JPWO2011135712A1 - 無停電電源装置とその使用方法、及びサーバシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】無停電電源装置とその使用方法、及びサーバシステムにおいて、無停電電源装置の高性能化を図ること。【解決手段】第1の電極53aと第2の電極53bとを備えた蓄電池53と、バックアップの対象となる外部の電源線60に蓄電池53の放電電流Ieを出力する出力ケーブル35と、第1の電極53aの電圧を外部に取り出す第1の接続部61とを有する無停電電源装置11による。【選択図】図2
Description
本発明は、無停電電源装置とその使用方法、及びサーバシステムに関する。
近年の情報通信技術の発展に伴い、インターネット接続やストレージに使用されるサーバシステムの役割がしだいに大きくなりつつある。
サーバシステムは、一つのラック内に電源ユニットとブレードサーバとを搭載してなる。このうち、電源ユニットは、データセンタの構内配線から電力の供給を受け、その電力をブレードサーバに供給するのに使用されるものであるが、データセンタにおいて停電が発生するとブレードサーバに電力を供給することができなくなる。
そのため、サーバシステムのラック内には、上記の電源ユニットの他に、UPS(Uninterruptible Power Supply )等の無停電電源装置が搭載されることがある。
無停電電源装置はバックアップ用の蓄電池を備えており、上記のようにデータセンタにおいて停電が発生してもその蓄電池から発生した電力がブレードサーバに供給され、停電が原因でブレードサーバの動作が停止するのを防止できる。
このように、無停電電源装置は、サーバシステムの電力をバックアップするように機能するものであるため、その性能を高めるのが好ましい。
特開平8−20554号公報
特開2007−202241号公報
無停電電源装置とその使用方法、及びサーバシステムにおいて、無停電電源装置の高性能化を図ることを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、第1の電極と第2の電極とを備えた蓄電池と、バックアップの対象となる外部の電源線に前記蓄電池の放電電流を出力する出力部と、前記第1の電極の電圧を外部に取り出す第1の接続部とを有する無停電電源装置が提供される。
また、その開示の別の観点によれば、電源線と、前記電源線に電気的に接続されたサーバと、第1の電極と第2の電極とを備えた蓄電池と、前記電源線に前記蓄電池の放電電流を出力する出力部と、前記第1の電極に電気的に接続された第1の接続部とを備えた複数の無停電電源装置とを有し、複数の前記無停電電源装置の各々の前記第1の接続部同士を互いに電気的に接続したサーバシステムが提供される。
更に、その開示の他の観点によれば、バックアップの対象となる電源線に、第1の無停電電源装置の第1の蓄電池と第2の無停電電源装置の第2の蓄電池とを電気的に接続すると共に、前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池を電気的に並列に接続する無停電電源装置の使用方法が提供される。
(1)第1実施形態
図1は、本実施形態に係るサーバシステムの外観図である。
図1は、本実施形態に係るサーバシステムの外観図である。
図1に示されるように、サーバシステム1はラック2を備えており、そのラック2内には複数の電源ユニット3とブレードサーバ5のほか、サーバシステム1内の電源をバックアップするための第1〜第16の無停電電源装置11〜16が収容される。
各無停電電源装置11〜16には、LANケーブル19を介してスイッチング制御部20が接続される。スイッチング制御部20は特に限定されない。本実施形態では、スイッチング制御部20としてPC(Personal Computer)を使用する。
図2は、各無停電電源装置11〜16の機能ブロック図である。
各無停電電源装置11〜16は、降圧DC-DCコンバータ51と、充放電コントローラ52と、蓄電池53と、昇圧DC-DCコンバータ54とを備える。
このうち、降圧DC-DCコンバータ51は、入力ケーブル34を介して取り込まれたラック2内の直流電源線60の電源電圧V0を降圧し、蓄電池53の充電に適した第1の電圧V1を出力する。
