JPWO2011117968A1 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

インジェクタ(23)の噴霧形態の特性に関する情報として、「ペネトレーション情報」、「噴霧角情報」、「噴射角情報」をQRコード(登録商標)(25)によりインジェクタ(23)に付しておく。インジェクタ(23)の組み付け時にQRコード(25)を読み取り、噴霧形態の特性に応じたインジェクタ制御量の補正を行う。ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ(23)ほど、パイロット噴射の噴射タイミングを進角側に移行させる。噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ(23)ほど、パイロット噴射の噴射量を増量させる。噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ(23)ほど、メイン噴射の噴射タイミングを進角側に移行させる。

Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ場合もある)の燃料噴射制御装置に係る。特に、本発明は、気筒毎に配設された燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ場合もある)の個体差に起因する各気筒間での燃焼状態のバラツキを解消するための対策に関する。
自動車に搭載される多気筒ディーゼルエンジン等のように、各気筒毎に設けられたインジェクタそれぞれから噴射される燃料を燃焼室内で燃焼させる内燃機関では、各インジェクタに個体差が生じている場合、それに起因して燃焼室内での燃料噴射状態にバラツキが生じてしまう。このような燃料噴射状態のバラツキが生じていると、各気筒間での燃焼状態に差が生じてしまうことになる。そして、このような状況では、一部の気筒では良好な燃焼が行われても、他の気筒では燃焼状態が悪化し、排気エミッションの悪化に繋がったり、場合によっては、その気筒における燃焼行程で失火が発生してしまう可能性がある。
この点に鑑み、下記の各特許文献に開示されているように、予めインジェクタの個体差(同一燃圧及び同一噴射期間における燃料噴射量の差等)についての情報を記憶した記憶手段(QRコードやバーコード:何れも登録商標)を各インジェクタに付しておくことが行われている。そして、インジェクタの搭載時に、それぞれの記憶手段に記憶されている情報を読み取ってエンジンECUに書き込んでおくことにより、この情報を燃料噴射制御に反映させるようにしている。これにより、インジェクタの燃料噴射量特性等に応じて、各インジェクタそれぞれが適正な燃料噴射量で燃料噴射を行うことになる。
尚、特許文献1では、インジェクタの燃料噴射率の最大値に基づいて目標燃料圧力の補正量を算出すると共に、インジェクタの燃料噴射タイミングのずれ量に基づいて噴射指令タイミングの補正量を算出し、これら補正量をQRコードに記憶させて各インジェクタに付するようにしている。
また、特許文献2には、各インジェクタの噴射量のバラツキを層別し、その情報をバーコードとしてステーに記憶させ、このステーをインジェクタに組み付けた構成が開示されている。
また、特許文献3には、インジェクタの個別特性を記憶して、それら個体差を吸収するように内燃機関を制御することが開示されている。
特開2006−200378号公報 特開2003−161222号公報 特開2002−180897号公報
ところが、上述した気筒間燃焼バラツキを解消するためには、よりいっそう高い精度でインジェクタを制御する必要がある。
そして、本発明の発明者は、インジェクタの特性として、燃料噴射量のズレ量や燃料噴射タイミングのズレ量といったインジェクタの個体差情報のみでは、気筒間燃焼バラツキの解消を図るのに限界があることに着目した。
そして、インジェクタから噴射される燃料の噴霧形態、つまり、インジェクタから噴射された燃料の噴霧が、燃焼室内における如何なる領域で噴霧(燃焼場)を形成するのかをインジェクタの個体差情報として使用することが有効であることを見出し、本発明に至った。上記何れの特許文献においても、インジェクタから噴射された燃料の噴霧形態に関する情報を個々のインジェクタに付して、その噴霧形態情報に応じてインジェクタに対する制御量を補正するといった技術的思想については開示されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料噴射弁の個体差に起因する各気筒間での燃焼状態のバラツキを解消する効果をよりいっそう顕著に発揮することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、燃料噴射弁の個体差に関する情報として、その燃料噴射弁から噴射された燃料の燃焼室内での噴霧形態の特性に関する情報、つまり、噴射された燃料の噴霧が、燃焼室内における如何なる領域で噴霧(燃焼場)を形成するかといった情報を燃料噴射弁毎に記録しておく。そして、この噴霧形態情報に応じて燃料噴射弁に対する制御量(燃料噴射タイミングや燃料噴射量等)を補正することで、各燃焼室内における燃料の噴霧形態の均一化を図って気筒間燃焼バラツキを解消できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置を対象とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記噴霧形態の特性に関する情報を、燃焼室内に噴射された燃料の貫徹力に関する情報とする。そして、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧到達距離を長くするように、その燃料噴射弁の制御量を補正する燃料噴射制御手段を備えさせている。
上記各燃料噴射弁に個体差が生じている場合、同一燃料圧力及び同一燃料噴射期間であっても、燃料噴射弁から噴射された燃料の貫徹力は異なるものとなる。そのため、燃料噴射弁から噴射された燃料の燃焼室内における噴霧到達距離も燃料噴射弁の個体差によって異なるものとなる。このように噴霧到達距離が燃料噴射弁毎に異なる状況では、燃料噴射が実行された際における燃焼室内での燃焼状態に気筒間バラツキが生じてしまう。
そこで、本解決手段では、予め記録されている燃料の貫徹力に関する情報に基づき、貫徹力が小さい燃料噴射弁に対しては、噴射される燃料の噴霧到達距離を長くするように制御量を補正する。尚、貫徹力が大きい燃料噴射弁に対して、噴射される燃料の噴霧到達距離を短くするように制御量を補正する場合もある。これにより、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧の位置(ボア径方向の噴霧の位置)を各気筒で略均等に調整することが可能になる。その結果、全ての気筒において燃焼室内の燃焼場の位置が略等しくなり、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避されることになる。
貫徹力に関する情報に応じて燃料の噴霧到達距離を調整する場合の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる構成としている。
また、上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能なものに対して、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記副噴射の燃料噴射タイミングを進角させる構成としている。
これら構成により、貫徹力が小さい特性を有している燃料噴射弁に対して燃料噴射タイミングを進角側に設定すると、気筒内の圧力及び温度が共に低い状況下で燃料噴射弁からの燃料噴射が行われることになる。つまり、圧力が比較的低い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、燃料の噴射圧力が筒内圧に対して相対的に十分高くなり、貫徹力が大きくなって噴霧到達距離が延長されることになる。また、温度が比較的低い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、噴射後の燃料の気化が抑えられ、その大部分が液滴状態のまま、つまり高い慣性力を維持したまま噴射燃料は燃焼室内を飛行することになる。これによっても貫徹力が大きくなり、噴霧到達距離が延長されることになる。
逆に、貫徹力が大きい特性を有している燃料噴射弁に対して燃料噴射タイミングを遅角側に設定すると、気筒内の圧力及び温度が共に高い状況下で燃料噴射弁からの燃料噴射が行われることになる。つまり、圧力が比較的高い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、燃料の噴射圧力と筒内圧との差圧が小さくなり、貫徹力が小さくなって噴霧到達距離が短縮されることになる。また、温度が比較的高い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、噴射後の燃料の気化が促進され、慣性力が高く得られる液滴状態は早期に解消され、燃料の気化に伴って貫徹力が小さくなり燃焼室内での噴霧到達距離は短縮されることになる。
このように、上記貫徹力に関する情報に応じて燃料噴射タイミングを補正することにより、噴射された噴霧の位置(ボア径方向の噴霧の位置)を各気筒で略均等に調整することができる。その結果、全ての気筒において、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧の到達距離が略等しくなり、燃焼室内の燃焼場の位置が全ての気筒で略等しくなることによって、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避されることになる。
特に、上記主噴射と副噴射とを実行する内燃機関にあっては、副噴射で噴射された燃料の噴霧の到達距離が略等しくなり、主噴射開始時点での燃焼室内の燃焼場の位置が全ての気筒で均一化されることになる。このため、主噴射で噴射された燃料が燃焼する際の予混合燃焼と拡散燃焼との割合に気筒バラツキが生じることが回避され、拡散燃焼の割合が多くなる気筒でNOxやSootの発生量が増大してしまうといったことや、逆に、予混合燃焼の割合が多くなる気筒でHCの発生量が増大してしまったり失火が発生してしまうといったことが回避されることになる。
