本発明は、光源としてレーザ光源を用いて生成された画像を被投影物に投影するプロジェクタに関する。
近年、携帯可能な小型のプロジェクタに対するニーズが高まっている。このようなニーズに応じて、ポケットサイズのプロジェクタに対する研究開発も進められている。使用者は、例えば、ポケットにこのようなプロジェクタを入れ、持ち運ぶことができる。
小型のプロジェクタの開発を目的として、光源として、ランプの代わりに、LED(Light Emitting Diode)やレーザ光源を用いることが提案されている。また、LEDやレーザ光源といった光源、このような光源に対応する空間変調素子及び投影光学系とを備える小型化された光学系が組み込まれたプロジェクタが研究されている。
理想的な点光源に近いレーザ光源は、小面積において効率的な集光を達成することができるので、光利用効率の高い小型のプロジェクタに特に好ましく適用される。光源として、直線偏光のレーザ光源が用いられ、且つ、画像信号に応じて光を変調する空間光変調素子として液晶パネルが用いられるならば、従来、液晶パネルに入射する光を直線偏光に変換するために用いられてきた偏光フィルタは不要となり、光利用効率の高いプロジェクタが実現される。
小型化されたプロジェクタとして、走査型のプロジェクタも提案されている。走査型プロジェクタは、略平行光化されたレーザ光を小型のミラーで走査し、画像を投影する。このように、走査型のプロジェクタは、略平行光を用いて画像を投影するので、投影レンズを必要としない。したがって、プロジェクタは小型化され、且つ、画像が投影される投影面への画像のピント調整を必要としない。
レーザ光源として、半導体レーザやSHG(Second Harmonic Generation)レーザが用いられるならば、ランプやLEDと比べて、スペクトル幅が狭く、且つ、単色性の高いレーザ光が得られる。したがって、色再現範囲に優れた高画質の画像を表示することができるプロジェクタが提供される。
上述の如く、プロジェクタの光源としてレーザ光源が用いられるならば、上述された様々な利点が得られる一方で、一定の安全性を確保するために、レーザ光源は安全規格に則って使用される必要がある。したがって、光源としてレーザ光源が用いられたプロジェクタは、できる限り高い安全性を有することが望ましい。
光源としてレーザ光源が組み込まれた従来のプロジェクタは、例えば、フォトカプラといった受光素子を備える。受光素子は、被投影物によって反射された光を検出する。プロジェクタは、検出された光に応じて、例えば、レンズの直前に存在する物体を検知し、液晶パネルを制御し、映像光の投影を停止させる(例えば、特許文献1参照)。この結果、例えば、レンズの直前に使用者の眼が存するならば、プロジェクタはレーザ光の出射を停止する。かくして、プロジェクタの安全性が高められる。
レーザ光源を備える他の従来のプロジェクタは、投影光内への人体や物体の侵入を周期的に監視する赤外線カメラを備える。人体や物体の侵入を検知したプロジェクタは、レーザ光の出力を低下させる(例えば、特許文献2参照)。投影光内へ人体が侵入するならば、プロジェクタは、人体に対して十分に安全な程度までレーザ光の出力を低下するので、比較的高いプロジェクタの安全性が確保される。
レーザ光源を備える更に他の従来のプロジェクタは、画像を表示するためのレーザ光が出射される前に、人体に対して十分に安全なレベルのレーザ光を照射する、或いは、音声メッセージやインジケータランプの点灯を用いて、使用者に事前に警告を与える(例えば、特許文献3参照)。この結果、使用者が高レベルのレーザ光の出力を事前に知覚することなく、画像を表示するためのレーザ光が出力されることが抑制される。かくして、プロジェクタの安全性が高められる。
従来、提案されてきた上述のプロジェクタの様々な課題が以下に説明される。
フォトカプラといった受光素子を用いて被投影物によって反射された光を検出するプロジェクタは、検出した反射光に応じて、レンズの直前に物体が存するか否かを検知することができる。このようなプロジェクタは、レンズの直前に物体が存するとき、レーザ光の投影を停止することができる。しかしながら、レーザ光の停止は、被投影物からの反射光の検出後であるので、レーザ光は被投影物に瞬間的に到達している。例えば、被投影物が人体であるならば、人体はレーザ光を瞬間的に受けることとなる。
投影光内への人体や物体の侵入を周期的に監視する赤外線カメラを備えるプロジェクタは、侵入を検知すると、レーザ光の出力を低下させる。しかしながら、このようなプロジェクタは、人体や物体の侵入を検知するための追加的な赤外線カメラや画像処理を必要とする。この結果、プロジェクタのコストが高くなり、及び/又は、プロジェクタの消費電力が大きくなる。したがって、レーザ光源の使用の利点の1つである低消費電力という特性が損なわれることとなる。
プロジェクタが画像を表示するためのレーザ光が出射される前に、人体に対して十分に安全なレベルのレーザ光を照射する、或いは、音声メッセージやインジケータランプの点灯を用いて、使用者に事前に警告を与えるならば、使用者は、常に、事前の警告を認識した後にプロジェクタを使用することとなる。この結果、使用者は、プロジェクタを瞬時に使用することができない。レーザ光源やLED光源は、ランプとは異なり、電流の供給に瞬時に応答し光りを発生するという利点を有する。プロジェクタの光源としてレーザ光源が用いられるならば、使用者は映像光を瞬時に投影し、画像を表示することができる。しかしながら、上述の事前の警告を与えるプロジェクタは、レーザ光源の使用からもたらされる瞬時の使用という利点を損なうこととなる。
特開2002−6397号公報
特開2005−352172号公報
特開2009−244633号公報
本発明は、レーザ光源を備える安全なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記プロジェクタの固定度を検出する検出部と、前記固定度に基づいて、前記映像光のパワーを調整するための制御を行う制御要素と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記レーザ光源、前記光変調部及び前記投影部を収容する筐体と、該筐体の外面に現れ、前記映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチと、該電源スイッチをカバーするカバー要素と、を備え、前記筐体は、前記電源スイッチが前記カバー要素によってカバーされる収容位置と前記電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間で前記カバー要素に対して移動可能であり、前記電源スイッチがオンにされると、前記電源スイッチがロックされ、前記筐体の前記露出位置から前記収容位置への移動を不能にすることを特徴とする。
第1実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図1に示されるプロジェクタが加速度運動をしているときの映像光の投射及び投射の停止を示す概略図である。
図1に示されるプロジェクタが加速度運動をしているときの映像光の投射及び投射の停止を示す概略図である。
第2実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
第3実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図5に示されるプロジェクタの概略図である。
第4実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図7に示されるプロジェクタの操作スイッチを示す概略図である。
レーザ光の波長と比視感度との関係を概略的に示すグラフである。
図7に示される緑色レーザ光源の概略図である。
第5実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
第6実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図12に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図12に示されるプロジェクタの重力スイッチの概略図である。
第7実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図15に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第8実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図17に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第9実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図19に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図19に示されるプロジェクタの筐体が組み込まれたラップトップPC(Personal Computer)を概略的に示す斜視図である。
第10実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図22に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第11実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図24に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第12実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図26に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図26に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第13実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
以下、一実施形態に従うプロジェクタが、図面を用いて説明される。図面中、同一、同様の作用或いは同様の動作をなす構成要素には、同様の符号が付されている。冗長な説明を避けるために、必要に応じて、重複する説明は省略される。一連の実施形態の原理の理解を助けるために、図面に示される構成要素は、模式的に示されている。したがって、図面に示される構成要素の形状も模式的であり、以下に説明される実施形態の原理を何ら限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図1を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタが説明される。
図1に示される如く、第1実施形態に従うプロジェクタ100は、レーザ光Lを出射するレーザ光源120を備える。レーザ光源120は、赤色のレーザ光LRを照射するための赤色レーザ光源120Rと、青色のレーザ光LBを照射するための青色レーザ光源120Bと、緑色のレーザ光LGを照射するための緑色レーザ光源120Gと、を含む。プロジェクタ100は、レーザ光LR,LB,LGを用いて、映像光ILを投影する。
プロジェクタ100は、レーザ光源120を駆動するレーザ電源(図示せず)と、レーザ光Lを略平行光にするコリメートレンズ121と、レーザ光Lを拡散する拡散板130と、拡散板130から出射されるレーザ光Lを略平行光にするためのフィールドレンズ150と、偏光方向に応じて、レーザ光Lのビームを分離する偏光ビームスプリッタ160と、画像信号に応じてレーザ光Lを変調する空間変調素子として用いられる反射型の液晶パネル170と、を更に備える。液晶パネル170は、レーザ光Lを変調し、映像光ILを生成する。本実施形態において、液晶パネル170は、光変調部として例示される。
プロジェクタ100は、液晶パネル170によって生成された映像光ILを投影する投影レンズ180と、上述の様々な光学素子を収容する筐体101と、を更に備える。投影レンズ180は、筐体101外へ映像光ILを投影する。本実施形態において、投影レンズ180は、投影部として例示される。
プロジェクタ100は、プロジェクタ100の変位に伴う加速度を検出する静電容量型の加速度センサ190を更に備える。本実施形態において、加速度センサ190は、固定度を検出する検出部として例示される。尚、「固定度」との用語は、「一所に定まって移動しない程度」を意味する。プロジェクタ100が静止しているならば、固定度は高く、プロジェクタ100が高い加速度或いは速度で変位しているならば、固定度は低くなる。加速度センサ190は、固定度として、プロジェクタ100の加速度を検出する。
プロジェクタ100は、例えば、CPUといった制御素子195を更に備える。加速度センサ190は、検出されたプロジェクタ100の加速度に関する情報を含む検出信号を制御素子195に出力する。本実施形態において、制御素子195は、検出信号に基づき、レーザ光源120(レーザ光源120の出力)を制御し、投影レンズ180から出力される映像光ILのパワーを調整する。尚、制御素子195は、レーザ光源120に加えて、液晶パネル170やプロジェクタ100の他の要素を制御する。かくして、制御素子195は、プロジェクタ100の全体の動作を制御することができる。
図1に示される如く、プロジェクタ100は、ミラー要素122を更に備える。ミラー要素は、緑色レーザ光源120Gから緑色のレーザ光LGを受けるミラー122Gと、青色レーザ光源120Bから青色のレーザ光LBを受けるダイクロイックミラー122Bと、赤色レーザ光源120Rから赤色のレーザ光LRを受けるダイクロイックミラー122Rと、を含む。
上述の如くコリメートレンズ121によって平行光線にされた緑色のレーザ光LGは、ミラー122Gに向かって伝播する。ミラー122Gは、ダイクロイックミラー122Rに向けて緑色のレーザ光LGを反射する。ミラー122Gとダイクロイックミラー122Rとの間のダイクロイックミラー122Bは、緑色のレーザ光LGを透過させる。コリメートレンズ121によって平行光線にされた青色のレーザ光LBは、ダイクロイックミラー122Bによって、ダイクロイックミラー122Rに向けて反射される。
赤色レーザ光源120Rは、拡散板130(例えば、磨りガラス)に向けて、赤色のレーザ光LRを照射する。赤色レーザ光源120Rと拡散板130との間のダイクロイックミラー122Rは、赤色のレーザ光LRを透過させる。一方、ダイクロイックミラー122Rは、ミラー122Gによって反射された緑色のレーザ光LGと、ダイクロイックミラー122Bによって反射された青色のレーザ光LBと、を拡散板130に向けて反射する。かくして、ダイクロイックミラー122Rは、赤色のレーザ光LR、緑色のレーザ光LG及び青色のレーザ光LBを1つの光軸にまとめる。1つの光軸にまとめられた赤色のレーザ光LR、緑色のレーザ光LG及び青色のレーザ光LBを含むレーザ光Lは、拡散板130に入射する。
レーザ光Lは、拡散板130によって拡散された後、フィールドレンズ150に到達する。フィールドレンズ150は、レーザ光Lを偏光ビームスプリッタ160に入射させる。偏光ビームスプリッタ160は、液晶パネル170に向けて、レーザ光Lを反射させる。この結果、レーザ光Lは、液晶パネル170に入射する。
液晶パネル170は、画像信号に応じて、レーザ光Lを変調並びにレーザ光Lの偏光方向を変化させ、映像光ILを生成する。レーザ光Lの変調によって生成された映像光ILは、偏光ビームスプリッタ160を透過し、投影レンズ180に到達する。投影レンズ180は、例えば、スクリーン(図示せず)に、映像光ILを投影する。かくして、映像は、スクリーン上に表示される。
本実施形態において、プロジェクタ100は、使用者が携帯することができる程度に小型に形成される。したがって、使用者は、プロジェクタ100を握持し、操作することができる。使用者が映像を所望の面或いは物に投影するとき、使用者はプロジェクタ100を投影対象に向けて変位させることができる。
加速度センサ190は、プロジェクタ100の変位に伴う加速度を検知する。加速度センサ190が検知した加速度の値が所定の値(プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値)を超えると、加速度センサ190から検知信号が入力された制御素子195は、レーザ光源120に制御信号を出力する。本実施形態において、レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lのパワー(即ち、映像光ILのパワー)を低下させる。代替的に、レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止させる。
以下の説明において、画像信号に基づく映像を投影対象に適切な輝度で表示するための映像光ILのパワーは、「第1パワー」と称される。また、加速度センサ190がプロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値を超える加速度を検知したときにおける低減された映像光ILのパワーは、「第2パワー」と称される。第2パワーは、第1パワーより低いレベルのパワーであり、例えば、使用者の眼に映像光ILが入射しても、使用者の眼に無害な大きさに設定される。尚、レーザ光源120が、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止させるならば、第2パワーは、「0」の値となる。
本実施形態において、プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値未満の加速度は、第1加速度として例示される。また、プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値以上の加速度は、第2加速度として例示される。加速度センサ190が第1加速度を検出するならば、制御素子195は、映像光ILのパワーを第1パワーに設定する。加速度センサ190が第2加速度を検出するならば、制御素子195は、映像光ILのパワーを第2パワーに設定する。
図2は、加速度運動をするプロジェクタ100の概略図である。図1及び図2を用いて、プロジェクタ100の動作が説明される。
図2に示される「状態A」のプロジェクタ100は、静止している。図2に示される「状態B」のプロジェクタ100は、加速度運動をしている。図2に示される「状態C」のプロジェクタ100は、静止している。図2に示されるプロジェクタ100の状態は、「状態A」、「状態B」及び「状態C」へ順次変化する。
図2に示されるプロジェクタ100のレーザ光源120は、第2加速度を検出した加速度センサ190からの検出信号に基づき制御素子195が出力した制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止する。
「状態A」のプロジェクタ100は、静止しているので、加速度センサ190は、「0」の加速度(第1加速度)を検出する。したがって、プロジェクタ100からは、第1パワーの映像光IL1が出射される。
「状態B」のプロジェクタ100は、閾値を超える加速度(第2加速度)で移動している。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が第2加速度で移動していることを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を停止させる。この結果、プロジェクタ100からの映像光ILの投影が停止される。
その後、プロジェクタ100は、静止される(状態C)。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が静止したことを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を再開させる。この結果、プロジェクタ100からの映像光ILの投影が再開され、投影対象(例えば、スクリーン)に十分な輝度の画像IMが表示される。
図2に示されるプロジェクタ100の位置や映像光ILの投影方向が変化するならば、映像光ILの出射が停止されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100が提供される。
図3は、加速度運動をするプロジェクタ100の概略図である。図1及び図3を用いて、プロジェクタ100の動作が説明される。
図3に示される「状態A」のプロジェクタ100は、静止している。図3に示される「状態B」のプロジェクタ100は、加速度運動をしている。図3に示される「状態C」のプロジェクタ100は、静止している。図3に示されるプロジェクタ100の状態は、「状態A」、「状態B」及び「状態C」へ順次変化する。
図3に示されるプロジェクタ100のレーザ光源120は、第2加速度を検出した加速度センサ190からの検出信号に基づき制御素子195が出力した制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を低減する。
「状態A」のプロジェクタ100は、静止しているので、加速度センサ190は、「0」の加速度(第1加速度)を検出する。したがって、プロジェクタ100からは、第1パワーの映像光IL1が出射される。かくして、第1パワーの映像光IL1によって得られた画像IM1が投影対象(例えば、スクリーン)に表示される。
「状態B」のプロジェクタ100は、閾値を超える加速度(第2加速度)で移動している。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が第2加速度で移動していることを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力する。レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lのパワーを低減させる。この結果、第2パワーの映像光IL2が投影される。かくして、第2パワーの映像光IL2によって得られた画像IM2が投影対象に表示される。尚、画像IM2は、映像光IL1より低いパワーの映像光IL2によって作られるので、画像IM2の輝度は、画像IM1の輝度よりも低くなる。
その後、プロジェクタ100は、静止される(状態C)。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が静止したことを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を増大させる。この結果、プロジェクタ100からの第1パワーの映像光IL1の投影が再開され、投影対象に高い輝度の画像IM1が表示される。
図3に示されるプロジェクタ100の位置や映像光ILの投影方向が変化するならば、第2パワーの映像光IL2が出射されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100が提供される。加えて、制御素子195は、プロジェクタ100の加速度が閾値を超えても、レーザ光源120からのレーザ光Lの出射を維持しつつ、映像光ILのパワーを調整するので、プロジェクタ100の周囲に存する使用者及び/又は視聴者に、映像光ILの投影方向を知らせることができる。使用者は、プロジェクタ100が画像を投影している投影領域を見失いにくいので、プロジェクタ100の向きや映像光ILの投影位置を容易に把握することができる。かくして、操作性に優れたプロジェクタ100が提供される。
(第2実施形態)
加速度センサによって検知されたプロジェクタの加速度に応じて、プロジェクタから出射される映像光のパワーの低減(或いは、映像光の出射の停止)のための手法は、レーザ光源から出射されるレーザ光のパワーの調整に限定されない。第2実施形態では、光変調部として例示される液晶パネルを用いて、プロジェクタから出射される映像光のパワーの低減(或いは、映像光の出射の停止)が達成される。
図4は、第2実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図4を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第2実施形態に従うプロジェクタ100Aは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、投影レンズ180及び加速度センサ190に加えて、制御素子195A及び反射型の液晶パネル170Aと、を備える。
本実施形態において、制御素子195Aは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、液晶パネル170Aを制御する。プロジェクタ100Aが、閾値未満の加速度で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Aは、プロジェクタ100Aに入力された映像信号に基づき、液晶パネル170Aを駆動する。この結果、液晶パネル170Aの駆動によって生成された映像光ILは、偏光ビームスプリッタ160及び投影レンズ180を通じて、筐体101外へ投影される。プロジェクタ100Aが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Aは、液晶パネル170Aに制御信号を出力し、映像信号に基づく映像光ILの生成を停止させる、或いは、映像光ILのパワーを低下させる。この結果、投影レンズ180から出射される映像光ILのパワーが低減され、或いは、「0」となる。
(第3実施形態)
プロジェクタからの映像光の出射の停止は、シャッタ機構を用いて達成されてもよい。第3実施形態に関連して、シャッタ機構を用いた映像光の出射の停止が説明される。
図5は、第3実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図5を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第3実施形態に従うプロジェクタ100Bは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、制御素子195B及びシャッタ機構410を備える。
