JPWO2011070643A1 - 移動体通信システム、基地局装置及びハンドオーバ実行方法 - Google Patents

移動体通信システム、基地局装置及びハンドオーバ実行方法 Download PDF

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Abstract

移動体通信システムは、上位ノード装置と、上位ノード装置と接続された複数の基地局装置と、複数の基地局装置のうちの何れかと無線接続可能な移動局装置とを有する。移動局装置は、複数の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を所定の時間間隔で測定し、受信信号の品質を測定する度に、各基地局装置からの受信信号の品質を表す受信信号品質情報を、複数の基地局装置のうちの移動局装置と無線接続された第1の基地局装置へ送信する。一方、第1の基地局装置は、第1の基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってから所定期間が経過した後に、複数の基地局装置のうちの第1の基地局装置と異なる第2の基地局装置についての受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、移動局装置の無線接続先を第1の基地局装置から第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する。

Description

本発明は、移動体通信システム、基地局装置及びハンドオーバ実行方法に関する。
移動体通信システムに対して、データ転送速度の高速化が要求されている。そのような要求に対して、High Speed Packet Access(HSPA)よりも通信速度を向上させた通信規格が検討されている。そのような高速なデータ通信を実現する通信規格の一つとして、例えば、ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution、LTE)の標準化が第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project、3GPP)により進められている。
LTEでは、従来、無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller、RNC)に実装されていた機能の一部が基地局装置(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN) NodeB(eNB))に実装されることで、基地局装置の機能が大幅に強化されている。例えば、ハンドオーバが実行される場合、ハンドオーバ実行前にユーザ端末である移動局装置と無線接続されている基地局装置(以下、eNB1と呼ぶ)にバッファされているダウンリンク信号が移動局装置へ送信されていないことがある。このような場合、eNB1は、その未送信のダウンリンク信号を、ハンドオーバ実行後に移動局装置と接続される基地局装置(以下、eNB2と呼ぶ)へ転送する。eNB間でダウンリンク信号が転送されるハンドオーバ方式は、eNB1が移動局装置に対してハンドオーバ指示を出力してから、eNB2と移動局装置とが同期するまでの時間よりも、eNB間のデータ転送に要する時間が十分に短いことが前提として規定されている。eNB間のデータ転送に要する時間が十分に短ければ、移動局装置へ送信されるダウンリンク信号の一部または全てが欠損したり、あるいはダウンリンク信号の送信遅延が生じることはないと想定されているためである。
また、LTEのハンドオーバ手順を基本とし、データ損失及び遅延を少なくするハンドオーバ手順が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。そのようなハンドオーバ手順の一例では、LTEのハンドオーバ手順の他に、より高品質が要求される場合のハンドオーバ手順が準備される。そして、高品質のQuality Of Service(QoS)クラスの通信の場合には、高品質用のハンドオーバ手順が用いられる。このハンドオーバ手順では、eNB間のデータ転送は行われず、上位ノード装置からハンドオーバの前後で移動局装置と無線接続される両eNBへデータが送信される。
特開2008−103865号公報
LTEが普及する過程においては、従来より使用されている、International Mobile Telecommunication 2000(IMT-2000)あるいはHSPAに準拠した移動体通信システムと、LTEに準拠した移動体通信システムが並存すると想定される。そのため、LTEに準拠した移動体通信システムが設置されていく過程では、LTEに準拠した基地局装置であるeNBの通信エリアに含まれない領域が存在する。そのような領域では、移動局装置は、従来の移動体通信システムの基地局装置を介して通信する。すると、eNBと無線接続されていた移動局装置が、eNBの通信エリアから外れると、二つの移動体通信システムにわたるシステムハンドオーバが実行されることになる。LTEに準拠した移動体通信システムとIMT-2000に準拠した移動体通信システム間のシステムハンドオーバが実行される場合、IMT-2000のサービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node、SGSN)とLTEのUser Plane Entity(UPE)の間に、ユーザプレーンインターフェースが設定される。このようなユーザプレーンインターフェースは、例えば、General Packet Radio Service(GPRS) Tunnelling Protocol for user plane(GTP-U)を用いて設定される。そしてUPEとSGSN間のインターフェース設定を行うことにより、eNBにバッファされたダウンリンクデータは、UPE/SGSNを介して、IMT-2000に準拠した通信システムのRNCに転送される。そしてそのダウンリンクデータの転送が終了し、UPEとSGSN間の接続が切断された後に、ハンドオーバの手順が完了することになる。
このように、システムハンドオーバが発生する場合、ダウンリンクデータは、多数の装置を経由して転送されることになる。そのため、移動局装置へのダウンリンクデータの送信が遅延するおそれがある。
特に、LTEでは、通信エリアの半径が、数10m程度の基地局装置を設置することが検討されている。このような基地局装置は、フェムト基地局装置と呼ばれる。フェムト基地局装置の通信エリアは、上記のように狭いため、複数のフェムト基地局装置が近接して設置されても、それらフェムト基地局装置の通信エリアが重ならないことがある。そしてフェムト基地局装置が、従来の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア内に点在すると、移動局装置は、フェムト基地局装置の通信エリアへの進入及びその通信エリアからの離脱を繰り返すことになるので、システムハンドオーバが頻繁に発生する。そしてシステムハンドオーバの発生頻度が高くなるほど、移動局装置へのダウンリンク信号の送信が遅延する可能性及びダウンリンクデータが欠損する可能性が高くなる。さらに、システムハンドオーバの発生頻度が高くなるほど、LTEの利点であるハンドオーバ時における、移動局装置と接続される基地局装置の切り替えに要する時間の短縮が果たされなくなってしまう。
そこで本明細書は、異なる移動体通信システム間で行われるシステムハンドオーバの発生を抑制することができる移動体通信システム、基地局装置ならびにハンドオーバ実行方法を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、移動体通信システムが提供される。この移動体通信システムは、上位ノード装置と、上位ノード装置と接続された複数の基地局装置と、複数の基地局装置のうちの何れかと無線接続可能な移動局装置とを有する。
移動局装置は、複数の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を所定の時間間隔で測定し、受信信号の品質を測定する度に、各基地局装置からの受信信号の品質を表す受信信号品質情報を、複数の基地局装置のうちの移動局装置と無線接続された第1の基地局装置へ送信する。
一方、第1の基地局装置は、第1の基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってから所定期間が経過した後に、複数の基地局装置のうちの第1の基地局装置と異なる第2の基地局装置についての受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、移動局装置の無線接続先を第1の基地局装置から第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する。
さらに他の実施形態によれば、上位ノード装置と、上位ノード装置と接続された複数の基地局装置と、複数の基地局装置のうちの何れかと無線接続可能な移動局装置とを有する移動体通信システムにおける、ハンドオーバ実行方法が提供される。このハンドオーバ実行方法において、移動局装置は、複数の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を所定の時間間隔で測定し、受信信号の品質を測定する度に、各基地局装置からの受信信号の品質を表す受信信号品質情報を、複数の基地局装置のうちの移動局装置と無線接続された第1の基地局装置へ送信する。
一方、第1の基地局装置は、第1の基地局装置についての受信信号品質を第1のハンドオーバ閾値と比較し、第1の基地局装置に対する受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってからの時間を計時し、計時された時間が所定期間を経過した後に、複数の基地局装置のうちの第1の基地局装置と異なる第2の基地局装置についての受信信号品質を第2のハンドオーバ閾値と比較し、第2の基地局装置についての受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、移動局装置の無線接続先を第1の基地局装置から第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する。
さらに他の実施形態によれば、移動局装置と無線接続可能な基地局装置が提供される。この基地局装置は、移動局装置がこの基地局装置及び他の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を表す受信信号品質情報を、一定の時間間隔で移動局装置から受信する無線処理部と、受信信号品質情報に含まれるこの基地局装置についての第1の受信信号品質を第1のハンドオーバ閾値と比較し、第1の受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってから所定期間が経過した後に、他の基地局装置についての第2の受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、移動局装置の無線接続先をこの基地局装置から他の基地局装置へ切り替えると判定するハンドオーバ判定部とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された移動体通信システム、基地局装置ならびにハンドオーバ実行方法は、異なる移動体通信システム間で行われるシステムハンドオーバの発生を抑制することができる。
