JPWO2012077819A1 - 標的核酸の検出方法及びキット - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、試料中の標的核酸を検出する方法であって、(a)5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチド、及び5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを用意する工程、(b)前記試料に含まれる標的核酸をプライマーとして、前記ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位を認識するエンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行う工程、及び(c)前記核酸増幅反応によって得られる、第2の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを検出する工程を含んでなる方法を提供する。
また、本発明の方法は、(d)濃度が既知の前記標的核酸、前記第1のオリゴヌクレオチド及び前記エンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行い、該核酸増幅反応によって得られる、第1の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを測定する工程;(e)前記工程(d)を、異なる濃度の標的核酸について同様に行い、測定結果から検量線を作成する工程;(f)前記検量線に基づいて、検出されるべき標的核酸の濃度を決定する工程を含んでもよい。
また、前記工程(d)において、更に前記第2のオリゴヌクレオチドの存在下に核酸増幅反応を行ってもよい。
前記エンドヌクレアーゼとしてはニッキングエンドヌクレアーゼを用いることができる。
本発明において用いられるニッキングエンドヌクレアーゼとしては、Nb.BbvCI、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BspQI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII及びNt.BsmAIが挙げられる。
本発明の標的核酸を検出する方法における核酸増幅反応においては、好ましくは鎖置換能を有するDNAポリメラーゼが使用される。
本発明の標的核酸を検出する方法においては、核酸増幅反応において用いられるDNAポリメラーゼとしては、例えば、大腸菌由来のDNAポリメラーゼIのクレノウ断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させた変異体を含む)、バチルス・ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、又はバチルス・カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択されるDNAポリメラーゼが使用される。
好ましくは、前記第1のオリゴヌクレオチドの3’末端は修飾されている。
また、好ましくは前記第2のオリゴヌクレオチドの3’末端は修飾されている。
また、本発明は、試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを含むキットを提供する。
また、本発明は、試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドと、5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドとを含むキットを提供する。
まず、本発明の試料中の標的核酸を検出する方法の第一の実施態様について説明する。
本発明の試料中の標的核酸を検出する方法は、(a)5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを用意する工程、(b)前記試料に含まれる標的核酸をプライマーとして、前記ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位を認識するエンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行う工程、及び(c)前記核酸増幅反応によって得られる、第1の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを検出する工程を含んでなる。
制限酵素は、通常は二本鎖の両方の鎖を切断する酵素であるが、例えば、制限酵素によって切断されない化学修飾を二本鎖核酸の一方の鎖に施すことにより、他方の鎖のみを切断するニッキング反応に用いられることができる(例えば、特許文献4参照)。具体例として、例えば、一方の鎖のホスホジエステル結合の酸素原子を硫黄原子に置換することにより、ニッキング反応に用いることが可能となる。
ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼとしてはニッキングエンドヌクレアーゼが用いられる。ニッキングエンドヌクレアーゼを用いることにより、二本鎖DNAの一方の鎖のホスホジエステル結合が開裂して、開裂部位の5’側にリン酸基が生じ、3’側にはヒドロキシル基が生じる。ニッキングエンドヌクレアーゼとしては、Nb.BbvCI、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BspQI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nt.BsmAIが挙げられる。
例えば、標的核酸としてヒトのマイクロRNA配列に相当する配列、TGGCTCAGTTCAGCAGGAACAG(配列番号:1)(hsa−miD−24)を検出しようとする場合、配列変換DNAのCの部分の配列としては、CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCA(配列番号:2)、CTGTTCCTGCTGAAC(配列番号:3)等が用いられる。また、標的核酸としてヒトのマイクロRNA配列に相当する配列、AGCAGCATTGTACAGGGCTATCA(配列番号:4)(hsa−miD−107)を検出しようとする場合、配列変換DNAのCの部分の配列としては、TGATAGCCCTGTACAATGC(配列番号:5)、TGATAGCCCTGTACAATGCTGCT(配列番号:6)等が用いられる。また、標的核酸としてヒトのマイクロRNA配列に相当する配列、AGCTACATTGTCTGCTGGGTTTC(配列番号:7)(hsa−miD−221)を検出しようとする場合、配列変換DNAのCの部分の配列としては、GAAACCCAGCAG(配列番号:8)、GAAACCCAGC(配列番号:9)、GAAACCCAGCAGACAATGTAGCT(配列番号:10)等が用いられる。
また、本発明の試料中の標的核酸を検出する方法は、例えば、癌や感染症の診断に用いることができる。例えば、癌や感染症の原因となる細菌やウイルスの保持している特定の核酸や、癌に特異的な塩基配列を含む核酸の検出(定量)を行なうことにより、癌や感染症の診断が可能となる。感染症の診断を行う場合、感染症の原因となる細菌やウイルスが有する、特異的な核酸配列を検出することにより、診断が可能である。また、癌細胞と正常細胞とで転写量が異なるRNAを検出(定量)して行なう癌の診断も可能である。すなわち、細菌やウイルスの核酸を、その細菌やウイルスに特異的な塩基配列が3’末端になるように制限酵素などにより切断し、切断された核酸を標的核酸として用い、この標的核酸に相補的な配列を含むように、配列変換DNAを設計することにより実施が可能である。また、細菌やウイルスの核酸の特異的配列に相補的な配列を有する、アダプターに用いるための適切なヘアピン構造をとるDNAを設計し、その際に、アダプター用ヘアピンDNAの配列の3’ 末端部分に相補的な配列を含むように、配列変換DNAを設計することにより、特定の配列を含むか否かを検出することが可能になる。
