JPWO2011114661A1 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

プラズマディスプレイパネルにおいて、保護層(9)の下地層(91)には、酸化マグネシウムの結晶粒子(92a)が複数個凝集した凝集粒子(92)及び金属酸化物粒子(93)が全面に亘って分散配置されている。金属酸化物粒子(93)は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムからなる群の中から選ばれる少なくとも2つの金属酸化物を含んでいる。金属酸化物粒子(93)の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子(93)に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間にある。

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPにおいては、従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上の高精細テレビへの適用が進められており、エネルギー問題に対応してさらなる消費電力低減への取り組みや、環境問題に配慮した鉛成分を含まないPDPへの要求なども高まっている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法により製造された硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、ガラス基板の一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。
一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色及び青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にネオン(Ne)−キセノン(Xe)の放電ガスが400Torr〜600Torr(5.3×10Pa〜8.0×10Pa)の圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
また、このようなPDPの駆動方法としては、書き込みをしやすい状態に壁電荷を調整する初期化期間と、入力画像信号に応じて書き込み放電を行う書き込み期間と、書き込みが行われた放電空間で維持放電を生じさせることによって表示を行う維持期間を有する駆動方法が一般的に用いられている。これらの各期間を組み合わせた期間(サブフィールド)が、画像の1コマに相当する期間(1フィールド)内で複数回繰り返されることによってPDPの階調表示を行っている。
このようなPDPにおいて、前面板の誘電体層上に形成される保護層の役割としては、放電によるイオン衝撃から誘電体層を保護すること、アドレス放電を発生させるための初期電子を放出することなどがあげられる。イオン衝撃から誘電体層を保護することは、放電電圧の上昇を防ぐ重要な役割であり、またアドレス放電を発生させるための初期電子を放出することは、画像のちらつきの原因となるアドレス放電ミスを防ぐ重要な役割である。
保護層からの初期電子の放出数を増加させて画像のちらつきを低減するために、例えば、酸化マグネシウム(MgO)保護層に不純物を添加する例や、酸化マグネシウム(MgO)粒子を酸化マグネシウム(MgO)保護層上に形成した例が開示されている(例えば、特許文献1、2、3、4、5など参照)。
近年、テレビは高精細化が進んでおり、市場では低コスト・低消費電力・高輝度のフルHD(ハイ・ディフィニション)(1920×1080画素:プログレッシブ表示)PDPが要求されている。保護層からの電子放出特性はPDPの画質を決定するため、電子放出特性を制御することが非常に重要である。
すなわち、高精細化された画像を表示するためには、1フィールドの時間が一定にもかかわらず書き込みを行う画素の数が増えるため、サブフィールド中の書き込み期間において、アドレス電極へ印加するパルスの幅を狭くする必要が生じる。しかしながら、電圧パルスの立ち上がりから放電空間内で放電が発生するまでには放電遅れと呼ばれるタイムラグの存在があるため、パルスの幅が狭くなれば書き込み期間内で放電が終了できる確率が低くなってしまう。その結果、点灯不良が生じ、ちらつきといった画質性能の低下という問題も生じてしまう。
また、消費電力低減のために放電による発光効率を向上させることを目的として、蛍光体の発光に寄与する放電ガスの一成分であるキセノン(Xe)の放電ガス全体における含有率をあげると、やはり放電電圧が高くなるとともに、放電遅れが大きくなって点灯不良などの画質低下が発生するという問題が生じてしまう。
このようにPDPの高精細化や低消費電力化を進めるにあたっては、放電電圧が高くならないようにすることと、さらに、点灯不良を低減して画質を向上させることを、同時に実現させなければならないという課題があった。
保護層に不純物を混在させることで電子放出特性を改善しようとする試みが行われている。しかしながら、保護層に不純物を混在させて電子放出特性を改善した場合には、保護層表面に電荷を蓄積させてメモリー機能として使用しようとする際に、電荷が時間とともに減少する減衰率が大きくなってしまうため、これを抑えるための印加電圧を大きくする必要があるなどの対策が必要になる。
一方、酸化マグネシウム(MgO)保護層上に酸化マグネシウム(MgO)結晶粒子を形成する例では、放電遅れを小さくして点灯不良を低減することは可能であるが、放電電圧を低減することができないといった課題を有していた。
特開2002−260535号公報 特開平11−339665号公報 特開2006−59779号公報 特開平8−236028号公報 特開平10−334809号公報
本発明のPDPは、前面板と、この前面板と対向配置された背面板と、を備え、前面板は、誘電体層と、この誘電体層を覆う保護層とを有し、背面板は、下地誘電体層と、この下地誘電体層上に形成された複数の隔壁と、下地誘電体層上及び隔壁の側面に形成された蛍光体層とを有し、保護層は、誘電体層上に形成された下地層を含み、この下地層には、酸化マグネシウムの結晶粒子が複数個凝集した凝集粒子及び金属酸化物粒子が全面に亘って分散配置され、金属酸化物粒子は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムからなる群の中から選ばれる少なくとも2つの金属酸化物を含み、金属酸化物粒子の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間にある構成である。
このような構成によれば、保護層における二次電子放出特性を向上させ、輝度を高めるために放電ガスのキセノン(Xe)ガス分圧を大きくした場合でも放電開始電圧を低減し、さらに、放電遅れを低減して高精細画像表示でも点灯不良など発生しない、表示性能に優れたPDPを実現することができ、高精細画像でも高輝度で低電圧駆動が可能なPDPを実現することができる。
図1は、一実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。 図2は、同PDPの前面板の構成を示す断面図である。 図3は、同PDPの下地層におけるX線回折結果を示す図である。 図4は、同PDPの他の構成の下地層におけるX線回折結果を示す図である。 図5は、同PDPの凝集粒子を説明するための拡大図である。 図6は、同PDPの放電遅れと保護層中のカルシウム(Ca)濃度との関係を示す図である。 図7は、同PDPの電子放出性能と点灯電圧について調べた結果を示す図である。 図8は、同PDPに用いた結晶粒子の粒径と電子放出性能の関係を示す特性図である。 図9は、同PDPの電子放出性能と点灯電圧について調べた結果を示す図である。
以下、一実施の形態におけるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1におけるPDPについて説明する。
