JPWO2011148568A1 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

使用者により上面操作部61から所定の火力が設定された場合、通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの情報に基き主加熱コイルMCと副加熱コイル群SC1〜4の内の少なくとも一つの上に同一の鍋が載置されていると判断すると、使用者の設定した火力値となるように、主インバーター回路の出力と副インバーター回路群の出力とを所定の配分に制御して上記複数の加熱コイルを協同で加熱動作させ、前記所定の火力情報を表示する。

Description

本発明は、トッププレート上に被加熱物を載置する場所を表示した誘導加熱調理器に関する。
金属製鍋などの被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する加熱調理器は、安全・清潔・高効率という優れた特徴が消費者に認知され、近年次第に普及拡大している。
そのような誘導加熱調理器は、設置形態によって流し台等の上面に置かれて使用される据置型と、流し台などの厨房家具の中にある設置空間にセットされるビルトイン(組込)型とに大別されるが、何れのタイプにおいても、上面のほぼ全体が耐熱ガラス板等から形成されたトッププレート(天板ともいう)で覆われ、その下方には、光源と光源の光を導光する導光体とを含む線状発光体を備えた誘導加熱調理器が広く知られている。これにより、トッププレート上に鮮明な円状の図形を表示することができるので、被加熱物を載置する場所(加熱部)や加熱中か否かを明確に表示することができる(例えば特許文献1参照)。
また別の誘導加熱調理器として、例えば鍋底径が大きな1つの楕円形の鍋を隣り合う2つの加熱コイル上に載置して加熱できるものが提案されている。このような加熱調理器は、被加熱物を加熱する第1の加熱コイルと、同じく被加熱物を加熱する第2の加熱コイルと、第1及び第2の加熱コイルの載置場所を示す発光部と、発光部の発光、点灯を制御する発光制御部と、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、を備え、被加熱物載置判断部が第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されていると判断したときに、加熱制御部は、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルを連動して動作させ、発光制御部は、使用者に該動作を認識させるように、第1の加熱コイルの載置場所と第2の加熱コイルの載置場所の双方に対応した発光部を一括して(同時に)発光、点灯させる構成である(例えば特許文献2参照)。
また一つの加熱コイルの外径サイズよりも大きな底面サイズを持つ大型の鍋を加熱する際に加熱分布に偏りが生じず、調理性能を損なうことなく加熱する、誘導加熱調理器を提供するために、第1の加熱コイルと、第1の加熱コイルの近傍に配置され、加熱コイルの最小外径が第1の加熱コイルの最小外径よりも短く且つ第1の加熱コイルと異なる円心を有する、複数の加熱コイル群と、前記第1の加熱コイルを駆動する第1のインバーター及び前記複数の加熱コイル群を駆動する第2のインバーターの出力を制御する制御部と、を備えた誘導加熱調理器も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特許第3941812号公報(第1頁、第2頁、第9頁、図14) 特開2009−218041号公報(第1頁、第2頁、第7頁、図1、図4、図5) 特開2010−73384号公報(第2頁、第7頁、図3)
しかしながら、従来においては、一つの加熱コイル(以下、「主加熱コイル」という)を中心として、その両側や周囲近傍に別の補助的な加熱コイル(補助加熱コイルともいうが、以下、統一して「副加熱コイル」という)を設置し、同一の鍋等の被加熱物を前記主加熱コイルと副加熱コイルを同時に駆動させて加熱調理する場合について、適当な被加熱物載置場所の表示方法が提案されていなかった。特に副加熱コイルを主加熱コイルの周囲に数個配置したような場合、使用者が鍋を最初に置く場所に悩む場合がある。もちろん、トッププレートの上面に、主加熱コイルや副加熱コイルの加熱域に対応した環状のマークを印刷して表示することも考えられるが、加熱調理に伴って動作する副加熱コイルが切替わっていくが、そのような図形表示だけの場合は、この副加熱コイルの切替えに対応した表示をリアルタイムで行うことができない。従って、使用者に対して、鍋等の好ましい設置場所や、現在使用されている副加熱コイルがどれであるのかという情報さえも伝達することができない等の問題があった。また加熱調理の仕上がりや安全性等に大きく影響する重要な制御対象は、火力であるが、加熱調理に伴って動作する副加熱コイルが切替わった場合には、そのような副加熱コイルの切替えに対応して火力をどのように配分し、かつ表示するべきかという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来の加熱コイルよりも底面積の大きい被加熱物でも使用者が容易に所定位置に載置でき、加熱調理する場合でも、被加熱物に合わせて適当な火力を設定すれば、表示手段にその設定火力の情報で主加熱コイルとその周囲の少なくとも1つの副加熱コイルが協同して加熱動作中であることが表示され、また使用者が設定した火力を維持するように主加熱コイルと副加熱コイルの火力配分が自動的に決定する誘導加熱調理器を得ることを目的とするものである。
これにより、使用者は安心して調理を継続できる。
なお、この発明でいう加熱物載置場所とは、加熱コイルによって鍋等が加熱される目安的な場所をいうものであり、言い換えると、鍋の位置が加熱物載置場所を僅かでも外れると全く誘導加熱作用が行われないという厳密な場所をいうものではない。鍋の外形形状や底部分の材質等の状況により厳密に言えば鍋の最適な載置場所は微妙に変化するからである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、光を透過するトッププレートと、トッププレート下からその上に置かれた被加熱物を誘導加熱する主加熱コイルと、この主加熱コイルの外周側に設置された少なくとも1つの副加熱コイルと、主加熱コイルに高周波電流を供給する主インバーター回路と、副加熱コイルに高周波電流を供給する副インバーター回路と、主インバーター回路と副インバーター回路の通電を制御する通電制御回路と、誘導加熱時の通電条件を前記通電制御回路に入力する入力部と、この入力部による入力結果の内、少なくとも火力情報が表示される表示手段と、主加熱コイル及び副加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、を備え、通電制御回路は、被加熱物載置判断部が主加熱コイル及び少なくとも1つの副加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されていると判断した場合に、主インバーター回路と当該副加熱コイルに関する副インバーター回路からの駆動電流で主加熱コイルと副加熱コイルとによる協同加熱動作を実行させ、さらに表示手段に、協同加熱動作にあることを示す情報を表示させるものである。
また、本発明に係る誘導加熱調理器は、トッププレート上に載置された被加熱物を加熱する主加熱コイルと、この主加熱コイルの外側にそれぞれ隣接して設置された複数個の副加熱コイルからなる副加熱コイル群と、主加熱コイルに高周波電流を供給する主インバーター回路と、副加熱コイル群の副加熱コイル毎に高周波電流を独立して供給する副インバーター回路群と、主加熱コイルと複数の副加熱コイルの内の少なくとも1つの上に同じ被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、使用者によって操作される誘導加熱時の火力を設定する入力部と、この入力部の設定情報が表示される表示手段と、前記入力部の設定情報に基づき前記主インバーター回路と副インバーター回路群の出力を制御するとともに前記表示手段を制御する通電制御回路と、主加熱コイル及び副加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、を備え、通電制御回路は、使用者により入力部から所定の火力が設定されると、被加熱物載置判断部からの情報に基き主加熱コイルと副加熱コイル群の内の少なくとも一つの副加熱コイルの上に同一の被加熱物が載置されていると判断すると、使用者の設定した火力値となるように、主インバーター回路の出力と副インバーター回路群の出力とを所定の配分に制御して協同加熱動作を行わせ、その後協同加熱動作する副加熱コイルの数が増加、減少、又は他の副加熱コイルに切り替わった状態では、変化前の出力配分を維持し、前記表示手段に、前記協同加熱動作中における副加熱コイルの数の増減又は他の副加熱コイルへの切り替えにも拘らず、前記所定の火力情報を表示するものである。
本発明によれば、主加熱コイルと、その外周側に設けられた少なくとも1つの副加熱コイルが協同して加熱動作を実行することで、主加熱コイル単独での加熱時に比べて広い面積で誘導加熱ができるというメリットに加え、調理実行に重要な要素である火力情報が表示される表示手段において、協同加熱動作していることも確認できるので、使用者の精神的な負担を軽減できるという利点がある。
また、本発明によれば、主加熱コイルと副加熱コイルが協同加熱できる加熱領域の範囲で、通常のような円形鍋で調理できることはもちろん、主加熱コイルの直径を超えるような大形サイズの楕円等の非円形鍋も誘導加熱できる。さらにそのような非円形鍋が横に移動して副加熱コイルが変化した場合にも、使用者が設定した所定の火力となるように、主インバーター回路と副インバーター回路群の各出力が所定の範囲で配分され、かつ表示手段にはそれらの出力配分に基づく火力の表示が、主加熱コイル単独加熱と協同加熱との何れの動作状態においても行われるので、主加熱コイルを中心とした副加熱コイルを含む広域の加熱域で誘導加熱できるメリットに加え、その加熱調理の火力の確認ができることにより使用者の精神的な負担を軽減できるという利点がある。
以上より、主加熱コイル単体の加熱時は勿論、主加熱コイルと副加熱コイルとの協同加熱時にも最新の火力を視認でき、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体を一部分解して示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の天板部を取り外した状態での本体部全体を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の本体部全体の平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の上下仕切り板などの主要な構成部品を取り外した状態の斜視図である。 図1のV−V線縦断面図である。 図1のVI−VI線縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の部品ケースと冷却ダクトの一部を破断して示す主要部斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の加熱コイルの全体の配置を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源の主加熱コイルの配線説明である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源の主加熱コイルのコイル支持体の平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の制御回路全体図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側誘導加熱源の上方に鍋を置いて加熱動作している場合の構成図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側誘導加熱源上方に鍋を置いて加熱動作している場合の縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の本体の中央前方部を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の統合表示手段を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左IH加熱源のみを使用している場合の統合表示手段の表示画面例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の制御動作のフローチャート1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の制御動作のフローチャート2である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の火力変更する場合の制御動作を示すフローチャート3である。 本発明の実施の形態2に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の左側誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の統合表示手段を示す平面図である 本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の左側加熱源の火力表示部分を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の左側の誘導加熱源を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の左側加熱源の火力表示部分を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器の本体全体を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器の左側誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器のトッププレートの中心から左側の要部を示す平面図で、協同加熱動作を実行している状態を示したものである。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器のトッププレートの半分から左側の要部を示す平面図で、協同加熱動作をしていない状態を示したものである。
実施の形態1.
図1〜図21は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示すものであって、ビルトイン(組込)型の誘導加熱調理器の例を示している。
図1は誘導加熱調理器全体を一部分解して示す斜視図である。
図2は誘導加熱調理器の天板部を取り外した状態での本体部全体を示す斜視図である。
図3は本体部全体の平面図である。
図4は上下仕切り板などの主要な構成部品を取り外した状態の斜視図である。
図5は図1のV−V線縦断面図である。
図6は図1のVI−VI線縦断面図である。
図7は部品ケースと冷却ダクトの一部を破断して示す主要部斜視図である。
図8は加熱コイルの全体の配置を示す平面図である。
図9は左側の誘導加熱源を示す平面図である。
図10は左側の誘導加熱源の主加熱コイルの配線説明である。
図11は左側の誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大平面図である。
図12は左側の誘導加熱源の主加熱コイルのコイル支持体の平面図である。
図13は制御回路全体図である。
図14は左側誘導加熱源の上方に鍋を置いて加熱動作している場合の構成図である。
図15は左側誘導加熱源上方に鍋を置いて加熱動作している場合の縦断面図である。
図16は本体の中央前方部を示す平面図である。
図17は統合表示手段を示す平面図である。
図18は左IH加熱源のみを使用している場合の統合表示手段の表示画面例を示す平面図である。
図19は制御動作のフローチャート1である。
図20は制御動作のフローチャート2である。
図21は火力変更する場合の制御動作を示すフローチャート3である。
なお、各図において同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付している。
(加熱調理器本体)
本発明の加熱調理器は、1つの矩形の本体部Aを備えている。この本体部Aは、通常、本体部Aの上面を構成する天板部B、本体部Aの上面以外の周囲(外郭)を構成する筐体部C、鍋や食品等を電気的エネルギー等で加熱する加熱手段D、使用者により操作される操作手段E、操作手段からの信号を受けて加熱手段を制御する制御手段F、及び加熱手段の動作条件を表示する表示手段Gを備えている。また、加熱手段Dの一部として、以下に説明する実施の形態のように、グリル庫(グリル加熱室)又はロースターと称される電気加熱手段を備えたものもある。
次に、本発明の実施の形態において用いられる用語をそれぞれ定義する。
加熱手段Dの動作条件とは、加熱するための電気的、物理的な条件を言い、通電時間、通電量(火力)、加熱温度、通電パターン(連続通電、断続通電等)等を総称したものである。つまり加熱手段Dの通電条件をいうものである。
表示とは、文字や記号、イラスト、色彩や発光有無や発光輝度等の変化により、使用者に動作条件や調理に参考となる関連情報(異常使用を注意する目的や異常運転状態の発生を知らせる目的のものを含む。以下、単に「調理関連情報」という)を視覚的に知らせる動作をいう。但し、後述する「広域発光部」や「個別発光部」が発光、点灯して表示する場合及び「第1の表示」、「第2の表示」という場合の「表示」とは、単に発光、点灯して所定の色の光を出すことを言い、光の色や、明るさ、連続点灯と点滅状態のように点灯形態や視覚効果を変えた場合は表示を「変更する」又は「切り替える」などと表現する場合がある。また「発光」と「点灯」とは同じ意味であるが、発光ダイオードなどの発光素子自体が光を発する場合を発光、ランプが光を発する場合を点灯と呼ぶことが多いので、以下の説明ではこのように併記する場合がある。なお、電気的又は物理的には発光又は点灯していても、使用者が目視で確認できない程度の弱い光しか使用者に到達しない場合は、使用者が「発光」または「点灯」の結果を確認できないので、特に明記しない限り、「発光」または「点灯」という用語に該当しない。例えば後述するトッププレートは一般的に無色透明ではなく表面に塗装などをする前からその素材自体に薄い色があるので、可視光線の透過率は100%ではないから、例えば発光ダイオードの光が弱いとトッププレートの上からはその光が視認できないことが起こる。
表示手段とは、特に明示のない限り、液晶(LCD)や各種発光素子(半導体発光素子の一例としてはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、LD(Laser Diode)の2種類がある)、有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子などを含む。このため表示手段には、液晶画面やEL画面等の表示画面を含んでいる。但し、後述する「広域発光部」や「個別発光部」の表示手段は、単なるランプやLEDなどの発光手段でも良い。また、右IH加熱部などの「IH」とは、誘導加熱(Induction Heating)の意味である。
報知とは、表示又は電気的音声(電気的に作成又は合成された音声をいう)により、制御手段の動作条件や調理関連情報を使用者に認識させる目的で知らせる動作をいう。
報知手段とは、特に明示のない限り、ブザーやスピーカー等の可聴音による報知手段と、文字や記号、イラスト、あるいは可視光による報知手段とを含んでいる。
「協同加熱」とは、誘導加熱源となる2つ以上の加熱コイルにそれぞれ電力を供給して、同一の被加熱物を誘導加熱する動作をいう。本発明では後述する主加熱コイルと一つ又は複数個の副加熱コイルとによって協同加熱が行われる。なお複数個の加熱コイルが互いに接近している場合は、各加熱コイルによって形成される交流磁場が相互に干渉しないように同じ向きとなるように流すことが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
(本体部A)
本体部Aは図1に示すように、上面全体を後述する天板部Bで覆われたものであり、この本体部Aは、外形形状が流し台等の厨房家具KT(図6参照)に形成した設置口K1を覆う大きさ、スペースに合わせている所定の大きさで、略正方形又は長方形に形成されている。
図2に示す本体ケース2はこの筐体部Cの外郭面を形成するものであり、1枚の平板状の金属板をプレス成形機械で複数回折り曲げ加工して形成した胴部2Aと、この胴部の端部に、溶接又はリベット、ネジ等の固定手段で継ぎ合わせた金属板製の前部フランジ板2Bとから構成されており、これら前部フランジ板2Bと胴部2Aとを固定手段で結合した状態では、上面が開放した箱形になる。その箱形の胴部2Aの背面部下部が傾斜部2Sで、これより上方が垂直な背面壁2Uになっている。
図2に示す本体ケース2の上面開口の後端部、右端部及び左端部の三個所には、それぞれ外側へL字形に一体に折り曲げて形成したフランジを有しており、後方のフランジ3B、左側のフランジ3L、右側のフランジ3Rと前部フランジ板2Bが厨房家具KTの設置部(図6参照)上面に載置され、加熱調理器の荷重を支えるようになっている。
そして、図6に示すように加熱調理器が厨房家具KTの設置口K1に完全に収容された状態では、厨房家具KTの前方に形成した開口部KTKから加熱調理器の前面部が露出するようになり、厨房家具KTの前面側から加熱調理器の前面(左右)操作部60(図2参照)が操作可能となる。
傾斜部2Sは、胴部2Aの背面と底面を結ぶものであり(図6参照)、加熱調理器を厨房家具KTに嵌め込んで設置する場合には、厨房家具KTの設置口K1後縁部に衝突したり干渉したりしないようにカットしてある。つまり、この種の加熱調理器は厨房家具KTに嵌め込んで設置する際、加熱調理器の本体部Aの手前側が下になるように傾け、その状態で手前側から先に厨房家具KTの設置口K1に落とし込む。その後に遅れて後ろ側を、弧を描くようにして設置口K1に落とし込む(このような設置方法は、例えば特開平11−121155号公報に詳しく記載されている)。このような設置方法のために、前部フランジ板2Bは、加熱調理器を厨房家具KTに設置する際に、厨房家具KTの設置口K1の設置口前縁部(図6参照)との間に十分なスペースSPが確保されるような大きさになっている。
本体ケース2の内部には、後述するトッププレート21に載置された磁性を有する、例えば金属から成る鍋等の被加熱物N(以下、単に鍋と称する場合有り)を誘導加熱するための加熱源6L、6Rと、輻射熱で加熱する電気ヒーター、例えばラジエントヒーターと呼ばれる輻射式中央電気加熱源7と、該加熱手段の調理条件を制御する後記する制御手段Fと、該制御手段に前記調理条件を入力する後述する操作手段Eと、該操作手段により入力された加熱手段の動作条件を表示する表示手段Gとを備えている。以下、それぞれについて詳細に説明する。
筐体部Cの内部は、図2に示すように大きく分けて前後方向に長く伸びた右側冷却室8R、同じく前後方向に長く伸びた左側冷却室8L、箱形のグリル(又はロースター)加熱室9、上部部品室10、後部排気室12が区画形成されているが、各部屋は互いに完全に隔絶されている訳ではない。例えば右側冷却室8R及び左側冷却室8Lは、後部排気室12に対し、それぞれ上部部品室10を経由して連通している。
グリル加熱室9は、その前面開口9A部が後述するドア13が閉じられた状態では、略独立した密閉空間になっているが、排気ダクト14を介して筐体部Cの外部空間、つまり台所などの室内空間に連通している(図6参照)。
(天板部B)
天板部Bは以下述べるように、上枠(枠体ともいう)20とトッププレート(上板、トップガラス、天板とも称する)21の2つの大きな部品から構成されている。上枠20は、全体が非磁性ステンレス板又はアルミ板などの金属製板から額縁状に形成され、本体ケース2の上面開口を塞ぐような大きさを有している(図3、図6参照)。
トッププレート21は、額縁形状の上枠20の中央に設けられた大きな開口部を隙間無く完全に覆うような横幅寸法Wを有し(図8参照)、本体ケース2上方に重ね合わせて設置されている。このトッププレート21は、全体が耐熱強化ガラスや結晶化ガラス等の赤外線及びLEDからの可視光線を透過させる透明又は半透明な材料からなり、上枠20の開口部の形状に合わせて長方形又は正方形に形成されている。なお、透明の場合、トッププレート21の上方から使用者に内蔵部品が全て見えてしまい、見栄えを損なうことがあるので、トッププレート21の表面や裏面には遮蔽用の塗装を施したり、あるいは細かい斑点状や格子上に可視光線を通さない部分を印刷などで施したりすることがある。
さらにトッププレート21の前後左右側縁は、上枠20の開口部との間にゴム製パッキンやシール材(図示せず)を介在させて水密状態に固定されている。したがって、トッププレート21の上面から水滴などが上枠20とトッププレート21との対面部分に形成される間隙を通じて本体部Aの内部に侵入しないようにしてある。
図1において、右通風口20Bは、上枠20の形成時にプレス機械で同時に打ち抜き形成されたものであり、後述する送風機30の吸気通路となる。中央通風口20Cは同じく上枠20の形成時に打ち抜き形成されたものであり、左通風口20Dは同じく上枠20の形成時に打ち抜き形成されたものである。なお、図1では上枠20の後部部分しか示していないが、図3のように上方から見た場合、本体ケース2の上面全体を額縁状に覆っている。
トッププレート21は、実際の調理の段階では後で詳しく述べる右側誘導加熱源(以下、「右IH加熱源」という)6R、左側誘導加熱源(以下、「左IH加熱源」という)6Lによって誘導加熱され、高温になった鍋等の被加熱物Nからの熱を受けて300度以上にもなることがある。さらにトッププレート21の下方に後述する輻射式の電熱ヒーターである輻射式中央電気加熱源7が設けられている場合には、その輻射式中央電気加熱源7からの熱でトッププレート21は直接高温に熱せられ、その温度は350度以上にも至ることがある。
トッププレート21の上面には、図1及び図3に示すように後記する右IH加熱源6R、左IH加熱源6L、輻射式中央電気加熱源7のおおまかな位置を示す円形の案内マーク6RM、6LM、7Mが、それぞれ印刷などの方法で表示されている。
(加熱手段D)
この発明の実施の形態1では加熱手段Dとして、本体部Aの上部右側位置にある右IH加熱源6R、反対に左側にある左IH加熱源6L、本体部Aの左右中心線上で後部寄りにある輻射式中央電気加熱源7及びグリル加熱室9の内部にロースター用の上下1対の輻射式電気加熱源22、23を備えている。これら加熱源は制御手段Fにより互いに独立して通電が制御されるように構成されているが、詳細は後で図面を参照しながら述べる。
(右IH加熱源)