電源電圧V0は特に限定されないが、本実施形態では電源電圧V0を約400Vとする。
そして、昇圧DC-DCコンバータ54は、蓄電池53の第1の電圧V1を昇圧して、出力ケーブル35を介して直流電源線60に電源電圧V0を出力する。
蓄電池53は、例えば、所定の電力量を供給するために複数のリチウムイオン電池を直列又は並列に接続したモジュールである。このモジュールの正極端子として機能する第1の電極53aの第1の電圧V1は、特に限定されないが、例えば36V〜49.2V程度である。この電圧は、電圧値が3V〜4.1Vの電池を12個直列に接続した場合の電圧である。
なお、蓄電池53の負極として機能する第2の電極53bは、本実施形態では接地電位とするため、当該第2の電極53bの電圧である第2の電圧V2は常に0Vである。
上記した第1の電極53aと第2の電極53bの各々には、上記の第1の電圧V1と第2の電圧V2のそれぞれを無停電電源装置11〜16の外部に取り出すための第1の接続部61と第2の接続部62が設けられる。
各接続部61、62の形態は特に限定されない。本実施形態では、これらの接続部61、62としてコネクタを採用する。なお、図2は、各要素の接続関係を示す機能ブロック図であって見易さを優先しているため、後述のように実際には各接続部61、62は図2とは異なる位置に設けられる。
更に、第1の電極53aと第1の接続部61との間には第1のスイッチ55が設けられ、第2の電極53bと第2の接続部62との間には第2のスイッチ56が設けられる。
スイッチ55、56の開閉動作は、LANケーブル19を介してスイッチング制御部20によって行われる。
各無停電電源装置11〜16が動作中のときは、スイッチング制御部20の制御下においてこれらのスイッチ55、56は常にオン状態となる。これにより、第1の端子53aと第1の接続部61とが第1のスイッチ55により電気的に接続されると共に、第2の接続端子53bと第2の接続部62とが第2のスイッチ56により電気的に接続される。
なお、各スイッチ55、56は、交換のために各無停電電源装置11〜16をサーバシステム1から取り外したり、サーバシステム1に新規の無停電電源装置を追加したりするときにオフ状態となるが、これについては第2実施形態で説明する。
充放電コントローラ52は、電源電圧監視部63、電流制御部64、演算・通信部65、及び電池電圧監視部66を備える。
このうち、電流制御部64は、その機能により充電制御部64aと放電制御部64bとに分けることができる。
充電制御部64aは、第1の電極53aに入る蓄電池53の充電電流Icを流すように機能する。そして、放電制御部64bは、第1の電極53aから出た蓄電池53の放電電流Ieを流すように機能する。
実使用下においては、電流制御部64は、充電電流Icのみを選択的に流す充電モードと、放電電流Ieのみを選択的に流す充電モードのいずれか一方の状態にある。
このうち、充電モードでは、直流電源線60から蓄電池53に充電電流Icが供給され、これにより蓄電池53が充電される。
また、放電モードでは、蓄電池53で発生した放電電流Ieが、出力部として供される出力ケーブル35に供給される。そして、その出力ケーブル35から直流電源線60に放電電流Ieが供給され、直流電源線60の電力を蓄電池53でバックアップすることができる。
一方、電源電圧監視部63は、演算・通信部65に対して、直流電源線60の電圧V0の電圧値を含む電源電圧情報SEを出力する。そして、電池電圧監視部66は、演算・通信部65に対して、蓄電池53の第1の電圧V1の電圧値を含む電池電圧情報SVを出力する。
演算・通信部65は、これらの情報SE、SVを受けて、電流制御部64に対して、既述の充電モードと放電モードのどちらで運転すべきかを制御信号SSにより命令する。
例えば、電源電圧情報SEによって直流電源線60の電源電圧V0が基準電圧VT以下に低下したことが判明したときは、演算・通信部65は、直流電源線60をバックアップする必要があると判断し、電流制御部64に対して放電モードで運転するよう命令する。
なお、バックアップをするか否かの判断の基準となる直流電源線60の基準電圧VTは、例えば380Vである。
