JPWO2011142141A1 - 表示装置及び映像視聴システム - Google Patents

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隆宏 小林
善雄 梅田
善雄 梅田
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清司 濱田
達也 伊奈
達也 伊奈
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Abstract

左眼用映像と右眼用映像とを表示する液晶パネルと、映像信号を液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、液晶パネルに光を照射するバックライトと、左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、バックライトが発光する第1発光期間が設けられるようにバックライトを制御する制御部と、を備え、制御部は、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、バックライトが発光する第2発光期間が設けられるようにバックライトを制御するとともに、第1発光期間と第2発光期間との間に、バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする表示装置。

Description

本発明は、映像を立体的に知覚させるための映像を表示する表示装置及び該表示装置が表示する映像を視聴するための映像視聴システムに関する。
映像を立体的に知覚させるための映像を表示する表示装置は、左眼で視聴されるための左眼用映像と、右眼で視聴されるための右眼用映像とを所定周期(例えば、フィールド周期)で交互に表示する。表示される左眼用映像及び右眼用映像は、視差の分だけ異なる内容を含む。視聴者は、左眼用映像及び右眼用映像の表示周期に同期して駆動される液晶シャッタを備える眼鏡装置を通じて、左眼用映像及び右眼用映像を視聴する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この結果、視聴者は、左眼用映像及び右眼用映像によって表現されたオブジェクトを立体的に知覚する。
図12は、従来の映像視聴システムのブロック図である。尚、図12に示される映像視聴システムには、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。
映像視聴システム900は、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される映像信号処理部901を備える。映像信号処理部901は、入力された映像信号を120Hzの左眼用映像信号と右眼用映像信号とに変換する。変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は、液晶駆動部902及びバックライト制御部903へ出力される。液晶駆動部902は、120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を液晶パネル904で表示可能な形式に変換する。液晶駆動部902によって変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は液晶パネル904に出力される。バックライト制御部903は、バックライト905に発光制御信号を出力する。バックライト905は、発光制御信号により液晶パネル904に対し、液晶パネル904の背面から光を照射する。この結果、液晶パネル904に、120Hzで左眼用映像及び右眼用映像が交互に表示される。
眼鏡装置950は、左眼シャッタ951と右眼シャッタ952とを備える。映像信号処理部901によって変換された120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を基準にして、左眼シャッタ951用のシャッタ制御回路906及び右眼シャッタ952用のシャッタ制御回路907は、左眼シャッタ951及び右眼シャッタ952を同期制御する。
図13は、従来の映像視聴システム900の制御タイミングチャートである。図13のセクション(A)は、液晶パネル904の左眼用映像及び右眼用映像の走査タイミングを示す。図13のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図13のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図12及び図13を参照しつつ、従来の映像視聴システム900が説明される。
液晶パネル904に左眼用映像信号及び右眼用映像信号が順次書き込まれる。この間、バックライト905は常時点灯している。シャッタ制御回路906,907は、シャッタ951,952を制御する。液晶パネル904への左右交互の書き込み走査の後、シャッタの開期間がそれぞれの映像期間の半分となるように、シャッタ951,952は、シャッタ制御回路906,907の制御下で開閉する。シャッタ951,952を通じて視聴される左眼用映像及び右眼用映像は、視聴者の左右の眼でそれぞれ視聴される。この結果、視聴者は、脳内で、視覚的な立体像を生成する。
図13に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムにおいて、視聴者はシャッタ951,952が開かれている期間(立体像の生成に必要な映像を視聴するのに十分な期間)のみ左眼用映像又は右眼用映像を視聴する。一方、バックライト905は、シャッタ951,952が開かれている期間以外の期間においても常時点灯している。したがって、図13に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムは、省電力の観点から好ましくない。
図14は、従来の映像視聴システム900の他の制御タイミングチャートである。図14のセクション(A)は、液晶パネル904の左眼用映像及び右眼用映像の走査タイミングを示す。図14のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図14のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図12乃至図14を参照しつつ、従来の映像視聴システム900が更に説明される。
特許文献2は、左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が点灯される制御を開示する。図14に示される制御では、図13に示される制御と異なり、左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が発光している。したがって、図14に示される制御は、図13に示される制御よりも省電力の点で優れている。
図14に示される映像視聴システムは、以下に述べられるような課題を有する。左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が点灯されることは、バックライト905の点灯期間の短縮を意味する。バックライト905の点灯期間の短縮の結果、液晶パネル904の温度低下が引き起こされる。液晶パネル904の温度低下は、液晶パネル904の応答速度の低下を招来する。
液晶パネル904の応答速度が低下すると、遅い液晶の応答に起因して、例えば、右眼用映像の走査の完了の後も、左眼用映像の一部が液晶パネル904に表示され続ける。この結果、左眼用映像からの映像光が右眼シャッタを透過し、視聴者の右眼へ到達する。同様に、左眼用映像の走査完了の後に表示され続ける右眼用映像の一部からの映像光が左眼用シャッタを透過し、視聴者の左眼へ到達する。右眼で視聴される左眼用映像及び/又は左眼で視聴される右眼用映像はクロストークと呼ばれる妨害画像であり、視聴者の脳内での視覚的な立体像の生成を阻害する。
特開昭62−133891号公報 特開2009−25436号公報
本発明は、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る表示装置は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に切り換えて表示する表示装置と、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において、前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において、前記右眼へ到達する前記光の量を増大させ、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図1に示される映像視聴システムの概略図である。 図1に示される映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 第2実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図4に示される映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 図5に示される映像視聴システムの制御に用いられる液晶パネルの温度と、液晶パネルの温度に対して設定される第2発光期間との間の関係を例示するグラフである。 図4に示される映像視聴システムの温度検出部による液晶パネルの温度の検出手法を例示する液晶パネルの表示領域の概略図である。 図4に示される映像視聴システムの温度検出部による液晶パネルの温度の検出手法を例示する液晶パネルの表示領域の概略図である。 第3実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 図8に示される映像視聴システムの制御に用いられる液晶パネルの温度と、液晶パネルの温度に対して設定される第2発光期間におけるバックライトの発光輝度と間の関係を例示するグラフである。 第4実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 第5実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 従来の映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。 従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。
以下、一実施形態に係る表示装置及び映像視聴システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、本実施形態の原理は、これらに何ら限定されるものではない。
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムの概略図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの構成が説明される。
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるための左眼用映像信号(以下、L信号と称される)に基づく左眼用映像と、右眼で視聴されるための右眼用映像信号(以下、R信号と称される)に基づく右眼用映像とを表示する表示装置200と、表示装置200が表示する映像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示する映像を立体的に知覚する。
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼フィルタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼フィルタ312とを含む光学フィルタ部310を備える。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312は、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成される光学素子を含む。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312として、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光路を開閉するシャッタ素子(例えば、液晶シャッタ)、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏光する偏光素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタ311は、左眼用映像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、右眼用映像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタ312は、右眼用映像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、左眼用映像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250及び第2制御部240を備える。
映像信号処理部210には、制御の基礎となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。そして、映像信号処理部210は、入力された映像信号を、制御の基礎となる垂直同期周波数のN倍(Nは自然数)の周波数で、L信号とR信号とに分割して出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学フィルタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の出力に同期する120Hzの同期信号であってもよい。本実施形態において第1制御部250及び/又は第2制御部240は制御部として例示される。
表示部230は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と、右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互切り換えて表示する液晶パネル231と、液晶パネル231に光を照射するバックライト232とを備える。液晶駆動部220は、120HzのL信号及びR信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、変換されたL信号及びR信号を液晶パネル231へ書き込む。
液晶パネル231は、入力されたL信号とR信号とに応じて、背面から入射する光を変調し、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と、右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを順次表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅する。
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学フィルタ部310を、左眼用映像及び右眼用映像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼フィルタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼フィルタ312を制御するための左眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231が左眼用映像及び右眼用映像を、例えば、120Hzで表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼フィルタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼フィルタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼フィルタ311と右眼フィルタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼フィルタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼フィルタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、同期信号を共通化して左眼用映像の表示と右眼用映像の表示とを信号の立ち上がりに交互に同期させてもよい。
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼フィルタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼フィルタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示される左眼用映像及び右眼用映像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。本実施の形態において、光量増大期間の長さは、60Hzの左眼用映像の表示及び/又は60Hzの右眼用映像の表示の一周期期間(16.7msec)の25%(デューティ:25%)とされている。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。本実施形態において、左眼光量に対する光量増大期間の長さは、左眼用映像が走査される左眼走査区間の半分の時間長さに設定されている。また、右眼光量に対する光量増大期間の長さは、右眼用映像が走査される左眼走査区間の半分の時間長さに設定されている。
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅する。本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、左眼用映像が視聴される左眼視聴期間(即ち、第2制御部240の制御下で動作する左眼フィルタ311が左眼光量を増大させている期間)及び右眼用映像が視聴される右眼視聴期間(即ち、第2制御部240の制御下で動作する右眼フィルタ312が右眼光量を増大させている期間)中に発光する。左眼視聴期間及び右眼視聴期間中のバックライト232の発光期間は、以下の説明において、第1発光期間と称される。本実施形態において、バックライト232は更に、左眼視聴期間及び右眼視聴期間以外の期間(即ち、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間)において、第1制御部250の制御下で発光する。左眼視聴期間及び右眼視聴期間以外の期間におけるバックライト232の発光期間は、以下の説明において、第2発光期間と称される。第1制御部250は、第1発光期間と第2発光期間とを断続的に設定する。
(バックライトの制御)
図3は、映像視聴システム100の制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図3のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図3のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図3のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図1及び図3を参照しつつ、バックライト232の制御が説明される。