シャッタ機構410は、例えば、筐体101の外面に取り付けられたシャッタ板411と、シャッタ板411を駆動する駆動モータ412と、を備える。駆動モータ412は、制御素子195Bの制御下で、投影レンズ180から投影される映像光ILの光路を開く開位置と投影レンズ180から投影される映像光ILの光路を遮断する閉位置との間でシャッタ板411を移動させる。本実施形態において、シャッタ機構410は、シャッタ要素として例示される。尚、図5に示されるシャッタ板411は、開位置に存する。
図6は、閉位置に移動したシャッタ板411を備えるプロジェクタ100Bを概略的に示す。図5及び図6を用いて、プロジェクタ100Bが更に説明される。
本実施形態において、制御素子195Bは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、駆動モータ412を制御する。プロジェクタ100Bが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Bは、駆動モータ412に制御信号を出力し、シャッタ板411を開位置へ移動させる。尚、好ましくは、制御素子195Bは、シャッタ板411を開位置へ移動させる前に、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。この結果、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された映像光ILは、シャッタ板411が開位置へ移動する直前には、シャッタ板411の内面に照射される。シャッタ板411が開位置に向けて移動するにつれて、筐体101から出射される映像光ILの量は、徐々に増大する。この結果、プロジェクタ100Bの周囲の使用者或いは視聴者が予期することなく、瞬間的に高いパワーの映像光ILがプロジェクタ100Bから出射されることが抑制される。かくして、高い安全性を有するプロジェクタ100Bが提供される。
プロジェクタ100Bが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Bは、駆動モータ412に制御信号を出力し、シャッタ板411を閉位置へ移動させる。プロジェクタ100Bが高い加速度で変位している間の映像光ILの出射が、シャッタ板411によって、停止されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100Bが提供される。
(第4実施形態)
プロジェクタからの映像光の出力及び停止は、好ましくは、プロジェクタを使用する使用者の意志に応じて、制御される。第4実施形態に関連して、使用者が映像光の出力及び停止を指示するために操作する操作部を備えるプロジェクタが説明される。
図7は、第4実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図7を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第4実施形態に従うプロジェクタ100Cは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、制御素子195C及び操作スイッチ510を備える。使用者は、操作スイッチ510を操作し、映像光ILの出力及び/又は停止をプロジェクタ100Cに指示することができる。本実施形態において、操作スイッチ510は、操作部として例示される。
制御素子195Cは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、レーザ光源120を制御する。使用者が操作スイッチ510を操作していないときの制御素子195Cのレーザ光源120に対する制御は、第1実施形態に関連して説明された制御素子195と同様である。したがって、プロジェクタ100Cが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。また、プロジェクタ100Cが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。
図8は、操作スイッチ510を示す概略図である。図7及び図8を用いて、操作スイッチ510が説明される。
図8の右図は、使用者によって外力を加えられ、加圧状態下にある操作スイッチ510を示す。図8の左図は、使用者からの外力が解除され、非加圧状態にある操作スイッチ510を示す。
操作スイッチ510は、筐体519と、筐体519内に配設されたバネ530(弾性体)と、バネ530に弾性的に支持される加圧ボタン520と、を備える。使用者が加圧ボタン520を押圧すると、加圧ボタン520は、筐体519内に埋没する。使用者が外力を解除すると、バネ530が伸長し、加圧ボタン520は筐体519外に突出する。
操作スイッチ510は、スイッチ電極540を更に備える。スイッチ電極540は、加圧ボタン520と連動する第1電極541と、第1電極541に対向する第2電極542と、を含む。加圧ボタン520に外力が付加されていない間、バネ530は伸長するので、第1電極541は、第2電極542から離間する。加圧ボタン520に外力が加えられると、バネ530は縮み、第1電極541は第2電極542に接触する。この結果、第1電極541と第2電極542との間での導電が達成される。第1電極541及び第2電極542が接触すると、操作スイッチ510から制御素子195Cへ操作信号が出力される。
操作スイッチ510から制御素子195Cへ操作信号が出力されると、制御素子195Cは、加速度センサ190が検出したプロジェクタ100Cの加速度に拘わらず、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された映像光ILをプロジェクタ100Cから投影させる。
使用者が、例えば、指で加圧ボタン520を押圧すると(即ち、加圧ボタン520に外力を加えると)、第1電極541は、第2電極542に接触する。使用者が、加圧ボタン520から指を離すと、第1電極541は第2電極542から離間する。
上述の如く、プロジェクタ100Cが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。しかしながら、使用者が、加速度センサ190が検出した加速度の大きさに拘わらず、プロジェクタ100Cから映像光ILを出射させたいならば、使用者は、加圧ボタン520を押圧し続け、映像光ILを投影することができる。その後、使用者が加圧ボタン520から指を離すと、制御素子195Cは、プロジェクタ100Cの加速度に応じて、映像光ILの投影を継続、或いは、停止させる。かくして、加速度センサ190が検出した加速度に基づく映像光ILの投影の制御に対し、使用者の意志(プロジェクタ100Cからの映像光ILの投影又は投影の停止に関する指示)が適切に反映される。プロジェクタ100Cからの映像光ILの投影又は投影の停止に関して、使用者の意志が適切に反映されるので、プロジェクタ100Cは、操作性に優れることとなる。
制御素子195Cは、操作スイッチ510からの操作信号が入力された時刻からの経過時間を測定してもよい。また、制御素子195Cは、操作スイッチ510からの操作信号が入力された時刻からの所定期間(以下、第1期間と称される:例えば、10秒の期間)において、プロジェクタ100の周囲の使用者及び/又は視聴者に有害とならないパワーレベルの範囲の映像光ILが出射されるように、プロジェクタ100Cの加速度に応じて、レーザ光源120を制御してもよい。代替的に、制御素子195Cは、第1期間において、プロジェクタ100の周囲の使用者及び/又は視聴者に有害とならないパワーレベルの範囲で、時間経過に伴って、映像光ILのパワーが徐々に増大するようにレーザ光源120を制御してもよい。
制御素子195Cは、第1期間において、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、赤色のレーザ光LR及び青色のレーザ光LBの出射をそれぞれ停止させてもよい。また、制御素子195Cは、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGのパワーを低減させ、使用者及び視聴者の眼に無害な大きさの第2パワーに設定する。この結果、第2パワーの緑色のレーザ光LGから形成された映像光IL2がプロジェクタ100Cから出射される。
515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGは、赤色のレーザ光LRや青色のレーザ光LBと比べて視感度が高い。例えば、532nmの波長の緑色のレーザ光は、640nmの赤色のレーザ光と比べて、約5倍程度、視感度が高い。また、532nmの波長の緑色のレーザ光は、445nmの青色のレーザ光と比べて、約30倍程度、視感度が高い。したがって、使用者及び視聴者の眼には、レーザ光のパワーレベルが同等であっても、緑色のレーザ光は、より明るく見える。したがって、比較的パワーの低いレーザ光であっても、高い輝度の画像が表示される。
図9は、レーザ光の波長と比視感度との関係を概略的に示すグラフである。図7及び図9を用いて、第1期間における選択的なレーザ光の出力が説明される。
本実施形態において、映像光ILのパワーが第2パワーに設定される第1期間において、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGを出射する緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、第1期間において、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGから形成された画像が表示される。しかしながら、第1期間において選択的に出射されるレーザ光の波長は、515nm以上540nm以下の範囲に限定されない。図9に示される如く、比視感度が「0.5」以上となる波長λa以上波長λb以下(λa<λb)の範囲の波長のレーザ光が選択的に第1期間において出射されてもよい。比視感度が「0.5」以上となる波長範囲であれば、比較的パワーの低いレーザ光であっても、高い輝度の画像が表示される。
図7及び図8を用いて、操作スイッチ510の操作に伴うプロジェクタ100Cの動作が説明される。
加圧ボタン520が一旦押されると、上述の如く、加速度センサ190が検出したプロジェクタ100Cの加速度に拘わらず、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された第2パワーの映像光IL2がプロジェクタ100Cから投影される。その後、外力が加圧ボタン520から解除されても、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から投影し続けてもよい。更に、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、第1期間の経過後に、映像光ILの投影を停止させてもよい。代替的に、外力が加圧ボタン520から解除されるとすぐに、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止させてもよい。
加圧ボタン520が押圧された後、所定期間、プロジェクタ100Cが第2パワーの映像光IL2を投影し続けるならば、プロジェクタ100Cの周囲の使用者及び視聴者は、映像光ILが照らされる領域が明るくなるので、映像光ILの投影位置及び投影方向を知覚することができる。したがって、使用者が意図せず、加圧ボタン520を押圧しても、高いパワーレベルの映像光ILが瞬時にプロジェクタ100Cから出射されないので、プロジェクタ100Cは、高い安全性を有することとなる。
加圧ボタン520に外力が、所定期間(以下、第2期間と称される)、与え続けられるとき、制御素子195Cは、第1パワーの映像光IL1が投影レンズ180から投影されるように、プロジェクタ100Cの動作モードを切り替えてもよい。例えば、加圧ボタン520が、第2期間(例えば、10秒間)、押圧され続けているとき、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、赤色のレーザ光LR及び青色のレーザ光LBの出射を再開してもよい。また、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、映像光ILのパワーを第1パワーに設定し、表示される画像の輝度を適切に調整する。
上述の如く、本実施形態において、制御素子195Cは、第1期間において、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。現状において、高いパワーの緑色のレーザ光を出射する半導体レーザを構成することができる実用的且つ最適な材料を入手することは困難である。このような現状の下、高いパワーの緑色のレーザ光を出射することができるレーザ光源として、波長変換型の緑色レーザ光源が提案され、量産化に向けた開発が進められている。本実施形態に関連して説明された緑色レーザ光源120Gは、好ましくは、波長変換型のレーザ光源である。
図10は、緑色レーザ光源120Gの構成を示す概略図である。図7及び図10を用いて、緑色レーザ光源120Gが説明される。
緑色レーザ光源120Gは、励起光PLを発生する励起光源221と、励起光源221から出射された励起光PLを略平行光にするコリメートレンズ222と、励起光PLに基づき、基本波光を発生するレーザ媒質223と、を備える。緑色レーザ光源120Gは、コリメートレンズ222とレーザ媒質223との間に配設される集光レンズ229を更に備える。集光レンズ229は、コリメートレンズ222によって平行光にされた励起光PLをレーザ媒質223に集光する。集光レンズ229によって励起光PLが集光されると、レーザ媒質223は、例えば、1060nm帯の基本波光を発生する。
緑色レーザ光源120Gは、レーザ媒質223が発生させた基本波光を緑色のレーザ光LGに波長変換する波長変換素子224を更に備える。レーザ媒質223は、励起光PLが入射される入射端面225を含む。また、波長変換素子224は、緑色のレーザ光LGが出射される出射端面226を含む。レーザ媒質223の入射端面225には、1060nm帯の光を高反射する光学膜(図示せず)が形成される。また、波長変換素子224の出射端面226にも、1060nm帯の光を高反射する光学膜(図示せず)が形成される。かくして、レーザ媒質223の入射端面225と波長変換素子224の出射端面226との間で、光学的な共振器が形成される。共振器内で、1060nm帯の光が反射を繰り返し、1060nm帯のレーザ光が発振される。その後、1060nm帯のレーザ光は、波長変換素子224を通過し、530nm帯の緑色のレーザ光LGへ波長変換される。
緑色レーザ光源120Gは、出力レンズ227を備えてもよい。緑色のレーザ光LGは、出力レンズ227を介して、ミラー122Gに向けて出射される。
図10に示される緑色レーザ光源120Gの温度に起因する出力変化(以下、温度特性と称される)は、赤色レーザ光源120Rとして用いられる赤色半導体レーザ光源や青色レーザ光源120Bとして用いられる青色半導体レーザ光源とは大きく異なる。
赤色半導体レーザ光源や青色半導体レーザ光源の温度特性は、半導体レーザ光源自身の温度変化に大きく依存する。したがって、半導体レーザ光源の温度が低温から高温に遷移すると、半導体レーザ光源の出力は、典型的には、単調に低下する。一方で、図10に示される波長変換型の緑色レーザ光源120Gの出力の大きさは、励起光源221として用いられる半導体レーザの出力変化だけでなく、波長変換素子224の温度変化の影響を受ける。
波長変換素子224の使用温度範囲が、例えば、室温付近の20℃から40℃であるならば、20℃以下の環境下で用いられた緑色レーザ光源120Gの出力は、大幅に低下する。例えば、10℃の温度環境下でプロジェクタ100Cが使用されるならば、使用者は、波長変換素子224の温度が20℃以上になるのを待つ必要がある。この間、緑色のレーザ光LGは、画像を表示するのに十分なパワーレベル(第1パワー)となっていないので、使用者及び視聴者は、緑色の色相の輝度が低い画像を視聴することとなる。
本実施形態において、上述の如く、加速度センサ190が、閾値を超えるプロジェクタ100Cの加速度を検出すると、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、緑色レーザ光源120Gは、短時間、且つ、安全に、温度上昇することができる。したがって、プロジェクタ100Cは、短時間に明るい画像を表示することが可能となる。
本実施形態において、操作スイッチ510は、第1電極541を上方に付勢し、第2電極542から分離するためのバネ530を備える。代替的に、第1電極541と第2電極542との間の分離を促す他の要素が、バネ530の代わりに用いられてもよい。例えば、磁石がバネ530の代わりに用いられ、磁石の磁力によって、第1電極541と第2電極542との間の接続が解除されてもよい。或いは、バネ530の代わりにコイルが用いられ、電磁誘導作用によって、第1電極541と第2電極542との間の接続が解除されてもよい。
(第5実施形態)
プロジェクタは、映像光の投影及び投影の停止を、使用者の意志に基づき指示するための操作スイッチとして、複数のスイッチ素子を備えてもよい。第5実施形態に関連して、複数のスイッチ素子を備えるプロジェクタが説明される。
図11は、第5実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図8及び図11を用いて、第4実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第5実施形態に従うプロジェクタ100Dは、第4実施形態に関連して説明されたプロジェクタ100Cと同様に、筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190を備える。プロジェクタ100Dは、第1スイッチ511と第2スイッチ512とを含む操作スイッチ510Dを更に備える。第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、筐体101の異なる部位に取り付けられる。尚、第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、図8に関連して説明されたスプリング構造を備えてもよい。
プロジェクタ100Dは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、レーザ光源120を制御する制御素子195Dを更に備える。使用者が操作スイッチ510Dを操作していないときの制御素子195Dのレーザ光源120に対する制御は、第4実施形態に関連して説明された制御素子195Cと同様である。したがって、プロジェクタ100Dが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Dは、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。また、プロジェクタ100Dが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Dは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。
本実施形態において、第1スイッチ511及び第2スイッチ512の両方に略同時に外力が与えられたとき(即ち、第1スイッチ511及び第2スイッチ512の第1電極541が第2電極542に接触したとき)、制御素子195Dは、レーザ光源120(例えば、緑色レーザ光源120G)を駆動し、第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から投影させる。第1スイッチ511及び第2スイッチ512のうち一方に外力が与えられても、制御素子195Dは、レーザ光源120を駆動しない。
使用者の意図なしに、第1スイッチ511及び第2スイッチが略同時に押圧されることはほとんどない。したがって、本実施形態のプロジェクタ100Dは、使用者の操作スイッチ510Dに対する誤操作に起因する意図しない映像光ILの投影をほとんど引き起こさない。したがって、プロジェクタ100Dは、使用者の意志を反映し、映像光ILを投影することができるので、優れた操作性だけでなく、高い安全性を有する。
本実施形態のプロジェクタ100Dは、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を備える。第1スイッチ511は、好ましくは、第2スイッチ512から離間される。この結果、使用者は、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を、意図せず操作することはほとんどない。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
図11に示される如く、第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、好ましくは、筐体101の同一面でなく、異なる面に取り付けられる。第1スイッチ511及び第2スイッチ512が同一面に存在しないならば、使用者が、片手で、第1スイッチ511及び第2スイッチ512をともに操作することは困難となる。したがって、使用者は、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作することとなる。プロジェクタ100Dは、使用者に第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作させるので、プロジェクタ100Dは、プロジェクタ100Dからの映像光ILの投影の慎重な実行を促すことができる。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
第1スイッチ511及び第2スイッチ512間の最短距離は、好ましくは、200mm以上である。使用者が、200mm以上離間した第1スイッチ511及び第2スイッチ512を片手で操作することは困難である。したがって、使用者は、両手で第1スイッチ511及び第2スイッチ512を押圧することとなる。プロジェクタ100Dは、使用者に第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作させるので、プロジェクタ100Dは、プロジェクタ100Dからの映像光ILの投影の慎重な実行を促すことができる。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
(第6実施形態)
プロジェクタの固定度を検出するための要素は、上述の加速度センサに限定されない。第6実施形態に関連して、検出部として、プロジェクタを設置するための支持面(例えば、テーブルの表面)にプロジェクタが設置されたか否かを検出するための設置スイッチを備えるプロジェクタが説明される。
図12は、第6実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図12を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第6実施形態に従うプロジェクタ100Eは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180を備える。プロジェクタ100Eは、検出部として、プロジェクタ100Eが設置される支持面(例えば、テーブルの表面)にプロジェクタ100Eが設置されたか否かを検出するための重力スイッチ620を更に備える。本実施形態において、重力スイッチ620は設置スイッチとして例示される。
図13は、プロジェクタ100Eの概略的な斜視図である。図12及び図13を用いて、プロジェクタ100Eが更に説明される。
筐体101は、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたときに、支持面SSに対向する底壁102を含む。重力スイッチ620は、好ましくは、筐体101の底壁102に取り付けられる。
図14は、重力スイッチ620を示す概略図である。図12乃至図14を用いて、重力スイッチ620が説明される。
図14の右図は、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたときの第1モードの重力スイッチ620を示す。図14の左図は、プロジェクタ100Eが支持面SSから離間したときの第2モードの重力スイッチ620を示す。
重力スイッチ620は、筐体611と、筐体611内に配設されたバネ630(弾性体)と、バネ630に弾性的に接続される加圧ボタン612と、を備える。使用者がプロジェクタ100Eを支持面SSに設置すると、プロジェクタ100Eの自重によって、加圧ボタン612は、筐体611内に埋没し、重力スイッチ620は、第1モードとなる。使用者がプロジェクタ100Eを支持面SSから離間させると、バネ630が伸長し、加圧ボタン612は筐体611外へ突出する(第2モードの重力スイッチ620)。
重力スイッチ620は、スイッチ電極640を更に備える。スイッチ電極640は、加圧ボタン612と連動する下側電極641と、下側電極641に対向する上側電極642と、を含む。プロジェクタ100Eが支持面SSから離間している間、バネ630は伸長するので、下側電極641は、上側電極642から離間する。プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されている間、バネ630は縮み、下側電極641は上側電極642に接触する。この結果、下側電極641と上側電極642との間での導電が達成される。
図12に示される如く、プロジェクタ100Eは、重力スイッチ620のモードの切替に応じて、レーザ光源120を制御する制御素子195Eを更に備える。下側電極641及び上側電極642が接触すると、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたことを表す設置信号が制御素子195Eに出力される。