図1は一実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。PDP1の基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、キセノン(Xe)とネオン(Ne)などの放電ガスが400Torr〜600Torr(5.3×10Pa〜8.0×10Pa)の圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4及び維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うように電荷を保持してコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその上に保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4及び維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝ごとに、紫外線によって赤色、緑色及び青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4及び維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電空間が形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電空間がカラー表示のための画素になる。
図2は、本実施の形態におけるPDP1の前面板2の構成を示す断面図であり、図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6と遮光層7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮光層7を覆って設けた第1誘電体層81と、第1誘電体層81上に形成された第2誘電体層82の少なくとも2層構成とし、さらに第2誘電体層82上に保護層9が形成されている。
保護層9は、誘電体層8上に形成した酸化マグネシウムからなる下地層91と、下地層91上に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集させた凝集粒子92、及び酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物粒子93により構成している。
次に、このようなPDP1の製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4及び維持電極5と遮光層7とを形成する。走査電極4と維持電極5とを構成する透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀(Ag)材料を含むペーストを所定の温度で焼成して固化している。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含む塗料である。
次に、誘電体層8上に下地層91を形成する。
下地層91は、酸化マグネシウム(MgO)のペレットを用いて薄膜成膜方法によって形成される。薄膜成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法を適用できる。一例として、スパッタリング法では1Pa、蒸着法の一例である電子ビーム蒸着法では0.1Paが実際上取り得る圧力の上限と考えられる。
また、下地層91の成膜時の雰囲気としては、水分付着や不純物の吸着を防止するために外部と遮断された密閉状態で、成膜時の雰囲気を調整することにより、所定の電子放出特性を有する金属酸化物よりなる下地層91を形成することができる。
次に、下地層91上に付着形成する酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aの凝集粒子92について述べる。これらの結晶粒子92aは、以下に示す気相合成法または前駆体焼成法のいずれかで製造することができる。
気相合成法では、不活性ガスが満たされた雰囲気下で純度が99.9%以上のマグネシウム金属材料を加熱し、さらに、雰囲気に酸素を少量導入することによって、マグネシウムを直接酸化させ、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを作製することができる。
一方、前駆体焼成法では、以下の方法によって結晶粒子92aを作製することができる。前駆体焼成法では、酸化マグネシウム(MgO)の前駆体を700℃以上の高温で均一に焼成し、これを徐冷して酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを得ることができる。前駆体としては、例えば、マグネシウムアルコキシド(Mg(OR)2)、マグネシウムアセチルアセトン(Mg(acac)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硝酸マグネシウム(Mg(NO32)、シュウ酸マグネシウム(MgC24)のうちのいずれか1種以上の化合物を選ぶことができる。なお選択した化合物によっては、通常、水和物の形態をとることもあるがこのような水和物を用いてもよい。
これらの化合物は、焼成後に得られる酸化マグネシウム(MgO)の純度が99.95%以上、望ましくは99.98%以上になるように調整する。これらの化合物中に、各種アルカリ金属、B、Si、Fe、Alなどの不純物元素が一定量以上混じっていると、熱処理時に不要な粒子間癒着や焼結を生じ、高結晶性の酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを得にくいためである。このため、不純物元素を除去することなどにより予め前駆体を調整することが必要となる。
次に、下地層91上に付着形成する酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物粒子93について述べる。金属酸化物粒子93は、例えば、気相合成法により得ることが出来る。不活性ガスが満たされた雰囲気下で、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)から選ばれる2種以上の金属材料を同時に加熱し、昇華させることで高温ガス領域を形成し、その高温ガス領域を包みこむように、酸素ガスを導入すると、高温ガス領域と酸素ガス導入領域の境界面で、瞬時に冷却され、金属酸化物粒子93を作製することができる。
上記いずれかの方法で得られた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92a、及び金属酸化物粒子93を、溶媒に分散させ、その分散液をスプレー法やスクリーン印刷法、静電塗布法などによって下地層91の表面に分散散布させる。その後、乾燥・焼成工程を経て溶媒除去を図り、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92a及び金属酸化物粒子93を下地層91の表面に定着させることができる。なお、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92a及び金属酸化物粒子93の分散には、同一の溶媒に分散させて同時に塗布する方法、及び別々の分散液を準備して順次塗布する方法があるが、どちらの方法で塗布しても良い。
このような一連の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成されて前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などにより、アドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダ及び溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布し、乾燥させる。その後、乾燥した隔壁形成用ペーストの上に接着層材料を含む接着層形成用ペーストを塗布し、所定の形状にパターニングすることにより隔壁材料層と接着材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することにより隔壁14と接着層を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストと接着層形成用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上及び隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。さらに、前面板2と背面板10を強固に接着するためのガラスフリットを背面板10の周囲に形成する。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
次に、所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置し、固定する。固定した前面板2と背面板10は、ガラスフリットと接着材料層の融点以上、かつ、隔壁材料層の融点以下の温度で焼成する。これにより、前面板2と背面板10は、接着層とガラスフリットで接着される。最後に、放電空間16にキセノン(Xe)とネオン(Ne)などを含む放電ガスを封入してPDP1が完成する。
