JPWO2012008584A1 - 抗体の作製方法及び抗体 - Google Patents

抗体の作製方法及び抗体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012008584A1
JPWO2012008584A1 JP2012524613A JP2012524613A JPWO2012008584A1 JP WO2012008584 A1 JPWO2012008584 A1 JP WO2012008584A1 JP 2012524613 A JP2012524613 A JP 2012524613A JP 2012524613 A JP2012524613 A JP 2012524613A JP WO2012008584 A1 JPWO2012008584 A1 JP WO2012008584A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
polyoxyethylene
antigen
surfactant
sodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012524613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5914333B2 (ja
Inventor
厳 建部
厳 建部
真澄 秋山
真澄 秋山
登紀雄 ▲高▼木
登紀雄 ▲高▼木
平松 光夫
光夫 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Publication of JPWO2012008584A1 publication Critical patent/JPWO2012008584A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5914333B2 publication Critical patent/JP5914333B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/81Protease inhibitors
    • C07K14/8107Endopeptidase (E.C. 3.4.21-99) inhibitors
    • C07K14/8139Cysteine protease (E.C. 3.4.22) inhibitors, e.g. cystatin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/38Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against protease inhibitors of peptide structure

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

本発明は、抗原を立体構造を保ったまま安定に分散することによる抗体の作製方法、及び該抗体の作製方法によって得られる抗体を提供すること目的とする。本発明は、難溶性抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを揮発性有機溶媒に溶解させる溶解工程と、得られた溶液から有機溶媒を除去し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む残存物を容器の内壁に固定する固定工程と、容器に水を加え、残存物に光を照射し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む微粒子が水に分散された分散液を得る照射工程と、分散液を用いて動物を免疫し、抗体を得る免疫工程とを含む、抗体の作製方法を提供する。本発明はまた、上記方法によって得られる抗体を提供する。

