JPWO2012002172A1 - 光学素子用の成形金型、及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
インサートに相当するコア部の傾斜状態を精密に調整することができる光学素子用の成形金型、及び光学素子の製造方法を提供する。コア部61と支持部62との先端側における隙間GA1について、支持部62の開口としての小径孔62iの直径をD、ロッド部61aの先端61cの直径をdとした場合に、寸法差D−dが1/1000(mm)以上であるので、スペーサー65によってコア部61の傾斜姿勢を調整する際にコア部61の先端61cが変位するための空間を十分に確保することができ、光学素子としてのレンズOLの特性を精密に制御することができる。また、寸法差D−dが1/100(mm)以下であるので、コア部61の先端61cと支持部62の小径孔62iとの間に形成される隙間GA1が広くなりすぎて、成形時に隙間GA1に樹脂が入り込んでバリの原因となることを防止できる。
Description
本発明は、光ピックアップ装置等に組み込まれる対物レンズその他の光学素子用の成形金型、及びかかる光学素子の製造方法に関する。
従来の成形金型として、光学転写面を有するインサートやこのインサートに連接して配置されるスペーサーを回転させたり、傾斜や軸非対称面を形成したスペーサーを用いたりしてレンズの光学特性を制御するものが存在する(特許文献1参照)。
また、別の成形金型として、3つの硬球を保持する保持具からなる姿勢調節機構を、インサートと基台との間に配置し、硬球のサイズを選定することによって成形面外周のコバ面の傾きを調節するものが存在する(特許文献2参照)。
しかし、特許文献1のようにスペーサーを回転等させる方法では、インサートの傾斜状態を精密に調整することが容易でない。
また、特許文献2のように硬球のサイズを選定する方法でも、インサートの傾斜状態を精密に調整することが容易でない。
本発明は、 インサートに相当するコア部の傾斜状態を精密に調整することができる光学素子用の成形金型、及び光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の光学素子用の成形金型は、光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、コア部の周囲に配置されるとともに先端側にコア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、コア部を光学面形成面の反対側から支持するとともに、支持部に対するコア部の傾斜姿勢を調整するスペーサーとを備え、支持部の開口の直径をD、コア部の先端の直径をdとした場合に、寸法差D−dが、
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
上記成形金型では、寸法差D−dが1/1000(mm)以上であるので、スペーサーによってコア部の傾斜姿勢を調整する際にコア部の先端が変位するための空間を十分確保することができる。これにより、スペーサーによってコア部の傾斜姿勢を確実に調整することができるので、コア部の傾斜状態を精密に調整して保持することができ、光学素子の特性を精密に制御することができる。また、寸法差D−dが1/100(mm)以下であるので、コア部の先端と支持部の開口との間に形成される隙間が広くなりすぎて、成形時に樹脂が入り込んでバリの原因となることを防止できる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記成形金型において、スペーサーが、コア部の軸のまわりに回転可能な形状を有する。この場合、スペーサーの回転によってコア部の先端の傾斜方向を調節することができる。
本発明の別の観点では、固定金型と可動金型とを備え、スペーサーが、固定金型と可動金型との一方に設けたコア部を光学面形成面の反対側から支持する。この場合、固定金型又は可動金型単独でコア部の傾斜姿勢を簡易に調整することができる。
本発明のさらに別の観点では、固定金型と可動金型とを備え、スペーサーが、固定金型と可動金型とにそれぞれ設けたコア部を光学面形成面の反対側から支持する。この場合、固定金型及び可動金型双方でコア部の傾斜姿勢を調整することができる。
本発明のさらに別の観点では、スペーサーが、傾斜角を設けた板状体である。この場合、例えば傾斜角が異なる複数のスペーサーを準備してこれらを使い分けることでコアの傾斜角を調整することができる。
本発明のさらに別の観点では、スペーサーが、平板状の部材であり、板面の一方側に突起を有する。この場合、突起の高さが異なる複数のスペーサーを準備してこれらを使い分けることでコアの傾斜角を調整することができる。
本発明のさらに別の観点では、スペーサーによるコア部の傾斜方向及び傾斜角は、試験的に作製された光学素子のコマ収差に基づいて調整されている。この場合、試作品からのフィードバックによるコア部の傾斜姿勢の調整によって、光学素子のコマ収差を最終的に低減することができる。
本発明に係る第2の光学素子用の成形金型は、光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、コア部の周囲に配置されるとともに先端側にコア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、コア部を光学面形成面の反対側から支持するとともに、支持部に対するコア部の傾斜姿勢を調整するスペーサーとを備え、スペーサーに対する配置関係を変化させることによって、コア部の先端の支持部に対する傾斜角を修正する修正手段をさらに備える。