図3に示される如く、16.7m秒の1フィールドの期間は、左眼走査区間(以下、L区間と称される)と右眼走査区間(以下、R区間と称される)とに分割される。L区間において、左眼用映像が走査される。R区間において、右眼用映像が走査される。各フィールドのL区間において、左眼用映像信号が液晶パネル231に書き込まれる。また、各フィールドのR区間において、右眼用映像信号が液晶パネル231に書き込まれる。
図3のセクション(A)に示される矢印Aは、映像信号(L信号及びR信号)の書き込みを示す。また、図3のセクション(A)に示される液晶パネル231において、映像の上部を表示する上部表示領域D1,映像の下部を表示する下部表示領域D3及び上部表示領域D1と下部表示領域D3との間の中間表示領域D2が示されている。中間表示領域D2は、上部表示領域D1で表示される映像部分と下部表示領域D3で表示される映像部分との間の映像部分を表示する。
図3のセクション(A)の矢印Aで示される如く、映像信号(L信号及びR信号)は、上部表示領域D1、中間表示領域D2及び下部表示領域D3の順で液晶パネル231に書き込まれる。本実施形態において、L信号及びR信号それぞれの書き込みは、1フィールド(16.7m秒)の約4分の1の期間で完了している。
図3のセクション(B)に示される「150」の数値は、バックライト232の相対発光輝度を表す。例えば、バックライト232の相対発光輝度の「150」との数値は、常時発光状態にあるバックライト232に適切な発光輝度として与えられる数値「100」(例えば、図13に示されるように)を基準とした相対的な発光輝度として理解されてもよい。
図3のセクション(B)に示される如く、バックライト232は、第1発光期間E1及び第2発光期間E2において発光する。断続的に設定された第1発光期間E1と第2発光期間E2との間には、バックライト232が消灯される消灯期間LOが設けられる。第1発光期間E1のタイミング及び長さは、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312それぞれが左眼光量又は右眼光量を増大させる光量増大期間Iのタイミング及び長さと略合致する。第2発光期間E2は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312がともに左眼及び右眼への透過光量を低減させている期間(即ち、光量増大期間I以外の期間)に設けられる。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312がともに左眼及び右眼への透過光量を低減させている期間は、左眼用映像及び右眼用映像が視聴されない非視聴期間となる。図3に示される如く、以下の説明において、第1発光期間E1中のバックライト232の発光は、メイン発光と称される。また、第2発光期間E2中のバックライト232の発光は、サブ発光と称される。
メイン発光及びサブ発光の役割が説明される。図3のセクション(C)に示される如く、光量増大期間Iは、L区間における左眼用映像の走査の完了及びR区間における右眼用映像の走査の完了と略同時に開始され、L区間とR区間との間の切り換えと略同時に終了する。この結果、L区間において、視聴者は左眼で左眼用映像を視聴し、R区間において、視聴者は右眼で右眼用映像を視聴する。左眼用映像と右眼用映像との間に設けられた視差によって、視聴者は脳内で左眼用映像及び右眼用映像中で表現されたオブジェクトを立体的に知覚する。したがって、左眼及び右眼いずれかへの透過光量が増大している光量増大期間Iにおけるバックライト232の発光は、映像の視聴に直接的な影響を与える。以下の説明において、第1発光期間E1中のバックライト232の発光はメイン発光と称される。
一方、左眼及び右眼への透過光量がともに低減されている期間(光量増大期間I以外の期間)におけるバックライト232からの光(即ち、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光)は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312によって遮断され、視聴者の左眼及び右眼に到達しない。したがって、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光は、映像の視聴に直接的な影響を与えない。以下の説明において、第2発光期間E2中のバックライト232の発光はサブ発光と称される。本実施形態において、メイン発光及びサブ発光の発光輝度は、「150」の値の相対発光輝度(例えば、図14に示される従来のバックライトに対して1.5倍の発光輝度)である。第2発光期間E2の長さ(即ち、サブ発光の期間の長さ)は、第1発光期間E1(即ち、メイン発光の期間の長さ)の約1/3の長さである。
液晶パネル231とクロストークとの間の関係が説明される。液晶パネル231は、映像を表示するための液晶層(図示せず)を備える。液晶駆動部220がL信号又はR信号を書き込むと、液晶パネル231の液晶層に含まれる液晶分子の配列方向が変化する。この結果、液晶パネル231の光透過率が変化する。バックライト232が液晶パネル231へ光を照射すると、液晶パネル231の光透過率の変化に応じて、液晶パネル231上の輝度が変化する。この結果、視聴者は、液晶駆動部220によって書き込まれたL信号に基づく左眼用映像又はR信号に基づく右眼用映像を視聴することができる。
液晶パネル231の液晶層が低温であるとき、液晶駆動部220の映像信号(L信号及び/又はR信号)の書き込みに対する液晶分子の応答速度は一般的に低くなる。したがって、映像信号が液晶パネル231に書き込まれてから液晶パネル231の光透過率が変化するまでの時間が長くなる。液晶パネル231の光透過率の変化(映像信号の書き込みに対応する光透過率の変化)が、光量増大期間Iの開始までに完了しないならば、映像信号の書き込み前の映像の一部が左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過し、左眼又は右眼に到達する。したがって、左眼用映像が右眼で視聴され、右眼用映像が左眼で視聴されることとなる。このような不具合は、クロストークと称される。
図3に示される如く、第1発光期間E1におけるバックライト232の発光輝度が比較的高く設定されることにより、液晶パネル231の温度が上昇する。また、第2発光期間E2が設けられることにより、液晶パネル231の温度低下が抑制される。したがって、液晶パネル231の液晶の応答遅れが好適に抑制される。かくして、本実施形態に係る映像視聴システム100は、クロストークが低減された高品質の立体映像を提供することができる。
バックライト232に用いられるLEDの発光輝度は、LEDへの駆動電流及び発光期間(発光デューティ)のうち少なくとも一方が変更されることにより調整されることが一般的である。本実施形態において、第1発光期間E1のタイミング並びに長さは、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示に対してそれぞれ規定された光量増大期間Iのタイミング並びに長さと略一致するように定められている。
本実施形態において、第1発光期間E1におけるLEDの発光輝度は、LEDへの駆動電流を用いて調整される。LEDの駆動電流は、LEDの動作寿命に影響を与えない範囲、発光色の変化による表示色変化に大きな影響を与えない範囲及び/又は省電力の観点から許容できる発光効率の範囲で調整されることが好ましい。この結果、動作寿命の短縮、発光色(色度)の変化及び/又は発光効率の低下が好適に抑制される。
本実施形態において示された1.5倍の発光輝度の増加率に代えて、LED素子の種類や駆動電流と発光デューティとの組み合わせに応じて、バックライト232の発光輝度が他の増加率に変更されてもよい。バックライト232の発光輝度の増加率は、好ましくは、例えば、LED素子の寿命に応じて決定される。LED素子への駆動電流によるバックライト232の発光輝度の調整に代えて、LED素子をパルス幅変調(PWM)駆動することにより、バックライト232の発光輝度の調整がなされてもよい。パルス幅変調(PWM)駆動を用いて、バックライト232の発光輝度を低減させる制御が実行されてもよい。
本実施形態において、立体映像の視聴に直接的な影響を与える第1発光期間E1中のバックライト232の発光輝度は比較的高く設定されている。したがって、比較的明るく視聴しやすい立体映像が視聴者に提供されることとなる。
上述の如く、第2発光期間E2におけるサブ発光は、立体映像の視聴に直接的な影響をほとんど与えない(光学フィルタ部310が透過光を低減しているため)。したがって、立体映像の視聴に直接的な影響をほとんど与えることなく、第2発光期間E2におけるサブ発光により、液晶パネル231の温度が上昇される。第2発光期間E2におけるサブ発光に起因する液晶パネル231の温度上昇の結果、液晶パネル231の液晶分子の応答速度が向上される。かくして、左眼用映像及び/又は右眼用映像を表示するための液晶の応答が比較的短い時間で完了する。この結果、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に低減される。本実施形態において、サブ発光の輝度及び第2発光期間E2の長さは、光学フィルタ部310の動作条件に適合された上で、液晶パネル231の液晶の十分に高い応答速度が得られるように決定されている。
上述の如く、第2発光期間E2におけるサブ発光の輝度は、第1発光期間E1中のメイン発光の輝度と略等しい。また、第2発光期間E2の長さは、第1発光期間E1の長さの約3分の1である。代替的に、液晶パネル231の特性や液晶パネル231/眼鏡装置300の動作条件に適合されるように決定された他のサブ発光の輝度や他の第2発光期間E2が用いられてもよい。上述の如く、第2発光期間E2におけるLEDの発光輝度は、LEDの寿命や信頼性を考慮して決定されることが好ましい。第1発光期間E1中のメイン発光によって、液晶パネル231の十分な温度上昇が得られる場合には、第2発光期間E2におけるサブ発光は省略されてもよい。
<第2実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図4は、第2実施形態に係る映像視聴システム100Aの構成を概略的に示すブロック図である。第2実施形態に係る映像視聴システム100Aと、第1実施形態に係る映像視聴システム100との相違点が説明される。
映像視聴システム100Aは、第1実施形態と同様の眼鏡装置300と、左眼用映像と右眼用映像とを交互に表示する表示装置200Aを備える。表示装置200Aは、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230A、第1制御部250A及び第2制御部240を備える。本実施形態において、表示部230Aは、第1実施形態と同様のバックライト232及び液晶パネル231に加えて、温度検出部233を備える。
温度検出部233は、液晶パネル231の温度を検出するとともに、検出された温度に応じた温度信号を第1制御部250Aへ出力する。第1制御部250Aは、映像信号処理部210から出力される制御信号に加えて、温度検出部233からの温度信号に基づきバックライト232の発光期間の長さ及び発光期間のタイミングを調整するための発光制御信号をバックライト232に出力する。
図5は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図5の左図は、液晶パネル231の温度が比較的高いときのバックライト232に対する制御を示す。図5の右図は、液晶パネル231の温度が低下したときのバックライト232に対する制御を示す。図5のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図5のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図5のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図5を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第1実施形態との相違点が説明される。
図5のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第1実施形態と同様である。また、第2制御部240の制御に基づく光学フィルタ部310(左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312)の動作も第1実施形態と同様である。図5のセクション(B)に示される如く、第1制御部250Aは、検出された液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ(発光デューティ)を変化させる。尚、第1発光期間E1の長さ及びタイミングは、第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様に、消灯期間LOが第1発光期間E1と第2発光期間E2との間に設けられる。比較的高い液晶パネル231の温度条件(図5左図)から液晶パネル231の温度が低下したときの第1制御部250Aによるバックライト232に対する制御の変化が以下に説明される。尚、液晶パネル231の温度の変動は、例えば、周囲温度の変化や表示装置200Aの継続稼働時間といった因子によって生ずる。
第1制御部250Aの制御下で明滅するバックライト232の発光輝度は、第1発光期間E1及び第2発光期間E2の両期間において「150」の相対発光輝度である。本実施形態において、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度変動に拘わらず、バックライト232の発光輝度を一定に保つ。
十分に高い液晶の応答速度が得られる温度条件(図5左図参照)において、第1制御部250Aは、比較的短い第2発光期間E2を設けるようにバックライト232を制御する。液晶パネル231の温度が所定値以下となるとき、第1制御部250Aは第2発光期間E2を長くするようにバックライト232を制御する(図5右図参照)。この結果、液晶パネル231は、クロストークをほとんど生じさせない程度に高い液晶の応答速度が得られるような温度に保たれることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に抑制される。
図6は、液晶パネル231の温度と、液晶パネル231の温度に対して設定される第2発光期間E2(サブ発光のデューティ)との間の関係を例示するグラフである。図6のグラフの横軸は、液晶パネル231の温度を示す。図6のグラフの縦軸は、1フィールド(60Hz)の周期を100%としたときの第2発光期間E2の割合をパーセンテージ(%)で表すサブ発光のデューティを示す。図4乃至図6を参照しつつ、第2発光期間E2の長さの調整制御が更に説明される。
図6中、立体映像を表示するのに適切な温度範囲は、「立体表示動作温度範囲」として示される。立体表示動作温度範囲の上限値は、「T」で示されている。立体表示動作温度範囲の下限値は、「T」で示されている。更に、液晶パネル231の液晶の温度に対する閾値は、「TTH」で示されている。液晶パネル231の温度が、TTH以上T以下であるとき、液晶パネル231の温度は、液晶パネル231の液晶は、十分な応答速度を有し、液晶パネル231は、視聴者に、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された映像(左眼用映像及び右眼用映像)を提供することができる。このとき、第1制御部250Aは、サブ発光のデューティを0%にするようにバックライト232を制御する(即ち、第2発光期間E2を設けない)。
図6のグラフの縦軸に表されるDMAXは、最長の第2発光期間E2に対するサブ発光の期間のデューティを表す。即ち、サブ発光の期間のデューティの値がDMAXであるときの第2発光期間E2と第1発光期間E1との加算値は1フィールドに等しくなる。液晶パネル231の温度がTTHを下回ると、第1制御部250Aは、徐々にサブ発光の期間のデューティを長くするようにバックライト232を制御する(即ち、第2発光期間E2を長くする)。図6に示されるサブ発光の期間のデューティに対する制御では、液晶パネル231の温度がTであるとき、サブ発光の期間のデューティの値がDMAXとなるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。
図6に示されるサブ発光の期間のデューティに対する制御によれば、表示装置200Aは、液晶パネル231の温度変化に起因する左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを比較的少ない電力消費で抑制することができる。したがって、表示装置200Aが設置された様々な環境或いは様々な動作条件に対応して、表示装置200Aは比較的少ない消費電力で、高い品質の立体映像を視聴者に提供することができる。
図7A及び図7Bは、温度検出部233による液晶パネル231の温度の検出手法を例示する。図7A及び図7Bは、液晶パネル231の表示領域を示す。図7Aに示される液晶パネル231の表示領域は、液晶駆動部220による映像信号の書き込みの副走査方向(横方向)に概念的に分割されている。図7Bに示される液晶パネル231の表示領域は、行列状に概念的に分割されている。図4乃至図7Bを参照しつつ、温度検出部233による液晶パネル231の温度の検出が説明される。
図7Aに示される液晶パネル231の表示領域は、領域A1乃至領域A5に概念的に分割されている。各領域A1乃至A5は、一体的に左眼用映像及び右眼用映像を表示するために用いられる。バックライト232は、各領域A1乃至A5それぞれに光を照射する照射領域(図示せず)を備える。温度検出部233は、領域A1乃至領域A5それぞれの温度を検出する。第1制御部250Aは、各領域A1乃至A5それぞれに対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを独立に制御する。例えば、温度検出部233が検出した領域A3における温度が他の領域と比較して低いとき、第1制御部250Aは領域A3に対応する照射領域の第2発光期間E2の長さを他の領域よりも長くするようにバックライト232を制御する。
代替的に、温度検出部233は、領域A1乃至A5のうち1つの領域の温度を測定してもよい。或いは、温度検出部233は、領域A1乃至A5の温度の平均値を液晶パネル231の温度として出力してもよい。第1制御部250Aは、相対的に下方に位置する領域(例えば、領域A5や領域A4)に対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを相対的に上方に位置する領域(例えば、領域A1や領域A2)に対応する第2発光期間E2よりも長く設けるようにバックライト232を制御してもよい。例えば、第1制御部250Aは、領域A3に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティに対して、領域A4及び領域A5に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティを5%増とし、領域A1及び領域A5に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティを5%減とするようにバックライト232を制御してもよい。かくして、熱対流の影響が考慮されつつ、第2発光期間E2の調整が実行される。
