JPWO2011117941A1 - 通信装置、テレビジョン受像機、映像信号記録装置および通信方法 - Google Patents

通信装置、テレビジョン受像機、映像信号記録装置および通信方法 Download PDF

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Abstract

通信ケーブルのわかり難い異常を簡潔に検出することができる通信装置を提供する。通信装置は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置であって、通信ケーブルに接続可能なインタフェース部(310)と、インタフェース部(310)に接続された通信ケーブルに含まれる複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部(320)と、測定部(320)で取得された複数の測定値が略同一でない場合、通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部(330)とを備える。

Description

本発明は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に関する。
現在のインターネットおよびローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)では、ツイストペアケーブル(TPケーブルとも呼ばれる)を用いることが一般化している。ツイストペアケーブルは、絶縁被覆された2本の芯線を互いに縒り合せた対(ツイストペア)を、多数束ねて収めることにより構成された通信ケーブルの例である。
ツイストペアケーブルは、平行型の導線に比べてノイズの影響を受けにくく、また、安定したインピーダンスが得られる。ツイストペアケーブルは、さらに、他の導線に流れる信号が作る電磁誘導によって引き起こされる「漏話」(クロストーク)を抑える効果も有している。
このようなツイストペアケーブルの利点を生かすためには、各芯線と、各芯線に対応するコネクタとが正確に連結している必要がある。しかし、ユーザまたは施工業者が、RJ45(ISDNまたは10BASE−Tに利用される8線式のモジュラージャック)コネクタを利用するEthernet(登録商標)のツイストペアケーブル(以下、LANケーブルと称す)を間違った結線(配線)で作成してしまう場合がある。具体的には、ユーザまたは施工業者が、図8Aに示すような正確な結線のLANケーブル500ではなく、図8Bに示すようなスプリットペアのLANケーブル600を作成してしまう場合がある。
ここで、スプリットペアとは、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線のことである。このようなツイストミスがLANケーブルに含まれている場合、導線は電気的に正常につながっているので基本的に通信可能であるが、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。
図8Aは、正しい結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。図8Bは、誤った結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。なお、ここでは、各芯線が電気的につながっている状態であって、かつ、各芯線が正しく配置されている状態を正しい(正常な)結線という。逆に、誤った(異常な)結線には、各芯線が電気的につながっていない状態だけでなく、各芯線が正しく配置されていない状態が含まれる。
図8Aおよび図8Bに示された従来のパケット通信装置400は、IF部(インタフェース部)410、パケット送受信部420および通信部440を備える。さらに、パケット送受信部420は、送信部421および受信部422を備える。
LANケーブル500は、その両端に、コネクタ510およびコネクタ520を有する。すなわち、LANケーブル500は、LANケーブルの本体部と、2つのコネクタとで構成されている。IF部410は、LANケーブル500のコネクタ510に接続されている。パケット通信装置400は、このLANケーブル500を介して、外部装置(図示せず)との間でパケット通信を行う。
図8Aに示すように、ペアAは、ツイストペアになっている芯線L1および芯線L2に接続されている。また、ペアBは、ツイストペアになっている芯線L3および芯線L6に接続されている。このように、ペアA、ペアB、ペアCおよびペアDの全てのペアがツイストペアになっている。したがって、LANケーブル500は、正常な結線である。
一方、図8Bに示すように、ペアAは、ツイストペアになっている芯線N1および芯線N2に接続されている。また、ペアDは、ツイストペアになっている芯線N7および芯線N8に接続されている。よって、ペアAおよびペアDは、それぞれツイストペアになっている。
しかし、ペアBは、ツイストペアになっていない芯線N3および芯線N6に接続されている。また、ペアCも、ツイストペアになっていない芯線N4および芯線N5に接続されている。よって、ペアBおよびペアCは、それぞれツイストペアになっていない。すなわち、全てのペアがツイストペアにはなっていない。したがって、LANケーブル600は、正常な結線とは異なるスプリットペアのLANケーブルである。
このような結線ミスは、ユーザまたは施工業者が、ツイストペアである2本の芯線をコネクタ610およびコネクタ620における隣り合わせたピンに接続したらよいといった判断ミスを犯すことにより発生することが多い。
このLANケーブル600のように、正常な結線になっていないスプリットペアのLANケーブルは、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。そして、ノイズが大きいときには通信不良が発生するため、このようなLANケーブルを使用しないようにすることが強く望まれる。
そのためには、通信に用いられるLANケーブルが正常な結線になっているか否かの判定が必要である。特許文献1には、クロストーク検出機能を用いて、ツイストペアケーブルの接続関係を判定する方法、すなわち、スプリットペアを検出する方法と、その装置が開示されている。
また、特許文献2には、専門知識の乏しいユーザにとっても、ネットワークの接続時に必要なリンクアップ等の情報を的確に得ることができるネットワーク接続装置およびネットワーク接続通知方法が開示されている。
特開2002−078130号公報 特開2009−111800号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている検出方法は、クロストーク検出機能を活用している。したがって、この検出方法は、クロストーク検出機能を備えていない通信装置においてはスプリットペアの検出ができないという課題を有している。
LANケーブルを用いた通信には、論理信号を実際の電気的な信号に変換するチップが用いられる。このようなチップは、PHYチップと呼ばれる。現在、クロストーク検出機能を有するPHYチップも存在する。しかし、すべてのPHYチップがクロストーク検出機能を有しているわけではない。このような状況の中、多くのPHYチップが有するより一般的な機能を用いてスプリットペアの検出が行われることが望まれる。
また、特許文献2に開示されているネットワーク接続装置およびネットワーク接続通知方法によれば、ユーザは、リンクアップまたはIPアドレスの設定など、通信に必要な設定については的確に把握することができる。しかし、仮に、使用しているLANケーブルがスプリットペアのLANケーブルであったとしても、それを検出する仕組みがない。
したがって、特許文献2に開示されている装置および方法では、ユーザは、スプリットペアのLANケーブルを使用していることが原因で正常な通信ができないことを簡単に認識することができない。
すなわち、スプリットペアのLANケーブルが用いられている場合、LANケーブルにツイストミスが存在するが、導線は電気的に正常につながっている。したがって、基本的に通信が可能である。しかし、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。そのため、ノイズが大きいときに通信ができない状態になる。したがって、ネットワークの知識に乏しいユーザが、通信不良の発生原因を把握することは困難である。
そこで、本発明は、通信ケーブルのわかり難い異常を簡潔に検出することができる通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態に係る通信装置は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置であって、前記通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部と、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部とを備える。
これにより、通信装置は、ノイズ等の影響によって発生した、複数の測定値間の差異を検出することができる。よって、通信装置は、通信ケーブルのわかり難い異常を簡潔に検出することがきる。したがって、通信ケーブルの異常に伴う通信トラブルが低減される。
また、前記通信装置は、さらに、前記インタフェース部を介して、パケットの送受信を行うパケット送受信部を備え、前記測定部は、前記パケット送受信部に備えられていてもよい。
これにより、通信装置は、パケット送受信部が有する測定機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎の長さを示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信装置は、ペア線の長さを測定する機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎に、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信装置は、反射を測定する機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線であるスプリットペアが前記通信ケーブルに含まれていることを示す前記異常情報を出力してもよい。
これにより、通信ケーブルの異常が、スプリットペアによる異常であるとして、検出される。複数の測定値が互いに異なる場合、通信ケーブルにスプリットペアが含まれている可能性が高い。したがって、より適切な異常情報が出力される。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値間の差異が、前記測定部の測定誤差の範囲内でない場合、前記異常情報を出力してもよい。
これにより、複数の測定値が略同一であるとみなされる範囲が適切に定められる。
また、前記測定部は、前記状態を示す値を複数回測定し、測定結果の平均値、中央値または最頻値をペア線毎に算出することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信ケーブルの異常が、より正確に検出される。
また、前記パケット送受信部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一である場合に、前記インタフェース部を介して、外部装置とのパケットの送受信を行ってもよい。