制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されている間、映像光ILのパワーを、画像を表示するための第1パワーに設定する。重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、制御素子195Eは、映像光ILのパワーを第1パワーより低い第2パワー(プロジェクタ100Eの周囲の使用者や視聴者に無害なパワーレベル)に設定する。
制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、レーザ光源120を制御し、レーザ光Lの出力を停止させてもよい。代替的に、制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、低いパワーレベルのレーザ光LGを緑色レーザ光源120Gから出射させてもよい。かくして、プロジェクタ100Eの安全性が向上する。
本実施形態において、設置スイッチとして重力スイッチ620が用いられている。代替的に、支持面へのプロジェクタの設置を検出することができる他の要素が設置スイッチとして用いられてもよい。例えば、静電センサや圧電センサは、設置スイッチとして好適に利用可能である。また、支持面が磁性体であるならば、磁石を有するスイッチ素子が設置スイッチとして用いられてもよい。プロジェクタと支持面との間の磁力を用いて、スイッチのオン・オフの切替(即ち、第1モードと第2モードとの間の切替)がなされてもよい。
(第7実施形態)
プロジェクタの安全性は、映像光の投影方向によっても高められる。第7実施形態に関連して、支持面へ映像光を投影するプロジェクタが説明される。
図15は、第7実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図15を用いて、第6実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第7実施形態に従うプロジェクタ100Fは、第6実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、重力スイッチ620及び制御素子195Eに加えて、投影レンズ180Fを備える。第6実施形態のプロジェクタ100Eと同様に、プロジェクタ100Fは、支持面に設置されたときに、高い輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影レンズ180Fから投影する。
図16は、支持面SSに設置されたプロジェクタ100Fの概略的な斜視図である。図15及び図16を用いて、プロジェクタ100Fが更に説明される。
筐体101内の上述の様々な光学系(コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170や投影レンズ180F)は、映像光ILが投影レンズ180Fから支持面SSに向けて投影されるように設計される。したがって、画像IMは支持面SS上に映し出される。
本実施形態の原理によれば、投影レンズ180Fと画像IMとの間の空間は狭くなる。したがって、例えば、使用者及び/又は視聴者の顔が、投影レンズ180Fと画像IMとの間の空間に侵入することはほとんどない。したがって、プロジェクタ100Fは、高い安全性を有することとなる。
本実施形態において、設置スイッチとして重力スイッチ620が用いられている。代替的に、支持面へのプロジェクタの設置を検出することができる他の要素が設置スイッチとして用いられてもよい。例えば、静電センサや圧電センサは、設置スイッチとして好適に利用可能である。
(第8実施形態)
プロジェクタの安全性は、プロジェクタが投影する画像を撮像することによっても高められる。第8実施形態に関連して、支持面へ投影された画像を撮像する撮像要素を備えるプロジェクタが説明される。
図17は、第8実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図17を用いて、第7実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第8実施形態に従うプロジェクタ100Gは、第6実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、重力スイッチ620、投影レンズ180Fに加えて、制御素子195G及び撮像装置196を備える。制御素子195Gは、重力スイッチ620のモード(第1モード又は第2モード)だけでなく、撮像要素として用いられる撮像装置196が取得した撮像データに基づき、レーザ光源120を制御する。
図18は、支持面SSに設置されたプロジェクタ100Gの概略的な斜視図である。図17及び図18を用いて、プロジェクタ100Gが更に説明される。
図18に示される如く、映像光ILが投影レンズ180Fから支持面SSに向けて投影され、画像IMは支持面SS上に映し出される。撮像装置196は、画像IMが表示される投影領域PRを撮像する。また、撮像装置196は、投影領域PRの撮像データを制御素子195Gに出力する。
制御素子195Gは、特定のオブジェクトに関するオブジェクトデータを格納する。本実施形態において、制御素子195Gは、人の手Hに関するオブジェクトデータを格納している。
重力スイッチ620が第1モードとなり、且つ、撮像装置196が手Hに関する情報を含むならば、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、高い輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影レンズ180Fから出射させる。重力スイッチ620が第2モードであるとき、及び/又は、撮像装置196が手Hに関する情報を含んでいないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、第1パワーより低い第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180Fから出射させる。
必要に応じて、撮像装置196及び制御素子195Gは、プロジェクタ100Gの操作のためのユーザインタフェースとして機能してもよい。例えば、制御素子195Gは、撮像データに基づき、画像IMと手Hとの間の位置関係、手Hの移動方向や手Hの移動速度といった操作情報を取得してもよい。制御素子195Gは、操作情報に基づき、液晶パネル170を制御し、支持面SSに表示される画像IMを偏光してもよい。
本実施形態のプロジェクタ100Gは、使用者がプロジェクタ100Gを操作するときのみ、第1パワーの映像光IL1を出射するので、高い操作性及び高い安全性を有する。
投影領域PR内に使用者の手Hが存しないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止してもよい。このとき、例えば、投影領域を明るくするためのLED(図示せず)やランプから光が出射されていてもよい。代替的に、投影領域PR内に使用者の手Hが存しないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、プロジェクタ100Gの周囲の使用者及び視聴者に無害なレベルの第2パワーの映像光IL2を出射させてもよい。例えば、制御素子195Gは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続してもよい。
(第9実施形態)
レーザ光源を用いたプロジェクタは、小型に形成される。したがって、プロジェクタは、パーソナルコンピュータといった他の装置に組み込まれてもよい。或いは、小型のプロジェクタは、使用者に携帯されるので、プロジェクタを保護する保護カバー内に収容されてもよい。第9実施形態において、他の装置の筐体や保護カバーといったカバー要素を備えるプロジェクタが説明される。
図19は、第9実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図19を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第9実施形態に従うプロジェクタ100Hは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190、制御素子195に加えて、映像光ILを生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチ140と、筐体101を覆うカバー要素145と、を備える。電源スイッチ140がオンにされると、レーザ光源120、液晶パネル170、加速度センサ190や制御素子195といった電力を用いて動作する電気的要素に電力が供給される。電源スイッチ140がオフにされると、これらの電気的要素への電力供給が停止される。
図20は、プロジェクタ100Hの概略的な斜視図である。図20の左図は、カバー要素145に収容された筐体101を含むプロジェクタ100Hの斜視図である。以下の説明において、図20の左図に示される筐体101の位置は、「収容位置」と称される。図20の右図は、カバー要素145から引き出された筐体101を含むプロジェクタ100Hの斜視図である。以下の説明において、図20の右図に示される筐体101の位置は、「露出位置」と称される。
図20に示される如く、筐体101は、収容位置と露出位置との間で移動可能である。筐体101が収容位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145によって覆われる。筐体101が露出位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145から露出する。
筐体101が露出位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145から露出するので、使用者は、電源スイッチ140を操作することができる。使用者が映像光ILを投影するために電源スイッチ140を操作すると、電源スイッチ140は、筐体101から突出する。使用者が映像光ILの投影を停止するために電源スイッチ140を操作すると、電源スイッチ140は筐体101内に埋没する。
電源スイッチ140が突出しているとき、使用者が誤ってカバー要素145内に筐体101を収容しようとすると、電源スイッチ140はカバー要素145の縁部に引っ掛かる。したがって、映像光ILの投影下でのカバー要素145内への筐体101の収容が抑制される。
上述の如く、使用者は、プロジェクタ100Hを誤操作しにくいので、映像光ILは、使用者による適切な操作の下、投影される。したがって、プロジェクタ100Hは高い安全性を有する。
プロジェクタ100Hが映像光ILを出射している間、電源スイッチ140は突出位置を保つので、電源スイッチ140はカバー要素145によって被覆されにくくなる。したがって、使用者は、カバー要素145外に露出する電源スイッチ140を容易に操作することができる(プロジェクタ100Hが映像光ILを出射している間、電源スイッチがカバー要素に覆われるならば、使用者は、電源スイッチを露出させるための操作を実行する必要がある)。かくして、プロジェクタ100Hは、高い操作性を有する。
筐体101が収容位置に存するときの方が、筐体101が露出位置に存するときよりもプロジェクタ100Hの体積は小さくなる。筐体101を収容位置へ移動させた方が携帯性に優れるので、使用者は、カバー要素145内に筐体101を収容し、プロジェクタ100Hを持ち運ぶこととなる。
上述の如く、筐体101が収容位置に存するとき、電力スイッチはオフにされている。したがって、使用者は、プロジェクタ100Hを安全に持ち運ぶことができる。
使用者は、筐体101を露出位置に移動させ、プロジェクタ100Hを使用することができる。筐体101が露出位置に移動されると、プロジェクタ100Hの体積は大きくなる。したがって、プロジェクタ100Hが使用されるときの放熱性が向上する。また、プロジェクタ100Hの体積の増大の結果、外部からの振動といった外力によって影響を受けにくくなる。したがって、プロジェクタ100Hの位置や向きが変動しにくくなる。したがって、プロジェクタ100Hは、外力に影響を受けにくく、画像を安定的に表示することができる。
筐体101が露出位置に存するとき、プロジェクタ100Hの最大寸法は、好ましくは、80mm以上に設定される。80mm以上の最大寸法を有するプロジェクタ100Hは、転倒しにくくなるので、プロジェクタ100Hの安全性が向上する。
図21は、筐体101が組み込まれたラップトップPC(Personal Computer)を概略的に示す斜視図である。図19乃至図21を用いて、ラップトップPCが説明される。
ラップトップPC450は、PC筐体451と、PC筐体451に回動可能に接続された表示部452と、を備える。PC筐体451は、図19及び図20に関連して説明されたカバー要素145として用いられる。図21の上図に示される筐体101は、収容位置に存する。図21の下図に示される筐体101は、露出位置に存する。
ラップトップPC450は、PC筐体451の側面に現れる開閉ボタン460を更に備える。使用者は、開閉ボタン460を操作し、筐体101を収容位置と露出位置との間で移動させることができる。
使用者は、開閉ボタン460を操作し、筐体101をPC筐体451から露出させると、図20に関連して説明された如く、電源スイッチ140を操作することができる。使用者は、電源スイッチ140を操作し、筐体101から映像光ILを投射し、例えば、スクリーンに画像IMを表示することができる。かくして、ラップトップPC450は、プロジェクタ100Hとして用いられる。
その後、使用者が、電源スイッチ140を操作することなく、開閉ボタン460を操作し、筐体101を収容位置に移動させようとすると、電源スイッチ140はPC筐体451に引っかかり、収容位置への筐体101の移動が妨げられる。
使用者が、電源スイッチ140を操作し、映像光ILの投影を停止させると、電源スイッチ140は、筐体101内に埋没する。その後、使用者が開閉ボタン460を操作すると、筐体101は、円滑に、PC筐体451内に収容される。
本実施形態において、ラップトップPC450に筐体101が組み込まれている。代替的に、他の電子機器(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラやポータブルオーディオ機器)に筐体101が組み込まれてもよい。
(第10実施形態)
プロジェクタは、一般的に、映像信号に基づき、画像を形成する。第10実施形態において、映像信号の入力の有無に基づき、映像光の投影を制御するプロジェクタが説明される。
図22は、第10実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図22を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第10実施形態に従うプロジェクタ100Iは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180に加えて、映像信号が入力される入力ポート811及び映像信号に基づき液晶パネル170を駆動する制御素子195Iを備える。
図23は、ラップトップPCに接続されたプロジェクタ100Iの概略的な斜視図である。図22及び図23を用いて、プロジェクタ100Iが更に説明される。
プロジェクタ100Iは、ラップトップPC450IにUSB(Universal Serial Bus)ケーブル810を用いて接続されている。USBケーブル810は、入力ポート811に接続される。
制御素子195Iは、入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されているか否かを判別する。例えば、制御素子195Iが入力ポート811から映像信号を受信しているならば、レーザ光源120を駆動するとともに映像信号に基づき、液晶パネル170を動作させる。この結果、プロジェクタ100Iから映像光ILが投影され、例えば、スクリーンに映像信号に従う画像IMが表示される。
入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されていないならば、制御素子195Iは、入力ポート811から映像信号を受信しない。このとき、制御素子195Iは、レーザ光源120の駆動を停止する。或いは、制御素子195Iは、例えば、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、プロジェクタ100Iは、使用者や視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影することができる。
入力ポート811は、多くの電気機器が備える一般的なUSBコネクタであってもよい。USBケーブル810を介して、ラップトップPC450Iとプロジェクタ100Iとの間で、映像信号の通信が行われる。かくして、プロジェクタ100Iは、ラップトップPC450Iから送られる映像信号に基づき、画像IMを表示することができる。
上述の如く、USBケーブル810が適切に入力ポート811に接続されていないならば、プロジェクタ100Iは、高輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影しない。したがって、プロジェクタ100Iは、高い安全性を有する。
プロジェクタ100Iは、USBケーブル810を通じて、ラップトップPC450Iから電力を供給されてもよい。プロジェクタ100IがラップトップPC450Iから電力供給されるならば、プロジェクタ100Iのバッテリは小型のものであってもよい。或いは、プロジェクタ100Iは、バッテリを備えなくともよい。したがって、小型のプロジェクタ100Iが提供される。
入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されていないときに、プロジェクタから第2パワーの映像光IL2(例えば、緑色のレーザ光LGのみから生成された映像光IL)が投影されるならば、使用者は、プロジェクタ100Iが映像信号を受信していないのか、プロジェクタ100Iの電源が入っていないかを判断することができる。したがって、プロジェクタ100Iの操作性が向上する。
本実施形態において、制御素子195Iは、映像信号の受信の有無に基づき、USBケーブル810の接続の有無を判定する。代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、USBケーブルではなく、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ケーブル、VGA(Video Graphics Array)ケーブル、DVI(Digital Visual Interface)ケーブルの接続の有無を判定してもよい。更に代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、SDカードの挿入の有無を判定してもよい。更に代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、地上デジタル放送の受信機に必要とされるB−CAS(BS Conditional Access Systems)カードの挿入の有無を判定してもよい。
本実施形態において、制御素子195Iは、映像信号の受信の有無に基づき、液晶パネル170やレーザ光源120を制御する。制御素子195Iは、上述の加速度センサや重力スイッチからの信号に更に基づき、液晶パネル170やレーザ光源120を制御してもよい。
(第11実施形態)
プロジェクタに意図せず外力が加わると、プロジェクタは、テーブルの表面といった支持面から落下する。プロジェクタが落下している間、プロジェクタから高いパワーレベルの映像光が投影され続けるならば、映像光が意図せず、使用者や視聴者に投影される可能性がある。第11実施形態に関連して、プロジェクタに意図せず加えられた外力を受けたときに、映像光の投影を自動的に停止することができるプロジェクタが説明される。
図24は、第11実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図24を用いて、第10実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第11実施形態に従うプロジェクタ100Jは、第10実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、入力ポート811及び制御素子195Iに加えて、コネクタ921を備える。
図25は、プロジェクタ100Jの概略的な斜視図である。図24及び図25を用いて、プロジェクタ100Jが更に説明される。
プロジェクタ100Jは、電源コード920を介して、コンセントといった電源(図示せず)に接続される。電源コード920の一端部は、電源に接続される電源プラグ910を含む。電源コード920の他端部は、コネクタ921に着脱自在に接続される。プロジェクタ100Jが、電源コード920を介して、電源に接続されると、レーザ光源120、液晶パネル170や制御素子195Iといった電力を用いて動作する電気的要素に電力が供給される。この結果、プロジェクタ100Jは、映像光ILを投影し、例えば、スクリーンに画像IMが表示される。
電源コード920は、吸盤930を更に備える。吸盤930は、プロジェクタ100Jが載置された支持面SSに吸着される。かくして、吸盤930と支持面SSとの間の摩擦係数は、プロジェクタ100Jと支持面SSとの間の摩擦係数よりも高くなる。
プロジェクタ100Jは、コネクタ921に取り付けられた電源コード920を強固に保持するための特別な機構を有していない。したがって、電源コード920は、吸盤930を支持面SS上で動かすのに必要とされる力よりも小さな力で、コネクタ921から分離可能である。
プロジェクタ100Jが外力(衝撃力)を受けると、電源コード920が動く前に、プロジェクタ100Jが支持面SS上で移動する。例えば、プロジェクタ100Jが支持面SSから落下するならば、電源コード920は、コネクタ921から容易に分離する。この結果、レーザ光源120、液晶パネル170や制御素子195Iといった電力を用いて動作する電気的要素への電力供給が停止されるので、プロジェクタ100Jは、映像光ILの投影を停止する。
上述の如く、プロジェクタ100Jが、使用者の意図しない外力或いは衝撃力を受けると、プロジェクタ100Jは瞬時に映像光ILの投影を停止するので、プロジェクタ100Jは、高い安全性を有する。
本実施形態において、電源コード920は、吸盤930によって支持面SSに吸着している。代替的に、電源コードは、支持面との摩擦係数を、プロジェクタと支持面との間の摩擦係数よりも高くするための要素を介して、支持面に接続されてもよい。例えば、電源コードは、ゴムシートを介して支持面に接触されてもよい。代替的に、電源コードは粘着物によって支持面に接着されてもよい。更に代替的に、電源コードに取り付けられた磁石の磁力によって、支持面に強く接続されてもよい。
本実施形態において、電源コード920は、コンセントに接続される。代替的に、プロジェクタ100Jは、電力を供給することが可能な他の設備に接続されてもよい。例えば、電源コードに代えて、ラップトップPCとプロジェクタ100Jとを接続するためのUSBケーブルが用いられてもよい。
(第12実施形態)
プロジェクタは、スクリーンといった投影対象に映像光を投影し、画像を表示する。したがって、中空への映像光の投影(即ち、投影対象の不存在下での映像光の投影)は、プロジェクタの適切な使用ではない。第12実施形態に関連して、投影対象の存在又は不存在に応じて、映像光の投影を制御するプロジェクタが説明される。
図26は、第12実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図26を用いて、第10実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第12実施形態に従うプロジェクタ100Kは、第10実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180及び入力ポート811に加えて、スクリーンといった投影対象からの反射光を受光するフォトダイオード710と、フォトダイオード710からの出力信号に基づき、レーザ光源120を制御する制御素子195Kを備える。プロジェクタ100Kが映像光ILを適切に投影対象に投影しているならば、フォトダイオード710は、映像光ILの反射光を受光する。本実施形態において、フォトダイオード710は受光要素として例示される。
第10実施形態に関連して説明された如く、入力ポート811を通じて、映像信号が入力される。映像信号は、入力ポート811から制御素子195Kに出力される。制御素子195Kは、映像信号に基づき、液晶パネル170を駆動する。本実施形態において、入力ポート811は、入力部として例示される。
図27Aは、投影対象の存在下に配設されたプロジェクタ100Kの概略的な斜視図である。図27Bは、投影対象の不存在下に配設されたプロジェクタ100Kの概略的な斜視図である。図26乃至図27Bを用いて、プロジェクタ100Kが更に説明される。
図27Aには、投影対象として、スクリーンSCが示されている。プロジェクタ100Kが映像光ILをスクリーンSCに投影すると、画像IMがスクリーンSCに表示される。映像光ILは、スクリーンSCによって反射される。フォトダイオード710は、映像光ILの反射光RF及び外光を受光する。
フォトダイオード710は、受光した光に関する受光データを含む受光信号を制御素子195Kに出力する。制御素子195Kは、例えば、受光信号と映像信号との差を演算する。プロジェクタ100Kが適切にスクリーンSCに映像光ILを適切に投影しているならば、受光信号と映像信号との差は、表示される画像IMの切替に拘わらず、略一定である。一方、プロジェクタ100KがスクリーンSCに映像光ILを適切に投影していないならば、受光信号と映像信号との差は、表示される画像IMの切替に応じて変動する。制御素子195Kは、例えば、受光信号と映像信号との差に基づき、スクリーンSCの存在又は不存在を判定することができる。スクリーンSCが存在しないと判定した制御素子195Kは、レーザ光源120を制御し、高輝度の画像IMを表示するための第1パワーの映像光IL1の投影を停止する。或いは、制御素子195Kは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、使用者及び視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から出射させる。