図7Bに示される如く、液晶パネル231の表示領域は、行列状に概念的に分割されてもよい。図7Aに関連して説明されたように、バックライト232は、概念的に分割された液晶パネル231の各領域(図7Bにおいて、領域A11乃至A53が示されている)に対応する照射領域を備える。温度検出部233は、各領域A11乃至A53の温度を検出する。第1制御部250Aは、検出された温度に応じて、各領域A11乃至A53に対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを調整する。表示領域の概念的な分割数及びこれに対応する独立制御可能な照射領域の数の増大は、表示装置200Aの特性に応じたバックライト232の精密な制御を可能にする。例えば、領域A42の付近に比較的発熱量の大きな素子が存するとき、温度検出部233は当該素子に起因する液晶の温度上昇を検出する。この結果、第1制御部250Aは、領域A42及び/又はその周囲の領域の第2発光期間E2を不必要に長く設定することなく、適切にバックライト232を制御することができる。かくして、表示装置200Aの省電力化が促される。
<第3実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第3実施形態に援用される。第3実施形態において、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さに代えて、液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2におけるバックライト232の輝度を調整する。
図8は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図8の左図は、液晶パネル231の温度が比較的高いときのバックライト232に対する制御を示す。図8の右図は、液晶パネル231の温度が低下したときのバックライト232に対する制御を示す。図8のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図8のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図8のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図8を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第2実施形態との相違点が説明される。
図8のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第2実施形態と同様である。また、第2制御部240の制御に基づく光学フィルタ部310(左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312)の動作も第2実施形態と同様である。更に、第1発光期間E1の長さ及びタイミング並びに第1発光期間におけるバックライト232の輝度は、第2実施形態と同様である。また、第2実施形態と同様に、消灯期間LOが第1発光期間E1と第2発光期間E2との間に設けられる。
図8のセクション(B)に示される如く、第1制御部250Aは、温度検出部233によって検出された液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2におけるバックライト232の輝度を変化させる。比較的高い液晶パネル231の温度条件(図8左図)から液晶パネル231の温度が低下したときの第1制御部250Aによるバックライト232に対する制御の変化が以下に説明される。
本実施形態において、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度変動に拘わらず、第1発光期間E1及び第2発光期間E2の長さ及びタイミングを略一定に保つ。
十分に高い液晶の応答速度が得られる温度条件(図8左図参照)において、第1制御部250Aは、第2発光期間E2において、比較的低い発光輝度(図8左図中、「50」の相対発光輝度の値が示されている)でバックライト232を点灯させる。液晶パネル231の温度が所定値以下となるとき、第1制御部250Aは第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度を増大させる(図8右図中、「150」の相対発光輝度の値が示されている)。この結果、液晶パネル231の温度が増大し、液晶の応答速度が向上する。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に低減される。上述の如く、バックライト232に用いられるLEDの発光輝度を調整するためのLEDへの駆動電流は、LEDの寿命や信頼性を考慮して決定されることが好ましい。
図9は、液晶パネル231の温度と、液晶パネル231の温度に対して設定される第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度との間の関係を例示するグラフである。図9のグラフの横軸は、液晶パネル231の温度を示す。図9のグラフの縦軸は、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度を示す。図4、図8及び図9を参照しつつ、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の調整制御が更に説明される。
図9中、立体映像を表示するのに適切な温度範囲は、「立体表示動作温度範囲」として示される。立体表示動作温度範囲の上限値は、「T」で示されている。立体表示動作温度範囲の下限値は、「T」で示されている。更に、液晶パネル231の液晶の温度に対する閾値は、「TTH」で示されている。液晶パネル231の温度が、TTH以上T以下であるとき、液晶パネル231の温度は、液晶パネル231の液晶は、十分な応答速度を有し、液晶パネル231は、視聴者に、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された映像(左眼用映像及び右眼用映像)を提供することができる。このとき、第1制御部250Aは、第2発光期間E2中のバックライト232の相対発光輝度が、例えば、「50」の値となるようにバックライト232を制御する。尚、図9に示される相対発光輝度と液晶パネル231の温度との間の関係は、本実施形態の原理を何ら制限するものではない。例えば、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度が十分高いとき、バックライト232を消灯させてもよい。したがって、第2実施形態と同様に、液晶パネル231の温度が、例えば、「TTH」以上であるとき、第1制御部250Aはバックライト232の相対発光輝度が「0」となるようにバックライト232を制御してもよい。
液晶パネル231の温度がTTHを下回ると、第1制御部250Aは、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度を徐々に増大させるようにバックライト232を制御する。図9に示される第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度に対する制御では、液晶パネル231の温度がTであるとき、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度が「150」となるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。
図9に示される第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度に対する制御によれば、表示装置200Aは、液晶パネル231の温度変化に起因する左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを比較的少ない電力消費で抑制することができる。したがって、表示装置200Aが設置された様々な環境或いは様々な動作条件に対応して、表示装置200Aは比較的少ない消費電力で、高い品質の立体映像を視聴者に提供することができる。
図7A及び図7Bに関連して説明された如く、本実施形態においても、温度検出部233は、液晶パネル231の表示領域に概念的に規定された領域A1乃至領域A5(図7A参照)或いは領域A11乃至A53(図7B参照)ごとに温度を測定してもよい。また、第1制御部250Aは、液晶パネル231の表示領域に概念的に規定された領域A1乃至領域A5(図7A参照)或いは領域A11乃至A53(図7B参照)に対応する照射領域ごとに発光輝度を独立して調整してもよい。例えば、図7Aに示される領域A2が他の領域A1,A3乃至A5と較べて低いとき、第1制御部250Aは、領域A2に光を照射するバックライト232の照射領域の発光輝度を、第2発光期間E2において、他の照射領域よりも高くしてもよい。代替的に、表示装置200A内の熱の移動を考慮して、第1制御部250Aは、上方に位置する液晶パネル231の領域に光を照射する照射領域の発光輝度が、下方に位置する液晶パネル231の領域に光を照射する照射領域の発光輝度より高くなるようにバックライト232を制御してもよい。
第2実施形態及び第3実施形態において、温度検出部233として用いられる温度センサは液晶パネル231の温度を測定している。代替的に、温度検出部233として、表示装置200Aが設置された環境の温度を検知する温度センサが用いられてもよい。
第2実施形態において、第2発光期間E2の長さが単独で調整されている。第3実施形態において、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されている。代替的に、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さ及び第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の両方を液晶パネル231の温度に応じて調整してもよい。
図6に示された液晶パネル231と第2発光期間E2の長さとの間の関係及び図9に示された第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度との間の関係は、例示的なものである。したがって、これらの関係に関する他の設定が用いられてもよい。
<第4実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第4実施形態に援用される。第4実施形態において、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、第1制御部250Aは、バックライト232の照射領域ごとに第1発光期間E1のタイミングを制御する。
図10は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図10のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図10のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図10のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図10を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第1実施形態との相違点が説明される。
図10のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第1実施形態と同様である。尚、液晶パネル231の表示領域は、説明の便宜上、領域D1(最も上方に位置する表示領域)乃至領域D8(最も下方に位置する表示領域)に概念的に分割して示されている。
図10のセクション(B)に示されるバックライト232は、液晶駆動部220による映像(左眼用映像及び右眼用映像)の副走査方向に分割された8つの照射領域L1乃至L8を含む。照射領域L1乃至L8それぞれは、液晶パネル231の領域D1乃至D8に光を照射する。第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8におけるバックライト232の点灯タイミング及び点灯期間の長さ(第1発光期間E1(第1発光期間E1及び第2発光期間E2)を調整する。第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8において、バックライト232が映像の視聴に直接的な影響を与えるメイン発光を行う第1発光期間E1と、バックライト232が映像の視聴に直接的な影響を与えないサブ発光を行う第2発光期間E2とを設ける。また、各照射領域L1乃至L8において、第1発光期間E1と第2発光期間E2との間にバックライト232が消灯される消灯期間LOが設けられる。
第1発光期間E1におけるバックライト232のメイン発光が説明される。図10のセクション(A)の矢印Aで示される如く、映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)は、液晶パネル231の上部に存する領域D1から書き込まれ、液晶パネル231の下部に存する領域D8において映像信号の書き込みが終了する。したがって、液晶パネル231の液晶層の応答は、領域D1から開始され、領域D8において完了する。かくして、液晶パネル231の上部で表示される映像ほど、左眼用映像から右眼用映像への切り替わり或いはその逆が早期に行われることとなる。
図10のセクション(C)に示される如く、第2制御部240は、領域D1における液晶パネル231の液晶層の応答完了時刻から領域D8における液晶層の応答完了時刻までの間、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過する光量を増大させるように眼鏡装置300の光学フィルタ部310を制御する。したがって、光量増大期間Iは、L区間とR区間との間の切り替わり時刻を跨ぐ。光量増大期間Iの開始時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻前であり、光量増大期間Iの終了時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻後である。
液晶パネル231の領域D1において、映像信号の書き込みに応じた液晶の応答が完了すると、第1制御部250Aはバックライト232を制御し、照射領域L1を点灯させる。その後、液晶パネル231の領域D1において次の映像信号の書き込みが開始される前に、第1制御部250Aはバックライト232を制御し、照射領域L1を消灯させる。領域D1における液晶パネル231への映像信号の書き込み(或いは、液晶パネル231の液晶の応答の完了)に同期するように、バックライト232の対応する照射領域L1を発光/消灯させる結果、液晶パネル231の領域D1に表示された映像(左眼用映像又は右眼用映像)は、左眼又は右眼に到達する。上述の液晶パネル231の領域D1並びにバックライト232の照射領域L1に関連する説明は、領域D1及び照射領域L1の下方に位置する領域D2乃至D8並びに対応する照射領域L2乃至L8に対して、同様に適用される。したがって、バックライト232は、上部から下部に向けて順次点灯並びに消灯する。
上述の如く、各領域において、液晶パネル231の書き込み並びに当該書き込みに対応する液晶の応答が完了した後にバックライト232の各照射領域L1乃至L8が点灯することによって、視聴者は、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された立体映像の視聴を享受することができる。このように各照射領域L1乃至L8の点灯・消灯タイミングが独立して制御されることにより、第1乃至第3実施形態(バックライト232全体が一斉に発光する)と較べて全体として長い第1発光期間E1が設定されることとなる。この結果、視聴者は比較的明るい立体映像の視聴を享受することができる。図10に関連して説明されたバックライト232の点灯方式(各照射領域L1乃至L8が順次点灯及び消灯する方式)は、バックライトスキャン(或いは、バックライトスクロール)と称される。左眼用映像信号の書き込みに対応するバックライト232のバックライトスキャン制御及び右眼用映像信号の書き込みに対応するバックライト232のバックライトスキャン制御は互いに略等しい様式で実行されてもよい。このようにして、左眼用映像及び右眼用映像が、バックライトスキャンの下、液晶パネル231上に映し出されることによって、視聴者は、比較的明るく、且つ、比較的クロストークの少ない高品位の立体映像を視聴することができる。
尚、図10のセクション(C)において、光量増大期間Iは、バックライトスキャンの開始時点(即ち、照射領域L1における第1発光期間E1の開始時刻)からバックライトスキャンの終了時点(即ち、照射領域L8における第1発光期間E1の終了時刻)までの期間を網羅するように設定されている。
第2発光期間E2におけるバックライト232のサブ発光が説明される。図10に示される如く、第2発光期間E2は、光量増大期間I以外の期間(即ち、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312が、液晶パネル231に表示される映像からの光の透過光量を低減させている期間)に設けられる。第1乃至第3実施形態と同様に、第2発光期間E2が設けられることにより、液晶パネル231の温度低下が好適に抑制される。この結果、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に抑制される。
本実施形態において、第2発光期間E2は、光量増大期間I以外の期間を略網羅するようにバックライト232は点灯される。代替的に、第2発光期間E2の長さ(即ち、サブ発光のデューティ)は、表示装置200Aの周囲温度に拘わらず、十分な液晶の応答特性が得られるような固定値として決定されてもよい。同様に、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度も、表示装置200Aの周囲温度に拘わらず、十分な液晶の応答特性が得られるような固定値として決定されてもよい。このように、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の大きさが固定値として決定されるならば、温度検出部233は省略されてもよい。
代替的に、温度検出部233が検出した液晶パネル231の温度或いは表示装置200Aの周囲の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されてもよい。このように液晶パネル231の温度或いは表示装置200Aの周囲の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されることにより、比較的少ない消費電力を用いて、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが抑制されることとなる。
<第5実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第5実施形態に援用される。第5実施形態において、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、第1制御部250Aは、バックライト232の照射領域ごとに第1発光期間E1のタイミングに加えて、第2発光期間E2のタイミング及び長さを調整する。
図11は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図11のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図11のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図11のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図11を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第4実施形態との相違点が説明される。
