JPWO2011081171A1 - スクリーニング方法 - Google Patents
スクリーニング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2011081171A1 JPWO2011081171A1 JP2011547709A JP2011547709A JPWO2011081171A1 JP WO2011081171 A1 JPWO2011081171 A1 JP WO2011081171A1 JP 2011547709 A JP2011547709 A JP 2011547709A JP 2011547709 A JP2011547709 A JP 2011547709A JP WO2011081171 A1 JPWO2011081171 A1 JP WO2011081171A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pikfyve
- inhibitory activity
- vac14
- seq
- sirna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/48—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
- C12Q1/485—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase involving kinase
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/90—Enzymes; Proenzymes
- G01N2333/91—Transferases (2.)
- G01N2333/912—Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
- G01N2333/91205—Phosphotransferases in general
- G01N2333/9121—Phosphotransferases in general with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. general tyrosine, serine or threonine kinases
- G01N2333/91215—Phosphotransferases in general with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. general tyrosine, serine or threonine kinases with a definite EC number (2.7.1.-)
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2440/00—Post-translational modifications [PTMs] in chemical analysis of biological material
- G01N2440/14—Post-translational modifications [PTMs] in chemical analysis of biological material phosphorylation
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2500/00—Screening for compounds of potential therapeutic value
- G01N2500/02—Screening involving studying the effect of compounds C on the interaction between interacting molecules A and B (e.g. A = enzyme and B = substrate for A, or A = receptor and B = ligand for the receptor)
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Zoology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Immunology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
本発明は、炎症性疾患の治療剤又は予防剤の新規なスクリーニングする方法に関する。具体的には、PIKfyveに対する特異的な阻害活性の有無を指標にし、当該活性を有する物質を選択することにより、炎症性疾患の治療又は予防剤をスクリーニングする方法である。
Description
本発明は、炎症性疾患の治療又は予防剤のスクリーニング方法に関する。
インターロイキン−12(IL-12)、インターロイキン−23(IL-23)は、主に活性化マクロファージ及び樹上細胞等の食細胞及び抗原提示細胞によって生成、分泌されるサイトカインである。IL-12はp35およびp40が共有結合したヘテロダイマー分子であり、IL-23は、p19およびIL-12と共通なp40サブユニットが共有結合したヘテロダイマー分子である。p35、p19、p40の各々は、それぞれ別々の遺伝子によってコードされ、マクロファージなどにおいてはINF-γなどの細胞外刺激によって遺伝子発現の上昇を介して産生増強されることが知られている。
IL-12、IL-23の主な機能はT細胞へ作用して免疫応答を促進させることである。IL-12はナイーブT細胞に作用しTh1型(type 1 helper T cell)のTリンパ細胞への分化を促進する。IL-23はナイーブT細胞のTh1型Tリンパ細胞への分化促進に加えて、メモリーT細胞およびIL-17産生T細胞に作用し増殖作用を有する。
過剰なIL-12産生またはIL-23産生による機能亢進は、Th1型T細胞の過剰な分化、活性化を介して、さまざま自己免疫性疾患を含む炎症性疾患の病態悪化に関与することが知られている。これらに限定されるわけではないが、例えば、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレ−症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺病、自己免疫卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、膠原病、移植片対宿主病及び虚血性血管障害に関与することが知られている。従って、IL-12またはIL-23の機能を抑制することによって、これらの炎症性疾患が改善することが期待される。
過剰なIL-12産生またはIL-23産生による機能亢進は、Th1型T細胞の過剰な分化、活性化を介して、さまざま自己免疫性疾患を含む炎症性疾患の病態悪化に関与することが知られている。これらに限定されるわけではないが、例えば、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレ−症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺病、自己免疫卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、膠原病、移植片対宿主病及び虚血性血管障害に関与することが知られている。従って、IL-12またはIL-23の機能を抑制することによって、これらの炎症性疾患が改善することが期待される。
現在まで、抗IL-12、IL-23抗体によるIL-12およびIL-23抑制作用に基づいた複数の治療剤の開発が行われているが、まだ十分ではない。抗IL-12/23抗体は臨床試験において乾癬への治療効果が認められているが、いくつかの問題点が挙げられる。1つ目はコストである。一般的に抗体による治療はコスト面における患者、保険制度の負担が大きい。2つ目は投与方法である。抗体による治療は静脈内投与を必要とするために、投与の度の通院など、患者の負担が大きいことが考えられる。以上から、安価で経口投与可能な新たなIL-12またはIL-23の機能抑制剤の開発が必要であると考えられる。
抗体以外のIL-12、IL-23機能抑制の方法として、IL-12およびIL-23産生を抑制する方法が考えられる。すなわち、活性化マクロファージなどのIL-12、IL-23産生細胞の細胞内の標的分子に作用し、IL-12およびIL-23産生を抑制する作用を持つ治療剤を開発する方法である。この方法は抗体よりも安価で経口投与可能な低分子化合物などの治療剤の開発が可能であることから、患者にとって極めて有益である。
抗体以外のIL-12、IL-23機能抑制の方法として、IL-12およびIL-23産生を抑制する方法が考えられる。すなわち、活性化マクロファージなどのIL-12、IL-23産生細胞の細胞内の標的分子に作用し、IL-12およびIL-23産生を抑制する作用を持つ治療剤を開発する方法である。この方法は抗体よりも安価で経口投与可能な低分子化合物などの治療剤の開発が可能であることから、患者にとって極めて有益である。
IL-12/IL-23産生を抑制する低分子化合物についてはこれまで複数の報告があるが、ほとんどの化合物は抑制作用が弱く十分でない。例えば、ステロイド、1,25-ジヒドロキシビタミン D3、アセチルサリチル酸(ASA)、レチノイド、サリドマイド、プロスタグランジン E2、s2 アゴニスト、フォスフォジエステラーゼインイビターなどが報告されている。サリドマイドはこれらの中で最も強い抑制作用を持つ傾向があるが、INF-γによって強力に誘導されたIL-12およびIL-23産生は十分に抑制できないことが報告されている。
一方で、近年、IL-12および/またはIL-23産生抑制(以下、「IL-12/23産生抑制」ともいう。)作用を示す新たな低分子化合物が報告されている(特許文献1)。このIL-12/23産生抑制作用を有する化合物は細胞レベルでINF-γによって強く誘導されたIL-12およびIL-23の産生を十分に抑制すること (非特許文献1)、モデル動物での抗炎症作用(非特許文献2)が示されていること、およびヒトでの臨床試験において安全性が確認されていること(非特許文献3)等が報告されているが標的分子に関してはこれまで報告されておらず、不明である。
非特許文献1はIL-12/23産生抑制作用を有する化合物がIL-12およびIL-23遺伝子の転写レベルで抑制されることを報告しているが、これら化合物の直接の作用標的分子についてはなんら示唆していない。また、特許文献1はIL-12/23産生抑制作用を有する化合物の作用メカニズムとしてc-Relと呼ばれる転写因子の関与を報告しているが、c-Relが直接の作用標的分子であることを示す証拠はなく、また、標的分子についてはなんらの示唆もされていない。
Blood. 2007 Feb 1;109(3):1156-64. Epub 2006 Oct 19
Arthritis Res Ther. 2008;10(5):R122. Epub 2008 Oct 13
Inflamm Bowel Dis. 2006 Jul;12(7):558-65
上記のような状況において、炎症性疾患の治療又は予防剤の新たなスクリーニング方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、PIKfyveがIL-12/23産生に関与すること、すなわち、リピッドキナーゼであるPIKfyveを阻害することによって、IL-12/23の産生が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
より詳細には、
1)複数の化合物を用いた検討により、マウスマクロファージのIL-12産生阻害およびIL-23阻害活性の強さはPIKfyve阻害活性の強さと相関することを見出した。
2) PIKfyve阻害活性の強い化合物は腸炎モデルマウスの腸管炎症を抑制する作用を有することを見出した。
3)PIKfyveの配列にもとづき設計された siRNA(以下、「PIKfyve-siRNA」ともいう。)および PIKfyveの活性化因子であるVac14の配列に基づき設計されたsiRNA(以下、「Vac14-siRNA」ともいう。)を用いたマウスマクロファージでの遺伝子ノックダウンにより、IL-12およびIL-23産生抑制が起こることを見出した。
これらの知見から、PIKfyveに対する特異的な阻害活性の有無を指標にし、当該活性を有する物質を選択するという、PIKfyveの機能の解明に基づいた炎症性疾患の治療又は予防剤の新規なスクリーニング方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下のスクリーニング法などに関する。
[1]被検物質のPIKfyve阻害活性を測定し、当該阻害活性を有する物質を同定する工程を含む、炎症性疾患の予防又は治療剤のスクリーニング方法。
[2]PIKfyve阻害活性を、ATPまたは標識ATPによるリン酸化反応を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[3]PIKfyve阻害活性を、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸若しくはその誘導体、又はRab9エフェクターp40若しくはその部分配列から選択される基質を用いて測定する、前記[1]または[2]に記載の方法。
[4]PIKfyve阻害活性を、PIKfyveと、標識ATP、PIKfyve阻害剤から選択されるプローブとの結合を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[5]PIKfyve阻害活性が、Vac14の阻害活性に起因するものである、前記[1]に記載の方法。
[6]PIKfyve阻害活性が、PIKfyveとVac14の結合に対する阻害活性である、前記[1]または[5]に記載の方法。
[7]PIKfyve阻害活性を、プローブとしてPIKfyveもしくはその部分配列、または、Vac14もしくはその部分配列を用いて測定する、前記[1]、[5]または[6]に記載の方法。
[8]PIKfyve阻害活性を、細胞の空胞化を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[9]被検物質が、低分子化合物、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーから選択される、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
また、本発明は、次のような医薬、治療方法などにも関する。
[10]炎症性疾患が、IL-12/23過剰産生関連疾患である、前記[1]に記載の方法。
[11]PIKfyve阻害剤を含有する炎症性疾患の予防又は治療剤。
[12]PIKfyve阻害剤が、前記[1]記載の方法により得られた物質である炎症性疾患の予防又は治療剤。
[13]PIKfyve阻害剤が、PIKfyveに対する抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーである前記[12]に記載の予防または治療剤。
[14]患者に、PIKfyve阻害剤の有効量を投与することを含む炎症性疾患の予防又は治療方法。
[15]PIKfyve阻害剤が、前記[1]記載の方法により得られた物質である、前記[12]に記載の予防または治療方法。
[16]PIKfyve阻害剤が、抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーである前記[12]または[13]に記載の予防または治療方法。
[17]炎症性疾患の予防又は治療剤を製造するためのPIKfyve阻害剤の使用。
1)複数の化合物を用いた検討により、マウスマクロファージのIL-12産生阻害およびIL-23阻害活性の強さはPIKfyve阻害活性の強さと相関することを見出した。
2) PIKfyve阻害活性の強い化合物は腸炎モデルマウスの腸管炎症を抑制する作用を有することを見出した。
3)PIKfyveの配列にもとづき設計された siRNA(以下、「PIKfyve-siRNA」ともいう。)および PIKfyveの活性化因子であるVac14の配列に基づき設計されたsiRNA(以下、「Vac14-siRNA」ともいう。)を用いたマウスマクロファージでの遺伝子ノックダウンにより、IL-12およびIL-23産生抑制が起こることを見出した。
これらの知見から、PIKfyveに対する特異的な阻害活性の有無を指標にし、当該活性を有する物質を選択するという、PIKfyveの機能の解明に基づいた炎症性疾患の治療又は予防剤の新規なスクリーニング方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下のスクリーニング法などに関する。
[1]被検物質のPIKfyve阻害活性を測定し、当該阻害活性を有する物質を同定する工程を含む、炎症性疾患の予防又は治療剤のスクリーニング方法。
[2]PIKfyve阻害活性を、ATPまたは標識ATPによるリン酸化反応を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[3]PIKfyve阻害活性を、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸若しくはその誘導体、又はRab9エフェクターp40若しくはその部分配列から選択される基質を用いて測定する、前記[1]または[2]に記載の方法。
[4]PIKfyve阻害活性を、PIKfyveと、標識ATP、PIKfyve阻害剤から選択されるプローブとの結合を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[5]PIKfyve阻害活性が、Vac14の阻害活性に起因するものである、前記[1]に記載の方法。