一方、電源電圧情報SEによって直流電源線60の電源電圧V0が基準電圧VTを回復したことが判明したときは、演算・通信部65は、直流電源線60をバックアップする必要がないと判断し、電流制御部64に対して充電モードで運転するよう命令する。
充電池53がリチウムイオン電池の場合、充電モード時における充電電流Icの大きさは充電制御部64aによって充電に適した0.2C程度(Cは放電率)の定電流に設定される。
また、充電モードにおいては、充電制御部64aが電池電圧監視部66を介して第1の電圧V1を監視している。そして、第1の電圧V1がリチウムイオン電池の充電上限電圧である49.2Vとなっていることを充電制御部64aが検出したとき、充電制御部64aの出力電圧は49.2Vの定電圧に設定される。この状態で予め定められた定電圧充電時間、例えば1時間が経過したとき、充電制御部64aは蓄電池53の充電を終了する。
更に、演算・通信部65は、上記のLANケーブル19を介してスイッチング制御部20電気的に接続される。スイッチング制御部20と演算・通信部65との通信内容や、演算部20の作業内容については、後述の第2実施形態で説明する。
図3は、サーバシステム1における無停電電源装置11〜16、電源ユニット3、及びブレードサーバ5の接続例を示す模式図である。なお、図3では、図の簡略化のために、直流電源線60に接続された第3〜第6の無停電電源装置13〜16は省略してある。
図3に示すように、サーバシステム1は、データセンタの構内の交流電源ACに接続されて動作する。交流電源ACの定格周波数は、例えば50Hz又は60Hzであり、その電圧値は100V又は200Vである。
電源ユニット3は、上記の交流電源ACの交流電圧を直流電圧に変換するためのAC-DCコンバータ71と、電力合成部72と、降圧DC-DCコンバータ73とを有する。
電力合成部72は、AC-DCコンバータ71から出力される出力電力を調節することにより、直流電源線60の電圧を電源電圧V0に維持するように機能する。
また、降圧DC-DCコンバータ73は、電源電圧V0を12V程度の第3の電圧V3に降圧し、それをブレードサーバ5に駆動電圧として供給する。
一つのブレードサーバ5は、二つの電源ユニット3から第3の電圧V3の供給を受け、演算やストレージ等の所定の作業を実行する。
なお、電源ユニット3は、二つが対となって使用され、それら二つで6個のブレードサーバ5に第3の電圧V3を供給することができる。
また、サーバシステム1には、第1の配線41と第2の配線42が設けられる。
このうち、第1の配線41は、各無停電電源装置11〜16の各々の第1の接続部61に電気的に接続される。そして、第2の配線41は、第1及び第2の無停電電源装置11、12の各々の第2の接続部62に電気的に接続される。
このように各配線41、42を設けることで、本実施形態では、各スイッチ55、56がオン状態のときに複数の無停電電源装置11〜16の各々の蓄電池53が電気的に並列に接続されることになる。
図4(a)は、各無停電電源装置11〜16を前面側から見た外観図である。
各無停電電源装置11〜16の前面には、冷却用のエアーが引き込まれる吸気孔23と、各無停電電源装置11〜16の動作状態を示す情報表示部24とが設けられる。
一方、図4(b)は、各無停電電源装置11〜16を背面側から見た外観図である。
各無停電電源装置11〜16の背面には、冷却に使用したエアーが排気される排気孔26と、LANケーブル19(図1参照)の差込口27とが設けられる。
更に、その背面には、電源電圧V0を取り込むための入力ケーブル34と、電源電圧V0をバックアップするための電圧を出力する出力部として供せられる出力ケーブル35の他に、上記した第1及び第2の接続部61、62が突出して設けられる。
図5は、ラック2の内部構造を示す模式図である。
図5に示されるように、ラック2の内壁には、柱43に支持されて水平方向に延在する金属性の複数のガイドレール29と、鉛直方向に延在する第1の配線41及び第2の配線42とが設けられる。
各無停電電源装置11〜16は、ラック2への収容時に手動でガイドレール29上を摺動し、ガイドレール29によってラック2の内側に案内される。