上述の如く、プロジェクタ100Kは、スクリーンSCの不存在下では、反射光RFを受光せず、第1パワーの映像光IL1の投影を停止する。したがって、プロジェクタ100Kは、高い安全性を有する。
プロジェクタ100Kは、受光信号と映像信号とを用いた演算に基づき、投影対象の存在又は不存在を判定する。したがって、投影対象が移動しても、或いは、プロジェクタ100Kの投影方向が変化しても、プロジェクタ100Kは、投影対象の存在又は不存在を適切に判定することができる。したがって、プロジェクタ100Kは、高い安全性を有する。
(第13実施形態)
プロジェクタが映像光を投影したまま、使用者がプロジェクタから離れることは好ましくない。第13実施形態に関連して、使用者の位置に応じて、映像光の投影を制御することができるプロジェクタが説明される。
図28は、第13実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図28を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第13実施形態に従うプロジェクタ100Lは、リモートコントローラRCから送信された無線信号によって制御される。プロジェクタ100Lは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、リモートコントローラRCからの無線信号を受信する受信素子291と、リモートコントローラRCとプロジェクタ100Lとの間の距離を測定する超音波センサ292と、加速度センサ190、受信素子291及び超音波センサ292からの信号に基づいて、レーザ光源120を制御する制御素子195Lと、を備える。
リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lの動作を指示するための指示情報を含む無線信号を送信する。受信素子291が無線信号を受信すると、制御素子195Lは、指示情報に従って、プロジェクタ100Lの動作を制御する。尚、リモートコントローラRCは、好ましくは、映像光ILの投影の開始以外の指示情報をプロジェクタ100Lに伝達するように形成される。
プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの距離を測定する超音波センサ292は、測定された距離の情報を含む距離データを制御素子195Lに出力する。制御素子195Lは、プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの間の距離に対して定められた閾値(例えば、3m)を超える距離を表す距離データを受けると、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止する。或いは、制御素子195Kは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、使用者及び視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から出射させる。
使用者がプロジェクタ100Lに第1パワーの映像光IL1を投影させたまま、プロジェクタ100Lから離れると、プロジェクタ100Lは、自動的に、映像光ILのパワーを低減させる。したがって、プロジェクタ100Lは高い安全性を有する。
本実施形態において、超音波センサ292が、プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの間の距離を測定する。代替的に、プロジェクタは、リモートコントローラRCまでの距離を測定する他のセンサ(例えば、光学式センサ)を備えてもよい。
本実施形態において、リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lへ電源投入する機能を有していない。リモートコントローラは、プロジェクタよりも小型であり、例えば、テーブル上に放置されることがある。したがって、使用者が、意図せず、リモートコントローラに触れる可能性がある。上述の如く、リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lへ電源投入する機能を有していないので、使用者が意図せず、リモートコントローラを操作しても、プロジェクタ100Lから高いパワーレベルの映像光ILが投影されにくくなる。
使用者は、プロジェクタ100Lに電力を供給するために、プロジェクタ100Lを直接的に操作する必要がある。したがって、リモートコントローラRCの誤操作或いは誤作動に起因する高いパワーレベルの映像光ILの投影が抑制される。したがって、プロジェクタ100Lは高い安全性を有する。
様々なプロジェクタの実施形態が、当業者に実施可能な程度に明瞭に説明されている。当業者は、上述されたプロジェクタの原理の主旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態に示されるプロジェクタを変形することができる。
例えば、本実施形態において、加速度センサとして、静電容量型の加速度センサが用いられている。代替的に、加速度を検出することができる他のセンサ(例えば、光学式、半導体式、ピエゾ抵抗型やガス温度分布型の加速度センサ)が用いられてもよい。
本実施形態において、反射型の液晶パネルが空間変調素子として用いられている。代替的に、光を画像信号に応じて変調できる他の要素(例えば、透過型の液晶パネルやDMD(米テキサスインスツルメンツの商標)が空間変調素子として用いられてもよい。更に代替的に、プロジェクタは、レーザ光を走査する走査ミラーを備えてもよい。プロジェクタは、走査ミラーを用いたレーザ光の走査と画像信号に応じたレーザ光の変調とを用いて、画像を形成してもよい。
上述された実施形態は、以下の構成を主に備える。
上述の実施形態の映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記プロジェクタの固定度を検出する検出部と、前記固定度に基づいて、前記映像光のパワーを調整するための制御を行う制御要素と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、光変調部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を変調し、映像光を生成する。投影部は、映像光を投影する。制御要素は、検出部によって検出されたプロジェクタの固定度に基づいて、映像光のパワーを調整するための制御を行うので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記レーザ光源からの前記レーザ光の出射を維持しつつ、前記映像光の前記パワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、レーザ光源からのレーザ光の出射を維持しつつ、映像光のパワーを調整するので、使用者は、映像光の投影方向を見失いにくくなる。したがって、その後のプロジェクタの使用に対する安全性が向上する。
上記構成において、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記レーザ光源の出力を調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、固定度に基づき、レーザ光源の出力を調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記光変調部を制御し、前記映像光の前記パワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、固定度に基づき、光変調部を制御し、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記検出部は、前記固定度として、前記プロジェクタの変位に伴う加速度を検出する加速度センサを含み、前記加速度センサが、前記加速度として、第1加速度を検出したとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定し、前記加速度センサが、前記加速度として、前記第1加速度よりも高い第2加速度を検出したとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを前記第1パワーより低い第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、加速度センサは、固定度として、プロジェクタの変位に伴う加速度を検出する。加速度センサが、加速度として、第1加速度を検出したとき、制御要素は、映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定する。加速度センサが、加速度として、第1加速度よりも高い第2加速度を検出したとき、制御要素は、映像光のパワーを第1パワーより低い第2パワーに設定する。プロジェクタが高い加速度で変位している間、低いパワーの映像光が出力されるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記検出部は、前記固定度として、前記プロジェクタを支持するための支持面への前記プロジェクタの設置に伴って操作される設置スイッチを含み、該設置スイッチは、前記プロジェクタが前記支持面へ設置されると第1モードとなり、前記プロジェクタが前記支持面から離間すると第2モードとなり、前記設置スイッチが前記第1モードであるとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定し、前記設置スイッチが前記第2モードであるとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、第1パワーより低い第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、検出部は、固定度として、プロジェクタを支持するための支持面へのプロジェクタの設置に伴って操作される設置スイッチを含む。設置スイッチは、プロジェクタが支持面へ設置されると第1モードとなり、プロジェクタが支持面から離間すると第2モードとなる。設置スイッチが第1モードであるとき、制御要素は、映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定する。設置スイッチが第2モードであるとき、制御要素は、映像光のパワーを、第1パワーより低い第2パワーに設定するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記加速度の大きさに応じて、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、加速度の大きさに応じて、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、使用者が前記映像光の出力を指示するために操作する操作部を更に備え、前記操作部が操作されてからの第1期間において、前記制御要素は、前記加速度の大きさに応じて、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、使用者が映像光の出力を指示するため操作部を操作してからの第1期間において、制御要素は、加速度の大きさに応じて、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、使用者が前記映像光の出力を指示するために操作する操作部を更に備え、前記操作部が操作されてからの第1期間において、前記制御要素は、前記第1パワーに向けて、前記映像光のパワーを時間経過に伴って増大させることが好ましい。
上記構成によれば、使用者が映像光の出力を指示するため操作部を操作してからの第1期間において、制御要素は、第1パワーに向けて、映像光のパワーを時間経過に伴って増大させるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定したとき、前記投影部は、比視感度が0.5以上となる波長の光を投影することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素が、映像光のパワーを第2パワーに設定したとき、投影部は、比視感度が0.5以上となる波長の光を投影するので、映像光のパワーが低くとも視認されやすい光が出力される。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記投影部から投影される前記映像光の光路を遮断する閉位置と、前記映像光の前記光路を開く開位置と、の間で移動するシャッタ要素を更に備え、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記シャッタ要素の位置を前記閉位置と前記開位置との間で制御することが好ましい。
上記構成によれば、シャッタ要素は、投影部から投影される映像光の光路を遮断する閉位置と、映像光の光路を開く開位置と、の間で移動する。制御要素は、固定度に基づき、シャッタ要素の位置を閉位置と開位置との間で制御するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記レーザ光源が前記レーザ光を出射した後、前記シャッタ要素を前記開位置に移動させることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、レーザ光源がレーザ光を出射した後、シャッタ要素を開位置に移動させるので、シャッタ要素を通過する映像光の量が徐々に増大する。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記操作部は、外力が加えられたときに前記投影部から前記映像光を投影させる操作スイッチを含み、前記操作スイッチに外力が加えられると、前記制御要素は、前記第2パワーの映像光を前記投影部から投影させることが好ましい。
上記構成によれば、操作部は、外力が加えられたときに投影部から映像光を投影させる操作スイッチを含むので、使用者は、プロジェクタから映像光を出力することができる。制御要素は、操作スイッチに外力が加えられると、第2パワーの映像光を投影部から投影させるので、意図されないスイッチの操作によって、プロジェクタから映像光が出力されても、プロジェクタの安全性は維持される。また、使用者は、第2パワーの映像光の出力によって、プロジェクタから映像光が出力されることを視覚的に知覚することができる。
上記構成において、前記操作スイッチから外力が解除されたとき、前記制御要素は、前記第2パワーの映像光を前記投影部から投影させ続けることが好ましい。
上記構成によれば、操作スイッチから外力が解除されたとき、制御要素は、第2パワーの映像光を投影部から投影させ続けるので、意図されないスイッチの操作によって、プロジェクタから映像光が出力されても、プロジェクタの安全性は維持される。また、使用者は、第2パワーの映像光の出力によって、プロジェクタから映像光が出力されることを視覚的に知覚することができる。
上記構成において、前記外力が前記操作スイッチに、第2期間、与え続けられるとき、前記制御要素は、前記第1パワーの映像光を前記投影部から投影させることが好ましい。
上記構成によれば、外力が操作スイッチに、第2期間、与え続けられるとき、制御要素は、第1パワーの映像光を投影部から投影させるので、意図しない操作下での第1パワーの映像光の出力はほとんど生じない。
上記構成において、前記操作スイッチは、第1スイッチと第2スイッチとを含み、前記外力が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの両方に与えられたとき、前記制御要素は、前記投影部から前記映像光を投影させることが好ましい。
上記構成によれば、外力が、第1スイッチ及び第2スイッチの両方に与えられたとき、制御要素は、投影部から映像光を投影させるので、意図しない操作下での第1パワーの映像光の出力はほとんど生じない。
上記構成において、前記投影部は、前記支持面に前記映像光を投影することが好ましい。
上記構成によれば、投影部は、支持面に映像光を投影するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記投影部から投影された前記映像光の反射光を受光する受光要素と、前記映像光を生成するための映像信号が入力される入力部と、を更に備え、前記制御要素は、前記反射光と前記映像信号とに基づき、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、投影部から投影された映像光の反射光を受光する受光要素と、映像光を生成するための映像信号が入力される入力部と、を更に備える。制御要素は、反射光と映像信号とに基づき、映像光のパワーを調整する。したがって、映像光が投影される投影面の有無に基づき、映像光のパワーが適切に調整される。
上記構成において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を照射するための赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を照射するための青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を照射するための緑色レーザ光源と、を含み、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第1パワーに設定したとき、前記赤色レーザ光源、前記青色レーザ光源及び前記緑色レーザ光源は、前記レーザ光を出射し、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定したとき、前記緑色レーザ光源のみが、前記レーザ光を出射することが好ましい。
上記構成によれば、レーザ光源は、赤色のレーザ光を照射するための赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を照射するための青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を照射するための緑色レーザ光源と、を含むので、制御要素が、映像光のパワーを第1パワーに設定したとき、プロジェクタはカラー画像を表示することができる。制御要素が、映像光のパワーを第2パワーに設定したとき、緑色レーザ光源のみが、レーザ光を出射するので、映像光のパワーが低くとも視認されやすい光が出力される。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記緑色レーザ光源は、励起光を発生する励起光源と、前記励起光に基づき基本波光を発生するレーザ媒質と、前記基本波光を前記緑色のレーザ光に波長変換する波長変換素子と、を含むことが好ましい。
レーザ媒質は、励起光源から発生された励起光に基づき、基本波光を発生する。波長変換素子は、基本波光を緑色のレーザ光に波長変換するので、プロジェクタは、カラー画像を適切に表示することができる。
上述の実施形態の映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記レーザ光源、前記光変調部及び前記投影部を収容する筐体と、該筐体の外面に現れ、前記映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチと、該電源スイッチをカバーするカバー要素と、を備え、前記筐体は、前記電源スイッチが前記カバー要素によってカバーされる収容位置と前記電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間で前記カバー要素に対して移動可能であり、前記電源スイッチがオンにされると、前記電源スイッチは、前記筐体の前記露出位置から前記収容位置への移動を不能にすることを特徴とする。
上記構成によれば、光変調部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を変調し、映像光を生成する。投影部は、映像光を投影する。筐体は、レーザ光源、光変調部及び投影部を収容する。カバー要素は、映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチをカバーする。筐体は、電源スイッチがカバー要素によってカバーされる収容位置と電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間でカバー要素に対して移動可能である。電源スイッチがオンにされると、電源スイッチは、筐体の露出位置から収容位置への移動を不能にするので、電力供給がオンとなったまま、筐体はカバー要素内に収容されにくくなる。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記映像信号が前記光変調部に出力されているか否かを検知し、前記光変調部への前記映像信号の出力の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、映像信号が前記光変調部に出力されているか否かを検知し、光変調部への映像信号の出力の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するための信号ケーブルを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記信号ケーブルとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するための信号ケーブルと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するためのSDカードを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記SDカードとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するためのSDカードと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するためのB−CASカードを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記B−CASカードとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するためのB−CASと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記映像光が投影される投影面を撮像し、撮像データを取得する撮像要素を更に備え、前記制御要素は、所定のオブジェクトが撮像されているか否かを判定し、前記所定のオブジェクトの有無に基づき、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成よれば、撮像要素は、映像光が投影される投影面を撮像し、撮像データを取得する。制御要素は、所定のオブジェクトが撮像されているか否かを判定し、所定のオブジェクトの有無に基づき、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタの動作を無線式に指示するためのリモートコントローラと、前記プロジェクタと前記リモートコントローラとの距離を測定する側距要素と、を更に備え、前記プロジェクタと前記リモートコントローラとの距離が所定の距離より長いとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、プロジェクタの動作を無線式に指示するためのリモートコントローラと、プロジェクタとリモートコントローラとの距離を測定する側距要素と、を更に備える。プロジェクタとリモートコントローラとの距離が所定の距離より長いとき、制御要素は、映像光のパワーを前記第2パワーに設定するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、リモートコントローラは、前記プロジェクタの動作を開始させるための指示以外の動作を指示することが好ましい。
上記構成によれば、リモートコントローラは、プロジェクタの動作を開始させるための指示以外の動作を指示するので、プロジェクタの動作の開始は、操作部によって指示されることとなる。したがって、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記信号ケーブルを前記支持面に接続するための接続要素を更に備え、前記接続要素は、前記入力部と前記信号ケーブルとを分離するのに必要な力より大きな力で前記支持面に前記信号ケーブルを接続させ、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定した前記制御要素は、前記投影部からの前記映像光の投影を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、信号ケーブルを支持面に接続するための接続要素を更に備え、接続要素は、入力部と信号ケーブルとを分離するのに必要な力より大きな力で支持面に信号ケーブルを接続させる。したがって、入力部と信号ケーブルとの接続は、支持面と信号ケーブルとの接続よりも解除されやすい。映像光のパワーを第2パワーに設定した制御要素は、投影部からの映像光の投影を停止させるので、入力部と信号ケーブルとの接続が解除されたとき、プロジェクタは映像光の投影を停止する。したがって、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタに電力を供給する電源ケーブルと、該電源ケーブルに接続される電源コネクタと、を更に備え、前記接続要素は、前記電源ケーブルと前記電源コネクタとを分離するのに必要な力より大きな力で前記支持面に前記電源ケーブルを接続させることが好ましい。
