JPWO2011096440A1 - 天然変性タンパク質に結合する化合物およびそのスクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

転写因子を始めとして多くの不規則配列をもつタンパク質に対して、タンパク質・タンパク質相互作用を調整する低分子化合物のスクリーニングが行われてきたが、十分な活性をもつ低分子化合物を得ることは、ほとんど不可能であった。本発明者は、天然変性タンパク質とパートナータンパク質の相互作用を調整するタンパク質のスクリーニングにおいて、不規則配列に注目してスクリーニングを行うこと、さらには、ペプチド模倣骨格を持ち、ペプチド側鎖やそれに類似する側鎖をもつペプチド模倣化合物から、候補化合物を選択することにより、効率的に天然変性タンパク質の活性を調整する化合物を選択することができることを明らかにし、本発明を完成させた。

Description

本発明は、天然変性タンパク質の不規則配列領域(以下、不規則領域と表記することもある)に結合する化合物に関する。詳細には、天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合し、その結合により不規則配列ドメインの構造を変化させ、天然変性タンパク質の自然状態で結合するはずのパートナータンパク質との結合ができなくなることにより、自然状態で、起こる生体反応を阻害することができる化合物に関する。また、本発明は、天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物のスクリーニング方法等にも関する。さらには、天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を含む医薬品に関する。
これまで生体内で機能を果たすタンパク質といえば、特定の立体構造をつくり、その構造を基盤として特異的な機能を発揮するといわれてきた。ところが近年になって、このような通念に反して、立体構造をつくらないタンパク質やタンパク質の一部分が立体構造を作らないタンパク質が生体内に多数存在することが知られるようになった。タンパク質の中で、立体構造をとらないアミノ酸配列部分が数百残基におよぶことも珍しくない。このような配列部分は「本来的に不規則」な領域とよばれ、タンパク質分子の全体が不規則領域からなるもの、または部分的にせよ不規則領域をもつものは天然変性タンパク質という。
アメリカの生化学者Christian B. Anfinsenの研究以来、「1次構造が高次構造を決定する」という考えが成立した。これは「Anfinsenのドグマ」と言われ、1次構造→特有の立体構造→タンパク質の特有の機能という図式が描かれてきた。逆にいえば、特有の立体構造を欠く(=変性状態)タンパク質→機能のない(変性)タンパク質という暗黙の了解があった。
ところがここ10年、長大な不規則領域をもつタンパク質IDP(天然変性タンパク質)(Intrinsically disordered Protein)が存在するということがわかってきた。IDPは、
(1)真核細胞に多く存在し(特に核に多い)、原核細胞では少ない、
(2)親水性残基に富み、疎水性領域が少ない、
(3)転写因子、CBPなどのコアクチベーター、細胞内シグナル伝達タンパク質、p53などの細胞周期の制御因子、細胞膜融合因子,RNA結合タンパク質など、他のタンパク質と結合して機能を発揮するものが多い、
(4)それらのタンパク質の機能は不規則領域と密接に関連している、
といった特徴がある。
これまでの研究で、IDPはほとんど全ての生物に普遍的に存在し、あらゆる生体機能に関連していることが明らかになってきた。真核細胞のつくるタンパク質の約20%がIDPで、不規則領域は50〜500残基にも及ぶという。IDPは、通常は高次構造をもたない不規則配列をもつが、標的タンパクと結合すると構造が誘起され、機能を果たすようになる。
転写因子には、一般的に不規則領域をもつものが多い。転写因子は遺伝子発現における転写過程の開始や抑制を制御するタンパク質であり、制御を受ける遺伝子との組み合わせによっていくつもの種類が存在する。ヒトゲノムには1000種類以上の転写因子の遺伝子があるといわれている。DISODREDプログラム(IDP予測プログラム)を使ってアミノ酸配列からIDP予測を行ったところ、ヒト転写因子では、平均して全長の半分(49%)もの部分が不規則領域と予測された。
従来から、天然変性タンパク質が生体内に多数存在することは事実であり、しかもシグナル伝達系や遺伝子発現制御などに関与する重要なタンパク質の中に特に多いといわれている。しかし、その一方で、注目されるようになったのが比較的最近になってからという事情もあって、天然変性タンパク質についてはまだ不明な点も多い。
立体構造そのもの、あるいは、構造を作らない部分をもつようなタンパク質は、実はずっと以前から知られていた。しかしながら、不規則配列に着目してスクリーニングを行うことはされていなかった。
生物物理49(1),004-010 (2009) Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Aug24;101(34):12682-7.
