JPWO2011093483A1 - C型肝炎治療剤 - Google Patents

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惇 青山
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    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses

Abstract

C型肝炎の治療に有用な抗HCV活性を有する化合物を有効成分とする、C型肝炎治療剤を提供する。式(I):で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎治療剤。

Description

本発明は、C型肝炎治療剤及び抗HCV活性を有する新規化合物に関する。
ヒトC型肝炎ウイルス(HCV)は、フラビウイルス科のヘパシウイルス属に分類されるRNAウイルスであり、1989年に米国において発見された。日本のHCVキャリアの数は約160万人で,全人口の1.3%と推定されている。HCVに感染した場合、半数程度が急性肝炎を発症し、さらに急性肝炎の約70%が慢性化する。慢性肝炎に進行すると、そのうち約20%が肝硬変を経て肝癌を発症する。日本では、毎年3万人が肝硬変で、3千人が肝癌で死亡している。また、全世界では、HCVキャリアは1億人に近いと推定されている(非特許文献1及び2)。
このように、HCVは、感染者の数が多く、放置すると肝癌や肝不全を発症して死に至る可能性が高いことから、予防、診断及び治療に関する研究が活発に行われている。
C型肝炎の診断法については、HCVタンパク質の免疫学的解析やHCVゲノムの構造解析が精力的に行われ、HCV特異的抗体を用いるHCV測定法やHCVゲノムの定量的検査法が開発された。
これに対し、C型肝炎の治療法については、現在のところ、HCVに対する有効なワクチンは存在しておらず、専らインターフェロンとリバビリンによる併用療法が行われている(非特許文献3)。しかしながら、わが国に多いウイルスのタイプ(1b)はインターフェロンが効きにくいこと、両方の薬剤とも副作用が強いこと、高価であることなどから、新しい抗HCV薬剤の開発が望まれている。
通常、抗HCV薬剤は、HCVのライフサイクルにおける特定のステップを阻害することでその薬理活性を発現する。HCVのライフサイクルは以下の通りである。寄主細胞の表面に付着したHCVは、エンドサイトーシスによって寄主細胞内に侵入する。寄主細胞内に侵入したHCVのゲノムRNAからは、約3000アミノ酸残基からなる前駆体タンパク質が産生される。この前駆体タンパク質は、HCVゲノムにコードされるNS3及びNS4プロテアーゼや寄主細胞のシグナルペプチダーゼによってプロセシングされ、カプシドタンパク質、エンベロープタンパク質、NS3及びNS4プロテアーゼ並びにNS5B RNAポリメラーゼ等の10種類程度のウイルスタンパク質が産生される。その後、NS5B RNAポリメラーゼによって複製されたゲノムRNAは、α-グルコシダーゼ介在下でカプシドタンパク質及びエンベロープタンパク質と会合してウイルス粒子を形成する。そして形成されたHCVのウイルス粒子は、寄主細胞から放出される(非特許文献4)。
これまでに開発され、現在臨床試験が進行中の抗HCV薬剤は、上記のHCVのライフサイクルに基づき、RNAポリメラーゼ阻害剤型、プロテアーゼ阻害剤型、α-グルコシダーゼ阻害剤型等に分類される。例えば、RNAポリメラーゼ阻害剤型の薬剤としては、Merck社のMK-7009 (ヌクレオシド)、Pharmasset/Roche社のR7128 (ヌクレオシド)がPhase Iに、Virochem 社のVCH-759 (nonnucleodie)、Roche社のR1626 (ヌクレオシド)、Idenix社のValopicitabine (ヌクレオシド)がいずれもPhase IIの段階に進行している。また、プロテアーゼ阻害剤型の薬剤としては、InterMune/Roche社のITMN-191 (R-7227)がPhase Iに、Medivir/Tibotec社のTMC435350がPhase IIに、Schering社のBoceprevir (SCH 503034)、Vertex社のTelaprevirがPhase IIIの段階に、それぞれ進行している。さらに、それ以外にも、シクロフィリン阻害剤型の薬剤としてDEBIO社のDEBIO-025、グルコシダーゼI阻害剤型の薬剤としてMIGEBIX社のCelgosivirがPhase IIの段階に、それぞれ進行している(非特許文献5及び6)。
このように、いくつかの抗HCV薬剤が開発され、臨床試験が進行している。しかしながら、すでにこれらの薬剤に対する薬剤耐性ウイルスの出現が報告されていることから、既知の抗HCV薬剤とは異なる作用機作で抗HCV活性を発現する新たな抗HCV薬剤の開発が急務となっている。
既知の抗HCV薬剤と同一又は類似の作用機作で抗HCV活性を発現する抗HCV薬剤を開発する場合、当該既知の抗HCV薬剤をリード化合物とし、その構造を適宜改変することで、多くの構造類縁体を調製することが可能である。しかしながら、薬剤耐性ウイルスに対しても抗HCV活性を奏するような、新たな抗HCV薬剤を開発するためには、HCVを用いたアッセイ系で薬理活性を実際に確認しながらリード化合物を新たに探索する必要がある。ところが、HCVは一部の特殊な株を除き、試験管内で培養することが出来ない。このことが、効率的にリード化合物を探索することを困難にしており、ハイスループットスクリーニングによる抗HCV薬剤の創薬研究を進める障害となっている。
上記の問題を解決するための手段として、HCV産生を伴わない、培養細胞におけるHCVゲノムの増殖系(HCVレプリコン細胞系)が開発された。当初開発されたHCVレプリコン細胞は、HCVゲノムの複製に必要なNS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5B領域と5’及び3’非翻訳領域を含むサブゲノムレプリコンであったが、現在ではHCVゲノムの完全長レプリコンも作成されている。HCVレプリコン細胞系では、HCVゲノムが培養細胞内で自立的に複製されるため、細胞内のHCV RNAを測定するか又は細胞に発現しているHCV抗原量を免疫化学的に定量することにより、HCV増殖に対する供試化合物の活性を定量的に評価することが出来る(非特許文献7)。
このようなHCVレプリコン細胞を用いて、抗HCV薬剤の創薬研究が行われている。例えば、リバビリンの誘導体であるVX497(IC50= 0.5μM)や、NS3プロテアーゼ阻害剤型の化合物A(IC50 = 1.4μM)がHCVゲノムの増殖阻害活性を有することが報告されている(非特許文献8)。
Liang TJ, Rehermann B, Seeff LB, Hoofnagle JH., Pathogenesis, natural history, treatment and prevention of hepatitis C., Ann. Intern. Med., 2000年, 第132巻, p. 296-305 Kim SR, Kudo M, Hino O, Han KH, Chung YH, Lee HS, Organizing Committee of Japan-Korea Liver Symposium. Epidemiology of hepatocellular carcinoma in Japan and Korea. A review., Oncology, 2008年, 第75(S1)巻, p. 13-16 Hayashi N, Takehara T., Antiviral therapy for chronic hepatitis C: past, present, and future., J. Gastroenterol., 2006年, 第41巻, p. 17-27 Manns MP, Foster GR, Rockstroh JK, Zeuzem S, Zoulim F, Houghton M., The way forward in HCV treatment - finding the right path., Nat. Rev. Drug. Discov., 2007年, 第6巻, p. 991-1000 Kronenberger B, Welsch C, Forestier N, Zeuzem S., Novel hepatitis C drugs in current trials., Clin Liver Dis., 2008年, 第12巻, p. 529-555 HCV experimental treatment., [online], HIVandHepatitis.com, インターネット<http://www.hivandhepatitis.com> Ishii N, Watashi K, Hishiki T, Goto K, Inoue D, Hijikata M, Wakita T, Kato N, Shimotohno K., Diverse effects of cyclosporine on hepatitis C virus strain replication., J. Virol., 2006年, 第80巻, p. 4510-4520 加藤宣之、ウイルス、第52巻、第1号、pp.157-162, 2002年
本発明は、C型肝炎の治療に有用な抗HCV活性を有する化合物を有効成分とする、C型肝炎治療剤を提供することを課題とする。具体的には、従来技術の問題点として挙げられている、抗HCV活性が不十分である点、及び副作用が強い点を解決するために、抗HCV活性が高く且つ副作用が弱い化合物を開発して、C型肝炎の治療における当該化合物の医薬用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、フェナントリジン-6-オン骨格を有する一連の化合物が高い抗HCV活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 式(I):
Figure 2011093483
[式中、
R1は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)から選択され;
R2〜R9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)及びQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)からなる置換基群Aから選択され;
ただし、R2〜R5のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよく、或いは
R6〜R8のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよい]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎治療剤(但し、5−ブチル−1−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−3−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−4−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−8−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−9−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチル−10−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン、5−ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)−オン及び5−ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)−オンを除く)。
(2) 式(IA):
Figure 2011093483
[式中、
R1Aは、ブチル及びシクロヘキシルメチル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、O-(C2〜C8アルキニル)、O-(C3〜C6シクロアルキル)、O-(C3〜C6シクロアルケニル)又はO-(C4〜C6シクロアルキニル)によって置換されている)から選択され;
R2A〜R9Aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)及びQ-(C3〜C6シクロアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH又はO-(アリールアルキル)によって置換されている)からなる置換基群Bから選択され;
ただし、R2A〜R9Aのうち、R2A〜R5Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成してもよく、或いは
R2A〜R9Aのうち、R6A〜R9Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニルによって置換されている)を形成してもよい]
で表される化合物又はその塩(但し、5-ブチル-1-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-3-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-4-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-8-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-9-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-10-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン及び5-(4-ブロモブチル)フェナントリジン-6(5H)-オンを除く)。
(3) C型肝炎の予防又は治療を必要とする被験体に、有効量の前記(1)に記載の式(I)で表される化合物を投与することを含む、C型肝炎の予防又は治療方法。
(4) C型肝炎の予防又は治療に用いるための前記(1)に記載の式(I)で表される化合物又はその塩。
(5) C型肝炎を予防又は治療するための医薬の製造のための、前記(1)に記載の式(I)で表される化合物又はその塩の使用。
(6) 前記(1)に記載の式(I)で表される化合物又はその塩と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
本発明により、C型肝炎の治療に有用な抗HCV活性を有する化合物を有効成分とする、C型肝炎治療剤を提供することが可能となる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願第2010-020502号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
NNC #2(完全長レプリコン)の構造を示す図である。 #50-1(サブゲノムレプリコン)の構造を示す図である。 完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ベンジル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。横軸:供試化合物の濃度(μM);縦軸:リアルタイムRT-PCRによるウイルスRNAの測定値(供試化合物を投与しない対照区のRNA量に対する百分率(%)として示す);図中、「HCV」はHCVゲノムRNAの測定値を、「GAPDH」はGAPDH mRNAの測定値を示す(以下の図面において同じ)。 完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ヘキシル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-シクロヘキシルメチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチルベンゾ[j]フェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5-ブチル-2-tert-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(6−ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3−b]フェナントリジン−5(6H)−オン)の抗HCV活性を示す図である。 サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(5−ブチル−1−イソプロピルフェナントリジン−6(5H)−オン及び5−ブチル−3−イソプロピルフェナントリジン−6(5H)−オン)の抗HCV活性を示す図である。 ルシフェラーゼ遺伝子を有するサブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 ルシフェラーゼ遺伝子を有するサブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。 ルシフェラーゼ遺伝子を有するサブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける、式(I)で表される化合物(11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン)の抗HCV活性を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
1.フェナントリジン環骨格を有する化合物を有効成分とするC型肝炎治療剤
本発明は、式(I):
Figure 2011093483
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩(但し、5-ブチル-1-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-3-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-4-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-8-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-9-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-10-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)-オン及び5-ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)-オンを除く)を有効成分とするC型肝炎治療剤に関する。
本明細書において、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「C1〜C8アルキル」は、少なくとも1個且つ多くても8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。好適なアルキルは、限定するものではないが、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「アルケニル」は、前記アルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なアルケニルは、限定するものではないが、例えばビニル、1-プロペニル、アリル、1-メチルエテニル(イソプロペニル)、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、n-ヘプテニル、1-オクテニル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「アルキニル」は、前記アルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なアルキニルは、限定するものではないが、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、1-ヘプチニル、1-オクチニル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、脂環式アルキルを意味する。例えば、「C3〜C6シクロアルキル」は、少なくとも3個且つ多くても6個の炭素原子を含む、環式の炭化水素基を意味する。好適なシクロアルキルは、限定するものではないが、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「シクロアルケニル」は、前記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルケニルは、限定するものではないが、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「シクロアルキニル」は、前記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルキニルは、限定するものではないが、例えばシクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「ヘテロシクリル」は、前記シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択されるヘテロ原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロシクリルは、限定するものではないが、例えばピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「アリール」は、6〜15の炭素原子数を有する芳香環基を意味する。好適なアリールは、限定するものではないが、例えばフェニル、ナフチル、アントリル(アントラセニル)等を挙げることが出来る。
本明細書において、「アリールアルキル」は、前記アルキルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルキルは、限定するものではないが、例えばベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「アリールアルケニル」は、前記アルケニルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルは、限定するものではないが、例えばスチリル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「ヘテロアリール」は、前記アリールの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択されるヘテロ原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロアリールは、限定するものではないが、例えばフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル等を挙げることが出来る。
