JPWO2012050108A1 - 溶接品質判別装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る溶接品質判別装置は、溶接品質が未知の判別対象溶接部の特徴情報を示すデータ点を、特徴情報を構成する特徴量の数よりも高い次元数の写像空間に写像した写像点が、判別境界により写像空間を二分することによって形成された2つの溶接品質の領域の何れに位置するかに基づいて判別対象溶接部の溶接品質を判別する装置であって、判別境界を示す判別関数を構成する各特徴量の重みとして、学習用溶接部の判別精度に対応する判別誤差と、識別境界の次元数と正の相関を有する正則化項との和が最小となる重みを採用して、前記判別関数を決定する。これにより、比較的簡易に且つ精度良く溶接品質が判別可能となる。

Description

本発明は、溶接部の溶接品質を判別する溶接品質判別装置に関する。特に、本発明は、金属材料のスポット溶接において生じる溶接不良の有無などの溶接品質を判別するのに好適に用いられる溶接品質判別装置に関する。
例えば、自動車部品の製造ラインでは、該製造ラインに配置されたスポット溶接機の電極間電圧(溶接電圧)や電極間電流(溶接電流)の時系列変化を各種の計測器によって計測可能である。溶接部のナゲット(楕円体状の溶融・凝固した部分)は、電極間の電気抵抗による発熱によって形成されるものであるため、ナゲットの形成不良が発生する際には、上記の溶接電流や溶接電圧に微小な変化が生じる。特に、スポット溶接では、通電初期の初期接触抵抗が生じている状態から、通電後期のナゲット形成・成長過程へと、溶接電流や溶接電圧が独特な遷移現象を示すので、これらの信号を監視することで溶接品質低下につながる変化を読み取れると考えられる。
従来、溶接電流や溶接電圧の変化を利用して溶接部の溶接品質を評価する装置としては、例えば、特許文献1〜4に記載の装置が提案されている。
特許文献1には、通電中の時々刻々変化する溶接電流と電極間電圧とを少なくとも半サイクルごとに検出して、各半サイクルごとの溶接電流の増加過程と減少過程それぞれの所定の同一電流値に対応した電極間電力の減少過程のワークにかかる電力から増加過程のワークにかかる電力を引いた電力差分を時系列的に監視する抵抗スポット溶接品質監視装置が提案されている。そして、特許文献1に記載の装置は、前記電力差分を縦軸に取り、その横軸にサイクル数を取ったサイクル線図上に電力差分の挙動を示す曲線を表し、横軸の任意指定サイクル数の計測基準点での電力差分の変化から溶接ナゲット成長過程中に溶接品質評価を行っている。
特許文献1に記載の装置では、計測基準点をどのように決定するかによって評価結果が左右されるものの、この計測基準点の具体的な決定方法について何ら開示されていない。また、特許文献1に記載の装置では、破断試験等によって実際の溶接品質が既知である溶接部のデータを用いた学習(溶接品質を判別するための判別境界の作成)が行われていないため、溶接品質を精度良く評価できない。さらに、特許文献1に記載の装置では、ナゲットの成長が安定した状態であるか否かを判別することが可能であるものの、たとえナゲットが成長過程であっても(ナゲットの成長が安定した状態でなくても)、実際にはナゲット径が既に工業的に必要な大きさを超えている(すなわち、溶接品質が良である)場合がある。特許文献1に記載の装置では、上記のように実際には溶接品質が良であってもナゲットが成長過程である場合には、溶接品質が不良であると判別するおそれがある。
特許文献2には、被溶接材の形状と材質を入力する手段と、溶接電流とチップ間電圧を検出する手段と、両検出値から熱伝導モデルに基づいて被溶接材温度を算出すると共に、この算出された温度の分布から推定ナゲット径Aを推定する手段と、被溶接物の溶接強度確保に必要な基準ナゲット径Aを入力する手段と、前記推定ナゲット径Aと前記基準ナゲット径Aとを比較し、その比較結果を出力する手段とを備えた抵抗溶接の溶接品質監視装置が提案されている。
特許文献2に記載の装置では、溶接電流及び溶接電圧(チップ間電圧)から熱伝導モデルに基づいて溶接部の温度を算出し、溶接部のナゲット径を推定するものであるため、溶接品質の評価結果が熱伝導モデルの精度に左右される。また、この熱伝導モデルに基づいて精度の高い計算を行うには、多種多様の被溶接材の高温までの比熱や抵抗など、膨大なデータを取得しておく必要があり手間を要する。また、精度の高い計算を行うほど計算時間が当然に長くなり、オンラインで溶接品質を監視するのには適さない。さらに、特許文献2に記載の装置でも、破断試験等によって実際の溶接品質が既知である溶接部のデータを用いた学習(溶接品質を判別するための判別境界の作成)が行われていないため、溶接品質を精度良く評価できない。
特許文献3には、溶接電流を検出する溶接電流測定手段と、チップ間電圧を検出するチップ間電圧検出手段と、両検出手段の検出値から見かけ上のチップ間動抵抗を算出するチップ間動抵抗算出手段と、溶接中の溶接電流の瞬時値が変化している電流変化期間における前記チップ間動抵抗の動抵抗瞬時値変化率を算出する動抵抗瞬時値変化率算出手段と、チップ間動抵抗及び動抵抗瞬時値変化率を順次記憶する記憶手段と、記憶された動抵抗瞬時値変化率を用いて溶接品質判定のための演算処理を行う演算手段を備えたことを特徴とする抵抗溶接部の品質評価装置が提案されている。
特許文献3に記載の装置でも破断試験等によって実際の溶接品質が既知である溶接部のデータを用いた学習(溶接品質を判別するための判別境界の作成)が行われていないため、溶接品質を精度良く評価できない。また、特許文献3に記載の装置では、ナゲット形成時期の判定基準は明確であるものの、工業的には、最終的に得られたナゲット径、或いは、そのナゲット径が必要な大きさを有しているか否かの判定が必要である。特許文献3には、動抵抗瞬時値変化率の絶対値とその経過時間を用いてナゲットの大きさを判別してもよいとの記載がある(特許文献3の第3頁右欄第43行〜第44行)ものの、その具体的な方法が明示されていない。さらに、溶接中には、温度上昇に伴う被溶接材自体の抵抗の増加と共に、被溶接材同士の接触面積(通電面積)の拡大によるチップ間動抵抗の低下も生じるため、通電後期の溶接品質の評価(動抵抗瞬時値変化率に基づくナゲット径の算出)は難しいと考えられる。
特許文献4には、溶接電圧又は溶接電流をサンプリングして第1の信号の値列を供給する第1のサンプリング手段と、溶接電圧又は溶接電流をサンプリングして第2の信号の値列を供給する第2のサンプリング手段と、上記第1の信号及び第2の信号から一般化離散点畳込み演算によって上記第1の信号及び第2の信号の値に依存する1つ以上の人工的な第3の信号の1つ以上の値列を生成する信号生成手段と、上記第1の信号、第2の信号及び第3の信号の対応する値を三つの組の形で識別する三つ組生成手段と、品質監視に有用な三つの組の値を収集して複数の群又は領域にする収集手段とを備えた稼働時溶接評価装置が提案されている。
具体的には、特許文献4に記載の装置は、良好な溶接品質が得られる際の溶接電流・溶接電圧信号をサンプル信号として記憶する。そして、特許文献4に記載の装置は、その記憶されたサンプル信号に指定の係数を乗じて生成される人工信号を算出する。特許文献4に記載の装置は、その人工信号とサンプル信号とを3次元的にプロットし、そのプロットした領域を小領域に分割し、各小領域に存在するプロット点をカウントする。特許文献4に記載の装置は、そのカウント数に、各小領域毎に設定された重みをかけて、基準信号とする。特許文献4に記載の装置は、基準信号の平均と分散を算出し、これらに基づき、オンライン検査中に入力された溶接電流・溶接電圧信号の確率密度関数を計算し、確率密度が低い(10−4以下)場合に溶接不良が発生していると判定する。
スポット溶接では、電極の先端は打点数の増加により摩耗する。しかし、一般的なスポット溶接機では、電極が摩耗したとしても、同一の電極を用いて連続数百打点以上に亘って良好なナゲットを形成することが可能である。一方、電極が摩耗していくにつれて、溶接電流・溶接電圧は微妙に変化していく。従って、溶接品質が良好な打点であっても、溶接電流・溶接電圧信号はある程度ばらついている。特許文献4に記載の装置における溶接品質の良否の判定基準は、理想的な溶接条件の下での基準信号に依存しており、上記のように、溶接電流・溶接電圧信号に微小な変化が生じた場合、基準信号の範囲から外れてしまい、溶接品質の判定を誤る可能性が高い。
また、特許文献4に記載の装置は、理想的な溶接条件の下でのサンプル信号からある特定の係数に従って人工信号を算出する。特定の係数とは、数多くの実験をもとに経験的に設定された値であって、溶接条件毎に係数を設定しなければならず、統計解析の専門家の関与が不可欠である。
以上に説明した従来の溶接部の溶接品質評価装置は、全て溶接電流や溶接電圧の変化を利用するものであるが、これら以外にも、溶接中の電極加圧力の変化や電極変位を利用して溶接品質を評価することが考えられる。以下、具体的に説明する。
溶接中に被溶接材の温度が上昇することにより、被溶接材は熱膨張する。このため、被溶接材を挟み込む電極間の距離を一定に保つ条件では、電極加圧力が上昇する。一方、電極加圧力をほぼ一定に保つ条件では、電極間距離が増大する(電極変位が生じる)。このように、溶接中に被溶接材の温度が上昇することにより、電極加圧力の変化又は電極変位が生じることになる。また、チリ(溶融金属の飛散)が発生する場合には、急激な溶接部の膨張や、これに続く溶接部の厚みの減少が生じることで、電極加圧力の急激な変化や、急激な電極変位が生じることもある。このように、溶接中の電極加圧力の変化や電極変位は、被溶接材の熱膨張、すなわち被溶接材の発熱状況の情報を含むため、これらを利用することでも溶接部の溶接品質を評価できると考えられる。
従来、電極加圧力の変化や電極変位を利用して溶接部の溶接品質を評価する装置や方法としては、例えば、特許文献5、6に記載の装置や方法が提案されている。
特許文献5には、一対の電極間に被溶接部材を挟持し、電極間に通電することにより、溶接を行う抵抗溶接機において、前記電極の一方に設けられ、圧力を検出する圧力センサと、通電時の圧力に相当する設定圧と前記圧力センサの出力の時間変化軌跡との差面積を算出する手段と、算出された差面積に対応するナゲット径を出力表示する手段とを備えたことを特徴とする抵抗溶接機のモニタリング装置が提案されている。
また、特許文献6には、新規な電極時を基準とした溶接回数をパラメータとし、前記電極の変位量と溶接強度の相関データを取得する溶接品質データ取得工程と、前記相関データの特性の変化と前記溶接回数の関係を解析する相関データ変化解析工程と、該相関データ変化解析工程により得られた前記電極の変位量と前記溶接回数とに基づいて溶接強度を推定し溶接を実行する溶接工程とを具備し、該溶接工程により得られる溶接強度を管理することを特徴とする抵抗溶接における溶接品質推定方法が提案されている。
しかしながら、特許文献5に記載の装置や特許文献6に記載の方法では、破断試験等によって実際の溶接品質が既知である溶接部のデータを用いた学習(溶接品質を判別するための判別境界の作成)が行われていないため、溶接品質を精度良く評価できない。
日本国特開2006−110554号公報 日本国特開平6−170552号公報 日本国特開平10−314956号公報 日本国特表2003−516863号公報 日本国特開平1−271078号公報 日本国特開平7−290254号公報
そこで、本発明は、比較的簡易に且つ精度良く溶接品質を判別可能な溶接品質判別装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、溶接品質が未知の判別対象溶接部を溶接した際の、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量に基づいて得られた複数の特徴量を成分とする特徴情報を示すデータ点を、前記特徴情報を構成する特徴量の数よりも高い次元数の写像空間に写像した写像点が、前記写像空間を二分することによって形成された2つの溶接品質の領域の何れに位置するかを判別し、前記判別対象溶接部の溶接品質を前記写像点が位置すると判別した領域に対応する溶接品質であると判別する溶接品質判別装置において、前記特徴量を取得するための取得部と、前記写像空間を二分する判別境界を示す判別関数を決定する決定部と、該決定部によって決定された判別関数に前記判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの該判別関数の出力値に基づいて、前記判別対象溶接部の溶接品質を判別する判別部とを備え、前記取得部は、前記判別対象溶接部を溶接する際の、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量を検出する検出手段と、該検出手段によって検出した前記物理量に基づき前記特徴量を抽出する特徴量抽出手段とを具備し、前記2つの溶接品質のそれぞれは、予め設定された互いに異なる溶接品質であり、前記決定部は、前記2つの溶接品質の何れかを有することが既知である学習用溶接部の前記特徴情報を用いて前記判別関数を決定し、前記判別関数は、前記2つの溶接品質のうち一方又は他方の溶接品質を有する前記学習用溶接部の特徴情報が入力されると、前記特徴情報が入力された学習用溶接部の写像点を出力するカーネル関数k(x,x’)と、前記カーネル関数k(x,x’)に付され、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みとから構成された関数であり、前記カーネル関数k(x,x’)は、要素がk(x,x’)で与えられる行列Kが半正定値であるカーネル関数であり、xは、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報であり、x’は、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報であり、前記決定部は、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差、及び、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差で規定され、前記2つの差の何れかの絶対値が小さくなれば小さくなり、大きくなれば大きくなる判別誤差と、前記判別関数の次元数に対し正の相関を有し、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みに応じて変動すると共に、正則化パラメータが乗じられた正則化項との和からなる誤差関数の値を最小にするように、所定の正則化パラメータについて、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを特定し、前記誤差関数の値を最小にするように特定した前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを、前記判別関数を構成する各特徴量の重みとして仮に採用したときにおいて、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値よりも、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値の方が小さくなる前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の数と、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値よりも、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値の方が小さくなる前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の数とを加算した誤判別個数が、所定値以上の場合は、前記正則化パラメータを調整して、再度、前記誤差関数の値を最小にするように、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを特定し、前記誤判別個数が所定値未満の場合は、前記誤差関数の値を最小にするように特定した前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを、前記判別関数を構成する各特徴量の重みとして採用することを確定して、前記判別関数を決定することを特徴とする溶接品質判別装置を提供する。