転写因子を始めとして多くの不規則配列をもつタンパク質に対して、タンパク質・タンパク質相互作用を調整する低分子化合物のスクリーニングが行われてきたが、十分な活性をもつ低分子化合物を得ることは、ほとんど不可能であった。そこで、本発明は、天然変性タンパク質の活性調節剤、或いは天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤を得るためのスクリーニング方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該スクリーニング方法で得られた化合物、当該化合物を含む医薬等を提供することも目的とする。
生化学的な方法で明らかになった機能部位の位置を、構造ドメインと不規則領域に重ねてみると、ほぼすべてのケースで構造ドメインではなく、むしろ不規則領域に位置していた。このことは、タンパク質の不規則領域が生物学的に重要な機能を担いうることを意味している。従って、IDPをコントロールすることは、各種疾患治療薬として魅力的な技術として考えることができる。
これら物質は、疾患治療薬として極めて有用であり、不規則配列がドメイン構造を有していることから、ドメイン選択的に結合する物質を選択することにより、選択性を有する、副作用のない理想的な医薬品の可能性がある。また、上述のように不規則配列は、細胞内に主に存在することから、今までの医薬品では、コントロールできなかった細胞内のタンパク質/タンパク質相互作用を制御できることになり、いわゆる難病の治療薬を創出することも可能となる。
そこで、本発明者は、鋭意検討を行ったところ、天然変性タンパク質の活性調節剤、又は天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニングにおいて、天然変性タンパク質の不規則配列における相互作用に注目してスクリーニングを行うことにより、とりわけ、被験物質として、ペプチド模倣骨格を持ち、ペプチド側鎖やそれに類似する側鎖をもつペプチド模倣化合物を使用することにより、
効率的に天然変性タンパク質の活性を調節する化合物をスクリーニングできることを見出した。
ペプチド模倣骨格を持ち、ペプチド側鎖やそれに類似する側鎖をもつペプチド模倣化合物と、天然変性タンパク質の不規則領域が相互作用を発揮する際に、これらの不規則領域は効率的に変性状態のランダムコイルに似た状態になると考えられる。そうだとすると、なぜ、生体内でたがいに会合し凝集しないのか、あるいは、なぜ各種のプロテアーゼ(分解酵素)によって分解されてしまわないのか、といった疑問が生じる。しかし、このように従来からの通念に一見反して見えるところが、天然変性タンパク質の最大の特性かもしれない。
すなわち、本発明は、下記態様のスクリーニング方法、化合物、天然変性タンパク質の活性調節剤、天然変性タンパク質の活性調節方法、及び医薬を提供する。
[1]天然変性タンパク質の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
(1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、
(2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
活性調節剤のスクリーニング方法。
[2]天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
(1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、
(2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
活性調節剤のスクリーニング方法。
[3]天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
(1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域、該パートナータンパク質および被験物質とを接触させ、
(2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
活性調節剤のスクリーニング方法。
[4]天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
(1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域、該パートナータンパク質および被験物質とを接触させ、
(2)該タンパク質の不規則配列領域と該パートナータンパク質の相互作用を検出することからなる、
活性調節剤のスクリーニング方法。
[5]被験物質が、ペプチド模倣化合物である[1]〜[4]記載のスクリーニング方法。
[6]天然変性タンパク質が転写調節因子、シグナル伝達系のタンパク質、細胞内タンパク質である[1]〜[5]記載のスクリーニング方法。
[7]相互作用を検出が、Two-hybrid 法 (Y2H)、共免疫沈降法、プロテインチップ法、立体構造解析、ファーウェスタン法、クロスリンク(架橋)法、蛍光消光法で行う[1]〜[6]のスクリーニング方法。
[8][1]〜[8]のスクリーニング方法で得られた化合物。
[9]天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物。
[10]天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を含む天然変性タンパク質の活性調節剤。
[11]天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を用いて、天然変性タンパク質の活性を調節する方法。
[12]天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を含む医薬。
ICG-001とCBPが、免疫沈降法でプルダウンされた時のデータを示した。この実験により、ICG-001がCBPに結合していることが明らかとなった。 ICG-001がCBPのN末端に結合していることを示す実験結果である。大腸菌で発現させたCBP(1-111)とβ-cateninを免疫沈降法でプルダウンした際にICG-001添加でCBP(1-111)がはずれたことを示す実験データで、CBPと類似性が高いP300には結合しないことを示している。 CBPの構造を示した図である。 丸の部分は規則配列、線の部分は不規則配列である。(P. E. Wright, Nature Review2009) 大腸菌で発現させたCBP(1-111)をサンプルとしてNMR分析を行い、X軸にC-13データを、Y軸にN-15データを配置した2Dスペクトルとして解析した結果を示す。 大腸菌で発現させたCBP(1-111)を5μMのICG-001と共存させたサンプルについてNMR分析を行い、X軸にC-13データを、Y軸にN-15データを配置した2Dスペクトルとして解析した結果を示す。 大腸菌で発現させたCBP(1-111)を15μMのICG-001と共存させたサンプルについてNMR分析を行い、X軸にC-13データを、Y軸にN-15データを配置した2Dスペクトルとして解析した結果を示す。
