JPWO2012098733A1 - 膝装具及び外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセット - Google Patents

膝装具及び外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセット Download PDF

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Abstract

【課題】必要な角度域のみで矯正し、健全なスクリューホームムーブメントを変形性膝関節症患者の膝関節に再現可能な膝装具を提供する。【解決手段】外,内脚側ジョイント30,50は、膝関節側部の連結部で連結される第一,第二連結手段31,35,51,55を備え、連結部は、第一又は第二連結手段のカム溝34,54と、第二又は第一連結手段の長溝37,57と、長溝を摺動する第一又は第二連結手段の回動支点軸42,59と、カム溝を摺動する第二又は第一連結手段のカム軸34,54を備え、膝屈伸時に、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝を摺動して、第二連結手段が、連結部を中心として第一連結手段に対して回動して外,内脚側ジョイントが屈伸し、外,内脚側ジョイント伸展時に、回動支点軸,カム軸が、長溝,カム溝内を摺動して外脚側の第二連結手段が上後方に、内脚側の第二連結手段が下前方に移動する。

Description

本発明は膝装具及び外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットに係り、特に、内反膝又は外反膝を併発した変形性膝関節症患者の膝関節の屈伸時の動きを矯正する膝装具及び外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットに関する。
膝関節の痛みがある症状の代表例として、変形性膝関節症が知られている。変形性膝関節症は、筋力低下,加齢,肥満などのきっかけにより膝関節の機能が低下して、膝軟骨の磨り減りや半月板のかみ合わせの緩み,変形,断裂や、炎症による関節液の過剰滞留を起こすもので、歩行に痛みを伴う。
変形性膝関節症が進行すると、関節破壊による内反変形を生じることがあり、俗にO脚と呼ばれる内反膝になることがある。
また、内反膝は、俗にX脚と呼ばれる外反膝と共に、変形性膝関節症の原因の一つとも考えられており、変形性膝関節症との関連が深い。
内反膝の場合は、膝関節の内側の軟骨に損傷が発生し、外反膝の場合は、外側の軟骨に損傷が発生し易い。内反膝又は外反膝を併発して変形性膝関節症の病状が進行すると、脚の湾曲が更に進んで下腿部の傾斜が更に急になり、関節の軟骨が更に磨り減るようになる。軟骨の消耗により、骨が直接相互に擦れあうようになると、強い痛みを感じるようになり、歩行不可能となる。
変形性膝関節症の治療には、膝関節を切断して金属製の人工関節を接合する手術療法と、歩行訓練機を用いてリハビリを続け、正しい歩行方法の記憶を呼び戻させる保存療法とが知られている。
手術療法では、歩行の痛みは消えるが、人工関節の回動角度が狭いために椅子にしか座れない,両脚にすると立ち上がれない等の不利益がある。また、老化が進行すると骨が脆くなり、金属との強度バランスが崩れるため、耐用年数が約10年であり、耐用年数経過後は再手術が必要になるという不利益がある。また、手術療法は高額である。
一方、保存療法は、膝装具を用いて歩行の痛みを緩和させ、毎日定期的に歩くことによって、筋肉を強化させる方法であって、長期的治療になり、患者の体力と根気が必要ではあるが、手術療法特有の不利益はない。
そこで、保存療法で用いる膝装具が、種々提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この特許文献1の膝装具では、外脚側,内脚側のジョイント部材にラックとギアを用いているために、膝装具全体の重量が重かった。また、装着して歩行したときにギア音が発生し、装着する患者に不快感を与えるものであった。
また、外脚側,内脚側のジョイント部材に、ラックとギアを用いているために、矯正の必要のない角度域にまで亘って矯正効果が発揮されるばかりでなく、屈曲90°以内では逆方向への矯正となるので、スムーズな膝の動作の妨げになっていた。
ここで、図20に、内反膝又は外反膝を併発した変形性膝関節症患者における膝関節の動きと矯正の必要な角度域との関係を示す。
図20(C)は、椅子に座ったときの90°屈曲状態を示し、図20(D)は正座時の完全屈曲状態を示す。通常、図20(D)の正座時は、大腿部と下腿部間の角度は約18°であり、伸展時を0°とすると、162°屈曲したことになる。90°以上の屈曲状態では、膝関節に力が掛からず、矯正は不要である。
図20(B)の起立時の完全伸展状態において、膝の角度は略0°であり、膝関節に力が掛かるため、矯正が必要である。
図20(A)の健常人の歩行の状態では、前の踏み出し足は、約6°、後の残り足は最大約45°曲がった状態の繰り返しであり、0°〜45°の膝の角度域では、膝関節に最も力が掛かるため、矯正が必要な領域である。
この図20で示すように、内反膝又は外反膝を併発した変形性膝関節症患者では、矯正の必要な角度域は、膝を完全伸展した状態を略0°とした場合、膝の屈曲角度が0〜45°の間である。
特許文献1の膝装具では、外脚側,内脚側のジョイント部材に、ラックとギアを用いているため、膝関節への矯正効果は一定でかつ直線的になる。膝関節が屈曲可能な全角度範囲に亘って矯正効果が発揮されてしまい、却って、90°を超える屈曲角度においてスムーズな膝の動作の妨げになって、椅子に座りにくい、正座ができない等の支障が生じていた。
特開2010−69059(請求項2,3,段落0023〜0026,0034〜0037,図1,図10)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、矯正が必要な角度域のみにおいて変形性膝関節症患者の膝関節を矯正可能で、動作性のよい膝装具を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、単純な構造で、倒れた脚を起こす方向への二次元の動きだけでなく、膝関節を伸ばしきるときに外側に捻りを発生させることにより、健全な膝関節のスクリューホームムーブメントを変形性膝関節症患者の膝関節に再現させることが可能な三次元モーションの膝装具を提供することにある。
前記課題は、請求項1に係る発明によれば、患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、該下腿部固定手段と前記大腿部固定手段とに両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に配置されて屈伸する外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントと、を備える変形性膝関節症患者用の膝装具であって、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントは、前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段とを、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段とは、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内をそれぞれ摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が上方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が下方及び前方に移動すること、により解決される。
このように構成した本発明の膝装具によれば、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が上方に移動し、内脚側の第二連結手段が下方に移動するため、膝関節の骨が接触する部位にわずかな隙間を設けることができ、即時に歩行時の膝の痛みを軽減できるので、歩行訓練がやりやすくなり、毎日の歩行を通じて徐々に筋肉を強化可能となる。また、膝装具が正しい歩行軌跡へとリードするので、理学療法士が付き添わなくても単独で歩行訓練ができる。
訓練を続けることにより、体が正しい歩行軌跡を記憶し筋肉も強化されるので、いずれ膝装具を外しても痛みを感じない生活にもどれる。
また、連結部は、各第一連結手段又は各第二連結手段に設けられたカム溝と、各第二連結手段又は各第一連結手段に設けられた長溝と、長溝を摺動し、各第一連結手段又は各第二連結手段に設けられた回動支点軸と、カム溝内をそれぞれ摺動し、各第二連結手段又は各第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、患者が膝を屈伸したときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内をそれぞれ摺動することにより、第二連結手段が、連結部を中心として、第一連結手段に対して回動して、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが屈伸するように構成しているため、ラックとギアを用いた膝装具のように重くなく、全体の重量を軽く出来ると共に、脚の屈伸が滑らかで静かになって、違和感なく脚に装着できる。また、カム溝を長くすれば、本発明の膝装具を装着したままで膝を直角よりも更に曲げて正座することも可能となる。