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」は、前記アルキルの水素原子の1個が前記ヘテロアリールに置換された基を意味する。
上記で説明した基は、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換することも出来る。
なお、本明細書において、「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
本明細書において、「塩」は、薬学的に許容される塩であることが好ましい。この場合において、式(I)で表される化合物の対イオンとしては、限定するものではないが、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンのようなカチオン、又は塩化物イオン、臭化物イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、安息香酸イオン、アスコルビン酸イオン、パモ酸イオン、コハク酸イオン、ビスメチレンサリチル酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンジスルホン酸イオン、プロピオン酸イオン、酒石酸イオン、サリチル酸イオン、クエン酸イオン、グルコン酸イオン、アスパラギン酸イオン、ステアリン酸イオン、パルミチン酸イオン、イタコン酸イオン、グリコール酸イオン、p-アミノ安息香酸イオン、グルタミン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、シクロヘキシルスルファミン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、イセチオン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、過塩素酸イオンのようなアニオンが好ましい。
本発明者らは、レプリコン細胞を用いるアッセイ系を用いて、抗HCV活性を有する化合物を探索した。その結果、式(I)で表されるフェナントリジン環骨格を有する化合物が、高い抗HCV活性を有することを見いだした。
式(I)で表される化合物において、R1は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)から選択されることが好ましい。
式(I)で表される化合物において、R2〜R9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)及びQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)からなる置換基群Aから選択されることが好ましい。
上記の場合において、R2〜R9のうち、R2〜R5のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよい。
或いは、R2〜R9のうち、R6〜R8のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよい。
式(I)で表される化合物において、R2〜R9は、以下の[1]〜[5]のいずれかを満足することが好ましい。
[1]R5〜R9が水素であり、R2〜R4のいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
[2]R6〜R9が水素であり、R2〜R5のうち、R2及びR3又はR3及びR4が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
[3]R2〜R5が水素であり、R6〜R9のうち、R6及びR7又はR7及びR8が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
[4]R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2及びR4〜R9のうち多くとも3個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
[5]R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2及びR4〜R9のうち、R4及びR5又はR7及びR8が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、残りの基のうちいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
式(I)で表される化合物において、R1が、ブチル、ベンジル、ヘキシル及びシクロヘキシルメチルからなる群より選択される基であることが好ましい。このとき、R2〜R9が[1]を満足し、且つ置換基群Aから選択される基が、水素、フッ素、トリフルオロメチル、1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル、イソプロピル、2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又はtert-ブチルであることが好ましく、水素であることがより好ましい。このとき、R2〜R4のうち、R3が置換基群Aから選択される基であることが特に好ましい。或いは、R2〜R9が[2]又は「3」を満足し、且つフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールが、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されていることが好ましい。或いは、R2〜R9が[4]を満足し、且つ置換基群Aから選択される基が、ヒドロキシル又はメトキシルであることが好ましい。或いはまた、R2〜R9が[5]を満足し、且つフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールが、非置換1,3-ジオキソールであることが好ましい。
特に好ましくは、式(I)で表される化合物は、以下:
5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ベンジル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ヘキシル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-シクロヘキシルメチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-1-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-3-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-2-tert-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン;
6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン;
6−ブチルベンゾ[b]フェナントリジン−5(6H)−オン;
6−ブチルベンゾ[i]フェナントリジン−5(6H)−オン;
5-ブチルベンゾ[j]フェナントリジン-6(5H)-オン;
6-ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3-b]フェナントリジン-5(6H)-オン;
2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン;
4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;及び
11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;
からなる化合物群から選択される。
式(I)に包含される化合物群のうち、いくつかは公知である。例えば、本発明者らによる文献(Anoyama, A. et al., Heterocycles, 第76巻, pp. 137-142, 2008年)には、式(I)で表される化合物(式中、R1が、メチル、1’,1’,1’-トリフルオロエチル若しくはベンジルであり、R3が、2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2-イルであり、R2、R4〜R9が水素である)が、肝臓X受容体(LXR)アンタゴニスト活性を有することが開示されている。しかしながら、式(I)で表される化合物が高いHCV活性を有することはこれまで明らかにされておらず、本発明者らによって初めて見出された知見である。
また、本発明は、式(IA):
Figure 2011093483
[式中、
R1Aは、ブチル及びシクロヘキシルメチル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、O-(C2〜C8アルキニル)、O-(C3〜C6シクロアルキル)、O-(C3〜C6シクロアルケニル)又はO-(C4〜C6シクロアルキニル)によって置換されている)から選択され;
R2A〜R9Aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)及びQ-(C3〜C6シクロアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH又はO-(アリールアルキル)によって置換されている)からなる置換基群Bから選択され;
ただし、R2A〜R9Aのうち、R2A〜R5Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成してもよく、或いは
R2A〜R9Aのうち、R6A〜R9Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニルによって置換されている)を形成してもよい]
で表される化合物又はその塩(但し、5-ブチル-1-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-3-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-4-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-8-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-9-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-10-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン及び5-(4-ブロモブチル)フェナントリジン-6(5H)-オンを除く)に関する。
式(IA)で表される化合物は、式(I)に包含される化合物であって、本発明者らによって見出された新規化合物である。
式(IA)で表される化合物において、R2A〜R9Aは、以下の[1A]〜[5A]のいずれかを満足することが好ましい。
[1A]R5A〜R9Aが水素であり、R2A〜R4Aのいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
[2A]R6A〜R9Aが水素であり、R2A〜R5Aのうち、R2A及びR3A又はR3A及びR4Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
[3A]R2A〜R5Aが水素であり、R6A〜R9Aのうち、R6A及びR7A又はR7A及びR8Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
[4A]R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2A及びR4A〜R9Aのうち多くとも3個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
[5A]R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2A及びR4A〜R9Aのうち、R4A及びR5A又はR7A及びR8Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、残りの基のうちいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
式(IA)で表される化合物において、R1Aは、ブチルであることが好ましい。このとき、R2A〜R9Aが[1A]を満足し、且つ置換基群Bから選択される基が、フッ素、トリフルオロメチル、1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル、イソプロピル、2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又はtert-ブチルであることが好ましい。このとき、R2A〜R4Aのうち、R3Aが置換基群Bから選択される基であることが特に好ましい。或いは、R2A〜R9Aが[2A]〜「5A」のいずれかを満足することが好ましい。
特に好ましくは、式(IA)で表される化合物は、以下:
5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-シクロヘキシルメチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-1-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-3-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
5-ブチル-2-tert-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン;
6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン;
6−ブチルベンゾ[b]フェナントリジン−5(6H)−オン;
6−ブチルベンゾ[i]フェナントリジン−5(6H)−オン;
5-ブチルベンゾ[j]フェナントリジン-6(5H)-オン;
6-ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3-b]フェナントリジン-5(6H)-オン;
2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン;
4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;及び
11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;
からなる化合物群から選択される。
上記の式(I)又は(IA)で表される化合物は、高い抗HCV活性を有する。ここで、抗HCV活性を有する薬剤は、代表的なC型肝炎の治療剤であるインターフェロンとリバビリンのように、C型肝炎の治療において高い治療効果を奏することが知られている。それ故、式(I)又は(IA)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、C型肝炎の治療に有用である。
また、現在のところ、HCVに対する有効なワクチンは存在しておらず、一般に、C型肝炎の治療だけでなく、予防においても、抗HCV薬剤が活用されている。それ故、式(I)又は(IA)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、C型肝炎の治療だけでなく、予防にも有用である。
高い抗HCV活性を有するという、式(I)又は(IA)で表される化合物の特徴に基づき、式(I)又は(IA)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎治療剤を提供することが出来る。
本発明のC型肝炎治療剤は、安全で低毒性である。このため、C型肝炎の治療又は予防を必要とする、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、マントヒヒ、チンパンジー等)の被験体又は患者に投与することにより、C型肝炎に起因する病気又は症状を治療、緩和及び/又は予防することが出来る。
本発明のC型肝炎治療剤を、C型肝炎の治療又は予防を必要とする被験体、特にヒトの被験体(患者)に投与する場合、正確な投与量及び投与回数は、被験体又は患者の年齢、性別、治療されるべき正確な症状及びその重症度、並びに投与経路等の多くの要因を鑑みて、担当医が最終的な決定を下すべきである。
通常、本発明のC型肝炎治療剤をヒトのC型肝炎治療に使用する場合、式(I)若しくは(IA)で表される化合物又はその塩の推奨される投与量は、1日に体重1 kg当り0.01〜100 mgの範囲であることが好ましく、1日に体重1 kg当り0.1〜10 mgの範囲であることがより好ましい。成人の場合、投与量の範囲は、一般的に、1日当り0.6〜6,000 mgの範囲であり、好ましくは1日当り6〜600 mgの範囲である。本発明のC型肝炎治療剤は、上記の投与量を1回で投与しても良く、例えば1日に1回〜数回に分けて投与してもよい。
本発明のC型肝炎治療剤は、所望の投与方法に応じて、当業界で公知の様々な剤形に製剤化することが出来る。かかる製剤は、例えば、式(I)又は(IA)で表される化合物又はその塩を、薬学的に許容される1種類以上の担体、賦形剤、結合剤、ビヒクル、溶解補助剤、防腐剤、安定剤、膨化剤、潤滑剤、界面活性剤、油性液、緩衝剤、無痛化剤、酸化防止剤、甘味剤、香味剤等の添加剤とともに混和することによって、単位用量形態又は複数投与形態として製造することが出来る。
上記の製剤は、当業界で慣用される様々な投与方法に使用することが出来る。例えば、必要に応じて糖衣や溶解性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、タブレット、シロップ、懸濁液等に製剤化して、経口的に使用することが出来る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、限定するものではないが、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油若しくはチェリーのような香味剤等を挙げることが出来る。製剤がカプセル剤である場合には、さらに油脂のような液状担体を含有してもよい。
本発明のC型肝炎治療剤は、水若しくはそれ以外の薬学的に許容される液との無菌性溶液又は懸濁液等の注射剤に製剤化して、静脈のような血管内若しくは皮下内注射、又は持続性輸注等の手段で非経口的に使用することが出来る。かかる注射剤に混和することが出来る添加剤としては、限定するものではないが、例えば、生理食塩水、ブドウ糖若しくはその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンニトール又は塩化ナトリウム)を含む等張液のようなビヒクル、アルコール(例えばエタノール、ベンジルアルコール)、エステル(例えば安息香酸ベンジル)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)のような溶解補助剤、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン性界面活性剤、ゴマ油、大豆油のような油性液、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液のような緩衝剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインのような無痛化剤、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールのような安定剤、保存剤、酸化防止剤等を挙げることが出来る。調製された注射剤は、通常、適当なアンプルに充填され、使用時まで適切な環境下で保存される。
本発明のC型肝炎治療剤は、デポー製剤として製剤化することも出来る。このような長期間作用する製剤を、例えば皮下若しくは筋肉に埋め込み、又は筋肉注射により投与することができる。それ故、本発明のC型肝炎治療剤は、適当な高分子若しくは疎水性物質又はイオン交換樹脂と共に、又は難溶性の塩のようなやや溶けにくい誘導体に誘導体化し、デポー製剤として製剤化してもよい。
本発明のC型肝炎治療剤は、この他、局所への直接投与等、あらゆる投与法に使用することが出来る。
本発明のC型肝炎治療剤は、医薬として有用な他の治療薬と併用することも出来る。この場合、本発明のC型肝炎治療剤に他の治療薬を加えた単一の医薬に製剤化された製剤を用いてもよく、本発明のC型肝炎治療剤と他の治療薬とが別々の医薬に製剤化された複数の製剤を用いてもよい。かかる医薬組み合わせを、連続的に又は同時に投与することが出来る。
本発明のC型肝炎治療剤は、上記の式(I)又は(IA)で表される化合物を、生体内での代謝により式(I)又は(IA)で表される化合物に変換される前駆体やプロドラッグ化合物の形態で含有してもよい。このような形態もまた本発明の範囲に包含される。
また、本発明は、C型肝炎の予防又は治療を必要とする被験体に、有効量の上記の式(I)又は(IA)で表される化合物を投与することを含む、C型肝炎の予防又は治療方法を提供することが出来る。ここで、本発明の予防又は治療方法の被験体としては、C型肝炎の予防又は治療を必要とする上記のヒト又は非ヒト哺乳動物を挙げることができる。
本発明はさらに、C型肝炎の予防又は治療に用いるための、上記の式(I)又は(IA)で表される化合物又はその塩を提供することが出来る。
本発明の式(I)又は(IA)で表される化合物又はその塩を上記の医薬用途に適用することにより、C型肝炎を予防又は治療することが可能となる。
2.フェナントリジン環骨格を有する化合物の製造方法
式(I)で表される化合物又はその塩は、下記スキーム1に示す方法で調製することが出来る。
Figure 2011093483
スキーム1中、R1〜R9は上記のとおりであり、X、X’及びX’’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される。
