JPWO2012011322A1 - 円筒状ワーク切断装置及び金属リング製造方法 - Google Patents

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Abstract

円筒状のワークをレーザ光の照射により切断する際に、ドロスが切断部分に付着するのを極力防止する。回転する円筒状のワークWをレーザ光で切断する際に、加工ヘッド200を、レーザ光がワークの回転軸に向かうラインL1上の位置から、ワークの回転方向上流側のラインL2上の位置へ平行移動させる。

Description

本発明は、金属製の円筒状のワークを切断する円筒状ワーク切断装置、及び金属製の円筒状のワークを切断して金属リングを形成する金属リング製造方法に関する。
一般に、CVTベルト用の金属リングは、金属製薄板の両端縁を接合して得た円筒状のワークを周方向に切断することによって製造される(たとえば、特許文献1参照)。この文献においては、押し切り刃でワークを輪切りにすることにより、金属リングを形成するようにしている。
金属リングの製造に使用される装置として、レーザ光により切断加工を行うようにしたものも知られている(たとえば特許文献2及び3参照)。このような装置においては、金属製の円筒状のワークを円筒軸の周りに回転させながら、レーザ光を円筒軸の方向に向けてワークに照射することにより、ワークを切断するようにしている。
特開2005−297074号公報 特公昭63−53912号公報 実開昭59−62879号公報
しかしながら、上述のレーザ光を用いた装置によれば、ワークを構成する金属がレーザ光の照射により溶融又は昇華することによって、ドロスが発生し、切断部分に付着するという問題がある。
従来、冷却媒体の供給により溶融金属の発生を抑制したり、昇華ガスを吸引したりすることにより、ドロスの発生や付着を防止するための工夫がなされている。しかし、それでもドロスの付着が問題となる場合があり、より確実にドロスの付着を防止することが望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、円筒状のワークをレーザ光の照射により切断するに際して、ドロスが切断部分に付着するのを極力防止することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る円筒状ワーク切断装置は、金属製の円筒状のワークをその円筒軸の周りに回転させる回転手段と、前記回転手段により回転されているワークを切断するために、該ワークに対してレーザ光を照射する加工ヘッドと、前記加工ヘッドの位置を、該加工ヘッドによるレーザ光の照射方向が前記回転手段による回転軸に向かうときの該加工ヘッドの位置から、該回転手段による回転方向の上流側へ平行移動させる平行移動手段と、前記平行移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記平行移動手段による平行移動に際し、前記回転手段により回転されているワークに対するレーザ光の入射角度が所定の角度となる位置に前記加工ヘッドが位置するように、前記平行移動手段を制御することを特徴とする。
これによれば、加工ヘッドの位置を、上述のように回転方向の上流側へ平行移動させ、ワークに対するレーザ光の入射角度が所定角度となるようにすることによって、レーザ光の照射により切断加工が進行している部分の長さを短縮することができる。これにより、切断加工で発生するドロスを減少させ、かつドロスが切断部分に滞留する時間を短縮することができる。したがって、ドロスが切断部分に付着するのを効果的に防止することができる。
ここで、ワークに対するレーザ光の入射角度が所定角度となるようにするためには、加工ヘッドを、一定の中心の周りに回転させる方法も考えられる。しかしながら、これによれば、不可避的に発生する加工ヘッドの回転角度の調整誤差が、回転の中心から離れるほど拡大されるので、繰り返し高い精度で入射角度が所定角度となるように加工ヘッドの回転角度を制御するのは困難である。
この点、加工ヘッドの向き及び位置を、レーザ光の照射方向が回転手段の回転軸に向かう方向となる位置に高い精度で合わせておくことにより、本発明に従い、この位置から加工ヘッドを、ワークに対するレーザ光の入射角度が所定角度となるような位置に平行移動することは、比較的高い精度で行うことができる。また、このような平行移動を行うための機構は、比較的安価である。