また、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が上方及び後方に移動し、内脚側の第二連結手段が下方及び前方に移動するように構成しているため、患者の脚の外脚側を上方に牽引し、内脚側を下方に牽引でき、内反膝を併発した変形性膝関節症患者の膝を、倒れた脚を起こす方向に矯正できる。また、患者が脚を伸展するときに、外脚側を後方に内脚側を前方に牽引するので、正常なスクリューホームムーブメントを再現するよう矯正できる。
更に、大腿部固定手段と、下腿部固定手段と、該下腿部固定手段と前記大腿部固定手段とに両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に配置されて屈伸する外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントとを備えているため、膝装具が膝の前後左右を囲む構成となって、膝自体の周りは覆うものがない開放部分となることから、患者が歩行したとき、膝関節に、力が掛かる緊張状態と力が掛からない緩和状態とが交互に起こり、患者の膝周辺の筋肉を強化することが可能となる。
また、前記カム溝は、各前記第一連結手段に設けられ、前記長溝は、各前記第二連結手段に設けられ、前記回動支点軸は、各前記第一連結手段に設けられ、前記カム軸は、各前記第二連結手段に設けられ、外脚側の前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記外脚側ジョイントが伸展したときに前記回動支点軸が配置される端部が、前記患者の前方に位置するように傾斜し、内脚側の前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記内脚側ジョイントが伸展したときに前記回動支点軸が配置される端部が、前記患者の後方に位置するように傾斜しているように構成すると好適である。
このように構成しているため、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が後方に移動し、内脚側の第二連結手段が前方に移動することが可能となり、その結果、患者が脚を伸展するときの正常なスクリューホームムーブメントを再現可能となる。健常人では、膝関節の構造とアキレス腱の緊張により自然なスクリューホームムーブメントが発生するのに対し、変形性膝関節症の患者には、この動きがない。そこで、変形性膝関節症の患者の膝に、正常なスクリューホームムーブメントを再現させることにより、骨格に無理のかからない正常な歩行軌跡へと膝装具で導くことができる。
また、ラックとギアを用いた膝装具では、スクリューホームムーブメントを再現させるためには、ギア比を左右で変える必要があり、ラックとギアの設計が煩雑となるが、本発明では、カム溝及びカム軸を設ける構成としているため、長溝の傾斜角や長さを調整するだけでスクリューホームムーブメントを再現可能で、簡単な構成でスクリューホームムーブメントの矯正が達成可能となる。
さらに、前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記下端が上端よりも前方に位置するように傾斜し、外脚側の前記回動支点軸は、前記外脚側ジョイントが略直角に屈曲したときに、前記長溝の前記上端に位置し、前記外脚側ジョイントが伸展したときに、前記長溝の前記下端に位置するように配置され、内脚側の前記回動支点軸は、前記内脚側ジョイントが略直角に屈曲したときに、前記長溝の前記下端に位置し、前記内脚側ジョイントが伸展したときに、前記長溝の前記上端に位置するように配置されると好適である。
このように構成しているため、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が後方に移動し、内脚側の第二連結手段が前方に移動することが可能となり、その結果、患者が脚を伸展するときの正常なスクリューホームムーブメントを再現可能となる。
前記外脚側ジョイントが直角に屈曲したときに、前記外脚側の前記カム軸が位置する前記外脚側の前記カム溝内の点から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r2と、前記外脚側の前記カム溝の下端から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r1とは、略同じであり、前記外脚側の前記カム溝の上端から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r3は、前記距離r1及び前記距離r2よりも大きく形成され、前記内脚側ジョイントが直角に屈曲したときに、前記内脚側の前記カム軸が位置する前記内脚側の前記カム溝内の点から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r5と、前記内脚側の前記カム溝の上端から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r4とは、略同じであり、前記内脚側の前記カム溝の下端から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r6は、前記距離r4及び前記距離r5よりも大きく形成されているように構成すると好適である。
このように構成しているため、屈曲した外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントを伸展するとき、カム軸が距離r1及びr4の地点から距離r2及びr5の地点に移動するまでの間は、回動支点軸が動かず、カム軸が距離r2及びr5の地点を過ぎて初めて回動支点軸が移動を開始するように構成できるので、正座のように、膝を大きく屈曲したときには、膝装具による矯正効果を働かせず、膝を所定の角度よりも伸展した時点から矯正効果を作動させることが可能となる。その結果、内反膝又は外反膝を併発した変形性膝関節症において、深く屈曲したときには矯正が不要で、屈曲角度が約45°未満の伸展状態に近い角度のみにおいて矯正が必要であるという実情に沿った矯正を行うことが可能となる。
前記外脚側の前記カム溝は、前記前方に凸になった湾曲形状からなり、前記内脚側の前記カム溝は、前記後方に凸になった湾曲形状からなると好適である。
このように構成しているので、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が上方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が下方及び前方に移動することが可能となる。
前記大腿部固定手段及び前記下腿部固定手段は、前記大腿部及び前記下腿部の周方向の一部を支持する剛性の支持部と、該支持部の前記周方向の両端部間に延びる軟質の連結部とを備え、前記支持部は、前記大腿部及び前記下腿部の長さ方向に延びる折り曲げ部を備え、該折り曲げ部で前記支持部を折り曲げることにより、折り畳み可能に構成されていると好適である。
このように構成しているため、患者は、膝装具をバッグに携帯しておき、膝が痛み始めると装着することが可能となる。従来から知られている軟質のサポーターと異なり、従来知られていなかった硬性のコンパクトな膝装具を提供できる。一箇所の折り曲げ部だけであっても、中央で二つ折りにしてバッグに入れることができるため、膝関節症の患者でも旅行や遠出を楽しむことができるようになる。患者は、膝装具を常時膝に装着している訳ではないため、装着していないときでも、膝装具を折り畳んでしまうことでき、利便性の高い膝装具を提供できる。
また、比較的軽症の患者は、病的イメージを与えかねない硬性膝装具を好まない傾向があるが、本発明によれば、折り畳み式の膝装具を提供できるため、柔らかいサポーターのイメージに近い硬性の膝装具を提供できる。意匠性が高くスポーティーな雰囲気の硬性の膝装具を提供可能となるため、比較的軽症の患者や患者予備軍をも取り込んだ市場開拓が期待できる。
更に、比較的軽症の患者や患者予備軍が、硬質の膝装具を敬遠することを防止できるため、軽症のうちに矯正を開始させることにより、症状が重症化することを防止可能となる。
また、折り曲げ部が、大腿部及び下腿部の長さ方向に延びるため、大腿部固定手段及び下腿部固定手段の大腿部及び下腿部の長さ方向の剛性を減じることがなく、十分な剛性を保った折り畳み可能な膝装具を提供できる。
前記折り曲げ部は、前記支持部の外側面に設けられた、前記下腿部の長さ方向に延びる切込みからなると好適である。
前記折り曲げ部は、隣り合うバンド部材をピンで接続してなると好適である。
このように構成することにより、簡単な構成で、折り畳み式の硬性の膝装具を提供可能となる。
