JP6680430B1 - 生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 - Google Patents
生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6680430B1 JP6680430B1 JP2018199560A JP2018199560A JP6680430B1 JP 6680430 B1 JP6680430 B1 JP 6680430B1 JP 2018199560 A JP2018199560 A JP 2018199560A JP 2018199560 A JP2018199560 A JP 2018199560A JP 6680430 B1 JP6680430 B1 JP 6680430B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- time zone
- data
- time
- deviation
- variable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 151
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 title claims abstract description 67
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 32
- 230000007547 defect Effects 0.000 claims abstract description 130
- 230000008569 process Effects 0.000 claims abstract description 60
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims abstract description 58
- 230000001364 causal effect Effects 0.000 claims abstract description 49
- 230000002950 deficient Effects 0.000 claims description 32
- 238000000605 extraction Methods 0.000 claims description 30
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 claims description 23
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 claims description 13
- 238000007430 reference method Methods 0.000 claims description 13
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 claims description 8
- 238000010276 construction Methods 0.000 claims description 8
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 claims description 8
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 claims description 5
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 abstract description 37
- 230000008859 change Effects 0.000 abstract description 34
- 238000010586 diagram Methods 0.000 abstract 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 34
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 33
- 239000000463 material Substances 0.000 description 25
- 238000010008 shearing Methods 0.000 description 25
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 19
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 17
- 239000013598 vector Substances 0.000 description 13
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 11
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 8
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 6
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 6
- 230000003993 interaction Effects 0.000 description 6
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 6
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 5
- 230000005489 elastic deformation Effects 0.000 description 4
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 4
- 238000005555 metalworking Methods 0.000 description 4
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 4
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 2
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 2
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 2
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 2
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 2
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 description 1
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 1
- 210000004556 brain Anatomy 0.000 description 1
