JPWO2012033198A1 - スパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

成膜空間(2S)に配置された基板(S)に薄膜を形成するスパッタ装置(1)は、複数のターゲット(13A〜13C)と、それらターゲット(13A〜13C)と成膜空間(2S)との間に、選択ターゲットを成膜空間(2S)に露出させる開口部(22)を有するシャッター機構(M)を備える。シャッター機構(M)は、選択ターゲットから放出されて基板外周部(S2)へ向かうスパッタ粒子数を制御する入射制御部(30A〜30C)を備える。複数の入射制御部はスパッタ粒子に対する複数の遮蔽度を有している。成膜空間(2S)に露出される選択ターゲットを単体でスパッタした際の膜厚分布に応じて、複数の入射制御部の中から該選択ターゲットに適した入射制御部を適用する。

Description

本発明は、スパッタ装置に関する。
半導体デバイス、磁気デバイス等の製造工程で広く用いられるスパッタ装置は、スパッタリングターゲットターゲットの被スパッタ面にイオンを衝突させ、該ターゲットから放出されるスパッタ粒子を基板表面に堆積させることにより薄膜を形成する。このスパッタ装置の一つとして、合金、化合物等からなる薄膜を形成するために、複数のカソードを有する多元式のスパッタ装置が開発されている。ターゲットは多元式のスパッタ装置の複数のカソードにそれぞれ配置されている。一般的にこれらのターゲットと基板との相対距離を一定にする等の理由から、各ターゲットの被スパッタ面は成膜対象の基板の表面に対して傾斜するように設けられている。
ターゲットの被スパッタ面を基板表面に対し傾斜させた場合、基板表面において、被スパッタ面との相対距離が短い領域と、被スパッタ面との相対距離が長い領域が生じる。通常の場合、被スパッタ面との相対距離が比較的短い領域では、基板表面へのスパッタ粒子の入射粒子数が比較的多くなる。被スパッタ面との相対距離が比較的長い領域では、基板の周囲へ散乱するスパッタ粒子が多くなることから、基板表面への入射粒子数が比較的少なくなる。従って、多元式のスパッタ装置によって形成された薄膜の膜厚はばらつくことが一般的であった。具体的には、薄膜の同一面内において被スパッタ面との相対距離が短い領域では膜厚が大きくなり、被スパッタ面との相対距離が長い領域では膜厚が小さくなる傾向が生じる。
膜厚分布の不均一の問題に対する対策として、回転する基板の回転軸線から基板の外周縁部までの距離と、回転軸線からカソード(ターゲット)表面の中心点までの距離と、基板表面からカソード表面の中心点までの距離との比を所定範囲にすることが提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2006/077837号パンフレット
しかし、同じ成膜条件でスパッタした場合でも、基板上に形成される薄膜の膜厚分布はターゲットの材質によって異なることがあった。図15は、異なる材質からなる3つのターゲットを個別に用いてスパッタを行った際の膜厚分布を示す。縦軸は膜厚、横軸は基板中心からの距離を示す。例えば、材料1及び材料2では、基板中心からの距離が一定範囲内においては薄膜の膜厚はほぼ均一であるが、基板中心から大きく離間した位置では膜厚が小さくなり、従来の問題点と同様な傾向がみられる。一方、材料3では、膜厚が基板中心において最も小さくなる傾向がみられる。そして基板中心から離間するにつれ膜厚は増大するものの、基板中心からの距離が一定値まで到達すると膜厚が小さくなる。
このように、ターゲットの材質が異なると、同一面内における膜厚分布の傾向がターゲット間で大幅に異なることがある。従来のスパッタ装置でスパッタしたときに基板に形成される薄膜の膜厚分布がターゲットの材料に応じて異なるので、異種のターゲットを同時に用いて薄膜を形成した場合、薄膜の膜厚が径方向において不均一になるだけでなく、同一層内の薄膜の組成が径方向において異なることがある。例えば、基板の周縁が図15の材料3の曲線のピーク位置の近傍にある場合を想定する。従来のスパッタ装置で複数の材料1、2、3をスパッタリングしたとき、材料に依存する膜厚分布のため、基板上には、中心付近で薄く、周縁に近づくほど厚い薄膜が形成され得る。また、その薄膜中の材料3の比率は、中心付近で低く、周縁に近づくほど高くなり得る。このように、従来のスパッタ装置で複数の材料をスパッタしたとき、薄膜の面内で膜厚と組成が不均一になりやすい。これに対し、スパッタガスの流量、ターゲットアングル、供給電力等の条件の変更を行ったとしても、所望の膜質が得られない可能性があるだけでなく、膜厚の均一化において限界がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる材質からなる複数のターゲットを用いた場合でも、基板上に形成される薄膜の面内均一性を向上することができるスパッタ装置を提供することにある。
本発明の一側面は、複数のターゲットを備え、成膜空間に配置された基板に薄膜を形成するスパッタ装置を提供する。そのスパッタ装置は、前記複数のターゲットと成膜空間との間に配置されたシャッター機構であって、前記複数のターゲットのうちの選択ターゲットを前記成膜空間に露出させる開口部を有する前記シャッター機構を備える。前記シャッター機構は、前記選択ターゲットから放出されて基板外周部へ向かうスパッタ粒子数を制御する複数の入射制御部を備え、当該複数の入射制御部はスパッタ粒子に対して複数の遮蔽度を有し、前記成膜空間に露出される前記選択ターゲットを単体でスパッタした際の膜厚分布に応じて、前記複数の入射制御部の中から該選択ターゲットに適した入射制御部を当該選択ターゲットに適用することを要旨とする。
この構成によれば、複数の入射制御部のうち、成膜空間に露出される選択ターゲット単体での膜厚分布に応じて、入射制御部のいずれか一つをその選択ターゲットに適用するので、ターゲット単体での膜厚分布の傾向が互いに異なる複数のターゲットを用いる場合でも、基板に到達するスパッタ粒子数の分布をターゲット毎に面内で均一化することができる。このため、基板に形成される薄膜の膜厚の面内均一性を向上するとともに、同一層内の薄膜の組成の均一性を向上することができる。
好ましい例において、前記複数の入射制御部は、前記複数のターゲットの外側に配置される壁部の高さに応じて異なる遮蔽度を有する。
この構成によれば、異なる高さの壁部によって、複数の入射制御部の遮蔽度を異ならせることができる。このため、装置又は成膜工程を複雑化させることなく、膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
好ましい例において、前記シャッター機構の前記複数の入射制御部は、前記ターゲットの被スパッタ面の外周に設けられた壁部を有する入射制御部と、前記ターゲットの被スパッタ面を露出可能な開口のみからなる入射制御部とを含む。
この構成によれば、被スパッタ面の外周を囲む壁部を有する入射制御部と、開口部のみからなる入射制御部とがシャッター機構に設けられるため、膜厚分布が逆の複数のターゲットを採用する場合にも、複数のターゲットに適した入射制御部を対向させることにより、薄膜の膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