一方、第1の配線41と第2の配線42は、図3を参照して説明したように、各無停電電源装置11〜16内の蓄電池53を並列に接続するのに使用される。
図6は、ラック2を前面側から見た模式図である。
図6に示されるように、第1の配線41には、上記した各無停電電源装置11〜16の各々の第1の接続部61(図4(b)参照)に嵌合する複数の第1の嵌合部41aが設けられる。同様に、第2の配線42には、各無停電電源装置11〜16の各々の第2の接続部62に嵌合する複数の第2の嵌合部42aが設けられる。
各嵌合部41a、42aの形態は特に限定されないが、本実施形態ではこれらの嵌合部41a、41bとしてコネクタ受容孔を採用する。
図7は、ラック2に各無停電電源装置11〜16を収容するときの上面図である。
図7に示すように、ガイドレール29に沿って各無停電電源装置11〜16をラック2に収容すると、最終的には第1及び第2の接続部61、62が第1及び第2の嵌合部41a、42aの各々に嵌合する。
これにより、第1及び第2の接続部61、62がそれぞれ第1及び第2の嵌合部41a、42aと電気的に接続され、図3のように複数の無停電電源装置11〜16の各々の蓄電池53を配線41、42によって並列に接続することができる。
図8は、ラック2の背面図である。
図8に示すように、第3の無停電電源装置13の入力ケーブル34と出力ケーブル35は電源ユニット3に接続される。なお、図が煩雑になるので図8では省略しているが、残りの無停電電源装置11、12、14〜16の各ケーブル34、35も電源ユニット3に接続される。
これにより、各無停電電源装置11〜16と電源ユニット3とを図3に説明したような態様で接続することができ、各無停電電源装置11〜16によりラック2内の直流電源線60のバックアップを行うことができる。
上記した本実施形態によれば、図3を参照して説明したように、第1の無停電電源装置11、12の各々の蓄電池53が配線41、42を介して互いに並列に接続される。
図9は、これにより得られる利点について説明するための模式図である。
図9に示されるように、本実施形態では、バックアップの対象となる直流電源線60に複数の無停電電源装置11、12を設けることにより当該直流電源線60の冗長化を図る。
このとき、第1の無停電電源装置11の充放電コントローラ52が正常であれば、その充放電コントローラ52を介して第1の無停電電源装置11の蓄電池53の放電電流Ieを直流電源線60に供給することができる。
しかし、第1の無停電電源装置11の充放電コントローラ52が故障した場合には、第1の無停電電源装置11の蓄電池53が正常であっても、その蓄電池53の放電電流Ieを第1の無停電電源装置11の充放電コントローラ52を通じて取り出せなくなる。
このような場合であっても、本実施形態では複数の蓄電池53を並列に接続するので、第1の無停電電源装置11の蓄電池53の放電電流Ieが、第1の配線41を介して故障していない第2の無停電電源装置12に供給される。そして、その第2の無停電電源装置12の正常な充放電コントローラ52を介して、直流電源線60に第1の無停電電源装置11の蓄電池の放電電流Ieを供給することができる。
これにより、複数の無停電電源装置11〜16のいずれかの充放電コントローラ52が故障しても、故障していない蓄電池53の電力供給能力を活かして、十分な電力で直流電源線60のバックアップを行うことができる。
(2)第2実施形態
本実施形態では、第1実施形態で説明した無停電電源装置のサーバシステムへの脱着方法について説明する。
本実施形態では、第1実施形態で説明した無停電電源装置のサーバシステムへの脱着方法について説明する。
脱着に際しては、脱着の対象となる無停電電源装置の各スイッチ55、56を、スイッチング制御部20により以下のように制御する。
図10は、各無停電電源装置11〜16とスイッチング制御部20の機能ブロック図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
スイッチング制御部20は、通信部81とCPU(Central Processing Unit)等の演算部79とを有する。このうち、演算部79は、その機能によりスイッチ指示部82と電圧比較部83とに分けることができる。