なお、本明細書において、塩基配列を記載する場合、核酸の5’側端から3’側端の方向に記載した。
図1に示すように、検出しようとする標的核酸(D)が試料中に存在する場合、その標的核酸(D)は、それと相補的な配列(C)にハイブリダイズし、この標的核酸がプライマーとして作用し、DNAポリメラーゼが作用し、核酸増幅反応が行われる。核酸増幅反応の反応条件は、利用する核酸増幅反応に従って、当業者であれば適宜決定することができる。
また、本発明の標的核酸を検出する方法において、検出対象となる核酸は、DNA又はRNAのどちらでもよい。DNAには、cDNA、ゲノムDNA及び合成DNAのいずれもが含まれ、RNAには、全RNA、mRNA、rRNA、siRNA、hnRNA、piRNA、aRNA、miRNA及び合成RNAのいずれもが含まれるが、これらに限定されるものではなく、DNA又はRNAに分類される全てのオリゴヌクレオチドが検出対象となる。また、DNA及びRNAで構成されるキメラオリゴヌクレオチドや非天然塩基を含むオリゴヌクレオチド、DNA及びRNA以外の核酸分子も本発明における検出対象である。本発明においては、短鎖の核酸であっても高感度で検出することが可能である。
本発明の標的核酸を検出する方法においては、このようにして生成されたシグナルDNAを検出する。すなわち、図1に示す標的核酸(D)が存在しない場合には、図1及び図2に示す核酸増幅反応が進行しないため、シグナルDNAは生成されないが、標的核酸(D)が存在すると、シグナルDNAが生成され、このシグナルDNAを検出することにより、標的核酸(D)の存在することがわかる。本発明の標的核酸を検出する方法においては、標的核酸(D)が微量に存在すれば、上述のシグナルDNAが増幅されるので、感度の高い検出法である。
すなわち、本発明は、濃度が既知の標的核酸を含む系において、前記に説明した方法を実施し、この方法を異なる濃度の標的核酸を含む系において実施し、測定結果から検量線を作成する(工程(e))ことを含む方法が提供される。次いで、工程((e))において求められた検量線に基づいて、検出しようとする標的核酸の濃度を決定する(工程(f))。
検量線は、例えば、蛍光を測定することにより、標的核酸を検出する場合、蛍光強度から検量線を作成することができる。
本発明の試料中の標的核酸を検出する方法の第二の実施態様は、試料中の標的核酸を検出する方法であって、(a)5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチド、及び5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを用意する工程、(b)前記試料に含まれる標的核酸をプライマーとして、前記ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位を認識するエンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行う工程、及び(c)前記核酸増幅反応によって得られる、第2の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを検出する工程を含んでなる。
なお、実質的に相同的とは、完全に同一の配列を有することであってもよいが、例えば、後述するような分子ビーコンを用いて増幅産物を検出する場合に、増幅反応によって生成する第1の任意の配列に相補的な配列と、第二の任意の配列に相補的な配列とが同一の分子ビーコンによって検出できる程度に、1〜5個、又は1〜4個、又は1〜3個、又は1〜2個、又は1個の塩基が欠失、置換又は付加されていてもよく、また、いずれかに分子ビーコンとの反応を阻害しない程度の配列が付加されていてもよい。
本発明の標的核酸を検出する方法について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、検出しようとする標的核酸(D)が試料中に存在する場合、その標的核酸(D)は、それと相補的な配列変換DNAの(C)の部位にハイブリダイズし、この標的核酸(D)がプライマーとして作用し、DNAポリメラーゼが作用し、核酸増幅反応が行われ、DNAポリメラーゼによる伸長反応の産物としての配列(E)が生成する。次いで、配列(E)が生成したことで、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位(B)が二本鎖になり、ニッキングエンドヌクレアーゼがこれを認識して(E)を切断してオリゴヌクレオチド(F)を生成し、鎖置換能を有するDNAポリメラーゼによって生成したオリゴヌクレオチド(F)が配列変換DNAから遊離する。DNAポリメラーゼは、この反応を繰り返し、オリゴヌクレオチド(F)は線形的(比例的)に増幅される。
次いで、図2に示すように、上記のようにして線形的に増幅したオリゴヌクレオチド(F)は、第1の任意の配列(A)と相補的な配列を有するので、シグナル増幅DNAの(C’)の部位、すなわち配列変換DNAの第1の任意の配列(A)と実質的に相同的な(C’)の部位とハイブリダイズする。図2に示すように、オリゴヌクレオチド(F)がシグナル増幅DNAの(C’)の部位とハイブリダイズすることにより、プライマーとして機能し、DNAポリメラーゼが作用し、核酸増幅反応が行われ、DNAポリメラーゼによる伸長反応の産物としての配列(G)が生成する。次いで、配列(G)が生成したことで、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位(B)が二本鎖になり、ニッキングエンドヌクレアーゼがこれを認識して(G)を切断してオリゴヌクレオチド(H)を生成し、鎖置換能を有するDNAポリメラーゼによって生成したオリゴヌクレオチド(H)がシグナル増幅DNAから遊離する。なお、オリゴヌクレオチド(H)はオリゴヌクレオチド(F)と相同的な配列を有しており、以下、ともにシグナルDNAともいう。
本発明の標的核酸を検出する方法においては、このようにして生成されたシグナルDNAを検出する。すなわち、図1に示す標的核酸(D)が存在しない場合には、図1及び図2に示す核酸増幅反応が進行しないため、シグナルDNAは生成されないが、標的核酸(D)が存在すると、シグナルDNAが生成され、このシグナルDNAを検出することにより、標的核酸(D)の存在することがわかる。本発明の標的核酸を検出する方法においては、標的核酸(D)が微量に存在すれば、上述のシグナルDNAが指数的に増幅されるので、非常に感度の高い検出法である。
本発明の第二の実施態様は、標的核酸を非常に感度良く検出することができる。第一の実施態様においても標的核酸を感度よく検出可能であるが、第二の実施態様は、更に感度が向上したものとなる。
本発明の試料中の標的核酸を検出するためのキットは、5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを含む。また、本発明の試料中の標的核酸を検出するためのキットは、5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。すなわち、本発明は、試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドと、5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドとを含むキットをも提供する。
本発明の試料中の標的核酸を検出するためのキットは、更にDNAポリメラーゼ及びニッキングエンドヌクレアーゼを含んでいてもよい。DNAポリメラーゼ及びニッキングエンドヌクレアーゼについては上述した通りである。本発明のキットは、更に試料溶液を調製するために用いられるバッファー等の他の試薬等を含んでいてもよい。
本発明の試料中の標的核酸を検出するためのキットは、本発明の標的核酸を検出する方法を実施するために用いられる。