Description

本発明は、抗体の作製方法、特に難溶性抗原の立体構造を認識できる抗体の作製方法に関する。本発明はまた、上記抗体の作製方法によって得られる抗体に関する。
抗体は、抗原のアミノ酸配列を認識するものと、抗原の立体構造を認識するものとに大別する。一般に、抗体を作製する際、変性した抗原を使用するとアミノ酸を認識する抗体がより多く作製され、変性していない天然型(native form)の抗原を使用すると立体構造を認識するものがより多く作製される。
従来、水に溶けにくい(難溶性)タンパク質やペプチドを抗原として抗体を作製する場合、尿素などの変性剤で可溶化する必要があった。この際、抗原は変性し天然型の立体構造を保てないため、得られた抗体は抗原の立体構造を認識できない可能性が高い。立体構造を認識できない抗体は、Western blot法やELISA法などの試験法には使用できるものの、免疫沈降や組織染色などの試験法には使用できず、使途が限られる。したがって、難溶性抗原の立体構造を保った状態で抗体を作製することが望ましい。
特許文献1には、抗原を生分解性ポリマーの微粒子に吸着または封入することによって、より大きい免疫応答を惹起できることが記載されている。しかし、この方法では抗体作製効率に主眼を置いており、抗原の立体構造を認識する抗体の作製について何ら記載されていない。
一方、特許文献2には、難溶性薬物(主に低分子の有機化合物)を光照射によって微粒子化する微粒子分散液製造方法が記載されている。しかし、この方法は低分子の有機化合物である難溶性薬物の分散安定性向上に主眼が置かれており、タンパク質の分散について何ら記載されていない。
特表2009−518306号公報 国際公開2007−116632号
本発明は、抗原を立体構造を保ったまま安定に分散することによる抗体の作製方法、及び該抗体の作製方法によって得られる抗体を提供すること目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、難溶性抗原であるシスタチンC、さらに分散安定化剤であるポリビニルピロリドン、及び界面活性剤であるポリオキシル20セチルエーテルを揮発性有機溶媒に溶解し、ついで有機溶媒を蒸発乾固させ得られた残存物に水を添加して、高出力パルスレーザーを照射して残存物から微粒子を分散化し、安定なシスタチンC微粒子分散液を得て、この分散液を用いて天然型の難溶性抗原に特異性の高い抗体を作製できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、難溶性抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを揮発性有機溶媒に溶解させる溶解工程と、得られた溶液から有機溶媒を除去し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む残存物を容器の内壁に固定する固定工程と、容器に水を加え、残存物に光を照射し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む微粒子が水に分散された分散液を得る照射工程と、分散液を用いて動物を免疫し、抗体を得る免疫工程とを含む、抗体の作製方法を提供する。本発明の抗体の作製方法によれば、難溶性抗原を変性させることなく分散できるため、天然型の難溶性抗原の立体構造を認識でき、特異性の高い抗体を作製できる。
本発明において、分散安定化剤は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアクリル酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポロキサマー、乳酸グリコール酸共重合体、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリブテン、ポリプロピレングリコール、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、ゼラチン、シクロデキストリン、キトサン、プルラン、タンニン、リグニン、テルペン、ヒアルロン酸ナトリウム、マンニトール、メグルミン、アラビアゴム、シスポリイソプレンゴム、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つの高分子ポリマーであり、界面活性剤は、ポリオキシル20セチルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ロート油、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン40モノステアレート、セチルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルセバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ソルビタントリオレエート、オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルサルコシンナトリウム、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、及びステロイドサポニンからなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤であることが好ましい。
本発明はまた、上記抗体の作製方法によって得られる抗体を提供する。本発明の抗体は、天然型の難溶性抗原の立体構造を認識でき、特異性の高い抗体であるため、免疫沈降や組織染色などの試験法に使用され得る。
本発明の抗体の作製方法によれば、従来の方法に比べて変性剤を使用しないことで、難溶性抗原の立体構造を認識できる抗体を高い割合で作製することができる。このような抗体は免疫沈降や組織染色などに試験法に好適に使用される。
シスタチンC微粒子分散液に含まれる粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す図である(実施例1)。
本発明の抗体の作製方法は、難溶性抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを揮発性有機溶媒に溶解させる溶解工程と、得られた溶液から有機溶媒を除去し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む残存物を容器の内壁に固定する固定工程と、容器に水を加え、残存物に光を照射し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む微粒子が水に分散された分散液を得る照射工程と、分散液を用いて動物を免疫し、抗体を得る免疫工程とを含む。
溶解工程では、難溶性抗原、並びに分散安定化剤及び/又は界面活性剤は揮発性有機溶媒に溶解される。本明細書において、難溶性抗原は、水にほとんど溶けない又は溶けにくい、タンパク質抗原又はペプチド抗原であり、これらはインクルージョンボディの形態であってもよい。その水における溶解度は、室温(25℃)では例えば0.1mg/mL以下、0.01mg/mL以下、又は0.001mg/mL以下である。難溶性抗原の具体例として、シスタチンC、アンジオテンシノーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、分散安定化剤は、難溶性抗原分子同士が密接に存在しないように分散化するときに、該分散状態を安定に維持できる物質である。分散安定化剤は、抗体作製の妨げにならなければ特に限定されないが、水溶性が高く、種々の有機溶媒に溶け易い物質であることが好ましく、特にポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアクリル酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポロキサマー、乳酸グリコール酸共重合体、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリブテン、ポリプロピレングリコール、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、ゼラチン、シクロデキストリン、キトサン、プルラン、タンニン、リグニン、テルペン、ヒアルロン酸ナトリウム、マンニトール、メグルミン、アラビアゴム、シスポリイソプレンゴム、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つの高分子ポリマーであることが好ましい。