上記成形金型では、修正手段が、そのスペーサーに対する配置関係を変化させることによって、コア部の先端の支持部に対する傾斜角を修正するので、コア部の傾斜状態を連続的に又は段階的に調整し安定して保持することができ、光学素子の特性を適切な状態に調整することができる。
本発明の具体的な観点では、スペーサーが、傾斜角を設けた板状体であり、修正手段が、スペーサーに重ね合わせて配置されるとともに傾斜角を設けた板状体である。この場合、スペーサーと修正手段との相対的な回転位置を調整することで、コア部の傾斜角を簡易に増減させることができる。
本発明の別の観点では、スペーサーが、傾斜角を設けた板状体であり、修正手段が、コア部の根元側に設けられてスペーサーに当接するとともに傾斜角を設けた板状部分である。この場合、スペーサーと修正手段を付随させたコア部との相対的な回転位置を調整することで、コア部の傾斜角を連続的に増減させることができる。
本発明のさらに別の観点では、スペーサーが、板状体であり、修正手段が、スペーサーの板面の一方側に嵌合するとともに突起量を変更可能に形成された突起部材である。この場合、スペーサーに嵌合する突起部材の突起量を調整することで、コア部の傾斜角を連続的に増減させることができる。
本発明のさらに別の観点では、スペーサーが、板状体であり、修正手段が、スペーサーの板面の一方側に嵌合するとともに嵌合位置を変更可能に形成された突起部材である。この場合、スペーサーに嵌合する突起部材の嵌合位置すなわち突起位置を調整することで、コア部の傾斜角を連続的に増減させることができる。
本発明に係る第1の光学素子の製造方法は、光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、コア部の周囲に配置されるとともに先端側にコア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、コア部を光学面形成面の反対側から支持するスペーサーとを有する成形金型を用いた光学素子の製造方法であって、スペーサーによって支持部に対するコア部の傾斜姿勢を調整し、支持部の開口の直径をD、コア部の先端の直径をdとした場合に、寸法差D−dは、
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たすことを特徴とする。
上記製造方法では、寸法差D−dが1/1000(mm)以上であるので、スペーサーによってコア部の傾斜姿勢を調整する際にコア部の先端が変位するための空間を確保することができる。これにより、スペーサーによるコア部の傾斜姿勢を確実に調整することができ、コア部の傾斜状態を精密に調整して保持することができ、光学素子の特性を精密に制御することができる。また、寸法差D−dが1/100(mm)以下であるので、コア部の先端と支持部の開口との間に形成される隙間が広くなりすぎず、成形時に樹脂が入り込んでバリの原因となることを防止できる。
本発明に係る第2の光学素子の製造方法は、光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、コア部の周囲に配置されるとともに先端側にコア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、コア部を光学面形成面の反対側から支持するスペーサーとを有する成形金型を用いた光学素子の製造方法であって、スペーサーによって支持部に対するコア部の傾斜姿勢を調整し、修正手段によりスペーサーに対する配置関係を変化させることによって、コア部の先端の支持部に対する傾斜角を修正することを特徴とする。
上記製造方法では、修正手段が、スペーサーに対する配置関係を変化させることによってコア部の先端の支持部に対する傾斜角を修正するので、コア部の傾斜状態を連続的に又は段階的に調整し安定して保持することができ、光学素子の特性を適切な状態に調整することができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る光学素子用の成形金型と光学素子の製造方法とについて、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明の第1実施形態に係る光学素子用の成形金型と光学素子の製造方法とについて、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、光学素子用の成形金型40は、固定金型41と可動金型42とで構成され、両金型41,42は、パーティングライン(型合わせ面)PLを境として開閉可能になっている。固定金型41と可動金型42とに挟まれた空間であるキャビティCVは、成形品である光学素子としてのレンズOL(図2(A)参照)の形状に対応するものとなっている。レンズOLは、プラスチック製で、光学的機能を有する光学的機能部としての中心部OLaと、中心部OLaから外径方向に延在する環状のフランジ部OLbとを備える。このレンズOLは、光ピックアップ装置用の対物レンズであり、例えばBD(blu-ray disc)、DVD(digital versatile disc)等用の波長の光束に対してNA0.85等の規格を満たすレンズである。なお、このレンズOLは、後に詳述する調整によって、コマ収差を極めて低減したものとなっている。