以下に本発明について詳細に説明する。本明細書における遺伝子操作技術は特に断りのない限り「Molecular Cloning」(Sambrook, Jら、ColdSpring Harbor Laboratory Press、1989年)等の公知技術に従って実施可能であり、蛋白質操作技術は特に断りのない限り「タンパク実験プロトコール」(秀潤社、1997年)等の公知技術に従って実施可能である。
天然変性タンパク質とは、上述のように不規則配列をもつタンパク質であればどのようなものでもよく、タンパク質全体が不規則な配列であるものものであってもよいし、その一部、たとえばN末端領域、C末端領域、中間領域に不規則配列を含むものであってもよい。またこれらの組み合わせであってもよい。これらの例としては、不規則配列をもつ転写調節因子、シグナル伝達系のタンパク質や他の細胞内機能タンパク質があげられる。具体的には、CBP、c-Myc、Fos、SRF、EGR-4、c-Myb、TBX3などのDNA結合ドメインと不規則配列のみの転写調節因子、さらには、p53、IRF-3、E2F-1、Ets-1、HIF-1α、AR、NF-AT1、SREBP-1等DNA結合ドメイン、それ以外のドメイン、不規則配列をもつ転写調節因子等があげられる。
パートナータンパク質とは、上記天然変性タンパク質と相互作用をするタンパク質すべてを包含する。たとえば、天然変性タンパク質がCBPである場合、例えば、HIF-1、SYT、p53、p73、Mdm2、Stat-2、TAL-1、Ets-1、TBP、NF-kB、HNF-4、CREB、SREBP、c-JUN、c-Myb、ATF、BRCA-1、Sap1、NF-E2、TFIIB、P/CAF、MyoD、c-Fos、Ets-1、C/EBP、E2F、GATA-1、MI、SYT、p53、Smad、SRC-1、p/CIP、YY1が相互作用を示すパートナータンパク質である。
天然変性タンパク質をスクリーニングに用いるときは、自然に存在する状態でもよいし、不規則部分を切り出して用いてもよい。不規則部分は、被験物質との相互作用を検出できればどのような形でもよく、不規則配列部分とドメイン構造を持つ部分が結合されていてもよい。
被験物質としては、低分子化合物、ペプチド、蛋白質、ペプチド模倣化合物、核酸、核酸類似化合物、コレステロール類やレチノイン酸、プロスタグランジン等の生理活性物質や、それらの誘導体や類似体があげられる。好ましくは、ペプチド模倣化合物、より具体的にはαへリックス模倣化合物、βシート模倣化合物、βターン模倣化合物があげられる。ペプチド模倣化合物とは、例えばその骨格が、αへリックス、βシート、及び/又はβターンとよく似た空間構造を持つものであり、その側鎖は、ペプチドとよく似た方向に、突き出しており、その側鎖はアミノ酸側鎖または類似の構造をもつ側鎖が好ましい。
ペプチド模倣化合物の骨格はペプチド結合のような分解されやすい構造をもつものではなく、類似のファーマコフォアを持っていればよく、例えば、WO92/13878、WO94/03494、WO95/00534、WO95/25120、WO96/30035、WO96/30396、WO98/05333、WO97/15577、WO98/49168、WO01/00210、WO97/15589、WO02/092010、WO2003/030907、WO2003/031448、WO2004/093828、WO2005/116032、WO2004/108731、WO2006/101858、WO2007/056513、WO2007/056593、WO2007/062243、WO2007/139346、WO2009/051397、WO2009/051398、WO2009/051399、WO2010/027114、WO2010/120112公報に示されたものがあげられる。これら以外でも、類似の骨格を持っている化合物が被験物質として好ましい。
本発明において、天然変性タンパク質の活性調節剤のスクリーニングは、(1)天然変性タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、(2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用(即ち、分子間結合)を検出することにより行われる。
また、本発明において、天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニングは、(1)天然変性タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、あるいは天然変性タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域とそのパートナータンパク質と被験物質とを接触させ、(2)天然変性タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用(即ち、分子間結合)、あるいは天然変性タンパク質の不規則配列領域とパートナータンパク質との相互作用(即ち、分子間結合)を検出することにより行われる。
天然変性タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出する方法は、不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出できる方法であれば特に限定されるものではない。また、天然変性タンパク質と、それと相互作用するパートナータンパク質との相互作用に、被験物質が与える影響を検出してもよい。いずれにしても、単に相互作用を検出するのではなく、天然変性タンパク質の不規則領域に着目して相互作用を検出することが好ましい。これらの検出方法としては、たとえば、Two-hybrid 法 (Y2H)、共免疫沈降法、プロテインチップ法、立体構造解析、ファーウェスタン法、クロスリンク(架橋)法、蛍光消光法等があげられる。