本発明に係る溶接品質判別装置は、溶接品質が未知の判別対象溶接部の高次元数の写像空間への写像点が、写像空間を二分することによって形成された2つの溶接品質の領域の何れに位置するかを判別する。そして、本発明に係る溶接品質判別装置は、判別対象溶接部の溶接品質を、前記2つの溶接品質の領域のうち、判別対象溶接部の写像点が位置すると判別した領域に対応する溶接品質であると判別する。本発明に係る溶接品質判別装置は、写像空間を二分する判別境界を示す判別関数を以下のように決定する。
本発明に係る溶接品質判別装置は、まず、判別誤差と正則化パラメータが乗じられた正則化項との和からなる誤差関数の値を最小にするように、所定の正則化パラメータについて、特徴情報を構成する各特徴量の重みを特定する。そして、本発明に係る溶接品質判別装置は、誤差関数の値を最小にするように特定した特徴情報を構成する各特徴量の重みを、判別関数を構成する各特徴量の重みに仮に採用したときの誤判別個数が所定値未満の場合には、該特定した重みを、判別関数を構成する各特徴量の重みに採用することを確定して、判別関数を決定する。
判別誤差と正則化パラメータが乗じられた正則化項との和からなる誤差関数の値を小さくするには、少なくとも判別誤差と正則化項との何れかを小さくする必要がある。例えば、正則化パラメータが大きい場合、正則化項が誤差関数の値に与える影響が大きい。正則化項は特徴情報を構成する各特徴量の重みに応じて変動する。このため、正則化パラメータが大きい場合は、正則化項を十分に小さくする重みが誤差関数の値を最小にする重みとして特定される。判別関数の次元数と正則化項とは正の相関を有する。このため、正則化項を十分に小さくする重みが誤差関数の値を最小にする重みとして特定され、且つ、該重みが判別関数を構成する各特徴量の重みに採用されることが確定されて、判別関数が決定されることにより、判別関数の過度の高次元化が抑制されて、過学習(判別境界(判別関数)の作成に用いる学習用溶接部の中に特徴量が特異な値である学習用溶接部が存在すると、特徴量が特異な値である学習用溶接部についても正確に溶接品質を判別できるように、過度に高次元化した判別境界(判別関数)が作成される現象)が抑制される。よって、本発明に係る溶接品質判別装置では、過学習を抑制できる。
また、誤差関数の値を最小にするように特定した重みを、判別関数を構成する各特徴量の重みに仮に採用したときの誤判別個数が所定値以上の場合には、本発明に係る溶接品質判別装置は、正則化パラメータを調整して、再度、誤差関数の値を最小にする重みを特定する。上述の正則化パラメータの調整により、正則化パラメータを小さくすると、正則化項が誤差関数の値に与える影響が小さくなる一方で、判別誤差が誤差関数の値に与える影響が大きくなる。このため、正則化パラメータが小さくなるように調整すると、調整前よりも、判別誤差を小さくする重みが誤差関数の値を最小にする重みとして特定されることが可能となる。判別誤差は、一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力したときの判別関数の出力値(以下、「一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値」という。)と一方の溶接品質に対応する値との差、及び、他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力したときの判別関数の出力値(以下、「他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値」という。)と他方の溶接品質に対応する値との差で規定されるものである。さらに、該判別誤差は、一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と一方の溶接品質に対応する値との差、及び、他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と他方の溶接品質に対応する値との差の何れかの絶対値が小さくなると、小さくなり、大きくなると、大きくなる。つまり、判別誤差が小さくなると、一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値、又は、他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値が小さくなる。一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値が小さくなると、該絶対値よりも、一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値が大きくなる一方の溶接品質を有する学習用溶接部の数が減少する。同様に、他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値が他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値が小さくなると、該絶対値よりも、他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値が大きくなる他方の溶接品質を有する学習用溶接部の数が減少する。従って、判別誤差が小さくなると、誤判別個数が小さくなる。従って、正則化パラメータを調整する前において特定した重みを、判別関数を構成する各特徴量の重みに仮に採用したときの誤判別個数が所定値以上の場合であっても、正則化パラメータが小さくなるように調整することで、誤判別個数が所定値未満となる重みを特定でき、特定した重みを、判別関数を構成する各特徴量の重みに採用することを確定して、判別関数を決定できる。
以上のように、誤差関数の値を最小にするように特定した重みのうち、判別関数を構成する各特徴量の重みに仮に採用したときの誤判別個数が所定値未満となる重みを特定した場合にのみ、本発明に係る溶接品質判別装置は、特定した重みを判別関数を構成する各特徴量の重みに採用することを確定して、判別関数を決定する。このため、本発明に係る溶接品質判別装置は、溶接品質を精度良く判別できる。ただし、正則化項が増加するにつれて過学習が発生する可能性が高まる。このため、例えば、正則化パラメータは初期段階で大きくし、誤判別個数が所定値未満となる重みが特定できない場合に、正則化パラメータを少しずつ小さくなるように調整することで、誤判別個数が所定値未満となる重みを特定することが好ましい。尚、上述の判別誤差は、例えば、一方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と一方の溶接品質に対応する値との差、及び、他方の溶接品質に対応する判別関数の出力値と他方の溶接品質に対応する値との差の2乗和と正の相関を有する値とされる。前記の2乗和と正の相関を有する値は、例えば、前記の2乗和の平方根とされる。
また、判別関数は、カーネル関数k(x,x’)と各特徴量の重みとから構成され、写像関数を有していない。このため、判別関数の決定のために、写像関数を計算する必要がない。写像関数の計算量は膨大である。このため、判別関数の決定のために、写像関数を計算する必要がない本発明に係る溶接品質判別装置は、判別関数を少ない計算量で決定できる。
さらに、本発明に係る溶接品質判別装置は、2つの溶接品質の何れかを有することが既知である学習用溶接部の特徴情報を用いて判別関数を自動的に決定するため、特許文献4に記載の装置のように統計解析の専門家の関与が不要で、比較的簡易に溶接品質を判別可能である。
なお、本発明における「2つの溶接品質」の概念には、例えば、溶接が良好な状態と溶接不良の状態(例えば、溶接部のナゲット径が予め定めた基準値と比較して大きい場合には溶接が良好な状態とされ、基準値以下の場合には溶接不良の状態とされる)の他、電極の交換が必要な状態と電極の交換が不要な状態も含まれる。また、「2つの溶接品質」の概念には、溶接不良という点では同じ状態であるが、溶接不良の要因が互いに異なるものも含まれる。
また、本発明における「溶接品質に対応する値」とは、一方の溶接品質と他方の溶接品質とを判別し得るように予め決定された値であって、一方の溶接品質と他方の溶接品質とで異なる値とされている。
また、本発明における「学習用溶接部の前記特徴情報」とは、学習用溶接部を溶接した際の、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量に基づいて得られた複数の特徴量を成分とする特徴情報を意味する。
さらに、本発明における「物理量に基づいて得られた複数の特徴量」には、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量そのものから得られた特徴量に限られず、上記の複数の物理量を用いた演算結果から得られた特徴量も含まれる。例えば、本発明における「物理量に基づいて得られた複数の特徴量」には、溶接電圧を溶接電流で除算した結果である通電抵抗から得られた特徴量も含まれる。
好ましくは、前記判別部は、判別した前記判別対象溶接部の溶接品質と共に、当該判別対象溶接部の特徴情報を示すデータ点を前記写像空間に写像した写像点と、前記写像空間を二分する前記判別境界との直線距離で表される当該判別対象溶接部の判別結果の確信度を算出する。
斯かる好ましい構成によれば、判別した判別対象溶接部の溶接品質と共に、当該判別対象溶接部の判別結果の確信度が算出される。このため、例えば、溶接が良好な状態であると判別されたがその確信度が低い場合には、他の装置による溶接品質の再検査を実施したり、或いは、一律に溶接不良の状態であると取り扱って、溶接不良品が流出するおそれを未然に防ぐことが可能である。
本発明に係る溶接品質判定装置によれば、比較的簡易に且つ精度良く溶接品質を判別可能である。
本発明の一実施形態に係る溶接品質判別装置の概略構成図である。 フラクタル次元の算出手順を示す説明図である。 学習用溶接部に関する情報を示す模式図である。 判別関数を決定する手順を示すフロー図である。 本発明の溶接品質判別装置を用いた判別試験1における溶接部の形態を示す断面図である。 判別試験1における実際の溶接品質を判定する方法を説明する説明図である。 判別試験1において、スポット溶接における電極の摩耗と溶接部のナゲット径の変化の一例を示す図である。 判別試験1の評価結果の一例を示す図である。 溶接品質が溶接良好であるものを更に複数の溶接品質に区分した例を示す図である。 溶接品質が溶接不良であるものを更に複数の溶接品質に区分した例を示す。 本発明に係る溶接品質判別装置の変形例を示す概略構成図である。 フラクタル次元以外の特徴量の算出手順を示す説明図である。 本発明の溶接品質判別装置を用いた判別試験2の概要を示す図である。 判別試験2における溶接部の形態を示す断面図である。 判別試験2における実際の溶接品質を判定する方法を説明する説明図である。 判別試験2において、スポット溶接における電極の摩耗と溶接部のナゲット形成状態の変化の一例を示す図である。 判別試験2の評価結果の一例を示す図である。 判別試験2の評価結果の他の例を示す図である。 判別試験3における溶接部の形態を示す断面図である。 判別試験2において、スポット溶接における溶接部のナゲット径の変化の一例を示す図である。 判別試験3の評価結果の一例を示す図である。 判別試験3の評価結果の他の例を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について、金属材料のスポット溶接における溶接品質を溶接電流及び溶接電圧を用いて判別する場合を例に挙げて説明する。尚、本明細書中に記載の各式において、太字斜体で示すパラメータはベクトルを意味する。
図1は、本実施形態に係る溶接品質判別装置100の概略構成図である。図1に示すように、溶接品質判別装置100は、特徴量を取得するための取得部1と、判別関数を決定する決定部2と、溶接品質を判別する判別部3とを備える。
取得部1は、金属材料からなる被溶接材M1、M2の溶接部Wをスポット溶接する際の溶接電流及び溶接電圧を検出する検出手段として、電流・電圧測定器11と、コイル(トロイダルコイル)12とを具備する。電流・電圧測定器11は、スポット溶接機を構成する溶接用電極E1、溶接用電極E2にそれぞれ電気的に接続され、これにより溶接電圧の経時変化が計測される。また、電流・電圧測定器11は、一方の電極E2に接続されたシャンクS2を囲繞するように配置されたコイル12に接続され、これにより溶接電流の経時変化が計測される。また、取得部1は、検出手段(電流・電圧測定器11及びコイル12)によって検出した溶接電流及び/又は溶接電圧に基づき特徴量を抽出する特徴量抽出手段13を具備する。本実施形態の特徴量抽出手段13は、溶接電流及び溶接電圧の双方に基づき特徴量を抽出する。
特徴量抽出手段13によって抽出される特徴量としては、検出手段によって検出した溶接電流及び溶接電圧の溶接品質に対応する時系列変化の特徴を表現するために、例えば、フラクタル次元解析や、フーリエ解析、ウェーブレット解析などの信号処理を溶接電流及び溶接電圧の信号波形に適用した結果を用いることができる。特徴情報を構成する特徴量の数は、複数であれば限定されるものでない。
本実施形態の特徴量抽出手段13は、溶接電流及び溶接電圧の信号波形に対してフラクタル次元解析を適用し、特徴量を抽出している。
フラクタル次元とは、時系列信号波形を幾何構造とみなした場合に、その幾何構造の形状的な複雑さの程度を示す。フラクタル次元が大きいほど、時系列信号波形が複雑であることを意味する。溶接電流及び溶接電圧の信号波形に対してフラクタル次元解析を適用する際には、1回の溶接打点に対応する信号波形全てを1つの連続図形とみなして適用しても良いし、ある特定の時間間隔に信号波形を分割して適用しても良い。信号波形を分割してフラクタル次元解析を適用する場合には、分割数に応じた個数のフラクタル次元が得られる。
ある時系列信号波形のフラクタル次元dは、以下の式(A)で与えられる。