上記構成によれば、接続要素は、電源ケーブルと電源コネクタとを分離するのに必要な力より大きな力で支持面に電源ケーブルを接続させる。入力部と信号ケーブルとの接続は、支持面と信号ケーブルとの接続よりも解除されやすいので、安全なプロジェクタが提供される。
本実施形態の原理は、レーザ光源を用いて映像を提供するプロジェクタに好適に適用され、高い操作性及び安全性を有するプロジェクタを提供することに貢献する。
本発明は、光源としてレーザ光源を用いて生成された画像を被投影物に投影するプロジェクタに関する。
近年、携帯可能な小型のプロジェクタに対するニーズが高まっている。このようなニーズに応じて、ポケットサイズのプロジェクタに対する研究開発も進められている。使用者は、例えば、ポケットにこのようなプロジェクタを入れ、持ち運ぶことができる。
小型のプロジェクタの開発を目的として、光源として、ランプの代わりに、LED(Light Emitting Diode)やレーザ光源を用いることが提案されている。また、LEDやレーザ光源といった光源、このような光源に対応する空間変調素子及び投影光学系とを備える小型化された光学系が組み込まれたプロジェクタが研究されている。
理想的な点光源に近いレーザ光源は、小面積において効率的な集光を達成することができるので、光利用効率の高い小型のプロジェクタに特に好ましく適用される。光源として、直線偏光のレーザ光源が用いられ、且つ、画像信号に応じて光を変調する空間光変調素子として液晶パネルが用いられるならば、従来、液晶パネルに入射する光を直線偏光に変換するために用いられてきた偏光フィルタは不要となり、光利用効率の高いプロジェクタが実現される。
小型化されたプロジェクタとして、走査型のプロジェクタも提案されている。走査型プロジェクタは、略平行光化されたレーザ光を小型のミラーで走査し、画像を投影する。このように、走査型のプロジェクタは、略平行光を用いて画像を投影するので、投影レンズを必要としない。したがって、プロジェクタは小型化され、且つ、画像が投影される投影面への画像のピント調整を必要としない。
レーザ光源として、半導体レーザやSHG(Second Harmonic Generation)レーザが用いられるならば、ランプやLEDと比べて、スペクトル幅が狭く、且つ、単色性の高いレーザ光が得られる。したがって、色再現範囲に優れた高画質の画像を表示することができるプロジェクタが提供される。
上述の如く、プロジェクタの光源としてレーザ光源が用いられるならば、上述された様々な利点が得られる一方で、一定の安全性を確保するために、レーザ光源は安全規格に則って使用される必要がある。したがって、光源としてレーザ光源が用いられたプロジェクタは、できる限り高い安全性を有することが望ましい。
光源としてレーザ光源が組み込まれた従来のプロジェクタは、例えば、フォトカプラといった受光素子を備える。受光素子は、被投影物によって反射された光を検出する。プロジェクタは、検出された光に応じて、例えば、レンズの直前に存在する物体を検知し、液晶パネルを制御し、映像光の投影を停止させる(例えば、特許文献1参照)。この結果、例えば、レンズの直前に使用者の眼が存するならば、プロジェクタはレーザ光の出射を停止する。かくして、プロジェクタの安全性が高められる。
レーザ光源を備える他の従来のプロジェクタは、投影光内への人体や物体の侵入を周期的に監視する赤外線カメラを備える。人体や物体の侵入を検知したプロジェクタは、レーザ光の出力を低下させる(例えば、特許文献2参照)。投影光内へ人体が侵入するならば、プロジェクタは、人体に対して十分に安全な程度までレーザ光の出力を低下するので、比較的高いプロジェクタの安全性が確保される。
レーザ光源を備える更に他の従来のプロジェクタは、画像を表示するためのレーザ光が出射される前に、人体に対して十分に安全なレベルのレーザ光を照射する、或いは、音声メッセージやインジケータランプの点灯を用いて、使用者に事前に警告を与える(例えば、特許文献3参照)。この結果、使用者が高レベルのレーザ光の出力を事前に知覚することなく、画像を表示するためのレーザ光が出力されることが抑制される。かくして、プロジェクタの安全性が高められる。
従来、提案されてきた上述のプロジェクタの様々な課題が以下に説明される。
フォトカプラといった受光素子を用いて被投影物によって反射された光を検出するプロジェクタは、検出した反射光に応じて、レンズの直前に物体が存するか否かを検知することができる。このようなプロジェクタは、レンズの直前に物体が存するとき、レーザ光の投影を停止することができる。しかしながら、レーザ光の停止は、被投影物からの反射光の検出後であるので、レーザ光は被投影物に瞬間的に到達している。例えば、被投影物が人体であるならば、人体はレーザ光を瞬間的に受けることとなる。
投影光内への人体や物体の侵入を周期的に監視する赤外線カメラを備えるプロジェクタは、侵入を検知すると、レーザ光の出力を低下させる。しかしながら、このようなプロジェクタは、人体や物体の侵入を検知するための追加的な赤外線カメラや画像処理を必要とする。この結果、プロジェクタのコストが高くなり、及び/又は、プロジェクタの消費電力が大きくなる。したがって、レーザ光源の使用の利点の1つである低消費電力という特性が損なわれることとなる。
プロジェクタが画像を表示するためのレーザ光が出射される前に、人体に対して十分に安全なレベルのレーザ光を照射する、或いは、音声メッセージやインジケータランプの点灯を用いて、使用者に事前に警告を与えるならば、使用者は、常に、事前の警告を認識した後にプロジェクタを使用することとなる。この結果、使用者は、プロジェクタを瞬時に使用することができない。レーザ光源やLED光源は、ランプとは異なり、電流の供給に瞬時に応答し光りを発生するという利点を有する。プロジェクタの光源としてレーザ光源が用いられるならば、使用者は映像光を瞬時に投影し、画像を表示することができる。しかしながら、上述の事前の警告を与えるプロジェクタは、レーザ光源の使用からもたらされる瞬時の使用という利点を損なうこととなる。
特開2002−6397号公報
特開2005−352172号公報
特開2009−244633号公報
本発明は、レーザ光源を備える安全なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記プロジェクタの固定度を検出する検出部と、前記固定度に基づいて、前記映像光のパワーを調整するための制御を行う制御要素と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記レーザ光源、前記光変調部及び前記投影部を収容する筐体と、該筐体の外面に現れ、前記映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチと、該電源スイッチをカバーするカバー要素と、を備え、前記筐体は、前記電源スイッチが前記カバー要素によってカバーされる収容位置と前記電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間で前記カバー要素に対して移動可能であり、前記電源スイッチがオンにされると、前記電源スイッチがロックされ、前記筐体の前記露出位置から前記収容位置への移動を不能にすることを特徴とする。
第1実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図1に示されるプロジェクタが加速度運動をしているときの映像光の投射及び投射の停止を示す概略図である。
図1に示されるプロジェクタが加速度運動をしているときの映像光の投射及び投射の停止を示す概略図である。
第2実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
第3実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図5に示されるプロジェクタの概略図である。
第4実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図7に示されるプロジェクタの操作スイッチを示す概略図である。
レーザ光の波長と比視感度との関係を概略的に示すグラフである。
図7に示される緑色レーザ光源の概略図である。
第5実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
第6実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図12に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図12に示されるプロジェクタの重力スイッチの概略図である。
第7実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図15に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第8実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図17に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第9実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図19に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図19に示されるプロジェクタの筐体が組み込まれたラップトップPC(Personal Computer)を概略的に示す斜視図である。
第10実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図22に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第11実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図24に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第12実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
図26に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
図26に示されるプロジェクタの概略的な斜視図である。
第13実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。
以下、一実施形態に従うプロジェクタが、図面を用いて説明される。図面中、同一、同様の作用或いは同様の動作をなす構成要素には、同様の符号が付されている。冗長な説明を避けるために、必要に応じて、重複する説明は省略される。一連の実施形態の原理の理解を助けるために、図面に示される構成要素は、模式的に示されている。したがって、図面に示される構成要素の形状も模式的であり、以下に説明される実施形態の原理を何ら限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図1を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタが説明される。
図1に示される如く、第1実施形態に従うプロジェクタ100は、レーザ光Lを出射するレーザ光源120を備える。レーザ光源120は、赤色のレーザ光LRを照射するための赤色レーザ光源120Rと、青色のレーザ光LBを照射するための青色レーザ光源120Bと、緑色のレーザ光LGを照射するための緑色レーザ光源120Gと、を含む。プロジェクタ100は、レーザ光LR,LB,LGを用いて、映像光ILを投影する。
プロジェクタ100は、レーザ光源120を駆動するレーザ電源(図示せず)と、レーザ光Lを略平行光にするコリメートレンズ121と、レーザ光Lを拡散する拡散板130と、拡散板130から出射されるレーザ光Lを略平行光にするためのフィールドレンズ150と、偏光方向に応じて、レーザ光Lのビームを分離する偏光ビームスプリッタ160と、画像信号に応じてレーザ光Lを変調する空間変調素子として用いられる反射型の液晶パネル170と、を更に備える。液晶パネル170は、レーザ光Lを変調し、映像光ILを生成する。本実施形態において、液晶パネル170は、光変調部として例示される。
プロジェクタ100は、液晶パネル170によって生成された映像光ILを投影する投影レンズ180と、上述の様々な光学素子を収容する筐体101と、を更に備える。投影レンズ180は、筐体101外へ映像光ILを投影する。本実施形態において、投影レンズ180は、投影部として例示される。
プロジェクタ100は、プロジェクタ100の変位に伴う加速度を検出する静電容量型の加速度センサ190を更に備える。本実施形態において、加速度センサ190は、固定度を検出する検出部として例示される。尚、「固定度」との用語は、「一所に定まって移動しない程度」を意味する。プロジェクタ100が静止しているならば、固定度は高く、プロジェクタ100が高い加速度或いは速度で変位しているならば、固定度は低くなる。加速度センサ190は、固定度として、プロジェクタ100の加速度を検出する。
プロジェクタ100は、例えば、CPUといった制御素子195を更に備える。加速度センサ190は、検出されたプロジェクタ100の加速度に関する情報を含む検出信号を制御素子195に出力する。本実施形態において、制御素子195は、検出信号に基づき、レーザ光源120(レーザ光源120の出力)を制御し、投影レンズ180から出力される映像光ILのパワーを調整する。尚、制御素子195は、レーザ光源120に加えて、液晶パネル170やプロジェクタ100の他の要素を制御する。かくして、制御素子195は、プロジェクタ100の全体の動作を制御することができる。
図1に示される如く、プロジェクタ100は、ミラー要素122を更に備える。ミラー要素は、緑色レーザ光源120Gから緑色のレーザ光LGを受けるミラー122Gと、青色レーザ光源120Bから青色のレーザ光LBを受けるダイクロイックミラー122Bと、赤色レーザ光源120Rから赤色のレーザ光LRを受けるダイクロイックミラー122Rと、を含む。
上述の如くコリメートレンズ121によって平行光線にされた緑色のレーザ光LGは、ミラー122Gに向かって伝播する。ミラー122Gは、ダイクロイックミラー122Rに向けて緑色のレーザ光LGを反射する。ミラー122Gとダイクロイックミラー122Rとの間のダイクロイックミラー122Bは、緑色のレーザ光LGを透過させる。コリメートレンズ121によって平行光線にされた青色のレーザ光LBは、ダイクロイックミラー122Bによって、ダイクロイックミラー122Rに向けて反射される。
赤色レーザ光源120Rは、拡散板130(例えば、磨りガラス)に向けて、赤色のレーザ光LRを照射する。赤色レーザ光源120Rと拡散板130との間のダイクロイックミラー122Rは、赤色のレーザ光LRを透過させる。一方、ダイクロイックミラー122Rは、ミラー122Gによって反射された緑色のレーザ光LGと、ダイクロイックミラー122Bによって反射された青色のレーザ光LBと、を拡散板130に向けて反射する。かくして、ダイクロイックミラー122Rは、赤色のレーザ光LR、緑色のレーザ光LG及び青色のレーザ光LBを1つの光軸にまとめる。1つの光軸にまとめられた赤色のレーザ光LR、緑色のレーザ光LG及び青色のレーザ光LBを含むレーザ光Lは、拡散板130に入射する。
レーザ光Lは、拡散板130によって拡散された後、フィールドレンズ150に到達する。フィールドレンズ150は、レーザ光Lを偏光ビームスプリッタ160に入射させる。偏光ビームスプリッタ160は、液晶パネル170に向けて、レーザ光Lを反射させる。この結果、レーザ光Lは、液晶パネル170に入射する。
液晶パネル170は、画像信号に応じて、レーザ光Lを変調並びにレーザ光Lの偏光方向を変化させ、映像光ILを生成する。レーザ光Lの変調によって生成された映像光ILは、偏光ビームスプリッタ160を透過し、投影レンズ180に到達する。投影レンズ180は、例えば、スクリーン(図示せず)に、映像光ILを投影する。かくして、映像は、スクリーン上に表示される。
本実施形態において、プロジェクタ100は、使用者が携帯することができる程度に小型に形成される。したがって、使用者は、プロジェクタ100を握持し、操作することができる。使用者が映像を所望の面或いは物に投影するとき、使用者はプロジェクタ100を投影対象に向けて変位させることができる。
加速度センサ190は、プロジェクタ100の変位に伴う加速度を検知する。加速度センサ190が検知した加速度の値が所定の値(プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値)を超えると、加速度センサ190から検知信号が入力された制御素子195は、レーザ光源120に制御信号を出力する。本実施形態において、レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lのパワー(即ち、映像光ILのパワー)を低下させる。代替的に、レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止させる。
以下の説明において、画像信号に基づく映像を投影対象に適切な輝度で表示するための映像光ILのパワーは、「第1パワー」と称される。また、加速度センサ190がプロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値を超える加速度を検知したときにおける低減された映像光ILのパワーは、「第2パワー」と称される。第2パワーは、第1パワーより低いレベルのパワーであり、例えば、使用者の眼に映像光ILが入射しても、使用者の眼に無害な大きさに設定される。尚、レーザ光源120が、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止させるならば、第2パワーは、「0」の値となる。
本実施形態において、プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値未満の加速度は、第1加速度として例示される。また、プロジェクタ100の加速度に対して定められた閾値以上の加速度は、第2加速度として例示される。加速度センサ190が第1加速度を検出するならば、制御素子195は、映像光ILのパワーを第1パワーに設定する。加速度センサ190が第2加速度を検出するならば、制御素子195は、映像光ILのパワーを第2パワーに設定する。
図2は、加速度運動をするプロジェクタ100の概略図である。図1及び図2を用いて、プロジェクタ100の動作が説明される。
図2に示される「状態A」のプロジェクタ100は、静止している。図2に示される「状態B」のプロジェクタ100は、加速度運動をしている。図2に示される「状態C」のプロジェクタ100は、静止している。図2に示されるプロジェクタ100の状態は、「状態A」、「状態B」及び「状態C」へ順次変化する。
図2に示されるプロジェクタ100のレーザ光源120は、第2加速度を検出した加速度センサ190からの検出信号に基づき制御素子195が出力した制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を停止する。
「状態A」のプロジェクタ100は、静止しているので、加速度センサ190は、「0」の加速度(第1加速度)を検出する。したがって、プロジェクタ100からは、第1パワーの映像光IL1が出射される。
「状態B」のプロジェクタ100は、閾値を超える加速度(第2加速度)で移動している。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が第2加速度で移動していることを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を停止させる。この結果、プロジェクタ100からの映像光ILの投影が停止される。
その後、プロジェクタ100は、静止される(状態C)。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が静止したことを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を再開させる。この結果、プロジェクタ100からの映像光ILの投影が再開され、投影対象(例えば、スクリーン)に十分な輝度の画像IMが表示される。
図2に示されるプロジェクタ100の位置や映像光ILの投影方向が変化するならば、映像光ILの出射が停止されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100が提供される。
図3は、加速度運動をするプロジェクタ100の概略図である。図1及び図3を用いて、プロジェクタ100の動作が説明される。
図3に示される「状態A」のプロジェクタ100は、静止している。図3に示される「状態B」のプロジェクタ100は、加速度運動をしている。図3に示される「状態C」のプロジェクタ100は、静止している。図3に示されるプロジェクタ100の状態は、「状態A」、「状態B」及び「状態C」へ順次変化する。
図3に示されるプロジェクタ100のレーザ光源120は、第2加速度を検出した加速度センサ190からの検出信号に基づき制御素子195が出力した制御信号に基づき、レーザ光Lの出力を低減する。
「状態A」のプロジェクタ100は、静止しているので、加速度センサ190は、「0」の加速度(第1加速度)を検出する。したがって、プロジェクタ100からは、第1パワーの映像光IL1が出射される。かくして、第1パワーの映像光IL1によって得られた画像IM1が投影対象(例えば、スクリーン)に表示される。
「状態B」のプロジェクタ100は、閾値を超える加速度(第2加速度)で移動している。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が第2加速度で移動していることを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力する。レーザ光源120は、制御素子195からの制御信号に基づき、レーザ光Lのパワーを低減させる。この結果、第2パワーの映像光IL2が投影される。かくして、第2パワーの映像光IL2によって得られた画像IM2が投影対象に表示される。尚、画像IM2は、映像光IL1より低いパワーの映像光IL2によって作られるので、画像IM2の輝度は、画像IM1の輝度よりも低くなる。
その後、プロジェクタ100は、静止される(状態C)。加速度センサ190は、制御素子195に、プロジェクタ100が静止したことを表す情報を含む検知信号を出力する。制御素子195は、検知信号に基づき、レーザ光源120に制御信号を出力し、レーザ光Lの出力を増大させる。この結果、プロジェクタ100からの第1パワーの映像光IL1の投影が再開され、投影対象に高い輝度の画像IM1が表示される。
図3に示されるプロジェクタ100の位置や映像光ILの投影方向が変化するならば、第2パワーの映像光IL2が出射されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100が提供される。加えて、制御素子195は、プロジェクタ100の加速度が閾値を超えても、レーザ光源120からのレーザ光Lの出射を維持しつつ、映像光ILのパワーを調整するので、プロジェクタ100の周囲に存する使用者及び/又は視聴者に、映像光ILの投影方向を知らせることができる。使用者は、プロジェクタ100が画像を投影している投影領域を見失いにくいので、プロジェクタ100の向きや映像光ILの投影位置を容易に把握することができる。かくして、操作性に優れたプロジェクタ100が提供される。
(第2実施形態)
加速度センサによって検知されたプロジェクタの加速度に応じて、プロジェクタから出射される映像光のパワーの低減(或いは、映像光の出射の停止)のための手法は、レーザ光源から出射されるレーザ光のパワーの調整に限定されない。第2実施形態では、光変調部として例示される液晶パネルを用いて、プロジェクタから出射される映像光のパワーの低減(或いは、映像光の出射の停止)が達成される。
図4は、第2実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図4を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第2実施形態に従うプロジェクタ100Aは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、投影レンズ180及び加速度センサ190に加えて、制御素子195A及び反射型の液晶パネル170Aと、を備える。
本実施形態において、制御素子195Aは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、液晶パネル170Aを制御する。プロジェクタ100Aが、閾値未満の加速度で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Aは、プロジェクタ100Aに入力された映像信号に基づき、液晶パネル170Aを駆動する。この結果、液晶パネル170Aの駆動によって生成された映像光ILは、偏光ビームスプリッタ160及び投影レンズ180を通じて、筐体101外へ投影される。プロジェクタ100Aが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Aは、液晶パネル170Aに制御信号を出力し、映像信号に基づく映像光ILの生成を停止させる、或いは、映像光ILのパワーを低下させる。この結果、投影レンズ180から出射される映像光ILのパワーが低減され、或いは、「0」となる。
(第3実施形態)
プロジェクタからの映像光の出射の停止は、シャッタ機構を用いて達成されてもよい。第3実施形態に関連して、シャッタ機構を用いた映像光の出射の停止が説明される。
