JPWO2011078151A1 - 電力供給方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体および発電システム - Google Patents

電力供給方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体および発電システム Download PDF

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    • H02J7/00Circuit arrangements for charging or depolarising batteries or for supplying loads from batteries
    • H02J7/34Parallel operation in networks using both storage and other dc sources, e.g. providing buffering
    • H02J7/35Parallel operation in networks using both storage and other dc sources, e.g. providing buffering with light sensitive cells

Abstract

本発明の電力供給方法は、再生可能エネルギーを利用して発電装置により発電する工程と、蓄電装置に発電装置により発電された電力を蓄電する工程と、発電装置または蓄電装置からの電力を電力系統に供給する工程と、予め決定された蓄電装置の最大充電レートと、予め決定された蓄電装置の最大放電レートとに基づいて、電力系統に供給される電力を平滑化する工程とを含む。

Description

本発明は、電力供給方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体および発電システムに関する。
近年、変電所からの交流電力の供給を受ける各需要家(たとえば、住宅や工場など)に、風力や太陽光などの自然エネルギーを利用した発電装置(太陽電池など)が設けられるケースが増加している。このような発電装置は、変電所の配下に設けられる電力系統に接続され、発電装置により発電された電力は、需要家内の電力消費装置側に出力される。また、需要家内の電力消費装置により消費されずに余った電力は、電力系統に出力される。この需要家から電力系統に向かう電力の流れは、「逆潮流」と呼ばれ、需要家から電力系統に出力される電力は「逆潮流電力」と呼ばれる。
ここで、電力会社等の電力供給者には、電力の安定供給の義務が課されており、逆潮流電力分も含めた電力系統全体における周波数や電圧を一定に保つ必要がある。たとえば、電力供給者は、変動周期の大きさに応じた複数の制御手法によって、電力系統全体の周波数を一定に保っている。具体的には、一般に十数分以上の変動周期をもつような負荷成分については、最も経済的な発電量の出力分担が可能なように経済負荷配分制御(EDC:Economic Dispatching Control)が行われている。このEDCは、1日の負荷変動予想に基づいた制御であり、時々刻々と変動する負荷の増減(十数分より小さい変動周期の成分)に対する対応は困難である。そこで、電力会社は、時々刻々と変動する負荷に応じて電力系統への電力の供給量を調整し、周波数の安定化を行うための複数の制御を行っている。EDCを除いたこれらの制御は特に周波数制御と呼ばれており、この周波数制御によって、EDCで調整できない負荷変動分の調整を行っている。
より詳細には、約10秒以下の変動周期の成分については、電力系統自体の自己制御性により自然に吸収することができる。また、10秒〜数分程度の変動周期の成分に対しては、各発電所の発電装置のガバナフリー運転により対応が可能である。また、数分から十数分までの変動周期の成分については、負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)により対応している。この負荷周波数制御では、電力供給者の中央給電指令所からの制御信号によってLFC用発電所が発電出力を調整することにより、周波数制御を行っている。
しかし、自然エネルギーを利用した発電装置の出力は、天候などに応じて急激に変化することがある。このような発電装置の出力の急激な変化は、連系している電力系統の周波数の安定度に大きな悪影響を与えてしまう。この悪影響は、自然エネルギーを利用した発電装置を有する需要家が増えるほど顕著になってくる。このため、今後、自然エネルギーを利用した発電装置を有する需要家がさらに増えてきた場合には、発電装置の出力の急激な変化を抑制することにより、電力系統の安定度を維持する必要が生じてくる。
そこで、従来、このような発電装置の出力の急激な変化を抑制するために、自然エネルギーを利用した発電装置に加えて、発電装置により発電された電力を蓄電可能な蓄電装置を備えた発電システムが提案されている。このような発電システムは、たとえば、特開2008−295208号公報に開示されている。
特開2008−295208号公報には、風車などの分散電源(発電装置)と、分散電源により発電された電力を蓄電可能な電力貯蔵手段(蓄電装置)とを備えた発電システムが開示されている。特開2008−295208号公報では、分散電源の発電量の変動に伴って蓄電装置の充放電を行うように制御することにより、電力系統への出力を平滑化している。これにより、電力系統の周波数などへの悪影響を抑制することが可能である。また、特開2008−295208号公報による発電システムでは、電力系統への出力の平滑化を行う際に、蓄電装置の充電状態が50%となるように蓄電装置の充放電を制御している。すなわち、充電状態が50%よりも大きい場合には、蓄電装置の充電状態が低下するように充放電を行いながら平滑化を行い、充電状態が50%よりも小さい場合には蓄電装置の充電状態が上昇するように充放電を行いながら平滑化を行っている。
特開2008−295208号公報
しかしながら、特開2008−295208号公報では、目標とする充電状態の値を50%に固定しているので、蓄電装置の充放電能力を有効に利用して平滑化を行うことが困難であるという問題点がある。すなわち、通常、蓄電装置では、一度に充電できる電力量は一度に放電できる電力量よりも小さいので、充電状態が50%の場合には、その充電状態から充放電を行う場合の充電余力が大きくなる一方、放電余力は小さくなってしまう。この場合、平滑化を行う際に、放電を多く必要とした場合などには放電の途中で蓄電装置の充電状態が0%になってしまい、平滑化を行うことが困難になってしまうとともに、蓄電装置の充放電能力を有効に利用することができない。
本発明の電力供給方法は、再生可能エネルギーを利用して発電装置により発電する工程と、蓄電装置に発電装置により発電された電力を蓄電する工程と、発電装置または蓄電装置からの電力を電力系統に供給する工程と、予め決定された蓄電装置の最大充電レートと、予め決定された蓄電装置の最大放電レートとに基づいて、電力系統に供給される電力を平滑化する工程とを含む。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置および発電装置により発電された電力を蓄電する蓄電装置を制御するための制御プログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記録媒体であって、プログラムはコンピュータシステムに以下の動作を実行させる、ある時点において、予め決定された最大充電レートにより蓄電装置を満充電するために必要な時間である充電継続時間を決定し、該時点において、予め決定された最大放電レートにより蓄電装置を完全放電するために必要な時間である放電継続時間を決定し、充電継続時間と放電継続時間とが略等しくなるように発電装置および蓄電装置からの電力を前記電力系統に供給する。
本発明の発電システムは、再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置により発電された電力を蓄電する蓄電装置と、発電装置または蓄電装置から電力系統に供給する電力を制御するコントローラとを備え、コントローラは、予め決定された蓄電装置の最大充電レートおよび予め決定された蓄電装置の最大放電レートに基づいて、電力系統に供給された電力を平滑化するように構成されている。