また、本発明はさらに、前記制御手段は、前記回転手段によるワークの回転の速度を制御するものであり、各種材料による前記ワーク毎に、該ワークに形成されるドラグラインの傾き角度と、各傾き角度に対応する該ワークの厚み及び回転速度、並びに前記所定の入射角度に相当する加工ヘッドの位置とを関連付けたデータを記憶しており、前記平行移動手段の制御に際しては、該データに基づいて、前記回転手段により回転されているワークの厚み及び回転速度に対応する加工ヘッドの位置を取得し、該位置に前記加工ヘッドが位置するように、前記平行移動手段を制御するものであることを特徴とする。
これによれば、上述のデータに基づいて、ワークの厚み及び回転速度に対応する加工ヘッドの位置を取得し、この位置に加工ヘッドを平行移動させてレーザ光の照射を行うことにより、該ワークの材料に応じた所望のドラグラインの傾きが生じるようなワークの切断を行うことができる。なお、ドラグラインとは、レーザ光によりワークWを切断するときに発生した溶融金属が凝固するときに切断面に形成される層状の線である。ドラグラインの傾きは、レーザ光による切断部分へのドロスの付着量に関係する。
本発明に係る金属リング製造方法は、金属製の円筒状のワークを、保持部材により内面を支持して保持する保持工程と、前記保持部材により保持されたワークを、前記保持部材を回転させることにより該ワークの円筒軸の周りに所定の回転速度で回転させる回転工程と、前記保持部材により保持されたワークの厚み及び回転速度に応じて定められた位置に、該ワークの回転方向の上流側へ、加工ヘッドを平行移動させる移動工程と、前記回転工程により回転しているワークに対し、前記移動工程により平行移動された加工ヘッドからレーザ光を照射することにより、該ワークを切断して金属リングを形成する切断工程とを具備することを特徴とする。
これによれば、上述の円筒状ワーク切断装置の場合と同様に、ドロスが切断部分に付着するのを効果的に防止することができる。また、ワークに対するレーザ光の入射角度が所定角度となるような位置に対し、簡便な平行移動機構を用い、比較的高い精度で平行移動させることができる。
本発明の一実施形態に係る円筒状ワーク切断装置の一部断面図である。 図1の装置における加工ヘッドと円筒状ワークとの位置関係を示す図である。 図2のラインL1上に加工ヘッドが位置する場合にワークWが切断される様子を示す図である。 図2のラインL2上に加工ヘッドが位置する場合にワークWが切断される様子及びその切断の結果を示す図である。 図4の場合と逆の方向からレーザ光を入射させる場合にワークWが切断される様子及びその切断の結果を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る円筒状ワーク切断装置の一部断面図である。同図に示すように、この装置は、円筒状ワークWを保持してその円筒軸の周りに回転可能な保持部100と、保持部100により回転されるワークWに対しレーザ光を照射する加工ヘッド200と、保持部100の基端側に連結されたスピンドル300と、スピンドル300を回転させるモータ400とを備える。
円筒状ワーク切断装置はさらに、モータ400及びスピンドル300間における動力伝達を行うタイミングベルト500と、保持部100内部に圧縮エアを、スピンドル300を介して供給するための管継手用ソケット600とを備える。なお、本実施形態のモータ400、スピンドル300、保持部100等により本発明における回転手段が構成される。
ワークWは矩形状の金属製薄板の両端を接合して円筒状に形成したものである。これを円筒状ワーク切断装置によって所定幅毎に切断することにより、CVT用金属ベルトが製造される。金属製薄板としては、たとえば、厚さが0.3〜0.4mm程度のマルエージング鋼が用いられる。
保持部100は、ワークWの内面に接してワークWを支持するほぼ円筒形状の保持部材110と、保持部材110の内壁を押圧するほぼ円筒状の押圧部材120と、押圧部材120の径を変化させるための円錐面131及び141をそれぞれ有する第1径変化部材130及び第2径変化部材140と、第1径変化部材130及び第2径変化部材140間の位置関係を調整するための連結バー150及びコイルスプリング160とを備える。