本明細書において、界面活性剤は、難溶性抗原分子同士が密接に存在しないように分散化するための界面活性剤である。界面活性剤は、抗体作製の妨げにならなければ特に限定されないが、安全性の観点、及び難溶性抗原や高分子ポリマーとの相互作用による分散安定性の観点からポリオキシル20セチルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ロート油、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン40モノステアレート、セチルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルセバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ソルビタントリオレエート、オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルサルコシンナトリウム、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、及びステロイドサポニンなど低毒性であるものからなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤であることが好ましい。
本明細書において、揮発性有機溶媒は最終的に取り除かれるため、特に限定されないが、難溶性抗原、高分子ポリマー及び界面活性剤を均質に完全に溶解させる観点から、例えばジメチルスルフオキシド(DMSO)や、テトラハイドロフラン(THF)、クロロホルム、メタノール等が使用される。
溶解工程において、難溶性抗原、並びに分散安定化剤及び/又は界面活性剤の添加順番は特に限定されない。また、添加量については、難溶性抗原の分散安定性を保つ観点から、例えば重量比で難溶性抗原1に対し0.1〜100の混合比で添加することができる。
次に、固定工程では、得られた溶液から有機溶媒を除去し、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む残存物を容器の内壁に固定する。有機溶媒の除去は、抗原の熱変性を避けるべき観点から、減圧蒸留法による除去が好ましい。ペレット状の残存物を容器へ固定するため、有機溶媒を除去するとき、激しい振とうを避けることが好ましい。容器は特に限定されないが、光照射の効率を考慮すれば、例えばガラス容器が使用され得る。
次に、照射工程では、容器に水を加え、残存物に光を照射することで、抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む微粒子が水に分散された分散液が得られる。光照射は高効率かつ短時間に微粒子分散液を作製できる観点から、レーザー光が好ましく使用される。照射条件は、例えば照射波長1064nm、1パルス当たり照射強度0.12J、パルス幅5nsec、繰り返し10Hzが挙げられる。照射装置としては、例えばNd:YAGレーザーが挙げられる。光照射により、残存物が微粒子に粉砕され、容器を軽く振とうすることで微粒子の分散液を得ることができる。分散液中の微粒子は、好ましく100nm〜10μmの粒径を有する。この分散液をそのまま免疫工程に適用してもよく、長期保存する場合は、微粒子分散液を凍結乾燥して凍結乾燥微粒子とすることもできる。
最後に、免疫工程では、分散液を用いて動物を免疫することで抗体が得られる。免疫方法は、一般的な手法であればよく、例えば、ウサギの背皮内複数箇所へ抗原を投与することによって免疫する方法が挙げられる。また、分散液をそのまま動物に投与してもよいが、免疫反応を増強するため、免疫アジュバントなどの補助成分を添加してもよい。
本発明の抗体の作製方法によって得られる抗体は、天然型の難溶性抗原の立体構造を特異的に認識できるものであることが確認されている。その理由は、必ずしも明確ではない。なぜならば、特許文献2の記載からは、タンパク質を微粒子化することで分散液中の安定性が向上する可能性があるとしても、微粒子化されたタンパク質を用いて立体特異性の高い抗体を得られる理由を容易に推察し得ないからである。
本発明者らは、以下のように推察している。一般に、難溶性抗原分子同士が水中に高度に凝縮しているため天然型の立体構造が維持されにくい。しかし、本発明の方法によれば、高分子ポリマー及び界面活性剤の存在下では、難溶性抗原同士の分子が密接に存在せず、適度に分散化された状態に存在するため、天然型の立体構造が維持されていると考えられる。また、一般にタンパク質の可逆的な変性体であれば、時間の進行とともに元の立体構造に戻ることは公知の事実であるが、分散処理されない難溶性抗原は生体内に取り込まれた後、立体構造を回復する可能性があるものの、長い時間を要すると考えられる。一方、微粒子化され分散された難溶性抗原は、生体内で微粒子から徐々に溶出するため、凝集度合いが低いため、早い時間で立体構造を回復・維持するものと考えられる。免疫担当細胞に取り込まれ抗原提示を受ける際に、立体構造の回復が速い微粒子化され分散された難溶性抗原では、未処理の抗原をより多く抗原提示でき立体構造を認識する抗体がより多く産生されると考えられる。
(実施例1 ウサギ抗シスタチンC抗体の作製)
難溶性抗原である大腸菌で発現させたリコンビナントシスタチンC((株)免疫生物研究所)10mgと、分散安定化剤としてのポリビニルピロリドン50mg、界面活性剤としてのポリオキシル20セチルエーテル100mgとを試験管にとり、ジメチルスルフオキシド(DMSO)2mLに溶解した。減圧条件下でDMSO溶液を乾固し、抗原と分散安定化剤が均一に分子分散した残存物(以下、「ペレット」という)を得た。得られたペレットに水1.0mLを添加し、密閉した。
試験管内のペレットに対して、試験管側方よりNd:YAGパルスレーザー照射を行った。照射条件は、波長1064nm、照射光強度0.61J/cm/pulse、パルス幅5〜7ns、繰り返し周波数10Hz、エネルギー0.12J/pulseであった。 10分間照射を行った後、軽く振とうすると白色の分散液を得た。得られた分散液に含まれる粒子について、走査型電子顕微鏡S4200((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いて観察した結果、粒子径1μm程度の球形粒子が多数認められた(図1)。
調製したシスタチンC微粒子分散液と、未処理シスタチンC溶液について、各々ウサギ3匹に投与し、ポリクロ−ナル抗体を作製した。
(実施例2 抗体の力価の評価)
シスタチンC微粒子分散液を用いて得られたウサギ抗血清(No.4〜6)、及び、未処理のシスタチンCを用いて得られたウサギ抗血清(No.1〜3)、及び、変性剤を添加したシスタチンC溶液を用いて作製された市販のウサギ抗シスタチンC抗血清(ダコ・ジャンパン株式会社)(No.7)について、ELISA法による力価の測定を行った。
具体的には、尿由来ヒトシスタチンCを50ng/ウェルでタイタープレートに添加し、37℃で30分反応させて抗原を固相化した。次に100〜204800倍まで2倍連続希釈した抗血清をウェルに添加し、37℃で30分反応させた。ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を添加し、オルソフェニレンジアミン発色による490nmの吸光度を測定した。ウサギを4回免疫後の抗血清の吸光度の結果は表1、ウサギを6回免疫後の抗血清の吸光度の結果を表2に示した。
表1から、4回免疫後の抗血清は、力価が強い順に変性体(No.7)>未処理(No.1〜3)>本発明の分散化体(No.4〜6)であり、分散化体の抗原を用いて得られた抗血清は、抗体産生量が低いか、または抗体の結合定数が低いと考えられた。6回免疫後の結果も同様であった(表2)。
(実施例3 抗体の特異性の評価)
実施例2と同じ抗体を用いて、Inhibition法により抗原特異性の評価を行った。尿由来ヒトシスタチンCを4000〜7.8ng/mLまで2倍連続希釈した抗原液、及び抗原の含まれていない溶液を、先の力価測定の結果から力価を揃えた各抗血清と等量混合して、37℃で60分静置した(一次反応)。次いで一次反応した溶液を、尿由来ヒトシスタチンCを50ng/ウェルでコートしたタイタープレートに添加し、37℃で60分反応させた。その後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を添加し、オルソフェニレンジアミン発色による490nmの吸光度を測定した。抗原が含まれていない溶液で測定した吸光度を100%として、各抗原濃度での割合を算出した。ウサギを4回免疫後の抗血清の吸光度の結果は表3、ウサギを6回免疫後の抗血清の吸光度の結果を表4に示した。
4回免疫後の結果から、未変性抗原を認識する抗体の割合が高い順に、分散化体>未処理物>変性体であり、分散化体抗原で調製した抗体が最も特異性が高かった。6回免疫後の結果も同様であった。