通信部81は、LANケーブル19(図1参照)を介して、各無停電電源装置11〜16の演算・通信部65と通信を行う。通信に際して、演算・通信部65は、電池電圧監視部66(図2参照)から受けた電池電圧情報SVを通信部81に出力する。第1実施形態で説明したように、電池電圧情報SVには、各無停電電源装置11〜16が備える蓄電池53の第1の電圧V1の電圧値が含まれる。
なお、電池電圧情報SVには、それが複数の無停電電源装置11〜16のどれから出力されたものかを識別するための装置識別情報も含まれており、その装置識別情報に基づいて通信部81は電池電圧情報SVの出所を特定することができる。
電圧比較部83は、電池電圧情報SVに含まれる第1の電圧V1の電圧値に基づいて、任意の二つの無停電電源装置における第1の電圧V1同士を比較することにより、これら二つの無停電電源装置の各々の蓄電池53の電圧差ΔVを算出する。
例えば、第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12の各々の第1の電圧V1同士が比較され、これらの電圧V1の差で定義される電圧差ΔVが算出される。
なお、第1の電圧V1の比較の対象となる装置は第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12に限定されない。
例えば、第3〜第6の無停電電源装置13〜16のいずれか一つと第1の無停電電源装置11において第1の電圧V1を比較してもよい。更に、第2〜第6の無停電電源装置12〜16の各々の第1の電圧V1の平均値を、第1の無停電電源装置11の第1の電圧V1と比較してもよい。
そして、このような比較結果に基づいて、電圧比較部83は、任意の二つの無停電電源装置の蓄電池53の電圧差ΔVを含む電圧比較情報SCをスイッチ指示部82に通知する。
スイッチ指示部82は、電圧比較情報SCに基づいて、第1のスイッチ55と第2のスイッチ56のスイッチング信号SWを通信部81に出力する。
そのスイッチング信号SWは、通信部81を介して各無停電電源装置11〜16に出力され、これにより各無停電電源装置11〜16のスイッチ55、56の開閉が制御される。
なお、本例では、スイッチング制御部20としてPCを用いたが、複数のブレードサーバ5のいずれかにこのようなスイッチング制御部20の機能を持たせてもよい。
次に、スイッチング信号SWを利用した各スイッチ55、56の開閉動作について、サーバシステム1に新しく無停電電源装置を増設する場合と、サーバシステム1から無停電電源装置を取り外す場合に分けて説明する。
(i)サーバシステム1に無停電電源装置を新たに追加する場合
図11は、サーバシステム1に無停電電源装置を新たに追加する場合の無停電電源装置の使用方法について示すフローチャートである。
図11は、サーバシステム1に無停電電源装置を新たに追加する場合の無停電電源装置の使用方法について示すフローチャートである。
本例は、サーバシステム1から故障した無停電電源装置を取り外した後に、新しい無停電電源装置を追加する場合に有用である。
以下では、複数の無停電電源装置11〜16のうち、第1の無停電電源装置11を追加する場合について説明するが、残りの無停電電源装置12〜16を追加する場合についても同様の方法が採用される。
最初のステップP1では、第1の無停電電源装置11の各スイッチ55、56が開いた状態で、第1の無停電電源装置11の入力ケーブル34と出力ケーブル35を電源ユニット3(図1参照)に接続する。
これにより、サーバシステム1の内部において、各ケーブル34、35を介して直流電源線60に第1の無停電電源装置11が電気的に接続される。
なお、この段階では、各スイッチ55、56は開いた状態なので、第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12の各々の蓄電池53は互いに電気的に分離した状態となっている。
また、これと共に、第1の無停電電源装置11の背面にLANケーブル19(図1参照)を差し込む。これにより、スイッチング制御部20(図10参照)は、LANケーブル19を介して第1の無停電電源装置11の電池電圧情報SVを取得することができる。