上記式(A)において、Sは信号波形のデータ列を、δはボックスサイズを、Nδ(S)は信号波形を被覆するために必要なボックス個数を意味する。
以下、図2を適宜参照しつつ、フラクタル次元dの具体的な算出手順を説明する。
フラクタル次元dを算出する際には、以下の第1ステップ〜第5ステップを実行する。
(1)第1ステップ:0より大きい適当なボックスサイズδを設定する。
(2)第2ステップ:図2(a)に示すように、信号波形Sを被覆するために必要なボックス個数Nδ(S)をカウントする(図2(a)では、ボックスサイズδで信号波形を被覆した例を示している)。
(3)第3ステップ:図2(a)に示すように、ボックスサイズδを変更(図2(a)に示す例では、δ、δ、δ、δと段階的に変更)して、第1ステップ及び第2ステップを繰り返すことにより、各ボックスサイズδに対応するボックス個数Nδ(S)を算出する。
(4)第4ステップ:図2(b)に示すように、横軸にlnδ、縦軸にlnNδ(S)をプロットしたグラフを描く。
(5)第5ステップ:図2(b)に示すように、第4ステップで描いたグラフに最小自乗法等により近似直線Lを当てはめ、その傾きをフラクタル次元dとして算出する。
また、特徴量抽出手段13によって抽出される特徴量としては、検出手段によって検出した溶接電流及び溶接電圧の溶接品質に対応する時系列変化の特徴をより一層十分に表現するために、以下に述べるような特徴量を採用することも可能である。
スポット溶接では、溶接電流及び溶接電圧の信号波形は、巨視的に見れば通電初期の初期接触抵抗が生じている状態から、通電後期のナゲット形成・成長過程へと、図12(a)に示すように独特な遷移現象を示す。ナゲットの形成不良が発生する際には、必ずしも溶接電流及び溶接電圧の信号波形に巨視的に大きな変化が見られるとは限らず、巨視的には大きな変化が見られない場合には微小な変化が生じていると考えられる。
そこで、信号波形の変化のうち、巨視的な(基本的な)変化を近似曲線(高次曲線やスプライン曲線等)の当てはめによって表現し、微小な変化を信号波形に対する上記近似曲線の誤差によって表現すること、すなわち、信号波形の変化を2つの要素に分解して捉えることで、信号波形の情報をより詳細に表現できると考えられる。
具体的には、以下のようにして特徴量を抽出する。
(1)図12(a)に示すように、信号波形(図12(a)に示す例では溶接電圧)の実データに近似曲線を当てはめる。図12(a)に示す例では、7次曲線を当てはめている。
(2)図12(b)に示すように、信号波形(信号波形の実データ)に対する近似曲線の誤差を母集団とし、この母集団の累積密度分布に、以下の式(B)で表される自由度νのスチューデントのt分布を当てはめる。この当てはめの際、以下の式(C)で表される密度関数(尤度関数)に最尤推定法を適用して、未知のパラメータである自由度νを決定する。式(C)で表される尤度関数は、自由度νにある値を指定したときに、式(B)で表されるスチューデントのt分布が実データの母集団の累積密度分布にどれだけ当てはまりが良いかを測るための関数である。具体的には、上記の最尤推定法では、式(C)で表される尤度関数の対数をとった対数尤度関数を最大化するように自由度νを決定する。このようにして決定された自由度νは、式(B)で表されるスチューデントのt分布が実データの母集団の累積密度分布に最も当てはまりの良い自由度νの推定値となっていると考えられる。