保持部材110にはその円筒軸方向に沿った図示していない第1スリットが基端側から先端近傍まで形成されている。また、同様の第2スリットが先端側から基端近傍まで形成されている。第1スリット及び第2スリットは同数が交互に配置されており、これにより保持部材110は弾性的に径が伸縮自在となっている。
保持部材110にはまた、所定間隔で周方向に複数の周方向溝170が設けられる。各周方向溝170は上述の第1スリット及び第2スリットと交差する。保持部材110はスピンドル300の先端に固定された2つの円環状の連結部材701及び702を介してスピンドル300に連結される。連結部材702の保持部材110側の端部には、環状の挿入口702aが設けられる。
保持部材110の基端近傍は、ワークWを支持する支持面よりも径が小さな小径部111となっている。保持部材110は、小径部111が連結部材702の挿入口702aに嵌合され、連結部材702に固定される。保持部材110の先端近傍は、ワークWを支持する支持面よりも径が大きな大径部112となっている。
押圧部材120の外周面は保持部材110の内壁を押圧し得るように、該内壁に対向している。押圧部材120の基端側の内側には、第1径変化部材130の円錐面131に対応する円錐面121が設けられている。押圧部材120の先端側の内側には、第2径変化部材140の円錐面141に対応する円錐面122が設けられている。円錐面121及び122はいずれも頂部側が押圧部材120の中心に向いている。
押圧部材120には、その円筒軸方向に沿った図示していない基端側スリットが基端側端面から先端近傍まで形成されている。また、同様の先端側スリットが先端側端面から基端近傍まで形成されている。基端側スリット及び先端側スリットは同数、たとえば2つずつが交互に配置されており、これにより押圧部材120は弾性的に径が伸縮自在となっている。
第1径変化部材130は基端側の円柱状の部分と、その先端側に位置し、円錐面131を有する円錐台部分とを備える。該円柱状部分の径と、該円錐台部分の底面の径は同一であり、両部分は段差なく接続している。第1径変化部材130の中心軸上において連結バー150が貫通している。第1径変化部材130の基端部に連結バー150の基端部が固定されている。
第2径変化部材140は円錐台状の形状を有し、円錐面141を形成している。第2径変化部材140の中心軸上において連結バー150が貫通している。コイルスプリング160は第1径変化部材130の円錐台部分の頂部と、円錐台状の第2径変化部材140の頂部との間に介在し、両者が離れる方向に付勢している。コイルスプリング160内を連結バー150が通っている。
円錐台状の第2径変化部材140の底面には、保持部材110の内径に対応する径を有する円盤部材101が固定される。円盤部材101の外側には円盤状のカバー部材102が固定される。カバー部材102の径は保持部材110の内径よりも大きい。したがってカバー部材102は常に保持部材110の端面上に位置する。
円盤部材101及びカバー部材102の中心を連結バー150が貫通している。カバー部材102の外側に隣接する連結バー150部分に嵌合する2つのナット103及び104により、カバー部材102に対する第1径変化部材130の位置を調整することができるようになっている。
スピンドル300は基盤301上において、支持部材302により支持される。支持部材302とスピンドル300との間にはベアリング303が介在する。これにより、スピンドル300はその回転軸の回りに回転自在となっている。
スピンドル300には保持部100にエアを供給するための貫通孔311が中心軸上に設けられる。第1径変化部材130の円柱状部分と、スピンドル300、第1連結部材701、第2連結部材702、及び保持部材110の基端部との間には隙間が形成されている。貫通孔311はこの隙間に接続している。これにより、スピンドル300の貫通孔311から保持部材110の第1スリット及び第2スリットに通じるエア供給路310が形成されている。
モータ400の回転軸及びスピンドル300にはそれぞれプーリ401及び304が設けられる。タイミングベルト500はプーリ401及び304間に掛け渡される。これによりスピンドル300はモータ400の回転に応じて回転するようになっている。
