JPWO2012114372A1 - 電力需要管理システム及び電力需要管理方法 - Google Patents

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Abstract

余剰電力の過度の発生を抑えるためには、地図上の位置情報のみで、通知して制御する発電源を一概に決定する事は難しい。複数の施設から生じた過去の余剰電力に関する余剰電力情報を取得して、取得した余剰電力情報に基づいて余剰電力を予測し、予測された余剰電力に基づき、余剰電力が発生する地域情報を取得し、取得された地域に該当する地域もしくは近い位置にある地域の電力消費装置又は電力生成装置である電力装置を特定し、特定された電力装置もしくは電力装置のユーザに、余剰電力が発生する時間帯と余剰電力量以下の量を通知する。

Description

本発明は、電力需要管理システムおよび電力需要管理方法に関する。
今般、家庭やビル等の施設に設置される太陽光パネルなど再生可能エネルギーを利用する分散電源が急速に普及すると考えられる。各施設に導入された分散電源の発電する電力が施設の消費電力よりも多い場合は余剰電力が発生し、配電線に逆流する。
しかし、急速に太陽光パネルなどの普及がすすめば大量の分散電源からの配電線への逆流により、末端の電圧が上昇し、例えば日本では電力会社の供給基準電圧値の上限である107Vを超える事態が頻発する恐れがある。そのため、太陽光パネルなど自然エネルギーを利用した分散電源の発電量が多い時間帯には、付近の施設の電力需要を増加させて吸収させる、もしくは付近にあるディーゼルなどの自然エネルギー以外の計画発電可能な発電源の発電計画を変更するなどの方法を用いて、低圧配電線に逆潮流する余剰電力の過度の発生を抑える必要がある。 地域情報を用いて特定施設からの電力の発生を抑制する技術の一例として、特許文献1に記載の技術では、地震が発生した場合、地震が発生する位置情報を取得し、その位置に近い発電施設に通知して発電を停止させている。
特開2009-177950号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では地図上の位置情報によって、通知対象を選択しているが、地図上では、隣接していても、配電網が別である場合もある。そのため、ここで余剰電力の過度の発生を抑えるためには、地図上の位置情報のみで、通知して制御する発電源を一概に決定する事は難しい。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の構成を備える。即ち、複数の施設から生じた過去の余剰電力に関する余剰電力情報を取得して、取得した余剰電力情報に基づいて余剰電力を予測し、予測された余剰電力に基づき、余剰電力が発生する地域情報を取得し、取得された地域に該当する地域もしくは近い位置にある地域の電力消費装置又は電力生成装置である電力装置を特定し、特定された電力装置もしくは電力装置のユーザに、余剰電力が発生する時間帯と余剰電力量以下の量を通知する。
本発明によれば、太陽光パネルなど家庭用分散電源の発電による余剰電力を、余剰電力の発生源に近い地域内で吸収させることが可能になる。
第一の実施形態の電力需要管理装置およびシステムの概略図である。 第一の実施形態の実績データDBのデータ構成例である。 第一の実施形態の地域情報DBのデータ構成例である。 第一の実施形態の地域情報DBのデータ構成例である。 第一の実施形態の依頼実績DBのデータ構成例である。 第一の実施形態の依頼実績DBのデータ構成例である。 第一の実施形態の電力需要管理装置の機能構成図である。 第一の実施形態の電力需要管理装置のハードウェア構成図である。 第一の実施形態の電力需要管理装置の余剰電力予測時の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置の余剰電力予測時の概念図である。 第一の実施形態の電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部における、蓄電依頼ユーザ数算出時の概念図である。 第一の実施形態の統合地域全体に蓄電依頼を行う場合の、蓄電依頼量算出部703が行うフローチャートである。 第一の実施形態の統合地域全体に蓄電依頼を行う場合の、蓄電依頼量算出部703が行うフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置のインセンティブ計算部の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置の増加量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態の電力需要管理装置のインセンティブ割り当て部の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第一の実施形態における電力需要管理装置およびシステム全体の処理フローである。 第一の実施形態における電力需要管理装置およびシステム全体の処理フローである。 ユーザに各地域で余剰電力が発生することを報知し、蓄電依頼をする表示の一例である。 ユーザに各地域の時間帯ごとの蓄電依頼状況を報知することで、蓄電依頼をする表示の一例である。 実施例1の処理手順の概略である。 第二の実施形態の電力需要管理装置およびシステムの概略図である。 第二の実施形態の蓄電池DBのデータ構成例である。 第二の実施形態のインセンティブ計算時の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第二の実施形態の需要管理装置およびシステムの概略図である。 第三の実施形態の需要管理装置及びシステムの概略図である。 第三の実施形態の発電機DB19のデータ構成例である。 第三の実施形態の発電機DB19のデータ構成例である。 第三の実施形態の蓄電依頼量算出時の処理フローを説明するためのフローチャートである。 第三の実施形態の需要管理装置およびシステムの概略図である。 図33は、地域の同士の隣接関係を示したデータベースである。
(実施例1)
以下、第一の実施形態を詳細に説明する。
図1は、第一の実施形態の電力需要管理装置およびシステムの概略図である。
蓄電池1は、例えば一般家庭が所有し家の中や外に設置あるいは接続可能なEVバッテリなどである。蓄電池から電力を家電等へも供給することも可能である。
分散電源2は、住宅の屋根などに設置する太陽光パネルなど、自然エネルギーを利用するものである。例えば、一般家庭が所有し、各家庭における発電量と消費量のバランスによっては配電線への逆潮流が発生することが想定される。メータ3は、各家庭への供給電力及び配電線へ逆流する余剰電力を単位時間ごとに計測する。
計測データ送信器4は、メータ3の計測値を計測データ中継器5へ送信する。 計測データ中継器5は、地域ごとに計測データ送信器4のデータを収集する。計測データアクセスネットワーク6は、複数の計測データ中継器5に接続しデータを通信する。