ここで、前面板2の誘電体層8を構成する第1誘電体層81と第2誘電体層82について詳細に説明する。第1誘電体層81の誘電体材料は、次の材料組成より構成されている。すなわち、酸化ビスマス(Bi23)を20重量%〜40重量%、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を0.5重量%〜12重量%含み、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)、二酸化マンガン(MnO2)から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%〜7重量%含んでいる。
なお、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)、二酸化マンガン(MnO2)に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr23)、酸化コバルト(Co23)、酸化バナジウム(V27)、酸化アンチモン(Sb23)から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%〜7重量%含ませてもよい。
また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO)を0重量%〜40重量%、酸化硼素(B23)を0重量%〜35重量%、酸化硅素(SiO2)を0重量%〜15重量%、酸化アルミニウム(Al23)を0重量%〜10重量%など、鉛成分を含まない材料組成が含まれていてもよい。
これらの組成成分からなる誘電体材料を、湿式ジェットミルやボールミルで粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料粉末を作製する。次にこの誘電体材料粉末55重量%〜70重量%と、バインダ成分30重量%〜45重量%とを三本ロールでよく混練してダイコート用、または印刷用の第1誘電体層81用ペーストを作製する。
バインダ成分はエチルセルロース、またはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、またはブチルカルビトールアセテートである。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加してペーストとして印刷特性を向上させてもよい。
次に、この第1誘電体層用ペーストを用い、表示電極6を覆うように前面ガラス基板3にダイコート法あるいはスクリーン印刷法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の575℃〜590℃で焼成して第1誘電体層81を形成する。
次に、第2誘電体層82について説明する。第2誘電体層82の誘電体材料は、次の材料組成より構成されている。すなわち、酸化ビスマス(Bi23)を11重量%〜20重量%、さらに、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を1.6重量%〜21重量%含み、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%〜7重量%含んでいる。
なお、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr23)、酸化コバルト(Co23)、酸化バナジウム(V27)、酸化アンチモン(Sb23)、酸化マンガン(MnO2)から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%〜7重量%含ませてもよい。
また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO)を0重量%〜40重量%、酸化硼素(B23)を0重量%〜35重量%、酸化硅素(SiO2)を0重量%〜15重量%、酸化アルミニウム(Al23)を0重量%〜10重量%など、鉛成分を含まない材料組成が含まれていてもよい。
これらの組成成分からなる誘電体材料を、湿式ジェットミルやボールミルで粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料粉末を作製する。次にこの誘電体材料粉末55重量%〜70重量%と、バインダ成分30重量%〜45重量%とを三本ロールでよく混練してダイコート用、または印刷用の第2誘電体層用ペーストを作製する。バインダ成分はエチルセルロース、またはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、またはブチルカルビトールアセテートである。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
次にこの第2誘電体層用ペーストを用いて第1誘電体層81上にスクリーン印刷法あるいはダイコート法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の550℃〜590℃で焼成する。
なお、誘電体層8の膜厚としては、可視光透過率を確保するために第1誘電体層81と第2誘電体層82とを合わせ41μm以下とすることが好ましい。また、第1誘電体層81は、金属バス電極4b、5bの銀(Ag)との反応を抑制するために酸化ビスマス(Bi23)の含有量を第2誘電体層82の酸化ビスマス(Bi23)の含有量よりも多くして20重量%〜40重量%としている。そのため、第1誘電体層81の可視光透過率が第2誘電体層82の可視光透過率よりも低くなるので、第1誘電体層81の膜厚を第2誘電体層82の膜厚よりも薄くしている。
なお、第2誘電体層82においては、酸化ビスマス(Bi23)の含有量が11重量%以下であると着色は生じにくくなるが、第2誘電体層82中に気泡が発生しやすくなるため好ましくない。一方、含有率が40重量%を超えると着色が生じやすくなるため透過率が低下する。
また、誘電体層8の膜厚が小さいほど輝度の向上と放電電圧を低減するという効果は顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない範囲内であればできるだけ膜厚を小さく設定するのが望ましい。このような観点から、本実施の形態では、誘電体層8の膜厚を41μm以下に設定し、第1誘電体層81を5μm〜15μm、第2誘電体層82を20μm〜36μmとしている。
次に接着層の形成材料について述べる。接着層の形成材料としては、融点が500℃〜600℃の材料からなる隔壁14よりも融点の低いフリットガラスや水ガラスなどのような、低融点材料が望ましい。また吸湿性及びアウトガスの低い紫外線接着剤や真空装置で一般的なシール剤を用いることも可能である。
このようにして製造されたPDP1は、表示電極6に銀(Ag)材料を用いても、前面ガラス基板3の着色現象(黄変)が少なくて、なおかつ、誘電体層8中に気泡の発生などがなく、絶縁耐圧性能に優れた誘電体層8を実現することを確認している。
次に、本実施の形態におけるPDP1において、これらの誘電体材料によって第1誘電体層81において黄変や気泡の発生が抑制される理由について考察する。すなわち、酸化ビスマス(Bi23)を含む誘電体ガラスに酸化モリブデン(MoO3)、または酸化タングステン(WO3)を添加することによって、Ag2MoO4、Ag2Mo27、Ag2Mo413、Ag2WO4、Ag227、Ag2413といった化合物が580℃以下の低温で生成しやすいことが知られている。本実施の形態では、誘電体層8の焼成温度が550℃〜590℃であることから、焼成中に誘電体層8中に拡散した銀イオン(Ag+)は誘電体層8中の酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マンガン(MnO2)と反応し、安定な化合物を生成して安定化する。すなわち、銀イオン(Ag+)が還元されることなく安定化されるため、凝集してコロイドを生成することがない。したがって、銀イオン(Ag+)が安定化することによって、銀(Ag)のコロイド化に伴う酸素の発生も少なくなるため、誘電体層8中への気泡の発生も少なくなる。
一方、これらの効果を有効にするためには、酸化ビスマス(Bi23)を含む誘電体ガラス中に酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マンガン(MnO2)の含有量を0.1重量%以上にすることが好ましいが、0.1重量%以上7重量%以下がさらに好ましい。特に、0.1重量%未満では黄変を抑制する効果が少なく、7重量%を超えるとガラスに着色が起こり好ましくない。
