JPWO2011086638A1 - 弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラム - Google Patents

弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラム Download PDF

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Abstract

出力計測手段(103,8)が異常か否かを判断する異常判断手段(104)を配設して、出力計測手段の異常を判断し、出力計測手段の異常時には目標内部状態決定手段(108)及び、内部状態誤差補償手段(111)に基づき弾性体アクチュエータ(100)を制御することにより、出力計測手段の異常時にも即座に止まるのではなく所定の位置まで継続動作する制御が可能となる。

Description

本発明は、流体圧駆動アクチュエータ等、弾性体の変形により駆動される弾性体アクチュエータによって駆動する駆動機構の動作を制御する、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムに関する。
近年、セル生産工場の広がりなどから、人と協働するロボットの開発が盛んに行われている。このような人と協働するロボットは、従来のように人間の居るエリアとロボット用の作業エリアとを区切って動作するロボットとは異なり、人間と共生する必要があるため、従来の産業用ロボットなどとは、必要とされる仕様が異なる。
第一に、従来の産業用ロボットでは、電気モータ又は減速器が用いられ、高ゲインのフィードバック制御により、繰り返し精度0.1mm等といった、高い手先位置精度が実現されている。しかしながら、このような電気モータにより駆動される機構は、剛性が高く、柔らかさに欠ける場合が多く、安全性という面で問題が多い。
これに対し、人と協働するロボットでは、人間との接触時に危害を与えないなど安全性が重視される。したがって、従来の産業用ロボットのように電気モータによる駆動される機構は、家庭用ロボットなど安全性が重視される分野に適しているとは言えず、柔軟で安全なロボットアームが必要とされている。
こうした課題に対し、例えば、マッキベン型の空気圧アクチュエータを利用したロボットアームが提案されている。マッキベン型の空気圧アクチュエータは、ゴム材料で構成された管状弾性体の外表面に、繊維コードで構成された拘束手段が配設され、管状弾性体の両端部を封止部材で気密封止する構造となっている。流体注入出手段を通じて空気等の圧縮性流体により内圧を管状弾性体の内部空間に与えると、管状弾性体が主に半径方向に膨張しようとするが、拘束手段の作用により、半径方向に膨張しようとする動きが管状弾性体の中心軸方向の運動に変換され、全長が収縮する。このマッキベン型のアクチュエータは主に弾性体で構成されるため、柔軟性があり、安全で軽量なアクチュエータであるという特徴を有する。
第二に、従来の産業用ロボットは、人と隔離された空間で動作しているため、例えばセンサの故障などが起こったとき、即座に動作停止をするのが最も安全と考えられている。
これに対し、人と空間を同じくして動くロボットの場合、仮にセンサの故障などが起こった場合に、即座に動作停止をするのが最も安全とは限らない。例えば、人と協調動作を行っているときは、ロボットが突然停止した場合、協調動作を行っていた人は、急に止まることができず、危険な状態なることなどが考えられる。しかし、センサが故障時は、動作制御に必要な情報が入手出来ず、動作を継続するのは難しいという課題があった。
こうしたセンサの故障に対し、従来技術は、予め教示して記憶させたデータをセンサ信号の代わりに読み込むことによりロボットを制御する制御装置を開示している(特許文献1)。また、距離センサと複数の移動機構位置検出器とを備えたロボットにおいて、距離センサからのセンサ信号と正常な移動機構位置検出器からの移動機構位置信号とから、故障した移動機構位置検出器が、本来、出力すべき正しい移動機構位置信号と同じ代替信号を求める演算器を備える移動制御装置を開示している(特許文献2)。
実公平8−1819号公報 特公平5−55279号公報
しかしながら、特許文献1の技術ではあらかじめセンサ信号のかわりとなる教示データが必要となるが、事前にロボットのあらゆる動作を想定するのは困難であり、教示データを用意するのが難しいという課題があった。また、特許文献2の技術では、距離センサを備えていないロボットなどでは、正しい代替信号を演算できないという課題があった。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、教示データを予め用意したり、代替信号を演算できるセンサを備えたりすることなく、センサ異常時でも即座に動作停止せずに、弾性体アクチュエータで駆動されるロボットアーム等の駆動機構の動作を継続させることが出来る、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、性体アクチュエータ駆動機構の制御装置であって、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段とを備え、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
このような構成により、出力計測手段の故障又は異常時にも弾性体アクチュエータの継続動作が可能となる弾性体アクチュエータ駆動機構の制御が実現できる。
本発明の第8態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法であって、
目標値出力手段により弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を出力誤差補償手段で補償し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を目標内部状態決定手段により決定し、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を内部状態誤差補償手段で補償し、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段で判断し、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置のプログラムであって、
コンピュータを、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段として機能させて、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御プログラムを提供する。
このような構成により、出力計測手段の故障又は異常時にも弾性体アクチュエータの継続動作が可能となる弾性体アクチュエータ駆動機構の制御が実現できる。
本発明の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置によれば、出力計測手段が故障か否かを判断する異常判断手段を備え、かつ、出力計測手段の故障時には目標内部状態決定手段及び内部状態誤差補償手段を利用して弾性体アクチュエータが動作を継続する制御が可能となる。
また、本発明の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法及び制御プログラムによれば、出力計測手段が故障か否かを判断する異常判断ステップを備え、かつ出力計測手段の故障時には目標内部状態決定手段及び内部状態誤差補償手段を利用して弾性体アクチュエータが動作を継続する制御が可能となる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータの駆動機構の構造を示す図であり、 図2は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータの一例である弾性膨張収縮構造体の構造及び動作を示す図であり、 図3は、本発明の第1実施形態におけるロボットアームを圧縮性流体である空気により駆動するための空気圧供給系の動作を示す図であり、 図4は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置などの概念を示すブロック図であり、 図5は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置の概念を示す制御プログラムの実際の動作ステップのフローチャートであり、 図6は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータ制御装置などの制御ブロック図であり、 図7は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータの駆動機構の動作時の状態を示す図であり、 図8は、本発明の第1実施形態における弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置の制御プログラムの動作ステップのフローチャートであり、 図9は、本発明の第2実施形態における弾性体アクチュエータ制御装置などの制御ブロック図であり、 図10は、本発明の第2実施形態における出力異常時の目標圧力差計算手段の詳細を示す制御ブロック図であり、 図11は、本発明の第2実施形態における弾性体アクチュエータの駆動機構が物体を把持している状態を示す図であり、 図12は、本発明の第2実施形態における弾性体アクチュエータの駆動機構が物体を把持している状態の詳細を示す図であり、 図13は、本発明の第2実施形態における弾性体アクチュエータモデル計算手段の一部を示す図であり、 図14は、本発明の第2実施形態における弾性体アクチュエータモデル計算手段の一部を示す図であり、 図15は、本発明の第2実施形態における出力異常時目標圧力差計算手段の計算プログラムの動作ステップのフローチャートであり、 図16は、本発明の第2実施形態における上記弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置の制御プログラムの動作ステップのフローチャートであり、 図17は、本発明の第4実施形態における弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置などの制御ブロック図であり、 図18は、本発明の第4実施形態における圧力センサ異常時指令出力手段の動作原理を示す図であり、 図19は、本発明の第4実施形態における弾性体アクチュエータの駆動機構の初期位置を示す図であり、 図20は、本発明の第1実施形態におけるハンドのある弾性体アクチュエータの駆動機構を示す図であり、 図21は、本発明の第3実施形態における弾性体アクチュエータ制御装置などの制御ブロック図であり、 図22は、本発明の第3実施形態における上記弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置の制御プログラムの動作ステップのフローチャートである。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、性体アクチュエータ駆動機構の制御装置であって、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段とを備え、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記異常判断手段で上記異常か否かを判断するとき、上記弾性体アクチュエータの出力の計測値が予め定められた範囲外となる場合、又は、上記弾性体アクチュエータの出力の計測値と内部状態計測手段で計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値との対応関係が予め定められた関係情報から外れる場合には、上記異常であると判断し、逆に、それ以外の場合には上記異常ではないと判断する、第1の態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記目標内部状態決定手段は、
正常時目標内部状態決定手段と、
異常時目標内部状態決定手段とを備え、
上記異常判断手段が異常ではないと判断したときには上記正常時目標内部状態決定手段の出力を用いて上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う一方、上記異常判断手段が異常と判断したときには上記異常時目標内部状態決定手段の出力を用いて上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う、第1又は2の態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記異常時目標内部状態決定手段は、上記弾性体アクチュエータ駆動機構の静力学モデルに基づいて、目標内部状態を決定する第3の態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、さらに、上記異常判断手段が異常であると判断したときに異常時目標値を生成して出力する異常時目標値生成手段を備える、第1〜4のいずれか1つの態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、さらに、上記内部状態計測手段が異常であるか否かを判断する内部状態計測手段異常判断手段と、
異常時に上記弾性体アクチュエータ駆動機構の駆動装置に出力指令を行う内部状態異常時指令出力手段とを備え、