計測データ集計サーバ7は、計測データアクセスネットワーク6に接続し、計測データ送信器4の情報を収集する。
実績データDB8は、計測データ集計サーバ7より送信された、時間帯毎の各家庭の供給電力と余剰電力に関する詳細なデータを蓄積する。
例えば、各家庭へ供給された電力のうち蓄電依頼を行ったことによる増加量に関するデータを蓄積し、地域ごとに分類して保有する。 地域情報DB9は、インターネットを通じた送信やオペレータの入力などによって、各地域の天候や気温など地域の環境要因に関するデータと、一般家庭の電力契約者のメールアドレスなどの連絡先などの情報を蓄積する。
依頼実績DB10は、後述する電力需要管理装置11より送信された、蓄電依頼を行った時間帯の各家庭への蓄電依頼による供給電力の増加量に関するデータを蓄積する。
電力需要管理装置11は、実績データDB8、地域情報DB9、依頼実績DB10とネットワークなどに接続し、インターネットなどを通じて各家庭の電力ユーザのパソコン、携帯電話もしくは専用端末13に蓄電依頼をする。
また、前日までの供給電力量および余剰電力量から、当日の余剰電力の発生する時間帯と余剰電力量を予測して蓄電依頼量を算出する。インセンティブを設定し、需要家ごとに支払う額を決定する。インセンティブは現金以外にも、ポイントやあらかじめ設定したリース料金の値引きなどで支払われる場合もある。後に述べるインセンティブ総額を値下げ分の補てんに充てることで、余剰電力が発生すると予測された時間帯に、低圧配電線上の施設に対して電気料金の値下げを行い(電気料金の割引)、供給増加を測る方法も考えられる。
インターネット12は、ユーザ端末へ情報を伝達するための送信網である。専用端末13は、後述する電力需要管理装置より蓄電依頼情報を受け取る。例えば一般家庭や公共機関などに設置されたパソコンや携帯電話が蓄電依頼情報を受け取る。蓄電依頼情報とは、蓄電依頼量と蓄電時間帯である。
地域15は、おおむね配電線でつながった隣接する需要家群である。地域15は例えば1フィーダ単位を元に設定されるが、フィーダをまたがる場合もある。
ただし、系統からの供給電力が不安定な地域や複数の系統を利用する地域においては、発電源や蓄電池からの距離や余剰電力吸収にかかるコストを基準として地域を設定する場合もある。
地域16は、複数の隣接する地域15を結合して一つの地域とみなしたものである。
この地域16の範囲は電力需要管理装置11が管理する範囲である。
図33は、地域同士の隣接関係を示したデータベースである。これは、地域情報DB9に格納される。
3301で示すのが中くらいの地域(統合地域)であり、3302で示すのが地域(最小単位)である。なお、これらのグループ分けは、一例であり、各地域間の配電網上の距離を数値化した表で代用してもよい。ここで、配電網上の距離とは、二点間の電気の配電線の接続経路の距離の長さである。
次にシステムの構成要素について説明する。
まず、電力需要管理装置11に供給電力及び余剰電力の予測や蓄電依頼に必要なデータを提供する実績データDB8、地域情報DB9、依頼実績DB10について、図2、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。
図2は、第一の実施形態の実績データDB8のデータ構成例である。実績データDB8に記憶されている計測データ送信器4から取得したデータの構成例を示すものである。
実績データ201は、各需要家の余剰電力量および供給電力量の実績に関するデータであり、エントリ202からエントリ209までを有する。
エントリ202は、各家庭における固有番号の登録情報である。
エントリ203は、当該年月日の登録情報である。
エントリ204は、曜日の登録情報である。
エントリ205は、当該日がゴールデンウィークや年末年始など特殊日である場合におけるイベントの登録情報である。
エントリ206は、時間帯の登録情報である。
エントリ207は、時間帯あたりの供給電力量の登録情報である。
エントリ208は、時間帯あたりの余剰電力量である。エントリ209は、依頼を行ったことによる電力供給における増加量の登録情報である。
図3および図4は、第一の実施形態の地域情報DB9に格納される情報である。
以下、図3の説明である。地域情報データ301は、特に地域の環境情報に関する。
エントリ302は、各地域の固有番号の登録情報である。固有番号のうち、1は複数の地域を統合して一つの地域としてみなす場合に、どの地域に所属するかを示し、aは同じ所属の地域を識別する番号である。
エントリ303は、年月日の登録情報である。
エントリ304は、時間帯の登録情報である。
エントリ305は、天候の登録情報である。
エントリ306は、日照量の登録情報である。
エントリ307は、気温の登録情報である。
ここで登録は、オペレータ等によって入力しても良いものとする。
以下、図4の説明である。
地域ユーザデータ401は、各地域内のユーザ情報である。
エントリ402は、各地域の固有番号の登録情報である。
エントリ403は、ユーザ数の登録情報である。ここでユーザとは施設のことである。施設とは、家屋やビル、工場などである。
エントリ404は、ユーザIDの登録情報である。
エントリ405は、ユーザ連絡先の登録情報である。連絡先とは、例えば電話番号、メールアドレス、住所である。
図5および図6は、第一の実施形態の依頼実績DB10のデータ構成例である。
以下、図5の説明である。
依頼実績データ501は、各地域における依頼実績に関するデータである。地域とは、おおむね配電線でつながった隣接する需要家群であり、地域を複数統合する場合において最小単位として扱われる需要家群である。
エントリ502は、地域のIDの登録情報である。
エントリ503は、年月日の登録情報である。エントリ504は、曜日の登録情報である。
エントリ505は、当日が特殊日であればイベントであることの登録情報である。
エントリ506は、蓄電依頼時間帯の登録情報である。
エントリ507は、インセンティブ総額の登録情報である。
エントリ508は、蓄電依頼量の登録情報である。
以下、図6の説明である。
個別ユーザ実績データ601は、複数のユーザに対する依頼実績に関するデータである。
エントリ602は、各地域におけるユーザIDの登録情報である。
エントリ603は、年月日の登録情報である。
エントリ604は、曜日の登録情報である。
エントリ605は、当日が特殊日やイベントであれば特殊日やイベントであることの登録情報である。
エントリ606は、蓄電依頼時間帯の登録情報である。
エントリ607は、蓄電依頼量の登録情報である。
エントリ608は、実際の供給量の登録情報である。
エントリ609は、各ユーザの貢献割合の登録情報である。
エントリ610は、各ユーザに配布するインセンティブの登録情報である。
