208と同じ部分には同じ参照符号を付す。図15に示す実施の形態6における慣性力センサ228は、実施の形態2における慣性力センサ208の補正量生成部213aの代りに補正量生成部213fを備え、A/D変換器220を備えていない。
Claims (14)
- 慣性力に応じた被補正信号を出力する検出部を準備するステップと、
前記被補正信号を補正して補正後信号を生成するステップと、
第1の時点において第1の環境値を得るステップと、
前記第1の時点より後の前記第2の時点において第2の環境値を得るステップと、
前記第1の環境値と前記第2の環境値との差分値を環境差分値として算出するステップと、
前記環境差分値の絶対値が所定の判定閾値よりも大きい場合に環境変化検出信号を出力するステップと、
前記第1の時点まで続く所定の期間において前記補正後信号を平均化して第1の平均化信号を出力するステップと、
前記第2の時点まで続く所定の期間において前記補正後信号を平均化して第2の平均化信号を出力するステップと、
前記第1の平均化信号と前記第2の平均化信号との差分値をオフセット差分値として算出するステップと、
前記環境変化検出信号が出力された場合に、前記オフセット差分値を保持するステップと、
を含み、
前記被補正信号を補正して前記補正後信号を生成するステップは、前記保持されたオフセット差分値を前記被補正信号と加算して前記補正後信号を生成するステップを含む、ゼロ点補正方法。 - 前記環境値は温度の値である、請求項1に記載のゼロ点補正方法。
- 前記所定の判定閾値は外部から変更可能である、請求項1に記載のゼロ点補正方法。
- 慣性力が与えられる検出素子と、
前記検出素子に与えられた前記慣性力に対応する非補正信号を出力する検出回路と、
前記検出部の出力する被補正信号を補正して補正後信号を生成する補正部と、
周囲環境の変化を検出する環境変化検出部と、
ゼロ点オフセットを設定するオフセット設定部と、
を備え、
前記環境変化検出部は、
第1の時点での第1の環境値を保持する環境値保持部と、
前記第1の時点より後の第2の時点での第2の環境値と前記環境値保持部に保持された前記第1の環境値との差分値を環境差分値として出力する環境差分演算部と、
前記環境差分値の絶対値が所定の判定閾値よりも大きい場合に環境変化検出信号を出力する環境値比較部と、
を有し、
前記オフセット設定部は、
前記第1の時点までの所定の期間で前記補正部から出力される前記補正後信号を平均化して第1の平均化信号を出力し、かつ前記第2の時点までの所定の期間で前記補正部から出力される前記補正後信号を平均化して第2の平均化信号を出力する平均処理部と、
前記第1の平均化信号を保持する平均化信号保持部と、
前記第2の平均化信号と前記平均化信号保持部に保持された前記第1の平均化信号との差分値をオフセット差分値として出力する差分演算部と、
前記環境変化検出信号が出力された場合に、前記オフセット差分値を保持する補正量保持部と、
を有し、
前記補正部は、前記ゼロ点オフセット差分値を前記被補正信号に加算することで前記補正語信号を生成する、慣性力センサ。 - 前記環境値は温度の値である、請求項4に記載の慣性力センサ。
- 前記所定の判定閾値は前記慣性力センサの外部から変更可能である、請求項4に記載の慣性力センサ。
- 検出素子と、
前記検出素子に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路と、
前記検出回路の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器の出力側に接続された第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力を補正する補正回路と、
第1のクロックと前記第1のクロックよりも周波数の高い第2のクロックとを生成するクロック生成部と、
前記第1のクロック及び前記第2のクロックのいずれかを選択して出力するクロック選択部と、
を備え、
前記補正回路は、
前記第1のフィルタの出力側に接続され、クロック入力を有する第2のフィルタを含む補正量生成部と、
前記補正量生成部の出力側に接続された補正量保持部と、
前記第1のフィルタの出力側及び前記補正量保持部の出力側に接続され、前記補正量保持部が保持する補正量に基づいて前記第1のフィルタの出力値を補正する補正部と、
を有し、
前記クロック選択部は前記クロック入力に接続され、補正開始の時点に前記第2のクロックを選択し、前記補正開始の時点から所定時間だけ経過した後に前記第1のクロックを選択する、慣性力センサ。 - 前記第2のフィルタはハイパスフィルタであり、
前記補正量生成部は、前記第1のフィルタの出力側及び前記第2のフィルタの出力側に接続されてかつ前記第1のフィルタの出力値と前記ハイパスフィルタの出力値との差分値を出力する演算回路をさらに含む、請求項7に記載の慣性力センサ。 - 前記第2のフィルタはローパスフィルタである、請求項7に記載の慣性力センサ。
- 検出素子と、
前記検出素子に与えられた慣性力に対応する慣性量を検出する検出回路と、
前記検出回路の出力側に接続された第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力を補正する補正回路と、
第1のクロックと前記第1のクロックよりも周波数の高い第2のクロックを生成するクロック生成部と、
前記第1のクロック及び前記第2のクロックのいずれかを選択して出力するクロック選択部と、
を備え、
前記補正回路は、
前記第1のフィルタの出力側に接続され、クロック入力を有する第2のフィルタを含む補正量生成部と、
前記補正量生成部の出力側に接続された補正量保持部と、
前記第1のフィルタの出力側及び前記補正量保持部の出力側に接続され、前記補正量保持部が保持する補正量に基づいて前記第1のフィルタの出力値を補正する補正部と、
を有し、
前記クロック選択部は前記クロック入力に接続され、補正開始の時点に前記第2のクロックを選択し、前記補正開始の時点から所定時間だけ経過した後に前記第1のクロックを選択する慣性力センサ。 - 前記第2のフィルタは、
前記第1のフィルタの出力側に接続された容量素子と、
前記容量素子に接続されるとともに、前記クロック選択部から出力されるクロックに基づいてオン/オフされるスイッチと、
を有する離散型フィルタである、請求項10に記載の慣性力センサ。 - 前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとの間に設けられたローパスフィルタをさらに備えた、請求項7又は請求項10に記載の慣性力センサ。
- 前記補正量生成部と前記補正部との間に設けられて、間欠的にオンするスイッチ回路をさらに備えた、請求項7又は請求項10に記載の慣性力センサ。
- 前記クロック選択部は間欠的に前記クロックの出力を停止する、請求項7又は請求項10に記載の慣性力センサ。
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