これにより、不安定な状態において、外部装置との通信が制限される。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最小値との差または比率が、所定の範囲内でない場合、前記異常情報を出力してもよい。
これにより、複数の測定値が略同一であるか否かが適切に判定される。
また、本発明の一形態に係るテレビジョン受像機は、ネットワークに接続可能なテレビジョン受像機であって、前記通信装置と、前記通信装置で受信した映像信号を表示する表示部とを備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができるテレビジョン受像機として実現される。
また、本発明の一形態に係る映像信号記録装置は、ネットワークに接続可能な映像信号記録装置であって、前記通信装置と、前記通信装置で受信した映像信号を記録媒体に書き込む書き込み部とを備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができる映像信号記録装置として実現される。
また、本発明の一形態に係る通信方法は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置が、前記通信ケーブルを用いて通信を行う通信方法であって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを含んでもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が通信方法として実現される。
また、本発明の一形態に係るプログラムは、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置に実行させるためのプログラムであって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを前記通信装置に実行させるためのプログラムであってもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信方法がプログラムとして実現される。
また、本発明の一形態に係る集積回路は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部とを備える通信装置に搭載するための集積回路であって、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部を備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が集積回路として実現される。
本発明により、通信ケーブルのわかり難い異常が検出される。したがって、通信ケーブルの異常に伴う通信トラブルが低減される。
図1は、実施の形態1に係るパケット通信装置を示す構成図である。 図2は、実施の形態1に係るペア線を示す概念図である。 図3は、実施の形態1に係るパケット通信装置の処理を示すフローチャートである。 図4Aは、実施の形態1に係る測定結果の第1の例を示す図である。 図4Bは、実施の形態1に係る測定結果の第2の例を示す図である。 図5Aは、実施の形態1に係る正常時の測定を示す概念図である。 図5Bは、実施の形態1に係る異常時の測定を示す概念図である。 図6Aは、実施の形態3に係る通信装置を示す構成図である。 図6Bは、実施の形態3に係る通信装置の処理を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置を示す概念図である。 図8Aは、正しい結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。 図8Bは、誤った結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパケット通信装置を示す構成図である。図1に示されたパケット通信装置100は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置の一例である。2本毎の芯線は、複数の芯線を含む通信ケーブルの端部における複数の芯線の配列により決定される。この2本毎の芯線の決定については、図2を用いて後述する。
パケット通信装置100は、IF部(インタフェース部)110、パケット送受信部120、ネットワーク異常検出部130および通信部140を備える。さらに、パケット送受信部120は、送信部121、受信部122およびペア長測定部123を備える。ネットワーク異常検出部130は、結線ミス検出部131および異常通知部132を備える。これらの構成要素は、専用のハードウェア回線、または、プロセッサに実行させるプログラムで実現される。
LANケーブル200は、両端に、コネクタ210およびコネクタ220を有する。すなわち、LANケーブル200は、LANケーブルの本体部と、2つのコネクタとで構成されている。IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続されている。パケット通信装置100は、このLANケーブル200を介して、外部装置(図示せず)との間でパケット通信を行う。なお、図8Aで示された正しい結線のLANケーブル500、または、図8Bで示された誤った結線のLANケーブル600が、図1に示されたLANケーブル200として用いられる場合がある。
IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続可能である。IF部110は、コネクタ210に接続するための複数のピンを有する。これらのピンの数は、コネクタ210が有するピンの数と同数であって、典型的には、8つである。
パケット送受信部120の送信部121は、通信部140から入力されたパケットを、IF部110を介して送信する。また、受信部122は、IF部110を介して受信したパケットを通信部140に出力する。また、ペア長測定部123は、ペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部の一例である。
実施の形態1では、ペア長測定部123は、LANケーブル200のペア線毎の長さ(以下、ペア長ともいう)の測定を行う。なお、ペア長を測定する機能(距離測定機能)は、多くのPHYチップが備えている機能である。
パケット送受信部120は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層に位置する物理的な接続を担う。すなわち、パケット送受信部120は、ネットワークの物理的な接続および伝送を規定するPHYを実装するユニットである。PHYでは、D/A変換が行われるため、ある程度のチップサイズが必要となる。そのため、共通のチップセットに内蔵されず、PHYのみが、外付けの単独のチップ(PHYチップ)として実装されることが多い。
ネットワーク異常検出部130の結線ミス検出部131は、取得された複数の測定値が略同一でない場合、通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部の一例である。
実施の形態1では、結線ミス検出部131は、IF部110に接続されているLANケーブル200が正常な結線のLANケーブルであるか、スプリットペアのLANケーブルであるかを判定する。そして、結線ミス検出部131は、LANケーブル200がスプリットペアのLANケーブルであると判定した場合、異常通知部132に対して異常が発生したことを通知する。
異常通知部132は、結線ミス検出部131からLANケーブル200に異常が発生したことの通知を受け取ると、ユーザに対して異常が発生したことを通知する。例えば、異常通知部132は、異常が発生したことを画像または音声として出力することにより、ユーザに対して異常が発生したことを通知する。
通信部140は、パケット送受信部120およびLANケーブル200を経由して、パケット通信を行う。
図2は、図1に示されたLANケーブル200の接続状態を示す概念図である。IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続可能である。より具体的には、IF部110の8つのピンと、コネクタ210の8つのピンとが接続可能である。
ここで、1番目のピンと2番目のピンとがペアAを構成する。また、3番目のピンと6番目のピンとがペアBを構成する。また、4番目のピンと5番目のピンとがペアCを構成する。また、7番目のピンと8番目のピンとがペアDを構成する。
そして、LANケーブル200における芯線のペアも、これらのピンの組み合わせにより、決定される。すなわち、芯線M1と芯線M2がペアAを構成する。また、芯線M3と芯線M6がペアBを構成する。また、芯線M4と芯線M5がペアCを構成する。また、芯線M7と芯線M8がペアDを構成する。
このように決定される芯線のペアをペア線と呼ぶ。すなわち、複数のペア線は、LANケーブル200の端部における複数の芯線の配列によって決定される2本毎の芯線で構成される。さらに言い換えれば、複数のペア線は、複数の芯線に接続される複数のピンの位置によって決定される2本毎の芯線で構成される。
パケット通信装置100は、このような複数のペア線の長さをペア線毎に測定し、LANケーブル200の異常を検出する。
次に、図3を用いて、図1に示されたパケット通信装置100の処理の流れについて説明する。なお、図3は、図1に示されたパケット通信装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
ここであらかじめ、実施の形態1における「略同一である」および「略同一でない」のそれぞれの意味について説明しておく。
実施の形態1における「略同一である」とは、LANケーブルにおける複数のペア線の長さの測定値の最大値と最小値との差が閾値(所定の値)よりも小さいことを意味する。また「略同一でない」とは、複数のペアの線の長さの最大値と最小値との差が閾値以上の大きさであることを意味する。
さらに、図4Aおよび図4Bに示された測定結果の具体例を用いて、「略同一である」および「略同一でない」の意味を説明する。図4Aおよび図4Bは、LANケーブルのペア線毎の長さの測定結果の一例を示す図である。ここでは、閾値が1.0mであることを前提とする。
例えば、ペア線毎の長さの測定値が図4Aに示された測定結果である場合、最大値(3.2m)と最小値(2.8m)の差が0.4mである。この場合、差(0.4m)は閾値(1.0m)よりも小さい値であるため、ペア線毎の長さの測定値は「略同一である」とみなされる。
一方、ペア線毎の長さの測定値が図4Bに示された測定結果である場合、最大値(3.0m)と最小値(1.5m)の差が1.5mである。この場合、差(1.5m)は閾値(1.0m)以上の大きさであるため、ペア線毎の長さの測定値は「略同一でない」とみなされる。
LANケーブルにおけるペア線毎の長さは、物理的には、LANケーブルとほぼ同じ長さである。そのため、同じ測定方法を用いて、ペア線毎の長さを測定すれば、ほぼ同じ測定値になるはずである。しかし、スプリットペアのLANケーブルは、ノイズに弱いといった特性を有する。そのため、ペア線毎の長さの測定値が実際の長さとは異なる。したがって、ペア線毎の長さの測定値が略同一でない場合、LANケーブルにはスプリットペアが含まれていることが想定される。
PHYチップの有するペア線毎の距離測定機能には、例えば、Time Domain Reflectometers(以下、TDRと称す)と呼ばれる方式がある。このTDRは、LANケーブルに対して、入射波を送信し、その反射波を受信するまでの時間からペア線の長さを測定するものである。