管継手用ソケット600は、図示していない送気管が管継手610を介して接続される本体部620と、本体部620に接続したソケット部630とを備える。ソケット部630は、保持部100とは反対側の貫通孔311の端部に挿入される。図示していない送気管は、冷却媒体としての圧縮エアを供給する圧縮エア供給源に接続される。
図2は加工ヘッド200とワークWとの位置関係を示す図である。図中の210はアルゴンガスや窒素ガス、圧縮エア等を吐出する吐出ノズル、220は吐出ノズル210に対向するように配置され、周囲のガスを吸引する吸引ノズルである。
加工ヘッド200は、ワークWの切断加工を施す際には、加工ヘッド200の中心軸がワークW(保持部材110)の回転中心Oに向かうラインL1上の位置から、ラインL1に垂直な方向に所定の距離Dだけ、切断方向に平行移動したラインL2上の位置に移動される。この移動は、保持部材110の中心軸に垂直な面内において行われる。
なお、切断方向は、矢印230で示されるワークWの回転方向とは反対側の方向、すなわち回転方向の上流側となる。
所定距離DはワークWの厚み、回転速度等の条件に基づき、切断部分にドロスが付着しにくいように設定される。加工ヘッド200の平行移動は平行移動機構240及び制御手段250により行われる。制御手段250は、ワークWの厚みや回転速度に基づき、距離Dを取得し、平行移動機構240を制御して、加工ヘッド200を距離Dの位置に位置させる。
平行移動機構240は、加工ヘッド200をワークWの回転軸に平行な第1の方向に案内し、移動させる第1の移動手段241と、第1の移動手段241を該回転軸に垂直な第2の方向に案内し、移動させる第2の移動手段242とにより構成される。すなわち、第1の移動手段241による移動方向は図2におけるワークWの回転軸に沿った方向でかつラインL1に垂直な方向となり、第2の移動手段242による移動方向は、該回転軸及びラインL1に垂直な方向となる。
距離Dの取得は、予め各種のワークWを用いて切断を試行することにより得られた試行データから構成した対応テーブルに基づいて取得される。試行データには、試行に使用した各ワークWの材料、厚み、及び回転速度、各ワークWに生じたドラグラインの傾き、各試行時における距離Dの値、さらに切断部分に付着したドロスの高さ等が含まれる。
なお、ドラグラインとは、レーザ光によりワークWを切断するときに発生した溶融金属が凝固するときに切断面に形成される層状の線である。ドラグラインの傾きは、レーザ光による切断部分へのドロスの付着量に関係する。
試行データに基づき、各ワークWの材料毎に、少なくとも1つのドラグラインの傾き、並びに該傾きに対応するワークWの厚み、保持部材110(ワークW)の回転速度、及び距離Dを対応付けた対応テーブルが構成される。対応テーブルに含められる少なくとも1つのドラグラインの傾きとしては、ドロスの付着量が少なかった値が採用される。なお、対応テーブルは、距離Dの代わりに、距離Dに対応するレーザ光のワークWに対する入射角度θを対応付けたものであってもよい。
この構成において、ワークWの切断加工を行う際には、まず、ワークWに対し、保持部材110を小径部111側から、ワークWの端部が大径部112に接するまで挿入する。次に、保持部材110を連結部材702に対して連結させる。これにより、ワークWが円筒状ワーク切断装置により保持される。
次に、ナット103及び104を回すことにより、第1径変化部材130をカバー部材102の方向に変位させる。これに伴ってコイルスプリング160が圧縮される。これにより、第1径変化部材130及び第2径変化部材140は相互に近接する方向に変異するので、押圧部材120は第1径変化部材130及び第2径変化部材140の円錐面を介して径が拡大する方向への力を受けて、径が拡大する。
押圧部材120の径が拡大すると、保持部材110の内壁が、押圧部材120の側面により押圧され、保持部材110の径が拡大する。これにより、ワークWの歪みが矯正される。この後、ナット103及び104を逆方向に回し、コイルスプリング160の反発力により第1径変化部材130及び第2径変化部材140を離間させて、押圧部材120の径を若干元に戻し、又は初期の径に戻すようにしてもよい。
次に、モータ400が駆動される。これにより、スピンドル300を介してワークWが回転される。ワークWの回転速度は、上述の制御手段250により制御され、たとえば30〜200m/分の周方向に沿った速度に設定される。これと同時に、吐出ノズル210から圧縮エア等の吐出、及び吸引ノズル220による吸引が開始される。また、図示していないエア供給源からは、冷却媒体としての圧縮エアの供給が開始される。