[6]PIKfyve阻害活性が、PIKfyveとVac14の結合に対する阻害活性である、前記[1]または[5]に記載の方法。
[7]PIKfyve阻害活性を、プローブとしてPIKfyveもしくはその部分配列、または、Vac14もしくはその部分配列を用いて測定する、前記[1]、[5]または[6]に記載の方法。
[8]PIKfyve阻害活性を、細胞の空胞化を指標として測定する、前記[1]に記載の方法。
[9]被検物質が、低分子化合物、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーから選択される、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
また、本発明は、次のような医薬、治療方法などにも関する。
[10]炎症性疾患が、IL-12/23過剰産生関連疾患である、前記[1]に記載の方法。
[11]PIKfyve阻害剤を含有する炎症性疾患の予防又は治療剤。
[12]PIKfyve阻害剤が、前記[1]記載の方法により得られた物質である炎症性疾患の予防又は治療剤。
[13]PIKfyve阻害剤が、PIKfyveに対する抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーである前記[12]に記載の予防または治療剤。
[14]患者に、PIKfyve阻害剤の有効量を投与することを含む炎症性疾患の予防又は治療方法。
[15]PIKfyve阻害剤が、前記[1]記載の方法により得られた物質である、前記[12]に記載の予防または治療方法。
[16]PIKfyve阻害剤が、抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーである前記[12]または[13]に記載の予防または治療方法。
[17]炎症性疾患の予防又は治療剤を製造するためのPIKfyve阻害剤の使用。
本発明のスクリーニング方法は、新たな炎症性疾患の予防・治療剤の創出に有用である。
以下に、本明細書において用いる用語について説明する。
「PIKfyve」とは、リピッドキナーゼの一種であり、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の5位をリン酸化する活性を有する酵素である。またPIKfyveはプロテインキナーゼ活性も有し、Rab9タンパク質のエフェクターであるp40タンパク質のセリン残基をリン酸化する。PIKfyveは、出芽酵母ではFab1、哺乳動物ではPIKfyve、PIP5K3、p235などとよばれている。
PIKfyveのアミノ酸配列としては、配列番号:2または4、Genbankアクセッション番号:NP_055855.1、Q9Y2I7、およびAAR19397などが含まれるが、これらに限定されない。
PIKfyveの遺伝子の塩基配列としては、配列番号:1または3、Genbankアクセッション番号:NM_015040、AY457063、およびBC032389(cDNA)などが含まれるが、これらに限定されない。
PIKfyveは、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の5位をリン酸化する活性、あるいは、p40タンパク質のセリン残基をリン酸化する能力を保持するPIKfyveの相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:2または4に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:2または4のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
「PIKfyve」とは、リピッドキナーゼの一種であり、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の5位をリン酸化する活性を有する酵素である。またPIKfyveはプロテインキナーゼ活性も有し、Rab9タンパク質のエフェクターであるp40タンパク質のセリン残基をリン酸化する。PIKfyveは、出芽酵母ではFab1、哺乳動物ではPIKfyve、PIP5K3、p235などとよばれている。
PIKfyveのアミノ酸配列としては、配列番号:2または4、Genbankアクセッション番号:NP_055855.1、Q9Y2I7、およびAAR19397などが含まれるが、これらに限定されない。
PIKfyveの遺伝子の塩基配列としては、配列番号:1または3、Genbankアクセッション番号:NM_015040、AY457063、およびBC032389(cDNA)などが含まれるが、これらに限定されない。
PIKfyveは、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の5位をリン酸化する活性、あるいは、p40タンパク質のセリン残基をリン酸化する能力を保持するPIKfyveの相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:2または4に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:2または4のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
PIKfyveの遺伝子は、配列番号:1または3、あるいはGenBankアクセッション番号AY457063やBC032389などに記載された配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、PIKfyve活性(フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の5位をリン酸化する活性、あるいは、p40タンパク質のセリン残基をリン酸化する能力など)を保持するDNAが含まれる。
PIKfyveの部分配列としては、少なくともVac14との結合能が報告されているPIKfyveのCCTドメインまたはその一部を含む配列であればよく、例えば、ヒトPIKfyveにおいては346〜1134アミノ酸残基またはその一部を含む配列である。長さとしては、好ましくは、5〜1000、好ましくは501〜1000アミノ酸残基のペプチドである。
PIKfyveの部分配列としては、少なくともVac14との結合能が報告されているPIKfyveのCCTドメインまたはその一部を含む配列であればよく、例えば、ヒトPIKfyveにおいては346〜1134アミノ酸残基またはその一部を含む配列である。長さとしては、好ましくは、5〜1000、好ましくは501〜1000アミノ酸残基のペプチドである。
「Vac14」とは、PIKfyveの活性化タンパク質であり、N末端側のHEATリピートモチーフを介してPIKfyveと結合することでPIKfyve-Vac14複合体を形成する。この複合体化が細胞内でのPIKfyveの活性化に必要であると考えられている。Vac14は出芽酵母ではVac14、哺乳動物ではVac14、ArPIKfyve、TAX1BP2などとよばれている。
Vac14のアミノ酸配列としては、配列番号:6および8に記載のアミノ酸配列や、Genbankアクセッション番号:NP_060522.3 、AAI25110.1および AAI25109.1などが含まれるが、これらに限定されない。
Vac14の遺伝子の塩基配列としては、配列番号:5および7に記載のDNAが挙げられる。
Vac14は、PIKfyve-Vac14複合体を形成する能力を保持するVac14の相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:6または8に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:6または8のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
Vac14の遺伝子は、配列番号:5または7、あるいはGenBankアクセッション番号BC125109.1やNM_018052などに記載された配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、PIKfyve-Vac14複合体を形成する能力を保持するDNAが含まれる。
Vac14の部分配列としては、PIKfyveとの結合能が報告されているVac14のN末側の1から11番目のHEATリピートモチーフまたはその一部を含む配列であり、好ましくは、5〜500、100〜500アミノ酸残基のペプチドである。
p40は、p40-PIKfyveと相互作用し、PIKfyve相互作用およびその後のPIKfyveで触媒されるp40リン酸化により、p40を別々の膜にアンカーして、後期エンドソームからトランスゴルジへの輸送を容易にする。また、p40はRab9-GTPに結合することができ、エンドソームからトランスゴルジへの輸送を刺激することができる(Diaz et al., J. Cell Biol. 138:283-90, 1997等を参照)。p40は、Rab9のエフェクターでありRab9エフェクターp40、またはRab9p40とも称される。
Vac14のアミノ酸配列としては、配列番号:6および8に記載のアミノ酸配列や、Genbankアクセッション番号:NP_060522.3 、AAI25110.1および AAI25109.1などが含まれるが、これらに限定されない。
Vac14の遺伝子の塩基配列としては、配列番号:5および7に記載のDNAが挙げられる。
Vac14は、PIKfyve-Vac14複合体を形成する能力を保持するVac14の相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:6または8に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:6または8のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
Vac14の遺伝子は、配列番号:5または7、あるいはGenBankアクセッション番号BC125109.1やNM_018052などに記載された配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、PIKfyve-Vac14複合体を形成する能力を保持するDNAが含まれる。
Vac14の部分配列としては、PIKfyveとの結合能が報告されているVac14のN末側の1から11番目のHEATリピートモチーフまたはその一部を含む配列であり、好ましくは、5〜500、100〜500アミノ酸残基のペプチドである。
p40は、p40-PIKfyveと相互作用し、PIKfyve相互作用およびその後のPIKfyveで触媒されるp40リン酸化により、p40を別々の膜にアンカーして、後期エンドソームからトランスゴルジへの輸送を容易にする。また、p40はRab9-GTPに結合することができ、エンドソームからトランスゴルジへの輸送を刺激することができる(Diaz et al., J. Cell Biol. 138:283-90, 1997等を参照)。p40は、Rab9のエフェクターでありRab9エフェクターp40、またはRab9p40とも称される。
p40のアミノ酸配列は、例えば、配列番号:10、Genbankアクセッション番号:NP_005824およびCAG33118等を含むが、これらに限定されない。p40には、p40の相同体、変異体、改変体などを含む。
p40の遺伝子の塩基配列は、配列番号:9、Genbankアクセッション番号:NM_015040、NM_005833.2、およびCR456837.1(cDNA)等を含むが、これらに限定されない。
p40は、PIKfyveによりリン酸化されるp40の相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:10に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:10のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
p40の遺伝子の塩基配列は、配列番号:9、Genbankアクセッション番号:NM_015040、NM_005833.2、およびCR456837.1(cDNA)等を含むが、これらに限定されない。
p40は、PIKfyveによりリン酸化されるp40の相同体、変異体、改変体などを含む。
そのような相同体、変異体または改変体は、配列番号:10に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番号:10のアミノ酸配列において、例えば、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜数個(例えば、9個)、1〜5個、1〜3個または1〜2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質などを含む。
p40の遺伝子は、配列番号:9、あるいはGenBankアクセッション番号NM_005833.2またはCR456837.1に記載された配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、PIKfyveによりリン酸化されるものが含まれる。
p40の部分配列としては、p40タンパクに含まれるSer残基を含有する配列であり、好ましくは5〜300、さらに好ましくは100〜300アミノ酸残基を含むペプチドである。
p40の部分配列としては、p40タンパクに含まれるSer残基を含有する配列であり、好ましくは5〜300、さらに好ましくは100〜300アミノ酸残基を含むペプチドである。
ここで、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、配列番号:1、3、5、7または9の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの全部又は一部をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法又はサザンハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるDNAをいう。ハイブリダイゼーションの方法としては、例えばMolecular Cloning 3rd Ed.、CurrentProtocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons 1987-1997などに記載されている方法を利用することができる。
本明細書でいう「ストリンジェントな条件」は、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。これらの条件において、温度を上げるほど高い相同性を有するポリヌクレオチド(例えば、DNA)が効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、時間、イオン強度、塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、ハイブリダイゼーションに市販のキットを用いる場合は、例えばAlkphosDirect Labelling Reagents(GEヘルスケア・ジャパン(社)製)を用いることができる。この場合は、キットに添付のプロトコルにしたがい、標識したプローブとのインキュベーションを一晩行った後、メンブレンを55℃の条件下で0.1% (w/v) SDSを含む1次洗浄バッファーで洗浄後、ハイブリダイズしたポリヌクレオチド(例えば、DNA)を検出することができる。
これ以外にハイブリダイズ可能なDNAとしては、FASTA、BLASTなどの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルトのパラメータを用いて計算したときに、配列番号:2、4、6、8または10のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドと80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、99%以上の同一性を有するDNAをあげることができる。
なお、アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、カーリン及びアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 2264-2268, 1990; Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 90, 5873, 1993)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF, etal: J. Mol. Biol. 215: 403, 1990)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメータは、例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXを用いてアミノ酸配列を解析する場合は、パラメータは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメータを用いる。