請求項9に係る発明によれば、患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、該下腿部固定手段と前記大腿部固定手段とに両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に配置されて屈伸する外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントと、を備える外反膝を併発した変形性膝関節症患者用の膝装具であって、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントは、前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段とを、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段とは、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内をそれぞれ摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が下方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が上方及び前方に移動すること、により解決される。
このように構成しているため、外反膝を併発した変形性膝関節症患者向けの膝装具を提供可能となる。
請求項10に係る発明によれば、変形性膝関節症患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、に両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に設けられ、前記膝関節の側部で屈伸する前記変形性膝関節症の膝装具用の外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットであって、前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段を、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段は、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内を摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が上方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が下方及び前方に移動すること、により解決される。
本発明の膝装具によれば、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が上方に移動し、内脚側の第二連結手段が下方に移動するため、膝関節の骨が接触する部位にわずかな隙間を設けることができ、即時に歩行時の膝の痛みを軽減できるので、歩行訓練がやりやすくなり、毎日の歩行を通じて徐々に筋肉を強化可能となる。また、膝装具が正しい歩行軌跡へとリードするので、理学療法士が付き添わなくても単独で歩行訓練ができる。
訓練を続けることにより、体が正しい歩行軌跡を記憶し筋肉も強化されるので、いずれ膝装具を外しても痛みを感じない生活にもどれる。
また、連結部は、各第一連結手段又は各第二連結手段に設けられたカム溝と、各第二連結手段又は各第一連結手段に設けられた長溝と、長溝を摺動し、各第一連結手段又は各第二連結手段に設けられた回動支点軸と、カム溝内をそれぞれ摺動し、各第二連結手段又は各第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、患者が膝を屈伸したときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内をそれぞれ摺動することにより、第二連結手段が、連結部を中心として、第一連結手段に対して回動して、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが屈伸するように構成しているため、ラックとギアを用いた膝装具のように重くなく、全体の重量を軽く出来ると共に、脚の屈伸が滑らかで静かになって、違和感なく脚に装着できる。また、カム溝を長くすれば、本発明の膝装具を装着したままで膝を直角よりも更に曲げて正座することも可能となる。
また、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、回動支点軸及びカム軸が、長溝及びカム溝内を摺動することにより、外脚側の第二連結手段が上方及び後方に移動し、内脚側の第二連結手段が下方及び前方に移動するように構成しているため、患者の脚の外脚側を上方に牽引し、内脚側を下方に牽引でき、内反膝を併発した変形性膝関節症患者の膝を倒れを起こす方向に矯正できる。また、患者が脚を伸展するときに、外脚側を後方に内脚側を前方に牽引するので、正常なスクリューホームムーブメントを再現するよう矯正できる。
本発明の一実施形態に係る膝装具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットを示す分解図である。 本発明の一実施形態に係る外脚側上アームを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る内脚側上アームを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る膝装具を患者が装着して膝を直角に屈曲した状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る膝装具を患者が装着して膝を直角に屈曲した状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る膝装具を患者が装着して膝を伸展した状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る膝装具を患者が装着して膝を伸展した状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットを直角,45°に屈曲した状態と伸展した状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントの伸縮距離を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る膝装具を装着したときに掛かる矯正力を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る外反膝を併発した変形性膝関節症患者用の外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットを示す説明図である。 外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットの参考例を示す説明図である。 本発明の膝装具に取り付け可能な磁気パッドの説明図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具を示す斜視図である。 図15の膝装具のヒンジ部を示す説明図である。 本発明の更に他の実施形態に係る膝装具を示す説明図である。 図17の膝装具の下腿支持部材を示す説明図である。 下腿支持部材の更に他の実施例を示す説明図である。 内反膝又は外反膝を併発した変形性膝関節症患者における膝関節の動きと矯正の必要な角度域との関係を示す説明図である。
A1 屈伸中心線
A2,A3 軸
S1,S2,S3 膝装具
r1,r2,r3,r4,r5,r6 距離
1 大腿部
2 膝
3 下腿部
10,10´ 上カフ
11,11´ 大腿支持部
12,12´ 上ベルト
13,23,84,94 リベット
20,20´ 下カフ
21,21´ 下腿支持部
22,22´ 下ベルト
30,50X 外脚側ジョイント
31,51X 外脚側上アーム
32,52 幅広部
33,36,53,56 支点軸孔
33c,53c 中心
33H,53H 水平面
37´,57´ 縦溝
34,54 カム溝
34c,54c 仮想中心点
34l,54l 下端
34m,54m 点
34u,54u 上端
35,55X 外脚側下アーム
37,37X,57,57X 傾斜溝
38,41,58,61 止めボルト
39,62 カム軸
40,43,60,63 ワッシャ
42,59 回動支点軸
50,30X 内脚側ジョイント
51,31X 内脚側上アーム
55,35X 内脚側下アーム
55a,55c 鉛直平面
55b 傾斜面
11a,21a 外脚側部材
11b,11b 内脚側部材
64,74 ヒンジ部
64a,64b,64c 円筒部
64d ピン
64e 止め具
65a,65b,65c 貫通孔
66 凹部
67a,67c バネ
68a,68c 球状部材
69b1,69b2 係止溝
69c 取付部
81 大腿支持部材
83,93 切込み
85 カバー
86 被覆部
87,88 ストラップ
87m,88m 面ファスナー