また、他の解決手段としては以下のものが挙げられる。先ず、多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置を対象とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記噴霧形態の特性に関する情報を、燃焼室内に噴射された燃料の噴霧角(燃料噴射弁の各噴射孔から燃料が噴射された場合のその噴霧の拡がり角度(燃焼室内の周方向の拡がり角度))に関する情報とする。そして、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が大きくなるように、その燃料噴射弁の制御量を補正する燃料噴射制御手段を備えさせている。
上記各燃料噴射弁に個体差が生じている場合、同一燃料圧力であっても、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧角は異なるものとなる。そのため、互いに隣り合う噴孔から噴射された燃料の噴霧同士の重なり度合いも燃料噴射弁の個体差によって異なるものとなる。このように隣接する噴霧との重なり度合いが燃料噴射弁毎に異なる状況では、燃焼室内での噴霧の分布に気筒間バラツキが生じてしまう。
そこで、本解決手段では、予め記録されている噴霧角情報に基づき、噴霧角が小さい燃料噴射弁に対しては、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が大きくなるように制御量を補正する。尚、噴霧角が大きい燃料噴射弁に対して、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が小さくなるように制御量を補正する場合もある。これにより、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧の位置(ボア周方向の噴霧の位置:ボア周方向で隣り合う噴霧同士の重なり度合い)を各気筒で略均等に調整することが可能になる。その結果、全ての気筒において燃焼室内の燃焼場の位置が均一化され、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避されることになる。
噴霧角に関する情報に応じて噴霧同士の重なり量を調整する場合の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料噴射量を増量する構成としている。
また、上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能なものに対して、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記副噴射での燃料噴射量を増量する構成としている。
また、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを遅角する構成とすることも挙げられる。
これら構成により、噴霧角が小さい特性を有している燃料噴射弁に対して燃料噴射量をを増量させると、燃焼室内での燃焼場が拡大することになり、燃焼室内での燃焼が良好に行われることになる。
逆に、噴霧角が大きい特性を有している燃料噴射弁に対して燃料噴射量を減量させると、燃焼室内において互いに隣り合う噴霧の重なり度合いを必要以上に大きくすることがなくなる。このため、空燃比が部分的にオーバリッチになってしまうといったことが解消され、HCの発生量の増大や失火の発生を回避することができる。
このように、上記噴霧角に関する情報に応じて燃料噴射量を補正することにより、ボア周方向で隣接する噴霧同士の重なり度合いを全ての気筒において均一化することができる。このため、全ての気筒において、燃焼室内の燃焼場温度及び空燃比の適正化を図ることができる。
特に、上記主噴射と副噴射とを実行する内燃機関において、副噴射の燃料噴射量を補正するようにした場合には、主噴射開始時点での燃焼室内の燃焼場温度及び空燃比の適正化を図ることができる。その結果、排気エミッションの改善やドライバビリティの改善を図ることができる。
更に、他の解決手段としては以下のものが挙げられる。先ず、多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置を対象とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記噴霧形態の特性に関する情報を、燃焼室内に噴射された燃料の噴射角(燃料噴射弁の各噴射孔から燃料が噴射された場合のその鉛直下方に対する噴霧飛行方向の角度)に関する情報とする。そして、上記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる燃料噴射制御手段を備えさせている。
また、燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも遅角側である場合には、上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを遅角させる構成となる。
上記各燃料噴射弁に個体差が生じている場合、同一燃料圧力であっても、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴射角は異なるものとなる。そのため、ピストンの頂面に形成されているキャビティの内壁面に対する燃料の噴射角度(噴霧衝突角度)が異なることになり、この噴霧衝突角度が適正な角度からずれてしまうとSootの発生量が増大してしまう可能性がある。
そこで、本解決手段では、予め記録されている燃料の噴射角に関する情報に基づき、噴射角が小さい燃料噴射弁に対しては、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる(燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合)。尚、噴射角が大きい燃料噴射弁に対して、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを遅角させる場合もある。これにより、全ての気筒において適正な噴霧衝突角度で燃料噴射が実行されることになり、Sootの発生量が増大してしまうといったことが回避されることになる。その結果、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避され、排気エミッションの改善を図ることができる。
噴射角に関する情報に応じて燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを補正する場合の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能なものに対して、燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合には、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを進角させる構成としている。また、燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも遅角側である場合には、上記燃料噴射制御手段を、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを遅角させる構成としている。
これら構成により、主噴射で噴射された噴霧の噴霧衝突角度を適切に調整することができ、Sootの発生量の増大を回避することができる。その結果、主噴射の噴射時期の適正化による排気エミッションの改善を図ることができる。
本発明では、燃料噴射弁の個体差として、貫徹力、噴霧角、噴射角といった燃焼室内での噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この情報に基づいて燃料噴射弁に対する制御量を補正するようにしている。このため、各燃焼室内における燃料の噴霧形態の均一化を図ることができ、気筒間燃焼バラツキを確実に解消することができる。
図1は、実施形態に係るディーゼルエンジン及びその制御系統の概略構成図である。 図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室及びその周辺部を示す断面図である。 図3は、ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 図4は、膨張行程時の熱発生率(クランク軸の単位回転角度当たりの熱発生量)の変化及び燃料噴射率(クランク軸の単位回転角度当たりの燃料噴射量)の変化をそれぞれ示す波形図である。 図5(a)はインジェクタの平面図であり、図5(b)はインジェクタの側面図である。 図6は、QRコード情報をECUに書き込むシステムの概略構成図である。 図7は、ペネトレーション情報に応じて燃料噴射時期を補正する場合のパイロット噴射での噴霧の状態を示す燃焼室内の一部分の平面図である。 図8は、噴霧角情報に応じて燃料噴射量を補正する場合のパイロット噴射での噴霧の状態を示す燃焼室内の一部分の平面図である。 図9は、噴射角情報に応じて燃料噴射時期を補正する場合のメイン噴射の噴射方向とピストン位置との関係を示す燃焼室内の一部分の側面図である。 図10は、噴霧形態の特性情報によるインジェクタの制御量補正動作の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1及びその制御系統の概略構成図である。また、図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、電磁駆動式または圧電素子(ピエゾ素子)を備えたピエゾ式のものが採用されている。このインジェクタ23からの燃料噴射制御の詳細については後述する。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、ECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、シリンダヘッド15(図2参照)に形成された吸気ポート15aに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ(吸気絞り弁)62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッド15に形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75及びDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。以下、これらNSR触媒75及びDPNR触媒76について説明する。