図1は、一つの実施形態による移動体通信システムの概略構成図である。 図2は、移動局装置が二つの基地局装置から受信した信号の品質の推移の一例を表す概念図である。 図3は、移動局装置が二つの基地局装置から受信した信号の品質の推移の他の例を表す概念図である。 図4は、一つの実施形態による移動体通信システムにおける、ハンドオーバ処理の動作シーケンス図である。 図5は、一つの実施形態による移動体通信システムにおける、ハンドオーバ処理の動作シーケンス図である。 図6は、基地局設置情報の一例を示す図である。 図7は、一つの実施形態による移動体通信システムから他の移動体通信システムへのシステムハンドオーバの手順を示す動作シーケンス図である。 図8は、他の移動体通信システムから一つの実施形態による移動体通信システムへのシステムハンドオーバの手順を示す動作シーケンス図である。 図9は、一つの実施形態による移動体通信システムの基地局装置における、ハンドオーバ実行判定処理の手順を示す動作フローチャートである。 図10は、一つの実施形態による移動体通信システムが有する基地局装置の概略構成図である。 図11は、一つの実施形態による移動体通信システムが有する上位ノード装置の概略構成図である。 図12は、一つの実施形態による移動体通信システムが有する移動局装置の概略構成図である。 図13は、他の実施形態による、移動体通信システムが有する基地局装置の概略構成図である。 図14は、他の実施形態による基地局装置における、ハンドオーバ実行判定処理の手順を示す動作フローチャートである。
以下、図を参照しつつ、一つの実施形態による、移動体通信システムについて説明する。
この移動体通信システムは、コアネットワークを介して、他の移動体通信システムと接続されている。移動局装置が、この移動体通信システムが有する基地局装置の通信エリアから出て、他の移動体通信システムが有する基地局装置の通信エリアへ移動すると、システムハンドオーバが発生する。逆に、移動局装置が、他の移動体通信システムが有する基地局装置の通信エリアから、この移動体通信システムの基地局装置の通信エリアに進入したときもシステムハンドオーバが発生する。
そこでこの移動体通信システムでは、移動局装置と無線接続されている基地局装置は、移動局装置における受信信号の品質がハンドオーバを実行する条件を満たしても、直ちにはハンドオーバを実行しない。そしてその条件が満たされてから一定期間経過後に、基地局装置はハンドオーバを実行するか否かを再度判定する。これにより、この移動体通信システムは、システムハンドオーバの発生を抑制する。
図1は、一つの実施形態による移動体通信システムの概略構成図である。移動体通信システム1は、3台の基地局装置2−1〜2−3と、上位ノード装置3と、移動局装置4とを有する。各基地局装置2−1〜2−3は、それぞれ、通信ネットワークを介して上位ノード装置3と接続されている。なお、図1では、例示として、移動体通信システム1には、3台の基地局装置が含まれる。しかし、移動体通信システム1に含まれる基地局装置の数は3台に限られない。移動体通信システム1は複数の基地局装置を有すればよい。また移動体通信システム1に含まれる移動局装置の数も1台に限られない。
また、上位ノード装置3は、コアネットワーク10を介して、他の移動体通信システム11のサービングGPRSサポートノード(SGSN)14と接続されている。さらに、他の移動体通信システム11は、SGSN14と接続された無線ネットワーク制御装置(RNC)13と、RNC13と接続された少なくとも1台の基地局装置12を有する。
移動体通信システム1は、基地局装置間でデータ転送が可能な移動体通信システム、例えば、LTEに準拠したシステムとすることができる。
基地局装置2−1〜2−3は、移動局装置4と上位ノード装置3間の通信を中継する装置である。基地局装置2−1〜2−3は、例えば、LTEにおけるeNBに対応する。
上位ノード装置3は、移動局装置4とコアネットワーク間の通信を中継する装置である。上位ノード装置3は、例えば、LTEにおけるUser Plane Entity(UPE)に対応する。さらに上位ノード装置3は、Mobility Management Entity(MME)の機能を有してもよく、あるいは、上位ノード装置3は、UPEの機能を有する装置と、MMEの機能を有する装置とを別個に有していてもよい。
一方、他の移動体通信システム11は、移動体通信システム1の各基地局装置から基地局装置12へ直接データ転送することができない移動体通信システムである。例えば、他の移動体通信システム11は、IMT-2000あるいはHSPAに準拠したシステムである。
移動局装置4が、基地局装置2−1〜2−3の通信エリア2−1a〜2−3aの何れかに進入すると、移動局装置4は、その通信エリアをカバーする基地局装置と無線通信可能になる。そして移動局装置4が、無線通信可能となった基地局装置と無線接続されると、移動局装置4から送信されたアップリンクデータは、基地局装置を介して上位ノード装置3へ送られる。上位ノード装置3は、受け取ったアップリンクデータをルーティングし、例えば、コアネットワーク10を介して別の上位ノード装置(図示せず)へ送信する。また上位ノード装置3は、別の上位ノード装置からコアネットワーク10を介して受信したダウンリンクデータを、移動局装置4と無線接続されている基地局装置を介して、移動局装置4へ送信する。
本実施形態では、各基地局装置2−1〜2−3の通信エリア2−1a〜2−3aは、互いに重複しない。一方、通信エリア2−1a〜2−3aは、それぞれ、基地局装置12の通信エリア12aと重複している。そのため、移動局装置4が、基地局装置2−1〜2−3の何れかの通信エリアから、基地局装置2−1〜2−3のうちの他の基地局装置の通信エリアへ移動する場合、移動局装置4は、移動体通信システム1のサービスが受けられるエリアから一度出ることになる。そこで本実施形態では、移動局装置4が基地局装置2−1〜2−3の何れかの通信エリアから出て、それら基地局装置から受信した信号の品質がハンドオーバを実行する閾値以下となっても、移動体通信システム1はハンドオーバを直ちに実行せず、所定期間経過してからハンドオーバを実行するか否か判断する。
例えば、移動局装置4が、最初に基地局装置2−1の通信エリア2−1a内の地点Aに存在し、かつ基地局装置2−1と無線接続されているとする。この場合、ダウンリンクデータは、上位ノード装置3から基地局装置2−1へ送られ、基地局装置2−1にてバッファされる。そしてダウンリンクデータは、基地局装置2−1から移動局装置4へ送信される。ここで、矢印101に示されるように、移動局装置4が基地局装置12の通信エリア12aを経由して、基地局装置2−2の通信エリア2−2a内の地点Bへ移動したとする。
図2は、上記のように移動局装置4が移動した場合における、移動局装置4での基地局装置2−1から受信した信号の品質及び基地局装置2−2から受信した信号の品質の推移の一例を表す概念図である。
図2において、グラフの横軸は地点Aからの移動距離を表し、グラフの縦軸は受信信号の品質を表す。グラフ201は、基地局装置2−1からの受信信号品質を表し、グラフ202は、基地局装置2−2からの受信信号品質を表す。
図2に示されるように、移動局装置4では、地点Aから離れるにつれて、基地局装置2−1から受信する電波の品質201が低下する。ここで、時刻t1における移動局装置4の位置P1において、移動局装置4における基地局装置2−1の受信電波品質が、第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下となったとする。この第1のハンドオーバ閾値ThHO1は、例えば、通信エリアが重複している基地局装置間でハードハンドオーバを実行するか否かを決定するために用いられる通常のハンドオーバ閾値とすることができる。
この場合、基地局装置2−1は、時刻t1から所定期間を経過するまでハンドオーバを行わない。そして基地局装置2−1は、時刻t1から所定期間経過した時刻t2において、受信電波の品質201及び202と第2のハンドオーバ閾値ThHO2との比較結果に基づいて、ハンドオーバを行うか否か判定する。
この例では、移動局装置4が通信エリア2−2a内の地点Bに近づくにつれて、基地局装置2−2から受信した電波の品質202が向上する。そして時刻t2における移動局装置4の位置P2では、基地局装置2−2から受信した受信電波の品質202は、第2のハンドオーバ閾値ThHO2よりも高くなる。一方、基地局装置2−1から受信した受信電波の品質201は、第2のハンドオーバ閾値ThHO2よりも低くなる。そこで基地局装置2−1は、移動局装置4の無線接続先を基地局装置2−2へ切り替える、移動体通信システム1内のハンドオーバ処理を実行する。
なお、第2のハンドオーバ閾値ThHO2は、システムハンドオーバの発生を抑制するために、第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも低い値に設定されることが好ましい。例えば、第2のハンドオーバ閾値ThHO2は、移動体通信システム1が提供する最低限のサービス(例えば、音声通話)を維持可能な信号品質の最小値に相当する値とすることができる。
あるいは、第2のハンドオーバ閾値ThHO2は、第1のハンドオーバ閾値ThHO1と同一であってもよい。例えば、移動局装置4を所持するユーザが、現在無線接続されている基地局装置の通信エリアを出てから所定期間の間に、移動体通信システム1に属する他の基地局装置の通信エリアに到達すると想定されることがある。この場合、移動局装置4が他の基地局装置から受信する信号の品質は、その所定期間を経過した時点で、第1のハンドオーバ閾値ThHO1を超えると想定される。そこで、例えば、所定期間を、この二つの基地局の通信エリアの境界間の距離の移動に要する推定期間以上の時間に設定する。これにより、第2のハンドオーバ閾値ThHO2が第1のハンドオーバ閾値ThHO1と同一の値に設定されても、この移動体通信システム1は、システムハンドオーバの発生を抑制できる。
一方、矢印102に示されるように、移動局装置4が、基地局装置2−1の通信エリア2−1a内の地点Aから、基地局装置2−1〜2−3の通信エリアの外にある地点Cへ移動したとする。
図3は、上記のように移動局装置4が移動した場合における、移動局装置4での基地局装置2−1から受信した信号の品質及び基地局装置2−2から受信した信号の品質の推移の他の例を表す概念図である。
図3において、グラフの横軸は地点Aからの移動距離を表し、グラフの縦軸は受信信号の品質を表す。グラフ301は、基地局装置3−1からの受信信号品質を表し、グラフ302は、基地局装置2−2からの受信信号品質を表す。