図7は、第一の実施形態の電力需要管理装置11の構成図である。 電力需要管理装置701は、電力の需要を管理する装置である。 余剰電力予測部702は、前日までの各地域の時間帯ごとの余剰電力から当日の余剰電力を予測する(図9及び10で詳細を説明する)。 蓄電依頼量算出部703は、予測余剰電力から当日の蓄電依頼量を算出する(図11、21で詳細を説明する)。
蓄電依頼部704は、地域情報DB9より各地域のユーザ連絡先を取得し、当日の各地域の蓄電依頼時間帯と、その時間帯に発生する蓄電依頼量とを含む情報を蓄電依頼メッセージとし、施設毎に送信する。例えば、メール等で蓄電依頼メッセージを通知する(図12で詳細を後述する)。ただし、依頼方法は個別通知に関わらず、インターネットやマスメディアを用いて公開するなどの方法を取っても良い。
インセンティブ計算部705は、当日の各地域の蓄電依頼時間帯ごとに、蓄電協力に対して支払うインセンティブ総額を決定する。
増加量算出部706は、当日の蓄電依頼時間帯が終了した後に、蓄電依頼を行ったことによる、施設の供給電力と余剰電力の変化量を算出する(図13で詳細を後述する)。
インセンティブ割り当て部707と、送受信部708は、各部の要求に応じてインターネットやDBよりデータを取得し各部にデータを送信し、各部からインターネットやDBへも送信する。
入力部709は、オペレータの入力などによって各データを取得し、送受信部708へ送信する。
ここで、ユーザとは施設の所有者であり需要家である。施設とは、家屋やビルや工場である。地域とは、おおむね配電線でつながった、隣接する需要家群であり、地域を複数統合する場合において最小単位として扱われる需要家群である。
図8は、電力需要管理装置801のハードウェア構成である。
801はCPUである。
802は、メモリである。
803は、例えばハードディスクなどの外部記憶装置である。
804は、記憶媒体からデータを読み取る読取装置である。
805は、キーボードやマウスなどの入力装置である。
806は、実績データDB8、地域情報DB9、依頼実績DB10などに接続するネットワークおよびインターネットに接続する通信装置である。
807は、これらの各装置を接続するバスである。
また、このプログラムは読取装置804を介して記憶媒体からあるいは通信装置806を介して実績データDB8、地域情報DB9、依頼実績DB10などに接続するためのネットワークまたはインターネットから外部記憶装置803にダウンロードされ、CPU801により実行されるようにしても良い。
余剰電力予測部702、蓄電依頼量算出部703、蓄電依頼部704、インセンティブ計算部705、増加量算出部706、及びインセンティブ割り当て部707は、メモリ802に引き出されたプログラムをCPU801が実行することで実現される。送受信部708は通信装置806を用いて実現される。入力部709は、入力装置805を用いて実現される。
CPU801がメモリ802上にロードされたプログラムを実行することで実現できる。従って、本実施形態におけるフローチャートによる処理は、CPUが司っているものである。
図9は、第一の実施形態の電力需要管理装置の余剰電力予測時の処理フローを説明するためのフローチャートである。余剰電力予測部702が行うフローチャートである。
余剰電力予測部702は、実績データDB8より前日までの各地域の時間帯ごとの余剰電力を取得する(ステップ901)。実績データDB8より前日までの各地域の時間帯毎の曜日・特殊日などの条件を取得する(ステップ902)。地域情報DB9より前日までの各地域の時間帯毎の天候、日照、又は気温についての条件を取得する(ステップ903)。依頼実績DB10より各地域の時間帯ごとの依頼あり又はなしの条件を取得する(ステップ904)。余剰電力について曜日又は特殊日などの条件による増減傾向を算出する(ステップ905)。余剰電力について天候、日照又は気温による増減傾向を算出する(ステップ906)。余剰電力について依頼による増減傾向を算出する(ステップ907)。重回帰分析などの予測手法を用いて当日の各地域の時間帯ごとの(依頼をしなかった場合の)余剰電力量を予測する(ステップ908)。当日の各地域の時間帯ごとの余剰電力を蓄電依頼量算出部803に送信する(ステップ909)。
予測手法の一例として、重回帰分析を用いて電力需要予測をする場合の算出方法を示す。
地域ごとに、曜日、特殊日か否か、天候、日照、気温などの条件を変数として、各変数による余剰電力増減への影響力を算出し、地域ごとに余剰電力の予測に適切な回帰式を求め、この回帰式にしたがって余剰電力を予測する。
具体的には、過去のデータより曜日による余剰電力の増減への影響力を算出し、過去のデータより特殊日か否かによる余剰電力の増減への影響力を算出し、過去のデータより天候(晴れ、曇り、雨など)による余剰電力の増減への影響を算出し、過去のデータより日照による余剰電力の増減への影響力を算出し、過去のデータより気温による余剰電力の増減への影響力を算出し、地域ごとに各変数の影響力を求め、予測に最適な回帰式を作成し、この回帰式にもとづいて各地域の余剰電力を予測する。
ここで回帰式は、S=b+b+b+b+b+bであ
る。Sは予想される余剰電力を表す。
は曜日を表す(平日の場合は0、土日の場合は1のカテゴリ変数に置き換える)。
は特殊日を表す(特殊日でない場合は0、たとえば年末年始なら1、GWなら2のようにカテゴリ変数に置き換える)。
は天候を表す(晴れの場合は0、曇りは1、雨は2のようにカテゴリ変数に置き換える)。
は日照量を表す。
は気温を表す。bは切片、bからbは余剰剰電力への各変数の影響を表す係数である。
図10は、第一の実施形態の電力需要管理装置の余剰電力予測時の概念図である。
余剰電力予測部702が行う処理である。
過去の余剰電力を取得する(ステップ1001)。
各地域の余剰電力が発生する曜日又は特殊日などによる増減傾向を算出する(ステップ1002)。
各地域の余剰電力の天候、日照又は気温による増減傾向を算出する(ステップ1003)。
各地域の蓄電依頼による余剰電力の増減傾向を算出する(ステップ1004)。それらの情報から当日の余剰電力を予測する(ステップ1005)。
図11は、第一の実施形態の電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。蓄電依頼量算出部803が行うフローチャートである。
蓄電依頼量算出部803は、余剰電力予測部802より、各地域の時間帯ごとの余剰電力量を取得し(ステップ1101)、各地域の時間帯ごとの余剰電力量を蓄電依頼量とする(ステップ1102)。
余剰電力の発生する時間帯について、実績データDB8から、前日までの各地域の時間帯ごとの供給電力量と、曜日または年末年始・特殊日などの条件を取得する(ステップ1103)。
地域情報DB8より各地域の時間帯ごとの天候、日照または気温の条件を取得する(ステップ1104)。
依頼実績DB10より、各地域の時間帯ごとの依頼ありまたはなしの条件を取得する(ステップ1105)。