ここで、上記式(B)、(C)において、zは特徴情報(溶接電流や溶接電圧)の実データを、Γ(・)はガンマ分布を意味する。また、上記式(C)において、μは位置パラメータを、σはスケールパラメータ(σ>0)を意味する。これらのパラメータμ、σは、母集団の累積密度分布から推定可能な値である。
(3)上記(1)で得られた近似曲線の係数パラメータ(例えば、n次の近似曲線Pt+P+・・・Pn−1の各係数P〜Pn−1 ここで、tは時間を表す。図12(a)に示す例では、n=7)と、上記(2)で得られたパラメータμ、σ、νとを特徴量とする。
決定部2は、溶接品質が未知の判別対象溶接部の溶接品質を判別するための判別境界を示す判別関数を決定する。この判別境界は、判別対象溶接部を溶接した際の溶接電流及び/又は溶接電圧(本実施形態では、溶接電流及び溶接電圧の双方)に基づいて得られた複数の特徴量を成分とする特徴情報(ベクトル)を構成する特徴量の数よりも高い次元数の写像空間を、2つの溶接品質(以下、2つの溶接品質の一方を「溶接品質A」と、他方の溶接品質を「溶接品質B」という)の領域に二分するものである。溶接品質Aと溶接品質Bとは、溶接品質判別装置100のユーザ等により予め設定された互いに異なる溶接品質である。溶接品質Aと溶接品質Bとは、例えば、溶接が良好な状態と溶接不良の状態とにすることができる。
決定部2は、溶接品質Aと溶接品質Bの何れかを有することが既知である学習用溶接部の特徴情報を用いて、判別関数を決定する。決定部2に入力される学習用溶接部の特徴情報は、例えば、前述した取得部1の特徴量抽出手段13によって抽出された特徴量を用いることによって得られる。溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報、及び、前述の判別対象溶接部の特徴情報は、同一種の特徴量から構成されている。学習用溶接部が溶接品質A及び溶接品質Bの何れを有するかは、例えば、学習用溶接部について特徴量を抽出した後、当該学習用溶接部を破断してナゲット径を評価することにより知ることができる。図3に示すように、溶接品質Aを有する各学習用溶接部の特徴情報を構成する各特徴量と、溶接品質Bを有する各学習用溶接部の特徴情報を構成する各特徴量とは、学習用溶接部の識別子と、学習用溶接部の溶接品質とに紐付けられて決定部2に記憶されている。尚、図3に示すように、各学習用溶接部の特徴情報を構成する各特徴量の値は、0〜1の範囲内の値に収まるように正規化されている。
決定部2が決定する判別関数f(x)は、下記式(1)で表現される。

wは、特徴情報を構成する各特徴量の重みを成分とする重み情報(ベクトル)を示す。式(1)に記載のxは、溶接品質A又は溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報(ベクトル)を示す。φ(・)は、前記の写像空間に特徴情報を示すデータ点(ベクトルの先端の点)を写像する写像関数であって、正定値性を有するものを示す。正定値性のある写像関数としては、ガウス分布の関数などがある。
写像関数φ(・)の計算量は膨大である。少ない計算量で判別関数f(x)を決定できるように、本実施形態では、判別関数として、下記式(2)で表現された判別関数f(x)を用いる。以下の記載において、判別関数f(x)とは、下記式(2)で表現された判別関数f(x)を意味する。

αは、特徴情報を構成する各特徴量の重みを示す。k(x,x’)は、要素がk(x,x’)で与えられる行列Kが半正定値であるカーネル関数を示す。式(2)以降に記載のxは、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報(ベクトル)を示す。x’は、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報(ベクトル)を示す。要素がk(x,x’)で与えられる行列Kとは、カーネル関数k(x,x’)に溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報xを入力したときに得られるカーネル関数の出力値、及び、カーネル関数k(x,x’)に溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報x’を入力したときに得られるカーネル関数の出力値を要素とする行列である。
要素がカーネル関数k(x,x’)で与えられる行列Kが半正定値であるカーネル関数k(x,x’)の例として、下記の5つのカーネル関数k(x,x’)がある。

また、要素がカーネル関数k(x,x’)で与えられる行列Kが半正定値であるカーネル関数k(x,x’)の他の例として、下記式のシグモイド関数とガウス関数とがある。

尚、上記に例示した7つのカーネル関数k(x,x’)において、f(・)は任意の関数を示し、q(・)は非負係数の多項式を示し、k(・,・)、k(・,・)及びk(・,・)は任意のカーネル関数を示し、下付き文字a及びbは、学習用溶接部の識別子を示し、βはシグモイド関数のゲインを示し、σは分散を示す。
上記式(2)は、以下のように導出される。

と定義すれば、下記式(4)が導出される。

dは、特徴情報を構成する特徴量の数を示す。特徴情報を構成する特徴量の数を十分に多くすれば、上記式(1)から下記式(5)が導出される。

ここで、重み情報wは、下記式(6)で表現される。

カーネル関数k(x,x’)の定義(上記式(3))によれば、上記式(6)を用いて、上記式(1)から上記式(2)が導出される。上記式(2)の判別関数f(x)は、学習用溶接部の特徴情報を構成する特徴量の数に、その次元数が影響される関数となっている。
以下、判別関数f(x)の決定の手順について、適宜図4を参照しつつ説明する。決定部2は、まず、誤判別個数が所定値未満か否かを判別する(図4のステップS1)。誤判別個数とは、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報xを判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力したときの該判別関数f(x)の出力値(以下、「溶接品質Aに対応する判別関数の出力値」という。)と溶接品質Aに対応する値との差の絶対値よりも、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値の方が小さくなる溶接品質Aを有する学習用欠陥の数と、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報x’を判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力したときの該判別関数f(x)の出力値(以下、「溶接品質Bに対応する判別関数の出力値」という。)と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値よりも、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差の絶対値の方が小さくなる溶接品質Bを有する学習用溶接部の数とを加算した数である。尚、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報x、又は、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報x’を判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力するときは、判別関数f(x)の特徴情報を構成する各特徴量の重みαを任意の値(例えば1)とする。また、本実施形態では、溶接品質Aに対応する値は1とされ、溶接品質Bに対応する値は−1とされている。溶接品質Aに対応する値と溶接品質Bに対応する値とは、溶接品質判別装置100のユーザ等により予め決定され、溶接品質Aと溶接品質Bとを判別し得るように、互いに異なる値とされる。
決定部2は、誤判別個数が所定値以上であると判別した場合は、判別誤差と、正則化パラメータλが乗じられた正則化項αKαとの和からなる誤差関数の値を最小にする特徴情報を構成する各特徴量の重みαを特定する(図4のステップS2)。誤差関数の最小値は、下記式(7)で表現される。

上付き文字の(i)は、学習用溶接部の識別子を示す。尚、正則化パラメータλは0〜1の範囲の値を採る。判別誤差は、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力したときの判別関数f(x)の出力値と、溶接品質Aに対応する値との差、及び、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力したときの判別関数f(x)の出力値と、溶接品質Bに対応する値との差で規定され、前記2つの差の何れかの絶対値が小さくなれば小さくなり、大きくなれば大きくなるものである。
式(7)のγcostは、下記式(8)で表現される。

上記式(8)は下記式(9)を近似した凸関数である。

上記式(9)のyは、各特徴量の重みを成分とするベクトルを示す。判別誤差を求めるために、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力する場合は、ベクトルyの各成分を1とし、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報をカーネル関数k(x,x’)に入力する場合は、ベクトルyの各成分を−1とする。上記式(9)のsgn[f(x)]は、下記式(10)で表現される。
正則化項αKαは、下記式(11)で表現される。

下付き文字のiは、溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報を構成する特徴量の種類を表わす識別子を示す。下付き文字のjは、溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報を構成する特徴量の種類を表わす識別子を示す。
上記式(11)より、正則化項αKαは、各特徴量の重みαと正の相関を有することが分かる。正則化項αKαは、以下のように導出される。溶接品質Aを有する学習用溶接部の各特徴量の線形和wは、下記式(12)で表現される。

また、重み情報wは、線形和wに、学習用溶接部の特徴情報を示すデータ点を写像した写像点φ(x(i))に直交するξ成分を加えたものであるので、下記式(13)で表現される。

ここで、重み情報wと写像点φ(x(j))との内積φ(x(j)・ξは0であるという条件から、前述した式(5)のf(x)は、下記式(14)で表現される。

即ち、式(8)の左辺のγcostは、ξ成分の値に依存しないことが分かる。また、線形和wとξ成分との直交性から、下記式(15)を導出できる。

式(15)から、λ||w||はξ=0のときに最小値になることは明らかである。ゆえに、誤差関数が最小となるのは、w=wのときである。ここで、上記式(12)を利用すると、式(15)から式(11)を導出できる。
上記式(11)と上記式(2)とにより、正則化項αKαは、上記式(2)の判別関数f(x)の次元数と正の相関を有することが分かる。
以下、誤差関数の値を最小にする特徴情報を構成する各特徴量の重みαを特定する手順(図4、ステップS2)の詳細について説明する。まず、決定部2は、上記式(11)の重みα及び重みαに任意の値(例えば1)を入力し、上記式(11)のx(i)に溶接品質Aを有する学習用溶接部の特徴情報を入力し、x(j)に溶接品質Bを有する学習用溶接部の特徴情報を入力し、正則化項αKαを算出する(図4のステップS21)。
次に、上記式(7)のy(i)に上記式(8)の左辺のγcostを入力し、上記式(7)のx(i)に溶接品質A又は溶接品質Bを有する各学習用溶接部の特徴情報を入力し、上記式(7)の正則化項αKαにステップS21で算出した正則化項αKαの値を入力する(図4のステップS22)。尚、このときの上記式(7)の正則化パラメータは初期値であり、ここでは、初期値を1とする。
次に、上記式(7)を下記式(16)に変換する(図4のステップS23)。
上記式(7)から下記式(16)への変換について説明する。特徴情報x(i)、値y(i)に対する判別誤差の出力をξとすれば、出力ξの最小値は、2つの不等式(17)、(18)にて定義される最小値となる。

最小値となるときの出力ξをスラック変数と呼び、最小値となるときの出力ξを上記式(7)に導入することによって、上記式(17)、(18)を制約条件として、上記式(7)は、上記式(16)に変換される。
上記式(16)は、出力ξと特徴情報を構成する各特徴量の重みαとに関する凸二次計画問題の形式になっている。以下、上記式(16)の凸二次計画問題の解法を示す。
上記式(16)は、ラグランジュの未定乗数法を用いて解く。下記式(19)をラグラジアンと定義する。
定義域:Ω⊆R
尚、Rは、実数全体を示す。
下記の凸二次計画問題をラグラジアンL(w,α,β)を用いて解くための必要十分条件は、KKT(karush-kuhn-Tucker)により、下記式(20)〜(24)を満たすα、βが存在することである。
凸二次計画問題
定義域:Ω⊆R