以下の実施例において、特に記載しない限り、核酸増幅反応は、増幅産物を検出するためのFAM−DABCYL修飾分子ビーコンを100nM濃度で含む1×NEバッファー2(10 mM Tris−HCl,10 mM MgCl2,50 mM NaCl,1 mM DTT(pH7.9、25oC)の溶液25μL中で、リアルタイムPCRマシン Mx3005P(Stratagene社)を用いて、37℃で行った。また、特に記載しない限り、Bst DNAポリメラーゼ, Large Fragment 0.08単位、及びNt.AlwI 0.1単位を用いて反応を行った。また、特に記載しない限り、Mx3005Pのゲイン設定は×1とした。また、以下の実施例において用いたオリゴヌクレオチド及び分子ビーコンは常法にて作成した。以下の実施例において、図中、blankと記載のあるものは、バッファーのみを用いた場合の結果を示す。また、測定結果を表すグラフにおいては、横軸は、測定のサイクル数を表し、縦軸は蛍光強度を表す。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
配列変換DNAを用いて、標的核酸を検出する実験を行った。標的核酸としては、ヒトのmicro RNAであるhsa−miR−24、hsa−miR−107、hsa−miR−221に相当する配列をそれぞれ有する、以下の3種のオリゴヌクレオチド(DNA)を用いた。
TGGCTCAGTTCAGCAGGAACAG(配列番号:1)
AGCAGCATTGTACAGGGCTATCA(配列番号:4)
AGCTACATTGTCTGCTGGGTTTC(配列番号:7)
配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
TGATAGCCCTGTACAATGCTGCTCAGAGATCCCTGTTCCTGCTGAACTGAGCCA−(TAMRA)(配列番号:11、以下、C2(22)という)
配列番号:4の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
TCAACATCAGTCTGATAAGCTACAGAGATCCTGATAGCCCTGTACAATGC−(TAMRA)(配列番号:12、以下、C3(19)という)
配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCGAAACCCAGCAGACA−(TAMRA)(配列番号:13、以下、C1(15)という)
C2(22)、C3(19)及びC1(15)は、いずれもニッキングエンドヌクレアーゼNt.AlwIの認識部位であるGATCCを含んでおり、Nt.AlwIにより切断されるのは、CAGAGATCCの相補配列であるGGATCTCTGの3’末端側である。
なお、測定に用いた分子ビーコンは以下の通りである。
配列番号:1の核酸の検出に用いた分子ビーコン
(FAM)−CGCGATGATAGCCCTGTACAATGCTGCTTCGCG−(DABCYL)(配列番号:14)
配列番号:4の核酸の検出に用いた分子ビーコン
(FAM)−CGCGATCAACATCAGTCTGATAAGCTATCGCG−(DABCYL)(配列番号:15)
配列番号:7の核酸の検出に用いた分子ビーコン
(FAM)−CGCGA−CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCATCGCG−(DABCYL)(配列番号:16)
結果を図3に示す。図3において、縦軸は蛍光強度であり、横軸はサイクル数を表す。図3から明らかなように、C2(22)、C3(19)及びC1(15)を用いた場合、いずれにおいても蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、DNAポリメラーゼの作用により、核酸の増幅が起こることがわかった。従って、この反応系により、配列番号:1、配列番号:4及び配列番号:7の標的核酸の検出を行うことができることがわかった。本実験例においては、標的核酸を100nMという高濃度で含む系であり、標的核酸が、このように高濃度で含まれていれば、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されるので、この反応系により、標的核酸が試料中に存在しているかどうかの検出が可能であることが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
次いで、標的核酸の濃度を30nMとし、配列変換DNAの濃度を30nMと代えた以外は実施例1と同様に実験を行った。配列変換DNAとしては、実施例1で用いた以外に以下のものを用いた。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。
配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
TGATAGCCCTGTACAATGCTGCTCAGAGATCCCTGTTCCTGCTGAAC−(TAMRA)(配列番号:17、以下、C2(15)という)
配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCGAAACCCAGCAG−(TAMRA)(配列番号:18、以下、C1(12)という)
配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAは以下の配列を有する。
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCGAAACCCAGC−(TAMRA)(配列番号:19、以下、C1(10)という)
なお、本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。
結果を図4に示す。図4から明らかなように、C2(22)及びC2(15)を用いた場合にも蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。従って、C2(22)及びC2(15)を用いて配列番号:1の標的核酸が試料中に存在するかどうかの検出が可能であることがわかった。また、この反応系においても、C3(19)を用いて配列番号:4の標的核酸が試料中に存在するかどうかの検出が可能であり、C1(15)、C1(12)及びC1(10)を用いて配列番号:7の標的核酸が試料中に存在するかどうかの検出が可能であることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
次いで、標的核酸の濃度を10nMとし、配列変換DNAの濃度を10nMと代えた以外は実施例1と同様に実験を行った。配列変換DNAとしては、C1(15)、C2(22)及びC3(19)を用いた。なお、本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図5に示す。図5から明らかなように、本実験においても蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されるので、この反応系により標的核酸が試料中に存在するかどうかの検出は可能であった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
次いで、標的核酸の濃度を30nMとし、配列変換DNAの濃度を30nMと代えた以外は実施例1と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。配列番号:7の標的核酸を検出するための配列変換DNAとしては、以下の配列を有するC1(23)を用いた。
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCGAAACCCAGCAGACAATGTAGCT−(TAMRA)(配列番号:22)