次いで、ステップP2に移り、スイッチング制御部20の電圧比較部83が、第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12のそれぞれの蓄電池53の電圧差ΔVを算出し、その電圧差ΔVが所定値VTHよりも小さいかどうかを判断する。
なお、本例における電圧差ΔVは、第2の無停電電源装置12における第1の電圧V1から第1の無停電電源装置11における第1の電圧V1を引いた値を言う。第2の無停電電源装置12における第1の電圧V1は第1の無停電電源装置11の第1の接続部61に印加されているので、上記の電圧差ΔVは、第1の無停電電源装置11の第1の接続部61と充電池53の正極との電圧差に等しい。
ここで、蓄電池53の電圧差ΔVが上記の所定値VTHよりも大きいと判断されたときは、第1の無停電電源装置11における蓄電池53が、第2の無停電電源装置12における蓄電池53と比較して充電不足であるということになる。
そのため、この状態で第1の無停電電源装置11の各スイッチ55、56をオン状態にすると、第2の無停電電源装置12の蓄電池53から電圧の低い第1の無停電電源装置11の蓄電池53に電流が過剰に供給されてしまう。こうなると、過剰な電流によって第1の無停電電源装置11の蓄電池53や充放電コントローラ52が発熱し、これらが破損する危険性が高まる。
そこで、ステップP2において電圧差ΔVが上記の所定値VTH以上であると判断された場合には、ステップP6に移り、スイッチ指示部82の制御下で各スイッチ55、56をオフ状態にしたまま、第1の無停電電源装置11の蓄電池53を充電する。
この充電は、充放電コントローラ52を充電モードにし、直流電源線60から第1の無停電電源装置11の蓄電池53に充電電流Icを供給することにより行われる。
そして、所定時間が経過した後に再びステップP2を行い、当該ステップP2において上記の電圧差ΔVが所定値VTHよりも小さいと判断したらステップP3に移行し、第1の無停電電源装置11の蓄電池53の充電を終了する。
なお、上記の所定値VTHは特に限定されないが、例えば数10mV程度である。また、場合によっては、ステップP2において、上記の所定値VTHを用いるのではなく、各無停電電源装置11、12の各々の蓄電池53の第1の電圧V1が等しいときにステップP3に移り、そうでないときにステップP6に移るようにしてもよい。
次に、ステップP4に移り、スイッチング制御部20が第1の無停電電源装置11に対してスイッチング信号SWを出力することにより、第1の無停電電源装置11の各スイッチ55、56をオン状態にする。
このように各スイッチ55、56をオン状態にしても、ステップP2、P6を経たことで第1の無停電電源装置11の蓄電池53の充電不足が解消されているので、当該蓄電池53に第2の無停電電源装置12の蓄電池53から過剰な電流が供給されることがない。
また、各スイッチ55、56がオン状態になることで、第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12の各々の蓄電池53が、第1の配線41と第2の配線42を介して並列に接続されることになる。
次いで、ステップP5に移り、第1の無停電電源装置11の充放電コントローラ52を放電モードにする。これにより、第1の無停電電源装置11の蓄電池53から直流電源線60に放電電流Ieが供給され、第1の無停電電源装置11による直流電源線60のバックアップが開始される。
以上により、本例に係る無停電電源装置の使用方法の基本ステップを終了する。
この例では、新しく取り付ける第1の無停電電源装置11の蓄電池53が充電不足のとき、ステップP6においてその蓄電池53を充電した後に、ステップP4において第1の無停電電源装置11と第2の無停電電源装置12の各々の充電池53を並列接続する。
よって、第1の無停電電源装置11の充電不足の蓄電池53に、第2の無停電電源装置12の蓄電池53から過大な電流が供給されるのを防ぐことができ、過大電流によって第1の無停電電源装置11の蓄電池53が故障する危険性を低減できる。
(ii)サーバシステム1から無停電電源装置を取り外す場合