上記のスキーム1において、式(II)で表されるアニリン誘導体又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(III)で表される安息香酸ハロゲン化物又はその保護誘導体と結合させることにより、式(IV)で表されるベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(1A))。次いで、式(IV)で表されるベンズアニリド又はその保護誘導体を、水素化ナトリウムのようなヒドリド試薬存在下、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒中で、式(V)で表されるハロゲン化物又はその保護誘導体と反応させることにより、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(1B))。その後、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体を、酢酸パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィン−テトラフルオロホウ酸塩及び炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒中で分子内環化反応させることにより、式(I)で表される化合物又はその保護誘導体が形成される(ステップ(1C))。上記のステップで、式(I)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合、式(I)で表される化合物の保護誘導体を適宜脱保護化して、式(I)で表される化合物又はその塩が形成される(ステップ(1D))。
また、R1がn-ブチルであり、R3がヒドロキシルであり、且つ残りの基が水素である、式(I)で表される化合物又はその塩を調製する場合、下記スキーム2に示す方法を用いることが好ましい。
Figure 2011093483
スキーム2中、R1〜R9は上記のとおりであり、R1’は、C1〜C7アルキル、C2〜C7アルケニル、C2〜C7アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-C1〜C8アルキル、Q-C2〜C8アルケニル、Q-C2〜C8アルキニル、Q-C3〜C6シクロアルキル、Q-C3〜C6シクロアルケニル、Q-C4〜C6シクロアルキニル、Q-ヘテロシクリル、Q-アリール、Q-アリールアルキル、Q-ヘテロアリール又はQ-ヘテロアリールアルキル(QはO若しくはSである)によって置換されている)から選択され、X、X’及びX’’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される。
上記のスキーム2において、式(II)で表されるアニリン誘導体又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(V’)で表されるカルボン酸ハロゲン化物又はその保護誘導体と反応させることにより、式(IV’)で表されるカルボン酸アニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(2A))。次いで、式(IV’)で表されるカルボン酸アニリド又はその保護誘導体を、水素化アルミニウムリチウムのような還元試薬存在下、テトラヒドロフランのような非プロトン性極性溶媒中で還元することにより、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(2B))。次いで、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(III)で表される安息香酸ハロゲン化物又はその保護誘導体と結合させることにより、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(2C))。その後、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体を、酢酸パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィン−テトラフルオロホウ酸塩及び炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒中で分子内環化反応させることにより、式(I)で表される化合物又はその保護誘導体が形成される(ステップ(2D))。上記のステップで、式(I)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合、式(I)で表される化合物の保護誘導体を適宜脱保護化して、式(I)で表される化合物又はその塩が形成される(ステップ(2E))。
また、R1がn-ブチルであり、R6〜R9が水素であり、R2〜R5のうち、R2及びR3又はR3及びR4が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するアリールを形成し、且つ残りの基が水素である、式(I)で表される化合物又はその塩を調製する場合、下記スキーム3に示す方法を用いることが好ましい。
Figure 2011093483
スキーム3中、R1〜R9は上記のとおりであり、X、X’及びX’’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される。
上記のスキーム3において、式(II’)で表される臭化ベンゼン又はその保護誘導体を、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、tert-ブトキシナトリウム(tert-BuONa)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)存在下、トルエンのような非プロトン性溶媒中で、式(V’’)で表される1級アミン又はその保護誘導体と反応させることにより、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(3A))。次いで、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(III)で表される安息香酸ハロゲン化物又はその保護誘導体と結合させることにより、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(3B))。その後、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体を、酢酸パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィン−テトラフルオロホウ酸塩及び炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒中で分子内環化反応させることにより、式(I)で表される化合物又はその保護誘導体が形成される(ステップ(3C))。上記のステップで、式(I)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合、式(I)で表される化合物の保護誘導体を適宜脱保護化して、式(I)で表される化合物又はその塩が形成される(ステップ(3D))。
また、R1がn-ブチルであり、R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルである、式(I)で表される化合物又はその塩を調製する場合、下記スキーム4に示す方法を用いることが好ましい。
Figure 2011093483
スキーム4中、R1〜R9は上記のとおりであり、X’及びX’’’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される。
上記のスキーム4において、式(II’’)で表されるハロゲン化ベンゼン又はその保護誘導体を、ヨウ化銅、L-プロリン、炭酸カリウム存在下、無水ジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中で、式(V’’)で表される1級アミン又はその保護誘導体と反応させることにより、式(IV’’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(4A))。次いで、式(IV’’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、モレキュラーシーブス4Aのようなモレキュラーシーブス存在下、無水トルエンのような非プロトン性溶媒中で、ヘキサフルオロアセトン1.5水和物、ヘキサフルオロアセトン3水和物及びp-トルエンスルホン酸一水和物と反応させることにより、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(4B))。次いで、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(III’)で表されるハロゲン化安息香酸又はその保護誘導体と結合させることにより、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(4C))。その後、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体を、酢酸パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィン−テトラフルオロホウ酸塩及び炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒中で分子内環化反応させることにより、式(I)で表される化合物又はその保護誘導体が形成される(ステップ(4D))。上記のステップで、式(I)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合、式(I)で表される化合物の保護誘導体を適宜脱保護化して、式(I)で表される化合物又はその塩が形成される(ステップ(4E))。
或いは、R1がn-ブチルであり、R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルである、式(I)で表される化合物又はその塩を調製する場合、下記スキーム5に示す方法を用いることも好ましい。
Figure 2011093483
スキーム5中、R1〜R9は上記のとおりであり、X、X’及びX’’’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される。
上記のスキーム5において、式(II’’)で表されるハロゲン化ベンゼン又はその保護誘導体を、ヨウ化銅、L-プロリン、炭酸カリウム存在下、無水ジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中で、式(V’’)で表される1級アミン又はその保護誘導体と反応させることにより、式(IV’’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(5A))。次いで、式(IV’’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、モレキュラーシーブス4Aのようなモレキュラーシーブス存在下、無水トルエンのような非プロトン性溶媒中で、ヘキサフルオロアセトン1.5水和物、ヘキサフルオロアセトン3水和物及びp-トルエンスルホン酸一水和物と反応させることにより、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体が形成される(ステップ(5B))。次いで、式(IV’’)で表されるN-置換アニリン又はその保護誘導体を、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基存在下、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中で、式(III)で表される安息香酸ハロゲン化物又はその保護誘導体と結合させることにより、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体が形成される(ステップ(5C))。その後、式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリド又はその保護誘導体を、酢酸パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィン−テトラフルオロホウ酸塩及び炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒中で分子内環化反応させることにより、式(I)で表される化合物又はその保護誘導体が形成される(ステップ(5D))。上記のステップで、式(I)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合、式(I)で表される化合物の保護誘導体を適宜脱保護化して、式(I)で表される化合物又はその塩が形成される(ステップ(5E))。
上記のスキーム1〜5において、式(II)〜(VI)、(II’)、(II’’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V’)及び(V’’)で表される化合物は、いずれも既知の化合物であるか、または周知の文献の方法により調製することが出来る。
上記のスキーム1〜5において、式(I)で表される化合物の調製のいずれの段階であっても、分子中の1個以上の感受性基を保護して該基の保護形態を形成させ、望ましくない副反応を避けるべきであることが必要であるか、又は望ましいことは、当業者には明らかである。それ故、上記のスキーム1〜5において、式(II)〜(VI)、(II’)、(II’’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V’)及び(V’’)で表される化合物に含まれる感受性基に適切な保護基を導入して、上記の化合物の保護誘導体を形成させるか、又は予め導入された前記化合物の保護誘導体を用意する保護化ステップをさらに含んでもよい。
式(I)で表される化合物の保護誘導体の調製に用いる保護基としては、当業界で公知のいずれの保護基も用いることが可能であり、それらの保護基を導入して保護誘導体を調製する方法及び該保護基を脱保護する方法についても当業界で公知の方法を適用することが出来る。式(I)で表される化合物の保護誘導体の調製に用いる保護基としては、限定するものではないが、例えば、ヒドロキシル基の保護基の場合、ベンジル(Bn)基、tert-ブチルジメチルシリル(TBS)基、メトキシエトキシメチル基等が好ましく、アミノ基の保護基の場合、4-メトキシベンジル基等が好ましい。
上記のスキーム1に基づけば、式(IA)で表される化合物又はその塩は、以下のステップ:
(1A) 式(II):
Figure 2011093483
[式中、
R2A〜R5Aは、上記のとおりである]
で表されるアニリン誘導体を、式(III):
Figure 2011093483
[式中、
R6A〜R9Aは、上記のとおりであり;
X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(IV):
Figure 2011093483
[式中、
R2A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるベンズアニリドを形成させるステップ;
(1B) 式(IV)で表されるベンズアニリドを、式(V):
R1A-X’’ (V)
[式中、
R1Aは、上記のとおりであり;
X’’はハロゲンである]
で表されるハロゲン化物と反応させて、式(VI):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
(1C) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
を含む方法により、調製することが出来る。
上記のステップ(1C)により、式(IA)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合には、さらに上記で説明した保護化ステップ及び以下のステップ:
(1D) 式(IA)で表される化合物の保護誘導体を脱保護化して、式(IA)で表される化合物又はその塩を形成させるステップ;
を含んでもよい。
また、上記のスキーム2に基づけば、R1Aがn-ブチルであり、R3Aがヒドロキシルであり、且つ残りの基が水素である、式(IA)で表される化合物又はその塩は、以下のステップ:
(2A) 式(II):
Figure 2011093483
[式中、
R2A〜R5Aは、上記のとおりである]
で表されるアニリン誘導体を、式(V’):
R1A’-CO-X’’ (V’)
[式中、
R1A’は、プロピル、フェニル及びシクロヘキシル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のハロゲン、OH、O-C2〜C8アルキニル、O-C3〜C6シクロアルキル、O-C3〜C6シクロアルケニル若しくはO-C4〜C6シクロアルキニルによって置換されている)から選択され;
X’’はハロゲンである]
で表されるカルボン酸ハロゲン化物と反応させて、式(IV’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A’及びR2A〜R5Aは上記のとおりである]
で表されるカルボン酸アニリドを形成させるステップ;
(2B) 式(IV’)で表されるカルボン酸アニリドを還元して、式(IV’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R5Aは上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを形成させるステップ;
(2C) 式(IV’’)で表されるN-置換アニリンを、式(III):
Figure 2011093483
[式中、
R6A〜R9Aは、上記のとおりであり;
X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(VI):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
(2D) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
を含む方法により、調製することが好ましい。
上記のステップ(2D)により、式(IA)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合には、さらに上記で説明した保護化ステップ及び以下のステップ:
(2E) 式(IA)で表される化合物の保護誘導体を脱保護化して、式(IA)で表される化合物又はその塩を形成させるステップ;
を含んでもよい。
さらに、上記のスキーム3に基づけば、R1Aがn-ブチルであり、R6A〜R9Aが水素であり、R2A〜R5Aのうち、R2A及びR3A又はR3A及びR4Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するアリールを形成し、且つ残りの基が水素である、式(IA)で表される化合物又はその塩は、以下のステップ:
(3A) 式(II’):
Figure 2011093483
[式中、
R2A〜R5Aは、上記のとおりである]
で表される臭化ベンゼンを、式(V’’):
R1A-NH2 (V’’)
[式中、
R1Aは、上記のとおりである]
で表される1級アミンと反応させて、式(IV’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R5Aは上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを形成させるステップ;
(3B) 式(IV’’)で表されるN-置換アニリンを、式(III):
Figure 2011093483
[式中、
R6A〜R9Aは、上記のとおりであり;
X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(VI):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
(3C) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
を含む方法により、調製することが好ましい。
上記のステップ(3C)により、式(IA)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合には、さらに上記で説明した保護化ステップ以下のステップ:
(3D) 式(IA)で表される化合物の保護誘導体を脱保護化して、式(IA)で表される化合物又はその塩を形成させるステップ;
を含んでもよい。
また、上記のスキーム4に基づけば、R1Aがn-ブチルであり、R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルである、式(IA)で表される化合物又はその塩は、以下のステップ:
(4B) 式(IV’’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A、R2A、R4A及びR5Aは、上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを、ヘキサフルオロアセトン1.5水和物、ヘキサフルオロアセトン3水和物及びp-トルエンスルホン酸一水和物と反応させて、式(IV’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R5Aは上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを形成させるステップ;
(4C) 式(IV’’)で表されるN-置換アニリンを、式(III’):
Figure 2011093483
[式中、
R6A〜R9Aは、上記のとおりであり;
X’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
で表されるハロゲン化安息香酸と結合させて、式(VI):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
(4D) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
を含む方法により、調製することが好ましい。
上記のステップ(4D)により、式(IA)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合には、さらに上記で説明した保護化ステップ以下のステップ:
(4E) 式(IA)で表される化合物の保護誘導体を脱保護化して、式(IA)で表される化合物又はその塩を形成させるステップ;
を含んでもよい。