右IH加熱源6Rは、本体ケース2の内部に区画形成された前記上部部品室10内部に設置されている。そして前記トッププレート21の右側の下面側に、右IH加熱コイル6RCを配置している。このコイル6RCの上端部がトッププレート21の下面に微小間隙を置いて近接しており、IH(誘導)加熱源となる。この実施の形態では例えば、最大消費電力(最大火力)3kWの能力を備えたものが使用されている。右IH加熱コイル6RCは、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線を30本程束にして、この束(以下、集合線という)を1本又は複数本撚りながら巻き、図8に示すように中心点X2を基点として外形形状が円形になるようにして最終的に円盤形に成形されている。右IH加熱コイル6RCの直径(最大外径寸法)は約180mm程度である。
トッププレート21に表示された円(図1、図3において実線)である案内マーク6RMの位置は、右IH加熱源6Rの右IH加熱コイル6RCの最外周位置と完全に一致しているものではない。この案内マーク6RMは適正な誘導加熱領域を示すものにすぎない。図3の右側の破線の円が、大体右IH加熱コイル6RCの最外周位置を示す。
(左IH加熱源)
左IH加熱源6Lは、本体部Aの左右中心線CL1(図8参照)を挟んで右IH加熱源6Rと略線対称な位置(左右中心線CL2を中心)に設置されており、右IH加熱源6Rと同様な構成になっている。この実施の形態では例えば、最大消費電力(最大火力)3kWの能力を備えたものが使用されている。また左IH加熱コイル6LCは、図11に示すように中心点X1を基点として半径R1とする2つの同心状に配置された環状の外形形状を有するものから成り、その直径(最大外径寸法)は約180mmであるが、これは後述する副加熱コイルSCを含まない寸法であり、左IH加熱コイルを構成する、後述する外側コイル6LC1と内側6LC2の内、その外側コイル6LC1の最大外径寸法である。図9に示す図ではDAに相当する。後述する副コイルSCとの差異を示すため、左IH加熱コイル6LCを構成する外側コイル6LC1と内側コイル6LC2の両者を「主加熱コイルMC」と称する場合がある(図11参照)。
トッププレート21に表示された円(図1と図3において実線)である案内マーク6LMの位置は、左IH加熱コイル6LCの最外周位置と完全に一致しているものではない。案内マークは適正な誘導加熱領域を示すものである。図3の左側の破線の円が、大体左IH加熱コイル6LCの最外周位置を示す。
トッププレート21に表示された円形の案内マークEMは後述する主加熱コイルMCと、その前後左右位置に略等間隔に配置された全ての副加熱コイルSC(合計4個)を包含する広い円形のエリア(以下、「協同加熱エリアマーク」という)を示すものである。またこの協同加熱エリアマークEMの位置は、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSCの協同加熱時における好ましい被加熱物載置場所の外側限界を、前記トッププレート21の下から光を放射して示すための、後述する「広域発光部」の位置と大体一致している。
右IH加熱コイル6RCと同様に、左IH加熱コイル6LCの内側空間には赤外線式の温度検出素子(以下、赤外線センサーという)31Lが設置されている(図14、図15参照)。この詳細は後で詳しく述べる。
前記左IH加熱源6のIH加熱コイル6LCは、半径方向に分割された2つのコイル(以下、外側のものを「外側コイル」6LC1、内側のものを「内側コイル」6LC2という)から構成されている。この2つのコイルは図10に示すように、直列に接続された一連のものである。なお、2つのコイルにすることなく、全体が単一のコイルであっても良い。
左右IH加熱コイル6LC、6RCの下面(裏面)には、図12に示すようにそれら加熱コイルからの磁束漏洩防止材73として、高透磁材料、例えばフェライトで形成された断面方形の棒が配置されている。例えば左IH加熱コイル6LCでは、その中心点X1から放射状に4本、6本又は8本配置してある(必ずしも偶数本である必要はない)。
つまり、磁束漏洩防止材73は、左右IH加熱コイル6LC、6RCの下面全体を覆う必要はなく、断面が例えば正方形又は長方形等で棒状に成形した磁束漏洩防止材73を右IH加熱コイル6RCのコイル線と交差するように所定間隔で複数個設ければ良い。従ってこの実施の形態1では左IH加熱コイルの中心点X1から放射状に複数個設けている。このような磁束漏洩防止材73により、IH加熱コイルから発生する磁力線をトッププレート21上の被加熱物Nに集中させることができる。
前記右IH加熱コイル6RCと左IH加熱コイル6LCは、独立して通電されるように複数部分に分けたものでもよい。例えば内側に渦巻き状にIH加熱コイルを巻き、そのIH加熱コイルの外周側にはそれと同心円上でかつ略同一平面上に別の大径の渦巻き状に巻いたIH加熱コイルを置き、内側のIH加熱コイル通電、外側のIH加熱コイル通電、及び内側と外側のIH加熱コイル共に通電、という3つの通電パターンで被加熱物Nを加熱するようにしても良い。
このように2個のIH加熱コイルに流す高周波電力の出力レベル、デューティ比、出力時間間隔の少なくとも一つ又はこれらを組み合わせることにより、小型から大形(大径寸法)の被加熱物(鍋)Nまで効率良く加熱するようにしても良い(このような独立通電できる複数の加熱コイルを使用した技術文献として代表的なものとしては、特許第2978069号公報が知られている)。
温度検出素子31Rは、右IH加熱コイル6RCの中央部に設けた空間内部に設置された赤外線式の温度検出素子であり、上端部にある赤外線受光部をトッププレート5の下面に向けている(図14参照)。
また、左IH加熱コイル6LCにも同様に、その中央部に設けた空間内部には赤外線式の温度検出素子31Lが設置されている(図9、図15参照)が、あとで詳しく説明する。
赤外線式の温度検出素子31R、31L(以下、赤外線センサーという)は、鍋等の被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定できるフォトダイオード等から構成されている。なお、前記温度検出素子31R(温度検出素子31Lも同様であるため、以下では双方に共通な場合には、温度検出素子31Rのみを代表させて説明する)は伝熱式の検知素子、例えばサーミスタ式温度センサーでも良い。
このように被加熱物からその温度に応じて発せられる赤外線を、赤外線センサーによってトッププレート5の下方から迅速に検出することは例えば特開2004−953144号公報(特許第3975865号公報)、特開2006−310115号公報や特開2007−18787号公報等により知られている。
温度検出素子31Rが赤外線センサーである場合は、被加熱物Nから放射された赤外線を集約させ、かつリアルタイムで(時間差が殆んどなく)受信してその赤外線量から温度を検知できることで(サーミスタ式よりも)優れている。この温度センサーは、被加熱物Nの手前にある耐熱ガラスやセラミックス製等のトッププレート21の温度と被加熱物Nとの温度が同じでなくても、またトッププレート21の温度に拘わらず、被加熱物Nの温度を検出できる。すなわち、被加熱物Nから放射される赤外線がトッププレート21に吸収されたり遮断されたりしないように工夫しているためである。
例えばトッププレート21は4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を透過させる素材が選択されており、一方、温度センサー31Rは4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を検出するものが選択されている。
一方、温度検出素子31Rが、サーミスタ等の伝熱式のものである場合には、前記した赤外線式温度センサーと比較すると急激な温度変化をリアルタイムで捕捉することでは劣るが、トッププレート21や被加熱物Nからの輻射熱を受け、被加熱物Nの底部やその直下にあるトッププレート21の温度を確実に検出できる。また被加熱物Nが無い場合でもトッププレート21の温度を検出できるものである。
なお、温度検出素子がサーミスタ等の伝熱式の場合には、その温度感知部をトッププレート21の下面に直接接触させ、あるいは伝熱性樹脂等のような部材を介在させて、トッププレート21自身の温度を出来るだけ正確に把握させるようにしても良い。温度感知部とトッププレート21の下面との間に空隙があると、温度の伝達に遅れが生ずるからである。
以下の説明において、左右に共通に配置された部材について共有する内容については、名称における「左、右」および符号における「L、R」の記載を省略する場合がある。
(輻射式中央電気加熱源)
輻射式中央電気加熱源7は(図2、図3参照)、図1の本体部Aの内部であって、トッププレート21の左右中心線CL1上で(図8参照)、かつ、トッププレート21の後部寄りの位置に配置されている。輻射式中央電気加熱源7は、輻射によって加熱するタイプの電気ヒーター(例えばニクロム線やハロゲンヒーター、ラジエントヒーター)が使用され、トッププレート21を通してその下方から鍋等の被加熱物Nを加熱するものである。そして、例えば、最大消費電力(最大火力)1.2kWの能力を備えたものが使用されている。
輻射式中央電気加熱源7は上面全体が開口した円形容器形状を有しており、その最外周部分を構成する断熱材製の容器状カバー50は、最大外径寸法が約180mmで、高さ(厚さ)が15mmになっている。
トッププレート21に表示された円(図1と図3において実線)である案内マーク7Mの位置は、輻射式中央電気加熱源7の最外周位置と完全に一致しているものではない。この案内マーク7Mは適正な加熱領域を示すものに過ぎないのである。図3の破線の円が、大体輻射式中央電気加熱源7の容器状カバー50の最外周位置を示す。
(輻射式電気加熱源)
右側の上下仕切り板24Rは、鉛直に設置されており(図2、図4参照)、筐体部Cの内部で右側冷却室8Rとグリル加熱室9間を隔絶している仕切り壁の役割を果たしている。左側の上下仕切り板24Lは、同じく鉛直に設置されており(図2参照)筐体部Cの内部で左側冷却室8Lとグリル加熱室9間を隔絶している仕切り壁の役割を果たしている(図2、図4参照)。なお、上下仕切り板24R、24Lはグリル加熱室9の外側壁面と数mm程度の間隔を保って設置されている。
水平仕切り板25(図2、図5参照)は、左右の上下仕切り板24L、24Rの間全体を上下2つの空間に区画する大きさを有しており、この水平仕切り板25の上方が前記上部部品室10である(図2参照)。またこの水平仕切り板25はグリル加熱室9の天井面と数mmから10mm程度の所定の空隙116(図6参照)を持って設置されている。
切欠き部24Aは左右の上下仕切り板24L、24Rにそれぞれ形成され、後述する冷却ダクト42を水平に設置する際にそれと衝突しないように設けている(図2参照)。
矩形箱状に形成されたグリル加熱室9は、ステンレスや鋼板等の金属板により左右、上下及び背面側の壁面が形成され、上部天井付近および底部付近には輻射式の電気ヒーター、例えばシーズヒーターによる上下1対の輻射式電気加熱源22、23(図6参照)が略水平に広がるように設置されている。ここで「広がる」とは、シーズヒーターの途中が水平面において複数回屈曲して、できるだけ平面的に広い範囲の面積を占めるように蛇行している状態をいい、平面形状がW字形になっているものが代表的な例である。
この上下二つの輻射式電気加熱源22、23を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)やグリル加熱室9内の雰囲気温度を設定して調理するオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)が行えるようになっている。例えば、グリル加熱室9の上部天井付近の輻射式電気加熱源22は最大消費電力(最大火力)1200W、底部付近の輻射式電気加熱源23は最大消費電力800Wのものが使用されている。
空隙26(図6参照)は、水平仕切り板25とグリル加熱室9の外枠9Dとの間に形成された間隙で(前記した空隙116と同じものである)、これは最終的に後部排気室12と連通しており、空隙26内の空気が後部排気室12を通じて本体部Aの外に誘引されて排出されるようになっている。
図2において、後部仕切り板28は上部部品室10と後部排気室12とを仕切るものであり、下端部は前記水平仕切り板25に、また上端部は上枠20に達する高さ寸法を有している。排気口28Aは後部仕切り板28に2箇所形成されており、上部部品室10に入った冷却風を排気するためのものである(図2参照)。
(冷却用送風機)
この実施の形態でいう送風機30は、遠心型多翼式送風機(代表的なものとしてシロッコファンがある)を使用しており(図4、図5参照)、駆動モータ300の回転軸32の先端に翼部30Fを固定したものを用いている。また送風機30は、前記右側冷却室8Rと左側冷却室8Lのそれぞれに設置され、左右の左IH加熱コイル6LC、6RC用の回路基板とそれら加熱コイル自体を冷却するようになっており、詳しくは以下で説明する。
冷却ユニットCUは、図4と図5に示す通り、前記冷却室8R、8Lに上方から挿入されて固定され、インバーター回路を構成する回路基板41を収容した部品ケース34と、この部品ケース34に結合され内部に送風機30の送風室39を形成しているファンケース37とを備えている。前記送風機30は、その駆動用モータ300の回転軸32が水平になっている、いわゆる横軸型であり、右側冷却室8Rの中に設置されたファンケース37の内部に収容されている。その送風機30の多数の翼30Fを囲むようにファンケース37内部には円形の送風空間が形成され送風室39が形成されている。ファンケース37の吸い込み筒37Aの最上位には吸い込み口37Bが形成されている。排気口(出口)37Cはファンケース37の一端部に形成されている。
ファンケース37は、2つのプラスチック製ケース37D、37Eを組み合わせてネジ等の固定具で結合されることで一体構造物として形成されている。この結合状態で冷却空間8R、8Lにその上方から挿入され、適当な固定手段で移動しないように固定される。
前記部品ケース34は、前記ファンケース37の空気吐き出し用の排気口37Cから排出される冷却風が導入されるように、前記ファンケース37に密着状態に接続されており、全体が横長長方形形状を有しているとともに、排気口37Cに連通する導入口(図示せず)、後述する第1の排気口34A及び第2の排気口34Bの3箇所の部分だけを除いた他の部分全体が密閉されている。
プリント配線基板(以下、回路基板という)41は、前記右IH加熱源6R、左IH加熱源6Lに所定の高周波電力を供給するインバーター回路が実装されたものであり、部品ケース34の内部空間形状にほぼ匹敵する外形寸法を有し、部品ケース34の中においてグリル加熱室9から遠い側、逆にいうと本体部Aの外郭を構成する本体ケース2に、わずか数mm以下の近くまで接近する側に設置されている。なお、この回路基板41には、インバーター回路の部分と離して前記送風機30の駆動モータ300駆動用の電源及び制御回路部を一緒に実装している。
この回路基板41でいうインバーター回路210R、210Lとは、図13に示した、商用電源の母線に入力側が接続された整流ブリッジ回路221を除き(含めても良いが)、その直流側出力端子に接続されたコイル222及び平滑化コンデンサー223からなる直流回路と、共振コンデンサー224と、スイッチング手段となる電力制御用半導体であるIGBT225と、駆動回路228と、フライホイールダイオード226とを具備した回路をいい、機械的構造物であるIH加熱コイル6RC、6LCは含んではいない。
前記部品ケース34の上面部には、送風機30からの冷却風の流れる方向に沿って前記第1の排気口34Aと第2の排気口34Bを2個、離して形成している。第2の排気口34Bは、部品ケース34において冷却風の流れの最も下流側位置にあり、また第1の排気口34Aよりも数倍大きな開口面積を有している。なお、図5においてY1〜Y5は送風機30により吸い込まれる空気と排出される空気の流れを示すものであり、Y1、Y2、・・Y5と順次冷却風は流れていく。
冷却ダクト42は全体がプラスチックで成型されたものであり、プラスチックの一体成形品である上ケース42Aと、同じくプラスチックの一体成形品である平板状の蓋(以下、「下ケース」という)42Bとを重ねてネジで固定することで、その両者の間の内部に後述する3つの通風空間42F、42G、42Hが形成される(図5参照)。
噴き出し孔42Cは上ケース42Aの上面の全体に亘りその壁面を貫通するよう多数形成されており、送風機30からの冷却風を噴き出すためのものであり、各噴き出し孔42Cの口径は同じにしてある。
仕切り壁42Dは、上ケース42Aの中に一体成型で直線又は曲線状に形成したリブ(凸条)形状であり、これにより部品ケース34の第1の排気口34Aに一端が連通した通風空間42Fが区画形成される(図5参照)。
仕切り壁42Eは、同様に上ケース42Aの中に一体に形成した平面形状がコ字状凸条形状であり、これにより部品ケース34の第2の排気口34Bに一端が連通した通風空間42Hが区画形成される(図5参照)。この通風空間42Hは仕切り壁42Eの一側部(図4、図7では部品ケース34に近い側)に形成した連通口(穴)42J(図5参照)を介して最も広い通風空間42Gに連通している。
さらに通風空間42Hの一側部(図4、図7では部品ケース34に近い側)は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bの真上になるように冷却ダクト42が設置される。これにより部品ケース34から吐き出される冷却風は、冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Gに展開して各噴き出し孔42Cから噴出される。通風口42Kは上ケース42Aの通風空間42Hに対応して形成した四角形の通風口で、これは後述する液晶表示画面45R、45Lを冷却する風を出すものである。
図5において、放熱フィン43A、43Bは前記右IH加熱源6R、左IH加熱源6L用のインバーター回路(図13で詳しく述べる)210R、210Lが実装された回路基板41の中にあるIGBT225などの電力制御用半導体スイッチング素子やその他発熱性部品が取り付けられたアルミ製のものであり、全体に亘り多数の薄いフィンが規則正しく並べて形成されている。この放熱フィン43A、43Bは、図5に示すように部品ケース34の中で底部よりも天井部に近い側に設置され、下方は十分な空間を確保し、その空間内を冷却風Y4が流れるようになっている。
つまり送風機30の特性上、吐き出し能力(吹出し能力)が吐き出し口(排気口37C)の全域に亘り均一ではなく、吐き出し能力の最高部分はその排気口37Cの上下中心点より下方にあるが、この位置の延長線上の位置とならないよう、前記放熱フィン43A、43Bの位置を上方へ設定している。また回路基板41の表面に実装された各種の小型電子部品や印刷配線パターン部分に向けて冷却風が吹きつけられることはない。
左IH加熱源6L用のインバーター回路210Lは、主加熱コイルMCを駆動する専用のインバーター回路MIVと、複数の副加熱コイルSCを個別に駆動する専用のインバーター回路SIV1〜SIV4から構成されている(図14参照)。
グリル加熱室9は、本体部Aの左右IH加熱源6L、6Rの下方に内蔵されるとともに、本体Aの内側後壁面との間に所定の空間SX(図6参照)が形成されている。つまりグリル加熱室9は、後述する排気ダクト14を設置するため及び排気室12を形成するため、本体ケース2の胴部背面壁2Uとの間に10cm以上の前記空間SXが形成されている。
前記2つの独立した冷却ユニットCUは、前記冷却室8R、8Lに上方から挿入されて固定された状態では、図5に示すファンケース37の一部で横幅の大きな部分が前記空間SX(図6参照)に一部突出し、また回路基板41を収容した部品ケース34は、グリル加熱室9の左右側壁面と所定の空隙が形成される。なお、ここでいう空隙とは、グリル加熱室9の左右の外壁面と部品ケース34との間の空隙を意味しており、この実施の形態でいう左右の上下仕切り板24L、24Rと部品ケース34の外側表面との間の対向間隙をいうものではない。
このように冷却ユニットCUのファンケース37の部分は、グリル加熱室9があってもその空間SXに配置され、前方から投影した形で見た場合、冷却ユニットCUのファンケース37の部分がグリル加熱室9と一部重なる状態になっていることで、本体部Aの横幅寸法を増大させることを防止できている。
(操作手段E)
この実施の形態における加熱調理器の操作手段Eは、前面操作部60と上面操作部61とからなっている(図2〜図3参照)。
(前面操作部)
本体ケース2の左右両側の前面にプラスチック製の前面操作枠62R、62Lが取り付けられており、この操作枠前面が前面操作部60となっている。この前面操作部60には、左IH加熱源6L、右IH加熱源6R、輻射式中央電気加熱源7及びグリル加熱室9の輻射式電気加熱源22、23の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチ63の操作ボタン63A(図2参照)と、右IH加熱源6Rの通電とその通電量(火力)を制御する右電源スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する右操作ダイアル64Rと、同じく左IH加熱源6Lの通電とその通電量(火力)を制御する左制御スイッチ(図示せず)の左操作ダイアル64Lと、がそれぞれ設けられている。主電源スイッチ63を経由して図13に示す全ての電気回路構成部品へ電源が供給される。
前面操作部60には、左操作ダイアル64Lによって左IH加熱源6Lに通電が行われている状態でのみ点灯する左表示灯66Lと、右操作ダイアル64Rによって右IH加熱源6Rに通電が行われている状態でのみ点灯する右表示灯66Rとが設けられている。
なお、左操作ダイアル64Lと右操作ダイアル64Rは、使用しない状態では、図1、図4に示されるように、前面操作部60の前方表面から突出しないように内側へ押し込まれており、使用する場合には、使用者が指で一度押してから指を離すと、前面操作枠62に内蔵しているバネ(図示せず)の力によって突出し(図2参照)、使用者が周囲を掴んで回せる状態になるものである。そして、この段階で1段階右か左に回せば、初めて左IH加熱源6Lおよび右IH加熱源6Rにはそれぞれ(最小設定火力120Wでの)通電が開始される。なお、左IH加熱源6Lの最小火力は、前記主加熱コイルMCだけで得られるものであり、最小火力時には副加熱コイルSCは加熱駆動されない。
そこで、突出している左操作ダイアル64L、右操作ダイアル64Rの何れかをさらに同じ方向に回せば、その回動の量に応じて内蔵したロータリエンコーダー(図示せず)より発生する所定の電気的パルスを前記制御手段Fが読み取り、当該加熱源の通電量が決まり、火力設定が行えるようになっている。なお、左操作ダイアル64L、右操作ダイアル64Rの何れも、初期の状態であるか途中で左右に回した状態であるかに関係なく、使用者が指で一度押して前面操作部10の前方表面から突出しないような所定の位置に押し込む(押し戻すと、その位置で保持され、かつ左IH加熱源6L、右IH加熱源6Rの何れも通電を瞬時に停止できる(例えば、調理中であっても、右操作ダイアル64Rを押し込めば、右IH加熱源6Rは直ちに通電停止される)。
なお、前記主電源スイッチ63(図1参照)の操作ボタン63A(図2参照)を開成(OFF)操作すれば、それ以後、右操作ダイアル64Rおよび左操作ダイアル64Lの操作は一斉に無効となる。同様に輻射式中央電気加熱源7とグリル加熱室9に設置された輻射式電気加熱源22、23の通電も全て遮断される。
また、前面操作枠62の前面下部には、図示していないが3つの独立したタイマーダイアルが設けられている。これらタイマーダイアルは、それぞれ左IH加熱源6L、右IH加熱源6R、輻射式中央電気加熱源7を通電開始から所望の時間(タイマーセット時間)だけ通電し、その設定時間を経過した後は自動的に電源を切るタイマースイッチ(タイマーカウンターともいう。図示せず)を操作するためのものである。
(上面操作部)
上面操作部61は、図3に示すように右火力設定用操作部70、左火力設定用操作部71及び中央操作部72とからなっている。すなわちトッププレート21の上面前部において、本体部Aの左右中心線を挟んで、右側には右IH加熱源6Rの右火力設定用操作部70が、中央部には輻射式中央電気加熱源7及びグリル加熱室9に設置された輻射式電気加熱源22、23の中央操作部72が、左側には左IH加熱源6Lの左火力設定用操作部71が、それぞれ配置されている。
この上面操作部には、誘導加熱可能なようにステンレス製又は鉄製の調理容器(図示せず)を使用する場合の各種キーが設けてあり、その中にはパン専用キー250が設けてある。なお特定の調理(例えばパン)の専用キーではなく、調理容器使用のための専用の共通キーを1個設け、それを押すたびに、後述する統合表示装置100の中に所望の調理名(例えばパン)が表示された操作可能なキー(後述する入力キー141〜145など)を表示させ、当該キーのエリアを使用者が指で触れてその所望の調理開始指令を入力するような形態にしても良い。なお、前記調理容器は、グリル加熱室9の内部にその前面開口9Aから挿入され、焼き網109の上に置かれても使用可能である。
さらに上面操作部61には、前記調理容器をIH加熱源と輻射式電気加熱源22、23の両方で使用して調理する場合(以下、「複合加熱調理」又は「複合調理」という)のための複合調理キー251が設けてある。この実施の形態1では右IH加熱源6Rとグリル加熱室9の輻射式電気加熱源22、23との複合加熱ができるようにしたものであり、前記複合調理キー251は、後述する右火力設定用操作部70寄りに設けてある(図3参照)。
なお前記複合調理キー251は、固定式のキーやボタン、摘み等ではなく、後述する統合表示手段100の表示画面(液晶画面など)の中に所望のキーを表示させ、当該キーのエリアを使用者が指で触れることで、複合調理の入力を可能にする形態であっても良い。つまり統合表示手段100の表示画面中にソフトウエアによって適時に入力可能なキー形状を表示し、それをタッチして入力操作する方法でも良い。
(右火力設定用操作部)
図16において、右火力設定用操作部70には、使用者が1度押圧するだけで右IH加熱源6Rの火力を簡単に設定することができる各火力のワンタッチ設定用キー部90が設けられている。具体的には弱火力キー91、中火力キー92、および強火力キー93の3つのワンタッチキーを備えており、弱火力キー91は右IH加熱源6Rの火力を300Wに設定し、中火力キー92は750Wに設定し、強火力キー93は2.5kWに設定する。さらに、右ワンタッチキー部の右端部に強火力キー94が設けられ、右IH加熱源6Rの火力を3kWにしたい場合には、これを押圧操作する。
(左火力設定用操作部)
同様に左IH加熱源6Lの火力設定のための左火力設定用操作部71にも右火力設定用操作部70と同様なワンタッチキー群が設置されている。
(中央操作部)
図3及び図16において、中央操作部72には、グリル(ロースト)調理およびオーブン調理に用いられるグリル加熱室9の輻射式電気加熱源22、23の通電を開始する操作スイッチの操作ボタン95と、その通電を停止する操作スイッチの操作ボタン96が並べて設けられている。
中央操作部72には、輻射式電気加熱源22、23によるグリル調理や左IH加熱源6L、右IH加熱源6Rによる電磁調理における制御温度を、1度ずつ加算的又は減算的に設定する温度調節スイッチの操作ボタン97A、97Bが横一列に設けられている。また、輻射式中央電気加熱源7の電源入り・切りスイッチボタン98及び火力を1段階ずつ加算的又は減算的に設定する設定スイッチ99A、99Bもここに設けてある。