実験は、3本のPCRチューブ内で同時に行い、それぞれについて測定を行った。なお、本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は120秒毎に255サイクルまで行った。結果を図6に示す。また、FAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度は60nMとした。図6においては、3本のPCRチューブの結果を、それぞれ、C1(23)−1、C1(23)−2及びC1(23)−2と示した。図6から明らかなように、配列変換DNAとしてC1(23)を用いた場合にも蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。従って、C1(23)を用いて配列番号:1の標的核酸が試料中に存在するかどうかの検出が可能であることがわかった。また、3本のPCRチューブにおいてほとんど同じ結果が得られたことから、良好な再現性を得ることが可能であることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:11で表わされるC2(22)を用いた以外は実施例4と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図7に示す。図7に示すように、配列変換DNAとしてC2(22)を用いた場合にも、3本のPCRチューブでほぼ同じ結果を示し、この場合にも良好な再現性を得ることが可能であることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして、以下の配列を有するC3(23)(配列番号:23)を用いた以外は実施例4と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図8に示す。図8に示すように、配列変換DNAとしてC3(23)を用いた場合にも、3本のPCRチューブでほぼ同じ結果を示し、この場合にも良好な再現性を得ることが可能であることがわかった。
TCAACATCAGTCTGATAAGCTACAGAGATCCTGATAGCCCTGTACAATGCTGCT−(TAMRA)(配列番号:23)
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
次いで、標的核酸の濃度を10nM又は0Mとし、配列変換DNAの濃度を10nMと代えた以外は実施例1と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしては、配列番号:22で表わされるC1(23)を用いた。
なお、本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×1とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図9に示す。また、FAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度は100nMとした。図9から明らかなように、配列変換DNAとしてC1(23)を用いた場合にも蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。また、配列変換DNAを含まない場合には、標的核酸が存在しても、増幅反応が起こらないことが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:11で表わされるC2(22)を用いた以外は実施例7と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図10に示す。図10に示すように、配列変換DNAとしてC2(22)を用いた場合にも、蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。また、配列変換DNAを含まない場合には、標的核酸が存在しても、増幅反応が起こらないことが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして、配列番号:23で表わされるC3(23)を用いた以外は実施例7と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図11に示す。図11に示すように、配列変換DNAとしてC3(22)を用いた場合にも、蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。また、配列変換DNAを含まない場合には、標的核酸が存在しても、増幅反応が起こらないことが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして、配列番号17で表わされるC2(15)を用いた以外は実施例7と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図12に示す。図12に示すように、配列変換DNAとしてC2(15)を用いた場合にも、蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。また、配列変換DNAを含まない場合には、標的核酸が存在しても、増幅反応が起こらないことが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして、配列番号12で表わされるC3(19)を用いた以外は実施例7と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図13に示す。図13に示すように、配列変換DNAとしてC3(19)を用いた場合にも、蛍光強度が上昇し、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。また、配列変換DNAを含まない場合には、標的核酸が存在しても、増幅反応が起こらないことが示された。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチドを、100nM、10nM及び0nM用い、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:11で表わされるC2(22)を100nM用い、DNAポリメラーゼとして、DNAポリメラーゼIのKlenow断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性欠損変異体)を0.05単位用い、結果を60秒毎に測定した以外は、実施例1と同様に実験を行い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図14に示す。図14に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む場合、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。増幅産物は、標的核酸の量が多いほど早く検出された。
実施例12においては、増幅産物を検出するためのFAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度を100nMとし、実施例13〜18においては、増幅産物を検出するためのFAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度を60nMとし、また実施例12〜18においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とした。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:7で表わされるオリゴヌクレオチドを、0nM、30nMの濃度で用い、配列番号:7の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号で表わされるC1(23)を30nM用いた以外は、実施例12と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図15に示す。図15に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表わされるオリゴヌクレオチドを、0nM、30nMの濃度で用い、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:11で表わされるC2(22)を用いた以外は、実施例13と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図16に示す。図16に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:4で表わされるオリゴヌクレオチドを、0nM、30nMの濃度で用い、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:23で表わされるC3(23)を用いた以外は、実施例13と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図17に示す。図17に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