さらにまた、上記のスキーム5に基づけば、R1Aがn-ブチルであり、R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルである、式(IA)で表される化合物又はその塩は、以下のステップ:
(5B) 式(IV’’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A、R2A、R4A及びR5Aは、上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを、ヘキサフルオロアセトン1.5水和物、ヘキサフルオロアセトン3水和物及びp-トルエンスルホン酸一水和物と反応させて、式(IV’’):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R5Aは上記のとおりである]
で表されるN-置換アニリンを形成させるステップ;
(5C) 式(IV’’)で表されるN-置換アニリンを、式(III):
Figure 2011093483
[式中、
R6A〜R9Aは、上記のとおりであり;
X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(VI):
Figure 2011093483
[式中、
R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
(5D) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
を含む方法により、調製することが好ましい。
上記のステップ(5D)により、式(IA)で表される化合物の保護誘導体が形成される場合には、さらに上記で説明した保護化ステップ以下のステップ:
(5E) 式(IA)で表される化合物の保護誘導体を脱保護化して、式(IA)で表される化合物又はその塩を形成させるステップ;
を含んでもよい。
以上説明したように、本発明の式(I)又は(IA)で表される化合物は、高い抗HCV活性を有することから、C型肝炎治療剤の有効成分として使用することが出来る。また、本発明の製造方法を用いることにより、式(I)又は(IA)で表される化合物を高収率及び高純度で製造することが出来る。
以下の合成例A及びBにより本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化合物の合成および単離・精製]
(合成例A-1)
2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-5−ベンジルフェナントリジン−6(5H)−オン(AA-04)の合成
合成、単離及び精製は、公知の文献(Aoyamaら、Heterocycles, 第76(1)巻、p. 137-142(2008年))に記載の方法にしたがって行った。
(合成例A-2)
2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-5−ブチルフェナントリジン−6(5H)−オン(AA-24)の合成
合成、単離及び精製は、公知の文献(Aoyamaら、Heterocycles, 第76(1)巻、p. 137-142(2008年))に記載の方法にしたがって行った。
(合成例A-3)
2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-5−ヘキシルフェナントリジン−6(5H)−オン(AA-25)の合成
合成、単離及び精製は、公知の文献(Aoyamaら、Heterocycles, 第76(1)巻、p. 137-142(2008年))に記載の方法にしたがって行った。
(合成例A-4)
2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-5−シクロヘキシルメチルフェナントリジン−6(5H)−オン(AA-26)の合成
合成、単離及び精製は、公知の文献(Aoyamaら、Heterocycles, 第76(1)巻、p. 137-142(2008年))に記載の方法にしたがって行った。
(合成例B-1)
5−ブチルフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-H)の合成
合成工程は上記のスキーム1に示される通りである。
(1)2−ヨードベンズアニリド(a)の合成
アニリン(55.9 mg、600 μmol)に無水ジクロロメタン(2 mL)とトリエチルアミン(105 μl、753 μmol)、塩化 2−ヨードベンゾイル(134 mg、502 μmol)を加え、14時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量160 mg(99%)。
(2)N−ブチル−2−ヨードベンズアニリド(b)の合成
2−ヨード−N−フェニルベンズアミド(a)(129 mg、400 μmol)に無水N,N−ジメチルホルムアミド(1 mL)と60%水素化ナトリウム(19.5 mg、488 μmol)、ヨウ化ブチル(93 μl、809 μmol)を加え、21時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(6:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量149 mg(98%)。
(3)5−ブチルフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-H)の合成
N−ブチル−2−ヨード−N−フェニルベンズアミド(b)(114 mg、300 μmol)に無水N,N−ジメチアセトアミド(1.5 mL)と炭酸カリウム(82.9 mg、600 μmol)、酢酸パラジウム(3.4 mg、15.1 μmol)、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン-テトラフルオロホウ酸塩(11.3 mg、30.7 μmol)、を加え、14時間130℃で攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希薄し、セライト濾過を行った。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量75.5 mg(100%)。
FAB-MS m/z 252(M+H)+1H-NMR(500 MHz, CDCl3)δ 8.54 (dd, 1H, J = 7.9, 1.3 Hz), 8.29 (dd, 1H, J = 8.6, 1.3 Hz), 8.27 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.74 (ddd, 1H, J = 8.0, 7.4, 1.2 Hz), 7.57 (t, 1H, J = 7.4, Hz), 7.53 (ddd, 1H, J = 8.5, 7.4, 1.2 Hz), 7.40 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.30 (dd, 1H, J = 8.0, 7.4 Hz), 4.38 (t, 2H, J = 7.9, Hz), 1.78 (td, 2H, J = 7.9, 7.3 Hz), 1.52 (sextet, 2H, J = 7.3 Hz), 1.00 (t, 3H, J = 7.3, Hz).
(合成例B-2)
5−ブチル−1−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN290)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ヨード−3−メチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化ベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.64 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.44 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.73 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.59 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.42 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.17 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.40 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.96 (s, 3H), 184-1.77 (m, 2H), 158-1.48 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.6 Hz).
(合成例B-3)
5−ブチル−2−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN267)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−メチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.28 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.10 (s, 1H), 7.74 (td, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.57 (m, 1H), 7.37-7.30 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.38 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.49 (s, 3H), 1.82-1.75 (m, 3H), 1.56-1.48 (m, 2H), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-4)
5−ブチル−3−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN289)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモ−5−メチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化ベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.53 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.24 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.80 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.73 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.20 (s, 1H), 7.13 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 2.52 (s, 3H), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.57-1.49 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.5 Hz).
(合成例B-5)
5−ブチル−4−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN265)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−メチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.50 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.22 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.13 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.20 (td, 1H, J = 7.6, 1.4 Hz), 7.55 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.30 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.21 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 4.49 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.66 (s, 3H), 1.66-1.60 (m, 2H), 1.20-1.19 (m, 2H), 0.86 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-6)
5−ブチル−7−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN277)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−メチルベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.27 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 8.17 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 7.58 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.51 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.35 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.26 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 4.31 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 2.98 (s, 3H), 1.81-1.74 (m, 2H), 1.58-1.49 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-7)
5−ブチル−8−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN296-B)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 3−メチルベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.36 (s, 1H), 8.28 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.18 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.58 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.52 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.41 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.30 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 4.40 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 2.52 (s, 3H), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.56-1.50 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-8)
5−ブチル−9−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN278)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 4−メチルベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.44 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 8.30 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 8.07 (s, 1H7.5), 7.53 (td, 1H, J = 7.5 Hz), 7.40 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.30 (dd, 1H, J = 7.5 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 2.57 (s, 3H), 1.81.75 (m, 2H), 1.51.49 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-9)
5−ブチル−10−メチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN296-A)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 3−メチルベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 266(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.53 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.70 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.61 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.56-7.52 (m, 1H), 7.49 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.46 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.32-7.27 (m, 1H), 4.40 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 2.97 (s, 3H), 1.85-1.78 (m, 2H), 1.50-1.50 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-10)
5−ブチル−2−エチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN324)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−エチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 280(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.30 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.12 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.75 (td, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.58 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.39 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.34 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 2.79 (q, 2H, J = 8.0 Hz), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.57-1.49 (m, 2H), 1.34 (t, 3H, J = 7.6 Hz), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-11)
5−ブチル−2−ヘキシルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN338)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−ヘキシルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 336(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.30 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.09 (s, 1H), 7.75 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.57 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.37 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.33 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.74 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.73-1.66 (m, 2H), 1.58-1.49 (m, 2H), 1.41-1.32 (m, 6H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz), 0.90 (t, 3H, J = 7.0 Hz).