さらに、中央操作部72には便利メニューキー130が設けられている。それを操作すると揚げ物調理(左IH加熱源6L、右IH加熱源6Rを使用)、揚げ物予熱状態表示(左IH加熱源6L、右IH加熱源6Rを使用し、油を所定の予熱温度まで加熱)、タイマー調理(左IH加熱源6L、右IH加熱源6R、輻射式中央電気加熱源7、グリル加熱室9の内部に設けた輻射式電気加熱源22、23を、タイマースイッチにて設定した時間中だけ通電して調理)を設定する際に押圧すれば、後述する統合表示手段100に所望の入力画面や状態表示画面を簡単に読み出せる。
パン専用キー250の右側には、ハードボタンからなる右IH便利メニューボタン131Rが設けられており、これは右IH加熱源6Rについての各種の設定をするための設定ボタンである。同様な設定ボタンは左IH加熱源6Lについても設けられている(図示省略)。
前記したタイマーカウンター(図示せず)を操作・スタートさせるスタートスイッチを操作すると、前記した液晶表示画面45R、45Lに、そのスタート時点からの経過時間が計測されて数字で表示される。なお、液晶表示画面45R、45Lの表示光はトッププレート21を透過し、経過時間が「分」と「秒」単位で明瞭に使用者に表示される。
左側の左火力設定用操作部71にも、右火力設定用操作部70と同様に、左タイマースイッチ(図示せず)と、左液晶表示部45Lが設けられ、これらは本体1の左右中心線CL1を挟んで左右対象的位置に設けられている。
(火力表示ランプ)
トッププレート21の右前側で、右IH加熱源6Rと右火力設定用操作部70との間の位置に、右IH加熱源6Rの火力の大きさを表示する右火力表示ランプ101Rが設けられている。右火力表示ランプ101Rはトッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。
同様に、左IH加熱源6Lの火力の大きさを表示する左火力表示ランプ101Lが、トッププレート21の左前側で、左IH加熱源6Lと左火力設定用操作部71との間の位置に設けられ、トッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。なお、これら表示ランプ101R、101Lは図13の回路構成図には表示を省略している。
(表示手段G)
この実施の形態における加熱調理器の表示手段Gは、統合表示手段100からなっている(図1、図3参照)。
図1、図3及び図16に示すように、統合表示手段100が、トッププレート21の左右方向の中央部で、前後方向の前側に設けられている。この統合表示手段100は液晶表示パネルを主体に構成され、トッププレート21を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート21の下面近傍に設けられている。
統合表示手段100は、左IH加熱源6L、右IH加熱源6R、輻射式中央電気加熱源7及びグリル加熱室9の輻射式電気加熱源22、23等の通電状態(火力や時間等)を入力したり、確認したりすることができるものである。すなわち、
(1)左右IH加熱源6L、6Rの機能(調理動作中であるかどうか等)
(2)輻射式中央電気加熱源7の機能(調理中であるかどうか等)
(3)グリル加熱室9での調理の場合には、その加熱調理を行う場合の操作手順や機能(例えば、現在ロースター、グリル、オーブンの調理の何れが行われているかどうか)
の3つの場面に対応して、動作状況や火力等の加熱条件が、文字やイラスト、グラフなどによって明瞭に表示されるものである。
この統合表示手段100で使用されている液晶画面は、周知のドットマトリックス型液晶画面である。また高精細(320×240ピクセルの解像度を備えているQVGAや640×480ドット、16色の表示が可能なVGA相当)の画面を実現でき、文字を表示する場合でも多数の文字を表示することができる。液晶画面は1層だけではなく、表示情報を増やすために上下2層以上で表示するものを使用しても良い。液晶画面の表示領域の大きさは縦(前後方向)約4cm、横約10cmとなっている長方形である。
また情報を表示する画面区域を加熱源毎に複数個に分割している(図16参照)。例えば画面を合計10個のエリアに割り当ててあり、次のように定義されている。
(1)左IH加熱源6Lの対応エリア100L(火力用100L1と時間用100L2の計2個)。
(2)輻射式中央電気加熱源7の対応エリア100M(火力用100M1と時間用100M2の計2個)。
(3)右IH加熱源6Rの対応エリア100R(火力用100R1と時間用100R2の計2個)。
(4)グリル加熱室9の調理用エリア100G。
(5)各種調理における参考情報を随時又は使用者の操作で表示するとともに、異常運転検知時又は不適正操作使用時に使用者に報知するガイドエリア(100GDの1個)。
(6)各種調理条件等を直接入力可能な機能を有する、互いに独立した6つの入力キー141、142、143、144、145、146を表示するキー表示エリア100Fと、
(7)一つの任意表示エリア100Nと、
をそれぞれ備えている。
任意表示エリアのキー100Nを押せば、調理に役立つ詳しい情報などを文字で統合表示手段100のガイドエリア100GDに表示させることができるものである。
また前記表示エリアの背景色は、通常では全体が統一された色彩(例えば白)で表示されるようになっているが、表示エリア100Rと100Gは、前記した「複合調理」の場合は、同じ色でしかも他の加熱源の表示エリア100L、100Mとは異なる色(例えば黄色や青色など)に変化するようになっている。このような色変化は表示画面が液晶の場合は、そのバックライトの動作切り替えで可能になるが、詳細な説明は省略する。
上記の合計10個の各エリア(表示領域)は、統合表示手段100の液晶画面の上に実現されたものではあるが、画面自体に物理的に個別に形成され、又は区画されているものではない。すなわち、画面表示のソフトウエア(マイコンのプログラム)により確立されたものであるので、そのソフトウエアによりその都度面積や形、位置を変えることは可能であるが、使用者の使い勝手を考え、左IH加熱源6L、輻射式中央電気加熱源7、右IH加熱源6Rなど各加熱源の左右の並び順序に合わせて常に同じ並び順序にしている。
つまり、画面上では左側に左IH加熱源6L、真中に輻射式中央電気加熱源7、右側に右IH加熱源6Rについての情報が表示される。またグリル加熱室9の調理用表示エリア100Gは、必ず上記左IH加熱源6Lの対応エリア100L、輻射式中央電気加熱源7の対応エリア100M、右IH加熱源6Rの対応エリア100Rよりも手前側に表示される。さらに入力キーの表示エリア100Fがいかなる場面でも必ず最も手前に表示される。
また前記入力キー141〜146は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式キーを採用しており、使用者がキー表面に対応した位置の、統合表示手段100の上面を覆うガラス板の上面に軽く触れることで通電制御回路200に対する有効な入力信号が発生するものである。
前記入力キー141〜146の部分(区域)を構成する前記ガラス板上には、キーの入力機能を示す文字や図形、記号(図16のキー143、145の矢印を含む)を印刷や刻印等で何ら表示していないが、これらキーの下方の液晶画面(キー表示エリアF)には、それら入力キーの操作場面毎にキーの入力機能を示す文字や図形、記号を表示する構成になっている。
全ての入力キー141〜146が常に同時に表示されている訳ではない。操作しても無効なキー(操作する必要が無い入力キー)については、図16の入力キー144のように、入力機能文字や図形を液晶画面上で表示しないようにして、非アクティブ状態にしている。アクティブ状態の入力キー141〜146が操作されれば、通電制御回路200の動作を定める制御プログラムに対し、有効な操作指令信号になることになる。
また入力キー146は、調理条件を決定したい場合及び調理をスタートしたい場合に操作されるためのキーである。これを一度操作して調理動作がスタートすると、「停止」という表示の入力キーに変更される(図17、図18参照)。その他の入力キー141〜145も、その都度入力命令が変化することがあり、有効な入力機能はその都度表示される文字や図形、記号などで用意に識別できる。
なお、複数の加熱源を使用中に特定の加熱源を停止したい場合は、例えば図17の場面において入力キー143を押すと、輻射式中央電気加熱源7の対応エリア100Mから、左IH加熱源6Lの対応エリア100L、右IH加熱源6Rの対応エリア100Rの順に、各対応エリア全体が色変化又は点滅して選択されていることを表示するので、その所望の対応エリアを呼び出して(選択して)おいて停止キー146を押せば良い。逆に入力キー145を押すと、逆方向に選択でき、輻射式中央電気加熱源7の対応エリア100Mから、右IH加熱源6Rの対応エリア100R、左IH加熱源6Lの対応エリア100Lへと順次選択でき、その所望の対応エリアを呼び出しておいて停止キー146を押せば良い。AMは加熱調理動作を実行中の加熱源の名称の横に表示されるアクティブマークで、これが表示されているかどうかを見ることでその加熱源が駆動されているかどうかを使用者が認識できる。
(グリル加熱室9)
グリル加熱室9の前面開口9Aは、図1と図6に示すように、ドア13によって開閉自在に覆われ、ドア13は使用者の操作によって前後方向に移動自在になるよう前記グリル加熱室9にレール、コロ等の支持機構(図示せず)によって保持されている。また、ドア13の中央開口部13Aには耐熱ガラス製の窓板が設置され、グリル加熱室9の内部が外側から視認できるようになっている。13Bはドア13を開閉操作するために前方に突出した取っ手である。なお、グリル加熱室9は、前述したように本体の内側後壁面との間に所定の空間SX(図6参照)が形成され、この空間を利用して後述する排気ダクト14が設置され、また排気室12が形成されている。
ドア13には加熱室9の左右両側位置で前後に延びる金属製レールの前端部が連結されており、油の多い調理をする場合は通常そのレールの上に、金属製の受皿108(図6参照)を載せる。受皿108の上には金属製の焼き網109が置かれて使用される。これによりドアを前方に水平に引き出した場合、その引出し動作に伴って受皿108(焼網109が載っている場合はその焼網)も一緒にグリル加熱室9の前方へ水平に引き出される。なお、受皿108は、金属製レールの上に左右両端部を単に載せることで支持させているだけであるため、受皿108をレールの上から単独で取り外すことが出来るようになっている。
また焼網109の形状と受皿108の位置、形状等は、受皿108を前方に引き出す際に下部のヒーター23に当たって引き出せないことがないように工夫してある。このようにこのグリル加熱室9では、焼網109の上に肉や魚、その他食品を載せて輻射式電気加熱源22、23を(同時又は時分割等で)通電すれば、それら食品を上下両面から加熱する「両面焼き機能」を有するものである。またこのグリル加熱室9には、この室内温度を検出する庫内温度センサー242(図13参照)が設けられており、庫内温度を所望の温度に維持させて調理をすることも可能になっている。
グリル加熱室9は、図6に示すように、後方(背面)側全体に開口9Bを有し、前方側に開口9Aを有した筒状の金属製内枠9Cと、この内枠の外側全体を所定の(下方)間隙113、(上方)間隙114および左右両側方間隙(115。図示せず)を保って覆う外枠9Dとから構成されている。なお、図6において、307はグリル加熱室9の外枠9Dと本体ケース2の底壁面との間に形成された空隙である。
外枠9Dは、左右両側壁面、上面、底面及び背面の5つの面を有し、全体が鋼板などで形成されている。これら内枠9Cと外枠9Dの内側表面は、ホーロー等の清掃性の良い被覆を形成するか又は耐熱塗装膜を塗ったり、あるいは赤外線放射皮膜を形成したりしている。赤外線放射皮膜を形成した場合、食品などの被加熱物Nに対する赤外線放射量を増大させ、加熱効率を高め、また焼きむらの改善にもなる。9Eは外枠9Dの背壁面上部に形成した排気口である。
金属製排気ダクト14はその排気口9Eの外側に連続するように設置したものであり、この金属製排気ダクト14の流路断面は正方形又は長方形であり、図6に示すように途中から下流側に行くに従って斜め上方に傾斜し、その後垂直方向に曲がり、最終的には上端部開口14Aが上枠20に形成した中央通風口20C近傍まで連通している。
121は排気ダクト14の内部で、排気口9Eの下流側位置に設置された脱臭用触媒で、触媒用電気ヒーター(121H)により加熱されることで活性化し、排気ダクト14を通るグリル加熱室9内部の熱い排気から臭気成分を除去する働きをする。
(排気構造・吸気構造)
前記した通り、上枠20の後部には横に長く右通風口(吸気口になる)20B、中央通風口(排気口になる)20C、左通風口20Dがそれぞれ形成されている。これら3つの後部通風口の上には、上方全体を覆うように全体に亘り無数の小さな連通孔が形成された金属製平板状のカバー132(図1参照)が着脱自在に載せられている。カバー132は金属板に連通孔用の小孔をプレス加工で形成したもの(パンチングメタルとも言う)の他に、金網や細かい格子状のものでも良い。何れにしても上方から使用者の指や異物等が各通風口20B、20C、20Dに入らないようなものであれば良い。
前記ファンケース37の吸い込み筒37A最上位にある吸い込み口37Bは、前記カバー132の右端部の直下に臨んでおり、カバー132の連通孔を通して台所などの外部の室内空気を本体部Aの中の左右冷却室8R、8Lに導入できるようになっている。
前記後部排気室12の中には図2に示すように、前記排気ダクト14の上端部が位置した状態である。言い換えると排気ダクト14の左右両側には、前記グリル加熱室9の周囲に形成されている空隙116(図6参照)と連通している後部排気室12が確保されている。グリル加熱室9は、前記した水平仕切り板25との間に所定の空隙116を持って設置されているが(図6参照)、この空隙116は最終的には後部排気室12に連通している。前記したように後部仕切り板28に形成した1対の排気口28Aを通じて上部部品室10の内部は後部排気室12と連通しているから、上部部品室10の中を流れる冷却風(図5の矢印Y5)が本体1の外部へ図2の矢印Y9のように排出されるが、この際、これに誘引されて前記空隙116内部の空気も一緒に排出される。
(補助冷却構造)
図4、図5において、前部部品ケース46は前記上面操作部61の各種電気・電子部品57や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子(LED)などを取り付けて固定した取付基板56を内部に収容するものであり、上面が開放した透明プラスチック製の下ダクト46Aと、この下ダクト46Aの上面開口を塞ぐように密閉する蓋となる透明プラスチック製の上ダクト46Bとから構成されている。下ダクト46Aの右端部と左端部にはそれぞれ通風口46R、46Lが開口しており(図4参照)、また中央の後部には通風を許容する切欠き46Cが形成されている。
上ダクト46Bの天井面には、中央に前記統合表示手段100が、また左右には液晶表示画面45R、45Lがそれぞれ設置されている(図4参照)。前記送風機30の冷却風は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bから冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Hに対応して形成した通風口42Kを通して液晶表示画面45R、45Lの下方から前部部品ケース46に入り、切欠き46Cから上部部品室10に排出されるものである。これにより液晶表示画面45R、45L、統合表示手段100は共に常に送風機30からの冷却風で冷却される。
特にこの部品ケース34の第2の排気口34Bからの冷却風は、誘導加熱動作時に高温になる左右IH加熱コイル6LC、6RCを冷却した風でないから、その温度は低く、液晶表示画面45R、45L及び統合表示手段100ともに、冷却風の風量が少ないながらも効果的に温度上昇が抑制される。特に、冷却風の流れ(図5の矢印Y5)で下流側になる左右IH加熱コイル6LC、6RCの後部位置が冷えにくいため、この実施の形態では、通風空間42Fに第1の排気口34Aからの低温の風が直接供給されて、この風で当該部分を冷やすようにしている。
(補助排気構造)
図6に示すように、排気ダクト14の脱臭用触媒121より下流側に、一段階下方へ凹ませた形状の筒状底部14Bが形成されている。通気孔14Cはこの筒状底部14Bに形成されている。送風機106はこの通気孔14Cに臨ませた補助排気用の軸流形送風機で、106Aはその回転翼、106Bはその回転翼106Aを回転させる駆動モータであり、排気ダクト14に支持されている。グリル加熱室9で調理中、そのグリル加熱室9は高温になるから自然と内部気圧が上昇し、それに伴って高温の雰囲気が排出され、排気ダクト14を上昇してくるが、その送風機106を運転して矢印Y7で示すように本体部Aの内部の空気を排気ダクト14に取り入れることにより、その新鮮な空気にグリル加熱室9の高温空気は誘引され、温度が下がりながら排気ダクト14の上端部開口14Aから矢印Y8で示すように排気される。
補助排気用の軸流形送風機106は、調理器の運転中に常に運転されている訳ではなく、運転されるのはグリル加熱室9で加熱調理が行われる場合である。この場合にはグリル加熱室9から排気ダクト14に高温の熱気が排出されるからである。また、この図6におけるY7、Y8の空気の流れと、図5におけるY1〜Y5の空気の流れとは全く関連しておらず、また連続した流れでもない。
(制御手段F)
この実施の形態における加熱調理器の制御手段Fは、通電制御回路200からなっている(図13参照)。
図13は、この加熱調理器の制御回路全体を示す構成要素図であり、該制御回路は、1つ又は複数のマイクロコンピュータを内蔵して構成されている通電制御回路200によって形成されている。通電制御回路200は、入力部201と、出力部202と、記憶部203と、演算制御部(CPU)204と、の4つの部分から構成され、定電圧回路(図示せず)を介して直流電源が供給されて、全ての加熱源と表示手段Gを制御する中心的な制御手段の役目を果たすものである。図13において、100V又は200V電圧の商用電源に対し、整流回路(整流ブリッジ回路ともいう)221を介して右IH加熱源6R用のインバーター回路210Rが接続されている。
同様に、この右IH加熱源6R用のインバーター回路210Rと並列に、図13に示した右IH加熱コイル6RC(誘導加熱コイル)の基本構成と同様な左IH加熱源6L用のインバーター回路210Lが、前記整流ブリッジ回路221を介して前記商用電源に接続されている。つまり、左IH加熱コイル6LC(誘導加熱コイル)は、商用電源の母線に入力側が接続された整流ブリッジ回路221と、この直流側出力端子に接続されたコイル222及び平滑化コンデンサー223からなる直流回路と、コイル222と平滑化コンデンサー223の接続点に1端が接続された右IH加熱コイル6RC及び共振コンデンサー224の並列回路からなる共振回路と、この共振回路の他端にコレクタ側が接続されたスイッチング手段となるIGBT225とを備えている。
左IH加熱源6L用のインバーター回路210Lが右IH加熱源6R用のインバーター回路210Rと大きく異なるところは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSCを有するところである。このため、左IH加熱源6L用のインバーター回路210Lは、内側コイルLC2と外側コイルLC1の両者、すなわち主加熱コイルMCに対して電力を供給する主加熱コイル用のインバーター回路MIVと、後述する4つの独立した副加熱コイルSC1〜SC4に対してそれぞれ個別に電力を供給する副加熱コイル用のインバーター回路SIV1〜SIV4とから構成されている。そして4つの副加熱コイルSC1〜SC4の通電タイミングや通電量は全て通電制御回路200によって決定されるようになっている。
主加熱コイル用のインバーター回路MIVは、可変周波数出力制御方式を採用しているため、その周波数を変化させることでインバーター電力、すなわち得られる火力を可変とすることができる。インバーター回路MIVの駆動周波数を高く設定していくと、インバーター電力は低下していき、スイッチング手段(IGBT)225や共振コンデンサー224等の回路構成電気・電子素子の損失が増加し、発熱量も多くなって好ましくないので、所定の上限周波数を決め、それ以下で変化させるように制御している。上限周波数で連続的に制御できるときの電力が最低電力となるが、これ未満の電力を投入する場合は通電を断続的に行う、通電率制御を併用して最終的な小火力を得ることができる。副加熱コイル用のインバーター回路SIV1〜SIV4も同様にして火力制御できる。
またインバーター回路MIVの駆動に用いる駆動周波数は、副加熱コイル用のインバーター回路SIV1〜SIV4の駆動周波数と基本的に同じにしている。変える場合は、両者の駆動周波数の差が可聴周波数域とならないよう、駆動周波数の差が15〜20kHzの範囲から外れるように通電制御回路200が制御する。これは2つ以上の誘導加熱コイルを同時に駆動した場合、その周波数の差によってビート音又は干渉音と呼ばれるような、不快な音の原因になるからである。
なお、主インバーター回路MIVと、副加熱コイル用のインバーター回路SIV1〜SIV4とは、常に同時に駆動する必要はなく、例えば、通電制御回路200が指令する火力によっては、短い時間間隔で交互に加熱動作を行うように切り替えても良い。ここで「同時」とは、通電開始のタイミングと通電休止のタイミングが全く同時である場合をいう。
ヒーター駆動回路211は輻射式中央電気加熱源7のヒーター駆動回路、212はグリル加熱室9の庫内加熱用輻射式電気加熱源22を駆動するヒーター駆動回路、213は同じくグリル加熱室9の庫内加熱用輻射式電気加熱源23を駆動するヒーター駆動回路、214は前記排気ダクト14の途中に設けた触媒ヒーター121Hを駆動するヒーター駆動回路、215は統合表示手段100の液晶画面を駆動する駆動回路である。
前記IGBT225のエミッタは、平滑化コンデンサー223と整流ブリッジ回路221の共通接続点に接続されている。フライホイールダイオード226のアノードがエミッタ側になるようIGBT225のエミッタとコレクタ間に接続されている。Nは被加熱物となる金属鍋を示す。
電流検出センサー227は右IH加熱コイル6RCと共振コンデンサー224Rの並列回路からなる共振回路に流れる電流を検出する。電流検出センサー227の検出出力は後述する被加熱物載置判断部280に入力され、これを介して通電制御回路200の入力部に被加熱物Nがあるかどうかという判定情報が供給され、被加熱物Nの存在判定が行われる。また誘導加熱に不適当な鍋(被加熱物N)などが用いられた場合や、何らかの事故などによって正規の電流値に比較して所定値以上の差の過少電流や過大電流が検出された場合は、通電制御回路200により駆動回路228を介してIGBT225が制御され、瞬時に誘導加熱コイル220の通電を停止するようになっている。
同様に主加熱コイル用のインバーター回路MIVと、4つの独立した副加熱コイルSC1〜SC4に対してそれぞれ個別に電力を供給する副加熱コイル用のインバーター回路SIV1〜SIV4は、右IH加熱源6Rのインバーター回路210Rと同等の回路構成であるので説明は省略するが、それらの共通的な回路構成を纏めて図13では左IH加熱源6Lのインバーター回路210Lとして示しており、6LCは左IH加熱コイル、224Lは共振コンデンサーである。主加熱コイルMCのインバーター回路MIVでも、前記した整流ブリッジ回路221、コイル222と平滑化コンデンサー223とからなる直流回路、コイル222と平滑化コンデンサー223の接続点に1端が接続された主加熱コイルMC及び共振コンデンサー224の並列回路からなる共振回路と、この共振回路の他端にコレクタ側が接続されたスイッチング手段となるIGBT225などが接続されている。
電流検出センサー227は、図示していないが、左IH加熱源6Lのインバーター回路210Lにも同様に設けられている。なお電流検出センサー227としては抵抗器を用いて電流を計測する分流器や、カレントトランスを用いて構成する方法がある。
駆動回路260は前記主加熱コイル用インバーター回路MIVを駆動するものであり、前記駆動回路228と同様な役目を果たす。同じく駆動回路261〜264は、前記副加熱コイル用インバーター回路SIV1〜SIV4をそれぞれ駆動するものである。
電流検出センサー266は前記主加熱コイルMCと共振コンデンサー(図示せず)の並列回路からなる共振回路に流れる電流を検出するものであり、同じく電流検出センサー267A、267B、267C(図示せず)、267D(図示せず)は副加熱コイルSCと共振コンデンサー(図示せず)の並列回路からなる共振回路に流れる電流を検出するものである。これらの電流センサー266、267A、267B、267C及び267Dは前記電流検出センサー227と同様な役割を果たす。
本発明のような誘導加熱方式で被加熱物Nを加熱する加熱調理器においては、左右のIH加熱コイル6LC、6RCに高周波電力を流すための電力制御回路は、いわゆる共振型インバーターと呼ばれている。被加熱物N(金属物)を含めた左右のIH加熱コイル6LC、6RCのインダクタンスと、共振コンデンサー(図13の224L、224R)を接続した回路に、スイッチング回路素子(IGBT、図13の225)を20〜40kHz程度の駆動周波数でオン・オフ制御する構成である。
また共振型インバーターには、200V電源に適すると言われている電流共振型と、100V電源に適すると言われている電圧共振型とがある。このような共振型インバーター回路の構成には、左右のIH加熱コイル6LC、6RCと共振コンデンサー224L、224Rの接続先をリレー回路でどのように切り替えるかによって、いわゆるハーフ・ブリッジ回路とフル・ブリッジ回路と呼ばれる方式に分かれる。
上記したように被加熱物N(金属物)を左右のIH加熱コイル6LC、6RCの通電により誘導加熱する際、被加熱物Nが鉄等の磁性材料で作られている場合は、IH加熱コイル6LC、6RCにそれぞれ共振コンデンサー(図13の224L、224R)を接続した共振回路に、スイッチング回路素子(IGBT、図13の225)を20〜40kHz程度の駆動周波数でオン・オフ制御して、20〜40kHz程度の周波数の電流を流せば良い。
一方、被加熱物Nがアルミや銅などの高電気導電率の材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために左右のIH加熱コイル6LC、6RCに大電流を流して被加熱物Nの底面に大きな電流を誘起させる必要がある。そのため高電気導電率の材料で作られている被加熱物Nの場合は、60〜70kHzの駆動周波数でオン・オフ制御している。
図13において、モータ駆動回路33は、図1の本体部Aの内部空間を一定の温度範囲に保つための前記送風機30の駆動モータ300の駆動回路であり、モータ駆動回路231は排気ダクト14に設置した送風機106の駆動モータ106Bの駆動回路である。
(温度検出回路)
図13において、温度検出回路240には以下の各温度検出素子からの温度検出情報が入力される。
(1)右IH加熱コイル6RCの略中央に設けた温度検出素子31R。
(2)左IH加熱コイル6LCの中央部に設けた温度検出素子31L。
(3)輻射式中央電気加熱源7の電気ヒーター近傍に設けた温度検出素子241。
(4)グリル加熱室9の庫内温度検出用の温度検出素子242。
(5)統合表示手段100の近傍に設置した温度検出素子243。