各地域の時間帯ごとの供給電力について、曜日または特殊日、天候・日照または気温、蓄電依頼のあり・なしによる増減傾向を算出する(ステップ1106)。
依頼実績DBより、各地域のユーザごとに依頼があった時間帯の供給電力増加量を取得する(ステップ1107)。
地域情報DB9より、ユーザ数を取得し(ステップ1108)、各地域の、依頼による1ユーザあたりの平均増加量を取得する(ステップ1109)。
各地域の当日の蓄電依頼量と、1ユーザ当たりの平均供給増加量から、各地域の時間帯ごとの依頼ユーザ数を算出する(ステップ1110)。
各地域の蓄電依頼時間帯と蓄電依頼量、依頼ユーザ数を依頼実績DB10へ送信する(ステップ1111)。
図12は、電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部における、依頼ユーザ数算出時の概念図である。蓄電依頼量算出部803が行う処理である。蓄電依頼量算出部803は、余剰電力算出部802が算出した当日の各地域の時間帯ごとの予測余剰電力量を取得する(ステップ1201)。
過去の各地域の依頼時間帯の各ユーザの供給増加量から、地域ごとの1ユーザあたりの平均供給増加量を算出する(ステップ1202)。
各地域の時間帯ごとの余剰電力量を1ユーザ当たりの平均供給増加量で割ることで、当日の各時間帯の余剰電力量を相殺する供給電力増加量を得るために必要な各時間帯の依頼ユーザ数を算出する(1203)。
なお、各地域の当日の余剰電力量すべてを蓄電依頼量としてもよいし、当日の余剰電力量より少ない量を蓄電依頼量としてもよい。例えば、基準電圧である101Vプラスマイナス6Vの範囲に抑えられるように蓄電依頼量を算出しても良い。
なお、あらかじめ、たとえば隣接する需要家群のうち1フィーダを最小単位として、隣接する複数の地域を連結した統合地域を設定しておき、当該地域(最小単位)の内部で余剰電力を吸収しきれないと予測される場合には、隣接する地域(最小単位)に当該地域内では吸収しきれない余剰電力を吸収させることを目的として、統合地域全体に通知する事も考えられる。
図13および14は、統合地域全体に蓄電依頼を行う場合の、蓄電依頼量算出部703が行うフローチャートである。
蓄電依頼量算出部703は、余剰電力予測部702より、各地域の時間帯ごとの余剰電力量を取得し(ステップ1301)、各地域の時間帯ごとの余剰電力量を蓄電依頼量とする(ステップ1302)。
余剰電力の発生する時間帯について、実績データDB8から、前日までの各地域の時間帯ごとの供給電力量と、曜日または年末年始・ゴールデンウィークなどの特殊日等の条件を取得する(ステップ1303)。
地域情報DBより各地域の時間帯ごとの天候、日照または気温の条件を取得する(ステップ1304)。
依頼実績DB10より、各地域の時間帯ごとの依頼ありまたはなしの条件を取得する(ステップ1305)。
各地域の時間帯ごとの供給電力量について、曜日または特殊日、天候・日照または気温、蓄電依頼のあり・なしによる増減傾向を算出する(ステップ1306)。
依頼実績DBより、各地域のユーザごとに依頼があった時間帯の供給電力増加量を取得する(ステップ1307)。
地域情報DB9より各地域(最小単位)のユーザ数を取得し(ステップ1308)、各地域(最小単位)の依頼による1ユーザ当たりの平均増加量を取得する(ステップ1309)。
各地域の当日の蓄電依頼量と、1ユーザ当たりの平均供給増加量から、各地域の時間帯ごとの依頼ユーザ数を算出する(ステップ1310)。
同じ統合地域に所属する全ての地域について蓄電依頼時間帯と蓄電依頼量、依頼ユーザ数を算出したのち、各地域(最小単位)のユーザ数より時間帯ごとの依頼ユーザ数を引き、各地域(最小単位)の不足ユーザ数を算出する(ステップ1311)。
同じ統合地域に所属する地域(最小単位)の中に、不足ユーザ数の値が正になる地域(最小単位)がない場合は(ステップ1401)、
各地域(最小単位)内で余剰電力を処理できる時間帯とみなし(ステップ1402)、各地域内の余剰電力量を蓄電依頼量とする(ステップ1403)。
同じ統合地域内に所属する地域のうち、一つ以上の地域において不足ユーザ数の値が正になる時間帯は、各地域(最小単位)内で余剰電力を処理しきれない時間帯であるとみなし(ステップ1404)、隣接する地域の余剰電力量を統合する(ステップ1405)。
ここで、隣接とは、図33の3301の地域をGr内の隣接として抽出する。統合した余剰電力量を、統合されたすべての地域に対する蓄電依頼量とする(ステップ1406)。
各地域(最小単位)の蓄電依頼時間帯と蓄電依頼量、依頼ユーザ数を依頼実績DB10へ送信する(ステップ1407)。
ここで、1407のステップは具体的には、図11の1107から1111の処理を実行する。
あらかじめ、各地域(最小単位)について、隣接する地域を統合した範囲の広い地域(統合地域)を設定しておき、各地域(最小単位)のみに通知して電力需要を増加させても余剰電力を吸収しきれない場合は、通知する地域をGr内の他の地域(最小単位)にも広げて通知して需要を増加させることにより、常に余剰電力の発生地点の付近の蓄電依頼を可能にする。
ここで、余剰電力が発生した地域と近い場所にある電力装置を特定し、特定されたまたは電力装置のユーザに通知して消費または蓄電の依頼をすることで、より狭い範囲で余剰電力を吸収できるため効率的である。
それを実現するためには、Gr単位で管理する位置情報に基づき、電力装置を決定する。近い電力装置が計画変更困難なときは、さらに近い電力装置を決定する。
尚、本実施例で「発電量―消費電力量」がプラスである場合、余剰電力量としたが、マイナスのときは不足電力量として余剰電力量を相殺する要因として管理しても良い。このように、電力が不足する地域も考慮することで、余剰電力発生時に電力の平準化が可能とされる。
図15は、第一の実施形態の電力需要管理装置の蓄電依頼量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。これは、潮流解析シミュレーションを行う場合における蓄電依頼量算出部703の処理手順を示すフローチャートである。
蓄電依頼量算出部703は、余剰電力算出部702より各地域の時間帯ごとの予測余剰電力を取得する(ステップ1501)。
当日の各地域の予測供給電力を算出する(ステップ1502)。
潮流解析シミュレーションによって当日の各地域の時間帯ごとの高圧・低圧配電線の電圧分布を推定する(ステップ1503)。
当日の各地域において需要端の電圧が107Vを上回り接続する分散電源が停止する時間帯を推定する(ステップ1504)。
分散電源が停止する時間帯において任意の一つもしくは複数の地域の需要を増加(増加分を蓄電依頼量とする)して再び潮流解析を行う(ステップ1505)。
潮流解析の結果配電線の需要端すべてで107V以下になるか判断する(ステップ1506)。
上記で求めた各地域について1ユーザあたりの依頼による平均供給増加量を算出する(ステップ1507)。