図11のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第4実施形態と同様である。また、第4実施形態と同様に、液晶パネル231の表示領域は、説明の便宜上、領域D1(最も上方に位置する表示領域)乃至領域D8(最も下方に位置する表示領域)に概念的に分割して示されている。領域D1乃至領域D8と、液晶パネル231の照射領域L1乃至L8の対応関係は、第4実施形態と同様である。加えて、第4実施形態と同様に、第2制御部240は、領域D1における液晶パネル231の液晶層の応答完了時刻から領域D8における液晶層の応答完了時刻までの間、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過する光量を増大させるように眼鏡装置300の光学フィルタ部310を制御する。したがって、光量増大期間Iは、L区間とR区間との間の切り替わり時刻を跨ぐ。光量増大期間Iの開始時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻前であり、光量増大期間Iの終了時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻後である。また、第1発光期間E1におけるバックライト232の点灯は、第4実施形態で説明されたバックライトスキャンに従う。
表示装置200Aは、一般的に、略垂直に立設される。したがって、映像(左眼用映像及び右眼用映像)の上部を表示する領域D1は、物理的に、上方に位置することが多い。また、映像の下部を表示する領域D8は、物理的に、下方に位置することが多い。このとき、液晶パネル231及びバックライト232の動作に起因する熱は、対流の影響により、上方に向かうので、液晶パネル231の上方に存する表示領域ほど、高い温度となりやすい。逆に、液晶パネル231の下方に存する表示領域ほど、低い温度となりやすい。
図11のセクション(C)に示される如く、第1制御部250Aは、バックライト232のサブ発光のデューティ(第2発光期間E2の長さ)を下方の照射領域ほど大きくしている(即ち、「照射領域L1におけるサブ発光のデューティ」<「照射領域L2におけるサブ発光のデューティ」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光のデューティ」)。この結果、バックライト232の発熱量は、下方の照射領域ほど大きくなる。この結果、液晶パネル231の表示領域は、均一な温度分布に近づけられる。かくして、液晶パネル231全体的にクロストークの低減が図られる。
上述の如く、本実施形態では、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さを照射領域L1乃至L8ごとに調整している。代替的に、第1制御部250Aは、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度を照射領域L1乃至L8ごとに調整してもよい。例えば、第1制御部250Aは、「照射領域L1におけるサブ発光輝度」<「照射領域L2におけるサブ発光輝度」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光輝度」となるように、バックライト232を制御してもよい。
上述の如く、本実施形態では、「照射領域L1におけるサブ発光のデューティ」<「照射領域L2におけるサブ発光のデューティ」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光のデューティ」となるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。代替的に、第1制御部250Aは、表示装置200Aが設置された環境及び/又は表示装置200Aの特性に応じて定まる液晶パネル231の表示領域の温度分布特性に応じて、バックライト232を制御してもよい。例えば、液晶パネル231の表示領域の中央部分が比較的暖まりやすい特性を有する表示装置200Aの場合、第1制御部250Aは液晶パネル231の周縁近傍を暖めるようにバックライト232を制御してもよい。
温度検出部233は、液晶パネル231の一部の温度を検出してもよい。代替的に、温度検出部233は、液晶パネル231の各領域D1乃至D8或いはこれら各領域の一部の温度を検出してもよい。第1制御部250Aは、各領域D1乃至D8においてそれぞれ検出された温度に基づき、サブ発光のデューティ(第2発光期間E2の長さ)や第2発光期間E2における各照射領域L1乃至L8の発光輝度を調整してもよい。このような制御によっても、比較的一様な液晶パネル231の温度分布が得られ、局所的なクロストークの発生が好適に抑制される。
第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8における第2発光期間E2の長さ及び第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度のうち少なくとも一方のパラメータを調整可能であることが好ましい。この結果、比較的一様な液晶パネル231の温度分布が得られ、局所的なクロストークの発生が好適に抑制される。
上述の実施形態を通じて説明された原理が逸脱されない限り、当業者が想到することができる様々な変更がなされてもよい。また、上述の様々な実施形態に示される構成要素が組み合わされた形態は、上述された説明の要旨の範囲内に含まれる。
上述された実施形態は、すべての点で例示的なものであって制限的なものではないと考えられるべきである。上述された説明の要旨の範囲は、詳述された実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述された実施形態は、以下の構成を主に備える。以下の構成を備える表示装置及び映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを抑制することができる。
上述の実施形態の一の局面に係る表示装置は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
上記構成によれば、液晶駆動部によって書き込まれた映像信号に応じて、液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する。左眼用映像は、左眼視聴期間において左眼で視聴される。右眼用映像は、右眼用視聴期間において右眼で視聴される。この結果、視聴者は、脳内で視覚的な立体像を生成することができる。バックライトは、制御部の制御下で、液晶パネルに光を照射する。バックライトが発光する第1発光期間は、左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれに設けられる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間において、左眼用映像及び右眼用映像それぞれを好適に視聴することができる。制御部は更に、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、バックライトを発光させる第2発光期間を設ける。第1発光期間と第2発光期間との間には、バックライトが消灯される消灯期間が設けられる。かくして、バックライトによる電力消費及びバックライトの温度低下が好適に抑制される。バックライトの温度低下が抑制されるので、液晶パネルの応答速度の低下が好適に抑制される。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間の長さを調整することが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、液晶パネルの温度を検出する。制御部は、液晶パネルの温度に応じて、第2発光期間の長さを調整する。したがって、バックライトの温度が適切に制御されることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間における前記バックライトの発光輝度を調整することが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、液晶パネルの温度を検出する。制御部は、液晶パネルの温度に応じて、第2発光期間におけるバックライトの発光輝度を調整する。したがって、バックライトの温度が適切に制御されることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間の長さと、前記第2照射領域における前記第2発光期間の長さとを独立して制御することが好ましい。
上記構成によれば、バックライトは、第1照射領域と第2照射領域とを含む。第1照射領域及び第2照射領域は互いに異なる液晶パネルの領域に光を照射する。制御部は、第1照射領域における第2発光期間の長さと、第2照射領域における第2発光期間の長さとを独立して制御する。かくして、液晶パネルの温度のばらつきに対応して、第2発光期間の長さの制御が行われる。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度と、前記第2照射領域の発光輝度とを独立して制御することが好ましい。
上記構成によれば、バックライトは、第1照射領域と第2照射領域とを含む。第1照射領域及び第2照射領域は互いに異なる液晶パネルの領域に光を照射する。制御部は、第1照射領域の発光輝度と、第2照射領域の発光輝度とを独立して制御する。かくして、液晶パネルの温度のばらつきに対応して、発光輝度の制御が行われる。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間を第2照射領域における前記第2発光期間より長くし、前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、第1照射領域によって光が照射される第1表示領域及び第2照射領域によって光が照射される第2表示領域の温度を検出する。第1表示領域の温度が第2表示領域の温度より低いとき、制御部は、第1照射領域における第2発光期間を第2照射領域における第2発光期間より長くする。また、第2表示領域の温度が第1表示領域の温度より低いとき、制御部は、第2照射領域における第2発光期間を第1照射領域における第2発光期間より長くする。したがって、温度が低下している領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、第2発光期間の長さが不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度を前記第2照射領域の発光輝度よりも高くし、前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、第1照射領域によって光が照射される第1表示領域及び第2照射領域によって光が照射される第2表示領域の温度を検出する。第1表示領域の温度が第2表示領域の温度より低いとき、制御部は、第1照射領域の発光輝度を第2照射領域の発光輝度よりも高くする。また、第2表示領域の温度が第1表示領域の温度より低いとき、制御部は、第2照射領域の発光輝度を第1照射領域の発光輝度よりも高くする。したがって、温度が低下している領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、バックライトの発光輝度が不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることが好ましい。
上記構成によれば、熱対流により、比較的、温度上昇がしやすい上方の領域に光を照射する第1照射領域の第2発光期間よりも、比較的低温になりやすい下方の領域に光を照射する第2照射領域の第2発光期間が長くされる。したがって、温度が低下しやすい領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、第2発光輝度の長さが不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることを特徴とする。
上記構成によれば、熱対流により、比較的、温度上昇がしやすい上方の領域に光を照射する第1照射領域の発光輝度よりも、比較的低温になりやすい下方の領域に光を照射する第2照射領域の発光輝度が長くされる。したがって、温度が低下しやすい領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、バックライトの発光輝度が不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1表示領域及び前記第2表示領域は、前記液晶駆動部による前記映像信号の書き込みの副走査方向に分割され、前記制御部は、前記第1表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して、前記第1照射領域を発光させるとともに前記第2表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して前記第2照射領域を発光させるように前記第1発光期間を設けることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示領域及び第2表示領域は、液晶駆動部による映像信号の書き込みの副走査方向に分割される。制御部が、第1表示領域への映像信号の書き込みに同期して、第1照射領域を発光させるとともに第2表示領域への映像信号の書き込みに同期して第2照射領域を発光させるように第1発光期間を設けるので、比較的長い第1発光期間が設定される。かくして、視聴者は比較的高い明度の映像を視聴することができる。
上記構成において、前記制御部は、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置を制御し、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において前記右眼へ到達する前記光の量を増大させることが好ましい。
上記構成によれば、制御部は、左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置を制御する。制御部は、左眼視聴期間において、左眼へ到達する前記光の量を増大させるとともに右眼視聴期間において、右眼へ到達する光の量を増大させる。かくして、視聴者は、左眼視聴期間において左眼で左眼用映像を視聴し、右眼視聴期間において右眼で右眼用映像を視聴することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に切り換えて表示する表示装置と、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において、前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において、前記右眼へ到達する前記光の量を増大させ、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
上記構成によれば、液晶駆動部によって書き込まれた映像信号に応じて、液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する。眼鏡装置の左眼フィルタは、左眼視聴期間において、左眼へ到達する光の量を増大させる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間において左眼で左眼用映像を視聴することができる。眼鏡装置の右眼フィルタは、右眼視聴期間において、右眼へ到達する光の量を増大させる。したがって、視聴者は、右眼視聴期間において右眼で右眼用映像を視聴することができる。この結果、視聴者は、脳内で視覚的な立体像を生成することができる。バックライトは、制御部の制御下で、液晶パネルに光を照射する。バックライトが発光する第1発光期間は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間中に設けられる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間において、左眼用映像及び右眼用映像それぞれを好適に視聴することができる。制御部は更に、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、バックライトを発光させる第2発光期間を設ける。第1発光期間及び第2発光期間は断続的に設けられる。かくして、バックライトによる電力消費及びバックライトの温度低下が好適に抑制される。バックライトの温度低下が抑制されるので、液晶パネルの応答速度の低下が好適に抑制される。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
本実施形態の原理は、クロストークの低減が可能な表示装置及び映像視聴システムに好適に適用される。
本発明は、映像を立体的に知覚させるための映像を表示する表示装置及び該表示装置が表示する映像を視聴するための映像視聴システムに関する。
映像を立体的に知覚させるための映像を表示する表示装置は、左眼で視聴されるための左眼用映像と、右眼で視聴されるための右眼用映像とを所定周期(例えば、フィールド周期)で交互に表示する。表示される左眼用映像及び右眼用映像は、視差の分だけ異なる内容を含む。視聴者は、左眼用映像及び右眼用映像の表示周期に同期して駆動される液晶シャッタを備える眼鏡装置を通じて、左眼用映像及び右眼用映像を視聴する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この結果、視聴者は、左眼用映像及び右眼用映像によって表現されたオブジェクトを立体的に知覚する。
図12は、従来の映像視聴システムのブロック図である。尚、図12に示される映像視聴システムには、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。
映像視聴システム900は、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される映像信号処理部901を備える。映像信号処理部901は、入力された映像信号を120Hzの左眼用映像信号と右眼用映像信号とに変換する。変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は、液晶駆動部902及びバックライト制御部903へ出力される。液晶駆動部902は、120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を液晶パネル904で表示可能な形式に変換する。液晶駆動部902によって変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は液晶パネル904に出力される。バックライト制御部903は、バックライト905に発光制御信号を出力する。バックライト905は、発光制御信号により液晶パネル904に対し、液晶パネル904の背面から光を照射する。この結果、液晶パネル904に、120Hzで左眼用映像及び右眼用映像が交互に表示される。
眼鏡装置950は、左眼シャッタ951と右眼シャッタ952とを備える。映像信号処理部901によって変換された120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を基準にして、左眼シャッタ951用のシャッタ制御回路906及び右眼シャッタ952用のシャッタ制御回路907は、左眼シャッタ951及び右眼シャッタ952を同期制御する。