式(19)〜式(24)においては、α及びβはラグランジュ乗数を示す。wは最適化されたときの重み情報を示す。α及びβは、wが得られたときのラグランジュ乗数α及びβを示す。
上記式(19)を用いて、上記式(16)から、下記式(25)を導出できる。

制約条件:β≧0、γ≧0
γは、ラグランジュ乗数を示す。
下記の制約条件の下で、下記式(26)で表現される凸関数である目的関数を最小化する一般的な凸二次計画問題において、最適解が探索される実行可能領域が、φ(空集合)でないと仮定すると、下記式(26)は、下記式(27)に変換される。

上記式(26)から下記式(29)においては、Qはn×n正定値行列を示し、kはn−ベクトルを示し、cはm−ベクトルを示し、wは最適化対象のベクトルを示し、Xはm×n行列を示す。
ここで、上記式(27)のwの最小値を求める問題は非制約最適化問題となっており、最適解は下記式(28)で表現される。
上記式(28)の右辺を上記式(26)の最適化対象のベクトルwに代入すると、下記の制約条件の下で、下記式(29)で表現される目的関数を最大化する双対問題が得られる。
よって、二次計画問題は、より単純な制約条件を持つ双対問題へと変換できる。この性質を利用することによって、最適解の探索に必要な計算量の大幅な低減を実現できる。
以上の流れと同様に、上記式(25)で表現された二次計画問題を双対問題に導く。まず、上記式(25)を重みα及び出力ξについて微分したラグラシアンL(ξ,α,β,γ)を0とおく(下記式(30)参照)。

ここで、Kは対称行列だからK=Kなので、上記式(30)から下記式(31)を導出できる。
行列Kが正則であると仮定すると、下記式(33)が得られる。
下記式(34)が満たされるとき、出力ξに関してはいくらでも小さくできる。すなわち、双対問題のラグランジュ関数(上記式(25)参照)は、−∞となるため、双対問題を考える際には、下記式(35)の制約が入った場合のみを考慮すればよいことになる。
1−β−γ≠0…(34)
1−β−γ=0…(35)
このように、ラグランジュ関数が1次式となっている変数はその係数は0なので、双対問題は出力ξと無関係である。ゆえに、重みαを上記式(33)で置換し、上記式(35)の制約条件のもとで、下記式(36)のラグランジュ関数を最大化する。