上記内部状態計測手段が異常であると上記内部状態計測手段異常判断手段で判断したときには、上記内部状態異常時指令出力手段の上記出力指令に基づき上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う第1〜5のいずれか1つの態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記弾性体アクチュエータは流体圧アクチュエータである第1〜6のいずれか1つの態様に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法であって、
目標値出力手段により弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を出力誤差補償手段で補償し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を目標内部状態決定手段により決定し、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を内部状態誤差補償手段で補償し、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段で判断し、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置のプログラムであって、
コンピュータを、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段として機能させて、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御プログラムを提供する。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図4は、本発明の第1実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21の概念を示すブロック図である。図4において、弾性体アクチュエータ駆動機構10は、流体圧により駆動されかつ弾性体アクチュエータの一例として機能する流体圧駆動アクチュエータ100を用いた駆動機構である。
弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21は、例えば、後述する制御コンピュータ19内に備えられており、目標出力生成手段101と、目標内部状態決定手段108と、出力誤差補償手段106と、内部状態誤差補償手段111と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、異常判断手段の一例として機能する異常診断手段104と、駆動装置102と、を備えて構成している。制御装置21のうち、駆動装置102を除く、目標出力生成手段101と、目標内部状態決定手段108と、出力誤差補償手段106と、内部状態誤差補償手段111と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、異常診断手段104とで制御装置本体部21Aを構成している。また、制御装置21に対しては、出力計測手段103と内部状態計測手段112とで計測された弾性体アクチュエータ駆動機構10からの計測情報が入力される。
出力計測手段103は、弾性体アクチュエータ駆動機構10に接続され、弾性体アクチュエータ駆動機構10の出力を計測し、計測値を、出力誤差計算部107と異常診断手段104とにそれぞれ出力する。
内部状態計測手段112は、弾性体アクチュエータ駆動機構10に接続され、弾性体アクチュエータ駆動機構10の内部状態の計測値を測定して、内部状態誤差計算部109と異常診断手段104とに入力する。
目標出力生成手段101は、目標値出力手段の一例として機能し、弾性体アクチュエータ駆動機構10の出力の目標値を生成して、異常診断手段104と出力誤差計算部107と目標内部状態決定手段108とに出力する。
出力誤差計算部107は、目標出力生成手段101からの出力の目標値と出力計測手段103からの出力の計測値とから出力誤差を計算し、計算結果を出力誤差補償手段106に出力する。
出力誤差補償手段106は、異常診断手段104からの入力がないときは、出力誤差計算部107から出力誤差補償手段106に入力された出力誤差を小さくするように補正した出力を出力誤差修正出力として内部状態誤差計算部109に出力して、出力計測手段103により計測される計測値を、目標出力生成手段101からの出力の目標値に追従させるように制御を行う。異常診断手段104からの入力があるときは、出力誤差補償手段106は何も出力しない。すなわち、出力誤差補償手段106は内部状態誤差計算部109に向けて0を出力誤差修正出力として出力する。
目標内部状態決定手段108は、目標出力生成手段101の出力の目標値が入力され、弾性体アクチュエータ駆動機構10の内部状態の目標値を決定して、内部状態誤差計算部109に出力する。
内部状態誤差計算部109は、出力誤差補償手段106からの出力と、目標内部状態決定手段108からの出力(内部状態の目標値)と、内部状態計測手段112からの出力とから、内部状態誤差を計算し、内部状態誤差補償手段111に出力する。
内部状態誤差補償手段111は、内部状態誤差計算部109から入力された内部状態誤差を小さくなるように補正した値を内部状態誤差修正出力として駆動装置102に出力して、内部状態計測手段112により計測される計測値を、出力誤差補償手段106からの出力と目標内部状態決定手段108からの出力を加算した値に追従させるように制御を行う。
駆動装置102は、内部状態誤差補償手段111の出力に基づき、弾性体アクチュエータ駆動機構10を駆動するものであって、具体的には、後述する図3の、5ポート流量制御電磁弁18などを含む空気圧供給系を指す。
異常診断手段104は、出力計測手段103の出力と、内部状態計測手段112の出力と、目標出力生成手段101の出力とから、出力計測手段103に異常が起きているかどうか診断する。異常診断手段104が、出力計測手段103に異常が起きていると診断したときは、異常検知信号を異常診断手段104から出力誤差補償手段106に出力する。異常診断手段104が、出力計測手段103に異常が起きていないと診断したときは、異常診断手段104から出力誤差補償手段106には、異常検知信号を出力しない。
以上の原理に基づく制御プログラムの実際の動作ステップについて、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS101では、出力計測手段103により計測された、弾性体アクチュエータ駆動機構10の出力の計測値が上記制御装置21に取り込まれる。
次いで、ステップS102では、内部状態計測手段112により計測された、弾性体アクチュエータ駆動機構10の内部状態の計測値が上記制御装置21に取り込まれる。
次いで、ステップS103では、目標出力生成手段101内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、目標出力生成手段101は弾性体アクチュエータ駆動機構10の出力の目標値を計算する。
次いで、ステップS104では、目標出力生成手段101で計算された出力の目標値と、出力計測手段103で計測された現在の出力の計測値との差である出力誤差が出力誤差計算部107により計算される。
次いで、ステップS105では、目標出力生成手段101からの出力の目標値に基づき、目標内部状態決定手段108が内部状態の目標値を算出する。
次いで、ステップS106では、目標出力生成手段101の出力である出力の目標値と、出力計測手段103の出力である出力の計測値と、内部状態計測手段112の出力である内部状態の計測値とに基づき、異常診断手段104は、出力計測手段103が正常に動作しているかどうかを判断する。出力計測手段103が正常に動作していると異常診断手段104で判断されたときは、ステップS107〜S110を行う。一方、異常診断手段104は、出力計測手段103が正常に動作していない(言い換えれば、異常である)と判断したときは、ステップS111、S108〜S110を行い、出力誤差補償手段106に異常信号を出力する。
以下、ステップS106において、出力計測手段103が正常に動作していると異常診断手段104で判断されたときについて説明する。
ステップS106に次いで、ステップS107では、出力誤差計算部107で計算された出力誤差から、出力誤差修正出力が出力誤差補償手段106により計算される。
次いで、ステップS108では、ステップS107で出力誤差補償手段106により計算された出力誤差補正出力とステップS103で目標内部状態決定手段108により算出された内部状態の目標値とを加算した値から、ステップS102で計測された内部状態の計測値を減算して、内部状態誤差を内部状態誤差計算部109で計算する。
次いで、ステップS109では、ステップS108で内部状態誤差計算部109により計算された内部状態誤差に基づき内部状態誤差補償手段111により内部状態誤差修正出力が計算される。
次いで、ステップS110では、ステップS109で内部状態誤差補償手段111により計算された内部状態誤差修正出力が、内部状態誤差補償手段111から駆動装置102に与えられ、駆動装置102により弾性体アクチュエータ駆動機構10が駆動される。
以上のステップS101〜ステップS110が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御が実現する。
一方、ステップS106において出力計測手段103が正常に動作していないと異常診断手段104で判断されたときについて、以下に説明する。
ステップS106に次いで、ステップS111では、出力誤差補償手段106は、出力誤差に関わらず、出力誤差修正出力を0として出力する。
次いで、ステップS108では、ステップS111で出力誤差補償手段106により出力された出力誤差補正出力(=0)とステップS103で目標内部状態決定手段108により算出された内部状態の目標値とを加算した値から、ステップS102で計測された内部状態の計測値を減算して、内部状態誤差を内部状態誤差計算部109で計算する。
次いで、ステップS109では、ステップS108で内部状態誤差計算部109により計算された内部状態誤差に基づき内部状態誤差補償手段111により内部状態誤差修正出力が計算される。
次いで、ステップS110では、ステップS109で内部状態誤差補償手段111により計算された内部状態誤差修正出力が、内部状態誤差補償手段111から駆動装置102に与えられ、駆動装置102により弾性体アクチュエータ駆動機構10が駆動される。
以上のステップS101〜ステップS110が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御が実現する。
次に、第1実施形態の弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21の具体的な構成の一例について説明を行う。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10の構成を示す図である。弾性体アクチュエータ駆動機構10は、2自由度のロボットアームであって、直交するx軸とy軸とを含むxy平面内で正逆回転する第1関節軸6−1と、同じくxy平面内で正逆回転する第2関節軸6−2とを備えて構成されている。図1において、1−1a、1−1b、1−2a、1−2b(これらは個別の弾性膨張収縮構造体(弾性体アクチュエータの一例)に対する参照符号であり、代表的に弾性膨張収縮構造体を指し示すときには参照符号1で示す。)は弾性膨張収縮構造体である。第1関節軸6−1と第2関節軸6−2とは、それぞれ、弾性体アクチュエータ駆動機構10の第1関節6と第2関節6との回転軸である。
弾性膨張収縮構造体1は、図2に示すように、ゴム材料で構成され駆動部として機能する、管状の中空弾性体2の外表面に、材料的には伸びにくい樹脂又は金属の繊維コードで網目状に編んだ変形方向規制部材3が配設される。変形方向規制部材3は、管状弾性体2の膨張による半径方向の変形が、半径方向と直交する軸方向の長さの収縮に変換される一方、管状弾性体2の収縮による半径方向の変形が、軸方向の長さの膨張に変換されるように構成される。管状弾性体2の両端部は、封止部材4でそれぞれ気密封止する。一方の端部の封止部材4に備えられた管状の流体通過部材5は、内部に圧縮性流体が通過する流体の流路を有し、流体通過部材5を通して中空弾性体2の中空内部に対して流体の注入あるいは注出が可能となる。流体通過部材5を通じて空気等の圧縮性流体が、中空の管状弾性体2に供給される。
供給された圧縮性流体により内圧を管状弾性体2の内部空間に与えると、管状弾性体2が主に半径方向に膨張しようとする。しかしながら、変形方向規制部材3の作用により、管状弾性体2の中心軸方向の運動に変換され、全長が収縮するため、直動駆動の弾性体アクチュエータ100として利用可能である。
弾性体アクチュエータ駆動機構10は、1組の弾性膨張収縮構造体1を関節軸6−1又は6−2を支点に対向するように配設する。1組の弾性膨張収縮構造体1のうちのどちらか一方の弾性膨張収縮構造体1が収縮し、他方の弾性膨張収縮構造体1が伸張する。そして、支点(関節軸6−1又は6−2)を介して力が作用して、関節軸6−1又は6−2の軸が回転する拮抗型駆動構造とすることにより、関節軸6−1又は6−2での正逆回転運動を実現することができる。具体的には、弾性膨張収縮構造体1−1aと弾性膨張収縮構造体1−1bとの拮抗駆動により第1関節軸6−1は、正逆回転駆動する。弾性膨張収縮構造体1−2aと弾性膨張収縮構造体1−2bとの拮抗駆動により第2関節軸6−2は、正逆回転駆動する。