図13は、従来の映像視聴システム900の制御タイミングチャートである。図13のセクション(A)は、液晶パネル904の左眼用映像及び右眼用映像の走査タイミングを示す。図13のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図13のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図12及び図13を参照しつつ、従来の映像視聴システム900が説明される。
液晶パネル904に左眼用映像信号及び右眼用映像信号が順次書き込まれる。この間、バックライト905は常時点灯している。シャッタ制御回路906,907は、シャッタ951,952を制御する。液晶パネル904への左右交互の書き込み走査の後、シャッタの開期間がそれぞれの映像期間の半分となるように、シャッタ951,952は、シャッタ制御回路906,907の制御下で開閉する。シャッタ951,952を通じて視聴される左眼用映像及び右眼用映像は、視聴者の左右の眼でそれぞれ視聴される。この結果、視聴者は、脳内で、視覚的な立体像を生成する。
図13に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムにおいて、視聴者はシャッタ951,952が開かれている期間(立体像の生成に必要な映像を視聴するのに十分な期間)のみ左眼用映像又は右眼用映像を視聴する。一方、バックライト905は、シャッタ951,952が開かれている期間以外の期間においても常時点灯している。したがって、図13に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムは、省電力の観点から好ましくない。
図14は、従来の映像視聴システム900の他の制御タイミングチャートである。図14のセクション(A)は、液晶パネル904の左眼用映像及び右眼用映像の走査タイミングを示す。図14のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図14のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図12乃至図14を参照しつつ、従来の映像視聴システム900が更に説明される。
特許文献2は、左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が点灯される制御を開示する。図14に示される制御では、図13に示される制御と異なり、左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が発光している。したがって、図14に示される制御は、図13に示される制御よりも省電力の点で優れている。
図14に示される映像視聴システムは、以下に述べられるような課題を有する。左眼用映像又は右眼用映像が視聴される期間のみバックライト905が点灯されることは、バックライト905の点灯期間の短縮を意味する。バックライト905の点灯期間の短縮の結果、液晶パネル904の温度低下が引き起こされる。液晶パネル904の温度低下は、液晶パネル904の応答速度の低下を招来する。
液晶パネル904の応答速度が低下すると、遅い液晶の応答に起因して、例えば、右眼用映像の走査の完了の後も、左眼用映像の一部が液晶パネル904に表示され続ける。この結果、左眼用映像からの映像光が右眼シャッタを透過し、視聴者の右眼へ到達する。同様に、左眼用映像の走査完了の後に表示され続ける右眼用映像の一部からの映像光が左眼用シャッタを透過し、視聴者の左眼へ到達する。右眼で視聴される左眼用映像及び/又は左眼で視聴される右眼用映像はクロストークと呼ばれる妨害画像であり、視聴者の脳内での視覚的な立体像の生成を阻害する。
特開昭62−133891号公報 特開2009−25436号公報
本発明は、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る表示装置は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に切り換えて表示する表示装置と、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において、前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において、前記右眼へ到達する前記光の量を増大させ、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図1に示される映像視聴システムの概略図である。 図1に示される映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 第2実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図4に示される映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 図5に示される映像視聴システムの制御に用いられる液晶パネルの温度と、液晶パネルの温度に対して設定される第2発光期間との間の関係を例示するグラフである。 図4に示される映像視聴システムの温度検出部による液晶パネルの温度の検出手法を例示する液晶パネルの表示領域の概略図である。 図4に示される映像視聴システムの温度検出部による液晶パネルの温度の検出手法を例示する液晶パネルの表示領域の概略図である。 第3実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 図8に示される映像視聴システムの制御に用いられる液晶パネルの温度と、液晶パネルの温度に対して設定される第2発光期間におけるバックライトの発光輝度と間の関係を例示するグラフである。 第4実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 第5実施形態に係る映像視聴システムの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。 従来の映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。 従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。 従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。
以下、一実施形態に係る表示装置及び映像視聴システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、本実施形態の原理は、これらに何ら限定されるものではない。
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムの概略図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの構成が説明される。
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるための左眼用映像信号(以下、L信号と称される)に基づく左眼用映像と、右眼で視聴されるための右眼用映像信号(以下、R信号と称される)に基づく右眼用映像とを表示する表示装置200と、表示装置200が表示する映像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示する映像を立体的に知覚する。
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼フィルタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼フィルタ312とを含む光学フィルタ部310を備える。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312は、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成される光学素子を含む。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312として、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光路を開閉するシャッタ素子(例えば、液晶シャッタ)、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏光する偏光素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタ311は、左眼用映像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、右眼用映像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタ312は、右眼用映像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、左眼用映像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250及び第2制御部240を備える。
映像信号処理部210には、制御の基礎となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。そして、映像信号処理部210は、入力された映像信号を、制御の基礎となる垂直同期周波数のN倍(Nは自然数)の周波数で、L信号とR信号とに分割して出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学フィルタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の出力に同期する120Hzの同期信号であってもよい。本実施形態において第1制御部250及び/又は第2制御部240は制御部として例示される。
表示部230は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と、右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互切り換えて表示する液晶パネル231と、液晶パネル231に光を照射するバックライト232とを備える。液晶駆動部220は、120HzのL信号及びR信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、変換されたL信号及びR信号を液晶パネル231へ書き込む。
液晶パネル231は、入力されたL信号とR信号とに応じて、背面から入射する光を変調し、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と、右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを順次表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅する。
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学フィルタ部310を、左眼用映像及び右眼用映像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼フィルタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼フィルタ312を制御するための眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231が左眼用映像及び右眼用映像を、例えば、120Hzで表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼フィルタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼フィルタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼フィルタ311と右眼フィルタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼フィルタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼フィルタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、同期信号を共通化して左眼用映像の表示と右眼用映像の表示とを信号の立ち上がりに交互に同期させてもよい。
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼フィルタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼フィルタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示される左眼用映像及び右眼用映像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。本実施の形態において、光量増大期間の長さは、60Hzの左眼用映像の表示及び/又は60Hzの右眼用映像の表示の一周期期間(16.7msec)の25%(デューティ:25%)とされている。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。本実施形態において、左眼光量に対する光量増大期間の長さは、左眼用映像が走査される左眼走査区間の半分の時間長さに設定されている。また、右眼光量に対する光量増大期間の長さは、右眼用映像が走査される眼走査区間の半分の時間長さに設定されている。
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅する。本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、左眼用映像が視聴される左眼視聴期間(即ち、第2制御部240の制御下で動作する左眼フィルタ311が左眼光量を増大させている期間)及び右眼用映像が視聴される右眼視聴期間(即ち、第2制御部240の制御下で動作する右眼フィルタ312が右眼光量を増大させている期間)中に発光する。左眼視聴期間及び右眼視聴期間中のバックライト232の発光期間は、以下の説明において、第1発光期間と称される。本実施形態において、バックライト232は更に、左眼視聴期間及び右眼視聴期間以外の期間(即ち、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間)において、第1制御部250の制御下で発光する。左眼視聴期間及び右眼視聴期間以外の期間におけるバックライト232の発光期間は、以下の説明において、第2発光期間と称される。第1制御部250は、第1発光期間と第2発光期間とを断続的に設定する。
(バックライトの制御)
図3は、映像視聴システム100の制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図3のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図3のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図3のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図1及び図3を参照しつつ、バックライト232の制御が説明される。
図3に示される如く、16.7m秒の1フィールドの期間は、左眼走査区間(以下、L区間と称される)と右眼走査区間(以下、R区間と称される)とに分割される。L区間において、左眼用映像が走査される。R区間において、右眼用映像が走査される。各フィールドのL区間において、左眼用映像信号が液晶パネル231に書き込まれる。また、各フィールドのR区間において、右眼用映像信号が液晶パネル231に書き込まれる。
図3のセクション(A)に示される矢印Aは、映像信号(L信号及びR信号)の書き込みを示す。また、図3のセクション(A)に示される液晶パネル231において、映像の上部を表示する上部表示領域D1,映像の下部を表示する下部表示領域D3及び上部表示領域D1と下部表示領域D3との間の中間表示領域D2が示されている。中間表示領域D2は、上部表示領域D1で表示される映像部分と下部表示領域D3で表示される映像部分との間の映像部分を表示する。
図3のセクション(A)の矢印Aで示される如く、映像信号(L信号及びR信号)は、上部表示領域D1、中間表示領域D2及び下部表示領域D3の順で液晶パネル231に書き込まれる。本実施形態において、L信号及びR信号それぞれの書き込みは、1フィールド(16.7m秒)の約4分の1の期間で完了している。
図3のセクション(B)に示される「150」の数値は、バックライト232の相対発光輝度を表す。例えば、バックライト232の相対発光輝度の「150」との数値は、常時発光状態にあるバックライト232に適切な発光輝度として与えられる数値「100」(例えば、図13に示されるように)を基準とした相対的な発光輝度として理解されてもよい。
図3のセクション(B)に示される如く、バックライト232は、第1発光期間E1及び第2発光期間E2において発光する。断続的に設定された第1発光期間E1と第2発光期間E2との間には、バックライト232が消灯される消灯期間LOが設けられる。第1発光期間E1のタイミング及び長さは、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312それぞれが左眼光量又は右眼光量を増大させる光量増大期間Iのタイミング及び長さと略合致する。第2発光期間E2は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312がともに左眼及び右眼への透過光量を低減させている期間(即ち、光量増大期間I以外の期間)に設けられる。左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312がともに左眼及び右眼への透過光量を低減させている期間は、左眼用映像及び右眼用映像が視聴されない非視聴期間となる。図3に示される如く、以下の説明において、第1発光期間E1中のバックライト232の発光は、メイン発光と称される。また、第2発光期間E2中のバックライト232の発光は、サブ発光と称される。
メイン発光及びサブ発光の役割が説明される。図3のセクション(C)に示される如く、光量増大期間Iは、L区間における左眼用映像の走査の完了及びR区間における右眼用映像の走査の完了と略同時に開始され、L区間とR区間との間の切り換えと略同時に終了する。この結果、L区間において、視聴者は左眼で左眼用映像を視聴し、R区間において、視聴者は右眼で右眼用映像を視聴する。左眼用映像と右眼用映像との間に設けられた視差によって、視聴者は脳内で左眼用映像及び右眼用映像中で表現されたオブジェクトを立体的に知覚する。したがって、左眼及び右眼いずれかへの透過光量が増大している光量増大期間Iにおけるバックライト232の発光は、映像の視聴に直接的な影響を与える。以下の説明において、第1発光期間E1中のバックライト232の発光はメイン発光と称される。
