JPWO2011099443A1 - β−ジヒドロフラン誘導化合物、β−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法、β−グリコシド化合物、β−グリコシド化合物の製造方法、並びに、4’−エチニルd4T及びその類縁化合物の製造方法 - Google Patents

β−ジヒドロフラン誘導化合物、β−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法、β−グリコシド化合物、β−グリコシド化合物の製造方法、並びに、4’−エチニルd4T及びその類縁化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

[化1]式(2)または(3)で表わされるジオール化合物を、二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物を作用させることを特徴とする、式(1)または(4)で表わされるβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法、およびグリコシル化、脱保護することによる4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジンあるいは類縁化合物の製造方法。

Description

本発明は、β−ジヒドロフラン誘導化合物、β−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法、β−グリコシド化合物、β−グリコシド化合物の製造方法、並びに、4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン(すなわち、4’−エチニルd4T)及びその類縁化合物の製造方法に関する。
現在のHIV薬物療法の主流は、複数の薬剤を組み合わせた多剤併用療法(HAART療法)であり、薬剤耐性ウイルスの出現と副作用による薬剤変更が余儀なくされることが問題となっている。この問題を解決する新たな有効成分として4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン(すなわち、4’−エチニルd4T)が開発された(特許文献1)。4’−エチニルd4Tは、多剤耐性ウイルスにも効果があり、ミトコンドリア毒性が低く安全性が高い事が推察され、長期服薬及びアドヒアランスの維持が可能であると期待されている。
4’−エチニルd4Tの製造方法としては、チミジンまたはウリジンを出発原料とする合成方法が知られている(特許文献1および非特許文献1)。しかしながらこれら天然物を出発原料とする合成方法は合成ステップ数が多く、生産コストが高く、大量生産には向かないという問題があった。
近年、この問題を解決するために、安価なフルフリルアルコールを出発原料とし比較的短ステップ数で合成する方法が開発された(特許文献2)。しかしながら、この方法はルイス酸を用いるジヒドロフラン化合物のグリコシル化(チミン化)工程において、α体とβ体が43:53と混在してしまうため、分離精製工程で大きなロスを生じており、依然大量生産に適した方法とは言えなかった。
一方、ジヒドロフラン化合物よりβ−グリコシド化合物を合成する方法としては、パラジウム試薬を触媒として作用させる方法も知られている(例えば、非特許文献2)。この文献によればアキラルなホスフィン配位子を用い、α体、β体混在のジヒドロフラン化合物を原料とした場合、生成物もα体、β体混在で得られると記載されている。一方、光学活性なトロスト配位子を用いた場合には、β−グリコシド化合物のみを与え、原料のα体は回収されるとしている。つまりα体原料からはα体生成物が、β体原料からはβ体生成物が得られる事が強く示唆される。
すなわち高い収率でグリコシル化を達成するには、純粋なβ体ジヒドロフラン化合物を合成する必要がある。
一般に、ジヒドロフラン化合物を合成する方法としては、いくつかの文献が知られている。例えば、対応するジヒドロフランジオール化合物を原料としてジアセチル化を行う方法が開示されている(特許文献2)。しかしながらこの方法によると得られるジヒドロフラン化合物はα体:β体(もしくはβ体:α体)が21:79で混在し、β体を純粋に得ることはできない。
また、不斉置換基を有するジヒドロフランジオール化合物を原料として、シリル化反応によりジヒドロフラン化合物を合成する方法が報告されているが、得られるジヒドロフラン化合物のα体:β体(もしくはβ体:α体)は80:20で混在する(非特許文献3)。
対応するラクトンを還元した後、アセチル化する方法も知られているが、この方法も得られるジヒドロフラン化合物のα体、β体は1:1で混在する(非特許文献2)。
また、テトラヒドロフラン化合物を合成する場合でも、β体を選択的に合成することは困難であることが知られている。例えば、テトラヒドロフラントリオール化合物から二段階で1位および5位アルコールを修飾しても、α体、β体が混在することが示唆されている(非特許文献4)。
グリセルアルデヒドからテトラヒドロフラン化合物を得る方法でも、2:1で混在する(非特許文献5)。
すなわち当業者にとって、β−ジヒドロフラン化合物、β−テトラヒドロフラン化合物ならびにβ−グリコシド化合物を選択的に合成することは困難であることが知られていた。
特開2006−528972号公報 国際公開第2009/84655号パンフレット
吉野,「治療」,Vol.88,No.12(2006.12),p.2903ページ ジャーナル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリー、第67巻、4076ページ(2002年) オーガニック・アンド・バイオモレキュラー・ケミストリー、第1巻、2393ページ(2003年) ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー、第127巻、15612ページ(2005年) ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー、第47巻、3399ページ(2004年)
選択的にβ体のグリコシド化合物を合成する方法、およびその方法を用いることにより4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン(以下、「4’−エチニルd4T」とも称する)およびその類縁化合物の効率的で大量合成可能な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、種々の手段により容易に合成可能なジヒドロフランジオール化合物またはテトラヒドロフランジオール化合物の5位水酸基を、カルボナート化、カルバマート化や、ホスフェート化することにより、良好な収率で選択的にβ体の化合物を得られる事を見出し、さらにこの方法により4’−エチニルd4Tおよびその類縁化合物の効率的な製造が可能であることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
〔1〕式(1)
Figure 2011099443
(式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
で示されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
〔2〕式(2)または式(3)
Figure 2011099443
(式中、Y、YおよびYは、それぞれ式(1)におけるY、YおよびYと同じ意味を表す。)
で示されるジオール化合物に二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物を作用させることを特徴とする、式(1)または式(4)
Figure 2011099443
(式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
Figure 2011099443
(式中、Y、Y、Y、YおよびYは、それぞれ式(1)におけるY、Y、Y、YおよびYと同じ意味を表す。)
で示されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
〔3〕式(5)
Figure 2011099443
(式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
で示されるβ−グリコシド化合物。
〔4〕式(1)
Figure 2011099443
(式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
で表わされるβ−ジヒドロフラン誘導化合物に遷移金属触媒の存在下、置換されていてもよいウラシル、保護されていてもよいチミン、アミノ基が保護されていてもよいシトシン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール、置換されていてもよいチオウラシル及び置換されていてもよいプリンから選ばれる求核剤を反応させることを特徴とする式(5)
Figure 2011099443
(式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
で表わされるβ−グリコシド化合物の製造方法。
〔5〕式(5)
Figure 2011099443
(式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
で表わされるβ−グリコシド化合物を脱保護して式(7)で表される化合物を製造することを特徴とする、4’−エチニルd4Tおよびその類縁化合物の製造方法。
Figure 2011099443
(式中、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、R’は、式(5)におけるRまたはR中の保護基を脱離させた基を表す。)
〔6〕前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子である〔1〕に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