図5は、第3実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図5を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第3実施形態に従うプロジェクタ100Bは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、制御素子195B及びシャッタ機構410を備える。
シャッタ機構410は、例えば、筐体101の外面に取り付けられたシャッタ板411と、シャッタ板411を駆動する駆動モータ412と、を備える。駆動モータ412は、制御素子195Bの制御下で、投影レンズ180から投影される映像光ILの光路を開く開位置と投影レンズ180から投影される映像光ILの光路を遮断する閉位置との間でシャッタ板411を移動させる。本実施形態において、シャッタ機構410は、シャッタ要素として例示される。尚、図5に示されるシャッタ板411は、開位置に存する。
図6は、閉位置に移動したシャッタ板411を備えるプロジェクタ100Bを概略的に示す。図5及び図6を用いて、プロジェクタ100Bが更に説明される。
本実施形態において、制御素子195Bは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、駆動モータ412を制御する。プロジェクタ100Bが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Bは、駆動モータ412に制御信号を出力し、シャッタ板411を開位置へ移動させる。尚、好ましくは、制御素子195Bは、シャッタ板411を開位置へ移動させる前に、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。この結果、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された映像光ILは、シャッタ板411が開位置へ移動する直前には、シャッタ板411の内面に照射される。シャッタ板411が開位置に向けて移動するにつれて、筐体101から出射される映像光ILの量は、徐々に増大する。この結果、プロジェクタ100Bの周囲の使用者或いは視聴者が予期することなく、瞬間的に高いパワーの映像光ILがプロジェクタ100Bから出射されることが抑制される。かくして、高い安全性を有するプロジェクタ100Bが提供される。
プロジェクタ100Bが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Bは、駆動モータ412に制御信号を出力し、シャッタ板411を閉位置へ移動させる。プロジェクタ100Bが高い加速度で変位している間の映像光ILの出射が、シャッタ板411によって、停止されるので、高い安全性を有するプロジェクタ100Bが提供される。
(第4実施形態)
プロジェクタからの映像光の出力及び停止は、好ましくは、プロジェクタを使用する使用者の意志に応じて、制御される。第4実施形態に関連して、使用者が映像光の出力及び停止を指示するために操作する操作部を備えるプロジェクタが説明される。
図7は、第4実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図7を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第4実施形態に従うプロジェクタ100Cは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、制御素子195C及び操作スイッチ510を備える。使用者は、操作スイッチ510を操作し、映像光ILの出力及び/又は停止をプロジェクタ100Cに指示することができる。本実施形態において、操作スイッチ510は、操作部として例示される。
制御素子195Cは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、レーザ光源120を制御する。使用者が操作スイッチ510を操作していないときの制御素子195Cのレーザ光源120に対する制御は、第1実施形態に関連して説明された制御素子195と同様である。したがって、プロジェクタ100Cが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。また、プロジェクタ100Cが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。
図8は、操作スイッチ510を示す概略図である。図7及び図8を用いて、操作スイッチ510が説明される。
図8の右図は、使用者によって外力を加えられ、加圧状態下にある操作スイッチ510を示す。図8の左図は、使用者からの外力が解除され、非加圧状態にある操作スイッチ510を示す。
操作スイッチ510は、筐体519と、筐体519内に配設されたバネ530(弾性体)と、バネ530に弾性的に支持される加圧ボタン520と、を備える。使用者が加圧ボタン520を押圧すると、加圧ボタン520は、筐体519内に埋没する。使用者が外力を解除すると、バネ530が伸長し、加圧ボタン520は筐体519外に突出する。
操作スイッチ510は、スイッチ電極540を更に備える。スイッチ電極540は、加圧ボタン520と連動する第1電極541と、第1電極541に対向する第2電極542と、を含む。加圧ボタン520に外力が付加されていない間、バネ530は伸長するので、第1電極541は、第2電極542から離間する。加圧ボタン520に外力が加えられると、バネ530は縮み、第1電極541は第2電極542に接触する。この結果、第1電極541と第2電極542との間での導電が達成される。第1電極541及び第2電極542が接触すると、操作スイッチ510から制御素子195Cへ操作信号が出力される。
操作スイッチ510から制御素子195Cへ操作信号が出力されると、制御素子195Cは、加速度センサ190が検出したプロジェクタ100Cの加速度に拘わらず、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された映像光ILをプロジェクタ100Cから投影させる。
使用者が、例えば、指で加圧ボタン520を押圧すると(即ち、加圧ボタン520に外力を加えると)、第1電極541は、第2電極542に接触する。使用者が、加圧ボタン520から指を離すと、第1電極541は第2電極542から離間する。
上述の如く、プロジェクタ100Cが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Cは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。しかしながら、使用者が、加速度センサ190が検出した加速度の大きさに拘わらず、プロジェクタ100Cから映像光ILを出射させたいならば、使用者は、加圧ボタン520を押圧し続け、映像光ILを投影することができる。その後、使用者が加圧ボタン520から指を離すと、制御素子195Cは、プロジェクタ100Cの加速度に応じて、映像光ILの投影を継続、或いは、停止させる。かくして、加速度センサ190が検出した加速度に基づく映像光ILの投影の制御に対し、使用者の意志(プロジェクタ100Cからの映像光ILの投影又は投影の停止に関する指示)が適切に反映される。プロジェクタ100Cからの映像光ILの投影又は投影の停止に関して、使用者の意志が適切に反映されるので、プロジェクタ100Cは、操作性に優れることとなる。
制御素子195Cは、操作スイッチ510からの操作信号が入力された時刻からの経過時間を測定してもよい。また、制御素子195Cは、操作スイッチ510からの操作信号が入力された時刻からの所定期間(以下、第1期間と称される:例えば、10秒の期間)において、プロジェクタ100の周囲の使用者及び/又は視聴者に有害とならないパワーレベルの範囲の映像光ILが出射されるように、プロジェクタ100Cの加速度に応じて、レーザ光源120を制御してもよい。代替的に、制御素子195Cは、第1期間において、プロジェクタ100の周囲の使用者及び/又は視聴者に有害とならないパワーレベルの範囲で、時間経過に伴って、映像光ILのパワーが徐々に増大するようにレーザ光源120を制御してもよい。
制御素子195Cは、第1期間において、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、赤色のレーザ光LR及び青色のレーザ光LBの出射をそれぞれ停止させてもよい。また、制御素子195Cは、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGのパワーを低減させ、使用者及び視聴者の眼に無害な大きさの第2パワーに設定する。この結果、第2パワーの緑色のレーザ光LGから形成された映像光IL2がプロジェクタ100Cから出射される。
515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGは、赤色のレーザ光LRや青色のレーザ光LBと比べて視感度が高い。例えば、532nmの波長の緑色のレーザ光は、640nmの赤色のレーザ光と比べて、約5倍程度、視感度が高い。また、532nmの波長の緑色のレーザ光は、445nmの青色のレーザ光と比べて、約30倍程度、視感度が高い。したがって、使用者及び視聴者の眼には、レーザ光のパワーレベルが同等であっても、緑色のレーザ光は、より明るく見える。したがって、比較的パワーの低いレーザ光であっても、高い輝度の画像が表示される。
図9は、レーザ光の波長と比視感度との関係を概略的に示すグラフである。図7及び図9を用いて、第1期間における選択的なレーザ光の出力が説明される。
本実施形態において、映像光ILのパワーが第2パワーに設定される第1期間において、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGを出射する緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、第1期間において、515nm以上540nm以下の緑色のレーザ光LGから形成された画像が表示される。しかしながら、第1期間において選択的に出射されるレーザ光の波長は、515nm以上540nm以下の範囲に限定されない。図9に示される如く、比視感度が「0.5」以上となる波長λa以上波長λb以下(λa<λb)の範囲の波長のレーザ光が選択的に第1期間において出射されてもよい。比視感度が「0.5」以上となる波長範囲であれば、比較的パワーの低いレーザ光であっても、高い輝度の画像が表示される。
図7及び図8を用いて、操作スイッチ510の操作に伴うプロジェクタ100Cの動作が説明される。
加圧ボタン520が一旦押されると、上述の如く、加速度センサ190が検出したプロジェクタ100Cの加速度に拘わらず、液晶パネル170によるレーザ光Lの変調によって生成された第2パワーの映像光IL2がプロジェクタ100Cから投影される。その後、外力が加圧ボタン520から解除されても、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から投影し続けてもよい。更に、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、第1期間の経過後に、映像光ILの投影を停止させてもよい。代替的に、外力が加圧ボタン520から解除されるとすぐに、制御素子195Cは、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止させてもよい。
加圧ボタン520が押圧された後、所定期間、プロジェクタ100Cが第2パワーの映像光IL2を投影し続けるならば、プロジェクタ100Cの周囲の使用者及び視聴者は、映像光ILが照らされる領域が明るくなるので、映像光ILの投影位置及び投影方向を知覚することができる。したがって、使用者が意図せず、加圧ボタン520を押圧しても、高いパワーレベルの映像光ILが瞬時にプロジェクタ100Cから出射されないので、プロジェクタ100Cは、高い安全性を有することとなる。
加圧ボタン520に外力が、所定期間(以下、第2期間と称される)、与え続けられるとき、制御素子195Cは、第1パワーの映像光IL1が投影レンズ180から投影されるように、プロジェクタ100Cの動作モードを切り替えてもよい。例えば、加圧ボタン520が、第2期間(例えば、10秒間)、押圧され続けているとき、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、赤色のレーザ光LR及び青色のレーザ光LBの出射を再開してもよい。また、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bを制御し、映像光ILのパワーを第1パワーに設定し、表示される画像の輝度を適切に調整する。
上述の如く、本実施形態において、制御素子195Cは、第1期間において、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。現状において、高いパワーの緑色のレーザ光を出射する半導体レーザを構成することができる実用的且つ最適な材料を入手することは困難である。このような現状の下、高いパワーの緑色のレーザ光を出射することができるレーザ光源として、波長変換型の緑色レーザ光源が提案され、量産化に向けた開発が進められている。本実施形態に関連して説明された緑色レーザ光源120Gは、好ましくは、波長変換型のレーザ光源である。
図10は、緑色レーザ光源120Gの構成を示す概略図である。図7及び図10を用いて、緑色レーザ光源120Gが説明される。
緑色レーザ光源120Gは、励起光PLを発生する励起光源221と、励起光源221から出射された励起光PLを略平行光にするコリメートレンズ222と、励起光PLに基づき、基本波光を発生するレーザ媒質223と、を備える。緑色レーザ光源120Gは、コリメートレンズ222とレーザ媒質223との間に配設される集光レンズ229を更に備える。集光レンズ229は、コリメートレンズ222によって平行光にされた励起光PLをレーザ媒質223に集光する。集光レンズ229によって励起光PLが集光されると、レーザ媒質223は、例えば、1060nm帯の基本波光を発生する。
緑色レーザ光源120Gは、レーザ媒質223が発生させた基本波光を緑色のレーザ光LGに波長変換する波長変換素子224を更に備える。レーザ媒質223は、励起光PLが入射される入射端面225を含む。また、波長変換素子224は、緑色のレーザ光LGが出射される出射端面226を含む。レーザ媒質223の入射端面225には、1060nm帯の光を高反射する光学膜(図示せず)が形成される。また、波長変換素子224の出射端面226にも、1060nm帯の光を高反射する光学膜(図示せず)が形成される。かくして、レーザ媒質223の入射端面225と波長変換素子224の出射端面226との間で、光学的な共振器が形成される。共振器内で、1060nm帯の光が反射を繰り返し、1060nm帯のレーザ光が発振される。その後、1060nm帯のレーザ光は、波長変換素子224を通過し、530nm帯の緑色のレーザ光LGへ波長変換される。
緑色レーザ光源120Gは、出力レンズ227を備えてもよい。緑色のレーザ光LGは、出力レンズ227を介して、ミラー122Gに向けて出射される。
図10に示される緑色レーザ光源120Gの温度に起因する出力変化(以下、温度特性と称される)は、赤色レーザ光源120Rとして用いられる赤色半導体レーザ光源や青色レーザ光源120Bとして用いられる青色半導体レーザ光源とは大きく異なる。
赤色半導体レーザ光源や青色半導体レーザ光源の温度特性は、半導体レーザ光源自身の温度変化に大きく依存する。したがって、半導体レーザ光源の温度が低温から高温に遷移すると、半導体レーザ光源の出力は、典型的には、単調に低下する。一方で、図10に示される波長変換型の緑色レーザ光源120Gの出力の大きさは、励起光源221として用いられる半導体レーザの出力変化だけでなく、波長変換素子224の温度変化の影響を受ける。
波長変換素子224の使用温度範囲が、例えば、室温付近の20℃から40℃であるならば、20℃以下の環境下で用いられた緑色レーザ光源120Gの出力は、大幅に低下する。例えば、10℃の温度環境下でプロジェクタ100Cが使用されるならば、使用者は、波長変換素子224の温度が20℃以上になるのを待つ必要がある。この間、緑色のレーザ光LGは、画像を表示するのに十分なパワーレベル(第1パワー)となっていないので、使用者及び視聴者は、緑色の色相の輝度が低い画像を視聴することとなる。
本実施形態において、上述の如く、加速度センサ190が、閾値を超えるプロジェクタ100Cの加速度を検出すると、制御素子195Cは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、緑色レーザ光源120Gは、短時間、且つ、安全に、温度上昇することができる。したがって、プロジェクタ100Cは、短時間に明るい画像を表示することが可能となる。
本実施形態において、操作スイッチ510は、第1電極541を上方に付勢し、第2電極542から分離するためのバネ530を備える。代替的に、第1電極541と第2電極542との間の分離を促す他の要素が、バネ530の代わりに用いられてもよい。例えば、磁石がバネ530の代わりに用いられ、磁石の磁力によって、第1電極541と第2電極542との間の接続が解除されてもよい。或いは、バネ530の代わりにコイルが用いられ、電磁誘導作用によって、第1電極541と第2電極542との間の接続が解除されてもよい。
(第5実施形態)
プロジェクタは、映像光の投影及び投影の停止を、使用者の意志に基づき指示するための操作スイッチとして、複数のスイッチ素子を備えてもよい。第5実施形態に関連して、複数のスイッチ素子を備えるプロジェクタが説明される。
図11は、第5実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図8及び図11を用いて、第4実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第5実施形態に従うプロジェクタ100Dは、第4実施形態に関連して説明されたプロジェクタ100Cと同様に、筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190を備える。プロジェクタ100Dは、第1スイッチ511と第2スイッチ512とを含む操作スイッチ510Dを更に備える。第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、筐体101の異なる部位に取り付けられる。尚、第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、図8に関連して説明されたスプリング構造を備えてもよい。
プロジェクタ100Dは、加速度センサ190から出力された検知信号に基づき、レーザ光源120を制御する制御素子195Dを更に備える。使用者が操作スイッチ510Dを操作していないときの制御素子195Dのレーザ光源120に対する制御は、第4実施形態に関連して説明された制御素子195Cと同様である。したがって、プロジェクタ100Dが、閾値未満の加速度(第1加速度)で移動しているとき、或いは、静止しているとき、制御素子195Dは、レーザ光源120からレーザ光Lを出射させる。また、プロジェクタ100Dが、閾値以上の加速度(第2加速度)で移動しているとき、制御素子195Dは、レーザ光源120からレーザ光Lの出射を停止させる。
本実施形態において、第1スイッチ511及び第2スイッチ512の両方に略同時に外力が与えられたとき(即ち、第1スイッチ511及び第2スイッチ512の第1電極541が第2電極542に接触したとき)、制御素子195Dは、レーザ光源120(例えば、緑色レーザ光源120G)を駆動し、第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から投影させる。第1スイッチ511及び第2スイッチ512のうち一方に外力が与えられても、制御素子195Dは、レーザ光源120を駆動しない。
使用者の意図なしに、第1スイッチ511及び第2スイッチ512が略同時に押圧されることはほとんどない。したがって、本実施形態のプロジェクタ100Dは、使用者の操作スイッチ510Dに対する誤操作に起因する意図しない映像光ILの投影をほとんど引き起こさない。したがって、プロジェクタ100Dは、使用者の意志を反映し、映像光ILを投影することができるので、優れた操作性だけでなく、高い安全性を有する。
本実施形態のプロジェクタ100Dは、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を備える。第1スイッチ511は、好ましくは、第2スイッチ512から離間される。この結果、使用者は、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を、意図せず操作することはほとんどない。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
図11に示される如く、第1スイッチ511及び第2スイッチ512は、好ましくは、筐体101の同一面でなく、異なる面に取り付けられる。第1スイッチ511及び第2スイッチ512が同一面に存在しないならば、使用者が、片手で、第1スイッチ511及び第2スイッチ512をともに操作することは困難となる。したがって、使用者は、第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作することとなる。プロジェクタ100Dは、使用者に第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作させるので、プロジェクタ100Dは、プロジェクタ100Dからの映像光ILの投影の慎重な実行を促すことができる。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
第1スイッチ511及び第2スイッチ512間の最短距離は、好ましくは、200mm以上である。使用者が、200mm以上離間した第1スイッチ511及び第2スイッチ512を片手で操作することは困難である。したがって、使用者は、両手で第1スイッチ511及び第2スイッチ512を押圧することとなる。プロジェクタ100Dは、使用者に第1スイッチ511及び第2スイッチ512を両手で操作させるので、プロジェクタ100Dは、プロジェクタ100Dからの映像光ILの投影の慎重な実行を促すことができる。かくして、プロジェクタ100Dの安全性が高められる。
(第6実施形態)
プロジェクタの固定度を検出するための要素は、上述の加速度センサに限定されない。第6実施形態に関連して、検出部として、プロジェクタを設置するための支持面(例えば、テーブルの表面)にプロジェクタが設置されたか否かを検出するための設置スイッチを備えるプロジェクタが説明される。
図12は、第6実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図12を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第6実施形態に従うプロジェクタ100Eは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180を備える。プロジェクタ100Eは、検出部として、プロジェクタ100Eが設置される支持面(例えば、テーブルの表面)にプロジェクタ100Eが設置されたか否かを検出するための重力スイッチ620を更に備える。本実施形態において、重力スイッチ620は設置スイッチとして例示される。
図13は、プロジェクタ100Eの概略的な斜視図である。図12及び図13を用いて、プロジェクタ100Eが更に説明される。
筐体101は、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたときに、支持面SSに対向する底壁102を含む。重力スイッチ620は、好ましくは、筐体101の底壁102に取り付けられる。
図14は、重力スイッチ620を示す概略図である。図12乃至図14を用いて、重力スイッチ620が説明される。
図14の右図は、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたときの第1モードの重力スイッチ620を示す。図14の左図は、プロジェクタ100Eが支持面SSから離間したときの第2モードの重力スイッチ620を示す。
重力スイッチ620は、筐体611と、筐体611内に配設されたバネ630(弾性体)と、バネ630に弾性的に接続される加圧ボタン612と、を備える。使用者がプロジェクタ100Eを支持面SSに設置すると、プロジェクタ100Eの自重によって、加圧ボタン612は、筐体611内に埋没し、重力スイッチ620は、第1モードとなる。使用者がプロジェクタ100Eを支持面SSから離間させると、バネ630が伸長し、加圧ボタン612は筐体611外へ突出する(第2モードの重力スイッチ620)。
重力スイッチ620は、スイッチ電極640を更に備える。スイッチ電極640は、加圧ボタン612と連動する下側電極641と、下側電極641に対向する上側電極642と、を含む。プロジェクタ100Eが支持面SSから離間している間、バネ630は伸長するので、下側電極641は、上側電極642から離間する。プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されている間、バネ630は縮み、下側電極641は上側電極642に接触する。この結果、下側電極641と上側電極642との間での導電が達成される。
図12に示される如く、プロジェクタ100Eは、重力スイッチ620のモードの切替に応じて、レーザ光源120を制御する制御素子195Eを更に備える。下側電極641及び上側電極642が接触すると、プロジェクタ100Eが支持面SSに設置されたことを表す設置信号が制御素子195Eに出力される。