図12は、サーバシステム1から無停電電源装置を取り外す場合の無停電電源装置の使用方法について示すフローチャートである。
図12は、サーバシステム1から無停電電源装置を取り外す場合の無停電電源装置の使用方法について示すフローチャートである。
本例は、サーバシステム1から故障した無停電電源装置を交換のために取り外す場合に有用である。
以下では、複数の無停電電源装置11〜16のうち、第1の無停電電源装置11を取り外す場合について説明するが、残りの無停電電源装置12〜16を取り外す場合についても同様の方法が採用される。
まず、図12のステップP10において、取り外しの対象となる第1の無停電電源装置11の第1のスイッチ55と第2のスイッチ56をオフ状態にする。本ステップは、既述のスイッチング制御部20(図10参照)が第1の無停電電源装置11に対してスイッチング信号SWを出力することにより行われる。
これにより、第1の無停電電源装置11の蓄電池53が、第2の無停電電源装置12の蓄電池53から電気的に分離されることになる。
次に、ステップP11において、作業者が電源ユニット3(図1参照)から入力ケーブル34と出力ケーブル35とを引き抜いて直流電源線60と第1の無停電電源装置11との電気的な接続を解消する。
その後、ガイドレール29(図5参照)に沿って第1の無停電電源装置11をラック2の外に移動させることにより、図7に示した各接続部61、62と嵌合部41a、42aとの接続状態を解消して、サーバシステム1から第1の無停電電源装置11を取り外す。
以上により、第1の無停電電源装置11の取り外し作業が終了する。
本例によれば、該第1の無停電電源装置11の蓄電池53を第2の無停電電源装置12の蓄電池53から電気的に分離させるだけで、第1の無停電電源装置11の取り外しを簡単に行うことができる。
Claims (20)
- 第1の電極と第2の電極とを備えた蓄電池と、
バックアップの対象となる外部の電源線に前記蓄電池の放電電流を出力する出力部と、
前記第1の電極の電圧を外部に取り出す第1の接続部と、
を有することを特徴とする無停電電源装置。 - 前記第1の電極と前記第1の接続部との間に第1のスイッチが設けられ、
前記第1のスイッチが、前記第1の接続部と前記第1の電極との電圧差が所定値以上のときにオフ状態となり、前記電圧差が所定値よりも小さいときにオン状態になることを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。 - 前記第1の電極を出入りする充電電流と前記放電電流のいずれか一方を選択的に流すと共に、前記出力部に前記放電電流を供給する電流制御部を更に有し、
前記第1のスイッチがオフ状態のとき、前記電流制御部が前記充電電流を流すことにより、前記蓄電池が充電されることを特徴とする請求項2に記載の無停電電源装置。 - 前記蓄電池の前記第2の電極に電気的に接続され、該第2の電極の電圧を外部に取り出す第2の接続部が更に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。
- 前記第2の電極と前記第2の接続部との間に第2のスイッチが設けられ、
前記第2のスイッチが、前記第1の接続部と前記第1の電極との電圧差が所定値以上のときにオフ状態となり、前記電圧差が所定値よりも小さいときにオン状態になることを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。 - 前記第1の電極は前記蓄電池の正極であり、
前記第2の電極は前記蓄電池の負極であることを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。 - 電源線と、
前記電源線に電気的に接続されたサーバと、
第1の電極と第2の電極とを備えた蓄電池と、前記電源線に前記蓄電池の放電電流を出力する出力部と、前記第1の電極に電気的に接続された第1の接続部とを備えた複数の無停電電源装置とを有し、
複数の前記無停電電源装置の各々の前記第1の接続部同士を互いに電気的に接続したことを特徴とするサーバシステム。 - 前記電源線、前記サーバ、及び複数の前記無停電電源装置を収容するラックを更に有し、