〔7〕Y及びYがアルコキシカルボニル基である〔1〕または〔6〕に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
〔8〕前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子、Rが保護されていてもよいチミン−1−イルである〔3〕に記載のβ−グリコシド化合物。
〔9〕Yがアルコキシカルボニル基である〔3〕または〔8〕に記載のβ−グリコシド化合物。
〔10〕前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子である〔2〕に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
〔11〕Y及びYがアルコキシカルボニル基である〔2〕または〔10〕に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
〔12〕前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子であり、求核剤がチミンである〔4〕に記載のβ−グリコシド化合物の製造方法。
〔13〕Y及びYがアルコキシカルボニル基である〔4〕または〔12〕に記載のβ−グリコシド化合物の製造方法。
本発明に従えば、選択的にβ体のグリコシド化合物を良好な収率で得られる。これにより4’−エチニルd4Tおよびその類縁化合物を、従来の方法に比べ、穏和な条件で、効率的に大量製造することができる。4’−エチニルd4Tは、HIV感染症治療に効果的な薬剤の有効成分となり得るものであるため、当該薬剤による治療の実用化を達成するために、本発明の製造方法は極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法の出発物質である式(2)または(3)で表されるジオール化合物のうち、式(6)
Figure 2011099443
で示される化合物に関しては、国際公開第2009/084655号パンフレットに記載の方法で、2−フリルメタノールを出発物質として合成することができる。さらに詳細に例示すると、例えば下記のスキームに示すようにして得ることができる。なお、下記スキーム中、N−ブロモコハク酸イミドをNBS、テトラヒドロフランをTHF、酢酸ナトリウムをAcONa、無水酢酸をAcO、Lipase PS Amano SD(天野エンザイム株式会社 商品名)をLipase PS、イソプロパノールをIPA、トリメチルシリルをTMS、アセトニトリルをMeCN、4−ジメチルアミノピリジンをDMAP、酢酸エチルをEtOAcと、それぞれ表記する。
Figure 2011099443
一般に式(1)で表されるようなジヒドロフラン誘導化合物、式(4)で表されるようなテトラヒドロフラン誘導化合物、及び、式(5)で表されるようなグリコシド化合物等の立体異性体に関しては、紙面上向きにOYを置くとき紙面下向きにOYまたはRの置換基を有する異性体をα−体、紙面上向きにOYまたはRの置換基を有する異性体をβ−体と呼称する。
式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物、式(2)または式(3)で表されるジオール化合物、式(4)で表されるβ−テトラヒドロフラン誘導化合物、式(5)で表されるβ−グリコシド化合物において使用できるYおよびYで表される置換基のうちアルコキシカルボニル基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル、c−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、i−ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、c−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、1−メチル−n−ブトキシカルボニル、2−メチル−n−ブトキシカルボニル、3−メチル−n−ブトキシカルボニル、1,1−ジメチル−n−プロポキシカルボニル、c−ペンチルオキシカルボニル、2−メチル−c−ブトキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、1−メチル−n−ペンチルオキシカルボニル、2−メチル−n−ペンチルオキシカルボニル、1,1−ジメチル−n−ブトキシカルボニル、1−エチル−n−ブトキシカルボニル、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシカルボニル、c−ヘキシルオキシカルボニル、1−メチル−c−ペンチルオキシカルボニル、1−エチル−c−ブトキシカルボニル、1,2−ジメチル−c−ブトキシカルボニル、n−ヘプチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、n−ノニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル等が挙げられ、特に好ましくはt−ブトキシカルボニル基である。
およびYで表される置換基のうちアラルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル、1−フェネチルオキシカルボニル、2−フェネチルオキシカルボニル等が挙げられ、特に好ましくはベンジルオキシカルボニル基である。
およびYで表される置換基のうちアミノカルボニル基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、i−プロピルアミノカルボニル、c−プロピルアミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニル、i−ブチルアミノカルボニル、s−ブチルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル、c−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘプチルアミノカルボニル、n−オクチルアミノカルボニル、n−ノニルアミノカルボニル、n−デシルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ−n−プロピルアミノカルボニル、ジ−i−プロピルアミノカルボニル、ジ−c−プロピルアミノカルボニル、ジ−n−ブチルアミノカルボニル、ジ−i−ブチルアミノカルボニル、ジ−s−ブチルアミノカルボニル、ジ−c−ブチルアミノカルボニル、ジ−n−ペンチルアミノカルボニル、ジ−n−ヘプチルアミノカルボニル、ジ−n−オクチルアミノカルボニル、ジ−n−ノニルアミノカルボニル、ジ−n−デシルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、メチル−n−プロピルアミノカルボニル、メチル−n−ブチルアミノカルボニル等が挙げられ、特に好ましくはメチルアミノカルボニル基、t−ブチルアミノカルボニル基である。
およびYで表される置換基のうちジアルキルホスホリル基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、(R−O)P(=O)−で表されるホスホリル基のR部分がアルキル基であるホスホリル基が挙げられ、例えば、ジメチルホスホリル、ジエチルホスホリル、ジ−n−プロピルホスホリル、ジ−i−プロピルホスホリル、ジ−c−プロピルホスホリル、ジ−n−ブチルホスホリル、ジ−i−ブチルホスホリル、ジ−s−ブチルホスホリル、ジ−t−ブチルホスホリル、ジ−c−ブチルホスホリル、ジ−n−ペンチルホスホリル、ジ−(1−メチル−n−ブチル)ホスホリル、ジ−(2−メチル−n−ブチル)ホスホリル、ジ−(3−メチル−n−ブチル)ホスホリル、ジ−(1,1−ジメチル−n−プロピル)ホスホリル、ジ−c−ペンチルホスホリル、ジ−(2−メチル−c−ブチル)ホスホリル、ジ−n−ヘキシルホスホリル、ジ−(1−メチル−n−ペンチル)ホスホリル、ジ−(2−メチル−n−ペンチル)ホスホリル、ジ−(1,1−ジメチル−n−ブチル)ホスホリル、ジ−(1−エチル−n−ブチル)ホスホリル、ジ−(1,1,2−トリメチル−n−プロピル)ホスホリル、ジ−c−ヘキシルホスホリル、ジ−(1−メチル−c−ペンチル)ホスホリル、ジ−(1−エチル−c−ブチル)ホスホリル、ジ−(1,2−ジメチル−c−ブチル)ホスホリル等が挙げられる。
およびYで表される置換基のうちジアリールホスホリル基としては、(R−O)P(=O)−で表されるホスホリル基のR部分がアリール基であるホスホリル基が挙げられ、例えば、ジフェニルホスホリル、ジ−o−メチルフェニルホスホリル、ジ−m−メチルフェニルホスホリル、ジ−p−メチルフェニルホスホリル、ジ−o−トリフルオロメチルフェニルホスホリル、ジ−m−トリフルオロメチルフェニルホスホリル、ジ−p−トリフルオロメチルフェニルホスホリル、ジ−p−エチルフェニルホスホリル、ジ−p−i−プロピルフェニルホスホリル、ジ−p−t−ブチルフェニルホスホリル、ジ−o−クロルフェニルホスホリル、ジ−m−クロルフェニルホスホリル、ジ−p−クロルフェニルホスホリル、ジ−o−ブロモフェニルホスホリル、ジ−m−ブロモフェニルホスホリル、ジ−p−ブロモフェニルホスホリル、ジ−o−フルオロフェニルホスホリル、ジ−p−フルオロフェニルホスホリル、ジ−o−メトキシフェニルホスホリル、ジ−p−メトキシフェニルホスホリル、ジ−o−トリフルオロメトキシフェニルホスホリル、ジ−p−トリフルオロメトキシフェニルホスホリル、ジ−p−ニトロフェニルホスホリル、ジ−p−シアノフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジメチルフェニルホスホリル、ジ−3,5−ビストリフルオロメチルフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジメトキシフェニルホスホリル、ジ−3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジエチルフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジ−i−プロピルフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジクロルフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジブロモフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジフルオロフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジニトロフェニルホスホリル、ジ−3,5−ジシアノフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリメトキシフェルホスホリル、ジ−2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリクロルフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリブロモフェニルホスホリル、ジ−2,4,6−トリフルオロフェニルホスホリル、ジ−α−ナフチルホスホリル、ジ−β−ナフチルホスホリル、ジ−o−ビフェニリルホスホリル、ジ−m−ビフェニリルホスホリル、ジ−p−ビフェニリルホスホリル等が挙げられ、特に好ましくはジフェニルホスホリル基である。