固定金型41は、コア部51と、型板53と、取付板54とを備える。ここで、コア部51は、キャビティ(型空間)CVを形成するため、可動金型42のコア部61に対向して配置される。型板53は、コア部51を周囲から保持する型部材であり、取付板54は、コア部51を背後又は根元側から一体的に支持する型部材である。
コア部51の先端面には、キャビティCVを画成するため、光学面形成面56aとフランジ形成面56bとが設けられている。光学面形成面56aは、比較的浅い凹面であり、レンズOLを構成する中心部OLaの一方の光学面Saを成形する転写面である。フランジ形成面56bは、環状の平面であり、レンズOLを構成するフランジ部OLbの一方のフランジ面F1を成形する転写面である。
その他、型板53には、コア部51を挿入支持する円柱状の貫通孔57aが形成されている。また、型板53は、パーティングラインPLを形成する端面53aを有する。
可動金型42は、コア部61と、スペーサー65と、支持部62と、型板63と、取付板64とを備える。可動金型42は、軸AXに沿って移動可能になっており、固定金型41に対して開閉動作する。可動金型42において、コア部61は、キャビティCVを形成するため、固定金型41のコア部51に対向して配置される。支持部62は、コア部61を周囲から保持する型部材であり、型板63は、支持部62を周囲から一体的に支持する型部材であり、取付板64は、支持部62を背後又は根元側から一体的に支持する型部材である。
図3に示すように、コア部61は、円柱状のロッド部61aと、円板状の基部61bとを備える。ロッド部61aの先端61cは、支持部62に形成された小径孔62iとの間に僅かな隙間GA1を有する状態で軸AXに垂直な方向に微小変位可能、かつ、軸AX方向に移動可能に挿通されている。基部61bは、支持部62に形成された大径孔62jに僅かな隙間GA2を有する状態で軸AXに垂直な方向に微小変位可能、かつ、軸AX方向に移動可能に挿通されている。なお、隙間GA2は、隙間GA1よりも十分に小さな値となっている。ロッド部61aの周囲に装着された戻しバネ68は、コア部61を根元の基部61b側に付勢しており、支持部62内におけるコア部61の保持を確実なものとしている。
コア部61の先端面には、キャビティCVを画成するため、光学面形成面66aとフランジ形成面66bとが設けられている。光学面形成面66aは、比較的深い凹面であり、図2(A)のレンズOLの中心部OLaの一方の光学面Sbを成形する転写面である。フランジ形成面66bは、環状の平面であり、レンズOLのフランジ部OLbの他方のフランジ面F2を成形する転写面である。
スペーサー65は、軸AXのまわりに回転可能な円板状の部材すなわち板状体であり、支持部62に形成された大径孔62jに殆ど隙間のない状態で回転可能に挿入されている。スペーサー65は、図4(A)及び4(B)に示すように、コア部61側の第1当接面65fと、取付板64側の第2当接面65hとを備える。第1当接面65fと、第2当接面65hとは、中心軸CXに略垂直に配置されるが、両当接面65f,65hは、互いに平行ではなく、コア部61に微小な傾斜を与えるために所定の微小な傾斜角θをなしている。
図1に戻って、支持部62は、筒状で、コア部61を支持部62内に保持するための挿通孔62hを有する。この挿通孔62hは、先端側に開口としての小径孔62iを有し、根元側に大径孔62jを有する2段構造となっている。
その他、型板63には、支持部62を挿入支持する円柱状の貫通孔67aが形成されている。また、型板63は、パーティングラインPLを形成する端面63aを有する。
なお、コア部61とスペーサー65とは、当接面61f,65fを介して互いに当接しており、コア部61側の当接面61fには、例えば窪み状の係合部61gが形成され、スペーサー65側の当接面65fには、例えば突起状の係合部65gが形成されている。これら係合部61g,65gが緩く嵌合することにより、コア部61とスペーサー65との相対的な回転が規制されるので、コア部61とスペーサー65とが互いの回転位置関係を保って支持部62の挿通孔62h内に保持される。
スペーサー65の役割をより詳しく説明すると、スペーサー65は、図4(A)等に示すように、傾斜角θのクサビ形状を有しており、この傾斜角θは、0′〜1′程度の大きさを有している。また、スペーサー65に設けた係合部65gは、正八角形の断面を有する八角の突起であり、コア部61の係合部61gは、正八角形の断面を有する八角の窪みであるので、スペーサー65は、コア部61に対して軸AX又は中心軸CXのまわりに45°単位で回転可能になっている。このため、スペーサー65をコア部61に対して軸AXのまわりに適宜回転させることで、コア部61を傾ける方向DA,DB,DC,DD,DE,DF,DG,DHを選択することができる。具体的には、スペーサー65の最大肉厚部ATを図示のいずれかの方向DA,DB,DC,DD,DE,DF,DG,DHに配置した場合、コア部61の先端61cは、最大肉厚部ATの対角方向にある方向DE,DF,DG,DH,DA,DB,DC,DDにそれぞれ傾く。なお、スペーサー65は、交換可能になっており、厚みtを維持したままで傾斜角θを変化させることができる。つまり、傾斜角θが例えば0.1′単位で0′〜1′程度まで異なる多数のスペーサー65が予め準備されており、適当な傾斜角θを有するスペーサー65に交換することで、コア部61の軸AXに対する傾斜角度を0′〜1′程度の範囲で微調整することができる。