本明細書でいう「ストリンジェントな条件」は、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。これらの条件において、温度を上げるほど高い相同性を有するポリヌクレオチド(例えば、DNA)が効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、時間、イオン強度、塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、ハイブリダイゼーションに市販のキットを用いる場合は、例えばAlkphosDirect Labelling Reagents(GEヘルスケア・ジャパン(社)製)を用いることができる。この場合は、キットに添付のプロトコルにしたがい、標識したプローブとのインキュベーションを一晩行った後、メンブレンを55℃の条件下で0.1% (w/v) SDSを含む1次洗浄バッファーで洗浄後、ハイブリダイズしたポリヌクレオチド(例えば、DNA)を検出することができる。
これ以外にハイブリダイズ可能なDNAとしては、FASTA、BLASTなどの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルトのパラメータを用いて計算したときに、配列番号:2、4、6、8または10のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドと80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、99%以上の同一性を有するDNAをあげることができる。
なお、アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、カーリン及びアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 2264-2268, 1990; Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 90, 5873, 1993)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF, etal: J. Mol. Biol. 215: 403, 1990)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメータは、例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXを用いてアミノ酸配列を解析する場合は、パラメータは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメータを用いる。
「PIKfyve阻害活性」とは、PIKfyveの酵素活性を減弱もしくは滅失せしめる効果の程度のことをいう。PIKfyve阻害活性は、具体的には、PIKfyveの酵素活性によるフォスファチジルイノシトールまたはフォスファチジルイノシトール3リン酸の5位のリン酸化、Rab9エフェクターp40のリン酸化、PIKfyveとATPの結合などにおいて、被検物質によるリン酸化や結合の減少の程度を測定することにより求めることができる。PIKfyve阻害活性の測定は、例えば、EMBO Rep. 2008 Feb;9(2):164-70. Epub 2008 Jan 11.に記載されている。
Vac14の阻害活性に起因するPIKfyve阻害活性とは、Vac14の機能を阻害することにより、PIKfyveの酵素活性を減弱もしくは滅失せしめることをいう。Vac14の機能の阻害には、Vac14の構造を変性することによりその機能を消失または減弱させることや、PIKfyveとVac14の結合を阻害することによって、PIKfyve-Vac14複合体の形成を妨げ、PIKfyveの酵素活性を減弱もしくは滅失させることなどが含まれる。好ましくは、PIKfyveとVac14の結合の阻害である。
「細胞の空胞化」とは、PIKfyveの阻害またはVac14の阻害に起因する細胞内の小胞輸送の阻害により起こる細胞の形態変化のことをいう。細胞の空胞化の程度を測定することによりPIKfyveの阻害活性またはVac14の阻害活性を求めることができる。
Vac14の阻害活性に起因するPIKfyve阻害活性とは、Vac14の機能を阻害することにより、PIKfyveの酵素活性を減弱もしくは滅失せしめることをいう。Vac14の機能の阻害には、Vac14の構造を変性することによりその機能を消失または減弱させることや、PIKfyveとVac14の結合を阻害することによって、PIKfyve-Vac14複合体の形成を妨げ、PIKfyveの酵素活性を減弱もしくは滅失させることなどが含まれる。好ましくは、PIKfyveとVac14の結合の阻害である。
「細胞の空胞化」とは、PIKfyveの阻害またはVac14の阻害に起因する細胞内の小胞輸送の阻害により起こる細胞の形態変化のことをいう。細胞の空胞化の程度を測定することによりPIKfyveの阻害活性またはVac14の阻害活性を求めることができる。
「PIKfyve阻害剤」とは、たとえば、IC50が1mM以下である上記PIKfyve阻害活性を有する低分子化合物、PIKfyveに対する抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマー等が含まれる。
「PIKfyve阻害剤」には、PIKfyve阻害剤の誘導体も含まれる。PIKfyve阻害剤の誘導体は、PIKfyve阻害剤を誘導体化することによって得られる物質を意味する。
誘導体化とは、リード化合物中の特定の原子または基を、他の原子または基で置換することにより得られる化合物、あるいはリード化合物に対する付加反応により得られる化合物を仮想的に、または実際に合成することを意味する。例えば、リード化合物は、例えば、本発明のスクリーニング法により得られた物質であり得る。
「PIKfyve阻害剤」には、PIKfyve阻害剤の誘導体も含まれる。PIKfyve阻害剤の誘導体は、PIKfyve阻害剤を誘導体化することによって得られる物質を意味する。
誘導体化とは、リード化合物中の特定の原子または基を、他の原子または基で置換することにより得られる化合物、あるいはリード化合物に対する付加反応により得られる化合物を仮想的に、または実際に合成することを意味する。例えば、リード化合物は、例えば、本発明のスクリーニング法により得られた物質であり得る。
PIKfyve阻害剤の誘導体化は、PIKfyveの阻害能を保持するように、必要に応じて、得られる誘導体の水溶性/脂溶性、安定性、体内動態、バイオアベイラビリティー、毒性等のその他の性質についても考慮するように行われ得る。
PIKfyve阻害剤の誘導体化は、例えば、SBDD(Structure-Based Drug Design)、CADD(Computer-Aided Drug Design)に基づいて行われ得る。このような設計の例としては、バーチャルスクリーニング、de novoデザイン、ファーマコフォー分析、QSAR(Quantitative Structure Activity Relationship)などが挙げられる。このような設計の際にタンパク質自体、あるいはタンパク質の標的部位の立体構造の情報が必要とされる場合、NMR、X線結晶解析、放射光解析等の構造解析法により立体構造が判明しているならばその情報が使用され、立体構造が判明していないならばhomology法、Threading法等の構造予測法により得られる情報などが使用される。また、バーチャルスクリーニングでは、自体公知のプログラムを用いることができ、このようなプログラムとしては、例えば、DOCK(Kuntz, I. D. et al., Science, 1992, 257, 1078)、Gold(Jones, G. et al., J. Mol. Biol., 1995, 245, 43)、FlexX(Rarey, M. et al., J. Mol. Biol., 1996, 261, 470)、AutoDock(Morris, G. M. et al., J. Comput. Chem., 1998, 19, 1639)、ICM(Abagyan, R. A. et al., J. Comput. Chem., 1994, 15, 488)などが挙げられる。
本発明の方法に用いられる被検物質としては、低分子化合物、ペプチド、タンパク質、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、アプタマー等が含まれる。
「低分子化合物」とは、低分子量の有機化合物であって、有機合成化学の分野における公知の方法を用いることによって製造可能な化合物である。好ましくは、分子量1000以下の有機化合物である。該低分子化合物には、その塩、水和物、または溶媒和物等も含まれる。また、利用可能な化合物ライブラリ等を用いることもできる。
本発明において、「タンパク質」または「ペプチド」は、市販品を用いることが可能である。また、ペプチドは、(1)化学的に合成する方法、又は(2)酵素的な反応により合成する方法等の公知手法を適宜用いることによって取得することができる。含まれるアミノ酸の残基数が2〜3残基と比較的短い場合は、化学的に合成する方法が簡便である。化学的に合成する場合は、該オリゴペプチドをペプチド合成機を用いて合成あるいは半合成することにより行うことができる。
「抗体」は、PIKfyve、Vac14またはp40に対するモノクローナル抗体でもよく、ポリクローナル抗体でもよい。モノクローナル抗体は、例えばJ Virology (1992); 66: 5999-6007に記載の方法に従って、調製することができる。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子のDNA配列中の連続する5から100の塩基配列に対して相補的な、またはハイブリダイズするヌクレオチドであって、DNA又はRNAのいずれであっても良く、また機能に支障がない限りにおいて修飾されたものであってもよい。本明細書で言う「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、DNA又はmRNAの所定の領域を構成するヌクレオチドに対応するヌクレオチドがすべて相補的であるもののみならず、DNA又はmRNAとオリゴヌクレオチドとが安定にハイブリダイズできる限り、多少のミスマッチが存在してもよい。
「低分子化合物」とは、低分子量の有機化合物であって、有機合成化学の分野における公知の方法を用いることによって製造可能な化合物である。好ましくは、分子量1000以下の有機化合物である。該低分子化合物には、その塩、水和物、または溶媒和物等も含まれる。また、利用可能な化合物ライブラリ等を用いることもできる。
本発明において、「タンパク質」または「ペプチド」は、市販品を用いることが可能である。また、ペプチドは、(1)化学的に合成する方法、又は(2)酵素的な反応により合成する方法等の公知手法を適宜用いることによって取得することができる。含まれるアミノ酸の残基数が2〜3残基と比較的短い場合は、化学的に合成する方法が簡便である。化学的に合成する場合は、該オリゴペプチドをペプチド合成機を用いて合成あるいは半合成することにより行うことができる。
「抗体」は、PIKfyve、Vac14またはp40に対するモノクローナル抗体でもよく、ポリクローナル抗体でもよい。モノクローナル抗体は、例えばJ Virology (1992); 66: 5999-6007に記載の方法に従って、調製することができる。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子のDNA配列中の連続する5から100の塩基配列に対して相補的な、またはハイブリダイズするヌクレオチドであって、DNA又はRNAのいずれであっても良く、また機能に支障がない限りにおいて修飾されたものであってもよい。本明細書で言う「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、DNA又はmRNAの所定の領域を構成するヌクレオチドに対応するヌクレオチドがすべて相補的であるもののみならず、DNA又はmRNAとオリゴヌクレオチドとが安定にハイブリダイズできる限り、多少のミスマッチが存在してもよい。
なお、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、修飾されていてもよい。適当な修飾を施すことにより、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドは生体内で分解されにくくなり、より安定にPIKfyveを阻害可能にする。このような修飾されたオリゴヌクレオチドとしては、S−オリゴ型(ホスフォロチオエート型)、C−5チアゾール型、D−オリゴ型(フォスフォジエステル型)、M−オリゴ型(メチルフォスフォネイト型)、ペプチド核酸型、リン酸ジエステル結合型、C−5プロピニルピリミジン型、2−O−プロピルリボース、2'−メトキシエトキシリボース型等の修飾型のアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、リン酸基を構成する酸素原子の少なくとも一部がイオウ原子に置換、修飾されているものでもよい。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性、水溶性、RNAへの親和性に特に優れている。リン酸基を構成する酸素原子の少なくとも一部がイオウ原子に置換、修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、例えば、S−オリゴ型等のオリゴヌクレオチドが挙げられる。
アンチセンスオリゴヌクレオチドの塩基数は、50以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。塩基数があまりに多くなると、オリゴヌクレオチドの合成の手間とコストが増大し、また、収率も低下する。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの塩基数は5以上であり、9以上であることが好ましい。塩基数が4以下の場合には、標的遺伝子に対する特異性が低下して好ましくないためである。
アンチセンスオリゴヌクレオチド(又はその誘導体)は常法によって合成することができ、例えば、市販のDNA合成装置(例えばAppliedBiosystems社製など)によって容易に合成することができる。合成法はホスホロアミダイトを用いた固相合成法、ハイドロジェンホスホネートを用いた固相合成法などで得ることができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは好ましくは、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列中の、少なくとも15の連続ヌクレオチドに対するものである。上述の少なくとも15の連続ヌクレオチド中に開始コドンを含む上述のアンチセンスオリゴヌクレオチドがさらにより好ましい。
「フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の誘導体」とは、ホスファチジルイノシトール(3)一リン酸(PtdIns(3)P)、ホスファチジルイノシトール(3,4)二リン酸(PtdIns(3,4)P2)などが含まれる。
「フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸の誘導体」とは、ホスファチジルイノシトール(3)一リン酸(PtdIns(3)P)、ホスファチジルイノシトール(3,4)二リン酸(PtdIns(3,4)P2)などが含まれる。
siRNAは、PIKfyveまたはVac14をコードするRNAの一部とそれに相補的なRNAを含有する二重鎖RNAである。具体的には、配列番号:11で表わされる塩基配列からなるセンス鎖と配列番号:12で表わされる塩基配列からなるアンチセンス鎖で構成されるsiRNA(実施例)などが用いられる。
siRNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
また、siRNA Target Finder[http://www.ambion.com/jp/techlib/misc/siRNA_finder.html](Ambion社)などのソフトを用いることによりsiRNAを得ることができる。例えば、上記ソフトウェアによって、設計されたPIKfyve遺伝子またはVac14遺伝子に対するsiRNAとしては、次のような配列が得られる。
siRNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
また、siRNA Target Finder[http://www.ambion.com/jp/techlib/misc/siRNA_finder.html](Ambion社)などのソフトを用いることによりsiRNAを得ることができる。例えば、上記ソフトウェアによって、設計されたPIKfyve遺伝子またはVac14遺伝子に対するsiRNAとしては、次のような配列が得られる。
PIKfyve 5’⇒3’each
Sense strand siRNA: GACGUCCCCAACACUGGACtt (配列番号:13)
Antisense strand siRNA: GUCCAGUGUUGGGGACGUCtt (配列番号:14)
Sense strand siRNA: CACUGGACUCUGCUAAUGAtt (配列番号:15)
Antisense strand siRNA: UCAUUAGCAGAGUCCAGUGtt (配列番号:16)
Sense strand siRNA: UGAUUUGCCUCGAUCUCCUtt (配列番号:17)
Antisense strand siRNA: AGGAGAUCGAGGCAAAUCAtt (配列番号:18)
Sense strand siRNA: CAGCAGCCUUUGAGUGGAAtt (配列番号:19)
Antisense strand siRNA: UUCCACUCAAAGGCUGCUGtt (配列番号:20)