また、β≧0、及び、γ≧0の条件から、上記式(35)の制約条件は、下記式(37)のようになる。
0≦γ≦1…(37)
最急降下法や内点法といった公知の最適解探索手法を用いて、上記式(36)からγを算出し(図4のステップS24)、該算出したγを式(33)に代入すれば、誤差関数を最小とする特徴情報を構成する各特徴量の重みαが特定される(図4のステップS25)。
決定部2は、上記のように特定した学習用溶接部の特徴情報を構成する各特徴量の重みαを判別関数f(x)の学習用溶接部の特徴情報を構成する各特徴量の重みαに仮に採用する。そして、図4のステップS1と同様にして、決定部2は、特定した各特徴量の重みαを判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに仮に採用した場合の誤判別個数を算出する。算出した誤判別個数が所定値以上であれば、決定部2は、正則化パラメータλを小さくなるように調整し、再度、上記のように、誤差関数を最小とする特徴情報を構成する各特徴量の重みαを特定する(図4のステップS2)。尚、正則化パラメータλを小さくなるように調整した後のステップS21における正則化項の算出においては、前述した式(11)の重みα及び重みαに、前回のステップS25において特定した各特徴量の重みαを入力する。一方、算出した誤判別個数が所定値未満であれば、特定した各特徴量の重みαを、判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに採用することを確定して、判別関数f(x)を決定する(図4のステップS3)。
本実施形態の決定部2は、上述のように正則化パラメータλの初期値を正則化パラメータλの最大値とし、誤判別個数が所定値未満である場合、正則化パラメータλを小さくするように調整する。正則化パラメータλが大きい場合、正則化項αKαが誤差関数の値に与える影響が大きい。このため、正則化パラメータλが大きい場合は、正則化項αKαを十分に小さくする各特徴量の重みαが誤差関数の値を最小にする各特徴量の重みαとして特定される。判別関数f(x)の次元数と正則化項αKαとは正の相関を有する。このため、正則化項αKαを十分に小さくする各特徴量の重みαが誤差関数の値を最小にする各特徴量の重みαとして特定され、且つ、該各特徴量の重みαを判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに採用されることが確定して判別関数を決定すると、判別関数(判別境界)の高次元化を抑制して、過学習を抑制できる。また、正則化項を十分に小さくする各特徴量の重みαが特定された場合であっても、該各特徴量の重みαを、判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに仮に採用したときの誤判別個数が所定値以上の場合、該各特徴量の重みαを判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに採用することが確定されない。この場合、正則化パラメータλが小さくなるように調整されて、再度、誤差関数の値を最小にする各特徴量の重みαが特定される。正則化パラメータλを小さくすると、正則化項αKαが誤差関数の値に与える影響が小さくなる一方で、判別誤差が誤差関数の値に与える影響が大きくなる。このため、正則化パラメータλが小さくなるように調整すると、調整前よりも、判別誤差を小さくする各特徴量の重みαが誤差関数の値を最小にする各特徴量の重みαとして特定されることが可能となる。判別誤差は、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差、及び、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差で規定されるものである。さらに、該判別誤差は、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差、及び、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の何れかの絶対値が小さくなると、小さくなり、何れかが大きくなると、大きくなる。つまり、判別誤差が小さくなると、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差の絶対値、又は、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値が小さくなる。溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差の絶対値が小さくなると、該絶対値よりも、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値が大きくなる溶接品質Aを有する学習用溶接部の数が減少する。同様に、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値が小さくなると、該絶対値よりも、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値が大きくなる溶接品質Bを有する学習用溶接部の数が減少する。従って、判別誤差が小さくなると、誤判別個数が小さくなる。従って、正則化パラメータを調整する前において特定した各特徴量の重みαを、判別関数f(x)を構成する各特徴量の重みαに仮に採用したときの誤判別個数が所定値以上の場合であっても、正則化パラメータλが小さくなるように調整することで、誤判別個数が所定値未満となる各特徴量の重みαを特定でき、特定した各特徴量の重みαを、判別関数を構成する各特徴量の重みαに採用することを確定して、判別関数f(x)を決定できる。
また、前述した式(2)で表現された判別関数f(x)は、カーネル関数k(x,x’)と特徴情報を構成する各特徴量の重みαとを有し、写像関数を有していない。このため、誤判別個数を算出する際に、写像関数を計算する必要がない。換言すれば、判別関数を決定するために、写像関数を計算する必要がない。写像関数の計算量は膨大である。このため、判別関数f(x)の決定のために、写像関数を計算する必要がない溶接品質判別装置100は、判別関数f(x)を少ない計算量で決定できる。
判別部3は、判別対象溶接部の溶接品質が溶接品質Aであるか溶接品質Bであるかを判別する。判別部3は、取得部1によって取得した特徴量から構成される特徴情報を、決定部2が決定した判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力して、判別関数f(x)の出力値、即ち、該特徴情報を示すデータ点を写像空間に写像した写像点を算出する。そして、判別部3は、判別対象溶接部の溶接品質を、前記の2つの領域の何れかの領域のうち、写像点が位置すると判別した領域に対応する溶接品質であると判別する。具体的に説明すれば、判別部3は、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)の出力値と溶接品質Aに対応する値との差の絶対値と、前記判別関数f(x)の出力値と溶接品質Bに対応する値との差の絶対値とを比較し、前者の方が小さければ判別対象溶接部は溶接品質Aであると判別し、後者の方が小さければ判別対象溶接部は溶接品質Bであると判別する。本実施形態では、前述のように、溶接品質Aに対応する値は1とされ、溶接品質Bに対応する値は−1とされているため、判別関数f(x)が両者の中間の値となるとき、すなわち、f(x)=0が、前記写像空間を二分する判別境界に相当することになる。
尚、判別関数f(x)の出力値に殆ど影響を与えない又は全く影響を与えない特徴量の重みは、決定部2によって0と特定される可能性が高い。上述のように、決定部2は、誤差関数を最小とする特徴情報を構成する各特徴量の重みαを特定する。誤差関数は、判別誤差と正則化項αKαとの和からなる関数である。判別誤差は、溶接品質Aに対応する判別関数の出力値と溶接品質Aに対応する値との差、及び、溶接品質Bに対応する判別関数の出力値と溶接品質Bに対応する値との差で規定され、前記2つの差の何れかの絶対値が小さくなれば小さくなり、大きくなれば大きくなるものである。すなわち、判別誤差は、判別関数f(x)の出力値に応じて変動する。判別関数f(x)は、前述した式(2)より、特徴量の重みに応じて変動する。このため、判別関数f(x)の出力値に殆ど影響を与えない又は全く影響を与えない特徴量の重みを変動させた場合における判別誤差の変動量は小さい。正則化項αKαは、各特徴量の重みαと正の相関を有する。このため、判別誤差と正則化項との和からなる誤差関数の値は、判別誤差の変動量が小さい特徴量の重みを最小(即ち、0)にすることで、小さくなる可能性が高い。従って、判別関数f(x)の出力値に殆ど影響を与えない又は全く影響を与えない特徴量の重みは、決定部2によって0と特定される可能性が高い。
判別部3が判別対象溶接部の溶接品質を判別するために、決定部2が決定した判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力される特徴情報を、上記のように重みが0と特定された特徴量以外の特徴量から構成される特徴情報としてもよい。このような特徴情報を決定部2が決定した判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力される特徴情報とする場合、重みが0と特定された特徴量が判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力されず、その分、判別対象溶接部の溶接品質の判別に必要な計算量が低減される。判別対象溶接部の溶接品質の判別に必要な計算量が低減されることで、判別対象溶接部の溶接品質を高速に判別できる。また、上述のように、判別関数f(x)の出力値に殆ど影響を与えない又は全く影響を与えない特徴量の重みが0と特定される可能性が高い。従って、重みが0と特定された特徴量が判別関数f(x)のカーネル関数k(x,x’)に入力されなくても、判別関数f(x)の出力値を用いて行う判別対象溶接部の溶接品質の判別は、一定の精度以上で行うことができる。
また、本実施形態では、判別誤差が、凸関数である前述した式(8)のγcostを用いて表現される。前述した式(8)のγcostは凸関数であるので、局所解に陥ることなく、判別誤差の値を最小にする重みαを求めることができる。このため、判別誤差を所定値未満にする重みαを効率的に特定できる。
さらに、本実施形態では、判別対象溶接部の溶接品質が2つの溶接品質(溶接品質A及び溶接品質B)の何れであるかを判別する例について説明したが、前述した決定部2及び判定部3の動作を繰り返すことにより、判別対象溶接部の溶接品質が3つ以上の溶接品質の何れであるかを判別することも可能である。例えば、前述した溶接品質Aが溶接良好な状態であり、前述した溶接品質Bが溶接不良の状態である場合を考える。そして、溶接不良(溶接品質B)が更に溶接不良B1及び溶接不良B2の何れかの溶接品質に区分できる場合を考える。すなわち、溶接品質が、溶接良好(溶接品質A)、溶接不良B1及び溶接不良B2の何れかに区分できる場合を考える。この場合、先ず決定部2においては、判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好(溶接品質A)及び溶接不良(溶接品質B)の何れであるかを判別するための判別境界を示す判別関数を、前述した手順で決定する。判別部3は、決定部2で決定したこの判別関数を用いて、判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好(溶接品質A)及び溶接不良(溶接品質B)の何れであるかを判別する。次に、決定部2においては、溶接不良(溶接品質B)であると判別された判別対象溶接部の溶接品質が、溶接不良B1及び溶接不良B2の何れであるかを判別するための判別境界を示す判別関数を、前述したのと同様の手順で決定する。判別部3は、決定部2で決定したこの判別関数を用いて、溶接不良(溶接品質B)であると判別された判別対象溶接部の溶接品質が溶接不良B1及び溶接不良B2の何れであるかを判別する。これにより、判別対象溶接部は、3つの溶接品質A、B1、B2の何れであるか判別されることになる。以上に述べた手順と同様の手順を繰り返せば、判別対象溶接部の溶接品質が4つ以上の溶接品質の何れであるかを判別することが可能である。
上記のように、溶接不良を更に細かく区分して(例えば、溶接不良の要因毎に区分して)判別すれば、例えば、判別結果に応じた(溶接不良の要因に応じた)スポット溶接機の不具合箇所を特定し易く、迅速なスポット溶接機の調整が可能になるといった、溶接機の運用面での利点が得られる。
一方、溶接良好を更に区分して判別することにより、溶接品質の判別精度が向上することを期待できる。以下、この点について説明する。
スポット溶接機の通電中には、(1)電極E1(又はE2)と被溶接材M1(又はM2)との接触面積の拡大、及び、被溶接材M1と被溶接材M2との接触面積の拡大による通電抵抗の減少と、(2)被溶接材M1、M2の溶接部の温度上昇による通電抵抗の増加とが同時に生じ、これらが複合することによって様々な通電抵抗の信号波形(溶接電圧の信号波形)の変化が生じる。具体的には、チリが発生すると急激に通電抵抗が低下するという特徴的な信号波形の変化が生じたり、接触面積が急速に拡大すると通電抵抗の上昇が抑えられるなど、溶接品質が良好な場合(例えば、溶接部のナゲット径が予め定めた基準値と比較して大きい場合)であっても、通電抵抗等の信号波形にはいくつかのパターンが存在する(後述する図9参照)。このため、溶接良好であってもチリが発生する等の特殊なケースを、他の溶接良好なケースと全く同じ溶接品質として取り扱う(全てのケースを溶接良好な溶接品質として纏めてしまい、それ以上の区分を行わない)と、溶接良好な溶接品質(チリが発生する等の特殊なケースも含む)を有する学習用溶接部の特徴情報に過度のバラツキが生じて、判別関数(判別境界)を精度良く決定できない結果、判別対象溶接部の判別精度が低下するおそれがある。このため、たとえ最終的な判別結果としてはいずれも溶接良好として纏めた形で外部に出力するとしても、少なくとも溶接品質判別装置100の内部では、溶接良好を更に区分して(例えば、チリが発生する場合と発生しない場合とに区分して)判別する構成とすることにより、溶接品質の判別精度が向上することを期待できる。
具体的には、例えば、溶接品質が、溶接良好A1、溶接良好A2、溶接不良B1及び溶接不良B2の何れかに区分できる場合を考える。溶接良好A1の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報のバラツキや、溶接良好A2の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報のバラツキは、溶接良好A1及び溶接良好A2を溶接良好として一纏めにする場合の特徴情報のバラツキに比べて、抑制されることが期待できる。そして、先ず決定部2においては、各溶接品質(溶接良好A1、溶接良好A2、溶接不良B1及び溶接不良B2)を有する学習用溶接部の特徴情報を用いて、判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好A1及びその他の溶接品質(溶接良好A2、溶接不良B1、溶接不良B2)の何れであるかを判別するための判別境界を示す判別関数を、前述した手順で決定する。この際、前述のように、溶接良好A1の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報のバラツキが小さければ、上記の判別関数を精度良く決定し得ることが期待できる。判別部3は、決定部2で決定したこの判別関数を用いて、判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好A1及びその他の溶接品質(溶接良好A2、溶接不良B1、溶接不良B2)の何れであるかを判別する。次に、決定部2においては、その他の溶接品質であると判別された判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好A2及び溶接不良(溶接不良B1及び溶接不良B2)の何れであるかを判別するための判別境界を示す判別関数を、前述したのと同様の手順で決定する。前述のように、溶接良好A2の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報のバラツキが小さければ、上記の判別関数を精度良く決定し得ることが期待できる。判別部3は、決定部2で決定したこの判別関数を用いて、その他の溶接品質であると判別された判別対象溶接部の溶接品質が溶接良好A1及び溶接不良(溶接不良B1、溶接不良B2)の何れであるかを判別する。以下、同様にして、溶接不良であると判別された判別対象溶接部の溶接品質が溶接不良B1及び溶接不良B2の何れであるかを判別すれば、最終的には、判別対象溶接部は、4つの溶接品質A1、A2、B1、B2の何れであるか判別されることになる。
図9は、溶接品質が溶接良好であるものを更に複数の溶接品質(溶接良好1〜5)に区分した例を示す。図10は、溶接品質が溶接不良であるものを更に複数の溶接品質(溶接不良1〜4)に区分した例を示す。図9、図10に示す例では、チリ発生の有無や電極の汚損の有無、その他の外乱要因の有無に関わらず、溶接部のナゲット径が予め定めた基準値と比較して大きい場合には溶接良好とされ、基準値以下の場合には溶接不良とされることを前提にしている。しかしながら、例えば、図9に示す「溶接良好5」の信号波形が得られた溶接部を溶接不良に属するものとして学習させることにより、溶接位置のずれが生じる場合を溶接不良として検出させるなど、目的や必要に応じて溶接品質を任意に分類することが可能である。
なお、本実施形態では、溶接品質を溶接電流及び溶接電圧を用いて判別する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限るものではなく、図11に示すように、溶接用電極の加圧力や溶接用電極の変位を用いて溶接品質を判別する構成とすることも可能である。
図11は、本発明に係る溶接品質判別装置の変形例を示す概略構成図である。図11に示すように、本変形例に係る溶接品質判別装置100Aは、前述した溶接品質判別装置100と同様に、特徴量を取得するための取得部1Aと、判別関数を決定する決定部(図示省略)と、溶接品質を判別する判別部(図示省略)とを備える。溶接品質判別装置100Aが備える決定部及び判別部の機能は、前述した溶接品質判別装置100と同様であるため、これらの説明を省略し、以下、取得部1Aについて説明する。
取得部1Aは、被溶接材M1、M2の溶接部Wをスポット溶接する際の電極E2の加圧力を検出する検出手段としてのロードセル11Aと、被溶接材M1、M2の溶接部Wをスポット溶接する際の電極E1の変位を検出する手段としての変位計12Aとを具備する。また、取得部1Aは、特徴量抽出手段13と、データロガー14とを具備する。ロードセル11Aは、電極E2の荷重負荷を受ける位置に配置され、これにより溶接中の電極E2の加圧力の経時変化が計測される。また、変位計12Aは、接触式又は非接触式の変位センサ121Aと、変位センサ121Aによる変位測定対象となる測定対象部122Aとを具備する。変位センサ121A及び測定対象部122Aのいずれか一方は、スポット溶接機の可動部(電極と一体的に可動する部分)に取り付けられ、いずれか他方は、スポット溶接機の不動部に取り付けられる。図11に示す例では、変位センサ121Aが不動部に取り付けられ、測定対象部122Aが可動部に取り付けられている。変位センサ121Aによって測定対象部122Aの変位が測定される(変位センサ121Aと測定対象部122Aとの距離が測定される)ことで、溶接中の電極E1の変位が計測される。計測された電極E2の加圧力及び電極E1の変位は、直接又はデータロガー14を介して、特徴量抽出手段13に入力され、特徴量抽出手段13は、電極E2の加圧力及び電極E1の変位に基づき特徴量を抽出する。なお、本変形例では、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位の双方を用いて溶接品質を判別する(双方に基づき特徴量を抽出する)構成について説明したが、いずれか一方のみを用いて溶接品質を判別することも可能である。また、前述した溶接電流や溶接電圧と組み合わせて溶接品質を判別することも可能である。
以下、本実施形態に係る溶接品質判別装置100、100Aを用いて溶接品質(溶接が良好であるか、溶接が不良であるか)を判別する試験を行った結果について説明する。
<判別試験1>
図1に示すように、引っ張り強さが270MPaで、板厚が0.7mmの鋼板からなる被溶接材M1、M2を重ね合わせて、電極E1、E2で挟み込み、スポット溶接した際の溶接品質を判別する試験を行った。被溶接材M1、M2のスポット溶接にはエア加圧式の定置型スポット溶接機を用い、電極E1、E2による加圧力を150kgf、溶接電流(設定値)を8.5kAに設定して、1打点当たり5周期の通電(1周期が1/60secなので、通電時間にして約80msec)を行った。電極E1、E2としては、先端の曲率半径が40mmで、先端の径が6mmであるドームラジアス型電極を用いた。電流・電圧測定器11としては、ミヤチテクノス社製のウェルドチェッカーを用い、サンプリング速度は0.1msecとした。
ここで、電極E1、E2に通電した後の被溶接材M1、M2の溶接部には、図5に示すように、被溶接材M1と被溶接材M2との界面を中心に、楕円体状の溶融・凝固した部分Nが形成され、この部分を前述のようにナゲットと称する。本判別試験では、以下に示す手順で、このナゲットNの直径(ナゲット径)を測定し、その値の大小で、実際の溶接品質(溶接の良・不良)を判定した。
図6は、実際の溶接品質(溶接の良・不良)を判定する方法を説明する説明図である。図6(a)に示すように、溶接した被溶接材M1、M2のうち、図6(b)に示すように、一方の被溶接材M1を他方の被溶接材M2に対して捩って、溶接部Wを破断させる。そして、図6(c)に示すように、破断面をルーペで観察することにより破断径dを測定し、これをナゲット径とした。なお、溶接部Wを破断させる場合、図6(c)の(i)に示すように、被溶接材M1と被溶接材M2との界面で破断が生じる場合と、図6(c)の(ii)に示すように、被溶接材M1又はM2の母材で破断が生じる場合がある。被溶接材M1と被溶接材M2との界面で破断が生じる場合には、外部に露出したナゲットNの寸法を破断径(ナゲット径)dとした。一方、被溶接材M1又はM2の母材で破断が生じる場合には、母材の破断箇所の寸法を破断径(ナゲット径)dとした。本判別試験においては、上記の何れの破断形態であっても、ナゲット径dが2.5mmを超える場合に「良」と判定し、2.5mm以下の場合には「不良」と判定した。
図7は、スポット溶接における電極の摩耗と溶接部のナゲット径の変化の一例を示す図である。図7(a)は電極の先端と被溶接材との接触状況の変化を、図7(b)は溶接部のナゲット径の変化を示す。なお、電極の先端と被溶接材との接触状況は、所定の打点数のスポット溶接が終了する毎に、電極と被溶接材との間に感圧紙を配置することによって観察した。図7(a)に示すように、打点数の増加に伴って、電極E1、E2の先端と、被溶接材M1、M2との接触面積が増加する。そして、数百点の溶接の後には、接触部がドーナツ状になるなど、接触状況が不安定になる。これに伴い、図7(b)に示すように、同一の溶接条件で得られるナゲット径dも変化し、やがてナゲットNが形成されなくなる。
以上に説明した破断試験によるナゲット径の測定結果に基づき溶接品質(溶接の良・不良)を判定するという手法は、一般的に利用されており、本判別試験においても、学習用溶接部の溶接品質の判定や、溶接品質判別装置100の判別結果の評価に利用した。
ここで、破断試験によるナゲット径の測定は測定誤差を含むため、特に判定しきい値(例えば2.5mm)付近における溶接部の実際の溶接品質の判定結果は曖昧なものとなるおそれがある。このため、破断試験によるナゲット径の測定結果に基づく学習用溶接部を利用する本実施形態に係る溶接品質判別装置100においても、その判別結果に曖昧さが残るおそれがある。そこで、本実施形態に係る溶接品質判別装置100(判別部3)は、判別対象溶接部の溶接品質(溶接の良・不良)に加えて、その判別結果の確信度も算出するように構成されている。この確信度は、判別対象溶接部の特徴情報を示すデータ点を写像空間に写像した写像点と、前記写像空間を二分する判別境界との直線距離で表され、具体的には、以下の式(38)のDで表される。