すなわち、本実施の形態におけるPDP1の誘電体層8は、銀(Ag)材料よりなる金属バス電極4b、5bと接する第1誘電体層81では黄変現象と気泡発生を抑制し、第1誘電体層81上に設けた第2誘電体層82によって高い光透過率を実現している。その結果、誘電体層8全体として、気泡や黄変の発生が極めて少なく透過率の高いPDPを実現することが可能となる。
次に本実施の形態における保護層9の詳細について説明する。
本実施の形態におけるPDPでは、図2に示すように、保護層9は、誘電体層8上に形成した酸化マグネシウム(MgO)からなる下地層91と、下地層91上に付着させた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92及び金属酸化物粒子により構成されている。また、金属酸化物粒子93は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成し、金属酸化物はX線回折分析において、特定方位面の金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生する最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。すなわち、金属酸化物粒子93の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子93に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。
図3は、本実施の形態におけるPDP1の保護層9を構成する下地層91面におけるX線回折結果を示す図である。また、図3中には、酸化マグネシウム(MgO)単体、酸化カルシウム(CaO)単体、酸化ストロンチウム(SrO)単体、及び酸化バリウム(BaO)単体のX線回折分析の結果も示す。
図3において、横軸はブラッグの回折角(2θ)であり、縦軸はX線回折波の強度である。回折角の単位は1周を360度とする度で示し、強度は任意単位(arbitrary unit)で示している。図3中には特定方位面である結晶方位面を括弧付けで示している。図3に示すように、結晶方位面の(111)では、酸化カルシウム(CaO)単体では回折角32.2度、酸化マグネシウム(MgO)単体では回折角36.9度、酸化ストロンチウム単体では回折角30.0度、酸化バリウム単体では回折角27.9度にピークを有していることがわかる。
本実施の形態におけるPDP1では、保護層9の金属酸化物粒子93として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成している。
図3には、金属酸化物粒子93を構成する単体成分が2成分の場合についてのX線回折結果を示している。すなわち、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)の単体を用いて形成した金属酸化物粒子93のX線回折結果をA点、酸化マグネシウム(MgO)と酸化ストロンチウム(SrO)の単体を用いて形成した金属酸化物粒子93のX線回折結果をB点、さらに、酸化マグネシウム(MgO)と酸化バリウム(BaO)の単体を用いて形成した金属酸化物粒子93のX線回折結果をC点で示している。
すなわち、A点は特定方位面としての結晶方位面の(111)において、単体の酸化物の最大回折角となる酸化マグネシウム(MgO)単体の回折角36.9度と、最小回折角となる酸化カルシウム(CaO)単体の回折角32.2度との間である回折角36.1度にピークが存在している。同様に、B点、C点もそれぞれ最大回折角と最小回折角との間の35.7度、35.4度にピークが存在している。
また、図4には、図3と同様に、金属酸化物粒子93を構成する単体成分が3成分以上の場合のX線回折結果を示している。すなわち、図4には、単体成分として酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)を用いた場合の結果をD点、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化バリウム(BaO)を用いた場合の結果をE点、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化バリウム(BaO)を用いた場合の結果をF点で示している。
すなわち、D点は特定方位面としての結晶方位面の(111)において、単体の酸化物の最大回折角となる酸化マグネシウム(MgO)単体の回折角36.9度と、最小回折角となる酸化ストロンチウム(SrO)単体の回折角30.0度との間である回折角33.4度にピークが存在している。同様に、E点、F点もそれぞれ最大回折角と最小回折角との間の32.8度、30.2度にピークが存在している。
したがって、本実施の形態におけるPDP1の金属酸化物粒子93は、単体成分として2成分であれ、3成分であれ、金属酸化物粒子93を構成する金属酸化物のX線回折分析において、特定方位面の金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。すなわち、金属酸化物粒子93の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子93に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。
なお、上記の説明では特定方位面としての結晶方位面として(111)を対象として説明したが、他の結晶方位面を対象とした場合も金属酸化物のピークの位置が上記と同様である。
酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)では、酸化マグネシウム(MgO)と比較して、真空準位からの深さが浅い領域に電子が存在する。そのため、PDP1を駆動する場合において、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)のエネルギー準位に存在する電子がキセノン(Xe)イオンの基底状態に遷移する際に、オージェ効果により放出される電子数が、酸化マグネシウム(MgO)のエネルギー準位から遷移する場合と比較して多くなると考えられる。
また、上述のように、本実施の形態における金属酸化物粒子93は、金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。X線回折分析の結果が、図3及び図4に示す特徴を有する金属酸化物はそのエネルギー準位もそれらを構成する単体の酸化物の間に存在する。したがって、金属酸化物粒子93のエネルギー準位も単体の酸化物の間に存在し、オージェ効果により放出される電子数が酸化マグネシウム(MgO)のエネルギー準位から遷移する場合と比較して多くなると考えられる。
その結果、金属酸化物粒子93では、酸化マグネシウム(MgO)単体と比較して、良好な二次電子放出特性を発揮することができ、結果として、放電維持電圧を低減することができる。そのため、特に輝度を高めるために放電ガスとしてのキセノン(Xe)分圧を高めた場合に、放電電圧を低減し、低電圧でなおかつ高輝度のPDPを実現することが可能となる。
表1には、本実施の形態におけるPDPにおいて、450Torrのキセノン(Xe)及びネオン(Ne)の混合ガス(Xe、15%)を封入した場合の放電維持電圧の結果で、金属酸化物粒子93の構成を変えた場合の、PDPの結果を示す。
Figure 2011114661
なお、表1の放電維持電圧は比較例を100とした場合の相対値で表している。サンプルAの金属酸化物粒子93は、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)による金属酸化物、サンプルBの金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)と酸化ストロンチウム(SrO)による金属酸化物、サンプルCの金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)と酸化バリウム(BaO)による金属酸化物、サンプルDの金属酸化物粒子93は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)による金属酸化物、サンプルEの金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化バリウム(BaO)による金属酸化物によって構成されている。また、比較例は、金属酸化物粒子93が酸化マグネシウム(MgO)単体である場合について示している。
放電ガスのキセノン(Xe)の分圧を10%から15%に高めた場合には輝度が約30%上昇するが、金属酸化物粒子93が酸化マグネシウム(MgO)単体の場合の比較例では、放電維持電圧が約10%上昇する。