各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量と1ユーザあたりの平均供給増加量から依頼ユーザ数を算出する(ステップ1508)。
当日の各地域の蓄電依頼時間帯と蓄電依頼量、依頼ユーザ数を蓄電依頼部704に送信する(ステップ1509)。
当日の各地域の蓄電依頼時間帯と蓄電依頼量を依頼実績DB10へ送信する(ステップ1510)。
電圧が基準値を上回ると予測された地域があった場合でも、潮流解析シミュレーションによって、その地域とその他の地域に蓄電依頼を出すことによって、電圧を基準値以内に抑えることが出来るため、複数の地域を包括して配電線の電圧制御をおこなうことが可能になる。
ただし、供給電圧の上限値は国や地域によって値を変えることも考えられ、必ずしも107Vに限定するものではない。
潮流解析シミュレーションの方法について、一例を示す。
潮流解析シミュレーションを行う場合、蓄電依頼量算出部は送電網・配電網のネットワーク構造に関するデータを作成し、これに電力会社より取得した当日の配電計画に基づいて当日の電圧分布を設定、それぞれの時間帯において予測される各施設からの供給電力・余剰電力の値を電圧分布に加算することで、供給電圧の上限値である107Vを超える地域を特定する。
なお、供給電圧の上限値は国や地域によって変えることも考えられる。
107Vを超える地域がある場合は、当該地域もしくは隣接する、一つもしくは複数の地域の需要を増加させて、再び全体の電圧分布を算出し、需要端のすべてで既定電圧以下になるかを判断する。
この作業をすべての需要端が規定電圧以下になるまで繰り返し、需要を増やすべき地域と増やす量を特定する。
107Vを超える地域がない場合は、当該地域もしくは隣接する、一つもしくは複数の地域の需要の増加は必要ない。
このようにしてもとめた需要を増やすべき地域と増やす量から、各地域依頼ユーザ数を算出する。
このことにより配電線の電圧が基準値を上回ることが予想された場合は、蓄電依頼をユーザに出し、協力して貰うため、配電線の基準値を上回ることなく電力の運用が出来る。
また太陽光発電をとめることがないため、電力太陽光パネルの発電性能を十分に発揮することが出来る。
続いて、ユーザに蓄電依頼に応じるモチベーションを高めるためのインセンティブの計算方法について以下に説明する。
本実施例では、例えばインセンティブの原資として、余剰電力の発生によって電力会社が負担しなければならないコストを用いる。
まず、インセンティブの原資の一つであるみなし買取り料金について説明する。
家庭用太陽光パネルの発電する電力は、家庭の消費量よりも多ければ配電線へ逆流し、電力会社によって買取りが行われることが約束されている。
しかし、太陽光パネルの接続する配電線の電圧上昇によってPCSが作動し、発電が停止した場合、その時間帯は発電できず、需要家は買取り料金を受け取ることができない。
こうした場合、買取り料金を当てにして太陽光パネルを設置した需要家から、電力会社は本来ならば発電できた電力に対する買取り料金を要求される恐れがあると考えられる。
こうした要求を、本実施例では仮に「みなし買取り」と呼び、このコストをインセンティブの原資の一例としている。
また、インセンティブの原資の一つである発電コストについて説明する。
電気自動車が普及した場合、EVバッテリの蓄電は夕方もしくは夜間に行われるケースが多いと考えられている。
たとえばオール電化マンションなど、夕方や夜間に大量に電力を消費する地域であれば、夕方や夜間の一定時間のみ急激に需要が跳ね上がり、予備電源を起動しなければならない状況も考えられる。
こうした予備電源の起動によるコストを、本実施例では仮に「発電コスト」と呼び、このコストをインセンティブの原資の一例としている。
図16は、第一の実施形態の電力需要管理装置のインセンティブ計算部の処理フローを説明するためのフローチャートである。電力需要管理装置11のインセンティブ計算部705が行う処理である。
みなし買取り料金を原資とする場合、オペレータの入力などにより、当日の1kWあたりのみなし買取り単価を取得する(ステップ1601)。
蓄電依頼量算出部704より当日の各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量を取得する(ステップ1602)。
1kWあたりのみなし買取り単価に蓄電依頼量を掛け合わせ、蓄電依頼をしなかった場合にかかるみなし買い取りコストを算出することで、当日の各地域の時間帯ごとの買取りコストを算出する(ステップ1603)。
発電コストを原資とする場合、蓄電依頼量算出部804より当日の各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量を取得する(ステップ1604)。
インターネットやオペレータの入力などにより当日の各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量にあたる電力を発電した場合の発電コストを取得する(ステップ1605)。
これらの方法などによって算出した各コストの総和により当日の各地域の時間帯ごとのコスト総額を算出する(ステップ1606)。
当日の各地域の時間帯ごとのコスト総額をインセンティブ総額として蓄電依頼部704に送信する(ステップ1607)。
インセンティブ総額を依頼実績DB10に送信する(ステップ1608)。
なお、余剰電力処理コスト=インセンティブとしてもよいし、余剰電力処理コストよりも少ない額をインセンティブ総額としてもよい。
図17は、第一の実施形態の電力需要管理装置の増加量算出部の処理フローを説明するためのフローチャートである。増加量算出部706が行う処理である。
増加量算出部706は、当日の最後の蓄電依頼時間帯が終了した後に、依頼実績DB10より当日の各地域の蓄電依頼時間帯を取得する(ステップ1701)。
蓄電依頼量算出部704より当日の蓄電依頼時間帯の各ユーザの予測供給電力を取得する(ステップ1702)。
実績データDB8より当日の各地域の各ユーザへの供給電力を取得する(ステップ1703)。
蓄電依頼時間帯ごとに供給電力より予測供給電力を引き依頼による増加量を算出する(ステップ1704)。
当日の各ユーザの時間帯ごとの依頼による増加量を実績データDB8へ送信する(ステップ1705)。
ただし、これ以外にも曜日や特殊日などの属性や時間帯ごとに依頼受諾率を算出する方法や、ユーザごとに依頼受諾率を算出するなどの方法も考えられる。
ここで増加量とは、実際の供給電力が増加した量である。この計算により、各ユーザが時間帯ごとに、通知によって増加した供給電力量がわかる。
図18は、第一の実施形態の電力需要管理装置のインセンティブ割り当て部の処理フローを説明するためのフローチャートである。
例えばインセンティブは、実際の蓄電量に基づいて割り当てられる。蓄電依頼に対応しない場合は、インセンティブは割り当てられない。
以下は、電力需要管理装置701のインセンティブ割り当て部707が行う処理である。