(6)部品ケース34の内部の2つの放熱フィン43A、43Bに密着して取り付けられ、それら2つの放熱フィンの温度を個別に検出する温度検出素子244、245。
なお、温度検出素子を温度検出対象物に対して2箇所以上設けても良い。例えば右IH加熱源6Rの温度センサー31Rを、その右IH加熱コイル6RCの中央部と、外周部分に設け、より正確に温度制御を実現しようとするものでも良い。また温度検出素子を異なる原理を利用したもので構成しても良い。例えば右IH加熱コイル6RCの中央部の温度検出素子は赤外線方式で、外周部分に設けたものはサーミスタ式としても良い。
制御回路200は、温度検出回路240からの温度測定状況に応じ、それぞれの温度測定部分が所定温度以上高温にならないように常に送風機30の駆動モータ300のモータ駆動回路33を制御して送風機30を運転させることで、風で冷却する。
前記左IH加熱コイル6LCの中央部に設けた前記温度検出素子31Lは、5つの温度検出素子31L1〜31L5から構成されているが、これについては後で詳しく述べる。
(副加熱コイル)
図9、図11及び図12において、左IH加熱コイル6LCの外側コイル6LC1は中心点X1を有した最大外径がDA(=半径R3の2倍)の環状のコイルであり、内側コイル6LC2は外側コイル6LC1の内側に空間270を置いて環状に巻かれたコイルであり、同じ中心点X1を有している。このような同心円上にある二つの環状コイルから主加熱コイルMCを構成している。
4個の副加熱コイルSC1〜SC4は、前記主加熱コイルMCの外周面に所定の空間271を保って配置され、図11に示すように前記中心点X1を中心とする半径R2の同一円周上に沿って湾曲し、かつ相互が略等間隔に点在するように配置されており、その形状は図9、図11に示すように湾曲した長円形もしくは小判型である。この副加熱コイルSC1〜SC4も、集合線を1本又は複数本撚りながら巻き、外形形状が長円形や小判形になるように、部分的に結束具で拘束され、又は全体が耐熱性樹脂などで固められることで形成されている。
これら4つの副加熱コイルSC1〜SC4は図11に示すように、中心点X1から半径R3の円上において、相互に一定寸法の空間273を保って配置されており、その半径R3の円周線が丁度各副加熱コイルSC1〜SC4の長手方向の中心線と一致している。言い換えると、一つの閉回路を構成している環状の主加熱コイルMCの周囲には、その主加熱コイルMCの中心点X1から所定の半径R2を描く円弧が内側(主加熱コイルMCの外周と対面する側)に形成されるように副加熱コイルSC1〜SC4が4個配置されており、前記円弧に沿った曲率半径で前記集合線が湾曲しながら伸びて電気的に閉回路を構成している。主加熱コイルMCの高さ寸法(厚さ)と各副加熱コイルSC1〜SC4の高さ寸法(厚さ)は同じであり、しかもそれら上面と前記トッププレート21の下面との対向間隔は同一寸法になるように後述するコイル支持体290の上に水平に設置、固定されている。
図9に示した直線Q1は、4つの副加熱コイルSC1〜SC4の、内側の湾曲縁、言い換えると湾曲した円弧の一方の端RA(言い換えると、始点)と中心点X1を結ぶ直線である。同じく、直線Q2は、副加熱コイルSC1〜SC4の、円弧の他方の端RB(言い換えると、終点)と中心点X1を結ぶ直線である。この2つの端RAと端RBの間(始点と終点の間)の長さ、つまり主加熱コイルMCの外周面に沿って半径R2で湾曲する(副加熱コイルSCの)円弧の長さが大きいことが加熱効率の観点から望ましい。それは後述するように、主加熱コイルMCの外周縁と、副加熱コイルSC1〜SC4との間で、高周波電流が同じ向きで流れ、磁気的干渉を低減するように工夫しているからである。しかしながら現実的には、隣り合う2つの副加熱コイルSC1〜SC4の間では高周波電流の向きが反対になるため、これによる影響が問題になる。この影響を抑制するため、一定距離(後述する空間273)を離している。このため、円弧の長さには一定の限界がある。具体的には図9、図11に示したものにおいて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との間の電気絶縁距離となる空間271が仮に5mmであった場合、主加熱コイルMCの外径はR1の2倍=180mmであるから、R2=180mm+5mm+5mm=190mm、R2の円周の長さは、約596.6mm(=直径R2の190mm×円周率3.14)になる。従って副加熱コイルSC1〜SC4が4個均等に(角度90度ずつ)配置されている場合、4分の1の長さは149.15mmになる。Q1とQ2で構成される角度は90度ではなく、例えば60度〜75度である。そこで70度の場合は、前記149.15mmは、70度÷90度の比率(約0.778)×149.15mmの式から約116mmになる。つまり、各副加熱コイルSC1〜SC4の最も内側の円弧の長さは約116mmである。
またこの実施の形態1のように副加熱コイルSCが4個の場合、主加熱コイルMCの周囲360度の内、280度(=前記した70度の4倍)の範囲が主加熱コイルMCの外周面に沿って(曲率半径R2で)湾曲した(副加熱コイルSCの)円弧であるから、約77.8%(=280度÷360度)の範囲(この率を、以下の説明で「合致率」という)において主加熱コイルMC外周縁と、副加熱コイルSC1〜SC4内周縁の向きが合致(並行)していると言える。これは主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との間で、高周波電流を同じ向きに流すことが可能となる度合いが大きいことを意味し、磁気的干渉を低減して被加熱物Nに加熱効率を高める上で貢献している。なお、図9、図11は説明を分かり易くするため、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4など各構成部分の大きさを比例尺で描いていない。合致率が大きい程、高周波電流が同じ向きに流れて、2つの加熱コイルの隣接する領域で磁束密度高め合う長さが大きく加熱効率の観点で望ましいが、実際には前記空間273を確保するため限界があり、100%にはできない。合致率は望ましくは、60%以上あれば、加熱効率をよく構成することができる。
なお、図11において、直径R3の大きさは、R2+(2×副加熱コイルSCの主加熱コイルMCに隣接した側の集合線全体の平均的横幅W1)+(2×副加熱コイルSCの外側の集合線全体の平均的横幅W2)であるから、W1=15mm、W2=15mmとすると、R3は250mm(=190mm+30mm+30mm)である。空間271は前記した最小寸法の5mmではなく、例えば10mmでも良い。空間はそれぞれ別の電源から電気が供給される主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4という二つの物体間の絶縁性を保つために必要な絶縁空間であるが、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の間を遮るように、磁器や耐熱性プラスチック等の電気絶縁物を例えば薄い板状にして介在させれば、空間271の電気絶縁性が向上し、空間271の寸法を更に小さくすることができる。
そしてこの副加熱コイル4個SC1〜SC4は、図9に示すように最大外径がDBとなるように配置されている。図10で説明したように、前記外側コイル6LC1と内側コイル6LC2は直列に接続されている。従って、外側コイル6LC1と内側コイル6LC2は同時に通電されるものである。
各副加熱コイルSC1〜SC4は、真円形でないため製造を容易にするには例えば上下2層に分けること、つまり渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の直径を有する細い線(素線)を30本程束にした集合線を1本又は複数本撚りながら、全く平面形状が同じ形で2個を巻いて長円形や小判形に巻き、それを結線して直列に接続し、電気的には単一のコイルとするようにしても良い。
空間(空洞)272は副加熱コイルSC1〜SC4を形成したときに自然とできるものである。この空間272は、副加熱コイルSC1〜SC4自体を空冷する場合に利用され、前記送風機30から供給された空冷用空気がこの空間272を通って上昇する。コイル支持体290は耐熱性プラスチック等のような非金属材で一体に成形されたものであり、中心点X1から放射状に8本の腕290Bが伸び、また最外周縁部290Cが連結された円形形状になっている。
赤外線センサー31L1〜31L5をそれぞれ保持させる場合、5個の支持部290D1〜290D5を腕290Bの上面又は側面に一体又は別部品にして取り付ける(図9、図12参照)。支持用突起部290Aは放射状に伸びた8本の腕290Bの内、副加熱コイルSC1〜SC4の中央部分に対面することになる4本の腕290Bに一体に形成されるものであり、4箇所において3個ずつ点在するように設けられており、その内の1個は前記副加熱コイルSC1〜SC4の空間272の中に入り、残りの2個の内一方は副加熱コイルSC1〜SC4より中心点X1寄りに、また他方は逆に外側に配置されている。
支持舌部290Eは副加熱コイルSC1〜SC4の両端部に対面することになる4本の腕290Bに、2個ずつ一体に形成されたものであり、この上に副加熱コイルSC1〜SC4の両端部が載せられ、また他の2本の腕290Bの上面に副加熱コイルSC1〜SC4の中央部が載せられている。
円柱状固定部290Fは、前記した支持舌部290Eの全ての上面に1個ずつ一体に突出形成されたものであり、この固定部290Fは副加熱コイルSC1〜SC4を設置したとき、その空間272の両端位置に対応した位置に位置付けられる。この固定部290Fと前記支持用突起部290Aにより、副加熱コイルSC1〜SC4は、その中心部の空間272と内側及び外側位置の3箇所が位置規制されるから、不用意な横移動や加熱に伴う膨張の力(代表的なものとして、図12に一点鎖線で示す矢印FUとFI)などによって変形しない。
なお、支持用突起部290Aと固定部290Fによって、副加熱コイルSC1〜SC4の内側と周囲に部分的に当接させて位置を規制し、そのコイルの全周に亘って囲むような壁(リブともいう)を形成していないのは、副加熱コイルSC1〜SC4の内側や周囲を出来るだけ開放し、冷却用空気の通路となるようにしたためである。
コイル支持体290は、図12と図15に示すように冷却ダクト42の上ケース42Aの上面に載置されており、冷却ダクト42の噴き出し孔42Cから上方へ噴き出される冷却風によって冷却され、その上方にある主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4が発熱によって異常に高温度にならないように冷却される。そのため、前記コイル支持体290はその略全体が通気性を確保できる格子状(図12参照)になっており、中心点X1から放射状に配置された前記磁束漏洩防止材73がその風の通路を部分的に横切る形になっている。また副加熱コイルSC1〜SC4の底面も腕290Bや支持舌部290Eの対向部分という一部分を除き、露出した状態であるので、その露出部分の存在によって放熱効果が向上している。
前記磁束漏洩防止材73は、前記中心点X1から放射状になるように前記コイル支持体290の下面に取り付けられている。空間273は図11に示すように隣り合う副加熱コイルSC1〜SC4同士が同時に通電されたとき、磁気的に干渉しないために設けられている。すなわち、環状の主加熱コイルMCに対して、例えば上面から見て反時計回り方向に駆動電流を流したときは、副加熱コイルSC1〜SC4に対して時計回り方向に駆動電流を流すため、主加熱コイルMCを流れる電流の向きと、副加熱コイルSC1〜SC4の主加熱コイルMCに近い側を流れる電流の向きは図11に示すように同じになるが、副加熱コイルSC1〜SC4の内、隣り合う同士の間では電流の向きが反対になるため、これによる磁気的干渉を低減するようにした工夫である。
なお、主加熱コイルMCに対して、例えば上面から見て時計回り方向に駆動電流を流したときは、副加熱コイルSC1〜SC4に対して反時計回り方向に駆動電流を流す。
駆動電流の方向は、時分割で交互に反対方向に切り替えられる(交流)。
この副加熱コイルSC1〜SC4の端部相互間の空間273の寸法は、前記空間271よりも大きくすることが望ましい。また図11では実際の製品寸法を正確に表した図ではないため、図面から直接読み取れないが、前記副加熱コイルSC1〜SC4における空間(空洞)272の、中心点X1を通る直線上の横断寸法、すなわち図11に矢印で示すような横幅寸法は、前記空間271よりも大きくすることが望ましい。それは副加熱コイルSC1〜SC4を流れる電流同士が互いに反対向きになるため、それで生ずる磁気的干渉を少なくするためである。これに比較して空間271は磁気的結合をさせて協同加熱させるため、間隔が狭くても良い。
(個別発光部)
図9、図11、図13及び図15において、個別発光部276は前記主加熱コイルMCと同じ同心円上に点在するように4箇所設置された発光体である。この個別発光部276は、電球や有機EL、LED(発光ダイオード)などを用いた光源(図示せず)と、この光源から入射した光を導光する導光体とを備えており、図13に示す駆動回路278によって駆動される。
導光体としてはアクリル樹脂、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリイミドなどの合成樹脂、またはガラスなどの透明な材料で良い。導光体の上端面は図15に示すように、トッププレート21の下面に向けられており、導光体の上端面から図15に一点鎖線で示すように光源からの光が放射される。なお、このような上方向に対して線条に発光させる発光体については、例えば特許第3941812号により提案されている。この個別発光部276が発光、点灯することによって前記副加熱コイルSC1〜SC4が誘導加熱動作をしているかどうかを知ることができる。
(広域発光部)
図9、図11、図13及び図15において、広域発光部277は前記個別発光部276と同心円上に存在するように、個別発光部276の外側を所定の空間275を置いて囲んだ、最大外径寸法がDCである環状の発光体である。この広域発光部277は、前記個別発光部276と同様に光源(図示せず)と、この光源から入射した光を導光する導光体とを備えており、図13に示すように駆動回路278によって駆動される。
この広域発光部277の導光体上端面は図15に示すように、トッププレート21の下面に向けられており、導光体の上端面から図15に一点鎖線で示すように光源からの光が放射されるので、この広域発光部277が発光、点灯することによって前記副加熱コイルSC1〜SC4と主加熱コイルMCとのグループ外縁部が判別できる。
トッププレート21に表示された円(図1と図3において実線)である案内マーク6LMの位置と、前記個別発光部276の位置とは一致しているものではない。
案内マーク6LMの位置は主加熱コイルMCの外径寸法DAに略対応しているが、個別発光部276は副加熱コイルSC1〜SC4を包囲するような大きさであるからである。
また、トッププレート21に表示された円形の協同加熱エリアマークEMの位置と、広域発光部277の位置とは大体一致しているが、協同加熱エリアマークEMは通常印刷等によってトッププレート21の上面に形成されるので、その印刷や塗装の皮膜(可視光線を殆ど透過しない材質が用いられている)を考慮し、その僅か数mm程度外側位置に、広域発光部277の上端面が近接対向するように設定されている。なお、協同加熱エリアマークEMの透光性が確保されれば、完全に一致させても良い。
(赤外線センサー配置)
前記赤外線センサー31Lは、図9に示すように31L1〜31L5の5個から構成されており、この内、赤外線センサー31L1は前記空間270に設置されている。この温度センサー31L1は主加熱コイルMCの上に置かれる鍋等の被加熱物Nの温度を検知するものである。この主加熱コイルMCの外側には、各副加熱コイルSC1〜SC4のための赤外線センサー31L2〜31L5がそれぞれ配置され、これら赤外線センサーは全て前記コイル支持体290に形成された突起状の支持用突起部290Aの中に設置されている。
なお、被加熱物載置判断部280の機能、すなわち被加熱物Nが載置されているかどうかを判定する機能を発揮するために前記した赤外線センサー31L2〜31L5を使用しないことも可能であり、代わりの手段として光検出部(光センサー)がある。これはトッププレート21の上方から室内の照明の光や太陽光線などの自然界の光が届くかどうかを判別できるからである。被加熱物Nが置かれていない場合、その被加熱物Nの下方にある光検出部は、室内照明等の外乱光を検出するから鍋等の物体が載置されていないという判断情報にできる。
各温度センサー31R、31L、241、242、244、245からの温度データは、温度検出回路240を経由して通電制御回路200に送られるが、加熱コイル6RC、6LCに関する赤外線センサー(31L1〜31L5の5つ全てを指す)の温度検出データは、前記被加熱物載置判断部280に入力される。
金属製防磁リング291(図15参照)はコイル支持体290の最も外側に設置されたリング状のものである。図13に示すスピーカー316は音声合成装置315からの信号で駆動される。この音声合成装置315は、前記統合表示装置100に表示される各種情報を音声でも報知するものであり、火力や加熱動作を実行中の加熱源の名称(例えば、左IH加熱源6L)、調理開始からの経過時間、タイマーで設定した残り時間、各種の検出温度、ガイドエリア(100GD)に表示される、各種調理における参考情報、異常運転検知したこと及び不適正操作が使用時によって行われたこと等の情報を報知でき、各種調理をできるだけ好ましい状態や加熱位置(被加熱物Nの位置含む)で行えるような情報も含まれる。後述する主加熱コイルMCや副加熱コイルSCのどれが実際に加熱動作を実行しているのかという情報も含まれている。
(加熱調理器の動作)
次に、上記の構成からなる加熱調理器の動作の概要を説明する。
電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、通電制御回路200の内部にある記憶部203(図13参照)に格納されている。
使用者は、まず電源プラグを200Vの商用電源に接続し、主電源スイッチ63の操作ボタン63A(図2参照)を押して電源を投入する。
すると定電圧回路(図示せず)を介して所定の低い電源電圧が通電制御回路200に供給され、通電制御回路200は起動される。通電制御回路200自身の制御プログラムにより自己診断し、異常がない場合には送風機30の駆動モータ300を駆動するためのモータ駆動回路33が予備駆動される。また、左IH加熱源6Lおよび右IH加熱源6R、統合表示手段100の液晶表示部の駆動回路215もそれぞれ予備起動する。
図13の温度検出回路240は各温度検出素子(温度センサー)31R,31L(特に明示しない限り、以下説明では、31L1〜31L5の5つ全てを含んだものを指す)、温度検出素子241、242、244、245によって検出された温度データを読み込み、そのデータを通電制御回路200に送る。
以上のようにして通電制御回路200には、主要な構成部分の回路電流や電圧、温度などのデータが集まるので、通電制御回路200は、調理前の異常監視制御として、異常加熱判定を行う。例えば、統合表示手段100の液晶基板周辺の温度がその液晶表示基板の耐熱温度(例えば70℃)よりも高い場合、通電制御回路200は異常高温と判定する。
また図13の電流検出センサー227は、右IH加熱コイル6RCと共振コンデンサー224の並列回路からなる共振回路225に流れる電流を検出し、この検出出力は通電制御回路200の入力部201に供給される。通電制御回路200は、取得した電流検出センサーの検出電流を記憶部203に記憶されている判定基準データの正規の電流値と比較して、過少電流や過大電流が検出された場合には、通電制御回路200は何らかの事故や導通不良などによる異常と判定する。
以上の自己診断ステップによって異常判定が無かった場合は「調理開始準備完了」となる。しかし、異常判定が行われた場合には、所定の異常時処理が行われ、調理開始ができないようになる(左IH加熱コイル6LCでも同様に異常検知が行われる)。
異常判定がなかった場合、統合表示手段100の各加熱源対応エリア100L1、100L2、100M1、100M2、100R1、100R2、100Gには加熱動作できる旨の表示が出て、希望の加熱源を選択し、誘導加熱の場合は、鍋等の被加熱物Nをトッププレート21に描かれた希望の加熱源の案内マーク6LM、6RM、7Mの上に置くように表示される(統合表示手段100と連動するよう音声合成装置315は、同時に音声でそのような操作を使用者に促がす)。また同時に、全ての個別発光部276と広域発光部277も所定の色(例えば黄色。以下「形態1」という)の光で発光、点灯するように通電制御回路200で指令される。
(調理モード)
次に、調理前異常監視処理を終えたあとに調理モードに移行した場合について、右IH加熱源6Rを使用した場合を例にして説明する。
右IH加熱源6Rを使用する方法には、前面操作部60を使用する場合と、上面操作部61を使用する場合の2つがある。
(前面操作部での調理開始)
まず、前面操作部60を使用する場合について説明する。
使用者は、最初に前面操作部60の右操作ダイアル64Rを右か左へ回す(回した量に応じて火力が設定される)。
前面操作部60の前面操作枠62の前面下部には、図示していないが3つの独立したタイマーダイアルが設けられているため、使用者は、その中の右IH加熱源6Rのタイマーを所定時間にセットする。これにより、このような操作信号が通電制御回路200に入力され、通電制御回路200によって火力レベルや加熱時間などの調理条件が設定される。
次に、通電制御回路200が駆動回路228を駆動し、右IH加熱源回路210Rを駆動する(図13参照)。また統合表示手段100が駆動回路215によって駆動されるので、その表示エリアには火力や調理時間などの調理条件が表示される。駆動回路228はIGBT225のゲートに駆動電圧を印加するので、右IH加熱コイル6RCに高周波電流が流れる。但し、最初から高火力通電加熱はせず、鍋等の被加熱物Nの適否検知が以下のように行われる。
電流検出センサー227は、右IH加熱コイル6RCと共振コンデンサー224の並列回路からなる共振回路に流れる電流を検出し、検出出力は通電制御回路200の入力部に供給される。そして、何らかの事故や導通不良などによって正規の電流値に比較して過少電流や過大電流が検出された場合は、通電制御回路200は異常と判定する。通電制御回路200は上記のような種類の異常判定機能に加え、使用される鍋(被加熱物N)の大きさが適当かどうか判定する機能を有している。
具体的には、共振回路225に、最初の数秒間は使用者が設定した火力(電力)ではなく、所定電力(例えば1kW)を流し、その時の入力電流値を電流検出センサー227で検出するように構成している。
すなわち、通電制御回路200が所定の電力により同じ導通比率で駆動信号を出してスイッチング手段となるIGBT225を駆動した際、右IH加熱コイル6RCの面積に比べて小さい直径の鍋(被加熱物N)がトッププレート21上に載置されている場合に電流検出センサー227の部分を流れる電流は、加熱コイル220の面積に比べて大きな直径の鍋(被加熱物N)がトッププレート21上に載置されている場合に電流検出センサー227の部分を流れる電流に比較して、小さくなることが既に知られている。
従って、事前に実験結果などから過剰に小さい鍋(被加熱物N)を載置した場合の電流検出センサー227の部分を流れる電流の値を判定基準データとして用意しておく。そうすると、電流検出センサー227において小さ過ぎる電流が検出された時は、異常な使用形態であることが通電制御回路200側で推定できるため、異常処理の処理ルートに移行する。
なお、スイッチング手段225に対する通電率を通電制御回路200が自ら変更し、例えば使用者が設定した火力でも、導通比率を許容範囲まで下げることで正常な加熱状態を維持確保できる場合は、自動的に電力適応制御処理が実行されるものであり、小さい電流値が検出された場合、全て一律で無条件に異常処理に行くのではないようになっている。
上記のような鍋(被加熱物N)の判定を行っている状態では、右IH加熱源6Rの表示エリア100R2には最初に「鍋適否判定中」との文字が表示される。そして、数秒後には上記異常電流検出監視処理の判定結果により、小さ過ぎる鍋(被加熱物N)の場合は表示エリア100R2には「使用する鍋が小さすぎます」、「もっと大きな鍋(直径10cm以上)を使用して下さい」というような注意喚起文字が表示される。
この鍋適否判定結果が出された場合、右IH加熱源6Rの表示エリア100R1、100R2は、その面積が図17の状態から数倍大きく拡大され、その表示エリアに鍋(被加熱物N)が適当ではないことが表示される。左IH加熱源6Lと輻射式中央電気加熱源7の両方とも使用されていない場合は、右IH加熱源6Rの表示エリア100R1、100R2は、それら左IH加熱源6Lと輻射式中央電気加熱源7の表示エリア100L1、100L2、100M1、100M2を包含するほどの大きさまで拡大される。
その後、鍋(被加熱物N)の交換などの措置を使用者が行わなかった場合、通電制御回路200を停止せずに、表示エリアEに鍋(被加熱物N)が小さすぎると表示した時点から一定時間後に、一旦右IH加熱源6Rによる加熱動作を自動停止する。
使用者が鍋(被加熱物N)を大きいものに変更し、再度調理開始の操作を行えば再度調理を再開することができる。
以上のような鍋(被加熱物N)検知動作を行って、適合する鍋(被加熱物N)であると判定された場合、通電制御回路200は右IH加熱源6Rが本来の設定火力を発揮するように、自動的に適応する通電制御処理を実行する。これにより右IH加熱コイル6RCからの高周波磁束により鍋等の被加熱物Nが高温になり、電磁誘導加熱調理動作(調理モード)に入る。
整流ブリッジ回路221と平滑化コンデンサー223によって得られた直流電流はスイッチング素子であるIGBT225のコレクタに入力される。IGBT225のベースには駆動回路228からの駆動信号が入力されることでIGBT225のオン・オフ制御を行う。IGBT225のオン・オフ制御と共振コンデンサー224を組み合わせることで右IH加熱コイル6RCに高周波電流を発生させ、この高周波電流がもたらす電磁誘導作用により右IH加熱コイル6RC上方のトッププレート21上に載置された鍋等の被加熱物Nに渦電流が発生する。こうして、被加熱物Nに生じた渦電流はジュール熱となって被加熱物Nが発熱し、調理に用いることが可能となる。
駆動回路228は発振回路を有しており、この発振回路が発生する駆動信号がIGBT225のベースに供給されてIGBT225をオン・オフ制御する。駆動回路228の発振回路の発振周波数や発振タイミングを調整することで、右IH加熱コイル6RCの導通比や導通タイミング、電流周波数等が調整されて、右IH加熱コイル6RCの火力調節が可能となる。
なお、右IH加熱源6Rの通電停止指令が出された場合には、右IH加熱源6Rの通電は停止されるが、送風機30は、前記通電停止後も2分間〜5分間運転継続する。これにより、送風機30からの送風停止直後から右IH加熱源6Rの右IH加熱コイル6RC周辺に熱気が滞留したままになり、温度が急激に上昇するというオーバーシュート問題も未然に防ぐことができる。また、統合表示手段100の温度が高くなるという弊害も防ぐことができる。この運転継続時間は、通電停止までの温度上昇の様子や室内気温、加熱源の運転火力大小等の条件に対応して通電制御回路200が予め決められた算式や数値テーブルから決定する。