Sense strand siRNA: AAAGCAGCUUAAUGAGGAAtt (配列番号:21)
Antisense strand siRNA: UUCCUCAUUAAGCUGCUUUtt (配列番号:22)
Sense strand siRNA: GGAAAGCAGAACCUACCUUtt (配列番号:23)
Antisense strand siRNA: AAGGUAGGUUCUGCUUUCCtt (配列番号:24)
Sense strand siRNA: CCUACCUUUGGAGGUCAUGtt (配列番号:25)
Antisense strand siRNA: CAUGACCUCCAAAGGUAGGtt (配列番号:26)
Sense strand siRNA: CGCCUCAAGGAAAUCAUGGtt (配列番号:27)
Antisense strand siRNA: CCAUGAUUUCCUUGAGGCGtt (配列番号:28)
Sense strand siRNA: GUUAUGCUCAUUCCACAGAtt (配列番号:29)
Antisense strand siRNA: UCUGUGGAAUGAGCAUAACtt (配列番号:30)
Sense strand siRNA: CAUAUGUUAGGACAGAGACtt (配列番号:31)
Antisense strand siRNA: GUCUCUGUCCUAACAUAUGtt (配列番号:32)
Sense strand siRNA: GACGUCCCCAACACUGGACtt (配列番号:13)
Antisense strand siRNA: GUCCAGUGUUGGGGACGUCtt (配列番号:14)
Sense strand siRNA: CACUGGACUCUGCUAAUGAtt (配列番号:15)
Antisense strand siRNA: UCAUUAGCAGAGUCCAGUGtt (配列番号:16)
Sense strand siRNA: UGAUUUGCCUCGAUCUCCUtt (配列番号:17)
Antisense strand siRNA: AGGAGAUCGAGGCAAAUCAtt (配列番号:18)
Sense strand siRNA: CAGCAGCCUUUGAGUGGAAtt (配列番号:19)
Antisense strand siRNA: UUCCACUCAAAGGCUGCUGtt (配列番号:20)
Sense strand siRNA: AAAGCAGCUUAAUGAGGAAtt (配列番号:21)
Antisense strand siRNA: UUCCUCAUUAAGCUGCUUUtt (配列番号:22)
Sense strand siRNA: GGAAAGCAGAACCUACCUUtt (配列番号:23)
Antisense strand siRNA: AAGGUAGGUUCUGCUUUCCtt (配列番号:24)
Sense strand siRNA: CCUACCUUUGGAGGUCAUGtt (配列番号:25)
Antisense strand siRNA: CAUGACCUCCAAAGGUAGGtt (配列番号:26)
Sense strand siRNA: CGCCUCAAGGAAAUCAUGGtt (配列番号:27)
Antisense strand siRNA: CCAUGAUUUCCUUGAGGCGtt (配列番号:28)
Sense strand siRNA: GUUAUGCUCAUUCCACAGAtt (配列番号:29)
Antisense strand siRNA: UCUGUGGAAUGAGCAUAACtt (配列番号:30)
Sense strand siRNA: CAUAUGUUAGGACAGAGACtt (配列番号:31)
Antisense strand siRNA: GUCUCUGUCCUAACAUAUGtt (配列番号:32)
Vac14 5’⇒3’each
Sense strand siRNA: CCCCGAGAAGGAUUUCGCGtt (配列番号:33)
Antisense strand siRNA: CGCGAAAUCCUUCUCGGGGtt (配列番号:34)
Sense strand siRNA: AAGCGGAAGGUGGCAGCGCtt (配列番号:35)
Antisense strand siRNA: GCGCUGCCACCUUCCGCUUtt (配列番号:36)
Sense strand siRNA: AUCAAGCAUGUGAUCCAGAtt (配列番号:37)
Antisense strand siRNA: UCUGGAUCACAUGCUUGAUtt (配列番号:38)
Sense strand siRNA: GGAGCUGAUCGAGCCAGUGtt (配列番号:39)
Antisense strand siRNA: CACUGGCUCGAUCAGCUCCtt (配列番号:40)
Sense strand siRNA: GCGGAUCUGAGCUCCUAGAtt (配列番号:41)
Antisense strand siRNA: UCUAGGAGCUCAGAUCCGCtt (配列番号:42)
Sense strand siRNA: GUUUGACCUGGUGAGCUUCtt (配列番号:43)
Antisense strand siRNA: GAAGCUCACCAGGUCAAACtt (配列番号:44)
Sense strand siRNA: AUUAAGAAGAACCCCUCCAtt (配列番号:45)
Antisense strand siRNA: UGGAGGGGUUCUUCUUAAUtt (配列番号:46)
Sense strand siRNA: GUUUGCUGAGAUGGCCAACtt (配列番号:47)
Antisense strand siRNA: GUUGGCCAUCUCAGCAAACtt (配列番号:48)
Sense strand siRNA: AAGCAUCAAAGAAGUGGCCtt (配列番号:49)
Antisense strand siRNA: GGCCACUUCUUUGAUGCUUtt (配列番号:50)
Sense strand siRNA: GCUCCUGGAGGUCAGAGGCtt (配列番号:51)
Antisense strand siRNA: GCCUCUGACCUCCAGGAGCtt (配列番号:52)
Sense strand siRNA: CCCCGAGAAGGAUUUCGCGtt (配列番号:33)
Antisense strand siRNA: CGCGAAAUCCUUCUCGGGGtt (配列番号:34)
Sense strand siRNA: AAGCGGAAGGUGGCAGCGCtt (配列番号:35)
Antisense strand siRNA: GCGCUGCCACCUUCCGCUUtt (配列番号:36)
Sense strand siRNA: AUCAAGCAUGUGAUCCAGAtt (配列番号:37)
Antisense strand siRNA: UCUGGAUCACAUGCUUGAUtt (配列番号:38)
Sense strand siRNA: GGAGCUGAUCGAGCCAGUGtt (配列番号:39)
Antisense strand siRNA: CACUGGCUCGAUCAGCUCCtt (配列番号:40)
Sense strand siRNA: GCGGAUCUGAGCUCCUAGAtt (配列番号:41)
Antisense strand siRNA: UCUAGGAGCUCAGAUCCGCtt (配列番号:42)
Sense strand siRNA: GUUUGACCUGGUGAGCUUCtt (配列番号:43)
Antisense strand siRNA: GAAGCUCACCAGGUCAAACtt (配列番号:44)
Sense strand siRNA: AUUAAGAAGAACCCCUCCAtt (配列番号:45)
Antisense strand siRNA: UGGAGGGGUUCUUCUUAAUtt (配列番号:46)
Sense strand siRNA: GUUUGCUGAGAUGGCCAACtt (配列番号:47)
Antisense strand siRNA: GUUGGCCAUCUCAGCAAACtt (配列番号:48)
Sense strand siRNA: AAGCAUCAAAGAAGUGGCCtt (配列番号:49)
Antisense strand siRNA: GGCCACUUCUUUGAUGCUUtt (配列番号:50)
Sense strand siRNA: GCUCCUGGAGGUCAGAGGCtt (配列番号:51)
Antisense strand siRNA: GCCUCUGACCUCCAGGAGCtt (配列番号:52)
アプタマーとは、標的たんぱく質に特異的に結合する20〜60merのオリゴヌクレオチド(RNA/DNA)で、たんぱく質のポケット(くぼみ)に入り込んで、安定な3次元構造を形成、機能阻害する能力を有している。アプタマーの塩基配列はSELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)法という操作によって決定される。
まず、ランダムな塩基配列を持つ核酸群の中から標的となる蛋白質に結合する配列を選択し、増幅し、その後、再び選択と増幅を繰り返し行い、特異性の高い配列を探索することにより得られる。
「炎症性疾患」とは、炎症を伴う状態または疾患であり、特にIL-12もしくはIL-23産生を介する疾患であって、自己免疫性疾患を含む疾患を意味する。具体的には、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状線病、自己免疫性卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、膠原病、移植片対宿主病、虚血性血管障害、及びキャッスルマン病などが含まれる。
中でも好ましくは、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性ブドウ膜炎、関節リウマチが挙げられる。
ここに、IL-12もしくはIL-23産生を介する疾患とは、たとえば、IL-12もしくはIL-23の過剰産生が病態に関与するIL-12/23過剰産生関連疾患や、IL-12もしくはIL−23の受容機構に変異を生じた疾患などが含まれる。IL-12/23過剰産生関連疾患としては、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、自己免疫性卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、移植片対宿主病が挙げられる。特に、乾癬(Lancet. 2008 May 17;371(9625):1665-74)、クローン病や潰瘍性大腸炎(Gastroenterology. 2008 Oct;135(4):1130-41.Epub 2008 Jul 17、 Am J Gastroenterol. 2008 Mar;103(3):621-7. Epub 2007 Nov 28)などが好ましい。
IL−23の受容機構に変異を生じた疾患としてはクローン病(Nat Genet. 2008 Aug;40(8):955-62. Epub 2008 Jun 29.)などが挙げられる。
まず、ランダムな塩基配列を持つ核酸群の中から標的となる蛋白質に結合する配列を選択し、増幅し、その後、再び選択と増幅を繰り返し行い、特異性の高い配列を探索することにより得られる。
「炎症性疾患」とは、炎症を伴う状態または疾患であり、特にIL-12もしくはIL-23産生を介する疾患であって、自己免疫性疾患を含む疾患を意味する。具体的には、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状線病、自己免疫性卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、膠原病、移植片対宿主病、虚血性血管障害、及びキャッスルマン病などが含まれる。
中でも好ましくは、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性ブドウ膜炎、関節リウマチが挙げられる。
ここに、IL-12もしくはIL-23産生を介する疾患とは、たとえば、IL-12もしくはIL-23の過剰産生が病態に関与するIL-12/23過剰産生関連疾患や、IL-12もしくはIL−23の受容機構に変異を生じた疾患などが含まれる。IL-12/23過剰産生関連疾患としては、多発性硬化症、全身性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫性神経疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、免疫媒介真性糖尿病、自己免疫性卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性副腎炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、移植片対宿主病が挙げられる。特に、乾癬(Lancet. 2008 May 17;371(9625):1665-74)、クローン病や潰瘍性大腸炎(Gastroenterology. 2008 Oct;135(4):1130-41.Epub 2008 Jul 17、 Am J Gastroenterol. 2008 Mar;103(3):621-7. Epub 2007 Nov 28)などが好ましい。
IL−23の受容機構に変異を生じた疾患としてはクローン病(Nat Genet. 2008 Aug;40(8):955-62. Epub 2008 Jun 29.)などが挙げられる。
なお、乾癬または乾癬性関節炎に対するIL-12/23阻害剤の臨床効果は、Lancet. 2008 May 17;371(9625):1665-74やLancet. 2009 Feb 21;373(9664):633-40. Epub 2009 Feb 11に報告されており、また、J Invest Dermatol. 2009 Feb;129(2):355-8. Epub 2008 Sep 18、Arthritis Rheum. 2008 Dec;58(12):3705-9、などにも当該疾患とIL-12および/またはIL-23との関連性が報告されている。また、関節リウマチとの関連性については、Ann Rheum Dis. 2008 Feb;67(2):248-50. Epub 2007 Jul 2に、クローン病や潰瘍性大腸炎については、Gastroenterology. 2008 Oct;135(4):1130-41. Epub 2008 Jul 17や、Am J Gastroenterol. 2008 Mar;103(3):621-7. Epub 2007 Nov 28に、多発性硬化症については、Expert Rev Neurother. 2009 Mar;9(3):319-21に、原発性胆汁性肝硬変については、N Engl J Med. 2009 Jun 11;360(24):2544-55. Epub 2009 May 20に報告されている。
また、血管炎(Hum Immunol. 2006 Sep;67(9):735-40. Epub 2006 Jul 20.)、強直性脊椎炎(Curr Opin Rheumatol. 2009 Jul;21(4):318-23.)、自己免疫性甲状腺炎(J Clin Endocrinol Metab. 2008 Mar;93(3):1077-81. Epub 2007 Dec 11.)、全身性硬化症(J Rheumatol. 2009 Nov 16.)、ベーチェット病(J Invest Dermatol. 2006 Jul;126(7):1534-40. Epub 2006 Mar 2.)、免疫媒介真性糖尿病(Nat Genet. 2001 Feb;27(2):218-21.)、移植片対宿主病(Biol Blood Marrow Transplant. 2009 Dec;15(12):1571-7. Epub 2009 Oct 1.)、キャッスルマン病(Int J Hematol. 2007 Apr;85(3):207-11.)との関連性についても、上記文献において、報告されている。
また、血管炎(Hum Immunol. 2006 Sep;67(9):735-40. Epub 2006 Jul 20.)、強直性脊椎炎(Curr Opin Rheumatol. 2009 Jul;21(4):318-23.)、自己免疫性甲状腺炎(J Clin Endocrinol Metab. 2008 Mar;93(3):1077-81. Epub 2007 Dec 11.)、全身性硬化症(J Rheumatol. 2009 Nov 16.)、ベーチェット病(J Invest Dermatol. 2006 Jul;126(7):1534-40. Epub 2006 Mar 2.)、免疫媒介真性糖尿病(Nat Genet. 2001 Feb;27(2):218-21.)、移植片対宿主病(Biol Blood Marrow Transplant. 2009 Dec;15(12):1571-7. Epub 2009 Oct 1.)、キャッスルマン病(Int J Hematol. 2007 Apr;85(3):207-11.)との関連性についても、上記文献において、報告されている。
以下に、本発明のスクリーニング方法について説明する。
本発明のスクリーニング方法において、PIKfyve阻害活性は、PIKfyveの酵素活性によるフォスファチジルイノシトールまたはフォスファチジルイノシトール3リン酸の5位のリン酸化や、Rab9エフェクターであるp40のリン酸化を指標として算出することができる。あるいは、PIKfyveとVac14の結合量、PIKfyveとATPの結合量、細胞の空胞化などについて、評価対象物質を添加した際の変化を測定することにより算出することもできる。
リン酸化を指標とする場合には、リン酸化アッセイが用いられ、結合に対する阻害活性を評価する場合には、種々のプローブを用いた結合アッセイにより測定することができる。
細胞の空胞化を指標とする場合には、High Content Screeningを用いた形態変化アッセイなどにより測定することができる。
本発明のスクリーニング方法において、PIKfyve阻害活性は、PIKfyveの酵素活性によるフォスファチジルイノシトールまたはフォスファチジルイノシトール3リン酸の5位のリン酸化や、Rab9エフェクターであるp40のリン酸化を指標として算出することができる。あるいは、PIKfyveとVac14の結合量、PIKfyveとATPの結合量、細胞の空胞化などについて、評価対象物質を添加した際の変化を測定することにより算出することもできる。
リン酸化を指標とする場合には、リン酸化アッセイが用いられ、結合に対する阻害活性を評価する場合には、種々のプローブを用いた結合アッセイにより測定することができる。
細胞の空胞化を指標とする場合には、High Content Screeningを用いた形態変化アッセイなどにより測定することができる。
(1)リン酸化アッセイ
酵素としてPIKfyveおよびPIKfyveの部分配列を用い、基質としてフォスファチジルイノシトールまたはフォスファチジルイノシトール3リン酸またはその誘導体、もしくはRab9エフェクターであるp40またはその部分配列を用いて、ATPまたは標識ATPの存在下でPIKfyveによる基質のリン酸化反応を行い、評価対象物質を反応系内に添加して行った後、基質に結合した標識ATPまたはリン酸基を指標にしてPIKfyveに対する阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
標識ATPとしては、32P標識体が好適に使用され得る。32P標識ATPとしては、[γ−32P]ATP(GEヘルスケア・ジャパン(株)製:第一化学(株)製)等を例示することができる。
なお、阻害活性の測定は、PIKfyveの高発現細胞や培養細胞を用いて、細胞内で酵素活性を測定する方法、または試験管内活性測定系を用いる方法などにより行うことができる。
例えば、PIKfyveの高発現細胞を用いる方法としては、ヒトリンパ球由来のJurkat細胞をリシスバッファー等にソニケーションして懸濁し、遠心により得られる上清をPIKfyveを含む細胞抽出液として用いる方法が挙げられる。
また、試験管内測定系として、ヒトやマウスなどのPIKfyveを、例えば、バキュロウイルスベクター等を用いた公知の方法により、昆虫細胞などに発現させて精製し、精製したPIKfyveを用いて酵素活性を測定する系を用いることができる。
p40またはその部分配列としては、前述の配列の少なくとも一部若しくは全部の配列を用いることができ、好ましくは、p40のSer残基を含有するペプチドであり、好ましくは5〜300、さらに好ましくは100〜300アミノ酸残基を含むペプチドである。
具体的には、p40を基質として用いる方法として、大腸菌発現系を用いた公知の方法によりGST-p40を発現させ、Glutathione-agarose beadsを用いた方法により精製することによって調製し、基質として用いることで、精製したPIKfyveによる試験管内活性測定を行うことができる。大腸菌発現系としてはpET Expression System (タカラバイオ社)、などを用いることができ、Glutathione-agarose beadsとしてはImmobilized Glutathione (Thermo Scientific社)などを用いることができる。
酵素としてPIKfyveおよびPIKfyveの部分配列を用い、基質としてフォスファチジルイノシトールまたはフォスファチジルイノシトール3リン酸またはその誘導体、もしくはRab9エフェクターであるp40またはその部分配列を用いて、ATPまたは標識ATPの存在下でPIKfyveによる基質のリン酸化反応を行い、評価対象物質を反応系内に添加して行った後、基質に結合した標識ATPまたはリン酸基を指標にしてPIKfyveに対する阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
標識ATPとしては、32P標識体が好適に使用され得る。32P標識ATPとしては、[γ−32P]ATP(GEヘルスケア・ジャパン(株)製:第一化学(株)製)等を例示することができる。
なお、阻害活性の測定は、PIKfyveの高発現細胞や培養細胞を用いて、細胞内で酵素活性を測定する方法、または試験管内活性測定系を用いる方法などにより行うことができる。
例えば、PIKfyveの高発現細胞を用いる方法としては、ヒトリンパ球由来のJurkat細胞をリシスバッファー等にソニケーションして懸濁し、遠心により得られる上清をPIKfyveを含む細胞抽出液として用いる方法が挙げられる。
また、試験管内測定系として、ヒトやマウスなどのPIKfyveを、例えば、バキュロウイルスベクター等を用いた公知の方法により、昆虫細胞などに発現させて精製し、精製したPIKfyveを用いて酵素活性を測定する系を用いることができる。
p40またはその部分配列としては、前述の配列の少なくとも一部若しくは全部の配列を用いることができ、好ましくは、p40のSer残基を含有するペプチドであり、好ましくは5〜300、さらに好ましくは100〜300アミノ酸残基を含むペプチドである。
具体的には、p40を基質として用いる方法として、大腸菌発現系を用いた公知の方法によりGST-p40を発現させ、Glutathione-agarose beadsを用いた方法により精製することによって調製し、基質として用いることで、精製したPIKfyveによる試験管内活性測定を行うことができる。大腸菌発現系としてはpET Expression System (タカラバイオ社)、などを用いることができ、Glutathione-agarose beadsとしてはImmobilized Glutathione (Thermo Scientific社)などを用いることができる。
(2)結合アッセイ
酵素としてPIKfyveを用い、物質間の結合の有無や乖離の有無を調べる従来より公知の種々の方法を適用することができる。例えば、PIKfyve、標識ATP、PIKfyve阻害剤から選択されるプローブの存在下で評価対象物質を反応系内に添加して行った後、PIKfyveに結合した標識ATPを指標にして評価対象物質のPIKfyveに対する結合阻害活性を判定する工程を経て、PIKfyveに対する結合阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
PIKfyve阻害剤から選択されるプローブとしては、PIKfyve阻害活性を有する低分子化合物、PIKfyveに対する抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマー等が含まれ、例えば、本願明細書の合成例1〜3に示した化合物などを用いることができる。
具体的には、プローブとPIKfyveとの結合を阻害する化合物のスクリーニングを行なうには、まずPIKfyveを含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりPIKfyve標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどの、プローブとPIKfyveとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80、デオキシコレート、ジギトニンなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える目的でロイペプチン、PMSF、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000〜500000cpm)の標識したプローブを添加し、同時に10−4M〜10−10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のプローブを加えた反応チューブも用意する。反応は約0〜50℃、望ましくは約4〜37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
酵素としてPIKfyveを用い、物質間の結合の有無や乖離の有無を調べる従来より公知の種々の方法を適用することができる。例えば、PIKfyve、標識ATP、PIKfyve阻害剤から選択されるプローブの存在下で評価対象物質を反応系内に添加して行った後、PIKfyveに結合した標識ATPを指標にして評価対象物質のPIKfyveに対する結合阻害活性を判定する工程を経て、PIKfyveに対する結合阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
PIKfyve阻害剤から選択されるプローブとしては、PIKfyve阻害活性を有する低分子化合物、PIKfyveに対する抗体、PIKfyve遺伝子もしくはVac14遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマー等が含まれ、例えば、本願明細書の合成例1〜3に示した化合物などを用いることができる。
具体的には、プローブとPIKfyveとの結合を阻害する化合物のスクリーニングを行なうには、まずPIKfyveを含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりPIKfyve標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどの、プローブとPIKfyveとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80、デオキシコレート、ジギトニンなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える目的でロイペプチン、PMSF、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000〜500000cpm)の標識したプローブを添加し、同時に10−4M〜10−10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のプローブを加えた反応チューブも用意する。反応は約0〜50℃、望ましくは約4〜37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
(3)PIKfyve-Vac14結合アッセイ
上記と同様に、PIKfyveまたはその部分配列を用い、Vac14またはその部分配列との結合阻害活性を測定する公知の種々の方法を用いることができる。例えば、プローブとしてPIKfyveまたはその部分配列を用い、Vac14またはその部分配列をプローブとして添加する際、評価対象物質を反応系内に添加して行った後、PIKfyveまたはその部分配列とVac14またはその部分配列の結合を指標にして、従来より公知の種々の方法を用いてPIKfyveとVac14の結合に対する阻害活性を判定する工程を経て、PIKfyveの阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
PIKfyveもしくはその部分配列のプローブとしては、PIKfyveの少なくとも一部若しくは全部の配列(またはその相補配列)を有し、少なくとも15bpの鎖長のDNAが用いられる。好ましくは、Vac14への結合能が報告されているヒトPIKfyve遺伝子のCCTドメインを含む1038bpから3402bp、もしくはその一部を含む配列が挙げられる。長さとしては、好ましくは、15〜3000、好ましくは、1503〜3000塩基の部分配列である。
Vac14またはその部分配列のプローブとして、Vac14の少なくとも一部若しくは全部の配列(またはその相補配列)を有し、少なくとも15bpの鎖長のDNAが用いられる。好ましくは、PIKfyveへの結合能が報告されているVac14遺伝子のN末側の1から11番目のHEATリピートモチーフ、もしくはその一部を含む遺伝子配列が挙げられる。長さとしては、好ましくは、15〜1500、好ましくは、300〜1500塩基の部分配列である。
具体的には、Fields, S & Song, O. (1989) Nature 340(6230):245-246. に記載の酵母Two-Hybrid法が挙げられる。例えば、PIKfyve-Vac14結合アッセイを行うには、まずPIKfyve遺伝子を転写因子であるGal4のDNA結合ドメインに融合した組換え遺伝子と、Vac14遺伝子をGal4の転写活性化ドメインに融合した組換え遺伝子を調製し、これらを酵母細胞に遺伝子導入し、酵母Two-Hybrid法によるレポートターアッセイを行うことによって測定できる。酵母Two-Hybrid法としてはMatchmaker Gold Two-Hybrid System(タカラバイオ社)を用いることができる。
また、別の方法として、Eglen RM, Reisine T, Roby P, et al,Curr Chem Genom. 2008; 1:2-10に記載のアルファスクリーン法が挙げられる。具体的には、PIKfyve-Vac14結合アッセイとしては、ビオチンタグを付加したPIKfyveタンパク、GSTタグ配列を付加したVac14タンパク質を調製し、ストレプトアビジン結合ドナービーズとAnti-GST IgG結合アクセプタービーズを混合し、化学増幅型ルミネッセンス プロキシミティホモジニアスアッセイを行う方法であるAlpha screen法が挙げられる。ドナービーズおよびアクセプタービーズとしてはStreptavidin-coated Donor Beads(パーキンエルマー社)、 Anti-GST IgG conjugated Acceptor Beads(パーキンエルマー社)を用いることができる。
上記と同様に、PIKfyveまたはその部分配列を用い、Vac14またはその部分配列との結合阻害活性を測定する公知の種々の方法を用いることができる。例えば、プローブとしてPIKfyveまたはその部分配列を用い、Vac14またはその部分配列をプローブとして添加する際、評価対象物質を反応系内に添加して行った後、PIKfyveまたはその部分配列とVac14またはその部分配列の結合を指標にして、従来より公知の種々の方法を用いてPIKfyveとVac14の結合に対する阻害活性を判定する工程を経て、PIKfyveの阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
PIKfyveもしくはその部分配列のプローブとしては、PIKfyveの少なくとも一部若しくは全部の配列(またはその相補配列)を有し、少なくとも15bpの鎖長のDNAが用いられる。好ましくは、Vac14への結合能が報告されているヒトPIKfyve遺伝子のCCTドメインを含む1038bpから3402bp、もしくはその一部を含む配列が挙げられる。長さとしては、好ましくは、15〜3000、好ましくは、1503〜3000塩基の部分配列である。
Vac14またはその部分配列のプローブとして、Vac14の少なくとも一部若しくは全部の配列(またはその相補配列)を有し、少なくとも15bpの鎖長のDNAが用いられる。好ましくは、PIKfyveへの結合能が報告されているVac14遺伝子のN末側の1から11番目のHEATリピートモチーフ、もしくはその一部を含む遺伝子配列が挙げられる。長さとしては、好ましくは、15〜1500、好ましくは、300〜1500塩基の部分配列である。
具体的には、Fields, S & Song, O. (1989) Nature 340(6230):245-246. に記載の酵母Two-Hybrid法が挙げられる。例えば、PIKfyve-Vac14結合アッセイを行うには、まずPIKfyve遺伝子を転写因子であるGal4のDNA結合ドメインに融合した組換え遺伝子と、Vac14遺伝子をGal4の転写活性化ドメインに融合した組換え遺伝子を調製し、これらを酵母細胞に遺伝子導入し、酵母Two-Hybrid法によるレポートターアッセイを行うことによって測定できる。酵母Two-Hybrid法としてはMatchmaker Gold Two-Hybrid System(タカラバイオ社)を用いることができる。
また、別の方法として、Eglen RM, Reisine T, Roby P, et al,Curr Chem Genom. 2008; 1:2-10に記載のアルファスクリーン法が挙げられる。具体的には、PIKfyve-Vac14結合アッセイとしては、ビオチンタグを付加したPIKfyveタンパク、GSTタグ配列を付加したVac14タンパク質を調製し、ストレプトアビジン結合ドナービーズとAnti-GST IgG結合アクセプタービーズを混合し、化学増幅型ルミネッセンス プロキシミティホモジニアスアッセイを行う方法であるAlpha screen法が挙げられる。ドナービーズおよびアクセプタービーズとしてはStreptavidin-coated Donor Beads(パーキンエルマー社)、 Anti-GST IgG conjugated Acceptor Beads(パーキンエルマー社)を用いることができる。
(4)細胞の形態変化アッセイ
PIKfyveを発現する細胞を用い、細胞の形態変化の有無を調べる従来より公知の種々の方法を適用することができる。具体的には、Nat Cell Biol. 2010 Aug;12(8):747-57.に報告の方法などが挙げられる。
例えば、PIKfyveを発現する細胞を含む反応系に、評価対象物質を添加した後、High Content Screeningを用いて細胞形態の変化を測定する工程を経て、PIKfyve阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
PIKfyveを発現する細胞を用い、細胞の形態変化の有無を調べる従来より公知の種々の方法を適用することができる。具体的には、Nat Cell Biol. 2010 Aug;12(8):747-57.に報告の方法などが挙げられる。
例えば、PIKfyveを発現する細胞を含む反応系に、評価対象物質を添加した後、High Content Screeningを用いて細胞形態の変化を測定する工程を経て、PIKfyve阻害活性を有する物質を選択することにより、スクリーニングを行うことができる。
本発明の「予防又は治療剤」とは、前記で定義される本発明のスクリーニング法により得られた物質、すなわち「低分子化合物」、「抗体」、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、「siRNA」または「アプタマー」のいずれかを有効成分とし、薬学的に許容され得る担体とからなる医薬組成物である。
本発明のこれら医薬組成物は、前述の炎症性疾患の治療剤として有用である。
ここで「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体の一つ以上を用いることにより、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、注射剤、液剤、カプセル剤、エリキシル剤、トロー剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬組成物 を調製することができる。これらの医薬組成物 は、経口あるいは非経口的に投与することができる。非経口投与のためのその他の形態としては、一つまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなどが含まれる。
本発明のこれら医薬組成物は、前述の炎症性疾患の治療剤として有用である。
ここで「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体の一つ以上を用いることにより、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、注射剤、液剤、カプセル剤、エリキシル剤、トロー剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬組成物 を調製することができる。これらの医薬組成物 は、経口あるいは非経口的に投与することができる。非経口投与のためのその他の形態としては、一つまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなどが含まれる。
投与量は、患者の年齢、性別、体重及び症状、治療効果、投与方法、処理時間、あるいは該医薬組成物に含有される活性成分(前記ポリペプチドや抗体など)の種類などにより異なるが、通常成人一人当たり、一回につき10μgから1000mg(あるいは10μgから500mg)の範囲で投与することができる。しかしながら、投与量は種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また上記の範囲を越える投与量が必要な場合もある。
特に、注射剤の場合には、例えば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等の非毒性の薬学的に許容され得る担体中に0.1μg有効成分/ml担体〜10mg有効成分/ml担体の濃度となるように溶解または懸濁することにより製造することができる。このようにして製造された注射剤は、処置を必要とするヒト患者に対し、1回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgの割合で、好ましくは50μg〜50mgの割合で、1日あたり1回〜数回投与することができる。投与の形態としては、静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは腹腔内注射のような医療上適当な投与形態が例示できる。好ましくは静脈内注射である。
また、注射剤は、場合により、非水性の希釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調製することもできる。
そのような注射剤の無菌化は、バクテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、殺菌剤の配合または照射により行うことができる。注射剤は、用時調製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物 とし、使用前に無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
化合物1(N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジン)の合成
(工程1)5-ピリジン-4-イル-2H-ピラゾール-3-イル-アミン
18-crown-6(875 mg, 3.31 mmol)およびtert-ブトキシカリウム(1 M THF溶液, 36.4 mL, 36.4 mmol)のTHF(10 mL)溶液中に60 ℃にてアセトニトリル(2.09 mL, 39.7 mmol)を加え5分攪拌した。この溶液にイソニコチン酸エチル(5.00 g, 33.1 mmol)を加え30分攪拌した。この懸濁液をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。
得られた固体をエタノール(60 mL)に懸濁し、氷冷下濃塩酸(3.0 mL)およびカルバジン酸メチル(3.61 g, 39.7 mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。攪拌後この懸濁液に炭酸カリウム(2.74 g, 19.8 mmol)を加え、90 ℃にて1時間攪拌した。この反応溶液を減圧濃縮し、水にて希釈後、酢酸エチルで抽出した。抽出液をあわせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し得られた固体をジエチルエーテルでよく洗浄することで、表題化合物(1.33 g, 25%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 4.65-5.16 (br, 2H), 5.81 (br, 1H), 7.59-7.61 (m, 2H), 8.50-8.52 (m, 2H), 11.80 (br, 1H); MS (ESI) m/z 161 (M+H)+.
[合成例1]
化合物1(N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジン)の合成
(工程1)5-ピリジン-4-イル-2H-ピラゾール-3-イル-アミン
18-crown-6(875 mg, 3.31 mmol)およびtert-ブトキシカリウム(1 M THF溶液, 36.4 mL, 36.4 mmol)のTHF(10 mL)溶液中に60 ℃にてアセトニトリル(2.09 mL, 39.7 mmol)を加え5分攪拌した。この溶液にイソニコチン酸エチル(5.00 g, 33.1 mmol)を加え30分攪拌した。この懸濁液をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。
得られた固体をエタノール(60 mL)に懸濁し、氷冷下濃塩酸(3.0 mL)およびカルバジン酸メチル(3.61 g, 39.7 mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。攪拌後この懸濁液に炭酸カリウム(2.74 g, 19.8 mmol)を加え、90 ℃にて1時間攪拌した。この反応溶液を減圧濃縮し、水にて希釈後、酢酸エチルで抽出した。抽出液をあわせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し得られた固体をジエチルエーテルでよく洗浄することで、表題化合物(1.33 g, 25%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 4.65-5.16 (br, 2H), 5.81 (br, 1H), 7.59-7.61 (m, 2H), 8.50-8.52 (m, 2H), 11.80 (br, 1H); MS (ESI) m/z 161 (M+H)+.
(工程2)5,7-ジクロロ-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
5-ピリジン-4-イル-2H-ピラゾール-3-イル-アミン(1.29 g, 8.05 mmol)のエタノール溶液(20 mL)にナトリウムエトキシド(1.21 g, 17.7 mmol)、マロン酸ジエチル(1.34 mL, 8.86 mmol)を加え、加熱還流下9時間攪拌した。攪拌後反応液をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。
得られた個体に氷冷下塩化ホスホリル(15 mL)を加えた後、懸濁液を加熱還流下4時間攪拌した。この反応液から塩化ホスホリルを留去し、残渣に氷冷下エタノ‐ルを加え15分攪拌した。反応液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ‐(メタノール/塩化メチレン=1:50〜1:20)にて精製し、表題化合物(380 mg, 18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 7.79 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 8.41 (d, 2H, J=6.6 Hz), 8.97 (d, 2H, J=6.6 Hz); MS (ESI) m/z 265 (M+H)+.
5-ピリジン-4-イル-2H-ピラゾール-3-イル-アミン(1.29 g, 8.05 mmol)のエタノール溶液(20 mL)にナトリウムエトキシド(1.21 g, 17.7 mmol)、マロン酸ジエチル(1.34 mL, 8.86 mmol)を加え、加熱還流下9時間攪拌した。攪拌後反応液をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。
得られた個体に氷冷下塩化ホスホリル(15 mL)を加えた後、懸濁液を加熱還流下4時間攪拌した。この反応液から塩化ホスホリルを留去し、残渣に氷冷下エタノ‐ルを加え15分攪拌した。反応液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ‐(メタノール/塩化メチレン=1:50〜1:20)にて精製し、表題化合物(380 mg, 18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 7.79 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 8.41 (d, 2H, J=6.6 Hz), 8.97 (d, 2H, J=6.6 Hz); MS (ESI) m/z 265 (M+H)+.
(工程3)5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
5,7-ジクロロ-4-イル-2-ピリジン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(380 mg, 1.43 mmol)を1,4-ジオキサン(3 mL)に溶解し、モルホリン(249μL, 2.86 mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応後懸濁液を濃縮し、残渣を水にて希釈し酢酸エチルにて抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し得られた固体をジエチルエーテルで洗浄することで表題化合物(306 mg, 68%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 3.83-3.85 (m, 4H), 3.89-3.91 (m, 4H), 6.50 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 8.21 (d, 2H, J=6.2 Hz), 8.81 (d, 2H, J=6.2 Hz); MS (ESI) m/z 316 (M+H)+.
5,7-ジクロロ-4-イル-2-ピリジン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(380 mg, 1.43 mmol)を1,4-ジオキサン(3 mL)に溶解し、モルホリン(249μL, 2.86 mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応後懸濁液を濃縮し、残渣を水にて希釈し酢酸エチルにて抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し得られた固体をジエチルエーテルで洗浄することで表題化合物(306 mg, 68%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 3.83-3.85 (m, 4H), 3.89-3.91 (m, 4H), 6.50 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 8.21 (d, 2H, J=6.2 Hz), 8.81 (d, 2H, J=6.2 Hz); MS (ESI) m/z 316 (M+H)+.
(工程4)N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジン(APY0201)
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(84.0 mg, 0.266 mmol)を1,4‐ジオキサン(2 mL)に懸濁し、ヒドラジン一水和物(129μL, 2.66 mmol)を加え、加熱還流下10時間攪拌した。攪拌後反応液を水にて希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をエタノール(2 mL)に懸濁し、酢酸(5.0μL, 0.087 mmol)、3-メチルベンズアルデヒド(31.3μL, 0.266 mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。攪拌後、懸濁液を濾過し、得られた固体を逆相HPLCで精製後、脱塩することで表題化合物(36.2 mg, 2工程収率33%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ2.35 (s, 3H), 3.71-7.75 (m, 4H), 3.87-3.90 (m, 4H), 6.36 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 7.18 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.32 (t, 1H, J=7.6 Hz), 7.48 (s, 1H), 7.53 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.90 (d, 2H, J=4.8 Hz), 8.04 (s, 1H), 8.64 (d, 2H, J=4.8 Hz), 11.27 (s, 1H); MS (ESI) m/z 414 (M+H)+.
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(84.0 mg, 0.266 mmol)を1,4‐ジオキサン(2 mL)に懸濁し、ヒドラジン一水和物(129μL, 2.66 mmol)を加え、加熱還流下10時間攪拌した。攪拌後反応液を水にて希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。
得られた残渣をエタノール(2 mL)に懸濁し、酢酸(5.0μL, 0.087 mmol)、3-メチルベンズアルデヒド(31.3μL, 0.266 mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。攪拌後、懸濁液を濾過し、得られた固体を逆相HPLCで精製後、脱塩することで表題化合物(36.2 mg, 2工程収率33%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ2.35 (s, 3H), 3.71-7.75 (m, 4H), 3.87-3.90 (m, 4H), 6.36 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 7.18 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.32 (t, 1H, J=7.6 Hz), 7.48 (s, 1H), 7.53 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.90 (d, 2H, J=4.8 Hz), 8.04 (s, 1H), 8.64 (d, 2H, J=4.8 Hz), 11.27 (s, 1H); MS (ESI) m/z 414 (M+H)+.
[合成例2]
化合物2 N-(1H-インドール-6-イルメチレン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジンの合成
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(70 mg, 0.22 mmol)をエタノール(3.0 mL)に懸濁し、酢酸(6.3μL, 0.11 mmol)、1H-インドール-6-カルボアルデヒド (35 mg, 0.24 mmol)を加えて室温にて16時間攪拌した。この反応液をろ過し、エタノールで洗浄した後、ジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(45 mg 収率10%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) ; δ3.48 (bs, 4H), 3.91 (bs, 4H), 6.40 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 7.42-7.50 (m, 2H), 7.58-7.64 (m, 2H), 7.92 (d, 2H, J=6 Hz), 8.17 (s, 1H), 8.66 (d, 2H, J=6.3 Hz), 11.1 (s, 1H), 11.3 (s, 1H); MS (ESI) m/z 439 (M+H)+.
化合物2 N-(1H-インドール-6-イルメチレン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジンの合成
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(70 mg, 0.22 mmol)をエタノール(3.0 mL)に懸濁し、酢酸(6.3μL, 0.11 mmol)、1H-インドール-6-カルボアルデヒド (35 mg, 0.24 mmol)を加えて室温にて16時間攪拌した。この反応液をろ過し、エタノールで洗浄した後、ジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(45 mg 収率10%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) ; δ3.48 (bs, 4H), 3.91 (bs, 4H), 6.40 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 7.42-7.50 (m, 2H), 7.58-7.64 (m, 2H), 7.92 (d, 2H, J=6 Hz), 8.17 (s, 1H), 8.66 (d, 2H, J=6.3 Hz), 11.1 (s, 1H), 11.3 (s, 1H); MS (ESI) m/z 439 (M+H)+.
[合成例3]
化合物3 N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジンの合成
(工程1)5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの合成
5,7-ジクロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(400 mg, 2.13 mmol)を1,4-ジオキサン(8 mL)に溶解し、モルホリン(372 μL, 4.26 mmol)を加え、室温にて30分間攪拌した。この反応混合物から溶媒を留去し、残渣を水にて希釈し塩化メチレンにて抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し標題化合物(461 mg, 91%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.77-3.80 (m, 4H), 3.93-3.96 (m, 4H), 6.07 (s, 1H), 6.50 (d, 1H, J=2.2 Hz), 8.02 (d, 1H, J=2.2 Hz); MS (ESI) m/z 239 (M+H)+.
化合物3 N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジンの合成
(工程1)5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの合成
5,7-ジクロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(400 mg, 2.13 mmol)を1,4-ジオキサン(8 mL)に溶解し、モルホリン(372 μL, 4.26 mmol)を加え、室温にて30分間攪拌した。この反応混合物から溶媒を留去し、残渣を水にて希釈し塩化メチレンにて抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し標題化合物(461 mg, 91%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.77-3.80 (m, 4H), 3.93-3.96 (m, 4H), 6.07 (s, 1H), 6.50 (d, 1H, J=2.2 Hz), 8.02 (d, 1H, J=2.2 Hz); MS (ESI) m/z 239 (M+H)+.
(工程2)N-(3-メチル-ベンジリデン)-N’-(7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-ヒドラジンの合成
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(52.0 mg, 0.218 mmol)をエタノール(2 mL)に懸濁し、炭酸カリウム(33.1 mg, 0.240 mmol)、ヒドラジン一水和物(53.0 μL, 1.09 mmol)を加えた。この懸濁液をマイクロウェーブ照射下、150 ℃にて15分間攪拌した。この反応液を飽和食塩水にて希釈し酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をエタノール(2 mL)に懸濁し、酢酸(5.0 μL, 0.087 mmol)、3-メチル-ベンズアルデヒド(23.2 μL, 0.197 mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、得られた固体をメタノールにて洗浄し標題化合物(35.1 mg, 2工程収率48%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 2.34 (s, 3H), 3.64-3.67 (m, 4H), 3.80-3.83 (m, 4H), 6.05 (d, 1H, J=2.1 Hz), 6.29 (s, 1H), 7.16 (m, 1H), 7.30 (m, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.88 (d, 1H, J=2.1 Hz), 8.01 (s, 1H), 11.14 (s, 1H); MS (ESI) m/z 337 (M+H)+.
5-クロロ-7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(52.0 mg, 0.218 mmol)をエタノール(2 mL)に懸濁し、炭酸カリウム(33.1 mg, 0.240 mmol)、ヒドラジン一水和物(53.0 μL, 1.09 mmol)を加えた。この懸濁液をマイクロウェーブ照射下、150 ℃にて15分間攪拌した。この反応液を飽和食塩水にて希釈し酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をエタノール(2 mL)に懸濁し、酢酸(5.0 μL, 0.087 mmol)、3-メチル-ベンズアルデヒド(23.2 μL, 0.197 mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、得られた固体をメタノールにて洗浄し標題化合物(35.1 mg, 2工程収率48%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO): δ 2.34 (s, 3H), 3.64-3.67 (m, 4H), 3.80-3.83 (m, 4H), 6.05 (d, 1H, J=2.1 Hz), 6.29 (s, 1H), 7.16 (m, 1H), 7.30 (m, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.88 (d, 1H, J=2.1 Hz), 8.01 (s, 1H), 11.14 (s, 1H); MS (ESI) m/z 337 (M+H)+.
[試験例1]リピッドキナーゼ阻害活性の評価
リピッドキナーゼ阻害活性の評価は、Biochemistry 2007,46,350-358記載の方法に準じて行った。ヒトリンパ球由来のJurkat細胞をリシスバッファー(20mM Hepes、150mM NaCl、0.1% TritonX-100、20mM MnCl2)にソニケーションにより懸濁した後、100000Xg、60分間の遠心した上清を細胞抽出液とした。細胞抽出液(5mg/mL)に被検化合物(30nM または300nM)あるいは溶媒のみを添加して5分間インキュベーションした後、ビオチニルアシルリン酸を標識したATP誘導体(20μM)を添加して5分間インキュベーションを行い、さらにトリプシンによる消化を行った。ストレプトアビジンアガロースビーズを添加した後、遠心操作によりビオチン標識ペプチド結合ストレプトアビジンアガロースを分離し、洗浄を行った後、50%CH3CN、0.1%TFAを含む溶液に溶解し、65℃でインキュベーションを行うことでビオチン標識ペプチドを溶出した。LC-MS/MSによるビオチン標識ペプチドの分析を行い、リピッドキナーゼ由来のペプチド配列の同定と溶出量の測定をすることで、各種のリピッドキナーゼへのATP誘導体の結合に対する被検化合物の競合阻害活性を評価した。被検化合物を添加しない場合の標識ペプチド溶出量を100%として、被検化合物を添加した場合の標識ペプチドの溶出量の減少量を阻害活性(%)で示した。
本評価系を用い、被検化合物について他のリピッドキナーゼ阻害活性を評価(その他のリピッドキナーゼは、市販のものを用いたり、公知文献に記載の方法に従い製造することができる。)した結果を図1に示した。化合物1、化合物2はPIKfyveに対して選択的な阻害活性を示した。
リピッドキナーゼ阻害活性の評価は、Biochemistry 2007,46,350-358記載の方法に準じて行った。ヒトリンパ球由来のJurkat細胞をリシスバッファー(20mM Hepes、150mM NaCl、0.1% TritonX-100、20mM MnCl2)にソニケーションにより懸濁した後、100000Xg、60分間の遠心した上清を細胞抽出液とした。細胞抽出液(5mg/mL)に被検化合物(30nM または300nM)あるいは溶媒のみを添加して5分間インキュベーションした後、ビオチニルアシルリン酸を標識したATP誘導体(20μM)を添加して5分間インキュベーションを行い、さらにトリプシンによる消化を行った。ストレプトアビジンアガロースビーズを添加した後、遠心操作によりビオチン標識ペプチド結合ストレプトアビジンアガロースを分離し、洗浄を行った後、50%CH3CN、0.1%TFAを含む溶液に溶解し、65℃でインキュベーションを行うことでビオチン標識ペプチドを溶出した。LC-MS/MSによるビオチン標識ペプチドの分析を行い、リピッドキナーゼ由来のペプチド配列の同定と溶出量の測定をすることで、各種のリピッドキナーゼへのATP誘導体の結合に対する被検化合物の競合阻害活性を評価した。被検化合物を添加しない場合の標識ペプチド溶出量を100%として、被検化合物を添加した場合の標識ペプチドの溶出量の減少量を阻害活性(%)で示した。
本評価系を用い、被検化合物について他のリピッドキナーゼ阻害活性を評価(その他のリピッドキナーゼは、市販のものを用いたり、公知文献に記載の方法に従い製造することができる。)した結果を図1に示した。化合物1、化合物2はPIKfyveに対して選択的な阻害活性を示した。
[試験例2]マウス腹腔マクロファージを用いたサイトカイン抑制作用の評価
マウス腹腔マクロファージを用いたサイトカイン抑制作用の評価は次の方法で行った。雄性Balb/cマウス(日本チャールス・リバー社)に3% (w/v)チオグリコレート溶液を1mL腹腔内投与し、5または6日後に腹腔細胞を回収し、接着細胞を評価に用いた。100 ng/mL マウスインターフェロン-γおよび0.05 %(v/v)の黄色ブドウ球菌Cowan I株由来の死菌液(SAC)と化合物を添加し、一晩培養した。培養後、生存率を測定し、回収した培養上清を用いたELISA(BD OptEIATM Mouse ELISA Set、BD Biosciences社)によりIL-12p70(IL-12p35およびp40の複合体)およびTNF-αの定量を行い、50%産生阻害濃度(IC50)を算出した。
本評価系を用い被検化合物のサイトカイン抑制作用を測定した結果とPIKfyveに対する阻害活性を測定した結果を図2に示した。化合物のPIKfyve阻害活性の強さはマウス腹腔マクロファージIL-12産生阻害活性の強さと相関を示した。
マウス腹腔マクロファージを用いたサイトカイン抑制作用の評価は次の方法で行った。雄性Balb/cマウス(日本チャールス・リバー社)に3% (w/v)チオグリコレート溶液を1mL腹腔内投与し、5または6日後に腹腔細胞を回収し、接着細胞を評価に用いた。100 ng/mL マウスインターフェロン-γおよび0.05 %(v/v)の黄色ブドウ球菌Cowan I株由来の死菌液(SAC)と化合物を添加し、一晩培養した。培養後、生存率を測定し、回収した培養上清を用いたELISA(BD OptEIATM Mouse ELISA Set、BD Biosciences社)によりIL-12p70(IL-12p35およびp40の複合体)およびTNF-αの定量を行い、50%産生阻害濃度(IC50)を算出した。
本評価系を用い被検化合物のサイトカイン抑制作用を測定した結果とPIKfyveに対する阻害活性を測定した結果を図2に示した。化合物のPIKfyve阻害活性の強さはマウス腹腔マクロファージIL-12産生阻害活性の強さと相関を示した。
[試験例3]化合物1のマウス腸炎モデルにおける炎症抑制作用の評価
マウスIL-10-/-細胞移入腸炎モデルの作成方法は、例えばGastroenterology. 2009 Feb;136(2):564-74.e2. Epub 2008 Oct 7.に記載されている。
マウスIL-10-/-細胞移入腸炎モデルの作成方法は、例えばGastroenterology. 2009 Feb;136(2):564-74.e2. Epub 2008 Oct 7.に記載されている。
薬効指標である腸管重量の測定は次の方法で行った。最終剖検日に肛門から盲腸直前までの大腸を摘出し、腸管内容物を生理食塩水で洗浄し、軽く水分を除去した後に重量測定を行った。
本評価系を用い化合物1のマウス腸炎モデルに対する炎症抑制作用を評価した結果を図3に示した。IL-10-/-細胞移入によって増加した大腸重量が化合物1の投与用量依存的に抑制された。30mg/kg、1日1回投与群において有意な抑制作用を示した。
本評価系を用い化合物1のマウス腸炎モデルに対する炎症抑制作用を評価した結果を図3に示した。IL-10-/-細胞移入によって増加した大腸重量が化合物1の投与用量依存的に抑制された。30mg/kg、1日1回投与群において有意な抑制作用を示した。
[試験例4]PIKfyveおよびVac14ノックダウンによるIL-12産生抑制作用の評価
siRNA法を用いたマウス腹腔マクロファージに発現するPIKfyveおよびVac14のノックダウンの効果の評価を下記の通り行った。マウス腹腔マクロファージ試験例2に記載の方法で単離した後、3.3x106 cells/mLとなるように、Mouse macrophage nucleofection kit(ロンザ社)添付のNucleofection solutionに懸濁した。細胞懸濁液にsiRNAを最終1μMとなるように添加して添付のプロトコールに従ってNucleofectionを行った。用いたsiRNAは、以下のものを用いた。PIKfyveのノックダウンには、Negative control siRNAとしてON-TARGETplus Non-targeting siRNA #1( Dharmacon社、D-001810-01-05)を、PIKfyve siRNAとしてON-TARGETplus SMARTpool ( Dharmacon社、L-040127-00-0005)を用いた。Vac14のノックダウンにはNegative control siRNA としてSilencer Select Negative Control#1 siRNA(Ambion社、4390843)を、Vac14ノックダウンにはSilencer Select Pre-designed siRNA(Sense鎖:GAUUUACUCCAACAACCAAtt(配列番号:11) 、Antisense鎖:UUGGUUGUUGGAGUAAAUCct(配列番号:12)、Ambion社、s107929)を用いた。
FBSを含まないRPMI1640培地を用いて37℃、5%CO2存在下で2時間培養したのち、FBSを3%含むRPMI1640培地を含むダルベッコMEM培地0.5mlに置換し、37℃、5%CO2存在下で4時間培養後、3.3 ng/mL マウスインターフェロン-γおよび0.0017%(v/v)のSACを添加し、3.5時間培養した後、細胞中のサイトカインのmRNAの発現量を測定した。
マウス腹腔マクロファージからのTotal RNAの抽出精製はRneasy midi kit(Qiagen社 75144)を用い、添付のプロトコールに従い行った。精製したTotal RNAの濃度をBiophotometer (Biorad社)を用いて測定した後、RNA nano 6000(アジレントテクノロジー社)によるキャピラリー電気泳動をBioanalyzer (アジレントテクノロジー社)で行い、Total RNAの品質を確認した。Total RNAをテンプレートとし、oligodt 20mer primer (Invitrogen社) 0.5μgを用いて、SuperscriptIII (Invitrogen社)でcDNA合成を行った。cDNA合成は添付のプロトコールに従い行った。反応終了後にRNaseH(Invitrogen社)で37℃、20分間インキュベートし、残存RNAを除いたものをcDNAとして定量PCRに用いた。
定量PCRはSYBR Green Realtime PCR Master Mix (TOYOBO社)を用い、添付のプロトコール記載の方法で15μl/wellの反応系で行った。テンプレートとしてcDNAを全反応液量の25分の1量添加し、表2記載のプライマー250nM存在下で、ABI7700(アプライドバイオシステムズ社)により測定し、得られたCt値から相対発現量を算出した。相対発現量をハウスキーピング遺伝子として用いたGAPDHの相対発現量で割り返した値を算出した。このGAPDHあたりの相対発現量について、ノックダウン条件ごとに、マウスインターフェロン-aおよびSACの刺激を加えない細胞の値で割り返すことによって、マウスインターフェロン-aおよびSAC刺激によるIL-12bの発現上昇率(Fold chang over basal)を算出し、ノックダウンによる効果を検証に用いた。
siRNA法を用いたマウス腹腔マクロファージに発現するPIKfyveおよびVac14のノックダウンの効果の評価を下記の通り行った。マウス腹腔マクロファージ試験例2に記載の方法で単離した後、3.3x106 cells/mLとなるように、Mouse macrophage nucleofection kit(ロンザ社)添付のNucleofection solutionに懸濁した。細胞懸濁液にsiRNAを最終1μMとなるように添加して添付のプロトコールに従ってNucleofectionを行った。用いたsiRNAは、以下のものを用いた。PIKfyveのノックダウンには、Negative control siRNAとしてON-TARGETplus Non-targeting siRNA #1( Dharmacon社、D-001810-01-05)を、PIKfyve siRNAとしてON-TARGETplus SMARTpool ( Dharmacon社、L-040127-00-0005)を用いた。Vac14のノックダウンにはNegative control siRNA としてSilencer Select Negative Control#1 siRNA(Ambion社、4390843)を、Vac14ノックダウンにはSilencer Select Pre-designed siRNA(Sense鎖:GAUUUACUCCAACAACCAAtt(配列番号:11) 、Antisense鎖:UUGGUUGUUGGAGUAAAUCct(配列番号:12)、Ambion社、s107929)を用いた。
FBSを含まないRPMI1640培地を用いて37℃、5%CO2存在下で2時間培養したのち、FBSを3%含むRPMI1640培地を含むダルベッコMEM培地0.5mlに置換し、37℃、5%CO2存在下で4時間培養後、3.3 ng/mL マウスインターフェロン-γおよび0.0017%(v/v)のSACを添加し、3.5時間培養した後、細胞中のサイトカインのmRNAの発現量を測定した。
マウス腹腔マクロファージからのTotal RNAの抽出精製はRneasy midi kit(Qiagen社 75144)を用い、添付のプロトコールに従い行った。精製したTotal RNAの濃度をBiophotometer (Biorad社)を用いて測定した後、RNA nano 6000(アジレントテクノロジー社)によるキャピラリー電気泳動をBioanalyzer (アジレントテクノロジー社)で行い、Total RNAの品質を確認した。Total RNAをテンプレートとし、oligodt 20mer primer (Invitrogen社) 0.5μgを用いて、SuperscriptIII (Invitrogen社)でcDNA合成を行った。cDNA合成は添付のプロトコールに従い行った。反応終了後にRNaseH(Invitrogen社)で37℃、20分間インキュベートし、残存RNAを除いたものをcDNAとして定量PCRに用いた。
定量PCRはSYBR Green Realtime PCR Master Mix (TOYOBO社)を用い、添付のプロトコール記載の方法で15μl/wellの反応系で行った。テンプレートとしてcDNAを全反応液量の25分の1量添加し、表2記載のプライマー250nM存在下で、ABI7700(アプライドバイオシステムズ社)により測定し、得られたCt値から相対発現量を算出した。相対発現量をハウスキーピング遺伝子として用いたGAPDHの相対発現量で割り返した値を算出した。このGAPDHあたりの相対発現量について、ノックダウン条件ごとに、マウスインターフェロン-aおよびSACの刺激を加えない細胞の値で割り返すことによって、マウスインターフェロン-aおよびSAC刺激によるIL-12bの発現上昇率(Fold chang over basal)を算出し、ノックダウンによる効果を検証に用いた。
本評価系を用いPIKfyveまたはVac14のノックダウンによるIL-12産生への効果を評価した結果を図4に示した。PIKfyveまたはVac14のノックダウンによってIL-12bの発現が顕著に抑制されたことから、これらの遺伝子の発現抑制によってIL-12産生抑制が起きることが示された。
本発明のスクリーニング方法は、新たな炎症性疾患の予防・治療剤の創出に有用である。
Claims (10)
- 被検物質のPIKfyve阻害活性を測定し、当該阻害活性を有する物質を同定する工程を含む、炎症性疾患の予防又は治療剤のスクリーニング方法。
- PIKfyve阻害活性を、ATPまたは標識ATPによるリン酸化反応を指標として測定する、請求項1記載の方法。
- PIKfyve阻害活性を、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール3リン酸若しくはその誘導体、又はRab9エフェクターp40若しくはその部分配列から選択される基質を用いて測定する、請求項1又は2に記載の方法。
- PIKfyve阻害活性を、PIKfyveと、標識ATP、PIKfyve阻害剤から選択されるプローブとの結合を指標として測定する、請求項1に記載の方法。
- PIKfyve阻害活性が、Vac14の阻害活性に起因するものである、請求項1に記載の方法。
- PIKfyve阻害活性が、PIKfyveとVac14の結合に対する阻害活性である、請求項1または5に記載の方法。
- PIKfyve阻害活性を、プローブとしてPIKfyveもしくはその部分配列、または、Vac14もしくはその部分配列を用いて測定する、請求項1、5または6に記載の方法。
- PIKfyve阻害活性を、細胞の空胞化を指標として測定する、請求項1に記載の方法。
- 被検物質が、低分子化合物、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはアプタマーから選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 炎症性疾患が、IL-12/23過剰産生関連疾患である、請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009296811 | 2009-12-28 | ||
JP2009296811 | 2009-12-28 | ||
PCT/JP2010/073676 WO2011081171A1 (ja) | 2009-12-28 | 2010-12-28 | スクリーニング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2011081171A1 true JPWO2011081171A1 (ja) | 2013-05-13 |
Family
ID=44226575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011547709A Pending JPWO2011081171A1 (ja) | 2009-12-28 | 2010-12-28 | スクリーニング方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20130017548A1 (ja) |
EP (1) | EP2520659A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2011081171A1 (ja) |
WO (1) | WO2011081171A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018138106A1 (en) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) | Methods and pharmaceutical compositions for the treatment of heart failure |
JP7108680B2 (ja) | 2017-03-24 | 2022-07-28 | ピクサイ インコーポレイテッド | 有用な医薬用途を有する縮合トリアゾロ-ピリミジン化合物 |
EP4097236A4 (en) * | 2020-01-28 | 2024-03-27 | University of Southern California | COMPOSITIONS AND METHODS FOR TREATING NEUROLOGICAL DISEASES |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005046619A2 (en) * | 2003-11-10 | 2005-05-26 | Synta Pharmaceuticals, Corp. | Compositions and methods for modulating c-rel-dependent cytokine production |
DE102007017433A1 (de) * | 2007-04-03 | 2008-10-09 | Eberhard-Karls-Universität Tübingen Universitätsklinikum | PIKfyve als pharmakologisches Target zur Behandlung von glucosestoffwechselassoziierten Krankheiten |
-
2010
- 2010-12-28 JP JP2011547709A patent/JPWO2011081171A1/ja active Pending
- 2010-12-28 EP EP10841026.7A patent/EP2520659A4/en not_active Withdrawn
- 2010-12-28 WO PCT/JP2010/073676 patent/WO2011081171A1/ja active Application Filing
-
2012
- 2012-06-27 US US13/534,489 patent/US20130017548A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20130017548A1 (en) | 2013-01-17 |
EP2520659A1 (en) | 2012-11-07 |
WO2011081171A1 (ja) | 2011-07-07 |
EP2520659A4 (en) | 2013-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6592071B2 (ja) | ヒトezh2の阻害剤およびその使用方法 | |
He et al. | Fluorine-containing drugs approved by the FDA in 2021 | |
JP6496296B2 (ja) | ヒトezh2の阻害剤、およびその使用方法 | |
US20200016162A1 (en) | Inhibitors of human ezh2, and methods of use thereof | |
Huang et al. | αB‐crystallin complexes with 14‐3‐3ζ to induce epithelial‐mesenchymal transition and resistance to sorafenib in hepatocellular carcinoma | |
TWI615400B (zh) | 5'-經取代核苷化合物 | |
WO2011097600A1 (en) | Screening method and compounds for modulating telomerase activity | |
JP2012521970A (ja) | Mps1キナーゼ阻害剤としてのn−アリール−2−(2−アリールアミノピリミジン−4−イル)ピロール−4−カルボキサミド誘導体 | |
Duffy et al. | Discovery of a new chemical series of BRD4 (1) inhibitors using protein-ligand docking and structure-guided design | |
WO2011081171A1 (ja) | スクリーニング方法 | |
Abdelkrim et al. | Known inhibitors of RNA helicases and their therapeutic potential | |
CN112057443B (zh) | 苯磺酰胺类化合物的医药用途及其药物组合物 | |
TW200530588A (en) | Compositions and methods for modulating c-Rel-dependent cytokine production | |
Ziemniak et al. | Two-headed tetraphosphate cap analogs are inhibitors of the Dcp1/2 RNA decapping complex | |
JPWO2006013862A1 (ja) | Cdk4阻害剤に対する薬剤感受性の予測方法 | |
Fang et al. | Discovery of orally active 1, 4, 5, 6, 8-pentaazaacenaphthylens as novel, selective, and potent covalent BTK inhibitors for the treatment of rheumatoid arthritis | |
EP2462241A1 (en) | Modulation of mirna activity | |
WO2022071436A1 (ja) | 生物学的および生理学的プロセスを感知するrnaの測定方法 | |
Bei et al. | SR proteins in cancer: function, regulation, and small inhibitor | |
Zhou et al. | Molecular Basis for RNA Cytidine Acetylation by NAT10 | |
WO2022047148A1 (en) | Conversion of a biologically silent mirna binding small molecule to an mirna degrader | |
Barkovich | Development of chemical tools targeting DEAD-box proteins | |
JP2008541749A (ja) | Hdac調節アッセイ、調合物および治療学的組成物 |