好ましい例において、前記シャッター機構は、前記複数のターゲットの数よりも少ない数の開口部を有し、前記複数のターゲットに対して回転可能に設けられた第1シャッターであって、前記選択ターゲットは前記第1シャッターの前記開口部を介して前記成膜空間に選択的に露出されたターゲットである、前記第1シャッターと、該第1シャッターよりも前記基板に近い位置に設けられ、前記複数の入射制御部を有し、前記第1シャッターにより選択的に露出された前記選択ターゲットに適した入射制御部を該選択ターゲットに対向させる第2シャッターとを備える。
この構成によれば、第1シャッターによりターゲットを選択的に露出し、第2シャッターはその露出されたターゲットに適した入射制御部をそのターゲットに対向させる。このため、ターゲットを選択的に露出させる場合でも、そのターゲットに適した入射制御部を適用することができるので、成膜工程の自由度を妨げることなく、膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
好ましい例において、前記複数の入射制御部のうち比較的大きい遮蔽度を有する入射制御部は、前記選択ターゲットの被スパッタ面から放出され前記基板外周部に向かうスパッタ粒子を妨げる壁部を有する。選択ターゲットが、当該ターゲット単体でスパッタした際に基板中央部よりも基板外周部における膜厚が大きい薄膜を形成する材質である場合、当該選択ターゲットに対し、前記比較的大きい遮蔽度を有する前記入射制御部を適用する。
この構成によれば、選択ターゲットが、当該ターゲット単体でスパッタを行った際に基板中央部よりも基板外周部における膜厚が大きい薄膜を形成する材質である場合、その選択ターゲットに対し、比較的大きい遮蔽度を有する入射制御部を適用することにより、そのターゲットの被スパッタ面から放出されて基板外周部に向かうスパッタ粒子を遮蔽する。このため、装置又は成膜工程を複雑化させることなく、遮蔽度を異ならせることができ、薄膜の膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
一例では、前記シャッター機構は、前記成膜空間内で回転可能なドーム状部材を含み、前記複数の入射制御部は、前記ドーム状部材に形成された第1開口部と、前記第1開口部を囲み、前記ドーム状部材から前記基板に向けて第1の高さだけ突出する第1シールド部とを含む第1入射制御部と、前記基板に向けて突出するシールド部によって囲まれていない、前記ドーム状部材に形成された第2開口部を含む第2入射制御部と、を含む。前記スパッタ装置は、前記ドーム状部材を回転させる駆動モータを更に備え、前記駆動モータは、前記複数の入射制御部の前記開口部のうち、前記選択ターゲットの材質に応じて選択された開口部を介して当該選択ターゲットが露出するように、前記ドーム状部材を回転させる。
この構成によれば、駆動モータの動作によって、遮蔽度を切り替えることができる。
一例では、前記複数の入射制御部は、前記ドーム状部材に形成された第3開口部と、前記第3開口部を囲み、前記ドーム状部材から前記基板に向けて、前記第1の高さとは異なる第2の高さだけ突出する第2シールド部とを含む第3入射制御部を更に含む。
この構成によれば、選択ターゲットの種類の増加に対処することができる。
一例では、前記第1シールド部は、前記第1開口部を囲む環状の壁部である。
この構成によれば、簡単な構造でシャッター機構(例えば第2シャッター)に複数の遮蔽度を付与することができる。
スパッタ装置の概略断面図。 ターゲットの配置を示す模式図。 シャッター機構の分解斜視図。 第1シャッターの下面図。 第2シャッターの下面図。 ターゲット及び第1シールド部の断面図。 ターゲット及び第2シールド部の断面図。 ターゲット及び開口部の断面図。 (a)〜(c)は第1及び第2シャッターの配置パターンを示す模式図。 (a)〜(c)は第1及び第2シャッターの配置パターンを示す模式図。 (a)〜(c)は第1及び第2シャッターの配置パターンを示す模式図。 第2実施形態のシャッター機構の分解斜視図。 (a)〜(c)は第1及び第2シャッターの配置パターンを示す模式図。 変形例のスパッタ装置の概略断面図。 異なる材質のターゲットの膜厚分布を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態のスパッタ装置1を図1〜図11にしたがって説明する。
スパッタ装置1は、マグネトロンスパッタ装置である。内部空間すなわち成膜空間2Sを有するチャンバ2は、例えば有底筒状のチャンバ本体2aと、チャンバ本体2a内を真空状態に密閉する上壁部2bとを含む。チャンバ本体2aは底壁部2c等に形成された排気口2dを介して真空ポンプ等からなる排気機構3に連結されている。
チャンバ本体2aには、スパッタガスを導入するためのガス導入口2eが形成され、該ガス導入口2eには、ガス供給源やガス供給管、マスフローコントローラ等からなるガス供給機構9が連結されている。ガス供給機構9は、ガス導入口2eを介して、Arガス、Krガス、Xeガス等のスパッタガスを流量を制御しながらチャンバ本体2aに導入する。尚、スパッタガスとしては、窒素や一酸化炭素等の反応ガスを含む構成であってもよい。
チャンバ2には、図示しない搬送口を介して、シリコン基板、ガラス基板等といった基板Sが搬入される。基板Sはチャンバ2内に設けられた回転式の基板ホルダ4の基板位置に載置される。
基板ホルダ4は円盤状に形成され、その底面において駆動軸5及び伝達機構7を介して駆動モータ6が連結されている。駆動モータ6の駆動軸5は、チャンバ2の底壁部2cに回転可能に支持されている。駆動モータ6が回転すると、伝達機構7を介して駆動軸5に回転が伝達されて基板ホルダ4が駆動モータ6の回転方向と同方向に回転する。この駆動モータ6はスパッタ実行時に基板ホルダ4を回転させ、基板ホルダ4に載置された基板Sに堆積するスパッタ粒子の偏りを抑制するようになっている。
チャンバ2の内部には、基板ホルダ4の外周面やチャンバ本体2aの内壁を覆う複数の防着板8が設けられている。防着板8は、基板ホルダ4の外周面やチャンバ本体2aの内壁に対するスパッタ粒子の付着を抑える。
チャンバ2の上壁部2bには、複数(図示した例では、3つ)のカソード10が傾動可能に固定されている。図2は、上壁部2bに固定されたカソード10の配置を示す。図2に示すように、本実施形態では、第1カソード10A,第2カソード10B、第3カソード10Cが、上壁部2bの周方向に沿って角度α(=120°)ずつ隔てて固定されている。
図1に示すように、各カソード10は、扁平形状のバッキングプレート11を有している。このバッキングプレート11の底面すなわち基板側の面には、アースシールド12が設けられている。アースシールド12は、ターゲット13を収容するための円盤状のターゲット収容部12aと、該収容部12aを取り囲むように形成された環状凸部12bとを有している。この環状凸部12bの高さは例えば数mm程度である。
各バッキングプレート11は、対応する外部電源Gに接続されており、その外部電源Gからの直流又は交流電力をターゲット収容部12aに収容されたターゲット13に供給する。
各バッキングプレート11の底面であって、各アースシールド12のターゲット収容部12aには、ターゲット13が固定されている。ターゲット13の材質は特に限定されず、金属、金属化合物、絶縁物等から構成される。3つのカソード10のターゲット13は互いに異なる材質であり得る。本実施形態では、第1カソード10Aには、ニッケル(Ni)からなる第1ターゲット13Aが固定され、第2カソード10Bには、コバルト(Co)からなる第2ターゲット13Bが固定され、第3カソード10Cには、酸化マグネシウム(MgO)からなる第3ターゲット13Cが固定される。