一方、本実施の形態におけるPDPでは、サンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルD、サンプルEいずれも、放電維持電圧を比較例に比較して約10%〜20%低減することができる。そのため、通常動作範囲内の放電開始電圧とすることができ、高輝度で低電圧駆動のPDPを実現することができる。
なお、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)は、単体では反応性が高いため不純物と反応しやすく、そのために電子放出性能が低下してしまうという課題を有していた。しかしながら、本実施の形態においては、それらの金属酸化物の構成とすることにより、反応性を低減し、不純物の混入や酸素欠損の少ない結晶構造で形成されている。そのため、PDPの駆動時に電子が過剰放出されるのが抑制され、低電圧駆動と二次電子放出性能の両立効果に加えて、適度な電子保持特性の効果も発揮される。この電荷保持特性は、特に初期化期間に貯めた壁電荷を保持しておき、書き込み期間において書き込み不良を防止して確実な書き込み放電を行う上で有効である。
次に、本実施の形態における下地層91上に設けた、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92について詳細に説明する。酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92は、主として書き込み放電における放電遅れを抑制する効果と、放電遅れの温度依存性を改善する効果が確認されている。そこで本実施の形態では、凝集粒子92が下地層91に比べて高度な初期電子放出特性に優れる性質を利用して、放電パルス立ち上がり時に必要な初期電子供給部として配設している。
放電遅れは、放電開始時において、トリガーとなる初期電子が下地層91表面から放電空間16中に放出される量が不足することが主原因と考えられる。そこで、放電空間16に対する初期電子の安定供給に寄与するため、酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92を下地層91の表面に分散配置する。これによって、放電パルスの立ち上がり時に放電空間16中に電子が豊富に存在し、放電遅れの解消が図られる。したがって、このような初期電子放出特性により、PDP1が高精細の場合などにおいても放電応答性の良い高速駆動ができるようになっている。なお下地層91の表面に金属酸化物の凝集粒子92を配設する構成では、主として書き込み放電における放電遅れを抑制する効果に加え、放電遅れの温度依存性を改善する効果も得られる。
以上のように実施の形態におけるPDP1では、低電圧駆動と電荷保持の両立効果を奏する下地層91と、放電遅れの防止効果を奏する酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92とにより構成することによって、PDP1全体として、高精細なPDPでも高速駆動を低電圧で駆動でき、かつ、点灯不良を抑制した高品位な画像表示性能を実現できる。
本実施の形態では、下地層91上に、結晶粒子92aが数個凝集した凝集粒子92を離散的に散布させ、全面に亘ってほぼ均一に分布するように複数個付着させることにより構成している。図5は凝集粒子92を説明するための拡大図である。
凝集粒子92とは、図5に示すように、所定の一次粒径の結晶粒子92aが凝集またはネッキングした状態のものである。すなわち、固体として大きな結合力を持って結合しているのではなく、静電気やファンデルワールス力などによって複数の一次粒子が集合体の体をなしているもので、超音波などの外的刺激により、その一部または全部が一次粒子の状態になる程度で結合しているものである。凝集粒子92の粒径としては、約1μm程度のもので、結晶粒子92aとしては、14面体や12面体などの7面以上の面を持つ多面体形状を有するのが望ましい。
また、結晶粒子92aの一次粒子の粒径は、結晶粒子92aの生成条件によって制御できる。例えば、炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウムなどのMgO前駆体を焼成して生成する場合、焼成温度や焼成雰囲気を制御することで粒径を制御することができる。一般的に、焼成温度は700℃から1500℃の範囲で選択できるが、焼成温度を比較的高い1000℃以上にすることで、その粒径を0.3μm〜2μm程度に制御することが可能である。さらに、結晶粒子92aをMgO前駆体を加熱して得ることにより、その生成過程において、複数個の一次粒子同士が凝集またはネッキングと呼ばれる現象により結合して凝集粒子92を得ることができる。
図6は、本実施の形態におけるPDPの放電遅れと保護層中のカルシウム(Ca)濃度の関係を示す図である。具体的には、PDP1のうち、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)との金属酸化物で構成した金属酸化物粒子93を用いた場合の放電遅れと金属酸化物粒子93中のカルシウム(Ca)濃度との関係を示している。金属酸化物粒子93として酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)とからなる金属酸化物で構成し、金属酸化物は、X線回折分析において、酸化マグネシウム(MgO)のピークが発生する回折角と酸化カルシウム(CaO)のピークが発生する回折角との間にピークが存在するようにしている。
なお、図6には、保護層9として下地層91上に金属酸化物粒子93のみ設置した場合と、下地層91上に金属酸化物粒子93及び凝集粒子92を配置した場合とについて示し、放電遅れは、下地層91上に金属酸化物粒子93を設置していない場合を基準として示している。
図6より明らかなように、下地層91上に凝集粒子92を配置した場合と設置しない場合において、凝集粒子92を配置しない場合は金属酸化物粒子93中のカルシウム(Ca)濃度の増加とともに放電遅れが大きくなるのに対し、下地層91上に凝集粒子92を配置することによって放電遅れを大幅に小さくすることができ、金属酸化物粒子93中のカルシウム(Ca)濃度が増加しても放電遅れはほとんど増大しないことがわかる。
次に、実施の形態における凝集粒子92を有する保護層9の効果を確認するために行った実験結果について説明する。まず、構成の異なる下地層91と下地層91上に設けた凝集粒子92を有するPDPを試作した。試作品1は酸化マグネシウム(MgO)の下地層91のみの保護層9を形成したPDP、試作品2は酸化マグネシウム(MgO)にAl、Siなどの不純物をドープした下地層91のみの保護層9を形成したPDP、試作品3は酸化マグネシウム(MgO)による下地層91上に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aの一次粒子のみを散布し付着させた保護層9を形成したPDPである。
一方、試作品4は実施の形態におけるPDP1であり、保護層9として、前述のサンプルAを用いている。すなわち、保護層9は、酸化マグネシウム(MgO)で構成した下地層91と、下地層91上に結晶粒子92aを凝集させた凝集粒子92、及び酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)からなる金属酸化物粒子93を全面に亘ってほぼ均一に分布するように付着させている。なお、金属酸化物粒子93は、X線回折分析において、金属酸化物粒子93を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。すなわち、この場合の最小回折角は酸化カルシウム(CaO)の32.2度、最大回折角は酸化マグネシウム(MgO)の36.9度であり、金属酸化物粒子93の回折角のピークが36.1度に存在するようにしている。
これらのPDPについて、その電子放出性能と電荷保持性能を調べ、その結果を図7に示す。なお、電子放出性能は、大きいほど電子放出量が多いことを示す数値で、表面状態及びガス種とその状態によって定まる初期電子放出量によって表現する。初期電子放出量については表面にイオン、あるいは電子ビームを照射して表面から放出される電子電流量を測定する方法で測定できるが、PDP1の前面板2表面の評価を非破壊で実施することは困難を伴う。そこで、特開2007−48733号公報に記載されている方法を用いた。すなわち、放電時の遅れ時間のうち、統計遅れ時間と呼ばれる放電の発生しやすさの目安となる数値を測定し、その逆数を積分すると初期電子の放出量と線形に対応する数値になる。
そこで、この数値を用いて評価している。放電時の遅れ時間とは、パルスの立ち上がりから放電が遅れて行われる放電遅れの時間を意味し、放電遅れは、放電が開始される際にトリガーとなる初期電子が保護層9表面から放電空間中に放出されにくいことが主要な要因として考えられている。