但し、送風機30からの異常電流が検出される等、冷却用ファン自体の故障であることが判明した場合(例えば、冷却フィン43A、43Bの温度だけが上昇している場合)は、その送風機30への通電も同時に停止する。
統合表示手段100の液晶表示基板は、左右IH加熱源6L、6Rの加熱調理時に加熱された被加熱物Nの底部からの反射熱やトッププレート21からの輻射熱で加熱される。
また、使用した高温のてんぷら用鍋(被加熱物N)がそのままトッププレート21の中央部上に置かれている場合もその高温(200℃近くある)の鍋(被加熱物N)からの熱を受ける。
そこで、この実施の形態1では、統合表示手段100の温度上昇を抑制するため送風機30により左右両側から空冷している。
このように正常な運転環境下で送風機30が駆動された場合には、本体1の外部の空気が図5に示すようにファンケース37の吸い込み筒37Aの吸い込み口37Bからファンケース37の内部に吸引される。吸引された空気はファンケース37の内部で高速回転している翼部30Fにより排気口(出口)37Cから水平方向で前方に吐き出される。
排気口37Cの前方位置にはファンケース37に密着状態に接続される部品ケース34があり、空気導入口をその排気口37Cに密着状態で連通させているから、排気口37Cから部品ケース34の内部は、その内部気圧(静圧)を上昇させるように送風機30から空気が送り込まれる。その送り込まれた冷却風の一部は、部品ケース34の上面部で排気口37Cに近い側にある第1の排気口34Aから空気が放出される。
この放出された空気の温度は、途中で高温の発熱体や発熱性電気部品などを冷却していないから、排気口37Cから出た直後の温度と殆ど同じであり、新鮮な空気のままである。
そして第1の排気口34Aから冷却ダクトの通風空間42Fに送りこまれた冷却用空気は、噴き出し孔42Cから図5、図7の矢印Y3で示すように上方へ噴出し、真上にある右IH加熱コイル6RCの下面に衝突してそのコイルを効果的に冷却する。なお、右IH加熱コイル6RCの形状が、上記のような空冷用空気を一部で貫通させる空隙を有している場合はその空隙にも第1の排気口34Aからの冷却風が貫通するように流れて冷却する。
一方、部品ケース34の内部に送風機30から圧力を持って送り込まれた冷却風は、回路基板41の表面に向けられず、また表面近くを流れる訳ではない。冷却風は回路基板41の表面(一側面)に突出した構造物となっている放熱フィン43A、43Bの部分を中心に多数の熱交換フィン素子間を通るから、放熱フィン43A、43Bが主に冷却される。
さらに、排気口37Cから押し込まれた冷却風(図5の矢印Y2)の中で、最も速度が速い部分である本流は図5に矢印Y4で示すように排気口37Cから前方に一直線状に流れ、部品ケース34において冷却風の流れの最も下流側位置にある第2の排気口34Bから噴出される。この第2の排気口34Bは第1の排気口34Aよりも数倍大きな開口面積を有しているため、排気口37Cから部品ケース34に押し込まれた冷却風の大部分は、この第2の排気口34Bから噴出するものである。
そして噴出した冷却風は冷却ダクト42の通風空間42G、42Hの中に案内され、その大部分の冷却風は上ケース42Aの上面に多数形成した噴き出し孔42Cから図7に矢印Y4、Y5で示すように噴き出し、その真上にある右IH加熱コイル6RCの下面に衝突してそのコイルを効果的に冷却する。
冷却ダクト42の通風空間42Hの中に案内された冷却風の一部は、各種電気・電子部品56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する、右火力表示ランプ101Rと左火力表示ランプ101Lのそれぞれの発光素子(LED)などが収容された前部部品ケース46の中に導かれる。具体的には、前記送風機30の冷却風は、前記部品ケース34の第2の排気口34Bから冷却ダクト42の通風空間42Hに入り、ここから通風空間42Hに対応して形成した冷却ダクト42の通風口42Kを通り、その通風口42Kの真上に密着するように位置している下ダクト46Aの通風口46R、46L(図4参照)に入る。
これにより前部部品ケース46に入った冷却風でまず液晶表示画面45R、45L(図4参照)が下方から冷却されるとともに、その後前部部品ケース46内を流れて最後に切欠き46Cから上部部品室10に排出される過程で、順次内蔵部品等を冷却して行くことにより液晶表示画面45R、45L、統合表示手段100、各種電気・電子部品を搭載する取付基板56や誘導加熱調理時の火力を光で表示する右火力表示ランプ101Rと左火力表示ランプ101L用の発光素子等は順次冷却風で冷却される。
特に、この前部部品ケース46の中に案内された冷却風は、誘導加熱動作時に高温になる左右IH加熱コイル6LC、6RCを冷却した風でないから、その温度は低く、液晶表示画面45R、45L及び統合表示手段100などは、冷却風の風量が少ないながらも効果的に温度上昇が抑制されるように冷却され続ける。
冷却ダクト42の多数の噴き出し孔42Cから噴出された冷却風は、図2、図3、図5及び図6に示すように、上部部品室10を後方に向かって矢印Y5、Y6のように流れる。この冷却風の流れに、切欠き46Cから上部部品室10に排出された冷却風も合流し、本体部Aで外部に開放している後部排気室12に流れることで最終的に後部排気室12から矢印Y9のように排出される(図2参照)。
(上面操作部での調理開始)
次に、上面操作部61(図3参照)を使用する場合について説明する。
既に通電制御回路200は起動され、統合表示手段100の液晶表示部の駆動回路215(図13参照)も予備起動されているから、統合表示手段100の液晶表示部には全ての加熱源を選択する入力キーが表示されている。そこで、その中の右IH加熱源6Rを選択する入力キー(図1または図17に示す143〜145の何れかが当該キーになる)を押せば、液晶表示部の右IH加熱源6Rの対応エリア100R(火力用100R1と時間用100R2の計2個)の面積が自動的に拡大され、さらにその状態で各入力キー142〜145は場面毎に入力機能が切り替えられて表示されるので、その表示された入力キーを次々に操作すれば、調理の種類(メニューとも言う。例えば、天ぷらや、湯沸し、煮込み、保温など)と、火力レベルや加熱時間などの調理条件が設定される。
そして所望の調理条件が設定できた段階では、図16に示すように入力キー146は「決定」という文字が表示されるので、これに触れれば調理条件の入力が確定する。
そして次に前記したように通電制御回路200は鍋適否判定処理を実施し、適合する鍋(被加熱物N)であると判定した場合、通電制御回路200は右IH加熱源6Rに、使用者が設定した所定の設定火力を発揮するように、自動的に適応する通電制御処理を実行する。これにより右IH加熱コイル6RCからの高周波磁束により被加熱物Nの鍋が高温になり、電磁誘導加熱調理動作(調理モード)に入る。
(ワンタッチ設定調理)
右火力設定用操作部70には、使用者が1度押圧するだけで右IH加熱源6Rの火力を簡単に設定することができる各火力のワンタッチ設定用キー部90が設けられており、弱火力キー91、中火力キー92、および強火力キー93の3つのワンタッチキーを備えているから、前記統合表示手段100の入力キー操作による少なくとも1つのメニュー画面を経由することなく、弱火力キー91、中火力キー92、強火力キー93または3kW用キー94を押せば、その1回の操作で火力を入力できる。なお、左IH加熱源6Lを使用した調理も以上と同じ操作で開始できる。
(グリル加熱室での調理開始)
次に、グリル加熱室9の輻射式電気加熱源22、23(図6参照)に通電した場合について説明する。この調理は右IH加熱源6Rや左IH加熱源6Lによる加熱調理中にも行えるが、輻射式中央電気加熱源7とは同時に行えないようにインターロック機能を組み込んだ制限プログラムが通電制御回路200に内蔵されている。これは調理器全体の定格電力の制限を超えることになるからである。
グリル加熱室9内部で各種調理を開始する方法には、上面操作部61の中で統合表示手段100の液晶表示部に表示される入力キーを使う方法と、輻射式電気加熱源22、23用操作ボタン95(図16参照)を押す方法の2つがある。
これら何れの方法でも、輻射式電気加熱源22、23を同時又は個別に通電することでグリル加熱室9内部において各種調理ができる。通電制御回路200は、温度センサー242、温度制御回路240からの情報を受けて、グリル加熱室9の内部雰囲気温度が予め通電制御回路200で設定している目標温度になるように、前記輻射式電気加熱源22、23の通電を制御し、調理開始から所定時間を経過した段階でその旨を報知し(統合表示手段100による表示や音声合成装置315による報知もある)、調理は終了する。
輻射式電気加熱源22、23による加熱調理に伴ってグリル加熱室9の内部には高温の熱気が発生する。このためグリル加熱室9の内部圧力は自然と高まり、後部の排気口9Eから排気ダクト14の中を自然と上昇していく。その過程で駆動用ヒーター駆動回路214により触媒用電気ヒーター121Hに通電され高温になっている脱臭用触媒121によって排気中の臭い成分が分解される。
一方、排気ダクト14の途中には補助排気用の軸流形送風機106が設けてあるため、排気ダクト14を上昇してくる熱気に対し、その送風機106を運転して矢印Y7(図6参照)で示すように本体部Aの内部の空気を排気ダクト14に取り入れることにより、その新鮮な空気にグリル加熱室9の高温空気は誘引され、温度が下がりながら排気ダクト14の上端部開口14Aから矢印Y8で示すように排気される。
このように排気ダクト14の上端部開口14A(図6参照)からの排気流により、その上端部開口14Aと隣り合っている後部排気室12の中の空気も誘引されて外部へ排出される。つまり、本体内部のグリル加熱室9と水平仕切り板25との間の空隙26の空気や上部部品室10内部の空気も一緒に後部排気室12を経由して排出される。
次に、左IH加熱源6L(図3参照)を用いた加熱調理を行う場合の動作について説明する。なお、左IH加熱源6Lも右IH加熱源6Rと同様に調理前異常監視処理を終えた後に調理モードに移行し、また左IH加熱源6Lを使用する方法には、前面操作部60(図2参照)を使用する場合と、上面操作部61(図3参照)を使用する場合の2つがあるが、以下の説明では左IH加熱コイル6LC(図2参照)に通電が開始されて調理開始された段階から説明する。
鍋底径が主加熱コイルMCの最大外径DA(図9参照)よりも遥かに大きな1つの楕円形や長方形の鍋(被加熱物N)を使用する場合、本発明の加熱調理器では、その楕円状の被加熱物Nを主加熱コイルMCで加熱するとともに、副加熱コイルSC1〜SC4で協同加熱することができる。
例えば、主加熱コイルMCと、その右側にある1つの副加熱コイルSC1の双方の上に跨るような楕円状の鍋(被加熱物N)であった場合を想定する。
そのような楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されて加熱調理が開始されると、楕円状の鍋(被加熱物N)が温度上昇していくが、主加熱コイルMCの赤外線センサー31L1(図9参照)と、副加熱コイルSC1の赤外線センサー31L2の双方は、他の赤外線センサー31L3、31L4、31L5の受光量との比較では外乱光(室内照明の光や太陽光など)の入力が少なく、温度上昇傾向にあるという現象を示すので、このような情報を基にして前記被加熱物載置判断部280が、楕円状の鍋(被加熱物N)が存在しているという判定を行う。
また、主加熱コイルMCの電流センサー227と副加熱コイルSC1〜SC4の各電流センサー267A〜267D(図14参照)によっても、上方に同一の被加熱物Nが載置されているか否かを判断する基礎情報が前記被加熱物載置判断部280(図13参照)に入力される。電流変化を検出することで、前記被加熱物載置判断部280は主加熱コイルMCと副加熱コイルSCのインピーダンスの変化を検出し、楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されている主加熱コイルMCのインバーター回路MIV及び副加熱コイルSC1〜SC4の各インバーター回路SIV1〜SIV4を駆動し、4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内、楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されているもの(少なくとも1つ)に高周波電流を流し、楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていない他の副加熱コイルに対しては高周波電流を抑制又は停止するように前記通電制御回路200が指令信号を発する。
例えば、被加熱物載置判断部280が主加熱コイルMCと、1つの副加熱コイルSC1の上方に同一の楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていると判断したときに、通電制御回路200は、主加熱コイルMCと特定の副加熱コイルSC1だけを連動して動作させ、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルにそれぞれのインバーター回路MIV、SIV1によって高周波電力を供給する(この火力配分については、後で詳しく説明する)。ここで「火力割合」とは、例えば使用者が左IH加熱源6Lで3kWの火力で調理しようと調理開始している場合、通電制御回路200は、主加熱コイルMCを2.4kW、副加熱コイルSC1を600Wというように配分することである。また、その副加熱コイルSC1の外側位置にある個別発光部276(図9参照)だけが黄色の発光状態(形態1)から赤色発光状態(以下、「形態2」という)に変化する、駆動回路278(図13参照)が個別発光部276を駆動し、個別発光部276にある所定の光源(赤色ランプやLED等)が発光、点灯し、ここまで発光、点灯していた黄色用光源は消灯する。従って実行中の副加熱コイルSC1だけが赤い光の帯でトッププレート21の上方から視認できるように表示される。他の副加熱コイルに対応した個別発光部276は発光を停止する。
この副加熱コイルSC1単体を駆動して誘導加熱調理することはできず、また他の3つの副加熱コイルSC2、SC3、SC4の各単体及びそれらを組み合わせても誘導加熱調理することはできないようになっている。言い換えると主加熱コイルMCが駆動される場合に初めてその周辺にある4つの副加熱コイルSC1、SC2、SC3、SC4の何れか1つ又は複数が同時に加熱駆動されることが特徴である。
また、このような協同加熱が行われている場合、通電制御回路200は、主加熱コイルMCと特定の副加熱コイルSC1だけに、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルを専用のインバーター回路MIV、SIV1によって高周波電力を供給して加熱動作を実行しているから、この情報に基づいて通電制御回路200は、駆動回路278(図13参照)に駆動指令を発し、また個別発光部276は、前記したように協同加熱動作の開始時点から、実行中の副加熱コイルSC1を特定できるように発光する。
また、協同加熱を表示する一手段として、本実施の形態1では個別発光部276が発光、点灯して表示している。すなわち、個別発光部276が、最初の黄色の発光状態(形態1)から赤色発光状態(「形態2」)に変化した段階で協同加熱状態に入ったことが使用者には認識できる。
尚、このような表示形態ではなく、図18に示すように統合表示手段100の液晶表示画面にて文字で直接表示するものでも良い。
なお、広域発光部277(図9、図11、図15参照)は、使用者が主電源スイッチ63の操作ボタン63A(図2参照)を押して電源を投入し、異常判定が済んだ段階から駆動回路278(図13参照)によって駆動され、最初は黄色に発光、点灯しているので、楕円状の鍋(被加熱物N)を左IH加熱源6Lの上方に置く段階から、その載置場所を使用者に案内することができる。主加熱コイルMCに加熱用高周波電力が供給されて加熱動作が開始された段階で、通電制御回路200は広域発光部277の発光色を変更(例えば黄色であったものを赤色に)する。例えば広域発光部277にある黄色光源(ランプやLED等)の発光、点灯を止め、代わりにその光源の隣に設置している赤色光源(ランプやLED等)の発光、点灯を開始するようにしても良いし、多色光源(3色発光LED等)を使用し発光色を変更するようにしても良い。
また、所定の時間t(数秒〜10秒程度)楕円状の鍋(被加熱物N)を一時的に持ち上げたままにしたり、左右に移動したりしても、通電制御回路200は加熱動作を維持するとともに、この広域発光部277の発光、点灯状態を変化させず、使用者に対して楕円状の鍋(被加熱物N)を載置するのに好ましい場所を表示し続ける。ここで、前記所定の時間tを超えて楕円状の鍋(被加熱物N)を持ち上げたままにすると、楕円状の鍋(被加熱物N)が無いという判定を被加熱物載置判断部280が行い、通電制御回路200にその旨を出力する。通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの判別情報に基づいて再度楕円状の鍋(被加熱物N)が置かれるまでの期間、一時的に誘導加熱の火力を下げたり、停止したりする指令を発する。この場合、使用者に対して楕円状の鍋(被加熱物N)を載置するのに好ましい場所の表示はそのまま維持するが、広域発光部277の発光、点灯状態(点灯色など)を火力の状態に合わせて変更しても良い。例えば火力が下がった状態では、オレンジ色に発光、点灯させたり火力が停止したら黄色に発光、点灯させたりすると、載置するのに好ましい場所の表示と併せて火力の状態を使用者に報知することが可能となる。
さらに、楕円状の鍋(被加熱物N)を例えば左に移動させると、被加熱物載置判断部280が主加熱コイルMCと、左側の副加熱コイルSC2の上方に同一の楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていると判断し、通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの判別情報に基づいて主加熱コイルMC及びその左側にある特定の副加熱コイルSC2の2者だけを連動して動作させ、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルに対してそれぞれのインバーター回路MIV、SIV2から高周波電力を供給する。そして左側の副加熱コイルSC2への通電は停止され、既に実行中の「火力」(例えば3kW)と所定の火力配分(例えば、左IH加熱源6Lで3kWの火力で調理しようと調理している場合、主加熱コイルMCは2.4kW、副加熱コイルSC1は600Wであるから、4:1)が維持されてそのまま調理が継続される。この3kWという火力はそのまま統合表示装置100によって数字と文字で表示され続ける。
また、副加熱コイルSC1が協同加熱に寄与しなくなり、代わりに別の副加熱コイルSC2が協同加熱動作に加わったことで専用のインバーターSIV2に高周波電力が供給される。即ち、通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの判別情報に基づいて副加熱コイルがSC1からSC2へ切り替えられたことを検知すると、駆動回路278に駆動指令を発し、個別発光部276が協同加熱動作を実行中の副加熱コイルSC2を特定できるように指令する。つまり、通電制御回路200は、その副加熱コイルSC2の外側(図9では左側)位置にある個別発光部276だけが発光、点灯するように駆動回路278が個別発光部276を駆動する。そのため、個別発光部276にある所定の光源(赤色ランプやLED等)が(形態2で)発光、点灯し、ここまで副加熱コイルSC2に近接した位置で発光、点灯していた赤色の光源は消える。
なお、主加熱コイルMCに流れる高周波電流IAと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる高周波電流IBの向きは、図11に示すように、隣接する側において同じ向きとなることが加熱効率の観点から好ましい(図11では主加熱コイルMCにおいて反時計回り、4個の副加熱コイルSC1〜4は時計周りで一致している場合を示す)。これは、このように2個の独立したコイルの隣接する領域において、同一方向に電流が流れる場合、その電流で発生する磁束は互いに強め合い、被加熱物Nを鎖交する磁束密度を増大させ、被加熱物底面に渦電流を多く生成して効率良く誘導加熱できるからである。図15に破線で示すループは、図11で示した高周波電流IA、IBの流れる方向と逆の方向でそれら高周波電流を流した場合における磁束ループを示す。この磁束ループで被加熱物Nの底壁面には、前記高周波電流とは逆の向きに流れる渦電流が生成され、ジュール熱を発生させる。主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4が接近して設置されている場合で電流が互いに逆方向に流れると、両者にて生成される交流磁場がその近接しているある領域範囲において干渉しあい、結果的にそれら主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4にて生成される鍋電流(被加熱物Nに流れる電流)を大きくできず、この鍋電流の二乗に比例して大きくなる発熱量を大きくできない。しかしながら、このことは逆に別の利点を生む。すなわち、前記したような磁束密度が高くなる隣接領域で、磁束密度が低く抑えられるため、主加熱コイルMCと、協同加熱動作する一つ又は複数個の副加熱コイルSC1〜SC4とを平面的に包含するような広い領域においては、被加熱物Nを鎖交する磁束の分布を平均化、つまり均一化でき、そのような広い加熱領域で調理をする場合に適するという利点がある。従って本発明は、加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との隣接する領域において、互いに同一方向に電流を流すという方式には何ら限定されない。加熱対象物や調理メニューによっては電流の向きを一致させたり、逆に反対方向にしたり切り替え動作、選択するという制御動作を採用しても良い。なお、図15に示したような磁気ループは、加熱コイルに流れる高周波電流IA、IBの方向によって生成される方向が決まる。
次に、図19〜図21に示すものは本発明の実施の形態1における加熱調理動作のフローチャートである。
このフローチャートの制御プログラムは、通電制御回路200の内部にある記憶部203(図13参照)に格納されている。
図19において、調理を開始する場合、まず図1に示す調理器本体部Aの前面操作部60に設けた主電源スイッチ63の操作ボタンを押してONにする(ステップ1。以下、ステップは「ST」と省略する)。すると通電制御回路200には所定の電圧の電源が供給され、通電制御回路200は自ら調理器全体の異常有無チェックを実行する(ST2)。通電制御回路200自身の制御プログラムにより自己診断し、異常がない場合には送風機30の駆動モータ300を駆動するためのモータ駆動回路33(図13参照)が予備駆動される。また、左IH加熱源6L、統合表示手段100の液晶表示部の駆動回路215もそれぞれ予備起動する(ST3)。
そして異常があるかどうかは判定処理(ST2)の結果、異常が発見されなかった場合はST3に進む。一方、異常が発見された場合は所定の異常処理に進み、最終的には通電回路200自身が自ら電源を切って停止する。
ST3に進むと、通電回路200は、駆動回路278を制御して、全ての個別発光部276と広域発光部277を一斉に発光、点灯させる(黄色の光、形態1)。なお、個別発光部276又は広域発光部277の何れかが先に1つずつ発光、点灯し、次に別の発光部が発光、点灯し、次第に発光部の数が増えるという方法で全ての個別発光部276と広域発光部277が発光、点灯をすることでも良い。そしてこのように全ての個別発光部276と広域発光部277が(形態1で)発光、点灯したままの状態で使用者からの次の指令を待つ状態になる。なお、ここで全ての個別発光部276と広域発光部277は、例えば黄色の光を連続的に発している状態である(ST3A)。
次に前記したように左右にそれぞれIH加熱源6L、6R(図3参照)があるから、そのどちらかを使用者が前面操作部60や上面操作部61で選択する(ST4)。ここで左IH加熱源6Lを選択すると、この選択結果は統合表示手段100における左IH加熱源6Lの対応エリア100L1に表示される。図18に示すように、対応エリア100L1の面積は自動的に拡大され、その面積が一定時間維持される(右IH加熱源6Rなどの他の加熱源が運転されていない場合は、調理完了まで、この拡大されたL1の面積がそのまま維持される)。そして選択された加熱コイル6LCの上に鍋(被加熱物N)があるかどうかが検知される。この検知は被加熱物載置判断部280によって行われる。
通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの検知情報に基づいて鍋(被加熱物N)が置いてあると判定すると(ST5)、その鍋(被加熱物N)が誘導加熱に適するものかどうかを判定する(ST6)。この判定は被加熱物載置判断部280からの判別情報によって行われる。被加熱物載置判断部280は、直径が余りにも小さい鍋(被加熱物N)や底面が大きく変形、湾曲等しているような鍋(被加熱物N)は電気的特性の違いで被加熱物Nを判別し、判別結果を判別情報として出力する。
そして、通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの判別情報に基づいて鍋(被加熱物N)が適正であるかどうかの判定処理をST6で行い、適正であると判定した場合は加熱動作開始のステップST7に進む。統合表示手段100における左IH加熱源6Lの対応エリア100L1に、設定された火力(例えば、最小火力の「火力1」の120W〜「火力8」の2.5kW。「最大火力」の3kWの9段階の何れか)が表示される。なお、最初に火力が所定の火力、例えば中火(例えば火力5で、1kW)にデフォルト設定されていて、使用者が火力設定を行わずともその初期設定火力で調理開始できるようにしたものでも良い。図18では、火力は「最大」と「3kW」の二重に文字で表示されている。
また不適正であった場合、前記した統合表示手段100のような表示手段がこの段階で既に動作しているので、通電制御回路200は、その統合表示手段100に鍋(被加熱物N)が不適当である旨を表示させ、また同時に音声合成装置315にその旨のメッセージ情報を出力してスピーカー316より音声で報知出力させる。
このように左右IH加熱源6L、6Rの何れかを選択した場合、予め定められた火力に基づいて自動的に調理開始を行うので、新たに調理開始指令を入力キーやダイアル、操作ボタンなどで行わなくて良い。
ST7Aで左IH加熱源6Lにて誘導加熱動作が開始されると、左IH加熱源6Lを構成する主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4による誘導加熱が行われるが、ST5において鍋(被加熱物N)が主加熱コイルMCだけの上にあるのか、又はそれに加えてどの副加熱コイルSC1〜SC4の上にあるのかが検知されているので、主加熱コイルMCだけの上にある場合は、その主加熱コイルMC単独での誘導加熱になり、また少なくとも1つの副加熱コイルSCの上にも同じ鍋(被加熱物N)が置かれている場合は、主加熱コイルMCと副加熱コイルSCによる協同加熱になる。ST8ではこのような判定処理が行われる。