91,91´ 下腿支持部材
95 バンド部材
96 ピン
97 C字状部
98 凸部
500 磁気パッド
501 被覆部
502 磁気パッド本体
503 開口部
504 粒状磁石
505 ストラップ
506 ボタン
507 延長部
508 面ファスナー
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
本実施形態の膝装具S1は、変形性膝関節症の患者の膝2の周囲に装着する装具であって、図1に示すように、大腿部1周囲に巻回される大腿部固定手段としての上カフ10と、下腿部3周囲に巻回される下腿部固定手段としての下カフ20と、両端が上カフ10,下カフ20に固定され、患者の膝関節周辺の部位の両側に配置される外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を主要構成要素とする。図1は、内反膝の患者用の右脚用の膝装具S1を示している。
上カフ10は、剛性材料からなる略半円筒形の大腿支持部11と、大腿支持部11の横方向の一端側に固定された上ベルト12を備えている。大腿支持部11は、患者の大腿部1の前方側を囲むように湾曲した略半円筒形からなる。上ベルト12は、自由端側にボタンや面ファスナー等の固定手段を備えたストラップを有し、この固定手段で上ベルト12のストラップを大腿支持部11に固定することにより、患者の大腿部1の後方側を支持可能に構成されている。
下カフ20は、剛性材料からなる略半円筒形の下腿支持部21と、下腿支持部21の横方向の一端側に固定された下ベルト22を備えている。下腿支持部21は、患者の下腿部3の前方側を囲むように湾曲した略半円筒形からなる。下ベルト22は、自由端側にボタンや面ファスナー等の固定手段を備えたストラップを有し、この固定手段で下ベルト22のストラップを下腿支持部21に固定することにより、患者の下腿部3の後方側を支持可能に構成されている。
下カフ20の下腿支持部21は、上カフ10の大腿支持部11よりも剛性の高い素材から形成されている。
外脚側ジョイント30は、図2に示すように、第一連結手段としての外脚側上アーム31と第二連結手段としての外脚側下アーム35とを備えている。外脚側上アーム31と外脚側下アーム35は、プラスチック約70重量%とカーボン約30重量%を混合した剛性素材からなる。
外脚側上アーム31は、下端側に、幅が若干広く形成された幅広部32を備えた略板状体からなる。幅広部32には、支点軸孔33と、支点軸孔33の一方側を囲むように設けられた略円弧状のカム溝34が設けられている。
カム溝34は、図3に示すように、仮想中心点34cを中心とした略円弧状に形成されている。支点軸孔33は、カム溝34とカム溝34の仮想中心点34cとで形成される扇形図形の内部に含まれる。
図3の下端34lは、カム軸39がカム溝34の下端に位置したときに、カム軸39の中心が配置される位置である。上端34uは、カム軸39がカム溝34の上端に位置したときに、カム軸39の中心が配置される位置である。また、点34mは、支点軸孔33の中心33cを含む水平面33Hがカム溝34の中心線と交わる点であり、患者が膝関節を直角に屈曲した状態において、カム軸39が位置する点である。上端34uと中心33cを結ぶ直線と、点34mと中心33cを結ぶ直線との角度は、図3に示すように、略直角である。
支点軸孔33は、上端34uよりも下端34lに近い位置に設けられている。
支点軸孔33とカム溝34との間の距離は、カム溝34の下端34lから上方に向かうに従って大きくなるように形成されている。
下端34lから支点軸孔33の中心33cまでの距離r1と、点34mから中心33cまでの距離r2は略同じである。また、上端34uから中心33cまでの距離r3は、r1,r2よりも大きく形成されており、r1≒r2<r3となっている。点34mは、患者が膝関節を直角に屈曲した状態において、カム軸39が位置する点であり、外脚側ジョイント30では、患者が膝関節を直角に屈曲した状態で、カム軸39と回動支点軸42が水平面33H上に並ぶ。
外脚側下アーム35は、上端が若干幅広の略板状体からなる。外脚側下アーム35の上端近くには、支点軸孔36が形成され、支点軸孔36より下側には、直線状の長溝としての傾斜溝37が形成されている。傾斜溝37は、外脚側下アーム35の長さ方向に対して所定の角度,例えば20°〜30°の角度を持って傾斜するように形成されている。
外脚側下アーム35の傾斜溝37は、下端側が下腿部3の前方に傾斜して形成されている。従って、図9(A)(O)の膝を直角に屈曲した状態から図9(C)(O)の膝を伸展した状態に変位させると、外脚側下アーム35は、患者の後方に移動し、下カフ20の外脚側の部分を介して下腿部3の外脚側を後方へ牽引する。
カム溝34及び支点軸孔36には、支点軸孔36側からカム軸39が挿通され、カム溝34側から挿通される止めボルト38に螺合する。カム軸39及び止めボルト38には、カム溝34と支点軸孔36の間に、ワッシャ40が挿通されている。
また、支点軸孔33及び傾斜溝37には、傾斜溝37側から回動支点軸42が挿通され、支点軸孔33側から挿通される止めボルト41に螺合する。回動支点軸42及び止めボルト41には、支点軸孔33と傾斜溝37の間に、ワッシャ43が挿通されている。
なお、本実施形態では、カム軸39,回動支点軸42が、支点軸孔36とカム溝34、支点軸孔33と傾斜溝37に挿通されているが、これに限定されるものでなく、例えば、支点軸孔36,33及びカム軸39,回動支点軸42の代わりに、支点軸孔36,33が設けられた位置から突出する突起を形成し、この突起が、カム溝34,傾斜溝37内をそれぞれ摺動するように構成してもよい。
内脚側ジョイント50は、図2に示すように、第一連結手段としての内脚側上アーム51と第二連結手段としての内脚側下アーム55とを備えている。内脚側上アーム51と内脚側下アーム55は、プラスチック約70重量%とカーボン約30重量%を混合した剛性素材からなる。
内脚側上アーム51は、下端側に、幅が若干広く形成された幅広部52を備えた略板状体からなる。
幅広部52には、支点軸孔53と、支点軸孔53の一方側を囲むように設けられた略円弧状のカム溝54が設けられている。
カム溝54は、図4に示すように、仮想中心点54cを中心とした略円弧状に形成されている。支点軸孔53は、カム溝54とカム溝54の仮想中心点54cとで形成される扇形図形の内部に含まれる。
下端54lは、カム軸62がカム溝54の下端に位置したときに、カム軸62の中心が配置される位置である。上端54uは、カム軸62がカム溝54の上端に位置したときに、カム軸62の中心が配置される位置である。
また、点54mは、支点軸孔53の中心53cを含む水平面53Hがカム溝54の中心線と交わる点と上端54uとの間に存在するカム溝の中心線上の点である。点54mは、患者が膝関節を直角に屈曲した状態において、カム軸62が位置する点である。上端54uと中心53cを結ぶ直線と、点54mと中心53cを結ぶ直線との角度は、60〜70°程度の鋭角である。
支点軸孔53は、下端54lよりも上端54uに近い位置に設けられている。
支点軸孔53とカム溝54との間の距離は、下方に向かうに従って大きくなるように形成されている。
上端54uから支点軸孔53の中心53cまでの距離r4と、点54mから中心53cまでの距離r5は略同じである。また、下端54lから中心53cまでの距離r6は、r4,r5よりも大きく形成されており、r4≒r5<r6となっている。なお、点54mは、患者が膝関節を直角に屈曲した状態において、回動支点軸59が位置する点であり、内脚側ジョイント50では、患者が膝関節を直角に屈曲した状態で、カム軸62が回動支点軸59の斜め上方に位置する。
カム溝34,54は、略円弧上に形成されているが、図13のように、カム溝34は、下方に行くに従って曲率が大きくなり、カム溝54は、上方に行くに従って曲率が大きくなるように形成してもよい。このように構成することにより、上記二つの式r1≒r2<r3,r4≒r5<r6を達成できる。
また、外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を伸展したときに全長が縮む側,つまり、本実施形態では、外脚側のカム溝34は、前方に凸となる湾曲形状、伸びる側,つまり本実施形態では、内脚側のカム溝54は、後方に凸となる湾曲形状となっている。
内脚側下アーム55は、上端が若干幅広の略板状体からなる。内脚側下アーム55は、図2に示すように、内脚側上アーム51と連結され、患者の脚に取り付けたときに略鉛直となる鉛直平面55aと、鉛直平面55aから連続し、鉛直平面55aに対して10°〜15°程度の角度を持って脚側に寄るように傾斜した傾斜面55bと、傾斜面55bから連続し、鉛直平面55aと平行な鉛直平面55cからなる。このように構成されているため、内脚側ジョイント50が、患者の脚によりフィットするようになる。
内脚側下アーム55の鉛直平面55aには、上端近くに長溝としての直線状の傾斜溝57が形成され、傾斜溝57の下側には、支点軸孔56が形成されている。傾斜溝57は、内脚側下アーム55の長さ方向に対して所定の角度,例えば20°〜30°の角度を持って傾斜するように形成されている。