図3に示されるように、移動局装置4では、通信エリア2−1aから離れるにつれて、基地局装置2−1から受信する電波の品質301が低下する。ここで、時刻t3における移動局装置4の位置P3において、移動局装置4における基地局装置2−1の受信電波品質が、第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下となったとする。そして基地局装置2−1は、時刻t3から所定期間経過した時刻t4において、受信電波の品質301及び302に基づいて、ハンドオーバを行うか否か判定する。
この例では、移動局装置4は基地局装置2−2の通信エリアには近づかないので、基地局装置2−2から受信した電波の品質302は向上しない。そのため、時刻t4における移動局装置4の位置P4では、基地局装置2−2から受信した受信電波の品質302は、第2のハンドオーバ閾値ThHO2よりも低い。このような場合、移動局装置4と基地局装置2−2とが無線接続されても、移動局装置4と基地局装置2−2間の通信速度は向上しない。そこで基地局装置2−1は、システムハンドオーバを実行することを選択する。
図4及び図5は、移動体通信システム1及び移動体通信システム11における、ハンドオーバ処理の動作シーケンス図である。例として、移動局装置4が最初に基地局装置12の通信エリア12aに存在しており、その後、基地局装置2−1の通信エリア2−1aを経由して基地局装置2−2の通信エリア2−2aへ移動した場合の各装置の動作を説明する。
また、図4及び図5において、便宜上、基地局装置2−1〜2−3をeNB、無線ネットワーク制御装置13をRNC、基地局装置12をBTS、移動局装置4をUEとそれぞれ表記する。
まず、基地局装置12は、自装置の通信エリア12a内に存在する移動局装置に対して、共通パイロットチャネル(Common Pilot Channel、CPICH)の信号を送信する(ステップS101)。移動局装置4は、CPICHの信号を受信すると、その信号に基づいて、基地局装置12から受信した信号の品質を測定する(ステップS102)。例えば、移動局装置4は、CPICHに含まれるパイロットシンボルに基づいて、信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SIR)または受信信号強度(Received Signal Strength Indicator、RSSI)などを測定し、受信信号品質とする。そして移動局装置4は、その測定結果を基地局装置12を介して無線ネットワーク制御装置13へ送信する(ステップS103)。例えば、移動局装置4は、受信信号の品質の測定値を含むメッセージを無線ネットワーク制御装置13へ送信する。移動局装置4における受信電波の品質が十分である場合、移動局装置4と基地局装置12との間の無線接続が維持され、移動局装置4は、移動体通信システム11を経由して通信する。
その後、無線ネットワーク制御装置13は、基地局装置12の通信エリア12aと少なくとも一部分が重複する通信エリアを持つ、移動体通信システム1の基地局装置のリストを表す基地局設置情報を、基地局装置12を介して移動局装置4へ通知する(ステップS104)。例えば、無線ネットワーク制御装置13は、個別制御チャネル(Dedicated Control Channel、DCCH)を通じて、基地局設置情報を移動局装置4へ通知する。移動局装置4は、受信した基地局設置情報を、自装置が有する記憶部に記憶する。
図6は、基地局設置情報の一例を示す図である。基地局設置情報600は、各行ごとに一つの基地局装置の情報を含む。そして基地局設置情報600には、一つの基地局装置に対して、例えば、基地局装置の識別情報601と、その基地局装置について設定されたセルの識別情報602と、セルで用いられるキャリア周波数の識別情報603とが含まれる。さらに基地局設置情報600には、一つの基地局装置に対して、最も近くに設置された移動体通信システム1に含まれる他の基地局装置の識別情報604とが含まれる。
再度図4を参照すると、移動局装置4が移動体通信システム1の基地局装置2−1の通信エリア2−1aへ進入することにより、システムハンドオーバが発生する。その結果、移動局装置4と基地局装置2−1との間に無線接続が確立される(ステップS105)。そして、移動局装置4と基地局装置2−1間の無線接続が確立された後、基地局装置2−1から移動局装置4へ、各基地局装置から受信した信号の品質を測定する契機となるコマンドが通知される(ステップS106)。
また、移動局装置4は、基地局設置情報を参照して、無線接続されている基地局装置2−1と最も近い基地局装置を特定する。そして移動局装置4は、例えば、アップリンクのDCHを通じて、基地局装置2−1へ、最近接基地局装置の識別情報を通知する(ステップS107)。例えば、基地局装置2−2が基地局装置2−1と最も近い場合、移動局装置4は、基地局装置2−2の識別情報を基地局装置2−1へ通知する。基地局装置2−1は、最近接基地局装置の識別情報を自装置が有する記憶部に記憶する。
移動局装置4は、無線接続されている基地局装置2−1から受信した信号の品質を測定する(ステップS108)。例えば、移動局装置4は、基地局装置2−1から受信したCPICHに含まれるパイロットシンボルに基づいて、SIRまたはRSSIなどを測定し、受信信号品質とする。
また、移動局装置4は、周辺に存在する、移動体通信システム1の各基地局装置から、同期チャネル(Synchronization Channel、SCH)の信号を受信する(ステップS109)。そして移動局装置4は、各基地局装置から受信した信号の品質を測定する(ステップS110)。移動局装置4は、各基地局装置から受信したSCH信号に対するSIRまたはRSSIなどを受信信号品質として測定する。
移動局装置4は、無線接続されている基地局装置2−1の受信信号品質と、移動体通信システム1に属する、移動局装置4の周辺にある他の基地局装置の受信信号品質とを表す受信信号品質情報を、基地局装置2−1へ報告する(ステップS111)。例えば、移動局装置4は、受信信号品質情報をDCCHを通じて基地局装置2−1へ送信する。基地局装置2−1は、移動局装置4から受信した受信信号品質情報を受信すると、各基地局装置に対する受信信号品質を対応する基地局装置の識別情報及び受信信号品質の報告を受け取った時刻と関連付けて、自装置が有する記憶部に記憶する(ステップS112)。
その後、一定の時間間隔で、ステップS108〜S112の処理が繰り返し実行される。
図5に示されるように、基地局装置2−1は、移動局装置4から受信信号品質情報を受け取る度に、移動局装置4における基地局装置2−1からの受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下となるか否か判定する(ステップS113)。受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも高い場合(ステップS113−No)、基地局装置2−1は、ステップS108〜S113の処理を繰り返す。
一方、受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下である場合(ステップS113−Yes)、基地局装置2−1は、内蔵するタイマを起動する(ステップS114)。また基地局装置2−1は、最近接基地局装置と接続する。例えば、上記のように、最近接基地局装置が基地局装置2−2である場合、基地局装置2−1は、基地局間の通信インターフェースを規定するX2インターフェースに従って、基地局装置2−2へ接続要求信号を送信する(ステップS115)。そして基地局装置2−2は、接続を確立する準備が整うと、接続設定応答信号を基地局装置2−1へ返信する(ステップS116)。そして基地局装置2−1と基地局装置2−2間に接続が確立される。
基地局装置2−1は、タイマにより計時された経過時間が所定期間を過ぎた後、移動局装置4へ、Mesurement Reportを送信するよう、Mesurement Controlメッセージを送信する(ステップS117)。移動局装置4は、基地局装置2−1へMesurement Reportメッセージを送信する(ステップS118)。そして基地局装置2−1は、Mesurement Reportメッセージに含まれる、基地局装置2−1に対する受信信号品質及び最近接基地局装置に対する受信信号品質に基づいてハンドオーバまたはシステムハンドオーバを実行するか否か判定する(ステップS117)。なお、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバの選択の詳細は後述する。
ハンドオーバ処理が選択される場合、基地局装置2−1は、例えば、LTEにおいて規定されているハンドオーバ手順に従って、移動体通信システム1内でのハンドオーバ処理を実行する。例えば、基地局装置2−1は、移動局装置4へ、無線接続先を切り替えるようハンドオーバコマンドを送信する。また、基地局装置2−1は、自装置にバッファされているダウンリンク信号をハンドオーバ先の基地局装置へ転送する。そして移動局装置4は、ハンドオーバ先の基地局装置との同期処理を実行する。またハンドオーバ先の基地局装置は、上位ノード装置3へ、移動局装置4に対するパスの変更を要求する。その後、基地局装置2−1は、移動局装置4との通信用に確保していたリソースを開放する。そして基地局装置2−1とハンドオーバ先の基地局装置間の接続が切断される。
図7は、移動体通信システム1から移動体通信システム11へのシステムハンドオーバの手順を示す動作シーケンス図である。この手順は、図5に示された動作シーケンスのステップS119において、基地局装置2−1がシステムハンドオーバを実行すると判定された場合に実行される。ここでは、システムハンドオーバが実行される前の時点では、移動局装置4は基地局装置2−1と無線接続されているものとして説明する。
また、図7において、便宜上、基地局装置2−1をeNB、上位ノード装置3をMME、サービングGPRSサポートノード14をSGSN、無線ネットワーク制御装置13をRNC、基地局装置12をBTS、移動局装置4をUEとそれぞれ表記する。
基地局装置2−1は、上位ノード装置3へハンドオーバ開始要求コマンドを送信する(ステップS201)。また基地局装置2−1は、データ転送の準備を開始する。そして基地局装置2−1は、上位ノード装置3及び移動体通信システム11のサービングGPRSサポートノード14を介して、無線ネットワーク制御装置13へ接続設定要求コマンドを送信する(ステップS202)。無線ネットワーク制御装置13は、接続設定要求コマンドを受信すると、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介した基地局装置2−1との接続設定処理を実行する(ステップS203)。そして無線ネットワーク制御装置13は、接続設定応答メッセージを、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介して基地局装置2−1へ返信する(ステップS204)。
また無線ネットワーク制御装置13は、接続設定要求コマンドを受け取った後に、データ転送用のリソースを確保するなど、データ転送を準備する。そして無線ネットワーク制御装置13は、データ転送の準備が完了すると、サービングGPRSサポートノード14を介して上位ノード装置3へ転送準備完了応答メッセージを送信する(ステップS205)。