一方、左眼及び右眼への透過光量がともに低減されている期間(光量増大期間I以外の期間)におけるバックライト232からの光(即ち、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光)は、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312によって遮断され、視聴者の左眼及び右眼に到達しない。したがって、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光は、映像の視聴に直接的な影響を与えない。以下の説明において、第2発光期間E2中のバックライト232の発光はサブ発光と称される。本実施形態において、メイン発光及びサブ発光の発光輝度は、「150」の値の相対発光輝度(例えば、図14に示される従来のバックライトに対して1.5倍の発光輝度)である。第2発光期間E2の長さ(即ち、サブ発光の期間の長さ)は、第1発光期間E1(即ち、メイン発光の期間の長さ)の約1/3の長さである。
液晶パネル231とクロストークとの間の関係が説明される。液晶パネル231は、映像を表示するための液晶層(図示せず)を備える。液晶駆動部220がL信号又はR信号を書き込むと、液晶パネル231の液晶層に含まれる液晶分子の配列方向が変化する。この結果、液晶パネル231の光透過率が変化する。バックライト232が液晶パネル231へ光を照射すると、液晶パネル231の光透過率の変化に応じて、液晶パネル231上の輝度が変化する。この結果、視聴者は、液晶駆動部220によって書き込まれたL信号に基づく左眼用映像又はR信号に基づく右眼用映像を視聴することができる。
液晶パネル231の液晶層が低温であるとき、液晶駆動部220の映像信号(L信号及び/又はR信号)の書き込みに対する液晶分子の応答速度は一般的に低くなる。したがって、映像信号が液晶パネル231に書き込まれてから液晶パネル231の光透過率が変化するまでの時間が長くなる。液晶パネル231の光透過率の変化(映像信号の書き込みに対応する光透過率の変化)が、光量増大期間Iの開始までに完了しないならば、映像信号の書き込み前の映像の一部が左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過し、左眼又は右眼に到達する。したがって、左眼用映像が右眼で視聴され、右眼用映像が左眼で視聴されることとなる。このような不具合は、クロストークと称される。
図3に示される如く、第1発光期間E1におけるバックライト232の発光輝度が比較的高く設定されることにより、液晶パネル231の温度が上昇する。また、第2発光期間E2が設けられることにより、液晶パネル231の温度低下が抑制される。したがって、液晶パネル231の液晶の応答遅れが好適に抑制される。かくして、本実施形態に係る映像視聴システム100は、クロストークが低減された高品質の立体映像を提供することができる。
バックライト232に用いられるLEDの発光輝度は、LEDへの駆動電流及び発光期間(発光デューティ)のうち少なくとも一方が変更されることにより調整されることが一般的である。本実施形態において、第1発光期間E1のタイミング並びに長さは、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示に対してそれぞれ規定された光量増大期間Iのタイミング並びに長さと略一致するように定められている。
本実施形態において、第1発光期間E1におけるLEDの発光輝度は、LEDへの駆動電流を用いて調整される。LEDの駆動電流は、LEDの動作寿命に影響を与えない範囲、発光色の変化による表示色変化に大きな影響を与えない範囲及び/又は省電力の観点から許容できる発光効率の範囲で調整されることが好ましい。この結果、動作寿命の短縮、発光色(色度)の変化及び/又は発光効率の低下が好適に抑制される。
本実施形態において示された1.5倍の発光輝度の増加率に代えて、LED素子の種類や駆動電流と発光デューティとの組み合わせに応じて、バックライト232の発光輝度が他の増加率に変更されてもよい。バックライト232の発光輝度の増加率は、好ましくは、例えば、LED素子の寿命に応じて決定される。LED素子への駆動電流によるバックライト232の発光輝度の調整に代えて、LED素子をパルス幅変調(PWM)駆動することにより、バックライト232の発光輝度の調整がなされてもよい。パルス幅変調(PWM)駆動を用いて、バックライト232の発光輝度を低減させる制御が実行されてもよい。
本実施形態において、立体映像の視聴に直接的な影響を与える第1発光期間E1中のバックライト232の発光輝度は比較的高く設定されている。したがって、比較的明るく視聴しやすい立体映像が視聴者に提供されることとなる。
上述の如く、第2発光期間E2におけるサブ発光は、立体映像の視聴に直接的な影響をほとんど与えない(光学フィルタ部310が透過光を低減しているため)。したがって、立体映像の視聴に直接的な影響をほとんど与えることなく、第2発光期間E2におけるサブ発光により、液晶パネル231の温度が上昇される。第2発光期間E2におけるサブ発光に起因する液晶パネル231の温度上昇の結果、液晶パネル231の液晶分子の応答速度が向上される。かくして、左眼用映像及び/又は右眼用映像を表示するための液晶の応答が比較的短い時間で完了する。この結果、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に低減される。本実施形態において、サブ発光の輝度及び第2発光期間E2の長さは、光学フィルタ部310の動作条件に適合された上で、液晶パネル231の液晶の十分に高い応答速度が得られるように決定されている。
上述の如く、第2発光期間E2におけるサブ発光の輝度は、第1発光期間E1中のメイン発光の輝度と略等しい。また、第2発光期間E2の長さは、第1発光期間E1の長さの約3分の1である。代替的に、液晶パネル231の特性や液晶パネル231/眼鏡装置300の動作条件に適合されるように決定された他のサブ発光の輝度や他の第2発光期間E2が用いられてもよい。上述の如く、第2発光期間E2におけるLEDの発光輝度は、LEDの寿命や信頼性を考慮して決定されることが好ましい。第1発光期間E1中のメイン発光によって、液晶パネル231の十分な温度上昇が得られる場合には、第2発光期間E2におけるサブ発光は省略されてもよい。
<第2実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図4は、第2実施形態に係る映像視聴システム100Aの構成を概略的に示すブロック図である。第2実施形態に係る映像視聴システム100Aと、第1実施形態に係る映像視聴システム100との相違点が説明される。
映像視聴システム100Aは、第1実施形態と同様の眼鏡装置300と、左眼用映像と右眼用映像とを交互に表示する表示装置200Aを備える。表示装置200Aは、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230A、第1制御部250A及び第2制御部240を備える。本実施形態において、表示部230Aは、第1実施形態と同様のバックライト232及び液晶パネル231に加えて、温度検出部233を備える。
温度検出部233は、液晶パネル231の温度を検出するとともに、検出された温度に応じた温度信号を第1制御部250Aへ出力する。第1制御部250Aは、映像信号処理部210から出力される制御信号に加えて、温度検出部233からの温度信号に基づきバックライト232の発光期間の長さ及び発光期間のタイミングを調整するための発光制御信号をバックライト232に出力する。
図5は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図5の左図は、液晶パネル231の温度が比較的高いときのバックライト232に対する制御を示す。図5の右図は、液晶パネル231の温度が低下したときのバックライト232に対する制御を示す。図5のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図5のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図5のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図5を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第1実施形態との相違点が説明される。
図5のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第1実施形態と同様である。また、第2制御部240の制御に基づく光学フィルタ部310(左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312)の動作も第1実施形態と同様である。図5のセクション(B)に示される如く、第1制御部250Aは、検出された液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ(発光デューティ)を変化させる。尚、第1発光期間E1の長さ及びタイミングは、第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様に、消灯期間LOが第1発光期間E1と第2発光期間E2との間に設けられる。比較的高い液晶パネル231の温度条件(図5左図)から液晶パネル231の温度が低下したときの第1制御部250Aによるバックライト232に対する制御の変化が以下に説明される。尚、液晶パネル231の温度の変動は、例えば、周囲温度の変化や表示装置200Aの継続稼働時間といった因子によって生ずる。
第1制御部250Aの制御下で明滅するバックライト232の発光輝度は、第1発光期間E1及び第2発光期間E2の両期間において「150」の相対発光輝度である。本実施形態において、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度変動に拘わらず、バックライト232の発光輝度を一定に保つ。
十分に高い液晶の応答速度が得られる温度条件(図5左図参照)において、第1制御部250Aは、比較的短い第2発光期間E2を設けるようにバックライト232を制御する。液晶パネル231の温度が所定値以下となるとき、第1制御部250Aは第2発光期間E2を長くするようにバックライト232を制御する(図5右図参照)。この結果、液晶パネル231は、クロストークをほとんど生じさせない程度に高い液晶の応答速度が得られるような温度に保たれることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に抑制される。
図6は、液晶パネル231の温度と、液晶パネル231の温度に対して設定される第2発光期間E2(サブ発光のデューティ)との間の関係を例示するグラフである。図6のグラフの横軸は、液晶パネル231の温度を示す。図6のグラフの縦軸は、1フィールド(60Hz)の周期を100%としたときの第2発光期間E2の割合をパーセンテージ(%)で表すサブ発光のデューティを示す。図4乃至図6を参照しつつ、第2発光期間E2の長さの調整制御が更に説明される。
図6中、立体映像を表示するのに適切な温度範囲は、「立体表示動作温度範囲」として示される。立体表示動作温度範囲の上限値は、「T」で示されている。立体表示動作温度範囲の下限値は、「T」で示されている。更に、液晶パネル231の液晶の温度に対する閾値は、「TTH」で示されている。液晶パネル231の温度が、TTH以上T以下であるとき、液晶パネル231の温度は、十分な応答速度を有し、液晶パネル231は、視聴者に、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された映像(左眼用映像及び右眼用映像)を提供することができる。このとき、第1制御部250Aは、サブ発光のデューティを0%にするようにバックライト232を制御する(即ち、第2発光期間E2を設けない)。
図6のグラフの縦軸に表されるDMAXは、最長の第2発光期間E2に対するサブ発光の期間のデューティを表す。即ち、サブ発光の期間のデューティの値がDMAXであるときの第2発光期間E2と第1発光期間E1との加算値は1フィールドに等しくなる。液晶パネル231の温度がTTHを下回ると、第1制御部250Aは、徐々にサブ発光の期間のデューティを長くするようにバックライト232を制御する(即ち、第2発光期間E2を長くする)。図6に示されるサブ発光の期間のデューティに対する制御では、液晶パネル231の温度がTであるとき、サブ発光の期間のデューティの値がDMAXとなるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。
図6に示されるサブ発光の期間のデューティに対する制御によれば、表示装置200Aは、液晶パネル231の温度変化に起因する左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを比較的少ない電力消費で抑制することができる。したがって、表示装置200Aが設置された様々な環境或いは様々な動作条件に対応して、表示装置200Aは比較的少ない消費電力で、高い品質の立体映像を視聴者に提供することができる。
図7A及び図7Bは、温度検出部233による液晶パネル231の温度の検出手法を例示する。図7A及び図7Bは、液晶パネル231の表示領域を示す。図7Aに示される液晶パネル231の表示領域は、液晶駆動部220による映像信号の書き込みの副走査方向(横方向)に概念的に分割されている。図7Bに示される液晶パネル231の表示領域は、行列状に概念的に分割されている。図4乃至図7Bを参照しつつ、温度検出部233による液晶パネル231の温度の検出が説明される。
図7Aに示される液晶パネル231の表示領域は、領域A1乃至領域A5に概念的に分割されている。各領域A1乃至A5は、一体的に左眼用映像及び右眼用映像を表示するために用いられる。バックライト232は、各領域A1乃至A5それぞれに光を照射する照射領域(図示せず)を備える。温度検出部233は、領域A1乃至領域A5それぞれの温度を検出する。第1制御部250Aは、各領域A1乃至A5それぞれに対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを独立に制御する。例えば、温度検出部233が検出した領域A3における温度が他の領域と比較して低いとき、第1制御部250Aは領域A3に対応する照射領域の第2発光期間E2の長さを他の領域よりも長くするようにバックライト232を制御する。
代替的に、温度検出部233は、領域A1乃至A5のうち1つの領域の温度を測定してもよい。或いは、温度検出部233は、領域A1乃至A5の温度の平均値を液晶パネル231の温度として出力してもよい。第1制御部250Aは、相対的に下方に位置する領域(例えば、領域A5や領域A4)に対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを相対的に上方に位置する領域(例えば、領域A1や領域A2)に対応する第2発光期間E2よりも長く設けるようにバックライト232を制御してもよい。例えば、第1制御部250Aは、領域A3に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティに対して、領域A4及び領域A5に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティを5%増とし、領域A1及び領域A5に対応する照射領域のサブ発光期間のデューティを5%減とするようにバックライト232を制御してもよい。かくして、熱対流の影響が考慮されつつ、第2発光期間E2の調整が実行される。
図7Bに示される如く、液晶パネル231の表示領域は、行列状に概念的に分割されてもよい。図7Aに関連して説明されたように、バックライト232は、概念的に分割された液晶パネル231の各領域(図7Bにおいて、領域A11乃至A53が示されている)に対応する照射領域を備える。温度検出部233は、各領域A11乃至A53の温度を検出する。第1制御部250Aは、検出された温度に応じて、各領域A11乃至A53に対応する照射領域における第2発光期間E2の長さを調整する。表示領域の概念的な分割数及びこれに対応する独立制御可能な照射領域の数の増大は、表示装置200Aの特性に応じたバックライト232の精密な制御を可能にする。例えば、領域A42の付近に比較的発熱量の大きな素子が存するとき、温度検出部233は当該素子に起因する液晶の温度上昇を検出する。この結果、第1制御部250Aは、領域A42及び/又はその周囲の領域の第2発光期間E2を不必要に長く設定することなく、適切にバックライト232を制御することができる。かくして、表示装置200Aの省電力化が促される。
<第3実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第3実施形態に援用される。第3実施形態において、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さに代えて、液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2におけるバックライト232の輝度を調整する。
図8は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図8の左図は、液晶パネル231の温度が比較的高いときのバックライト232に対する制御を示す。図8の右図は、液晶パネル231の温度が低下したときのバックライト232に対する制御を示す。図8のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図8のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図8のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図8を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第2実施形態との相違点が説明される。
図8のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第2実施形態と同様である。また、第2制御部240の制御に基づく光学フィルタ部310(左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312)の動作も第2実施形態と同様である。更に、第1発光期間E1の長さ及びタイミング並びに第1発光期間におけるバックライト232の輝度は、第2実施形態と同様である。また、第2実施形態と同様に、消灯期間LOが第1発光期間E1と第2発光期間E2との間に設けられる。
図8のセクション(B)に示される如く、第1制御部250Aは、温度検出部233によって検出された液晶パネル231の温度に応じて、第2発光期間E2におけるバックライト232の輝度を変化させる。比較的高い液晶パネル231の温度条件(図8左図)から液晶パネル231の温度が低下したときの第1制御部250Aによるバックライト232に対する制御の変化が以下に説明される。
本実施形態において、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度変動に拘わらず、第1発光期間E1及び第2発光期間E2の長さ及びタイミングを略一定に保つ。
十分に高い液晶の応答速度が得られる温度条件(図8左図参照)において、第1制御部250Aは、第2発光期間E2において、比較的低い発光輝度(図8左図中、「50」の相対発光輝度の値が示されている)でバックライト232を点灯させる。液晶パネル231の温度が所定値以下となるとき、第1制御部250Aは第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度を増大させる(図8右図中、「150」の相対発光輝度の値が示されている)。この結果、液晶パネル231の温度が増大し、液晶の応答速度が向上する。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に低減される。上述の如く、バックライト232に用いられるLEDの発光輝度を調整するためのLEDへの駆動電流は、LEDの寿命や信頼性を考慮して決定されることが好ましい。