各カソード10に固定されたターゲット13の基板側の表面すなわち被スパッタ面13aは、基板Sの表面S1に対して傾斜している。例えば、ターゲット13の中心から基板Sのエッジのうち最遠位置に向かう直線と基板表面とがなす角度は0°超30°以下である。本実施形態では、被スパッタ面13aの法線をターゲット軸線X1と称し、このターゲット軸線X1と、基板Sの表面S1の法線であって基板中心を通る中心軸線X2とがなす角度をターゲット13の傾斜角という。
図2に示すように、第1〜第3ターゲット13A〜13Cはそれぞれ円盤状に形成されている。第1〜第3ターゲット13A〜13Cの中心点PC1〜PC3が同一の円周上に位置する。第1〜第3ターゲット13A〜13Cは、周方向において、角度α(=120°)ずつ隔てて設けられている。尚、本実施形態では第1ターゲット13Aはチャンバ2の正面に配置され、チャンバ2の正面からみて左側に第2ターゲット13Bが配置され、右側に第3ターゲット13Cが配置されているものとする。
各カソード10には、バッキングプレート11を挟んで、ターゲット13と対向した位置に磁気装置14が設けられている。各磁気装置14は、磁気回路15を備えている。外部電源Gからの電力がバッキングプレート11に供給された状態でその磁気回路15が駆動されると、ターゲット13の被スパッタ面13aにマグネトロン磁場が生成される。そして、生成されたマグネトロン磁場が被スパッタ面13aの近傍のプラズマ生成に寄与することにより、プラズマが高密度化されて、被スパッタ面13aがスパッタガスのイオンでスパッタされる。
チャンバ2の上壁部2bには、シャッター機構Mが設けられている。このシャッター機構Mは、第1シャッター20及び第2シャッター30を有している。図3に示すように、シャッター20,30は、中心軸X4に沿って同軸に配置されている。チャンバ2の上方からみたとき、シャッター20,30は重なる。第2シャッター30は第1シャッター20の下方(内側)に設けられている。
図3に示すように、第1シャッター20は、その外周縁に鍔部21aを有する略半球形状またはドーム状のシャッター本体21を有する。シャッター本体21には、2つの開口部22が貫通形成されている。各開口部22は、ターゲット13を成膜空間2Sに対して露出させるための穴であって、ターゲット13の形状に合わせて円形状に形成され、その内径はターゲット13の直径よりも若干大きく形成されている。
図4は、第1シャッター20の下面20aを示す。開口部22は、シャッター本体21の頂点PC4と鍔部21aとの間に形成されている。開口部22は、シャッター本体21の周方向において角度αだけ隔てて設けられている。換言すると、一方の開口部22の中心点PC5と第1シャッター20の頂点PC4とを結ぶ直線と、他方の開口部22の中心点PC6と上記頂点PC4とを結ぶ直線とがなす角度αは、120°である。尚、一方の開口部22の中心点PC5がチャンバ2の正面に位置し、チャンバ2の正面からみてその右側に他方の開口部22が位置する状態を、第1シャッター20の基準位置と称する。基準位置に配置された第1シャッター20は、上記したようにチャンバ2の正面に配置された第1ターゲット13Aと、正面からみて右側に配置された第3ターゲット13Cとを成膜空間2Sに露出させる。
この第1シャッター20は、チャンバ2の内部で回転可能である。図1に示すように、第1シャッター20は伝達機構25を介して駆動モータ23の駆動軸24に接続されている。この駆動軸24は、チャンバ2の上壁部2bに回動可能に支持されている。駆動軸24と第1シャッター20との間に設けられた伝達機構25は、駆動軸24の回転を第1シャッター20に伝達する。伝達機構25の構成は特に限定されないが、例えばモータ等の駆動源、ギア、ラチェット等を有し、駆動軸24の回転を第1シャッター20に伝達する伝達モードと、駆動軸24の回転を第1シャッター20に伝達しない非伝達モードとを切り替えるように構成されている。
駆動モータ23を駆動して第1シャッター20を回動させると、図4に示すように各開口部22は、開口部22の直径と同じ幅を有する環状の軌跡R1上を移動する。図2に示すように、この軌跡R1内に各ターゲット13が含まれる。このため、第1シャッター20を基準位置から120°ずつ回動させると、第1シャッター20の開口部22は3つのターゲット13のうち2つのターゲット13の位置とそれぞれ重なり、それら開口部22に対向する2つのターゲット13が成膜空間2Sに選択的に露出する。このとき、3つのターゲット13のうち1つのターゲットは第1シャッター20に遮蔽されて成膜空間2Sに露出しない。
次に、第2シャッター30について説明する。図3に示すように、第2シャッター30は、第1シャッター20と同様に下端に鍔部31aを有する略半球状またはドーム状のシャッター本体31を有している。シャッター本体31は、第1シャッター20のシャッター本体21とほぼ同じ大きさに形成されている。このシャッター本体31には、ターゲット13から放出されて基板外周部へ向かうスパッタ粒子数を制御する第1〜第3入射制御部30A〜30Cが設けられている。
図5は、第2シャッター30の下面30aを示す。入射制御部30A〜30Cは、シャッター本体31を貫通する開口部33〜35をそれぞれ有している。各開口部33〜35は、第1シャッター20に遮蔽されていないターゲット13を成膜空間2Sに露出させるための穴であって、第1シャッター20の各開口部22と同様にターゲット13の形状に合わせて円形状に形成され、その内径はターゲット13の直径よりも若干大きく形成されている。
開口部33〜35は、シャッター本体31の頂点PC8と鍔部31aとの間に形成されている。開口部33〜35は、シャッター本体31の周方向において角度αずつ隔てて等間隔で設けられている。換言すると、開口部33〜35の中心点PC9〜PC11とシャッター本体31の頂点PC8とを結ぶ直線のうち、隣接する直線同士がなす角度αは120°である。
入射制御部30A〜30Cは、開口部33〜35の外側に設けられた壁部としてのシールド部の高さに応じて、異なる遮蔽度を有している。例えば、第1入射制御部30Aは、開口部33の外周に第1シールド部36を備えている。第1シールド部36は、開口部33を取り囲む環状の壁部である。第1シールド部36の下面36uは、開口36Pを区画する。図3に示すように、第1シールド部36は、高さすなわち第1シールド長H1を有する。尚、第1シールド長H1は、特に限定されないが、50〜120mmが好ましい。
第1入射制御部30Aのシールド部36の高さは、入射制御部30A〜30Cの中で最も高く、それゆえ、第1入射制御部30Aの遮蔽度は最も大きい。
第2入射制御部30Bは、開口部34のみで構成されている。第1入射制御部30Aとは異なり、第2入射制御部30Bは、開口部34の外周に基板Sに向かって突出する環状の壁部を備えていない。言い換えると、第2入射制御部30Bの開口部34の外周の壁部の高さは「0」である。従って、第2入射制御部30Bの遮蔽度は入射制御部30A〜30Cの中で最も小さい。