エア供給源から供給される圧縮エアは、管継手用ソケット600及びエア供給路310を介して、保持部材110の第1スリット及び第2スリットに供給され、さらには、周方向溝170に供給される。このとき、上述の押圧部材120の径の戻しが行われていた場合には、保持部材110とワークWとの間には若干のクリアランスが存在するので、供給される圧縮エアは、このクリアランスにおいて空気膜を形成する。
また、このようにして保持部材110の側壁に圧縮エアが到達することにより、該側壁が冷却効率に優れた冷やし金として機能する。なお、上述の押圧部材120の径の戻しが行われていなかった場合でも、圧縮エアが保持部材110とワークWとの間に侵入し、空気膜を形成する。
これに応じ、制御手段250は、与えられているワークWの材料と厚み、及び要求されるドラグラインの傾き、並びに自身が把握しているワークW(保持部材110)の回転速度に基づき、上述の対応テーブルを参照し、距離Dを求める。そして、平行移動機構240を制御し、図2のように、加工ヘッド200の位置が、ラインL1上の位置から距離Dだけ離れたラインL2上の位置となるように加工ヘッド200を平行移動させる。これに伴い、吐出ノズル210及び吸引ノズル220の位置も、調整される。
このとき、ワークWの軸方向における加工ヘッド200の位置は、保持部材110の最も先端側の周方向溝170上に位置するワークW部分に対してレーザ光が照射される位置に設定される。次に、加工ヘッド200からワークWに対し、レーザ光が照射される。レーザ光が照射されたワークWの部分は温度が上昇して溶融する。
これにより、ワークWの最も先端側の部分が、1つ目の金属リングとして、他の部分から切り離される。なお、切断の最中に発生した溶融金属が凝固するときに、レーザ光に沿ってワークWに層状の線、すなわち上述のドラグラインが形成される。
このレーザ光による切断に際しては、レーザ光の照射によりワークWの一部が昇華して発生する昇華金属ガスが凝集して切断部分に付着したり、溶融金属が切断部分に付着したりしてドロスの付着が発生するおそれがある。かかるドロスの付着は、保持部材110とワークWとの間に形成される空気膜や、吐出ノズル210からの圧縮エア等の吐出、吸引ノズル220による該空気膜の吸引や圧縮エア等の吸引により抑制される。
図3及び図4(a)はこのようにしてワークWが切断される様子を、従来の場合と比較して示す。図3は加工ヘッド200が図2におけるラインL1上に位置する従来の場合の様子であり、図4(a)は加工ヘッド200がラインL2上に位置する本実施形態の場合である。図3の従来の場合、レーザ光801はワークWに対し、入射角度0°で、垂直に入射する。
図3の従来の場合、レーザ光801が作用してワークWを切断し、加工が進行している部分は、ワークWの表面に対して傾斜している。このため、該加工進行部分の長さは比較的長く、その分、溶融金属が比較的多く発生し、発生した溶融金属が切断部分803に滞留する時間も比較的長い。したがって、溶融金属がドロス802となってワークWの切断部分803に付着し易い。なお、ドラグラインは加工進行部分に沿って形成されるので、この場合、ドラグラインは切断方向Cに対し、反時計回りで鈍角を成す。
これに対し、本実施形態の場合、加工ヘッド200が図2のラインL1から距離Dだけ離れたラインL2上に位置し、ラインL2に沿ってレーザ光801が照射される。このため、図4(a)のように、レーザ光801はワークWに対し、距離Dに応じた入射角度θで入射する。なお、図中のNはワークWの表面に対する法線である。
この場合、レーザ光801が作用し、ワークWを切断している加工進行部分は、ワークWに対してほぼ垂直となる。したがって、図3の従来の場合に比べ、加工進行部分の長さは短い。つまり、加工により生じる溶融金属は最少となり、溶融金属が切断部分803に滞留する時間も最短となる。
したがって、溶融金属は、ドロス802となって切断部分803に付着する余裕が与えられることなくそのまま排出される。すなわち、上述の保持部材110とワークWとの間に形成される空気膜や、吐出ノズル210からの圧縮エア等の吐出、吸引ノズル220による該空気膜の吸引や圧縮エア等の吸引により、スムーズに排出されることになる。