これらの方法は、公知の方法であるが、Two-hybrid 法 (Y2H)は、2つの分子が結合して初めて活性を示すのを利用する方法である。酵母ツーハイブリッド系の一例を挙げ、ツーハイブリッドシステムの原理を説明する。酵母ツーハイブリッド系は、2つの分離可能な機能性ドメインを保有する多種多様な真核生物転写因子の特徴を利用する。2つのドメインのうちの一方は、シスエレメントを特異的に認識して結合するDNA結合ドメイン(「DBD」と略称する場合がある)であり、他方は、転写を活性化する転写活性化ドメイン(「AD」と略称される場合がある)である。このツーハイブリッド系では、DNA結合ドメイン(GAL4bdまたはlexA)と関心のあるタンパク質「A」とを含むいわゆるbaitタンパク質が酵母内で融合タンパク質として発現される。同じ酵母細胞はまた、同時に、DNA活性化ドメイン(GAL4adまたはVP16)およびタンパク質「B」を含むいわゆるfishタンパク質も発現する。baitタンパク質とfishタンパク質とが相互作用すると、これらの融合タンパク質のDNA結合ドメインおよび転写活性化ドメインが近接するようになり、その結果生じるタンパク質複合体がレポーター遺伝子(例えばHIS3またはlacZ)の発現を誘発する。この発現は、ヒスチジン不含の選択培地上での該酵母細胞の培養により、またはlacZ遺伝子の活性化により容易にモニターできる。例えば未知のfishタンパク質をコードするDNA配列は、対応するプラスミドを単離し、続いて塩基配列分析を行うことにより容易に同定可能である。なお、ツーハイブリッドシステムにおいては、試験対象となる一方のタンパク質であって、探索の標的となるタンパク質のことを標的タンパク質、prey(プレイ:獲物)タンパク質またはfish(フィッシュ)タンパク質などといい、標的タンパク質の相方となるタンパク質のことをbait(ベイト:餌)タンパク質ということがある。
さらに、ツーハイブリッド系の改変系がいくつか開発されている。生物学上の系に見られる様々な相互作用を同定、検出およびアッセイするためには、異なるツーハイブリッド系を使用しなければならないと考えられており、実際、その他のツーハイブリッド技術が発達し、タンパク質−タンパク質相互作用を別の生物体および/または異なる細胞コンパートメントの中で調査することが可能になった。
ツーハイブリッドシステムは、相互作用を確認しようとする供試タンパク質を用意するところからタンパク質相互作用のスクリーニング段階に至るまでを、分子生物学手法により生体内で迅速に行うことが可能であり、関心のあるタンパク質の生理活性を保持しつつ単離・精製して供試するという手間を省くことができる。さらに、ツーハイブリッドシステムは、相互作用パートナーをコードする対応する核酸配列を簡易に単離可能であるという点でも優れている。すなわち、タンパク質相互作用を検出するに当たってはツーハイブリッドシステムを利用することが、迅速性、容易さ、コストなどの点で有利であると考えられる。
本発明では、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域を標的タンパク質(フィッシュタンパク質)とし、天然変性タンパク質のパートナータンパク質群をベイトタンパク質とし、被験物質(例えば、ペプチド模倣化合物)の中から、天然変性タンパク質の活性を調節する化合物、或いは天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合活性を調節する化合物をスクリーニングすることができる。
共免疫沈降法は、免疫沈降法によりタンパク質複合体を回収する方法である。さらにこれを拡張して抗原抗体反応の代わりにタグの特異的結合性を用いる方法を"プルダウンアッセイ"(pull down assay)という。これらに質量分析を組み合わせることにより、既知のタンパク質と相互作用する未知のタンパク質の正体を明らかにすることができる。本発明では、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域に特異的に結合する被験物質や(例えば、ペプチド模倣化合物)を回収し、その化合物の構造を決定したり、その化合物を特定することにより、本願の天然変性タンパク質の活性を特異的に調節する化合物をスクリーニングすることができる。また、天然変性タンパク質と相互作用を示すパートナータンパク質との結合を特異的に阻害する化合物のスクリーニングにも使用できる。
免疫沈降法の具体的な方法に関しては、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版」(Maniatis, T.ら編(1989) Cold Spring Harbor Press)等を参照されたい。簡単には、同定ポリペプチドの抗原性ドメインと結合することができる抗体、好ましくはFLAG(登録商標)モノクローナル抗体、M1、M2、またはM5を用いる免疫沈降試験を用いて該タンパク質を検出してよい。既述したように、細胞を同定ポリペプチドで形質転換し、培養液中で増殖させ、次いで溶解させて細胞が産生した標識タンパク質様物質溶液を得る。この溶液をモノクローナル抗体溶液とインキュベーションし、細胞中に形成された同定ポリペプチド標識タンパク質と抗体とのあらゆる複合体を沈降により検討する。次に、タンパク質/抗体複合体を沈降物から単離する。次いで、標識タンパク質の存在を通常の分析法、例えばタンパク質/抗体複合体の解離条件下でSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動および蛍光間接撮影法を用いて確認する。また、該複合体に結合している被験化合物やペプチド模倣化合物を、質量分析やHPLCを用いて同定することもできる。
プロテインチップ法は、表面プラズモン共鳴法等の相互作用を検出する方法を用いる方法である。平衡状態だけでなく、結合・解離の速度論的解析も可能である。
用いられる測定法としては、表面プラズモン共鳴法のほか、例えば、エバネッセント場分子イメージング法、蛍光イメージングアナライズ法、固相酵素免疫検定法、蛍光偏光解消法、及び蛍光相関分光法等が挙げられる。
表面プラズモン共鳴法とは、金属/液体界面で相互作用する分子によって表面プラズモンが励起され、これを反射光の強度変化で測定する方法である(Cullen,D.C.,et al.,Biosensors,3(4),211-225(1987-88))。この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、C末端ラベル化タンパク質は上記した方法により固相化されていることが必要であるが、標的分子の標識化は必要ない。