コア部61のロッド部61aの先端61cを所望の角度及び方向に傾けることにより、成形されるレンズOLのコマ収差を低減することができる。つまり、スペーサー65の厚みが調整されていない当初の状態で、コア部61のロッド部61aが軸AXに対して傾いて延びている場合、スペーサー65の傾斜角θを適宜修正しスペーサー65の回転位置を調整することで、固定金型41のコア部51に設けた光学面形成面56aに対して可動金型42のコア部61に設けた光学面形成面66aの傾きを微調整することができ、レンズOLのコマ収差発生を抑えることができる。スペーサー65の厚みが調整されていない当初の状態で、コア部61のロッド部61aが軸AXに対して平行に延びている場合であっても、ロッド部61aの先端に設けた光学面形成面66aの光軸が傾いて形成されている場合、スペーサー65の傾斜角θを適宜修正しスペーサー65の回転位置を調整することで、固定金型41側の光学面形成面56aに対して可動金型42側の光学面形成面66aの傾きを微調整することができ、レンズOLのコマ収差発生を抑えることができる。
レンズOLのコマ収差発生を抑える背景について説明する。固定金型41側の光学面形成面56aの光軸と、可動金型42側の光学面形成面66aの光軸とが互いに傾いて形成されていると、レンズ性能の1つの重要な要素であるコマ収差を悪化させることになるので、このような光軸の傾きをできるだけ小さくすることが望ましい。具体的な数値を用いて説明すると、成形金型40によって製造されるレンズOLがBD用であるものとすると、このようなレンズOLの光学面に関する光軸の傾きは、0.3′(約20″)程度以下にすることが求められる。従来は、金型41,42の加工精度を上げることで光学面形成面66a等の光軸の傾きを抑えるように対処してきたが、0.3′程度以下の傾きは、機械加工のバラツキに埋もれる程度の値であり、調整が容易でなく、コスト増大の要因となる。一方、本実施形態のように、適度の傾斜角θを有するスペーサー65に交換してコア部61に対する回転位置を調節することで、光学面形成面66a等の光軸の傾きを微調整することができ、光学面形成面66a等の光軸の傾きすなわちレンズOLの光学面Sbに関する光軸の傾きを0.3′程度以下にすることができる。
図2(B)は、比較例のレンズOL'を示している。この場合、中心部OLaの光学面Sb'は、点線で誇張して示す理想的な光学面Sbから傾いて形成されており、コマ収差が増大している。このことから明らかなように、レンズOL,OL'のコマ収差を測定すれば、レンズOL'の光学面Sb'の傾きすなわちコア部61の意図しない傾き等の誤差を計測することができ、計測したコマ収差に基づいてコマ収差を補償するようにコア部61を傾ければ、コマ収差を抑えた高精度のレンズOLを得ることができる。なお、BD用のレンズOLは、光学面Sb'の曲率が大きく、コマ収差が生じやすくなるので、上記のようなスペーサー65による傾斜又はチルトの調整が重要になってくる。具体的には、BD用のレンズOLの場合、コア部61の傾斜角を0.3′程度以上確保して調整することが望ましい。
以上のようにコア部61の強制的な傾斜によってレンズOLのコマ収差を低減する場合、図3に示すように、コア部61の先端61cに適度の隙間GA1を設けることが重要になる。コア部61と支持部62との先端側における隙間GA1については、支持部62の開口としての小径孔62iの直径をD、ロッド部61aの先端61cの直径をdとした場合に、これら寸法差D−dが、
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たしている。ここで、寸法差D−dが1/1000(mm)以上であるので、スペーサー65によってコア部61の傾斜姿勢を調整する際にコア部61の先端61cが変位するための空間を十分に確保することができる。このため、スペーサー65によるコア部61の傾斜姿勢を確実に調整することができ、コア部61の傾斜状態を精密に調整して保持することができ、光学素子としてのレンズOLの特性を精密に制御することができる。また、寸法差D−dが1/100(mm)以下であるので、コア部61の先端61cと支持部62の小径孔62iとの間に形成される隙間GA1が広くなりすぎて、成形時に隙間GA1に樹脂が入り込んでバリの原因となることを防止できる。
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm) (1)
の関係を満たしている。ここで、寸法差D−dが1/1000(mm)以上であるので、スペーサー65によってコア部61の傾斜姿勢を調整する際にコア部61の先端61cが変位するための空間を十分に確保することができる。このため、スペーサー65によるコア部61の傾斜姿勢を確実に調整することができ、コア部61の傾斜状態を精密に調整して保持することができ、光学素子としてのレンズOLの特性を精密に制御することができる。また、寸法差D−dが1/100(mm)以下であるので、コア部61の先端61cと支持部62の小径孔62iとの間に形成される隙間GA1が広くなりすぎて、成形時に隙間GA1に樹脂が入り込んでバリの原因となることを防止できる。