協同加熱の場合、それに関与する副加熱コイルSC1〜SC4と主加熱コイルMCに対し、通電制御回路200の制御の下に、インバーター回路MIV、SIV1〜SIV4から高周波電流がそれぞれ供給され、協同加熱が開始される(ST9)。そして通電制御回路200からの制御指令により広域発光部277は黄色の発光、点灯状態(形態1)から赤色の発光、点灯状態(形態2)に発光形態を変化させる(ST10)。なおST3Aと同じ黄色を発光、点灯させたまま、発光、点灯を間欠的にして使用者には点滅しているように見えるようにすること、又は発光、点灯の明るさを増すことなどの変化にしても良く、何れもこの発明でいう形態の変化、切り替えになる。
また、通電制御回路200は、統合表示手段100に例えば、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1による協同加熱動作中である旨の情報を火力情報と共に出力する。これにより、加熱動作開始している副加熱コイルがSC1であることが前記統合表示手段100の対応エリア100L1やL2に文字や図形などで表示される。図18では「主コイルと左側の副コイル同時加熱中」という文字での表示例を示す。なお、その表示部分は、対応エリアL1の中であるため、火力情報「火力:最大 3kW」という表示と隣接している。つまり火力表示と協同加熱動作を示す情報の表示の位置は隣接している。ここでCMは、協同加熱動作であることを示す情報に該当するものである。また、通電制御回路200は、同様の情報を音声合成装置315にも出力する。これにより、音声合成装置315は例えば「左側の副コイルも加熱しています」等という音声情報を作成してスピーカー316に出力し、スピーカー316から上記メッセージが表示と同時に音声で報知される。
なお、広域発光部277の発光、点灯状態継続とは別に、協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4を使用者が視覚的に特定できるように、例えば図11に示したように、副加熱コイルSC1〜SC4毎に設けた個別発光部276を同時に発光、点灯させても良い。
そして使用者からの加熱調理停止指令が来るまでST8〜ST10の処理が数秒間隔の短い周期で繰り返される。一旦、右側の副加熱コイルSC1が協同加熱に関与していたとしても、使用者が調理の途中で鍋(被加熱物N)を無意識に、又は意識して前後左右に少し移動させる場合があるため、その移動後には鍋(被加熱物N)の載置場所が変わってしまう。そこで、常に協同加熱の判断ステップST8では、前記被加熱物載置判断部280や温度センサー31L1〜31L5の情報を通電制御回路200が得て実際に駆動すべき副加熱コイルSC1〜SC4を特定する処理を行っている。
一方、ST8で協同加熱ではないとの判断がされた場合、通電制御回路200が主インバーター回路MIVを制御して主加熱コイルMCのみを駆動させる。これにより、主加熱コイルMCに対し、インバーター回路MIVから高周波電流が供給され、個別加熱が開始される(ST11)。そしてその個別加熱に関与している主加熱コイルMCに対応してその加熱域の外周縁部に光を放射する個別発光部276を、黄色の発光、点灯状態(形態1)から赤色の発光、点灯状態(形態2)に発光形態を変化させる(ST12)。なお、ST3と同じ色を発光、点灯させたまま、発光、点灯を間欠的にして使用者には点滅しているように見えるようにすること、又は発光の明るさを増すことなどの変化にしても良く、何れもこの発明でいう形態の変化、切り替えになる。なお、個別発光部276の発光、点灯状態継続とは別に、広域発光部277の発光、点灯をそのまま継続しても良いが、消灯しても良い。そしてステップ13に進む。
そして使用者からの加熱調理停止指令が来た場合、あるいはタイマー調理を行っていて所定の設定時間が経過した(タイムアップ)ことが通電制御回路200で判定された場合、通電制御回路200は主インバーター回路MIVと、副インバーター回路SIV1〜SIV4を制御して、主加熱コイルMCと、その時点で加熱駆動されていた全ての副加熱コイルSC1〜SC4の通電を停止させる。また通電制御回路200はトッププレート21の温度が高温であるという注意喚起を行うため、全ての広域発光部277と個別発光部276を赤色で点滅させる等の方法で高温報知動作を開始させる(ST14)。
高温報知動作は、主加熱コイルMCと、全ての副加熱コイルSC1〜SC4の通電が停止されてから予め定められていた所定時間(例えば20分間)経過するまで、または温度検出回路240からの温度検出データによってトッププレート21の温度が例えば50℃に下がるまで(自然放熱のため通常20分間以上要する)継続する。このような温度低下又は時間経過の判断がST15で行われ、高温報知条件を満たした場合、通電制御回路200は高温報知を終了させ、加熱調理器の動作を終了する(この後、自動的に電源スイッチもOFFになる。即ち、電源スイッチがONされたときに、図示しない電源スイッチON保持用のリレーへの電源供給が絶たれることにより、このリレーがOFFすることで、電源スイッチも自動的にOFFになる。)。
なお、通電制御回路200は、高温報知動作開始ST14と同期して、前記統合表示手段100の液晶画面に「トッププレートがまだ高温であるから手を触れないように」という注意文やそのようなことが分かる図形などを表示する。なお統合表示手段100の周囲でその近傍に、LEDによって「高温注意」という文字がトッププレート21の上に浮かび上がって表示されるような表示部を別に設けてそれで高温報知を更にしても良い。
以上のような構成であるから、この実施の形態1においては、加熱コイルに通電が開始されて実質的な誘導加熱動作が始まる前に、全ての加熱領域を個別発光部276と広域発光部277の発光、点灯によって使用者に知らせることができる。その上で使用者が加熱源を選択して加熱動作が開始された後で、個別発光部276と広域発光部277の発光、点灯状態が使用者には視認できるから、鍋(被加熱物N)を置く前の準備段階でも鍋(被加熱物N)を載置する最適な場所が分かり、使用者には使い勝手が良い。
また高温報知もその個別発光部276と広域発光部277を利用して行うので、部品点数を増やすことなく、安全性の高い調理器を提供できる。
次に、広域発光部277が、黄色の発光、点灯状態(形態1)から赤色の発光、点灯状態(形態2)に発光形態が変化(ST10)した後、協同加熱動作をする副加熱コイルがSC1からSC2へ切り替わった場合の動作について図20を用いて説明する。
前記したように、使用者が楕円状の鍋(被加熱物N)をトッププレート21上で例えば左に移動させると、被加熱物載置判断部280が主加熱コイルMCと、左側の副加熱コイルSC2の上方に同一の楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていると判断し、この旨の判別情報を通電制御回路200に出力する。通電制御回路200は、被加熱物載置判断部280からの判別情報に基づいてこのことを検知すると(ST10A)、副加熱コイルSC1に対応する副インバーター回路SIV1の制御を停止して、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV2を制御して、主加熱コイルMCとその左側にある特定の副加熱コイルSC2だけを連動して動作させる。これにより、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルMCとSC2に対してそれぞれのインバーター回路MIV、SIV2から高周波電力が供給される。そして右側の副加熱コイルSC1への通電は停止され、既に実行中の「火力」(例えば3kW)と所定の火力配分(例えば、左IH加熱源6Lで3kWの火力で調理しようと調理している場合、主加熱コイルMCは2.4kW、副加熱コイルSC1は600Wであるから、4:1)が維持されてそのまま調理が継続される。この3kWという火力はそのまま統合表示装置100によって数字と文字で表示され続ける(ST10B)。
さらに加熱動作している副加熱コイルがSC1からSC2へ切り替わったことが前記統合表示手段100の対応エリア100L1に文字や図形などで表示される(図18参照)。なお対応エリア100L2に表示しても良い。
そして次のステップST10Cで使用者が火力設定を変えない限り、使用者からの加熱調理停止指令が来るまでST8〜ST10の処理が繰り返され、使用者からの加熱調理停止指令が来た場合、あるいはタイマー調理を行っていて所定の設定時間が経過した(タイムアップ)ことが通電制御回路200で判定された場合、図19のST14へ飛び、通電制御回路200は主加熱コイルMCと、その時点で加熱駆動されていた全ての副加熱コイルSC1〜SC4の通電を停止し処理を終了する(ST14〜ST16)。
この加熱動作終了が前記統合表示手段100の対応エリア100L1に表示される。また使用者が音声合成装置315をスイッチ(図示せず)で切っていない限り、ST10と同様に、音声でも同時に運転終了が報知される。なお、図19〜図21では、制御プログラムを一連のフローチャートで説明したが、異常があるかどうかの判定処理(ST2)や、鍋の載置有無判定処理(ST5)、鍋適正判定処理(ST6)などはサブルーチンとして用意されている。そして加熱制御動作を決めるメインルーチンに対して適宜のタイミングでサブルーチンが割り込み処理されるようになっており、実際の誘導加熱調理実行中には、異常検知や鍋有無検知などが何度も実行されている。
一方、ステップST10Cで使用者が火力設定を変えた場合について説明する。
本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器は、トッププレート21上に載置された被加熱物Nを加熱する主加熱コイルMCと、この主加熱コイルの外側にそれぞれ隣接して設置された複数個の副加熱コイルSC1〜SC4からなる副加熱コイル群SCと、主加熱コイルMCに高周波電流を供給する主インバーター回路MIVと、副加熱コイル群の個々の副加熱コイルにそれぞれ高周波電流を独立して供給する副インバーター回路群SIV1〜SIV4と、主加熱コイルと第1及び又は副加熱コイル上に同じ被加熱物Nが載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部280、使用者によって操作される誘導加熱時の火力を設定する入力部64R、64L、70、71,72、90、94、142〜145と、この入力部の設定情報が表示される統合表示手段100と、前記入力部の設定情報に基づき前記主インバーター回路MIVと、副インバーター回路群SIV1〜SIV4の出力を独立して制御するとともに前記統合表示手段100を制御する通電制御回路200と、を備え、通電制御回路200は、前記被加熱物載置判断部280からの情報に基き前記主加熱コイルMSと副加熱コイル群SCとによる協同加熱動作が開始された場合、使用者の設定した所定火力となるように、主インバーター回路MIVの出力と副インバーター回路群SIV1〜SIV4の出力とを所定の配分に制御し、その後協同加熱動作する副加熱コイルSCの数が増加、減少、又は他の副加熱コイルに切り替わった状態では、変化前の出力配分を維持し、前記表示手段100は、前記協同加熱動作中における副加熱コイルの数の増加、減少又は他の副加熱コイルへの切り替えに拘らず、前記所定の火力が目視できる表示をする構成にしてある。
図20のST10Cにおいて、火力の変更指令があったと判断された場合は、図21のST17に進む。ST17ではその変更後の火力が所定の火力レベル(例えば501W)よりも大きいか小さいかの判断がされ、所定火力よりも大きい火力に変更される場合はST18に進み、通電制御回路200の制御によって所定の火力配分が維持される。つまり、前記した3kWの例では、実行中の火力が3kWの場合、所定の火力配分とは、主加熱コイルMCは2.4kW、副加熱コイルSC2は600Wで、4:1であったので、この配分が維持される。そして通電制御回路200によって変更後の設定火力が統合表示手段100の対応エリア100L1に「火力中 1kW」のように表示される。
一方、所定の火力レベル(501W)より小さい火力(120W、300Wと500Wの3つがある)に変更される場合、ステップ17の処理でステップ19に進むようになり、別の火力配分になるように通電制御回路200が制御指令信号を主インバーター回路MIVと、副インバーター回路群SIV1〜SIV4に出力する。このため、協同加熱する副加熱コイルSCが1つの場合でも2個以上の場合でも、主加熱コイルMCと副加熱コイルSCとの火力の差は一定の率に維持される。またこの変更後の火力は、そして変更後の設定火力が統合表示手段100の対応エリア100L1に「火力:小 500W」のように表示される。
具体的に代表的な火力と火力比の例を、以下の表1〜表3に示す。
Figure 2011148568
Figure 2011148568
Figure 2011148568
一方、所定の火力レベル(501W)より小さい火力(120W、300Wと500Wの3つ)に変更される場合、副加熱コイルSCの最小駆動火力を50Wとした場合、表2に示すような火力比4:1では表4に示すように25Wや33Wという小火力にて駆動することになるから問題がある。
すなわち、現実の製品では被加熱物Nとなる金属鍋の個々のインピーダンスが異なるため、所定値以上の大きさ高周波電力を印加しても鍋に投入され熱に変換される割合は一定ではないことから、本実施の形態で説明したように電流検出センサー227で、左IH加熱コイル6LCと共振コンデンサー224Lの並列回路からなる共振回路に流れる電流を検出し、被加熱物Nがあるかどうかという判定や誘導加熱に不適当な鍋(被加熱物N)であるかどうかの判定、さらには正規の電流値に比較して所定値以上の差の過少電流や過大電流が検出されていないかどうか等の判定に利用している。これにより指定された火力を発揮するように誘導加熱コイルに印加する電流を細かく制御している。従って、火力設定を小さくした場合、流れる電流も微小で、その検知が正確にできなくなる問題が生ずる。言い換えると、火力が大きい場合は共振回路に流れる電流成分の検知が比較的容易であるが、火力が小さい場合は、電流センサーの感度上げるなどの対策を実施しない限り火力変化に正確に対応できないことがあり、目的とするような正確な火力制限動作を実行できないからである。
なお、図示していないが、実際にはインバーター回路MIV、SIV1〜SIV4に対する電源の入力電流値も検知し、前記したように電流センサーによるコイルの出力側の電流値と両方を併用して適切な制御をするものでも良い。
なお、副加熱コイルSCも、左IH加熱コイル6LCの主加熱コイルと同様に、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線からなる集合線で形成されているが、誘導加熱を生じさせる電流が流れる断面積自体が小さいから、主加熱コイルMCに比較して大きな駆動電力を投入できず、最大加熱能力も相対的に小さい。但し、コイル単体の細い線の線径を更に細くし、かつより多く巻いてコイル導線の表面積を増やせば、インバーター回路SIV1〜SIV4の駆動周波数を上昇させても表皮抵抗を減らすことができ、損失を抑制して温度上昇も抑制しながら更に小さな火力を連続的に制御できる。
Figure 2011148568
そこで、この実施の形態1では火力配分を3:2に変更する制御を行っている。
なお、火力120Wや300Wの場合、火力配分3:2でも最小駆動火力50W以上が維持できない場合があるので、その場合は、統合表示手段100の対応エリア100L1に「設定された火力が小さすぎて加熱調理できません。火力を500W以上に設定して下さい」のように火力変更を促す表示がされるか、または主加熱コイルMCだけの加熱に制限するなどの制御が行われる。実際に主加熱コイルMCと副加熱コイルSCの両方に跨るような大きな鍋を120Wや300Wで加熱する場面は想定しにくいので、上記のような制御をしても実際の使い勝手を損なう懸念はない。
協同加熱動作時に、主加熱コイルMCと副加熱コイル群SC1〜SC4の火力比(電力比とも言う)が略一定の範囲となるように、それぞれに供給する電力量を通電制御回路200にて制御しているが、上記したように小さな火力設定の場合に印加する電力量を低く抑えることが難しいから、実際の電力供給時間を制限することによって単位時間当たりの電力量を下げるような制御にしても良い。例えば副インバーター回路SIV1〜SIV4から各副加熱コイルSC1〜SC4に対して電力印加時間を通電率制御によって例えば50%に減らせば、実際に加熱に寄与する単位時間あたりの電力量を50%にすることが可能である。つまり印加する電力の周波数を制限するだけでは火力を減らすことが困難な場合は、通電率制御により電力を供給する時間と供給しない時間との割合を減らすことで更に実質的に作用する電力を、より小さな値まで絞ることができるので、このような制御を採用しても良い。
なお、この発明の実態形態1において協同加熱時に、主加熱コイルMCと副加熱コイル群SC1〜SC4との火力比を略一定に維持するとしているが、協同加熱中のあらゆる場面において常に火力比を「所定の比」に維持することに本発明は限定したものではない。例えば、火力設定を使用者が変えた場合に、その変更直後は過渡的に制御が安定しない場合があり、目標とする火力比から一時的に外れることがある。また鍋を協同加熱中に横に移動させたり、短時間だけ持ち上げたりした場合、そのような挙動を電流センサー227、267A〜267Dが検知して誤った使用方法でないかどうか等を識別することが必要であり、適当な制御処理を選択する時間が必要となる。この識別や適応制御の実行が確定するまでの間、目標とする火力比から一時的に外れることがあっても良い。使用者は瞬間的な印加電流の変化などを知るよりも、自分が設定した火力が意図に反して変更されていないことを確認できれば、調理の過程で不安感を抱くことがない。
なお、火力設定を使用者が変えない場合であっても、別の調理メニューを使用者が選択した場合、主加熱コイルMCと副加熱コイル群SC1〜SC4との火力比は変わる場合がある。例えば外形が長方形の大型のフライパンを用い、それを前後方向に長くなるように、かつ中心点X1より少し左側位置でトッププレート21の上に置いてハンバーグを数個焼いている場合は、図9に示した主加熱コイルMC並びに左斜め前の第2の副加熱コイルSC2と左斜め後部の第4の副加熱コイルSC4で加熱することになるが、そのフライパン底面全体が平均的に温度上昇するよう、例えば火力1.5KW又は2KWが推奨され、所定の火力比で主加熱コイルMCと副加熱コイルSC2、SC4に対する供給電力量の制御目標値が設定されるが、同じ位置に同じフライパンを置いて2KW又は1.5KWで今度は数個以上の卵を使った卵焼きをする場合、フライパン底面全体に調理の具材(卵を溶いたもの)が薄く広がるので、フライパンの底面中央部より周辺部の温度上昇を早め、周辺部の火力を少し強めた方が調理の出来映えが良い場合がある。そこでこのような調理メニューの場合は、2つの副加熱コイルSC2、SC4全体の火力の方を、主加熱コイルMCの火力よりも大きくする。このように実際の調理メニューの内容によっては、主加熱コイルMCと副加熱コイル群SC1〜SC4との火力比を(同じ火力レベルであっても)変えることが望ましい。
なお、この実施の形態1では、主加熱コイルMC側の方が副加熱コイル群SC1〜SC4全体の火力よりも大きな火力を発揮するように設定されているが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。主加熱コイルMC側と個々の副加熱コイルSC1〜SC4の構造や大きさ、あるいは副加熱コイルSCの設置数などの条件によって、色々な変更が可能であり、例えば、副加熱コイル群SC1〜SC4全体の火力の方を主加熱コイルMCの火力よりも大きくしたり、両者を同じにしたりしても良い。但し、一般家庭での使用を考えた場合、通常は円形の普通サイズの鍋、例えば直径20cm〜23cm程度の鍋を使用する頻度が高いので、そのような一般的な鍋を使用した場合、主加熱コイルMC単独で誘導加熱することになるから、このような調理に必要な最低火力を発揮できる配慮をすることが望ましい。また協同加熱時、つまりある時間内において2つ以上の独立した誘導加熱コイルを共に駆動して磁気的に連携させる場合は、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4の動作タイミングを合わせることが安定した確実な制御の観点から望ましい。例えば、主インバーター回路MIVと第1の副インバーター回路SIV1による加熱の開始タイミング、加熱の停止タイミング、火力の変更タイミングの少なくとも何れか1つを合わせることが望ましい。この一例としては、主インバーター回路MIVと第1の副インバーター回路SIVIが同時に動作している状態から、第2の副インバーター回路SIV2に動作が切り替わる際、主インバーター回路MIVと第1の副インバーター回路SIVIの動作を同期させて停止し、その後、主インバーター回路MIVと第2の副インバーター回路SIV2の2つを同時に駆動させるようにすることが考えられる。なお、主インバーター回路MIVと各副インバーター回路SIVは、駆動直後の所定時間(例えば10秒間)だけは所定の低火力に制限され、この所定時間内に実施の形態1において図19〜図21で示したような、異常があるかどうかの判定処理(ST2)や、鍋の載置有無判定処理(ST5)、鍋適正判定処理(ST6)などの一部又は全部を割り込み処理し、問題なければ、その後自動的に使用者が設定されている火力まで増加させて調理続行するという制御にしても良い。
なお、上記の例では、IH加熱コイルと共振コンデンサーの並列回路から成る共振回路を例に挙げて説明したが、IH加熱コイルと共振コンデンサーの直列回路から成る共振回路を用いても良い。
また、前述した実施の形態1では、左IH加熱コイル6LCが誘導加熱中である場合には左冷却室8Lの送風機30のみを運転し、右冷却室8Rの送風機30は運転しない、という前提で説明したが、加熱調理器の使用状態(例えば左右IH加熱コイル6LC、6RCを同時に駆動して直前まで別の調理をしていたとか、あるいは輻射式中央電気加熱源7やグリル加熱室9を使用するとかのケースをいう)や、上部部品室10の温度等の環境によっては、左右の冷却室8L、8Rの各送風機30を同時に運転しても良く、また左右それぞれの送風機30の運転速度(送風能力)は常に同じではなく、一方又は両方を調理装置使用状態に応じて適宜変化させるようにしても良い。
また、左右の冷却ユニットCUの外形寸法は必ずしも同じでなくともよく、送風機30や回転する翼部30F、モータ300、ファンケース37、部品ケース34の各部寸法も、冷却される対象物(誘導加熱コイル等)の発熱量や大きさ等に応じて適宜変更できるが、左右のIH加熱源6L、6Rの最大火力が同等の場合には、2つの冷却ユニットCUの構成部品の寸法や仕様を可能な限り共通化し、生産コスト低減や組立性向上を図ることが望ましい。冷却ユニットCUを左右何れか片側に設置することなど変更することは本発明の趣旨とは何ら関係しない。
更に、上下仕切り板24R、24Lや水平仕切り板25は本発明を実施する上では必ずしも必要ではない。例えばグリル加熱室9の外壁面を断熱材で覆うことはもちろん、グリル加熱室9の外壁面との間に十分な間隙が確保できる場合、あるいはその間隙の温度を低く抑えることができる場合(例えば空気を自然対流又は強制対流させる)には、それら仕切り板24、25や断熱材は省略しても良い。さらに冷却ユニットCU自体の外壁面の内、グリル加熱室9の外壁面に対面する側に遮熱パネル取り付けたり、断熱性皮膜を形成したりしても良い。こうすればグリル加熱室9の外壁面との対面間隔を最終にでき、本体部Aの横幅を同じであるとすれば、その分グリル加熱室9の横幅寸法を大きくすることができる。
また、以上の実施の形態1では、統合表示手段100は、左IH加熱コイル6LC、右IH加熱コイル6RC、輻射式中央電気加熱源(ヒーター)7、輻射式電気加熱源(ヒーター)22、23の4つの熱源の動作条件を個別又は複数同時に表示できる上、入力キー141〜145をタッチ操作することで加熱動作の開始や停止を指令し、また通電条件を設定することが出来たが、このような通電制御回路200に対する入力機能を備えず、単なる表示機能だけに限定したものであっても良い。
さらに前記主加熱コイルMC及び副加熱コイルSC1〜SC4の上方に同一の鍋(被加熱物N)が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部280は、上記実施の形態で説明した赤外線センサー31のように温度を検出するものや、電流検出センサー227のように加熱コイルに流れる電流を検出するものの他に、センサーの上方に鍋(被加熱物N)があるかどうかを光学的に検知する手段を用いても良い。例えば、トッププレート21の上方に鍋(被加熱物N)がある場合は、台所の天井の照明器具や太陽光などが入射されないが、鍋(被加熱物N)が無い場合はそれら照明光や太陽光などの外乱光が入射するので、これらの変化を検知するものであっても良い。また加熱コイルに流れる電流とインバーター回路に流れる入力電流とに基づいて鍋(被加熱物N)の材質を判定する方法以外としては、例えば加熱コイルに流れる電圧とインバーター回路に流れる入力電流とに基づいて鍋(被加熱物N)の材質を判定する方法など、他の電気的特性を利用する方法が考えられる。例えば、特開2007−294439号公報には、そのようにインバーター回路への入力電流値と加熱コイルに流れる電流値とに基づいて被加熱体の材質と大きさを判別する技術が紹介されている。
なお、この発明の実態形態1で、主加熱コイルMCと1つ以上の副加熱コイルSC1〜SC4の上に、同一の鍋(被加熱物N)が載っていることを被加熱物載置判断部280が「判断する」と説明しているが、実際に鍋が1つであること自体は判断していない。つまり現実に置かれた鍋の数をカウントする処理は採用していない。この種の誘導加熱調理器においては、一つの誘導加熱コイルの上に複数個の被加熱物Nが同時に載せられた状態で調理されるということは想定しにくいので、本発明者らは、前記した電流センサー227、267A〜267Dによって主加熱コイルMCと1つ以上の副加熱コイルSC1〜SC4のインピーダンスの大きさを検知し、そのインピーダンスに大きな差がない場合を「同一の鍋(被加熱物N)が載っていること」とみなすことにしたものである。言い換えると、被加熱物載置判断部280は図14に示すように、主加熱コイルMCと1つ以上の副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流の大きさが分かるから、それぞれのインピーダンスの大きさが分かる。そこでこのインピーダンスの値が所定の範囲に入っている場合には、同一の鍋(被加熱物N)が載っているという判断信号を通電制御回路200に送信する。同じように赤外線センサー31で温度を検知する場合も、複数個の加熱コイルに対応した各赤外線センサー31の検出温度が同等であるかどうかという比較結果から同一の鍋(被加熱物N)が載っていると被加熱物載置判断部280が判断するものであり、前記した鍋の有無によって受光量が変化することを利用した光センサーという手段を用いる場合も、光の受光量の大小比較から主加熱コイルMCと1つ以上の副加熱コイルSC1〜SC4の上に鍋が載っていると処理することが現実的である。
実施の形態2.