NSR触媒75は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒75は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。即ち、NSR触媒75に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒76は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒76には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
ここで、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部の構成について、図2を用いて説明する。この図2に示すように、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック11には、各気筒(4気筒)毎に円筒状のシリンダボア12が形成されており、各シリンダボア12の内部にはピストン13が上下方向に摺動可能に収容されている。
ピストン13の頂面13aの上側には上記燃焼室3が形成されている。つまり、この燃焼室3は、シリンダブロック11の上部にガスケット14を介して取り付けられたシリンダヘッド15の下面と、シリンダボア12の内壁面と、ピストン13の頂面13aとにより区画形成されている。そして、ピストン13の頂面13aの略中央部には、キャビティ(凹陥部)13bが凹設されており、このキャビティ13bも燃焼室3の一部を構成している。
尚、このキャビティ13bの形状としては、その中央部分(シリンダ中心線P上)では凹陥寸法が小さく、外周側に向かうに従って凹陥寸法が大きくなっている。つまり、図2に示すようにピストン13が圧縮上死点付近にある際、このキャビティ13bによって形成される燃焼室3としては、中央部分では比較的容積の小さい狭小空間とされ、外周側に向かって次第に空間が拡大される(拡大空間とされる)構成となっている。
上記ピストン13は、コネクティングロッド18の小端部18aがピストンピン13cにより連結されており、このコネクティングロッド18の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフトに連結されている。これにより、シリンダボア12内でのピストン13の往復移動がコネクティングロッド18を介してクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトが回転することでエンジン出力が得られるようになっている。また、燃焼室3に向けてグロープラグ19が配設されている。このグロープラグ19は、エンジン1の始動直前に電流が流されることにより赤熱し、これに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼が促進される始動補助装置として機能する。
上記シリンダヘッド15には、燃焼室3へ空気を導入する吸気ポート15aと、燃焼室3から排気ガスを排出する上記排気ポート71とがそれぞれ形成されていると共に、吸気ポート15aを開閉する吸気バルブ16及び排気ポート71を開閉する排気バルブ17が配設されている。これら吸気バルブ16及び排気バルブ17はシリンダ中心線Pを挟んで対向配置されている。つまり、本エンジン1はクロスフロータイプとして構成されている。また、シリンダヘッド15には、燃焼室3の内部へ直接的に燃料を噴射する上記インジェクタ23が取り付けられている。このインジェクタ23は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室3の略中央上部に配設されており、上記コモンレール22から導入される燃料を燃焼室3に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
更に、図1に示す如く、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト51を介して連結されたタービンホイール52及びコンプレッサホイール53を備えている。コンプレッサホイール53は吸気管64の内部に臨んで配置され、タービンホイール52は排気管73の内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール52側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。これらEGR通路8、EGRバルブ81、EGRクーラ82等によってEGR装置(排気還流装置)が構成されている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62の上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105及び出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、及び、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、及び、EGRバルブ81などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。例えば、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、パイロット噴射(副噴射)とメイン噴射(主噴射)とを実行する。
上記パイロット噴射は、インジェクタ23からのメイン噴射に先立ち、予め少量の燃料を噴射する噴射動作である。また、このパイロット噴射は、メイン噴射による燃料の着火遅れを抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作であって、副噴射とも呼ばれる。また、本実施形態におけるパイロット噴射は、上述したメイン噴射による初期燃焼速度を抑制する機能ばかりでなく、気筒内温度を高める予熱機能をも有するものとなっている。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。
上記メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための噴射量によってメイン噴射が行われる。
尚、上述したパイロット噴射及びメイン噴射の他に、アフタ噴射やポスト噴射が必要に応じて行われる。このアフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。具体的に、本実施形態では、このアフタ噴射により供給された燃料の燃焼エネルギがエンジンのトルクに変換されることなく、その大部分が排気の熱エネルギとして得られるタイミングでアフタ噴射を実行するようにしている。また、ポスト噴射は、排気系7に燃料を直接的に導入して上記マニバータ77の昇温を図るための噴射動作である。例えば、DPNR触媒76に捕集されているPMの堆積量が所定量を超えた場合(例えばマニバータ77の前後の差圧を検出することにより検知)、ポスト噴射が実行されるようになっている。
−燃料噴射圧−
上記メイン燃料噴射を実行する際の燃料噴射圧は、コモンレール22の内圧により決定される。このコモンレール内圧として、一般に、コモンレール22からインジェクタ23へ供給される燃料圧力の目標値、即ち目標レール圧は、エンジン負荷(機関負荷)が高くなるほど、及び、エンジン回転数(機関回転数)が高くなるほど高いものとされる。即ち、エンジン負荷が高い場合には燃焼室3内に吸入される空気量が多いため、インジェクタ23から燃焼室3内に向けて多量の燃料を噴射しなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。また、エンジン回転数が高い場合には噴射可能な期間が短いため、単位時間当たりに噴射される燃料量を多くしなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。このように、目標レール圧は一般にエンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて設定される。この燃料圧力の目標値を設定するための具体的な手法については後述する。
上記パイロット噴射やメイン噴射などの燃料噴射パラメータについて、その最適値はエンジン1や吸入空気等の温度条件によって異なるものとなる。
例えば、上記ECU100は、コモンレール圧がエンジン運転状態に基づいて設定される目標レール圧と等しくなるように、即ち燃料噴射圧が目標噴射圧と一致するように、サプライポンプ21の燃料吐出量を調量する。また、ECU100はエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量及び燃料噴射形態を決定する。具体的には、ECU100は、クランクポジションセンサ40の検出値に基づいてエンジン回転速度を算出するとともに、アクセル開度センサ47の検出値に基づいてアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を求め、このエンジン回転速度及びアクセル開度に基づいてメイン噴射での燃料噴射量を決定する。
−目標燃料圧力の設定−
次に、上記目標燃料圧力の設定手法について説明する。ディーゼルエンジン1においては、NOx発生量やスモーク発生量を削減することによる排気エミッションの改善、燃焼行程時の燃焼音の低減、エンジントルクの十分な確保といった各要求を連立することが重要である。これら要求を連立するための手法として、燃焼行程時における気筒内での熱発生率の変化状態(熱発生率波形で表される変化状態)を適切にコントロールすることが有効である。
図4の上段に示す波形のうちの実線は、横軸をクランク角度、縦軸を熱発生率とし、パイロット噴射及びメイン噴射で噴射された燃料の燃焼に係る理想的な熱発生率波形を示している。図中のTDCはピストン13の圧縮上死点に対応したクランク角度位置を示している。また、図4の下段に示す波形は、インジェクタ23から噴射される燃料の噴射率(クランク軸の単位回転角度当たりの燃料噴射量)波形を示している。
上記熱発生率波形としては、例えば、ピストン13の圧縮上死点(TDC)からメイン噴射で噴射された燃料の燃焼が開始され、ピストン13の圧縮上死点後の所定ピストン位置(例えば、圧縮上死点後10度(ATDC10°)の時点)で熱発生率が極大値(ピーク値)に達し、更に、圧縮上死点後の所定ピストン位置(例えば、圧縮上死点後25度(ATDC25°)の時点)で上記メイン噴射において噴射された燃料の燃焼が終了するようになっている。このような熱発生率の変化状態で混合気の燃焼を行わせるようにすれば、例えば圧縮上死点後10度(ATDC10°)の時点で気筒内の混合気のうちの50%が燃焼を完了した状況となる。つまり、圧縮上死点後10度(ATDC10°)の時点が燃焼重心となって、膨張行程における総熱発生量の約50%がATDC10°までに発生し、高い熱効率でエンジン1を運転させることが可能となる。