制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されている間、映像光ILのパワーを、画像を表示するための第1パワーに設定する。重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、制御素子195Eは、映像光ILのパワーを第1パワーより低い第2パワー(プロジェクタ100Eの周囲の使用者や視聴者に無害なパワーレベル)に設定する。
制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、レーザ光源120を制御し、レーザ光Lの出力を停止させてもよい。代替的に、制御素子195Eは、重力スイッチ620から設置信号が入力されていないとき、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、低いパワーレベルのレーザ光LGを緑色レーザ光源120Gから出射させてもよい。かくして、プロジェクタ100Eの安全性が向上する。
本実施形態において、設置スイッチとして重力スイッチ620が用いられている。代替的に、支持面へのプロジェクタの設置を検出することができる他の要素が設置スイッチとして用いられてもよい。例えば、静電センサや圧電センサは、設置スイッチとして好適に利用可能である。また、支持面が磁性体であるならば、磁石を有するスイッチ素子が設置スイッチとして用いられてもよい。プロジェクタと支持面との間の磁力を用いて、スイッチのオン・オフの切替(即ち、第1モードと第2モードとの間の切替)がなされてもよい。
(第7実施形態)
プロジェクタの安全性は、映像光の投影方向によっても高められる。第7実施形態に関連して、支持面へ映像光を投影するプロジェクタが説明される。
図15は、第7実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図15を用いて、第6実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第7実施形態に従うプロジェクタ100Fは、第6実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、重力スイッチ620及び制御素子195Eに加えて、投影レンズ180Fを備える。第6実施形態のプロジェクタ100Eと同様に、プロジェクタ100Fは、支持面に設置されたときに、高い輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影レンズ180Fから投影する。
図16は、支持面SSに設置されたプロジェクタ100Fの概略的な斜視図である。図15及び図16を用いて、プロジェクタ100Fが更に説明される。
筐体101内の上述の様々な光学系(コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170や投影レンズ180F)は、映像光ILが投影レンズ180Fから支持面SSに向けて投影されるように設計される。したがって、画像IMは支持面SS上に映し出される。
本実施形態の原理によれば、投影レンズ180Fと画像IMとの間の空間は狭くなる。したがって、例えば、使用者及び/又は視聴者の顔が、投影レンズ180Fと画像IMとの間の空間に侵入することはほとんどない。したがって、プロジェクタ100Fは、高い安全性を有することとなる。
本実施形態において、設置スイッチとして重力スイッチ620が用いられている。代替的に、支持面へのプロジェクタの設置を検出することができる他の要素が設置スイッチとして用いられてもよい。例えば、静電センサや圧電センサは、設置スイッチとして好適に利用可能である。
(第8実施形態)
プロジェクタの安全性は、プロジェクタが投影する画像を撮像することによっても高められる。第8実施形態に関連して、支持面へ投影された画像を撮像する撮像要素を備えるプロジェクタが説明される。
図17は、第8実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図17を用いて、第7実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第8実施形態に従うプロジェクタ100Gは、第6実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、重力スイッチ620、投影レンズ180Fに加えて、制御素子195G及び撮像装置196を備える。制御素子195Gは、重力スイッチ620のモード(第1モード又は第2モード)だけでなく、撮像要素として用いられる撮像装置196が取得した撮像データに基づき、レーザ光源120を制御する。
図18は、支持面SSに設置されたプロジェクタ100Gの概略的な斜視図である。図17及び図18を用いて、プロジェクタ100Gが更に説明される。
図18に示される如く、映像光ILが投影レンズ180Fから支持面SSに向けて投影され、画像IMは支持面SS上に映し出される。撮像装置196は、画像IMが表示される投影領域PRを撮像する。また、撮像装置196は、投影領域PRの撮像データを制御素子195Gに出力する。
制御素子195Gは、特定のオブジェクトに関するオブジェクトデータを格納する。本実施形態において、制御素子195Gは、人の手Hに関するオブジェクトデータを格納している。
重力スイッチ620が第1モードとなり、且つ、撮像装置196が手Hに関する情報を含むならば、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、高い輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影レンズ180Fから出射させる。重力スイッチ620が第2モードであるとき、及び/又は、撮像装置196が手Hに関する情報を含んでいないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、第1パワーより低い第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180Fから出射させる。
必要に応じて、撮像装置196及び制御素子195Gは、プロジェクタ100Gの操作のためのユーザインタフェースとして機能してもよい。例えば、制御素子195Gは、撮像データに基づき、画像IMと手Hとの間の位置関係、手Hの移動方向や手Hの移動速度といった操作情報を取得してもよい。制御素子195Gは、操作情報に基づき、液晶パネル170を制御し、支持面SSに表示される画像IMを偏光してもよい。
本実施形態のプロジェクタ100Gは、使用者がプロジェクタ100Gを操作するときのみ、第1パワーの映像光IL1を出射するので、高い操作性及び高い安全性を有する。
投影領域PR内に使用者の手Hが存しないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止してもよい。このとき、例えば、投影領域を明るくするためのLED(図示せず)やランプから光が出射されていてもよい。代替的に、投影領域PR内に使用者の手Hが存しないとき、制御素子195Gは、レーザ光源120を制御し、プロジェクタ100Gの周囲の使用者及び視聴者に無害なレベルの第2パワーの映像光IL2を出射させてもよい。例えば、制御素子195Gは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続してもよい。
(第9実施形態)
レーザ光源を用いたプロジェクタは、小型に形成される。したがって、プロジェクタは、パーソナルコンピュータといった他の装置に組み込まれてもよい。或いは、小型のプロジェクタは、使用者に携帯されるので、プロジェクタを保護する保護カバー内に収容されてもよい。第9実施形態において、他の装置の筐体や保護カバーといったカバー要素を備えるプロジェクタが説明される。
図19は、第9実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図19を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第9実施形態に従うプロジェクタ100Hは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190、制御素子195に加えて、映像光ILを生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチ140と、筐体101を覆うカバー要素145と、を備える。電源スイッチ140がオンにされると、レーザ光源120、液晶パネル170、加速度センサ190や制御素子195といった電力を用いて動作する電気的要素に電力が供給される。電源スイッチ140がオフにされると、これらの電気的要素への電力供給が停止される。
図20は、プロジェクタ100Hの概略的な斜視図である。図20の左図は、カバー要素145に収容された筐体101を含むプロジェクタ100Hの斜視図である。以下の説明において、図20の左図に示される筐体101の位置は、「収容位置」と称される。図20の右図は、カバー要素145から引き出された筐体101を含むプロジェクタ100Hの斜視図である。以下の説明において、図20の右図に示される筐体101の位置は、「露出位置」と称される。
図20に示される如く、筐体101は、収容位置と露出位置との間で移動可能である。筐体101が収容位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145によって覆われる。筐体101が露出位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145から露出する。
筐体101が露出位置に配設されると、電源スイッチ140は、カバー要素145から露出するので、使用者は、電源スイッチ140を操作することができる。使用者が映像光ILを投影するために電源スイッチ140を操作すると、電源スイッチ140は、筐体101から突出する。使用者が映像光ILの投影を停止するために電源スイッチ140を操作すると、電源スイッチ140は筐体101内に埋没する。
電源スイッチ140が突出しているとき、使用者が誤ってカバー要素145内に筐体101を収容しようとすると、電源スイッチ140はカバー要素145の縁部に引っ掛かる。したがって、映像光ILの投影下でのカバー要素145内への筐体101の収容が抑制される。
上述の如く、使用者は、プロジェクタ100Hを誤操作しにくいので、映像光ILは、使用者による適切な操作の下、投影される。したがって、プロジェクタ100Hは高い安全性を有する。
プロジェクタ100Hが映像光ILを出射している間、電源スイッチ140は突出位置を保つので、電源スイッチ140はカバー要素145によって被覆されにくくなる。したがって、使用者は、カバー要素145外に露出する電源スイッチ140を容易に操作することができる(プロジェクタ100Hが映像光ILを出射している間、電源スイッチがカバー要素に覆われるならば、使用者は、電源スイッチを露出させるための操作を実行する必要がある)。かくして、プロジェクタ100Hは、高い操作性を有する。
筐体101が収容位置に存するときの方が、筐体101が露出位置に存するときよりもプロジェクタ100Hの体積は小さくなる。筐体101を収容位置へ移動させた方が携帯性に優れるので、使用者は、カバー要素145内に筐体101を収容し、プロジェクタ100Hを持ち運ぶこととなる。
上述の如く、筐体101が収容位置に存するとき、電力スイッチはオフにされている。したがって、使用者は、プロジェクタ100Hを安全に持ち運ぶことができる。
使用者は、筐体101を露出位置に移動させ、プロジェクタ100Hを使用することができる。筐体101が露出位置に移動されると、プロジェクタ100Hの体積は大きくなる。したがって、プロジェクタ100Hが使用されるときの放熱性が向上する。また、プロジェクタ100Hの体積の増大の結果、外部からの振動といった外力によって影響を受けにくくなる。したがって、プロジェクタ100Hの位置や向きが変動しにくくなる。したがって、プロジェクタ100Hは、外力に影響を受けにくく、画像を安定的に表示することができる。
筐体101が露出位置に存するとき、プロジェクタ100Hの最大寸法は、好ましくは、80mm以上に設定される。80mm以上の最大寸法を有するプロジェクタ100Hは、転倒しにくくなるので、プロジェクタ100Hの安全性が向上する。
図21は、筐体101が組み込まれたラップトップPC(Personal Computer)を概略的に示す斜視図である。図19乃至図21を用いて、ラップトップPCが説明される。
ラップトップPC450は、PC筐体451と、PC筐体451に回動可能に接続された表示部452と、を備える。PC筐体451は、図19及び図20に関連して説明されたカバー要素145として用いられる。図21の上図に示される筐体101は、収容位置に存する。図21の下図に示される筐体101は、露出位置に存する。
ラップトップPC450は、PC筐体451の側面に現れる開閉ボタン460を更に備える。使用者は、開閉ボタン460を操作し、筐体101を収容位置と露出位置との間で移動させることができる。
使用者は、開閉ボタン460を操作し、筐体101をPC筐体451から露出させると、図20に関連して説明された如く、電源スイッチ140を操作することができる。使用者は、電源スイッチ140を操作し、筐体101から映像光ILを投射し、例えば、スクリーンに画像IMを表示することができる。かくして、ラップトップPC450は、プロジェクタ100Hとして用いられる。
その後、使用者が、電源スイッチ140を操作することなく、開閉ボタン460を操作し、筐体101を収容位置に移動させようとすると、電源スイッチ140はPC筐体451に引っかかり、収容位置への筐体101の移動が妨げられる。
使用者が、電源スイッチ140を操作し、映像光ILの投影を停止させると、電源スイッチ140は、筐体101内に埋没する。その後、使用者が開閉ボタン460を操作すると、筐体101は、円滑に、PC筐体451内に収容される。
本実施形態において、ラップトップPC450に筐体101が組み込まれている。代替的に、他の電子機器(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラやポータブルオーディオ機器)に筐体101が組み込まれてもよい。
(第10実施形態)
プロジェクタは、一般的に、映像信号に基づき、画像を形成する。第10実施形態において、映像信号の入力の有無に基づき、映像光の投影を制御するプロジェクタが説明される。
図22は、第10実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図22を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第10実施形態に従うプロジェクタ100Iは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180に加えて、映像信号が入力される入力ポート811及び映像信号に基づき液晶パネル170を駆動する制御素子195Iを備える。
図23は、ラップトップPCに接続されたプロジェクタ100Iの概略的な斜視図である。図22及び図23を用いて、プロジェクタ100Iが更に説明される。
プロジェクタ100Iは、ラップトップPC450IにUSB(Universal Serial Bus)ケーブル810を用いて接続されている。USBケーブル810は、入力ポート811に接続される。
制御素子195Iは、入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されているか否かを判別する。例えば、制御素子195Iが入力ポート811から映像信号を受信しているならば、レーザ光源120を駆動するとともに映像信号に基づき、液晶パネル170を動作させる。この結果、プロジェクタ100Iから映像光ILが投影され、例えば、スクリーンに映像信号に従う画像IMが表示される。
入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されていないならば、制御素子195Iは、入力ポート811から映像信号を受信しない。このとき、制御素子195Iは、レーザ光源120の駆動を停止する。或いは、制御素子195Iは、例えば、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続する。この結果、プロジェクタ100Iは、使用者や視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影することができる。
入力ポート811は、多くの電気機器が備える一般的なUSBコネクタであってもよい。USBケーブル810を介して、ラップトップPC450Iとプロジェクタ100Iとの間で、映像信号の通信が行われる。かくして、プロジェクタ100Iは、ラップトップPC450Iから送られる映像信号に基づき、画像IMを表示することができる。
上述の如く、USBケーブル810が適切に入力ポート811に接続されていないならば、プロジェクタ100Iは、高輝度の画像を表示するための第1パワーの映像光IL1を投影しない。したがって、プロジェクタ100Iは、高い安全性を有する。
プロジェクタ100Iは、USBケーブル810を通じて、ラップトップPC450Iから電力を供給されてもよい。プロジェクタ100IがラップトップPC450Iから電力供給されるならば、プロジェクタ100Iのバッテリは小型のものであってもよい。或いは、プロジェクタ100Iは、バッテリを備えなくともよい。したがって、小型のプロジェクタ100Iが提供される。
入力ポート811にUSBケーブル810が適切に接続されていないときに、プロジェクタから第2パワーの映像光IL2(例えば、緑色のレーザ光LGのみから生成された映像光IL)が投影されるならば、使用者は、プロジェクタ100Iが映像信号を受信していないのか、プロジェクタ100Iの電源が入っていないかを判断することができる。したがって、プロジェクタ100Iの操作性が向上する。
本実施形態において、制御素子195Iは、映像信号の受信の有無に基づき、USBケーブル810の接続の有無を判定する。代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、USBケーブルではなく、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル、VGA(Video Graphics Array)ケーブル、DVI(Digital Visual Interface)ケーブルの接続の有無を判定してもよい。更に代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、SDカードの挿入の有無を判定してもよい。更に代替的に、制御素子は、映像信号の受信の有無に基づき、地上デジタル放送の受信機に必要とされるB−CAS(BS Conditional Access Systems)カードの挿入の有無を判定してもよい。
本実施形態において、制御素子195Iは、映像信号の受信の有無に基づき、液晶パネル170やレーザ光源120を制御する。制御素子195Iは、上述の加速度センサや重力スイッチからの信号に更に基づき、液晶パネル170やレーザ光源120を制御してもよい。
(第11実施形態)
プロジェクタに意図せず外力が加わると、プロジェクタは、テーブルの表面といった支持面から落下する。プロジェクタが落下している間、プロジェクタから高いパワーレベルの映像光が投影され続けるならば、映像光が意図せず、使用者や視聴者に投影される可能性がある。第11実施形態に関連して、プロジェクタに意図せず加えられた外力を受けたときに、映像光の投影を自動的に停止することができるプロジェクタが説明される。
図24は、第11実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図24を用いて、第10実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第11実施形態に従うプロジェクタ100Jは、第10実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、入力ポート811及び制御素子195Iに加えて、コネクタ921を備える。
図25は、プロジェクタ100Jの概略的な斜視図である。図24及び図25を用いて、プロジェクタ100Jが更に説明される。
プロジェクタ100Jは、電源コード920を介して、コンセントといった電源(図示せず)に接続される。電源コード920の一端部は、電源に接続される電源プラグ910を含む。電源コード920の他端部は、コネクタ921に着脱自在に接続される。プロジェクタ100Jが、電源コード920を介して、電源に接続されると、レーザ光源120、液晶パネル170や制御素子195Iといった電力を用いて動作する電気的要素に電力が供給される。この結果、プロジェクタ100Jは、映像光ILを投影し、例えば、スクリーンに画像IMが表示される。
電源コード920は、吸盤930を更に備える。吸盤930は、プロジェクタ100Jが載置された支持面SSに吸着される。かくして、吸盤930と支持面SSとの間の摩擦係数は、プロジェクタ100Jと支持面SSとの間の摩擦係数よりも高くなる。
プロジェクタ100Jは、コネクタ921に取り付けられた電源コード920を強固に保持するための特別な機構を有していない。したがって、電源コード920は、吸盤930を支持面SS上で動かすのに必要とされる力よりも小さな力で、コネクタ921から分離可能である。
プロジェクタ100Jが外力(衝撃力)を受けると、電源コード920が動く前に、プロジェクタ100Jが支持面SS上で移動する。例えば、プロジェクタ100Jが支持面SSから落下するならば、電源コード920は、コネクタ921から容易に分離する。この結果、レーザ光源120、液晶パネル170や制御素子195Iといった電力を用いて動作する電気的要素への電力供給が停止されるので、プロジェクタ100Jは、映像光ILの投影を停止する。
上述の如く、プロジェクタ100Jが、使用者の意図しない外力或いは衝撃力を受けると、プロジェクタ100Jは瞬時に映像光ILの投影を停止するので、プロジェクタ100Jは、高い安全性を有する。
本実施形態において、電源コード920は、吸盤930によって支持面SSに吸着している。代替的に、電源コードは、支持面との摩擦係数を、プロジェクタと支持面との間の摩擦係数よりも高くするための要素を介して、支持面に接続されてもよい。例えば、電源コードは、ゴムシートを介して支持面に接触されてもよい。代替的に、電源コードは粘着物によって支持面に接着されてもよい。更に代替的に、電源コードに取り付けられた磁石の磁力によって、支持面に強く接続されてもよい。
本実施形態において、電源コード920は、コンセントに接続される。代替的に、プロジェクタ100Jは、電力を供給することが可能な他の設備に接続されてもよい。例えば、電源コードに代えて、ラップトップPCとプロジェクタ100Jとを接続するためのUSBケーブルが用いられてもよい。
(第12実施形態)
プロジェクタは、スクリーンといった投影対象に映像光を投影し、画像を表示する。したがって、中空への映像光の投影(即ち、投影対象の不存在下での映像光の投影)は、プロジェクタの適切な使用ではない。第12実施形態に関連して、投影対象の存在又は不存在に応じて、映像光の投影を制御するプロジェクタが説明される。
図26は、第12実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図26を用いて、第10実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第12実施形態に従うプロジェクタ100Kは、第10実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180及び入力ポート811に加えて、スクリーンといった投影対象からの反射光を受光するフォトダイオード710と、フォトダイオード710からの出力信号に基づき、レーザ光源120を制御する制御素子195Kを備える。プロジェクタ100Kが映像光ILを適切に投影対象に投影しているならば、フォトダイオード710は、映像光ILの反射光を受光する。本実施形態において、フォトダイオード710は受光要素として例示される。
第10実施形態に関連して説明された如く、入力ポート811を通じて、映像信号が入力される。映像信号は、入力ポート811から制御素子195Kに出力される。制御素子195Kは、映像信号に基づき、液晶パネル170を駆動する。本実施形態において、入力ポート811は、入力部として例示される。
図27Aは、投影対象の存在下に配設されたプロジェクタ100Kの概略的な斜視図である。図27Bは、投影対象の不存在下に配設されたプロジェクタ100Kの概略的な斜視図である。図26乃至図27Bを用いて、プロジェクタ100Kが更に説明される。
図27Aには、投影対象として、スクリーンSCが示されている。プロジェクタ100Kが映像光ILをスクリーンSCに投影すると、画像IMがスクリーンSCに表示される。映像光ILは、スクリーンSCによって反射される。フォトダイオード710は、映像光ILの反射光RF及び外光を受光する。
フォトダイオード710は、受光した光に関する受光データを含む受光信号を制御素子195Kに出力する。制御素子195Kは、例えば、受光信号と映像信号との差を演算する。プロジェクタ100Kが適切にスクリーンSCに映像光ILを適切に投影しているならば、受光信号と映像信号との差は、表示される画像IMの切替に拘わらず、略一定である。一方、プロジェクタ100KがスクリーンSCに映像光ILを適切に投影していないならば、受光信号と映像信号との差は、表示される画像IMの切替に応じて変動する。制御素子195Kは、例えば、受光信号と映像信号との差に基づき、スクリーンSCの存在又は不存在を判定することができる。スクリーンSCが存在しないと判定した制御素子195Kは、レーザ光源120を制御し、高輝度の画像IMを表示するための第1パワーの映像光IL1の投影を停止する。或いは、制御素子195Kは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、使用者及び視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から出射させる。