C末端ラベル化タンパク質を固相化するための基盤としては、ガラス等の透明基盤上に金、銀、白金等の金属薄膜が構成されたものが用いられる。透明基盤としては、通常表面プラズモン共鳴装置用に用いられるものであればいかなるものであってもよく、レーザー光に対して透明な材料からなるものとして一般的にはガラス等からなるものであり、その厚さは0.1〜5mm程度のものが用いられる。また金属薄膜の膜厚は100〜2000Å程度が適当である。このような表面プラズモン共鳴装置用固基盤として市販されているものも用いることができる。C末端ラベル化タンパク質の上記基盤への固相化は前述した方法により行うことができる。
本方法において標的分子をC末端ラベル化タンパク質へ接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であればいかなるものであってもよいが、好ましくは標的分子を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液に固相化されたC末端タンパク質を接触させる方法を用いることができる。
これらの行程は市販の表面プラズモン共鳴装置、例えばBIAcore2000 (Pharmacia Biosensor社製)によってもよい。両分子を接触せしめた後、それ自体既知の表面プラズモン共鳴装置を用いて、それぞれの反射光の相対強度の時間的変化を測定することにより、固相化されたC末端ラベル化タンパク質と標的分子の相互作用が解析できる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記表面プラズモン共鳴装置に用いられる基盤に、複数のC末端ラベル化タンパク質を番地付けして固相化するか、あるいは1種類の固相化されたC末端ラベル化タンパク質に複数種の標的分子を接触させる方法等が用いられる。
エバネッセント場分子イメージング法とは、Funatsu,T.,et al., Nature,374,555-559(1995)等に記載されている方法で、ガラス等の透明体に固相化した分子に溶液として第2の分子を接触せしめ、これにエバネッセント場が発生する角度でレーザー光等の光源を照射し、発生したエバネッセント光を検出器によって測定又は解析する方法である。これらの操作は、それ自体既知のエバネッセント場蛍光顕微鏡装置を用いて行うことができる。
この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、C末端ラベル化タンパク質あるいは標的分子のいずれか一方は上記した方法により固相化されていることが必要である。標的分子は固相化する場合は標識の必要はないが、固相化しないで用いる場合には上記した標識物質により標識化されていることが必要である。
C末端ラベル化タンパク質、あるいは標的分子を固相化するための基盤としては、ガラス等の材質の基盤が用いられ、好ましくは石英ガラスが用いられる。また、レーザー光の散乱等を防ぐために表面を超音波洗浄したものが好ましい。
本方法において固相化していないC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化標的分子を固相化分子へ接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であればいかなるものであってもよいが、好ましくは固相化していないC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化標的分子を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液を作成し、これを固相表面に滴下する方法が好ましい。
両分子を接触せしめた後、エバネッセント場照明により励起された蛍光をCCDカメラ等の検出器を用いて測定することにより、固相化された分子と相互作用する分子を同定することができる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記基盤に、複数のC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化標的分子を番地付けして固相化する方法等が用いられる。
蛍光イメージングアナライズ法は、固相化された分子に、標識化分子を接触せしめ、両分子の相互作用により、固相化された分子上にとどまった標識化分子から発せられる蛍光を、市販の蛍光イメージングアナライザーを用いて測定又は解析する方法である。
この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、C末端ラベル化タンパク質あるいは標的分子のいずれか一方は上記した方法により固相化されていることが必要である。標的分子は固相化して用いる場合には標識されているものと、されていないもののどちらも利用可能である。また、固相化しないで用いる場合には上記した標識物質により標識化されていることが必要である。
C末端ラベル化タンパク質は、ラベル部を介して固定化されているものも、ラベル部以外の部分で固定化されているものも用いることができる。
C末端ラベル化タンパク質、あるいは標的分子を固相化するための基盤としては、通常タンパク質や核酸等を固定化するのに用いられるニトロセルロースメンブレンやナイロンメンブレン、あるいはプラスチック製のマイクロプレート等も用いることができる。
本方法において標識化標的分子あるいはC末端ラベル化タンパク質を固相化分子へ接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であればいかなるものであってもよいが、好ましくは標識化標的分子あるいはC末端ラベル化タンパク質を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液を作成し、これを固相表面に接触させる方法が好ましい。
両分子を接触せしめた後、好ましくは過剰に存在する標識化標的分子あるいはC末端ラベル化タンパク質を同緩衝液等により洗浄する工程を行い、固相上にとどまった標的分子あるいはC末端ラベル化タンパク質の標識物質から発せられる蛍光信号、又は固相化されている標識化分子から発せられる蛍光と固相上にとどまった標識化分子から発せられる蛍光が混ざり合った信号を、市販のイメージングアナライザーを用いて測定あるいは解析することにより、固相化された分子と相互作用する分子を同定することができる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記固相表面に、複数のC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化又は非標識化標的分子を番地付けして固相化する方法、あるいは1種類のC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化又は非標識化標的分子に固相化されていない複数種のC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化標的分子を接触させる方法等が用いられる。複数種のC末端ラベル化タンパク質あるいは標識化標的分子を接触させる場合には、固相にとどまった該分子を緩衝液の濃度の差等により解離させて取得し、これを既知の方法により分析することにより同定できる。