上記式(38)において、下付き文字lは、判別対象溶接部の識別子を示す。また、yは、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)≧0のときには各成分が1のベクトルを示し、上記の判別関数f(x)<0のときには各成分が−1のベクトルを示す。
上記の式(38)で表される確信度Dは、0から1までの値となり得る。
ここで、例えば、判別関数f(x)≧0となる領域が溶接良好であり、判別関数f(x)<0となる領域が溶接不良であるとする。このとき、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)≧0で且つその確信度D=1であるとすれば、この判別対象溶接部の溶接品質は溶接良好であると判別され、その判別結果(溶接良好)の確らしさは100%(溶接不良である確からしさは0%)であることを意味する。判別結果の確からしさ(%)は、(0.5×D+0.5)×100で表される。また、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)≧0で且つその確信度D=0であるとすれば、この判別対象溶接部の溶接品質は溶接良好であると判別され、その判別結果(溶接良好)の確らしさは50%であることを意味する。同様に、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)<0で且つその確信度D=1であるとすれば、この判別対象溶接部の溶接品質は溶接不良であると判別され、その判別結果(溶接不良)の確らしさは100%であることを意味する。また、判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの判別関数f(x)<0で且つその確信度D=0であるとすれば、この判別対象溶接部の溶接品質は溶接不良であると判別され、その判別結果(溶接不良)の確らしさは50%であることを意味する。
以上のように、判別した判別対象溶接部の溶接品質と共に、この判別対象溶接部の判別結果の確信度を算出する構成とすれば、例えば、溶接良好と判別されたがその確信度が低い場合(所定のしきい値以下である場合)には、他の装置による溶接品質の再検査を実施したり、或いは、一律に溶接不良の状態であると取り扱って、溶接不良品が流出するおそれを未然に防ぐことが可能である。
本判別試験では、60組の被溶接材を溶接し、そのうち41組の被溶接材の溶接部を学習用溶接部とし、残りの19組の被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とした。本判別試験では、前述のように、溶接電流及び溶接電圧の信号波形のフラクタル次元を特徴量として用い、学習用溶接部の実際の溶接品質を破断試験によって評価した。
図8は、本判別試験の評価結果を示す。図8に示す「判別結果」は、溶接品質判別装置100による判別結果を示し、「ナゲット径」は、破断試験によるナゲット径の測定結果を示す。そして、図8には、溶接品質判別装置100によって算出した「良・不良」それぞれの判別結果についての確らしさ(=(0.5×D+0.5)×100)も示している。
図8に示すように、本実施形態に係る溶接品質判別装置100によれば、溶接部ナゲット径による「良・不良」判定のしきい値(2.5mm)付近の被溶接材(No.13〜No.16)を除き、ナゲット径による「良・不良」判定と合致する判別結果が得られていることが分かる。そして、溶接部ナゲット径による「良・不良」判定のしきい値付近の上記被溶接材では、判別結果の確からしさが「良・不良」ともに50%程度となり、良・不良の何れの領域に属するか微妙な判別結果となっていることが分かる。
<判別試験2>
本判別試験でも図1に示す構成を有する溶接品質判別装置100を用いた。ただし、本判別試験では、図13に示すように、引張り強さが590MPaで板厚が2.0mmの鋼板からなる被溶接材M1、M2と、引張り強さが270MPaで板厚が0.7mmの鋼板からなる被溶接材M3とを重ね合わせた、計3枚の被溶接材を電極E1、E2で挟み込み、スポット溶接した際の溶接品質を判別した。被溶接材M1、M2、M3のスポット溶接にはサーボ加圧式で直流電源のスポット溶接機を用い、電極E1、E2による加圧力を3.2kN、溶接電流(設定値)を7.8kAに設定して、1打点当たり通電時間417msecの通電を行った。電極E1、E2としては、先端の曲率半径が40mmで、先端の径が6mmであるドームラジアス型電極を用いた。電流・電圧測定器11としては、ミヤチテクノス社製のウェルドチェッカーを用い、サンプリング速度は約0.38msecとした。
ここで、電極E1、E2に通電した後の被溶接材M1、M2、M3の溶接部には、図14に示すように、楕円体状の溶融・凝固した部分(ナゲット)Nが形成される。本判別試験では、以下に示す手順で、このナゲットN各部の直径(ナゲット径)を測定し、その値の大小で実際の溶接品質(溶接の良・不良)を判定した。
図15は、実際の溶接品質(溶接の良・不良)を判定する方法を説明する説明図である。図15(a)に示すように、溶接された被溶接材M1、M2、M3を溶接部Wの中央を通る断面が観察できるように切断し、研磨・腐食を行った。腐食後の断面写真の一例を図15(b)に、その模式図を図15(c)に示す。図15(c)に示すように、被溶接材M1と被溶接材M2との界面におけるナゲットNの直径をナゲット径D1、被溶接材M2と被溶接材M3との界面におけるナゲットNの直径をナゲット径D2と定義し、それぞれを測定した。本判別試験においては、ナゲット径D1が5.5mm(被溶接材M1、M2の板厚の平方根の4倍に相当)を超え、且つ、ナゲット径D2が3.3mm(被溶接材M3の板厚の平方根の4倍に相当を越える場合に「良」と判定し、ナゲット径D1及びD2のうち、いずれか一方でも上記条件を満たさない場合には「不良」と判定した。
図16は、スポット溶接における電極の摩耗と溶接部のナゲット形成状態の変化の一例を示す図である。図16(a)は電極の先端と被溶接材との接触状況の変化を、図16(b)は溶接部のナゲット径D1、D2の変化を示す。図16(a)に示すように、打点数の増加に伴って、電極E1、E2の先端と、被溶接材M1、M3との接触面積が増加する。これに伴い、図16(b)に示すように、同一の溶接条件で得られるナゲット径D1、D2が変化し、ナゲット径D2が前述した3.3mmに満たなくなる。
以上に説明した断面観察によるナゲット径の測定結果を、学習溶接部の溶接品質の判定や、溶接品質判別装置100の判別結果の評価に利用した。
本判別試験では、交差検定法により、65組の被溶接材の溶接部の溶接品質を評価した。具体的には、65組の被溶接材を第1グループ(22組)、第2グループ(22組)及び第3グループ(21組)に分け、第1グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第2及び第3グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用いた。同様に、第2グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第1及び第3グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用い、第3グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第1及び第2グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用いた。本判別試験では、溶接電圧の信号波形の近似曲線の係数パラメータ及び前述のパラメータμ、σ、γを特徴量として用いる場合(その結果を後述する図17に示す)と、溶接電圧の信号波形のフラクタル次元を特徴量として用いる場合(その結果を後述する図18に示す)との双方で判別を行った。また、学習用溶接部の実際の溶接品質を前述した断面観察によって評価した。
図17は、特徴量として溶接電圧の信号波形の近似曲線の係数パラメータ及び前述のパラメータμ、σ、γを特徴量として用いた場合における、本判別試験の評価結果を示す。図17に示す「判別結果」は、溶接品質判別装置100による判別結果を示し、「実際の品質」は、断面観察による実際の溶接品質の評価結果を示す。図17に示す「確らしさ」は、図8に示すものと同義である。
図17に示すように、7個の被溶接材(No.53、No.57、No.60、No.67、No.69、No.71、No.81)を除き、実際の「良・不良」判定と合致する判別結果が得られていることが分かる。
図18は、特徴量として溶接電圧の信号波形のフラクタル次元を特徴量として用いた場合における、本判別試験の評価結果を示す。図18に示す「判別結果」、「実際の品質」及び「確らしさ」は、図17に示すものと同義である。
図18に示すように、14個の被溶接材(No.53、No.55、No.57、No.60、No.63、No.67、No.70〜No.72、No.76、No.78、No.80、No.82、No.83)を除き、実際の「良・不良」判定と合致する判別結果が得られていることが分かる。
図17に示す評価結果と図18に示す評価結果とを比較すれば、いわゆる3枚組溶接については、信号波形の情報をより詳細に表現できると考えられる、信号波形の近似曲線の係数パラメータ及びパラメータμ、σ、γを特徴量として用いた場合(図17)の方が、優れた判別精度が得られることが分かる。
<判別試験3>
本判別試験では図11に示す構成を有する溶接品質判別装置100Aを用いた。ただし、変位計12Aは用いなかった。図11に示すように、引張り強さが590MPaで板厚が2.0mmの鋼板からなる被溶接材M1と、引張り強さが270MPaで板厚が0.7mmの鋼板からなる被溶接材M2とを重ね合わせて、電極E1、E2で挟み込み、スポット溶接した際の溶接品質を判定する試験を行った。被溶接材M1、M2のスポット溶接には、サーボ加圧式で直流電源のスポット溶接機を用い、電極E1、E2による加圧力を2.5kN、溶接電流(設定値)を7.0kAに設定して、1打点当たり通電時間417msecの通電を行った。電極E1、E2としては、先端の曲率半径が40mmで、先端の径が6mmであるドームラジアス型電極を用いた。そしてロードセル11Aから電圧として出力される加圧力の信号波形をデータロガー14で収集し、特徴量抽出手段13に入力した。
ここで、電極E1、E2に通電した後の被溶接材M1、M2の溶接部には、図19に示すように、楕円体状のナゲットNが形成される。本判別試験でも、図15を参照して説明したのと同様の手順で、被溶接材M1と被溶接材M2との界面におけるナゲットNの直径(ナゲット径)DIを測定した。本判別試験においては、上記の界面におけるナゲット径DIが3.3mm(被溶接材M2の板厚の平方根の4倍に相当)を超える場合に溶接品質を「良」と判定し、3.3mm以下の場合に「不良」と判定した。
図20は、スポット溶接における溶接部のナゲット径の変化の一例を示す図である。図20(a)に示すように、打点数の増加に伴って、同一の溶接条件で得られるナゲット径DIが変化し、ナゲット径DIが前述した3.3mmに満たなくなる。なお、本試験のように、被溶接材M1と被溶接材M2の材質や板厚が異なる場合には、図20(b)に示すように、一方の被溶接材の内部にナゲットNが形成されていても、被溶接材M1と被溶接材M2との界面では、ナゲット径DIが3.3mmを満たさない場合や、全く接合されない場合もある。スポット溶接部の継手としての強さを確保するためには、被溶接材の界面同士が強固に接合されていることが必要であるため、界面のナゲット径DIに基づき溶接品質の良否を評価することは一般的である。
以上に説明した断面観察による界面のナゲット径の測定結果を、学習溶接部の溶接品質の判定や、溶接品質判別装置100Aの判別結果の評価に利用した。
本判別試験では、交差検定法により、46組の被溶接材の溶接部の溶接品質を評価した。具体的には、46組の被溶接材を第1グループ(15組)、第2グループ(15組)及び第3グループ(16組)に分け、第1グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第2及び第3グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用いた。同様に、第2グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第1及び第3グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用い、第3グループの被溶接材の溶接部を判別対象溶接部とする場合には、第1及び第2グループの被溶接材の溶接部を学習用溶接部として用いた。本判別試験では、溶接電圧の信号波形の近似曲線の係数パラメータ及び前述のパラメータμ、σ、γを特徴量として用いる場合(その結果を後述する図21に示す)と、溶接電圧の信号波形のフラクタル次元を特徴量として用いる場合(その結果を後述する図22に示す)との双方で判別を行った。また、学習用溶接部の実際の溶接品質を前述した断面観察によって評価した。
図21は、特徴量として溶接電圧の信号波形の近似曲線の係数パラメータ及び前述のパラメータμ、σ、γを特徴量として用いた場合における、本判別試験の評価結果を示す。図21に示す「判別結果」、「実際の品質」及び「確らしさ」は、図17や図18に示すものと同義である。
図21に示すように、3個の被溶接材(No.101、No.110、No.113)を除き、実際の「良・不良」判定と合致する判別結果が得られていることが分かる。
図22は、特徴量として溶接電圧の信号波形のフラクタル次元を特徴量として用いた場合における、本判別試験の評価結果を示す。図22に示す「判別結果」、「実際の品質」及び「確らしさ」は、図21に示すものと同義である。
図22に示すように、4個の被溶接材(No.108、No.111、No.112、No.114)を除き、実際の「良・不良」判定と合致する判別結果が得られていることが分かる。
図21に示す評価結果と図22に示す評価結果とを比較すれば、いずれの特徴量を用いる場合であっても、同程度の優れた判別精度が得られることが分かる。
1・・・取得部
2・・・決定部
3・・・判別部
11・・・電流・電圧測定器
12・・・コイル
13・・・特徴量抽出手段
100・・・溶接品質判別装置
E1、E2・・・電極
M1、M2・・・被溶接材
S1、S2・・・シャンク
W・・・溶接部

Claims (2)

  1. 溶接品質が未知の判別対象溶接部を溶接した際の、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量に基づいて得られた複数の特徴量を成分とする特徴情報を示すデータ点を、前記特徴情報を構成する特徴量の数よりも高い次元数の写像空間に写像した写像点が、前記写像空間を二分することによって形成された2つの溶接品質の領域の何れに位置するかを判別し、前記判別対象溶接部の溶接品質を前記写像点が位置すると判別した領域に対応する溶接品質であると判別する溶接品質判別装置において、
    前記特徴量を取得するための取得部と、前記写像空間を二分する判別境界を示す判別関数を決定する決定部と、該決定部によって決定された判別関数に前記判別対象溶接部の特徴情報を入力したときの該判別関数の出力値に基づいて、前記判別対象溶接部の溶接品質を判別する判別部とを備え、
    前記取得部は、前記判別対象溶接部を溶接する際の、溶接電流、溶接電圧、溶接用電極の加圧力及び溶接用電極の変位のうちの少なくとも一つの物理量を検出する検出手段と、該検出手段によって検出した前記物理量に基づき前記特徴量を抽出する特徴量抽出手段とを具備し、
    前記2つの溶接品質のそれぞれは、予め設定された互いに異なる溶接品質であり、
    前記決定部は、前記2つの溶接品質の何れかを有することが既知である学習用溶接部の前記特徴情報を用いて前記判別関数を決定し、
    前記判別関数は、前記2つの溶接品質のうち一方又は他方の溶接品質を有する前記学習用溶接部の特徴情報が入力されると、前記特徴情報が入力された学習用溶接部の写像点を出力するカーネル関数k(x,x’)と、前記カーネル関数k(x,x’)に付され、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みとから構成された関数であり、
    前記カーネル関数k(x,x’)は、要素がk(x,x’)で与えられる行列Kが半正定値であるカーネル関数であり、xは、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報であり、x’は、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報であり、
    前記決定部は、
    前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差、及び、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差で規定され、前記2つの差の何れかの絶対値が小さくなれば小さくなり、大きくなれば大きくなる判別誤差と、前記判別関数の次元数に対し正の相関を有し、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みに応じて変動すると共に、正則化パラメータが乗じられた正則化項との和からなる誤差関数の値を最小にするように、所定の正則化パラメータについて、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを特定し、
    前記誤差関数の値を最小にするように特定した前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを、前記判別関数を構成する各特徴量の重みとして仮に採用したときにおいて、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値よりも、前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値の方が小さくなる前記一方の溶接品質を有する学習用溶接部の数と、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記他方の溶接品質に対応する値との差の絶対値よりも、前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の特徴情報を前記カーネル関数k(x,x’)に入力したときの前記判別関数の出力値と前記一方の溶接品質に対応する値との差の絶対値の方が小さくなる前記他方の溶接品質を有する学習用溶接部の数とを加算した誤判別個数が、所定値以上の場合は、前記正則化パラメータを調整して、再度、前記誤差関数の値を最小にするように、前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを特定し、
    前記誤判別個数が所定値未満の場合は、前記誤差関数の値を最小にするように特定した前記特徴情報を構成する各特徴量の重みを、前記判別関数を構成する各特徴量の重みとして採用することを確定して、前記判別関数を決定することを特徴とする溶接品質判別装置。
  2. 前記判別部は、判別した前記判別対象溶接部の溶接品質と共に、当該判別対象溶接部の特徴情報を示すデータ点を前記写像空間に写像した写像点と、前記写像空間を二分する前記判別境界との距離で表される当該判別対象溶接部の判別結果の確信度を算出することを特徴とする請求項1に記載の溶接品質判別装置。
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