傾斜溝57は、上端側が下腿部3の後方に傾斜して形成されている。従って、図9(A)(I)の膝を直角に屈曲した状態から図9(C)(I)の膝を伸展した状態に変位させると、内脚側下アーム55は、患者の前方に移動し、下カフ20の内脚側の部分を介して下腿部3の内脚側を前方へ牽引する。
傾斜溝57は、直線状に限らず、斜め下方向にわずかに凸になった湾曲形状に形成してもよい。ジョイントが縮む側よりもジョイントが伸びる側の方が、受ける抵抗が大きいが、傾斜溝57は、回動支点軸42よりも回動支点軸59の移動距離を長くしているため、膝屈伸時に、より大きい抵抗を受ける内脚側の回動支点軸59の動きを滑らかにすることができる。
カム溝54及び支点軸孔56には、支点軸孔56側からカム軸62が挿通され、カム溝54側から挿通される止めボルト61に螺合する。カム軸62及び止めボルト61には、カム溝54と支点軸孔56の間に、ワッシャ63が挿通されている。
また、支点軸孔53及び傾斜溝57には、傾斜溝57側から回動支点軸59が挿通され、支点軸孔53側から挿通される止めボルト58に螺合する。回動支点軸59及び止めボルト58には、支点軸孔53と傾斜溝57の間に、ワッシャ60が挿通されている。
カム溝54の上端54uから下端54lまでの距離は、カム溝34の上端34uから下端34lまでの距離よりも、10〜20%程度短く形成されている。
外脚側ジョイント30は、図1に示すように、外脚側上アーム31の上端側が、リベット13で上カフ10の外脚側の側部内面に固定され、外脚側下アーム35の下端側が、リベット23で下カフ20の外脚側の側部内面に固定されることにより、上カフ10及び下カフ20に固定されている。
内脚側ジョイント50は、図1に示すように、内脚側上アーム51の上端側が、不図示のリベットで上カフ10の内脚側の側部内面に固定され、内脚側下アーム55の下端側が、リベット23で下カフ20の内脚側の側部内面に固定されることにより、上カフ10及び下カフ20に固定されている。
次いで、本実施形態の膝装具S1の動作及び作用について説明する。
まず、図9に基づき、カム軸39,62と回動支点軸42,59の動きについて説明する。なお、図9,図10の外脚側上アーム51,内脚側上アーム31は、幅広部52,32の形状が若干異なる例を示している。
患者が膝関節を最大屈曲した正座等の状態から膝関節を直角に屈曲した状態まで緩める過程では、図9(A)(O)のように、カム軸39は、カム溝34内において、下端34lから点34mまで移動するが、このとき、図3のr1とr2が略同じ長さであるため、回動支点軸42は、傾斜溝37内で動かず、傾斜溝37の上端に位置し続ける。
患者が膝関節を直角に屈曲した状態から伸展する過程では、図9(C)(O)のように、カム軸39は、カム溝34内において点34mから上端34u方向へ移動するが、このとき、図3の中心33cからカム溝34までの距離は、点34mから上端34uへ近づくに従って徐々に大きくなるため、回動支点軸42は、傾斜溝37内で押されて下端方向へ移動する。
従って、膝関節の屈曲角度が90°以上となる正座や椅子に座った状態などでは、膝関節に、下腿部3を上下前後方向へ牽引又は圧縮する力はかからない。それに対し、膝関節の屈曲角度が90°以下となる歩行中や起立した状態などでは、カム軸39が傾斜溝37内で下端方向へ移動するため、下腿部3を上方及び後方へ牽引する力がかかる。
患者が膝関節を最大屈曲した正座等の状態から膝関節を直角に屈曲した状態まで緩める過程では、図9(A)(I)のように、カム軸62は、カム溝54内において、図4の上端54uから点54mまで移動するが、このとき、図4のr4とr5が略同じ長さであるため、回動支点軸59は、傾斜溝57内で動かず、傾斜溝57の下端に位置し続ける。
患者が膝関節を直角に屈曲した状態から伸展する過程では、図9(A)(I)のように、カム軸62は、カム溝54内において点54mから下端54l方向へ移動するが、このとき、図4の中心53cからカム溝54までの距離は、点54mから下端54lへ近づくに従って徐々に大きくなるため、回動支点軸59は、傾斜溝57内で押されて上端方向へ移動する。
従って、膝関節の屈曲角度が90°以上では、膝関節に、下腿部3を上下前後方向へ牽引又は圧縮する力はかからない。それに対し、膝関節の屈曲角度が90°以下では、回動支点軸59が傾斜溝57内で上端方向へ移動するため、下腿部3を下方及び前方へ牽引する力がかかる。
本実施形態の膝装具S1では、患者が膝2を直角に屈曲したときの図5,図6の状態が、基準位置とされる。膝装具S1は、基準位置において、回動支点軸42と回動支点軸59が同一の屈伸中心線A1上にあり、この屈伸中心線A1が、患者の膝関節の屈曲運動の軸に一致するように装着される。このとき、図6,図9(A)(I)に示すように、内脚側の回動支点軸59は、傾斜溝57の略下端に位置し、カム軸62は、カム溝54の大腿部1上側の上端54uから1/4程度の位置にある。
患者が膝2を伸展した状態では、図8,図9(A)(I)に示すように、内脚側の回動支点軸59は、傾斜溝57の上端に位置し、カム軸62は、カム溝54の下端に位置する。また、図9(C)(O)に示すように、回動支点軸42は、傾斜溝37の下端に位置し、カム軸39は、カム溝34の上端に位置する。図7に示すように、回動支点軸42と回動支点軸59とを結ぶ軸は軸A2となり、カム軸39とカム軸62を結ぶ軸は、内脚側が低くなるように傾斜した軸A3となる。
次いで、図5〜図8で示した膝装具S1の動作について、膝関節の屈伸による外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50の上下方向の長さの変化について、両ジョイント30,50に着目して説明する。
図9(A)(O)は、図5の外脚側ジョイント30のRo1矢視図,図9(A)(I)は、図5の内脚側ジョイント50のRi1矢視図,図9(C)(O)は、図7の外脚側ジョイント30のRo2矢視図,図9(C)(I)は、図7の内脚側ジョイント50のRi2矢視図である。
膝関節を直角に屈曲した状態の基準位置では、図5,図6のように、回動支点軸42と回動支点軸59が、略水平の同一の屈伸中心線A1上にあり、外脚側下アーム35と内脚側下アーム55は略水平で、患者の膝関節には、上下方向の矯正力が掛かっていない。このとき、外脚側下アーム35と内脚側下アーム55は、屈伸中心線A1上に沿って、同じ高さに配置され、外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50は、いずれも直角に屈曲している。
患者が膝関節を伸展した状態では、図7,図8,図9(C)のように、カム軸62がカム溝54の図4の下端54lに移動し、カム軸39がカム溝34の図4の上端34uに移動する。そのため、図9(C)(O),(I)のように、外脚側下アーム35は、カム軸39に引き上げられて上昇し、内脚側下アーム55は、カム軸62に押し下げられて降下して、外脚側下アーム35の下端は、内脚側下アーム55の下端よりも、伸縮差だけ上方に位置する。
外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50の上下前後方向の伸縮距離について、図10に基づき説明する。
外脚側ジョイント30が縮む距離は、傾斜溝37の外脚側下アーム35長さ方向の長さ成分b1に略等しい。外脚側ジョイント30が後に牽引される距離は、傾斜溝37の外脚側下アーム35の長さ方向に垂直な方向の長さ成分a1に略等しい。
内脚側ジョイント50が伸びる距離は、傾斜溝57の内脚側下アーム55長さ方向の長さ成分b2に略等しい。内脚側ジョイント50が前に牽引される距離は、傾斜溝57の内脚側下アーム55の長さ方向に垂直な方向の長さ成分a2に略等しい。
従って、膝装具S1を伸展した状態において、外脚側ジョイント30と内脚側ジョイント50との間には、上下方向でb1+b2の伸縮差が生じる。
また、膝装具S1を伸展した状態において、外脚側ジョイント30と内脚側ジョイント50との間には、a1+a2の前後方向のずれが生じ、このずれがスクリューホームムーブメントを再現させるための捻りを発生する。
本実施形態では、患者が膝関節を伸展した状態において、図11(B)のように、内反膝の変形性膝関節症患者の下腿部3の外脚側を引き上げ、内脚側を押し下げる。これにより、内反膝を図11(A)のような正常な膝の状態に戻す方向へ、矯正することができる。
また、内反膝の変形性膝関節症患者は、膝関節の内脚側の部分の軟骨がすり減り、骨同士が接触して痛みを感じることが多いので、下腿部3の内脚側を押し下げることにより、膝関節の内脚側の上下の骨の間に空間を作ることができ、骨同士の接触による痛みを軽減することができる。
なお、本実施形態では、伸展時、外脚側下アーム35を上方へ、内脚側下アーム55を下方へ移動させるように構成しているが、これに限定されるものでなく、傾斜溝37,57の一方を、長さのない軸孔として形成することにより、外脚側下アーム35又は内脚側下アーム55の一方は上下方向で移動させず、他方だけを上又は下方向に移動させるように構成してもよい。