- 238000013480 data collection Methods 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 238000002405 diagnostic procedure Methods 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000007717 exclusion Effects 0.000 description 1
- 230000001788 irregular Effects 0.000 description 1
- 238000012847 principal component analysis method Methods 0.000 description 1
- 238000003908 quality control method Methods 0.000 description 1
- 238000013441 quality evaluation Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 208000024891 symptom Diseases 0.000 description 1
- 230000000946 synaptic effect Effects 0.000 description 1
- 238000013024 troubleshooting Methods 0.000 description 1
- 238000007514 turning Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P90/00—Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
- Y02P90/02—Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
Landscapes
- General Factory Administration (AREA)
- Control Of Presses (AREA)
Abstract
Description
しかし、品質の良否を判定するために予め設定する目標値の精度上の課題や、当該検査の目的に必ずしも適合したデータが採取できるとは限らないなど、現状の品質検査では突然に不良品を検出したり、微妙な不良品を見逃すなど不良検出の性能上の課題があった。また、工作機械の健全性診断においても当該加工過程におけるデータの時間的変動が大きいこと、加工条件の変更など多種多様な外乱が混在することから、所定の閾値との比較による警報発令の時点では異常種別によっては故障発生のリスクが大きく、あるいは正常状態を異常と誤判定してしまうという異常検出の感度や信頼性に課題があった。さらに、当該生産対象物の品質不良が生じていない段階であっても、工作機械等の設備側の微小な劣化状態が当該品質の低下を招いていることを検知できないために、安定した品質管理が困難であるという課題があった。
本従来技術に係るプレス機械の診断方法は、プレス機械の機枠に加わる荷重を測定し、測定した荷重に基づいてプレス機械の診断を行うもので、荷重の立ち上がり時間に基づいてプレス機械の総合ガタを診断することに特化したものであり、金型の状態変化や被加工材の性質などを総合的に勘案し品質を評価するという観点に欠けており、生産対象物の品質低下の予兆を把握できないという課題があった。
オークマ株式会社は、AEセンサでセンシングを行ない、主軸の異常や劣化状態を正確に検知して、主軸のダメージを判断し、アラームを表示させることを提案している。主軸回転指令と送り軸駆動指令を受けて、AEセンサを用いて振動データを計測し、そのデータが主軸回転情報から求められたしきい値を超えた数をレベルカウント回路でカウントし、そのカウント数とアラームレベルを比較し主軸の状態を判断し、必要ならばアラーム表示器にアラームを表示させるというものである。この際、計測されたAE振動波形の事象率をカウントし、軸受の異常を判断する際、計測された事象率とそれ以前に計測された任意の回数分の事象率とを合わせた平均事象率を計算し、1回の事象率と平均事象率の値をあらかじめ設定してある軸受異常事象率レベルと比較することで、主軸の状態を判断することとした工夫はあるものの、主軸の異常監視に着目しているのみであり、加工過程が工作機械・金型・被加工体の3体に関連していることへの配慮がなされておらず、金型の状態変化や被加工材の性質などを総合的に勘案し品質を評価するという観点に欠けており、生産対象物の品質低下の予兆を把握できないという課題があった。
そして、特定した工具に関連付けて測定した電流データもしくは振動データの時系列を、過去からの保存した時系列とを比較解析することにより、工作機械システムの異常発生を予測する。としているが、電流および振動データの標準値との比較では、通常の加工中において、それぞれの実データは時間とともに大きく変動して良好範囲が広いために、擬陽性(正常を異常と誤判定すること)を少なくしようとすれば微小な異常の検出精度は悪くなり実用的ではない。さらにこれらの時系列データを比較するといった予測についても基本的に電流および振動の強さに基づいた時系列での比較方式であるので、同じくその予測精度は実用ではないことは明らかである。要するに、工作機械のように当該作動が非常に不規則で非定常である場合には標準値との比較に判断基準をおく手法では監視や予測機能は実用には供さないといった課題があった。
なぜなら、多種多様な工作機械の機構には多くの劣化モードが存在し、しかも生産対象物の品質低下に影響を及ぼす加工時の状態は、工作機械、金型、被加工材の3つの相互作用により変化し、また加工条件の変更や工作機械の各部の摩耗などの経時的な変化も起こり得るために、得られる観測データ群には原因になる変数群と、結果もしくはそれに近い変数群、さらに当該観測データに潜在している要因となる変数群が入り混じって、時間とともに変化しているからである。
しかも、当該観測データには、対象とする工作機械の種類や加工条件によって緩慢な時間変化から急峻な時間変化までが混在しているからである。
・工作機械・金型・被加工材の状態変化が相互に関連し合いながら進行する加工過程において、微小な異常を検知し、生産対象物の品質の低下を回避する。
・1次判定の結果が「不良」となった時点において、要因候補となり得る観測変数が存在しない場合には当該1次判定結果を保留と判断して継続監視とし、上記要因候補となる観測変数が存在する場合には当該「不良」判定を確定することにより判定結果の信頼性を確保する。
・上記不良判定が確定した時点および当該時点より先行する時間帯での要因候補となる観測変数群を抽出して結果群とし、当該観測変数群を3個のカテゴリーに分類し、各々のカテゴリーを潜在変数とすることにより的確な因果モデルに絞り込むので、効率的な因果分析ができ、当該不良判定以降の傾向監視を行わなくても原因群の推定が可能である。
対象工程もしくは品質の良否の判定を行う1次判定ステップと、当該1次判定ステップにて不良と判定された場合には、前記観測変数群の中から、当該不良検知時と直近の時間帯における特徴量との関与度が大きい要因変数群を抽出する直近要因候補抽出ステップと、当該直近要因候補抽出ステップでの要因候補の抽出可否もしくは関与度値の大小関係に基づき、前記1次判定ステップでの判定結果を真の不良であると確定するか、もしくは当該判定結果を外乱等によるもので良好であるとするか、もしくは当該判定結果を保留とするのかを決定する判定確定ステップと、当該判定確定ステップにて確定した不良の検知時間帯を起点として、先行時間帯において当該不良状態の特徴量との関与度が大きい要因変数群を抽出する先行要因候補抽出ステップと、不良検知時と直近時の合計3個の時間帯群において、当該各時間帯の特徴量に対する観測変数の関与度の大小関係に基づき、前記要因変数群を複数のカテゴリに分類する観測変数群分類ステップと、当該観測変数群分類ステップにて分類した複数のカテゴリを原因群とし、前記の要因候補である観測変数群を結果群として因果モデルを構築する因果モデル構築ステップとからなることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法である。