(合成例B-12)
5−ブチル−2−ドデシルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN339)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−ドデシルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 420(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.30 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.09 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.75 (ddd, 1H, J = 8.0, 6.5, 1.5 Hz), 7.57 (td, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.36 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.38 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.74 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.73-1.66 (m, 2H), 1.57-1.49 (m, 2H), 1.45-1.20 (m, 18H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz), 0.88 (t, 3H, J = 7.0 Hz).
(合成例B-13)
5−ブチル−1−イソプロピルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN315-A)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに3−イソプロピルアニリンを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 294(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.58 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.13 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.69 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.58 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.48 (t, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.24 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.36 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 4.00 (sep, 1H, J = 6.7 Hz), 1.83-1.75 (m, 2H), 1.55-1.47 (m, 2H), 1.44 (d, 6H, J = 6.7 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-14)
5−ブチル−2−イソプロピルフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-iPr)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−イソプロピルアニリンを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 294(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.54 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.30 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.12 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.74 (ddd, 1H, J = 7.9, 7.4, 1.2 Hz), 7.56 (dd, 1H, J = 8.0, 7.4 Hz), 7.41 (dd, 1H, J = 8.6, 1.9 Hz), 7.34 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 4.37 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 3.05 (septet, 1H, J = 7.4 Hz), 1.77 (quintet, 2H, J = 8.0 Hz), 1.51 (sextet, 2H, J = 7.4 Hz), 1.34 (d, 6H, J = 7.4 Hz), 1.00 (t, 3H, J = 7.4 Hz).
(合成例B-15)
5−ブチル−3−イソプロピルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN315-B)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに3−イソプロピルアニリンを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 294(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.53 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.40 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.22 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.73 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.55 (td, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.25 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.20 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 4.42 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 3.06 (sep, 1H, J = 6.7 Hz), 1.85-1.77 (m, 2H), 1.57-1.51 (m, 2H), 1.35 (d, 6H, J = 7.3 Hz), 1.04 (t, 3H, J = 7.6 Hz).
(合成例B-16)
5−ブチル−2−tert−ブチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN325)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−tert−ブチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 308(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.56 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.32 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.31 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.78-7.74 (m, 1H), 7.60 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.57 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.83-1.76 (m, 2H), 1.56-1.50 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-17)
5−ブチル−2−フルオロフェナントリジン−6(5H)−オン(MN329)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−フルオロアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 270(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.56 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.17 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.90 (dd, 1H, J = 9.7, 3.0 Hz), 7.77 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.63 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.37 (dd, 1H, J = 9.0, 4.5 Hz), 7.29-7.24 (m, 1H), 4.38 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 1.82-1.75 (m, 2H), 1.57-1.48 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-18)
5−ブチル−2−トリフルオロメチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN337)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−トリフルオロメチルアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 320(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.56 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.53 (s, 1H), 8.30 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.82 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.77 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.65 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.00 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.41 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 1.83-1.75 (m, 2H), 1.58-1.49 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-19)
5−ブチル−ベンゾ[c][1,6]ナフチリジン−6(5H)−オン(PN-Py)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−アミノピリジンを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 253(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.48 (s, 1H), 8.61 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 8.52 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 8.34 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 7.80 (t, 1H, J = 7.4 Hz), 7.63 (dd, 1H, J = 7.9, 7.4 Hz), 7.23 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 4.32 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 1.75 (quintet, 2H, J = 8.0 Hz), 1.50 (sextet, 2H, J = 7.3 Hz), 1.00 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-20)
6−ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3−b]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN256)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−アミノ−5, 6, 7, 8−テトラヒドロ−5, 5, 8, 8−テトラメチルナフタレンを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 362(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.52 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.26 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.21 (s, 1H), 7.73 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.54 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.31 (s, 1H), 4.39 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.84-1.75 (m, 6H), 1.59-1.50 (m, 2H), 1.40 (s, 6H), 1.38 (s, 6H), 1.04 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-21)
5−ブチル−2−メトキシカルボニルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN318)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに4−アミノ安息香酸メチル、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 310(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.98 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 8.54 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 8.37 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.17 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.80 (ddd, 1H, J = 8.0, 6.6, 1.8 Hz), 7.62 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.43 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.40 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 3.99 (s, 3H), 1.82-1.75 (m, 2H), 1.58-149 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.6 Hz).
(合成例B-22)
5−ブチル−2−フェネチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN343)の合成
(1)5−ブチル−2−ヒドロキシメチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN319)の合成
5−ブチル−2−メトキシカルボニルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN318)(239 mg、772 μmol)に氷冷下、無水テトラヒドロフラン(5 mL)と水素化ホウ素リチウム(86.8 mg、5.62 mmol)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(668 mg、4.43 mmol)を加え、14時間室温で攪拌した。氷冷下、酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量193 mg(89%)。
FAB-MS m/z 282(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.54 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.28-8.26 (m, 2H), 7.75 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.59 (t, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.52 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.83 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 4.37 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 1.99-1.94 (m, 1H), 1.81-1.74 (m, 2H), 1.55-1.48 (m, 2H), 1.01 (t, 3H, J = 7.5 Hz).
(2)5−ブチル−2−ホルミルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN330)の合成
5−ブチル−2−ヒドロキシメチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN319)(100 mg、355 μmol)に無水ジクロロメタン(20 mL)と二酸化マンガン(1.0 g、11.5 mmol)を加え、14時間室温で攪拌した。反応溶液をセライト濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、減圧濃縮して目的物を得た。収量96.5 mg(97%)。
FAB-MS m/z 280(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 10.11 (s, 1H), 8.81 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 8.55 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.38 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.04 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.83 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.65 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.53 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.42 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 1.84-1.77 (m, 2H), 1.59-1.50 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(3)(E)−5−ブチル−2−スチリルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN340)の合成
ベンジルホスホン酸ジメチル(126 μL、607 μmol)に氷冷下、無水テトラヒドロフラン(2 mL)とカリウム tert−ブトキシド(86.8 mg、606 μmol)、5−ブチル−2−ヒドロキシメチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN330)(56.0 mg、200 μmol)を加え、62時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量62.7 mg(89%)。
FAB-MS m/z 354(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.56 (dd, 1H, J = 8.0, 1.3 Hz), 8.38 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 8.35 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.79 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.73 (dd, 1H, J = 8.0, 1.3 Hz), 7.61 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.57 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.41 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 7.40 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.29 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.19 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 4.41 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.84-1.77 (m, 2H), 1.57-1.50 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(4)5−ブチル−2−フェネチルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN343)の合成
(E)−5−ブチル−2−スチリルフェナントリジン−6(5H)−オン(MN340)(35.3 mg、99.9 μmol)にメタノールとジクロロメタン(2 mL)、10%パラジウム−活性炭素(15 mg)を加え、水素雰囲気下、1時間室温で攪拌した。反応溶液をセライトで濾過し、ジクロロメタンで洗浄した後に、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(8:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量26.9 mg(76%)。
FAB-MS m/z 356(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.22 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.05 (s, 1H), 7.74 (ddd, 1H, J = 8.0, 6.5, 1.2 Hz), 7.58 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.37-7.29 (m, 4H), 7.24-7.21 (m, 3H), 4.38 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 3.09-2.99 (m, 4H), 1.82-1.76 (m, 2H), 1.55-1.49 (m, 2H), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-23)
5−ブチル−2−ヒドロキシフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-OH)の合成
合成工程は上記のスキーム2に示される通りである。
(1)4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ニトロベンゼン(c)の合成
4−ニトロフェノール(557 mg、4.00 mmol)に無水N,N−ジメチルホルムアミド(8 mL)と1H−イミダゾール(383 mg、5.62 mmol)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(668 mg、4.43 mmol)を加え、14時間室温で攪拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で留去し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(20:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量801 mg(79%)。
(2)4−tert−ブチルジメチルシリルオキシアニリン(d)の合成
4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ニトロベンゼン(c)(633 mg、2.50 mmol)に酢酸エチル(6 mL)と7.5%パラジウム−活性炭素(60 mg)を加え、水素雰囲気下、19時間室温で攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、セライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した後に、溶媒を減圧下で留去した。収量160 mg(99%)。
(3)4’−tert−ブチルジメチルシリルオキシブチリルアニリド(e)の合成
4−tert−ブチルジメチルシリルオキシアニリン(d)(168 mg、754 mmol)にジクロロメタン(1.5 mL)、トリエチルアミン(150 μl、1.15 mmol)、塩化ブチリル(80.0 μL、766 μmol)を加え、15時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量221 mg(100%)。
(4)N−ブチル−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシアニリン(f)の合成
水素化アルミニウムリチウム(159 mg、4.20 mmol)に氷冷下、テトラヒドロフラン(6 mL)と4’−tert−ブチルジメチルシリルオキシブチリルアニリド(e)(205 mg、700 mmol)を加え、20時間室温で攪拌した。氷冷下、反応溶液に硫酸ナトリウム・10水和物と酢酸エチルを加え、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量88.4 mg(45%)。
(5)N−ブチル−4’−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヨードベンズアニリド(g)の合成
N−ブチル−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブチリルアニリン(f)(84.8 mg、303 μmol)に無水ジクロロメタン(1.5 mL)とトリエチルアミン(55 μl、395 μmol)、塩化 2−ヨードベンゾイル(89.0 mg、334 μmol)を加え、15時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量157 mg(100%)。
(6)5−ブチル−2−ヒドロキシフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-OH)の合成
合成例B-1−(3)において、N−ブチル−2−ヨード−N−フェニルベンズアミド(b)のかわりにN−ブチル−4’−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヨードベンズアニリド(g)を用いて同様にして目的物を得た(91%)。
FAB-MS m/z 268(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 8.10 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 7.78 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.67 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.55 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.28 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.14 (dd, 1H, J = 9.2, 2.4 Hz), 6.68 (br-s, 1H), 4.37 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.77 (quintet, 2H, J = 7.3 Hz), 1.49 (sextet, 2H, J = 7.3 Hz), 0.97 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-24)
5−ブチル−2−(1’−ヒドロキシエチル)フェナントリジン−6(5H)−オン(PN-EtOH)の合成
合成例B-23-(3)において、4−tert−ブチルジメチルシリルオキシアニリン(d)のかわりに1−(4−アミノフェニル)エタノールを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 296(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.51 (dd, 1H, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.23 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.22 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 7.72 (td, 1H, J = 7.3, 1.2 Hz), 7.56 (dd, 1H, J = 7.9, 7.3 Hz), 7.49 (dd, 1H, J = 8.5, 1.8 Hz), 7.29 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 5.03 (q, 1H, J = 6.7 Hz), 4.33 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 1.74 (quintet, 2H, J = 7.9 Hz), 1.57 (d, 3H, J = 6.7 Hz), 1.49 (sextet, 2H, J = 7.3 Hz), 0.99 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-25)
5−ブチル−2−アセチルフェナントリジン−6(5H)−オン(PN-Ac)の合成
合成例B-23−(3)において、4−tert−ブチルジメチルシリルオキシアニリン(d)のかわりに1−(4−アミノフェニル)エタノールを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 294(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.92 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 8.53 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 8.37 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 8.10 (dd, 1H, J = 9.2, 1.8 Hz), 7.79 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.61 (dd, 1H, J = 7.9, 7.3 Hz), 7.44 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 2.69 (s, 3H), 1.77 (quintet, 2H, J = 7.9 Hz), 1.52 (sextet, 2H, J = 7.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-26)
6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN313-A)の合成
合成工程は上記のスキーム3に示される通りである。
(1)2−ブチルアミノナフタレン(h)の合成
2−ブロモナフタレン(207 mg、1.00 mmol)に無水トルエン(10 mL)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(98.9 mg、109 μmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(181 mg、292 μmol)、tert−ブトキシナトリウム(1.00 g、10.4 mmol)ブチルアミン(2.19 g、29.9 mmol)を加え、4時間85℃で攪拌した。反応溶液をセライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(12:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量202 mg(quant)。
(2)6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN313-A)の合成
合成例B-23−(5)において、N−ブチル−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブチリルアニリン(f)のかわりに2−ブチルアミノナフタレン(h)、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.80 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.68 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.64 (dd, 1H, J = 8.5, 1.5 Hz), 7.95 (t, 2H, J = 8.5 Hz), 7.79 (td, 1H, J = 8.5, 1.5 Hz), 7.65-7.60 (m, 3H), 7.52 (t, 1H, J = 8.5 Hz), 4.50 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 1.88-1.80 (m, 2H), 1.58-1.53 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-27)
6−ブチルベンゾ[b]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN313-B)の合成
合成例B-23−(5)において、N−ブチル−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブチリルアニリン(f)のかわりに2−ブチルアミノナフタレン(h)、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.90 (s, 1H), 8.57 (dd, 1H, J = 8.0, 1.8 Hz), 8.46 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.98 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.82-7.78 (m, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.62 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.55 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.48 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 4.50 (t, 3H, J = 7.9 Hz), 1.92-1.85 (m, 2H), 1.63-1.52 (m, 2H), 1.06 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-28)
5−ブチルベンゾ[c]フェナントリジン−6(5H)−オン(MN305)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに1−アミノナフタレン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ブロモベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.55 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.29-8.22 (m, 3H), 7.92-7.89 (m, 1H), 7.81-7.77 (m, 1H), 7.73 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.60 (t, 3H, J = 8.0 Hz), 7.56-7.50 (m, 2H), 4.59 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.93-1.86 (m, 2H), 1.26-1.18 (m, 2H), 0.83 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-29)
6−ブチルベンゾ[i]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN306)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 1−ナフトイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 10.30 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 8.44 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.39 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 8n.17 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 7.94 (dd, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.77-7.73 (m, 1H), 7.65-7.60 (m, 2H), 7.49 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.36 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 4.50 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.90-1.83 (m, 2H), 1.63-1.53 (m, 2H), 1.06 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-30)
5−ブチルベンゾ[j]フェナントリジン6(5H)−オン(MN314-B)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ナフトイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.14 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.48 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.09 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.04 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.63 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.57 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.54 (dd, 1H, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.42 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.35 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 4.43 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.87-1.80 (m, 2H), 1.58-1.52 (m, 2H).