で表される置換基のうちアシル基としては、ホルミル、アセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、プロピオニル、ピバロイル、チグロイル、ベンゾイル、ベンゾイルホルミル、ベンゾイルプロピオニル、フェニルプロピオニル等が挙げられる。
式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物、式(2)または式(3)で表されるジオール化合物、式(4)で表されるβ−テトラヒドロフラン誘導化合物および式(5)で表されるβ−グリコシド化合物において使用できるY、Y、Yで表される置換基は、特に限定されず、水素原子を含むいかなる置換基であってもよいが、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基が挙げられる。
式(5)で表されるβ−グリコシド化合物において使用できるRとしては、置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル(例えば4−O−メチルチミン−1−イル等)、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イル等の複素環塩基置換基が挙げられ、好ましくは、置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、シトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル及び置換されていてもよいプリン−9−イル等が挙げられる。
なお、本明細書において、置換されていてもよいとは、水素原子が、ハロゲン原子、C1〜C7のアルキル基、C1〜C7のアルコキシ基、C6〜C12のアリール基、カルボキシル基、C1〜C7のアシル基、ニトロ基およびシアノ基から選ばれる同一または相異なる1以上の置換基で置換されていてもよいことを表す。
また、本明細書において、保護されていてもよいとは、通常の有機合成反応に用いる保護基によって保護されていてもよいことを表す。
その際の好ましい保護基を以下に示す。
ヒドロキシ基およびメルカプト基の保護基としては、メチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、t−ブチル基等のアルキル系保護基、メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基等のアセタール系保護基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等のシリル系保護基等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等のカーバメートを形成する保護基、トリフルオロアセチル基などのアミドを形成する保護基、フタロイル基などのイミドを形成する保護基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基等のスルホンアミドを形成する保護基等が挙げられる。
ケトンの保護基としては、ジメチルアセタール、エチレングリコールのアセタール、1,3−プロパンジオールのアセタール、ジチオアセタール等の環状または非環状のアセタールを形成する保護基等が挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル、t−ブチルエステル等のエステルを形成する保護基等が挙げられる。
アルキニル基の保護基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等のシリル系保護基等が挙げられる。
以下、本発明の反応についてさらに詳細に述べる。
本発明の式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物および式(4)で表されるβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法を下記スキームに示す。
Figure 2011099443
本反応は、式(2)で表されるジオール化合物または式(3)で表されるジオール化合物と二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物と反応させ、式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物または式(4)で表されるβ−テトラヒドロフラン誘導化合物を製造する反応である。
式(2)で表されるジオール化合物および式(3)で表されるジオール化合物は、通常五員環と六員環の平衡にあり、五員環化合物についてもα体およびβ体が平衡にある。しかしながら、これら平衡があっても目的とするβ体化合物(すなわち、式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物または式(4)で表されるβ−テトラヒドロフラン誘導化合物。)が得られるため、本発明では特に平衡にある構造を表記せず、そのいずれもが式(2)で表されるジオール化合物および式(3)で表されるジオール化合物と等価であるものとする。
本反応に用いることができる二炭酸ジアルキルとしては、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチル、二炭酸ジ−n−プロピル、二炭酸ジ−i−プロピル、二炭酸ジ−c−プロピル、二炭酸ジ−n−ブチル、二炭酸ジ−i−ブチル、二炭酸ジ−s−ブチル、二炭酸ジ−t−ブチル、二炭酸ジ−c−ブチル、二炭酸ジ−n−ペンチル、二炭酸ジ−(1−メチル−n−ブチル)、二炭酸ジ−(2−メチル−n−ブチル)、二炭酸ジ−(3−メチル−n−ブチル)、二炭酸ジ−(1,1−ジメチル−n−プロピル)、二炭酸ジ−c−ペンチル、二炭酸ジ−(2−メチル−c−ブチル)、二炭酸ジ−n−ヘキシル、二炭酸ジ−(1−メチル−n−ペンチル)、二炭酸ジ−(2−メチル−n−ペンチル)、二炭酸ジ−(2−メチル−n−ペンチル)、二炭酸ジ−(1,1−ジメチル−n−ブチル)、二炭酸ジ−(1−エチル−n−ブチル)、二炭酸ジ−(1,1,2−トリメチル−n−プロピル)、二炭酸ジ−c−ヘキシル、二炭酸ジ−(1−メチル−c−ペンチル)、二炭酸ジ−(1−エチル−c−ブチル)、二炭酸ジ−(1,2−ジメチル−c−ブチル)、二炭酸ジ−n−ヘプチル、二炭酸ジ−n−オクチル、二炭酸ジ−n−ノニル、二炭酸ジ−n−デシル等が挙げられる。
二炭酸ジアラルキルとしては、二炭酸ジベンジル、二炭酸ジ−1−フェネチル、二炭酸ジ−2−フェネチル等が挙げられる。
ハロゲン化物としては、メトキシカルボニルクロリド、エトキシカルボニルクロリド、n−プロポキシカルボニルクロリド、i−プロポキシカルボニルクロリド、c−プロポキシカルボニルクロリド、n−ブトキシカルボニルクロリド、i−ブトキシカルボニルクロリド、s−ブトキシカルボニルクロリド、t−ブトキシカルボニルクロリド、c−ブトキシカルボニルクロリド、n−ペンチルオキシカルボニルクロリド、1−メチル−n−ブトキシカルボニルクロリド、2−メチル−n−ブトキシカルボニルクロリド、3−メチル−n−ブトキシカルボニルクロリド、1,1−ジメチル−n−プロポキシカルボニルクロリド、c−ペンチルオキシカルボニルクロリド、2−メチル−c−ブトキシカルボニルクロリド、n−ヘキシルオキシカルボニルクロリド、1−メチル−n−ペンチルオキシカルボニルクロリド、2−メチル−n−ペンチルオキシカルボニルクロリド、1,1−ジメチル−n−ブトキシカルボニルクロリド、1−エチル−n−ブトキシカルボニルクロリド、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシカルボニルクロリド、c−ヘキシルオキシカルボニルクロリド、1−メチル−c−ペンチルオキシカルボニルクロリド、1−エチル−c−ブトキシカルボニルクロリド、1,2−ジメチル−c−ブトキシカルボニルクロリド、n−ヘプチルオキシカルボニルクロリド、n−オクチルオキシカルボニルクロリド、n−ノニルオキシカルボニルクロリド、n−デシルオキシカルボニルクロリド、
ベンジルオキシカルボニルクロリド、1−フェネチルオキシカルボニルクロリド、2−フェネチルオキシカルボニルクロリド、