外脚側下アーム35の傾斜溝37は、下端側が下腿部3の前方に傾斜して形成されているため、図9(A)(O)の膝を直角に屈曲した状態から図9(C)(O)の膝を伸展した状態に変位させると、外脚側下アーム35は、患者の後方に移動し、下カフ20の外脚側の部分を介して下腿部3の外脚側を後方へ牽引する。
従って、患者が膝を屈曲した状態から伸展すると、外脚側下アーム35は、図9(C)(O)のように、後方へ移動して下カフ20の外脚側の部分を後方へ牽引し、内脚側下アーム55は、図9(C)(I)のように、前方へ移動して下カフ20の内脚側の部分を前方へ牽引するため、患者の膝関節には、外脚側へ捻る力が掛かり、膝関節を伸展する度に、正常なスクリューホームムーブメントを再現可能となる。
本実施形態では、傾斜溝37,57をそれぞれ外脚側下アーム35,内脚側下アーム55に対して傾斜させて、膝装具S1の伸展時に、外脚側下アーム35,内脚側下アーム55をそれぞれ後方及び前方に移動させることにより、正常な膝関節のスクリューホームムーブメントに沿った外方向への捻りを発生させているが、外方向への捻りを発生させる手段は、これに限定されない。
例えば、傾斜溝57を傾斜溝37よりも短く形成することにより、外脚側の回動支点軸42の動きを先に止めて、回動支点軸42の動きが止まった後、内脚側の回動支点軸59の動きを更に継続させれば、外方向への捻りを実現可能である。
また、外脚側のカム溝54の上端54u側を少し下の位置として、内脚側のカム溝34よりも少し短くすることにより、膝装具S1の伸展時に、カム軸62の動きを先に止めて、カム軸62の動きが止まった後、カム軸39の動きを更に継続させれば、外方向への捻りを実現可能である。
本実施形態では、図1,図2に示すように、外脚側下アーム35と内脚側下アーム55を脚に接する側に配置し、外脚側上アーム31と内脚側上アーム51を、それぞれ外脚側下アーム35と内脚側下アーム55の外側に重ねるように構成しているが、重ね方を逆にし、外脚側上アーム31と内脚側上アーム51を、それぞれ外脚側下アーム35と内脚側下アーム55の内側に重ねてもよい。
また、外脚側上アーム31と内脚側上アーム51をリベット13で上カフ10に取付け、外脚側下アーム35と内脚側下アーム55を、不図示のボルトとナットにより取り外し可能に下カフ20に取り付けることにより、図1の右脚用の膝装具S1を左脚用の膝装具にする左右振替や、図1の内反膝用の膝装具S1を外反膝用の膝装具に組み立て直すことが可能となる。従って、右脚用,左脚用のそれぞれの部品を作る必要がなく、各アーム31,35,51,55の重ね方向を変えるだけで、右脚用,左脚用に対応可能である。
本実施形態では、右脚の内反膝を矯正する膝装具S1において、膝を伸ばすと外脚側ジョイント30が縮み、内脚側ジョイント50が伸びるように構成しているが、左脚の内反膝を矯正する膝装具も同様に、脚の外側に装着する外脚側ジョイントが縮み、脚の内側に装着する内脚側ジョイントが伸びるように構成する。
また、外反膝を矯正する膝装具は、内脚側ジョイント30Xが縮み、外脚側ジョイント50Xが伸びるように、内脚側ジョイント30X及び外脚側ジョイント50Xを上カフ10及び下カフ20に取り付ける。
外反膝の変形性膝関節症患者用の膝装具としては、図1の膝装具S1の左右対称のものであって、傾斜溝37,57の傾斜方向が逆になり、傾斜面55bの傾斜方向が逆になったものが用いられる。
外反膝用の膝装具の内脚側ジョイント30X及び外脚側ジョイント50Xを、図12に示す。内脚側ジョイント30Xの内脚側上アーム31Xは、膝装具S1の外脚側上アーム31と同じ部材である。内脚側下アーム35Xは、傾斜溝37Xの傾斜方向が傾斜溝37と逆であることを除き、外脚側下アーム35と同様の構成である。外脚側ジョイント50Xの外脚側上アーム51Xは、膝装具S1の内脚側上アーム51と同じ部材である。外脚側下アーム55Xは、傾斜溝57Xの傾斜方向が傾斜溝57と逆であり、傾斜面55bの傾斜方向が逆になっていることを除き、内脚側下アーム55と同様の構成である。外反膝用の膝装具のその他の構成は、膝装具S1と同様であるので、説明を省略する。
この外反膝の変形性膝関節症患者用の不図示の膝装具を装着したとき、患者が膝関節を伸展した状態において、図11(C)のように、外反膝の変形性膝関節症患者の下腿部3の内脚側を引き上げ、外脚側を押し下げる。これにより、外反膝を図11(A)のような正常な膝の状態に戻す方向へ、矯正することができる。
また、外反膝の変形性膝関節症患者は、膝関節の外脚側の部分の軟骨がすり減り、骨同士が接触して痛みを感じることが多いので、このように、下腿部3の外脚側を押し下げることにより、膝関節の外脚側の上下の骨の間に空間を作ることができ、骨同士の接触による痛みを軽減することができる。
膝装具S1では、外脚側上アーム31にカム溝34を設け、外脚側下アーム35に傾斜溝37を設けているが、外脚側上アーム31に傾斜溝37を設け、外脚側下アーム35にカム溝34を設ける構成にしても本発明を実施可能である。同様に、本実施形態では、内脚側上アーム51にカム溝54を設け、内脚側下アーム55に傾斜溝57を設けているが、内脚側上アーム51に傾斜溝57を設け、内脚側下アーム55にカム溝54を設ける構成にしても本発明を実施可能である。
従って、例えば、外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を、上下逆にして上カフ10,下カフ20に固定した場合であっても、本実施形態の膝装具S1と同様に、下カフ20の外脚側を上方及び後方へ、内脚側を下方及び前方へ牽引する。
膝装具S1では、各アーム31,35,51,55を板体から構成しているため、薄く嵩張らず、ズボンの下にでも装着可能な膝装具を提供できる。
各アーム31,35,51,55の部品形状が単純で、強化プラスチックで製作できるので、低コストかつ滑らかで金属音のない膝装具を提供できる。
膝装具S1では、傾斜溝37,57を、外脚側下アーム35及び内脚側下アーム55の長さ方向に対して傾斜するように設けているが、傾斜溝37,57の代わりに、図13に示すように、外脚側下アーム35及び内脚側下アーム55の長さ方向に対して平行な縦溝37´,57´としてもよい。この場合、縦溝37´,57´は、傾斜していないため、患者が膝を直角に屈曲した状態から伸展したとき、外脚側下アーム35は上方に、内脚側下アーム55は下方に移動するため、内反膝の矯正効果がある。
また、膝装具S1に、図14の磁気パッド500を固定し、膝装具S1による膝関節の矯正と、磁気パッド500による血行促進等の効果を同時に得るようにしてもよい。
図14の磁気パッド500は、伸縮自在の布地で構成された被覆部501、シリコーンゴム等の軟質合成樹脂で形成された略卵形状の軟質性磁気パッド本体502、磁気パッド500を膝装具S1に固定するためのストラップ505及び延長部507を備えている。
磁気パッド本体502の中央には膝頭を臨ませるための略楕円形状の開口部503が透設されている。開口部503周辺の全周面、適宜箇所に、複数個の公知の粒状磁石504が埋設固定されている。
磁気パッド本体502は、被覆部501の略中央に、全周囲を融着又は縫製することにより固定されている。
被覆部501の左右には、上下に二つずつ並ぶようにストラップ505が一体に設けられている。各ストラップ505の先端近くには、ボタン506が固定され、膝装具S1の外脚側上アーム31,外脚側下アーム35,内脚側上アーム51,内脚側下アーム55のそれぞれに一つずつ設けられた不図示のボタンと係止することにより、各ストラップ505を外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50に固定可能になっている。
被覆部501の上下には、被覆部501の長さをそれぞれ上下方向に延長する延長部507が設けられている。延長部507には、面ファスナー508がそれぞれ取り付けられ、それぞれ、上カフ10,下カフ20の裏面に貼着することにより、固定可能になっている。
本発明の他の実施形態を図15に示す。図15の膝装具S2は、変形性膝関節症の患者の膝2の周囲に装着する折り畳み式の装具である。
本実施形態の膝装具S2は、大腿部1に固定される上カフ10´と、下腿部3に固定される下カフ20´と、両端が上カフ10´,下カフ20´に固定され、患者の膝関節周辺の部位の両側に配置される外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を主要構成要素とする。図15は、内反膝の患者用の右脚用の膝装具S2を示している。
上カフ10´は、剛性材料からなる略半円筒形の大腿支持部11´と、大腿支持部11´の横方向の一端側に固定された上ベルト12´を備えている。大腿支持部11´は、患者の大腿部1の前方側を囲むように湾曲した略半円筒形が左右に二分割された外脚側部材11aと内脚側部材11bを備えている。
外脚側部材11aと内脚側部材11bとの間には、外脚側部材11aと内脚側部材11bとを折り畳み可能に連結するヒンジ部64が設けられている。
ヒンジ部64は、図16に示すように、円筒部64aと、円筒部64bと、円筒部64cと、ピン64dと、止め具64eとを備えている。円筒部64a及び64cは、外脚側部材11aの膝中央側の端部に一体形成され、円筒部64bは、内脚側部材11bの膝中央側の端部に一体形成されている。