図9は、液晶パネル231の温度と、液晶パネル231の温度に対して設定される第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度との間の関係を例示するグラフである。図9のグラフの横軸は、液晶パネル231の温度を示す。図9のグラフの縦軸は、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度を示す。図4、図8及び図9を参照しつつ、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の調整制御が更に説明される。
図9中、立体映像を表示するのに適切な温度範囲は、「立体表示動作温度範囲」として示される。立体表示動作温度範囲の上限値は、「T」で示されている。立体表示動作温度範囲の下限値は、「T」で示されている。更に、液晶パネル231の液晶の温度に対する閾値は、「TTH」で示されている。液晶パネル231の温度が、TTH以上T以下であるとき、液晶パネル231の温度は、液晶パネル231の液晶は、十分な応答速度を有し、液晶パネル231は、視聴者に、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された映像(左眼用映像及び右眼用映像)を提供することができる。このとき、第1制御部250Aは、第2発光期間E2中のバックライト232の相対発光輝度が、例えば、「50」の値となるようにバックライト232を制御する。尚、図9に示される相対発光輝度と液晶パネル231の温度との間の関係は、本実施形態の原理を何ら制限するものではない。例えば、第1制御部250Aは、液晶パネル231の温度が十分高いとき、バックライト232を消灯させてもよい。したがって、第2実施形態と同様に、液晶パネル231の温度が、例えば、「TTH」以上であるとき、第1制御部250Aはバックライト232の相対発光輝度が「0」となるようにバックライト232を制御してもよい。
液晶パネル231の温度がTTHを下回ると、第1制御部250Aは、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度を徐々に増大させるようにバックライト232を制御する。図9に示される第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度に対する制御では、液晶パネル231の温度がTであるとき、第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度が「150」となるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。
図9に示される第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度に対する制御によれば、表示装置200Aは、液晶パネル231の温度変化に起因する左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを比較的少ない電力消費で抑制することができる。したがって、表示装置200Aが設置された様々な環境或いは様々な動作条件に対応して、表示装置200Aは比較的少ない消費電力で、高い品質の立体映像を視聴者に提供することができる。
図7A及び図7Bに関連して説明された如く、本実施形態においても、温度検出部233は、液晶パネル231の表示領域に概念的に規定された領域A1乃至領域A5(図7A参照)或いは領域A11乃至A53(図7B参照)ごとに温度を測定してもよい。また、第1制御部250Aは、液晶パネル231の表示領域に概念的に規定された領域A1乃至領域A5(図7A参照)或いは領域A11乃至A53(図7B参照)に対応する照射領域ごとに発光輝度を独立して調整してもよい。例えば、図7Aに示される領域A2が他の領域A1,A3乃至A5と較べて低いとき、第1制御部250Aは、領域A2に光を照射するバックライト232の照射領域の発光輝度を、第2発光期間E2において、他の照射領域よりも高くしてもよい。代替的に、表示装置200A内の熱の移動を考慮して、第1制御部250Aは、上方に位置する液晶パネル231の領域に光を照射する照射領域の発光輝度が、下方に位置する液晶パネル231の領域に光を照射する照射領域の発光輝度より高くなるようにバックライト232を制御してもよい。
第2実施形態及び第3実施形態において、温度検出部233として用いられる温度センサは液晶パネル231の温度を測定している。代替的に、温度検出部233として、表示装置200Aが設置された環境の温度を検知する温度センサが用いられてもよい。
第2実施形態において、第2発光期間E2の長さが単独で調整されている。第3実施形態において、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されている。代替的に、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さ及び第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の両方を液晶パネル231の温度に応じて調整してもよい。
図6に示された液晶パネル231と第2発光期間E2の長さとの間の関係及び図9に示された第2発光期間E2におけるバックライト232の相対発光輝度との間の関係は、例示的なものである。したがって、これらの関係に関する他の設定が用いられてもよい。
<第4実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第4実施形態に援用される。第4実施形態において、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、第1制御部250Aは、バックライト232の照射領域ごとに第1発光期間E1のタイミングを制御する。
図10は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図10のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図10のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図10のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図10を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第1実施形態との相違点が説明される。
図10のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第1実施形態と同様である。尚、液晶パネル231の表示領域は、説明の便宜上、領域D1(最も上方に位置する表示領域)乃至領域D8(最も下方に位置する表示領域)に概念的に分割して示されている。
図10のセクション(B)に示されるバックライト232は、液晶駆動部220による映像(左眼用映像及び右眼用映像)の副走査方向に分割された8つの照射領域L1乃至L8を含む。照射領域L1乃至L8それぞれは、液晶パネル231の領域D1乃至D8に光を照射する。第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8におけるバックライト232の点灯タイミング及び点灯期間の長さ(第1発光期間E1及び第2発光期間E2)を調整する。第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8において、バックライト232が映像の視聴に直接的な影響を与えるメイン発光を行う第1発光期間E1と、バックライト232が映像の視聴に直接的な影響を与えないサブ発光を行う第2発光期間E2とを設ける。また、各照射領域L1乃至L8において、第1発光期間E1と第2発光期間E2との間にバックライト232が消灯される消灯期間LOが設けられる。
第1発光期間E1におけるバックライト232のメイン発光が説明される。図10のセクション(A)の矢印Aで示される如く、映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)は、液晶パネル231の上部に存する領域D1から書き込まれ、液晶パネル231の下部に存する領域D8において映像信号の書き込みが終了する。したがって、液晶パネル231の液晶層の応答は、領域D1から開始され、領域D8において完了する。かくして、液晶パネル231の上部で表示される映像ほど、左眼用映像から右眼用映像への切り替わり或いはその逆が早期に行われることとなる。
図10のセクション(C)に示される如く、第2制御部240は、領域D1における液晶パネル231の液晶層の応答完了時刻から領域D8における液晶層の応答完了時刻までの間、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過する光量を増大させるように眼鏡装置300の光学フィルタ部310を制御する。したがって、光量増大期間Iは、L区間とR区間との間の切り替わり時刻を跨ぐ。光量増大期間Iの開始時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻前であり、光量増大期間Iの終了時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻後である。
液晶パネル231の領域D1において、映像信号の書き込みに応じた液晶の応答が完了すると、第1制御部250Aはバックライト232を制御し、照射領域L1を点灯させる。その後、液晶パネル231の領域D1において次の映像信号の書き込みが開始される前に、第1制御部250Aはバックライト232を制御し、照射領域L1を消灯させる。領域D1における液晶パネル231への映像信号の書き込み(或いは、液晶パネル231の液晶の応答の完了)に同期するように、バックライト232の対応する照射領域L1を発光/消灯させる結果、液晶パネル231の領域D1に表示された映像(左眼用映像又は右眼用映像)は、左眼又は右眼に到達する。上述の液晶パネル231の領域D1並びにバックライト232の照射領域L1に関連する説明は、領域D1及び照射領域L1の下方に位置する領域D2乃至D8並びに対応する照射領域L2乃至L8に対して、同様に適用される。したがって、バックライト232は、上部から下部に向けて順次点灯並びに消灯する。
上述の如く、各領域において、液晶パネル231の書き込み並びに当該書き込みに対応する液晶の応答が完了した後にバックライト232の各照射領域L1乃至L8が点灯することによって、視聴者は、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが十分に低減された立体映像の視聴を享受することができる。このように各照射領域L1乃至L8の点灯・消灯タイミングが独立して制御されることにより、第1乃至第3実施形態(バックライト232全体が一斉に発光する)と較べて全体として長い第1発光期間E1が設定されることとなる。この結果、視聴者は比較的明るい立体映像の視聴を享受することができる。図10に関連して説明されたバックライト232の点灯方式(各照射領域L1乃至L8が順次点灯及び消灯する方式)は、バックライトスキャン(或いは、バックライトスクロール)と称される。左眼用映像信号の書き込みに対応するバックライト232のバックライトスキャン制御及び右眼用映像信号の書き込みに対応するバックライト232のバックライトスキャン制御は互いに略等しい様式で実行されてもよい。このようにして、左眼用映像及び右眼用映像が、バックライトスキャンの下、液晶パネル231上に映し出されることによって、視聴者は、比較的明るく、且つ、比較的クロストークの少ない高品位の立体映像を視聴することができる。
尚、図10のセクション(C)において、光量増大期間Iは、バックライトスキャンの開始時点(即ち、照射領域L1における第1発光期間E1の開始時刻)からバックライトスキャンの終了時点(即ち、照射領域L8における第1発光期間E1の終了時刻)までの期間を網羅するように設定されている。
第2発光期間E2におけるバックライト232のサブ発光が説明される。図10に示される如く、第2発光期間E2は、光量増大期間I以外の期間(即ち、左眼フィルタ311及び右眼フィルタ312が、液晶パネル231に表示される映像からの光の透過光量を低減させている期間)に設けられる。第1乃至第3実施形態と同様に、第2発光期間E2が設けられることにより、液晶パネル231の温度低下が好適に抑制される。この結果、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが好適に抑制される。
本実施形態において、第2発光期間E2は、光量増大期間I以外の期間を略網羅するようにバックライト232は点灯される。代替的に、第2発光期間E2の長さ(即ち、サブ発光のデューティ)は、表示装置200Aの周囲温度に拘わらず、十分な液晶の応答特性が得られるような固定値として決定されてもよい。同様に、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度も、表示装置200Aの周囲温度に拘わらず、十分な液晶の応答特性が得られるような固定値として決定されてもよい。このように、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度の大きさが固定値として決定されるならば、温度検出部233は省略されてもよい。
代替的に、温度検出部233が検出した液晶パネル231の温度或いは表示装置200Aの周囲の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されてもよい。このように液晶パネル231の温度或いは表示装置200Aの周囲の温度に応じて、第2発光期間E2の長さ及び/又は第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度が調整されることにより、比較的少ない消費電力を用いて、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークが抑制されることとなる。
<第5実施形態>
図4に関連して説明された映像視聴システム100Aの構成は、第5実施形態に援用される。第5実施形態において、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、第1制御部250Aは、バックライト232の照射領域ごとに第1発光期間E1のタイミングに加えて、第2発光期間E2のタイミング及び長さを調整する。
図11は、映像視聴システム100Aの制御を概略的に表す制御タイミングチャートである。図11のセクション(A)は、液晶パネル231の映像の走査タイミングを概略的に示す。図11のセクション(B)は、バックライト232の点灯を示す。図11のセクション(C)は、眼鏡装置300の左眼フィルタ311によって調整される左眼光量の変動並びに右眼フィルタ312によって調整される右眼光量の変動を概略的に表す。図4及び図11を参照しつつ、バックライト232の制御に関する第4実施形態との相違点が説明される。
図11のセクション(A)に示される液晶駆動部220による左眼用映像信号及び右眼用映像信号の液晶パネル231への書き込みは、第4実施形態と同様である。また、第4実施形態と同様に、液晶パネル231の表示領域は、説明の便宜上、領域D1(最も上方に位置する表示領域)乃至領域D8(最も下方に位置する表示領域)に概念的に分割して示されている。領域D1乃至領域D8と、液晶パネル231の照射領域L1乃至L8の対応関係は、第4実施形態と同様である。加えて、第4実施形態と同様に、第2制御部240は、領域D1における液晶パネル231の液晶層の応答完了時刻から領域D8における液晶層の応答完了時刻までの間、左眼フィルタ311又は右眼フィルタ312を透過する光量を増大させるように眼鏡装置300の光学フィルタ部310を制御する。したがって、光量増大期間Iは、L区間とR区間との間の切り替わり時刻を跨ぐ。光量増大期間Iの開始時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻前であり、光量増大期間Iの終了時刻は、L区間とR区間との間の切り替わり時刻後である。また、第1発光期間E1におけるバックライト232の点灯は、第4実施形態で説明されたバックライトスキャンに従う。
表示装置200Aは、一般的に、略垂直に立設される。したがって、映像(左眼用映像及び右眼用映像)の上部を表示する領域D1は、物理的に、上方に位置することが多い。また、映像の下部を表示する領域D8は、物理的に、下方に位置することが多い。このとき、液晶パネル231及びバックライト232の動作に起因する熱は、対流の影響により、上方に向かうので、液晶パネル231の上方に存する表示領域ほど、高い温度となりやすい。逆に、液晶パネル231の下方に存する表示領域ほど、低い温度となりやすい。
図11のセクション(C)に示される如く、第1制御部250Aは、バックライト232のサブ発光のデューティ(第2発光期間E2の長さ)を下方の照射領域ほど大きくしている(即ち、「照射領域L1におけるサブ発光のデューティ」<「照射領域L2におけるサブ発光のデューティ」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光のデューティ」)。この結果、バックライト232の発熱量は、下方の照射領域ほど大きくなる。この結果、液晶パネル231の表示領域は、均一な温度分布に近づけられる。かくして、液晶パネル231全体的にクロストークの低減が図られる。
上述の如く、本実施形態では、第1制御部250Aは、第2発光期間E2の長さを照射領域L1乃至L8ごとに調整している。代替的に、第1制御部250Aは、第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度を照射領域L1乃至L8ごとに調整してもよい。例えば、第1制御部250Aは、「照射領域L1におけるサブ発光輝度」<「照射領域L1におけるサブ発光輝度」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光輝度」となるように、バックライト232を制御してもよい。
上述の如く、本実施形態では、「照射領域L1におけるサブ発光のデューティ」<「照射領域L2におけるサブ発光のデューティ」<・・・<「照射領域L8におけるサブ発光のデューティ」となるように、第1制御部250Aはバックライト232を制御する。代替的に、第1制御部250Aは、表示装置200Aが設置された環境及び/又は表示装置200Aの特性に応じて定まる液晶パネル231の表示領域の温度分布特性に応じて、バックライト232を制御してもよい。例えば、液晶パネル231の表示領域の中央部分が比較的暖まりやすい特性を有する表示装置200Aの場合、第1制御部250Aは液晶パネル231の周縁近傍を暖めるようにバックライト232を制御してもよい。
温度検出部233は、液晶パネル231の一部の温度を検出してもよい。代替的に、温度検出部233は、液晶パネル231の各領域D1乃至D8或いはこれら各領域の一部の温度を検出してもよい。第1制御部250Aは、各領域D1乃至D8においてそれぞれ検出された温度に基づき、サブ発光のデューティ(第2発光期間E2の長さ)や第2発光期間E2における各照射領域L1乃至L8の発光輝度を調整してもよい。このような制御によっても、比較的一様な液晶パネル231の温度分布が得られ、局所的なクロストークの発生が好適に抑制される。
第1制御部250Aは、各照射領域L1乃至L8における第2発光期間E2の長さ及び第2発光期間E2におけるバックライト232の発光輝度のうち少なくとも一方のパラメータを調整可能であることが好ましい。この結果、比較的一様な液晶パネル231の温度分布が得られ、局所的なクロストークの発生が好適に抑制される。
上述の実施形態を通じて説明された原理が逸脱されない限り、当業者が想到することができる様々な変更がなされてもよい。また、上述の様々な実施形態に示される構成要素が組み合わされた形態は、上述された説明の要旨の範囲内に含まれる。
上述された実施形態は、すべての点で例示的なものであって制限的なものではないと考えられるべきである。上述された説明の要旨の範囲は、詳述された実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述された実施形態は、以下の構成を主に備える。以下の構成を備える表示装置及び映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークを抑制することができる。
上述の実施形態の一の局面に係る表示装置は、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
上記構成によれば、液晶駆動部によって書き込まれた映像信号に応じて、液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する。左眼用映像は、左眼視聴期間において左眼で視聴される。右眼用映像は、右眼用視聴期間において右眼で視聴される。この結果、視聴者は、脳内で視覚的な立体像を生成することができる。バックライトは、制御部の制御下で、液晶パネルに光を照射する。バックライトが発光する第1発光期間は、左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれに設けられる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間において、左眼用映像及び右眼用映像それぞれを好適に視聴することができる。制御部は更に、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、バックライトを発光させる第2発光期間を設ける。第1発光期間と第2発光期間との間には、バックライトが消灯される消灯期間が設けられる。かくして、バックライトによる電力消費及びバックライトの温度低下が好適に抑制される。バックライトの温度低下が抑制されるので、液晶パネルの応答速度の低下が好適に抑制される。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間の長さを調整することが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、液晶パネルの温度を検出する。制御部は、液晶パネルの温度に応じて、第2発光期間の長さを調整する。したがって、バックライトの温度が適切に制御されることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間における前記バックライトの発光輝度を調整することが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、液晶パネルの温度を検出する。制御部は、液晶パネルの温度に応じて、第2発光期間におけるバックライトの発光輝度を調整する。したがって、バックライトの温度が適切に制御されることとなる。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間の長さと、前記第2照射領域における前記第2発光期間の長さとを独立して制御することが好ましい。
上記構成によれば、バックライトは、第1照射領域と第2照射領域とを含む。第1照射領域及び第2照射領域は互いに異なる液晶パネルの領域に光を照射する。制御部は、第1照射領域における第2発光期間の長さと、第2照射領域における第2発光期間の長さとを独立して制御する。かくして、液晶パネルの温度のばらつきに対応して、第2発光期間の長さの制御が行われる。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度と、前記第2照射領域の発光輝度とを独立して制御することが好ましい。
上記構成によれば、バックライトは、第1照射領域と第2照射領域とを含む。第1照射領域及び第2照射領域は互いに異なる液晶パネルの領域に光を照射する。制御部は、第1照射領域の発光輝度と、第2照射領域の発光輝度とを独立して制御する。かくして、液晶パネルの温度のばらつきに対応して、発光輝度の制御が行われる。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間を第2照射領域における前記第2発光期間より長くし、前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、第1照射領域によって光が照射される第1表示領域及び第2照射領域によって光が照射される第2表示領域の温度を検出する。第1表示領域の温度が第2表示領域の温度より低いとき、制御部は、第1照射領域における第2発光期間を第2照射領域における第2発光期間より長くする。また、第2表示領域の温度が第1表示領域の温度より低いとき、制御部は、第2照射領域における第2発光期間を第1照射領域における第2発光期間より長くする。したがって、温度が低下している領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、第2発光期間の長さが不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度を前記第2照射領域の発光輝度よりも高くし、前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、第1照射領域によって光が照射される第1表示領域及び第2照射領域によって光が照射される第2表示領域の温度を検出する。第1表示領域の温度が第2表示領域の温度より低いとき、制御部は、第1照射領域の発光輝度を第2照射領域の発光輝度よりも高くする。また、第2表示領域の温度が第1表示領域の温度より低いとき、制御部は、第2照射領域の発光輝度を第1照射領域の発光輝度よりも高くする。したがって、温度が低下している領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、バックライトの発光輝度が不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることが好ましい。
上記構成によれば、熱対流により、比較的、温度上昇がしやすい上方の領域に光を照射する第1照射領域の第2発光期間よりも、比較的低温になりやすい下方の領域に光を照射する第2照射領域の第2発光期間が長くされる。したがって、温度が低下しやすい領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、第2発光輝度の長さが不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることを特徴とする。
上記構成によれば、熱対流により、比較的、温度上昇がしやすい上方の領域に光を照射する第1照射領域の発光輝度よりも、比較的低温になりやすい下方の領域に光を照射する第2照射領域の発光輝度がくされる。したがって、温度が低下しやすい領域の温度が適切に上昇される。かくして、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。また、バックライトの発光輝度が不必要に増大されないので、バックライトの電力消費が抑制される。
上記構成において、前記第1表示領域及び前記第2表示領域は、前記液晶駆動部による前記映像信号の書き込みの副走査方向に分割され、前記制御部は、前記第1表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して、前記第1照射領域を発光させるとともに前記第2表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して前記第2照射領域を発光させるように前記第1発光期間を設けることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示領域及び第2表示領域は、液晶駆動部による映像信号の書き込みの副走査方向に分割される。制御部が、第1表示領域への映像信号の書き込みに同期して、第1照射領域を発光させるとともに第2表示領域への映像信号の書き込みに同期して第2照射領域を発光させるように第1発光期間を設けるので、比較的長い第1発光期間が設定される。かくして、視聴者は比較的高い明度の映像を視聴することができる。
上記構成において、前記制御部は、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置を制御し、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において前記右眼へ到達する前記光の量を増大させることが好ましい。
上記構成によれば、制御部は、左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置を制御する。制御部は、左眼視聴期間において、左眼へ到達する前記光の量を増大させるとともに右眼視聴期間において、右眼へ到達する光の量を増大させる。かくして、視聴者は、左眼視聴期間において左眼で左眼用映像を視聴し、右眼視聴期間において右眼で右眼用映像を視聴することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像視聴システムは、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に切り換えて表示する表示装置と、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、左眼用映像と右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、前記左眼用映像が視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において、前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において、前記右眼へ到達する前記光の量を増大させ、該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする。
上記構成によれば、液晶駆動部によって書き込まれた映像信号に応じて、液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する。眼鏡装置の左眼フィルタは、左眼視聴期間において、左眼へ到達する光の量を増大させる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間において左眼で左眼用映像を視聴することができる。眼鏡装置の右眼フィルタは、右眼視聴期間において、右眼へ到達する光の量を増大させる。したがって、視聴者は、右眼視聴期間において右眼で右眼用映像を視聴することができる。この結果、視聴者は、脳内で視覚的な立体像を生成することができる。バックライトは、制御部の制御下で、液晶パネルに光を照射する。バックライトが発光する第1発光期間は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間中に設けられる。したがって、視聴者は、左眼視聴期間及び右眼視聴期間において、左眼用映像及び右眼用映像それぞれを好適に視聴することができる。制御部は更に、左眼用映像及び右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、バックライトを発光させる第2発光期間を設ける。第1発光期間及び第2発光期間は断続的に設けられる。かくして、バックライトによる電力消費及びバックライトの温度低下が好適に抑制される。バックライトの温度低下が抑制されるので、液晶パネルの応答速度の低下が好適に抑制される。したがって、左眼用映像と右眼用映像との間のクロストークの発生が適切に抑制される。
本実施形態の原理は、クロストークの低減が可能な表示装置及び映像視聴システムに好適に適用される。

Claims (12)

  1. 左眼で視聴されるように作成された左眼用映像と右眼で視聴されるように作成された右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、
    前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、
    前記液晶パネルに光を照射するバックライトと、
    前記左眼用映像が左眼で視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が右眼で視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする表示装置。
  2. 前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間の長さを調整することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記液晶パネルの温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記液晶パネルの前記温度に応じて、前記第2発光期間における前記バックライトの発光輝度を調整することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、
    前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間の長さと、前記第2照射領域における前記第2発光期間の長さとを独立して制御することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  5. 前記バックライトは、互いに異なる前記液晶パネルの領域に前記光を照射する第1照射領域及び第2照射領域を含み、
    前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度と、前記第2照射領域の発光輝度とを独立して制御することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  6. 前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、
    前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、
    前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域における前記第2発光期間を第2照射領域における前記第2発光期間より長くし、
    前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  7. 前記液晶パネルは、前記第1照射領域によって光が照射される第1表示領域と、前記第2照射領域によって光が照射される第2表示領域とを含み、
    前記温度検出部は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の温度を検出し、
    前記第1表示領域の温度が前記第2表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第1照射領域の発光輝度を前記第2照射領域の発光輝度よりも高くし、
    前記第2表示領域の温度が前記第1表示領域の温度より低いとき、前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  8. 前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、
    前記制御部は、前記第2照射領域における前記第2発光期間を第1照射領域における前記第2発光期間より長くすることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  9. 前記第1照射領域は、前記第2照射領域よりも上方に形成され、
    前記制御部は、前記第2照射領域の発光輝度を前記第1照射領域の発光輝度よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  10. 前記第1表示領域及び前記第2表示領域は、前記液晶駆動部による前記映像信号の書き込みの副走査方向に分割され、
    前記制御部は、前記第1表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して、前記第1照射領域を発光させるとともに前記第2表示領域への前記映像信号の書き込みに同期して前記第2照射領域を発光させるように前記第1発光期間を設けることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  11. 前記制御部は、前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置を制御し、
    前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、
    前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において前記右眼へ到達する前記光の量を増大させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  12. 左眼用映像と右眼用映像とを時間的に切り換えて表示する表示装置と、
    前記左眼へ到達する光の量を調整する左眼フィルタと、前記右眼へ到達する光の量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、
    前記表示装置は、
    左眼用映像と右眼用映像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、
    前記左眼用映像を作成するための左眼用映像信号と、前記右眼用映像を作成するための右眼用映像信号と、を含む映像信号を前記液晶パネルに書き込む液晶駆動部と、
    該液晶パネルに光を照射するバックライトと、
    前記左眼用映像が視聴される左眼視聴期間及び前記右眼用映像が視聴される右眼視聴期間それぞれにおいて、前記バックライトが発光する第1発光期間が設けられるように前記バックライトを制御する制御部と、を備え、
    前記左眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記左眼視聴期間において、前記左眼へ到達する前記光の量を増大させ、
    前記右眼フィルタは、前記制御部の制御下で、前記右眼視聴期間において、前記右眼へ到達する前記光の量を増大させ、
    該制御部は、前記左眼用映像及び前記右眼用映像がともに視聴されない非視聴期間において、前記バックライトが発光する第2発光期間が設けられるように前記バックライトを制御するとともに、前記第1発光期間と前記第2発光期間との間に、前記バックライトが消灯される消灯期間を設けることを特徴とする映像視聴システム。
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