上述の如く、プロジェクタ100Kは、スクリーンSCの不存在下では、反射光RFを受光せず、第1パワーの映像光IL1の投影を停止する。したがって、プロジェクタ100Kは、高い安全性を有する。
プロジェクタ100Kは、受光信号と映像信号とを用いた演算に基づき、投影対象の存在又は不存在を判定する。したがって、投影対象が移動しても、或いは、プロジェクタ100Kの投影方向が変化しても、プロジェクタ100Kは、投影対象の存在又は不存在を適切に判定することができる。したがって、プロジェクタ100Kは、高い安全性を有する。
(第13実施形態)
プロジェクタが映像光を投影したまま、使用者がプロジェクタから離れることは好ましくない。第13実施形態に関連して、使用者の位置に応じて、映像光の投影を制御することができるプロジェクタが説明される。
図28は、第13実施形態に従うプロジェクタの構成を示す概略図である。図28を用いて、第1実施形態に従うプロジェクタとの相違点が説明される。
第13実施形態に従うプロジェクタ100Lは、リモートコントローラRCから送信された無線信号によって制御される。プロジェクタ100Lは、第1実施形態に関連して説明された筐体101、レーザ光源120、コリメートレンズ121、ミラー要素122、拡散板130、フィールドレンズ150、偏光ビームスプリッタ160、液晶パネル170、投影レンズ180、加速度センサ190に加えて、リモートコントローラRCからの無線信号を受信する受信素子291と、リモートコントローラRCとプロジェクタ100Lとの間の距離を測定する超音波センサ292と、加速度センサ190、受信素子291及び超音波センサ292からの信号に基づいて、レーザ光源120を制御する制御素子195Lと、を備える。
リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lの動作を指示するための指示情報を含む無線信号を送信する。受信素子291が無線信号を受信すると、制御素子195Lは、指示情報に従って、プロジェクタ100Lの動作を制御する。尚、リモートコントローラRCは、好ましくは、映像光ILの投影の開始以外の指示情報をプロジェクタ100Lに伝達するように形成される。
プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの距離を測定する超音波センサ292は、測定された距離の情報を含む距離データを制御素子195Lに出力する。制御素子195Lは、プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの間の距離に対して定められた閾値(例えば、3m)を超える距離を表す距離データを受けると、レーザ光源120を制御し、映像光ILの投影を停止する。或いは、制御素子195Kは、赤色レーザ光源120R及び青色レーザ光源120Bの駆動を停止する一方で、緑色レーザ光源120Gの駆動を継続し、使用者及び視聴者に無害な第2パワーの映像光IL2を投影レンズ180から出射させる。
使用者がプロジェクタ100Lに第1パワーの映像光IL1を投影させたまま、プロジェクタ100Lから離れると、プロジェクタ100Lは、自動的に、映像光ILのパワーを低減させる。したがって、プロジェクタ100Lは高い安全性を有する。
本実施形態において、超音波センサ292が、プロジェクタ100LとリモートコントローラRCとの間の距離を測定する。代替的に、プロジェクタは、リモートコントローラRCまでの距離を測定する他のセンサ(例えば、光学式センサ)を備えてもよい。
本実施形態において、リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lへ電源投入する機能を有していない。リモートコントローラは、プロジェクタよりも小型であり、例えば、テーブル上に放置されることがある。したがって、使用者が、意図せず、リモートコントローラに触れる可能性がある。上述の如く、リモートコントローラRCは、プロジェクタ100Lへ電源投入する機能を有していないので、使用者が意図せず、リモートコントローラを操作しても、プロジェクタ100Lから高いパワーレベルの映像光ILが投影されにくくなる。
使用者は、プロジェクタ100Lに電力を供給するために、プロジェクタ100Lを直接的に操作する必要がある。したがって、リモートコントローラRCの誤操作或いは誤作動に起因する高いパワーレベルの映像光ILの投影が抑制される。したがって、プロジェクタ100Lは高い安全性を有する。
様々なプロジェクタの実施形態が、当業者に実施可能な程度に明瞭に説明されている。当業者は、上述されたプロジェクタの原理の主旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態に示されるプロジェクタを変形することができる。
例えば、本実施形態において、加速度センサとして、静電容量型の加速度センサが用いられている。代替的に、加速度を検出することができる他のセンサ(例えば、光学式、半導体式、ピエゾ抵抗型やガス温度分布型の加速度センサ)が用いられてもよい。
本実施形態において、反射型の液晶パネルが空間変調素子として用いられている。代替的に、光を画像信号に応じて変調できる他の要素(例えば、透過型の液晶パネルやDMD(米テキサスインスツルメンツの商標)が空間変調素子として用いられてもよい。更に代替的に、プロジェクタは、レーザ光を走査する走査ミラーを備えてもよい。プロジェクタは、走査ミラーを用いたレーザ光の走査と画像信号に応じたレーザ光の変調とを用いて、画像を形成してもよい。
上述された実施形態は、以下の構成を主に備える。
上述の実施形態の映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記プロジェクタの固定度を検出する検出部と、前記固定度に基づいて、前記映像光のパワーを調整するための制御を行う制御要素と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、光変調部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を変調し、映像光を生成する。投影部は、映像光を投影する。制御要素は、検出部によって検出されたプロジェクタの固定度に基づいて、映像光のパワーを調整するための制御を行うので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記レーザ光源からの前記レーザ光の出射を維持しつつ、前記映像光の前記パワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、レーザ光源からのレーザ光の出射を維持しつつ、映像光のパワーを調整するので、使用者は、映像光の投影方向を見失いにくくなる。したがって、その後のプロジェクタの使用に対する安全性が向上する。
上記構成において、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記レーザ光源の出力を調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、固定度に基づき、レーザ光源の出力を調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記光変調部を制御し、前記映像光の前記パワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、固定度に基づき、光変調部を制御し、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記検出部は、前記固定度として、前記プロジェクタの変位に伴う加速度を検出する加速度センサを含み、前記加速度センサが、前記加速度として、第1加速度を検出したとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定し、前記加速度センサが、前記加速度として、前記第1加速度よりも高い第2加速度を検出したとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを前記第1パワーより低い第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、加速度センサは、固定度として、プロジェクタの変位に伴う加速度を検出する。加速度センサが、加速度として、第1加速度を検出したとき、制御要素は、映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定する。加速度センサが、加速度として、第1加速度よりも高い第2加速度を検出したとき、制御要素は、映像光のパワーを第1パワーより低い第2パワーに設定する。プロジェクタが高い加速度で変位している間、低いパワーの映像光が出力されるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記検出部は、前記プロジェクタを支持するための支持面への前記プロジェクタの設置に伴って操作される設置スイッチを含み、該設置スイッチは、前記プロジェクタが前記支持面へ設置されると第1モードとなり、前記プロジェクタが前記支持面から離間すると第2モードとなり、前記設置スイッチが前記第1モードであるとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定し、前記設置スイッチが前記第2モードであるとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを、第1パワーより低い第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、検出部は、プロジェクタを支持するための支持面へのプロジェクタの設置に伴って操作される設置スイッチを含む。設置スイッチは、プロジェクタが支持面へ設置されると第1モードとなり、プロジェクタが支持面から離間すると第2モードとなる。設置スイッチが第1モードであるとき、制御要素は、映像光のパワーを、映像を表示するための第1パワーに設定する。設置スイッチが第2モードであるとき、制御要素は、映像光のパワーを、第1パワーより低い第2パワーに設定するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記加速度の大きさに応じて、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、加速度の大きさに応じて、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、使用者が前記映像光の出力を指示するために操作する操作部を更に備え、前記操作部が操作されてからの第1期間において、前記制御要素は、前記加速度の大きさに応じて、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、使用者が映像光の出力を指示するため操作部を操作してからの第1期間において、制御要素は、加速度の大きさに応じて、映像光のパワーを調整するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、使用者が前記映像光の出力を指示するために操作する操作部を更に備え、前記操作部が操作されてからの第1期間において、前記制御要素は、前記第1パワーに向けて、前記映像光のパワーを時間経過に伴って増大させることが好ましい。
上記構成によれば、使用者が映像光の出力を指示するため操作部を操作してからの第1期間において、制御要素は、第1パワーに向けて、映像光のパワーを時間経過に伴って増大させるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定したとき、前記投影部は、比視感度が0.5以上となる波長の光を投影することが好ましい。
上記構成によれば、制御要素が、映像光のパワーを第2パワーに設定したとき、投影部は、比視感度が0.5以上となる波長の光を投影するので、映像光のパワーが低くとも視認されやすい光が出力される。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記投影部から投影される前記映像光の光路を遮断する閉位置と、前記映像光の前記光路を開く開位置と、の間で移動するシャッタ要素を更に備え、前記制御要素は、前記固定度に基づき、前記シャッタ要素の位置を前記閉位置と前記開位置との間で制御することが好ましい。
上記構成によれば、シャッタ要素は、投影部から投影される映像光の光路を遮断する閉位置と、映像光の光路を開く開位置と、の間で移動する。制御要素は、固定度に基づき、シャッタ要素の位置を閉位置と開位置との間で制御するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記レーザ光源が前記レーザ光を出射した後、前記シャッタ要素を前記開位置に移動させることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、レーザ光源がレーザ光を出射した後、シャッタ要素を開位置に移動させるので、シャッタ要素を通過する映像光の量が徐々に増大する。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記操作部は、外力が加えられたときに前記投影部から前記映像光を投影させる操作スイッチを含み、前記操作スイッチに外力が加えられると、前記制御要素は、前記第2パワーの映像光を前記投影部から投影させることが好ましい。
上記構成によれば、操作部は、外力が加えられたときに投影部から映像光を投影させる操作スイッチを含むので、使用者は、プロジェクタから映像光を出力することができる。制御要素は、操作スイッチに外力が加えられると、第2パワーの映像光を投影部から投影させるので、意図されないスイッチの操作によって、プロジェクタから映像光が出力されても、プロジェクタの安全性は維持される。また、使用者は、第2パワーの映像光の出力によって、プロジェクタから映像光が出力されることを視覚的に知覚することができる。
上記構成において、前記操作スイッチから外力が解除されたとき、前記制御要素は、前記第2パワーの映像光を前記投影部から投影させ続けることが好ましい。
上記構成によれば、操作スイッチから外力が解除されたとき、制御要素は、第2パワーの映像光を投影部から投影させ続けるので、意図されないスイッチの操作によって、プロジェクタから映像光が出力されても、プロジェクタの安全性は維持される。また、使用者は、第2パワーの映像光の出力によって、プロジェクタから映像光が出力されることを視覚的に知覚することができる。
上記構成において、前記外力が前記操作スイッチに、第2期間、与え続けられるとき、前記制御要素は、前記第1パワーの映像光を前記投影部から投影させることが好ましい。
上記構成によれば、外力が操作スイッチに、第2期間、与え続けられるとき、制御要素は、第1パワーの映像光を投影部から投影させるので、意図しない操作下での第1パワーの映像光の出力はほとんど生じない。
上記構成において、前記操作スイッチは、第1スイッチと第2スイッチとを含み、前記外力が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの両方に与えられたとき、前記制御要素は、前記投影部から前記映像光を投影させることが好ましい。
上記構成によれば、外力が、第1スイッチ及び第2スイッチの両方に与えられたとき、制御要素は、投影部から映像光を投影させるので、意図しない操作下での第1パワーの映像光の出力はほとんど生じない。
上記構成において、前記投影部は、前記支持面に前記映像光を投影することが好ましい。
上記構成によれば、投影部は、支持面に映像光を投影するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記投影部から投影された前記映像光の反射光を受光する受光要素と、前記映像光を生成するための映像信号が入力される入力部と、を更に備え、前記制御要素は、前記反射光と前記映像信号とに基づき、前記映像光のパワーを調整することが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、投影部から投影された映像光の反射光を受光する受光要素と、映像光を生成するための映像信号が入力される入力部と、を更に備える。制御要素は、反射光と映像信号とに基づき、映像光のパワーを調整する。したがって、映像光が投影される投影面の有無に基づき、映像光のパワーが適切に調整される。
上記構成において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を照射するための赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を照射するための青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を照射するための緑色レーザ光源と、を含み、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第1パワーに設定したとき、前記赤色レーザ光源、前記青色レーザ光源及び前記緑色レーザ光源は、前記レーザ光を出射し、前記制御要素が、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定したとき、前記緑色レーザ光源のみが、前記レーザ光を出射することが好ましい。
上記構成によれば、レーザ光源は、赤色のレーザ光を照射するための赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を照射するための青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を照射するための緑色レーザ光源と、を含むので、制御要素が、映像光のパワーを第1パワーに設定したとき、プロジェクタはカラー画像を表示することができる。制御要素が、映像光のパワーを第2パワーに設定したとき、緑色レーザ光源のみが、レーザ光を出射するので、映像光のパワーが低くとも視認されやすい光が出力される。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記緑色レーザ光源は、励起光を発生する励起光源と、前記励起光に基づき基本波光を発生するレーザ媒質と、前記基本波光を前記緑色のレーザ光に波長変換する波長変換素子と、を含むことが好ましい。
レーザ媒質は、励起光源から発生された励起光に基づき、基本波光を発生する。波長変換素子は、基本波光を緑色のレーザ光に波長変換するので、プロジェクタは、カラー画像を適切に表示することができる。
上述の実施形態の映像光を投影するプロジェクタは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を変調し、前記映像光を生成する光変調部と、前記映像光を投影する投影部と、前記レーザ光源、前記光変調部及び前記投影部を収容する筐体と、該筐体の外面に現れ、前記映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチと、該電源スイッチをカバーするカバー要素と、を備え、前記筐体は、前記電源スイッチが前記カバー要素によってカバーされる収容位置と前記電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間で前記カバー要素に対して移動可能であり、前記電源スイッチがオンにされると、前記電源スイッチは、前記筐体の前記露出位置から前記収容位置への移動を不能にすることを特徴とする。
上記構成によれば、光変調部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を変調し、映像光を生成する。投影部は、映像光を投影する。筐体は、レーザ光源、光変調部及び投影部を収容する。カバー要素は、映像光を生成するための電力の供給のオン・オフを切り替える電源スイッチをカバーする。筐体は、電源スイッチがカバー要素によってカバーされる収容位置と電源スイッチがカバー要素から露出する露出位置との間でカバー要素に対して移動可能である。電源スイッチがオンにされると、電源スイッチは、筐体の露出位置から収容位置への移動を不能にするので、電力供給がオンとなったまま、筐体はカバー要素内に収容されにくくなる。かくして、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記制御要素は、前記映像信号が前記光変調部に出力されているか否かを検知し、前記光変調部への前記映像信号の出力の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、映像信号が前記光変調部に出力されているか否かを検知し、光変調部への映像信号の出力の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するための信号ケーブルを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記信号ケーブルとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するための信号ケーブルと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するためのSDカードを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記SDカードとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するためのSDカードと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタは、前記映像信号を前記光変調部に出力するためのB−CASカードを更に備え、前記制御要素は、前記入力部と前記B−CASカードとの接続の有無に応じて、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、制御要素は、入力部と、映像信号を光変調部に出力するためのB−CASと、の接続の有無に応じて、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記映像光が投影される投影面を撮像し、撮像データを取得する撮像要素を更に備え、前記制御要素は、所定のオブジェクトが撮像されているか否かを判定し、前記所定のオブジェクトの有無に基づき、前記第1パワーと前記第2パワーとを切り替えることが好ましい。
上記構成よれば、撮像要素は、映像光が投影される投影面を撮像し、撮像データを取得する。制御要素は、所定のオブジェクトが撮像されているか否かを判定し、所定のオブジェクトの有無に基づき、第1パワーと第2パワーとを切り替えるので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタの動作を無線式に指示するためのリモートコントローラと、前記プロジェクタと前記リモートコントローラとの距離を測定する側距要素と、を更に備え、前記プロジェクタと前記リモートコントローラとの距離が所定の距離より長いとき、前記制御要素は、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定することが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、プロジェクタの動作を無線式に指示するためのリモートコントローラと、プロジェクタとリモートコントローラとの距離を測定する側距要素と、を更に備える。プロジェクタとリモートコントローラとの距離が所定の距離より長いとき、制御要素は、映像光のパワーを前記第2パワーに設定するので、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、リモートコントローラは、前記プロジェクタの動作を開始させるための指示以外の動作を指示することが好ましい。
上記構成によれば、リモートコントローラは、プロジェクタの動作を開始させるための指示以外の動作を指示するので、プロジェクタの動作の開始は、操作部によって指示されることとなる。したがって、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記信号ケーブルを前記支持面に接続するための接続要素を更に備え、前記接続要素は、前記入力部と前記信号ケーブルとを分離するのに必要な力より大きな力で前記支持面に前記信号ケーブルを接続させ、前記映像光のパワーを前記第2パワーに設定した前記制御要素は、前記投影部からの前記映像光の投影を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、プロジェクタは、信号ケーブルを支持面に接続するための接続要素を更に備え、接続要素は、入力部と信号ケーブルとを分離するのに必要な力より大きな力で支持面に信号ケーブルを接続させる。したがって、入力部と信号ケーブルとの接続は、支持面と信号ケーブルとの接続よりも解除されやすい。映像光のパワーを第2パワーに設定した制御要素は、投影部からの映像光の投影を停止させるので、入力部と信号ケーブルとの接続が解除されたとき、プロジェクタは映像光の投影を停止する。したがって、安全なプロジェクタが提供される。
上記構成において、前記プロジェクタに電力を供給する電源ケーブルと、該電源ケーブルに接続される電源コネクタと、を更に備え、前記接続要素は、前記電源ケーブルと前記電源コネクタとを分離するのに必要な力より大きな力で前記支持面に前記電源ケーブルを接続させることが好ましい。
上記構成によれば、接続要素は、電源ケーブルと電源コネクタとを分離するのに必要な力より大きな力で支持面に電源ケーブルを接続させる。入力部と信号ケーブルとの接続は、支持面と信号ケーブルとの接続よりも解除されやすいので、安全なプロジェクタが提供される。
本実施形態の原理は、レーザ光源を用いて映像を提供するプロジェクタに好適に適用され、高い操作性及び安全性を有するプロジェクタを提供することに貢献する。