固相酵素免疫検定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA):Crowther,J.R.,Methods in Molecular Biology,42(1995))は、固相上に固定化した抗原に対し、抗体を含む溶液を接触せしめ、両分子の相互作用(抗原抗体反応)により、固相化された抗原上にとどまった抗体をこれと特異的に結合する標識化分子(IgG等)から発せられる蛍光、あるいは標識化分子を基質とする色素から発せられる信号を、市販の検出器(ELISAリーダー)を用いて測定又は解析する方法である。
この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、抗原となるC末端ラベル化タンパク質を上記した方法により固相化されていることが必要である。また抗体となる標的分子は上記した標識物質により標識化されていることが必要である。
抗原となるC末端ラベル化タンパク質を固相化するための基盤としては、通常ELISAに用いられるプラスチック製のマイクロプレート等も用いることができる。
本方法において抗体となる標識化標的分子を固相分子へ接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であればいかなるものであってもよいが、好ましくは標識化標的分子を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液を作成し、これをマイクロプレートに注入する方法が好ましい。
両分子を接触せしめた後、好ましくは過剰に存在する固相化分子に結合していない標識化分子を同緩衝液等により洗浄する工程を行い、固相上にとどまった標識分子から発せられる蛍光を、市販のELISAリーダー等を用いて測定あるいは解析することにより、固相化された抗原分子と相互作用する分子を同定することができる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記マイクロプレートの各穴にそれぞれ異なる複数の標識化標的分子を固相化する方法が用いられる。
蛍光偏光法(Perran,J.,et al., J.Phys.Rad.,1,390-401(1926))は、蛍光偏光で励起された蛍光分子が、励起状態の間、定常状態を保っている場合には同一の偏光平面で蛍光を放射するが、励起された分子が励起状態中に回転ブラウン運動等を行った場合に、放射された蛍光は励起光とは異なった平面になることを利用する方法である。分子の運動はその大きさに影響を受け、蛍光分子が高分子である場合には、励起状態の間の分子の運動はほとんどなく、放射光は偏光を保ったままになっているのに対して、低分子の蛍光分子の場合は、運動速度が速いために放射光の偏光が解消される。そこで、平面偏光で励起された蛍光分子から放射される蛍光の強度を、元の平面とそれに垂直な平面とで測定し、両平面の蛍光強度の割合からこの分子の運動性及びその存在状態に関する情報が得られるものである。この方法によれば、夾雑物があってもこれに影響されることなく、蛍光ラベル化された分子と相互作用する標的分子の挙動を追跡できる。これは蛍光ラベル化された分子と標的分子が相互作用するときにのみ、偏光度の変化として測定されるからである。
この方法を行うための装置としては例えばBECON(Panyera社製)等が市販されており、本方法もこれらの装置を用いることにより行うことができる。
この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、C末端ラベル化タンパク質あるいは標的分子のいずれも溶液として供する必要である。標的分子は標識の必要はない。また相互作用を調べようとするC末端ラベル化タンパク質より非常に分子量の小さい分子は、C末端ラベル化タンパク質のブラウン運動に影響を及ぼさないため本方法においてはふさわしくない。
本方法においてC末端ラベル化タンパク質に標的分子を接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であれば如何なるものであってもよいが、好ましくは市販の蛍光偏光解消装置の測定用ウェルに通常生化学的に用いられる緩衝液等に適当な濃度でC末端ラベル化タンパク質溶解した溶液を投入し、さらに同緩衝液に適当な濃度で標的分子を溶解した溶液を投入する方法によって行われる。
本方法において測定するC末端ラベル化タンパク質及び標的分子との間の相互作用は、必ずしも抗原抗体方法ほど特異性は高くないことが考えられるため、最適の組み合わせを検出するためには、相互作用の程度を数値化することが有効である。相互作用の程度を示す指標としては、例えば一定濃度のC末端ラベル化タンパク質に対して、極大蛍光偏光度を与える最小標的物濃度の値等を用いることができる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記蛍光偏光解消法測定装置の各測定用ウェルにそれぞれ異なる複数のC末端ラベル化タンパク質を投入し、これに特定の標的分子溶液を投入するか、あるいは特定のC末端ラベル化タンパク質を投入し、各ウェルに互いに異なる複数種の標的分子溶液を投入する方法が用いられる。
蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy(FCS): Eigen,M.,et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 91, 5740-5747(1994))は、共焦点レーザー顕微鏡等の下で、粒子の流動速度、あるいは拡散率、容積収縮等を測定する方法であり、本発明においては、C末端ラベル化タンパク質と標的分子間の相互作用により元のラベル化分子1分子の並進ブラウン運動の変化を測定することにより、相互作用する分子を測定することができる。
具体的には試料粒子が励起光により励起されて、試料液容積の一部において蛍光を放射し、この放射光を測定し光子割合を得る。この値は、特定の時間に観測されている空間容積中に存在する粒子の数と共に変化する。上述した種々のパラメターは自己相関関数を使用してこの信号の変動から算出され得る。このFCSを行う為の装置もカールツァイス(Zeiss)社等から市販されており、本方法においてもこれらの装置を用いて解析を行うことができる。