第3入射制御部30Cは、開口部35の外周に第2シールド部37を備えている。第2シールド部37は、開口部35を取り囲む環状の壁部である。第2シールド部37の下面37uは開口37Pを区画する。この第2シールド部37は、高さすなわち第2シールド長H2を有する。第2シールド長H2は、第1シールド長H1よりも短い。第2シールド長H2は、上記範囲50〜120mm内であって、第1シールド長H1よりも短ければよい。第3入射制御部30Cは、第1入射制御部30Aに次いで大きい遮蔽度を有する。
図1に示すように、この第2シャッター30もチャンバ2の内部で回転可能である。第2シャッター30の中心軸X4(図3参照)が駆動モータ23の駆動軸24の中心線に一致するように、第2シャッター30は例えば伝達機構25を介して駆動モータ23に連結されている。第2シャッター30は、駆動モータ23の回動方向と同方向に回動する。
駆動モータ23を駆動して第2シャッター30を回動させると、図5に示すように、入射制御部30A〜30Cの開口部33〜35は、開口部33〜35の直径と同じ幅を有する環状の軌跡R2上を移動する。図2に示すように、この軌跡R2内に、各ターゲット13の位置が含まれる。このため、第1シャッター20によって選択的に露出された2つのターゲット13に対し、第2シャッター30の開口部33〜35のうちいずれか2つが第1シャッター20の開口部22の位置と一致するように停止された際には、その2つのターゲット13は、第1シャッター20及び第2シャッター30を介して成膜空間2Sに露出されるようになる。また、第2シャッター30を120°ずつ回転させることにより、露出されるターゲット13に対向するシールド部36,37又は開口部34を変更することができる。
尚、第1シールド部36がチャンバ2の正面に位置する状態を第2シャッター30の基準位置と称する。第1シャッター20及び第2シャッター30をそれぞれ基準位置に配置すると、第1シャッター20の開口部22を介して露出された第1ターゲット13Aは、第1シールド部36に対向する。また、開口部22を介して露出された第3ターゲット13Cは、第2シールド部37に対向する。
次に、入射制御部30A〜30Cの作用について図6〜図8に従って説明する。図6は、一ターゲット13が第1シャッター20の開口部22を介して、第2シャッター30の第1入射制御部30Aと対向した状態を示す。このターゲット13は、第1シャッター20の開口部22及び第2シャッター30の開口部33を介して成膜空間2Sに露出されている。スパッタ実行時にはそのターゲット13の被スパッタ面13aから基板Sに向かってスパッタ粒子が放出される。その放出されて基板外周部へ向かうスパッタ粒子の一部を第1シールド部36が遮る。このため、第1シールド部36は、その基板外周部に堆積する粒子の数を第1シールド部36が無い場合に比べ減少させ、基板外周部における膜厚を小さくさせる。
具体的には、例えばターゲット13の周縁部であって、基板中心を通る中心軸線X2から比較的遠い基準点Pk1から放出されて基板Sに向かう粒子の軌跡SP1は、図中2点鎖線で示すように第1シールド部36に遮られない。また、ターゲット13の中心部に位置する基準点Pk2から放出されて基板Sに向かう粒子の軌跡SP2も第1シールド部36によって遮られることはない。
一方、ターゲット13の周縁部に位置し、基板中心を通る中心軸線X2から比較的近い基準点Pk3から放出され基板Sに向かう粒子の軌跡SP3は、その一部が第1シールド部36によって遮られる。即ち、基準点Pk3を始点として、第1シールド部36の下面36uに接して基板Sの表面S1に最短距離で到達する直線L1と該表面S1とがなす角度を入射角θin1とすると、その入射角θin1よりも小さい角度で入射しようとするスパッタ粒子は、第1シールド部36によって遮られる。このため、入射角θin1よりも小さい角度で放出されるスパッタ粒子は基板S上に堆積することがないので、このスパッタ粒子が到達する予定であった領域は、シールド部が無い状態でスパッタした場合と比較して膜厚が小さくなる。この領域は、基準点Pk3からみて、基板中心軸線X2の向こう側に位置する基板外周部S2である。尚、第1シールド部36によって膜厚が小さくなる基板外周部S2の幅をΔW1とする。また、本実施形態では、基準点Pk1,Pk2から放出され基板表面へ向かうスパッタ粒子は、第1シールド部36によって遮られないとしたが、そのスパッタ粒子が遮られるように第1シールド部36を構成してもよい。
図7は、一ターゲット13が第1シャッター20の一開口部22を介して、第2シャッター30の第3入射制御部30Cと対向した状態を示す。このターゲット13は、第1シャッター20の開口部22及び第2シャッター30の開口部35を介して成膜空間2Sに露出されている。スパッタ実行時にはそのターゲット13の被スパッタ面13aから基板Sに向かってスパッタ粒子が放出される。その放出された一部のスパッタ粒子のうち、基板外周部S2へ向かう一部の粒子の飛行を第2シールド部37が遮る。このため、第2シールド部37は、その基板外周部S2に堆積する粒子の数を、第2シールド部37が無い場合に比べ減少させ、その基板外周部S2における膜厚を小さくなる。ただし、第2シールド部37の高さが第1シールド部36のものに比べ低いため、第2シールド部37によって生じる膜厚が小さくなる基板外周部S2の幅は、第1シールド部36によって生じるものに比べ小さい。
具体的には、ターゲット13の被スパッタ面13aのうち上記した基準点Pk1,Pk2から放出されて基板Sに向かうスパッタ粒子の軌跡SP1,SP2は、第2シールド部37によって遮られることはない。一方、上記基準点Pk3から放出され基板Sに向かう粒子の軌跡SP3は、その一部が第2シールド部37によって遮られる。即ち、基準点Pk3を始点として、第2シールド部37の下面37uに接して基板Sの表面S1に最短距離で到達する直線L2と該表面S1とがなす角度を入射角θin2とすると、その入射角θin2よりも小さい角度で入射しようとするスパッタ粒子は、第2シールド部37によって遮られる。このため、基準点Pk3から入射角θin2よりも小さい角度で放出されるスパッタ粒子は基板S上に堆積することがないので、このスパッタ粒子が到達する予定であった基板外周部S2は、シールド部が無い状態でスパッタした場合と比較して膜厚が小さくなる。
また、第2シールド部37によって膜厚が小さくなった基板外周部S2の幅ΔW2は、第1シールド部36の場合の基板外周部S2の幅ΔW1よりも小さい。また、上記入射角θin2は、第1シールド部36の場合の入射角θin1よりも小さい。
図8は、一ターゲット13が第1シャッター20の一開口部22を介して第2シャッター30の第2入射制御部30Bと対向した状態を示す。この場合には、開口部34を取り囲むシールド部が無いため、上記した基準点Pk1〜Pk3から基板Sの表面S1に向かうスパッタ粒子は、第2入射制御部30Bに遮られることはない。このため、開口部34に対向したターゲット13から放出されたスパッタ粒子は、第2シャッター30が無い状態でスパッタされた場合とほぼ同じ膜厚分布で基板上に堆積する。
次に、第1シャッター20及び第2シャッター30の配置パターン(回転位置)について図9〜図11に従って説明する。図9〜図11は、第1シャッター20及び第2シャッター30の開口がターゲット13に重ねられた状態で、第2シャッター30を下面30aからみた図である。