上位ノード装置3は、転送準備完了応答メッセージを受信すると、基地局装置2−1へデータ転送要求コマンドを送信する(ステップS206)。また上位ノード装置3は、サービングGPRSサポートノード14及び無線ネットワーク制御装置13を介して基地局装置12へシステム切替制御コマンドを送信する。さらに上位ノード装置3は、基地局装置2−1を介して、移動局装置4へシステム切替制御コマンドを送信する(ステップS207)。移動局装置4は、システム切替制御コマンドを受信すると、移動体通信システム11用の通信機能を起動する。
基地局装置2−1は、データ転送要求コマンドを受信すると、移動局装置4へハンドオーバ要求コマンドを送信する(ステップS208)。移動局装置4は、ハンドオーバ要求コマンドを参照して、ハンドオーバ先となる基地局装置を特定する。そして移動局装置4は、ハンドオーバ先となる基地局装置12との間で同期処理を実行する(ステップS209)。これにより、移動局装置4と基地局装置12との間で無線接続が確立される。
移動局装置4と基地局装置12間の無線接続が確立されると、基地局装置12は、無線接続が確立したことを示すメッセージを無線ネットワーク制御装置13及びサービングGPRSサポートノード14を介して上位ノード装置3へ送信する(ステップS210)。また基地局装置12は、ハンドオーバ完了通知メッセージを無線ネットワーク制御装置13へ送信する(ステップS211)。
無線接続が確立したことを示すメッセージを受け取った後、上位ノード装置3は、基地局装置2−1に対して、データ転送要求コマンドを送信する(ステップS212)。基地局装置2−1は、データ転送要求コマンドを受信すると、自装置が有する記憶部にバッファされているダウンリンクデータを、上位ノード装置3及びサービングGPRSサポートノード14を介して無線ネットワーク制御装置13へ転送する(ステップS213)。基地局装置2−1にバッファされていた全てのダウンリンクデータが転送された後、無線ネットワーク制御装置13は、システム切替完了通知メッセージをサービングGPRSサポートノード14を介して上位ノード装置3へ送信する(ステップS214)。その後、無線ネットワーク制御装置13及び基地局装置2−1は、無線ネットワーク制御装置13と基地局装置2−1間の接続を開放する(ステップS215)。また、上位ノード装置3は、移動局装置4を管理対象から外し、システムの切替処理を完了する(ステップS216)。これにより、システムハンドオーバが完了する。
その後、移動局装置4は、無線ネットワーク制御装置13から、転送されたダウンリンクデータを受信する。そして移動局装置4は、移動体通信システム11の基地局装置12を介して通信する。
図8は、移動体通信システム11から移動体通信システム1へのシステムハンドオーバの手順を示す動作シーケンス図である。この手順は、例えば、図4に示された動作シーケンスのステップS105において実行される。ここでは、システムハンドオーバが実行された後、移動局装置4は基地局装置2−1と無線接続されるものとして説明する。
また、図8において、便宜上、基地局装置2−1をeNB、上位ノード装置3をMME、サービングGPRSサポートノード14をSGSN、無線ネットワーク制御装置13をRNC、基地局装置12をBTS、移動局装置4をUEとそれぞれ表記する。
無線ネットワーク制御装置13は、ハンドオーバの開始を決定すると、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介して基地局装置2−1へ接続設定要求コマンドを送信する(ステップS301)。基地局装置2−1は、接続設定要求コマンドを受信すると、上位ノード装置3及びサービングGPRSサポートノード14を介した無線ネットワーク制御装置13との接続設定処理を実行する(ステップS302)。そして基地局装置2−1は、接続設定処理が終了した後、接続設定応答メッセージを、上位ノード装置3及びサービングGPRSサポートノード14を介して無線ネットワーク制御装置13へ返信する(ステップS303)。
また無線ネットワーク制御装置13は、接続設定応答メッセージを受け取った後に、データ転送準備要求コマンドを、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介して基地局装置2−1へ送信する(ステップS304)。
基地局装置2−1は、データ転送準備要求コマンドを受け取った後に、データ転送用のリソースを確保するなど、データ転送を準備する。そして基地局装置2−1は、データ転送の準備が完了すると、上位ノード装置3及びサービングGPRSサポートノード14を介して無線ネットワーク制御装置13へ転送準備完了応答メッセージを送信する(ステップS305)。
無線ネットワーク制御装置13は、転送準備完了応答メッセージを受信すると、ハンドオーバ処理を開始する。そして無線ネットワーク制御装置13は、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介して基地局装置2−1へハンドオーバ要求コマンドを送信する(ステップS306)。
また、無線ネットワーク制御装置13は、基地局装置12を介して、移動局装置4へ、システム切替制御コマンドを送信する(ステップS307)。移動局装置4は、システム切替制御コマンドを受信すると、移動体通信システム1用の通信機能を起動する。
基地局装置2−1は、ハンドオーバ要求コマンドを受信すると、ハンドオーバ要求応答メッセージを上位ノード装置3へ送信する(ステップS308)。そして基地局装置2−1は、移動局装置4との間で同期処理を行う(ステップS309)。これにより、基地局装置2−1と移動局装置4との間で無線接続が確立される。
一方、上位ノード装置3は、ハンドオーバ要求応答メッセージを受信した後、基地局装置2−1と移動局装置4間の無線接続が確立されるまで待機する。
基地局装置2−1と移動局装置4間の無線接続が確立されると、基地局装置2−1は、無線接続が確立したことを示すメッセージを上位ノード装置3へ送信する(ステップS310)。その後、上位ノード装置3は、無線ネットワーク制御装置13に対して、データ転送要求コマンドを送信する(ステップS311)。無線ネットワーク制御装置13は、データ転送要求コマンドを受信すると、自装置が有する記憶部にバッファされているダウンリンクデータを、サービングGPRSサポートノード14及び上位ノード装置3を介して基地局装置2−1へ転送する(ステップS312)。
無線ネットワーク制御装置13にバッファされていた全てのダウンリンクデータが転送された後、基地局装置2−1は、ハンドオーバ完了通知メッセージを上位ノード装置3へ送信する(ステップS313)。上位ノード装置3は、ハンドオーバ完了通知メッセージを受信すると、システム切替完了通知メッセージをサービングGPRSサポートノード14を介して無線ネットワーク制御装置13へ送信する(ステップS314)。
その後、無線ネットワーク制御装置13及び基地局装置2−1は、無線ネットワーク制御装置13と基地局装置2−1間の接続を開放する(ステップS315)。また、上位ノード装置3は、移動局装置4を管理対象として登録し、システムの切替処理を完了する(ステップS316)。これにより、システムハンドオーバが完了する。
その後、移動局装置4は、基地局装置2−1から、転送されたダウンリンクデータを受信する。そして移動局装置4は、移動体通信システム1の基地局装置2−1を介して通信する。
図9は、移動体通信システム1の基地局装置2−1〜2−3における、ハンドオーバ実行判定処理の手順を示す動作フローチャートである。以下では、基地局装置2−1がこのハンドオーバ処理を実行するものとして説明する。
基地局装置2−1は、移動局装置4から受信信号品質情報を受信する(ステップS401)。基地局装置2−1は、受信信号品質情報を参照することにより、自装置についての受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下か否か判定する(ステップS402)。
受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも高い場合(ステップS402−No)、ハンドオーバを実行する必要性は存在しない。そこで基地局装置2−1は、ステップS401以降の処理を繰り返す。
一方、受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下である場合(ステップS402−Yes)、基地局装置2−1は、記憶部に、移動局装置4から通知された最近接基地局装置の識別情報が記憶されているか否かにより、基地局装置2−1が属する移動体通信システム1に属する隣接基地局装置が有るか否か判定する(ステップS403)。
基地局装置2−1の記憶部に、最近接基地局装置の識別情報が記憶されていない場合(ステップS403−No)、隣接基地局装置は存在しない。そこで、基地局装置2−1は、移動局装置4が他の移動体通信システム11が有する基地局装置12の通信エリア内か否か判定する(ステップS404)。なお、この判定を実行するために、例えば、移動局装置4が移動体通信システム11の基地局装置12から受信した信号の品質を測定し、その測定結果も基地局装置2−1へ送信しておく。そして基地局装置2−1は、基地局装置12についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも高い場合、移動局装置4が基地局装置12の通信エリア内に存在すると判定できる。
移動局装置4が基地局装置12の通信エリア内に存在しない場合(ステップS404−No)、移動局装置4の周囲には、ハンドオーバ先となる基地局装置が存在しない。そのため、基地局装置2−1は、ステップS401以降の処理を繰り返す。なお、この場合において、移動局装置4における、基地局装置2−1からの受信信号の品質が、無線接続を保てない程度に低下すると、移動局装置4と移動体通信システム1の固定側の装置との接続は切断される。
一方、移動局装置4が基地局装置12の通信エリア内に存在する場合(ステップS404−Yes)、基地局装置2−1は、システムハンドオーバを実行することを決定する(ステップS405)。
また、基地局装置2−1の記憶部に、最近接基地局装置の識別情報が記憶されている場合、隣接基地局装置が存在する(ステップS403−Yes)。そこで基地局装置2−1は、ハンドオーバ閾値を第2のハンドオーバ閾値ThHO2に変更する(ステップS406)。基地局装置2−1は、内蔵するタイマを起動する(ステップS407)。また基地局装置2−1は、最近接基地局装置との接続を確立する(ステップS408)。そして基地局装置2−1は、タイマにより計時された時間が所定期間を経過したか否か判定する(ステップS409)。