対象工程もしくは品質の良否の判定を行う1次判定ステップと、当該1次判定ステップにて不良と判定された場合には、前記観測変数群の中から、当該不良検知時と直近の時間帯における特徴量との関与度が大きい要因変数群を抽出する直近要因候補抽出ステップと、当該直近要因候補抽出ステップでの要因候補の抽出可否もしくは関与度値の大小関係に基づき、前記1次判定ステップでの判定結果を真の不良であると確定するか、もしくは当該判定結果を外乱等によるもので良好であるとするか、もしくは当該判定結果を保留とするのかを決定する判定確定ステップと、当該判定確定ステップにて確定した不良の検知時間帯を起点として、先行時間帯において当該不良状態の特徴量との関与度が大きい要因変数群を抽出する先行要因候補抽出ステップと、不良検知時と直近時の合計3個の時間帯群において、当該各時間帯の特徴量に対する観測変数の関与度の大小関係に基づき、前記要因変数群を複数のカテゴリに分類する観測変数群分類ステップと、当該観測変数群分類ステップにて分類した複数のカテゴリを原因群とし、前記の要因候補である観測変数群を結果群として因果モデルを構築する因果モデル構築ステップとからなることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法である。
かかる場合には、初期基準方式では、初期時間帯と離れた2個の時間帯に対するデータ内およびデータ間の相互作用を考慮し、隣接比較方式では3個の連続した時間帯に対するデータ内およびデータ間の相互作用を考慮した特徴抽出を行うので、劣化事象がゆっくりと進展する場合や、劣化事象が急峻に進展する場合にも微小な劣化兆候を、しかも様々な外乱下において検出できるので、工作機械や金型の微小な劣化兆候の発生により影響を受ける対象生産物の品質低下を回避するための情報を得ることができる。
かかる場合には、3個の時間帯データ群の、前側2個の時間帯での各データ内及びデータ間での特徴量と、後側2個の時間帯での各データ内及びデータ間での特徴量との乖離度を判定指標とするので、様々な外乱下において対象とする工作機械・金型・被加工材の加工中における劣化兆候が急峻であっても微小な劣化を検知することが可能となる。
かかる場合には、初期時間帯データを基準に固定して、当該基準データ内と加工工程の進捗によって離れてゆく2個の時間帯データ内、および当該基準データと2個の時間帯データ間での特徴抽出により求めた特徴量の乖離度を判定指標とするので、様々な外乱下において対象とする工作機械・金型・被加工材の加工中における劣化兆候が漸進的であっても微小な劣化を検知することが可能となる
かかる場合には、合計3個の時間帯群での時系列データにおいて2個の古い時間帯特徴量と2個の新しい時間帯特徴量に対して、古い時間帯重み係数を共通にして算出することにより古い時間帯2個のデータセットに潜在する特徴を固定した上で、上記の古い時間帯特徴量と新しい時間帯特徴量との乖離度を求めるので、不良検知の感度を高く維持することができ、様々な外乱下において急峻な状態変化に埋もれた微小な劣化兆候の安定した検出が可能となる。
かかる場合には、初期時間帯データ及び離れた2個の時間帯データの合計3個の時間帯群での時系列データにおいて、初期時間帯データと離れた2個のうちの古い時間帯データでの古い時間帯特徴量、及び、初期時間帯データと離れた2個のうちの新しい時間帯時間帯データでの新しい時間帯特徴量を算出する際に、古い時間帯重み係数を共通にして算出することにより古い時間帯2個のデータセットに潜在する特徴を固定した上で、上記の古い時間帯特徴量と新しい時間帯特徴量との乖離度を求めるので、不良検知の感度を高く維持することができ、様々な外乱下において漸進的に進展する劣化兆候を安定して検出することが可能になる。
かかる場合には、先行時間帯における第三分類に対応する潜在変数は、検知時および直近時での潜在変数に対する原因となる可能性が高く、劣化事象が発生して進展する際の初期原因が、他の新たな劣化事象の原因となるといった複層的な因果分析ができるので複雑な原因特定が可能となる。
図1に、生産ラインの加工工程の健全性診断および不良原因の特定方法のフローチャートを示す。
本実施例における全体フローチャートは、主にステップA(図1の1)とステップB(図1の4)から成る。
ステップAでは請求項2に記載している初期基準方式(以降、S方式と略す)と隣接比較方式(以降、D方式と略す)にて3個の時間帯群データにおける特徴量の乖離度(DI値と称す)を算出し、最大DI値が判定閾値以上である場合には、「1次不良」と判定してステップBへ移行する(図1の2)。一方、当該最大DI値が判定閾値未満である場合には、良品と判定して次の時間帯へ移行して監視を継続する(図1の3)。
ここで、一つの観測変数について、関与度値は3つの時間帯群データに関して4種類ある。いずれの種類の関与度値が、関与度閾値を超えているのかを示す分布を特徴種別の出現パターンと称する。当該特徴種別の出現パターンにおいて、当該要因候補の可能性がある観測変数の関与度値の種類が1種類のみの場合で、当該対象の工作機械の操作条件等の変更に直接関連する観測変数であれば、当該観測変数は当該1次不良の要因ではなく、操作条件変更等によるものと判断して、次の時間帯での監視へ移行する(図1の5、6、7,8、10)。あるいは、同じく当該関与度値の種類が1種類のみの場合で、当該観測変数が操作条件と無関係であれば、当該1次不良は他の外乱によるものであると判断して、次の時間帯での監視へ移行する(図1の5、6、7、9、10)。また、当該特徴種別の出現パターンにおいて、関与度閾値を超えた時間帯が当該不良検知時のみであれば、通常の外乱によるものとして次の時間帯へ移行して監視を継続する。
また、当該要因候補となる観測変数群は第三分類とし、対応する潜在変数が当該不良の劣化事象の背景にある原因の一つであると推定できる。
ここでは不良検知時の時間帯をn時間帯とし、直近時間帯(n−1)、(n−2)の2個の時間帯とを合わせた3個の時間帯群データでの解析結果(最大DI値)と、1次判定閾値との比較から1次不良と判定した場合である。
時間帯▲1▼でのデータ行列X1を(x1(1)・・・xi(1)・・・xq(1))、時間帯▲2▼でのデータ行列をX2(x1(2)・・・xi(2)・・・xq(2))、そして時間帯▲3▼でのデータ行列をX3(x1(3)・・・xi(3)・・・xq(3))と表すと[表1]、[表2]、[表3]のようになる。ここで、下付きの添え字は観測変数の順番を示し、カッコ内数値は3個の時間帯群データの順番を示す。また、1つの時間帯において各観測変数について<n>個のデータ個数をサンプリングする。
なお、観測変数名はf1,・・fi,・・fq(q種類)と表示する。
次に、図1のステップAでの良否判定の指標である乖離度の定義と算出方法を説明する。
D方式の考え方を図3に示す。D方式では、3個の時間帯群(n−2),(n−1),nの中の前側の2個の時間帯(n−2)、(n−1)に対してデータ行列X1内における、データ行列X2内における、そしてデータ行列X1とX2間における3種類の相関係数Rx1x1、Rx2x2、Rx1x2を求め、固有方程式を解くことによって重み行列A,Bを得る。なお、Rx1x1、Rx2x2では変数群内における相互依存性を、Rx1x2では変数群間の相関関係という二つの違ったタイプの情報が含まれている。