図9(a)〜図9(c)では、第1シャッター20が基準位置に配置されている。この場合、第1シャッター20の開口部22は、第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cにそれぞれ対向する。このため、第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cは開口部22を介して成膜空間2Sに露出され、第2ターゲット13Bはシャッター本体31に遮蔽される。
このように成膜空間2Sに露出された第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cに対しては、第2シャッター30の配置パターンは、図9(a)〜(c)に示す3つの配置パターンのうち、第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cの材質に合わせて選択される。
図9(a)は、第2シャッター30を基準位置に配置した状態を示す。この場合、第1ターゲット13Aに第1シールド部36が対向し、第3ターゲット13Cに第2シールド部37が対向する。このため、本実施形態のように第1ターゲット13Aとして、基板外周部S2において膜厚を増大させる傾向にあるNiを用いる場合には、第1シールド部36により基板外周部S2における膜厚の増大を抑制することができるため、結果的に基板Sに形成される薄膜の膜厚及び組成を均一化することができる。また、第3ターゲット13CとしてMgOを用いた場合にも、基板外周部S2における膜厚の増大を抑制することができ、結果的に基板Sに形成される薄膜の膜厚及び組成を均一化することができる。
第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cとして上記の材質を用いた場合には図9(a)の配置パターンが膜厚の均一化の上で有効であるが、第1ターゲット13A及び第3ターゲット13Cが他の材質である場合には、その材質の膜厚分布の傾向に応じて第2シャッター30を他の配置パターンにすることも可能である。尚、第2シャッター30のみを所望の配置パターンまで回動させる場合には、伝達機構25を駆動して第1シャッター20に回転力が伝達されない非伝達モードにし、第2シャッター30のみを基準位置から所望の配置パターンまで回動させることができる。
以下の説明では、第1シャッター20及び第2シャッター30の回転方向は第2シャッター30の下面から見たときに時計回りであるが、反時計回りでもよく、互いに異なっていても良い。
図9(b)は、第2シャッター30を基準位置から120°回転させた状態を示す。この場合、第1ターゲット13Aは開口部34に対向し、第3ターゲット13Cは、第1シールド部36に対向する。この配置パターンは、例えば、第1ターゲット13Aに、シールド部が無い状態でも比較的均一な膜厚分布が得られる材質を用い、第3ターゲット13Cに、シールド部が無い状態で基板外周部S2における膜厚を大きしさせ、かつ、基板外周部S2において膜厚が増大する領域(以下、膜厚増大領域という)の幅を特に大きくさせる材質を用いた場合に有効である。
図9(c)は、第2シャッター30を基準位置から240°回転させた状態を示す。第1ターゲット13Aは第2シールド部37に対向し、第3ターゲット13Cは開口部34に対向する。この配置は、例えば、第1ターゲット13Aに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質を用い、第3ターゲット13Cに、シールド部が無くても比較的均一な膜厚分布が得られる材質を用いた場合に有効である。
尚、シールド部が無い状態でスパッタした際に基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質をターゲット13として用いる場合、その膜厚増大領域の幅は予め実験又はシミュレーションを行って調べておく。本明細書では、シールド部(36、37)を備えないスパッタ装置で所与のターゲットを用いてスパッタリングしたときに形成される薄膜の膜厚分布を、「ターゲットの材料に依存する膜厚分布」または「ターゲット単体でスパッタした際の膜厚分布」と呼ぶことがある。そして、スパッタ実行時には、第1シールド部36によって膜厚増大を抑制できる幅ΔW1と、第2シールド部37によって膜厚増大を抑制できる幅ΔW2とのうち、予め調べた膜厚増大領域の幅に近い方を、該ターゲット13に対向させるシールド部として選択する。さらに、選択されたシールド部を備えたカソード10を傾動させて、ターゲット13の傾斜角を変更することにより、そのシールド部により膜厚増大を抑制できる領域の幅を、実際の膜厚増大領域の幅に近づける微調整を行うことができる。例えばターゲット13の傾斜角を大きくすると、シールド部によって膜厚増大を抑制できる領域の幅が小さくなる。ターゲット13の傾斜角を小さくすると、シールド部によって膜厚増大を抑制できる領域の幅が大きくなる。
第2ターゲット13B及び第3ターゲット13Cを用いてスパッタを実行する際には、図10(a)〜(c)に示すように、第1シャッター20を基準位置から120°回転させた位置に配置する。この位置に配置された第1シャッター20は、開口部22を介して第2ターゲット13B及び第3ターゲット13Cを選択的に成膜空間2Sに露出させ、第1ターゲット13Aをシャッター本体21によって遮蔽している。
そして第2シャッター30は、図10(a)〜(c)に示す3つの配置パターンのうち、その選択ターゲット(13B,13C)の材質に合わせた配置パターンに配置される。
図10(a)は、第2シャッター30を基準位置に配置した状態を示す。第2ターゲット13Bは開口部34に対向し、第3ターゲット13Cは、第2シールド部37に対向する。この配置パターンは、例えば本実施形態のように第2ターゲット13BとしてCoを用い、第3ターゲット13CとしてMgOを用いる場合に有効である。即ち、第2ターゲット13BがCoのようにシールド部が無くても比較的均一な膜厚分布が得られる材質である場合には、第2シャッター30は、壁部がない開口部34を第2ターゲット13Bと対向させることで、基板外周部S2に到達するスパッタ粒子の飛行を妨げることなく、第2ターゲット13Bのスパッタ粒子を該基板外周部S2に堆積させることができる。第2ターゲット13BがMgOのようにシールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質である場合には、第2シャッター30は、第2シールド部37を第2ターゲット13Bと対向させることで、結果的に基板Sに形成される薄膜の膜厚及び組成を均一化することができる。
図10(b)は、第2シャッター30を基準位置から120°回転させた状態を示す。第2ターゲット13Bは第2シールド部37に対向し、第3ターゲット13Cは第1シールド部36に対向する。この配置パターンは、例えば第2ターゲット13Bに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質を用い、第3ターゲット13Cに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなり、その膜厚増大領域の幅が特に大きい材質を用いた場合に有効である。