メチルアミノカルボニルクロリド、エチルアミノカルボニルクロリド、n−プロピルアミノカルボニルクロリド、i−プロピルアミノカルボニルクロリド、c−プロピルアミノカルボニルクロリド、n−ブチルアミノカルボニルクロリド、i−ブチルアミノカルボニルクロリド、s−ブチルアミノカルボニルクロリド、t−ブチルアミノカルボニルクロリド、c−ブチルアミノカルボニルクロリド、n−ペンチルアミノカルボニルクロリド、n−ヘプチルアミノカルボニルクロリド、n−オクチルアミノカルボニルクロリド、n−ノニルアミノカルボニルクロリド、n−デシルアミノカルボニルクロリド、ジメチルアミノカルボニルクロリド、ジエチルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−プロピルアミノカルボニルクロリド、ジ−i−プロピルアミノカルボニルクロリド、ジ−c−プロピルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−ブチルアミノカルボニルクロリド、ジ−i−ブチルアミノカルボニルクロリド、ジ−s−ブチルアミノカルボニルクロリド、ジ−c−ブチルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−ペンチルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−ヘプチルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−オクチルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−ノニルアミノカルボニルクロリド、ジ−n−デシルアミノカルボニルクロリド、メチルエチルアミノカルボニルクロリド、メチル−n−プロピルアミノカルボニルクロリド、メチル−n−ブチルアミノカルボニルクロリド、
ジメチルホスホリルクロリド、ジエチルホスホリルクロリド、ジ−n−プロピルホスホリルクロリド、ジ−i−プロピルホスホリルクロリド、ジ−c−プロピルホスホリルクロリド、ジ−n−ブチルホスホリルクロリド、ジ−i−ブチルホスホリルクロリド、ジ−s−ブチルホスホリルクロリド、ジ−t−ブチルホスホリルクロリド、ジ−c−ブチルホスホリルクロリド、ジ−n−ペンチルホスホリルクロリド、ジ−(1−メチル−n−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(2−メチル−n−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(3−メチル−n−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1,1−ジメチル−n−プロピル)ホスホリルクロリド、ジ−c−ペンチルホスホリルクロリド、ジ−(2−メチル−c−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−n−ヘキシルホスホリルクロリド、ジ−(1−メチル−n−ペンチル)ホスホリルクロリド、ジ−(2−メチル−n−ペンチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1,1−ジメチル−n−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1−エチル−n−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1,1,2−トリメチル−n−プロピル)ホスホリルクロリド、ジ−c−ヘキシルホスホリルクロリド、ジ−(1−メチル−c−ペンチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1−エチル−c−ブチル)ホスホリルクロリド、ジ−(1,2−ジメチル−c−ブチル)ホスホリルクロリド、
ジフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−メチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−m−メチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−メチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−トリフルオロメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−m−トリフルオロメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−トリフルオロメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−エチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−i−プロピルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−t−ブチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−クロルフェニルホスホリルクロリド、ジ−m−クロルフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−クロルフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−ブロモフェニルホスホリルクロリド、ジ−m−ブロモフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−ブロモフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−フルオロフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−フルオロフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−メトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−メトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−o−トリフルオロメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−トリフルオロメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−ニトロフェニルホスホリルクロリド、ジ−p−シアノフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ビストリフルオロメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジエチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジ−i−プロピルフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジクロルフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジブロモフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジフルオロフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジニトロフェニルホスホリルクロリド、ジ−3,5−ジシアノフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリクロルフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリブロモフェニルホスホリルクロリド、ジ−2,4,6−トリフルオロフェニルホスホリルクロリド、ジ−α−ナフチルホスホリルクロリド、ジ−β−ナフチルホスホリルクロリド、ジ−o−ビフェニリルホスホリルクロリド、ジ−m−ビフェニリルホスホリルクロリド、ジ−p−ビフェニリルホスホリルクロリド等が挙げられる。
二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物の使用量は、式(2)または式(3)で表されるジオール化合物1.0モル当量に対して、1.0〜3.0モル当量程度とすることができる。好ましくは2.0〜2.5モル当量の範囲が良い。
また、二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物は単独または組み合わせて使用する事ができる。さらに二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物は、アシル化剤とともに使用することもできる。その際は、先に式(2)または式(3)で表されるジオール化合物1.0モル当量に対して、1.0〜1.5モル当量の二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物と反応した後に、アシル化剤と反応するのが好ましい。
上記反応には必要に応じ、塩基を添加することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び水素化ナトリウム等の無機塩基類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類、ブチルリチウム及びs−ブチルリチウム等の有機リチウム類、リチウムジイソプロピルアミド及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド等の有機リチウムアミド類、並びにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。この中でも、例えば、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基類が好ましい。
塩基は、式(2)または式(3)で表されるジオール化合物1.0モル当量に対して、0〜10モル当量程度とすることができるが、好ましくは0〜3モル当量の範囲である。