図4(b)は、このようにして切断された場合のワークWの切断面805を示す。図中の破線804は、ワークWに形成されたドラグラインに沿ったラインである。本実施形態の場合、同図に示すように、切断されたワークWに形成されるドラグラインの角度は破線804で示されるように、ワークWの表面に対し、ほぼ直角となる。そして、切断面805の下部にはドロスは付着していない。
図5は本実施形態に対する比較例を示す。同図(a)は、レーザ光の入射角度の大きさは同じであるが、図4(a)の場合とは逆の方向からレーザ光を入射させる場合にワークWが切断される様子を示す。この場合、レーザ光801が作用し、ワークWを切断している加工進行部分は、ワークWに対してかなり傾斜する。
したがって、図4(a)の本実施形態の場合に比べ、加工進行部分は長い。つまり、加工により生じる溶融金属は多くなり、切断部分803に滞留する時間も長期化する。その分、溶融金属は、ドロス802となって切断部分803に付着しやすくなる。
図5(b)はこのようにして切断された場合のワークWの切断面806を示す。この場合、同図に示すように、切断面806の下部にはかなりの量のドロス802が付着している。また、この場合、ドラグラインに沿った破線804によって示されるように、ドラグラインは切断方向Cに対し、反時計回りに、図3の場合よりも大きな鈍角を成す。
1つ目の金属リングの切断が終了すると、加工ヘッド200が、ワークWにおける次の切断位置に対応する位置に位置するように、ワークWの軸方向に沿って移動される。すなわち、保持部材110の先端側から2番目の周方向溝170上に位置するワークWにレーザ光が照射される位置に移動される。加工ヘッド200の移動に伴い、吐出ノズル210及び吸引ノズル220の位置も調整される。
そして、この位置において、再び上述と同様にしてレーザ光が照射され、ワークWが切断され、2つ目の金属リングが形成される。このようにして、順次、周方向溝170上に加工ヘッド200が位置決めされ、金属リング形成されてゆく。ただし、この間、ワークWの軸に垂直な面内における加工ヘッド200の位置は、常に、図2で示される位置に維持される。
以上説明したように、本実施形態によれば、加工ヘッド200の位置を、上述のように回転方向の上流側へ平行移動させ、ワークWに対するレーザ光の入射角度が所定角度θとなるようにすることによって、レーザ光801の照射により切断加工が進行している部分の長さを短縮することができる。これにより、切断加工により発生するドロス802を減少させ、かつドロスが切断部分に滞留する時間を短縮することができる。したがって、ドロス802が切断部分に付着するのを効果的に防止することができる。
ここで、ワークWに対するレーザ光の入射角度が所定角度θとなるようにするためには加工ヘッド200を回動させ、首振り動作を行うようにする方法も考えられる。しかし加工ヘッド200を固定し、その固定した位置を極座標の原点として所定角度θだけ正確に傾ける動作を、繰り返し高精度で行うのは困難である。不可避的に発生する加工ヘッド200の回転角度の調整誤差が、極座標の原点から離れるほど拡大されるからである。
この点、本実施形態によれば、加工ヘッド200の向き及び位置を、レーザ光の照射方向が保持部材110の回転軸に向かう方向となる図2のラインL1上の位置に高い精度で合わせておくことにより、この位置から加工ヘッドを、ワークWに対するレーザ光の入射角度θが所定角度となるようなラインL2上の位置に平行移動することは、比較的高い精度でかつ安価な機構を用いて行うことができる。
また、上述の対応テーブルに基づいて、ワークWの厚み及び回転速度に対応する加工ヘッド200の位置を取得し、この位置に加工ヘッド200を平行移動させてレーザ光の照射を行うことにより、ワークWの材料に応じ、所望のドラグラインの傾きが生じるようなワークWの切断を行うことができる。
レーザ光がワークに所定の入射角度で入射するように加工ヘッドを平行移動させてワークの切断を行うことによって、切断部分にドロスの付着の無い金属リングを製造し、CVTベルト等の用途に適したものとして利用することができる。
100…保持部(回転手段)、200…加工ヘッド、240・・・平行移動機構(平行移動手段)、250・・・制御手段、801…レーザ光、W…ワーク、θ…入射角度。