下端が固定床301に固定された棒状の支持部材303の上端には、第1関節軸6−1と同心に円板型支持体302が回転自在に支持されている。支持部材303の下端部の固定床301側には、支持部材303の長手方向と直交して延びる棒状の支持体307が固定されている。円板型支持体302と支持体307との間には、弾性膨張収縮構造体1−1a及び1−1bのそれぞれの端部が回転自在に連結されている。よって、弾性膨張収縮構造体1−1a及び1−1bの拮抗駆動により、第1関節軸6−1の支持軸314の軸回りにxy面内で円板型支持体302が正逆回転する。この結果、円板型支持体302に連結された弾性体アクチュエータ駆動機構10の前腕311と棒状の駆動軸313とを一体的に正逆回転できる。
前腕311の棒状の支持部材308は、円板型支持体302に基端が固定されて、円板型支持体302と一体的に回転可能となっている。
また、支持部材308の先端側には、支持部材308の長手方向に直交して延びるように固定された棒状の支持体310の中心が第2関節軸6−2の軸芯回りに回転可能に連結されている。支持部材308の円板型支持体302と先端側の支持体310との間には、弾性膨張収縮構造体1−2a及び1−2bのそれぞれの端部が回転自在に連結されている。よって、弾性膨張収縮構造体1−2a及び1−2bの拮抗駆動により、第2関節軸6−2の支持軸315の軸回りにxy面内で、支持体310が正逆回転する。この結果、支持体310に連結された弾性体アクチュエータ100の駆動機構10の駆動部材313を相対的に正逆回転させることができる。
圧力センサ9−1a,9−1bは、弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1bのそれぞれの内部状態(一例として、内部圧力)を計測する内部状態計測手段112の一例である。圧力センサ9−1a,9−1bは、弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1bのそれぞれの流体通過部材5(流体注入出口)に配設され、それぞれの弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1b内の圧力を計測する。同じく、弾性膨張収縮構造体1−2a、1−2bにも内部状態計測手段107の一例である圧力センサ9−2a,9−2b(図11参照)が配設されている。
弾性膨張収縮構造体1−1a及び1−1bと、弾性膨張収縮構造体1−2a及び1−2bとには、後述するように、流量比例電磁弁18がそれぞれ接続されている。全ての流量比例電磁弁18は、制御部の一例としての一般的なパーソナルコンピュータにより構成された制御コンピュータ19に接続されている。制御コンピュータ19は、流量比例電磁弁18を介して、弾性膨張収縮構造体1−1a及び1−1bと、弾性膨張収縮構造体1−2a及び1−2bとのそれぞれの収縮及び伸張動作をそれぞれ独立して制御する。また、各関節軸6−1,6−2には出力計測手段の一例である変位計測手段(本第1実施形態では一例としてのエンコーダ8)が配設されており、各エンコーダ8により各関節軸6−1,6−2の関節角度が測定可能である。各弾性膨張収縮構造体1には内部状態計測手段の一例である圧力計測手段(本第1実施形態では一例として圧力センサ9(9−1a,9−1b,9−2a,9−2b))が配設され、圧力センサ9により各弾性膨張収縮構造体1の内部圧力が測定可能となっている。
以上のような構造とすれば、多自由度を生かし、例えば駆動軸313の代わりに、物体を把持可能なハンドを取り付ければ、物体の把持及び運搬など、弾性体アクチュエータ駆動機構10として基本的な機能を実現することができる。ハンドを取り付けた弾性体アクチュエータ駆動機構10の例を図20に示す。ハンド31には開閉用のモータ32が取り付けられており、このモータ32を動作させることでハンド31を閉じて運搬物体32を把持することができる。このハンド31の位置及び姿勢を、以下では手先位置及び姿勢として説明する。
図3は、本発明の第1実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10を駆動するための空気圧供給系の構成を示す図である。
図3では弾性体アクチュエータの駆動機構10の第2関節軸6−2を正逆回転駆動する部分のみを記し、他の部分は省略している。弾性体アクチュエータの駆動機構10の第1関節軸6−1を正逆回転駆動する部分も同様な構造であり、同様に作用する。
図3において、16は例えばコンプレッサー等の空気圧源、17は空気圧源16の空気圧フィルタ17a、空気圧減圧弁17b、及び空気圧用ルブリケータ17cが1組になった空気圧調整ユニットである。流量比例電磁弁の一例としての5ポート流量制御電磁弁18は、電磁石の力でスプール弁などを駆動することで流量を制御する。制御コンピュータ19は、D/Aボードなどの入出力IF20を搭載し、5ポート流量制御電磁弁18に電圧指令値を出力することにより、それぞれの流体通過部材5を流れる各空気の流量を独立して制御可能とする。
次に、図3に示す空気圧供給系の動作について説明する。空気圧源16により生成された高圧空気は、空気圧調整ユニット17により減圧され、例えば600[kPa]といった一定圧力に調整され、5ポート流量制御電磁弁18に供給される。5ポート流量制御電磁弁18の開度は、制御コンピュータ19より入出力IF20を介して出力される電圧指令値に比例して制御される。制御コンピュータ19から5ポート流量制御電磁弁18に正の電圧指令値が入力された場合には、空気圧回路記号のAで示した状態になる。そして、空気圧源16側から弾性膨張収縮構造体1−2a側への流路が開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気が弾性膨張収縮構造体1−2a側に供給される。また、弾性膨張収縮構造体1−2b側は、大気圧側への流路が開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気流が弾性膨張収縮構造体1−2b側から大気中へ排気される。
したがって、図2に示すように、弾性膨張収縮構造体1−2aの全長が縮み、弾性膨張収縮構造体1−2bの全長が伸びることにより、電圧指令値の絶対値に比例した速度で第2関節軸6−2は右回転運動を行う。一方、制御コンピュータ19から5ポート流量制御電磁弁18に負の電圧指令値が入力された場合には、空気圧回路記号のBで示した状態になる。そして、弾性膨張収縮構造体1−2a,1−2bの動作は逆となり(すなわち、弾性膨張収縮構造体1−2aの全長が伸び、弾性膨張収縮構造体1−2bの全長が縮むことにより)、第2関節軸6−2は左回転運動を行う。
すなわち、5ポート流量制御電磁弁18から弾性膨張収縮構造体1側に供給された空気流は、流体通過部材5により封止部材4を通過し、管状弾性体2の内部に到達し、管状弾性体2の内圧を発生させる。管状弾性体2は、発生した内圧により膨張するが、変形方向規制部材3の網目状に組まれた繊維コードの拘束作用(規制作用)により、膨張による半径方向の変形が規制されて軸方向の長さの収縮に変換され、図3の上側(図2の下側)に示すように弾性膨張収縮構造体1の全長が短くなる。一方、5ポート流量制御電磁弁18から空気を大気中に排気し、管状弾性体2の内圧を減ずれば、管状弾性体2の弾性力により復元して膨張が解消されて、弾性膨張収縮構造体1の全長は図3の下側(図2の上側)に示すように伸張する。
この結果、図2において、右端で固定されていると考えると、上記伸縮により、管状弾性体2の左端では距離dの差があることになる。したがって、第1実施形態における弾性膨張収縮構造体1は、空気圧を供給制御することにより、直動変位のアクチュエータとして機能させることが可能である。伸張及び短縮量は弾性膨張収縮構造体1の内圧に概ね比例するので、制御コンピュータ19で5ポート流量制御電磁弁18を制御して弾性膨張収縮構造体1に供給される空気流量を制御すれば、弾性膨張収縮構造体1の全長を制御できる。
図1に示す弾性体アクチュエータ駆動機構10では、弾性膨張収縮構造体1−1aと1−1bによる拮抗駆動、及び、弾性膨張収縮構造体1−2aと1−2bによる拮抗駆動のために、拮抗する一対の弾性膨張収縮構造体1のそれぞれに対して5ポート流量制御電磁弁18が配設されて、図3と同様の空気圧供給系が構成されている。そして、制御コンピュータ19よりD/Aボード20を介してそれぞれの5ポート流量制御電磁弁18に出力される電圧指令値により、弾性体アクチュエータ駆動機構10の全ての関節軸6−1,6−2が同時に独立して正逆回転駆動できる。
図6は、本発明の第1実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10とその制御装置21−1などの具体的な構成を示す図であり、上記制御装置21−1は、例えば、上記制御コンピュータ19内に備えられており、目標軌道生成手段11と、目標圧力差計算手段14と、角度誤差補償手段12と、圧力差計算手段13と、圧力差誤差補償手段15と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、エンコーダ故障診断手段23と、駆動装置102と、を備えて構成している。ただし、図6において、10は弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置21−1の制御対象である図1に示す弾性体アクチュエータ駆動機構である。弾性体アクチュエータ駆動機構10からは、それぞれの関節軸6−1,6−2のエンコーダ8により計測される計測値の一例としての関節角の現在値(関節角度ベクトル)q=[q,qと、それぞれの弾性膨張収縮構造体1の圧力センサ9により計測される内部状態計測値の一例としての弾性膨張収縮構造体1の内圧P=[P1a,P1b,P2a,P2bとが出力される。ただし、q,qは、それぞれ、エンコーダ8で計測された第1関節軸6−1、第2関節軸6−2の関節角度である。また、P1a,P1b,P2a,P2bはそれぞれ、圧力センサ9(9−1a,9−1b,9−2a,9−2b)で計測された弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1b、1−2a、1−2bの内圧である。
圧力差計算手段13は、圧力センサ9により計測された内圧P(計測値P)が入力され、圧力センサ9の計測値Pより圧力差ΔP=[ΔP,ΔP=[P1a−P1b,P2a−P2bが計算されて、内部状態誤差計算部109とエンコーダ故障診断手段(エンコーダ故障判断手段)23とに出力される。
目標軌道生成手段11は、目標とする弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作を実現するための目標関節角度ベクトルqを出力誤差計算部107とエンコーダ故障診断手段23と目標圧力差計算手段14とに出力する。目標とする弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作は、目的とする作業に応じて、事前に、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとの目標角度ベクトルqdt=[qdt1,qdt2(qd0、qd1、qd2、・・・)が記録されている。例えば、弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムとして、そのような目標角度ベクトルが記録されている。そして、目標軌道生成手段11は、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとの角度(qd0、qd1、qd2、・・・)の情報を基に多項式補間を使用し、各ポイント間の軌道を補完し、目標関節角度ベクトルq=[qd1,qd2を生成する。
出力誤差計算部107は、目標軌道生成手段11から出力された目標関節角度ベクトルqとエンコーダ8の出力qとが入力され、角度誤差ベクトルq=q−qを計算し、出力誤差の一例として角度誤差ベクトルqを出力する。
出力誤差補償手段106の一例である角度誤差補償手段12は、出力誤差計算部107により出力される角度誤差ベクトルqが入力され、制御指令値の一例として角度誤差修正指令値ΔPqeが内部状態誤差計算部109に出力される。エンコーダ故障時には、エンコーダ故障診断手段23の異常信号が角度誤差補償手段12に入力される。
目標内部状態決定手段108の一例である目標圧力差計算手段14は、目標軌道生成手段11から出力された目標関節角度ベクトルqが入力され、目標関節角度ベクトルqより目標圧力差(圧力差の目標値)ΔP=[ΔP1d,ΔP2dが算出され、目標内部状態誤差計算部109に出力される。ただし、ΔP1d,ΔP2dはそれぞれ、弾性膨張収縮構造体1−1aと1−1bの圧力差の目標値、及び、弾性膨張収縮構造体1−2aと1−2bの圧力差の目標値である。
ここで、図7は目標圧力差計算手段14に予め記憶されている方程式の一例を示す図である。目標圧力差計算手段14は、図7に示す方程式を内部に持ち、この方程式を使用して、入力された目標関節角度ベクトルqから目標圧力差ΔPを算出する。例えば、目標関節角度ベクトルqがq=[0,−10]のとき、目標圧力差ΔPはΔP=[0,200]となる。
図6に戻って、内部状態誤差計算部109は、目標圧力差計算手段14から出力される目標圧力差ΔPと、角度誤差補償手段12から出力される角度誤差修正指令値ΔPqeとを加算し、加算された値から、圧力差計算手段13から出力される圧力差ΔPを減算して、圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出し、算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを圧力差誤差補償手段15に出力する。