(合成例B-31)
5−ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)−オン(MN314-A)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−ブロモアニリン、塩化 2−ヨードベンゾイルのかわりに塩化 2−ナフトイルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 302(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.88 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 8.66 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.51 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.01 (dd, 2H, J = 7.3, 3.0 Hz), 7.95 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.70-7.63 (m, 3H), 7.59 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.53 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.36 (t, 2H, J = 8.5 Hz), 4.45 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 1.90-1.83 (m, 3H), 1.57-1.51 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.5 Hz).
(合成例B-32)
6−シクロヘキシルメチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3−b]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN299)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−アミノ−5, 6, 7, 8−テトラヒドロ−5, 5, 8, 8−テトラメチルナフタレン、ヨウ化ブチルのかわりに臭化シクロヘキシルメチルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 402(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.52 (dd, 2H, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.27 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.21 (s, 1H), 7.73 (td, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.54 (td, 1H, J = 8.0, 1.2 Hz), 7.29 (s, 1H), 4.30 (br s, 2H), 1.94-1.89 (m, 1H), 1.78 (s, 4H), 1.76 (t, 4H, J = 13.00 Hz), 1.41 (s, 6H), 1.38 (s, 6H), 1.29-1.15 (m, 6H).
(合成例B-33)
6−ベンジル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3−b]フェナントリジン−5(6H)−オン(MN300)の合成
合成例B-1において、アニリンのかわりに2−アミノ−5, 6, 7, 8−テトラヒドロ−5, 5, 8, 8−テトラメチルナフタレン、ヨウ化ブチルのかわりに臭化ベンジルを用いて同様にして目的物を得た。
FAB-MS m/z 396(M+H)+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.60 (dd, 2H, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.29 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.18 (s, 1H), 7.79-7.75 (m, 1H), 7.58 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.37-7.28 (m, 4H), 7.23 (s, 1H), 7.22 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 5.65 (s, 2H), 1.69 (d, 4H, J = 1.2 Hz), 1.36 (s, 6H), 1.14 (s, 6H).
(合成例B-34)
4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン(HA-719)の合成
合成工程は下記のスキーム4B:
Figure 2011093483
に示される通りである。
(1)3−ヨード−1,2−ジメトキシベンゼン(i)の合成
1,2−ジメトキシベンゼン(1.80 g、13.0 mmol)に-10℃にて無水テトラヒドロフラン(10 mL)とn-ブチルリチウム(1.65Mヘキサン溶液、8.70 ml、14.4 mmol)を加え、2時間室温で攪拌した。反応溶液を-45℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン(10 mL)にヨウ素(3.63 g、14.3 mmol)を溶解した溶液を加え、1.5時間室温で攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(29:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量2.44 g(71%)。
(2)3−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール(j)の合成
3−ヨード−1,2−ジメトキシベンゼン(i)(792 mg、3.00 mmol)に-78℃にて無水ジクロロメタン(10 mL)、三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液、14.0 ml、14.0 mmol)を加え、18時間室温で攪拌した。反応溶液を氷に注ぎ込み、ジクロロメタンを減圧下で留去し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣に無水N,N−ジメチルホルムアミド(30 ml)、炭酸セシウム(1.00 g、3.07 mmol)、ジヨードメタン(0.250 ml、3.10 mmol)を加え、1時間120℃で攪拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で留去し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(50:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量563 mg(76%)。
(3)3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)の合成
3−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール(j)(372 mg、1.50 mmol)に無水ジメチルスルホキシド(2.0 mL)、ヨウ化銅(85.7 mg、0.450 mmol)、L-プロリン(104 mg、0.900 mmol)、炭酸カリウム(415 mg、3.00 mmol)、ブチルアミン(0.60 ml、6.07 mmol)を加え、11時間90℃で攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(50:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量233 mg(81%)。
(4)2-[(4-ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール)]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(l)の合成
3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)(193 mg、1.00 mmol)に無水トルエン(2.0 mL)、ヘキサフルオロアセトン1.5水和物(386 mg、2.00 mmol)、ヘキサフルオロアセトン3水和物(440 mg、2.00 mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物(19.0 mg、0.100 mmol)、モレキュラーシーブス4A(700 mg)を加え、9時間120℃で攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、モレキュラーシーブス4Aを濾別した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量292 mg(81%)。
(5)N-ブチル-N-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール]-2-ヨード-5-メトキシベンズアミド(m)の合成
2-ヨード-5-メトキシ安息香酸(167 mg、0.600 mmol)に氷冷下、無水ジクロロメタン(1.0 ml)、クロロメチレンジメチルイミニウム クロリド(76.8 mg、0.600 mmol)を加え、30分室温で攪拌した。反応溶液にトリエチルアミン(0.120 ml、0.861 mmol)、ジクロロメタン(0.5 ml)に溶解した2-[(4-ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール]]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(l)(72.0 mg、0.200 mmol)を加え、20時間室温で攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量123 mg(99%)。
(6)4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン(HA-719)の合成
合成例B-1−(3)において、N−ブチル−2−ヨード−N−フェニルベンズアミド(b)のかわりにN-ブチル-N-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール]-2-ヨード-5-メトキシベンズアミド(m)を用いて同様にして目的物を得た(51%)。
HRMS (FAB) 計算値:C22H20F6NO5 492.1246; 測定値:492.1257 (M+H)+;1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.94 (s, 1H), 8.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.74 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 9.2, 3.1 Hz, 1H), 6.16 (s, 2H), 4.44 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 3.89 (s, 3H), 1.68 (tt, J = 7.3, 7.9 Hz, 2H), 1.36 (qt, J = 7.3, 7.9 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.9 Hz, 3H).
(合成例B-35)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-4,8-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ15)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチル−2−メトキシアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.18 (s, 1H), 8.14 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 7.38 (dd, 1H, J = 8.5, 3.1 Hz), 7.23 (brs, 1H), 6.98 (s, 1H), 4.39 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.11 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 1.82 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.55 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.05 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-36)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-3,8-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ16)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチル−3−メトキシアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.38 (s, 1H), 8.04 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.93 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 7.33 (dd, 1H, J = 8.5, 3.1 Hz), 7.32 (s, 1H), 4.56 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.34 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 1.85 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.45 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 0.99 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-37)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-8,9-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ25)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-4,5-ジメトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.49 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.79 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.52 (s, 1H), 7.44 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 4.41 (brs, 1H), 4.36 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.07 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 1.77 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.51 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-38)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-[1,3]ジオキソロ[4,5-j]フェナントリジン6(5H)-オン(KZ26)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-4,5-メチレンジオキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.43 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.79 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.55 (s, 1H), 7.41 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 6.13 (s, 2H), 4.45 (s, 1H), 4.31 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.75 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.50 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-39)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7,8-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ27)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-5,6-ジメトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.43 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.79 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.55 (s, 1H), 7.41 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 6.13 (s, 2H), 4.45 (s, 1H), 4.31 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.75 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.50 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-40)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-8,9,10-トリメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ28)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 9.70 (s, 1H), 7.94(s, 1H), 7.84 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.46 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 4.39 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.04 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 3.89 (brs, 1H), 1.79 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.53 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-41)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-3,4-ジメトキシフェナントリジン-6(5H)-オン(HA-726)の合成
合成工程は下記のスキーム5B:
Figure 2011093483
に示される通りである。
(1)N-ブチル-2,3-ジメトキシアニリン(n)の合成
合成例B-34-(3)において、3−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール(j)のかわりに3−ヨード−1,2−ジメトキシベンゼン(i)を用いて同様にして目的物を得た。
(2)2-(4-ブチルアミノ-2,3-ジメトキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(o)の合成
合成例B-34-(4)において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN-ブチル-2,3-ジメトキシアニリン(n)を用いて同様にして目的物を得た。
(3)N-ブチル-N-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,3-ジメトキシフェニル]-2-ヨードベンズアミド(p)の合成
2-(4-ブチルアミノ-2,3-ジメトキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(o)(37.2 mg、0.099 mmol)に無水ジクロロメタン(1.0 mL)、トリエチルアミン(35.0 μl、0.251 mmol)、塩化 2-ヨードベンゾイル(52.1 mg、0.196 mmol)を加え、12時間室温で攪拌した。ジクロロメタンを減圧下で留去し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣にテトラヒドロフラン(0.3 ml)、メタノール(0.3 ml)、2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、2時間室温で攪拌した。反応溶液に2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:ジクロロメタン(1:3)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量58.7 mg(98%)。
(4)N-ブチル-N-[4-(2-ベンジルオキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル)-2,3-ジメトキシフェニル]-2-ヨードベンズアミド(q)の合成
N-ブチル-N-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,3-ジメトキシフェニル]-2-ヨードベンズアミド(p)(48.2 mg、0.080 mmol)にアセトン(0.8 mL)、炭酸カリウム(33.2 mg、0.240 mmol)、ヨウ化ベンジル(87.2 mg、0.400 mmol)を加え、5時間60℃で攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(6:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量51.5 mg(93%)。
(5)5-ブチル-2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-3,4-ジメトキシフェナントリジン-6(5H)-オン(r)の合成
合成例B-1−(3)において、N−ブチル−2−ヨード−N−フェニルベンズアミド(c)のかわりにN-ブチル-N-[4-(2-ベンジルオキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル)-2,3-ジメトキシフェニル]-2-ヨードベンズアミド(q)を用いて同様にして目的物を得た(77%)。
(6)5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-3,4-ジメトキシフェナントリジン-6(5H)-オン(HA-726)の合成
5-ブチル-2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-3,4-ジメトキシフェナントリジン-6(5H)-オン(r)(29.0 mg、0.051 mmol)にエタノール(0.5 mL)と7.5%パラジウム―活性炭素(4.0 mg)を加え、水素雰囲気下、6時間室温で攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、セライトで濾過し、ジクロロメタンと酢酸エチルで洗浄後、減圧濃縮した。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量24.2 mg(99%)。