図5Aおよび図5Bを用いて、さらに詳細に、ペア線の長さの測定を説明する。図5Aは、正常なペア線の測定を示す概念図である。図5Bは、異常なペア線の測定を示す概念図である。
図5Aに示されたペア線230は、縒り合わせられており、ノイズの影響を受けにくい。ペア線230の一方の端部から送信された入射波は、ノイズの影響を受けないで、他方の端部に到達する。そして、他方の端部に到達した入射波は、反射波となり、戻ってくる。このように、ノイズの影響がない場合、入射波の送信から反射波の受信までの時間から、ペア線230の正しい長さを示す測定値が得られる。
しかし、図5Bに示されたペア線240は、縒り合わせられておらず、ノイズの影響を受けやすい。ペア線240の一方の端部から送信された入射波は、ノイズの影響を受け、他方の端部に到達することなく、反射波となり、戻ってくる。このように、ノイズの影響がある場合、入射波の送信から反射波の受信までの時間から、ペア線240の正しい長さを示す測定値が得られない。ペア線240では、通常、入射波の送信から反射波の受信までの時間が短くなる。そして、ペア線240の長さの測定値は、本来の長さより短い値を示す。
上述の前提に基づいて、図3に示された処理の流れについて説明する。まず、パケット送受信部120のペア長測定部123は、LANケーブル200におけるペア線毎の長さを所定の測定方法を用いて測定する(S201)。ネットワーク異常検出部130の結線ミス検出部131は、閾値に基づいて、ペア線毎の長さの測定値が略同一であるか否かを判定する(S202)。
図4Aに示す測定結果の一例では、測定結果の最大値が3.2mであり、測定結果の最小値が2.8mである。そして、その差は、0.4mである。
ペア線毎の長さの測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が1.0mである場合、かつ、図4Aに示された測定結果が得られた場合、最大値と最小値との差(0.4m)が閾値(1.0m)よりも小さい。したがって、ペア線毎の長さの測定値は、略同一であるとみなされる。すなわち、結線ミス検出部131は、LANケーブル200が正常な結線のLANケーブルであると判定する。なお、このような閾値は、事前の実験などから決定される。
測定処理(S201)で測定したペア線毎の長さの測定値が略同一である場合(S202でYes)、結線ミス検出部131は、LANケーブルには結線ミスがないと判定する(S203)。そして、パケット通信装置100は、処理を終了する。
一方、測定処理(S201)で測定したペア線毎の長さの測定値が略同一でない場合(S202でNo)、結線ミス検出部131は、LANケーブルには結線ミスがあると判定する(S204)。そして、パケット通信装置100は、処理を終了する。
なお、図4Bに示す測定結果では、測定結果の最大値が3.0mであり、測定結果の最小値が1.5mである。そして、その差は、1.5mである。したがって、最大値と最小値との差(1.5m)が閾値(1.0m)以上である。よって、ペア線毎の長さの測定値は、略同一でないとみなされる。すなわち、結線ミス検出部131は、LANケーブル200が異常な結線(スプリットペア)のLANケーブルであると判定する。
パケット通信装置100は、以上のような処理により、クロストーク検出機能がないPHYチップであっても、多くのPHYチップが一般的に備えている機能である距離測定機能を用いてスプリットペアを検出することができる。したがって、パケット通信装置100は、LANケーブルのスプリットペアに起因する異常を自動的に検出して、ユーザに通知することができる。これにより、パケット通信装置100は、ネットワーク接続に関するトラブルを減少させることができる。
なお、実施の形態1では、パケットの通信を行うパケット通信装置100が示されたが、パケットの通信に限らず、データの通信を行う通信装置に、スプリットペアの検出方法が適用されてもよい。
また、実施の形態1では、4つのペア線を有するLANケーブル200の異常が検出されたが、ペア線の数は、4つに限らず、2つでもよいし、3つでもよいし、5つ以上でもよい。
また、結線ミス検出部131は、測定値が略同一でないことを、スプリットペアとして検出したが、通信ケーブルの異常として検出してもよい。測定値が略同一でない原因は、スプリットペアである可能性が高いが、その他の通信ケーブルの異常である可能性もある。したがって、結線ミス検出部131は、異常の原因をスプリットペアに限定しなくてもよい。
また、ペア長測定部123は、ペア線の長さを測定したが、入射波の送信から反射波の受信までの時間を測定してもよい。あるいは、ペア長測定部123は、その他のペア線の状態を示す値を測定してもよい。そして、結線ミス検出部131は、ペア長測定部123によって測定された値が略同一であるか否かを判定することにより、結線ミスを検出する。
また、パケット送受信部120は、測定値が略同一である場合のみ、IF部110およびLANケーブル200を介して、外部装置とのパケットの送受信を行ってもよい。これにより、不安定な通信が制限され、通信トラブルが抑制される。
また、実施の形態1では、複数の測定値の最大値と最小値との差が閾値よりも小さい場合に、複数の測定値が略同一であると判定された。しかし、複数の測定値が略同一であるか否かは、このような判定方法に限られず、複数の測定値間の差異が所定の範囲内であるか否かによって判定されてもよい。例えば、複数の測定値の最大値と最小値との比が所定の範囲内である場合に、複数の測定値が略同一であると判定されてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1に係るパケット通信装置100は、スプリットペアを検出するための閾値、すなわち、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値に、事前の実験などから得られた値を用いている。このような閾値は、ペア長測定部123がペア長を測定する時に生じる測定誤差から決定される。結線ミス検出部131は、複数の測定値間の差異が測定誤差の範囲内でない場合、複数の測定値が略同一でないと判定し、異常情報を出力する。
測定誤差とは、ペア線の物理的な長さと、ペア長測定部123が所定の測定方法を用いてペア線の長さを測定した測定値との差を意味する。LANケーブル200の結線が正常であっても、ペア長の測定において、測定誤差が発生する。また、このような測定誤差は、ペア長測定部123の性能にも依存する。
しかし、1回の測定による測定値よりも、複数回の測定による測定値の平均値の方が、ペア線の物理的な長さに近くなることが期待される。すなわち、複数回の測定により、一時的な異常値の影響が小さくなるため、測定誤差は小さくなることが期待される。実施の形態2に係るパケット通信装置は、このような特性を利用して、スプリットペアを検出する精度を向上させる。
なお、実施の形態2に係るパケット通信装置は、図1に示された実施の形態1に係るパケット通信装置100と同様である。したがって、以下、同じ符号を用いて、ここでは説明を省略する。
また、実施の形態2に係るパケット通信装置100の処理の流れについても、図3に示された実施の形態1に係る処理の流れと同じであるので、ここでは説明を省略する。
実施の形態2において、測定値が略同一であるか否かを判定するための閾値は、複数回の測定の平均値による測定誤差に基づいて決定される。複数回の測定の平均値による測定誤差は小さくなるため、複数回の測定を前提とする閾値は、1回の測定を前提とする閾値よりも、小さい。
1回の測定を前提とする測定誤差が±1.0mである場合、測定誤差の範囲は2.0mである。例えば、実施の形態1では、この測定誤差の範囲(2.0m)がLANケーブル200のスプリットペアを検出するための閾値、すなわち、略同一であるか否かの判定に用いられる閾値である。
実施の形態1に係るパケット通信装置100は、この閾値(2.0m)を用いて、図4Bに示された測定結果から、測定値が略同一であるか否かを判定する。図4Bに示された測定結果の最大値と最小値との差は、1.5mである。そのため、閾値が2.0mである場合、ペア線毎の測定値は略同一とみなされる。
したがって、LANケーブル200は、スプリットペアがない正常な結線であると誤って判定される可能性があった。つまり、この場合、測定誤差の範囲が2.0mであるため、LANケーブル200が、スプリットペアであるにもかかわらず、スプリットペアでないと判定される可能性があった。
そこで、実施の形態2に係るパケット通信装置100は、1回の測定による測定誤差である±1.0mではなく、例えば、10回の測定による測定誤差である±0.5mを閾値に用いる。すなわち、ここでは、10回の測定の平均値による測定誤差が±0.5mであると仮定される。この場合、測定誤差の範囲は1.0mとなる。つまり、測定回数が10回に増えることによって、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が1.0mに短縮される。
そして、実施の形態2に係るペア長測定部123は、ペア長を10回測定し、測定結果の平均値をペア線毎に算出する。スプリットペアのLANケーブル200では、ペア長が複数回測定された場合でも、ノイズの影響により、測定誤差は小さくなりにくい。したがって、ペア線毎に算出された平均値と、短縮された閾値との比較によって、より高い精度でスプリットペアが検出される。
なお、上述の通り、ペア長の測定値のばらつき特性に基づいて、測定誤差の決定には、正しい結線のLANケーブルを複数回測定した測定結果の平均値が用いられてもよい。あるいは、そのような測定結果の最頻値または中央値が用いられても良い。
このように決定された測定誤差が用いられる場合、ペア長測定部123は、ペア長を複数回測定し、ペア線毎に、平均値、最頻値または中央値を算出する。そして、結線ミス検出部131は、算出された平均値、最頻値または中央値が、決定された測定誤差の範囲であるか否かを判定することにより、スプリットペアを検出する。
また、通信ケーブルの種類のように、測定誤差に影響を与えるパラメータが設定された場合には、測定誤差の設定値を変更し、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値を変更してもよい。また、通常のパケット通信中の時には、ペア長の測定精度が悪くなる可能性がある。そのため、パケット通信装置100は、パケット通信中でないときに、ペア長を測定し、スプリットペアのチェックを行うようにしてもよい。
以上のように、実施の形態2では、ペア長の測定回数に基づく測定誤差を用いて、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が設定される。また、測定誤差の値が十分な精度でない場合には、測定回数を増やすことにより、スプリットペアの検出精度が高められる。
なお、実施の形態2では、測定回数に基づいて閾値が設定された。しかし、測定回数によらず、閾値は固定値であってもよい。すなわち、閾値が固定値である場合でも、ペア長測定部123は、ペア線毎の長さまたは状態を示す値を複数回測定してもよい。
この場合、ペア長測定部123は、測定結果の平均値、中央値または最頻値をペア線毎に算出することにより、複数の測定値を取得する。結線ミス検出部131は、取得された複数の測定値の最大値と最小値との差が、固定値である閾値以上であるか否かを判定することにより、通信ケーブルの異常を検出する。これにより、一時的な異常値によって、誤って、通信ケーブルの異常が検出されることが抑制される。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る通信装置は、実施の形態1または実施の形態2に係るパケット通信装置100の特徴的な構成要素を備える。