以下、具体的な調整方法及び製造方法について説明する。この場合、まず試験的に作製したレンズOLを計測してコマ収差を計測するものとする。例えば干渉計を用いてレンズOLの収差を計測する場合、コマ収差を他の収差から分離することができ、コマ収差の方向及び程度を数値として得ることができる。このようなコマ収差は、レンズOLの光学面Sa,Sbの相対的な傾き量及び傾き方向すなわちコア部61先端の光学面形成面56a,66aの相対的な傾斜状態に換算することができ、これに基づいて、コア部61に生じている傾斜方向及び傾斜量を算出することができる。ここで、コア部61の傾斜方向及び傾斜量は、コア部61の絶対的な傾斜状態を示すものではなく、レンズOLのコマ収差の原因となっている光学面形成面56a,66aの相対的傾斜状態を意味し、このような相対的傾斜状態をなくすようにコア部61の傾斜方向及び傾斜量を調整することで、レンズOLのコマ収差を低減できる。上記のようなレンズOLの試験的な作製は、試作結果を作製条件に反映させるフィードバックのために一回だけでなく複数回行われ、計測されたコマ収差を相殺するようにコア部61の傾斜方向及び傾斜量を徐々に修正し、得られるコマ収差が最小限となるようにして、コア部61のアライメントすなわち傾斜補正を完了する。その後は、図1に示す成形金型40を用いてコマ収差の少ないレンズOLを量産することになる。なお、コア部61が1′傾くことで0.09λrmsのコマ収差が発生する場合、その1/3の0.03λrmsのコマ収差が発生しているレンズOLを修正するためには、20″=1′÷3の傾斜角θを有するスペーサー65を用いればよい。
図5は、図4(B)等に示すスペーサー65の変形例を示す。このスペーサー165には、中心軸CXに垂直な方向に延びる4つの位置決め穴167a,167b,167c,167dが90°間隔で形成されている。また、支持部162には、対向する位置において貫通する2つの位置決め穴162a,162bが形成されており、中心軸CXに垂直な方向に延びている。これらの位置決め穴162a,162bには、一対の円柱状の位置決めピン72が埋め込むように挿入される。これにより、支持部162内におけるスペーサー165の回転が規制され、延いてはコア部61の回転が確実に制限される。なお、本実施形態では、位置決めピン72を2本としたが、位置決めピン72を1本としてもかまわない。さらに、位置決め穴167a,167b,167c,167dの数も、4つに限らず、8つ等に設定することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第2実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第2実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図6(A)及び6(B)に示すように、第2実施形態における可動金型42のスペーサー265には、周辺部の一箇所に中心軸CXに平行な方向に延びる調整穴281jが形成されており、この調整穴281jに適当な長さの突起部材281kを挿入すると、調整穴281jの当接面65f側から突起部材281kの先端部281mが突起としてはみ出した状態となる。つまり、調整穴281jは、2段構造になっており、大径の嵌合部281nの軸方向の長さは、突起部材281kの軸方向の長さよりも僅かに小さくなっており、突起部材281kの位置で、スペーサー265の厚みtが先端部281mの厚みΔだけ実効的に増加した状態となる。先端部281mの厚みΔを調整すれば、図4(A)等に示すスペーサー65の場合と同様に、スペーサー265に対して先端部281mの厚みΔを反映した実効的な傾斜角θ(≒Δ/w1〔rad〕)を生じさせることができ、修正手段である突起部材281kを埋め込んだ方向とは反対側にコア部61を傾斜させることができる。
突起部材281kについては、軸方向の長さすなわち先端部281mの厚みΔが異なるものを予め多数用意してあり、これらの突起部材281kを交換することで、先端部281mの厚みΔすなわち突起部材281kの突起量を増減させることができる。これにより、スペーサー265全体を交換しないで突起部材281kを交換することにより、スペーサー265に支持されるコア部61の傾斜量を適宜修正することができる。なお、スペーサー265自体を中心軸CXのまわりに回転させることで、コア部61の傾斜方向の調整が可能になる。
図6(C)は、図6(A)に示すスペーサー265の変形例であり、このスペーサー265は、2つの調整穴281jを有している。これらの調整穴281jは、中心軸CXから各調整穴281jに向けての方向が異なる方向になるように並べられており、スペーサー265によるコア部61の支持を安定化させることができるようになっている。なお、両調整穴281jに挿入されこれらと嵌合する一対の突起部材281kの軸方向の長さは、互いに多少異なるものとでき、これによってコア部61の傾斜方向を多少修正することができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第3実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1又は第2実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