タイマにより計時された時間が所定期間を経過していない場合(ステップS409−No)、基地局装置2−1は、ステップS409の処理を繰り返す。一方、タイマにより計時された時間が所定期間を経過した場合(ステップS409−Yes)、基地局装置2−1は、移動局装置4から受信信号品質情報を再度受信する(ステップS410)。なお、所定期間は、例えば、移動局装置4を所持するユーザが基地局装置2−1の通信エリアを出てから、最近接基地局装置の通信エリアに到達するまでに要する期間の推定値とすることができる。
基地局装置2−1は、移動局装置4における、基地局装置2−1からの受信信号品質Q1は第2のハンドオーバ閾値ThHO2以下か否か判定する(ステップS411)。受信信号品質Q1が第2のハンドオーバ閾値ThHO2よりも高い場合(ステップS411−No)、基地局装置2−1は、ハンドオーバを行わず、ステップS401以降の処理を繰り返す。
一方、受信信号品質Q1が第2のハンドオーバ閾値ThHO2以下である場合(ステップS411−Yes)、基地局装置2−1は、移動局装置4における、最近接基地局装置からの受信信号品質Q2は第2のハンドオーバ閾値ThHO2以上か否か判定する(ステップS412)。
受信信号品質Q2が第2のハンドオーバ閾値ThHO2未満である場合(ステップS412−No)、移動局装置4と最近接基地局装置間が無線接続されても、受信信号品質Q2が低いため通信速度は向上しない。そこで基地局装置2−1は、システムハンドオーバを実行することを決定する(ステップS405)。一方、受信信号品質Q2が第2のハンドオーバ閾値ThHO2以上である場合(ステップS412−Yes)、基地局装置2−1は、最近接基地局装置へのハンドオーバを実行することを決定する(ステップS413)。
ステップS405またはステップS413の後、移動体通信システム1は、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバ処理を実行する。
なお、ステップS408の処理は、ステップS413の後に実行されてもよい。これにより、システムハンドオーバが実行される場合に、移動体通信システム1は、基地局装置間に使用されない接続が設定されることを防止できる。
また、基地局装置2−1は、ステップS411において、受信信号品質Q2が第2のハンドオーバ閾値ThHO2以上となるとともに、その判定の前後で、受信信号品質Q2が向上していることを、システム内のハンドオーバを実行すると決定する条件としてもよい。例えば、基地局装置2−1は、ステップS402の処理の実行時前後における受信信号品質Q2よりも、ステップS411の実行時における受信信号品質Q2が向上することを、システム内のハンドオーバを実行すると決定する条件に加えてもよい。このように、受信信号品質Q2が向上することを確認することで、基地局装置2−1は、移動局装置4が最近接基地局装置の通信エリアへ向かっていると推定できる。そのため、受信信号品質Q2が向上することをシステム内のハンドオーバを実行する条件に加えることで、移動体通信システム1は、システム内のハンドオーバが失敗する可能性を低減できる。
以下に、上記の処理を実現するための、移動体通信システム1の各装置の具体的な構成について説明する。
図10は、基地局装置2−1の概略構成図である。なお、基地局装置2−1〜2−3は、同一の構成及び同一の機能を有するので、以下では、基地局装置2−1についてのみ説明する。
基地局装置2−1は、無線処理部21と、アンテナ22と、有線インターフェース部23と、記憶部24と、受信処理部25と、リンク制御部26と、制御チャネル信号生成部27と、送信処理部28とを有する。このうち、無線処理部21、記憶部24、受信処理部25、リンク制御部28、制御チャネル信号生成部27及び送信処理部28は、それぞれ別個の回路として形成される。あるいはこれらの各部は、その各部に対応する回路が集積された一つの集積回路として基地局装置2−1に実装されてもよい。
無線処理部21は、送信処理部28から受信した、変調及び多重化された各種の制御信号及びダウンリンクデータを含むダウンリンク信号を、無線周波数を持つ搬送波に重畳する。そして無線処理部21は、搬送波に重畳されたダウンリンク信号をハイパワーアンプ(図示せず)により所望のレベルに増幅し、その信号をアンテナ22を介して移動局装置4へ送信する。また無線処理部21は、アンテナ22により受信したアップリンク信号を、低ノイズアンプ(図示せず)により増幅する。無線処理部21は、増幅されたアップリンク信号に、中間周波数を持つ周期信号を乗じることにより、アップリンク信号の周波数を無線周波数からベースバンド周波数に変換する。そして無線処理部21は、アップリンク信号を受信処理部25へ渡す。
アンテナ22は、無線処理部21から伝達されたダウンリンク信号を放射する。
またアンテナ22は、移動局装置4から送信されたアップリンク信号を受信し、そのアップリンク信号を無線処理部21に伝達する。
有線インターフェース部23は、上位ノード装置3または他の基地局装置と接続するための通信インターフェース回路を有する。そして有線インターフェース部23は、ダウンリンクデータを上位ノード装置3から受信し、ダウンリンクデータを送信処理部26に出力する。一方、有線インターフェース部23は、アップリンクデータを受信処理部25から受信し、アップリンクデータを上位ノード装置3へ出力する。また有線インターフェース部23は、ハンドオーバが発生した場合に、他の基地局装置からダウンリンクデータを受信するか、あるいは他の基地局装置へダウンリンクデータを送信する。
記憶部24は、例えば、書き換え可能な不揮発性半導体メモリを有する。そして記憶部24は、基地局装置2−1の識別情報及び使用周波数など、移動局装置4と無線接続するための制御に利用される各種の情報を記憶する。また記憶部24は、アップリンクデータあるいはダウンリンクデータを一時的に記憶する。さらに記憶部24は、最近接基地局装置の識別情報を記憶する。
受信処理部25は、復調部251と、アップリンクデータ処理部252と、アップリンク制御チャネル処理部253と、最近接基地局特定部254と、信号品質情報検出部255と、ハンドオーバ判定部256とを有する。
復調部251は、アップリンク信号を所定の多重化方式に従って分離し、復調する。そして復調部251は、分離されたアップリンクデータをアップリンクデータ処理部252へ渡す。また復調部251は、アップリンク制御信号をアップリンク制御チャネル処理部253へ渡す。なお、アップリンク信号に対する多重化方式は、例えば、シングルキャリア周波数分割多重方式(Single Carrier Frequency Division Multiplexing、SC-FDMA)とすることができる。
アップリンクデータ処理部252は、アップリンクデータに対する誤り訂正復号などの受信処理を実行する。そしてアップリンクデータ処理部252は、受信処理が行われたアップリンクデータを、有線インターフェース部23へ出力する。
アップリンク制御チャネル処理部253は、アップリンクのDCHなどの制御チャネルを通じて受け取った制御信号に従って、送信電力制御などの処理を実行する。また、アップリンク制御チャネル処理部253は、移動局装置4から受信した基地局設置情報を記憶部24に記憶する。またアップリンク制御チャネル253は、移動局装置4から受信した受信信号品質情報を信号品質情報検出部255へ渡す。
最近接基地局特定部254は、ハンドオーバ判定部256から最近接基地局装置が存在するか否かの問い合わせを受けると、記憶部24に最近接基地局装置の識別情報が記憶されているか否か確認する。そして最近接基地局特定部254は、記憶部24に最近接基地局装置の識別情報が記憶されている場合、その識別情報を信号品質情報検出部255及びハンドオーバ判定部256へ渡す。一方、記憶部24に最近接基地局装置の識別情報が記憶されていない場合、最近接基地局特定部254はその旨をハンドオーバ判定部256へ通知する。
信号品質情報検出部255は、受信信号品質情報から、最近接基地局特定部254から受け取った最近接基地局装置の識別情報と関連付けられた受信信号品質の測定値を検出する。また信号品質情報検出部255は、受信信号品質情報から、基地局装置2−1についての受信信号品質の測定値を検出する。そして信号品質情報検出部255は、基地局装置2−1についての受信信号品質の測定値及び最近接基地局装置についての受信信号品質の測定値をハンドオーバ判定部256へ渡す。
ハンドオーバ判定部256は、基地局装置2−1についての受信信号品質の測定値及び最近接基地局装置についての受信信号品質の測定値に基づいて、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバを実行するか否か判定する。具体的には、ハンドオーバ判定部256は、上記の図9に示した動作フローチャートに従って、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバを実行するか否か判定する。そしてハンドオーバ判定部256は、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバを実行すると判定した場合、リンク制御部28へ実行されるハンドオーバの種別を通知する。またハンドオーバ判定部256は、基地局装置2−1についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下となったときに、リンク制御部28へ、最近接基地局装置の識別情報を通知し、かつ最近接基地局装置と接続することを要求をする。
またハンドオーバ判定部256は、基地局装置2−1についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下となったときに、移動体通信システム1に含まれる他の基地局装置についての受信信号品質を第1のハンドオーバ閾値ThHO1と比較してもよい。そして移動体通信システム1に含まれる他の基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1を超えていれば、ハンドオーバ判定部256は、移動体通信システム1内でハンドオーバを実行すると決定してもよい。この場合、ハンドオーバ判定部256は、ハンドオーバ先の基地局装置の識別情報及びハンドオーバが発生したことをリンク制御部26へ通知する。
リンク制御部26は、上位ノード装置3及び他の基地局装置2−2、2−3との接続または開放処理を実行する。またリンク制御部26は、ハンドオーバに関する基地局装置間の処理または基地局装置と上位ノード装置間の処理を実行する。例えば、リンク制御部26は、ハンドオーバ判定部256から最近接基地局装置と接続することを要求されると、基地局装置2−1と最近接基地局装置との間の接続を、基地局装置間の通信インターフェースであるX2インターフェースに従って確立する。そしてリンク制御部26は、ハンドオーバが発生した場合、記憶部24に記憶されているダウンリンクデータを、ハンドオーバ先の基地局装置へ転送する。またリンク制御部26は、システムハンドオーバが発生した場合、システムハンドオーバに関する処理を実行する。
制御チャネル信号生成部27は、報知情報など、報知チャネル(Broadcast. Channel、BCH)またはSCHを通じて移動局装置4へ送信される制御信号を生成する。そして制御チャネル信号生成部27は、生成した制御信号を送信処理部28へ渡す。