図6Aは、実施の形態3に係る通信装置を示す構成図である。図6Aに示された通信装置300は、IF部(インタフェース部)310、測定部320および異常情報出力部330を備える。IF部310は、図1に示された実施の形態1に係るIF部110と同様の機能を備える。測定部320は、図1に示された実施の形態1に係るペア長測定部123と同様の機能を備える。異常情報出力部330は、図1に示された実施の形態1に係る結線ミス検出部131と同様の機能を備える。
IF部310は、図1に示された実施の形態1に係るIF部110と同様に、LANケーブル200等の通信ケーブルに接続可能である。通信ケーブルは、実施の形態1と同様に、複数のペア線を含む。例えば、通信ケーブルの端部にはコネクタが存在し、そのコネクタのピン配に基づいて、2本毎の芯線が決定される。
測定部320は、複数のペア線のそれぞれの状態を示す値を測定する。すなわち、測定部320は、通信ケーブルの状態を示す値をペア線毎に測定する。これにより、測定部320は、複数の測定値を取得する。測定部320は、ペア線毎の長さを測定してもよいし、ペア線毎に、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を測定してもよい。あるいは、測定部320は、その他の状態を示す値であって、正常な結線では略同一であることが期待される値を測定してもよい。
異常情報出力部330は、測定部320で取得された複数の測定値が略同一でない場合、通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する。例えば、異常情報出力部330は、複数の測定値間の差異が予め定められた範囲内でない場合、異常情報を出力する。また、この時、異常情報出力部330は、実施の形態1に示された異常通知部132に異常情報を出力してもよい。
図6Bは、図6Aに示された通信装置300の処理を示すフローチャートである。まず、測定部320は、IF部310に接続された通信ケーブルに含まれる複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定する(S301)。これにより、測定部320は、複数の測定値を取得する。次に、測定部320で取得された複数の測定値が略同一でない場合、異常情報出力部330は、異常情報を出力する。例えば、複数の測定値間の差異が予め定められた範囲内でない場合、異常情報出力部330は、異常情報を出力する(S302)。
これにより、通信装置300は、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置は、上記複数の実施の形態で示されたパケット通信装置100または通信装置300が組み込まれている。図7は、実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置を示す概念図である。
図7に示されたテレビジョン受像機350は、ネットワークに接続可能なテレビジョン受像機であって、通信装置351および表示部352を備える。通信装置351は、実施の形態1、2に示されたパケット通信装置100、または、実施の形態3に示された通信装置300である。通信装置351は、通信ケーブルを介して、映像信号を受信する。表示部352は、通信装置351が受信した映像信号を映像として表示する。
テレビジョン受像機350は、このような構成を備えることにより、IP(Internet Protocol)放送などで送信された映像信号を受信し、受信した映像信号を映像として表示部352に表示することができる。また、テレビジョン受像機350は、通信装置351によって出力された異常情報を表示部352に表示してもよい。
図7に示された映像信号記録装置360は、ネットワークに接続可能な映像信号記録装置であって、通信装置361および書き込み部362を備える。映像信号記録装置360は、典型的には、ビデオレコーダである。通信装置361は、実施の形態1、2に示されたパケット通信装置100、または、実施の形態3に示された通信装置300である。通信装置361は、通信ケーブルを介して、映像信号を受信する。書き込み部362は、通信装置361が受信した映像信号を記録媒体363に書き込む。
記録媒体363は、映像信号記録装置360に内蔵されたハードディスクであってもよいし、映像信号記録装置360から取り外し可能なBD(Blu−ray Disc)であってもよい。
映像信号記録装置360は、このような構成を備えることにより、IP放送などで送信された映像信号を受信し、受信した映像信号を記録媒体363に書き込むことができる。
以上、本発明に係る通信装置について、複数の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。これらの実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、これらの実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
例えば、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、本発明は、通信装置として実現できるだけでなく、通信装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現できる。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして、あるいは、通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
また、通信装置に含まれる複数の構成要素は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。例えば、異常情報出力部330のみが、通信装置に搭載するためのLSIとして実装されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、通信装置に含まれる構成要素の集積回路化を行ってもよい。
本発明は、主に、通信ケーブルを用いて通信を行うテレビジョン受像機等の家電製品に適用可能であるが、通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に広く適用可能である。
100、400 パケット通信装置
110、310、410 IF部(インタフェース部)
120、420 パケット送受信部
121、421 送信部
122、422 受信部
123 ペア長測定部
130 ネットワーク異常検出部
131 結線ミス検出部
132 異常通知部
140、440 通信部
200、500、600 LANケーブル
210、220、510、520、610、620 コネクタ
230、240 ペア線
300、351、361 通信装置
320 測定部
330 異常情報出力部
350 テレビジョン受像機
352 表示部
360 映像信号記録装置
362 書き込み部
363 記録媒体
本発明は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に関する。
現在のインターネットおよびローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)では、ツイストペアケーブル(TPケーブルとも呼ばれる)を用いることが一般化している。ツイストペアケーブルは、絶縁被覆された2本の芯線を互いに縒り合せた対(ツイストペア)を、多数束ねて収めることにより構成された通信ケーブルの例である。
ツイストペアケーブルは、平行型の導線に比べてノイズの影響を受けにくく、また、安定したインピーダンスが得られる。ツイストペアケーブルは、さらに、他の導線に流れる信号が作る電磁誘導によって引き起こされる「漏話」(クロストーク)を抑える効果も有している。
このようなツイストペアケーブルの利点を生かすためには、各芯線と、各芯線に対応するコネクタとが正確に連結している必要がある。しかし、ユーザまたは施工業者が、RJ45(ISDNまたは10BASE−Tに利用される8線式のモジュラージャック)コネクタを利用するEthernet(登録商標)のツイストペアケーブル(以下、LANケーブルと称す)を間違った結線(配線)で作成してしまう場合がある。具体的には、ユーザまたは施工業者が、図8Aに示すような正確な結線のLANケーブル500ではなく、図8Bに示すようなスプリットペアのLANケーブル600を作成してしまう場合がある。
ここで、スプリットペアとは、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線のことである。このようなツイストミスがLANケーブルに含まれている場合、導線は電気的に正常につながっているので基本的に通信可能であるが、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。
図8Aは、正しい結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。図8Bは、誤った結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。なお、ここでは、各芯線が電気的につながっている状態であって、かつ、各芯線が正しく配置されている状態を正しい(正常な)結線という。逆に、誤った(異常な)結線には、各芯線が電気的につながっていない状態だけでなく、各芯線が正しく配置されていない状態が含まれる。
図8Aおよび図8Bに示された従来のパケット通信装置400は、IF部(インタフェース部)410、パケット送受信部420および通信部440を備える。さらに、パケット送受信部420は、送信部421および受信部422を備える。
LANケーブル500は、その両端に、コネクタ510およびコネクタ520を有する。すなわち、LANケーブル500は、LANケーブルの本体部と、2つのコネクタとで構成されている。IF部410は、LANケーブル500のコネクタ510に接続されている。パケット通信装置400は、このLANケーブル500を介して、外部装置(図示せず)との間でパケット通信を行う。
図8Aに示すように、ペアAは、ツイストペアになっている芯線L1および芯線L2に接続されている。また、ペアBは、ツイストペアになっている芯線L3および芯線L6に接続されている。このように、ペアA、ペアB、ペアCおよびペアDの全てのペアがツイストペアになっている。したがって、LANケーブル500は、正常な結線である。
一方、図8Bに示すように、ペアAは、ツイストペアになっている芯線N1および芯線N2に接続されている。また、ペアDは、ツイストペアになっている芯線N7および芯線N8に接続されている。よって、ペアAおよびペアDは、それぞれツイストペアになっている。
しかし、ペアBは、ツイストペアになっていない芯線N3および芯線N6に接続されている。また、ペアCも、ツイストペアになっていない芯線N4および芯線N5に接続されている。よって、ペアBおよびペアCは、それぞれツイストペアになっていない。すなわち、全てのペアがツイストペアにはなっていない。したがって、LANケーブル600は、正常な結線とは異なるスプリットペアのLANケーブルである。