反応溶媒は、当該反応条件化において安定であり、かつ不活性で反応を妨げないものであれば特に特に制限は無く、例えば、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロナフタリン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素等の尿素類、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、5−エチル−2−ピコリン等のピリジン類が挙げられる。これらが単独または組合せて使用できる。中でも、ハロゲン化炭化水素類が好ましく、ジクロロメタンがより好ましい。
本反応は、幅広い温度域で行なうことができる。しかし反応試剤の使用量を含めて経済的な製造を考慮した場合の好適な温度範囲としては、通常−80〜100℃、特に−20〜50℃の範囲で行なうことが好ましい。また、室温で行うこともできる。
反応時間は、用いる試剤の量、濃度、反応温度等により異なるが、通常は0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間の範囲で終了するように、条件を設定することが好ましい。
反応は、回分式または連続式の何れでも実施可能であり、反応により求められる基質の濃度、転化率、生産性等により選択することが可能である。
反応終了後は、必要により溶媒を留去し、続いて蒸留により直接目的物を得るか、または粗反応物に水および水と混合しない溶媒を加えて充分に洗浄後、有機層より蒸留、カラムクロマトグラフィー等の常法処理を行うことにより目的とするβ−グリコシド化合物を精製・単離することが可能である。
本発明の式(5)で表されるβ−グリコシド化合物の製造方法を下記スキームに示す。
Figure 2011099443
本反応は、式(1)で表わされるβ−ジヒドロフラン誘導化合物に遷移金属触媒と求核剤を作用させ、式(5)で表わされるβ−グリコシド化合物を製造する反応である。
本発明に用いることができる金属触媒としては遷移金属の金属触媒が好ましく、中でも鉄、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステンおよび白金から選ばれた金属触媒を用いることができる。
本反応に用いることができる触媒の例を以下に示す。
鉄触媒としては、ペンタカルボニル鉄、エニアカルボニル二鉄、ドデカカルボニル三鉄、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)鉄、テトラカルボニル(トリフェニルホスフィン)鉄、トリカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)鉄、シクロペンタジエニルジカルボニル鉄ナトリウム、シクロペンタジエニルジカルボニル鉄ダイマー、ペンタメチルシクロペンタジエニルジカルボニル鉄ダイマー、シクロペンタジエントリカルボニル鉄、シクロヘキサジエントリカルボニル鉄、ブタジエントリカルボニル鉄、テトラカルボニル鉄酸ナトリウム、ビス(シクロペンタジエニル)鉄(フェロセン)、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)鉄、ビス(メチルシクロペンタジエニル)鉄(1,1’−ジメチルフェロセン)、トリカルボニル(ニトロソ)鉄ナトリウム、トリカルボニル(ニトロシル)鉄テトラブチルアンモニウム、アセチルフェロセン、アセチルアセトナト鉄等の錯体触媒類が挙げられる。
ニッケル触媒としては、ニッケル担持シリカ、ニッケル担持アルミナ、ニッケル担持炭素等の固体および担持触媒、テトラカルボニルニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルフォスファイト)ニッケル、ビス(シクロオクタジエニル)ニッケル、ジクロロ(ジフェニルホスフィノエチレン)ニッケル等の錯体触媒が挙げられる。
ルテニウム触媒としては、ルテニウム担持シリカ、ルテニウム担持アルミナ、ルテニウム担持炭素等の担持触媒、ペンタカルボニルルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドドデカカルボニル四ルテニウム、ジヒドリド(二窒素)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、テトラカルボニル(トリメチルホスフィット)ルテニウム、ペンタキス(トリメチルホスフィット)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ジアセタトジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(クロロトリカルボニル)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、テトラヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、アセタトヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ルテノセン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、クロロ(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ヒドリド(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロカルボニル(シクロペンタジエニル)ルテニウム、ヒドリド(シクロペンタジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、クロロ(シクロペンタジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、シクロオクタトリエン(シクロオクタジエン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリカルボニル(シクロオクタテトラエン)ルテニウム、トリカルボニル(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等の錯体触媒または塩化ルテニウム、酸化ルテニウム、ルテニウムブラック等が挙げられる。
パラジウム触媒としては、パラジウム金属、パラジウム黒、パラジウム担持シリカ触媒、パラジウム担持アルミナ触媒、パラジウム担持炭素触媒、パラジウム担持硫酸バリウム触媒、パラジウム担持ゼオライト触媒、パラジウム担持シリカ・アルミナ触媒、パラジウム担持ポリマー触媒、等の固体または担持触媒、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリエチルホスファイト)パラジウム、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ビス[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロロメタン錯体、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムアセテート、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロビス(トリ−O−トリルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、ジブロモビス(トリ−t−ブチルホスフィノ)ジパラジウム、トリジクロロジアミンパラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、テトラキス(アセトニトリル)パラジウムテトラフルオロボレート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(2−メチルアリル)パラジウムクロリドダイマー、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、アセチルアセトンパラジウム、2,4−ペンタジオンパラジウム、ヘキサフルオロペンタジオンパラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム等の錯体触媒または塩化パラジウム、酸化パラジウム等が挙げられる。
ロジウム触媒としては、ロジウム担持シリカ触媒、ロジウム担持アルミナ触媒、ロジウム担持炭素触媒等の担持触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ヘキサデカカルボニル六ロジウム、ドデカカルボニル四ロジウム、ジクロロテトラカルボニル二ロジウム、ヒドリドテトラカルボニルロジウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム、ジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、シクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロテトラキス(アリル)二ロジウム等の錯体触媒または塩化ロジウム、酸化ロジウム等が挙げられる。
イリジウム触媒としては、クロロ(シクロオクタジエニル)イリジウムダイマー等の錯体触媒が挙げられる。
モリブデン触媒としては、ヘキサカルボニルモリブデン、ビスカルボニルテトラ(イソシアノ)モリブデン、トリカルボニルトリス(アセトニトリル)モリブデン、ペンタカルボニルビス(トリフルオロメタンスルホニル)モリブデン、ジブロモテトラカルボニルモリブデンダイマー、クロロテトラカルボニルビス(アセトニトリル)(トリクロロスタニル)モリブデン、テトラカルボニル(ビピリジル)モリブデン、トリカルボニル(ビピリジル)(アセトニトリル)モリブデン、(N,N’−ビス(シクロヘキシル)エチレンジイミン)テトラカルボニルモリブデン等の錯体触媒が挙げられる。
タングステン触媒としては、テトラカルボニルテトラ(アセトニトリル)タングステン、ペンタカルボニルビス(トリフルオロメタンスルホニル)タングステン、ジブロモテトラカルボニルタングステンダイマー等の錯体触媒が挙げられる。