電荷保持性能は、その指標として、PDPとして作製した場合に電荷放出現象を抑えるために必要とする走査電極に印加する電圧(以下、Vscn点灯電圧と呼称する)の電圧値を用いた。すなわち、Vscn点灯電圧の低い方が電荷保持能力の高いことを示す。このことは、PDPを設計する上で、電源や各電気部品として、耐圧及び容量の小さい部品を使用することが可能となる。現状の製品において、走査電圧を順次パネルに印加するためのMOSFETなどの半導体スイッチング素子には、耐圧150V程度の素子が使用されており、Vscn点灯電圧としては、温度による変動を考慮して120V以下に抑えるのが望ましい。
図7は本実施の形態におけるPDPの電子放出性能と点灯電圧について調べた結果を示す図である。図7から明らかなように、本実施の形態における下地層91に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを凝集させた凝集粒子92を散布して全面に亘って均一に分布させた試作品4は、電荷保持性能の評価において、Vscn点灯電圧を120V以下にすることができ、なおかつ電子放出性能が酸化マグネシウム(MgO)のみの保護層の場合の試作品1に比べて格段に良好な特性を得ることができる。
一般的にはPDPの保護層の電子放出能力と電荷保持能力は相反する。例えば、保護層の製膜条件を変更することや、保護層中にAlやSi、Baなどの不純物をドーピングして製膜することにより電子放出性能を向上することは可能であるが、副作用としてVscn点灯電圧も上昇してしまう。
本実施の形態における保護層9を形成した試作品4のPDP1においては、電子放出能力としては、酸化マグネシウム(MgO)のみの保護層9を用いた試作品1の場合に比べて8倍以上の特性を有し、電荷保持能力としてはVscn点灯電圧が120V以下のものを得ることができる。したがって、高精細化により走査線数が増加し、かつセルサイズが小さいPDPに対しては有用で、電子放出能力と電荷保持能力の両方を満足させて、放電遅れを低減して良好な画像表示を実現することができる。
次に、本実施の形態によるPDP1の保護層9に用いた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aの粒径について詳細に説明する。なお、以下の説明において、粒径とは平均粒径を意味し、平均粒径とは、体積累積平均径(D50)のことを意味している。
図8は、上記図7で説明した本実施の形態の試作品4において、結晶粒子92aの粒径を変化させて電子放出性能を調べた実験結果を示す特性図である。なお、図8において、結晶粒子92aの粒径は、結晶粒子92aをSEM観察することで測長した。図8に示すように、粒径が0.3μm程度に小さくなると、電子放出性能が低くなり、ほぼ0.9μm以上であれば、高い電子放出性能が得られることがわかる。
ところで、放電セル内での電子放出数を増加させるためには、下地層91上の単位面あたりの結晶粒子92aの数は多い方が望ましいが、前面板2の保護層9と密接に接触する背面板10の隔壁14の頂部に相当する部分に結晶粒子92aが存在することで、隔壁14の頂部を破損させ、その材料が蛍光体層15の上に乗るなどし、それによって、該当するセルが正常に点灯消灯しなくなる現象が発生することがわかった。この隔壁破損の現象は、結晶粒子92aが隔壁14頂部に対応する部分に存在しなければ発生しにくいことから、付着させる結晶粒子92aの数が多くなれば隔壁14の破損発生確率が高くなる。このような観点からは、結晶粒子径が2.5μm程度に大きくなると、隔壁破損の確率が急激に高くなり、2.5μmより小さい結晶粒子径であれば、隔壁破損の確率は比較的小さく抑えることができる。
以上の結果より、本実施の形態におけるPDP1においては、凝集粒子92として、粒径が0.9μm〜2μmの範囲にある凝集粒子92を使用すれば、効果を安定的に得られることがわかった。
以上のように本実施の形態におけるPDPによれば、電子放出性能が高く、電荷保持能力としてはVscn点灯電圧が120V以下のものを得ることができる。
なお、本実施の形態では、結晶粒子92aとして酸化マグネシウム(MgO)粒子を用いて説明したが、この他の単結晶粒子でも、酸化マグネシウム(MgO)同様に高い電子放出性能を持つSr、Ca、Ba、Alなどの金属酸化物による結晶粒子を用いても同様の効果を得ることができるため、粒子種としては酸化マグネシウム(MgO)に限定されるものではない。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2におけるPDPについて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成については、説明を省略する。
実施の形態1におけるPDPでは、酸化マグネシウム(MgO)からなる下地層91を用いたが、実施の形態2におけるPDPでは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムからなる群の中から選ばれる少なくとも2つの金属酸化物を含む下地層91を用いたものである。
次に本実施の形態における保護層9の詳細について説明する。
保護層9は、誘電体層8上に形成した下地層91と、下地層91上に付着させた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92及び金属酸化物粒子93により構成されている。また、下地層91及び金属酸化物粒子93を、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成し、金属酸化物はX線回折分析において、特定方位面の金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生する最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。
すなわち、金属酸化物粒子93の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子93に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。また、下地層91の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、下地層91に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。
本実施の形態において、下地層91及び金属酸化物粒子93を構成する単体成分が2成分の場合のX線回折結果は、図3に示すような、金属酸化物粒子93のX線回折結果と同じである。
図3中には、酸化マグネシウム(MgO)単体、酸化カルシウム(CaO)単体、酸化ストロンチウム(SrO)単体、及び酸化バリウム(BaO)単体のX線回折分析の結果も示す。
図3において、横軸はブラッグの回折角(2θ)であり、縦軸はX線回折波の強度である。回折角の単位は1周を360度とする度で示し、強度は任意単位(arbitrary unit)で示している。図3中には特定方位面である結晶方位面を括弧付けで示している。図3に示すように、結晶方位面の(111)では、酸化カルシウム(CaO)単体では回折角32.2度、酸化マグネシウム(MgO)単体では回折角36.9度、酸化ストロンチウム(SrO)単体では回折角30.0度、酸化バリウム(BaO)単体では回折角27.9度にピークを有していることがわかる。
本実施の形態におけるPDP1では、保護層9の下地層91及び金属酸化物粒子93として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも2つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成している。
図3には、下地層91及び金属酸化物粒子93を構成する単体成分が2成分の場合についてのX線回折結果を示している。すなわち、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)の単体を用いて形成した下地層91及び金属酸化物粒子93のX線回折結果をA点、酸化マグネシウム(MgO)と酸化ストロンチウム(SrO)の単体を用いて形成した下地層91及び金属酸化物粒子93のX線回折結果をB点、さらに、酸化マグネシウム(MgO)と酸化バリウム(BaO)の単体を用いて形成した下地層91及び金属酸化物粒子93のX線回折結果をC点で示している。
すなわち、A点は特定方位面としての結晶方位面の(111)において、単体の酸化物の最大回折角となる酸化マグネシウム(MgO)単体の回折角36.9度と、最小回折角となる酸化カルシウム(CaO)単体の回折角32.2度との間である回折角36.1度にピークが存在している。同様に、B点、C点もそれぞれ最大回折角と最小回折角との間の35.7度、35.4度にピークが存在している。