また、この燃焼重心に到達した時点でのクランク角度と燃料噴射率波形との関係としては、インジェクタ23に対して燃料噴射停止信号を送信した時点から燃料噴射が完全に停止するまでの期間(図4における期間T1)に燃焼重心が位置することになる。
尚、上記パイロット噴射で噴射された燃料の燃焼ではピストン13の圧縮上死点(TDC)において10[J/°CA]の熱発生率となっており、これにより、メイン噴射で噴射された燃料の安定した燃焼(予混合燃焼及び拡散燃焼)が実現されることになる。この値は、これに限定されるものではなく。例えば、メイン噴射での燃料噴射量に応じて適宜設定される。
このような理想的な熱発生率波形による燃焼が行われる状況にあっては、パイロット噴射によって気筒内の予熱が十分に行われ、この予熱により、メイン噴射で噴射された燃料は、直ちに自着火温度以上の温度環境下に晒されて熱分解が進み、噴射後は直ちに燃焼が開始されることになる。また、このメイン噴射で噴射された燃料の燃焼形態としても、予混合燃焼と拡散燃焼との割合が適切に確保されることになる。
後述する「インジェクタ23から噴射される燃料の噴霧形態に応じたインジェクタ23の制御量の補正動作」は、この理想的な熱発生率波形による燃焼を実現するために行われる。
尚、図4に二点鎖線αで示す波形は、燃料噴射圧力が、適正値よりも高く設定された場合の熱発生率波形であり、燃焼速度及び熱発生率のピーク値が共に高くなりすぎており、燃焼音の増大やNOx発生量の増加が懸念される状態である。一方、図4に二点鎖線βで示す波形は、燃料噴射圧力が、適正値よりも低く設定された場合の熱発生率波形であり、燃焼速度が低く且つ熱発生率のピークの現れるタイミングが大きく遅角側に移行していることで十分なエンジントルクが確保できないことが懸念される状態である。
−インジェクタ23の構成−
次に、上記インジェクタ23の構成について説明する。図5(a)はインジェクタ23の平面図であり、図5(b)はインジェクタ23の側面図である。これらの図に示すように、インジェクタ23は、略円筒形状であり、燃焼室3内に向けての燃料の噴射と噴射停止とが切り換え可能な弁部23aと、この弁部23aに備えられたノズルニードルを駆動する駆動コイル(何れも図示省略)を有する駆動部23bとを備えている。
上記弁部23aは、上記ノズルニードルと、このノズルニードルが当接及び離間する弁ボディとを有し、弁ボディにノズルニードルが当接及び離間することで閉弁(燃料噴射停止)及び開弁(燃料噴射)が行われるようになっている。また、駆動部23bは、通電により電磁力を発生するコイルが巻回された駆動コイルと、この駆動コイルとともに磁気回路を形成する円筒部材としてのパイプ、及び、可動体としてのアーマチュアとを含んで構成され、駆動コイルに生じる電磁力つまり吸引力を利用し、アーマチュアを介してノズルニードルを駆動する構成となっている。
また、このインジェクタ23は、その上端部に、上記駆動コイル等への給電を行うためのコネクタ部23cが設けられ、このコネクタ部23cの側面に設けられた接続口23dを介して図示しないケーブルにより上記ECU100に接続される。
そして、このインジェクタ23の特徴として、上記コネクタ部23cの頂面は平坦面となっており、この頂面には、そのインジェクタ23から噴射される燃料の噴霧形態(燃焼室3内で燃焼場を形成する噴霧の形態)の特性に関する情報がQR(Quick Response)コード25によって書き込まれている(この「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標)。
このQRコード25によって書き込まれている噴霧形態の特性に関する情報としては、「ペネトレーション(貫徹力)情報」、「噴霧角情報」、「噴射角情報」である。尚、これら3つの情報以外の情報(例えば従来から周知の噴射量に関する情報)が書き込まれていてもよい。そして、これらの情報を、後述するコードリーダ92(図6参照)によって読み取ることにより個々のインジェクタ23から噴射される燃料の噴霧形態の特性データが取得できるようになっている。
上記QRコード25は、二次元コードの一種であり、インジェクタ23の製造段階または試験段階において、各インジェクタ23個別に噴霧形態の特性が実験またはシミュレーションによって計測され、その結果に応じてコネクタ部23cに成形される。例えば、試験用のエンジンにインジェクタ23を組み付け、そのインジェクタ23から燃焼室内に向けて燃料を噴射し、その噴霧の形状を撮像して、その画像処理により噴霧形態の特性を計測することなどが挙げられる。
上記QRコード25の成形はレーザマーキング等で行われる。尚、QRコード25の成形位置は、ECU100に延びる信号ケーブルとの接続口23dがコネクタ部23cの頂面に存在している場合には例えばコネクタ部23cの側面に設定される。
(QRコード25に書き込まれている情報)
ここで上記QRコード25によって書き込まれている噴霧形態の特性に関する各情報について説明する。
(1)ペネトレーション情報
「ペネトレーション情報」とは、インジェクタ23から噴射された燃料の噴霧到達距離に関する情報である。つまり、同一噴射圧及び同一噴射期間で燃料噴射を行った場合の各インジェクタ23それぞれの燃料の噴霧到達距離の長さの差に関する情報である。
具体的には、例えば2種類の燃料噴射圧それぞれに対して2種類の燃料噴射期間(インジェクタ23の開弁期間)を設定し、合計4つの燃料噴射形態についての噴霧到達距離の長さに関する情報がQRコード25に書き込まれている。または、1種類の燃料噴射圧に対して1種類の燃料噴射期間を設定し、この際の噴霧到達距離の長さに関する情報がQRコード25に書き込まれている。つまり、その情報として噴霧到達距離が長いものであるほど、そのインジェクタ23は、ペネトレーション(貫徹力)が大きくなる特性を有しているといった個体差の情報がQRコード25に書き込まれていることになる。
このペネトレーションに個体差が生じる要因の一例を挙げると、インジェクタ23に形成されている噴孔の内径が設計寸法よりも小さい場合に、ペネトレーションが大きくなる特性を有することになり、逆に、噴孔の内径が設計寸法よりも大きい場合に、ペネトレーションが小さくなる特性を有することになる。
(2)噴霧角情報
「噴霧角情報」とは、複数箇所(例えば8箇所)に形成されているインジェクタ23の各噴射孔から燃料が噴射された場合のその噴霧の拡がり角度(燃焼室3を上方から見た場合に、噴霧の左右方向(燃焼室3内の周方向))に亘る角度に関する情報である。つまり、同一噴射圧で燃料噴射を行った場合の各インジェクタ23それぞれの燃料の噴霧角の差に関する情報である。
具体的には、例えば2種類または1種類の燃料噴射圧についての噴霧角に関する情報がQRコード25に書き込まれている。その情報として噴霧角が大きいものであるほど、そのインジェクタ23は、噴霧角が大きくなる特性を有しているといった個体差の情報がQRコード25に書き込まれていることになる。つまり、燃料噴射後に隣接する噴霧(隣の噴孔から噴射された燃料の噴霧)との重なり度合いが大きくなるインジェクタ23であるといった情報がQRコード25に書き込まれていることになる。
この噴霧角に個体差が生じる要因の一例としては、インジェクタ23に形成されている噴孔の加工誤差が挙げられる。
(3)噴射角情報
上記「噴射角情報」とは、複数箇所に形成されているインジェクタ23の各噴射孔から燃料が噴射された場合のその鉛直下方に対する噴霧飛行方向(噴霧の軸線方向)の角度に関する情報である。つまり、同一噴射圧で燃料噴射を行った場合の各インジェクタ23それぞれの燃料の噴射角の差に関する情報である。
具体的には、例えば2種類または1種類の燃料噴射圧についての噴射角に関する情報がQRコード25に書き込まれている。つまり、その情報として噴射角が大きいものであるほど、そのインジェクタ23は、噴射角が大きくなる(燃料を水平方向に近い方向に噴射する)特性を有しているといった個体差の情報がQRコード25に書き込まれていることになる。
この噴射角に個体差が生じる要因の一例としては、インジェクタ23に形成されている噴孔の加工誤差が挙げられる。
−QRコード読み込み動作−
次に、上述の如くインジェクタ23に付されたQRコード25の読み込み動作について説明する。このQRコード25の読み込み動作は、インジェクタ23をエンジン1のシリンダヘッド15に組み付ける際に行われ、そのQRコード25の情報がECU100に書き込まれる。つまり、各気筒それぞれにインジェクタ23を組み付けていく際に、それぞれのインジェクタ23の噴霧形態の特性に関する各情報(ペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報)が気筒毎に読み込まれて、ECU100に書き込まれることになる。
図6は、上記QRコード情報をECU100に書き込むシステムの概略構成図である。この書き込みシステム9は、コントローラ91、コードリーダ92、書き込み装置93を備えている。
コードリーダ92は、光学検出部や画像処理等を行う演算部を有して構成されたハンディータイプの一般的なコードリーダであり、その先端部にコード読み取り部92aを有している。そして、このコード読み取り部92aを、インジェクタ23に付されたQRコード25に対向するように近づけることでQRコード25の情報を読み取り、コードデータを出力するようになっている。
コントローラ91は、コードリーダ92と接続され、このコードリーダ92からQRコード25の読み取り結果であるコードデータを受信し、このコードデータをインジェクタ23の噴霧形態の特性に関するデータとして書き込み装置93に出力する。具体的には、各気筒毎のインジェクタ23,23,…にそれぞれ付されているQRコード25のコードデータ(ペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報)を読み込み、そのコードデータを書き込み装置93に出力する。
そして、これら情報は、この書き込み装置93から上記ECU100に転送され、このECU100に備えられたROM102またはRAM103に書き込まれることになる。これにより、ECU100は、各気筒に取り付けられる各インジェクタ23,23,…それぞれについてのペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報を各気筒毎に個別に記憶することになる。