HRMS (FAB) 計算値:C22H22F6NO4 478.1453; 測定値:478.1445 (M+H)+1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.76 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.33 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.87 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 7.64 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 4.49 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 1.67 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.28 (qt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
(合成例B-42)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-メトキシプロパン-2’-イル)-1,4-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ29)の合成
合成例B-41において、N-ブチル-2,3-ジメトキシアニリン(n)のかわりにN-ブチル-2,5-ジメトキシアニリン、ヨウ化ベンジルの代わりにヨードメタンを用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.88 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 8.50 (d, 1H, J = 6.7 Hz), 7.72 (dd, 1H, J = 8.6, 6.7 Hz), 7.58 (dd, 1H, J = 8.6, 6.7 Hz), 7.17 (s, 1H), 4.54-4.30 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.51 (s, 3H), 1.95-1.80 (m, 2H), 1.45 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.00 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-43)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-メトキシプロパン-2’-イル)-1,4,8-トリメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ30)の合成
合成例B-42において、塩化 2-ヨードベンゾイルのかわりに2-ヨード-5-メトキシ安息香酸とクロロメチレンジメチルイミニウム クロリド、ヨウ化ベンジルの代わりにヨードメタンを用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.82 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.93 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 7.30 (dd, 1H, J = 9.2, 3.1 Hz), 7.12 (s, 1H), 4.54-4.30 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 1.95-1.80 (m, 2H), 1.46 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-44)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ31)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-6-メトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.64 (s, 1H), 8.37 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.82 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.48 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.10 (dd, 1H, J = 9.1, 2.4 Hz), 5.09 (brs, 1H), 4.26 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 3.94 (s, 3H), 1.72 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.44 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 0.95 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-45)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-9-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ32)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-4-メトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.51 (s, 1H), 7.83 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.81 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 7.60 (dd, 1H, J = 7.9, 7.9 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 9.1 Hz), 7.06 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 5.22 (brs, 1H), 4.20 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.04 (s, 3H), 1.68 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.48 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 0.99 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-46)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-10-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ33)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-3-メトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 9.75 (s, 1H), 8.16 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 7.84 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.50 (dd, 1H, J = 7.9, 7.9 Hz), 7.38 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 4.68 (brs, 1H), 4.30 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.01 (s, 3H), 1.74 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.49 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.00 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-47)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-1-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ34)の合成
合成例B-41において、N-ブチル-2,3-ジメトキシアニリン(n)のかわりにN-ブチル-3-メトキシアニリンを用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.88 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.59 (d, 1H, J = 6.7 Hz), 8.27 (brs, 1H), 7.79 (dd, 1H, J = 8.5, 6.7 Hz), 7.73 (d, 1H, J = 9.8 Hz), 7.65 (dd, 1H, J = 8.5, 6.7 Hz), 7.29 (d, 1H, J = 9.8 Hz), 4.48-4.40 (m, 1H), 4.35-4.4.22 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 1.90-1.73 (m, 2H), 1.60-0.97 (m, 2H), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-48)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-1-ヒドロキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ35)および5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ36)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチル−3−メトキシアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに塩化 2-ヨードベンゾイルを用い、カラムクロマトグラフィーで分離することにより目的物をそれぞれ得た。
KZ35:1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 9.52 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.54 (dd, 1H, J = 7.9, 1.2 Hz), 7.71 (ddd, 1H, J = 8.5, 8.5, 1.2 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 8.5, 7.9 Hz), 7.65 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.91 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.36 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 3.50-3.20 (m, 2H), 1.80 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.52 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
KZ36:1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 9.52 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.54 (dd, 1H, J = 7.9, 1.2 Hz), 7.71 (ddd, 1H, J = 8.5, 8.5, 1.2 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 8.5, 7.9 Hz), 7.65 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.91 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.36 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 3.50-3.20 (m, 2H), 1.80 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.52 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.03 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-49)
2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ37)の合成
合成例B-41において、N-ブチル-2,3-ジメトキシアニリン(n)のかわりにN-ブチル-3-メトキシアニリンを用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.46 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 8.38 (s, 1H), 7.55-7.37 (m, 8H), 6.92 (s, 1H), 4.73 (s, 2H), 4.38 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 3.96 (s, 3H), 1.83 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.55 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.05 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-50)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7,9-ジメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ38)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-2,4-ジメトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.47 (s, 1H), 7.78 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.27 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 6.59 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.52 (brs, 1H), 4.20-4.05 (m, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 1.63 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.42 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 0.94 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-51)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7,8,9-トリメトキシフェナントリジン6(5H)-オン(KZ39)の合成
合成例B-34において、3−(ブチルアミノ)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(k)のかわりにN−ブチルアニリン、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸のかわりに2-ブロモ-4,5,6-トリメトキシ安息香酸を用いて同様にして目的物を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) : δ 8.49 (s, 1H), 7.78 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.46 (s, 1H), 7.39 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.31 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.08 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.71 (brs, 1H), 1.77 (quin, 2H, J = 7.3 Hz), 1.53 (sext, 2H, J = 7.3 Hz), 1.02 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
(合成例B-52)
4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン(HA-718)の合成
合成例B-34において、2-ヨード-5-メトキシ安息香酸とクロロメチレンジメチルイミニウム クロリドのかわりに塩化 2-ヨードベンゾイルを用いて同様にして目的物を得た。
HRMS (FAB) 計算値:C21H18F6NO4 462.1140;測定値:462.1169 (M+H)+;1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.98 (s, 1H), 8.32 (dd, J = 7.9, 1.2 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.85 (td, J = 7.3, 1.2 Hz, 1H), 7.62 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.19 (s, 2H), 4.43 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 1.68 (tt, J = 7.3, 7.9 Hz, 2H), 1.37 (qt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
(合成例B-53)
5-ブチル-2-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-3,4,8-トリメトキシフェナントリジン-6(5H)-オン(HA-727)の合成
合成例B-41において、塩化 2-ヨードベンゾイルの代わりに2-ヨード-5-メトキシ安息香酸とクロロメチレンジメチルイミニウム クロリドを用いて同様にして目的物を得た。
HRMS (FAB) 計算値:C23H24F6NO5 508.1559; 測定値:508.1549 (M+H)+;1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 8.72 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 9.2, 3.1 Hz, 1H), 4.50 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 1.67 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.28 (qt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
(合成例B-54)
11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン(HA-758)の合成
合成例B-41-(4)において、N-ブチル-N-[4-(2-ベンジルオキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル)-2,3-ジメトキシフェニル]-2-ヨードベンズアミド(q)のかわりに4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン(HA-719)を用いて同様にして目的物を得た。
HRMS (FAB) 計算値:C29H26F6NO5 582.1715; 測定値:582.1704 (M+H)+;1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 7.80 (s, 1H), 7.73 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.39-7.47 (m, 5H), 7.31 (dd, J = 9.2, 3.1 Hz, 1H), 6.22 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 4.43 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 1.69 (tt, J = 7.3, 7.9 Hz, 2H), 1.37 (qt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
[レプリコン細胞を用いた抗HCV活性試験]
カルチャーボトルに70%コンフルエントになった#50-1(サブゲノムレプリコン)細胞又はNNC #2(完全長レプリコン)細胞(いずれもIshiiら, J. Virol., 2006年, 第80巻, p. 4510-4520)を、トリプシンで分散させ、高グルコースのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM) + 10% FCS + 1 mg/ml G418(Sigma)に再浮遊させた(図1及び2参照)。これを用いて5 x 104cells/mlに調製した細胞浮遊液を、96穴カルチャープレートの各ウェルに100 μlずつ加え(各ウェルの最終細胞密度5 x 103cells/ml)、37℃にて培養した。翌日、プレートの各ウェルから培養上清を取り除き、G418を含まない培養液で適当な濃度に希釈した供試化合物溶液を200 μlずつ加え、さらに培養を続けた。3日間培養後、TaqMan(登録商標)Gene Expression Cell-to-CT(登録商標)キット(Applied Biosystems社)を用いて、各ウェルの細胞からサンプルを調製した。逆転写反応は、ABI 7500 PCRシステム(Applied Biosystems社)を用いて、37℃(60分)、95℃(5分)、4℃(保持)のプロトコールにて行った。また、リアルタイムPCR反応は、ABI 7500リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社)を用いて、50℃(2分)、95℃(10分)、40サイクルの95℃(15秒)、60℃(1分)のプロトコールにて行った。
上記の方法により、HCVゲノムRNA量と、内部標準として寄主細胞のハウスキーピング遺伝子であるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のmRNA量を測定し、それぞれ供試化合物を投与しない対照区のRNA量に対する百分率(%)を算出した。また、HCVゲノムRNA量の測定結果に基づき供試化合物の用量反応関係を解析してEC50を算出するとともに、GAPDH RNA量の測定結果に基づき供試化合物の用量反応関係を解析してCC50を算出した。なお、本明細書において、EC50及びCC50は、それぞれ50%有効濃度(μM)及び50%毒性濃度(μM)を意味する。
図3〜6に示すように、完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおいて、合成例A-1(AA-04)、合成例A-2(AA-24)、合成例A-3(AA-25)及び合成例A-4(AA-26)の化合物は、いずれも高い抗HCV活性を示した。
中でも、5-ブチル基を有する化合物AA-24は、完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおいてEC50= 2.8 μM, CC50 = 11.9 μM(図4)、また、サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおいてもEC50= 4.0 μM, CC50 = 20.5 μM(図7)と、細胞毒性を発現しない濃度範囲において極めて高い抗HCV活性を示した。
次に、化合物AA-24と同じく5-ブチル基を有する合成例B-14(PN-iPr)の化合物について、完全長レプリコン細胞又はサブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける抗HCV活性を評価した。結果を図8A及び8Bにそれぞれ示す。
図8A及び8Bに示すように、化合物PN-iPrは、完全長レプリコン細胞を用いたアッセイにおいてEC50= 16.4 μM, CC50 = 27.7 μM、またサブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおいてEC50= 4.0 μM, CC50 = 20.5 μMと、細胞毒性を発現しない濃度範囲において極めて高い抗HCV活性を示した。
上記の結果から、5-ブチル基の存在と抗HCV活性との間には一定の相関関係が存在することが推測されたので、同様に5-ブチル基を有する合成例B-13(MN315-A)、合成例B-15(MN315-B)、合成例B-16(MN325)、合成例B-20(MN256)及び合成例B-30(MN314-B)の化合物について、サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける抗HCV活性を評価した。化合物MN314-B、MN325及びMN256の結果を図9〜11に、化合物MN315-A及びMN315-Bの結果を図12に、それぞれ示す。
図9〜11に示すように、化合物MN314-B、MN325及びMN256は、それぞれEC50 = 2.0 μM、CC50= 33.5 μM(MN314-B);EC50 = 6.1 μM、CC50 = 34.4 μM(MN325);及びEC50= 5.0 μM、CC50 = 31.7 μM(MN256)と、いずれも低い細胞毒性及び極めて高い抗HCV活性を示した。
一方、図12に示すように、化合物MN315-Aは、投与濃度10 μMにおいて、HCVゲノムRNA量(%)が46.3%であり、他の化合物に比べてやや低い抗HCV活性を示したが、化合物MN315-Bは、同一条件においてHCVゲノムRNA量が14.7%であり、他の化合物とほぼ同程度の抗HCV活性を示した。
5-ブチル基を有し、且つ縮合環を形成している合成例B-26(MN313-A)、合成例B-27(MN313-B)、合成例B-28(MN305)、合成例B-29(MN306)、合成例B-30(MN314-B)及び合成例B-31(MN314-A)の化合物について、サブゲノムレプリコン細胞を用いたアッセイにおける抗HCV活性の結果を表1に示す。
表1に示すように、化合物MN313-A、MN313-B、MN306及びMN314-Bは、細胞毒性を発現しない濃度範囲において極めて高い抗HCV活性を示した。
Figure 2011093483
[レプリコン細胞を用いた抗HCV活性試験(ルシフェラーゼアッセイ)]
ルシフェラーゼ遺伝子を有するサブゲノムHCV RNAレプリコン細胞(LucNeo#2, Gotoら,Biochem. Biophys. Res. Commun., 2006年,343巻,p. 879-884)を、10%のFBS及び1 mg/mlのG418(Sigma)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に懸濁させた。この細胞を、24時間インキュベートした後、各種濃度の供試化合物を含むがG418を含まない新鮮培地で3日間培養した。ルシフェラーゼアッセイのために、細胞をPBSで洗浄し、断続的に振盪しながら溶解溶液で10分間処理した。細胞溶解液(25μl)を白色マイクロタイタープレートに移した。ルシフェラーゼアッセイ試薬(100μl、Promega, 東京)を各ウェルに加え、ルミノメーターでそのルシフェラーゼ活性を測定した。
細胞毒性(細胞生存率)試験のために、テトラゾリウム色素溶液(10μl、生化学工業,東京)を各ウェルに加えた。1時間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーを用いて特性吸収波長(450 nm)の吸光度を測定した。
ルシフェラーゼアッセイの結果に基づき、HCVゲノムRNA量を測定し、それぞれ供試化合物を投与しない対照区のRNA量に対する百分率(%)を算出した。また、テトラゾリウム色素法の結果に基づき、供試化合物投与区及び対照区の細胞生存率(%)を算出した。ルシフェラーゼアッセイの定量結果に基づき供試化合物の用量反応関係を解析してEC50(μM)を算出するとともに、テトラゾリウム色素法の定量結果に基づき供試化合物の用量反応関係を解析してCC50(μM)を算出した。
合成例B-36〜合成例B-55の化合物について、抗HCV活性及び細胞毒性の結果を表2に示す。
Figure 2011093483
表1に示すように、化合物KZ26、KZ30、KZ37及びHA-758は、細胞毒性を発現しない濃度範囲において高い抗HCV活性を示した。また、化合物HA-719は、細胞毒性が高いものの、極めて高い抗HCV活性を示した。
化合物KZ37、HA-719及びHA-758の抗HCV活性及び細胞毒性を図13〜15にそれぞれ示す。
図13〜15に示すように、ルシフェラーゼアッセイを用いたアッセイにおいて、合成例B-34(HA-719)、合成例B-49(KZ37)及び合成例B-54(HA-758)の化合物は、いずれも高い抗HCV活性を示した。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (16)

  1. 式(I):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)から選択され;
    R2〜R9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)及びQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)からなる置換基群Aから選択され;
    ただし、R2〜R5のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよく、或いは
    R6〜R8のいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成してもよい]
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎治療剤(但し、5-ブチル-1-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-3-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-4-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-8-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-9-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-10-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)-オン及び5-ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)-オンを除く)。
  2. R2〜R9が、以下の[1]〜[5]のいずれかを満足する、請求項1のC型肝炎治療剤。
    [1]R5〜R9が水素であり、R2〜R4のいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
    [2]R6〜R9が水素であり、R2〜R5のうち、R2及びR3又はR3及びR4が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
    [3]R2〜R5が水素であり、R6〜R9のうち、R6及びR7又はR7及びR8が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
    [4]R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2及びR4〜R9のうち多くとも3個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
    [5]R3が2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2及びR4〜R9のうち、R4及びR5又はR7及びR8が、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、NH2、NO2、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル若しくはNH2である)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)、Q-(C3〜C6シクロアルキル)、Q-(C3〜C6シクロアルケニル)、Q-(C4〜C6シクロアルキニル)、Q-(ヘテロシクリル)、Q-(アリール)、Q-(アリールアルキル)、Q-(ヘテロアリール)又はQ-(ヘテロアリールアルキル)(QはO若しくはSである)によって置換されている)を形成し、残りの基のうちいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Aから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
  3. R1が、ブチル、ベンジル、ヘキシル及びシクロヘキシルメチルからなる群より選択される基である、請求項1又は2のC型肝炎治療剤。
  4. R2〜R9が[1]を満足し、且つ置換基群Aから選択される基が、水素、フッ素、トリフルオロメチル、1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル、イソプロピル、2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又はtert-ブチルである、請求項2又は3のC型肝炎治療剤。
  5. 置換基群Aから選択される基が水素である、請求項4のC型肝炎治療剤。
  6. R2〜R9が[2]又は「3」を満足し、且つフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールが、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている、請求項2又は3のC型肝炎治療剤。
  7. R2〜R9が[4]を満足し、且つ置換基群Aから選択される基が、ヒドロキシル又はメトキシルである、請求項2又は3のC型肝炎治療剤。
  8. R2〜R9が[5]を満足し、且つフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールが、非置換1,3-ジオキソールである、請求項2又は3のC型肝炎治療剤。
  9. 式(I)で表される化合物が、
    5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ベンジル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ヘキシル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-シクロヘキシルメチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-1-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-3-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-2-tert-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    6−ブチルベンゾ[b]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    6−ブチルベンゾ[i]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    5-ブチルベンゾ[j]フェナントリジン-6(5H)-オン;
    6-ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3-b]フェナントリジン-5(6H)-オン;
    2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン;
    4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;及び
    11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;
    から選択される、請求項1のC型肝炎治療剤。
  10. 式(IA):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1Aは、ブチル及びシクロヘキシルメチル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH、O-(C2〜C8アルキニル)、O-(C3〜C6シクロアルキル)、O-(C3〜C6シクロアルケニル)又はO-(C4〜C6シクロアルキニル)によって置換されている)から選択され;
    R2A〜R9Aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C(O)Z(Zは水素、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル若しくはNH2である)、Q-(C1〜C8アルキル)、Q-(C2〜C8アルケニル)、Q-(C2〜C8アルキニル)及びQ-(C3〜C6シクロアルキル)(QはO若しくはSである)、並びにC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル(上記の基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数のハロゲン、OH又はO-(アリールアルキル)によって置換されている)からなる置換基群Bから選択され;
    ただし、R2A〜R9Aのうち、R2A〜R5Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成してもよく、或いは
    R2A〜R9Aのうち、R6A〜R9Aのいずれか2個は、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、C4〜C6シクロアルキニルによって置換されている)を形成してもよい]
    で表される化合物又はその塩(但し、5-ブチル-1-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-3-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-4-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5−ブチル−7−メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-8-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-9-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチル-10-メチルフェナントリジン-6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[c]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルベンゾ[k]フェナントリジン6(5H)-オン、5-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン及び5-(4-ブロモブチル)フェナントリジン-6(5H)-オンを除く)。
  11. R2A〜R9Aが、以下の[1A]〜[5A]のいずれかを満足する、請求項10の化合物又はその塩。
    [1A]R5A〜R9Aが水素であり、R2A〜R4Aのいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
    [2A]R6A〜R9Aが水素であり、R2A〜R5Aのうち、R2A及びR3A又はR3A及びR4Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
    [3A]R2A〜R5Aが水素であり、R6A〜R9Aのうち、R6A及びR7A又はR7A及びR8Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、且つ残りの基が水素である。
    [4A]R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2A及びR4A〜R9Aのうち多くとも3個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
    [5A]R3Aが2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピル又は2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロピルであり、R2A及びR4A〜R9Aのうち、R4A及びR5A又はR7A及びR8Aが、それらが結合するフェナントリジン環上の炭素原子と一緒になってフェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリール(前記フェナントリジン環と縮合するシクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個若しくは複数のC1〜C8アルキルによって置換されている)を形成し、残りの基のうちいずれか1個が、それぞれ独立して置換基群Bから選択される基であり、且つ残りの基が水素である。
  12. R1Aがブチルである、請求項10又は11の化合物又はその塩。
  13. 式(IA)で表される化合物が、
    5-ブチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-シクロヘキシルメチル-2-(2’-ヒドロキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-フェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-1-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-2-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-3-イソプロピルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    5-ブチル-2-tert-ブチルフェナントリジン-6(5H)-オン;
    6−ブチルベンゾ[a]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    6−ブチルベンゾ[b]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    6−ブチルベンゾ[i]フェナントリジン−5(6H)−オン;
    5-ブチルベンゾ[j]フェナントリジン-6(5H)-オン;
    6-ブチル−8, 9, 10, 11−テトラヒドロ−8, 8, 11, 11−テトラメチルベンゾ[2, 3-b]フェナントリジン-5(6H)-オン;
    2-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-5-ブチル-3-メトキシフェナントリジン6(5H)-オン;
    4-ブチル-11-(1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロ-2’-ヒドロキシプロパン-2’-イル)-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;及び
    11-(2’-ベンジルオキシ-1’,1’,1’,3’,3’,3’-ヘキサフルオロプロパン-2’-イル)-4-ブチル-7-メトキシ-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]フェナントリジン-5(4H)-オン;
    から選択される、請求項10の化合物又はその塩。
  14. 請求項10に記載の式(IA)で表される化合物又はその塩の調製方法であって、
    (1A) 式(II):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R2A〜R5Aは、請求項10に記載のとおりである]
    で表されるアニリン誘導体を、式(III):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R6A〜R9Aは、請求項10に記載のとおりであり;
    X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
    で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(IV):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R2A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
    で表されるベンズアニリドを形成させるステップ;
    (1B) 式(IV)で表されるベンズアニリドを、式(V):
    R1A-X’’ (V)
    [式中、
    R1Aは、請求項10に記載のとおりであり;
    X’’はハロゲンである]
    で表されるハロゲン化物と反応させて、式(VI):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
    で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
    (1C) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
    を含む、前記方法。
  15. 請求項10に記載の式(IA)で表される化合物又はその塩の調製方法であって、
    (2C) 式(IV’’):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1A〜R5Aは、請求項10に記載のとおりである]
    で表されるN-置換アニリンを、式(III):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R6A〜R9Aは、請求項10に記載のとおりであり;
    X及びX’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
    で表される安息香酸ハロゲン化物と結合させて、式(VI):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
    で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
    (2D) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
    を含む、前記方法。
  16. 請求項10に記載の式(IA)で表される化合物又はその塩の調製方法であって、
    (4C) 式(IV’’):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1A〜R5Aは、請求項10に記載のとおりである]
    で表されるN-置換アニリンを、式(III’):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R6A〜R9Aは、請求項10に記載のとおりであり;
    X’は、それぞれ独立してハロゲンから選択される]
    で表されるハロゲン化安息香酸と結合させて、式(VI):
    Figure 2011093483
    [式中、
    R1A〜R9A及びX’は上記のとおりである]
    で表されるN-置換ベンズアニリドを形成させるステップ;
    (4D) 式(VI)で表されるN-置換ベンズアニリドを酢酸パラジウム存在下で分子内環化反応させて、式(IA)で表される化合物を形成させるステップ;
    を含む、前記方法。
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