送信処理部28は、ダウンリンクデータ処理部281と、変調部282とを有する。
ダウンリンクデータ処理部281は、有線インターフェース部23から受信したダウンリンクデータに対して、誤り訂正符号化処理などの送信処理を実行する。またダウンリンクデータ処理部281は、移動局装置4への送信信号の再送制御、順序整列などの処理を実行する。そしてダウンリンクデータ処理部281は、送信処理が行われたダウンリンクデータを変調部282に渡す。
変調部282は、ダウンリンクデータ及び制御信号を、所定の多重化方式に従って多重化し、所定の多重化方式に従って変調する。なお、所定の多重化方式は、例えば、直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing、OFDM)とすることができる。変調部282は、多重化されたダウンリンク信号を、無線処理部21へ出力する。
図11は、上位ノード装置3の概略構成図である。上位ノード装置3は、制御部31と、記憶部32と、有線インターフェース部33とを有する。
制御部31は、例えば、1個若しくは複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして制御部31は、上位ノード装置3に接続されている何れかの基地局装置の通信エリア内に存在する移動局装置の位置及び状態を管理する機能を有する。
また制御部31は、通信中の移動局装置4から受信した信号をルーティングする。例えば、制御部31は、通信中の移動局装置4から受信したアップリンクデータを有線インターフェース部33を介してコアネットワークへ送出する。また制御部31は、通信中の移動局装置4を宛先とするダウンリンクデータをコアネットワークから有線インターフェース部33を介して受信すると、そのダウンリンクデータを有線インターフェース部33を介して移動局装置が無線接続された基地局装置へ送信する。
さらに、制御部31は、ハンドオーバ及びシステムハンドオーバに関する処理のうち、上位ノード装置3が担当する処理を実行する。
記憶部32は、例えば、書き換え可能な不揮発性半導体メモリを有する。そして記憶部32は、上位ノード装置3と接続された何れかの基地局装置と無線接続された移動局装置と通信するための制御に利用される各種の情報を記憶する。
有線インターフェース部33は、上位ノード装置3をコアネットワークまたは何れかの基地局装置と接続するための通信インターフェースを有する。そして有線インターフェース部33は、上位ノード装置3と接続された基地局装置の何れかと無線接続された移動局装置へのダウンリンクデータをコアネットワークから受信し、そのダウンリンクデータを制御部31へ渡す。さらに、有線インターフェース部33は、制御部31からそのダウンリンクデータを受け取ると、そのダウンリンクデータの宛先となる移動局装置が無線接続された基地局装置へ、そのダウンリンクデータを送信する。
一方、有線インターフェース部33は、何れかの基地局装置からアップリンクデータを受信すると、そのアップリンクデータを制御部31へ渡す。さらに、有線インターフェース部33は、制御部31から受信したアップリンクデータをコアネットワークへ出力する。
図12は、移動局装置4の概略構成図である。移動局装置4は、無線処理部41と、アンテナ42と、第1受信処理部43と、第1送信処理部44と、第2受信処理部45と、第2送信処理部46と、記憶部47と、アプリケーション処理部48と、表示部49と、操作部50とを有する。このうち、無線処理部41、第1受信処理部43、第1送信処理部44、第2受信処理部45、第2送信処理部46、記憶部47及びアプリケーション処理部48は、それぞれ別個の回路として形成される。あるいはこれらの各部は、その各部に対応する回路が集積された一つの集積回路として移動局装置4に実装されてもよい。
無線処理部41は、第1送信処理部44または第2送信処理部46から受け取った、変調及び多重化された各種の制御信号及びアップリンクデータを含むアップリンク信号を、無線周波数を持つ搬送波に重畳する。そして無線処理部41は、搬送波に重畳されたアップリンク信号をハイパワーアンプ(図示せず)により所望のレベルに増幅し、その信号をアンテナ42を介して基地局装置へ送信する。また無線処理部41は、アンテナ42により受信したダウンリンク信号を、低ノイズアンプ(図示せず)により増幅する。無線処理部41は、増幅されたダウンリンク信号に、中間周波数を持つ周期信号を乗じることにより、ダウンリンク信号の周波数を無線周波数からベースバンド周波数に変換する。そして無線処理部41は、ダウンリンク信号を第1受信処理部43または第2受信処理部45へ渡す。
アンテナ42は、無線処理部41から伝達されたアップリンク信号を放射する。
またアンテナ42は、基地局装置から送信されたダウンリンク信号を受信し、そのダウンリンク信号を無線処理部41に伝達する。
第1受信処理部43は、移動局装置4が移動体通信システム11の基地局装置と無線接続されている間、移動体通信システム11のプロトコルに応じてダウンリンク信号の受信処理を実行する。そのために、第1受信処理部43は、復調部431と、ダウンリンクデータ処理部432と、セルサーチ部433と、受信信号品質測定部434と、制御部435とを有する。
復調部431は、ダウンリンク信号を移動体通信システム11のプロトコルによって規定された多重化方式に従って分離し、復調する。そして復調部431は、分離されたダウンリンクデータをダウンリンクデータ処理部432へ渡す。また復調部431は、ダウンリンク制御信号を制御部435へ渡す。なお、移動体通信システム11のプロトコルによって規定された多重化方式は、例えば、符号分割多重方式(Code Division Multiple Access、CDMA)である。
ダウンリンクデータ処理部432は、ダウンリンクデータに対する誤り訂正復号処理、逆拡散処理などの受信処理を実行する。そしてダウンリンクデータ処理部432は、受信処理が行われたダウンリンクデータを、アプリケーション処理部48へ出力する。
セルサーチ部433は、基地局装置から受信した制御信号のうち、SCH信号に基づいて同期処理を実行することにより、無線接続された基地局装置との通信に使用されるフレーム及びスロットのタイミングを特定する。またセルサーチ部433は、CPICH信号に基づいて、スクランブルコードなど、セル固有の情報を特定する。そしてセルサーチ部433は、特定されたフレーム及びスロットのタイミング及びセル固有の情報を制御部435へ渡す。
受信信号品質測定部434は、移動局装置4が無線接続されている基地局装置から受信した信号の品質を測定する。そのために、受信信号品質測定部434は、例えば、無線接続されている基地局装置から受信したCPICH信号に基づいて、SIRまたはRSSIなどの受信信号品質を表す測定値を求める。
また受信信号品質測定部434は、移動局装置4の周囲に存在し、移動局装置4と無線接続されていない基地局装置から受信した信号の品質も測定する。そのために、受信信号品質測定部434は、例えば、無線接続されていない基地局装置から受信したSCH信号に基づいて、SIRまたはRSSIなどの測定値を求める。
受信信号品質測定部434は、求めた受信信号品質の測定値を制御部435へ渡す。
制御部435は、ダウンリンクのDCHなどの制御チャネルを通じて受け取った制御信号及びアプリケーション処理部48からの指示に従って、呼制御など、移動局装置4と基地局装置間の通信に関する各種の制御を実行する。また、制御部435は、基地局装置から無線処理部41で受信した基地局設置情報を記憶部47に記憶する。また制御部435は、各基地局装置から受信した信号の品質の測定値に基づいて、受信信号品質情報を作成し、受信信号品質情報を第1送信処理部44のアップリンク制御部441へ渡す。
また制御部435は、基地局装置あるいは無線ネットワーク制御装置から、システム切替を要求する信号を受信すると、第2受信処理部45の制御部455へシステムを切り替えることを通知する。逆に、第2受信処理部45がダウンリンク信号の受信に使用されている間に、制御部435は、第2受信処理部45の制御部455からシステムを切り替えることを通知されると、第1受信処理部43及び第1送信処理部44を起動する。
また、第2受信処理部45がダウンリンク信号の受信に使用されている間に、操作部50を介してシステムを切り替える操作がなされた場合も、その操作信号がアプリケーション処理部48を介して制御部435に通知される。そして制御部435は、第1受信処理部43及び第1送信処理部44を起動する。
第1送信処理部44は、移動局装置4が移動体通信システム11の基地局装置と無線接続されている間、移動体通信システム11のプロトコルに応じてアップリンク信号の送信処理を実行する。そのために、第1送信処理部44は、アップリンク制御部441と、変調部442とを有する。
アップリンク制御部441は、アプリケーション処理部48から受信したアップリンクデータに対して、誤り訂正符号化処理、拡散処理などの送信処理を実行する。またアップリンクデータ制御部441は、受信信号品質情報を含む、アップリンク用の各種制御信号を生成する。そしてアップリンク制御部441は、送信処理が行われたアップリンクデータ及び制御信号を変調部442に渡す。
変調部442は、アップリンクデータ及び制御信号を、移動体通信システム11のプロトコルによって規定された多重化方式に従って多重化し、変調することにより、アップリンク信号を生成する。なお、多重化方式は、例えば、CDMAである。変調部442は、アップリンク信号を無線処理部41へ出力する。
第2受信処理部45は、移動局装置4が移動体通信システム1の基地局装置と無線接続されている間、移動体通信システム1のプロトコルに応じてダウンリンク信号の受信処理を実行する。そのために、第2受信処理部45は、復調部451と、ダウンリンクデータ処理部452と、セルサーチ部453と、受信信号品質測定部454と、制御部455とを有する。第2受信処理部45が有する各部は、第1受信処理部43の対応する構成要素と、適用されるプロトコルの違いによる相違点を除いて、同様の機能を有する。そこで、以下では、第2受信処理部45が有する各部について、第1受信処理部43の対応する構成要素と異なる点について説明する。
復調部451は、ダウンリンク信号を移動体通信システム1のプロトコルによって規定された多重化方式に従って分離し、復調する。そして復調部451は、分離されたダウンリンクデータをダウンリンクデータ処理部432へ渡す。また復調部451は、ダウンリンク制御信号を制御部455へ渡す。なお、移動体通信システム1のプロトコルによって規定された多重化方式は、例えば、OFDMである。
制御部455は、移動局装置4が移動体通信システム1の基地局装置と無線接続されると、記憶部47から基地局設置情報を読み込む。そして制御部455は、基地局設置情報を参照することにより、現在無線接続されている基地局装置と最も近接している、移動体通信システム1の基地局装置の識別情報を特定する。そして制御部455はその識別情報を第2送信処理部46のアップリンク制御部461へ通知する。