図22、図23は本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器を示すものであり、図22は誘導加熱調理器の左側誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大縦断面図、図23はその統合表示手段を示す平面図である。なお、前記実施の形態1の構成と同一又は相当部分には同一符号を付している。
この実施の形態2では、図22に示すようにコイル支持体290の下方にある冷却ダクト42には、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に対面する部分に、多数の噴き出し孔42Cを形成する一方、冷却風Y4が右IH加熱源6Rの方向から供給されるように構成しており、冷却ダクト42の側壁には、前記個別発光部276の側面下方に向けて冷却風を噴き出すための貫通孔310を形成している。
また、トッププレート21には円形の協同加熱エリアマークEMを印刷等により形成しており、前記個別発光部276からの光がその協同加熱エリアマークEMの内側近傍から上方に放射されるように構成している。また協同加熱エリアマークEMの外側近傍から広域発光部277の光が上方に放射されるように構成している。
この実施の形態2では、統合表示手段100の液晶画面からなる左IH加熱源6Lの対応エリア100Lには、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4との協同加熱が行われていることを図形で使用者に示すための模式的な図形311が表示されることを第1の特徴としている
すなわち、図23に示すように統合表示手段100の液晶画面に確保される所定の対応エリア100Lには、主加熱コイルMCを模式的に示す図形311と、副加熱コイルSC1〜SC4を模式的に示す図形312が表示される。図形311の周囲に表示される4つの図形312の内、協同加熱動作しているものは色が異なって表示される。図23では左側の図形312が協同加熱動作中であり、当然ながら主加熱コイルMCを示す図形311も協同加熱中のみ他の図形312と色を変えて表示される。
さらにこの実施の形態2では、統合表示手段100の表示画面には、使用されている加熱源の個別の消費電力を数値とグラフで表示する3つの表示部313L、313M、313Rが加熱動作中に現れる。図23では3kW、0kW及び0.8kWの表示が消費電力を意味している。
また全体の消費電力を数値で示す表示窓314が、統合表示手段100の液晶画面の中において、その前方側位置に現れることを第2の特徴としている。なお、消費電力はインバーター回路に流れる電流やその他主要な電動部品(例えば送風機30など)の電流を積算する回路を別に設ける必要がある。
図23において、入力キー317と318は左IH加熱源6Lの火力を設定するための一対のキーであり、一回押す毎に1段階火力を大きく設定できる加算用キー317と、逆に一回押す毎に1段階火力を小さく設定できる減算用キー318から構成されている。
同様に、入力キー319と320は右IH加熱源6Rの火力を設定するための一対のキーで、一回押す毎に1段階火力を大きく設定できる加算用キー319と、逆に一回押す毎に1段階火力を小さく設定できる減算用キー320から構成されている。これら4つの入力キーは、操作が必要な場面、例えば調理開始の前の段階で自動的に液晶画面上に現れる。入力キー146L、146Rは実施の形態1における図16の入力キーのようなキーであり、前記した4つの入力キー317〜320のように、操作が必要な場面、例えば調理開始の前の段階で自動的に液晶画面上に現れるが、調理の開始と終了との2つの指令を通電制御回路200に与えるものであり、左IH加熱源6Rの加熱を開始する場合は、左側の入力キー146Lを1回タッチすれば加熱源6Lの選択動作と誘導加熱指令が与えられ、さらにもう1回タッチすればその誘導加熱動作を即時停止する指令が通電制御回路200に与えられる。右側の入力キー146Rも同様に1回タッチすれば右側のIH加熱源6Rの選択動作と誘導加熱指令が与えられ、さらにもう1回タッチすればその誘導加熱動作を即時停止できる。
図23の入力キー95は、実施の形態1における図16の輻射式電気加熱源22、23用操作ボタン95と同様な機能を有するキーであり、前記した4つの入力キー317〜320のように、操作が必要な場面、例えば輻射式電気加熱調理開始の前の段階で自動的に液晶画面上に現れる。これを1回タッチすれば電気加熱源22、23の選択動作と加熱指令が与えられ、またもう1回タッチすればその加熱調理動作を即時停止する指令が通電制御回路200に与えられる。これら入力キー95、317〜320は何れも統合表示手段100の表示画面の上面全体を覆うトッププレート21の表面と裏面に電極部を形成した静電容量式スイッチの入力部になっている。
図23のZ1は、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4との協同加熱が行われていることを示す前記図形311と、火力情報表示位置との相互間隔(距離)を示す。図23では図形311の表示位置は、同じ統合表示手段100の左加熱源6Lの対応エリアL1の中であり、火力情報「3kW」という表示とZ1の距離をおいて隣接している。つまり火力情報の表示位置と協同加熱動作の表示位置は隣接している。なお、このZ1の実際の大きさは、使用者が数十cm〜1m(メートル)程度離れたトッププレート21の上面の左側部分を視角に入れて調理している際に、その視線を上下・左右に変化させずに火力表示と協同加熱動作表示を同時に視認できるよう10cm以下が望ましいが、この数値に本発明は何ら限定されるものではない。隣り合っていないが、相互の位置関係が近い場合を「近接」という。
火力の情報表示位置と協同加熱動作を示す情報の位置が「近接」という場合は、使用者が調理器の上面にある統合表示手段100などの表示手段を視角に入れて調理している際に、その視線を上下・左右に大きく変化させずに見える程度の範囲をいう。言い換えると、例えば使用者が先に火力情報を視認し、その後協同加熱動作の確認をする場合、前者から後者の確認のために大きく頭を動かしたり、視線を動かしたりしないで済む範囲と言える。
上記構成のため鍋(被加熱物N)が置かれてその影で個別発光部276の一部(鍋の背後側で多く発生する)が使用者に見えにくい場合でも、統合表示手段100の左IH加熱源6Lの対応エリア100Lには、実際に協同加熱に関与している副加熱コイルがSC1〜SC4の内のどれであるかがはっきりと視認できる。
以上のような構成であるから、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との連携によって協同加熱が行われている場合、通電制御回路200は協同加熱動作を実行中の副加熱コイルSCを特定できるように駆動回路278を制御してその副加熱コイルSCの外側位置にある個別発光部276だけを発光、点灯させる。図23の例では、協同加熱動作を実行中の副加熱コイルSC2は、主加熱コイルMCの左側位置に配置された副加熱コイルSC2であることを表示している例であり、図23に示すように副加熱コイルSC2の左側位置にある個別発光部276だけを発光、点灯させるように、通電制御回路200の制御の下に駆動回路278が個別発光部276を駆動する(光源が発光、点灯する)。
図22の広域発光部277は、使用者が主電源スイッチ63の操作ボタン63A(図2参照)を押して電源を投入した段階から駆動回路278によって駆動されるので、楕円状の鍋(被加熱物N)を左IH加熱源6Lの上方に置く段階から、その載置場所を使用者に案内することができる。そして、楕円状の鍋(被加熱物N)を一時的に持ち上げたり、左右に移動したりしてもこの広域発光部277の発光、点灯状態は変化せず、使用者に対して楕円状の鍋(被加熱物N)を載置するのに好ましい場所を表示し続ける。
また、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部と主加熱コイルMCとの協同加熱動作か、あるいは主加熱コイルだけの単独加熱であるかどうかに関係なく、常にトッププレート21上から使用者は設定された火力がどうなっているのかを統合表示手段100の液晶画面を見ることで確認することができる(音声合成装置315によっても知ることができる)。また協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4が変化しても、その後に火力の情報を使用者は容易に知ることができる。
さらにこの実施の形態2では、左IH加熱源6Lを使用する場合、主加熱コイルMCの図形311と、全ての副加熱コイルSC1〜SC4を模式的に示す4つの図形312は一斉に表示され、加熱調理が開始されて実際に協同加熱に貢献している副加熱コイルSC1〜SC4がある場合、その副加熱コイルSCを特定できる図形312だけが別の色に変化したり、点滅したりするなどの変化を示し、使用者に報知することができる。図23では左側の副加熱コイルSC2と中央の主加熱コイルMCの表示色が他の副加熱コイルSC1、SC3、SC4と異なっていることが分かる。さらに各コイルの火力配分も2.4kW、0.6kWのように直接電力が数値で表示される。
なお、この実施の形態2では、コイル支持体290の下方にある冷却ダクト42から副加熱コイルSC1〜SC4の中央に形成された空間272を冷却風Y4が通過して副加熱コイルSC1〜SC4を内側から冷却する(図22参照)。一方、一部の冷却風Y4が個別発光部276の側面下方に向けて噴き出すため、プラスチックで導光部が形成された個別発光部276と広域発光部277を貫通孔310から噴き出た冷却風によって冷却し、それらの熱的劣化や変形を防止できる。
実施の形態3.
図24、図25は本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器を示すものであり、図24は左側の誘導加熱源を示す平面図、図25はその左側加熱源の火力表示部分を示す平面図である。なお、前記実施の形態1の構成と同一又は相当部分には同一符号を付している。
この実施の形態3では、個別発光部276を副加熱コイルSC1〜SC4の外周に沿って長く設けずに、1箇所又は2箇所の局部発光、点灯によって表示するようにしたものである。すなわち、図24に示すように使用者側に近い2つの副加熱コイルSC1とSC2については、それらコイルの両端部に近い位置に個別発光部276をそれぞれ設け、使用者側から遠い(奥側の)2つの副加熱コイルSC3とSC4については、それらコイルの前方側端部に近い位置に個別発光部276をそれぞれ設けている。
この実施の形態3では、前記した実施の形態1における統合表示手段100の液晶画面に代わるものとして、図25に示すように左IH加熱部6L専用の表示部100LXを有し、その表示部の表示画面には、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4との協同加熱が行われていることを図形で使用者に示すための模式的な図形311と図形312が表示されることを第1の特徴としている(この点は前記実施の形態2と同じ)。
なお、協同加熱動作をしていることは「主・副コイル加熱中」という表示CMでも同時に分かる。
すなわち、主加熱コイルMCを模式的に示す図形311と、副加熱コイルSC1〜SC4を模式的に示す図形312が左IH加熱部6L専用の表示部100LXの上に表示され、協同加熱に関与している副加熱コイルがどれであるかということを表示している。
さらにこの実施の形態3では、左IH加熱部6L専用の表示部100LXには、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC群全体の最新の火力も文字などの表示337で表示される。図25の例では2kWが現在投入されて誘導加熱動作中であることが分かる。
入力キー330〜336は火力用の入力キーであり、本体上面のトッププレート21の表面部分に、静電容量式のスイッチによって形成されており、各入力キーの電極部に対応して、トッププレート21の下方には表示部100LXを構成する単一画面又は複数の並んだ画面から構成された液晶表示画面がある。その液晶表示画面によって各火力設定用の入力キー330〜336の位置が識別可能となる。これら入力キー330〜336は、各火力値に対応して7個設けてあり、1回のタッチ操作でダイレクトに火力設定できる。特定の火力を選択すると、その入力キー部分は誘導加熱中に光り続ける。図の例では強火力(2kW)を「強火力:5」334により選択した状態であり、他の入力キーよりも裏側から放射される光により強調される。
入力キー317と318は左IH加熱源6Lの火力を設定するための一対のキーであり、一回押す毎に1段階火力を大きく設定できる加算用キー317と、逆に一回押す毎に1段階火力を小さく設定できる減算用キー318から構成されている。
入力キー146Lは実施の形態2の入力キー146Lと同様なキーであり、前記した7つの火力用の入力キー330〜336のように、調理開始の前の段階から調理完了までの期間中、適宜自動的に(即ち、通電制御回路200の制御の下に)液晶画面上に現れたり消えたりし、調理の開始と終了との2つの指令を通電制御回路200に与えるものである。また調理の加熱前の最初にこれを押すと、左IH加熱源6Lを選択できる。その後誘導加熱中にこれを押すと、誘導加熱は即時に停止できる。再び押せば誘導加熱を開始できる。高温報知部分338は誘導加熱中に、トッププレート21が高温になることを警告の意味で表示するものである。図に示すように文字で示しても良いし、図形で示しても良い。
以上のような構成であるから、前記実施の形態1〜2と同様に、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との連携によって協同加熱が行われている場合、個別発光部276は協同加熱動作を実行中の副加熱コイルがSC2であると特定する目的で点灯するとともに、広域発光部277は、どの副加熱コイルSC1〜SC4が協同加熱動作しているかどうかに関係なく、常にトッププレート21上に鍋(被加熱物N)の好ましい載置場所を表示し続ける。
また、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部と主加熱コイルMCとの協同加熱動作か、あるいは主加熱コイルだけの単独加熱であるかどうかに関係なく、常にトッププレート21上から使用者は設定された火力がどうなっているのかを統合表示手段100の画面を見ることで確認することができる(音声合成装置315によっても知ることができる)。また協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4が変化しても、その時点での火力の情報を使用者は容易に知ることができる。
なお、使用者側から遠い(奥側の)2つの副加熱コイルSC3とSC4については、それらコイルの後方側端部に近い位置に個別発光部276を設けていないのは、置かれた鍋(被加熱物N)の陰になってしまって使用者に目視しにくいということを考慮したためであり、またコスト的にも安くできるというメリットがあるが、個別発光部276を後方位置にまで設けても何ら支障はない。
以上のような構成であるから、本実施の形態3では前記実施の形態2と同様に、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との連携によって協同加熱が行われている場合、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部と主加熱コイルMCとの協同加熱動作か、あるいは主加熱コイルだけの単独加熱であるかどうかに関係なく、常にトッププレート21上から使用者は設定された火力がどうなっているのかを確認することができる。また協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4が変化しても、その時点での火力の情報(図25の例では合計で2kWであること)を使用者は容易に知ることができる。
実施の形態4.
図26、図27は本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器を示すものであり、図26は左側の誘導加熱源を示す平面図、図27はその左側加熱源の火力表示部分を示す平面図である。なお、前記実施の形態1の構成と同一又は相当部分には同一符号を付している。
この実施の形態4では、個別発光部276を副加熱コイルSC1〜SC4の外周に沿って長く設けずに、広域発光部277と同一円周上に円状の個別発光部276を4箇所設けている。中央発光部(主加熱コイル発光部)STCは主加熱コイルMCの周囲を囲むようにトッププレート21の下方に設置したものであり、主加熱コイルMCの加熱領域と略対応したエリアの外縁位置を示しており、実施の形態1の図1、図3に示した案内マーク6LMの直下に近い位置に環状に設けてある。
また個別発光部276は、協同加熱している場合と、協同加熱していない場合で、放射する光の色を異ならせている。
また前記した実施の形態3と同様に、左IH加熱部6L専用の表示部100LXを有し、その表示部100LXの表示画面には、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内のいずれかとの協同加熱が行われていることを図形で使用者に示すための模式的な図形311、312が表示されることを第1の特徴としている(この点は前記実施の形態2、3と同じ)。
すなわち、主加熱コイルMCを模式的に示す図形311と、副加熱コイルSC1〜SC4の少なくとも1つを模式的に示す図形312が左IH加熱部6L専用の表示部100LXの上に表示される(図27参照)。
さらにこの実施の形態4では、左IH加熱部6L専用の表示部100LXには、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC群全体の最新の火力も文字などの表示337で表示される。図27の例では2kWが現在投入されて誘導加熱動作中であることが「現在の火力2kW」という文字と「加熱中」という文字での表示で明瞭に分かる。
入力キー330〜336は火力用の入力キーであり、本体上面のトッププレート21の表面部分に、静電容量式のスイッチによって形成されており、そのスイッチの電極部に対応して、トッププレート21の下方には表示部100LXを構成する単一画面又は複数の並んだ画面から構成された液晶表示画面がある。その液晶表示画面によって各火力設定用の入力キー330〜336の位置が識別可能となる。これら入力キーは、各火力値に対応して7個設けてあり、1回のタッチ操作でダイレクトに火力設定できる。
火力設定された瞬間に、その入力キー単体と、火力の段階を示す表示である「中火力、強火力」などの文字部分とは下方に配置された光源(例えば発光ダイオードなど)で光るから、この発光有無を見て、使用者はどの入力キー330〜336の火力が有効であるかどうかを知ることができる。
特定の火力を選択すると、その入力キー部分は誘導加熱中に光り続ける。図27の例では強火力(2kW)を「強火力:5」334により選択した状態であり、他の入力キーよりも裏側から放射される光により強調される。
図27のZ1は、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4との協同加熱が行われていることを示す図形311、312と、火力情報表示位置との距離を示す。図27では図形311、312の表示位置は、専用の表示部100LXの表示画面の中であり、火力情報「2kW」という表示と(副加熱コイルの一つを示す)図形312とは、距離Z1を隔てているが隣接している。つまり火力表示と協同加熱動作表示が隣接している。またZ2は、主加熱コイルMCを示す図形311と、前記火力用入力キー334の「強火力」という表示部分との距離を示す。
なお、このZ1、Z2の実際の大きさは前記実施の形態2で説明したように、10cm以下が望ましいが、この数値に本発明は何ら限定されるものではない。この実施の態様のように、火力用の入力キー334のように、「強火力」という表示が対応し、かつその入力キー334が他の入力キーとは異なった表示形態になっていれば、その入力キー部分で同時に火力情報も表示されていることになる。
入力キー317と318は左IH加熱源6Lの火力を設定するための一対のキーであり、一回押す毎に1段階火力を大きく設定できる加算用キー317と、逆に一回押す毎に1段階火力を小さく設定できる減算用キー318から構成されている。
入力キー146Lは実施の形態2の入力キー146Lと同様なキーであり、前記した7つの火力入力キー330〜336のように、調理開始の前の段階から調理完了までの期間中、適宜自動的に液晶画面上に現れたり消えたりし、調理の開始と終了との2つの指令を通電制御回路200に与えるものである。また調理の加熱前の最初にこれを押すと、左IH加熱源6Lを選択できる。その後誘導加熱中にこれを押すと、誘導加熱は即時に停止できる。再び押せば誘導加熱を開始できる。高温報知部分338は誘導加熱中に、トッププレート21が高温になることを警告の意味で表示するものである。
図27のマーク339は主加熱コイルMCに投入されている火力の大きさを四角の棒状図形で示した火力表示マークであり、マーク340は同じく副加熱コイル群SC全体の火力の大きさを四角の棒状図形で示した火力表示マークであり、これら2つの火力表示マークの表示される高さが火力の大小に比例して変化する。例えば図27に示すように(主加熱コイルMCのための)左側の火力表示マーク339の大きさ(高さ)が、(副加熱コイル群SCのための)右側の火力表示マーク340に比較して数倍大きいので、左側、つまり主加熱コイルMC側の火力が数倍大きい状態で動作していることが容易に分かる。
以上のような構成であるから、前記実施の形態1〜3と同様に、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との連携によって協同加熱が行われている場合、個別発光部276は協同加熱動作を実行中の副加熱コイルSC2を特定するため、発光、点灯色を変化させて当該副加熱コイルを使用者に知らせることができる。
例えば、図26に示すように、楕円状の鍋(被加熱物N)が主加熱コイルMCと左側の副加熱コイルSC4の上方に跨るように置かれて加熱動作開始された場合、通電制御回路200は被加熱物載置判断部280からの判断結果に従って、主加熱コイルMCと左側の副加熱コイルSC4の上方に同一素材の楕円状の鍋(被加熱物N)が存在していると判断し、その両者に所定の火力配分で高周波電力を供給するように主加熱コイル用インバーター回路MIVと、副加熱コイル用インバーター回路SIV4を駆動する。
この場合、副加熱コイル用インバーター回路SIV4の左近傍にある個別発光部276だけが通電制御回路200の制御により他の個別発光部276の発光、点灯色や点灯形態と異なる発光、点灯をする。例えば協同加熱していない場合は、個別発光部276の発光、点灯色はトッププレート21の上方から見て「黄色」であるが、協同加熱している場合は、「赤色」に変わるようになる。
また、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部と主加熱コイルMCとの協同加熱動作か、あるいは主加熱コイルだけの単独加熱であるかどうかに関係なく、常にトッププレート21上から使用者は設定された火力がどうなっているのかを専用の表示部100LXの画面を見ることで確認することができる(音声合成装置315によっても知ることができる)。また協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4が変化しても、その時点での火力の情報を使用者は容易に知ることができる。
なお、この実施の形態4においては、主加熱コイルMC単体で加熱する場合に、より明確に鍋等の被加熱物Nの好ましい載置場所を示すように、主加熱コイルMCの加熱領域と略対応した加熱エリア外縁位置を示す中央発光部(主加熱コイル発光部)STCを設けているので、主加熱コイルMCの外径に合った通常サイズの円形鍋(被加熱物N)を使用する場合、主加熱コイルMCの中心位置や好ましい載置場所が容易に目視で把握できる。
また、この実施の形態4において、中央発光部(主加熱コイル発光部)STCは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とによる協同加熱動作開始前に発光、点灯動作し、主加熱コイルと副加熱コイルの協同加熱中においても発光、点灯を継続しているが、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協同加熱中は消灯するようにしても良い。これは個別発光部276の発光、点灯状態を見て使用者は中央発光部(主加熱コイル発光部)STCの位置を凡そ想像でき、協同加熱エリアマークEMの位置と合致している個別発光部276の位置が外側限界であると認識し、その個別発光部276に近づかない(反対)方向、すなわち主コイル中心点X1の方向が好ましい加熱域の中心であると容易に理解できるからである。
なお、使用者側から遠い(奥側の)副加熱コイルSC3については、そのコイルの後方側端部に近い位置に個別発光部276を設けておらず、横に配置している。これは置かれた鍋(被加熱物N)の陰になってしまって使用者に目視しにくいということを考慮したためであるが、個別発光部276を副加熱コイルSC3の後方位置に設けても何ら支障はない。
実施の形態5.