インセンティブ割り当て部707は、依頼実績DB10より当日の各地域の蓄電依頼時間帯を取得する(ステップ1801)。
依頼実績DB10より蓄電依頼時間帯ごとのインセンティブ総額を取得する(ステップ1802)。
依頼実績DB10より蓄電依頼時間帯ごとの実際の供給量を取得する(ステップ1803)。
当日の各地域の蓄電依頼時間帯の一地域における実際の供給量のうち各ユーザへ供給された電力の割合を算出する(ステップ1804)。
各ユーザへ供給された電力の割合を依頼実績DB10へ送信する(ステップ1805)。
各ユーザに供給された電力の割合に応じて当日の蓄電依頼時間帯ごとのインセンティブ金額を割り当てる(ステップ1806)。
各ユーザに割り当てられたインセンティブ金額を依頼実績DB10へ送信する(ステップ1807)。
次に、電力需要管理装置全体の処理手順を説明する。
図19、図20は第一の実施形態における電力需要管理装置およびシステム全体の処理フローを説明するためのフローチャートである。
以下、図19の説明である。
電力需要管理装置11は、実績データDB8より前日までの各地域(最小単位)の時間帯ごとの余剰電力と余剰電力の増減に影響を与えると考えられる条件(曜日、天候、依頼の有無など)を取得する(ステップ1901)。
重回帰分析などの予測手法を用いて当日の各地域(最小単位)の時間帯ごとの余剰電力を予測する(ステップ1902)。
実績データDB8より前日までの各地域(最小単位)の時間帯ごとの供給電力と供給電力の増減に影響を与えると考えられる条件(曜日、天候、依頼の有無など)を取得する(ステップ1903)。
重回帰分析などの予測手法を用いて当日の各地域(最小単位)の時間帯ごとの(依頼をしなかった場合の)供給電力を予測する(ステップ1904)。
実績データDB8より各地域(最小単位)のユーザの依頼があった時間帯の供給電力増加量を取得する(ステップ1905)。
各地域(最小単位)の1ユーザあたりの平均供給電力量を算出する(ステップ1906)。
各地域(最小単位)の当日の時間帯ごとの余剰電力量を各地域の当日の時間帯ごとの蓄電依頼量とする(ステップ1907)。
各地域(最小単位)の当日の蓄電依頼量と1ユーザあたりの平均供給電力増加量から各地域(最小単位)の当日の時間帯ごとの依頼ユーザ数を算出する(ステップ1908)。
以下、図20の説明である。
地域情報DB9より各地域(最小単位)のユーザ数を取得し、地域のユーザ数より各時間帯の依頼ユーザ数を引き、地域(最小単位)ごとに各時間帯の不足ユーザ数を算出する(ステップ2001)
地域情報DBよりGrの情報を取得し、当該時間帯において、同じ統合地域に所属する地域(最小単位)の中に不足ユーザ数の値が正になる地域がある場合は(ステップ2002)、
同じGr内の隣接する地域(最小単位)の蓄電依頼量を統合して統合地域全体の蓄電依頼量とする(ステップ2003)。
余剰電力のある時間帯を蓄電依頼時間帯、各時間帯の余剰電力の処理にかかるコストをインセンティブ総額として蓄電依頼をする(ステップ2004)。
当日の蓄電依頼時間帯終了後、蓄電依頼時間帯の各ユーザの供給電力を取得する(ステップ2005)。
蓄電依頼時間帯における各ユーザの供給電力に応じたインセンティブを割り当る(ステップ2006)。
当日の蓄電依頼時間帯終了後に、予測供給電力と実際の供給電力を照らし合わせ蓄電依頼による供給電力増加量を算出する(ステップ2007)。
各地域の予測供給電力、実際の供給電力、供給電力増加量、インセンティブを依頼実績DB10に送信する(ステップ2008)。
次に蓄電依頼メッセージの表示方法について説明する。
図21および図22は、ユーザに蓄電依頼状況を報知するメッセージ表示画面の一例を示す図である。
ユーザが自分の地域内の蓄電依頼状況及び蓄電依頼量を確認するためのユーザ側のパソコンもしくは携帯電話などの画面上の表示例を示している。
図21はユーザに各地域で余剰電力が発生することを報知し、蓄電依頼をする表示の一例である。
2101は、余剰電力が発生する時間帯を示す表示である。2102は、余剰電力総量をあらわす表示である。
図22は、ユーザに各地域の時間帯ごとの蓄電依頼状況を報知することで、蓄電依頼をする表示の一例である。
2201は、時間帯を示す表示である。2202は、予測される余剰電力量を示す表示である。
以上のようにインセンティブを割り当てることによって、実際の蓄電に応じてインセンティブをユーザに付与することが出来る。
実際の蓄電が多いほど、与えられるインセンティブも多くなるため、ユーザの蓄電依頼に対する対応のモチベーションを高めることに資する。
図23は、実施例1の処理手順の概略である。
各地域(最小単位)からの時間単位の予測余剰電力量を算出し(ステップ2301)、各地域(最小単位)への時間単位の予測供給電力量を算出し(ステップ2302)、地域(最小単位)ごとの蓄電・消費依頼量を算出する(ステップ2303)。
地域(最小単位)ごとの通知による供給増加量や余剰電力処理にかかるコストから、余剰電力を通知する最適地域(範囲)を決定する(ステップ2304)。
余剰電力が発生したために電力会社が負担するコストや行政の補助等から、インセンティブ総額を決定する(ステップ2305)。
地域の需要家に蓄電・消費依頼をする(ステップ2306)。
各需要家にインセンティブを分配する(ステップ2307)。
(実施例2)
次に、第2実施形態である、蓄電池消耗コストをインセンティブ原資とする場合について説明する。
図24は、第二の実施形態の電力需要管理装置およびシステムの概略図である。
実施例1の図1に蓄電地14、蓄電地アクセスネットワーク15、蓄電地DB16が加わったものであり、他は、実施例1と同様である。配電側蓄電池14は、蓄電池消耗のコストを原資である蓄電池である。
蓄電地アクセスネットワーク15は、蓄電池14と蓄電池DB16に接続されている。蓄電池DB16は、蓄電池に関する情報のデータベースである。
この蓄電池は地域16内に複数あっても良い。
図25は、第二の実施形態の蓄電池DBのデータ構成例である。
以下、図25の説明である。
蓄電池データ2501は、蓄電池に関するエントリ2502からエントリ2507までのデータである。
エントリ2502は、各地域に配置された蓄電池のIDの登録情報である。エントリ2503は、年月日の登録情報である。
エントリ2204は、時間帯の登録情報である。
エントリ2505は、時間内に充電をした場合の登録情報である。
エントリ2506は、時間内に放電した場合の登録情報である。
エントリ2507は、各蓄電池の消耗によるコストの登録情報である。
図26は、第二の実施形態のインセンティブ計算時の処理フローを説明するためのフローチャートである。
蓄電池消耗のコストを原資とする場合の、インセンティブ計算部705の処理である。
以下、図26の説明である。