尚、上記コードリーダ92で読み取った各種情報を、一旦パーソナルコンピュータに取り込んだの値に、このパーソナルコンピュータにおいて、上記QRコード25をECU100において処理可能なデータ(補正データ)に変換し、ECU100に出力するといったシステム構成としてもよい。
−噴霧形態補正動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作である噴霧形態補正動作について説明する。この噴霧形態補正動作は、上記読み取られたペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報のうちの少なくとも一つを用いてインジェクタ23からの燃料噴射形態を制御(インジェクタ23の制御量を補正)するものである。ここでは、上記全ての情報を用いてインジェクタ23からの燃料噴射形態を制御する場合について説明する。
また、本実施形態では、上記ペネトレーション情報を使用したパイロット噴射時期の補正、噴霧角情報を使用したパイロット噴射量の補正、噴射角情報を使用したメイン噴射時期の補正を行う場合について説明する。以下、各補正動作について具体的に説明する。
(ペネトレーション情報を使用したパイロット噴射時期の補正動作)
先ず、上記ペネトレーション情報に応じてパイロット噴射の噴射時期を補正する動作について説明する。
この補正動作では、QRコード25を読み取ることによって取得した上記ペネトレーション情報に基づき、ペネトレーションが小さい特性(噴霧の噴霧到達距離が短い特性)を有しているインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射タイミングを進角側に移行させるようにパイロット噴射の噴射時期を補正する。言い換えると、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に移行させるようにパイロット噴射の噴射時期を補正する。その理由を以下に説明する。
インジェクタ23の個体差に起因し、同一燃料圧力及び同一燃料噴射期間であっても、そのインジェクタ23から噴射された燃料のペネトレーション(貫徹力)は異なる場合がある。その結果、パイロット噴射によって噴射された燃料の燃焼室3内における噴霧到達距離もインジェクタ23の個体差によって異なるものとなる。このように噴霧到達距離がインジェクタ23毎に異なる状況では、メイン噴射が実行された際における燃焼室3内での予混合燃焼と拡散燃焼との割合にバラツキが生じてしまう。
例えば、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23の場合、パイロット噴射で噴射された燃料の噴霧到達距離が適正距離よりも短く、燃焼場とインジェクタ23の噴孔との間の距離が短いため、メイン噴射が実行された際、そのメイン噴射で噴射された燃料は噴射直後に燃焼場での燃焼が開始され、大部分が拡散燃焼となる。逆に、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23の場合、パイロット噴射で噴射された燃料の噴霧到達距離が適正距離よりも長く、燃焼場とインジェクタ23の噴孔との間の距離が長いため、メイン噴射が実行された際、そのメイン噴射で噴射された燃料は燃焼場に到達するまでの比較的長い時間、拡散燃焼は開始されないことになり、大部分が予混合燃焼となる。
そして、上述の如く拡散燃焼の割合が多くなる気筒(ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23が取り付けられた気筒)にあってはNOxやSootの発生量が増大してしまう可能性がある。逆に、予混合燃焼の割合が多くなる気筒(ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23が取り付けられた気筒)にあってはHCの発生量が増大してしまったり、場合によっては失火を招いてしまう可能性がある。
そこで、上記QRコード25から読み込まれたペネトレーション情報に基づき、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを進角側に補正し、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に補正する。
より具体的には、上記QRコード25から読み取られたペネトレーション情報に基づき、適正な噴霧到達距離に対して、対象とする(そのQRコード25が付されている)インジェクタ23の噴霧到達距離の差(適正な噴霧到達距離からの偏差)がCPU101によって演算される。そして、この適正な噴霧到達距離と、QRコード25から得られたペネトレーション情報に基づく噴霧到達距離との偏差に応じてパイロット噴射の噴射タイミングを補正する。例えば、上記噴霧到達距離の偏差からパイロット噴射の噴射タイミングの補正量を求めるマップを上記ROM102に予め記憶させておき、このマップからパイロット噴射の噴射タイミングの補正量を読み出すといった動作が行われる。
また、適正な噴霧到達距離に比べて実際の噴霧到達距離が短いものに対して、その適正な噴霧到達距離との差に応じてマイナス側に複数段階(例えば補正レベルを「−1」〜「−3」とする3段階)の噴霧到達距離の差に応じた噴射タイミングの補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。また、適正な噴霧到達距離に比べて実際の噴霧到達距離が長いものに対して、その適正な噴霧到達距離との差に応じてプラス側に複数段階(例えば補正レベル「+1」〜「+3」をとする3段階)の噴霧到達距離の差に応じた噴射タイミングの補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。そして、上記偏差に応じて複数段階でパイロット噴射の噴射タイミングの補正量を設定するようにしてもよい。例えば、1段階毎に燃料噴射タイミングをクランク角度で1°CAだけ補正することが挙げられる。具体的には、補正前の噴霧到達距離が比較的長く、上記偏差による補正レベルが「+3」であった場合には、そのインジェクタ23のパイロット噴射の噴射時期をクランク角度で3°CAだけ遅角補正する。また、例えば、補正前の噴霧到達距離が比較的短く、上記偏差による補正レベルが「−1」であった場合には、そのインジェクタ23のパイロット噴射の噴射時期をクランク角度で1°CAだけ進角補正する。
このようにペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23に対してパイロット噴射の噴射タイミングを進角側に設定すると、気筒内の圧力及び温度が共に低い状況下でインジェクタ23からの燃料噴射が行われることになる。つまり、圧力が比較的低い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、燃料の噴射圧力が筒内圧に対して相対的に十分高くなり、ペネトレーションが大きくなって噴霧到達距離が延長されることになる。また、温度が比較的低い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、噴射後の燃料の気化が抑えられ、その大部分が液滴状態のまま、つまり高い慣性力を維持したまま噴射燃料は燃焼室内を飛行することになる。これによってもペネトレーションが大きくなり、噴霧到達距離が延長されることになる。図7は、パイロット噴射での噴霧の状態を示す燃焼室3内の一部分の平面図である。図中の二点鎖線は、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射タイミングの補正を行う前の噴霧形態を示している。また、図中の実線は、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射タイミングの補正を行うことで噴霧到達距離が延長された噴霧形態を示している。
逆に、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23に対してパイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に設定すると、気筒内の圧力及び温度が共に高い状況下でインジェクタ23からの燃料噴射が行われることになる。つまり、圧力が比較的高い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、燃料の噴射圧力と筒内圧との差圧が小さくなり、ペネトレーションが小さくなって噴霧到達距離が短縮されることになる。また、温度が比較的高い気筒内に対して燃料噴射が行われるため、噴射後の燃料の気化が促進され、慣性力が高く得られる液滴状態は早期に解消され、燃料の気化に伴ってペネトレーションが小さくなり燃焼室3内での噴霧到達距離は短縮されることになる。図7の一点鎖線は、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射タイミングの補正を行う前の噴霧形態を示している。また、図中の実線は、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射タイミングの補正を行うことで噴霧到達距離が短縮された噴霧形態を示している。
このように、上記QRコード25から得られたペネトレーション情報に応じてパイロット噴射の噴射時期を補正することにより、パイロット噴射で噴射された噴霧の位置(ボア径方向の噴霧の位置)を各気筒で略均等に調整することができる。つまり、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを進角側に補正して噴霧到達距離を長くし、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に補正して噴霧到達距離を短くする。その結果、全ての気筒において、パイロット噴射で噴射された燃料の噴霧の到達距離が略等しくなり、メイン噴射開始時点での燃焼室3内の燃焼場の位置が全ての気筒で均一化されることになって、メイン噴射で噴射された燃料が燃焼する際の予混合燃焼と拡散燃焼との割合にバラツキが生じることが回避される。このため、拡散燃焼の割合が多くなる気筒でNOxやSootの発生量が増大してしまうといったことや、逆に、予混合燃焼の割合が多くなる気筒でHCの発生量が増大してしまったり失火が発生してしまうといったことが回避されることになる。その結果、パイロット噴射の噴射時期の適正化による排気エミッションの改善やドライバビリティの改善を図ることができる。