白金触媒としては、白金担持シリカ触媒、白金担持アルミナ触媒、白金担持炭素触媒等の担持触媒、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスファイト)白金、トリス(トリフェニルホスフィン)白金、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)白金、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)白金、cis−ビス(ベンゾニトリル)ジクロロ白金、ビス(1,5−シクロオクタジエン)白金、メチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金等の錯体触媒または塩化白金、酸化白金(アダムス触媒)、白金ブラック等が挙げられる。
これらの中で、金属種としてはニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウムの触媒が好ましく、触媒形態としては錯体触媒が好適に使用できる。
また、触媒は単独にまたは組み合せて使用することができる。
遷移金属触媒の使用量としては、式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物に対して通常0.0001〜50モル%の範囲、好ましくは0.001〜20モル%の範囲が良い。
上記触媒に必要に応じ、配位子を添加することもできる。配位子としては例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(パラトリル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノベンゼン−3−スルホン酸ナトリウム、ビス(3−スルホナートフェニル)ホスフィノベンゼンナトリウム塩、トリ(2−フリル)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、4,5−ビス[(ジフェニルホスフィニル)メチル]−2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン、1,2−ビス(O−アニシルフェニルホスフィノ)エタン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、トロストリガンド、トリス(3−スルホナートフェニル)ホスフィンナトリウム塩、等の単座および多座の3級ホスフィン類、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト等の亜リン酸エステル類、トリフェニルメチルホスホニウムヨージド、トリフェニルメチルホスホニウムブロミド、トリフェニルメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルアリルホスホニウムヨージド、トリフェニルアリルホスホニウムブロミド、トリフェニルアリルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムヨージド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類、リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリアリル等のリン酸エステル類、トリフェニルアルシン等の有機アルシン類、ベンゾニトリル、アセトニトリル等のニトリル類、アセチルアセトン等のケトン類、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン等のジエン類、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,2−ビピリジル、ターピリジン、1,10−フェナントロリン、8−ヒドロキシキノリン、ビスオキサゾリニルピリジン(Pybox)、1,4−ジメチルピラゾール、1,3,5−トリメチルピラゾール、ピリミジン、ピラジン等の含窒素複素環系配位子、マレイン酸ジメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、フェニルアセチレン、ジフェニルアセチレンなどのパイ酸系配位子または反応雰囲気ガスの一酸化炭素等、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロリド等のN−ヘテロ環状カルベン類が挙げられる。
配位子を用いる場合、その使用量としては、遷移金属触媒に対して、通常0.1〜10000モル%の範囲、好ましくは1〜5000モル%の範囲が良い。
上記反応には必要に応じ、塩基を添加することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び水素化ナトリウム等の無機塩基類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類、ブチルリチウム及びs−ブチルリチウム等の有機リチウム類、リチウムジイソプロピルアミド及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド等の有機リチウムアミド類、並びにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。この中でも、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン及び水素化ナトリウム等の塩基類が好ましく、水素化ナトリウムがさらに好ましい。
塩基は式(1)で表されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物1.0モル当量に対して、0〜10モル当量程度とすることができるが、好ましくは0〜2モル当量の範囲である。
本反応に用いることのできる求核剤としては、置換されていてもよいウラシル類、保護されていてもよいチミン類(例えば4−O−メチルチミン等)、シトシン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、置換されていてもよいチオウラシル類、プリン類等の複素環塩基類が挙げられ、好ましくは、置換されていてもよいウラシル、保護されていてもよいチミン、シトシン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、置換されていてもよいチオウラシル、置換されていてもよいプリンが挙げられる。求核剤の量を多くすることにより、β体をより収率よく製造することができる。
反応を円滑に進めるために、あらかじめ求核剤をクロロトリメチルシランまたはビストリメチルシリルアセトアミド等の試薬でシリル化して用いることができる。
反応は、反応に用いる各試剤の分散・混合を含め反応を円滑に進めるために、溶媒で希釈して行うことが好ましい。反応に用いる溶媒としては、本反応に不活性な溶媒であれば特に制限は無く、例えば、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、i−プロピルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロナフタリン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素等の尿素類、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、5−エチル−2−ピコリン等のピリジン類または水が挙げられる。これらが単独または組合せて使用できる。
本反応は、幅広い温度域で行なうことができる。しかし反応試剤の使用量を含めて経済的な製造を考慮した場合の好適な温度範囲としては、通常−80〜100℃、特に−20〜50℃の範囲で行なうことが好ましい。また、室温で行うこともできる。
反応時間は、用いる試剤の量、濃度、反応温度等により異なるが、通常は0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間の範囲で終了するように、条件を設定することが好ましい。
反応は、回分式または連続式の何れでも実施可能であり、反応により求められる基質の濃度、転化率、生産性等により選択することが可能である。
反応終了後は、必要により溶媒を留去し、続いて蒸留により直接目的物を得るか、または粗反応物に水および水と混合しない溶媒を加えて充分に洗浄後、有機層より蒸留、カラムクロマトグラフィー等の常法処理を行うことにより目的とするβ−グリコシド化合物を精製・単離することが可能である。
式(7)で表される化合物である4’−エチニルd4Tおよびその類縁化合物の製造方法を下記スキームに示す。
Figure 2011099443
本反応は、式(5)で表わされるβ−グリコシド化合物を脱保護することで、式(7)で表わされる化合物、すなわち、4’−エチニルd4Tやその類縁化合物を製造する反応である。ここで言う脱保護とは、置換基Yの脱離のみならず、必要に応じて置換基Y、Y、YおよびR中の保護基についても脱離することができる。なお、式(7)において、式(5)と同様に、紙面上向きに−CH−OHを置くとき紙面下向きにR’の置換基を有する異性体をα−体、紙面上向きにR’の置換基を有する異性体をβ−体と呼称する。
脱保護反応は、公知の手法により行うことができる。例えば、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(Fourth Edition)」の記載を参照することができる。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は特にこの例示には限定されず、当業者の技術常識により適宜変更して当該工程を実施することができる。
H−NMRおよびLCは以下の機器および条件で測定した。また、NMRは核磁気共鳴スペクトル、LCは液体クロマトグラフィーを表す。なお、立体化学はHPLCのピークの面積比により測定した。
[1]H−NMR
機種:JNM−ECP300(JEOL製)(300MHz)
測定溶媒:CDCl、CDOD
[2]LC
LC条件例:
・Column:Capcellpak C18 MGII 4.6*100mm 3μm
・Oven Temp:40℃
・Eluent:CHCN,H
CHCN=20%(0min.)→80%(15min.)