円筒部64aには、長手方向に沿って、中央に貫通孔65aが形成されている。そして、円筒部64aの一端には、ピン64dの頭部を収納するための凹部66が、他端には、バネ67aを取り付けるための不図示の取付部が、それぞれ形成されている。
円筒部64bの中央には、長手方向に沿って、中央に貫通孔65bが形成されている。そして、円筒部64bの一端には、球状部材68aの一部を嵌合可能な係止溝69b1と,69b2とが、それぞれ形成されている。また、他端には、球状部材68cの一部を嵌合可能な不図示の二つの係止溝が、それぞれ形成されている。
円筒部64cの中央には、長手方向に沿って、中央に貫通孔65cが形成されている。そして、円筒部64cの一端には、バネ67cを取り付けるための取付部69cが形成され、他端には、止め具64eを収納するための不図示の凹部が、形成されている。
円筒部64aの不図示の取付部には、バネ67aが取り付けられ、更にバネ67aの先端に、球状部材68aが取り付けられている。また、円筒部64cの取付部69cには、バネ67cが取り付けられ、更にバネ67cの先端に、球状部材68cが取り付けられている。そして、この状態で、ピン64dが、円筒部64aの凹部66側から、貫通孔65a,65b,65cに貫通され、ピン64dの先端が、止め具64eで止められている。
このような構成により、ヒンジ部64は、外脚側部材11aと内脚側部材11bとを、折り畳み可能に支持している。また、球状部材68a,68cを、係止溝69b1と69b2との間及び円筒部64bの他端側に設けられた不図示の二つの係止溝の間で移動させることによって、外脚側部材11aと内脚側部材11bとを相互に展開した状態と折り畳んだ状態とに固定させることが可能である。
つまり、外脚側部材11aと内脚側部材11bとを持って相互に離間させると、球状部材68a,68cが、円筒部64bの両端面上で移動し、係止溝69b1及び円筒部64bの他端面上の対応位置にある係止溝に嵌合し、バネ67a,67cにより付勢されて、外脚側部材11aと内脚側部材11bが相互に展開した状態で固定される。
また、外脚側部材11aと内脚側部材11bとを持って相互に閉じると、球状部材68a,68cが、円筒部64bの両端面上で逆方向に移動し、係止溝69b2及び円筒部64bの他端面上の対応位置にある係止溝に嵌合し、バネ67a,67cにより付勢されて、外脚側部材11aと内脚側部材11bが相互に折り畳まれた状態で固定される。
下カフ20´は、剛性材料からなる略半円筒形の下腿支持部21´と、下腿支持部21´の横方向の一端側に固定された下ベルト22´を備えている。下腿支持部21´は、患者の下腿部3の前方側を囲むように湾曲した略半円筒形が左右に二分割された外脚側部材21aと内脚側部材21bを備えている。
外脚側部材21aと内脚側部材21bとの間には、ヒンジ部64と同様の構成のヒンジ部74が設けられている。ヒンジ部74の構成及び作用は、ヒンジ部64と同様であるので説明を省略する。
膝装具S2のその他の構成は、膝装具S1と同様であるので、説明を省略する。
膝装具S2では、ヒンジ部64,74で大腿支持部11´と下腿支持部21´を折り曲げ、柔らかい素材で形成された上ベルト12´,下ベルト22´を畳むことにより、膝装具S2を縦に折り畳むことが可能である。
図15の膝装具S2では、大腿支持部11´と下腿支持部21´を剛性素材で形成すると共に、ヒンジ部64,74を形成して上ベルト12´,下ベルト22´を軟質素材で形成することにより、ヒンジ部64,84と上ベルト12´,下ベルト22´で折り畳めるように構成しているが、図17,図18に示すように、大腿支持部11´と下腿支持部21´に、縦方向の複数本の切込み83,93を形成することにより、折り畳み可能に構成してもよい。
図17の膝装具S3は、硬質プラスチックの板体からなり、大腿部1に固定される大腿支持部材81及び下腿部3に固定される下腿支持部材91と、両端が大腿支持部材81,下腿支持部材91に固定され、患者の膝関節周辺の部位の両側に配置される外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50と、大腿支持部材81,下腿支持部材91,外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を包むカバー85と、を主要構成要素とする。
大腿支持部材81は、中央が上方にわずかに凸になるように若干湾曲した長尺略矩形の板体からなり、患者と逆側の面に、図17,図18に示す複数の切込み83が設けられ、患者の大腿部1に沿うように曲げることにより、図18のように湾曲するように構成されている。
下腿支持部材91は、長尺矩形の板体からなり、患者と逆側の面に、図17,図18に示す複数の切込み93が設けられ、患者の下腿部3に沿うように切込み93を外側にして曲げることにより、湾曲するように構成されている。下腿支持部材91の切込み93の数は、大腿支持部材81の切込み83の数より少なくなっている。このように構成することにより、大腿部1と、大腿部1より細い下腿部3に合うような形状とすることが可能となる。
外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50の構成は、膝装具S1と同様であるため、説明を省略する。
大腿支持部材81と下腿支持部材91は、図17に示すように、リベット84,94で外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50に連結されている。
大腿支持部材81,下腿支持部材91,外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50は、相互に連結された状態で、カバー85に被覆されている。
カバー85は、クロロプレンゴムスポンジからなり、大腿支持部材81,下腿支持部材91,外脚側ジョイント30,内脚側ジョイント50を被覆する被覆部86と、大腿支持部材81の内脚側に延びるストラップ87と、下腿支持部材91の内脚側に延びるストラップ88と、を備えている。
ストラップ87,88の裏面には、面ファスナー87m,88mがそれぞれ固定されており、ストラップ87,88を患者の膝の裏から外脚側に回して、面ファスナー87m,88mを大腿支持部材81と下腿支持部材91の外脚側の側面に貼着することにより、膝装具S3を患者に取り付け可能に構成されている。
また、大腿支持部材81と、下腿支持部材91は、切込み83,93を設けた板体とする代わりに、図19に示すように、時計バンド状に形成してもよい。図19は、時計バンド状に形成した下腿支持部材91´を示すものであり、複数のバンド部材95と、複数のバンド部材95を連結するためのピン96と、を備えている。バンド部材95は、一端側に、中央が矩形に切り欠かれた凹部を備えたC字状部97と、他端側に、一端側の凹部より若干小さく形成された矩形の凸部98と、が形成された板体からなる。下腿支持部材91´は、ピン96を、一方のバンド部材95のC字状部97と、他方のバンド部材95の凸部98に通すことにより、複数のバンド部材95が連結されてなる。
不図示の時計バンド状の大腿支持部材は、下腿支持部材91´と同様に構成されるため、説明を省略する。
膝装具S1を用いた膝関節の矯正方法は、屈曲状態から伸展させるよう、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントの両端を牽引する力を受けたときに、外脚側の回動支点軸が、外脚側の長溝の膝側の端部に位置したままで、外脚側のカム軸が、外脚側のカム溝の下端から所定の位置まで摺動すると共に、内脚側の回動支点軸が、内脚側の長溝の下端に位置したままで、内脚側のカム軸が、内脚側のカム溝の上端から所定の位置まで摺動することにより、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントの屈曲角度を、鈍角から直角まで展開する手順と、外脚側のカム軸が、カム溝内の所定の位置から上端まで摺動すると共に、外脚側の回動支点軸が、外脚側の長溝内の上端から下端まで摺動し、内脚側のカム軸が、内脚側のカム溝の所定の位置から下端まで摺動すると共に、内脚側の回動支点軸が、内脚側の長溝の下端から上端まで摺動することにより、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントを伸展した状態まで展開する手順と、を実行することにより、外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントが伸展するときに、外脚側の第二連結手段が上方及び後方に移動し、内脚側の第二連結手段が下方及び前方に移動して、患者の膝関節を内脚側に押し込むと同時に外脚側に捻る。

Claims (10)

  1. 患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、該下腿部固定手段と前記大腿部固定手段とに両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に配置されて屈伸する外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントと、を備える変形性膝関節症患者用の膝装具であって、