配列番号:7の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:13で表わされるC1(15)を用いた以外は、実施例13と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図18に示す。図18に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表わされるオリゴヌクレオチドを用い、配列番号:1の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:17で表わされるC2(15)を用いた以外は、実施例13と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図19に示す。図19に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:4で表わされるオリゴヌクレオチドを用い、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして配列番号:17で表わされるC3(19)を用いた以外は、実施例13と同様に実験を行った。比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図20に示す。図20に示すように、標的核酸を含まない系、バッファーのみの系においては、増幅反応が起こらないことが示された。標的核酸を含む系では、標的核酸がプライマーとして機能し、増幅産物であるオリゴヌクレオチドが検出可能な量まで十分に速く増幅されることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
配列変換DNAとしてC2(22)を100nM、シグナル増幅DNAとして以下の配列を有するA2(23)を100nM用いた、及び用いなかった以外は、実施例1と同様に操作を行った。ここで、標的核酸としては、配列番号:1で表わされる核酸10nMを用いた。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。測定は60秒毎に255サイクルまで行った。
A2(23)の配列
TGATAGCCCTGTACAATGCTGCTCAGAGATCCTGATAGCCCTGTACAATGCTGCT−(TAMRA)(配列番号:20)
配列番号20で表わされるA2(23)はニッキングエンドヌクレアーゼNt.AlwIの認識部位であるGATCCを含んでおり、Nt.AlwIにより切断されるのはCAGAGATCCの相補配列であるGGATCTCTGの3’末端側である。
測定結果を図21に示す。
図21において、C2(22)&A2(23)_10nMは、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを含む系、C2(22)_10nMは配列変換DNAを含むがシグナル増幅DNAを含まない系である。図21から明らかなように、シグナル増幅DNAを含む系及び含まない系、いずれにおいても蛍光強度が上昇したが、シグナル増幅DNAを含む方が蛍光強度の上昇が早く確認され、上昇速度も速かった。従って、この反応条件では検出しようとする標的核酸の含有量が10nMと低い場合には、シグナル増幅DNAがない系よりも、シグナル増幅DNAが含まれる系の方が、その検出感度が高いことが示された。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸の濃度を1nMとした以外は実施例19と同様に操作を行った。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図22に示す。
図22から明らかなように、シグナル増幅DNAを含まない系においては、蛍光強度の上昇はほとんどなく、従って、この反応条件では1nMという低濃度の標的核酸の検出は不可能であった。シグナル増幅DNAを含む系によって、シグナルDNAがプライマーとして機能することにより、核酸の増幅反応が指数的に進み、蛍光強度の上昇が確認できることがわかった。従って、検出しようとする核酸が1nMと低い濃度においては、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAの両者を含む系によって、検出が可能であることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC1(10)を100nM、シグナル増幅DNAとして以下の配列を有するA1(15)を100nM用い、Bst DNAポリメラーゼ,Large Fragmentの使用量を0.016単位とした以外は、実施例19と同様に操作を行った。ここで、標的核酸としては、配列番号:7で表わされる核酸10nMを用いた。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図23に示す。
A1(15)の配列
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCCTGTTCCTGCTGAAC−(TAMRA)(配列番号:21)
配列番号21で表わされるA1(15)はニッキングエンドヌクレアーゼNt.AlwIの認識部位であるGATCCを含んでおり、Nt.AlwIにより切断されるのは、CAGAGATCCの相補配列であるGGATCTCTGの3’末端側である。
図23から明らかなように、シグナル増幅DNAを含む系においても含まない系においても蛍光強度の上昇が観察されたが、シグナル増幅DNAを含む系の方が含まない系よりも上昇の上限値付近に達するのが早かった(分子ビーコンに対して等量のシグナルDNAが作用すると蛍光強度は飽和し、過剰量のシグナルDNAが増幅されても蛍光強度は増加しない)。これより、検出しようとする標的核酸の濃度が10nMと低い場合には、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAの両者を含む系の方が、より迅速に高感度に標的核酸の検出が可能であることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
配列変換DNAとしてC1(12)を用いた以外は実施例21と同様に操作を行った。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図24に示す。
図24から明らかなように、シグナル増幅DNAを含む系においても含まない系においても蛍光強度の上昇が観察されたが、シグナル増幅DNAを含む系の方が含まない系よりも上昇の上限値付近に達するのが早かった(分子ビーコンに対して等量のシグナルDNAが作用すると蛍光強度は飽和し、過剰量のシグナルDNAが増幅されても蛍光強度は増加しない)。これより、検出しようとする標的核酸の濃度が10nMと低い場合には、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAの両者を含む系の方が、より迅速に標的核酸の検出が可能であることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC1(15)を用いた以外は実施例21と同様に操作を行った。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。結果を図25に示す。