・Flow rate:1.2mL/min.
・Detector:UV254nm
(参考例1)
(5R)−2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2,5−ジヒドロフランの製造
窒素置換したガラス製反応容器にテトラヒドロフラン2700mLと水300mLを入れて攪拌したところに、炭酸水素ナトリウム343gと酢酸ナトリウム167gを加えた。−15℃に冷却した反応液に、N−ブロモスクシンイミド376gとフルフリルアルコール200gを滴下し、−15℃で10分攪拌した。その後反応液に4−ジメチルアミノピリジン50gと無水酢酸416gを加えて室温まで昇温し3時間攪拌した。反応液を5℃以下に冷却し、10N水酸化ナトリウム水溶液200mLと2N水酸化ナトリウム760mLを加えてpH6.5に調整した。酢酸エチル1500mLを加えて攪拌後、分液させた有機層に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液1500mLを加えて攪拌し分液した。有機層を減圧濃縮し、279g(収率73%)の2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−オンを得た。
2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−オン150gと2−プロパノール3000mLをガラス製反応容器に加え、反応液を30℃に昇温したところに、Lipase PS Amano SD(天野エンザイム株式会社 商品名)15gを水300mLに溶かした水溶液を滴下し2時間半攪拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮後、残渣に水350mLとトルエン750mLを加えて攪拌し分液後、有機層に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液350mLを加え攪拌し分液した。有機層に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液350mLを加えて攪拌し、分液させ、有機層を減圧濃縮して、27g(収率18%)の(R)−2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−オンを得た。
ガラス製反応容器内を窒素置換したところに脱水テトラヒドロフラン440mLとトリメチルシリルアセチレン47gを加えて攪拌後、−30℃に冷却し、1.57mol/Lノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液310mLと(R)−2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−オン62gを脱水テトラヒドロフラン437mLに溶かした溶液を滴下し、30分攪拌した。室温まで昇温した後、酢酸34gとテトラヒドロフラン174mLの混合溶液、水300mLを加えて攪拌後分液した。有機層に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液300mLを加えて攪拌後分液し、有機層に水300mLを加えて攪拌し、分液した有機層を減圧濃縮して100g(収率98%)の(2R,5R)−2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−5−オールを得た。
ガラス製反応容器にアセトニトリル300mLと(2R,5R)−2−アセチルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラノ−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−5−オール100gを加えて攪拌し40℃に昇温したところに、Lipase PS Amano SD(天野エンザイム株式会社 商品名)10gを水400mLに溶かした水溶液を滴下し、15時間攪拌した。反応液を20℃まで冷却した後、水と酢酸エチルを加えて攪拌後分液し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、21g(収率25%)の(5R)−2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2,5−ジヒドロフランを得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDCl)5.83−6.22(m、3H)、3.60−4.25(m、2H)、0.17−0.35(m、9H).
(実施例1)
式(A)で表される(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフランの製造
Figure 2011099443
得られた(5R)−2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2,5−ジヒドロフラン2.5gをガラス製反応容器に入れ、窒素置換したところにジクロロメタン12.5mLと4−ジメチルアミノピリジン144mgを加えて攪拌後、0℃に冷却した。ここに二炭酸ジt−ブチル6.4gを滴下し、2時間攪拌した。反応液に水8mLを加えて攪拌後、分液した有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、4.6g(収率94%、β体/α体=>99/1)の(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフランを油状物として得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDCl)6.79(m、1H)、6.22(dd、1H)、5.98(dd、1H)、4.31(d、1H)、4.23(d、1H)、1.48(m、18H)、0.15(s、9H)
(実施例2)
式(B)で表される(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフランの製造
Figure 2011099443
(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフラン(β体/α体=>99/1)2.0gをガラス製反応容器に入れ、窒素置換したところにチミン3.1gとN,N’−ジメチルホルムアミド40mLを加え攪拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)560mgを加えて、室温にて30分攪拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、1.6g(収率78%、β体/α体=>99/1)の(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフランを得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDCl)7.95(brs、1H)、7.45(d、1H)、7.15(dd、1H)、6.21(dd、1H)、5.88(d、1H)、4.56(d、1H)、4.19(d、1H)、1.93(s、3H)、1.48(s、9H)、0.17(s、9H).
(実施例3)
式(C)で表される4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジンの製造
Figure 2011099443
(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフラン35mgをガラス製反応容器に入れ、窒素置換したところに炭酸カリウム72mgとメタノール3.5mLを加え室温で18時間攪拌した。反応溶液を水とアセトニトリルで均一にし定量分析(LC)したところ、得られた目的物(4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン)の収率(定量分析法により算出)は94%であった(内部標準物質はフタル酸メチル)。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDOD)7.71(s、1H)、7.03(m、1H)、6.32(dd、1H)、6.00(dd、1H)、3.82(d、1H)、3.75(d、1H)、3.08(s、1H)、1.82(s、3H).