内部状態誤差補償手段111の一例である圧力差誤差補償手段15は、内部状態誤差計算部109から圧力差誤差ΔPが入力され、圧力差誤差修正出力VΔpeを算出し、算出した圧力差誤差修正出力VΔpeを弾性体アクチュエータ駆動機構10の駆動装置102に出力する。圧力差誤差修正出力VΔpeは、D/Aボードなどの入出力IF20を介して駆動装置102の一例としての空気圧供給系の5ポート流量制御電磁弁18に電圧指令値として与えられ、各関節軸6−1,6−2がそれぞれ独立して正逆回転駆動されて弾性体アクチュエータ駆動機構10が動作する。
異常診断手段104の一例であるエンコーダ故障診断手段(エンコーダ異常診断手段)23は、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qと目標軌道生成手段11の出力(目標関節角度ベクトル)qと圧力差計算手段13からの出力(圧力差)ΔPとから、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)が正常かどうかを診断する。診断した結果、エンコーダ故障診断手段23が正常でない、すなわち、異常であると判断した場合には、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に異常通知信号を出力する。一方、診断した結果、エンコーダ故障診断手段23が正常であると判断した場合には、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に異常通知信号は出力しない。又は、正常であると判断した場合には、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に正常通知信号を出力する。
エンコーダ故障診断手段23の正常かどうかの判断の例として、次のような手法を用いる。例えば、関節軸6の設計可動角度に対して、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qが一定以上超えた場合、エンコーダ8は異常である、とエンコーダ故障診断手段23で判断する。また、例えば、関節軸6の設計可動な角度範囲が±60度であった場合、エンコーダ8の出力qの絶対値が60度を超える値をとった場合は、エンコーダ8が異常である(例えば、故障している)、とエンコーダ故障診断手段23で判断する。また、例えば、関節軸6の回転速度には到達可能速度があるため、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qが所定時間内に一定以上変動した場合は、エンコーダ8が異常である(例えば、故障している)、とエンコーダ故障診断手段23で判断する。また、異常の別の例として、エンコーダ8が故障して動作しない場合を検出するために、目標関節角度ベクトルqが変動しているのに対応して圧力差計算手段13からの出力(圧力差)ΔPが変動しているにもかかわらず、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qの変動が無い場合には、エンコーダ8が異常である、とエンコーダ故障診断手段23で判断する。異常であるとの診断は、上記の条件が1つでも満たされれば、エンコーダ8は異常である、とエンコーダ故障診断手段23で判断する。言い換えれば、弾性体アクチュエータ100の出力の計測値が予め定められた範囲外となる場合、又は、弾性体アクチュエータ100の出力の計測値と内部状態計測手段の一例である圧力センサ9で計測された弾性体アクチュエータ100の内部状態(圧力P)の計測値との対応関係が予め定められた関係情報から外れる場合には、異常であると判断し、逆に、それ以外の場合には異常ではない(正常である)と判断する。この出願では、「故障」は、「異常」の一態様として取り扱っている。
出力誤差補償手段106の一例である角度誤差補償手段12は、エンコーダ故障診断手段23からエンコーダ8の異常信号が入力された場合は、出力誤差計算部107により出力される角度誤差ベクトルqの値に関わらず、角度誤差修正指令値ΔPqeを出力しない(言い換えれば、ΔPqe=0とする。)。
駆動装置102の一例である空気圧供給系のD/Aボードなどの入出力IF20及び5ポート流量制御電磁弁18は、圧力誤差補償手段15の出力である角度誤差修正指令値VΔpeに基づいて関節6を駆動する。
以上の原理に基づく制御プログラムの実際の動作ステップについて、図8のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1では、エンコーダ8により計測された関節6の関節角度qが上記制御装置21−1に取り込まれる。
次いで、ステップS2では、圧力センサ9により計測された各アクチュエータ100の内部圧力値Pが上記制御装置21−1に取り込まれ、拮抗駆動されるそれぞれ2本のアクチュエータ100,100の内部圧力間の現在の圧力差ΔPが圧力差計算手段13により計算される。
次いで、ステップS3では、目標軌道生成手段11内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、目標軌道生成手段11は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の目標関節角度ベクトルqを計算する。
次いで、ステップS4では、目標軌道生成手段11から出力された目標関節角度ベクトルqとエンコーダ8からの出力である現在の関節角度qとの差である角度誤差ベクトルqが出力誤差計算部107により計算される。
次いで、ステップS5では、目標圧力差計算手段14により、目標軌道生成手段11から出力された目標関節角度ベクトルqから目標圧力差ΔPを算出する。
次いで、ステップS6では、目標軌道生成手段11の出力(目標関節角度ベクトル)q及びエンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)q及び圧力差計算手段13からの出力ΔPに基づき、エンコーダ故障診断手段23によりエンコーダ8が正常かどうか判断される。エンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で判断した場合、異常通知信号をエンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に出力する。エンコーダ8が正常であるとエンコーダ故障診断手段23で判断した場合、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12には、異常通知信号は出力しない。
以下では、ステップS6においてエンコーダ8が正常であるとエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
ステップS6に次いで、ステップS7では、出力誤差計算部107により計算された角度誤差ベクトルqに基づき、角度誤差修正指令値ΔPqeが角度誤差補償手段12により計算される。角度誤差補償手段12としては、例えば、PID補償器が考えられる。
次いで、ステップS8では、角度誤差補償手段12からの角度誤差修正指令値ΔPqe及び目標圧力差計算手段14からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。そして、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS1〜ステップS8が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作している場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
以下では、ステップS6においてエンコーダ8が正常ではない(言い換えれば、異常である)とエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
ステップS6に次いで、ステップS10では、エンコーダ故障診断手段23からの異常通知信号に基づき、角度誤差補償手段12より角度誤差修正指令値ΔPqe=0が出力される。
次いで、ステップS8では、角度誤差補償手段12からの角度誤差修正指令値ΔPqe=0なので、目標圧力差計算手段14からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。そして、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS1〜ステップS6及びステップS10及びステップS8が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作していない場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
以下、エンコーダ故障時に弾性体アクチュエータ駆動機構10が動作可能である動作原理について説明する。
図7は、図1に示す弾性体アクチュエータ100の圧力差ΔPと関節軸の関節角度との関係を示した一例の図であって、方程式の一例として目標圧力差計算手段14に予め記憶されている。図7に示した関係を利用した目標圧力差計算手段14の出力と圧力差誤差補償手段15の出力を、出力のフィードバック制御である角度誤差補償手段12の出力に追加することで、出力のフィードバック制御のみの場合と比べ、応答性を改善することが可能である。
このように目標圧力差計算手段14と圧力差誤差補償手段15とを正常時は制御系の応答性を改善するために利用しているが、同時に、図7に示した圧力差ΔPと関節角度の関係を利用することで、目標関節角度ベクトルqが決まればそれを実現するための目標圧力差ΔPが決まるため、エンコーダ8の故障時には、角度誤差補償手段12によるフィードバック制御の効果が無くても、ある程度の位置決めが可能となる。
以上のように、上記第1実施形態の上記制御装置21−1は、圧力センサ9及び目標圧力差計算手段14及び圧力差誤差補償手段15を備え、弾性体アクチュエータ駆動機構10の内部状態をフィードバックする内部圧力制御系を構成する。さらにエンコーダ故障診断手段23を配設して、エンコーダ8が正常かどうかを診断し、エンコーダ8が正常ではないと診断したときには角度誤差補償手段12の出力を停止し、目標圧力差計算手段14及び圧力差誤差補償手段15によるエンコーダ故障時指令値(エンコーダ異常時指令値、すなわち、異常通知信号)に基づき駆動装置102を駆動する制御系を上記制御装置21−1で構成することにより、教示データを予め用意したり、代替信号を演算できるセンサを備えたりすることなく、エンコーダ8が故障した場合にも、即座に動作停止せず、動作継続可能な、安全な弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御が可能となる。エンコーダ8が故障した場合にも即座に動作停止せず動作継続可能な安全な弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御が可能となることにより、図20に示すような物体搬送を行う駆動機構においてより効果を発揮することが可能となる。搬送物体30を搬送する場合において、搬送物体30を把持している状態においてエンコーダ8が故障した場合、即座に動作停止してしまうと搬送物体30はハンド31に把持されたまま空中で停止してしまう場合がある。しかし、上記第1実施形態の上記制御装置21−1によれば、位置制御精度は高くないものの、ある程度の位置決めができ動作継続可能であるため、少なくとも搬送中の物体(例えば重い荷物又は人)を空中から所定の場所付近(例えば地面又は床)に設置するところまで動作することができる。これにより、物体搬送を行う駆動機構において、より安全な制御が可能となる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21−2の具体的な構成を示す図であり、上記制御装置21−2は、例えば、上記制御コンピュータ19内に備えられており、目標軌道生成手段11と、目標圧力差計算手段14と、角度誤差補償手段12と、圧力差計算手段13と、圧力差誤差補償手段15と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、エンコーダ故障診断手段23と、出力異常時目標圧力差計算手段24と、目標内部状態加算部110と、駆動装置102と、を備えて構成している。
第一の目標内部状態決定手段の一例である目標圧力差計算手段14は、目標関節角度ベクトルqとエンコーダ故障診断手段23からの異常通知信号が入力される。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が無いときは、目標関節角度ベクトルqより目標圧力差(圧力差の目標値)ΔP=[ΔP1d,ΔP2dが算出され、目標内部状態加算部110に向けて出力される。ただし、ΔP1d,ΔP2dはそれぞれ、弾性膨張収縮構造体1−1aと1−1bの、弾性膨張収縮構造体1−2aと1−2bの圧力差の目標値である。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が有るときは、目標関節角度ベクトルqの値に関わらず目標圧力差ΔPを出力しない。(ΔP=0とする。)
第2の目標内部状態決定手段(異常時目標内部状態決定手段)の一例である、出力異常時目標圧力差計算手段24は、目標軌道生成手段11からの目標関節角度ベクトルqとエンコーダ故障診断手段23からの異常通知信号とが入力されて、目標圧力差ΔPを算出して出力する。よって、上記目標圧力差計算手段14は、正常時目標圧力差計算手段(正常時目標内部状態決定手段の一例)として機能する。
エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が出力異常時目標圧力差計算手段24にないときは、出力異常時目標圧力差計算手段24は目標圧力差ΔPを出力しない(ΔP=0とする。)。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が出力異常時目標圧力差計算手段24に有るときは、出力異常時目標圧力差計算手段24は、目標関節角度ベクトルqより目標圧力差(圧力差の目標値)ΔP=[ΔP1d,ΔP2dが算出され、目標内部状態加算部110に向けて出力される。
ここで、図10は、出力異常時目標圧力差計算手段(出力目標圧力差計算手段)24の一例を示した、より詳細な図であり、出力異常時目標圧力差計算手段24は、負荷情報出力手段25と静力学モデル計算手段26と弾性体アクチュエータモデル計算手段27とで構成されている。
負荷情報出力手段25は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の駆動部材313に係る負荷情報を静力学モデル計算手段26に出力する。例えば、駆動部材313の先端に物体を取り付けた場合の物体の重量などが負荷情報に相当する。駆動部材313の先端に物体の一例として搬送物体30を取り付けた場合(例えば、搬送物体30を駆動部材313の先端のハンドなどで把持した場合)の弾性体アクチュエータ駆動機構10の先端部を図11に示す。図11に示す例では、搬送物体30の重量が負荷である。
静力学モデル計算手段26は、負荷情報出力手段25の出力である負荷情報及び目標軌道生成手段11の出力である目標関節角度ベクトルqが入力され、各弾性膨張収縮構造体1に求められる力出力ベクトルF=[F1a−F1b,F2a−F2bと各弾性膨張収縮構造体1に求められる歪量ベクトルε=[ε1a,ε1b,ε2a,ε2bを弾性体アクチュエータモデル計算手段27に出力する。ただしF1a,F1b,F2a,F2bはそれぞれ弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1b、1−2a、1−2bに求められる力、ε1a,ε1b,ε2a,ε2bはそれぞれ弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1b、1−2a、1−2bに求められる歪量である。
弾性体アクチュエータモデル計算手段27は、静力学モデル計算手段26の出力である力出力ベクトルFと歪量ベクトルεと目標軌道生成手段11の出力である目標関節角度ベクトルqとが入力され、目標圧力差(圧力差の目標値)ΔPdem=[ΔP1dem,ΔP2demが算出され、目標内部状態加算部110に出力される。
図11の例を用いて、出力異常時目標圧力差計算手段24をより具体的に説明する。重力加速度をgとし、重力加速度方向を図11の−y方向とする(図11の下向きの方向)。x軸を図11の右方向を正、y軸は図11の上方向を正、z軸は図11の紙面を貫通する方向の奥側を正とする。
負荷情報出力手段25は、あらかじめ記憶している搬送物体30の質量mから負荷情報mgを算出し、静力学モデル計算手段26に出力する。
静力学モデル計算手段26は、負荷情報出力手段25から入力された負荷情報mgと目標軌道生成手段11の出力である目標関節角度ベクトルqとから関節軸6−2の必要トルクを計算する。図11の例ではqd2=θであり、lは駆動部材313の長手方向沿いの搬送物体30の重心から第2関節軸6−2の回転中心までの長さであり、θは水平軸に対する駆動部材313の長手方向の傾斜角度であり、必要トルクτ
Figure 2011086638
である。そして、このトルクτを発生するのに必要な各弾性膨張収縮構造体1に求められる力は
Figure 2011086638
より
Figure 2011086638
となる。ここで、lは駆動部材313の長手方向と直交する支持体310の長手方向沿いにおける、第2関節軸6−2の回転中心と弾性膨張収縮構造体1−2a(1−2b)の端部が回転自在に支持体310に連結された連結部との距離である(図12参照)。
さらに、静力学モデル計算手段26は、目標関節角度ベクトルqから各弾性膨張収縮構造体1に求められる歪量を計算する。歪量はqd2=θであることから
Figure 2011086638
となる。ただしεは第2関節軸6−2が中立の状態での弾性膨張収縮構造体1−2a、1−2bの歪量、Nは弾性膨張収縮構造体1−2a、1−2bの自然長である。
これらの力F2a−F2bと歪量ε2a、ε2bを静力学モデル計算手段26から弾性体アクチュエータモデル計算手段27に出力する。
弾性体アクチュエータモデル計算手段27は、静力学モデル計算手段26から力出力ベクトルFと歪量ベクトルεとが入力され、目標圧力差(圧力差の目標値)ΔPdem=[ΔP1d,ΔP2dを算出して、出力する。
図13及び図14は、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の一例を示す図である。図13は、各弾性膨張収縮構造体1−2a、1−2bの歪量と収縮率と圧力との関係を示す図であり、図14は、5ポート流量制御電磁弁18を使用した際の5ポート流量制御電磁弁18の指令電圧と一対の弾性膨張収縮構造体1−2a、1−2bの圧力とを示す図である。これらの関係から、目標圧力差(圧力差の目標値)ΔPdemを弾性体アクチュエータモデル計算手段27で算出して、出力する。
弾性体アクチュエータモデル計算手段27の実際の動作ステップについて、図15のフローチャートに基づいて説明する。図15では、簡略化のため、対になっている弾性膨張収縮構造体1のうちの一方の弾性膨張収縮構造体1を「a」と表示し、他方の弾性膨張収縮構造体1を「b」と表示している。
ステップS11では、静力学モデル計算手段26から入力された歪量ベクトルεより、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の記憶部にあらかじめ記憶された各弾性膨張収縮構造体1の圧力と収縮力の関係データを、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の記憶部から演算処理部に読み込む。
次いで、ステップS12では、対になっている弾性膨張収縮構造体1のうちの一方の弾性膨張収縮構造体1の圧力値Pを初期値に設定する。圧力の初期値は、圧力の取り得る範囲の上端の値とする。
次いで、ステップS13では、ステップS11で記憶部から弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部に読み込んだデータから、ステップS12で決めた圧力値に対応する、一方の弾性膨張収縮構造体1の収縮力Fを演算処理部で読み取る。
次いで、ステップS14では、図14に示す弾性膨張収縮構造体1の圧力と5ポート流量制御電磁弁18の電圧の関係から、ステップ12で圧力を決定した一方の弾性膨張収縮構造体1と対になる他方の弾性膨張収縮構造体1の圧力値Pを演算処理部に読み込む。
次いで、ステップS15では、ステップS11で読み込んだデータからステップS14で決めた圧力値に対応する、他方の弾性膨張収縮構造体1の収縮力Fを演算処理部で読み取る。
次いで、ステップS16では、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で、ステップ13で決定した収縮力Fとステップ15で決定した収縮力Fとの差であるF−Fと入力された力出力ベクトルFの要素
Figure 2011086638
との差である収縮力誤差F=(F−F)−(Fia−Fib)を計算する。ただし、nは繰り返し回数(n≧1の整数)を意味する。
次いで、ステップS17では、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で、収縮力誤差Fが予め決めておいた閾値δ以下かどうか判定する。収縮力誤差Fが閾値δ以下のときは、目標の収縮力差を実現できる目標圧力P、Pが探索できたとする。
以下では、ステップS17において、収縮力誤差Fが閾値δ以下の場合であると、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で判定されるときについて述べる。
ステップS17に次いで、ステップS18では、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で、圧力差ΔP2dem=P−Pを算出する。例えば、ΔP2dem=500−350=150kPaと算出される。以上で、圧力差ΔP2demの算出が終了する。
以下では、ステップS17において、収縮力誤差Fが閾値δよりも大きい場合であると、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で判定されるときについて述べる。
ステップS17に次いで、ステップ19では、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で今回の収縮力誤差Fと前回の収縮力誤差Fn−1の正負が一致するかどうか判定する。今回と前回の正負が一致しない場合は、前回の圧力値と今回の圧力値との間の圧力値が求める圧力値であることがわかる。ただし、今回が1回目Fの場合は、前回の収縮力誤差が存在しないため、正負は一致すると扱う。
以下では、ステップS19において、今回の収縮力誤差Fと前回の収縮力誤差Fn−1の正負が一致した場合であると、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で判定されるときについて述べる。
ステップS19に次いで、ステップS20において、演算処理部で、一方の弾性膨張収縮構造体1の圧力値Pを再設定する。圧力値Pは初期値から徐々に減少させて探索するので、現在の圧力値Pから、設定してある探索幅ΔPを減じた値を、次の圧力値Pと設定する。新しい圧力値Pで、ステップS13に戻り、ステップS13以降のステップで繰り返し探索を行う。
以下では、ステップS19において、今回の収縮力誤差Fと前回の収縮力誤差Fn−1の正負が一致しなかった場合であると、弾性体アクチュエータモデル計算手段27の演算処理部で判定されるときについて述べる。正負が一致しなかった場合は、前回の圧力値と今回の圧力値との間に、求めたい圧力値があることがわかるため、探索幅ΔPを細かく設定し、再び、前回の圧力値から再探索を演算処理部で行う。
ステップS19に次いで、ステップS21では、演算処理部で、弾性膨張収縮構造体1の片側の圧力値Pを前回の圧力値に設定し直す。設定の仕方は、圧力値Pに探索幅ΔPを加算することで、前回の圧力値に演算処理部で設定できる。
次いで、ステップS22では、演算処理部で、探索幅ΔPを小さく再設定する。探索幅ΔPをどのように小さくするかは、例えば最初は50、次は20、次は1といったように、弾性体アクチュエータモデル計算手段27内に、探索幅ΔPの減少幅をあらかじめ記憶してある。
次いで、ステップS23では、演算処理部で、新しい探索幅ΔPを用いて、一方の弾性膨張収縮構造体1の圧力値Pを再設定する。現在の圧力値Pから、ステップS22で再設定した探索幅ΔPを減じた値を、次の圧力値Pと演算処理部で設定する。新しい圧力値Pで、ステップS13に戻り、ステップS13以降のステップで繰り返し探索を行う。
以上のステップS11〜ステップS23を繰り返し実行することにより、弾性体アクチュエータモデル計算手段27では、静力学モデル計算手段26から入力された歪量ベクトル及び力出力ベクトルの値から、弾性膨張収縮構造体1に求められる圧力差の算出が実現する。
上記圧力差の算出を関節軸6−1、6−2それぞれについて行い、目標圧力差ΔPdem=[ΔP1d,ΔP2dを弾性体アクチュエータモデル計算手段27で算出する。弾性体アクチュエータモデル計算手段27は、算出した目標圧力差ΔPdemを目標内部状態加算部110に出力する。
目標内部状態加算部110は、目標圧力差計算手段14からの出力である目標圧力差ΔPと出力異常時目標圧力差計算手段24からの出力である目標圧力差ΔPdemとを加算して目標圧力差を算出して、内部状態誤差計算部109に出力する。
内部状態誤差計算部109は、目標内部状態加算部110から出力される目標圧力差と、角度誤差補償手段12から出力されるΔPqeとを加算し、加算された値から、圧力差計算手段13から出力されるΔPを減算して圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出して、圧力差誤差補償手段15に向けて出力する。
その他の構成は、図6に示した第1実施形態の制御装置21−1と同様であり、説明は省略する。
以上の原理に基づく制御プログラムの実際の動作ステップについて、図16のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS31では、エンコーダ8により計測された関節角度qが上記制御装置21−2に取り込まれる。
次いで、ステップS32では、圧力センサ9により計測された各アクチュエータ100の内部圧力値Pが上記制御装置21−2に取り込まれ、拮抗駆動されるそれぞれ2本のアクチュエータ100,100の内部圧力間の現在の圧力差ΔPが、圧力差計算手段13により計算される。
次いで、ステップS33では、目標軌道生成手段11内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、目標軌道生成手段11は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の目標関節角度ベクトルqを計算する。