D方式における2種類の乖離度は以下の[数5]および[数6]によって算出する。なお、ここでは時間帯(n−2),(n−1),nをそれぞれ▲1▼、▲2▼、▲3▼と表現する。
Fx1A:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Aを用いて、表1のn個のデ ータに対する特徴量Fx1Aの平均値
Fx2A:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Aを用いて、表2のn個のデ ータに対する特徴量Fx2Aの平均値
Fx2B:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Bを用いて、表2のn個のデ ータに対する特徴量Fx2Bの平均値
Fx3B:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Bを用いて、表3のn個のデ ータに対する特徴量Fx3Bの平均値
σFx1A:上記の特徴量Fx1Aの標準偏差
σFx2A:上記の特徴量Fx2Aの標準偏差 ABS:絶対値処理を示す。
σFx2B:上記の特徴量Fx2Bの標準偏差 SQRT:平方根処理を示す。
σFx3B:上記の特徴量Fx3Bの標準偏差
S方式の考え方を図4に示す。S方式では、初期基準時間帯▲1▼と2個の時間帯(n−1),nの中の前側の2個の時間帯▲1▼、(n−1)に対してデータ行列X1内における、データ行列X2内における、そしてデータ行列X1とX2間における、3種類の相関係数Rx1x1、Rx2x2、Rx1x2を求め、固有方程式を解くことによって重み行列A,Bを得る。
時間帯▲1▼のデータ行列X1と時間帯(n−1)のデータ行列X2における各変数を、それらの変数から成るいくつかの線型結合の組に置き換えることによって、この変数群間のパターン分析を行うことができる。上記の線型結合の中で変数群X1の線型結合が変数群X2の線型結合と最大の相関をもつように重み係数AとBを決定する。上記の重み係数ベクトルA;a1,a2,・・・aq、B;b1,b2,・・・bqと表すと、データ行列X1(x1(1)・・・xi(1)・・・xq(1))とX2(x1(2)・・・xi(2)・・・xq(2))に対して、二つの線型結合Fx1AとFx2Bはそれぞれ[数7]および[数8]となる。
次に、後側2個の時間帯において、上記した前側と同様に、時間帯▲1▼のデータ行列X1と時間帯nのデータ行列X3における重み係数ベクトル<A>;<a1>,<a2>,・・・<aq>と<B>;<b1>,<b2>,・・・<bq>を求めて、データ行列X1(x1(1)・・・xi(1)・・・xq(1))とX3(x1(3)・・・xi(3)・・・xq(3))に対する二つの線型結合Fx1<A>とFx3<B>は[数9]および[数10]となる。
S方式における2種類の乖離度は以下の[数11]および[数12]によって算出する。
Fx1A:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Aを用いて、表1のn個のデ ータに対する特徴量Fx1Aの平均値
Fx2A:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Aを用いて、表2のn個のデ ータに対する特徴量Fx2Aの平均値
Fx1B:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Bを用いて、表1のn個のデ ータに対する特徴量Fx1Bの平均値
Fx3B:2つの時間帯▲1▼、▲2▼で得た重み行列Bを用いて、表3のn個のデ ータに対する特徴量Fx3Bの平均値
σFx1A:上記の特徴量Fx1Aの標準偏差
σFx2A:上記の特徴量Fx2Aの標準偏差 ABS:絶対値処理を示す。
σFx1B:上記の特徴量Fx1Bの標準偏差 SQRT:平方根処理を示す。
σFx3B:上記の特徴量Fx3Bの標準偏差
上記した特徴量と元の観測変数群との相関関係を調べることによって特徴量の内容を解釈するための情報を構造行列と呼ぶことにする。
一般的に、2つの時間帯でのデータX1とX2についての構造行列SX1,SX2は、それぞれの特徴量FX1A、FX2Bと、対応するデータ行列X1、X2との積で定義され、以下の[数13]および[数14]で算出する。
2つの時間帯でのデータX1とX2についての構造行列SX1,SX2は、対応する特徴量に対して、どの観測変数が、どの程度関与しているかを示しており、各観測変数の有する特徴種別S値と称することとする。
上記の関与度閾値を超え要因候補として抽出した観測変数群の中で、対象とする工作機械等の操作条件変更に関連した観測変数に相当する場合には、当該観測変数は要因候補から除外する。この場合には当該生産対象物もしくは工作機械は良好状態であるので、次の時間帯での監視へ移行する。(図1の7,8、10)
D方式により不良がn時間帯にて確定した場合の、直近時の(n−2)、(n−1)時間帯を合わせた3個の時間帯データにおいて、図3に示す各特徴量Fx1(A)、Fx2(B)、Fx2<A>、Fx3<B>と対応するデータX1、X2、X3との相関関係を求めた特徴種別S値SX1、SX2、S’X2、SX3は、以下の[数16]、[数17]、[数18]、[数19]によって求めることができる。
そして、各観測変数に対応する、上記のいずれかの関与度値が当該関与度値閾値を超えた場合には、当該観測変数を当該不良の要因候補変数とする。
そして、各観測変数に対応する、上記のいずれかの関与度値が当該関与度値閾値を超えた場合には、当該観測変数を当該不良の要因候補変数とする。
図5に、不良確定後における先行時間帯での要因変数群を抽出する際の時間軸を示している。当該不良を検出、確定したn時間帯と、その直近の(n−1)時間帯では、前記した直近での要因候補変数群を抽出する。そして、当該(n−2)時間帯から以前の先行時間帯jにおける要因候補となる可能性がある変数群の抽出は、以下に示す[数24]にて算出した、時間帯jでの特徴種別S値SXjが当該関与度閾値を超えるか否かによって、要因候補変数であるか否かを決定するものである。なお、上記の不良検知時n時間帯及び直近時(n−1)時間帯データで求めた重み係数ベクトル<A>を固定して、順次、j時間帯データXjの相関行列RXjXjとの積を求めることにより特徴種別S値SXjを算出してゆく。
順次、遡ってj=n−2(初期時間帯)まで各j時間帯での特徴種別S値SXjを求めて先頭時間帯において要因候補となる観測変数群を抽出する。
前記に記載した、直近の要因候補および先行時間帯での要因候補とを合わせて全要因候補となる観測変数群は3つに分類できる。その理由は、3個の時間帯群データにおける当該不良への関与度値が大きい観測変数群に対して、最大もしくは有意な関与度値が現れる時間帯が検知時である場合と、当該最大もしくは有意な関与度値が現れる時間帯が直近時である場合とでは、それぞれの観測変数は、異なる潜在要因から派生している可能性が高いからである。
また、先行時間帯での要因候補として抽出された観測変数は、当該不良検知時および直近時とは異なる潜在要因から派生している可能性が高いと推定される。
上記の分類は、第一関与度値〜第四関与度値が現れる特徴種別の出現パターンから[表4]に示すように、当該観測変数は分類番号IもしくはIIもしくはIIIに分類するものである。[表4]に該当する特徴種別の出現パターンに合致する観測変数は不良の要因候補であると判断する確認ルールである。なお、[表4]ではD方式により不良が確定した場合であり、〔〕印で表示する記号は、S方式の場合に対応している。