(実施例4)
式(D)で表される(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフランの製造
Figure 2011099443
トルエン3kgに溶解した(5R)−2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−5−(2−トリメチルシリルエチニル)−2,5−ジヒドロフラン620.5gを窒素置換したガラス製反応容器に入れ、2℃に冷却し4−ジメチルアミノピリジン17.9gを加えて攪拌した。ここに二炭酸ジt−ブチル1.9kgを滴下し、20分攪拌した。この反応混合溶液にメタノール5.6kgとフッ化カリウム347gを加え4時間攪拌した。これに水を加え攪拌後、分液し有機層を得た。この有機層の20分の11を抜き出し濃縮を行い、エタノールとヘプタンを加え再結晶精製を行い、331g(収率61%、β体/α体=>99/1)の(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフランを得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDCl)6.80(m、1H)、6.26(dd、1H)、6.00(dd、1H)、4.31(d、1H)、4.23(d、1H)、2.60(s、1H)、1.49(m、18H).
(実施例5)
式(E)で表される(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフランの製造
Figure 2011099443
窒素置換したガラス製反応容器にチミン16.7gとN,N’−ジメチルホルムアミド162gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)917mgを入れ55℃に加熱し、そこに(2S,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−t−ブトキシカルボニルオキシ−2,5−ジヒドロフラン(β体/α体=>99/1)9.0gのN,N’−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、30分攪拌した。この反応混合液をろ過し、ろ液に水を加え攪拌後、分液し得られた有機層を濃縮した。アセトニトリルとトルエンを加え再結晶精製を行い、6.5g(収率72%、β体/α体=>99/1)の(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフランを得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は下記のとおりである。
H−NMR:δH(300MHz;CDCl)8.47(brs、1H)、7.42(d、1H)、7.17(dd、1H)、6.22(dd、1H)、5.93(d、1H)、4.56(d、1H)、4.22(d、1H)、2.66(s、1H)、1.93(s、3H)、1.49(s、9H).
(実施例6)
式(C)で表される4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジンの製造
Figure 2011099443
窒素置換したガラス製反応容器に(2R,5R)−5−t−ブトキシカルボニルオキシメチル−5−エチニル−2−(チミン−1−イル)−2,5−ジヒドロフラン5gを入れ、メタノール150gと炭酸カリウム9.9g加え、37℃で4時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、水に溶解後、水酸化ナトリウム水溶液とトルエンを加え攪拌し、分液した水層を得た。ここに塩酸とメチルエチルケトンを加え攪拌し、分液し得られた有機層を濃縮した。ここにエタノールとヘプタンを加え再結晶精製を行い、3.2g(収率91%、β体/α体=>99/1)の4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジンを得た。得られた化合物のH−NMR測定結果は、上記実施例3と同様であった。
本発明の方法に従えば、HIV感染症治療に効果的な薬剤の有効成分となり得る4’−エチニル−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン、あるいは医農薬等のファインケミカルズ中間体として重要な類縁化合物を効率的で、かつ穏和な条件により大量合成可能な製造方法を提供することができ、産業上利用可能である。

Claims (13)

  1. 式(1)
    Figure 2011099443
    (式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
    で示されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
  2. 式(2)または式(3)
    Figure 2011099443
    (式中、Y、YおよびYは、それぞれ式(1)におけるY、YおよびYと同じ意味を表す。)
    で示されるジオール化合物に二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアラルキルまたはハロゲン化物を作用させることを特徴とする、式(1)または式(4)
    Figure 2011099443


    (式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
    Figure 2011099443
    (式中、Y,Y,Y、YおよびYは、それぞれ式(1)におけるY、Y、Y、YおよびYと同じ意味を表す。)
    で示されるβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
  3. 式(5)
    Figure 2011099443
    (式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
    で示されるβ−グリコシド化合物。
  4. 式(1)
    Figure 2011099443
    (式中Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Yはアシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。)
    で表わされるβ−ジヒドロフラン誘導化合物に遷移金属触媒の存在下、置換されていてもよいウラシル、保護されていてもよいチミン、アミノ基が保護されていてもよいシトシン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール、置換されていてもよいチオウラシル及び置換されていてもよいプリンから選ばれる求核剤を反応させることを特徴とする式(5)
    Figure 2011099443
    (式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
    で表わされるβ−グリコシド化合物の製造方法。
  5. 式(5)
    Figure 2011099443
    (式中、Yはアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジアルキルホスホリル基、ジアリールホスホリル基を表し、Y、Y、Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、三置換シリル基、アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいホルミル基、C1〜C7のエステル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル基、ビニル基、保護されていてもよいアルキニル基、シアノ基または置換されていてもよいイミノメチル基を表す。Rは置換されていてもよいウラシル−1−イル、保護されていてもよいチミン−1−イル、保護されていてもよいチミン−3−イル、アミノ基が保護されていてもよいシトシン−1−イル、イミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾール−2−イル、置換されていてもよいチオウラシル−1−イル、置換されていてもよいプリン−9−イルを表す。)
    で表わされるβ−グリコシド化合物を脱保護して式(7)で表される化合物を製造することを特徴とする、4’−エチニルd4Tおよびその類縁化合物の製造方法。
    Figure 2011099443
    (式中、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、Y’は、式(5)におけるYまたはY中の保護基を脱離させた基を表し、R’は、式(5)におけるRまたはR中の保護基を脱離させた基を表す。)
  6. 前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子である請求項1記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
  7. 及びYがアルコキシカルボニル基である請求項1または6に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物。
  8. 前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子、Rが保護されていてもよいチミン−1−イルである請求項3に記載に記載のβ−グリコシド化合物。
  9. がアルコキシカルボニル基である請求項3または8に記載のβ−グリコシド化合物。
  10. 前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子である請求項2記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
  11. 及びYがアルコキシカルボニル基である請求項2または10に記載のβ−ジヒドロフラン誘導化合物またはβ−テトラヒドロフラン誘導化合物の製造方法。
  12. 前記Yが保護されていてもよいアルキニル基、YおよびYが水素原子であり、求核剤がチミンである請求項4に記載のβ−グリコシド化合物の製造方法。
  13. 及びYがアルコキシカルボニル基である請求項4または12に記載のβ−グリコシド化合物の製造方法。
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