図10(c)は、第2シャッター30を基準位置から240°回転させた状態を示す。第2ターゲット13Bは第1シールド部36に対向し、第3ターゲット13Cは開口部34に対向する。この配置は、例えば、第2ターゲット13Bに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなり、その膜厚増大領域の幅が特に大きい材質を用い、第3ターゲット13Cにシールド部が無い状態でも比較的均一な膜厚分布が得られる材質を用いた場合に有効である。
第1ターゲット13A及び第2ターゲット13Bを用いてスパッタを実行する際には、図11(a)〜(c)に示すように、第1シャッター20を基準位置から240°回転させた状態に配置する。この位置に配置された第1シャッター20は、開口部22を介して第1ターゲット13A及び第2ターゲット13Bを選択的に成膜空間2Sに露出させ、第3ターゲット13Cをシャッター本体21によって遮蔽している。
そして第2シャッター30は、図11(a)〜(c)に示す3つの配置パターンのうち、その選択ターゲット(13A,13B)の材質に合わせた配置パターンに配置される。
図11(a)は、第2シャッター30を基準位置に配置した状態を示す。第1ターゲット13Aは第1シールド部36に対向し、第2ターゲット13Bは開口部34に対向する。この配置パターンは、例えば本実施形態のように、第1ターゲット13AとしてNiを用い、第2ターゲット13BとしてCoを用いる場合に有効である。即ち、上記したように、第1ターゲット13Aに対しては、第2シャッター30は第1シールド部36により基板外周部S2における膜厚の増大を抑制し、第2ターゲット13Bに対しては、第2シャッター30は基板外周部S2に到達するスパッタ粒子の飛行を妨げない。
図11(b)は、第2シャッター30を基準位置から120°回転させた状態を示す。第1ターゲット13Aは開口部34に対向し、第2ターゲット13Bは第2シールド部37に対向する。この配置パターンは、例えば第1ターゲット13Aに、シールド部が無くても比較的均一な膜厚分布が得られる材質を用い、第2ターゲット13Bにシールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質を用いた場合に有効である。
図11(c)は、第2シャッター30を基準位置から240°回転させた状態を示す。第1ターゲット13Aは第2シールド部37に対向し、第2ターゲット13Bは、第1シールド部36に対向する。この配置パターンは、例えば、第1ターゲット13Aに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなる材質を用い、第2ターゲット13Bに、シールド部が無い状態で基板外周部S2において膜厚が大きくなり、その膜厚増大領域の幅が特に大きい材質を用いた場合に有効である。
次に、スパッタ処理の手順について説明する。基板Sに対して成膜処理を行う際、チャンバ2内に基板Sを搬入し、その基板Sを基板ホルダ4に載置して所定の成膜開始位置まで回転させる。さらに、ガス供給機構9からのスパッタガスを成膜空間2Sに導入して、チャンバ2内の圧力を所定圧力に調整する。
次に、第1シャッター20及び第2シャッター30を駆動モータ23により所望の回転位置まで回動し、2つのターゲット13を選択する。それらのターゲット13に適した入射制御部を対向させる。このとき、第1シャッター20及び第2シャッター30が所望の回転位置に到達するまでの回転角度が互いに同一角度であれば、シャッター20,30を同方向に同一角度だけ回動させればよい。回転角度が互いに異なる場合には、第1シャッター20を所望の回転位置まで回動させる。その後、伝達機構25を非伝達モードに切り替えて、第1シャッター20に駆動モータ23の回転が伝達されない状態で駆動モータ23を時計回り又は反時計回りに第2シャッター30の所望の回転位置に応じた角度だけ回転させる。これにより、第1シャッター20は停止した状態に保持され、第2シャッター30のみが所望の回転位置まで回動される。このようにして、選択ターゲットに適したシールド部36,37又は開口部34が、それらの選択ターゲットに対向させることができる。
各シャッター20,30が所望の回転位置まで回動した後、選択ターゲットに対するカソード10の磁気回路15を駆動して、選択ターゲットの被スパッタ面13aにマグネトロン磁場を生成する。その選択ターゲットに所定の直流又は交流電力を印加する。これにより、選択ターゲットの被スパッタ面13aと成膜空間2Sとの間で放電が開始され、その被スパッタ面13aを用いてスパッタが実行される。
このとき、各選択ターゲットには、その材質に適したシールド部36,37又は開口部34が対向している。このため、シールド部が無い状態においてスパッタした際に基板外周部S2の膜厚を増大させるターゲット13には、シールド部36または37が対向する。この場合、シールド部36,37によるスパッタ粒子の遮蔽により基板外周部S2に到達するスパッタ粒子数が少なくなり、基板外周部S2における膜厚増大が抑制される。また、シールド部が無い状態で比較的均一な膜厚分布が得られるターゲット13には、開口部34が対向するため、スパッタ粒子を遮蔽することなく成膜を行うことができる。このように、選択ターゲットの膜厚分布の傾向に応じたシールド部36,37又は開口部34が当該選択ターゲットに選択的に対向されることで、選択ターゲット毎の膜厚の偏りを抑制できる。ガス流量、ターゲットの傾斜角、外部電源Gからの供給電力といった諸条件を変更することなく、結果的に薄膜の径方向における膜厚の偏りが抑制される。従って、膜質を変更することなく、膜厚の面内均一性が向上されるとともに、同一層内の組成も均一化することができる。
続けて選択ターゲットを変更してスパッタを行う場合には、第1シャッター20を回動させて、第1シャッター20の開口部22を、変更後の選択ターゲット13に対向させる。また、第2シャッター30を回動させて、変更後の各選択ターゲットの材質に適したシールド部36,37又は開口部34を各選択ターゲットに対向させる。その後、スパッタリングを行う。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、スパッタ装置1は、複数のターゲット13を備える多元式の装置であって、複数のターゲット13と成膜空間2Sとの間に、選択ターゲットを成膜空間2Sに露出させる開口部22を有するシャッター機構Mを備えた。このシャッター機構Mは、第1シャッター20及び第2シャッター30から構成される。第2シャッター30は、開口部22を介して選択ターゲットから放出されて基板外周部S2へ向かうスパッタ粒子数を制御する入射制御部30A、30B、30C(シールド部36,37及び開口部34)を備える。そして、スパッタ実行時には、第1シャッター20の開口部22を介して成膜空間2Sに露出される選択ターゲットを単体でスパッタした際の膜厚分布の傾向に応じて、入射制御部30A〜30Cの中から該選択ターゲットに適したいずれか一つの入射制御部を当該選択ターゲットに適用する。例えばNiのような材料と、Co、Ti等のような材料とでは、ターゲット単体でスパッタした際の膜厚分布が互いに異なる。複数のターゲット13を同一装置に搭載する場合でも、基板Sに到達するスパッタ粒子数の分布がターゲット毎に面内で均一化することができる。このため、ガス流量、ターゲットの傾斜角、外部電源Gからの供給電力といった諸条件を変えて膜質を変更することなく、基板Sに形成される薄膜の膜厚の面内均一性を向上するとともに、同一層内の薄膜の組成の均一性を向上することができる。