Claims (3)

  1. 難溶性抗原と、分散安定化剤及び界面活性剤のいずれか一方又は両方とを揮発性有機溶媒に溶解させる溶解工程と、
    得られた溶液から前記有機溶媒を除去し、前記抗原と、前記分散安定化剤及び前記界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む残存物を容器の内壁に固定する固定工程と、
    前記容器に水を加え、前記残存物に光を照射し、前記抗原と、前記分散安定化剤及び前記界面活性剤のいずれか一方又は両方とを含む微粒子が水に分散された分散液を得る照射工程と、
    前記分散液を用いて動物を免疫し、抗体を得る免疫工程と
    を含む、抗体の作製方法。
  2. 前記分散安定化剤は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアクリル酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポロキサマー、乳酸グリコール酸共重合体、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリブテン、ポリプロピレングリコール、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、ゼラチン、シクロデキストリン、キトサン、プルラン、タンニン、リグニン、テルペン、ヒアルロン酸ナトリウム、マンニトール、メグルミン、アラビアゴム、シスポリイソプレンゴム、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つの高分子ポリマーであり、前記界面活性剤は、ポリオキシル20セチルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ロート油、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン40モノステアレート、セチルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルセバシン酸ジエチル、ソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ソルビタントリオレエート、オクチルフェノールポリ、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルサルコシンナトリウム、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、及びステロイドサポニンからなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって得られる抗体。
JP2012524613A 2010-07-15 2011-07-15 抗体の作製方法及び抗体 Expired - Fee Related JP5914333B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010160713 2010-07-15
JP2010160713 2010-07-15
PCT/JP2011/066252 WO2012008584A1 (ja) 2010-07-15 2011-07-15 抗体の作製方法及び抗体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012008584A1 true JPWO2012008584A1 (ja) 2013-09-09
JP5914333B2 JP5914333B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=45469578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012524613A Expired - Fee Related JP5914333B2 (ja) 2010-07-15 2011-07-15 抗体の作製方法及び抗体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5914333B2 (ja)
WO (1) WO2012008584A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108727703B (zh) * 2018-06-29 2020-08-11 济南大学 一种交联改性秸秆纤维/pp木塑复合材料的制备方法及所得产品