前記した、全要因候補となる観測変数群を3つに分類した、それぞれの分類番号I、II、IIIを潜在変数とし、対応する観測変数群を結果群として因果モデルを構築する。
図6に因果モデルの構築例を示す。潜在変数は丸印で、観測変数は四角印で示し原因側から結果側へ矢印で繋いでいる。潜在変数間では、第三分類から第一、第二分類へ矢印を引き、分類IIIは分類I、IIの原因となる潜在変数であることに対応している。各潜在変数には、前記した要因候補となるべき観測変数群が結果群として矢印で結ばれる。
ここで、分類Iと分類IIとはいずれが原因となるのかは不明であるので、分類Iが原因の場合のケース1と、分類IIが原因である場合のケース2として2種類の因果モデルに対して因果分析を行う。
本発明の実施例として、プレス機による板金加工における統合的監視の詳細を記述する。
プレス機による板金加工が成り立つには、プレス機械と金型(上型のポンチと下型のダイ)、被加工材の3つの要素が相互に作用して動くことが必須である。この3要素のバランスは、人に依存する部分が大きく、製品の加工精度や生産性に影響しながらプレス機加工が行われている。
つまり、
○プレス機械・・・弾性変形のみ(本来は変形が起きないことが理想)
○金型 ・・・弾性変形のみ(プレス機械同様)
○被加工材 ・・・弾性変形+塑性変形(弾性変形がないことが理想)
が起きており、プレス加工では金型だけが重視されるのではなく、被加工材およびプレス機械の要素を含めて考えなければならない。被加工材の材料が変わればプレス加工時にせん断される際の荷重が変化したり、せん断に要する時間に長短があるなどの特性に差異が生じる。また、プレス機械ではクランク機構にてクランク軸の回転運動を、スライドの上下運動に変換することで圧力を発生しているので、プレス機械の能力は、どのスライド位置でも発生できることではなく、プレス加工全工程の荷重とスライド位置の関係を把握、確認することが重要となる。図7のスライダ1には金型上型のポンチ2が取り付けてあり、一方プレス機械の下側のボルスタ3には金型下型のダイ4が設置されている。そして、送り装置により被加工材5をプレス機械の中心位置に挿入設定し、スライダ1を下降させてゆき、ポンチ2とダイ4との間で被加工材5がせん断加工される。当該加工が終了すれば、スライダ1が上昇して、製品6がプレス機械から排出される。この加工工程を継続して繰り返すことによって対象製品が量産されてゆく。
また、温度センサにより、せん断加工におけるダイ1の温度を計測する。プレス機械自体ではモータ発熱、圧縮空気の発熱、スライド部での摩擦熱などによる熱源であり、また加工される被加工材や金型も熱源となるので、各部位は稼働を継続していくと伸びてゆく。このことから、図9に示す下死点位置5は次第に下がってゆく。このことは対象製品の形状が複雑になったり、製品の要求精度が高まるとさらに問題化されてゆく。
当該クリアランスの大きさによって、せん断面性状が異なり、しかも製品とする凹凸形状によっても異なってくる。
図12には、切口面の構成を示している。図12の上部から順に、だれ1、せん断面2、破断面3、および、かえり(バリとも言う)4から成る。そして、図12の下に示すように、クリアランス(図11の3)が大きくなると、せん断面の領域が小さくなり、かえり(バリ)が拡大し、逆にクリアランスが小さくなると二次せん断面が生じる。このかえり(バリ)は後工程にて“バリ取り”という作業が必要になるし、二次せん断面が生じるような小さなクリアランスではせん断エネルギが増大してしまう。したがって、適切なクリアランスを維持することが製品の品質維持や投入エネルギの最適化において重要な要素であるが、初期設定しておいても加工を繰り返していく段階で次第に最適な範囲より外れてゆく。
本発明の実施例として、プレス機による板金加工における統合的監視を実施した場合の、良好時〜操作条件の変更〜不良検出を行った事例の詳細を記述する。
本実施例では、観測変数群f1、・・・f12の12種類についてデータ採取および情報入手を行った。
また、被加工材の表面粗さ(Ra)f11は、プレス機械に挿入設定される際の材質にバラツキがあるので0.2μ〜0.4μの範囲で変化しており、時間帯▲6▼にて被加工材を変更した場合にも上記表面粗さの範囲にあった。
上記した12種類の観測変数f1,・・・,f12について、各加工単位の時間帯で
[表7]に示す。これらのD方式及びS方式の最大DI値を横軸に加工時間帯をとって図21に示す。良否判定の閾値を2.0と設定することによって判定すると、時間帯▲1▼〜▲5▼までは良好であり、被加工材の変更を行った時間帯▲6▼ではD方式、S方式とも不良と判定し、また、D方式では3個の連続時間帯での特徴量に基づくので、時間帯▲6▼の影響が残影するために次の時間帯▲7▼でも不良判定となってしまっている。一方、S方式では生産開始時▲1▼を基準とした特徴量に基づくので、当該残影は見られず時間帯▲7▼では良好判定に戻っている。そして、加工工程が時間帯▲7▼、▲8▼、▲9▼と良好に進み、ついに時間帯▲10▼ではD方式、S方式とも不良判定となった。
上記した良否判定の結果、1次不良であると判定された場合には、当該不良の要因である可能性がある観測変数群を抽出する。
前記した[表7]および図21に示した良好時である加工時間帯▲1▼、▲2▼、▲3▼の場合と、被加工材の変更を行った加工時間帯▲6▼、▲5▼、▲4▼の場合および1次不良と判定した加工時間帯▲10▼、▲9▼、▲8▼の場合における、各観測変数の特徴種別S値を表8に示す。なお、ここではD方式にて良否判定した結果に対応している。
また、観測変数f6、f12が関与度閾値0.6を超えており、当該特徴種別の出現パターンが第二関与度および第四関与度であることから[表4]に示す確認ルールとの照合から当該不良の真の要因となる可能性がある観測変数である。
そして、上記した観測変数f4、f5が[表4]の分類番号Iに、観測変数f6、f12が[表4]の分類番号IIに該当するとともに、当該1次不良を確定するものである。
[表9]には、前記した直近での要因可能性がある観測変数群の抽出結果に基づき、当該不良判定を確定した場合の、先行時間帯での各観測変数の特徴種別S値を示している。要因となる可能性がある観測変数としては、特徴種別S値が関与度閾値0.6を超えたf9およびf10である。そして、観測変数f9、f10は[表4]と照合することにより分類番号IIIに該当することになる。
前記した、直近時での要因候補となる可能性がある観測変数群f4、f5、f6、f12および先行時間帯での要因候補となる可能性がある観測変数群f9、f10を3つに分類した、それぞれの分類番号I、II、IIIを潜在変数とし、対応する観測変数群を結果群として前記した図6に示す基本的因果モデルに基づき当該実施例に対する因果モデルを構築し、その結果を図22に示す。
先行時間帯において抽出した要因候補となる可能性がある観測変数f9、f10のダイ部での温度1、2は第三の潜在変数IIIの影響を受けているものと推測され、他の2個の潜在変数I、IIへ影響を与える。そして、潜在変数Iは観測変数f4、f5のAE波形1,2へ影響を及ぼし、潜在変数IIは観測変数f6、f12のクランク軸軸受1での振動データ、ボルスタとダイとの位置ズレ量へ影響を及ぼしているものと推測される。
また、潜在変数IとIIの間においては、いずれかの潜在変数が他の潜在変数へ影響を及ぼしていると考えられるが、予めいずれかを決定するための情報は得られないため、図中に示すケース1,2の因果方向について因果分析を実行することになる。
各部位の発熱1と金型の摩耗5を潜在変数IIIとして、発熱1から金型の温度1,2が上昇して金型の膨張3を招き、金型上型パンチと下型ダイとのクリアランスの大きさに変化4を生じるという現象へ影響を及ぼし、当該クリアランスの変化が潜在変数Iとして加工品の損傷13の結果を生じることと解釈できる。