第2送信処理部46は、移動局装置4が移動体通信システム1の基地局装置と無線接続されている間、移動体通信システム1のプロトコルに応じてアップリンク信号の送信処理を実行する。そのために、第2送信処理部46は、アップリンク制御部461と、変調部462とを有する。第2送信処理部46が有する各部は、第1送信処理部44の対応する構成要素と、適用されるプロトコルの違いによる相違点を除いて、同様の機能を有する。そこで、以下では、第2送信処理部46が有する各部について、第1送信処理部44の対応する構成要素と異なる点について説明する。
アップリンク制御部461は、アプリケーション処理部48から受信したアップリンクデータに対して、誤り訂正符号化処理などの送信処理を実行する。またアップリンクデータ制御部461は、受信信号品質情報を含む、アップリンク用の各種制御信号を生成する。さらに、アップリンクデータ制御部461は、最近接基地局装置の識別情報を含む制御信号を生成する。そしてアップリンク制御部461は、送信処理が行われたアップリンクデータ及び制御信号を変調部462に渡す。
変調部462は、アップリンクデータ及び制御信号を、移動体通信システム1のプロトコルによって規定された多重化方式に従って多重化し、変調することにより、アップリンク信号を生成する。なお、多重化方式は、例えば、SC-FDMAである。変調部462は、アップリンク信号を無線処理部41へ出力する。
記憶部47は、例えば、書き換え可能な不揮発性半導体メモリを有する。そして記憶部47は、移動局装置4の識別情報など、基地局装置と無線接続するための制御に利用される各種の情報を記憶する。また記憶部47は、基地局設置情報を記憶する。さらに記憶部47は、アプリケーション処理部48で使用される各種のデータ及びプログラムを記憶する。
アプリケーション処理部48は、移動局装置4に実装された各種アプリケーションを実行する。そしてアプリケーション処理部48は、第1受信処理部43または第2受信処理部45から受け取ったダウンリンクデータから、実行中のアプリケーションに応じて、音声信号あるいはデータ信号を取り出す。アプリケーション処理部48は、取り出された音声信号をスピーカ(図示せず)により再生し、あるいはデータ信号を表示部50に表示させる。
またアプリケーション処理部48は、マイクロホン(図示せず)あるいは操作部49を介して取得された音声信号あるいはデータ信号に対して情報源符号化処理などの処理を行い、アップリンクデータを生成する。そしてアプリケーション処理部48は、アップリンクデータを第1送信処理部44または第2送信処理部46へ渡す。
操作部49は、例えば、キーパッドあるいはタッチパネルなど、ユーザが移動局装置4に対して所定の操作を実行するためのユーザインターフェースを有する。そして操作部49は、ユーザによる操作に応じた操作信号をアプリケーション処理部48へ渡す。
表示部50は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイなどのディスプレイを有する。そして表示部50は、アプリケーション処理部48から受け取ったデータを表示する。
以上に説明してきたように、移動局装置と無線接続されている基地局装置は、移動局装置におけるこの基地局装置からの受信信号の品質がハンドオーバを実行する基準となる第1のハンドオーバ閾値以下となっても、直ちにはハンドオーバを実行しない。そしてその基地局装置は、一定期間経過後に、この移動体通信システムの他の基地局装置をハンドオーバ先として、ハンドオーバ可能か否かを判定する。そして、移動局装置における、他の基地局装置からの受信信号の品質がハンドオーバ可能なレベルに達していれば、ハンドオーバが実行される。これにより、この移動体通信システムでは、移動局装置がこの移動体通信システムの基地局装置の通信エリアから外れたとしても、移動局装置がこの移動体通信システムの他の基地局装置の通信エリアに進入してからハンドオーバを実行する確率を上げることができる。そのため、この移動体通信システムは、システムハンドオーバの発生を抑制できる。
また基地局装置は、移動局装置における他の基地局装置からの受信信号品質に対する第2のハンドオーバ閾値を、第1のハンドオーバ閾値よりも低い値に設定できる。そのため、この移動体通信システム内でのハンドオーバが実行される確率が高くなるので、この移動体通信システムは、システムハンドオーバの発生をさらに抑制できる。
さらに、移動局装置と無線接続されている基地局装置からの受信信号の品質が第1のハンドオーバ閾値以下となると、その基地局装置は、ハンドオーバを実行するよりも前に、その基地局装置と最も近接した基地局装置の接続を確立する。そのため、この移動体通信システムは、ハンドオーバが実行されるときには、基地局装置間の接続処理を改めて実行しなくてもよいので、ハンドオーバ実行時に生じる遅延を抑制することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図13は、他の実施形態による、移動体通信システムが有する基地局装置の概略構成図である。図13に示すように、他の実施形態による基地局装置2は、図10に示した基地局装置の構成のうち、無線処理部21の機能を有する回路及びアンテナ22を有する複数の子装置201、202と、その他の機能を有する親装置203とを有する。子装置201、202は、それぞれ、通信回線を通じて親装置203と接続される。そして各子装置201、202の通信エリア201a、202aは、互いに重複せず、かつ他の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア12aに含まれる。
ここで、移動局装置4が、最初に、子装置201の通信エリア201a内の地点Aに存在し、基地局装置2と無線接続されていたとする。その後、移動局装置4が、矢印103に沿って、子装置202の通信エリア202a内の地点Bへ移動したとする。この場合、移動局装置4は、一旦基地局装置2の通信エリアから外れることになる。そこで、この実施形態においても、基地局装置2は、移動局装置4における基地局装置2−1からの受信信号の品質が第1のハンドオーバ閾値未満となっても、直ちにハンドオーバを実行せず、所定期間経過後に、再度ハンドオーバを実行するか否か判定する。なお、この実施形態では、基地局装置2の親装置203が有する記憶部に、基地局装置2が有する各子装置の設置情報が記憶される。子装置の設置情報には、例えば、子装置の識別情報、設置位置の座標及び通信エリアの半径が含まれる。
図14は、他の実施形態による基地局装置2により実行される、ハンドオーバ実行判定処理の手順を示す動作フローチャートである。
基地局装置2は、移動局装置4から受信信号品質情報を受信する(ステップS501)。基地局装置2は、受信信号品質情報を参照することにより、移動局装置4と現在接続されている、移動元の子装置についての受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下か否か判定する(ステップS502)。
受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも高い場合(ステップS502−No)、基地局装置2はハンドオーバを実行する必要はない。そこで基地局装置2は、ステップS501以降の処理を繰り返す。
一方、受信信号品質Q1が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以下である場合(ステップS502−Yes)、基地局装置2は、子装置の設置情報を参照して、基地局装置2が有する他の子装置が有るか否か判定する(ステップS503)。
他の子装置が存在しない場合(ステップS503−No)、基地局装置2は、移動局装置4が他の移動体通信システムが有する基地局装置の通信エリア内か否か判定する(ステップS504)。なお、この判定を実行するために、例えば、移動局装置4が他の移動体通信システムの基地局装置から受信した信号の品質を測定し、その測定結果も基地局装置2へ送信しておく。そして基地局装置2は、他の移動体通信システムの基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値ThHO1よりも高い場合、移動局装置4が他の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア内に存在すると判定できる。
移動局装置4が他の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア内に存在しない場合(ステップS504−No)、移動局装置4の周囲には、ハンドオーバ先となる基地局装置が存在しない。そのため、基地局装置2は、ステップS501以降の処理を繰り返す。なお、この場合において、移動局装置4における、基地局装置2からの受信信号の品質が、無線接続を保てない程度に低下すると、移動局装置4と移動体通信システム1の固定側の装置との接続は切断される。
一方、移動局装置4が他の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア内に存在する場合(ステップS504−Yes)、基地局装置2は、システムハンドオーバを実行することを決定する(ステップS505)。
また、基地局装置2が他の子装置を有する場合(ステップS503−Yes)、基地局装置2は、移動局装置4と無線接続されている子装置の通信エリアが、他の子装置の通信エリアと接触しているか否か判定する(ステップS506)。子装置の通信エリア同士が接触していない場合(ステップS506−No)、基地局装置2は、ハンドオーバ閾値を第2のハンドオーバ閾値ThHO2に変更する(ステップS507)。また基地局装置2は、内蔵するタイマを起動する(ステップS508)。そして基地局装置2は、タイマにより計時された時間が所定期間を経過したか否か判定する(ステップS509)。
タイマにより計時された時間が所定期間を経過していない場合(ステップS509−No)、基地局装置2は、ステップS509の処理を繰り返す。一方、タイマにより計時された時間が所定期間を経過した場合(ステップS509−Yes)、基地局装置2は、移動局装置4から受信信号品質情報を再度受信する(ステップS510)。
基地局装置2は、移動局装置4における、移動元の子装置についての受信信号品質Q1は第2のハンドオーバ閾値ThHO2以下か否か判定する(ステップS511)。受信信号品質Q1が第2のハンドオーバ閾値ThHO2よりも高い場合(ステップS511−No)、基地局装置2は、ハンドオーバを行わず、ステップS501以降の処理を繰り返す。
一方、受信信号品質Q1が第2のハンドオーバ閾値ThHO2以下である場合(ステップS511−Yes)、基地局装置2は、移動局装置4における、移動先の子装置についての受信信号品質Q2は第2のハンドオーバ閾値ThHO2以上か否か判定する(ステップS512)。
受信信号品質Q2が第2のハンドオーバ閾値ThHO2未満である場合(ステップS512−No)、基地局装置2は、システムハンドオーバを実行する(ステップS505)。一方、受信信号品質Q2は第2のハンドオーバ閾値ThHO2以上である場合(ステップS512−Yes)、基地局装置2は、子装置間でハンドオーバを実行することを決定する(ステップS513)。