このような結線ミスは、ユーザまたは施工業者が、ツイストペアである2本の芯線をコネクタ610およびコネクタ620における隣り合わせたピンに接続したらよいといった判断ミスを犯すことにより発生することが多い。
このLANケーブル600のように、正常な結線になっていないスプリットペアのLANケーブルは、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。そして、ノイズが大きいときには通信不良が発生するため、このようなLANケーブルを使用しないようにすることが強く望まれる。
そのためには、通信に用いられるLANケーブルが正常な結線になっているか否かの判定が必要である。特許文献1には、クロストーク検出機能を用いて、ツイストペアケーブルの接続関係を判定する方法、すなわち、スプリットペアを検出する方法と、その装置が開示されている。
また、特許文献2には、専門知識の乏しいユーザにとっても、ネットワークの接続時に必要なリンクアップ等の情報を的確に得ることができるネットワーク接続装置およびネットワーク接続通知方法が開示されている。
特開2002−078130号公報 特開2009−111800号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている検出方法は、クロストーク検出機能を活用している。したがって、この検出方法は、クロストーク検出機能を備えていない通信装置においてはスプリットペアの検出ができないという課題を有している。
LANケーブルを用いた通信には、論理信号を実際の電気的な信号に変換するチップが用いられる。このようなチップは、PHYチップと呼ばれる。現在、クロストーク検出機能を有するPHYチップも存在する。しかし、すべてのPHYチップがクロストーク検出機能を有しているわけではない。このような状況の中、多くのPHYチップが有するより一般的な機能を用いてスプリットペアの検出が行われることが望まれる。
また、特許文献2に開示されているネットワーク接続装置およびネットワーク接続通知方法によれば、ユーザは、リンクアップまたはIPアドレスの設定など、通信に必要な設定については的確に把握することができる。しかし、仮に、使用しているLANケーブルがスプリットペアのLANケーブルであったとしても、それを検出する仕組みがない。
したがって、特許文献2に開示されている装置および方法では、ユーザは、スプリットペアのLANケーブルを使用していることが原因で正常な通信ができないことを簡単に認識することができない。
すなわち、スプリットペアのLANケーブルが用いられている場合、LANケーブルにツイストミスが存在するが、導線は電気的に正常につながっている。したがって、基本的に通信が可能である。しかし、ツイストによるノイズ軽減の効果が得られない。そのため、ノイズが大きいときに通信ができない状態になる。したがって、ネットワークの知識に乏しいユーザが、通信不良の発生原因を把握することは困難である。
そこで、本発明は、通信ケーブルのわかり難い異常を簡潔に検出することができる通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態に係る通信装置は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置であって、前記通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部と、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部とを備える。
これにより、通信装置は、ノイズ等の影響によって発生した、複数の測定値間の差異を検出することができる。よって、通信装置は、通信ケーブルのわかり難い異常を簡潔に検出することがきる。したがって、通信ケーブルの異常に伴う通信トラブルが低減される。
また、前記通信装置は、さらに、前記インタフェース部を介して、パケットの送受信を行うパケット送受信部を備え、前記測定部は、前記パケット送受信部に備えられていてもよい。
これにより、通信装置は、パケット送受信部が有する測定機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎の長さを示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信装置は、ペア線の長さを測定する機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎に、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信装置は、反射を測定する機能を用いて、通信ケーブルの異常を検出することができる。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線であるスプリットペアが前記通信ケーブルに含まれていることを示す前記異常情報を出力してもよい。
これにより、通信ケーブルの異常が、スプリットペアによる異常であるとして、検出される。複数の測定値が互いに異なる場合、通信ケーブルにスプリットペアが含まれている可能性が高い。したがって、より適切な異常情報が出力される。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値間の差異が、前記測定部の測定誤差の範囲内でない場合、前記異常情報を出力してもよい。
これにより、複数の測定値が略同一であるとみなされる範囲が適切に定められる。
また、前記測定部は、前記状態を示す値を複数回測定し、測定結果の平均値、中央値または最頻値をペア線毎に算出することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
これにより、通信ケーブルの異常が、より正確に検出される。
また、前記パケット送受信部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一である場合に、前記インタフェース部を介して、外部装置とのパケットの送受信を行ってもよい。
これにより、不安定な状態において、外部装置との通信が制限される。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最小値との差または比率が、所定の範囲内でない場合、前記異常情報を出力してもよい。
これにより、複数の測定値が略同一であるか否かが適切に判定される。
また、本発明の一形態に係るテレビジョン受像機は、ネットワークに接続可能なテレビジョン受像機であって、前記通信装置と、前記通信装置で受信した映像信号を表示する表示部とを備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができるテレビジョン受像機として実現される。
また、本発明の一形態に係る映像信号記録装置は、ネットワークに接続可能な映像信号記録装置であって、前記通信装置と、前記通信装置で受信した映像信号を記録媒体に書き込む書き込み部とを備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができる映像信号記録装置として実現される。
また、本発明の一形態に係る通信方法は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置が、前記通信ケーブルを用いて通信を行う通信方法であって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを含んでもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が通信方法として実現される。
また、本発明の一形態に係るプログラムは、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置に実行させるためのプログラムであって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを前記通信装置に実行させるためのプログラムであってもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信方法がプログラムとして実現される。
また、本発明の一形態に係る集積回路は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部とを備える通信装置に搭載するための集積回路であって、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部を備えてもよい。
これにより、本発明の一形態に係る通信装置が集積回路として実現される。
本発明により、通信ケーブルのわかり難い異常が検出される。したがって、通信ケーブルの異常に伴う通信トラブルが低減される。
図1は、実施の形態1に係るパケット通信装置を示す構成図である。 図2は、実施の形態1に係るペア線を示す概念図である。 図3は、実施の形態1に係るパケット通信装置の処理を示すフローチャートである。 図4Aは、実施の形態1に係る測定結果の第1の例を示す図である。 図4Bは、実施の形態1に係る測定結果の第2の例を示す図である。 図5Aは、実施の形態1に係る正常時の測定を示す概念図である。 図5Bは、実施の形態1に係る異常時の測定を示す概念図である。 図6Aは、実施の形態3に係る通信装置を示す構成図である。 図6Bは、実施の形態3に係る通信装置の処理を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置を示す概念図である。 図8Aは、正しい結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。 図8Bは、誤った結線のLANケーブルが接続された従来のパケット通信装置を示す構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパケット通信装置を示す構成図である。図1に示されたパケット通信装置100は、2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置の一例である。2本毎の芯線は、複数の芯線を含む通信ケーブルの端部における複数の芯線の配列により決定される。この2本毎の芯線の決定については、図2を用いて後述する。
パケット通信装置100は、IF部(インタフェース部)110、パケット送受信部120、ネットワーク異常検出部130および通信部140を備える。さらに、パケット送受信部120は、送信部121、受信部122およびペア長測定部123を備える。ネットワーク異常検出部130は、結線ミス検出部131および異常通知部132を備える。これらの構成要素は、専用のハードウェア回線、または、プロセッサに実行させるプログラムで実現される。
LANケーブル200は、両端に、コネクタ210およびコネクタ220を有する。すなわち、LANケーブル200は、LANケーブルの本体部と、2つのコネクタとで構成されている。IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続されている。パケット通信装置100は、このLANケーブル200を介して、外部装置(図示せず)との間でパケット通信を行う。なお、図8Aで示された正しい結線のLANケーブル500、または、図8Bで示された誤った結線のLANケーブル600が、図1に示されたLANケーブル200として用いられる場合がある。
IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続可能である。IF部110は、コネクタ210に接続するための複数のピンを有する。これらのピンの数は、コネクタ210が有するピンの数と同数であって、典型的には、8つである。
パケット送受信部120の送信部121は、通信部140から入力されたパケットを、IF部110を介して送信する。また、受信部122は、IF部110を介して受信したパケットを通信部140に出力する。また、ペア長測定部123は、ペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部の一例である。
実施の形態1では、ペア長測定部123は、LANケーブル200のペア線毎の長さ(以下、ペア長ともいう)の測定を行う。なお、ペア長を測定する機能(距離測定機能)は、多くのPHYチップが備えている機能である。
パケット送受信部120は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層に位置する物理的な接続を担う。すなわち、パケット送受信部120は、ネットワークの物理的な接続および伝送を規定するPHYを実装するユニットである。PHYでは、D/A変換が行われるため、ある程度のチップサイズが必要となる。そのため、共通のチップセットに内蔵されず、PHYのみが、外付けの単独のチップ(PHYチップ)として実装されることが多い。
ネットワーク異常検出部130の結線ミス検出部131は、取得された複数の測定値が略同一でない場合、通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部の一例である。
実施の形態1では、結線ミス検出部131は、IF部110に接続されているLANケーブル200が正常な結線のLANケーブルであるか、スプリットペアのLANケーブルであるかを判定する。そして、結線ミス検出部131は、LANケーブル200がスプリットペアのLANケーブルであると判定した場合、異常通知部132に対して異常が発生したことを通知する。
異常通知部132は、結線ミス検出部131からLANケーブル200に異常が発生したことの通知を受け取ると、ユーザに対して異常が発生したことを通知する。例えば、異常通知部132は、異常が発生したことを画像または音声として出力することにより、ユーザに対して異常が発生したことを通知する。
通信部140は、パケット送受信部120およびLANケーブル200を経由して、パケット通信を行う。
図2は、図1に示されたLANケーブル200の接続状態を示す概念図である。IF部110は、LANケーブル200のコネクタ210に接続可能である。より具体的には、IF部110の8つのピンと、コネクタ210の8つのピンとが接続可能である。
ここで、1番目のピンと2番目のピンとがペアAを構成する。また、3番目のピンと6番目のピンとがペアBを構成する。また、4番目のピンと5番目のピンとがペアCを構成する。また、7番目のピンと8番目のピンとがペアDを構成する。
そして、LANケーブル200における芯線のペアも、これらのピンの組み合わせにより、決定される。すなわち、芯線M1と芯線M2がペアAを構成する。また、芯線M3と芯線M6がペアBを構成する。また、芯線M4と芯線M5がペアCを構成する。また、芯線M7と芯線M8がペアDを構成する。
このように決定される芯線のペアをペア線と呼ぶ。すなわち、複数のペア線は、LANケーブル200の端部における複数の芯線の配列によって決定される2本毎の芯線で構成される。さらに言い換えれば、複数のペア線は、複数の芯線に接続される複数のピンの位置によって決定される2本毎の芯線で構成される。
パケット通信装置100は、このような複数のペア線の長さをペア線毎に測定し、LANケーブル200の異常を検出する。
次に、図3を用いて、図1に示されたパケット通信装置100の処理の流れについて説明する。なお、図3は、図1に示されたパケット通信装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
ここであらかじめ、実施の形態1における「略同一である」および「略同一でない」のそれぞれの意味について説明しておく。
実施の形態1における「略同一である」とは、LANケーブルにおける複数のペア線の長さの測定値の最大値と最小値との差が閾値(所定の値)よりも小さいことを意味する。また「略同一でない」とは、複数のペアの線の長さの最大値と最小値との差が閾値以上の大きさであることを意味する。
さらに、図4Aおよび図4Bに示された測定結果の具体例を用いて、「略同一である」および「略同一でない」の意味を説明する。図4Aおよび図4Bは、LANケーブルのペア線毎の長さの測定結果の一例を示す図である。ここでは、閾値が1.0mであることを前提とする。
例えば、ペア線毎の長さの測定値が図4Aに示された測定結果である場合、最大値(3.2m)と最小値(2.8m)の差が0.4mである。この場合、差(0.4m)は閾値(1.0m)よりも小さい値であるため、ペア線毎の長さの測定値は「略同一である」とみなされる。
一方、ペア線毎の長さの測定値が図4Bに示された測定結果である場合、最大値(3.0m)と最小値(1.5m)の差が1.5mである。この場合、差(1.5m)は閾値(1.0m)以上の大きさであるため、ペア線毎の長さの測定値は「略同一でない」とみなされる。
LANケーブルにおけるペア線毎の長さは、物理的には、LANケーブルとほぼ同じ長さである。そのため、同じ測定方法を用いて、ペア線毎の長さを測定すれば、ほぼ同じ測定値になるはずである。しかし、スプリットペアのLANケーブルは、ノイズに弱いといった特性を有する。そのため、ペア線毎の長さの測定値が実際の長さとは異なる。したがって、ペア線毎の長さの測定値が略同一でない場合、LANケーブルにはスプリットペアが含まれていることが想定される。
PHYチップの有するペア線毎の距離測定機能には、例えば、Time Domain Reflectometers(以下、TDRと称す)と呼ばれる方式がある。このTDRは、LANケーブルに対して、入射波を送信し、その反射波を受信するまでの時間からペア線の長さを測定するものである。
図5Aおよび図5Bを用いて、さらに詳細に、ペア線の長さの測定を説明する。図5Aは、正常なペア線の測定を示す概念図である。図5Bは、異常なペア線の測定を示す概念図である。
図5Aに示されたペア線230は、縒り合わせられており、ノイズの影響を受けにくい。ペア線230の一方の端部から送信された入射波は、ノイズの影響を受けないで、他方の端部に到達する。そして、他方の端部に到達した入射波は、反射波となり、戻ってくる。このように、ノイズの影響がない場合、入射波の送信から反射波の受信までの時間から、ペア線230の正しい長さを示す測定値が得られる。
しかし、図5Bに示されたペア線240は、縒り合わせられておらず、ノイズの影響を受けやすい。ペア線240の一方の端部から送信された入射波は、ノイズの影響を受け、他方の端部に到達することなく、反射波となり、戻ってくる。このように、ノイズの影響がある場合、入射波の送信から反射波の受信までの時間から、ペア線240の正しい長さを示す測定値が得られない。ペア線240では、通常、入射波の送信から反射波の受信までの時間が短くなる。そして、ペア線240の長さの測定値は、本来の長さより短い値を示す。
上述の前提に基づいて、図3に示された処理の流れについて説明する。まず、パケット送受信部120のペア長測定部123は、LANケーブル200におけるペア線毎の長さを所定の測定方法を用いて測定する(S201)。ネットワーク異常検出部130の結線ミス検出部131は、閾値に基づいて、ペア線毎の長さの測定値が略同一であるか否かを判定する(S202)。
図4Aに示す測定結果の一例では、測定結果の最大値が3.2mであり、測定結果の最小値が2.8mである。そして、その差は、0.4mである。
ペア線毎の長さの測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が1.0mである場合、かつ、図4Aに示された測定結果が得られた場合、最大値と最小値との差(0.4m)が閾値(1.0m)よりも小さい。したがって、ペア線毎の長さの測定値は、略同一であるとみなされる。すなわち、結線ミス検出部131は、LANケーブル200が正常な結線のLANケーブルであると判定する。なお、このような閾値は、事前の実験などから決定される。
測定処理(S201)で測定したペア線毎の長さの測定値が略同一である場合(S202でYes)、結線ミス検出部131は、LANケーブルには結線ミスがないと判定する(S203)。そして、パケット通信装置100は、処理を終了する。
一方、測定処理(S201)で測定したペア線毎の長さの測定値が略同一でない場合(S202でNo)、結線ミス検出部131は、LANケーブルには結線ミスがあると判定する(S204)。そして、パケット通信装置100は、処理を終了する。
なお、図4Bに示す測定結果では、測定結果の最大値が3.0mであり、測定結果の最小値が1.5mである。そして、その差は、1.5mである。したがって、最大値と最小値との差(1.5m)が閾値(1.0m)以上である。よって、ペア線毎の長さの測定値は、略同一でないとみなされる。すなわち、結線ミス検出部131は、LANケーブル200が異常な結線(スプリットペア)のLANケーブルであると判定する。
パケット通信装置100は、以上のような処理により、クロストーク検出機能がないPHYチップであっても、多くのPHYチップが一般的に備えている機能である距離測定機能を用いてスプリットペアを検出することができる。したがって、パケット通信装置100は、LANケーブルのスプリットペアに起因する異常を自動的に検出して、ユーザに通知することができる。これにより、パケット通信装置100は、ネットワーク接続に関するトラブルを減少させることができる。
なお、実施の形態1では、パケットの通信を行うパケット通信装置100が示されたが、パケットの通信に限らず、データの通信を行う通信装置に、スプリットペアの検出方法が適用されてもよい。
また、実施の形態1では、4つのペア線を有するLANケーブル200の異常が検出されたが、ペア線の数は、4つに限らず、2つでもよいし、3つでもよいし、5つ以上でもよい。
また、結線ミス検出部131は、測定値が略同一でないことを、スプリットペアとして検出したが、通信ケーブルの異常として検出してもよい。測定値が略同一でない原因は、スプリットペアである可能性が高いが、その他の通信ケーブルの異常である可能性もある。したがって、結線ミス検出部131は、異常の原因をスプリットペアに限定しなくてもよい。
また、ペア長測定部123は、ペア線の長さを測定したが、入射波の送信から反射波の受信までの時間を測定してもよい。あるいは、ペア長測定部123は、その他のペア線の状態を示す値を測定してもよい。そして、結線ミス検出部131は、ペア長測定部123によって測定された値が略同一であるか否かを判定することにより、結線ミスを検出する。
また、パケット送受信部120は、測定値が略同一である場合のみ、IF部110およびLANケーブル200を介して、外部装置とのパケットの送受信を行ってもよい。これにより、不安定な通信が制限され、通信トラブルが抑制される。