次いで、ステップS34では、目標軌道生成手段11の出力(目標関節角度ベクトル)q及びエンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)q及び圧力差計算手段13からの出力ΔPに基づき、エンコーダ故障診断手段23によりエンコーダ8が正常かどうかが判断される。エンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で判断した場合、異常通知信号をエンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12及び目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24に出力する。
以下では、ステップS34においてエンコーダ8が正常であるとエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
ステップS34に次いで、ステップS35では、エンコーダ8が正常であるため目標圧力差計算手段14には異常通知信号が入力されていないので、目標圧力差計算手段14により、目標軌道生成手段11からの目標関節角度ベクトルqから目標圧力差ΔPを算出する。
次いで、ステップS36では、目標軌道生成手段11からの目標関節角度ベクトルqとエンコーダ8からの現在の関節角度qとの差である角度誤差ベクトルqが出力誤差計算部107により計算される。
次いで、ステップS37では、出力誤差計算部107からの角度誤差ベクトルqに基づき角度誤差修正指令値ΔPqeが角度誤差補償手段12により計算される。角度誤差補償手段12としては、例えば、PID補償器が考えられる。
次いで、ステップS38では、エンコーダ8が正常であるため目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び出力異常時目標圧力差計算手段24には異常通知信号が入力されていないので、目標圧力差計算手段14からの出力である目標圧力差ΔPと出力異常時目標圧力差計算手段24からの出力である目標圧力差ΔPdem(=0)とを目標内部状態加算部110で加算して目標圧力差ΔPを算出して、内部状態誤差計算部109に出力する。内部状態誤差計算部109では、角度誤差補償手段12により計算された角度誤差修正指令値ΔPqe及び目標内部状態加算部110からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。そして、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS31〜ステップS39が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作している場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
以下では、ステップS34においてエンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
ステップS34に次いで、ステップS40は、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に入力された異常通知信号に基づき、角度誤差補償手段12より、ΔPqe=0が出力される。
次いで、ステップS41では、エンコーダ故障診断手段23から出力目標圧力差計算手段24に入力された異常通知信号に基づき、出力目標圧力差計算手段24により、目標軌道生成手段11からの目標関節角度ベクトルqから、異常時目標値としての目標圧力差ΔPdemを算出する。
次いで、ステップS38では、エンコーダ8が正常ではないため目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び出力異常時目標圧力差計算手段24に異常通知信号が入力されているので、目標圧力差計算手段14からの出力である目標圧力差ΔP=0及び出力異常時目標圧力差計算手段24からの出力である目標圧力差ΔPdemを目標内部状態加算部110で加算して目標圧力差ΔPを算出して、内部状態誤差計算部109に出力する。内部状態誤差計算部109では、角度誤差補償手段12により計算された角度誤差修正指令値ΔPqe=0及び目標内部状態加算部110からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。そして、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS31〜ステップS34、ステップS40,ステップS41,ステップS38が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作していない場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
以上のように、上記第2実施形態の上記制御装置21−2によれば、圧力センサ9及び目標圧力差計算手段14及び圧力差誤差補償手段15を配設して、弾性体アクチュエータ100の内部状態をフィードバックする内部圧力制御系を構成し、さらにエンコーダ故障診断手段23を配設して、エンコーダ8が正常かどうかを診断している。よって、エンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で診断したときには、角度誤差補償手段12の出力を停止し、さらに、出力異常時目標圧力差計算手段24を配設して、エンコーダの異常時には、目標圧力差計算手段24及び圧力差誤差補償手段15に基づき駆動装置102を駆動する制御系を上記制御装置21−2で構成する。このように構成することにより、教示データを予め用意したり、代替信号を演算できるセンサを備えたりすることなく、エンコーダ8が故障した場合にも、弾性体アクチュエータ100を即座に動作停止せず、弾性体アクチュエータ100の動作継続が可能な、安全な弾性体アクチュエータの駆動機構10の制御が可能となる。
さらに、上記第2実施形態では、出力異常時目標圧力差計算手段24を配設して、弾性体アクチュエータ100の駆動機構10の静力学モデル及び弾性体アクチュエータ100の駆動機構10の負荷情報及び、弾性体アクチュエータモデルを利用するように構成している。このように構成することで、第1実施形態では実現できなかった、弾性体アクチュエータ100の駆動機構10の負荷による弾性体アクチュエータ100の駆動機構10の状態の変化に応じた、エンコーダ故障時の動作制御を行うことが出来る。
(第3実施形態)
図21は、本発明の第3実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21−2の具体的な構成を示す図である。上記制御装置21−2は、例えば、上記制御コンピュータ19内に備えられており、目標軌道生成手段11と、目標圧力差計算手段14と、角度誤差補償手段12と、圧力差計算手段13と、圧力差誤差補償手段15と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、エンコーダ故障診断手段23と、出力異常時目標圧力差計算手段24と、目標内部状態加算部110と、駆動装置102と、出力異常時目標軌道生成手段33と、目標軌道加算部113と、を備えて構成している。
異常診断手段104の一例であるエンコーダ故障診断手段(エンコーダ異常診断手段)23は、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qと目標軌道加算部113の出力(目標関節角度ベクトル)qと圧力差計算手段13からの出力(圧力差)ΔPとから、エンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)が正常かどうかを診断する。診断した結果、エンコーダ故障診断手段23が正常でない、すなわち、異常であると判断した場合には、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12と、目標圧力差計算手段14と、出力異常時目標圧力差計算手段24と、目標軌道生成手段11と、出力異常時目標軌道生成手段33とに異常通知信号を出力する。一方、診断した結果、エンコーダ故障診断手段23が正常であると判断した場合には、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12と、目標圧力差計算手段14と、出力異常時目標圧力差計算手段24と、目標軌道生成手段11と、出力異常時目標軌道生成手段33とに異常通知信号は出力しない。なお、プログラム起動直後(初回動作)では、異常診断手段104は動作しない。
目標軌道生成手段11は、エンコーダ故障診断手段23からの異常通知信号が入力される。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が無いときは、目標とする弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作を実現するための目標関節角度ベクトルqを目標軌道生成手段11から目標軌道加算部113に出力する。目標関節角度ベクトルqの生成方法は第1実施形態と同様である。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が有るときは、目標関節角度ベクトルqを出力しない(q=0とする。)。なお、プログラム起動直後は、目標起動生成手段11は目標関節角度ベクトルqを目標軌道加算部113に出力する。
出力異常時目標軌道生成手段33は、エンコーダ故障診断手段23からの異常通知信号が入力される。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が無いときは、目標とする弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作を実現するための目標関節角度ベクトルqを出力しない(q=0とする。)。目標関節角度ベクトルqの生成方法は出力軌道生成手段11と同様であるが、事前に、記録されているそれぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとの目標角度ベクトルqdt=[qdt1,qdt2(qd0、qd1、qd2、・・・)が、出力軌道生成手段11とは異なっている。エンコーダ故障診断手段23から異常通知信号の入力が有るときは、目標関節角度ベクトルqを目標軌道加算部113に出力する。なお、プログラム起動直後は、出力異常時目標軌道生成手段33は目標関節角度ベクトルqを目標軌道加算部113に出力しない。
目標軌道加算部113は、目標軌道生成手段11からの出力である目標関節角度ベクトルと出力異常時目標軌道生成手段33からの出力である目標関節角度ベクトルとを加算して目標関節角度ベクトルを算出して、目標圧力差計算手段14と出力異常時目標圧力差計算手段24と出力誤差計算部107とに出力する。
その他の構成は、図6に示した第1実施形態の制御装置21−1と同様であり、説明は省略する。
以上の原理に基づく制御プログラムの実際の動作ステップについて、図22のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS51では、エンコーダ8により計測された関節角度qが上記制御装置21−2に取り込まれる。
次いで、ステップS52では、圧力センサ9により計測された各アクチュエータ100の内部圧力値Pが上記制御装置21−2に取り込まれ、拮抗駆動されるそれぞれ2本のアクチュエータ100,100の内部圧力間の現在の圧力差ΔPが、圧力差計算手段13により計算される。
次いで、ステップS53では、初回動作であるため目標圧力差計算手段14には異常通知信号が入力されていないので、目標軌道生成手段11内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、目標軌道生成手段11は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の目標関節角度ベクトルqを計算する。同じく初回動作であるため出力異常時目標軌道生成手段33には異常通知信号が入力されていないので、出力異常時目標軌道生成手段33は、目標関節角度ベクトルq=0を出力する。目標軌道加算部113は、目標軌道生成手段11の出力である目標関節角度ベクトルqと出力異常時目標軌道生成手段33の出力である目標関節角度ベクトルq=0を加算し、加算により求められた値を目標関節角度ベクトルとして、目標圧力差計算手段14と、出力異常時目標圧力計算手段24と、出力誤差計算部107とに出力する。
次いで、ステップS54では、初回動作であるため目標圧力差計算手段14には異常通知信号が入力されていないので、目標圧力差計算手段14により、目標軌道加算部113からの目標関節角度ベクトルqから、目標圧力差ΔPを算出する。
次いで、ステップS55では、目標軌道加算部113からの目標関節角度ベクトルqとエンコーダ8からの現在の関節角度qとの差である角度誤差ベクトルqが出力誤差計算部107により計算される。
次いで、ステップS56では、出力誤差計算部107からの角度誤差ベクトルqに基づき角度誤差修正指令値ΔPqeが角度誤差補償手段12により計算される。角度誤差補償手段12としては、例えば、PID補償器が考えられる。
次いで、ステップS56では、初回動作であるため目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び目標軌道生成手段11及び出力異常時目標軌道生成手段33には異常通知信号が入力されていないので、目標圧力差計算手段14からの出力である目標圧力差ΔPと出力異常時目標圧力差計算手段24からの出力である目標圧力差ΔPdem(=0)とを目標内部状態加算部110で加算して目標圧力差ΔPを算出して、内部状態誤差計算部109に出力する。
次いで、ステップS57では、内部状態誤差計算部109において、角度誤差補償手段12により計算された角度誤差修正指令値ΔPqe及び目標内部状態加算部110からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。
次いで、ステップS58では、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS51〜ステップS58の初回動作により、初回の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
次いで、ステップS59では、目標軌道生成手段11の出力(目標関節角度ベクトル)q及びエンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)q及び圧力差計算手段13からの出力ΔPに基づき、エンコーダ故障診断手段23によりエンコーダ8が正常かどうかが判断される。エンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で判断した場合、異常通知信号をエンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12及び目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び目標軌道生成手段11及び出力異常時目標軌道生成手段33に出力する。
以下では、ステップS59においてエンコーダ8が正常であるとエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
次いで、ステップS60では、エンコーダ8により計測された関節角度qが上記制御装置21−2に取り込まれる。
次いで、ステップS61では、圧力センサ9により計測された各アクチュエータ100の内部圧力値Pが上記制御装置21−2に取り込まれ、拮抗駆動されるそれぞれ2本のアクチュエータ100,100の内部圧力間の現在の圧力差ΔPが、圧力差計算手段13により計算される。
次いで、ステップS62では、エンコーダ8が正常であるため目標軌道生成手段11及び出力異常時目標軌道生成手段33には異常通知信号が入力されていないので、目標軌道生成手段11内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、目標軌道生成手段11は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の目標関節角度ベクトルqを計算する。また、出力異常時目標軌道生成手段33は目標関節角度ベクトルq=0を出力する。さらに、目標軌道加算部113で目標関節角度ベクトルが加算され加算後の目標関節角度ベクトルqが出力される。
次いで、ステップS63では、エンコーダ8が正常であるため目標圧力差計算手段14には異常通知信号が入力されていないので、目標圧力差計算手段14により、目標軌道加算部113からの目標関節角度ベクトルqから、目標圧力差ΔPを算出する。
次いで、ステップS64では、目標軌道加算部113からの目標関節角度ベクトルqとエンコーダ8からの現在の関節角度qとの差である角度誤差ベクトルqが、出力誤差計算部107により計算される。
次いで、ステップS65では、出力誤差計算部107からの角度誤差ベクトルqに基づき角度誤差修正指令値ΔPqeが角度誤差補償手段12により計算される。角度誤差補償手段12としては、例えば、PID補償器が考えられる。
次いで、ステップS66では、内部状態誤差計算部109において、角度誤差補償手段12により計算された角度誤差修正指令値ΔPqe及び目標内部状態加算部110からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。
次いで、ステップS67では、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS59〜ステップS67が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作している場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
以下では、ステップS59においてエンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で判断された場合について述べる。
ステップS59に次いで、ステップS68では、エンコーダ8により計測された関節角度qが上記制御装置21−2に取り込まれる。
次いで、ステップS67では、圧力センサ9により計測された各アクチュエータ100の内部圧力値Pが上記制御装置21−2に取り込まれ、拮抗駆動されるそれぞれ2本のアクチュエータ100,100の内部圧力間の現在の圧力差ΔPが、圧力差計算手段13により計算される。
次いで、ステップS62では、エンコーダ8が正常ではないため目標軌道生成手段11及び出力異常時目標軌道生成手段33には異常通知信号が入力されているので、出力異常時目標軌道生成手段33内に予め記憶されていた弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作プログラムに基づき、出力異常時目標軌道生成手段33は、弾性体アクチュエータ駆動機構10の目標関節角度ベクトルqを計算する。また目標軌道生成手段11は目標関節角度ベクトルq=0を出力する。さらに、目標軌道加算部113で目標関節角度ベクトルが加算され加算後の目標関節角度ベクトルqが出力される。
次いで、ステップ71では、エンコーダ故障診断手段23から角度誤差補償手段12に入力された異常通知信号に基づき、角度誤差補償手段12より、ΔPqe=0が出力される。
次いで、ステップS72では、エンコーダ故障診断手段23から出力目標圧力差計算手段24に入力された異常通知信号に基づき、異常時目標値生成手段の一例としても機能する出力目標圧力差計算手段24により、目標軌道加算部113からの目標関節角度ベクトルqから、異常時目標値としての目標圧力差ΔPdemを算出する。
次いで、ステップS66では、エンコーダ8が正常ではないため目標圧力差計算手段14及び出力異常時目標圧力差計算手段24及び出力異常時目標圧力差計算手段24に異常通知信号が入力されているので、目標圧力差計算手段14からの出力である目標圧力差ΔP=0及び出力異常時目標圧力差計算手段24からの出力である目標圧力差ΔPdemを目標内部状態加算部110で加算して目標圧力差ΔPを算出して、内部状態誤差計算部109に出力する。内部状態誤差計算部109では、角度誤差補償手段12により計算された角度誤差修正指令値ΔPqe=0及び目標内部状態加算部110からの目標圧力差ΔP及び圧力差計算手段13からの圧力差ΔPに基づき、内部状態誤差計算部109で圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPを算出する。そして、内部状態誤差計算部109で算出された圧力差誤差(圧力誤差値)ΔPに基づき、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15において計算される。
次いで、ステップS67では、圧力差誤差補償手段15からD/Aボードなどの入出力IF20を通じ、電圧指令値として、それぞれの流量制御電磁弁18に与えられ、それぞれの流量制御電磁弁18がそれぞれのアクチュエータ100内の圧力を変化させることにより、弾性体アクチュエータ駆動機構10のそれぞれの関節6の回転運動がそれぞれ発生する。
以上のステップS59、ステップS68〜ステップS72、ステップS66、ステップS67が制御の計算ループとして繰り返し実行されることにより、エンコーダ8が正常に動作していない場合の弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作の制御が実現する。
出力異常時目標軌道生成手段33を備えることにより、以下のような効果を発揮することができる。
例えば、エンコーダ8が正常のときにはA地点で物体を把持し、B地点で他の物体に物体をはめ込む組立作業を行う弾性体アクチュエータ駆動機構10のプログラムにおいて、目標軌道生成手段11に事前に記憶されている目標角度ベクトルqdtはA地点から移動を開始し、B地点に移動し、B地点で物体のはめ込み動作を行い、A地点に戻るといった動作となる。しかし、エンコーダ8が異常の場合、組み込み作業のような細かい動作の実現は難しくなるため、B地点で物体をはめ込む作業を行うのではなく、A地点に戻り、把持している物体を元の位置に置くほうが望ましい場合がある。このような場合には、出力異常時目標軌道生成手段33に事前に記憶されている目標角度ベクトルqdtはA地点に戻り、物体の把持を開放し、元の位置に物体を置くような動作を実現するように設定することで、所望の動作を実現することができる。
以上のように、上記第3実施形態の上記制御装置21−2によれば、圧力センサ9及び目標圧力差計算手段14及び圧力差誤差補償手段15を配設して、弾性体アクチュエータ100の内部状態をフィードバックする内部圧力制御系を構成し、さらにエンコーダ故障診断手段23を配設して、エンコーダ8が正常かどうかを診断している。よって、エンコーダ8が正常ではないとエンコーダ故障診断手段23で診断したときには、角度誤差補償手段12の出力を停止し、さらに、出力異常時目標圧力差計算手段24を配設して、エンコーダの異常時には、目標圧力差計算手段24及び圧力差誤差補償手段15に基づき駆動装置102を駆動する制御系を上記制御装置21−2で構成する。このように構成することにより、教示データを予め用意したり、代替信号を演算できるセンサを備えたりすることなく、エンコーダ8が故障した場合にも、弾性体アクチュエータ100を即座に動作停止せず、弾性体アクチュエータ100の動作継続が可能な、安全な弾性体アクチュエータの駆動機構10の制御が可能となる。
さらに、上記第3実施形態では、出力異常時目標軌道生成手段33を配設して、エンコーダの異常時には正常時と異なった目標軌道を生成するように構成している。このように構成することで、第2実施形態では実現できなかった、エンコーダ故障時には故障に応じた目標位置に弾性体アクチュエータの駆動機構10を動作させることができる、エンコーダ故障時の動作制御を行うことが出来る。
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態にかかる弾性体アクチュエータ駆動機構10の制御装置21−3の具体的な構成を示す図であり、上記制御装置21−3は、例えば、上記制御コンピュータ19内に備えられており、目標軌道生成手段11と、目標圧力差計算手段14と、角度誤差補償手段12と、圧力差計算手段13と、圧力差誤差補償手段15と、出力誤差計算部107と、内部状態誤差計算部109と、エンコーダ故障診断手段23と、圧力センサ故障診断手段28と、圧力センサ故障時指令出力手段29と、駆動装置102と、を備えて構成している。
内部状態計測手段異常判断手段の一例である圧力センサ故障診断手段28は、圧力センサ9の出力Pとエンコーダ8の出力qと圧力誤差補償手段15の出力VΔpeとから圧力センサ9の出力が正常かどうか診断し、異常であると圧力センサ故障診断手段28で判断した場合は、圧力誤差補償手段15と圧力センサ故障時指令出力手段(圧力センサ異常時指令出力手段)29とに圧力センサ故障信号(圧力センサ異常信号)を圧力センサ故障診断手段28から出力する。正常かどうかの判断の例として、次のような手法を用いる。例えば、関節軸6の設計圧力に対して、圧力センサ9の出力Pが一定以上超えた場合、圧力センサ9は異常であると、圧力センサ故障診断手段28で判断する。また、例えば、関節軸6の設計圧力範囲が0〜600kPaであった場合、圧力センサ9の出力Pの絶対値が600kPaを超える値をとったり、逆に0kPa未満の値をとったりした場合は、圧力センサ9が異常である(例えば、故障している)、と、圧力センサ故障診断手段28で判断する。また、異常の別の例として、圧力センサ9が故障して動作しない場合を検出するために、圧力誤差補償手段15の出力VΔpeが変動しているのに対応してエンコーダ8の出力(関節角度ベクトル)qが変動しているにもかかわらず、圧力センサ9の出力Pの変動が無い場合には、エンコーダ8が異常であると、圧力センサ故障診断手段28で判断する。異常であるとの診断は、上記の条件が1つでも満たされれば、エンコーダ8は異常であると、圧力センサ故障診断手段28で判断する。
内部状態異常時指令出力手段の一例である圧力センサ故障時指令値出力手段29は、圧力センサ故障診断手段28から圧力センサ故障信号が入力された場合に、指令値Vemを駆動装置102に出力する。指令値Vemは圧力センサ故障時指令値出力手段29のメモリ(図示せず)に予め記憶されている。
内部状態誤差補償手段111の一例である圧力差誤差補償手段15には、圧力センサ故障診断手段28からの圧力センサ故障信号の入力が無いときは、内部状態誤差計算部109から圧力差誤差ΔPが入力され、圧力差誤差修正出力VΔpeが圧力差誤差補償手段15から弾性体アクチュエータ駆動機構10に出力される。圧力差誤差修正出力VΔpeは、D/Aボードなどの入出力IF20を介して5ポート流量制御電磁弁18に電圧指令値として与えられ、各関節軸6−1,6−2がそれぞれ正逆回転駆動されて弾性体アクチュエータ駆動機構10が動作する。
圧力差誤差補償手段15においては、圧力センサ故障診断手段28からの圧力センサ故障信号の入力があるときは、内部状態誤差計算部109からの入力である圧力差誤差ΔPの値にかかわらず、圧力差誤差修正出力VΔpeを0にして出力する。これにより、駆動装置102である5ポート流量制御電磁弁18への入力は、圧力センサ故障時指令値出力手段29からの入力のみとなる。
以下、圧力センサ9が異常であると圧力センサ故障診断手段28で判断されたときに、圧力センサ故障時指令値出力手段29が出力する指令値Vemで弾性体アクチュエータ駆動機構10が動作可能である動作原理について、説明する。
図18は、図1に示す弾性体アクチュエータ駆動機構10における5ポート流量制御電磁弁18に与えた指令値(電圧)と関節軸6の関節角度との関係を示す図である。図18に示した指令値と関節角度との関係は、駆動部材313にかかる負荷、又は、弾性膨張収縮構造体1の経年変化、又は、駆動部材313等に係る外乱などの影響を受け、常に、図18に示す関係と完全に一致するわけではないが、近い関係は維持される。そのため、角度誤差補償手段12及び圧力誤差補償手段15を用いて制御しているときほどの精度は実現できないが、おおよその位置に移動することが可能である。
また、圧力センサ故障時指令値出力手段29のメモリ(図示せず)に予め記憶しておく指令値Vemとしては、例えば、弾性体アクチュエータ駆動機構10の初期位置に移動する値などが考えられる。例えば、弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1bが中立となる位置(弾性膨張収縮構造体1−1a、1−1bが両方とも伸張も収縮もしていない状態での位置)が駆動部材313の初期位置の場合、弾性体アクチュエータ駆動機構10は図19に示す初期位置(例えば、駆動部材313の長手方向と支持部材308の長手方向とが大略一直線状に位置する状態)から移動を開始する。そして、駆動部材313の支持部材308の長手方向に対するある角度で圧力センサ9が異常であると圧力センサ故障診断手段28で診断された場合、一般的に、不安定な位置又は危険な位置から弾性体アクチュエータ駆動機構10の動作を開始することは少ないため、周辺状況のわからない位置で弾性体アクチュエータ駆動機構10の駆動を停止するよりも、予め決められた初期位置で停止するほうが、安全である可能性が高い。また、駆動部材313は初期位置から現在の角度までの経路を通過して来ている為、逆に現在の角度から初期位置に戻る経路は通過可能であると考えられる。
また、指令値Vemは事前に設定しておくため、初期位置以外でも、人が安全だと予めわかっている角度に任意に設定して、圧力センサ故障時指令値出力手段29のメモリ(図示せず)に記憶することが可能である。
以上のように、上記第4実施形態では、圧力センサ故障診断手段28と圧力センサ故障時指令値出力手段29とを配設して、圧力センサ9が故障した場合にも即座に弾性体アクチュエータ100を動作停止するのではなく、初期位置などの安全な位置に移動してから停止する、安全な弾性体アクチュエータの駆動機構10の制御が可能となる。
また、上記第1〜第4実施形態のそれぞれでは、出力を関節角度としたが、これに限られるわけではなく、出力計測手段103を、変位速度計測手段の一例としての変位速度センサとし、出力値を変位速度として変位速度制御を行う場合でも同様である。
上記第1〜第4実施形態のそれぞれでは、内部状態計測手段107の一例としてセンサを設けるとしたが、オブザーバ(観測器)を設け、オブザーバにより、内部状態を推定し、内部状態の推定値を使用する場合でも同様の効果を発揮する。
また、上記第1〜第4実施形態のそれぞれでは、弾性体アクチュエータ100の一例として、流体圧により駆動される空気圧駆動アクチュエータを例に説明を行ったが、これに限られるわけではなく、弾性体アクチュエータの別の例として、油圧駆動アクチュエータ、又は、導電性ポリマー、誘電体ポリマー、若しくは、各種ゲル等の弾性体を電気的刺激により駆動するアクチュエータの場合でも、内部状態の他の例として電界又は電荷量等を採用することにより、空気圧駆動アクチュエータの場合と同様の効果を発揮することができる。
なお、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムは、弾性体アクチュエータにより動作するロボットアームの手先位置の軌道制御等の位置制御を行う制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムとして有用である。また、ロボットアームに限らず、生産設備等における弾性体アクチュエータによる回転機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラム、又は、リニアスライダ又はプレス装置等の弾性体アクチュエータによる直動機構の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムとしても適用が可能である。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明の第1態様によれば、性体アクチュエータ駆動機構の制御装置であって、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段とを備え、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して上記出力誤差補償手段からの出力をゼロとし上記内部状態誤差補償手段は、上記内部状態計測手段からの出力及びゼロとされた上記出力誤差補償手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償し、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法であって、
目標値出力手段により弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を出力誤差補償手段で補償し、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を目標内部状態決定手段により決定し、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を内部状態誤差補償手段で補償し、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段で判断し、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して上記出力誤差補償手段からの出力をゼロとし上記内部状態誤差補償手段は、上記内部状態計測手段からの出力及びゼロとされた上記出力誤差補償手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償し、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置のプログラムであって、
コンピュータを、
弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段として機能させて、
上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して上記出力誤差補償手段からの出力をゼロとし上記内部状態誤差補償手段は、上記内部状態計測手段からの出力及びゼロとされた上記出力誤差補償手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償し、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御プログラムを提供する。

Claims (9)

  1. 弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置であって、
    弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
    上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
    上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段とを備え、
    上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  2. 上記異常判断手段で上記異常か否かを判断するとき、上記弾性体アクチュエータの出力の計測値が予め定められた範囲外となる場合、又は、上記弾性体アクチュエータの出力の計測値と内部状態計測手段で計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値との対応関係が予め定められた関係情報から外れる場合には、上記異常であると判断し、逆に、それ以外の場合には上記異常ではないと判断する、請求項1に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  3. 上記目標内部状態決定手段は、
    正常時目標内部状態決定手段と、
    異常時目標内部状態決定手段とを備え、
    上記異常判断手段が異常ではないと判断したときには上記正常時目標内部状態決定手段の出力を用いて上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う一方、上記異常判断手段が異常と判断したときには上記異常時目標内部状態決定手段の出力を用いて上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う、請求項1又は2に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  4. 上記異常時目標内部状態決定手段は、上記弾性体アクチュエータ駆動機構の静力学モデルに基づいて、目標内部状態を決定する請求項3に記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  5. さらに、上記異常判断手段が異常であると判断したときに異常時目標値を生成して出力する異常時目標値生成手段を備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  6. さらに、上記内部状態計測手段が異常であるか否かを判断する内部状態計測手段異常判断手段と、
    異常時に上記弾性体アクチュエータ駆動機構の駆動装置に出力指令を行う内部状態異常時指令出力手段とを備え、
    上記内部状態計測手段が異常であると上記内部状態計測手段異常判断手段で判断したときには、上記内部状態異常時指令出力手段の上記出力指令に基づき上記弾性体アクチュエータ駆動機構の動作制御を行う請求項1〜5のいずれか1つに記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  7. 上記弾性体アクチュエータは流体圧アクチュエータである請求項1〜6のいずれか1つに記載の弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置。
  8. 弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法であって、
    目標値出力手段により弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力し、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を出力誤差補償手段で補償し、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を目標内部状態決定手段により決定し、
    上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を内部状態誤差補償手段で補償し、
    上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段で判断し、
    上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御方法。
  9. 弾性体アクチュエータ駆動機構の制御装置のプログラムであって、
    コンピュータを、
    弾性体アクチュエータの出力の目標値を出力する目標値出力手段と、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値と出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの出力の計測値とが入力されることにより出力誤差を補償する出力誤差補償手段と、
    上記弾性体アクチュエータの出力の目標値より、内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの内部状態の計測値に対する上記内部状態の目標値を決定する目標内部状態決定手段と、
    上記出力誤差補償手段からの出力及び上記内部状態計測手段からの出力に基づいて内部状態誤差を補償する内部状態誤差補償手段と、
    上記出力計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記出力の上記計測値と上記内部状態計測手段により計測された上記弾性体アクチュエータの上記内部状態の上記計測値と上記弾性体アクチュエータの出力の目標値とに基づき、上記出力計測手段が異常であるか否かを判断する異常判断手段として機能させて、
    上記出力計測手段が異常であると上記異常判断手段で判断したときには、上記出力誤差補償手段の動作を停止して、上記目標内部状態決定手段と上記内部状態誤差補償手段とにより上記目標値出力手段の出力である出力の目標値に基づき上記弾性体アクチュエータが動作を継続するよう制御を行う、弾性体アクチュエータ駆動機構の制御プログラム。
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