この方法を用いてタンパク質−分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、C末端ラベル化タンパク質あるいは標的分子のいずれも溶液として供することが必要である。標的分子は標識の必要はない。また相互作用を調べようとするC末端ラベル化タンパク質より非常に分子量の小さい分子は、C末端ラベル化タンパク質のブラウン運動に影響を及ぼさないため本方法においてはふさわしくない。
本方法においてC末端ラベル化タンパク質に標的分子を接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であれば如何なるものであってもよいが、好ましくは市販のFCS用装置の測定用ウェルに通常生化学的に用いられる緩衝液等に適当な濃度でC末端ラベル化タンパク質溶解した溶液を投入し、さらに同緩衝液に適当な濃度で標的分子を溶解した溶液を投入する方法によって行われる。
この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記FCS用測定装置の各測定用ウェルにそれぞれ異なる複数のC末端ラベル化タンパク質を投入し、これに特定の標的分子溶液を投入するか、あるいは特定のC末端ラベル化タンパク質を投入し、各ウェルに互いに異なる複数種の標的分子溶液を投入する方法が用いられる。
本願発明において、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域と被験物質との分子間相互作用測定のために上記の方法を用いることができる。
立体構造解析は、X線回折やNMRなどを利用して複合体の具体的な構造を明らかにする場合は、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域と被験物質存在下に結晶作成しX線解析を行うことにより、その結合を解析することができる。また、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域と被験物質の存在溶液下でNMRを測定することにより、その不規則配列領域と被験物質との結合を解析できる。
クロスリンク(架橋)法は、低分子化合物で複合体のタンパク質分子間を架橋し固定することで、天然変性タンパク質またはその不規則配列領域と被験物質存在下に架橋することにより、不規則配列領域と被験物質との相互作用を検出することができる。
天然変性タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用が検出された場合、あるいは天然変性タンパク質の不規則配列領域とパートナータンパク質との相互作用の低下が検出された場合、その測定に供した被験物質は、天然変性タンパク質の活性を調節する化合物、あるいは天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合活性を調節する化合物として同定される。
斯して、本発明のスクリーニング方法により、天然変性タンパク質の活性調節剤、または天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤を取得できる。
また、本発明は、当該スクリーニング方法で得られた化合物を含む医薬をも提供する。
天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物(例えば、本発明のスクリーニング方法により得られた化合物)は、天然変性タンパク質の活性調節剤として有効であり、当該化合物は、そのタイプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる薬理学上許容される担体、賦形剤、及び/又はその他の添加剤を用いて、医薬組成物として調製することができる。投与形態としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、又は経口用液剤などによる経口投与、あるいは、静注(点滴を含む)、筋注、若しくは皮下注などの注射剤、坐剤、経皮投与剤、又は経粘膜投与剤などによる非経口投与を挙げることができる。特に胃で消化されるペプチドにあっては、静注等の非経口投与が好ましい。
経口投与のための固体医薬組成物においては、1又はそれ以上の活性物質と、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、微結晶セルロース、ヒドキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどと混合することができる。前記組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤、又は溶解若しくは溶解補助剤などを含有することができる。錠剤又は丸剤は、必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質などのフィルムで被覆することができる。
経口のための液体医薬組成物は、例えば、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤を含むことができ、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水又はエタノールを含むことができる。前記組成物は、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、芳香剤、又は防腐剤を含有することができる。
非経口のための注射剤としては、無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、懸濁剤、又は乳濁剤を含むことができる。水溶性の溶液剤又は懸濁剤には、希釈剤として、例えば、注射用蒸留水又は生理用食塩水などを含むことができる。非水溶性の溶液剤又は懸濁剤の希釈剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、アルコール類(例えば、エタノール)、又はポリソルベート80等を含むことができる。前記組成物は、更に湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解若しくは溶解補助剤、又は防腐剤などを含むことができる。前記組成物は、例えば、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、又は照射によって無菌化することができる。また、無菌の固体組成物を製造し、使用の際に、無菌水又はその他の無菌用注射用媒体に溶解し、使用することもできる。