(2)上記実施形態では、入射制御部30A、30B、30C(シールド部36,37及び開口部34)は、ターゲット13の被スパッタ面13aの外周を囲む壁部の高さ(H1,0,H2)に応じて異なる遮蔽度を有する。即ち、入射制御部30Aは比較的高い(H1)壁部である第1シールド部36を備えるため、大きな遮蔽度を有し、入射制御部30Cは第1シールド部36よりも低い(H2)壁部である第2シールド部37を備えるため、入射制御部30Aのものよりも小さな遮蔽度を有する。入射制御部30Bは、単なる開口部34を備える。当該開口部34を囲む壁部は無いすなわち高さが「0」である。従って、入射制御部30Bは最も小さな遮蔽度を有する。このため、装置又は成膜工程を複雑化させることなく、ターゲット13に応じて遮蔽度を異ならせることができる。
(3)上記実施形態では、シャッター機構Mを、2つの開口部を有する第1シャッター20と、シールド部36,37及び開口部34を有する第2シャッター30とから構成した。第1シャッター20は、ターゲット13に対して回転可能に設けられて2つのターゲット13を2つの開口部22を介して成膜空間2Sに対して選択的に露出させる。第2シャッター30は、第1シャッター20よりも基板Sに近い位置に設けられ、所望の位置まで回動することにより第1シャッター20により選択的に露出された2つのターゲット13に応じて、シールド部36,37及び開口部34のうちの2つを当該2つのターゲット13にそれぞれ対向させる。このため、複数のターゲット13を選択的に露出してスパッタする場合でも、それらのターゲット13に適した入射制御部30A〜30Cを適用することができるので、成膜工程の自由度を妨げることなく、膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
すなわち、図15に示したように、膜厚分布はターゲットの材質に依存する。そこで、駆動モータ23は第2シャッター30を回転させて、第2シャッター30の入射制御部30A〜30Cのうち、ターゲットの材質に応じて選択された入射制御部の開口部を介して当該ターゲットを露出させる。これにより、当該ターゲットに依存して基板Sの周縁部で膜厚が厚くなることが解消される。当該ターゲット対応する薄膜を、基板上にほぼ均一の膜厚で形成することができる。選択ターゲットが複数であるときには、駆動モータ23は第2シャッター30を回転して、第2シャッター30の入射制御部30A〜30Cのうちから複数の選択ターゲットの材質に応じて選択された複数の入射制御部の開口部を介して、当該複数の選択ターゲットをそれぞれ露出させる。これにより、複数の選択ターゲットに対応する複合組成の薄膜を、基板上にほぼ均一の膜厚でほぼ均一の組成で形成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図12〜図13にしたがって説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態の第1シャッター20を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の第1シャッター20は、そのシャッター本体21に1つの開口部22が貫通形成されている。第1実施形態と同様に、開口部22は、円形状であってその内径はターゲット13の直径よりも若干大きく形成されている。このため、本実施形態では、スパッタ実行時には1つのターゲット13が開口部22を介して成膜空間2Sに露出される。
図13(a)は、第1シャッター20及び第2シャッター30が基準位置に配置された状態を示す。この位置に配置された第1シャッター20は、開口部22を介して第1ターゲット13Aを成膜空間2Sにさせ出する。その第1ターゲット13Aには、第2シャッター30の第1シールド部36が対向する。例えばNiからなる第1ターゲット13Aのみを用いて成膜を行う際に、図13(a)の配置パターンが有効である。尚、本実施形態では第1ターゲット13Aに第1シールド部36を対向させたが、ターゲットの膜厚分布に応じて第2シールド部37を第1ターゲット13Aに対向させるようにしてもよい。
図13(b)は、第1シャッター20を基準位置から120°回転させ、第2シャッター30を基準位置に配置した状態を示す。この位置に配置された第1シャッター20は、開口部22を介して第3ターゲット13Cを成膜空間2Sに露出させる。その第3ターゲット13Cには、第2シャッター30の第2シールド部37が対向する。例えばMgOからなる第3ターゲット13Cのみを用いて成膜を行う際に、図13(b)の配置パターンが有効である。尚、本実施形態では第3ターゲット13Cに第2シールド部37を対向させたが、ターゲットの膜厚分布に応じて第1シールド部36を第3ターゲット13Cに対向させるようにしてもよい。
図13(c)は、第1シャッター20を基準位置から240°回転させ、第2シャッター30を基準位置に配置した状態を示す。この位置に配置された第1シャッター20は、開口部22を介して第2ターゲット13Bを成膜空間2Sに露出させる。その第2ターゲット13Bには、開口部34が対向する。例えばCoからなる第2ターゲット13Bのみを用いて成膜を行う際に、図13(c)の配置パターンが有効である。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(4)第2実施形態では、第1シャッター20に形成される開口部22を1つとし、スパッタ実行時には、1つのターゲット13を用いて成膜を行うようにした。また、第2シャッター30には、複数のターゲット13に適したシールド部36,37及び開口部34を設けた。このため、1つのターゲット13を選択的に露出させて成膜を行う場合でも、そのターゲット13に適した入射制御部30A〜30Cを適用することができるので、成膜工程の自由度を妨げることなく、膜厚及び組成の均一化を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図14にしたがって説明する。尚、第3実施形態は、第1実施形態のシャッター機構Mを変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
本実施形態のスパッタ装置1には、2つのターゲット13A,13Bが設けられ、シャッター機構Mは、1枚のシャッター40を有している。シャッター40は、上記実施形態と同様に駆動モータ23の駆動軸24に連結され、チャンバ2に固定されたカソード10のターゲット13に対し回動するように構成されている。
シャッター40は、そのシャッター本体41に、2つの入射制御部50A,50Bが設けられている。入射制御部50A,50Bは、開口部51,52をそれぞれ備えている。第1入射制御部50Aは、開口部51の外周に設けられた環状のシールド部53を備える。第2入射制御部50Bは、開口部52のみを備えている。この開口部52の外周に環状のシールド部は設けられていない。尚、開口部51,52は上記実施形態の開口部33、34と同様な構成である。
スパッタ時には、シャッター40が回動されて、2つのターゲット13が開口部52,53を介して成膜空間2Sに露出される。ターゲット13Aが、例えばNiのように、基板外周部S2において膜厚が小さくなるような材質である場合には、シールド部53を有する第1入射制御部50Aがターゲット13Aと対向する。ターゲット13Bが、例えばCoのようにシールド部が無い状態でも比較的膜厚が均一となる材質である場合には、シールド部がない第2入射制御部50Bがターゲット13Bと対向する。