この目的を達成するため、本発明に係る円筒状ワーク切断装置は、金属製の円筒状のワークを、その内面を支持して保持する保持部材と、前記保持部材を回転させることにより、該保持部材により保持されたワークをその円筒軸の周りに回転させる回転手段と、前記回転手段により回転されているワークを切断するために、該ワークに対してレーザ光を照射する加工ヘッドと、前記加工ヘッドの位置を、該加工ヘッドによるレーザ光の照射方向が前記回転手段による回転軸に向かうときの該加工ヘッドの位置から、該回転手段による回転方向の上流側へ、該照射方向に垂直な方向に対して平行移動させる平行移動手段と、前記平行移動手段による平行移動に際し、前記回転手段により回転されているワークに対するレーザ光の入射角度が所定の角度となる位置に前記加工ヘッドが位置するように、前記平行移動手段を制御する制御手段と、前記保持部材により保持されたワークと該保持部材との間に圧縮空気を供給するエア供給路とを備えることを特徴とする。
本発明に係る金属リング製造方法は、金属製の円筒状のワークを、保持部材により内面を支持して保持する保持工程と、前記保持部材により保持されたワークを、前記保持部材を回転させることにより該ワークの円筒軸の周りに所定の回転速度で回転させる回転工程と、加工ヘッドを、そのレーザ光の照射方向が前記回転工程で回転されるワークの回転軸に向かうときの位置から、該ワークの回転方向の上流側の方向でかつ該照射方向に垂直な方向に、該ワークの厚み及び回転速度に応じて定められた位置まで平行移動させる移動工程と、前記保持部材により保持されたワークと該保持部材との間に圧縮空気を供給するエア供給工程と、前記エア供給工程による圧縮空気の供給と並行して、前記回転工程により回転しているワークに対し、前記移動工程で平行移動された加工ヘッドからレーザ光を照射することにより、該ワークを切断して金属リングを形成する切断工程とを具備することを特徴とする。

Claims (3)

  1. 金属製の円筒状のワークをその円筒軸の周りに回転させる回転手段と、
    前記回転手段により回転されているワークを切断するために、該ワークに対してレーザ光を照射する加工ヘッドと、
    前記加工ヘッドの位置を、該加工ヘッドによるレーザ光の照射方向が前記回転手段による回転軸に向かうときの該加工ヘッドの位置から、該回転手段による回転方向の上流側へ平行移動させる平行移動手段と、
    前記平行移動手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記平行移動手段による平行移動に際し、前記回転手段により回転されているワークに対するレーザ光の入射角度が所定の角度となる位置に前記加工ヘッドが位置するように、前記平行移動手段を制御するものであることを特徴とする円筒状ワーク切断装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記回転手段によるワークの回転の速度を制御するものであり、
    各種材料による前記ワーク毎に、該ワークに形成されるドラグラインの傾き角度と、各傾き角度に対応する該ワークの厚み及び回転速度、並びに前記所定の入射角度に相当する加工ヘッドの位置とを関連付けたデータを記憶しており、
    前記平行移動手段の制御に際しては、該データに基づいて、前記回転手段により回転されているワークの厚み及び回転速度に対応する加工ヘッドの位置を取得し、該位置に前記加工ヘッドが位置するように、前記平行移動手段を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の円筒状ワーク切断装置。
  3. 金属製の円筒状のワークを、保持部材により内面を支持して保持する保持工程と、
    前記保持部材により保持されたワークを、前記保持部材を回転させることにより該ワークの円筒軸の周りに所定の回転速度で回転させる回転工程と、
    前記保持部材により保持されたワークの厚み及び回転速度に応じて定められた位置に、該ワークの回転方向の上流側へ、加工ヘッドを平行移動させる移動工程と、
    前記回転工程により回転しているワークに対し、前記移動工程により平行移動された加工ヘッドからレーザ光を照射することにより、該ワークを切断して金属リングを形成する切断工程とを具備することを特徴とする金属リング製造方法。
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