また、実施の形態1では、複数の測定値の最大値と最小値との差が閾値よりも小さい場合に、複数の測定値が略同一であると判定された。しかし、複数の測定値が略同一であるか否かは、このような判定方法に限られず、複数の測定値間の差異が所定の範囲内であるか否かによって判定されてもよい。例えば、複数の測定値の最大値と最小値との比が所定の範囲内である場合に、複数の測定値が略同一であると判定されてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1に係るパケット通信装置100は、スプリットペアを検出するための閾値、すなわち、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値に、事前の実験などから得られた値を用いている。このような閾値は、ペア長測定部123がペア長を測定する時に生じる測定誤差から決定される。結線ミス検出部131は、複数の測定値間の差異が測定誤差の範囲内でない場合、複数の測定値が略同一でないと判定し、異常情報を出力する。
測定誤差とは、ペア線の物理的な長さと、ペア長測定部123が所定の測定方法を用いてペア線の長さを測定した測定値との差を意味する。LANケーブル200の結線が正常であっても、ペア長の測定において、測定誤差が発生する。また、このような測定誤差は、ペア長測定部123の性能にも依存する。
しかし、1回の測定による測定値よりも、複数回の測定による測定値の平均値の方が、ペア線の物理的な長さに近くなることが期待される。すなわち、複数回の測定により、一時的な異常値の影響が小さくなるため、測定誤差は小さくなることが期待される。実施の形態2に係るパケット通信装置は、このような特性を利用して、スプリットペアを検出する精度を向上させる。
なお、実施の形態2に係るパケット通信装置は、図1に示された実施の形態1に係るパケット通信装置100と同様である。したがって、以下、同じ符号を用いて、ここでは説明を省略する。
また、実施の形態2に係るパケット通信装置100の処理の流れについても、図3に示された実施の形態1に係る処理の流れと同じであるので、ここでは説明を省略する。
実施の形態2において、測定値が略同一であるか否かを判定するための閾値は、複数回の測定の平均値による測定誤差に基づいて決定される。複数回の測定の平均値による測定誤差は小さくなるため、複数回の測定を前提とする閾値は、1回の測定を前提とする閾値よりも、小さい。
1回の測定を前提とする測定誤差が±1.0mである場合、測定誤差の範囲は2.0mである。例えば、実施の形態1では、この測定誤差の範囲(2.0m)がLANケーブル200のスプリットペアを検出するための閾値、すなわち、略同一であるか否かの判定に用いられる閾値である。
実施の形態1に係るパケット通信装置100は、この閾値(2.0m)を用いて、図4Bに示された測定結果から、測定値が略同一であるか否かを判定する。図4Bに示された測定結果の最大値と最小値との差は、1.5mである。そのため、閾値が2.0mである場合、ペア線毎の測定値は略同一とみなされる。
したがって、LANケーブル200は、スプリットペアがない正常な結線であると誤って判定される可能性があった。つまり、この場合、測定誤差の範囲が2.0mであるため、LANケーブル200が、スプリットペアであるにもかかわらず、スプリットペアでないと判定される可能性があった。
そこで、実施の形態2に係るパケット通信装置100は、1回の測定による測定誤差である±1.0mではなく、例えば、10回の測定による測定誤差である±0.5mを閾値に用いる。すなわち、ここでは、10回の測定の平均値による測定誤差が±0.5mであると仮定される。この場合、測定誤差の範囲は1.0mとなる。つまり、測定回数が10回に増えることによって、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が1.0mに短縮される。
そして、実施の形態2に係るペア長測定部123は、ペア長を10回測定し、測定結果の平均値をペア線毎に算出する。スプリットペアのLANケーブル200では、ペア長が複数回測定された場合でも、ノイズの影響により、測定誤差は小さくなりにくい。したがって、ペア線毎に算出された平均値と、短縮された閾値との比較によって、より高い精度でスプリットペアが検出される。
なお、上述の通り、ペア長の測定値のばらつき特性に基づいて、測定誤差の決定には、正しい結線のLANケーブルを複数回測定した測定結果の平均値が用いられてもよい。あるいは、そのような測定結果の最頻値または中央値が用いられても良い。
このように決定された測定誤差が用いられる場合、ペア長測定部123は、ペア長を複数回測定し、ペア線毎に、平均値、最頻値または中央値を算出する。そして、結線ミス検出部131は、算出された平均値、最頻値または中央値が、決定された測定誤差の範囲であるか否かを判定することにより、スプリットペアを検出する。
また、通信ケーブルの種類のように、測定誤差に影響を与えるパラメータが設定された場合には、測定誤差の設定値を変更し、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値を変更してもよい。また、通常のパケット通信中の時には、ペア長の測定精度が悪くなる可能性がある。そのため、パケット通信装置100は、パケット通信中でないときに、ペア長を測定し、スプリットペアのチェックを行うようにしてもよい。
以上のように、実施の形態2では、ペア長の測定回数に基づく測定誤差を用いて、測定値が略同一であるか否かの判定に用いられる閾値が設定される。また、測定誤差の値が十分な精度でない場合には、測定回数を増やすことにより、スプリットペアの検出精度が高められる。
なお、実施の形態2では、測定回数に基づいて閾値が設定された。しかし、測定回数によらず、閾値は固定値であってもよい。すなわち、閾値が固定値である場合でも、ペア長測定部123は、ペア線毎の長さまたは状態を示す値を複数回測定してもよい。
この場合、ペア長測定部123は、測定結果の平均値、中央値または最頻値をペア線毎に算出することにより、複数の測定値を取得する。結線ミス検出部131は、取得された複数の測定値の最大値と最小値との差が、固定値である閾値以上であるか否かを判定することにより、通信ケーブルの異常を検出する。これにより、一時的な異常値によって、誤って、通信ケーブルの異常が検出されることが抑制される。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る通信装置は、実施の形態1または実施の形態2に係るパケット通信装置100の特徴的な構成要素を備える。
図6Aは、実施の形態3に係る通信装置を示す構成図である。図6Aに示された通信装置300は、IF部(インタフェース部)310、測定部320および異常情報出力部330を備える。IF部310は、図1に示された実施の形態1に係るIF部110と同様の機能を備える。測定部320は、図1に示された実施の形態1に係るペア長測定部123と同様の機能を備える。異常情報出力部330は、図1に示された実施の形態1に係る結線ミス検出部131と同様の機能を備える。
IF部310は、図1に示された実施の形態1に係るIF部110と同様に、LANケーブル200等の通信ケーブルに接続可能である。通信ケーブルは、実施の形態1と同様に、複数のペア線を含む。例えば、通信ケーブルの端部にはコネクタが存在し、そのコネクタのピン配に基づいて、2本毎の芯線が決定される。
測定部320は、複数のペア線のそれぞれの状態を示す値を測定する。すなわち、測定部320は、通信ケーブルの状態を示す値をペア線毎に測定する。これにより、測定部320は、複数の測定値を取得する。測定部320は、ペア線毎の長さを測定してもよいし、ペア線毎に、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を測定してもよい。あるいは、測定部320は、その他の状態を示す値であって、正常な結線では略同一であることが期待される値を測定してもよい。
異常情報出力部330は、測定部320で取得された複数の測定値が略同一でない場合、通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する。例えば、異常情報出力部330は、複数の測定値間の差異が予め定められた範囲内でない場合、異常情報を出力する。また、この時、異常情報出力部330は、実施の形態1に示された異常通知部132に異常情報を出力してもよい。
図6Bは、図6Aに示された通信装置300の処理を示すフローチャートである。まず、測定部320は、IF部310に接続された通信ケーブルに含まれる複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定する(S301)。これにより、測定部320は、複数の測定値を取得する。次に、測定部320で取得された複数の測定値が略同一でない場合、異常情報出力部330は、異常情報を出力する。例えば、複数の測定値間の差異が予め定められた範囲内でない場合、異常情報出力部330は、異常情報を出力する(S302)。
これにより、通信装置300は、通信ケーブルのわかり難い異常を検出することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置は、上記複数の実施の形態で示されたパケット通信装置100または通信装置300が組み込まれている。図7は、実施の形態4に係るテレビジョン受像機および映像信号記録装置を示す概念図である。
図7に示されたテレビジョン受像機350は、ネットワークに接続可能なテレビジョン受像機であって、通信装置351および表示部352を備える。通信装置351は、実施の形態1、2に示されたパケット通信装置100、または、実施の形態3に示された通信装置300である。通信装置351は、通信ケーブルを介して、映像信号を受信する。表示部352は、通信装置351が受信した映像信号を映像として表示する。
テレビジョン受像機350は、このような構成を備えることにより、IP(Internet Protocol)放送などで送信された映像信号を受信し、受信した映像信号を映像として表示部352に表示することができる。また、テレビジョン受像機350は、通信装置351によって出力された異常情報を表示部352に表示してもよい。
図7に示された映像信号記録装置360は、ネットワークに接続可能な映像信号記録装置であって、通信装置361および書き込み部362を備える。映像信号記録装置360は、典型的には、ビデオレコーダである。通信装置361は、実施の形態1、2に示されたパケット通信装置100、または、実施の形態3に示された通信装置300である。通信装置361は、通信ケーブルを介して、映像信号を受信する。書き込み部362は、通信装置361が受信した映像信号を記録媒体363に書き込む。
記録媒体363は、映像信号記録装置360に内蔵されたハードディスクであってもよいし、映像信号記録装置360から取り外し可能なBD(Blu−ray Disc)であってもよい。
映像信号記録装置360は、このような構成を備えることにより、IP放送などで送信された映像信号を受信し、受信した映像信号を記録媒体363に書き込むことができる。
以上、本発明に係る通信装置について、複数の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。これらの実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、これらの実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
例えば、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、本発明は、通信装置として実現できるだけでなく、通信装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現できる。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして、あるいは、通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