また、下地層91及び金属酸化物粒子93を構成する単体成分が3成分以上の場合のX線回折結果は、図4に示すように、金属酸化物粒子93を構成する単体成分が3成分以上の場合のX線回折結果と同じである。すなわち、図4には、単体成分として酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)を用いた場合の結果をD点、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化バリウム(BaO)を用いた場合の結果をE点、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化バリウム(BaO)を用いた場合の結果をF点で示している。
すなわち、D点は特定方位面としての結晶方位面の(111)において、単体の酸化物の最大回折角となる酸化マグネシウム(MgO)単体の回折角36.9度と、最小回折角となる酸化ストロンチウム(SrO)単体の回折角30.0度との間である回折角33.4度にピークが存在している。同様に、E点、F点もそれぞれ最大回折角と最小回折角との間の32.8度、30.2度にピークが存在している。
したがって、本実施の形態におけるPDP1の下地層91及び金属酸化物粒子93は、単体成分として2成分であれ、3成分であれ、下地層91及び金属酸化物粒子93を構成する金属酸化物のX線回折分析において、特定方位面の金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。
すなわち、金属酸化物粒子93の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、金属酸化物粒子93に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。また、下地層91の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、下地層91に含まれる2つの金属酸化物の内、一方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間に存在するものである。
なお、上記の説明では特定方位面としての結晶方位面として(111)を対象として説明したが、他の結晶方位面を対象とした場合も金属酸化物のピークの位置が上記と同様である。
酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)では、酸化マグネシウム(MgO)と比較して、真空準位からの深さが浅い領域に電子が存在する。そのため、PDP1を駆動する場合において、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)のエネルギー準位に存在する電子がキセノン(Xe)イオンの基底状態に遷移する際に、オージェ効果により放出される電子数が、酸化マグネシウム(MgO)のエネルギー準位から遷移する場合と比較して多くなると考えられる。
また、上述のように、本実施の形態における下地層91及び金属酸化物粒子93は、金属酸化物を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。X線回折分析の結果が、図3及び図4に示す特徴を有する金属酸化物はそのエネルギー準位もそれらを構成する単体の酸化物の間に存在する。したがって、下地層91及び金属酸化物粒子93のエネルギー準位も単体の酸化物の間に存在し、オージェ効果により放出される電子数が酸化マグネシウム(MgO)のエネルギー準位から遷移する場合と比較して多くなると考えられる。
その結果、下地層91及び金属酸化物粒子93では、酸化マグネシウム(MgO)単体と比較して、良好な二次電子放出特性を発揮することができ、結果として、放電維持電圧を低減することができる。そのため、特に輝度を高めるために放電ガスとしてのキセノン(Xe)分圧を高めた場合に、放電電圧を低減し、低電圧でなおかつ高輝度のPDPを実現することが可能となる。
本実施の形態におけるPDPにおいて、450Torrのキセノン(Xe)及びネオン(Ne)の混合ガス(Xe、15%)を封入した場合の放電維持電圧の結果で、下地層91及び金属酸化物粒子93の構成を変えた場合の、PDPの結果は、表1に示すように、金属酸化物粒子93の構成を変えた場合と同じである。
サンプルAの下地層91及び金属酸化物粒子93は、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)による金属酸化物、サンプルBの下地層91及び金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)と酸化ストロンチウム(SrO)による金属酸化物、サンプルCの下地層91及び金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)と酸化バリウム(BaO)による金属酸化物、サンプルDの下地層91及び金属酸化物粒子93は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)による金属酸化物、サンプルEの下地層91及び金属酸化物粒子93は酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化バリウム(BaO)による金属酸化物によって構成されている。また、比較例は、下地層91及び金属酸化物粒子93が酸化マグネシウム(MgO)単体である場合について示している。
放電ガスのキセノン(Xe)の分圧を10%から15%に高めた場合には輝度が約30%上昇するが、下地層91及び金属酸化物粒子93が酸化マグネシウム(MgO)単体の場合の比較例では、放電維持電圧が約10%上昇する。
一方、本実施の形態におけるPDPでは、サンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルD、サンプルEいずれも、放電維持電圧を比較例に比較して約10%〜20%低減することができる。そのため、通常動作範囲内の放電開始電圧とすることができ、高輝度で低電圧駆動のPDPを実現することができる。
なお、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)は、単体では反応性が高いため不純物と反応しやすく、そのために電子放出性能が低下してしまうという課題を有していた。しかしながら、本実施の形態においては、それらの金属酸化物の構成とすることにより、反応性を低減し、不純物の混入や酸素欠損の少ない結晶構造で形成されている。そのため、PDPの駆動時に電子が過剰放出されるのが抑制され、低電圧駆動と二次電子放出性能の両立効果に加えて、適度な電荷保持特性の効果も発揮される。この電荷保持特性は、特に初期化期間に貯めた壁電荷を保持しておき、書き込み期間において書き込み不良を防止して確実な書き込み放電を行う上で有効である。
なお、今回は実施例として下地層91と金属酸化物粒子93が同種の構成のものを示したが、これらに限定されるものではなく、下地層91と金属酸化物粒子93が異種の組み合わせに成っても同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態における下地層91上に設けた、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92について詳細に説明する。酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92は、主として書き込み放電における放電遅れを抑制する効果と、放電遅れの温度依存性を改善する効果が確認されている。そこで本実施の形態では、凝集粒子92が下地層91に比べて高度な初期電子放出特性に優れる性質を利用して、放電パルス立ち上がり時に必要な初期電子供給部として配設している。
放電遅れは、放電開始時において、トリガーとなる初期電子が下地層91表面から放電空間16中に放出される量が不足することが主原因と考えられる。そこで、放電空間16に対する初期電子の安定供給に寄与するため、酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92を下地層91の表面に分散配置する。これによって、放電パルスの立ち上がり時に放電空間16中に電子が豊富に存在し、放電遅れの解消が図られる。したがって、このような初期電子放出特性により、PDP1が高精細の場合などにおいても放電応答性の良い高速駆動ができるようになっている。なお下地層91の表面に金属酸化物の凝集粒子92を配設する構成では、主として書き込み放電における放電遅れを抑制する効果に加え、放電遅れの温度依存性を改善する効果も得られる。