また、子装置の通信エリア同士が接触している場合(ステップS506−Yes)、基地局装置2は、移動局装置4における、移動先の子装置についての受信信号品質Q2は第1のハンドオーバ閾値ThHO1以上か否か判定する(ステップS514)。受信信号品質Q2が第1のハンドオーバ閾値ThHO1以上である場合(ステップS514−Yes)、基地局装置2は、子装置間でハンドオーバを実行することを決定する(ステップS513)。一方、受信信号品質Q2が第1のハンドオーバ閾値ThHO1未満である場合(ステップS514−No)、基地局装置2は、ステップS504以降の処理を実行する。
ステップS505またはステップS513の後、ハンドオーバまたはシステムハンドオーバが実行される。
また、基地局設置情報も、上記の例に限られない。他の例によれば、基地局設置情報は、一つの基地局装置に対して、所定の距離範囲内に存在する、移動体通信システム1に属する全ての基地局の識別情報が含まれてもよい。さらに、基地局設置情報には、一つの基地局装置から、その所定の距離範囲内に存在する、移動体通信システム1に属する各基地局までの距離が含まれてもよい。所定の距離範囲は、例えば、上記の図9に示した動作フローに従って、移動体通信システム1内でのハンドオーバが実行可能な基地局装置間の距離の最大値に設定される。
基地局設置情報が一つの基地局装置から他の基地局装置までの距離を含んでいる場合、移動局装置は、現在無線接続されている基地局装置に対して、基地局設置情報を参照して、最も近い距離に対応する基地局装置を最近接基地局装置として決定してもよい。なお、以下では、移動局装置と現在無線接続されている基地局装置をハンドオーバ元の基地局装置と呼ぶ。この場合、移動局装置は、ハンドオーバ元の基地局装置に対して、最近接基地局装置までの距離を通知してもよい。そしてハンドオーバ元の基地局装置は、図9に示した動作フローチャートにおけるステップS409の所定期間を、最近接基地局装置までの距離に応じて設定してもよい。例えば、ハンドオーバ元の基地局装置は、最近接基地局装置までの距離が長くなるほど、所定期間を長く設定することができる。これにより、ハンドオーバ元の基地局装置は、ハンドオーバを実行するか否かの判断のタイミングを適切に決定できる。
また、基地局設置情報が、所定の距離範囲内の基地局装置の識別情報を含んでいる場合、移動局装置は、基地局設置情報を参照することにより、現在無線接続されている基地局装置に対して所定の距離範囲内の基地局装置を特定してもよい。
移動局装置は、例えば、図4に示した動作シーケンスのステップS107において、ハンドオーバ元の基地局装置から所定の距離範囲内に存在する各基地局装置の識別情報を送信する。また移動局装置は、ハンドオーバ元の基地局装置から所定の距離範囲内の基地局装置に対する受信信号品質のみを測定し、それら基地局装置の受信信号品質のみをハンドオーバ元の基地局装置へ報告してもよい。
その後、図9に示されるハンドオーバ実行判定処理が行われる場合、ハンドオーバ元の基地局装置は、ステップS408において、その基地局装置から所定の距離範囲内に存在する各基地局装置との接続を確立してもよい。また、ステップS412において、ハンドオーバ元の基地局装置は、その基地局装置から所定の距離範囲内に存在する各基地局装置の受信信号品質のうち、最も良好なものを第2のハンドオーバ閾値と比較してもよい。そして最良の受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上であれば、ハンドオーバ元の基地局装置は、最良の受信信号品質に対応する基地局装置をハンドオーバ先の基地局装置として選択し、ハンドオーバ処理を実行する。
また、基地局設置情報は、移動体通信システム1の上位ノード装置が保持していてもよい。この場合、移動体通信システム1の基地局装置が起動したときに、基地局設置情報は、上位ノード装置からその基地局装置へ通知されてもよい。この場合、移動体通信システム1に属する新たな基地局装置が設置される度に、新たに設置された基地局装置は、その基地局装置の識別情報及び設置位置情報を上位ノード装置へ送信してもよい。上位ノード装置は、新たに設置された基地局装置からの設置位置情報に基づいて、それ以外の基地局装置との距離を求めて、各基地局装置に対する最近接基地局装置を決定することにより、基地局設置情報を更新する。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1、11 移動体通信システム
2、2−1〜2−3 基地局装置
3 上位ノード装置
4 移動局装置
12 基地局装置
13 無線ネットワーク制御装置
14 サービングGPRSサポートノード
201、202 子装置
203 親装置
21 無線処理部
22 アンテナ
23 有線インターフェース部
24 記憶部
25 受信処理部
26 リンク制御部
27 制御チャネル信号生成部
28 送信処理部
31 制御部
32 記憶部
33 有線インターフェース部
41 無線処理部
42 アンテナ
43 第1受信処理部
44 第1送信処理部
45 第2受信処理部
46 第2送信処理部
47 記憶部
48 アプリケーション処理部
49 表示部
50 操作部

Claims (9)

  1. 上位ノード装置と、
    前記上位ノード装置と接続された複数の基地局装置と、
    前記複数の基地局装置のうちの何れかと無線接続可能な移動局装置とを有し、
    前記移動局装置は、前記複数の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を所定の時間間隔で測定し、該受信信号の品質を測定する度に、各基地局装置からの受信信号の品質を表す受信信号品質情報を、前記複数の基地局装置のうちの前記移動局装置と無線接続された第1の基地局装置へ送信し、
    前記第1の基地局装置は、当該第1の基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってから所定期間が経過した後に、前記複数の基地局装置のうちの前記第1の基地局装置と異なる第2の基地局装置についての受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、前記移動局装置の無線接続先を前記第1の基地局装置から前記第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する、
    移動体通信システム。
  2. 前記第2のハンドオーバ閾値は前記第1のハンドオーバ閾値よりも低い、請求項1に記載の移動体通信システム。
  3. 前記第1の基地局装置は、前記所定期間が経過する前における前記第2の基地局装置についての受信信号品質が、前記所定期間経過後における前記第2の基地局装置についての受信信号品質よりも向上している場合、前記移動局装置の無線接続先を前記第1の基地局装置から前記第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する、請求項2に記載の移動体通信システム。
  4. 前記複数の基地局装置は、前記上位ノード装置を介さず、互いに通信可能であり、
    前記第1の基地局装置は、当該第1の基地局装置についての受信信号品質が第1のハンドオーバ閾値以下となってから前記所定期間が経過する前に、前記第2の基地局装置との間の接続を確立する、請求項1〜3の何れか一項に記載の移動体通信システム。
  5. 前記第2の基地局装置は、前記複数の基地局装置のうち、前記第1の基地局装置と最も近接した基地局装置である、請求項1〜4の何れか一項に記載の移動体通信システム。
  6. 前記移動局装置は、前記移動体通信システムと異なる他の移動体通信システムが有する他システム基地局装置と無線接続可能であり、当該他システム基地局装置と無線接続されている間に、当該他システム基地局装置から、前記複数の基地局装置のうち、当該他システム基地局装置の通信エリアと重複する通信エリアを持つ基地局装置の識別情報及び基地局装置間の距離に関する情報が含まれた基地局設置情報を取得し、かつ、前記第1の基地局装置と無線接続されてから、前記基地局設置情報を参照することにより、前記第1の基地局装置と最も近接している基地局装置を前記第2の基地局装置として決定し、当該第2の基地局装置の識別情報を前記第1の基地局装置へ通知する、請求項5に記載の移動体通信システム。
  7. 前記第1の基地局装置は、前記所定期間が経過した後に、前記第2の基地局装置に対する受信信号品質が前記第2のハンドオーバ閾値未満であり、かつ、前記移動局装置が前記他の移動体通信システムの基地局装置の通信エリア内に存在する場合、前記移動局装置を前記他の移動体通信システムの基地局装置と無線接続させる、請求項1に記載の移動体通信システム。
  8. 上位ノード装置と、前記上位ノード装置と接続された複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置のうちの何れかと無線接続可能な移動局装置とを有する移動体通信システムにおける、ハンドオーバ実行方法であって、
    前記移動局装置は、
    前記複数の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を所定の時間間隔で測定し、
    該受信信号の品質を測定する度に、各基地局装置からの受信信号の品質を表す受信信号品質情報を、前記複数の基地局装置のうちの前記移動局装置と無線接続された第1の基地局装置へ送信し、
    前記第1の基地局装置は、
    前記第1の基地局装置についての受信信号品質を第1のハンドオーバ閾値と比較し、
    前記第1の基地局装置についての受信信号品質が前記第1のハンドオーバ閾値以下となってからの時間を計時し、
    前記時間が所定期間を経過した後に、前記複数の基地局装置のうちの前記第1の基地局装置と異なる第2の基地局装置についての受信信号品質を第2のハンドオーバ閾値と比較し、
    前記第2の基地局装置についての受信信号品質が前記第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、前記移動局装置の無線接続先を前記第1の基地局装置から前記第2の基地局装置へ切り替えるハンドオーバ処理を実行する、
    ハンドオーバ実行方法。
  9. 移動局装置と無線接続可能な基地局装置であって、
    前記移動局装置が当該基地局装置及び他の基地局装置のそれぞれから受信した信号の品質を表す受信信号品質情報を、一定の時間間隔で前記移動局装置から受信する無線処理部と、
    前記受信信号品質情報に含まれる当該基地局装置についての第1の受信信号品質を第1のハンドオーバ閾値と比較し、前記第1の受信信号品質が前記第1のハンドオーバ閾値以下となってから所定期間が経過した後に、前記他の基地局装置についての第2の受信信号品質が第2のハンドオーバ閾値以上となる場合、前記移動局装置の無線接続先を当該基地局装置から前記他の基地局装置へ切り替えると判定するハンドオーバ判定部と、
    を有する基地局装置。
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