また、通信装置に含まれる複数の構成要素は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。例えば、異常情報出力部330のみが、通信装置に搭載するためのLSIとして実装されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、通信装置に含まれる構成要素の集積回路化を行ってもよい。
本発明は、主に、通信ケーブルを用いて通信を行うテレビジョン受像機等の家電製品に適用可能であるが、通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置に広く適用可能である。
100、400 パケット通信装置
110、310、410 IF部(インタフェース部)
120、420 パケット送受信部
121、421 送信部
122、422 受信部
123 ペア長測定部
130 ネットワーク異常検出部
131 結線ミス検出部
132 異常通知部
140、440 通信部
200、500、600 LANケーブル
210、220、510、520、610、620 コネクタ
230、240 ペア線
300、351、361 通信装置
320 測定部
330 異常情報出力部
350 テレビジョン受像機
352 表示部
360 映像信号記録装置
362 書き込み部
363 記録媒体
上記課題を解決するため、本発明の一形態に係る通信装置は、2本の芯線で構成されるペア線を複数含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置であって、前記通信ケーブル接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記ペア線のそれぞれについてペア線の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部と、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、所定の範囲内でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部とを備える。
また、前記測定部は、前記ペア線のそれぞれの長さを示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
また、前記測定部は、前記ペア線のそれぞれに、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、前記所定の範囲内でない場合、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線であるスプリットペアが前記通信ケーブルに含まれていることを示す前記異常情報を出力してもよい。
また、前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、前記測定部の測定誤差の範囲である前記所定の範囲内でない場合、前記異常情報を出力してもよい。
また、前記測定部は、前記状態を示す値を複数回測定し、前記ペア線のそれぞれについて測定結果の平均値、中央値または最頻値を算出することにより、前記複数の測定値を取得してもよい。
また、前記パケット送受信部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、前記所定の範囲内である場合に、前記インタフェース部を介して、外部装置とのパケットの送受信を行ってもよい。
また、本発明の一形態に係る通信方法は、2本の芯線で構成されるペア線を複数含む通信ケーブル接続可能なインタフェース部を備える通信装置が、前記通信ケーブルを用いて通信を行う通信方法であって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記ペア線のそれぞれについてペア線の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、所定の範囲内でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを含んでもよい。
また、本発明の一形態に係るプログラムは、2本の芯線で構成されるペア線を複数含む通信ケーブル接続可能なインタフェース部を備える通信装置に実行させるためのプログラムであって、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記ペア線のそれぞれについてペア線の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、所定の範囲内でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを前記通信装置に実行させるためのプログラムであってもよい。
また、本発明の一形態に係る集積回路は、2本の芯線で構成されるペア線を複数含む通信ケーブル接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記ペア線のそれぞれについてペア線の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部とを備える通信装置に搭載するための集積回路であって、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と最小値との差が、所定の範囲内でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部を備えてもよい。

Claims (14)

  1. 2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルを用いて通信を行う通信装置であって、
    前記通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、
    前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部と、
    前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部とを備える
    通信装置。
  2. 前記通信装置は、さらに、前記インタフェース部を介して、パケットの送受信を行うパケット送受信部を備え、
    前記測定部は、前記パケット送受信部に備えられている
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎の長さを示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得する
    請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 前記測定部は、前記複数のペア線のペア線毎に、入射波を送信してから反射波を受信するまでの時間を示す値を、前記状態を示す値として測定することにより、前記複数の測定値を取得する
    請求項1または2に記載の通信装置。
  5. 前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、互いに縒り合わされていることが必要な2本の芯線が互いに縒り合わされていない誤った結線であるスプリットペアが前記通信ケーブルに含まれていることを示す前記異常情報を出力する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
  6. 前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値間の差異が、前記測定部の測定誤差の範囲内でない場合、前記異常情報を出力する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記測定部は、前記状態を示す値を複数回測定し、測定結果の平均値、中央値または最頻値をペア線毎に算出することにより、前記複数の測定値を取得する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 前記パケット送受信部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一である場合に、前記インタフェース部を介して、外部装置とのパケットの送受信を行う
    請求項2に記載の通信装置。
  9. 前記異常情報出力部は、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最大値と、前記測定部で取得された前記複数の測定値の最小値との差または比率が、所定の範囲内でない場合、前記異常情報を出力する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. ネットワークに接続可能なテレビジョン受像機であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置と、
    前記通信装置で受信した映像信号を表示する表示部とを備える
    テレビジョン受像機。
  11. ネットワークに接続可能な映像信号記録装置であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置と、
    前記通信装置で受信した映像信号を記録媒体に書き込む書き込み部とを備える
    映像信号記録装置。
  12. 2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置が、前記通信ケーブルを用いて通信を行う通信方法であって、
    前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、
    前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを含む
    通信方法。
  13. 2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部を備える通信装置に実行させるためのプログラムであって、
    前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定ステップと、
    前記測定ステップで取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力ステップとを
    前記通信装置に実行させるためのプログラム。
  14. 2本毎の芯線で構成される複数のペア線を含む通信ケーブルに接続可能なインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された前記通信ケーブルに含まれる前記複数のペア線のペア線毎の状態を示す値を測定することにより、複数の測定値を取得する測定部とを備える通信装置に搭載するための集積回路であって、
    前記測定部で取得された前記複数の測定値が略同一でない場合、前記通信ケーブルの異常を示す異常情報を出力する異常情報出力部を備える
    集積回路。
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