尚、上記説明では、適正な噴霧到達距離が得られるペネトレーションに対し、実際のペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを進角側に補正し、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に補正していた。これに限らず、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23に対してのみ、パイロット噴射の噴射タイミングを進角側に補正することで、他のインジェクタ23のペネトレーションに合わせるようにし、上述の如く設定される燃料噴射圧力を補正することによって、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23のペネトレーションを小さくすることで、全てのインジェクタ23のペネトレーションを適正値に設定するようにしてもよい。また、ペネトレーションが大きい特性を有しているインジェクタ23に対してのみ、パイロット噴射の噴射タイミングを遅角側に補正することで、他のインジェクタ23のペネトレーションに合わせるようにし、上述の如く設定される燃料噴射圧力を補正することによって、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23のペネトレーションを大きくすることで、全てのインジェクタ23のペネトレーションを適正値に設定するようにしてもよい。
(噴霧角情報を使用したパイロット噴射量の補正動作)
次に、上記噴霧角情報に応じてパイロット噴射の噴射量を補正する制御について説明する。
具体的には、QRコード25を読み取ることによって取得した上記噴霧角情報に基づき、噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射量を増量させるように噴射量補正を行う。言い換えると、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射量を減量させるように噴射量補正を行う。その理由を以下に説明する。
インジェクタ23の個体差に起因し、同一燃料圧力であっても、そのインジェクタ23から噴射された燃料の噴霧角は異なる場合がある。その結果、互いに隣り合う噴孔から噴射された燃料の噴霧同士の重なり度合い(燃焼室3内の周方向での重なり度合い)もインジェクタ23の個体差によって異なるものとなる。このように隣接する噴霧との重なり度合いがインジェクタ23毎に異なる状況では、各気筒それぞれにおける燃焼室3内での噴霧の分布にバラツキが生じてしまう。例えば、噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23が備えられた気筒では、隣接する噴霧との重なり度合いは小さいか、または、重ならない状態となる。逆に、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23が備えられた気筒では、隣接する噴霧との重なり度合いは大きくなる。
そして、特に、冷間時などのように冷却水温度が低い状況においては、パイロット噴射で噴射された燃料の噴霧とメイン噴射で噴射された燃料の噴霧との位置関係が適切に得られていないことに起因して、HCの発生量が増大してしまったり、場合によっては失火を招いてしまう可能性がある。
そこで、上記QRコード25から読み込まれた噴霧角情報に基づき、噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射での燃料噴射量を増量補正し、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射での燃料噴射量を減量補正する。具体的には、パイロット噴射実行時におけるインジェクタ23の開弁期間を補正することにより燃料噴射量を補正する。
より具体的には、上記QRコード25から読み取られた噴霧角情報に基づき、適正な噴霧角に対して、対象とする(そのQRコード25が付されている)インジェクタ23の噴霧角の差(適正な噴霧角からの偏差)がCPU101によって演算される。そして、この適正な噴霧角と、QRコード25から得られた噴霧角情報に基づく噴霧角との偏差に応じてパイロット噴射の噴射量を補正する。例えば、上記噴霧角の偏差からパイロット噴射の噴射補正量を求めるマップを上記ROM102に予め記憶させておき、このマップからパイロット噴射の噴射補正量を読み出すといった動作が行われる。
また、適正な噴霧角に比べて実際の噴霧角が小さいものに対して、その適正な噴霧角との差に応じてマイナス側に複数段階(例えば補正レベルを「−1」〜「−3」とする3段階)の噴霧角の差に応じた噴射補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。また、適正な噴霧角に比べて実際の噴霧角が大きいものに対して、その適正な噴霧角との差に応じてプラス側に複数段階(例えば補正レベル「+1」〜「+3」をとする3段階)の噴霧角の差に応じた噴射補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。そして、上記偏差に応じて複数段階でパイロット噴射の噴射補正量を設定するようにしてもよい。例えば、1段階毎に噴射量を10%だけ補正することが挙げられる。具体的には、噴霧角が比較的大きく、上記偏差による補正レベルが「+3」であった場合には、そのインジェクタ23のパイロット噴射の噴射量を30%だけ減量補正する。また、例えば、噴霧角が比較的小さく、上記偏差による補正レベルが「−1」であった場合には、そのインジェクタ23のパイロット噴射の噴射量を10%だけ増量補正する。
このように噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対して燃料噴射量を増量補正すると、燃焼室3内での予熱場所(燃焼場)が拡大することになり、燃焼室3内が十分に予熱されることになって、メイン噴射での燃焼が良好に行われることになる。図8は、パイロット噴射での噴霧の状態を示す燃焼室3内の一部分の平面図である。図中の実線は、噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射量の増量補正を行った場合の噴霧形態を示している。
逆に、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23に対して燃料噴射量を減量補正すると、燃焼室3内において互いに隣り合う噴霧との重なり度合いを必要以上に大きくすることがなくなる。このため、空燃比が部分的にオーバリッチになってしまうといったことが解消され、HCの発生量の増大や失火の発生を回避することができる。図8の一点鎖線は、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23において上記噴射量の減量補正を行った場合の噴霧形態を示している。
このように、上記QRコード25から得られた噴霧角情報に応じてパイロット噴射の噴射量を補正することにより、ボア周方向での隣接する噴霧同士の重なり度合いを全ての気筒において均一化することができる。このため、全ての気筒において、メイン噴射開始時点での燃焼室3内の燃焼場温度及び空燃比の適正化を図ることができる。その結果、一部の気筒でHCの発生量が増大してしまったり失火が発生してしまうといったことが回避され、パイロット噴射の噴射量の適正化による排気エミッションの改善やドライバビリティの改善を図ることができる。
尚、上述の如く噴霧角情報に応じてパイロット噴射の噴射量を補正する際、パイロット噴射の噴射量を増量補正する場合(噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対する噴射量補正)にあっては、このパイロット噴射で噴射された燃料の一部がエンジン1のトルク発生に寄与する可能性がある。この場合には、このパイロット噴射に起因するトルク分に相当する燃料量をメイン噴射の燃料噴射量から減算し、ドライバの要求するトルクが適正に得られるようにする。
尚、上記説明では、適正な噴霧角に対し、実際の噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射量を増量側に補正し、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23に対してはパイロット噴射量を減量側に補正している。これに限らず、噴霧角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対してのみ、パイロット噴射量を増量側に補正することで、噴霧同士の重なり度合いを他のインジェクタ23での噴霧同士の重なり度合いに合わせるようにし、上述の如く設定される燃料噴射圧力を補正することによって、全ての気筒における噴霧同士の重なり度合いを適正に設定するようにしてもよい。また、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23に対してのみ、パイロット噴射量を減量側に補正することで、噴霧同士の重なり度合いを他のインジェクタ23での噴霧同士の重なり度合いに合わせるようにし、上述の如く設定される燃料噴射圧力を補正することによって、全ての気筒における噴霧同士の重なり度合いを適正に設定するようにしてもよい。
(噴射角情報を使用したメイン噴射時期の補正動作)
次に、上記噴射角情報に応じてメイン噴射の噴射時期を補正する制御について説明する。また、以下の説明では、メイン噴射の噴射開始タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも進角側(BTDC)に設定された場合について説明する。
具体的には、QRコード25を読み取ることによって取得した上記噴射角情報に基づき、噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを進角側に移行させるようにメイン噴射の噴射時期を補正する。言い換えると、噴射角が大きい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを遅角側に移行させるようにメイン噴射の噴射時期を補正する。その理由を以下に説明する。
インジェクタ23の個体差に起因して、同一燃料圧力であっても、そのインジェクタ23から噴射された燃料の噴射角は異なる場合がある。その結果、上記ピストン13の頂面に形成されているキャビティ13bの内壁面に対するメイン噴射で噴射された燃料の噴射角度(以下、噴霧衝突角度と呼ぶ)が異なることになり、この噴霧衝突角度が適正な角度からずれてしまうとSootの発生量が増大してしまう可能性がある。