インセンティブ計算部705は、蓄電依頼量算出部704より、当日の各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量を取得する(ステップ2601)。
蓄電池DB16より当日の時間帯ごとの充電により蓄電池の消耗によるコストを取得する(ステップ2602)。
他のコストも同時にインセンティブ原資として用いる場合は、コストの総和により当日の各地域の時間帯ごとのコスト総額を算出する(ステップ2603)。当日の各地域の時間帯ごとのコスト総額をインセンティブ総額として蓄電依頼部706に送信する(ステップ2604)。
インセンティブ総額を依頼実績DB10に送信する(ステップ2605)。
図27は第二の実施形態の需要管理装置およびシステムの概略図である。
配電側に電力会社所有の蓄電池が設置され、蓄電池消耗の情報を用いる場合の分散蓄電方需要管理システム及び方法の概略である。
各地域(最小単位)の配電側蓄電池のコストを算出するステップ2701以外は図23と同じである。
各地域(最小単位)からの時間単位の予測余剰電力量を算出し(ステップ2301)、各地域(最小単位)への時間単位の予測供給電力量を算出し(ステップ2302)、各地域(最小単位)の配電側蓄電池の蓄電によるコストを算出し(ステップ2701)、地域(最小単位)ごとの蓄電・消費依頼量を算出する(ステップ2303)。
地域ごとの依頼による供給電力増加量や、余剰電力処理にかかるコストから、余剰電力を通知する地域を特定する(ステップ2304)。
ここで、余剰電力が発生した地域と近い場所にある蓄電池に蓄電すると、より狭い範囲で余剰電力を吸収できるため効率的である。
それを実現するためには、Gr単位で管理する位置情報に基づき、近い蓄電池を決定する。近い蓄電池が困難なときは、さらに近い蓄電池を決定する。
余剰電力が発生したために電力会社が負担するコストなどから、インセンティブ総額を決定する(ステップ2305)。
地域の需要家に蓄電・消費依頼をする(ステップ2306)。各需要家にインセンティブを分配する(ステップ2307)。
(実施例3)
次に、第3実施形態である、余剰電力吸収のために、例えばディーゼルのような自然エネルギー以外の計画運転可能な発電源の停止を依頼する場合について説明する。
図28は第三の実施形態の需要管理装置及びシステムの概略図である。配電側に需要家所有の発電機が設置され、発電機の情報を用いる場合の需要管理システム及び方法の概略である。
以下、図28の説明である。
実施例1の図にディーゼル18、発電機アクセスネットワーク19、発電機DB20が加わったものであり、他は、実施例1と同様である。
ディーゼル18は、運転計画に基づいて発電し、地域内の特定の需要家または需要家群に電力供給するものである。
発電機アクセスネットワーク19はディーゼル18と発電機DB20に接続されている。
発電機DB20は、発電機に関する情報のデータベースである。ここで、ディーゼルは複数あっても良い。
図29および図30は、第三の実施形態の発電機DB19のデータ構成例である。
以下、図29の説明である。
運転計画データ2901は、発電機アクセスネットワークを通じて発電機より取得した発電機の運転計画に関する情報に関するデータである。
データ2901は、地域内の発電機に関するデータであり、エントリ2902から2908までを有する。
エントリ2902は、各地域における発電機の固有番号の登録情報である。
エントリ2903は、各地域における発電機の所有者のユーザIDの登録情報である。
エントリ2904は、当該年月日の登録情報である。エントリ2905は、時間帯の登録情報である。
エントリ2906は、当該時間帯における発電機の運転計画における運転継続時間の登録情報である。
エントリ2907は、当該時間帯における発電機の運転計画における発電量の登録情報である。
エントリ2908は、当該時間帯において、地域内に発生すると予測された余剰電力量に関する登録情報である。
以下、図30の説明である。
運転実績データ3001は、発電機アクセスネットワークを通じて発電機より取得した発電機の運転実績に関する情報に関するデータである。
データ3001は、地域内の発電機に関するデータであり、エントリ3002から3007までを有する。
エントリ3002は、各地域における発電機の固有番号の登録情報である。エントリ3003は、各地域における発電機の所有者のユーザIDの登録情報である。
エントリ3004は、当該年月日の登録情報である。
エントリ3005は、時間帯の登録情報である。
エントリ3006は、当該時間帯における発電機の運転継続時間の登録情報である。
エントリ3007は、当該時間帯における発電機の発電量の登録情報である。エントリ3008は、発電機の運転計画が変更された場合に、この発電機の運転計画の変更が、余剰電力の吸収に寄与した割合の登録情報である。
図31は、第三の実施形態の蓄電依頼量算出時の処理フローを説明するためのフローチャートである。
余剰電力の発生する時間帯に、発電機の運転計画変更を依頼する場合の蓄電依頼量算出部の処理である。
蓄電依頼量算出部703は、余剰電力算出部702が算出した当日の各地域の時間帯ごとの余剰電力量を取得する(ステップ3101)。
発電機DB20より、地域内の発電機の過去の運転実績を取得し、余剰電力の発生する時間帯に発電すると推測される発電機の所有者を特定する(ステップ3102)。
所有者ごとに、発電機の運転計画を変更して発電を抑制するよう依頼する量を蓄電依頼部に送信する(ステップ3103)。
余剰電力が発生する時間帯の運転計画が変更された場合、計画によって減少した発電量を所有者が余剰電力を消費した分とみなして実績DB10に登録し(ステップ3104)、運転計画の変更によって減少した残りの余剰電力量を蓄電依頼量とし(ステップ3105)、運転計画が変更されなかった場合は、各地域の当日の時間帯ごとの余剰電力量を蓄電依頼量とする(ステップ3106)。
各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量と、各地域の1ユーザ当たりの平均供給電力増加量から、各地域の時間帯ごとの依頼ユーザ数を算出する(ステップ3107)。
各地域の時間帯ごとの蓄電依頼量、依頼ユーザ数を蓄電依頼部704へ送信する(ステップ3108)。
各地域の蓄電依頼時間帯、蓄電依頼量を依頼実績DB10へ送信する(ステップ3109)。
なお、蓄電依頼量の通知は、所有者ごとに発電機の計画変更によって発電を抑制するよう依頼する電力の総量を通知してもよいし、発電機ごとに発電を抑制してほしい電力量を個別に通知してもよい。また、当該発電機の発電を抑制制御しても良いこととする。
ここで、余剰電力が発生する地域にある、たとえばディーゼルのような自然エネルギー以外の計画発電可能な発電機の発電計画を変更する事で、地域内の設備の系統電力への電力需要を増加させ、低圧配電線に逆流する余剰電力を吸収できると考える。
これを実現するためには、Gr.単位で管理するディーゼルの位置情報と発電実績に基づき、地域内のディーゼルのユーザに発電計画を変更するよう通知する。