以下、第3実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第3実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1又は第2実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
図7(A)及び7(B)に示すように、第3実施形態における可動金型42のスペーサー365には、中心軸CXから周辺に向けて等間隔で多数の調整穴281jが形成されている。各調整穴281jは、中心軸CXに平行な方向に延びており、当接面65f側に大径の嵌合部281nを有している。突起部材281kの軸方向の長さは、大径の嵌合部281nの軸方向の長さよりも僅かに大きくなっている。この場合、突起部材281kは、単一であり、等間隔で一列に配列された多数の調整穴281jから突起部材281kを挿入する1つの調整穴281jを選択することで、突起部材281kの位置で、スペーサー365の厚みtが先端部281mの厚みΔだけ実効的に増加した状態となる。つまり、突起部材281kを挿入する調整穴281jの選択により、図4(A)等に示すスペーサー65の場合と同様に、スペーサー365に対して実効的な傾斜角θ(≒Δ/w2〔rad〕)を生じさせることができ、修正手段である突起部材281kを埋め込んだ方向とは反対側にコア部61を傾斜させることができ、その傾斜量を適宜修正することができる。なお、スペーサー365自体を中心軸CXのまわりに回転させることで、コア部61の傾斜方向の調整が可能になる。
以上の説明では、多数の調整穴281jが中心軸CXに垂直な半径方向に配列されているとしたが、図6(C)の場合と同様に、調整穴281jを半径方向に配列しつつ、周方向に2つずつ配列することもできる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第4実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
以下、第4実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第4実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
図8に示すように、可動金型442において、支持部62内には、コア部61と、スペーサー65と、補助スペーサー482とが保持されている。具体的には、コア部61の根元側に補助スペーサー482が配置され、補助スペーサー482の根元側にスペーサー65が配置されており、補助スペーサー482は、板状体であり、コア部61の基部61bとスペーサー65との間にこれらに密着した状態で挟まれている。なお、追加された補助スペーサー482は、コア部61の傾斜角を修正するための修正手段である。
図9(A)に示すように、スペーサー65は、図4(A)に示すものと同様の形状及び構造を有している。つまり、スペーサー65は、傾斜角θのクサビ形状を有しており、この傾斜角θは、0′〜1′程度の大きさを有している。また、図9(B)に示すように、補助スペーサー482は、図4(A)に示すものと同様の形状及び構造を有している。つまり、補助スペーサー482も、傾斜角θのクサビ形状を有しており、この傾斜角θは、0′〜1′程度の大きさを有している。
なお、コア部61と補助スペーサー482とは、当接面61f,82jを介して互いに当接しており、これらに形成された係合部61g,82gにより、コア部61と補助スペーサー482との相対的な回転が規制される。また、補助スペーサー482とスペーサー65とは、当接面82f,65fを介して互いに当接しており、これらに形成された係合部82h,65gにより、補助スペーサー482とスペーサー65との相対的な回転が規制される。以上により、コア部61と補助スペーサー482とスペーサー65とが互いの回転位置関係を保って支持部62内に保持される。
ここで、スペーサー65と補助スペーサー482とを組み合わせる意味について説明する。スペーサー65の傾斜角θの方向と、補助スペーサー482の傾斜角θの方向とが中心軸CXを挟んで反対側にある場合、スペーサー65と補助スペーサー482とを合わせた厚みは一様になり、両側の当接面82j,65hは略平行である。このため、コア部61は、特に傾斜を与えられていない状態となる。逆に、スペーサー65の傾斜角θの方向と、補助スペーサー482の傾斜角θの方向とが中心軸CXを挟んで同一側にある場合、両側の当接面82j,65hの成す角度すなわち合計の傾斜角αは2θとなる。スペーサー65の傾斜方向と、補助スペーサー482の傾斜方向との成す相対的な回転角をβとすると、スペーサー65及び補助スペーサー482による合計の傾斜角αは、回転角βの関数であり、例えば近似的には
α=2θcos(β/2)
と表すことでき、傾斜角αを0〜2θの範囲で変化させることができる。つまり、コア部61が1′傾くことで0.09λrmsのコマ収差が発生する場合、0.03λrmsのコマ収差が発生しているレンズOLを修正するためには、10″=1′÷3÷2の傾斜角θをそれぞれ有するスペーサー65と補助スペーサー482とを組み合わせて使用すればよい。ここで、スペーサー65と補助スペーサー482との相対的な回転角βは、例えば45°単位で変化させることができる。なお、係合部82h,65gを8角以上の多角形断面とすることにより、45°よりも小刻みに相対的な回転角βを調整することができ、合計の傾斜角αをある程度自由に変化させることができる。