そこで、上記QRコード25から読み込まれた噴射角情報に基づき、噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ23に対しては噴射タイミングを進角側に設定し、噴射角が大きい特性を有しているインジェクタ23に対しては噴射タイミングを遅角側に設定する。
より具体的には、上記QRコード25から読み取られた噴射角情報に基づき、適正な噴射角に対して、対象とする(そのQRコード25が付されている)インジェクタ23の噴射角の差(適正な噴射角からの偏差)がCPU101によって演算される。そして、この適正な噴射角と、QRコード25から得られた噴射角情報に基づく噴射角との偏差に応じてメイン噴射の噴射タイミングを補正する。例えば、上記噴射角の偏差からメイン噴射の噴射タイミングの補正量を求めるマップを上記ROM102に予め記憶させておき、このマップからメイン噴射の噴射タイミングの補正量を読み出すといった動作が行われる。
また、適正な噴射角に比べて実際の噴射角が小さいものに対して、その適正な噴射角との差に応じてマイナス側に複数段階(例えば補正レベルを「−1」〜「−3」とする3段階)の噴射角の差に応じた噴射タイミングの補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。また、適正な噴射角に比べて実際の噴射角が大きいものに対して、その適正な噴射角との差に応じてプラス側に複数段階(例えば補正レベル「+1」〜「+3」をとする3段階)の噴射角の差に応じた噴射タイミングの補正量を上記ROM102に予め記憶させておく。そして、上記偏差に応じて複数段階でメイン噴射の噴射タイミングの補正量を設定するようにしてもよい。例えば、1段階毎に燃料噴射タイミングをクランク角度で1°CAだけ補正することが挙げられる。具体的には、補正前の噴射角が比較的大きく、上記偏差による補正レベルが「+3」であった場合には、そのインジェクタ23のメイン噴射の噴射時期をクランク角度で3°CAだけ遅角補正する。また、例えば、補正前の噴射角が比較的小さく、上記偏差による補正レベルが「−1」であった場合には、そのインジェクタ23のメイン噴射の噴射時期をクランク角度で1°CAだけ進角補正する。
このように噴射角に応じてメイン噴射の噴射タイミングを補正することにより、全ての気筒において適正な噴霧衝突角度でメイン噴射が実行されることになる。図9の一点鎖線は、噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ23(図中の噴射角θ1を参照)に対して噴射タイミングを進角側に補正した場合のピストン位置(上死点に向かって移動しているピストン13)とメイン噴射の噴射方向との関係を示している。この場合の噴霧衝突角度(メイン噴射の噴射方向と、キャビティ13bの内壁面のうちメイン噴射での燃料が衝突する点における接線との成す角)は図中Aとなる。また、図9の実線は、噴射角が大きい特性を有しているインジェクタ23(図中の噴射角θ2を参照)に対して噴射タイミングを遅角側に補正した場合のピストン位置とメイン噴射の噴射方向との関係を示している。この場合の噴霧衝突角度は図中Bとなる。これら噴霧衝突角度は、上述した如く噴射時期を補正したことによって略近似した角度として設定されることになる。
このように、上記QRコード25から得られた噴射角情報に応じてメイン噴射の噴射時期を補正することにより、メイン噴射で噴射された噴霧の噴霧衝突角度を全ての気筒で均一化することができ、その噴霧衝突角度の適正化によって、Sootの発生量が増大してしまうことが回避されることになる。その結果、メイン噴射の噴射時期の適正化による排気エミッションの改善を図ることができる。
尚、上記説明は、メイン噴射の噴射開始タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも進角側(BTDC)に設定された場合であった。仮に、メイン噴射の噴射開始タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも遅角側(ATDC)に設定された場合には、QRコード25を読み取ることによって取得した上記噴射角情報に基づき、噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを遅角側に移行させるようにメイン噴射の噴射時期を補正することになる。言い換えると、噴射角が大きい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを進角側に移行させるようにメイン噴射の噴射時期を補正することになる。この場合、図9に一点鎖線で示すピストン13は、下死点に向かって移動しているものとなる。
−燃料噴射制御量補正動作−
次に、上述の如く噴霧形態の特性に関する各情報に応じてインジェクタ23の制御量を補正する場合の具体的な動作手順について図10のフローチャートに沿って具体的に説明する。この図10に示す制御量補正動作は、上述した如く、ペネトレーション情報を使用したパイロット噴射時期の補正動作、噴霧角情報を使用したパイロット噴射量の補正動作、噴射角情報を使用したメイン噴射時期の補正動作を行うものである。
先ず、ステップST1において、上記ECU100に書き込まれているペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報を各気筒毎に取得する(読み出す)。例えば上記ROM102に書き込まれている各情報をCPU101に読み出す。
そして、ステップST2では、先ず、上述したペネトレーション情報に応じてパイロット噴射時期の補正量を求める。つまり、ペネトレーションが小さい特性を有しているインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射タイミングを進角側に移行させるようにパイロット噴射の噴射時期を補正する。
次に、ステップST3において、上述した噴霧角情報から、パイロット噴射を実行した場合に隣接する噴霧との重なり度合いを計算する。ここでの計算は、上述した噴霧角情報の他に、エンジン回転数、吸入空気量、スワール値から気筒内でのスワール量を求め、上記噴霧角情報とスワール量とから上記重なり度合いを計算することになる。その後、ステップST4において、上記重なり度合いからパイロット噴射の噴射量の補正量を求める。つまり、重なり度合いが小さい気筒のインジェクタ23ほど、パイロット噴射の噴射量を増量させるように噴射量補正を行う。
次に、ステップST5において、上述した噴射角情報に応じてメイン噴射時期の補正量を求める。つまり、噴射角が小さい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを進角側に移行させるようにメイン噴射の噴射時期を補正する(メイン噴射の噴射開始タイミングがピストン13の圧縮上死点よりも進角側に設定されている場合)。
このようにして、パイロット噴射の噴射時期、パイロット噴射の噴射量、メイン噴射の噴射時期をそれぞれ求め、各気筒に備えられたインジェクタ23の各制御量を制御していく。
以上の動作により、パイロット噴射で噴射された燃料のボア径方向の噴霧の位置及びボア周方向の重なり度合いを全ての気筒で略一致させることができ、また、メイン噴射で噴射された燃料の上記噴霧衝突角度を全ての気筒で略一致させることができる。このため、全ての気筒において燃焼室3内での噴霧形態を略一致させることが可能となり、気筒間燃焼バラツキが解消されることになる。その結果、全気筒の噴霧形態を略一致させた状態で、上述した如く、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じてパイロット噴射及びメイン噴射の噴射形態(燃料噴射量、燃料噴射タイミング、燃料噴射期間等)を制御することにより、全気筒で理想的な熱発生率波形(図4を用いて説明した熱発生率波形)による燃焼を実現することができる。これにより、排気エミッションの改善及びドライバビリティの改善を図ることができる。
(変形例)
上述した実施形態では、ペネトレーション情報を使用してパイロット噴射時期の補正を行い、噴霧角情報を使用してパイロット噴射量の補正を行い、噴射角情報を使用してメイン噴射時期の補正を行う場合について説明した。これら以外に以下に述べるような組み合わせ(噴霧形態の特性に関する情報と制御量との組み合わせ)によってインジェクタ23を制御するようにしてもよい。
・ペネトレーション情報を使用したメイン噴射の噴射時期の補正。
・ペネトレーション情報を使用したパイロット噴射の噴射量の補正。
・ペネトレーション情報を使用したメイン噴射の噴射量の補正。
・噴霧角情報を使用したメイン噴射の噴射量の補正。
・噴霧角情報を使用したパイロット噴射の噴射時期の補正。
・噴霧角情報を使用したメイン噴射の噴射時期の補正。
・噴射角情報を使用したメイン噴射の噴射量の補正。
これらの組み合わせにおいても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。例えば、噴霧角情報を使用してメイン噴射の噴射時期の補正を行う場合、具体的には、噴霧角が大きい特性を有しているインジェクタ23ほど、メイン噴射の噴射タイミングを遅角側に移行させることになる。これによれば、メイン噴射の噴射タイミングを遅角させることで、メイン噴射で噴射された燃料の予混合燃焼割合が過大になることを抑制し、予混合燃焼と拡散燃焼との割合の適正化を図ることが可能になる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車以外に搭載されるディーゼルエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンに限らず、燃料直噴型ガソリンエンジンに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、ペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報の全てを用いてインジェクタ23からの燃料噴射形態を制御する場合について説明した。本発明はこれに限らず、ペネトレーション情報、噴霧角情報、噴射角情報のうちの一つまたは2つの情報を用いてインジェクタ23からの燃料噴射形態を制御するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、インジェクタ23の噴霧形態の特性に関する情報をQRコード25により記録するようにしていた。本発明はこれに限らず、バーコード等、その他の手段により噴霧形態の特性に関する情報を記録するようにしてもよい。