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116632A1 (ja) * 2006-04-07 2007-10-18 Hamamatsu Photonics K.K. 微粒子、微粒子分散液、これらを製造する方法および装置
JP5429707B2 (ja) * 2008-03-27 2014-02-26 国立大学法人群馬大学 微粒子およびその製造方法
JP5554247B2 (ja) * 2008-12-04 2014-07-23 積水メディカル株式会社 ヒト体液中のシスタチンc測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5914333B2 (ja) 2016-05-11
WO2012008584A1 (ja) 2012-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu et al. Immune responses to vaccines delivered by encapsulation into and/or adsorption onto cationic lipid-PLGA hybrid nanoparticles
AU2017208307B2 (en) Therapeutic polymeric nanoparticles and methods of making and using same
Desai et al. Active self-healing encapsulation of vaccine antigens in PLGA microspheres
Yang et al. Investigation of a nanosuspension stabilized by Soluplus® to improve bioavailability
DK2477608T3 (en) A solid oral dosage form of nanoparticles and the method of formulating this using fish gelatin
JP4057849B2 (ja) 薬剤と濃度を高めるポリマーとを含む医薬組成物
Tonnis et al. Improved storage stability and immunogenicity of hepatitis B vaccine after spray-freeze drying in presence of sugars
Guan et al. Alginate as a potential diphase solid dispersion carrier with enhanced drug dissolution and improved storage stability
JP2004534822A (ja) 低溶解度および/または酸感受性の薬剤と中和された酸性ポリマーとを含む医薬組成物
Jiang et al. Stabilization of tetanus toxoid encapsulated in PLGA microspheres
JP2004534812A (ja) 薬物および中性ポリマーの分散物の医薬組成物
SK8562002A3 (en) Pharmaceutical compositions providing enhanced drug concentrations
JP2009536936A (ja) ニコチン担体ワクチン製剤
JP2010506886A (ja) 化学物質のミセルのナノ粒子
JP4927729B2 (ja) 性腺刺激ホルモン放出ホルモンアンタゴニスト
Liu et al. Preparation and characterization of glutaraldehyde cross-linked O-carboxymethylchitosan microspheres for controlled delivery of pazufloxacin mesilate
Bukara et al. In vivo performance of fenofibrate formulated with ordered mesoporous silica versus 2-marketed formulations: a comparative bioavailability study in beagle dogs
Giles et al. Efficient aqueous remote loading of peptides in poly (lactic-co-glycolic acid)
CN110139826A (zh) 具有负的表面电荷的微粒和纳米颗粒
BR112021011495A2 (pt) Preparação incluindo adjuvante para vacina
US20200268880A1 (en) Composition and manufacturing of powders containing nanoadjuvants for mucosal vaccination
JP5791278B2 (ja) オクトレオチドおよび3種の線状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーを含む徐放性製剤
Pokharkar et al. Bicalutamide nanocrystals with improved oral bioavailability: in vitro and in vivo evaluation
JP5914333B2 (ja) 抗体の作製方法及び抗体
US20190389847A1 (en) Crystalline Brexpiprazole

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160219

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5914333

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees