JPWO2011138846A1 - 高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法 - Google Patents

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Abstract

高圧放電ランプ4に対して、点灯開始から所定時間が経過するまでにおいて、ランプ電力が電力値Plowに到達するまでは、電流値Ibの定電流を供給し、ランプ電力が電力値Plowに到達したときには、電力値Plowの定電力となるように電流を供給し、所定時間の経過後は、定格ランプ電力値Prの定電力となるように電流を供給し、定電力供給するときのランプ電流の大きさが制限電流値Iaに制限されていて、電流値Ibおよび電力値Plowが、Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9Pr×0.5 ≦ Plow≦ Pr×0.9の関係を満たすように設定されている。

Description

本発明は、高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法に関する。
プロジェクタには、その光源として点光源に近い、高圧放電ランプ、特に高圧水銀ランプが広く用いられている。高圧水銀ランプは、内部に、発光物質としての水銀が封入され、かつタングステン製の一対の電極が互いに略対向するように配置された発光管を備え、電極間にアーク放電を発生させて光を出射するものである。
このような高圧水銀ランプの点灯装置として、従来、点灯開始から所定時間が経過するまで、例えばランプ電力が定格ランプ電力値Prになるまでの間、一定の電流値Icを供給して点灯させ、所定時間経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prの定電力を供給して点灯させる点灯装置が広く用いられている。定電力供給のもとでは、ランプ電圧が低下し過ぎると、ランプ電流が大きくなり過ぎて装置内の電子部品が破損するおそれがあるため、点灯装置において、ランプ電流が所定の値(以降、制限電流値Iaという)以下になるように制御される。また、通常、上記の電流値Icは、制限電流値Iaの大きさに設定される。
上記従来の高圧水銀ランプの点灯装置では、電流値Icの定電流供給から定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行したときが、供給する電力と電流とが共に高く(定格ランプ電力値Pr、電流値Ic)、特にこのときに、一対の電極の温度上昇が激しく電極が損耗することが知られている。
かかる電極が損耗するのを抑制するため、点灯開始から所定時間が経過するまで、上記従来の電流値Icよりも小さい一定の電流値Idを供給するようにして、定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行したときの電流値を従来よりも小さくする高圧水銀ランプの点灯装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の点灯装置によれば、電流値Idは、高圧水銀ランプの製造ばらつきを考慮して規定された、定格ランプ電圧における公差範囲の上限値Vhighと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定されている(Id<Pr/Vhigh)。一方、上記従来の点灯装置における電流値Icは、制限電流値Iaの大きさと同じであり、制限電流値Iaは、一般的に、当該公差範囲の下限値Vlowと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定される(Ia=Pr/Vlow)。したがって、電流値Idが、制限電流値Iaおよび電流値Icよりも小さくなるので、電流値が小さくなる分、上記従来の点灯装置よりも、一対の電極の温度上昇を抑えることができ、電極が損耗するのを抑制できるとされている。
図14(a)〜(c)は、特許文献1に記載の点灯装置により点灯したときのランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を実線で示すグラフである。また、上記従来の点灯装置により点灯したときの各関係が二点鎖線で示されている。ここでの高圧水銀ランプの定格ランプ電力は250[W]であり、定格ランプ電圧は80[V]、定格ランプ電圧の公差範囲は62.5[V]〜95[V]である。
図14(a)〜(c)に示すように、特許文献1に記載の点灯装置では、点灯開始からランプ電圧が80[V]に達するまで、上記従来の点灯装置における電流値Ic(4[A])よりも小さい電流値Id(2.5[A])が供給されている。そして、定格ランプ電力250[W]の定電力供給に移行したときの電流値が3.125[A]であり、電流値Icよりも小さいことが分かる。
特開2009−59602号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の点灯装置では、電流値Idが、制限電流値Iaよりも小さくなり過ぎて、図14に示す例では、制限電流値Iaの62.5%(=2.5[A]/4[A])のため、上記従来の点灯装置よりも高圧水銀ランプの立ち上がりが遅くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも高圧放電ランプにおける一対の電極が損耗するのを抑制しつつ、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することを目的としている。
本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプを点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、前記高圧放電ランプに電力を供給する電力供給部と、ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、点灯開始から所定時間が経過するまで、少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御と、前記定電流制御のもとでランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときに、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する第1の定電力制御とを行い、前記所定時間の経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を制御する第2の定電力制御を行い、前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプ装置は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプを点灯させる前記高圧放電ランプ点灯装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプロジェクタは、前記高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプの点灯方法は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して電力を供給する電力供給部と、ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備えた点灯装置により点灯させる方法であって、前記制御部が、点灯開始から所定時間が経過するまで、少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、ランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときには、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、前記所定時間の経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップとを実行し、前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成の高圧放電ランプ点灯装置によれば、次の関係を満たす電流値Ibの定電流を高圧放電ランプに供給する。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
このように、電流値Ibが、制限電流値Iaの0.7倍〜0.9倍の大きさに設定されるので、上記従来の点灯装置における電流値Ic(=制限電流値Ia)よりも小さくなり、かつ電流値Idよりも大きくなる。これにより、上記従来の点灯装置よりも、一対の電極の温度上昇を抑えることができ、電極が損耗するのを抑制することができる。また、上記特許文献1の点灯装置よりも、ランプの立ち上がりが早くなり、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる。
また、定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行する前に、定格ランプ電力値Prよりも低い、次の関係を満たす所定の電力値Plowの定電力を高圧放電ランプに供給する。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
これにより、所定時間の経過後における定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行する前に、一対の電極の温度上昇を抑えて安定させることができるので、点灯開始から所定時間の経過するまで、一対の電極の温度が一気に上昇するのを防止している。この結果、電極が損耗するのをより抑制することができる。
また、定格ランプ電力値Prおよび電力値Plowの定電力供給のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるように制御されていて、ランプ電圧が低下し過ぎたとしても、ランプ電流が過剰に大きくなることはない。
また、上記構成の高圧放電ランプの点灯方法は、上記高圧放電ランプ点灯装置と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、従来よりも高圧放電ランプにおける一対の電極が損耗するのを抑制しつつ、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る高圧放電ランプ装置の構成を示すブロック図である。 高圧水銀ランプの構成を示す管軸を含む断面図である。 高圧水銀ランプが組み込まれたランプユニットの構成を示す一部切欠斜視図である。 点灯装置の動作を説明するためのフローチャートである。 ランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を示すグラフである。 点灯試験に用いた実施例および比較例における電流値Ibおよび電力値Plowの大きさを示す図である。 (a)は、実施例1についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(b)は、実施例2についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(c)は、実施例3についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(d)は、実施例4についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(e)は、実施例5についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(f)は、比較例1についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(g)は、比較例2についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフである。 (a)は、各実施例および比較例のランプ電圧の推移を示す図であり、(b)は、各実施例および比較例の照度維持率の推移を示す図である。 照度維持率と累積点灯時間との関係を説明するための図である。 電流値Ibと電力値Plowとの関係を説明するための図である。 第2の実施形態に係る点灯装置により点灯したときのランプ電力と、点灯時間との各関係を示すグラフである。 第3の実施形態に係るフロントプロジェクタの構成を示す一部切欠斜視図である。 第3の実施形態に係るリアプロジェクタの構成を示す斜視図である。 (a)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電力と点灯時間との関係を示すグラフであり、(b)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電圧と点灯時間との関係を示すグラフであり、(C)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電流と点灯時間との関係を示すグラフである。
本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明を実施するための形態において数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含む。
[第1の実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1のブロック図を示す。

図1に示すように、高圧放電ランプ装置1は、外部の交流電源(AC100[V])に接続されるDC電源回路2と、定格ランプ電力200[W]の高圧放電ランプ4と、これらDC電源回路2と高圧放電ランプ4との間に接続された点灯装置3(電子安定器)とで構成されている。
DC電源回路2は、例えば整流回路を有し、家庭用の交流電圧(100[V])から一定の直流電圧を生成して点灯装置3に供給する。
点灯装置3は、DC電源回路2から供給された直流電圧の電力を交流電力に変換して、高圧放電ランプ4に供給する。
高圧放電ランプ4は、点灯装置3から供給される交流電力によって点灯する。
<点灯装置の構成>
点灯装置3は、主な構成として、DC/DCコンバータ5、DC/ACインバータ6、高電圧発生部7および制御部8を備えている。制御部8は、マイコン11、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路12、ランプ電流検出部9、ランプ電圧検出部10およびタイマー14を備えている。
DC/DCコンバータ5は、入力端子5a,5b、出力端子5c,5dおよび制御端子5eを有する。入力端子5a,5bにはDC電源回路2が接続されている。出力端子5c,5dにはDC/ACインバータ6が接続されている。制御端子5eにはPWM制御回路12が接続されている。DC/DCコンバータ5は、PWM制御を用いて、制御端子5eに入力されたPWM制御信号に応じた大きさの直流電流を生成する。
DC/ACインバータ6は、入力端子6a,6b、出力端子6c,6dおよび制御端子6eを有する。入力端子6a,6bにはDC/DCコンバータ5が接続されている。出力端子6c,6dには高電圧発生部7を介して高圧放電ランプ4が接続されている。制御端子6eにはマイコン11が接続されている。DC/ACインバータ6は、制御端子6eに入力された周波数制御信号の周波数に応じた周波数の略矩形波の交流電流を生成することができる。これにより、DC/DCコンバータ5から出力された直流電流を略矩形波の交流電流に変換している。ここでの「略矩形波」の交流電流とは、完全な矩形波をなす電流はもちろんのこと、極性反転直後のオーバーシュートやアンダーシュート等によって若干の歪を有する矩形波も含むものとする。また、アークジャンプを抑制する点灯方法として、従来から矩形波の半周期毎の極性反転前にパルス電流を重畳したり、矩形波の半周期毎において時間とともに電流値が増大するように傾斜をつけたり、矩形波の半周期毎の極性反転直前または直後に高周波が1周期付加され、かつ付加した波形の後半の半周期のランプ電流のみに、付加する直前の電流値より高くする交流波形が知られている。ここでは、このような基本となる矩形波に何らかの成分を重畳して変形したものも「略矩形波」に含まれるものとする。
上記構成からなるDC/DCコンバータ5およびDC/ACインバータ6が、DC電源回路2からの直流電圧の電力を交流電力に変換するとともに、高圧放電ランプ4に供給する電力供給部として機能する。
高電圧発生部7は、例えばトランスを有し、高圧放電ランプ4の始動時に、高電圧を発生させて高圧放電ランプ4に印加して放電を開始させる。なお、始動後は、高圧放電ランプ4は高電圧を必要としないので、トランスは、例えば、経路切替えスイッチにより高圧放電ランプ4に電力を供給する経路から切り離される。
次に、制御部8について説明する。
ランプ電流検出部9は、DC/DCコンバータ5とDC/ACインバータ6とを結ぶ配線に流れる電流(ランプ電流に相当する)を検出し、ランプ電流の大きさを示す信号をマイコン11に出力する。
ランプ電圧検出部10は、DC/DCコンバータ5の出力電圧(ランプ電圧に相当する)を検出し、ランプ電圧の大きさを示す信号をマイコン11に出力する。
なお、ここでの出力電圧には、DC/ACインバータ6や高電圧発生部7や回路配線などで生じる電圧降下分が含まれる。したがって、DC/DCコンバータ5の出力電圧は、正確にはランプ電圧と等価ではないが、前記電圧降下分を差し引く補正をすることにより、DC/DCコンバータ5の出力電圧を制御処理上ランプ電圧として扱うことができる。
マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力が所定の電力値になるよう演算により求めた電流値とランプ電流との差分値、またはランプ電流が所定の電流値になるように所定の電流値とランプ電流との差分値をPWM制御回路12に出力する。このマイコン11には、ランプ電流が過剰になるのを防止するため、ランプ電流の大きさを制限する制限電流値Iaが設定されている。また、マイコン11は、予め設定された周波数制御信号をDC/ACインバータ6に入力して、高圧放電ランプ4に供給する交流電流の周波数を制御する。
なお、本発明においても「制限電流値Ia」は、公差範囲の下限値Vlowと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定されるものである(Ia=Pr/Vlow)。
PWM制御回路12は、マイコン11からの差分値に基づきデューティ(ON/OFFのスイッチング)パルスからなるPWM制御信号を発生させる。そして、PWM制御回路12は、発生させたPWM制御信号をDC/DCコンバータ5に入力して、DC/DCコンバータ5をPWM制御し、高圧放電ランプ4に供給する電流の大きさを制御する。タイマー14はランプの点灯が検知されたとき時間計測をスタートする。制御部8の動作については後述する。
<高圧放電ランプの構成>
次に、高圧放電ランプ4の概略構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、高圧放電ランプ4は、例えば高圧水銀ランプであって、略回転楕円体形状の発光部16と、この発光部16の両端に設けられた封止部17a,17bとを有する、発光管15を備えている。発光管15は、例えば石英ガラスで形成されている。この発光管15内部の放電空間18内には、発光物質として例えば水銀(Hg)と、始動補助用の希ガスとして例えばアルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)、あるいはキセノンガス(Xe)またはそれら2種以上の混合ガスと、ハロゲンサイクルのためのヨウ素(I)あるいは臭素(Br)、またはそれらの混合物とがそれぞれ所定量封入されている。一例として、水銀の封入量は150[mg/cm]以上390[mg/cm]以下の範囲内で、アルゴンガスの封入量(25℃)は0.01[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内で、臭素の封入量は1×10−10[mol/cm]以上1×10−4[mol/cm]以下の範囲内で、好ましくは1×10−9[mol/cm]以上1×10−5[mol/cm]以下の範囲内でそれぞれ設定されている。
また、放電空間18内に、一対の電極19a,19bが略同一軸上に互いに対向して配置されている。電極19a,19bは、タングステン(W)製であり、封止部17a,17bに気密に封着されたモリブデン製の金属箔24a,24bを介して外部リード線25a,25bに電気的に接続されている。
電極19aは、電極棒20aと、電極棒20aの一端部に取り付けられた電極コイルと、電極棒20aおよび電極コイルの一部を溶融して形成した略半球状の先端部22aとを有している。また、先端部22a上には、突起部23aが形成されている。電極19bは、電極19aと同様の構成であり、先端部22b上に突起部23bが形成されている。これら突起部23a,23bが、電極19a,19b間におけるアークスポットとなり、突起部23a,23b間が電極間距離Dである。この電極間距離Dは、例えば、0.5[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内に設定される。
また、突起部23a,23bは、点灯中に電極19a,19bから蒸発したタングステンが、ハロゲンサイクルによって再び電極19a,19bに戻り堆積したものであって、機械的加工を行うことなく製造時の点灯試験により自己形成されたものである。なお、図2には、製造時に形成された突起部であって、製品完成時の突起部の形状が示されている。
電極19a,19bの先端部22a,22bの形状は、略半球状に限らず、例えば略球状または略円錐状等とすることもできる。また、電極19a,19bの先端部22a,22bを形成するに当たり、電極棒の一部と電極コイルの一部とをそれぞれ溶融させて形成する以外に、例えば予め略半球状、略球状または略円錐状に削り出したもの、またはそのような形状で焼結したものを電極棒20a,20bの先端部に取り付けてもよい。
<ランプユニットの構成>
このような高圧放電ランプ4は、図3に示すように、反射鏡26内に組み込まれてランプユニット27を構成する。
ランプユニット27において、反射鏡26の内面が凹面の反射面28を構成しており、この反射鏡26内に、高圧放電ランプ4がその長手方向の中心軸Xと反射鏡26の光軸Yとが略一致するように組み込まれている。これにより、高圧放電ランプ4の射出光が反射面28により反射されて、集光効率が高まるように構成されている。反射鏡26の基体は、例えばガラスまたは金属で形成されている。反射面28は、例えば回転楕円体面や回転放物体面、または自由曲面からなり、多層干渉膜等が蒸着工法またはスパッタリング工法で成膜されている。反射鏡26には、反射面28の底部を貫通する貫通孔32aを有するネック部32が設けられている。
高圧放電ランプ4の発光管の一方の封止部17bには点灯装置接続用端子29が付設された円筒形の口金30が装着されている。点灯装置接続用端子29に、封止部17bから外部に導出された外部リード線(図示せず)が接続されている。他方の封止部17aから導出された外部リード線25aには点灯装置接続用の電力供給線31が接続されている。
そして、高圧放電ランプ4は、口金30が反射鏡26のネック部32内に挿入され、かつ接着剤33を介して固着されている。なお、電力供給線31は、反射鏡26に設けられた貫通孔34に挿通され、反射鏡26の外側に導かれている。
なお、図3に示すランプユニットには口金30が設けられているが、口金30が設けられておらず、高圧放電ランプ4の封止部17bが接着剤を介してネック部32に固着されていてもよい。
<点灯装置の動作>
図4は、本実施形態に係る点灯装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
マイコン11には、本実施形態の基本情報として、制限電流値Ia(4[A])、電流値Ib(3.2[A])、高圧放電ランプ4の定格ランプ電力値Pr(200[W])、電力値Plow(140[W])、所定時間(90[s])および所定の電圧Vs(43.75[V])が登録されている。
(1)高圧放電ランプ4を放電開始させるための点灯スイッチ(図示せず)がオンされると、マイコン11は、高電圧発生部7に例えば3[kV]、100[kHz]の高周波の高電圧を発生させる(S11)。この高周波の高電圧が高圧放電ランプ4に印加されることにより、電極19a,19b間において絶縁破壊が起こり、放電が開始(点灯開始)される。
(2)マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号に基づき点灯開始したか否かを判別する。点灯開始と判別すれば(S12:YES)、タイマー14の時間計測をスタートさせる(S13)。点灯開始していないと判別すれば(S12:NO)、S11のステップに戻る。
(3)次に、マイコン11は、略矩形波の交流電流の電流値Ib(3.2[A])による定電流制御を行う(S14)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号を受けて、ランプ電流が電流値Ibになるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。
(4)マイコン11は、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電圧が水銀の蒸発に伴って上昇して、所定の電圧Vs(43.75[V])に到達したか否かを判別する。所定の電圧Vsに到達していなければ(S15:NO)、S14の定電流制御を維持する。なお、所定の電圧Vsは、ランプ電力が、定電流制御のもとで後述するS16の電力値Plowになるときの電圧値である。
(5)ランプ電圧が所定の電圧Vsに到達すれば(S15:YES)、電力値Plow(140[W])での定電力制御に移行する(S16)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を電力値Plowに維持するための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。
(6)タイマー14の計測時間が所定時間(90[s])を経過するまで(S17:NO)、S16の定電力制御を維持する。ここでの所定時間は、ランプ内のガス圧が安定した状態になって定常点灯に移行できる時間であればよく、ランプの仕様等により適宜選択される。例えば、所定時間は、ランプ内のガス圧が安定するまでの時間として、50[s]以上が好ましく、より好ましくは70[s]以上が好ましい。なお、ランプの立ち上げの観点から所定時間は短い方が好ましい。具体的には、180[s]以下が好ましく、より好ましくは120[s]以下が好ましい。
(7)タイマー14の計測時間が所定時間を経過すれば(S17:YES)、時間計測をストップ(S18)し、定格ランプ電力値Pr(200[W])での定電力制御に移行する(S19)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を定格ランプ電力値Prに維持するための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。点灯終了までS19の定電力制御を維持する。
なお、上記S16およびS19の定電力制御において、マイコン11は、ランプ電力を各定電力に維持するために算出した電流値が制限電流値Iaを超えるときには、ランプ電流が制限電流値Iaの大きさになるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。これにより、ランプ電圧が低下し過ぎても、ランプ電流が過剰に大きくなるのを防止することができる。
<作用効果>
図5(a)〜(c)は、上記動作により点灯したときのランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を示すグラフである。
ここでの高圧放電ランプ4における定常点灯時のランプ電圧は55[V]である。
また、高圧放電ランプ4における定格ランプ電圧の公差範囲は50[V]〜80[V]であり、図5(a)には、従来の点灯装置および特許文献1の点灯装置により高圧放電ランプ4を点灯した場合における、ランプ電力と点灯時間との関係がそれぞれ二点鎖線で示されている。
従来の点灯装置による定電流制御の電流値Icは4[A](=制限電流値Ia)である。一方、特許文献1の点灯装置による定電流制御の電流値Idには、特許文献1において設定される電流値の上限と略同等である2.5[A](=200[W]/80[V])が設定されている。
ここで、定格ランプ電圧とは、製品完成時に確認されたランプ電圧であって、定常点灯時(定常点灯状態において電圧値が安定したとき)のランプ電圧のことをいう。このような定格ランプ電圧は、電極間距離Dによって異なり、電極間距離Dが電極19a,19bに形成される突起部23a,23bの大きさにより決まることから、製品間にばらつきが生じる。製品間の定格ランプ電圧のばらつきを小さくするには、製造時に突起部の状態を監視し、突起部の形成を制御する必要があり、製造管理の負荷が増して生産性の低下に繋がる。そのため、実際には、製造上のばらつきを考慮して、定格ランプ電圧のばらつきを許容する範囲を規定し、規定した許容範囲内に、製品完成時の定格ランプ電圧が収まるように製造管理が行われている。これにより、生産性が低下するのを抑制している。このようにして規定した許容範囲が公差範囲である。なお、このような定格ランプ電圧および公差範囲は、一般的に、ランプ納品時に添付される仕様書などに記載されている。
本実施形態に係る点灯装置3によれば、点灯開始から90[s]までにおいて、ランプ電圧が43.75[V]に到達するまでは、電流値Ib(3.2[A])の定電流制御を行い、ランプ電圧が43.75[V]に到達すれば、定格ランプ電力値Prよりも低い電力値Plow(140[W])の定電力制御を行っている。このように高圧放電ランプ4に供給する電力を制御することにより、図5(c)に示すように、点灯開始から90[s]経過後に、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電流値が3.64[A]と、制限電流値Ia(4[A])よりも小さくなっている。したがって、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電流値が、従来の点灯装置よりも小さくなる分、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度上昇を抑えることができるので、電極19a,19bが損耗するのを抑制することができる。その結果として、ランプの長寿命化を図ることができる。
また、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行する前に、電力値Plowの定電力制御を行う期間を設けることにより、一旦、電極19a,19bの温度を安定させることができるので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電極19a,19bの温度上昇を抑えることができる。これにより、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、電極19a,19bが損耗するのを抑制することができる。
なお、電流値Ibは、電流値Id(2.5[A])よりも大きいので、特許文献1の点灯装置よりも電流値が大きい分、電極19a,19bの温度が高くなり、ランプ電圧の上昇が早くなる。したがって、ランプの立ち上がりが早くなり、立ち上がりが遅くなるのを抑制できる。本実施形態によれば、図5(b)に示すように、点灯開始から90[s]経過したときには、ランプ電圧が55[V]に到達していて、ランプが立ち上がっている(定常点灯している)ことが分かる。
<電流値Ibおよび電力値Plowの設定範囲>
本実施形態に係る点灯装置3において、電流値Ibの大きさは、以下の範囲を満たす。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
したがって、電流値Ibは、制限電流値Iaの0.7倍〜0.9倍の範囲内といえる。ここで、上限を0.9倍とした理由は、電流値Ibが、制限電流値Iaの0.9倍を超えると、制限電流値Iaと大きく変わらないので、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制する効果が小さいからである。下限を0.7倍とした理由は、制限電流値Iaの0.625倍となる電流値Idではランプの立ち上がりが遅いので、この電流値Idよりも大きくするためである。
また、電力値Plowは、以下の範囲を満たす。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
ここで、上限を0.9倍とした理由は、電力値Plowが、定格ランプ電力値Prの0.9倍を超えると、定格ランプ電力値Prと大きく変わらないので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電極19a,19bの温度上昇を抑制する効果が小さいからである。下限を0.5倍とした理由は、定格ランプ電力値Prと電力値Plowとの大きさに差があり過ぎると、定格ランプ電力値Prの定電力制御への移行によって、電極19a,19bに与える熱負荷が急激に増すために、電極19a,19bの蒸発が促進されて損耗し、逆効果となるからである。
本発明者らは、後述する点灯試験を行い、電流値Ibおよび電力値Plowがそれぞれ上記範囲内であれば、従来よりも一対の電極が損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れることを確認するとともに、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができることも確認した。
<点灯試験結果>
次に、本実施形態に係る点灯装置3によりランプを点灯したときの作用効果を確認するための点灯試験結果について説明する。
本点灯試験では、電流値Ibまたは電力値Plowの大きさが異なる、5つの実施例と2つの比較例とを用意した。そして、各実施例および比較例において、本実施形態に係る高圧放電ランプ4を点灯させるエージングを実施し、ランプ電圧および照度維持率を測定した。ここで、エージングは、3.5[h]点灯、0.5[h]消灯の点灯サイクルを300回(累積点灯1050[h])行った。このうち、エージング開始直後の最初の点灯サイクルにおいて、各実施例および比較例のランプの立ち上がりを確認し評価した。
なお、各高圧放電ランプ4の定格ランプ電力値Prおよび定格ランプ電圧の公差範囲は、上記した200[W]および50[V]〜80[V]である。また、本点灯試験開始時点において、各高圧放電ランプ4の定常点灯時のランプ電圧は55[V]である(累積点灯0[h])。各高圧放電ランプ4を点灯する点灯装置3における制限電流値Iaは4[A]である。
図6は、実施例1〜5および比較例1,2における電流値Ibおよび電力値Plowの大きさを示している。このうち実施例3は、図4のフローチャートで示す電流値Ibおよび電力値Plowであり、Ib=3.2[A]、Plow=140[W]である。実施例1は、Ib=3.6[A]、Plow=180[W]であり、実施例2は、Ib=3.6[A]、Plow=160[W]である。実施例4は、Ib=2.8[A]、Plow=120[W]であり、実施例5は、Ib=2.8[A]、Plow=100[W]である。
比較例1および比較例2は、従来の点灯装置および特許文献1の点灯装置と比較するために用意したものである。従来の点灯装置であれば、電流値Icが4.0[A](=制限電流値Ia)になり、特許文献1の点灯装置であれば、電流値Idが2.5[A]未満(Id<200[W]/80[V])になる。したがって、比較例1は、Ib=4.0[A]、Plow=「設定なし」とし、比較例2は、Ib=1.78[A]、Plow=160[W]とした。
(ランプの立ち上がりの判定)
図6には、各実施例および比較例のランプの立ち上がりについての判定結果が示されている。図7(a)〜(g)は、ランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフである。
ここでは、比較例2の立ち上がり時間U(図7(g)参照)を基準にして、実施例1〜5および比較例1が、時間Uよりも早く立ち上がれば、立上りが良好「○」と判定し、そうでなければ、立上りが不良「×」と判定した。なお、基準とした比較例2の立上り判定は「−」にしている。
なお、図7(g)に示すように、比較例2では、点灯開始から90[s]経過したときのランプ電圧が35[V]と低いので、90[s]経過後、直ちに定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行できない。そのため、90[s]経過後、一旦、4.0[A]の定電流制御を行って、ランプ電圧が50[V]に到達してから定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行させている。
また、ここでの所定時間を90[s]に設定した理由は、例えば、持ち運び可能な小型のプロジェクタに用いられるランプの場合、ユーザーが、短時間でのランプの立ち上がり、具体的には90[s]以内を要望していることから、ユーザー要望を満たすようにするためである。
図7(a)〜(f)に示すように、実施例1〜5および比較例1は、点灯開始から90[s]経過時、または90[s]経過後直ぐに、ランプ電圧が55[V]に到達しており、時間Uよりも早くランプが立ち上がっている。よって、実施例1〜5および比較例1の立上り判定は、全て「○」である。
これらより、電流値Ibが2.8[A]以上であれば、特許文献1の点灯装置よりもランプを早く立ち上げることができることが分かった。
(電極の損耗抑制効果およびランプ寿命の判定)
次に、各実施例および比較例のエージングの実施結果について説明する。
図8(a)は、各実施例および比較例のランプ電圧の推移を示す図である。
図8(a)に示すように、累積点灯時間の1050[h]のランプ電圧をみると、実施例1〜5がそれぞれ80[V]未満であるのに対して、比較例1および2は80[V]を超えている。先ず、比較例1は、実施例1〜5よりも電流値Ibが大きいので、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度が高くなって損耗が進み、電極間距離Dが広がったためであると考えられる。次に、比較例2では、電流値Ibが1.78[A]と実施例1〜5よりも小さいが、90[s]経過後に4.0[A]の定電流制御が行われているので、この間に、電極19a,19bの温度が高くなって、損耗が進んだものと考えられる。これらより、実施例1〜5は、比較例1および2と比べて、電極19a,19bが損耗するのを抑制できていることが分かる。
また、実施例1〜5の中では、実施例3のランプ電圧が60[V]と最も低く、電極19a,19bが損耗するのを最も抑制できている。
このように実施例1および2が、実施例3よりもランプ電圧が高くなるのは、電流値Ibが実施例3よりも大きい分、電極19a,19bの損耗が進むからである。実施例4および5が、実施例3よりも電流値Ibが小さいにも関わらず、ランプ電圧が高くなるのは、図7(d)および(e)に示すように、90[s]経過したときのランプ電圧が55[V]未満のため、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、一時的に、実施例3(3.64[A])よりも大きな電流が供給されている(3.77[A]および3.84[A])ためである。
さらに、同じ電流値Ibの実施例1と実施例2とを比べた場合には、電力値Plowの大きい実施例1のランプ電圧が高くなっている。これは、実施例1の電力値Plowが180[W]と、定格ランプ電力値Prに近いので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときには、電極19a,19bの温度が既に高くなっていて、電力値Plowの定電力制御も含めて見た場合に、電極19a,19bが損耗するのを抑制する効果が小さくなったためと考えられる。また、同じ電流値Ibの実施例4と実施例5とを比べた場合には、電力値Plowの小さい実施例5のランプ電圧が高くなっている。これは、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの一時的に供給される大きな電流が、実施例5の方が大きいということに加え、実施例5の電力値Plowが100[W]と、定格ランプ電力値Prとの差が大きいため、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、電極19a,19bに対する熱負荷が急激に増加し過ぎて、電極19a,19bの蒸発が促進されるためであると考えられる。
図8(b)は、各実施例および比較例の照度維持率の推移を示す図である。
ここでは、エージング開始時点(累積点灯時間0[h])における各高圧放電ランプ4の照度をそれぞれ基準(100[%])とし、エージング終了時点(累積点灯時間1050[h])の照度維持率を測定した。
図9は、縦軸を照度維持率[%]、横軸を累積点灯時間[h]とし、図8(b)の照度維持率をプロットした図である。
図9において、実施例1〜5および比較例1,2の推移線が51〜57で示されている。照度維持率の低下が小さい線から見ると、推移線53が実施例3、推移線52(推移線54)が実施例2(実施例4)、推移線51(推移線55)が実施例1(実施例5)、推移線57が比較例2、推移線56が比較例1を示している。また、図9には、累積点灯時間1050[h]までの照度維持率の推移をもとにして、累積点灯時間1050[h]以降の照度維持率の推移を予測し、予測した推移が破線で示されている。
図8(b)には、図9において、予測された照度維持率の推移より判断されるランプ寿命の予測値が示されている。
ここでは、照度維持率50[%]をランプ寿命の判断基準としている。
また、ランプ寿命の予測値が2000[h]以上の場合は、良好「○」と判定し、さらに、4000[h]以上の場合には、最良「◎」と判定した。なお、ランプ寿命の予測値が2000[h]未満の場合は、不良「×」と判定した。
なお、図9において、実施例3の照度維持率の推移(予測)が70[%]までとなっているが、計算によれば、実施例3のランプ寿命が5000[h]と予測される。これにより、図8(b)では、実施例3の寿命判定が最良「◎」となっている。
したがって、実施例1〜5のランプ寿命は全て2000[h]以上であり、寿命判定が良好「○」または最良「◎」であるのに対して、比較例1および2のランプ寿命は、2000[h]未満であり、寿命判定が不良「×」である。
以上より、実施例1〜5は、比較例1および2よりも電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れることが分かった。
図10は、縦軸を電力[W]、横軸を電流[A]とし、実施例1〜5、比較例1,2の電流値Ibおよび電力値Plowをプロットした図である。
図10に示すように、実施例1〜5における電流値Ibは、2.8[A]以上3.6[A]以下の範囲内にあり、電力値Plowは、100[W]以上180[W]以下の範囲内にある。
電流値Ibは、制限電流値Ia(4[A])を用いて、次の関係式で表すことができる。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
電力値Plowは、定格ランプ電力値Pr(200[W])を用いて、次の関係式で表すことができる。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
したがって、電流値Ibおよび電力値Plowが、上記範囲内であれば、従来よりも一対の電極が損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れるとともに、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる効果が得られる。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る点灯装置3を用いて、高圧放電ランプ4を点灯したときのランプ電力と、点灯時間との各関係を示すグラフである。
図11に示すように、第2の実施形態に係る点灯装置3では、電流値Ib(3.2[A])の定電流制御を行う点と、電力値Plow(140[W])の定電力制御と、定格ランプ電力値Pr(200[W])の定電力制御を行う点で、第1の実施形態に係る点灯装置3と共通している(図5参照)。一方、第1の実施形態に係る点灯装置3では、ランプ電力が電力値Plowから定格ランプ電力値Prまで一気に上昇させているのに対して、第2の実施形態に係る点灯装置3では、ランプ電力が定格ランプ電力値Prまで階段状に上昇させている点が異なっている。具体的には、ランプ電力を140[W]から200[W]まで、6段階を経て上昇させている。本例では、200[W]までに、150[W],160[W],170[W],180[W],190[W]の段階を経ている。
このように、ランプ電力を階段状に上昇させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度を段階的に上昇させることができるので、一気にランプ電力を上昇させる場合と比べて、ランプ電力の上昇に伴う電極19a,19bの温度上昇を抑えことができる。加えて、ランプの照度が急激に変化するのを抑制することができるので、例えば、高圧放電ランプ4をプロジェクタに用いた場合など、立上げ時の照度変化が緩やかになるという利点がある。なお、点灯装置3および高圧放電ランプ4の構成については、第1の実施形態と同じであり、簡単のため、その説明を省略する。
次に、ランプ電力を階段状に上昇させるための点灯装置3の動作の一例を説明する。
ここでは、第1の実施形態とは異なる動作のみを説明し、他の動作についてはその説明を省略する。本実施形態において、ランプ電力を階段状に上昇させている動作は、電力値Plowの定電力制御の後、点灯開始からの時間が所定時間(本例では90[s])を経過するまでの間に行われる。これは、第1の実施形態の図4でみた場合に、S16の後、S17の前に行われる動作である。
マイコン11には、第1の実施形態の基本情報に加えて、さらに、ランプ電力の目標値となる、値の異なる5つの電力値(=150[W],160[W],170[W],180[W],190[W])が登録されている。マイコン11は、ランプ電力の目標値を登録するメモリ部として機能する。
(1)マイコン11は、電力値Plow(140[W])の定電力制御のもとで、ランプ電圧が、所定の電圧値(例えば、50[V])に到達すれば、タイマー14の計測時間より、点灯開始から所定時間(90[s])が経過するまでの残りの時間T1を算出し、算出した時間T1から、さらに、時間間隔T2(=T1/5)を算出する。この時間間隔T2が、ランプ電力を上記5つの電力値に順次切替える時間間隔である。
(2)そして、マイコン11は、先ず、ランプ電力の目標値に、150[W]を設定し、設定されたランプ電力の目標値(150[W])での電力制御を行う。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を150[W]にするための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御する。
(3)以降、マイコン11は、時間間隔T2毎に、ランプ電力の目標値を、160[W],170[W],180[W],190[W]へと順に切替えて、切替えられたランプ電力の目標値で電力制御を行う。このように、マイコン11は、ランプ電力を順次切替える電力切替手段として機能する。
(4)タイマー14の計測時間が90[s]を経過すれば、マイコン11は、定格ランプ電力値Prでの定電力制御に移行し、その後は、第1の実施形態と同じ動作となる。
本実施形態では、ランプ電力を、電力値Plowから定格ランプ電力値Prまで、階段状に6段階で上昇させる構成を示したが、これに限定するものではなく、5段階未満、または7段階以上としてもよい。例えば、プロジェクタに用いるランプの場合には、ランプ電力を電力値Plowから定格ランプ電力値Prにするまで、より多段階に分けて、10段階よりも20段階、20段階よりも30段階で上昇させる方が、ランプの照度変化をより緩やかにすることができるので、より好適である。ランプ電力を、電力値Plowから何段階で定格ランプ電力値Prまで上昇させるかは、ランプの仕様等に応じて、適宜選択することができる。
<プロジェクタ>
次に、第3の実施形態に係るプロジェクタについて、図12および図13を参照して説明する。
図12は、フロントプロジェクタ35の概略構成を示す斜視図である。フロントプロジェクタ35は、その前方に設置したスクリーン(図示せず)に向けて画像を投影するタイプのプロジェクタであり、光源として上記実施形態における高圧放電ランプ4を有するランプユニット27を備えたものである。
図12に示すように、フロントプロジェクタ35は、さらに、筐体36に収納された、光学ユニット37、制御ユニット38、投射レンズ39、冷却ファンユニット40、および電源ユニット41等を備えている。電源ユニット41は、上記した点灯装置3を含み、商用電源から供給される電力を、制御ユニット38やランプユニット27に適した電力に変換してそれぞれ供給する。このように、点灯装置3によって高圧放電ランプ4を点灯させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化を実現することができるので、フロントプロジェクタ35のメンテナンス負荷を軽減させることができる。
なお、図12では、フロントプロジェクタ35の構成を見易くするため、筐体36の天板が取り除かれた状態で示されている。
また、図13は、リアプロジェクタ42の概略構成を示す斜視図である。
リアプロジェクタ42は、ランプユニット27、光学ユニット、投射レンズ、ミラーおよび高圧放電ランプに電力を供給する点灯装置3(いずれも図示せず)等が筐体43内に収納された構成を有している。投射レンズから投射されミラーで反射された画像が、透過式スクリーン44の裏側から投影されて画像表示される。このリアプロジェクタ42においても、点灯装置3によって高圧放電ランプ4を点灯させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化を実現することができるので、リアプロジェクタ42のメンテナンス負荷を軽減させることができる。
以上、本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
<変形例>
(1)上記実施形態では、点灯開始後、直ぐに電流値Ibによる定電流制御を行っているが、この電流値Ibの定電流制御の前に、例えば、放電を安定させるためのウォームアップ期間を設けてもよい。具体的には、ウォームアップ期間として、例えば2[s]間、1[kHz]以上500[kHz]以下の範囲内から選択される高周波電流の定電流制御を行うことにより、放電を安定させることができる。なお、ウォームアップ期間において、高周波電流の定電流制御に代えて、公知の直流動作または1[kHz]未満の低周波電流による定電流制御の動作を用いてもよい。
(2)また、電流値Ibの定電流制御の前に、電流値Ibよりも大きい電流による定電流制御を行う構成とすることもできる。特に、ランプ電圧が27[V]未満であれば、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度は低い状態であるので、電流値を大きくしても電極19a,19bが損耗しにくいので、電流値を大きくすることによってランプの立ち上げを早くできる利点がある。
(3)上記実施形態では、高圧放電ランプ4を放電開始させるため、高電圧発生部7から高周波の高電圧を出力させる構成を示したが、これに限定されるものでなく、公知の間欠発振型の高電圧パルスを用いてもよい。
(4)上記実施形態では、電力値Plowの定電力制御に切り替えるタイミングを、ランプ電圧が43.75[V]に到達したか否かで判断する構成を示したが、ランプ電力が140[W]に到達するか否かで判断してもよい。
(5)上記各実施形態では、高圧放電ランプ4として定格ランプ電力200[W]の高圧水銀ランプを用いた場合について説明したが、これに限らず定格ランプ電力が例えば80[W]以上1000[W]以下の範囲内の高圧水銀ランプを用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
(6)上記各実施形態では、高圧放電ランプ4として具体的に高圧水銀ランプを用いた場合について説明したが、これに限らず公知のショートアーク型のメタルハライドランプ等を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、高圧放電ランプ装置、および高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ等に広く利用することができる。
1 高圧放電ランプ装置
2 DC電源回路
3 点灯装置
4 高圧放電ランプ
5 DC/DCコンバータ
6 DC/ACインバータ
7 高電圧発生部
8 制御部
9 ランプ電流検出部
10 ランプ電圧検出部
11 マイコン
12 PWM制御回路
14 タイマー
15 発光管
16 発光部
19a,19b 電極
23a,23b 突起部
26 反射鏡
35 フロントプロジェクタ
42 リアプロジェクタ
本発明は、高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法に関する。
プロジェクタには、その光源として点光源に近い、高圧放電ランプ、特に高圧水銀ランプが広く用いられている。高圧水銀ランプは、内部に、発光物質としての水銀が封入され、かつタングステン製の一対の電極が互いに略対向するように配置された発光管を備え、電極間にアーク放電を発生させて光を出射するものである。
このような高圧水銀ランプの点灯装置として、従来、点灯開始から所定時間が経過するまで、例えばランプ電力が定格ランプ電力値Prになるまでの間、一定の電流値Icを供給して点灯させ、所定時間経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prの定電力を供給して点灯させる点灯装置が広く用いられている。定電力供給のもとでは、ランプ電圧が低下し過ぎると、ランプ電流が大きくなり過ぎて装置内の電子部品が破損するおそれがあるため、点灯装置において、ランプ電流が所定の値(以降、制限電流値Iaという)以下になるように制御される。また、通常、上記の電流値Icは、制限電流値Iaの大きさに設定される。
上記従来の高圧水銀ランプの点灯装置では、電流値Icの定電流供給から定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行したときが、供給する電力と電流とが共に高く(定格ランプ電力値Pr、電流値Ic)、特にこのときに、一対の電極の温度上昇が激しく電極が損耗することが知られている。
かかる電極が損耗するのを抑制するため、点灯開始から所定時間が経過するまで、上記従来の電流値Icよりも小さい一定の電流値Idを供給するようにして、定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行したときの電流値を従来よりも小さくする高圧水銀ランプの点灯装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の点灯装置によれば、電流値Idは、高圧水銀ランプの製造ばらつきを考慮して規定された、定格ランプ電圧における公差範囲の上限値Vhighと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定されている(Id<Pr/Vhigh)。一方、上記従来の点灯装置における電流値Icは、制限電流値Iaの大きさと同じであり、制限電流値Iaは、一般的に、当該公差範囲の下限値Vlowと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定される(Ia=Pr/Vlow)。したがって、電流値Idが、制限電流値Iaおよび電流値Icよりも小さくなるので、電流値が小さくなる分、上記従来の点灯装置よりも、一対の電極の温度上昇を抑えることができ、電極が損耗するのを抑制できるとされている。
図14(a)〜(c)は、特許文献1に記載の点灯装置により点灯したときのランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を実線で示すグラフである。また、上記従来の点灯装置により点灯したときの各関係が二点鎖線で示されている。ここでの高圧水銀ランプの定格ランプ電力は250[W]であり、定格ランプ電圧は80[V]、定格ランプ電圧の公差範囲は62.5[V]〜95[V]である。
図14(a)〜(c)に示すように、特許文献1に記載の点灯装置では、点灯開始からランプ電圧が80[V]に達するまで、上記従来の点灯装置における電流値Ic(4[A])よりも小さい電流値Id(2.5[A])が供給されている。そして、定格ランプ電力250[W]の定電力供給に移行したときの電流値が3.125[A]であり、電流値Icよりも小さいことが分かる。
特開2009−59602号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の点灯装置では、電流値Idが、制限電流値Iaよりも小さくなり過ぎて、図14に示す例では、制限電流値Iaの62.5%(=2.5[A]/4[A])のため、上記従来の点灯装置よりも高圧水銀ランプの立ち上がりが遅くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも高圧放電ランプにおける一対の電極が損耗するのを抑制しつつ、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することを目的としている。
本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプを点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、前記高圧放電ランプに電力を供給する電力供給部と、ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、点灯開始から所定時間が経過するまで、少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御と、前記定電流制御のもとでランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときに、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する第1の定電力制御とを行い、前記所定時間の経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を制御する第2の定電力制御を行い、前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプ装置は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプを点灯させる前記高圧放電ランプ点灯装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプロジェクタは、前記高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプの点灯方法は、内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して電力を供給する電力供給部と、ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備えた点灯装置により点灯させる方法であって、前記制御部が、点灯開始から所定時間が経過するまで、少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、ランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときには、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、前記所定時間の経過後は、ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップとを実行し、前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成の高圧放電ランプ点灯装置によれば、次の関係を満たす電流値Ibの定電流を高圧放電ランプに供給する。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
このように、電流値Ibが、制限電流値Iaの0.7倍〜0.9倍の大きさに設定されるので、上記従来の点灯装置における電流値Ic(=制限電流値Ia)よりも小さくなり、かつ電流値Idよりも大きくなる。これにより、上記従来の点灯装置よりも、一対の電極の温度上昇を抑えることができ、電極が損耗するのを抑制することができる。また、上記特許文献1の点灯装置よりも、ランプの立ち上がりが早くなり、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる。
また、定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行する前に、定格ランプ電力値Prよりも低い、次の関係を満たす所定の電力値Plowの定電力を高圧放電ランプに供給する。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
これにより、所定時間の経過後における定格ランプ電力値Prの定電力供給に移行する前に、一対の電極の温度上昇を抑えて安定させることができるので、点灯開始から所定時間の経過するまで、一対の電極の温度が一気に上昇するのを防止している。この結果、電極が損耗するのをより抑制することができる。
また、定格ランプ電力値Prおよび電力値Plowの定電力供給のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるように制御されていて、ランプ電圧が低下し過ぎたとしても、ランプ電流が過剰に大きくなることはない。
また、上記構成の高圧放電ランプの点灯方法は、上記高圧放電ランプ点灯装置と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、従来よりも高圧放電ランプにおける一対の電極が損耗するのを抑制しつつ、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る高圧放電ランプ装置の構成を示すブロック図である。 高圧水銀ランプの構成を示す管軸を含む断面図である。 高圧水銀ランプが組み込まれたランプユニットの構成を示す一部切欠斜視図である。 点灯装置の動作を説明するためのフローチャートである。 ランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を示すグラフである。 点灯試験に用いた実施例および比較例における電流値Ibおよび電力値Plowの大きさを示す図である。 (a)は、実施例1についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(b)は、実施例2についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(c)は、実施例3についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(d)は、実施例4についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(e)は、実施例5についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(f)は、比較例1についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフであり、(g)は、比較例2についてのランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフである。 (a)は、各実施例および比較例のランプ電圧の推移を示す図であり、(b)は、各実施例および比較例の照度維持率の推移を示す図である。 照度維持率と累積点灯時間との関係を説明するための図である。 電流値Ibと電力値Plowとの関係を説明するための図である。 第2の実施形態に係る点灯装置により点灯したときのランプ電力と、点灯時間との各関係を示すグラフである。 第3の実施形態に係るフロントプロジェクタの構成を示す一部切欠斜視図である。 第3の実施形態に係るリアプロジェクタの構成を示す斜視図である。 (a)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電力と点灯時間との関係を示すグラフであり、(b)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電圧と点灯時間との関係を示すグラフであり、(C)は、従来の点灯装置により点灯したときのランプ電流と点灯時間との関係を示すグラフである。
本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明を実施するための形態において数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含む。
[第1の実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1のブロック図を示す。

図1に示すように、高圧放電ランプ装置1は、外部の交流電源(AC100[V])に接続されるDC電源回路2と、定格ランプ電力200[W]の高圧放電ランプ4と、これらDC電源回路2と高圧放電ランプ4との間に接続された点灯装置3(電子安定器)とで構成されている。
DC電源回路2は、例えば整流回路を有し、家庭用の交流電圧(100[V])から一定の直流電圧を生成して点灯装置3に供給する。
点灯装置3は、DC電源回路2から供給された直流電圧の電力を交流電力に変換して、高圧放電ランプ4に供給する。
高圧放電ランプ4は、点灯装置3から供給される交流電力によって点灯する。
<点灯装置の構成>
点灯装置3は、主な構成として、DC/DCコンバータ5、DC/ACインバータ6、高電圧発生部7および制御部8を備えている。制御部8は、マイコン11、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路12、ランプ電流検出部9、ランプ電圧検出部10およびタイマー14を備えている。
DC/DCコンバータ5は、入力端子5a,5b、出力端子5c,5dおよび制御端子5eを有する。入力端子5a,5bにはDC電源回路2が接続されている。出力端子5c,5dにはDC/ACインバータ6が接続されている。制御端子5eにはPWM制御回路12が接続されている。DC/DCコンバータ5は、PWM制御を用いて、制御端子5eに入力されたPWM制御信号に応じた大きさの直流電流を生成する。
DC/ACインバータ6は、入力端子6a,6b、出力端子6c,6dおよび制御端子6eを有する。入力端子6a,6bにはDC/DCコンバータ5が接続されている。出力端子6c,6dには高電圧発生部7を介して高圧放電ランプ4が接続されている。制御端子6eにはマイコン11が接続されている。DC/ACインバータ6は、制御端子6eに入力された周波数制御信号の周波数に応じた周波数の略矩形波の交流電流を生成することができる。これにより、DC/DCコンバータ5から出力された直流電流を略矩形波の交流電流に変換している。ここでの「略矩形波」の交流電流とは、完全な矩形波をなす電流はもちろんのこと、極性反転直後のオーバーシュートやアンダーシュート等によって若干の歪を有する矩形波も含むものとする。また、アークジャンプを抑制する点灯方法として、従来から矩形波の半周期毎の極性反転前にパルス電流を重畳したり、矩形波の半周期毎において時間とともに電流値が増大するように傾斜をつけたり、矩形波の半周期毎の極性反転直前または直後に高周波が1周期付加され、かつ付加した波形の後半の半周期のランプ電流のみに、付加する直前の電流値より高くする交流波形が知られている。ここでは、このような基本となる矩形波に何らかの成分を重畳して変形したものも「略矩形波」に含まれるものとする。
上記構成からなるDC/DCコンバータ5およびDC/ACインバータ6が、DC電源回路2からの直流電圧の電力を交流電力に変換するとともに、高圧放電ランプ4に供給する電力供給部として機能する。
高電圧発生部7は、例えばトランスを有し、高圧放電ランプ4の始動時に、高電圧を発生させて高圧放電ランプ4に印加して放電を開始させる。なお、始動後は、高圧放電ランプ4は高電圧を必要としないので、トランスは、例えば、経路切替えスイッチにより高圧放電ランプ4に電力を供給する経路から切り離される。
次に、制御部8について説明する。
ランプ電流検出部9は、DC/DCコンバータ5とDC/ACインバータ6とを結ぶ配線に流れる電流(ランプ電流に相当する)を検出し、ランプ電流の大きさを示す信号をマイコン11に出力する。
ランプ電圧検出部10は、DC/DCコンバータ5の出力電圧(ランプ電圧に相当する)を検出し、ランプ電圧の大きさを示す信号をマイコン11に出力する。
なお、ここでの出力電圧には、DC/ACインバータ6や高電圧発生部7や回路配線などで生じる電圧降下分が含まれる。したがって、DC/DCコンバータ5の出力電圧は、正確にはランプ電圧と等価ではないが、前記電圧降下分を差し引く補正をすることにより、DC/DCコンバータ5の出力電圧を制御処理上ランプ電圧として扱うことができる。
マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力が所定の電力値になるよう演算により求めた電流値とランプ電流との差分値、またはランプ電流が所定の電流値になるように所定の電流値とランプ電流との差分値をPWM制御回路12に出力する。このマイコン11には、ランプ電流が過剰になるのを防止するため、ランプ電流の大きさを制限する制限電流値Iaが設定されている。また、マイコン11は、予め設定された周波数制御信号をDC/ACインバータ6に入力して、高圧放電ランプ4に供給する交流電流の周波数を制御する。
なお、本発明においても「制限電流値Ia」は、公差範囲の下限値Vlowと、定格ランプ電力値Prとを用いて設定されるものである(Ia=Pr/Vlow)。
PWM制御回路12は、マイコン11からの差分値に基づきデューティ(ON/OFFのスイッチング)パルスからなるPWM制御信号を発生させる。そして、PWM制御回路12は、発生させたPWM制御信号をDC/DCコンバータ5に入力して、DC/DCコンバータ5をPWM制御し、高圧放電ランプ4に供給する電流の大きさを制御する。タイマー14はランプの点灯が検知されたとき時間計測をスタートする。制御部8の動作については後述する。
<高圧放電ランプの構成>
次に、高圧放電ランプ4の概略構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、高圧放電ランプ4は、例えば高圧水銀ランプであって、略回転楕円体形状の発光部16と、この発光部16の両端に設けられた封止部17a,17bとを有する、発光管15を備えている。発光管15は、例えば石英ガラスで形成されている。この発光管15内部の放電空間18内には、発光物質として例えば水銀(Hg)と、始動補助用の希ガスとして例えばアルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)、あるいはキセノンガス(Xe)またはそれら2種以上の混合ガスと、ハロゲンサイクルのためのヨウ素(I)あるいは臭素(Br)、またはそれらの混合物とがそれぞれ所定量封入されている。一例として、水銀の封入量は150[mg/cm]以上390[mg/cm]以下の範囲内で、アルゴンガスの封入量(25℃)は0.01[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内で、臭素の封入量は1×10−10[mol/cm]以上1×10−4[mol/cm]以下の範囲内で、好ましくは1×10−9[mol/cm]以上1×10−5[mol/cm]以下の範囲内でそれぞれ設定されている。
また、放電空間18内に、一対の電極19a,19bが略同一軸上に互いに対向して配置されている。電極19a,19bは、タングステン(W)製であり、封止部17a,17bに気密に封着されたモリブデン製の金属箔24a,24bを介して外部リード線25a,25bに電気的に接続されている。
電極19aは、電極棒20aと、電極棒20aの一端部に取り付けられた電極コイルと、電極棒20aおよび電極コイルの一部を溶融して形成した略半球状の先端部22aとを有している。また、先端部22a上には、突起部23aが形成されている。電極19bは、電極19aと同様の構成であり、先端部22b上に突起部23bが形成されている。これら突起部23a,23bが、電極19a,19b間におけるアークスポットとなり、突起部23a,23b間が電極間距離Dである。この電極間距離Dは、例えば、0.5[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内に設定される。
また、突起部23a,23bは、点灯中に電極19a,19bから蒸発したタングステンが、ハロゲンサイクルによって再び電極19a,19bに戻り堆積したものであって、機械的加工を行うことなく製造時の点灯試験により自己形成されたものである。なお、図2には、製造時に形成された突起部であって、製品完成時の突起部の形状が示されている。
電極19a,19bの先端部22a,22bの形状は、略半球状に限らず、例えば略球状または略円錐状等とすることもできる。また、電極19a,19bの先端部22a,22bを形成するに当たり、電極棒の一部と電極コイルの一部とをそれぞれ溶融させて形成する以外に、例えば予め略半球状、略球状または略円錐状に削り出したもの、またはそのような形状で焼結したものを電極棒20a,20bの先端部に取り付けてもよい。
<ランプユニットの構成>
このような高圧放電ランプ4は、図3に示すように、反射鏡26内に組み込まれてランプユニット27を構成する。
ランプユニット27において、反射鏡26の内面が凹面の反射面28を構成しており、この反射鏡26内に、高圧放電ランプ4がその長手方向の中心軸Xと反射鏡26の光軸Yとが略一致するように組み込まれている。これにより、高圧放電ランプ4の射出光が反射面28により反射されて、集光効率が高まるように構成されている。反射鏡26の基体は、例えばガラスまたは金属で形成されている。反射面28は、例えば回転楕円体面や回転放物体面、または自由曲面からなり、多層干渉膜等が蒸着工法またはスパッタリング工法で成膜されている。反射鏡26には、反射面28の底部を貫通する貫通孔32aを有するネック部32が設けられている。
高圧放電ランプ4の発光管の一方の封止部17bには点灯装置接続用端子29が付設された円筒形の口金30が装着されている。点灯装置接続用端子29に、封止部17bから外部に導出された外部リード線(図示せず)が接続されている。他方の封止部17aから導出された外部リード線25aには点灯装置接続用の電力供給線31が接続されている。
そして、高圧放電ランプ4は、口金30が反射鏡26のネック部32内に挿入され、かつ接着剤33を介して固着されている。なお、電力供給線31は、反射鏡26に設けられた貫通孔34に挿通され、反射鏡26の外側に導かれている。
なお、図3に示すランプユニットには口金30が設けられているが、口金30が設けられておらず、高圧放電ランプ4の封止部17bが接着剤を介してネック部32に固着されていてもよい。
<点灯装置の動作>
図4は、本実施形態に係る点灯装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
マイコン11には、本実施形態の基本情報として、制限電流値Ia(4[A])、電流値Ib(3.2[A])、高圧放電ランプ4の定格ランプ電力値Pr(200[W])、電力値Plow(140[W])、所定時間(90[s])および所定の電圧Vs(43.75[V])が登録されている。
(1)高圧放電ランプ4を放電開始させるための点灯スイッチ(図示せず)がオンされると、マイコン11は、高電圧発生部7に例えば3[kV]、100[kHz]の高周波の高電圧を発生させる(S11)。この高周波の高電圧が高圧放電ランプ4に印加されることにより、電極19a,19b間において絶縁破壊が起こり、放電が開始(点灯開始)される。
(2)マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号に基づき点灯開始したか否かを判別する。点灯開始と判別すれば(S12:YES)、タイマー14の時間計測をスタートさせる(S13)。点灯開始していないと判別すれば(S12:NO)、S11のステップに戻る。
(3)次に、マイコン11は、略矩形波の交流電流の電流値Ib(3.2[A])による定電流制御を行う(S14)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号を受けて、ランプ電流が電流値Ibになるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。
(4)マイコン11は、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電圧が水銀の蒸発に伴って上昇して、所定の電圧Vs(43.75[V])に到達したか否かを判別する。所定の電圧Vsに到達していなければ(S15:NO)、S14の定電流制御を維持する。なお、所定の電圧Vsは、ランプ電力が、定電流制御のもとで後述するS16の電力値Plowになるときの電圧値である。
(5)ランプ電圧が所定の電圧Vsに到達すれば(S15:YES)、電力値Plow(140[W])での定電力制御に移行する(S16)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を電力値Plowに維持するための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。
(6)タイマー14の計測時間が所定時間(90[s])を経過するまで(S17:NO)、S16の定電力制御を維持する。ここでの所定時間は、ランプ内のガス圧が安定した状態になって定常点灯に移行できる時間であればよく、ランプの仕様等により適宜選択される。例えば、所定時間は、ランプ内のガス圧が安定するまでの時間として、50[s]以上が好ましく、より好ましくは70[s]以上が好ましい。なお、ランプの立ち上げの観点から所定時間は短い方が好ましい。具体的には、180[s]以下が好ましく、より好ましくは120[s]以下が好ましい。
(7)タイマー14の計測時間が所定時間を経過すれば(S17:YES)、時間計測をストップ(S18)し、定格ランプ電力値Pr(200[W])での定電力制御に移行する(S19)。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を定格ランプ電力値Prに維持するための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。点灯終了までS19の定電力制御を維持する。
なお、上記S16およびS19の定電力制御において、マイコン11は、ランプ電力を各定電力に維持するために算出した電流値が制限電流値Iaを超えるときには、ランプ電流が制限電流値Iaの大きさになるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御している。これにより、ランプ電圧が低下し過ぎても、ランプ電流が過剰に大きくなるのを防止することができる。
<作用効果>
図5(a)〜(c)は、上記動作により点灯したときのランプ電力、ランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との各関係を示すグラフである。
ここでの高圧放電ランプ4における定常点灯時のランプ電圧は55[V]である。
また、高圧放電ランプ4における定格ランプ電圧の公差範囲は50[V]〜80[V]であり、図5(a)には、従来の点灯装置および特許文献1の点灯装置により高圧放電ランプ4を点灯した場合における、ランプ電力と点灯時間との関係がそれぞれ二点鎖線で示されている。
従来の点灯装置による定電流制御の電流値Icは4[A](=制限電流値Ia)である。一方、特許文献1の点灯装置による定電流制御の電流値Idには、特許文献1において設定される電流値の上限と略同等である2.5[A](=200[W]/80[V])が設定されている。
ここで、定格ランプ電圧とは、製品完成時に確認されたランプ電圧であって、定常点灯時(定常点灯状態において電圧値が安定したとき)のランプ電圧のことをいう。このような定格ランプ電圧は、電極間距離Dによって異なり、電極間距離Dが電極19a,19bに形成される突起部23a,23bの大きさにより決まることから、製品間にばらつきが生じる。製品間の定格ランプ電圧のばらつきを小さくするには、製造時に突起部の状態を監視し、突起部の形成を制御する必要があり、製造管理の負荷が増して生産性の低下に繋がる。そのため、実際には、製造上のばらつきを考慮して、定格ランプ電圧のばらつきを許容する範囲を規定し、規定した許容範囲内に、製品完成時の定格ランプ電圧が収まるように製造管理が行われている。これにより、生産性が低下するのを抑制している。このようにして規定した許容範囲が公差範囲である。なお、このような定格ランプ電圧および公差範囲は、一般的に、ランプ納品時に添付される仕様書などに記載されている。
本実施形態に係る点灯装置3によれば、点灯開始から90[s]までにおいて、ランプ電圧が43.75[V]に到達するまでは、電流値Ib(3.2[A])の定電流制御を行い、ランプ電圧が43.75[V]に到達すれば、定格ランプ電力値Prよりも低い電力値Plow(140[W])の定電力制御を行っている。このように高圧放電ランプ4に供給する電力を制御することにより、図5(c)に示すように、点灯開始から90[s]経過後に、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電流値が3.64[A]と、制限電流値Ia(4[A])よりも小さくなっている。したがって、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電流値が、従来の点灯装置よりも小さくなる分、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度上昇を抑えることができるので、電極19a,19bが損耗するのを抑制することができる。その結果として、ランプの長寿命化を図ることができる。
また、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行する前に、電力値Plowの定電力制御を行う期間を設けることにより、一旦、電極19a,19bの温度を安定させることができるので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電極19a,19bの温度上昇を抑えることができる。これにより、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、電極19a,19bが損耗するのを抑制することができる。
なお、電流値Ibは、電流値Id(2.5[A])よりも大きいので、特許文献1の点灯装置よりも電流値が大きい分、電極19a,19bの温度が高くなり、ランプ電圧の上昇が早くなる。したがって、ランプの立ち上がりが早くなり、立ち上がりが遅くなるのを抑制できる。本実施形態によれば、図5(b)に示すように、点灯開始から90[s]経過したときには、ランプ電圧が55[V]に到達していて、ランプが立ち上がっている(定常点灯している)ことが分かる。
<電流値Ibおよび電力値Plowの設定範囲>
本実施形態に係る点灯装置3において、電流値Ibの大きさは、以下の範囲を満たす。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
したがって、電流値Ibは、制限電流値Iaの0.7倍〜0.9倍の範囲内といえる。ここで、上限を0.9倍とした理由は、電流値Ibが、制限電流値Iaの0.9倍を超えると、制限電流値Iaと大きく変わらないので、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制する効果が小さいからである。下限を0.7倍とした理由は、制限電流値Iaの0.625倍となる電流値Idではランプの立ち上がりが遅いので、この電流値Idよりも大きくするためである。
また、電力値Plowは、以下の範囲を満たす。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
ここで、上限を0.9倍とした理由は、電力値Plowが、定格ランプ電力値Prの0.9倍を超えると、定格ランプ電力値Prと大きく変わらないので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの電極19a,19bの温度上昇を抑制する効果が小さいからである。下限を0.5倍とした理由は、定格ランプ電力値Prと電力値Plowとの大きさに差があり過ぎると、定格ランプ電力値Prの定電力制御への移行によって、電極19a,19bに与える熱負荷が急激に増すために、電極19a,19bの蒸発が促進されて損耗し、逆効果となるからである。
本発明者らは、後述する点灯試験を行い、電流値Ibおよび電力値Plowがそれぞれ上記範囲内であれば、従来よりも一対の電極が損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れることを確認するとともに、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができることも確認した。
<点灯試験結果>
次に、本実施形態に係る点灯装置3によりランプを点灯したときの作用効果を確認するための点灯試験結果について説明する。
本点灯試験では、電流値Ibまたは電力値Plowの大きさが異なる、5つの実施例と2つの比較例とを用意した。そして、各実施例および比較例において、本実施形態に係る高圧放電ランプ4を点灯させるエージングを実施し、ランプ電圧および照度維持率を測定した。ここで、エージングは、3.5[h]点灯、0.5[h]消灯の点灯サイクルを300回(累積点灯1050[h])行った。このうち、エージング開始直後の最初の点灯サイクルにおいて、各実施例および比較例のランプの立ち上がりを確認し評価した。
なお、各高圧放電ランプ4の定格ランプ電力値Prおよび定格ランプ電圧の公差範囲は、上記した200[W]および50[V]〜80[V]である。また、本点灯試験開始時点において、各高圧放電ランプ4の定常点灯時のランプ電圧は55[V]である(累積点灯0[h])。各高圧放電ランプ4を点灯する点灯装置3における制限電流値Iaは4[A]である。
図6は、実施例1〜5および比較例1,2における電流値Ibおよび電力値Plowの大きさを示している。このうち実施例3は、図4のフローチャートで示す電流値Ibおよび電力値Plowであり、Ib=3.2[A]、Plow=140[W]である。実施例1は、Ib=3.6[A]、Plow=180[W]であり、実施例2は、Ib=3.6[A]、Plow=160[W]である。実施例4は、Ib=2.8[A]、Plow=120[W]であり、実施例5は、Ib=2.8[A]、Plow=100[W]である。
比較例1および比較例2は、従来の点灯装置および特許文献1の点灯装置と比較するために用意したものである。従来の点灯装置であれば、電流値Icが4.0[A](=制限電流値Ia)になり、特許文献1の点灯装置であれば、電流値Idが2.5[A]未満(Id<200[W]/80[V])になる。したがって、比較例1は、Ib=4.0[A]、Plow=「設定なし」とし、比較例2は、Ib=1.78[A]、Plow=160[W]とした。
(ランプの立ち上がりの判定)
図6には、各実施例および比較例のランプの立ち上がりについての判定結果が示されている。図7(a)〜(g)は、ランプが立ち上がるまでのランプ電圧およびランプ電流と、点灯時間との関係を示すグラフである。
ここでは、比較例2の立ち上がり時間U(図7(g)参照)を基準にして、実施例1〜5および比較例1が、時間Uよりも早く立ち上がれば、立上りが良好「○」と判定し、そうでなければ、立上りが不良「×」と判定した。なお、基準とした比較例2の立上り判定は「−」にしている。
なお、図7(g)に示すように、比較例2では、点灯開始から90[s]経過したときのランプ電圧が35[V]と低いので、90[s]経過後、直ちに定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行できない。そのため、90[s]経過後、一旦、4.0[A]の定電流制御を行って、ランプ電圧が50[V]に到達してから定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行させている。
また、ここでの所定時間を90[s]に設定した理由は、例えば、持ち運び可能な小型のプロジェクタに用いられるランプの場合、ユーザーが、短時間でのランプの立ち上がり、具体的には90[s]以内を要望していることから、ユーザー要望を満たすようにするためである。
図7(a)〜(f)に示すように、実施例1〜5および比較例1は、点灯開始から90[s]経過時、または90[s]経過後直ぐに、ランプ電圧が55[V]に到達しており、時間Uよりも早くランプが立ち上がっている。よって、実施例1〜5および比較例1の立上り判定は、全て「○」である。
これらより、電流値Ibが2.8[A]以上であれば、特許文献1の点灯装置よりもランプを早く立ち上げることができることが分かった。
(電極の損耗抑制効果およびランプ寿命の判定)
次に、各実施例および比較例のエージングの実施結果について説明する。
図8(a)は、各実施例および比較例のランプ電圧の推移を示す図である。
図8(a)に示すように、累積点灯時間の1050[h]のランプ電圧をみると、実施例1〜5がそれぞれ80[V]未満であるのに対して、比較例1および2は80[V]を超えている。先ず、比較例1は、実施例1〜5よりも電流値Ibが大きいので、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度が高くなって損耗が進み、電極間距離Dが広がったためであると考えられる。次に、比較例2では、電流値Ibが1.78[A]と実施例1〜5よりも小さいが、90[s]経過後に4.0[A]の定電流制御が行われているので、この間に、電極19a,19bの温度が高くなって、損耗が進んだものと考えられる。これらより、実施例1〜5は、比較例1および2と比べて、電極19a,19bが損耗するのを抑制できていることが分かる。
また、実施例1〜5の中では、実施例3のランプ電圧が60[V]と最も低く、電極19a,19bが損耗するのを最も抑制できている。
このように実施例1および2が、実施例3よりもランプ電圧が高くなるのは、電流値Ibが実施例3よりも大きい分、電極19a,19bの損耗が進むからである。実施例4および5が、実施例3よりも電流値Ibが小さいにも関わらず、ランプ電圧が高くなるのは、図7(d)および(e)に示すように、90[s]経過したときのランプ電圧が55[V]未満のため、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、一時的に、実施例3(3.64[A])よりも大きな電流が供給されている(3.77[A]および3.84[A])ためである。
さらに、同じ電流値Ibの実施例1と実施例2とを比べた場合には、電力値Plowの大きい実施例1のランプ電圧が高くなっている。これは、実施例1の電力値Plowが180[W]と、定格ランプ電力値Prに近いので、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときには、電極19a,19bの温度が既に高くなっていて、電力値Plowの定電力制御も含めて見た場合に、電極19a,19bが損耗するのを抑制する効果が小さくなったためと考えられる。また、同じ電流値Ibの実施例4と実施例5とを比べた場合には、電力値Plowの小さい実施例5のランプ電圧が高くなっている。これは、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したときの一時的に供給される大きな電流が、実施例5の方が大きいということに加え、実施例5の電力値Plowが100[W]と、定格ランプ電力値Prとの差が大きいため、定格ランプ電力値Prの定電力制御に移行したとき、電極19a,19bに対する熱負荷が急激に増加し過ぎて、電極19a,19bの蒸発が促進されるためであると考えられる。
図8(b)は、各実施例および比較例の照度維持率の推移を示す図である。
ここでは、エージング開始時点(累積点灯時間0[h])における各高圧放電ランプ4の照度をそれぞれ基準(100[%])とし、エージング終了時点(累積点灯時間1050[h])の照度維持率を測定した。
図9は、縦軸を照度維持率[%]、横軸を累積点灯時間[h]とし、図8(b)の照度維持率をプロットした図である。
図9において、実施例1〜5および比較例1,2の推移線が51〜57で示されている。照度維持率の低下が小さい線から見ると、推移線53が実施例3、推移線52(推移線54)が実施例2(実施例4)、推移線51(推移線55)が実施例1(実施例5)、推移線57が比較例2、推移線56が比較例1を示している。また、図9には、累積点灯時間1050[h]までの照度維持率の推移をもとにして、累積点灯時間1050[h]以降の照度維持率の推移を予測し、予測した推移が破線で示されている。
図8(b)には、図9において、予測された照度維持率の推移より判断されるランプ寿命の予測値が示されている。
ここでは、照度維持率50[%]をランプ寿命の判断基準としている。
また、ランプ寿命の予測値が2000[h]以上の場合は、良好「○」と判定し、さらに、4000[h]以上の場合には、最良「◎」と判定した。なお、ランプ寿命の予測値が2000[h]未満の場合は、不良「×」と判定した。
なお、図9において、実施例3の照度維持率の推移(予測)が70[%]までとなっているが、計算によれば、実施例3のランプ寿命が5000[h]と予測される。これにより、図8(b)では、実施例3の寿命判定が最良「◎」となっている。
したがって、実施例1〜5のランプ寿命は全て2000[h]以上であり、寿命判定が良好「○」または最良「◎」であるのに対して、比較例1および2のランプ寿命は、2000[h]未満であり、寿命判定が不良「×」である。
以上より、実施例1〜5は、比較例1および2よりも電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れることが分かった。
図10は、縦軸を電力[W]、横軸を電流[A]とし、実施例1〜5、比較例1,2の電流値Ibおよび電力値Plowをプロットした図である。
図10に示すように、実施例1〜5における電流値Ibは、2.8[A]以上3.6[A]以下の範囲内にあり、電力値Plowは、100[W]以上180[W]以下の範囲内にある。
電流値Ibは、制限電流値Ia(4[A])を用いて、次の関係式で表すことができる。
Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
電力値Plowは、定格ランプ電力値Pr(200[W])を用いて、次の関係式で表すことができる。
Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
したがって、電流値Ibおよび電力値Plowが、上記範囲内であれば、従来よりも一対の電極が損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化が図れるとともに、ランプの立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる効果が得られる。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る点灯装置3を用いて、高圧放電ランプ4を点灯したときのランプ電力と、点灯時間との各関係を示すグラフである。
図11に示すように、第2の実施形態に係る点灯装置3では、電流値Ib(3.2[A])の定電流制御を行う点と、電力値Plow(140[W])の定電力制御と、定格ランプ電力値Pr(200[W])の定電力制御を行う点で、第1の実施形態に係る点灯装置3と共通している(図5参照)。一方、第1の実施形態に係る点灯装置3では、ランプ電力が電力値Plowから定格ランプ電力値Prまで一気に上昇させているのに対して、第2の実施形態に係る点灯装置3では、ランプ電力が定格ランプ電力値Prまで階段状に上昇させている点が異なっている。具体的には、ランプ電力を140[W]から200[W]まで、6段階を経て上昇させている。本例では、200[W]までに、150[W],160[W],170[W],180[W],190[W]の段階を経ている。
このように、ランプ電力を階段状に上昇させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度を段階的に上昇させることができるので、一気にランプ電力を上昇させる場合と比べて、ランプ電力の上昇に伴う電極19a,19bの温度上昇を抑えことができる。加えて、ランプの照度が急激に変化するのを抑制することができるので、例えば、高圧放電ランプ4をプロジェクタに用いた場合など、立上げ時の照度変化が緩やかになるという利点がある。なお、点灯装置3および高圧放電ランプ4の構成については、第1の実施形態と同じであり、簡単のため、その説明を省略する。
次に、ランプ電力を階段状に上昇させるための点灯装置3の動作の一例を説明する。
ここでは、第1の実施形態とは異なる動作のみを説明し、他の動作についてはその説明を省略する。本実施形態において、ランプ電力を階段状に上昇させている動作は、電力値Plowの定電力制御の後、点灯開始からの時間が所定時間(本例では90[s])を経過するまでの間に行われる。これは、第1の実施形態の図4でみた場合に、S16の後、S17の前に行われる動作である。
マイコン11には、第1の実施形態の基本情報に加えて、さらに、ランプ電力の目標値となる、値の異なる5つの電力値(=150[W],160[W],170[W],180[W],190[W])が登録されている。マイコン11は、ランプ電力の目標値を登録するメモリ部として機能する。
(1)マイコン11は、電力値Plow(140[W])の定電力制御のもとで、ランプ電圧が、所定の電圧値(例えば、50[V])に到達すれば、タイマー14の計測時間より、点灯開始から所定時間(90[s])が経過するまでの残りの時間T1を算出し、算出した時間T1から、さらに、時間間隔T2(=T1/5)を算出する。この時間間隔T2が、ランプ電力を上記5つの電力値に順次切替える時間間隔である。
(2)そして、マイコン11は、先ず、ランプ電力の目標値に、150[W]を設定し、設定されたランプ電力の目標値(150[W])での電力制御を行う。ここで、マイコン11は、ランプ電流検出部9の出力信号、ランプ電圧検出部10の出力信号を受けて、ランプ電力を150[W]にするための電流値を算出し、ランプ電流が算出した電流値になるように、PWM制御回路12を介してDC/DCコンバータ5を制御する。
(3)以降、マイコン11は、時間間隔T2毎に、ランプ電力の目標値を、160[W],170[W],180[W],190[W]へと順に切替えて、切替えられたランプ電力の目標値で電力制御を行う。このように、マイコン11は、ランプ電力を順次切替える電力切替手段として機能する。
(4)タイマー14の計測時間が90[s]を経過すれば、マイコン11は、定格ランプ電力値Prでの定電力制御に移行し、その後は、第1の実施形態と同じ動作となる。
本実施形態では、ランプ電力を、電力値Plowから定格ランプ電力値Prまで、階段状に6段階で上昇させる構成を示したが、これに限定するものではなく、5段階未満、または7段階以上としてもよい。例えば、プロジェクタに用いるランプの場合には、ランプ電力を電力値Plowから定格ランプ電力値Prにするまで、より多段階に分けて、10段階よりも20段階、20段階よりも30段階で上昇させる方が、ランプの照度変化をより緩やかにすることができるので、より好適である。ランプ電力を、電力値Plowから何段階で定格ランプ電力値Prまで上昇させるかは、ランプの仕様等に応じて、適宜選択することができる。
<プロジェクタ>
次に、第3の実施形態に係るプロジェクタについて、図12および図13を参照して説明する。
図12は、フロントプロジェクタ35の概略構成を示す斜視図である。フロントプロジェクタ35は、その前方に設置したスクリーン(図示せず)に向けて画像を投影するタイプのプロジェクタであり、光源として上記実施形態における高圧放電ランプ4を有するランプユニット27を備えたものである。
図12に示すように、フロントプロジェクタ35は、さらに、筐体36に収納された、光学ユニット37、制御ユニット38、投射レンズ39、冷却ファンユニット40、および電源ユニット41等を備えている。電源ユニット41は、上記した点灯装置3を含み、商用電源から供給される電力を、制御ユニット38やランプユニット27に適した電力に変換してそれぞれ供給する。このように、点灯装置3によって高圧放電ランプ4を点灯させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化を実現することができるので、フロントプロジェクタ35のメンテナンス負荷を軽減させることができる。
なお、図12では、フロントプロジェクタ35の構成を見易くするため、筐体36の天板が取り除かれた状態で示されている。
また、図13は、リアプロジェクタ42の概略構成を示す斜視図である。
リアプロジェクタ42は、ランプユニット27、光学ユニット、投射レンズ、ミラーおよび高圧放電ランプに電力を供給する点灯装置3(いずれも図示せず)等が筐体43内に収納された構成を有している。投射レンズから投射されミラーで反射された画像が、透過式スクリーン44の裏側から投影されて画像表示される。このリアプロジェクタ42においても、点灯装置3によって高圧放電ランプ4を点灯させることにより、高圧放電ランプ4の電極19a,19bが損耗するのを抑制して、ランプの長寿命化を実現することができるので、リアプロジェクタ42のメンテナンス負荷を軽減させることができる。
以上、本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
<変形例>
(1)上記実施形態では、点灯開始後、直ぐに電流値Ibによる定電流制御を行っているが、この電流値Ibの定電流制御の前に、例えば、放電を安定させるためのウォームアップ期間を設けてもよい。具体的には、ウォームアップ期間として、例えば2[s]間、1[kHz]以上500[kHz]以下の範囲内から選択される高周波電流の定電流制御を行うことにより、放電を安定させることができる。なお、ウォームアップ期間において、高周波電流の定電流制御に代えて、公知の直流動作または1[kHz]未満の低周波電流による定電流制御の動作を用いてもよい。
(2)また、電流値Ibの定電流制御の前に、電流値Ibよりも大きい電流による定電流制御を行う構成とすることもできる。特に、ランプ電圧が27[V]未満であれば、高圧放電ランプ4の電極19a,19bの温度は低い状態であるので、電流値を大きくしても電極19a,19bが損耗しにくいので、電流値を大きくすることによってランプの立ち上げを早くできる利点がある。
(3)上記実施形態では、高圧放電ランプ4を放電開始させるため、高電圧発生部7から高周波の高電圧を出力させる構成を示したが、これに限定されるものでなく、公知の間欠発振型の高電圧パルスを用いてもよい。
(4)上記実施形態では、電力値Plowの定電力制御に切り替えるタイミングを、ランプ電圧が43.75[V]に到達したか否かで判断する構成を示したが、ランプ電力が140[W]に到達するか否かで判断してもよい。
(5)上記各実施形態では、高圧放電ランプ4として定格ランプ電力200[W]の高圧水銀ランプを用いた場合について説明したが、これに限らず定格ランプ電力が例えば80[W]以上1000[W]以下の範囲内の高圧水銀ランプを用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
(6)上記各実施形態では、高圧放電ランプ4として具体的に高圧水銀ランプを用いた場合について説明したが、これに限らず公知のショートアーク型のメタルハライドランプ等を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、高圧放電ランプ装置、および高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ等に広く利用することができる。
1 高圧放電ランプ装置
2 DC電源回路
3 点灯装置
4 高圧放電ランプ
5 DC/DCコンバータ
6 DC/ACインバータ
7 高電圧発生部
8 制御部
9 ランプ電流検出部
10 ランプ電圧検出部
11 マイコン
12 PWM制御回路
14 タイマー
15 発光管
16 発光部
19a,19b 電極
23a,23b 突起部
26 反射鏡
35 フロントプロジェクタ
42 リアプロジェクタ

Claims (7)

  1. 内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプを点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、
    前記高圧放電ランプに電力を供給する電力供給部と、
    ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    点灯開始から所定時間が経過するまで、
    少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御と、前記定電流制御のもとでランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときに、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する第1の定電力制御とを行い、
    前記所定時間の経過後は、
    ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を制御する第2の定電力制御を行い、
    前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
    Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
    Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
    の関係を満たす
    ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1の定電力制御を前記所定時間が経過するまで行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 前記制御部は、さらに、
    点灯開始から所定時間が経過するまでに、
    前記電力値Plowの定電力制御の後に、ランプ電力が電力値Plowから定格ランプ電力値Prまで階段状に上昇するよう前記電力供給部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 前記制御部は、
    電力値Plowよりも高く定格ランプ電力値Prよりも低い、値の異なる複数の電力値が登録されたメモリ部と、
    前記複数の電力値の中の低い電力値からランプ電力の目標値を順次選択して切替えるとともに、ランプ電力がランプ電力の目標値になるように前記電力供給部を制御する電力切替手段とを有している
    ことを特徴とする請求項3に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、
    前記高圧放電ランプを点灯させる請求項1に記載された高圧放電ランプ点灯装置と、
    を備えたことを特徴とする高圧放電ランプ装置。
  6. 請求項5に記載された高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  7. 内部に、発光物質が封入され、かつ一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して電力を供給する電力供給部と、ランプ電力が定電力を維持するよう前記電力供給部を制御する定電力制御、およびランプ電流が定電流を維持するよう前記電力供給部を制御する定電流制御を選択的に行い、前記定電力制御のもとでは、ランプ電流が制限電流値Ia以下になるよう前記電力供給部を制御する制御部とを備えた点灯装置による高圧放電ランプの点灯方法であって、
    前記制御部が、
    点灯開始から所定時間が経過するまで、
    少なくとも、ランプ電流が、前記制限電流値Iaよりも小さい所定の電流値Ibを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、ランプ電力が定格ランプ電力値Prよりも低い所定の電力値Plowに到達したときに、ランプ電力が電力値Plowの定電力を維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップと、
    前記所定時間の経過後は、
    ランプ電力が定格ランプ電力値Prを維持するよう前記電力供給部を定電力制御するステップとを実行し、
    前記電流値Ibおよび前記電力値Plowが、
    Ia×0.7 ≦ Ib ≦ Ia×0.9
    Pr×0.5 ≦ Plow ≦ Pr×0.9
    の関係を満たす
    ことを特徴とする高圧放電ランプの点灯方法。
JP2012513761A 2010-05-06 2011-01-17 高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法 Active JP5347065B2 (ja)

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