図25から明らかなように、シグナル増幅DNAを含む系においても含まない系においても蛍光強度の上昇が観察されたが、シグナル増幅DNAを含む系の方が含まない系よりも上昇の上限値付近に達するのが早かった(分子ビーコンに対して等量のシグナルDNAが作用すると蛍光強度は飽和し、過剰量のシグナルDNAが増幅されても蛍光強度は増加しない)。これより、検出しようとする標的核酸の濃度が10nMと低い場合には、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAの両者を含む系の方が、より迅速に標的核酸の検出が可能であることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチドを用い、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を30nM用いた、及び用いなかった以外は、実施例19と同様に操作を行った。ここで、標的核酸としては、配列番号:1で表わされる核酸10nMを用いた。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図26に示す。
図26から明らかなように、シグナル増幅DNAを含む系においても含まない系においても蛍光強度の上昇が観察されたが、シグナル増幅DNAを含む系の方が含まない系よりも上昇の上限値付近に達するのが早かった(分子ビーコンに対して等量のシグナルDNAが作用すると蛍光強度は飽和し、過剰量のシグナルDNAが増幅されても蛍光強度は増加しない)。これより、検出しようとする標的核酸の濃度が10nMと低い場合には、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAの両者を含む系の方が、より迅速に標的核酸の検出が可能であることがわかった。
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を30nM用いた以外は、実施例19と同様に操作を行った。ここで、標的核酸としては、配列番号:1で表わされる核酸を入れない場合、0.1nM及び1nM含む場合について実験を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図27に示す。
図27から明らかなように、標的核酸の量が増加するにつれ、蛍光強度の上昇が早く確認されることがわかる。
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチド用い、増幅産物を検出するためのFAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度を60nMとし(以下の実施例において同様)、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を、30nM用いた、または用いなかった以外は、実施例19と同様に操作を行った。標的核酸としては、配列番号:1で表わされるオリゴヌクレオチドの濃度を0nM、1nM、10nMとした。なお、DNAポリメラーゼとしては、Bst DNAポリメラーゼ,Large Fragment0.08単位を、ニッキングエンドヌクレアーゼとしては、Nt.AlwI 0.1単位を用いた。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図28に示す。 図28から明らかなように、バッファーのみの場合は蛍光強度は増加しなかった。標的核酸の濃度が10nMの場合には蛍光強度は増加したが、シグナル増幅DNAを含む系では含まない系よりも上昇の上限値付近に達するのが早かった。標的核酸の濃度が1nMの場合は、シグナル増幅DNAを含む系では蛍光強度は増加したが、含まない系ではほとんど増加しなかった。これより、検出しようとする標的核酸の濃度が低い場合でも、シグナルDNAを含む場合には、より高感度に標的核酸の検出が可能であることがわかった。
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を、10nM用いる以外は、実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、DNAポリメラーゼIのKlenow断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性欠損変異体)0.05単位を用いた。また、標的核酸としては、配列番号:1で表わされる核酸の濃度を0nM、10nM、100nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に150サイクルまで行った。結果を図29に示す。
図29から明らかなように、標的核酸が含まれない場合には蛍光強度は増加しなかったが、標的核酸が含まれる場合には蛍光強度が増加し、標的核酸の濃度が高い方が、上限値付近に達するのが早かった。
標的核酸として配列番号:24で表されるオリゴヌクレオチド(RNA)を用い、配列番号:24の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を10nM用いた以外は、実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、DNAポリメラーゼIのKlenow断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性欠損変異体)を0.05単位用いた。ここで、標的核酸としては、配列番号:24で表わされる核酸の濃度を、0nM、10nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図30に示す。
図30から明らかなように、標的核酸としてのRNAを含まない場合には蛍光強度がほとんど増加しないが、標的核酸としてのRNAを含む場合、蛍光強度が増加することがわかった。
UGGCUCAGUUCAGCAGGAACAG(配列番号:24)
標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチドを、配列番号:4の標的核酸を検出するための配列変換DNAとして、配列番号:23で表わされるC3(23)を10nM用い、シグナル増幅DNAとして、配列番号:25で表わされるA3(19)を10nM用い、実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、DNAポリメラーゼIのKlenow断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性欠損変異体)を0.05単位用いた。ここで、標的核酸としては、配列番号:4で表わされる核酸の濃度を、0nM、10nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、増幅産物を検出するためのFAM−DABCYL修飾分子ビーコンの濃度を60nMとし、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図31に示す。
図31に示すように、標的核酸を含まない場合には蛍光強度が増加しないが、標的核酸を含む場合、蛍光強度が増加することがわかった。
A3(19)の配列
TCAACATCAGTCTGATAAGCTACAGAGATCCTCAACATCAGTCTGATAAG−(TAMRA)(配列番号:25)
A3(19)はニッキングエンドヌクレアーゼNt.AlwIの認識部位であるGATCCを含んでおり、Nt.AlwIにより切断されるのは、CAGAGATCCの相補配列であるGGATCTCTGの3’末端側である。
標的核酸として配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC1(10)を10nM、シグナル増幅DNAとして以下の配列を有するA1(22)(配列番号:26)を30nM用い、実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、Bst DNAポリメラーゼ,Large Fragment0.08単位及びNt.AlwI 0.1単位を用いた。ここで、標的核酸としては、配列番号:7で表わされる核酸の濃度を、0nM、10nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図32に示す。