本発明の第1実施形態による発電システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による発電システムの蓄電装置の第1目標出力値の算出方法を説明するためのグラフである。 本発明の第1実施形態による発電システムの蓄電装置の第1目標出力値の算出方法を説明するための図である。 電力系統に出力される負荷変動の大きさと変動周期との関係を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による発電システムの充放電制御フローを説明するためのフローチャートである。 充放電制御におけるサンプリング期間について説明するための図である。 本発明の第2実施形態による発電システムの充放電制御時における第1目標出力値の算出のための発電量データの取得期間について説明するための図である。 本発明の第2実施形態による発電システムの充放電制御の開始時における発電量の推移および第1目標出力値について説明するための図である。 充放電制御を行うことによる本発明の第2実施形態による発電システムの電力系統への悪影響の軽減効果を検証するためのFFT解析結果を示す図である。 発電装置により発電された電流の時間変動推移と、その発電電流に対して第1実施形態の制御により平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移と、移動平均法のみにより平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移とのシミュレーション結果を示すグラフである。 図10に対応する、蓄電池の充電状態の時間変動推移を示すグラフである。 図10に対応する、出力電流の高速フーリエ変換結果を示すグラフである。 発電装置により発電された電力の図10とは異なる時間変動推移と、その発電電力に対して第1実施形態の制御により平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移と、移動平均法のみにより平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移とのシミュレーション結果を示すグラフである。 図13に対応する、蓄電池の充電状態の時間変動推移を示すグラフである。 図13に対応する、出力電流の高速フーリエ変換結果を示すグラフである。 発電装置により発電された電力の図13と同じ時間変動推移と、その発電電力に対して第2実施形態の制御により平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移と、移動平均法のみにより平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移とのシミュレーション結果を示すグラフである。 図16に対応する、蓄電池の充電状態の時間変動推移を示すグラフである。 図16に対応する、出力電流の高速フーリエ変換結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による発電システム1の構成を説明する。
図1に示すように、発電システム1は、太陽光を用いて発電する太陽電池からなる発電装置2および電力系統50に接続されている。発電システム1は、発電装置2により発電された電力を蓄電可能な蓄電装置3と、発電装置2により発電された電力および蓄電装置3により蓄電された電力を電力系統50に出力するインバータを含む電力出力部4と、蓄電装置3の充放電を制御する充放電制御部5とを備えている。なお、発電装置2は、再生可能エネルギーを利用した発電装置であればよく、例えば風力発電装置等を用いてもよい。
発電装置2と電力出力部4とを接続する母線6には、DC−DCコンバータ7が直列的に接続されている。DC−DCコンバータ7は、発電装置2により発電された電力の直流電圧を一定の直流電圧(第1実施形態では、約260V)に変換して電力出力部4側に出力する。また、DC−DCコンバータ7は、いわゆるMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御機能を有している。MPPT機能とは、発電装置2により発電された電力が最大となるように発電装置2の動作電圧を自動的に調整する機能である。発電装置2とDC−DCコンバータ7との間には、発電装置2に向かって電流が逆流するのを防止するためのダイオード(図示せず)が設けられている。
蓄電装置3は、母線6に並列的に接続された蓄電池31と、蓄電池31の充放電を行う充放電部32とを含んでいる。
蓄電池31としては、自然放電が少なく、充放電効率の高い二次電池(たとえば、Li−ion蓄電池、Ni−MH蓄電池等)が用いられている。また、蓄電池31の電圧は約48Vである。また、蓄電池31の最大充電レートと最大放電レートとは互いに異なる値であり、最大充電レートは最大放電レートよりも小さい。たとえば、第1実施形態では、蓄電池31の最大充電レートおよび最大放電レートは、それぞれ1Itおよび4Itである。ここで、最大充電レート、最大放電レートとは、急速な充放電によって蓄電池31に過度の負担がかかるのを抑制するために、ユーザ若しくはサプライヤーにより予め任意に設定された、蓄電池31に許容される充電電流、放電電流の最大値である。
充放電部32は、DC−DCコンバータ33を有しており、母線6と蓄電池31とはDC−DCコンバータ33を介して接続されている。DC−DCコンバータ33は、充電時には、蓄電池31に供給する電力の電圧を、母線6の電圧から蓄電池31を充電するのに適した電圧まで降圧させることにより、母線6側から蓄電池31側に電力を供給する。また、DC−DCコンバータ33は、放電時には、母線6側に放電させる電力の電圧を、蓄電池31の電圧から母線6の電圧付近まで昇圧させることにより、蓄電池31側から母線6側に電力を放電させる。
充放電制御部5は、CPU5aおよびメモリ5bを含んでおり、DC−DCコンバータ33を制御することにより、蓄電池31の充放電制御を行う。蓄電池31の充放電制御は、メモリ5bに記憶された制御プログラムをCPU5aに実行させることにより行われる。なお、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。記録媒体から読み出された制御プログラムが、充放電制御部5のメモリ5bにインストールされる。
本実施形態では、発電装置2の発電量に関わらず電力系統50へ出力する電力値を平滑化するために、電力系統50へ出力する目標出力値を設定している。充放電制御部5は、発電装置2の発電量に応じて、電力系統50へ出力する電力量が目標出力値となるように、蓄電池31の充放電量を制御する。すなわち、充放電制御部5は、発電装置2の発電量が目標出力値よりも大きい場合には、過剰分の電力を蓄電池31に充電するようにDC−DCコンバータ33を制御するとともに、発電装置2の発電量が目標出力値よりも小さい場合には、不足分の電力を蓄電池31から放電するようにDC−DCコンバータ33を制御する。
また、充放電制御部5は、DC−DCコンバータ7の出力側に設けられた発電量検出部8から発電装置2の発電量データを取得する。発電量検出部8は、発電装置2の発電量を検出して、発電量データを充放電制御部5に送信する。充放電制御部5は、発電量データを発電量検出部8から所定の検出時間間隔(たとえば、30秒以下)毎に取得する。ここでは、負荷周波数制御(LFC)により対応可能な変動周期よりも短くなるように、1秒毎に発電量データを取得している。なお、発電量データの検出時間間隔は、長すぎても短すぎても発電量の変化を正確に検出することができないので、発電装置2の発電量の変動周期などを勘案して適正な値に定められる。
また、充放電制御部5は、電力系統50に出力する目標出力値を、移動平均法を用いて算出する。移動平均法とは、ある時点の目標出力値を、その時点より過去の期間の発電装置2の発電量の平均値とする算出方法である。以下、目標出力値の算出に用いる発電量データを取得するための期間をサンプリング期間と呼ぶ。なお、サンプリング期間は、本発明の「発電量データの取得期間」の一例である。サンプリング期間は、負荷周波数制御(LFC)で対応する変動周期T1(約2分)〜T2(約20分)の間、特に後半付近(長周期付近)から下限周期T1を超える範囲であまり長時間に渡らない範囲とすることが好ましい。ここでは、充放電制御部5は、約1秒毎の発電装置2の発電量データを目標出力値の算出に用いるので、過去の複数個(たとえば、120個〜1200個)の約1秒毎の発電量データの平均値を算出することにより、目標出力値を算出する。この上限周期T1および下限周期T2については、後に詳細に説明する。
また、充放電制御部5は、電力出力部4の出力値を取得するとともに、実際に電力出力部4から電力系統50に出力された出力値と目標出力値との差を認識し、電力出力部4からの実際の出力値が目標出力値となるように充放電部32の充放電をフィードバック制御する。
また、充放電制御部5は、蓄電池31の充電状態(SOC:State Of Charge)を検知する。SOCは、蓄電池31の蓄電量が0の場合は0(0%)であり、満充電の場合は1(100%)である。
次に、充放電制御部5による蓄電池31の充放電制御方法について説明する。
上述したように、充放電制御部5は、発電装置2の発電量と蓄電池31の充放電量との合計が目標出力値となるように蓄電池31の充放電を制御する。しかし、蓄電池31の蓄電状態によっては、蓄電池31の充放電制御により目標出力値とすることは難しい場合がある。そのため、充放電制御部5は、移動平均法で算出した目標出力電流値(以下、「第1目標出力値」と呼ぶ)そのものではなく、蓄電池31の充電状態を考慮して第1目標出力値に補正を加えた目標出力電流値(以下、「第2目標出力値」と呼ぶ)を算出し、その第2目標出力値が電力出力部4から電力系統50に出力されるように蓄電池31の充放電を制御する。
第2目標出力値は、充電継続時間と放電継続時間との大小関係に応じて決定される。ここで、充電継続時間とは、現時点の蓄電池31の充電状態から最大充電レートで充電し続けた場合の充電可能時間、すなわち、ある時点において蓄電池31を満充電するために必要な時間である。放電継続時間とは、現時点の蓄電池31の充電状態から最大放電レートで放電し続けた場合の放電可能時間、すなわち、ある時点において蓄電池31を完全放電するために必要な時間である。
充放電制御部5は、充電継続時間および放電継続時間を算出した後に、これらに基づき第2目標出力値を算出する。そして、充放電制御部5は、発電装置2の発電量と蓄電池31の充放電量との合計が第2目標出力値となるように、かつ、放電継続時間と充電継続時間とが略等しい充電状態となるように蓄電池31の充放電を制御する。すなわち、充電継続時間が放電継続時間よりも長い場合には、充電を多め(放電を少なめ)に行うことにより充電を行う方向に制御しながら平滑化を行い、充電継続時間が放電継続時間よりも短い場合には、充電を少なめ(放電を多め)に行うことにより放電を行う方向に制御しながら平滑化を行う。第1実施形態では、最大充電レートおよび最大放電レートがそれぞれ1Itおよび4Itであるので、最終的に充電状態が0.8(80%)となるように充放電を制御しながら平滑化を行う。
図3を参照して、第1目標出力値の算出方法について説明する。まず、サンプリング期間を20分、検出時間間隔を1秒とした場合、過去20分のサンプリングデータ数M=1200個である。図3に示すように、充放電制御部5は、過去20分のサンプリング期間に含まれる最新のM個の発電量データ(電流値)(P(−M)、P(−M+1)、・・・P(−2)、P(−1))の平均値を第1目標出力値として算出する。具体的には、充放電制御部5は、発電量データ(・・・P(−M)、P(−M+1)、・・・P(−2)、P(−1))をメモリ5bに順次蓄積していく。そして、充放電制御部5は、メモリ5bに蓄積された最新のM個の発電量データ(P(−M)、P(−M+1)、・・・P(−2)、P(−1))の和をMで除することにより、第1目標出力値(Q(0)=(P(−M)+P(−M+1)+・・+P(−2)+P(−1))/M)を算出する。
次に、図2を参照して、第2目標出力値の算出方法について説明する。図2において、第1目標出力値をF、第2目標出力値をH、充電継続時間をTc、放電継続時間をTdとしている。また、電力出力部4が電力系統50に出力する出力電流値の最大値(発電装置2の発電電流量と蓄電装置3の最大放電電流量との和)をImaxとし、電力出力部4が電力系統50に出力する出力電流値の最小値(発電装置2の発電電流量と蓄電装置3の最大充電電流量との和)をIminとしている。なお、発電装置2の発電電流量を正の値とした場合、蓄電装置3の放電電流量は正の値になり、蓄電装置3の充電電流量は負の値になる。図2を参照して、第2目標出力値Hは、充電継続時間Tcが放電継続時間Tdよりも小さい場合、充電継続時間Tcが放電継続時間Tdよりも大きい場合、および、充電継続時間Tcと放電継続時間Tdとが等しい場合に、それぞれ、以下の式(1)、式(2)および式(3)によって算出される。
Tc<Td:H=[2TcF+Imax(Td−Tc)]/(Tc+Td)・・・(1)
Tc>Td:H=[2TdF+Imin(Tc−Td)]/(Tc+Td)・・・(2)
Tc=Td:H=F・・・(3)
図2に示すように、充電継続時間Tcが放電継続時間Tdよりも小さい場合(式(1))も、充電継続時間Tcが放電継続時間Tdよりも大きい場合(式(2))も、充電継続時間Tcと放電継続時間Tdとの差分A(A=|Td−Tc|/2(Tc+Td))が大きくなるにしたがって、第1目標出力値Fと第2目標出力値Hとの差分Bが大きくなっている。
なお、図2のグラフによる第2目標出力値Hの算出は、第1目標出力値Fが電力系統50への出力電流値の最大値Imaxよりも小さく、電力系統50への出力電流値の最小値Iminよりも大きい場合に行われる。第1目標出力値FがImax以上である場合には、第2目標出力値HがImaxを超えないように充放電制御部5は第2目標出力値HをImaxに固定し、第1目標出力値FがImin以下である場合には、第2目標出力値HがIminより小さくならないように充放電制御部5は第2目標出力値HをIminに固定する。
また、充放電制御部5は、発電量データの取得、第1目標出力値の算出、第2目標出力値の算出などを所定の時間間隔毎(第1実施形態では、1秒毎)に行い、取得した発電量と算出した第2目標出力値の値とに応じた量の充放電を、その次に第2目標出力値を算出するまでの1秒間の間行う。
次に、図4を参照して、充放電制御部5による蓄電装置3の充放電制御により平滑化を行う変動周期範囲について説明する。図4に示すように、変動周期によって対応可能な制御方法が異なっており、負荷周波数制御(LFC)により対応可能な負荷の変動周期が領域D(ハッチングで示す領域)に示されている。また、EDCにより対応可能な負荷の変動周期は領域Aに示されている。なお、領域Bは、負荷変動による影響を電力系統50自体の自己制御性により自然に吸収する領域である。また、領域Cは、各発電所の発電装置のガバナフリー運転により対応が可能な領域である。ここで、領域Dと領域Aとの境界線が負荷周波数制御(LFC)により対応可能な負荷の変動周期の上限周期T1となり、領域Cと領域Dとの境界線が負荷周波数制御により対応可能な負荷の変動周期の下限周期T2となる。この上限周期T1および下限周期T2は、図4より固有の周期ではなく、負荷変動の大きさによって変化する数値であることが分かる。さらに、構築された電力網によって図示されている変動周期の時間も変化する。第1実施形態では、EDC、電力系統50自体の自己制御性およびガバナフリー運転などによって対応できない領域D(LFCにより対応可能な領域)の範囲内に含まれる変動周期(変動周波数)を有する負荷変動に着目し、抑制することを目的としている。
次に、図2および図5を参照して、充放電制御部5の充放電制御フローについて説明する。
図5に示すように、ステップS1において、充放電制御部5は、発電量検出部8の検出結果に基づいて時刻tにおける発電装置2の発電量(電流値)G(t)を取得する。
次に、ステップS2において、充放電制御部5は、所定時間Δtの間(時刻t〜時刻(t+Δt)の間)(第1実施形態では、1秒間)に蓄電装置3が充電可能な充電可能容量Wc(t)および蓄電装置3が放電可能な放電可能容量Wd(t)を算出する。蓄電池31の容量をX(固定値)、時刻tにおける充電状態をSOC(t)(0:空充電、1:満充電)、最大充電レートをNc(固定値)、最大放電レートをNd(固定値)とすると、充電可能容量Wc(t)および放電可能容量Wd(t)は、それぞれ以下の式(4)および(5)を用いて算出される。
Wc(t)=Min(Nc×X×Δt、X×(1−SOC(t))・・・(4)
Wd(t)=Min(Nd×X×Δt、X×SOC(t))・・・(5)
ここで、式(4)および式(5)の「Min(…、…)」は、括弧内の2つの値のうち、小さい方の値を意味する。すなわち、充電可能容量Wc(t)の算出のためには、基本的に最大充電レートNcに基づいて算出された値(Nc×X×Δt)を用いるが、蓄電池31が満充電(SOC(t)=1)に近く、充電余力(X×(1−SOC(t)))が最大充電レートNcに基づいて算出された値(Nc×X×Δt)よりも小さい場合には、その充電余力(X×(1−SOC(t)))を用いる。同様に、放電可能容量Wd(t)の算出のためには、基本的に最大放電レートNdに基づいて算出された値(Nd×X×Δt)を用いるが、蓄電池31の蓄電量が0(空充電:SOC(t)=0)に近く、放電余力(X×SOC(t))が最大放電レートNdに基づいて算出された値(Nd×X×Δt)よりも小さい場合には、その放電余力(X×SOC(t))を用いる。
そして、ステップS3において、ステップS1において取得した発電装置2の発電電流量G(t)と、放電可能容量Wd(t)および充電可能容量Wc(t)とに基づいて、時刻t〜時刻(t+Δt)において電力出力部4から電力系統50に出力可能な最大出力電流値Imax(t)および最小出力電流値Imin(t)が算出される。最大出力電流値Imax(t)および最小出力電流値Imin(t)は、それぞれ以下の式(6)および式(7)に基づいて算出される。
Imax(t)=G(t)+Wd(t)/Δt・・・(6)
Imin(t)=G(t)−Wc(t)/Δt・・・(7)
また、ステップS4において、充放電制御部5は、時刻tにおける蓄電池31の充電状態SOC(t)と、最大充電レートNcおよび最大放電レートNdとに基づいて、時刻tにおける充電状態から最大充電レートNcで充電し続けた場合の時間(充電継続時間Tc(t))と、時刻tにおける充電状態から最大放電レートNdで放電し続けた場合の時間(放電継続時間Td(t))とを算出する。充電継続時間Tc(t)および放電継続時間Td(t)は、以下の式(8)および式(9)に基づいて算出される。
Tc(t)=X×(1−SOC(t))/Nc・・・(8)
Td(t)=X×SOC(t)/Nd・・・(9)
次に、ステップS5において、充放電制御部5は、過去の発電量データに基づいて、移動平均法によって第1目標出力値F(t)を算出する。そして、この後、ステップS6〜ステップS14において、充放電制御部5は、第1目標出力値F(t)と、充電継続時間Tc(t)および放電継続時間Td(t)とに基づいて、第2目標出力値H(t)を算出する。
具体的には、まず、ステップS6において、充放電制御部5は、F(t)≧Imax(t)を満たすか否かを判断する。そして、F(t)≧Imax(t)を満たす場合(第1目標出力値Fが電力系統50への最大出力電流値Imax以上である場合)には、ステップS7において、第2目標出力値H(t)をステップS3において算出したImax(t)に固定する。また、F(t)≧Imax(t)を満たさない場合(第1目標出力値Fが電力系統50への最大出力電流値Imaxよりも小さい場合)には、ステップS8において、F(t)≦Imin(t)を満たすか否かを判断する。F(t)≦Imin(t)を満たす場合(第1目標出力値Fが電力系統50への最小出力電流値Imin以下である場合)には、ステップS9において、第2目標出力値H(t)をステップS3において算出したImin(t)とする。ステップS6〜ステップS9の処理を経ることにより、充放電制御において、充電する場合には最大充電レートNcを超えない充電レートで充電し、放電する場合には最大放電レートNdを超えない放電レートで放電することが可能である。また、F(t)≦Imin(t)を満たさない場合(第1目標出力値Fが電力系統50への最小出力電流値Iminよりも大きい場合)には、ステップS10に進む。
ステップS10〜ステップS14においては、図2に示すように、ステップS4において算出した充電継続時間Tc(t)と放電継続時間Td(t)との大小関係に基づいて、第2目標出力値H(t)を決定する。具体的には、ステップS10において、充放電制御部5は、Tc(t)<Td(t)を満たすか否かを判断する。Tc(t)<Td(t)を満たす場合(充電継続時間Tc(t)が放電継続時間Td(t)よりも小さい場合)には、ステップS11において、第2目標出力値H(t)を式(1)により決定する。また、Tc(t)<Td(t)を満たさない場合には、ステップS12において、充放電制御部5は、Tc(t)>Td(t)を満たすか否かを判断する。Tc(t)>Td(t)を満たす場合(充電継続時間Tc(t)が放電継続時間Td(t)よりも大きい場合)には、ステップS13において、第2目標出力値H(t)を式(2)により決定する。また、ステップS12においてTc(t)>Td(t)を満たさない場合には、Tc(t)=Td(t)であるので、ステップS14において、第2目標出力値H(t)を第1目標出力値F(t)と同じとする。ステップS6〜ステップS14の処理により、第2目標出力値H(t)が決定される。
次に、ステップS15において、充放電制御部5は、決定した第2目標出力値(電流値)H(t)と発電装置2の発電量(電流値)G(t)とに基づいて、以下の式(10)により蓄電池31の充放電量(電流値)J(t)を決定する。
J(t)=H(t)−G(t)・・・(10)
そして、ステップS16において、充放電制御部5は、ステップS15において算出した充放電量J(t)の分、Δtの間だけ充放電を行うように充放電部32を制御する。なお、J(t)が正の値の場合は放電であり、負の値の場合は充電となる。
この後、ステップS17において、充放電制御部5は、蓄電池31の充電状態(SOC(t+Δt))を以下の式(11)により算出する。
SOC(t+Δt)=SOC(t)−Δt×J(t)/X・・・(11)
そして、ステップS1に戻り、充放電制御を行う間、ステップS1〜ステップS17の処理が繰り返される。これにより、蓄電池31の充電状態が最終的に充電継続時間Tcと放電継続時間Tdとが等しくなる充電状態(第1実施形態では、0.8(80%))に収束していくように蓄電装置3の充放電が制御される。
次に、図5に示す充放電制御フローについて、具体的な値(電流値)を示して説明する。ここでは一例として、ある時刻tにおける蓄電池31の充電状態SOC(t)が0.85であり、時刻tにおける発電装置2の発電電流量G(t)が100Aであり、移動平均法によって算出した時刻tにおける第1目標出力値F(t)が110Aであった場合について説明する。なお、蓄電池31の容量Xは10Ahとする。
この場合、式(4)より、Wc(t)=Min(1×10×1/3600、10×(1−0.85)=1/360Ahとなり、式(5)より、Wd(t)=Min(4×10×1/3600、10×0.85)=1/90Ahとなる。したがって、式(6)より、Imax(t)=100+(1/90)÷(1/3600)=140Aであり、Imin(t)=100−(1/360)÷(1/3600)=90Aとなる。
また、式(8)より、Tc(t)=10×(1−0.85)÷1=1.5hとなり、式(9)より、Td(t)=10×0.85÷4=2.125hとなる。
この場合、第1目標出力値F(t)の値(110A)は、Imin(t)=90Aよりも大きくImax(t)=140Aよりも小さい。また、Td(t)=2.125hとTc(t)=1.5hとの大小関係は、Td(t)>Tc(t)を満たす。したがって、第2目標出力値H(t)は、式(1)(ステップS11)により以下のように算出される。H(t)=(2×1.5×110+140×(2.125−1.5))÷(2.125+1.5)≒115.17A
したがって、式(10)により、充放電制御部5は、時刻tから1秒間、115.17−100=15.17Aの放電を行う。
この後、式(11)により、Δt(1秒)経過後の充電状態SOC(t+Δt)を算出する。SOC(t+Δt)=0.85−(1/3600)×15.17÷10≒0.8496となる。すなわち、時刻tにおいて充電状態が0.85であったのが、Δt経過後に充電継続時間Tcと放電継続時間Tdとが等しくなる充電状態(0.8)に近づいている。
本実施形態の発電システム1は、上記構成および制御により、以下の効果を得ることができる。
充放電制御部5は、蓄電装置3の最大充電レートと最大放電レートとの関係に基づいて、電力出力部4から電力系統50に出力する電力を平滑化するように蓄電装置3の充放電を制御する。これにより、蓄電装置3の最大充電レートと最大放電レートとの関係に応じた充電状態になるように平滑化を行うことができ、蓄電装置3の充放電能力を有効に利用して平滑化を行うことができる。
また、充放電制御部5は、平滑化において、充電継続時間と放電継続時間とが略等しくなるように蓄電装置3の充放電を制御する。上記構成により、蓄電装置3の充電余力と放電余力とが等しくなるように充放電を行いながら平滑化を行うことができる。これにより、蓄電装置3の容量が小さい場合でも充電余力および放電余力の両方を確保しながら平滑化を行うことができるので、蓄電装置3の小容量化を図ることができる。
また、充放電制御部5は、発電装置2の発電量データに基づいて第1目標出力値を算出するとともに、第1目標出力値と、最大充電レートおよび最大放電レートの関係とに基づいて第2目標出力値を算出し、第2目標出力値を電力出力部4から電力系統50に出力するように蓄電装置3の充放電を制御する。上記構成により、第1目標出力値を、最大充電レートと最大放電レートとの関係を考慮した第2目標出力値となるように補正することができる。この第2目標出力値を電力系統50に出力するように蓄電装置3の充放電を制御することによって、蓄電装置3の充放電能力を有効に利用して平滑化を行うことができる。
また、充放電制御部5は、充電継続時間が放電継続時間よりも長い場合に、第1目標出力値よりも第2目標出力値を小さくしてより充電を行う方向に制御するとともに、充電継続時間が放電継続時間よりも短い場合に、第1目標出力値よりも第2目標出力値を大きくしてより放電を行う方向に制御する。上記構成により、充電継続時間が放電継続時間よりも長い場合(充電余力が放電余力よりも大きい場合)に、蓄電装置3の充電量が多くなるように(または放電量が少なくなるように)しながら平滑化を行うことができるので、平滑化を行いながら蓄電装置3の充電状態を充電継続時間と放電継続時間とが等しくなる充電状態に近づけていくことができる。同様に、充電継続時間が放電継続時間よりも短い場合(放電余力が充電余力よりも大きい場合)に、蓄電装置3の充電量が少なくなるように(または放電量が多くなるように)しながら平滑化を行うことができるので、平滑化を行いながら蓄電装置3の充電状態を充電継続時間と放電継続時間とが等しくなる充電状態に近づけていくことができる。
また、充放電制御部5は、蓄電装置3の充電状態と最大充電レートおよび最大放電レートとに基づいて、最大充電レートで充電し続けることが可能な充電継続時間と、最大放電レートで放電し続けることが可能な放電継続時間とを算出し、充電継続時間と放電継続時間との差分に応じて第1目標出力値と第2目標出力値との差分を大きくする。上記構成により、充電継続時間と放電継続時間との差分が大きい場合には、充電継続時間と放電継続時間とが等しい充電状態により早く近づけるように充放電を行いながら平滑化を行うことができる。
また、充放電制御部5は、第1目標出力値が最大放電レートに基づく最大放電電流量と発電装置2の発電電流量との和(Imax)以上の場合には、第2目標出力値がImaxになるように制御するとともに、第1目標出力値が最大充電レートに基づく最大充電電流量と発電装置2の発電電流量との和(Imin)以下の場合には、第2目標出力値がIminになるように制御する。上記構成により、、平滑化を行う際に、最大充電レートより大きい充電レートでの充電および最大放電レートより大きい放電レートでの放電を行わないので、蓄電装置3に過度の負担がかかるのを抑制することができる。これにより、蓄電装置3の長寿命化を図ることができる。
また、充放電制御部5は、所定の時間間隔で発電装置2の発電量データの取得および蓄電装置3の充電状態の検出または算出を行うことにより所定の時間間隔毎に第1目標出力値および第2目標出力値を算出するとともに、第2目標出力値を電力出力部4から電力系統に出力する。上記構成により、所定の時間間隔毎に、その時の充電状態に応じた充放電を行いながら平滑化を行うことができる。
また、充放電制御部5は、最大充電レートと最大放電レートとが互いに異なる蓄電装置3を用いる場合に、最大充電レートと最大放電レートとの関係に基づいて平滑化するように蓄電装置3の充放電を制御することによって、蓄電装置3の充放電能力を有効に利用して平滑化を行うことができる。
次に、第1実施形態において第1目標出力値を算出するための移動平均法のサンプリング期間について検討した。ここでは、発電量データの取得期間であるサンプリング期間を10分とした場合の電力系統への出力値のFFT解析結果と、サンプリング期間を20分とした場合の電力系統への出力値のFFT解析結果を図6に示す。図6に示すように、サンプリング期間が10分の場合には、変動周期が10分未満の範囲における変動が抑制されている一方、変動周期が10分以上の範囲における変動があまり抑制されていないことがわかる。また、サンプリング期間が20分の場合には、変動周期が20分未満の範囲における変動が抑制されている一方、変動周期が20分以上の範囲における変動はあまり抑制されていない。したがって、サンプリング期間の大きさと、充放電制御により抑制できる変動周期との間には良好な相関関係があることがわかる。このため、サンプリング期間の設定により効果的に変動周期を抑制できる範囲が変わることがいえる。そこで、本システムで主に注目している負荷周波数制御により対応可能な変動周期の部分を抑制するためには、サンプリング期間を負荷周波数制御で対応する変動周期以上、特にT1〜T2の後半付近(長周期付近)からT1以上の範囲の期間とすることが好ましいことがわかる。たとえば、図6の例では20分以上のサンプリング期間とすることにより、負荷周波数制御で対応する変動周期の殆どを抑制することができることがわかる。ただし、サンプリング期間を長くすると、必要な蓄電池容量が大きくなる傾向があり、T1よりもあまり長くないサンプリング期間を選択することが好ましい。
(第2実施形態)
次に、図7および図8を参照して、本発明の第2実施形態による発電システムについて説明する。
雲の無い快晴時は、雲の影響による日射量の変動がほとんどないため、発電装置2の発電量の変化量は小さい。また、雨天時は、日射量の変動はあるが日射量自体が非常に小さいため、発電装置2の発電量が小さくなり、発電量の変化量も小さくなる。そのため、快晴時および雨天時は、充放電制御部5による蓄電池31の充放電制御を行わなくとも、電力系統50へ与える影響は非常に小さい。
第2実施形態では、常時充放電制御を行う第1実施形態とは異なり、快晴時および雨天時以外の場合にのみ、蓄電装置3の充放電制御を行う例について説明する。なお、第2実施形態による発電システム1の構成は、充放電制御部5の制御内容以外については第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、充放電制御部5は、充放電制御を常に行うわけではなく、特定の条件を満たした時にのみ充放電制御を行う。具体的には、充放電制御部5は、発電装置2の発電量をそのまま電力系統50に出力すると電力系統50への悪影響が大きい場合、すなわち、発電装置2の発電量が所定の発電量(以下、「制御開始発電量」と呼ぶ)以上で、かつ、発電装置2の発電量の変化量が所定の変化量(以下、「制御開始変化量」と呼ぶ)以上である場合にのみ充放電制御を行う。制御開始発電量は、たとえば雨天時の発電量よりも多い発電量であり、発電装置2の定格出力の10%に設定することができる。また、制御開始変化量は、たとえば快晴時(雲が殆どない晴天)の昼間の時間帯における検出時間間隔毎の最大変化量よりも多い変化量であり、変化前の発電量の5%と設定することができる。また、発電量の変化量は、所定の検出時間間隔毎に検出される発電装置2の発電量の連続する2つの発電量データの差分を算出することにより取得される。なお、上記の具体的な数値は、検出時間間隔を変えた場合には、その検出時間間隔に応じて制御開始発電量および制御開始変化量を設定する必要がある。
充放電制御部5は、発電装置2の発電量が制御開始発電量未満の状態から制御開始発電量以上の状態になった場合に、発電装置2の発電量の変化量の検出を開始する。そして、発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量以上になった時に、はじめて充放電制御を開始する。発電装置2の発電量が制御開始発電量以上になった場合であっても、発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量を超えない場合には充放電制御は行わない。また、発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量を超えないまま、発電装置2の発電量が制御開始発電量未満になった場合には、発電装置2の発電量の変化量の検出を停止する。
また、充放電制御部5は、発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量以上になった場合であっても、制御開始変化量以上の変化を検出した時点から所定の待機時間内に発電量が変化前の発電量の近傍の値に戻った場合には、電力系統50に与える悪影響が小さいので、充放電制御を開始しない。
上記所定の待機時間は、負荷周波数制御(LFC)により対応可能な変動周期以下の期間であり、好ましくは、図4に示す上限周期T1以下の期間であり、より好ましくは下限周期T2以下の期間である。
また、待機時間は検出時間間隔よりも大きく、検出時間間隔の2倍以上(たとえば、検出時間間隔の2倍以上の整数倍)である。また、変化前の発電量の近傍の値とは、具体的には、変化前の発電量に対して微小量だけ大きい上側閾値(たとえば101%)と、変化前の発電量に対して微小量だけ小さい下側閾値(たとえば99%)との間の値である。
上記した点を図8を参照して説明する。発電量P(−2)から発電量P(−1)まで急激に発電量が低下した場合に、発電量P(−1)を検出した時点から待機時間内に発電量P(−2)の近傍の値まで戻らない場合(上昇しない場合)には、充放電制御を開始する。図8に示した例では待機時間を1分としており、発電量P(−1)を検出した時点から待機時間内に検出した発電量P0およびP1が発電量P(−2)の近傍の値ではないので、発電量P1の検出時点で充放電制御を開始する。なお、発電量P(−1)の後の待機時間内に発電量P(−2)の近傍の値R(下側閾値である発電量P(−2)の99%以上の値R)を検出した場合には、変化前の発電量P(−2)の近傍の値に戻ったと判断して充放電制御を開始しない。
また、充放電制御部5は、充放電制御を開始した後、一定の制御期間の経過後に充放電制御を停止する。なお、制御期間は、本発明の「所定の期間」の一例である。制御期間は、少なくとも負荷周波数制御で対応する変動周期範囲を基に決定したサンプリング期間以上とし、充放電制御の初期あるいは終期に発電量データ取得期間を短くする手法を取る場合には、少なくともサンプリング期間にデータ取得期間を短くする期間を加えたものが最低の制御期間である。制御期間は短すぎると負荷周波数制御で対応する変動周期範囲の抑制効果が薄くなり、長すぎると充放電回数の頻度が増えることから蓄電池寿命が短くなる傾向にあり、適切な時間を設定する必要がある。
また、平滑化中であっても、発電変化量が所定の値(制御再開始変化量)以上の値となれば、移動平均のためのサンプリングを初期化して、その時刻から移動平均処理を新たに開始する。制御再開始変化量は制御開始変化量よりも大きい値である。
また、充放電制御部5は、制御期間中に、発電装置2の発電量が制御開始発電量未満になった場合には、制御期間の経過前であっても、充放電制御を停止する。
次に、図7および図8を参照して、第2実施形態による発電システムの充放電制御部5による第1目標出力値の算出方法について説明する。第2実施形態では、制御期間は30分間に設定されている。
まず、図8に示すような発電量変化があると仮定する。なお、図8においては発電量が急激に低下する例を示しているが、発電量が急激に上昇する場合も、以下に説明する第1目標出力値の算出方法は同様である。
発電量の急激な変化があった場合、図7に示すように、充放電制御の初期および終期以外の期間においては、充放電制御部5は、過去10分のサンプリング期間に含まれる20個の発電量データの平均値を第1目標出力値として算出する。その一方、充放電制御の初期(充放電制御の開始時から10分間)および終期(充放電制御の終了予定時までの10分間)については、充放電制御の初期および終期以外の期間の発電量データのサンプリング期間(10分、20個の発電量データ)よりも短い期間の発電量データから第1目標出力値を算出するように構成されている。
具体的には、充放電制御の初期において、充放電制御部5は、充放電制御の開始以降の発電量データ(P1、P2…)をメモリ5bに順次蓄積していくとともに、発電量データのサンプリング期間を充放電制御の開始時点からの発電量データの蓄積量に応じて徐々に増加させる。すなわち、図7に示すように、ある発電量検出タイミングにおける発電量P(−2)と、その次の発電量検出タイミングにおける発電量P(−1)との間に大きな変化が生じ、かつ、待機時間内に発電量P(−2)の近傍まで発電量が戻らないことが認識されて充放電制御が開始された場合において、充放電制御開始後の1回目の第1目標出力値Q1を、直前に取得した発電量データP1そのものとし、2回目の第1目標出力値Q2を、メモリ5bに蓄積された2つの発電量データ(直前の2つの発電量データP1およびP2)の平均とする。3回目の第1目標出力値Q3は、メモリ5bに蓄積された3つの発電量データ(直前の3つの発電量データP1、P2およびP3)の平均とする。
同様にして、20回目の第1目標出力値Q20を、その直前の20個の発電量データ(P1〜P20)の平均とする。発電量データの蓄積量が20個に達した時点で、初期から初期および終期以外の期間に移行する。そして、発電量データの蓄積量が20個に達した後(初期および終期以外の期間)では、20個の発電量データに基づいて第1目標出力値を算出する。
また、充放電制御の終了時点(終了予定時点)が近づくと、発電量データのサンプリング期間を充放電制御の終了時点(終了予定時点)までの発電量データの取得予定量に応じて徐々に減少させる。なお、終了予定時点は充放電制御の開始(延長の開始)から30分であるので、発電量データのサンプリング期間を減少させ始める時点は算出可能である。すなわち、充放電制御の終了予定時点の10分前になった時点で、初期および終期以外の期間から終期に移行するとともに、終期の開始時点から発電量データのサンプリング期間を減少させ始める。
具体的には、充放電制御の終了時点(終了予定時点)の第1目標出力値の算出が制御開始からn回目とすると、制御終了前20回目の第1目標出力値Q(n−19)を、その直前の20個の発電量データP(n−38)〜P(n−19)の平均とする。制御終了前19回目の第1目標出力値Q(n−18)を、その直前の19個の発電量データP(n−36)〜P(n−18)の平均とする。同様にして、制御終了前3回目の第1目標出力値Q(n−2)を、その直前の3個の発電量データP(n−4)、P(n−3)およびP(n−2)の平均とする。制御終了前2回目の第1目標出力値Q(n−1)を、その直前の2個の発電量データP(n−2)およびP(n−1)の平均とする。そして、制御終了直前の第1目標出力値Q(n)は、その直前の発電量データP(n)そのままとする。
なお、制御期間中に制御開始変化量以上の発電量の変化を所定回数(第2実施形態では、3回)検出した場合には、充放電制御部5は、制御期間を延長するように構成されている。この延長は、3回目の発電量変化を検出した時点で、新たに30分の制御期間を設定することにより行われる。制御期間が延長された場合、3回目の検出時点(延長開始時点)から制御開始変化量以上の発電量の変化を新たに3回検出しない場合には、3回目の検出時点(延長開始時点)から30分後に充放電制御が停止される。3回目の検出時点(延長開始時点)から制御開始変化量以上の発電量の変化を新たに3回検出した場合には、再度30分延長される。
本実施形態の発電システムは、上述した制御により、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態では、発電装置2の発電量が制御開始発電量以上で、かつ、発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量以上である場合に、蓄電手段3の充放電制御を行う。これにより、発電装置2の発電量が制御開始発電量よりも小さい場合や、発電装置2の発電量が制御開始発電量よりも大きくても発電装置2の発電量の変化量が制御開始変化量よりも小さい場合には充放電制御は行われない。その結果、蓄電手段3の充放電回数を減らすことができ、蓄電手段3の長寿命化を図ることができる。また、発電装置2による発電量の変動に起因する電力系統50への影響を抑制することができる。
また、充放電制御部5は、充放電制御の初期の期間において、充放電制御の初期および終期以外の期間よりも、移動平均の算出に用いる発電量データのサンプリング期間を短くして第1目標出力値を算出している。上記構成により、制御開始変化量以上の急激な発電量の変化が生じた際に充放電制御を開始して充放電制御の開始時点の第1目標出力値を算出する際に、発電量データのサンプリング期間が短く設定されるので、充放電制御開始時の発電量と大きく異なる急激な変化前(充放電制御開始前)の発電量の値が第1目標出力値の算出に用いられてしまうことを抑制することができる。これにより、充放電制御開始時において算出する第1目標出力値と実際の発電量との差を小さくすることができるので、充放電の開始時点の前後で電力系統50への出力値の変化を小さくすることができるとともに、その差を埋め合わせるための蓄電手段3の充放電量を少なくすることができる。その結果、電力出力部4から電力系統50に出力される電力量の変動を抑制することができるので、電力系統50への悪影響を抑制することができるとともに、蓄電手段3の蓄電容量を小さくすることができる。
また、充放電制御部5は、充放電制御の開始から所定の制御期間の経過後に充放電制御を停止している。上記構成により、一定期間のみ充放電制御することにより、充放電制御を停止しない場合に比べて充放電回数を減少することができ、蓄電装置3の長寿命化を図ることができる。
第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
次に、充放電制御を行うことによる電力系統50への悪影響の軽減効果を検証した結果について説明する。図9には、比較例1、比較例2、実施例1、2および3についてのFFT解析結果を示している。比較例1は、充放電制御を行わない場合(発電装置2の発電量をそのまま電力系統に出力する場合)の例である。比較例2は、第1実施形態の移動平均法とは異なる一般的な移動平均法による充放電制御を一日中常時行った場合の例である。なお、一般的な移動平均法とは、充放電制御の開始時および終了時においてサンプリング数(サンプリング期間)を減少させる第2実施形態の移動平均法と異なり、充放電制御の開始時および終了時であっても、常に一定のサンプリング数に基づいて目標出力値を算出する制御である。また、実施例1〜3は、第2実施形態と同様に、発電装置2の発電量が定格出力の10%を超えた場合に発電量の監視を開始し、発電量の変化が変化前の発電量の5%を超え、かつ、待機時間内に発電量が変化前の値の近傍に戻らなかった場合に充放電制御を開始する例である。また、実施例1〜3では、第1実施形態と同様に、充放電制御の開始時および終了時にサンプリング数を減らす充放電制御を行っている。実施例1、2および3は、それぞれ、発電量が変化前の値の近傍に戻るか否かを判断する際の待機時間を0分、1分および2分とした例である。
図9に示すように、比較例2および実施例1〜3は、比較例1に比べてFFT解析結果のパワースペクトルが減少している。すなわち、比較例2および実施例1〜3では、充放電制御を行わない場合(比較例1)と比べて大きくパワースペクトルが減少している。また、実施例1〜3では、一般的な移動平均法を一日中行った場合(比較例2)と同レベルで出力の平滑化ができていることから、一般的な移動平均法を一日中常時行った場合と同レベルで電力系統50への悪影響を抑制できていることがわかる。以上のことから、第2実施形態による充放電制御を行うことによって、一般的な移動平均法によって充放電制御を一日中常時行った場合と同様に、電力系統への悪影響を軽減することが可能であることが判明した。
ここで、比較例2および実施例1〜3における蓄電池31の寿命を簡易的に見積もった結果を以下の表1に示す。ここでは、約2ヶ月間の発電量データに基づいて、比較例2および実施例1〜3のそれぞれの充電量および放電量の総和を求め、その逆数をもって電池寿命の見積もり値とした。また、実施例1〜3の値は、比較例2の値を基準に規格化された値である。
Figure 2011078151
表1に示すように、実施例1〜3では、比較例2に比べて10%以上の電池寿命の長寿命化が期待できる。また、実施例1に比べて実施例2および3の電池寿命見積もり値が向上している。これは、1分または2分の待機時間を設けたことにより、充放電制御を行う期間が短くなったので、その分、蓄電池31の充放電回数が少なくなったことが理由であると考えられる。
次に、図10〜図18を参照して、本発明の第1実施形態および第2実施形態の効果を検証したシミュレーション結果について説明する。
図10には、発電装置により発電された電流の時間変動推移(Z1)と、その発電電流に対して第1実施形態の制御により平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移(Z2)と、移動平均法のみにより平滑化を行った場合の出力電流の時間変動推移(Z3)とのシミュレーション結果を示している。(Z1)では出力変動が頻繁に生じている一方、(Z2)および(Z3)では線が滑らかになっており、(Z1)の発電電流の出力変動が平滑化されていることがわかる。また、(Z3)では、午前中は平滑化が十分に行われていないことがわかる。
次に、図11には、図10の(Z2)および(Z3)にそれぞれ対応する充電状態(SOC、初期値SOC(0)=0.5)の時間変動推移を示している。(Z3)では6時頃から12時頃まで満充電状態(SOC=1)となっており、6時頃から12時頃までは充電による平滑化ができない状態となっている。この満充電状態に起因して、図10の(Z3)において平滑化が十分に行われていない結果となって表れていると考えられる。その一方、(Z2)では、SOCが0.8となるように充放電を制御しながら平滑化が行われているので、満充電状態または蓄電量が0になることなくSOCが推移している。また、SOCの変動幅も開始時の直後を除いて約0.7〜約0.8の小さい幅に収まっている。すなわち、(Z2)では蓄電池の容量が小さい場合であっても、SOCが0(0%)または1(100%)になってしまう可能性が低いことがわかる。
また、図12には、図10の(Z1)、(Z2)および(Z3)にそれぞれ対応する、波数と振幅との関係を示している。なお、波数720が変動周期の2分に対応し、波数72が変動周期の20分に対応する。一部の長周期波を除いて全体的に(Z2)および(Z3)は(Z1)よりも振幅が小さくなっている。すなわち、一部の長周期成分を除いた広い範囲の出力変動について、(Z2)および(Z3)では平滑化ができていることがわかる。
次に、図13〜図15に、晴天と曇天とが交互に表れるような天候を想定した発電装置の出力変動について、図10〜図12と同様のシミュレーション結果を示している。図13に示すように、発電装置により発電された電流の時間変動推移(Z1)に大きな変動があることがわかる。この大きな変動に伴い、図14に示すように、(Z2)および(Z3)においてSOCの大きな変動があることがわかる。ここで、(Z3)については充電レートおよび放電レートに制限を設けていないので、SOCの変動幅が非常に大きくなっている。その一方、(Z2)では最大充電レート以上の充電レートによる充電および最大放電レート以上の放電レートによる放電を禁止しているので、SOCの変動幅が小さいことがわかる。したがって、(Z2)では、(Z3)と比較して平滑化を行う際の蓄電装置にかかる負担が小さくなっていることがわかる。なお、図15に示すように、図13のように発電装置の出力の時間変動推移に大きな変動がある場合であっても、一部の長周期波を除いて全体的に(Z2)および(Z3)は(Z1)よりも振幅が小さくなっており、一部の長周期成分を除いた広い範囲の出力変動について、(Z2)および(Z3)では平滑化ができていることがわかる。
次に、図16〜図18に、図13の(Z1)と同じ時間変動推移について、第2実施形態の充放電制御により平滑化を行った場合のシミュレーション結果を示す。図16の(Z3)は図13の(Z3)と同じである。第2実施形態の充放電制御により平滑化を行った場合のシミュレーション結果を(Z4)としている。なお、このシミュレーションでは、Z2およびZ3と同様に、発電量の検出時間間隔を1秒、サンプリング期間を20分とし、制御再開始変化量を蓄電池31の容量Xと最大充電レートNcおよび最大放電レートNdとを用いて規定される値(X×(Nd+Nc)÷2)とするとともに、制御開始変化量を(X×(Nd+Nc)÷2)/100としている。
図16に示すように、(Z4)でも平滑化を十分に行えていることがわかる。また、図13の(Z2)において表れていたピークが(Z4)ではなくなっていることがわかる。これは、(Z4)の第2実施形態の充放電制御では、発電電流の大きな変動が生じた場合に、その変動前の発電量データを移動平均のデータとして用いず、変動後の発電量データを用いて目標出力値を算出しているので、大きな変動の直後において実際の発電量と第1目標出力値および第2目標出力値との差が小さくなり、その結果、蓄電装置の充放電量も小さくなったためと考えられる。また、図17に示すように、図14の(Z2)で表れていたSOCの急激な変動が(Z4)では少なくなっていることがわかる。特に、図14において11時頃および15時頃に見られたSOCの急激な上昇および下降が、図17においては見られなくなっている。なお、図18に示すように、第2実施形態の充放電制御を行う場合であっても、図15と同様に一部の長周期波を除いて全体的に(Z4)および(Z3)は(Z1)よりも振幅が小さくなっており、一部の長周期成分を除いた広い範囲の出力変動について、(Z4)および(Z3)では平滑化ができていることがわかる。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、蓄電池31の電圧が48Vである例について説明したが、本発明はこれに限らず、48V以外の電圧にしてもよい。なお、蓄電池の電圧としては60V以下が望ましい。
また、需要家内で用いる負荷における消費電力量を想定しない場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第1目標出力値の算出において、需要家内で用いられる少なくとも一部の負荷で消費する電力量を検出し、その負荷消費電力量あるいは負荷消費電力変動量を加味して第1目標出力値の算出を行ってもよい。
また、最大放電レートが最大充電レートよりも大きい蓄電装置を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らず、最大放電レートが最大充電レートよりも小さい蓄電装置を用いてもよいし、最大放電レートと最大充電レートとが等しい蓄電装置を用いてもよい。
また、充電継続時間と放電継続時間との差分に応じて第1目標出力値と第2目標出力値との差分を大きくする例について説明したが、本発明はこれに限らず、第1目標出力値と第2目標出力値との差分を一定にしてもよい。
また、第1目標出力値および第2目標出力値などの充放電制御に関する値の計算を電流値で行う例について説明したが、本発明はこれに限らず、計算を電力値で行ってもよい。
また、第2実施形態では、充放電制御の開始時(初期)および終了時(終期)の両方でサンプリング期間を短くした例を示したが、本発明はこれに限らず、充放電制御の開始時(初期)および終了時(終期)のいずれか一方のみのサンプリング期間を短くしてもよい。
また、第2実施形態では、制御開始発電量を発電装置2の定格出力の10%とたが、本発明はこれに限らず、たとえば、発電装置の定格出力を基準にして決めてもよい。ただし、制御開始発電量の大きさは、制御開始変化量の大きさよりも大きいことが望ましい。
また、第2実施形態では、待機時間が2分以下である例について説明したが、本発明はこれに限らず、2分以上でもよい。なお、待機時間は、負荷周波数制御(LFC)により対応可能な負荷の変動周期の上限周期T1以下が好ましく、下限周期T2以下の期間であることがより好ましい。ただし、電力系統側におけるいわゆるならし効果などの影響により下限周期の値も変化する。また、ならし効果の大きさも、発電システムの普及度および地域分散性などに応じて変化する。
また、第2実施形態では、変化前の発電量の近傍の値に戻ったと判断するための上側閾値および下側閾値を、それぞれ、変化前の発電量の101%および99%とした例を示したが、本発明はこれに限らず、これらの値以外の値を上側閾値および下側閾値としてもよい。また、上側閾値および下側閾値の値を異ならせずに、同じ値を用いてもよい。たとえば、変化前の発電量と同一の発電量を上側および下側の共通の閾値として用いてもよい。
また、上側閾値および下側閾値は、制御開始変化量の大きさに対応して変えてもよい。たとえば、制御開始変化量を定格出力の10%とした場合には、変化前の発電量の2%の範囲となる閾値(上側閾値および下側閾値それぞれ変化前の発電量の102%および98%)に設定してもよい。また、上側閾値および下側閾値は、制御開始変化量の20%以内とすることが望ましい。
また、第1および第2実施形態に記載されたサンプリング期間、母線電圧などの具体的な数値についても、本発明はこれに限られず、適宜変更が可能である。

Claims (10)

  1. 再生可能エネルギーを利用して発電装置により発電する工程と、
    蓄電装置に前記発電装置により発電された電力を蓄電する工程と、
    前記発電装置および前記蓄電装置の少なくとも一方からの電力を電力系統に供給する工程と、
    予め決定された前記蓄電装置の最大充電レートと、予め決定された前記蓄電装置の最大放電レートとに基づいて、前記電力系統に供給される電力を平滑化する工程と、を含む、電力供給方法。
  2. 前記平滑化工程は、ある時点において前記最大充電レートにより前記蓄電装置を満充電するために必要な時間である充電継続時間が、前記時点において前記最大放電レートにより前記蓄電装置を完全放電するために必要とされる時間である放電継続時間と略等しくなるように、前記電力系統に電力を供給する工程を含む、請求項1に記載の電力供給方法。
  3. 前記平滑化工程は、前記発電装置の発電量データに基づいて前記電力系統に供給する電力の目標出力値を算出する工程を含み、
    ある時点において前記最大充電レートで前記蓄電装置を満充電するために必要な時間である充電継続時間が、前記時点において前記最大放電レートで前記蓄電装置を完全放電するために必要な時間である放電継続時間よりも長いときに、前記蓄電装置に充電するために前記目標出力値よりも低い電力を供給し、
    前記充電継続時間が前記放電継続時間よりも短いときに、前記蓄電装置を放電するために前記目標出力値よりも高い電力を放電する、請求項1に記載の電力供給方法。
  4. 前記発電装置の発電量が所定の発電量以上で、かつ、前記発電装置の発電量の変化量が所定の変化量以上である場合に、前記平滑化工程を行う、請求項1に記載の電力供給方法。
  5. 前記平滑化工程は、前記発電装置の発電量データに基づいて前記電力系統に供給する電力の目標出力値を算出する工程を含み、
    前記算出工程では、前記発電装置の発電量データが定期的に取得されており、前記平滑化工程の初期および終期の少なくとも一方の期間以外の期間は、前記平滑化工程の初期および終期の少なくとも一方の期間よりも、発電量データの取得期間を短くして前記目標出力値を算出する、請求項4に記載の電力供給方法。
  6. 再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置および前記発電装置により発電された電力を蓄電する蓄電装置を制御するための制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムはコンピュータシステムに以下の動作を実行させる、
    ある時点において、予め決定された最大充電レートにより前記蓄電装置を満充電するために必要な時間である充電継続時間を決定し、
    前記時点において、予め決定された最大放電レートにより前記蓄電装置を完全放電するために必要な時間である放電継続時間を決定し、
    前記充電継続時間と前記放電継続時間とが略等しくなるように前記発電装置および前記蓄電装置からの電力を前記電力系統に供給する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置および前記発電装置により発電された電力を蓄電する蓄電装置を制御するための制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムはコンピュータシステムに以下の動作を実行させる、
    ある時点において、予め決定された最大充電レートにより前記蓄電装置を満充電するために必要な時間である充電継続時間を決定し、
    前記時点において、予め決定された最大放電レートにより前記蓄電装置を完全放電するために必要な時間である放電継続時間を決定し、
    前記時点における前記発電装置の発電量データに基づいて、前記電力系統に供給される電力の目標出力値を計算し、
    前記充電継続時間が前記放電継続時間よりも長いときに、前記蓄電装置を充電するために、前記目標出力値よりも低い電力を前記電力系統に供給し、
    前記充電継続時間が前記放電継続時間よりも短いときに、前記蓄電装置を放電するために、前記目標出力値よりも高い電力を前記電力系統に供給する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置により発電された電力を蓄電する蓄電装置と、
    前記発電装置または前記蓄電装置から電力系統に供給する電力を制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、予め決定された前記蓄電装置の最大充電レートおよび予め決定された前記蓄電装置の最大放電レートに基づいて、前記電力系統に供給された電力を平滑化するように構成されている、発電システム。
  9. 前記コントローラは、ある時点において前記最大充電レートにより前記蓄電装置を満充電するための期間である充電継続時間が、前記時点において前記最大放電レートにより前記蓄電装置を完全放電するための期間である放電継続時間と略等しくなるように、前記電力系統に電力を供給するように構成されている、請求項8に記載の発電システム。
  10. ある時点において前記最大充電レートにより前記蓄電装置に満充電するための時間である充電継続時間が、前記時点において前記最大放電レートにより前記蓄電装置に完全放電するための時間である放電継続時間よりも長いときに、前記蓄電装置に充電するために、前記発電装置の発電量データに基づき計算された電力の出力値である目標出力値よりも低い電力を前記電力系統に供給し、
    前記充電継続時間が前記放電継続時間よりも短いときに、前記蓄電装置を放電するために、予備目標出力値よりも高い電力を前記電力系統に供給する、請求項8に記載の発電システム。
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