投与量は、有効成分すなわち本発明のスクリーニングする方法により得られた物質の活性の強さ、症状、投与対象の年齢、又は性別等を考慮して、適宜決定することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されて解釈されるものではない。
実施例1
本発明の実証するものとして、すでに発表されている論文(Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Aug 24;101(34):12682-7)の実験の概略をいかに示す。本論文には、本発明の発明思想は開示されてはいないが、本論文に記載の内容は、本明細書を構成する。本論文には、ペプチド模倣化合物であるICG-001が、単にCBPと結合し、さらにCBPのN末端配列には結合するが、p300には結合しないことを示しているのみである。しかしながら、本発明の技術思想を証明していることは、明らかである。
ICG-001を化1に、およびICG-001をビオチン化したものを化2(ICG-002)に示す。これらを用いて、免疫沈降法で分析した結果を図1に示した。SW480細胞(ヒト結腸癌由来株化細胞)の核抽出物を、ICG-002をストレプトアビジン−アガロースビーズに結合させたものとをインキュベーションしたものがレーン1である。ICG-001でプルダウンしたものがレーン2である。
Figure 2011096440
Figure 2011096440
大腸菌で発現させたCBP(1-111)(不定型配列領域)とβ-cateninおよびp300(1-111)(不規則配列領域)とを免疫沈降法でプルダウンした際にICG-001添加でCBP(1-111)がはずれたが、CBPと類似性が高いP300とは、結合しなかった(図3参照)。
実施例2
15NでラベルしたCBP(1-111)(不定型配列領域)を大腸菌で発現させ、これを緩衝液(NaP 25mM・pH6.8、NaCl 50mM、0.02% NaN3)に溶解させ、NMRサンプルチューブに300μlを入れた。さらにICG-001が5μMと15μMの濃度になるようにICG-001のD2O溶液を添加した。斯して調製された溶液をNMRサンプルとして、NMR分析に供した。NMR分析では、X軸にC-13データを、Y軸にN-15データを配置した2Dスペクトルとして測定、解析を行った。
CBP1-111の結果を図4に、5μMのICG-001を共存させたCBP1-111の結果を図5に、15μMのICG-001を共存させたCBP1-111の結果を図6に示す。その結果、CBP1-111は典型的な天然変性タンパクのピークを示し(図4参照)、ICG-001の添加によりピークの変化が観察された(図5−6参照)。この結果から、CBP1-111とICG-001の間に明らかな相互作用が観察された。
本発明の天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物、該化合物を含む天然変性タンパク質の活性調節剤、該化合物を含む医薬および該化合物をスクリーニングする方法を提供する。これらは、天然変性タンパク質と該化合物とが、その結合により不規則配列ドメインの構造を変化させ、自然状態で結合するはずのパートナータンパク質と結合ができなくなるなど、自然状態で、起こる生体反応を特異的に調節することができる化合物を提供できるため、有用である。さらに、新規なメカニズムに基づいた画期的な医薬品を提供できる。

Claims (12)

  1. 天然変性タンパク質の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
    (1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、
    (2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
    活性調節剤のスクリーニング方法。
  2. 天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
    (1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域と被験物質とを接触させ、
    (2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
    活性調節剤のスクリーニング方法。
  3. 天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
    (1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域、該パートナータンパク質および被験物質とを接触させ、
    (2)該タンパク質の不規則配列領域と被験物質の相互作用を検出することからなる、
    活性調節剤のスクリーニング方法。
  4. 天然変性タンパク質とそのパートナータンパク質の結合の活性調節剤のスクリーニング方法であって、
    (1)該タンパク質または該タンパク質の不規則配列領域、該パートナータンパク質および被験物質とを接触させ、
    (2)該タンパク質の不規則配列領域と該パートナータンパク質の相互作用を検出することからなる、
    活性調節剤のスクリーニング方法。
  5. 被験物質が、ペプチド模倣化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  6. 天然変性タンパク質が転写調節因子、シグナル伝達系のタンパク質、細胞内タンパク質である請求項1〜5のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  7. 相互作用を検出が、Two-hybrid法(Y2H)、共免疫沈降法、プロテインチップ法、立体構造解析、ファーウェスタン法、クロスリンク(架橋)法、蛍光消光法で行う請求項1のスクリーニング方法。
  8. 請求項1から8のスクリーニング方法で得られた化合物。
  9. 天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物。
  10. 天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を含む天然変性タンパク質の活性調節剤。
  11. 天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を用いて、天然変性タンパク質の活性を調節する方法。
  12. 天然変性タンパク質の不規則配列領域に結合する化合物を含む医薬。
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