一方、上記した加工品のバラツキ15の結果を招いたと想定されるスライド位置のズレによる偏心荷重9は、クランク軸軸受での振動大8を生じさせるクランク軸軸受の摩耗7が、潜在変数IIであると解釈できる。
また、潜在変数IIIの一つである各部位の発熱1はプレス機械の下死点が下がるという現象を招き、偏心荷重2となり、上記した潜在変数IIのクランク軸軸受の摩耗7を起点とし振動大8を介して生じるスライド位置のズレによる偏心荷重9とともに加工品のバラツキ15の結果となる。
以上、生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法を説明したが、上記発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
2 良否判定の閾値との比較
3 1次判定結果が良品のとき次の時間帯へ移行
4 1次判定結果が不良のときステップB(要因可能性変数群の抽出)
5 4種類の関与度値と要因可能性閾値との比較
6 4種類の関与度値が閾値を超えた個数により、真の不良か操作条件等の外乱であるかの判断
7 操作変数であるか外乱であるかの判断
8 操作条件であるもの(良品)
9 外乱であるもの(良品)
10 次の時間帯での監視へ移行
11 不良の確定
12 直近での要因候補群の確定
13 4種類の関与度値が全て閾値未満である監視回数が4回以上であるか否かの判断
14 ステップ13にて4回未満である場合は要因不明とし、1次不良判定結果を保留して次の時間帯での監視へ移行
15 先行時間帯における要因候補群の探索
16 全要因候補群の分類と潜在変数の設定
17 因果モデルの構築
Claims (12)
- 製品の生産ラインの対象工程の健全性を診断し、かつ当該製品の品質を評価して上記健全性診断の結果もしくは上記製品品質が不良の場合に、当該不良の原因を特定するために、超音波・振動・電流・寸法・表面粗さ等の観測変数群の時系列データに基づき、当該対象工程および製品の過程品質を評価・追跡し、当該不良の原因を特定する監視方法において、対象工程もしくは品質の良否の判定を行う1次判定ステップと、当該1次判定ステップにて不良と判定された場合には、前記観測変数群の中から、当該不良検知時と直近の時間帯における特徴量との乖離度が大きい要因変数群を抽出する直近要因候補抽出ステップと、当該直近要因候補抽出ステップでの要因候補の抽出可否もしくは乖離度の大小関係に基づき、前記1次判定ステップでの判定結果を真の不良であると確定するか、もしくは当該判定結果を外乱等によるもので良好であるとするか、もしくは当該判定結果を保留とするのかを決定する判定確定ステップと、当該判定確定ステップにて確定した不良の検知時間帯を起点として、先行時間帯において当該不良状態の特徴量との乖離度が大きい要因変数群を抽出する先行要因候補抽出ステップと、不良検知時と直近時の合計3個の時間帯群において、当該各時間帯の特徴量に対する観測変数の乖離度の大小関係に基づき、前記要因変数群を複数のカテゴリに分類する観測変数群分類ステップと、当該観測変数群分類ステップにて分類した複数のカテゴリを原因群とし、前記の要因候補である観測変数群を結果群として因果モデルを構築する因果モデル構築ステップとからなることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項1の1次判定ステップにおいて、3個の時間帯群での時系列データに潜む特徴量の乖離度を用いて良否を判定する方式として、初期時間帯データを基準データとして固定し、1次判定時間帯と直近時間帯とを対象データとして特徴抽出を行う初期基準方式と、順次隣接した3個の連続時間帯群データ間において特徴抽出を行う隣接比較方式とを有することを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項2に記載の、隣接比較方式において、1次判定時間帯と直近の時間帯2個の合計3個の時間帯群での時系列データに対して、古い時間帯の2個の時間帯データに潜む古い時間帯特徴量と、新しい時間帯の2個の時間帯データに潜む新しい時間帯特徴量との乖離度を、良否判定の指標とすることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項2に記載の、初期基準方式において、初期時間帯と1次判定直近の時間帯の2個の時間帯データに潜む古い時間帯特徴量と、当該初期時間帯と1次判定時間帯の2個の時間帯データに潜む新しい時間帯特徴量との乖離度を、良否判定の指標とすることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項3に記載の、隣接比較方式において合計3個の時間帯群での時系列データに潜む特徴量を算出して乖離度を求める際に、古い時間帯の2個の時間帯データに対して求めた2個の古い時間帯重み係数を用いて、先頭時間帯データと中間時間帯データについて2個の古い時間帯特徴量を求め、次に前述の古い時間帯重み係数と同じ重み係数を用いて中間時間帯データと終端時間帯データについて2個の新しい時間帯特徴量を求め、上記の2個の古い時間帯特徴量と当該2個の新しい時間帯特徴量に対して2種類の乖離度を算出することを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項4に記載の、初期基準方式において合計3個の時間帯群での時系列データに潜む特徴量を算出して乖離度を求める際に、初期時間帯と1次判定直近の2個の時間帯データに対して求めた2個の古い時間帯重み係数を用いて、初期時間帯データと1次判定直近時間帯データについて2個の古い時間帯特徴量を求め、次に前述の古い時間帯重み係数と同じ重み係数を用いて初期時間帯データと1次判定時間帯データについて2個の新しい時間帯特徴量を求め、上記の2個の古い時間帯特徴量と当該2個の新しい時間帯特徴量に対して2種類の乖離度を算出することを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法
- 前記請求項1の直近要因候補抽出ステップにおいて、1次判定の結果が前記請求項2に記載の隣接比較方式に基づき不良と判定した場合に、検知時の時間帯と直近の2個の時間帯の合計3個の時系列データ群に対して、古い時間帯の2個の時間帯データから求めた2個の古い時間帯重み係数を用いて2個の古い時間帯特徴量を算出しておき、先頭時間帯データと当該時間帯に対応する古い時間特徴量との積を算出して得る各観測変数の第一乖離度と、中間時間帯データと当該時間帯に対応する古い時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第二乖離度と、一方、新しい時間帯の2個の時間帯データから求めた2個の新しい時間帯重み係数を用いて2個の新しい時間帯特徴量を算出しておき、中間時間帯データと当該時間帯に対応する新しい時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第三乖離度と、終端時間帯データと当該時間帯に対応する新しい時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第四乖離度との各観測変数に対する4種類の乖離度の大きさの中で、少なくとも2種類の乖離度が予め設定した乖離度閾値を超えた場合には、当該乖離度に対応する観測変数を、当該不良検知時及び直近時の要因候補とすることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項1の直近要因候補抽出ステップにおいて、1次判定の結果が前記請求項2に記載の初期基準方式に基づき不良と判定した場合に、初期時間帯と1次判定時及び直近の合計3個の時系列データ群に対して、初期時間帯データと1次判定直近時間帯データから求めた2個の古い時間帯重み係数を用いて2個の古い時間帯特徴量を算出しておき、初期時間帯データと当該時間帯に対応する上記した2個の古い時間帯特徴量のうちのいずれかの古い時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第一乖離度と、当該初期時間帯データと当該時間帯に対応する上記した2個の古い時間帯特徴量の他方の古い時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第二乖離度と、一方、初期時間帯データと1次判定時の時間帯データから求めた2個の新しい時間帯重み係数を用いて2個の新しい時間帯特徴量を算出しておき、1次判定直近時間帯データと当該時間帯に対応する上記した2個の新しい時間帯特徴量のうちのいずれかの新しい時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第三乖離度と、1次判定時の時間帯データと当該時間帯に対応する上記した2個の新しい時間帯特徴量の他方の新しい時間帯特徴量との積を算出して得る各観測変数の第四乖離度との各観測変数に対する4種類の乖離度の大きさの中で、少なくとも2種類の乖離度が予め設定した乖離度閾値を超えた場合には、当該乖離度に対応する観測変数を、当該不良検知時及び直近時の要因候補とすることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項1の判定確定ステップにおいて、前記請求項7もしくは請求項8に記載の4種類の乖離度の大きさの中で、少なくとも2種類の乖離度が予め設定した乖離度閾値を超えた場合、もしくは当該4種類の乖離度の大きさが全て乖離度閾値より小さく要因候補となるべき観測変数が存在しない判定回数が連続4回以上継続した場合には、当該1次判定結果を真の不良であると確定することとし、一方、上記した4種類の乖離度の大きさの中で、1種類のみの乖離度が予め設定した乖離度閾値を超えた場合には当該1次判定結果の不良の要因は外乱等によるものと判断し、また当該4種類の乖離度の大きさが全て乖離度閾値より小さく要因候補となるべき観測変数が存在しない判定回数が連続3回以下の場合には要因不明として判定を保留し、次の時間帯群における良否判定へ進むことを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項1の先行要因候補抽出ステップにおいて、請求項2に記載の隣接比較方式の場合には不良検知時及び直近の2個の時間帯データから、あるいは請求項2に記載の初期基準方式の場合には初期時間帯及び不良検知時の2個の時間帯データから求めた新しい時間帯重み係数を用いて、上記検知時間帯より3個以前の各先行時間帯に対する各特徴量を算出し、当該時間帯データと当該特徴量との積を算出して得る各観測変数の当該乖離度を、順次、時間帯を遡って求めてゆき、前記の予め設定した乖離度閾値を超えた場合には、対応する観測変数を要因候補として選定することを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項1の観測変数群分類ステップ及び因果モデル構築ステップにおいて、前記請求項7もしくは請求項8にて求めた各観測変数の第一乖離度より第四乖離度のうち、第一乖離度もしくは第三乖離度が最大値となる観測変数群を第一分類とし、第二乖離度もしくは第四乖離度が最大値となる観測変数群を第二分類とし、前記請求項10にて選定した先行時間帯における要因候補となる観測変数群を第三分類とし、当該3個の分類をそれぞれ1個の潜在変数とみなし、当該各潜在変数に対応する観測変数群を結果群として因果モデルを構築することを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
- 前記請求項11に記載の因果モデルの構築において、前記第三分類の観測変数群に対応する潜在変数を、第一分類および第二分類に対応する潜在変数群の共通原因とすることを特徴とする対象工程の健全性診断および製品品質の評価を行い、不良原因の特定を行う監視方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018199560A JP6680430B1 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | 生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018199560A JP6680430B1 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | 生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6680430B1 true JP6680430B1 (ja) | 2020-04-15 |
JP2020061109A JP2020061109A (ja) | 2020-04-16 |
Family
ID=70166487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018199560A Active JP6680430B1 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | 生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6680430B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112016409A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-12-01 | 艾普工华科技(武汉)有限公司 | 一种基于深度学习的工步规范视觉识别判定方法及系统 |
CN114358522A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-04-15 | 中国航空工业集团公司成都飞机设计研究所 | 一种基于改进质量屋的四性综保一体化设计流程分解方法 |
US11521120B2 (en) * | 2018-09-12 | 2022-12-06 | Fanuc Corporation | Inspection apparatus and machine learning method |
CN117148803A (zh) * | 2023-10-27 | 2023-12-01 | 深圳市磐锋精密技术有限公司 | 一种用于自动居中调宽流水线的调节控制方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022224657A1 (ja) * | 2021-04-19 | 2022-10-27 | 富士フイルム株式会社 | 製造ラインの異常予兆検知装置、方法及びプログラム並びに製造装置及び検品装置 |
JP7054487B1 (ja) | 2021-05-18 | 2022-04-14 | 山本 隆義 | 製造業における循環型・低炭素型生産システムの構築方法 |
WO2023031984A1 (ja) | 2021-08-30 | 2023-03-09 | 三菱電機株式会社 | 加工寸法予測装置、加工寸法予測システム、加工寸法予測方法及びプログラム |