従って、第3実施形態によれば、第1実施形態に記載の(1)及び(2)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、シャッター機構Mを1枚のシャッター40から構成し、該シャッター40に、シールド部53を有する第1入射制御部50Aと、シールド部が無い第2入射制御部50Bとを設けた。従って、1枚のシャッター40でターゲット毎に膜厚分布が均一化されるため、基板Sに形成される薄膜の膜厚の面内均一性を向上するとともに、同一層内の薄膜の組成の均一性を向上することができる。
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、複数の入射制御部は環状のシールド部36,37と開口部34とを含む。複数の入射制御部は、開口部33〜35の周囲の壁部の高さ(高さゼロも含む)に応じて異なる遮蔽度を有する。入射制御部の壁部は他の形状にしてもよい。例えば、環状であって、しかもターゲット側から基板側に向かうに従ってその内径が小さくなる先細り形状にしてもよい。或いは、リング状部材の内側であって、基板Sの中心軸X4に近い方に仕切り板を有するコリメータを設け、中心軸X4から遠い方はコリメータを設けずに、コリメータを通過させることで基板外周部S2に到達するスパッタ粒子数を低減させるようにしてもよい。要は、遮蔽度が高い入射制御部は、基板外周部S2に到達するスパッタ粒子数を低減させる形状にすればよい。
・第1実施形態では、シールド部36,37は互いに異なる高さを有するが、ターゲット13の材質によっては、シールド部36,37は互いに同じ高さに形成してもよい。
・上記実施形態では、各シールド部36,37における壁部の高さは一定である。しかし、各シールド部に対応する開口部の周方向にそって連続する壁部の高さは、不均一にしてもよい。この場合、基板外周部S2に到達するスパッタ粒子数を低減させるように、壁部の一部を高くし、その他を低くすることができる。
・上記実施形態では、スパッタ装置を、マグネトロンスパッタ装置に具体化したが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ装置に具体化してもよい。この装置に具体化した場合でも、ターゲットに応じた膜厚分布の傾向に応じて、膜厚を小さくしたい領域に向かうスパッタ粒子の飛行を妨げるシールド部を、そのターゲットに対向するように設ける。
M…シャッター機構、S…基板、S2…基板外周部、1…スパッタ装置、2…チャンバ、2S…成膜空間、13,13A〜13B…ターゲット、13a…被スパッタ面、20…第1シャッター、22,33〜35,51,52,53…開口部、30…第2シャッター、30A〜30C,50A,50B…入射制御部、36,37,53…壁部としてのシールド部、36P,37P…開口。

Claims (8)

  1. 複数のターゲットを備え、成膜空間に配置された基板に薄膜を形成するスパッタ装置において、
    前記複数のターゲットと成膜空間との間に配置されたシャッター機構であって、前記複数のターゲットのうちの選択ターゲットを前記成膜空間に露出させる開口部を有する前記シャッター機構を備え、
    前記シャッター機構は、前記選択ターゲットから放出されて基板外周部へ向かうスパッタ粒子の数を制御する複数の入射制御部を備え、当該複数の入射制御部は、スパッタ粒子に対して複数の遮蔽度を有しており、
    前記成膜空間に露出される前記選択ターゲットを単体でスパッタした際の膜厚分布に応じて、前記複数の入射制御部の中から該選択ターゲットに適した入射制御部を当該選択ターゲットに適用することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記複数の入射制御部は、前記複数のターゲットの外側に配置される壁部の高さに応じて異なる遮蔽度を有することを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記シャッター機構の前記複数の入射制御部は、
    前記選択ターゲットの被スパッタ面の外周に設けられた壁部を有する入射制御部と、
    前記選択ターゲットの被スパッタ面を露出可能な開口のみからなる入射制御部とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタ装置。
  4. 前記シャッター機構は、
    前記複数のターゲットの数よりも少ない数の開口部を有し前記複数のターゲットに対して回転可能に設けられた第1シャッターであって、前記選択ターゲットは前記第1シャッターの前記開口部を介して前記成膜空間に選択的に露出されたターゲットである、前記第1シャッターと、
    前記第1シャッターよりも前記基板に近い位置に設けられ、前記複数の入射制御部を有し、前記第1シャッターにより選択的に露出された前記選択ターゲットに適した入射制御部を該選択ターゲットに対向させる第2シャッターと
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
  5. 前記複数の入射制御部のうち比較的大きい遮蔽度を有する入射制御部は、前記選択ターゲットの被スパッタ面から放出され前記基板外周部に向かうスパッタ粒子を妨げる壁部を有し、
    前記選択ターゲットが、当該ターゲット単体でスパッタした際に基板中央部よりも基板外周部における膜厚が大きい薄膜を形成する材質である場合、当該選択ターゲットに対し、前記比較的大きい遮蔽度を有する前記入射制御部を適用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
  6. 前記シャッター機構は、前記成膜空間内で回転可能なドーム状部材を含み、
    前記複数の入射制御部は、
    前記ドーム状部材に形成された第1開口部と、前記第1開口部を囲み前記ドーム状部材から前記基板に向けて第1の高さだけ突出する第1シールド部とを含む第1入射制御部と、
    前記基板に向けて突出するシールド部によって囲まれていない、前記ドーム状部材に形成された第2開口部を含む第2入射制御部と、
    を含み、
    前記スパッタ装置は、前記ドーム状部材を回転させる駆動モータを更に備え、
    前記駆動モータは、前記複数の入射制御部の前記開口部のうち、前記選択ターゲットの材質に応じて選択された開口部を介して当該選択ターゲットが露出するように、前記ドーム状部材を回転させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  7. 前記複数の入射制御部は、
    前記ドーム状部材に形成された第3開口部と、前記第3開口部を囲み、前記ドーム状部材から前記基板に向けて、前記第1の高さとは異なる第2の高さだけ突出する第2シールド部とを含む第3入射制御部を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のスパッタ装置。
  8. 前記第1シールド部は、前記第1開口部を囲む環状の壁部であることを特徴とする請求項6に記載のスパッタ装置。
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