α=2θcos(β/2)
と表すことでき、傾斜角αを0〜2θの範囲で変化させることができる。つまり、コア部61が1′傾くことで0.09λrmsのコマ収差が発生する場合、0.03λrmsのコマ収差が発生しているレンズOLを修正するためには、10″=1′÷3÷2の傾斜角θをそれぞれ有するスペーサー65と補助スペーサー482とを組み合わせて使用すればよい。ここで、スペーサー65と補助スペーサー482との相対的な回転角βは、例えば45°単位で変化させることができる。なお、係合部82h,65gを8角以上の多角形断面とすることにより、45°よりも小刻みに相対的な回転角βを調整することができ、合計の傾斜角αをある程度自由に変化させることができる。
以上のように、本実施形態の場合、スペーサー65と補助スペーサー482との相対的な回転位置を調整することで、コア部61の傾斜角を簡易に増減させることができる。
なお、スペーサー65と補助スペーサー482との配置は入れ替えることができる。また、スペーサー65の傾斜角θと補助スペーサー482の傾斜角θとを異なる値に設定しても、傾斜角αを同様に滑らかに増減させることができる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第5実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1又は第4実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
以下、第5実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第5実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1又は第4実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
図10に示すように、可動金型542において、支持部62内には、コア部561と、スペーサー65とが保持されている。コア部561は、図8等に示すコア部61と図9(B)に示す補助スペーサー482とを接続して一体化したと同様のものであり、コア部561のうち傾斜部582が図9(B)に示す補助スペーサー482に対応する。コア部561とスペーサー65との相対的な回転角βを調整することで、コア部561の傾斜部582に対するスペーサー65の相対的な回転角βを調整することができ、コア部561の傾斜角αを例えば0〜2θの範囲で変化させることができる。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第6実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態等を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
以下、第6実施形態に係る光学素子用の成形金型等について説明する。なお、第6実施形態に係る成形金型や製造方法は、第1実施形態等を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態等と同様であるものとする。
図11に示すように、成形金型640において、固定金型641は、コア部51と、スペーサー55と、支持部52と、型板53と、取付板54とを備える。固定金型641において、コア部51と、スペーサー55と、支持部52と、型板53と、取付板54とは、可動金型42におけるコア部61と、スペーサー65と、支持部62と、型板63と、取付板64とにそれぞれ対応する機能を有しており、適当に設定された傾斜角θを有するスペーサー55に交換することで、コア部51の傾斜角を調整できるようになっている。なお、スペーサー55は、傾斜角θを有するスペーサー65に限らず、図6(A)に示すスペーサー265、図7(A)に示すスペーサー365等に置き換えることができ、図8に示す補助スペーサー482に置き換えることができる。
なお、上記第6実施形態において、固定金型641にのみスペーサー55を設け、可動金型42のスペーサー65等を省略することもできる。
また、上記第6実施形態において、例えば固定金型641のスペーサー55を粗調整用とし、可動金型42のスペーサー65を微調整用として用いることもできる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、スペーサー65,165,265,365,55が円板状であるとしたが、その他の輪郭形状を有するものとすることができる。
また、図4(A)等に示すスペーサー65は、傾斜角θを形成できるものであれば足り、当接面65f,65hが部分的に欠落していても、同様に機能させることができる。例えば、図12(A)及び12(B)に示すように、固定的な突起781mを形成することによっても、実施的に傾斜角θを生じさせることができる。
Claims (14)
- 光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、
前記コア部の周囲に配置されるとともに先端側に前記コア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、
前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持するとともに、前記支持部に対する前記コア部の傾斜姿勢を調整するスペーサーとを備え、
前記支持部の前記開口の直径をD、前記コア部の前記先端の直径をdとした場合に、寸法差D−dは、
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm)
の関係を満たすことを特徴とする光学素子用の成形金型。 - 前記スペーサーは、前記コア部の軸のまわりに回転可能な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。
- 固定金型と可動金型とを備え、
前記スペーサーは、前記固定金型と前記可動金型との一方に設けた前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持することを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。 - 固定金型と可動金型とを備え、
前記スペーサーは、前記固定金型と前記可動金型とにそれぞれ設けた前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持することを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。 - 前記スペーサーは、傾斜角を設けた板状体であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。
- 前記スペーサーは、平板状の部材であり、板面の一方側に突起を有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。
- 前記スペーサーによる前記コア部の傾斜方向及び傾斜角は、試験的に作製された光学素子のコマ収差に基づいて調整されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子用の成形金型。
- 光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、
前記コア部の周囲に配置されるとともに先端側に前記コア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、
前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持するとともに、前記支持部に対する前記コア部の傾斜姿勢を調整するスペーサーとを備え、
前記スペーサーに対する配置関係を変化させることによって、前記コア部の前記先端の前記支持部に対する傾斜角を修正する修正手段をさらに備える光学素子用の成形金型。 - 前記スペーサーは、傾斜角を設けた板状体であり、前記修正手段は、前記スペーサーに重ね合わせて配置されるとともに傾斜角を設けた板状体であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子用の成形金型。
- 前記スペーサーは、傾斜角を設けた板状体であり、前記修正手段は、前記コア部の根元側に設けられて前記スペーサーに当接するとともに傾斜角を設けた板状部分であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子用の成形金型。
- 前記スペーサーは、板状体であり、前記修正手段は、前記スペーサーの板面の一方側に嵌合するとともに突起量を変更可能に形成された突起部材であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子用の成形金型。
- 前記スペーサーは、板状体であり、前記修正手段は、前記スペーサーの板面の一方側に嵌合するとともに嵌合位置を変更可能に形成された突起部材であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子用の成形金型。
- 光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、前記コア部の周囲に配置されるとともに先端側に前記コア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持するスペーサーとを有する成形金型を用いた光学素子の製造方法であって、
前記スペーサーによって前記支持部に対する前記コア部の傾斜姿勢を調整し、
前記支持部の前記開口の直径をD、前記コア部の前記先端の直径をdとした場合に、寸法差D−dは、
1/1000(mm)≦D−d≦1/100(mm)
の関係を満たすことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 光学素子の光学面に対応する光学面形成面を先端に有するコア部と、前記コア部の周囲に配置されるとともに先端側に前記コア部の光学面形成面を露出させる開口を有する支持部と、前記コア部を前記光学面形成面の反対側から支持するスペーサーとを有する成形金型を用いた光学素子の製造方法であって、
前記スペーサーによって前記支持部に対する前記コア部の傾斜姿勢を調整し、
修正手段により前記スペーサーに対する配置関係を変化させることによって、前記コア部の前記先端の前記支持部に対する傾斜角を修正することを特徴とする光学素子の製造方法。
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