    前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントは、前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段とを、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段とは、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、
    前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内をそれぞれ摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、
    前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、
    前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が上方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が下方及び前方に移動することを特徴とする膝装具。
  2. 前記カム溝は、各前記第一連結手段に設けられ、前記長溝は、各前記第二連結手段に設けられ、前記回動支点軸は、各前記第一連結手段に設けられ、前記カム軸は、各前記第二連結手段に設けられ、
    外脚側の前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記外脚側ジョイントが伸展したときに前記回動支点軸が配置される端部が、前記患者の前方に位置するように傾斜し、
    内脚側の前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記内脚側ジョイントが伸展したときに前記回動支点軸が配置される端部が、前記患者の後方に位置するように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の膝装具。
  3. 前記長溝は、前記第二連結手段の長さ方向に対して、前記下端が上端よりも前方に位置するように傾斜し、
    外脚側の前記回動支点軸は、前記外脚側ジョイントが略直角に屈曲したときに、前記長溝の前記上端に位置し、前記外脚側ジョイントが伸展したときに、前記長溝の前記下端に位置するように配置され、
    内脚側の前記回動支点軸は、前記内脚側ジョイントが略直角に屈曲したときに、前記長溝の前記下端に位置し、前記内脚側ジョイントが伸展したときに、前記長溝の前記上端に位置するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の膝装具。
  4. 前記外脚側ジョイントが直角に屈曲したときに、前記外脚側の前記カム軸が位置する前記外脚側の前記カム溝内の点から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r2と、前記外脚側の前記カム溝の下端から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r1とは、略同じであり、前記外脚側の前記カム溝の上端から前記外脚側の前記回動支点軸までの距離r3は、前記距離r1及び前記距離r2よりも大きく形成され、
    前記内脚側ジョイントが直角に屈曲したときに、前記内脚側の前記カム軸が位置する前記内脚側の前記カム溝内の点から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r5と、前記内脚側の前記カム溝の上端から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r4とは、略同じであり、前記内脚側の前記カム溝の下端から前記内脚側の前記回動支点軸までの距離r6は、前記距離r4及び前記距離r5よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項3に記載の膝装具。
  5. 前記外脚側の前記カム溝は、前記前方に凸になった湾曲形状からなり、前記内脚側の前記カム溝は、前記後方に凸になった湾曲形状からなることを特徴とする請求項4に記載の膝装具。
  6. 前記大腿部固定手段及び前記下腿部固定手段は、前記大腿部及び前記下腿部の周方向の一部を支持する剛性の支持部と、該支持部の前記周方向の両端部間に延びる軟質の連結部とを備え、
    前記支持部は、前記大腿部及び前記下腿部の長さ方向に延びる折り曲げ部を備え、該折り曲げ部で前記支持部を折り曲げることにより、折り畳み可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の膝装具。
  7. 前記折り曲げ部は、前記支持部の外側面に設けられた、前記下腿部の長さ方向に延びる切込みからなることを特徴とする請求項6記載の膝装具。
  8. 前記折り曲げ部は、隣り合うバンド部材をピンで接続してなることを特徴とする請求項6記載の膝装具。
  9. 患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、該下腿部固定手段と前記大腿部固定手段とに両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に配置されて屈伸する外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントと、を備える外反膝を併発した変形性膝関節症患者用の膝装具であって、
    前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントは、前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段とを、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段とは、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、
    前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内をそれぞれ摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、
    前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、
    前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が下方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が上方及び前方に移動することを特徴とする膝装具。
  10. 変形性膝関節症患者の大腿部に装着される大腿部固定手段と、前記患者の下腿部に装着される下腿部固定手段と、に両端が固定され、前記患者の膝関節の外脚側及び内脚側に設けられ、前記膝関節の側部で屈伸する前記変形性膝関節症の膝装具用の外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセットであって、
    前記大腿部の側部に沿って配置される第一連結手段と、前記下腿部の側部に沿って配置される第二連結手段を、それぞれ備え、前記第一連結手段と、前記第二連結手段は、前記膝関節の側部に配置される連結部で連結され、
    前記連結部は、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられたカム溝と、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられた長溝と、該長溝内を摺動し、各前記第一連結手段又は各前記第二連結手段に設けられた回動支点軸と、前記カム溝内を摺動し、各前記第二連結手段又は各前記第一連結手段に設けられたカム軸と、を備え、
    前記患者が膝を屈伸したときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内をそれぞれ摺動することにより、前記第二連結手段が、前記連結部を中心として、前記第一連結手段に対して回動して、前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが屈伸し、
    前記外脚側ジョイント及び前記内脚側ジョイントが伸展するときに、前記回動支点軸及び前記カム軸が、前記長溝及び前記カム溝内を摺動することにより、前記外脚側の前記第二連結手段が上方及び後方に移動し、前記内脚側の前記第二連結手段が下方及び前方に移動することを特徴とする外脚側ジョイント及び内脚側ジョイントのセット。
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