図32に示すように、標的核酸を含まない場合には蛍光強度が増加しなかった。また、配列変換DNAを含み、シグナル増幅DNAを含まない系では、標的核酸を含む場合でも蛍光強度がほとんど増加しなかったが、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを含む系では、蛍光強度が増加することがわかった。
A1(22)の配列
CTGTTCCTGCTGAACTGAGCCACAGAGATCCCTGTTCCTGCTGAACTGAGCCA−(TAMRA)(配列番号:26)
A1(22)はニッキングエンドヌクレアーゼNt.AlwIの認識部位であるGATCCを含んでおり、Nt.AlwIにより切断されるのは、CAGAGATCCの相補配列であるGGATCTCTGの3’末端側である
標的核酸として配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC1(15)を10nM、シグナル増幅DNAとして、配列番号:26で表わされるA1(22)(配列番号:26)を10nM用いるか、又は用いずに実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、Bst DNAポリメラーゼ,Large Fragment0.08単位及びNt.AlwI 0.1単位を用いた。ここで、標的核酸としては、配列番号:7で表わされる核酸の濃度を、0、10nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図33に示す。
図33に示すように、標的核酸を含まない場合には蛍光強度がほとんど増加しなかった。また、配列変換DNAを含み、シグナル増幅DNAを含まない系では、標的核酸を含む場合でも蛍光強度がほとんど増加しなかったが、配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを含む系では、蛍光強度が増加することがわかった。
本実施例は、2種の標的核酸を含む場合にも同時に検出が可能かどうかを調べるものである。
標的核酸として配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:7の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC1(23)を30nM、シグナル増幅DNAとしてA1(22)を30nM用いた。また、標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:4の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC3(23)を30nM、シグナル増幅DNAとしてA3(19)を30nM用いた。DNAポリメラーゼとしては、Bst DNAポリメラーゼ,Large Fragment0.08単位及びNt.AlwI 0.1単位を用い、実施例19と同様に操作を行った。ここで、標的核酸としては、配列番号:7又は配列番号:4で表わされる核酸の濃度を、0、30nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。また、配列番号:7で表わされるオリゴヌクレオチドのみを含む場合と、配列番号:4で表わされるオリゴヌクレオチドのみを含む場合についても実験を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×4とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図34に示す。
図34に示すように、標的核酸を含まない場合、バッファーのみの場合には蛍光強度は増加しなかった。標的核酸として配列番号7で表されるオリゴヌクレオチドのみを用いた場合、配列変換DNAとしてC1(23)を用い、シグナル増幅DNAとしてA1(22)を用いることにより、蛍光強度が増加した。また、標的核酸として配列番号:4で表されるオリゴヌクレオチドのみを用いた場合、配列変換DNAとしてC3(23)を用い、シグナル増幅DNAとしてA3(19)を用いることにより、蛍光強度が増加した。また、標的核酸として、配列番号:4で表わされるオリゴヌクレオチド及び配列番号:7で表わされるオリゴヌクレオチドの両者を含む場合、サイクル数の増加に伴い、蛍光強度の増加が見られ、2種の標的核酸を含む場合にも、同時に双方の核酸を検出できることが示された。
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を30nM用い、実施例19と同様に操作を行った。なお、DNAポリメラーゼとしては、Bst DNAポリメラーゼ, Large Fragment0.08単位及びNt.AlwI 0.1単位を用いた。ここで、標的核酸としては、配列番号:1で表わされる核酸の濃度を、0nM、2nM、4nM、6nM、8nM、10nMとした。また、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に60サイクルまで行った。結果を図35に示す。
図35に示すように、標的核酸を含まない場合、バッファーのみの場合には蛍光強度は増加しなかった。また、標的核酸の濃度が高くなるにつれ、蛍光強度の増加が早くなった。
図35の結果において、蛍光強度の値が10000に達するサイクル数を縦軸にし、標的核酸の濃度を横軸にし、検量線を作成した。結果を図36に示す。図36に示すように、蛍光強度と標的核酸の濃度との間には一定の関係があり、この検量線を用いることにより、試料中の標的核酸の濃度を定量できることがわかった。
標的核酸として配列番号:1で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:1の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとしてC2(22)を10nM、シグナル増幅DNAとしてA2(23)を30nM用い、実施例32と同様に操作を行った。なお、標的核酸としてのオリゴヌクレオチドの濃度は、0nM、2nM、10nMとし、それぞれ、配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチドを10nM含有させた場合についても同様に実験を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に50サイクルまで行った。結果を図37に示す。
図37に示すように、バッファーのみの場合、標的核酸も配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチドも含まれない場合には蛍光強度は増加しなかった。標的核酸の濃度を2nM、10nMとすると、濃度の増加に伴い蛍光強度が増加した。この蛍光強度は、配列番号:7で表されるオリゴヌクレオチドが混在している場合にもほとんど変化がなかった。このことより、本実験においては、標的核酸以外の核酸が系に混入していても、測定結果に影響がないことを示す。
配列変換DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:29で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:29の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとして、配列番号:27で表わされるBbv_C2(12)を10nM用い、標的核酸としては配列番号:29の標的核酸の濃度を、0、10nMとした。また、ニッキングエンドヌクレアーゼとして、Nb.BbvCIを0.1単位用い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に255サイクルまで行った。結果を図38に示す。