図28、図29は本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器を示すものであり、図28は本体全体を示す平面図、図29は誘導加熱調理器の左側誘導加熱源の主加熱コイルとその周辺部分の拡大縦断面図、図30はそのトッププレートの半分から左側の要部を示す平面図で、協同加熱動作を実行している状態を示したもの、図31は同じくそのトッププレートの半分から左側の要部を示す平面図で、協同加熱動作をしていない状態を示したものである。なお、前記実施の形態1〜4の構成と同一又は相当部分には同一符号を付している。
また前記した実施の形態3、4と同様に、左IH加熱部6L専用の表示部100LXを有している。つまり、前記実施の形態1のように本体部Aの左右中心位置から左側寄り位置に、左火力設定用操作部71を設け、この近傍でその後方位置に使用者がトッププレート21を通して一つ又は複数個の表示画面が目視できるような表示部100LXをトッププレート21の前方(使用者から見て前方であり、図28の紙面では下方)近傍に配置している(図30参照)。その表示部100LXの表示画面には、図30に示すように主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内の少なくとも1つとの協同加熱が行われていることを図形で使用者に示すための模式的な図形311、312が表示されることを第1の特徴としている(この点は前記実施の形態2、3、4と同じ)。すなわち、主加熱コイルMCを模式的に示す図形311と、副加熱コイルSC1〜SC4を模式的に示す図形312が左IH加熱部6L専用の表示部100LXの上に表示される。
さらに、この実施の形態5では、左IH加熱部6L専用の表示部100LXには、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC群全体の最新の火力も文字などの表示337で表示される。図29の例では最大火力の3kWが現在投入され、主加熱コイルMCは2.4kW、左側の副加熱コイルSCは0.6kWの火力に設定されて誘導加熱動作中であることが「現在の火力 3kW」という文字による表示で明瞭に分かる(なお、この表示がされた時に、音声合成装置315によって同時に報知しても良い)。
入力キー330〜334、336は火力用の入力キーであり、本体部Aの上面外周を覆う枠体20の前方側位置部分に、押圧式スイッチによって操作部がそれぞれ一列に並ぶように形成されている。また表示部100LXの中の右側には現在の火力を示す液晶表示画面45Lが形成されている。各火力設定用の入力キー330〜334、336は、6段階の火力値を選択できるものであり、その各火力値に対応して右側に行くに従い大火力となるように6個設けてある。1回の押圧操作でダイレクトに火力設定できる。
特定の火力を選択すると、その入力結果は前記液晶表示画面45Lに表示される。またその火力に対応して所定の火力配分結果も表示337によって使用者に示される。
切換えスイッチ350は、左火力設定用操作部71に本体部Aの左右中心位置から左側寄り位置の枠体20上に操作部を露出させたものであり、前記通電制御回路200に対して協同加熱動作をさせるか否かの指令信号を与えるものである。この切換えスイッチを1回押すと図29に示すように協同加熱動作時における主加熱コイルMCと副加熱コイル群SCの模式的な図形311、312及び最新の火力などを示す表示337をさせることができる。次に再度押すと通常の主加熱コイルMC単独での誘導加熱調理における火力表示337や加熱調理メニュー表示351(加熱や調理の目的など)、さらには加熱動作が行われている最中であるかどうか等の情報を一挙に表示させることができる。なお、加熱調理メニューは複数個あり、それらの内から何れか一つを使用者が任意に選択できるが、その選択キーはこの図29、図30には描いていない。切換えスイッチ350によって協同加熱動作を行わないことが分かると、液晶表示画面45Lは通電制御回路200からの指令により自動的に消える。また、前記切換えスイッチ350を動作させて図形311、312及び最新の火力などを示す表示337を表示させないようにした状態では、通電制御回路200は副インバーター回路SIV1〜SIV4が高周波電力を副加熱コイル群SCに供給しないよう制御信号を出す。
この実施の形態5では、個別発光部276を副加熱コイルSC1〜SC4の外周に沿って長く設けずに、広域発光部277と同一円周上に等間隔に4箇所設けている。中央発光部(主加熱コイル発光部)STCは主加熱コイルMCの周囲を囲むようにトッププレート21の下方に設置したものであり、主コイルMCの加熱領域と略対応したエリアの外縁位置を示しており、実施の形態1の図1、図3に示した案内マーク6LMの直下に近い位置に環状に設けてある。
また個別発光部276は、協同加熱動作を実行している場合と、協同加熱動作を実行していない場合で、放射する光の色を異ならせている。個別発光部276と広域発光部277が点灯した状態では、図29に破線で示すようにトッププレート21の上に環状の光の帯が二重に現れる。
図29に示すように、この実施の形態5では、主加熱コイルMCが載置される耐熱プラスチック製の円板状のコイル支持体290Xの周囲に、所定の間隙352を置いて4個の副加熱コイルSC1〜SC4を載置したドーナッツ状の耐熱プラスチック製コイル支持体290Yを配置している。これら2つのコイル支持体290X、290Yは、天井面となる上面全体に多数の噴き出し孔42Cを有する送風ダクト353の上に固定されている。この送風ダクト353は前記実施の形態2における上ケース42Aと下ケース42Bが一体になったものである。この送風ダクト353の内部空間354は、図29の矢印Y4で示すように強制的に冷却風が導入される。透孔355は外側のコイル支持体290Yにおける外周部分に、中心線CL2を中心とした円の上に合計4ケ所点在するように90度間隔で形成されており、第1、第3の副加熱コイルSC1、SC3はその右側位置に、また第4の副加熱コイル用はその左側に、また第2の副加熱コイル用はその手前位置にそれぞれ設けられている。
導光孔356はこれらの透孔に対応して送風ダクト353の天井面に形成されたものであり、円形または楕円形状を有している。個別発光部276は発光ダイオードなどの発光素子から構成された点光源又はそのような光源の光を所定の円形範囲に広げて光らせるものであり、STCは前記した中央発光部(主加熱コイル発光部)である。これら中央発光部STCと個別発光部276が点灯した場合は、図29に一点鎖線の矢印で示すように、トッププレート21を透過する可視光線の表示光が発せられる。なお、変形例として、各副加熱コイルSC1〜SC4の外側近傍位置に、前記透孔355がある程度細かい間隔で点在するように形成されている場合は、トッププレート21の上からは表示光が点線状態で視認できる。
図29に示すように、中央発光部(主加熱コイル発光部)STCは、前記コイル支持体290Xと290Yの間に形成された所定の間隙352を利用して、その間隙から表示の光をトッププレート21側へ放射する構成である。ホルダー板357は中央発光部STCの発光素子を送風ダクト353の内側天井面に固定するものである。防磁リング291はコイル支持体290Yの外周縁を覆うようにそれに密着して又は近接して設置されている。
なお、前記間隙352は、主加熱コイルMCの最も外側周面と副加熱コイルSC1〜SC4の内側周面との間の空間271と略同一寸法を有している。なお、フェライト板73は磁束漏洩防止材となるものであり、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の電流が流れる向きと直交又は交差するように、それら各コイルの下方位置にあって、各コイルの中央部からそれぞれ放射状に4又は8個ずつ配置されている。
以上のような構成であるから、前記実施の形態1〜4と同様に、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との連携によって協同加熱が行われている場合、個別発光部276は協同加熱動作を実行中の副加熱コイル(例えばSC2とする)を特定するため、発光、点灯色を変化させて当該副加熱コイルを使用者に知らせることができる。
例えば、図28に示すように、楕円状の鍋(被加熱物N)が主加熱コイルMCと左側の副加熱コイルSC4の上方に跨るように置かれて加熱動作開始された場合、通電制御回路200は被加熱物載置判断部280からの判断結果に基づいて、主加熱コイルMCと左側の副加熱コイルSC4の上方に同一素材の楕円状の鍋(被加熱物N)が存在していると判断し、その両者に所定の火力配分で高周波電力を供給するように主加熱コイル用インバーター回路MIVと、副加熱コイル用インバーター回路SIV4を駆動する。
この場合、副加熱コイル用インバーター回路SIV4の左近傍にある個別発光部276だけが他の個別発光部276の発光、点灯色や点灯形態と異なる発光、点灯をする。例えば協同加熱していない場合は、個別発光部276の発光、点灯色はトッププレート21の上方から見て「黄色」であるが、協同加熱している場合は、「赤色」に変わるようになる。
また、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部と主加熱コイルMCとの協同加熱動作か、あるいは主加熱コイルだけの単独加熱であるかどうかに関係なく、常にトッププレート21上から使用者は設定された火力がどうなっているのかを左IH加熱部6L専用の表示部100LXの所定の部分(液晶表示画面45L)を見ることで確認することができる(音声合成装置315によっても知ることができる)。また協同加熱に関与している副加熱コイルSC1〜SC4の数が変化しても、又は他の副加熱コイルSC1〜SC3に変化しても、それらの場面になった後において、火力の情報を使用者は容易に知ることができる。
また、明らかに小型の被加熱物Nを使用する場合、切換えスイッチで協同加熱動作を禁止できるので、前記表示部100LXの表示画面の中から主加熱コイルMCと副加熱コイル群SCの模式的な図形311、312の表示を不要にすることができ、その分、主加熱コイルMC単独での火力表示337や加熱調理メニュー表示351などの情報を一挙に表示させることができる。協同加熱動作時以外の加熱時における表示内容を充実化できる。なお、切換えスイッチで協同加熱動作を禁止している場合、被加熱物載置判断部280の処理も不要にすることができる。
なお、この実施の形態5においては、主加熱コイルMC単体で加熱する場合に、より明確に鍋等の被加熱物Nの好ましい載置場所を示すように、主加熱コイルMCの加熱領域と略対応した加熱エリア外縁位置を示す中央発光部(主加熱コイル発光部)STCを設けているので、主加熱コイルMCの外径に合った通常サイズの円形鍋(被加熱物N)を使用する場合、主加熱コイルMCの中心位置や好ましい載置場所が容易に目視で把握できる。
また、この実施の形態5において、中央発光部(主加熱コイル発光部)STCは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とによる協同加熱動作開始前に発光、点灯動作し、主加熱コイルと副加熱コイルの協同加熱動作中においても発光、点灯を継続しているが、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協同加熱動作中は消灯するようにしても良い。これは個別発光部276の発光、点灯状態を見て使用者は中央発光部(主加熱コイル発光部)STCの位置を凡そ想像でき、協同加熱エリアマークEMの位置と合致している個別発光部276の位置が外側限界であると認識し、その個別発光部276に近づかない(反対)方向、すなわち主コイル中心点X1の方向が好ましい加熱域の中心であると容易に理解できるからである。
なお、この実施の形態5における切換えスイッチ350は、メニュー選択の機能を持たせたスイッチでも良い。メニューとは、タイマースイッチ(実施の形態1に記載)で設定時間だけ自動的に誘導加熱する「タイマー調理」や、お湯を沸かす「湯沸し」、天ぷら鍋などに油を入れそれを加熱して揚げ物を作る「揚げ物」、蓋付の容器に米と水を所定量入れ、その容器を誘導加熱して炊飯する「炊飯」、鉄などの磁性金属製容器をトッププレート21の上に置いてそれを誘導加熱して容器内部の肉やその他食材を加熱調理する「グリル調理」などをいう。この場合のメニュー選択スイッチは、使用者が押圧操作又は接触で入力できるような複数個の操作キーを具備したものでも良い。
また、図29に示したように、中央発光部(主加熱コイル発光部)STCと個別発光部276は、送風ダクト353の内部空間354内部に配置されているので、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4を冷却するために外部から供給された冷却風が、それら加熱コイルに至る前の常温の状態で接するから、常に冷却されることになる。従って、比較的に高温に弱い発光ダイオードなどの発光素子の熱劣化を長期に亘り防止できる効果がある。また主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4を支えるコイル支持体は、誘導加熱時に300度以上にもなることがあるが、内側のコイル支持体290Xと、所定の間隙352を置いてその外側にあるコイル支持体290Yに分離されている構造であるので、最も頻繁に使用される主加熱コイルMCの直下にある内側のコイル支持体290Xの温度を、外側にあるコイル支持体290Yに伝達させにくい構造である。
なお、送風ダクト353の内部空間354に供給された冷却風の一部は、前記間隙352や透孔355を通過してトッププレート21側に噴き出るが、その際に中央発光部STCの発光素子や個別発光部276の発光素子又はその光を円形状に拡大するアクリル樹脂などの透明材料からなる導光板(図示せず)等の部品、さらにはホルダー板357までも冷却することができるから、これら部品の熱劣化を防止できる効果が期待できる。中央発光部STCや個別発光部276が、発光ダイオードなどの発光素子の点光源からの光を、透明な樹脂板で帯状又はリング状に広げ、トッププレート21の上方から円形の線又は破線状に光が見えるようにする場合、前記した導光板(図示せず)が必要になるが、このような導光板を前記コイル支持体290Yに形成した透孔355の中を貫通させて出来るだけトッププレート21の直下近傍まで伸ばすと、光をより多くトッププレート21上に放射させることができ、好ましい。しかもこの場合、この実施の形態5によれば、透孔355の孔縁に接触させずに導光板をコイル支持体290Yの上方まで立設することができるから、コイル支持体290Yの高熱が直接伝達されることを避けることができる。
実施の形態3〜5において、主加熱コイルMCと、副加熱コイル群SC1〜SC4の火力を表示する手段は、前記したような左IH加熱部6L専用の表示部100LXに限る必要はなく、他の加熱源と共通の統合表示手段100(第1の実施の形態参照)でも良い。また誘導加熱源に投入される電力の大きさを複数の発光素子、例えばLEDの発光で表示する方法でも良い。例えば特開2008−171757号公報に示された多数の発光ダイオードを用いた表示手段でも良い。また火力の表示形態は、数字や文字による火力値(ワット)の直接表示や記号、棒グラフ等の図形でも良く、さらには火力の大きさを相対的な概念で示す「大火力」「小火力」等の文字でも良い(図25参照)。また図30に示すように火力を表示した入力キー自体を他のものと明瞭に識別できるように発光手段で明るく又は他の色彩で表示して、その入力キーに示された火力を使用者が視認できるようにしても良い。
また上述した実施の形態3〜5においては、副加熱コイル群SC1〜SC4を構成する副加熱コイルの総数と、それらに対して高周波電流を供給する副インバーター回路SIV1〜SIV4の総数は共に4個で、同数であったが、本発明はこれに限定されたものではない。例えば、第1の実施の形態を示した図9、図11の例のように中心点X1を境にして、その手前側に第1の加熱コイルSC1と第2の副加熱コイル群SC2を配置し、これと前後対称的位置である後方側には、第3の加熱コイルSC3と第4の副加熱コイル群SC4を配置したものでも良い。つまり4つの副加熱コイルSC1〜SC4を、それぞれ斜め45度の角度に配置するという変形である。
この変形例において、第1の副インバーター回路SIV1は、第1の加熱コイルSC1と第4の副加熱コイルSC4を駆動するようにし、また第2の副インバーター回路SIV2は、第3の加熱コイルSC3と第2の副加熱コイルSC2を駆動するようにしても良い。
この場合、第1の副インバーター回路SIV1は、第1の加熱コイルSC1と第4の副加熱コイルSC4を同時に駆動するのではなく、どちらか一方のみを駆動するようにし、また第2の副インバーター回路SIV2も、第3の加熱コイルSC3と第2の副加熱コイルSC2を同時に駆動するのではなく、どちらか一方のみを駆動するようにすることが不要な磁気漏洩を減らし、加熱効率を高める観点で好ましい。このような構成によれば高価なインバーター回路の数を減らせることからコストを低減でき、また回路基板設置容積を小さくできるという効果がある。実際に図9、図11の例のように4個の副加熱コイルSC1〜SC4を配置した場合、使用者が長円形や楕円形などの非円形鍋を使用して調理する場合には、手前に横長に置けば中心点X1を境にして、その前方側にある第1の加熱コイルSC1と第2の副加熱コイルSC2を駆動することで対応でき、また中心点X1から左側に前後方向に長くなるように置かれた場合は、第2の加熱コイルSC2と第4の副加熱コイルSC4を駆動することで対応でき、中心点X1から右側に前後方向に長くなるように置かれた場合は、第1の加熱コイルSC1と第3の副加熱コイルSC3を駆動することで対応できるから、これら3つのパターンの何れでも一つの副インバーター回路を切り替え、1組(2個)の副加熱コイルの内、何れか一方だけを選択して使用することで何ら支障はない。
なおこのように一つの共通の副インバーター回路で二つの副加熱コイルを切り替えて使用する場合、一つの共通の副インバーター回路を時間的条件、例えば短時間間隔で一つの副加熱コイルと他方の副加熱コイルに交互に接続を切り替えれば、結果的に二つの副加熱コイルを駆動することができ、例えば、二つの副インバーター回路で副加熱コイル各2個ずつ駆動すれば合計4個の副加熱コイルを加熱調理に利用できる。従って4個を超える数の副加熱コイルを設ける場合もこの考え方で副インバーター回路の数を最小限度に抑制できる。
(まとめ:協同加熱動作を示す情報の表示例)
以上の実施の形態1〜5の説明から明らかなように、本発明において主加熱コイルと副加熱コイルとの協同加熱動作が行われていることを表示する手段としては、以下のものがある。
(1)個別発光部276
(2)統合表示手段100における文字や図形等による表示(図18におけるCM)
(3)個別の誘導加熱源専用の表示部100LXにおける文字や図形等による表示(図25、図27、図29参照などの図形311、312、CM)。なお、これら表示と音声合成装置315により、使用者への報知、表示内容を更に充実化、詳細化しても良い。
本発明に係る誘導加熱調理器は、主加熱コイルと協同で加熱駆動される複数の副加熱コイルを備えたものにおいて、主加熱コイル単独加熱動作時でも協同加熱動作時でも、使用者は加熱調理時の火力を容易に確認できるので、据置型やビルトイン型の誘導加熱式加熱源専用調理器及び他の輻射式加熱源との複合型誘導加熱調理器に広く利用することができる。
A 本体部、B 天板部、C 筐体部、D 加熱手段、E 操作手段、F 制御手段、G 表示手段、W 横幅寸法、AM アクティブマーク、CL,CL1 本体部Aの左右中心線、CL2 左IH加熱源の左右中心線、CU 冷却ユニット、DA 左IH加熱コイル外径寸法、DB 補助コイルの配置外径寸法、DC 広域表示体の最大外径寸法、KT 厨房家具、K1 設置口、KTK 開口部、N 被加熱物(鍋)、SC 副加熱コイル(群)、SC1〜SC4 副加熱コイル、MC 主加熱コイル、MIV 主加熱コイル用インバーター回路、SIV1〜SIV4 副加熱コイル用インバーター回路、SX 空間、STC 中央発光部(主加熱コイル発光部)、X1 中心点、X2 中心点、2 本体ケース、2A 胴部、2B 前部フランジ板、2S 傾斜部、2U 胴部背面壁、3B 後方フランジ、3L 左側フランジ、3R 右側フランジ、6L 左IH加熱源、6LC 左IH加熱コイル、6LM 案内マーク、6R 右IH加熱源、6RC 右IH加熱コイル、6RM 案内マーク、7 輻射式中央電気加熱源(ヒーター)、7M 案内マーク、8L 左側冷却室、8R 右側冷却室、9 グリル加熱室、9A 前面開口、9B 後方開口、9C 内枠、9D 外枠、9E 排気口、10 上部部品室、12 後部排気室、13 ドア、13A 中央開口部、13B 取っ手、14 排気ダクト、14A 上端部開口、14B 筒状底部、14C 通気孔、20 上枠(枠体)、20B 右通風口、20C 中央通風口、20D 左通風口、21 トッププレート、22 輻射式電気加熱源(ヒーター)、23 輻射式電気加熱源(ヒーター)、24A 切欠き部、24L 左側の上下仕切り板、24R 右側の上下仕切り板、25 水平仕切り板、26 空隙、28 後部仕切り板、28A 排気口、30 送風機、30F 翼部、31R 赤外線センサー、31L、31L1〜31L5 赤外線センサー、32 回転軸、33 モータ駆動回路、34 部品ケース、34A 第1の排気口、34B 第2の排気口、37 ファンケース、37A 吸い込み筒、37B 吸い込み口、37C 排気口(出口)、37D ケース、37E ケース、39 送風室、41 回路基板、42 冷却ダクト、42A 上ケース、42B 下ケース、42C 噴き出し孔、42D 仕切り壁、42E 仕切り壁、42F 通風空間、42G 通風空間、42H 通風空間、42J 連通口(穴)、42K 通風口、43A 放熱フィン、43B 放熱フィン、45R 液晶表示画面、45L 液晶表示画面、46 前部部品ケース、46A 下ダクト、46B 上ダクト、46C 切欠き、50 容器状カバー、56 取付基板、57 電気・電子部品、60 前面操作部、61 上面操作部、62L 左側前面操作枠、62R 右側前面操作枠、63 主電源スイッチ、63A 操作ボタン、64R 右操作ダイアル、64L 左操作ダイアル、66R 右表示灯、66L 左表示灯、70 右火力設定用操作部、71 左火力設定用操作部、72 中央操作部、73 磁束漏洩防止材、90 ワンタッチ設定用キー部、91 弱火力キー、92 中火力キー、93 強火力キー、94 3kW用キー、95 輻射式電気加熱源22、23用操作ボタン、96 停止操作スイッチ用の操作ボタン、97A 温度調節スイッチの操作ボタン、97B 温度調節スイッチの操作ボタン、98 電源入り・切りスイッチボタン、99A 設定スイッチ、99B 設定スイッチ、100 統合表示手段、100L1 左IH加熱源6Lの対応エリア、100L2 左IH加熱源6Lの対応エリア、100M1 輻射式中央電気加熱源7の対応エリア、100M2 輻射式中央電気加熱源7の対応エリア、100R1 右IH加熱源6Rの対応エリア、100R2 右IH加熱源6Rの対応エリア、100G グリル加熱室9の調理用エリア、100GD ガイドエリア、100F キー表示エリア、100N 任意表示エリア、100LX 表示部、101R 右火力表示ランプ、101L 左火力表示ランプ、106 送風機、106A 回転翼、106B 駆動モータ、108 受け皿、109 焼き網、113 間隙、114 間隙、115 間隙、116 空隙、121 脱臭用触媒、121H 触媒用電気ヒーター、130 便利メニューキー、131R 右IH便利メニューボタン、132 カバー、141 入力キー、142 入力キー、143 入力キー、144 入力キー、145 入力キー、146 入力キー、200 通電制御回路、201 入力部、202 出力部、203 記憶部、204 演算制御部(CPU)、210R 右IH加熱源のインバーター回路、210L 左IH加熱源のインバーター回路、211 輻射式中央電気加熱源7のヒーター駆動回路、212 グリル加熱室9の加熱用輻射式電気加熱源を駆動するヒーター駆動回路、213 グリル加熱室9の庫内加熱用輻射式電気加熱源23を駆動するヒーター駆動回路、214 触媒ヒーター121Hの駆動用ヒーター駆動回路、215 統合表示手段100の液晶画面駆動回路、221 整流ブリッジ回路、222 コイル、223 平滑化コンデンサー、224 共振コンデンサー、225 スイッチング手段(IGBT)、226 フライホイールダイオード、227 電流検出センサー、228 駆動回路、231 駆動回路、240 温度検出回路、241 温度検出素子(温度センサー)、242 温度検出素子(庫内温度センサー)、243 温度検出素子(温度センサー)、244 温度検出素子(温度センサー)、245 温度検出素子(温度センサー)、250 パン専用キー、251 複合調理キー、260〜264 駆動回路、267A 電流センサー、267B 電流センサー、267C 電流センサー、267D 電流センサー、270〜275 空間、276 個別発光部、277 広域発光部、278 駆動回路、280 被加熱物載置判断部、290 コイル支持体、290A 支持用突起部、290Y コイル支持体、291 防磁リング、300 駆動モータ、307 空隙、310 貫通孔、311 主加熱コイル図形、312 副加熱コイル図形、313L 左側表示部、313M 中央表示部、313R 右側表示部、314 表示窓、315 音声合成装置、316 スピーカー、317〜320 入力キー、330〜336 火力用の入力キー、 337 火力表示、338 高温表示、339 火力表示マーク、340 火力表示マーク、350 切換えスイッチ、351 加熱調理メニュー表示、352 間隙、353 送風ダクト、354 送風ダクトの内部空間、355 透孔、356 導光孔、357 ホルダー板。

Claims (17)

  1. 光を透過するトッププレートと、
    このトッププレート下からその上に載置された被加熱物を誘導加熱する主加熱コイルと、
    この主加熱コイルの外周側に設置された少なくとも1つの副加熱コイルと、
    前記主加熱コイルに高周波電流を供給する主インバーター回路と、
    前記副加熱コイルに高周波電流を供給する副インバーター回路と、
    前記主インバーター回路と前記副インバーター回路の通電を制御する通電制御回路と、
    誘導加熱時の通電条件を前記通電制御回路に入力する入力部と、
    この入力部による入力結果の内、少なくとも火力情報を表示する表示手段と、
    前記主加熱コイル及び前記副加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、を備え、
    前記通電制御回路は、前記被加熱物載置判断部が前記主加熱コイル及び少なくとも1つの副加熱コイルの上方に同一の被加熱物が載置されていると判断した場合に、前記主インバーター回路と当該副加熱コイルに関する副インバーター回路からの駆動電流で主加熱コイルと副加熱コイルとによる協同加熱動作を実行させ、さらに前記表示手段に協同加熱動作中であることを示す情報を表示させることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. トッププレート上に載置された被加熱物を加熱する主加熱コイルと、
    この主加熱コイルの外側にそれぞれ隣接して設置された複数個の副加熱コイルからなる副加熱コイル群と、
    前記主加熱コイルに高周波電流を供給する主インバーター回路と、
    前記副加熱コイル群の副加熱コイル毎に高周波電流を独立して供給する副インバーター回路群と、
    前記主加熱コイルと前記複数の副加熱コイルの内の少なくとも1つの上に同じ被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、
    外部から誘導加熱時の火力設定情報を入力する入力部と、
    この入力部の設定情報を表示する表示手段と、
    前記入力部の設定情報に基づき前記主インバーター回路と副インバーター回路群の出力を制御するとともに前記表示手段を制御する通電制御回路と、を備え、
    前記通電制御回路は、前記入力部により所定の火力設定情報が入力されると、前記被加熱物載置判断部からの情報に基き、前記使用者の設定した火力値となるように、前記主インバーター回路の出力と前記副インバーター回路群の出力とを所定の配分に制御して協同加熱動作を行わせ、その後協同加熱動作する副加熱コイルの数が増加、減少、又は他の副加熱コイルに切り替わった場合には、変化前の出力配分を維持し、前記表示手段に、前記協同加熱動作中における副加熱コイルの数の増減又は他の副加熱コイルへの切り替えにも拘らず、前記所定の火力情報を表示させることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記通電制御回路は、前記火力設定情報として、予め所定の値を前記表示部に表示させ、外部から新たな火力設定情報を前記入力部が入力しなければ、前記所定の値に基づいて調理を開始することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記通電制御回路は、主加熱コイル単独の加熱動作又は動作条件と、協同加熱動作が行われていることを、それぞれ前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記通電制御回路は、前記表示手段に対して、前記協同加熱動作中に、加熱動作している副加熱コイルを特定する情報を表示させることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記特定情報は、文字、記号、図形の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記通電制御回路は、前記表示手段に、前記協同加熱動作中の前記主加熱コイルと前記副加熱コイルの模式図を表示させると共に、その火力情報をそれぞれの加熱コイルの模式図の内部または近傍に文字で表示させ、さらに全体の火力情報をグラフと文字で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記通電制御回路は、前記表示手段に、前記協同加熱動作中の前記主加熱コイルと副加熱コイルの模式図を表示させると共に、その火力情報および全体の火力情報を前記主加熱コイルと副加熱コイルの模式図の近傍に文字で表示させることを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記通電制御回路は、入力部により所定値以上の火力から前記所定値未満の小火力に設定火力が変更された場合、前記小火力となるように前記主インバーター回路と前記副インバーター回路群との出力配分を、前記変化前の出力配分と異ならせることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記通電制御回路は、前記主インバーター回路の駆動周波数と、前記副インバーター回路の駆動周波数を同一にするか又は両者の駆動周波数の差が可聴周波数より大きく又は前記可聴周波数より小さいことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  11. 音声報知手段を更に備え、
    前記通電制御回路は、前記被加熱物載置判断部からの情報に基き、前記主加熱コイルのみによる加熱動作から前記主加熱コイルと前記副加熱コイルとによる協同加熱動作に切り替わったとき、その切り替えを前記音声報知手段に音声で報知させることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記トッププレートの下に配置され、前記主加熱コイルと前記副加熱コイルによって前記被加熱物が加熱される目安的な場所を包含する所定の広域加熱エリアを光の放射によって表示する広域発光部と、
    この広域発光部の点灯を制御する発光制御部と、を更に備え、
    前記主加熱コイル及び前記副加熱コイルの誘導加熱動作中、前記発光制御部は前記広域発光部を点灯させることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  13. 前記トッププレートの下に配置され、前記主加熱コイルと前記副加熱コイルの加熱物占有領域を包含する所定の広域加熱エリアを光の放射によって表示する広域発光部と、
    前記副加熱コイル及び前記主加熱コイルを協同で加熱動作をさせている場合、前記副加熱コイルを特定する表示を行う個別発光部と、
    この個別発光部と前記広域発光部の点灯を制御する発光制御部と、を更に備え、
    前記主加熱コイル及び副加熱コイルの誘導加熱動作中、広域発光部と個別発光部を点灯させることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  14. 前記トッププレートの下に配置され前記主加熱コイルと前記副加熱コイルによって前記被加熱物が加熱される目安的な場所を包含する所定の広域加熱エリアを光の放射によって表示する広域発光部と、
    前記副加熱コイル及び前記主加熱コイルを協同で加熱動作をさせている場合、前記副加熱コイルを特定する表示を行う個別発光部と、
    この個別発光部と広域発光部の点灯を制御する発光制御部と、
    前記トッププレートが高温であることを前記個別発光部及び前記広域発光部で報知する高温報知部と、を更に備え、
    前記主加熱コイル及び前記副加熱コイルの誘導加熱動作中、前記発光制御部は前記広域発光部と前記個別発光部を点灯させ、
    前記主インバーター回路と副インバーター回路が出力を停止した後、前記高温報知部は、前記個別発光部及び、又は前記広域発光部により、高温状態を報知することを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  15. 前記主加熱コイルの外径形状はほぼ円形であり、前記副加熱コイルは前記副加熱コイルは前記主加熱コイルの周囲に所定の絶縁用空間を置いて互いに所定の間隔を保って少なくとも4個設けられ、
    前記副加熱コイルの外径形状は、前記主加熱コイルの外周縁に隣接する側縁部が前記主加熱コイルの外周縁に沿って湾曲した形状であり、かつ同じ合致率が60%以上であることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  16. 主加熱コイルの外形形状はほぼ円形であり、
    前記副加熱コイルは、互いに同一平面形状を有したものが少なくとも4個あり、かつ前記主加熱コイルと同心円を描く線上で、かつその外周縁と所定の絶縁用空間を置いて互いに所定の間隔を保って配置され、
    前記副加熱コイルは、前記主加熱コイルの外周縁に隣接する内側部と、前記主加熱コイルと遠い外側部とを備え、前記内側部と前記外側部の形状は、それぞれ前記主加熱コイルの外周縁に沿って湾曲した形状であり、
    前記副加熱コイルは、前記主加熱コイルを挟んで向かい合う二個を一組とし、この一組に一個の副インバーター回路が接続され、当該インバーター回路は二個の加熱コイルの何れか一方を駆動して協同加熱動作するように前記通電制御回路によって切り替えられることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  17. 前記主加熱コイルの外形形状はほぼ円形であり、
    前記副加熱コイルは、前記主加熱コイルと同心円を描く線上で、かつその外周縁と所定の絶縁用空間を置いて互いに所定の間隔を保って複数個設けられ、
    前記副加熱コイルは、前記主加熱コイルの外周縁に隣接する内側部と、前記主加熱コイルと遠い外側部とを備え、前記内側部と前記外側部の形状は、それぞれ前記主加熱コイルの外周縁に沿って湾曲した形状であり、
    前記主加熱コイルと前記副加熱コイルの、互いに隣接する領域における高周波電流の流れる向きを一致させていることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
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