以上のように、本実施の形態におけるPDP1では、低電圧駆動と電荷保持の両立効果を奏する下地層91と、放電遅れの防止効果を奏する酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92とにより構成することによって、PDP1全体として、高精細なPDPでも高速駆動を低電圧で駆動でき、かつ、点灯不良を抑制した高品位な画像表示性能を実現できる。
本実施の形態において、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)を含む下地層91及び金属酸化物粒子93を用いた場合におけるPDPの放電遅れと保護層9中のカルシウム(Ca)濃度との関係を示す図は、図6に示すように、酸化マグネシウム(MgO)からなる下地層91及び金属酸化物粒子93を用いた場合におけるPDPの放電遅れと保護層9中のカルシウム(Ca)濃度との関係を示す図と同じである。
下地層91及び金属酸化物粒子93として酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)とからなる金属酸化物で構成し、金属酸化物は、下地層91面におけるX線回折分析において、酸化マグネシウム(MgO)のピークが発生する回折角と酸化カルシウム(CaO)のピークが発生する回折角との間にピークが存在するようにしている。
なお、図6には、保護層9として下地層91及び金属酸化物粒子93のみの場合と、下地層91上に凝集粒子92及び金属酸化物粒子93を配置した場合とについて示し、放電遅れは、下地層91中にカルシウム(Ca)が含有されていない場合を基準として示している。
図6より明らかなように、下地層91及び金属酸化物粒子93のみの場合と、下地層91上に凝集粒子92及び金属酸化物粒子93を配置した場合とにおいて、下地層91及び金属酸化物粒子93のみの場合はカルシウム(Ca)濃度の増加とともに放電遅れが大きくなるのに対し、下地層91上に凝集粒子92及び金属酸化物粒子93を配置することによって放電遅れを大幅に小さくすることができ、カルシウム(Ca)濃度が増加しても放電遅れはほとんど増大しないことがわかる。
次に、本実施の形態における凝集粒子92を有する保護層9の効果を確認するために行った実験結果について説明する。まず、構成の異なる下地層91と下地層91上に設けた凝集粒子92を有するPDPを試作した。試作品1は酸化マグネシウム(MgO)の下地層91のみの保護層9を形成したPDP、試作品2は酸化マグネシウム(MgO)にAl、Siなどの不純物をドープした下地層91のみの保護層9を形成したPDP、試作品3は酸化マグネシウム(MgO)による下地層91上に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aの一次粒子のみを散布し付着させた保護層9を形成したPDPである。
一方、試作品4は本実施の形態におけるPDP1であり、保護層9として、前述のサンプルAを用いている。すなわち、保護層9は、酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)とで構成した下地層91と、下地層91上に結晶粒子92aを凝集させた凝集粒子92、及び酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)とで構成した金属酸化物粒子93を全面に亘ってほぼ均一に分布するように付着させている。なお、下地層91及び金属酸化物粒子93は、X線回折分析において、下地層91及び金属酸化物粒子93を構成する酸化物の単体より発生するピークの最小回折角と最大回折角との間にピークが存在するようにしている。すなわち、この場合の最小回折角は酸化カルシウム(CaO)の32.2度、最大回折角は酸化マグネシウム(MgO)の36.9度であり、下地層91及び金属酸化物粒子93の回折角のピークが36.1度に存在するようにしている。
これらのPDPについて、その電子放出性能と電荷保持性能を調べた結果は、図8に示すように、実施の形態1と同様である。
図9は本実施の形態におけるPDPの電子放出性能と点灯電圧について調べた結果を示す図である。図9から明らかなように、本実施の形態における下地層91に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを凝集させた凝集粒子92及び金属酸化物粒子93を散布して全面に亘って均一に分布させた試作品4は、電荷保持性能の評価において、Vscn点灯電圧を120V以下にすることができ、なおかつ電子放出性能が酸化マグネシウム(MgO)のみの保護層の場合の試作品1に比べて格段に良好な特性を得ることができる。
本実施の形態における保護層9を形成した試作品4のPDP1においては、電子放出能力としては、酸化マグネシウム(MgO)のみの保護層9を用いた試作品1の場合に比べて8倍以上の特性を有し、電荷保持能力としてはVscn点灯電圧が120V以下のものを得ることができる。したがって、高精細化により走査線数が増加し、かつセルサイズが小さいPDPに対しては有用で、電子放出能力と電荷保持能力の両方を満足させて、放電遅れを低減して良好な画像表示を実現することができる。
本実施の形態における試作品4において、結晶粒子92aの粒径を変化させて電子放出性能を調べた実験結果を示す特性図は、図8に示すように、実施の形態1における試作品4において、結晶粒子92aの粒径を変化させて電子放出性能を調べた実験結果を示す特性図と同じである。
以上の結果より、本実施の形態におけるPDP1においては、凝集粒子92として、粒径が0.9μm〜2μmの範囲にある凝集粒子92を使用すれば、上述した効果を安定的に得られることがわかった。
以上のように本実施の形態におけるPDPによれば、電子放出性能が高く、電荷保持能力としてはVscn点灯電圧が120V以下のものを得ることができる。
なお、本実施の形態では、結晶粒子92aとして酸化マグネシウム(MgO)粒子を用いて説明したが、この他の単結晶粒子でも、酸化マグネシウム(MgO)同様に高い電子放出性能を持つSr、Ca、Ba、Alなどの金属酸化物による結晶粒子を用いても同様の効果を得ることができるため、粒子種としては酸化マグネシウム(MgO)に限定されるものではない。
以上のように本発明は、高画質の表示性能を備え、かつ低消費電力のPDPを実現する上で有用な発明である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
81 第1誘電体層
82 第2誘電体層
91 下地層
92 凝集粒子
92a 結晶粒子
93 金属酸化物粒子

Claims (3)

  1. 前面板と、
    前記前面板と対向配置された背面板と、を備え、
    前記前面板は、誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを有し、
    前記背面板は、下地誘電体層と、前記下地誘電体層上に形成された複数の隔壁と、前記下地誘電体層上及び前記隔壁の側面に形成された蛍光体層と、を有し、
    前記保護層は、前記誘電体層上に形成された下地層を含み、
    前記下地層には、酸化マグネシウムの結晶粒子が複数個凝集した凝集粒子及び金属酸化物粒子が全面に亘って分散配置され、
    前記金属酸化物粒子は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムからなる群の中から選ばれる少なくとも2つの金属酸化物を含み、
    前記金属酸化物粒子の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークが、前記金属酸化物粒子に含まれる2つの前記金属酸化物の内、一方の前記金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークと、他方の前記金属酸化物の特定方位面におけるX線回折分析の回折角ピークとの間にある
    プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記金属酸化物粒子の被覆率が5〜50%であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記金属酸化物粒子の被覆率が5〜25%であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
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