地域内のディーゼルの発電計画を変更不可能な場合もしくは地域内のディーゼルの発電計画を変更するのみでは余剰電力を吸収しきれないと予測される場合には、隣接する地域のディーゼルのユーザにも発電計画を変更するよう通知する。
あらかじめ各地域(最小単位)について、隣接する地域を統合した範囲の広い地域(統合地域)を設定しておき、各地域(最小単位)のみに通知して電力需要を増加させても余剰電力を吸収しきれない場合は、通知する地域をGr内の他の地域(最小単位)にも広げて需要を増加させることにより、常に余剰電力の発生地点の付近での吸収を可能にする。
ここで、余剰電力が発生した地域と近い場所にあるディーゼルまたはディーゼルのユーザに通知して発電計画を変更させると、より狭い範囲で余剰電力を吸収できるため効率的である。
それを実現するためには、Gr単位で管理する位置情報に基づき、ディーゼルを決定する。近いディーゼルが計画変更困難なときは、さらに近いディーゼルを決定する。
図32は第三の実施形態の需要管理装置およびシステムの概略図である。余剰電力吸収のために、たとえばディーゼルのような自然エネルギー以外の計画運転可能な発電源の停止を依頼する場合の需要管理システム及び方法の概略である。
各地域の発電機の発電量予測を行うステップ3201以外は図27と同じである。
各地域からの時間単位の予測余剰電力量を算出し(ステップ2301)、各地域への時間単位の予測供給電力量を算出し(ステップ2302)、各地域の配電側蓄電池の蓄電によるコストを算出し(ステップ2701)、各地域の発電機の発電予測量を算出し(ステップ3201)地域ごとの蓄電・消費依頼量を算出する(ステップ2303)。
地域ごとの依頼による供給電力増加量や、余剰電力処理にかかるコストから、余剰電力の消費・蓄電依頼の最適地域(範囲)を決定する(ステップ2304)。
余剰電力が発生したために電力会社が負担するコストなどから、インセンティブ総額を決定する(ステップ2305)。
地域の需要家に蓄電・消費依頼をする(ステップ2306)。各需要家にインセンティブを分配する(ステップ2307)。
以上により、余剰電力発生が見込まれる日時に、需要家のディーゼルなど自然エネルギー以外の計画運転可能な発電源の停止を依頼する事により、電圧が基準値を超える可能性がある場合も、需要家側のディーゼルを止めることにより、系統電力への需要を増加させ、配電網の電圧を基準値内に抑えることができる。
また、より大きなCO2発生抑制効果を得ることもできる。
1、1’・・・家庭用蓄電池
2、2’・・・分散電源
3、3’・・・メータ
4、4’・・・計測データ送信器
5、5’・・・計測データ中計器
6、6’・・・計測データアクセスネットワーク
7、7’・・・計測データ集計サーバ
8、8’・・・実績データDB
9、9’・・・地域情報DB
10、10’・・・依頼実績DB
11、11’・・・電力需要管理装置
12、12’・・・インターネット
13、13’・・・ユーザ端末
14・・・蓄電池
15・・・蓄電池アクセスネットワーク
16・・・蓄電池DB

Claims (10)

  1. 電力を管理する電力需要管理装置と、電力装置とを備える電力需要管理システムにおいて、
    前記電力需要管理装置の余剰電力予測部は、複数の施設から生じた過去の余剰電力に関する余剰電力情報を取得して、取得した前記余剰電力情報に基づいて余剰電力を予測し、
    前記電力需要管理装置の取得部は、予測された前記余剰電力に基づき、余剰電力が発生する地域情報を取得し、
    前記電力需要管理装置の特定部は、取得された前記地域情報と近い位置にある電力消費装置又は電力生成装置である電力装置を特定し、特定された前記電力装置もしくはユーザに、余剰電力が発生する時間帯と余剰電力以下の量を通知又は、特定された前記電力装置に前記時間帯において前記電力装置に制御することを特徴とする電力需要管理システム。
  2. 請求項1に記載の電力需要管理システムにおいて、
    前記電力需要管理装置の前記特定部が、前記特定された電力装置では余剰電力が解消されないと判断した場合、更に近い位置にある電力装置もしくは電力装置のユーザに、余剰電力が発生する時間帯と余剰電力以下の量を通知又は、余剰電力が発生する前記時間帯において前記電力装置に制御することを特徴とする電力需要管理システム。
  3. 請求項2に記載の電力需要管理システムにおいて、
    前記電力装置は、前記電力生成装置であって、前記電力生成装置は、電力を制御又は、電力を制御するように通知することを特徴とする電力需要管理システム。
  4. 請求項2に記載の電力需要管理システムにおいて、
    前記電力装置は、前記電力消費装置であって、前記電力消費装置は、電力を消費又は蓄電を通知又は、前記電力消費装置に電力を消費又は蓄電するように制御することを特徴とする電力需要管理システム。
  5. 請求項2に記載の電力需要管理システムにおいて、
    前記電力需要管理装置の取得部は、複数の前記地域情報を取得し、
    前記電力装置は複数の地域で発生する余剰電力を通知又は制御することを特徴とする電力需要管理システム。
  6. 複数の施設から生じた過去の余剰電力に関する余剰電力情報を取得して、取得した前記余剰電力情報に基づいて余剰電力を予測し、
    予測された前記余剰電力に基づき、余剰電力が発生する地域情報を取得し、
    取得された前記地域情報と近い位置にある電力消費装置又は電力生成装置である電力装置を特定し、特定された前記電力装置もしくはユーザに、余剰電力が発生する時間帯と余剰電力以下の量を通知又は、特定された前記電力装置に前記時間帯において前記電力装置に制御することを特徴とする電力需要管理方法。
  7. 請求項6に記載の電力需要管理方法において、
    前記特定された電力装置では余剰電力が解消されないと判断した場合、更に近い位置にある電力装置余剰電力が発生する時間帯と余剰電力以下の量を通知又は、前記時間帯において前記電力装置に制御する事を特徴とする電力需要管理方法。
  8. 請求項7に記載の電力需要管理方法において、
    前記電力装置は、前記電力生成装置であって、前記電力生成装置は、電力を制御又は、電力を制御するように通知することを特徴とする電力需要管理方法。
  9. 請求項7に記載の電力需要管理方法において、
    前記電力装置は、前記電力消費装置であって、前記電力消費装置は、電力を消費又は蓄電を通知又は、前記電力消費装置に電力を消費又は蓄電するように制御することを特徴とする電力需要管理方法。
  10. 請求項7に記載の電力需要管理方法において、
    前記電力需要管理装置の取得部は、複数の前記地域情報を取得し、
    前記電力装置は複数の地域で発生する余剰電力を通知又は制御することを特徴とする電力需要管理方法。
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