CN117078118B (zh) * | 2023-10-18 | 2024-01-05 | 济南章力机械有限公司 | 一种数控机床生产工件质量智能检测系统 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5753301B1 (ja) * | 2014-08-11 | 2015-07-22 | 山本 隆義 | プラント装置の統括診断方法、及び、プラント装置の統括診断装置 |
-
2018
- 2018-10-04 JP JP2018199560A patent/JP6680430B1/ja active Active
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11521120B2 (en) * | 2018-09-12 | 2022-12-06 | Fanuc Corporation | Inspection apparatus and machine learning method |
CN112016409A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-12-01 | 艾普工华科技(武汉)有限公司 | 一种基于深度学习的工步规范视觉识别判定方法及系统 |
CN114358522A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-04-15 | 中国航空工业集团公司成都飞机设计研究所 | 一种基于改进质量屋的四性综保一体化设计流程分解方法 |
CN117148803A (zh) * | 2023-10-27 | 2023-12-01 | 深圳市磐锋精密技术有限公司 | 一种用于自动居中调宽流水线的调节控制方法 |
CN117148803B (zh) * | 2023-10-27 | 2024-01-26 | 深圳市磐锋精密技术有限公司 | 一种用于自动居中调宽流水线的调节控制方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020061109A (ja) | 2020-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6680430B1 (ja) | 生産ラインにおける品質と設備の統合的監視方法 | |
US11392114B2 (en) | Abnormality determination support apparatus | |
CN108573368B (zh) | 管理装置以及可读取记录介质 | |
JPH06170696A (ja) | 工具寿命と予測工具摩耗の診断用のリアル・タイム・エキスパート・システムを使用するシステムと方法 | |
CN103064340A (zh) | 一种面向数控机床的故障预测方法 | |
JP2006292734A (ja) | 検査装置用の判定モデル作成支援装置および検査装置ならびに耐久試験装置および耐久試験方法 | |
JP2020127968A (ja) | 学習装置および切断加工評価システム | |
JP7166839B2 (ja) | ヘルスモニタリングシステム | |
Jain et al. | Dynamic optimization of process quality control and maintenance planning | |
CN117961646B (zh) | 一种重载加工用数控刀片剩余使用寿命预测方法及系统 | |
Zhang et al. | Reliability defects identification of serial production systems: application to a piston production line | |
JP2021053772A (ja) | 工作機械のツール摩耗診断装置 | |
CN112859741A (zh) | 一种机床顺序动作单元运行可靠性评价方法及系统 | |
JPWO2019016892A1 (ja) | 品質分析装置及び品質分析方法 | |
Herrera-Granados et al. | An experimental study of multi-sensor tool wear monitoring and its application to predictive maintenance | |
CN111538235B (zh) | 学习装置以及切断加工评价系统 | |
KR20230085924A (ko) | 이상 진단 모델의 구축 방법, 이상 진단 방법, 이상 진단 모델의 구축 장치 및 이상 진단 장치 | |
Chang et al. | Building The Health Monitoring and Fault Diagnosis Models For Stamping Press | |
Dias et al. | A machine learning approach for temporal vibration analysis applied to predictive maintenance | |
CN117359391B (zh) | 数控机床滚动轴承的故障智能诊断方法及系统 | |
Al-Najjar | Just in time dynamic & cost-effective maintenance (JIT DMAINT) for more reliable production: A case study | |
Granados et al. | An experimental study of multi-sensor tool wear monitoring and its application to predictive maintenance | |
Roehrich et al. | Fault Classification in Predictive Maintenance | |
Zhang et al. | Advanced Analytics in Metal Forming Processes | |
Kong | Application of probabilistic methods in automated tool fault detection |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20181029 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181029 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20190309 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190309 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20190516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191217 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200114 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200305 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6680430 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |