JPWO2011071097A1 - 送電体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できる送電体及びその製造方法を提供する。本発明は、Feを1.2〜2.2質量%、Siを0.15〜0.4質量%、Cuを0.06〜0.2質量%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750であるAl合金を含むAl合金導電線を備えた送電体である。

Description

本発明は、ワイヤハーネスやバッテリーケーブル等の送電体及びその製造方法に関する。
近年、ワイヤハーネスやバッテリーケーブル等の送電体には、導電線の軽量化及びコストダウンのために、軟銅線の代わりにAl合金導電線を用いることが提案されている。このようなAl合金導電線として、Fe、Mg及びSiが所定の配合量で配合され、残部がAl及び不可避的不純物であるアルミ合金素線(特許文献1、2参照)や、Fe、Si及びMnが所定の配合量で配合され、残部がAl及び不可避的不純物であるアルミ合金素線(特許文献3参照)が提案されている。
特開2006−19163号公報 特開2006−19164号公報 特開2006−19165号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載されているAl合金素線は、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることが困難であった。
またAl合金を用いて導電線を製造する場合、Al合金は通常、溶解した後、鋳造され、連続したキャストバーとして引き出される。しかし、この際、キャストバーに割れが生じる場合があった。このため、このキャストバーは、その後の熱間圧延加工のために圧延装置まで搬送される際、割れがさらに拡がり、断線する場合があった。あるいは、キャストバーに割れが生じなくても、キャストバーを圧延加工してワイヤロッドを作製した後、このワイヤロッドを伸線加工する際にワイヤロッドに割れや断線が生じる場合があった。あるいは製造過程においてキャストバーやワイヤロッドに割れや断線が生じなくても、送電体を使用している間に、Al合金導電線に割れや断線が生じる場合があった。その結果、送電体に導通不良が生じる場合があった。
そこで、本発明は、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できる送電体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、Feを1.2〜2.2質量%、Siを0.15〜0.4質量%、Cuを0.06〜0.2質量%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750であるAl合金を含むAl合金導電線を備える送電体である。
この送電体によれば、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できる。
上記Al合金においては、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00300であることが好ましく、0.00045〜0.00190であることがより好ましい。
更に、本発明は、Al合金導電線を形成する導電線形成工程を含む送電体の製造方法であって、前記導電線形成工程が、Al合金を溶解し、鋳造して、キャストバーを作製するキャストバー作製工程と、前記キャストバーを熱間加工してワイヤロッドを作製するワイヤロッド作製工程と、前記ワイヤロッドを伸線加工して伸線体を得る伸線加工工程とを経て前記Al合金導電線を形成する工程であり、前記キャストバー作製工程において、前記Al合金として、Feを1.2〜2.2質量%、Siを0.15〜0.4質量%、Cuを0.06〜0.2質量%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750であるAl合金が用いられる送電体の製造方法である。
この送電体の製造方法によれば、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できる送電体を製造することができる。
上記Al合金導電線の製造方法においては、前記導電線形成工程が、前記伸線加工工程の後に、前記伸線体に対し、以下の(a)〜(d)のいずれかの調質処理を行う調質処理工程を更に含むことが好ましい。
(a)溶体化処理した後に冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施す調質処理
(b)溶体化処理した後、冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す調質処理
(c)高温加工した後冷却して冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施す調質処理
(d)高温加工した後、冷却し冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す調質処理
この場合、引張強さ及び伸びを高め、更に導電率をより高めることが可能となる。
上記調質処理工程において、前記人工時効硬化処理は、200〜400℃で行うことが好ましい。
この場合、200℃より低い温度で人工時効硬化処理を行う場合に比べて、添加元素を十分に析出させることができ、伸びをより向上させることもできる。また400℃より高い温度で人工時効硬化処理を行う場合に比べて、粗大粒子の析出がより十分に抑制され、引張強さの低下を十分に抑制することもできる。
なお、本発明において、送電体とは、電力を伝送する物品を言うものとする。従って、送電体には、裸状態のAl合金導電線、複数本のAl合金導電線を撚り合わせてなる撚線導体、Al合金導電線を絶縁被覆層で被覆してなる被覆電線、1本以上の被覆電線を保護層で被覆してなるケーブル、複数本の被覆電線又はケーブルを束ねて構成されるワイヤーハーネスも含まれるものとする。
本発明によれば、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できる送電体およびその製造方法が提供される。
本発明による送電体の一実施形態を示す断面図である。 図1のAl合金導電線を製造する装置の一例を概略的に示す図である。
以下、本発明による送電体の実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明の送電体の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、送電体10は、撚線導体1と絶縁被覆層2とを備える。即ち送電体10は被覆電線3で構成されている。撚線導体1は、複数本のAl合金導電線4を撚り合わせることによって形成されている。
(Al合金導電線)
Al合金導電線4はAl合金を含む。Al合金は、Fe(鉄)を1.2〜2.2質量%、Si(珪素)を0.15〜0.4質量%、Cu(銅)を0.06〜0.2質量%含み、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなり、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750である。ここで、Fe、Si、Cuの含有率は、Al合金の重量を基準(100質量%)としたものである。
Al合金は、Feを1.2〜2.2質量%含有する。Feの含有量が1.2質量%より少ないと、伸びが低下し、引張強さと伸びとを両立させることができない。一方、Feの含有量が2.2質量%より多いと、導電率が低下する。
Al合金は、Siを0.15〜0.4質量%含有する。Siの含有量が0.15質量%より少ないと、引張強さが低下し、引張強さと伸びとを両立させることができない。一方、Siの含有量が0.4質量%より多いと、高い導電性が得られない。また伸びが低下するため、引張強さと伸びとを両立させることもできない。
Al合金は、Cuを0.06〜0.2質量%含有する。Cuの含有量が0.06質量%より少ないと、引張強さが低下するため、引張強さと伸びとを両立させることができない。一方、Cuの含有量が0.2質量%より多いと、高い導電性が得られない。また伸びが低下するため、引張強さと伸びとを両立させることができない。
さらに、Al合金においては、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750である。Ti/Feが0.00045より小さいと、鋳造によってキャストバーを作製する際に、キャストバーに割れが生じたり、キャストバーを熱間加工してなるワイヤロッドを伸線加工する際に、割れが生じる。あるいは、送電体10の使用中に、Al合金導電線4に割れや断線が生じ、送電体10が導通不良となる。またTi/Feが0.00750より大きいと、Feの含有率が少ない場合に、Al合金導電線4において引張強さと伸びとを両立させることができなくなる。またTiの含有率が多いと、Al合金導電線4の導電率が低くなる。
そして、残部はAl及び不可避的不純物を含有している。Alは、Al合金導電線4の導電性を良好にするために高い純度を有することが望ましい。具体的には、Alの純度は99.95%以上であることが好ましい。不可避的不純物は、導電性を低下させる原因となるので、その含有量は出来るだけ少ないことが好ましい。
Al合金においては、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00600であることが好ましく、0.00045〜0.00500であることがより好ましく、0.00045〜0.00300であることがさらに好ましく、0.00045〜0.00190であることが最も好ましい。この場合、Ti/Feが0.00045〜0.00600の範囲を外れる場合に比べて、引張強さをより向上させることができる。
(絶縁被覆層)
絶縁被覆層2は絶縁材料で構成される。絶縁材料としては、通常は合成樹脂などが用いられる。
次に、送電体10の製造方法について説明する。
[導電線形成工程]
まずAl合金導電線4を形成する。以下、Al合金導電線4の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、図1のAl合金導電線を製造する装置の一例を概略的に示す図である。
(キャストバー作製工程)
はじめに、図2に示すように、上述した範囲の含有量を有するFe、Si、Cu、Ti及びAlを溶解し、連続鋳造機11にて鋳造して、キャストバー12を作製する。
(ワイヤロッド作製工程)
そして、キャストバー12を熱間圧延してワイヤロッド13を作製する。通常は連続鋳造機11に熱間圧延機14がタンデムに接続されている。このワイヤロッド13の線径は特に限定されるものではないが、例えば9.0〜10.0mm程度とすることが出来る。
(伸線加工工程)
次に、ワイヤロッド13を伸線加工機15にて冷間伸線加工し、線径が例えば5.0〜6.0mm程度となるまで伸線し、伸線体16を得る。
(調質処理工程)
次いで伸線体16を、溶体化処理装置17にて溶体化処理する。この溶体化処理は、添加元素を均質に固溶させるために行うものである。溶体化処理は、500〜580℃で行うことが好ましい。この温度範囲で溶体化処理を行うと、500℃より低い温度で溶体化処理を行う場合に比べて、添加元素がより十分に均質化される。また、580℃より高い温度で溶体化処理を行う場合に比べて、伸線体16の部分的な溶解が十分に抑制される。尚、好ましい処理時間は、溶体化処理温度により異なる。溶体化処理が550℃で行われる場合には、処理時間は、好ましくは2.5時間〜3.5時間であり、より好ましくは3時間である。この溶体化処理の後、水冷等により、伸線体16を冷却してもよいが、冷却しなくてもよい。
次に、更に伸線体16に対して伸線加工機18にて冷間伸線加工を行い、所望の線径のAl合金素線19を作製する。Al合金素線19の線径は、伸線体16の線径より小さければよく、通常、0.3〜0.4mm程度である。
そして、Al合金素線19に対して時効硬化処理装置20にて人工時効硬化処理を行う。人工時効硬化処理は、過剰に固溶した添加元素を微細に析出させる処理である。この人工時効硬化処理は、200〜400℃で行うことが好ましく、200〜300℃で行うことがより好ましい。この場合、200℃より低い温度で人工時効硬化処理を行う場合に比べて、添加元素を十分に析出させることができ、伸びをより向上させることもできる。また400℃より高い温度で人工時効硬化処理を行う場合に比べて、粗大粒子の析出がより十分に抑制され、引張強さの低下を十分に抑制することもできる。好ましい人工時効硬化処理時間は、処理温度や組成等によって異なる。例えば処理温度が高いほど、一般的には人工時効硬化処理時間は短く、処理温度が低いほど人工時効硬化処理時間は長い。通常は、処理時間は、10分〜5時間程度であればよい。例えば処理時間は、処理温度が200℃である場合には3時間、処理温度が250℃である場合には0.5時間、処理温度が300℃である場合には0.17時間である。
こうしてAl合金導電線4が得られる。そして、このAl合金導電線4を複数本用意し、これらのAl合金導電線4を撚り合せて撚線導体1を得る。
[絶縁被覆層形成工程]
次に、撚線導体1を絶縁被覆層2で被覆する。撚線導体1を絶縁被覆層2で被覆するためには、Al合金導電線4を押出機のクロスヘッド部などに導入し、その押出機からチューブ状に押出加工した合成樹脂で被覆すればよい。
以上のようにして被覆電線3で構成される送電体10が得られる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば上記実施形態では、送電体10は、複数本のAl合金導電線4を撚り合わせてなる撚線導体1を備えているが、撚線導体1に代えて、複数本の撚線導体1を更に撚り合わせた撚線導体を備えてもよく、これらの撚線導体1を断面が円形となるように圧縮した圧縮導体を備えてもよい。
また、上記実施形態では、送電体10は、1本の被覆電線3で構成されているが、複数本の被覆電線3を束ねて構成されるワイヤハーネスであってもよく、1本以上の被覆電線を保護層で被覆したケーブル(例えばバッテリーケーブル)であってもよい。
さらに上記実施形態では送電体10が絶縁被覆層2を備えているが、絶縁被覆層2は省略することが可能である。即ち送電体10は、裸状態の撚線導体1で構成されてもよいし、1本のAl合金導電線4のみで構成されてもよい。
また上記実施形態では、例えばキャストバー12の熱間加工は、上記のように熱間圧延加工となっているが、熱間押出加工でもよい。またワイヤロッド13の伸線加工は、冷間加工でなく、公知の他の方法によって行ってもよい。
さらに上記実施形態では、引張強さ及び伸びを高め、更に導電率をより高めるために、ワイヤロッド13を伸線加工して得られる伸線体16を溶体化処理し、溶体化処理後に冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施すJIS T8による調質処理が行われているが、JIS T8による調質処理に代えて、他の調質処理を行ってもよい。即ち、伸線体16を溶体化処理した後、冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す方法(JIS T6)、伸線体16を高温加工した後冷却して冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施す方法(JIS T10)、伸線体16を高温加工した後、冷却し冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す方法(JIS T5)を行ってもよい。ここで、高温加工とは、伸線体16を400〜550℃の高温で処理することを言う。なお、上記調質処理は省略することが可能である。この場合、伸線体16がそのままAl合金導電線4となる。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜42及び比較例1〜13)
Fe、Si、Cu、Ti及びAlを表1〜3に示す組成で溶解し、連続鋳造機にて鋳造して、線径25mmのキャストバーを作製した。そして、キャストバーを熱間圧延して線径9.8mmのワイヤロッドを作製した。このワイヤロッドを、線径が0.33mmとなるまで冷間伸線加工し、Al合金素線を得た。このAl合金素線を表1〜3に示す時効硬化処理温度及び時間で、時効硬化処理を施した。このようにしてAl合金導電線を得た。
このようにして得たAl合金導電線について、JISC3002に準拠して20℃で引張試験を行うことにより引張強さ及び伸びを測定した。結果を表1〜3に示す。
また20℃においてAl合金導電線の導電率を測定した。結果を表1〜3に示す。
さらに、キャストバー及びワイヤロッドにおける割れの発生を目視にて観察した。結果を表1〜3に示す。
Al合金導線線についての判定(評価)は以下の基準に基づいて行った。
(1)引張強さが140MPa以上である
(2)伸びが12%以上である
(3)導電率が58%IACS以上である
(4)キャストバー又はワイヤロッドにおける割れの発生が無い
そして、上記(1)〜(4)の全ての基準を満たすAl合金導電線は合格とし、表1〜3において「○」で示した。一方、上記(1)〜(4)の基準のうち1つでも満たさないAl合金導電線は不合格とし、表1〜3において「×」で示した。ここで、引張強さを140MPa以上で合格としたのは、軟銅線と同等の引張強さ(約210MPa)を、断面積が1.5倍のAl合金線で実現するための引張強さが、210MPa×2/3=140MPaであるからである。尚、Al合金導電線の断面積を軟銅線の断面積の1.5倍にしても、アルミニウムの密度は2.7g/cmであり、銅の密度は8.9g/cmであるため、Al合金導電線を軟銅線よりも軽量化することが可能である。

Figure 2011071097


Figure 2011071097


Figure 2011071097

表1〜3に示す結果より、本発明の要件を満たす実施例1〜42は、上記(1)〜(4)の全ての基準を満たした。従って、判定は合格であった。一方、本発明の要件を満たさない比較例1〜13は、上記(1)〜(4)の基準のうちの少なくとも1つを満たすことができなかった。従って、判定は不合格であった。
以上のことから、本発明の送電体によれば、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ、割れの発生による導通不良を十分に防止できることが確認された。
本発明の送電体は、高い導電性を有しながら引張強さと伸びとを両立させることができ且つ割れの発生による導通不良を十分に防止できるので、ワイヤハーネスやバッテリーケーブル等として用いることが可能である。
2…絶縁被覆層
3…被覆電線(送電体)
4…Al合金導電線
10…送電体
12…キャストバー
13…ワイヤロッド
16…伸線体

Claims (6)

  1. Feを1.2〜2.2質量%、Siを0.15〜0.4質量%、Cuを0.06〜0.2質量%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
    Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750であるAl合金を含むAl合金導電線を備えた送電体。
  2. 前記Al合金において、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00300である請求項1に記載の送電体。
  3. 前記Al合金において、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00190である請求項1に記載の送電体。
  4. Al合金導電線を形成する導電線形成工程を含む送電体の製造方法であって、
    前記導電線形成工程が、
    Al合金を溶解し、鋳造して、キャストバーを作製するキャストバー作製工程と、
    前記キャストバーを熱間加工してワイヤロッドを作製するワイヤロッド作製工程と、
    前記ワイヤロッドを伸線加工して伸線体を得る伸線加工工程とを経て前記Al合金導電線を形成する工程であり、
    前記キャストバー作製工程において、前記Al合金として、Feを1.2〜2.2質量%、Siを0.15〜0.4質量%、Cuを0.06〜0.2質量%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、Ti/Feが質量比で0.00045〜0.00750であるAl合金が用いられる送電体の製造方法。
  5. 前記導電線形成工程が、前記伸線加工工程の後に、前記伸線体に対し、以下の(a)〜(d)のいずれかの調質処理を行う調質処理工程を更に含む請求項4に記載の送電体の製造方法。
    (a)溶体化処理した後に冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施す調質処理
    (b)溶体化処理した後、冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す調質処理
    (c)高温加工した後冷却して冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理を施す調質処理
    (d)高温加工した後、冷却し冷間加工を行わずに人工時効硬化処理を施す調質処理
  6. 前記調質処理工程において、前記人工時効硬化処理は、200〜400℃で行う請求項5に記載の送電体の製造方法。
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