なお、Bbv_C2(12)は、Nb.BbvC1の認識部位であるCCTCAGCを含んでおり、Nb.BbvC1で切断されるのは、CCTCAGCの相補配列であるGCTGAGGのGCとTGAGGの間である。
TGATAGCCCTGTACAATGCTGCTCCTCAGCCACACGATCCT−(TAMRA)(配列番号:27)
図38から明らかなように、バッファーのみの場合、標的核酸を含まない場合には、蛍光強度は増加しなかったが、標的核酸を含む場合には、蛍光強度が増加した。
配列番号:29(TAGCTTATCAGACTGATGTTGA)
配列変換DNA及びシグナル増幅DNAを用いた標的核酸の検出
標的核酸として配列番号:29で表されるオリゴヌクレオチド用い、配列番号:29の標的核酸を検出するために用いた配列変換DNAとして、Bbv_C2(12)を10nM用い、シグナル増幅DNAとして、配列番号:28で表わされるBbv_A2(22)を30nM用い、標的核酸としては配列番号:29の標的核酸の濃度を、0nM、1nM、10nMとした。また、ニッキングエンドヌクレアーゼとして、Nb.BbvCIを0.1単位用い、比較として、バッファーのみで同様の操作を行った。本実験においては、Mx3005Pのゲイン設定は×8とし、測定は60秒毎に120サイクルまで行った。結果を図39に示す。
なお、Bbv_C2(12)、Bbv_A2(22)は、いずれもNb.BbvCIの認識部位であるCCTCAGCを含んでおり、Nb.BbvC1で切断されるのは、CCTCAGCの相補配列であるGCTGAGGのGCとTGAGGの間である。
TGATAGCCCTGTACAATGCTGCTCCTCAGCTGATAGCCCTGTACAATGCTGCT−(TAMRA)(配列番号:28)
図39から明らかなように、バッファーのみの場合、標的核酸を含まない場合には、蛍光強度は増加しなかったが、標的核酸を含む場合、蛍光強度は増加し、標的核酸が高い方が、蛍光強度が上昇するのが早かった。
以上詳述したように、本発明の標的核酸を検出する方法によれば、標的核酸を高感度で特異的に検出することが可能であり、短鎖の核酸であっても高感度で特異的に検出可能なことが示された。
Claims (16)
- 試料中の標的核酸を検出する方法であって、
(a)5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを用意する工程、
(b)前記試料に含まれる標的核酸をプライマーとして、前記ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位を認識するエンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行う工程、及び
(c)前記核酸増幅反応によって得られる、第1の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを検出する工程
を含んでなる方法。 - 試料中の標的核酸を検出する方法であって、
(a)5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチド、及び5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを用意する工程、
(b)前記試料に含まれる標的核酸をプライマーとして、前記ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位を認識するエンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行う工程、及び
(c)前記核酸増幅反応によって得られる、第2の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを検出する工程
を含んでなる方法。 - (d)濃度が既知の前記標的核酸、前記第1のオリゴヌクレオチド及び前記エンドヌクレアーゼの存在下に核酸増幅反応を行い、該核酸増幅反応によって得られる、第1の任意の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを測定する工程;
(e)前記工程(d)を、異なる濃度の標的核酸について同様に行い、測定結果から検量線を作成する工程;
(f)前記検量線に基づいて、検出されるべき標的核酸の濃度を決定する工程を含む、請求項1記載の方法。 - 前記工程(d)において、更に前記第2のオリゴヌクレオチドの存在下に核酸増幅反応を行う、請求項3記載の方法。
- 核酸増幅反応が等温で実施される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 前記エンドヌクレアーゼがニッキングエンドヌクレアーゼである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- ニッキングエンドヌクレアーゼが、Nb.BbvCI、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BspQI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII及びNt.BsmAIからなる群から選択される酵素である、請求項6記載の方法。
- 核酸増幅反応において、鎖置換機能を有するDNAポリメラーゼが使用される、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 核酸増幅反応において用いられるDNAポリメラーゼが、大腸菌由来のDNAポリメラーゼIのクレノウ断片(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させた変異体を含む)、バチルス・ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、及びバチルス・カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択されるDNAポリメラーゼが使用される、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 第1のオリゴヌクレオチドの3’末端が修飾されている、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- 第2のオリゴヌクレオチドの3’末端が修飾されている、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- 試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、
5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを含むキット。 - 試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、
5’から3’の方向に、第1の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び標的核酸に相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドと、
5’から3’の方向に、第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を有する第2の任意の配列、ニッキング反応に用いられるエンドヌクレアーゼの認識部位及び前記第1の任意の配列と実質的に相同的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドとを含むキット。 - 第1のオリゴヌクレオチドの3’末端が修飾されている、請求項12又は13記載のキット。
- 第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドの3’末端が修飾されている、請求項13記載のキット。
- 更にDNAポリメラーゼ及びエンドヌクレアーゼを含む、請求項12〜15のいずれか1項記載のキット。
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