前記ラックの内壁に、複数の前記無停電電源装置の前記第1の接続部の各々に電気的に接続された第1の配線が設けられたことを特徴とする請求項7に記載のサーバシステム。 - 前記第1の配線に、前記第1の接続部が嵌合する第1の嵌合部が設けられ、
前記第1の接続部と前記第1の嵌合部とが嵌合することにより、前記第1の接続部と前記第1の配線とが電気的に接続することを特徴とする請求項8に記載のサーバシステム。 - 前記ラックの内壁に、前記無停電電源装置を前記ラックの内側に案内するガイドが設けられ、
前記ガイドに沿って前記ラックの内側に前記無停電電源装置を収容するときに、前記第1の接続部と前記第1の嵌合部とが嵌合することを特徴とする請求項9に記載のサーバシステム。 - 複数の前記無停電電源装置の各々の内部に、前記第1の電極と前記第1の接続部とを電気的に接続する第1のスイッチが設けられ、
前記第1のスイッチが、前記第1の接続部と前記第1の電極との電圧差が所定値以上のときにオフ状態となり、前記電圧差が所定値よりも小さいときにオン状態になることを特徴とする請求項7に記載のサーバシステム。 - 複数の前記無停電電源装置の各々の内部に、前記第1の電極を出入りする充電電流と前記放電電流のいずれか一方を選択的に流すと共に、前記出力部に前記放電電流を供給する電流制御部が設けられ、
前記第1のスイッチがオフ状態のとき、前記電流制御部が前記充電電流を流すことにより、前記蓄電池が充電されることを特徴とする請求項11に記載のサーバシステム。 - 前記第1のスイッチの開閉を制御するスイッチング制御部を更に有することを特徴とする請求項11に記載のサーバシステム。
- 複数の前記無停電電源装置の各々に、前記蓄電池の前記第2の電極に電気的に接続された第2の接続部が設けられ、
複数の前記無停電電源装置の各々の前記第2の接続部同士を互いに電気的に接続したことを特徴とする請求項7に記載のサーバシステム。 - 前記電源線、前記サーバ、及び複数の前記無停電電源装置を収容するラックを更に有し、
前記ラックの内壁に、複数の前記無停電電源装置の前記第2の接続部の各々に電気的に接続された第2の配線が設けられたことを特徴とする請求項14に記載のサーバシステム。 - 前記第2の配線に、前記第2の接続部が嵌合する第2の嵌合部が設けられ、
前記第2の接続部と前記第2の嵌合部とが嵌合することにより、前記第2の接続部と前記第2の配線とが電気的に接続することを特徴とする請求項15に記載のサーバシステム。 - バックアップの対象となる電源線に、第1の無停電電源装置の第1の蓄電池と第2の無停電電源装置の第2の蓄電池とを電気的に接続すると共に、前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池を電気的に並列に接続することを特徴とする無停電電源装置の使用方法。
- 前記電源線に前記第1の無停電電源装置を電気的に接続するとき、
前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池が電気的に分離した状態で、前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池との電圧差が所定値よりも小さいかどうかを判断し、
前記電圧差が前記所定値以上であると判断した場合、前記電源線から前記第1の蓄電池に充電電流を供給することにより該第1の蓄電池を充電し、
前記充電によって前記電圧差が前記所定値よりも小さくなったときに、前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池を電気的に並列に接続することを特徴とする請求項17に記載の無停電電源装置の使用方法。 - 前記電源線から前記第1の無停電電源装置を取り外すとき、該取り外しに先立って前記第1の蓄電池を前記第2の蓄電池から電気的に分離させることを特徴とする請求項17に記載の無停電電源装置の使用方法。
- 前記電源線と前記第1の蓄電池との間に、該第1の充電池を出入りする充電電流と放電電流のいずれか一方を選択的に流すと共に、前記電源線に前記放電電流を供給する電流制御部を設けることを特徴とする請求項17に記載の無停電電源装置の使用方法。
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