本発明は、自動車に搭載されるコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジンにおいて、各インジェクタの個体差に起因する各気筒間での燃焼状態のバラツキを解消する制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
3 燃焼室
23 インジェクタ(燃料噴射弁)
25 QRコード
−解決手段−
具体的に、本発明は、多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置を対象とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記噴霧形態の特性に関する情報を、燃焼室内に噴射された燃料の貫徹力に関する情報、燃焼室内に噴射された燃料の噴霧角(燃料噴射弁の各噴射孔から燃料が噴射された場合のその噴霧の拡がり角度(燃焼室内の周方向の拡がり角度))に関する情報、及び、燃焼室内に噴射された燃料の噴射角に関する情報とする。そして、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧到達距離を長くするように、その燃料噴射弁の制御量を補正し、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が大きくなるように、その燃料噴射弁の制御量を補正し、上記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる燃料噴射制御手段を備えさせている。
そこで、本解決手段では、予め記録されている燃料の貫徹力に関する情報に基づき、貫徹力が小さい燃料噴射弁に対しては、噴射される燃料の噴霧到達距離を長くするように制御量を補正する。尚、貫徹力が大きい燃料噴射弁に対して、噴射される燃料の噴霧到達距離を短くするように制御量を補正する場合もある。これにより、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧の位置(ボア径方向の噴霧の位置)を各気筒で略均等に調整することが可能になる。その結果、全ての気筒において燃焼室内の燃焼場の位置が略等しくなり、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避されることになる。
また、上記各燃料噴射弁に個体差が生じている場合、同一燃料圧力であっても、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧角は異なるものとなる。そのため、互いに隣り合う噴孔から噴射された燃料の噴霧同士の重なり度合いも燃料噴射弁の個体差によって異なるものとなる。このように隣接する噴霧との重なり度合いが燃料噴射弁毎に異なる状況では、燃焼室内での噴霧の分布に気筒間バラツキが生じてしまう。
そこで、本解決手段では、予め記録されている噴霧角情報に基づき、噴霧角が小さい燃料噴射弁に対しては、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が大きくなるように制御量を補正する。尚、噴霧角が大きい燃料噴射弁に対して、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が小さくなるように制御量を補正する場合もある。これにより、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧の位置(ボア周方向の噴霧の位置:ボア周方向で隣り合う噴霧同士の重なり度合い)を各気筒で略均等に調整することが可能になる。その結果、全ての気筒において燃焼室内の燃焼場の位置が均一化され、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避されることになる。
更に、上記各燃料噴射弁に個体差が生じている場合、同一燃料圧力であっても、燃料噴射弁から噴射された燃料の噴射角は異なるものとなる。そのため、ピストンの頂面に形成されているキャビティの内壁面に対する燃料の噴射角度(噴霧衝突角度)が異なることになり、この噴霧衝突角度が適正な角度からずれてしまうとSootの発生量が増大してしまう可能性がある。
そこで、本解決手段では、予め記録されている燃料の噴射角に関する情報に基づき、噴射角が小さい燃料噴射弁に対しては、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる(燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合)。尚、噴射角が大きい燃料噴射弁に対して、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを遅角させる場合もある。これにより、全ての気筒において適正な噴霧衝突角度で燃料噴射が実行されることになり、Sootの発生量が増大してしまうといったことが回避されることになる。その結果、気筒間の燃焼状態のバラツキが回避され、排気エミッションの改善を図ることができる。
尚、上記コードリーダ92で読み取った各種情報を、一旦パーソナルコンピュータに取り込んだに、このパーソナルコンピュータにおいて、上記QRコード25をECU100において処理可能なデータ(補正データ)に変換し、ECU100に出力するといったシステム構成としてもよい。

Claims (11)

  1. 多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    上記噴霧形態の特性に関する情報は燃焼室内に噴射された燃料の貫徹力に関する情報であって、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧到達距離を長くするように、その燃料噴射弁の制御量を補正する燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能であり、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が貫徹力が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記副噴射の燃料噴射タイミングを進角させるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    上記噴霧形態の特性に関する情報は燃焼室内に噴射された燃料の噴霧角に関する情報であって、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料の噴霧同士の重なり量が大きくなるように、その燃料噴射弁の制御量を補正する燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁の各噴孔から噴射される燃料噴射量を増量するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 請求項5記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能であり、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記副噴射での燃料噴射量を増量するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 請求項5記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能であり、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴霧角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを遅角させるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    上記噴霧形態の特性に関する情報は燃焼室内に噴射された燃料の噴射角に関する情報であって、上記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも進角側である場合、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを進角させる燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 請求項8記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能であり、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを進角させるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  10. 多気筒内燃機関に備えられる各燃料噴射弁毎に、それぞれの噴射燃料の燃焼室内における噴霧形態の特性に関する情報を記録しておき、この記録された情報に応じて各燃料噴射弁の制御量を補正する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    上記噴霧形態の特性に関する情報は燃焼室内に噴射された燃料の噴射角に関する情報であって、燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期が圧縮上死点よりも遅角側である場合、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの燃料噴射タイミングを遅角させる燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  11. 請求項10記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われ且つ気筒内の予熱に寄与する副噴射とが実行可能であり、
    上記燃料噴射制御手段は、上記記録されている情報が噴射角が小さいものであるほど、その燃料噴射弁からの上記主噴射の燃料噴射タイミングを遅角させるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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