JPWO2011065332A1 - 多原色表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明による多原色表示装置は、複数のサブ画素によって規定される画素を有している。複数のサブ画素は、第1の色相を有する第1の色を表示する第1サブ画素と、第2の色相を有する第2の色を表示する第2サブ画素と、第3の色相を有する第3の色を表示する第3サブ画素と、第4の色相を有する第4の色を表示する第4サブ画素とを含んでいる。入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合に、複数のサブ画素の輝度レベルは、第4サブ画素の輝度レベルを増加させることなく第1サブ画素、第2サブ画素および第3サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、かつ、第3サブ画素の輝度レベルを第1サブ画素および第2サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている。

Description

本発明は、多原色表示装置に関する。
カラーテレビ、カラーモニター等のカラー表示装置は、通常、RGB原色(すなわち、赤、緑および青)を加法混色することによって色表現を行っている。一般的なカラー表示装置の各画素は、RGB原色に対応して赤、緑および青サブ画素を有しており、赤、緑および青サブ画素の輝度を所望の値に設定することにより、多様な色が表現される。
各サブ画素の輝度は、最小階調レベル(例えば、階調レベル0)から最大階調レベル(例えば、階調レベル255)までの範囲内で変化するが、ここでは、便宜上、最小階調レベルのときのサブ画素の輝度(輝度レベル)を「0」と表し、最大階調レベルのときのサブ画素の輝度(輝度レベル)を「1」と表す。サブ画素の輝度(輝度レベル)は「0」から「1」までの範囲内で制御される。
すべてのサブ画素、すなわち、赤、緑および青サブ画素の輝度が「0」であるとき、画素によって表示される色は黒である。反対に、すべてのサブ画素の輝度が「1」であるとき、画素によって表示される色は白である。但し、最近のTVセットでは、ユーザーでも色温度を調整できるようになっていることが多く、その際、各サブ画素の輝度を微調整することによって色温度の調整が行われる。そのため、ここでは、所望の色温度調整後のサブ画素の輝度を「1」とする。
一方、上述したような3原色の表示装置とは異なり、4つ以上の原色を加法混色する表示装置が提案されている。このような表示装置は多原色表示装置とも呼ばれる。多原色表示装置では、RGBという3つの色に別の色が追加されており、広い色再現範囲で表示を行うことができる(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1には、各画素が4つ以上のサブ画素を有する多原色表示装置が開示されている。また、特許文献2には、各画素が赤、緑、青、黄およびシアンサブ画素を有する多原色表示装置が開示されている。
ここで、図26を参照して、特許文献2に開示された多原色表示装置における各サブ画素の輝度の変化を説明する。図26(a)は、特許文献2の多原色表示装置における画素の色再現範囲を示す色調図であり、図26(b)は、画素によって表示される色の変化を示す図であり、図26(c)は、黄、赤、緑、シアンおよび青サブ画素の輝度の変化を示す図である。ここでは、画素によって表示される色が黒から黄サブ画素の色相とほぼ等しい色相の黄色を経て白まで変化するように各サブ画素の輝度を変化させている。
はじめ、画素によって表示される色は黒であり、すべてのサブ画素の輝度は「0」である。まず、黄サブ画素の輝度が「1」まで増加する。黄サブ画素の輝度は、「1」に達した後、「1」に維持される。
次に、赤および緑サブ画素の輝度の増加を開始する。赤および緑サブ画素の輝度は等しい割合で「1」まで増加する。ここでは、赤および緑サブ画素の輝度を等しい割合で増加させることにより、色相を変化させることなく画素の明度を増加させている。赤および緑サブ画素の輝度が「1」に達したとき、画素によって表示される色はこの色相における最大の彩度を示し、このような色は最明色とも呼ばれる。赤および緑サブ画素の輝度は、「1」に達した後、「1」に維持される。
その後、画素の明度をさらに増加させるために、シアンおよび青サブ画素の輝度の増加を開始する。ここでは、赤および緑サブ画素の輝度を「1」に維持したままシアンおよび青サブ画素の輝度を増加させることにより、色相を変化させることなく画素の明度を増加させている。すべてのサブ画素の輝度が「1」になると、画素によって表示される色は白になる。このように、特許文献2の多原色表示装置では、黄サブ画素の色相で明度を変化させる場合に黄サブ画素の色相に近い色相のサブ画素の輝度の増加を順番に開始することにより、色再現範囲を拡大することができる。
特表2004−529396号公報 国際公開第2007/032133号
多原色表示装置において表示される色の色相は入力信号に示される色の色相と大きく異なることがあり、この場合、表示品位が低下してしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、入力信号に示される色に対する色相のずれが抑制された多原色表示装置を提供することにある。
本発明による多原色表示装置は、複数のサブ画素によって規定される画素を有する多原色表示装置であって、前記複数のサブ画素は、第1の色相を有する第1の色を表示する第1サブ画素と、第2の色相を有する第2の色を表示する第2サブ画素と、第3の色相を有する第3の色を表示する第3サブ画素と、第4の色相を有する第4の色を表示する第4サブ画素とを含み、入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記複数のサブ画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相であり、前記第3の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相と同じ側で前記第1の色相の次に近い色相である、場合に、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第4サブ画素の輝度レベルを増加させることなく前記第1サブ画素、前記第2サブ画素および前記第3サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第3サブ画素の輝度レベルを前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている。
ある実施形態では、前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第4サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている。
本発明による多原色表示装置は、複数のサブ画素によって規定される画素を有する多原色表示装置であって、前記複数のサブ画素は、第1の色相を有する第1の色を表示する第1サブ画素と、第2の色相を有する第2の色を表示する第2サブ画素と、第3の色相を有する第3の色を表示する第3サブ画素と、第4の色相を有する第4の色を表示する第4サブ画素とを含み、入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記複数のサブ画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相である、場合に、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第3サブ画素および前記第4サブ画素の輝度レベルを増加させることなく前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第2サブ画素の輝度レベルを前記第1サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている。
ある実施形態では、前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第1サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第3サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている。
ある実施形態では、前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第2サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第4サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている。
ある実施形態では、前記第1、第2、第3および第4の色が、それぞれ、赤、緑、青および黄のいずれかであり、前記第1の色が黄であるとき、前記第2および第3の色は赤および緑である。
本発明による多原色表示装置は、画素を有する多原色表示装置であって、前記画素は、第1の色相を有する第1の色、第2の色相を有する第2の色、第3の色相を有する第3の色、および、第4の色相を有する第4の色を任意の輝度で任意に組み合わせて表示可能であり、入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相であり、前記第3の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相と同じ側で前記第1の色相の次に近い色相である、場合に、前記画素の各色の輝度レベルは、前記第4の色の輝度レベルを増加させることなく前記第1の色、前記第2の色および前記第3の色の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第3の色の輝度レベルを前記第1の色および前記第2の色の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている。
本発明による多原色表示装置は、画素を有する多原色表示装置であって、前記画素は、第1の色相を有する第1の色、第2の色相を有する第2の色、第3の色相を有する第3の色、および、第4の色相を有する第4の色を任意の輝度で任意に組み合わせて表示可能であり、入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相である、場合に、前記画素の各色の輝度レベルは、前記第3の色および前記第4の色の輝度レベルを増加させることなく前記第1の色および前記第2の色の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第2の色の輝度レベルを前記第1の色の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている。
本発明による多原色表示装置によれば、入力信号に示される色に対する色相のずれを抑制することができる。
(a)は本発明による多原色表示装置の第1実施形態を示す模式的なブロック図であり、(b)は(a)に示した多原色表示装置における多原色パネルの模式図である。 (a)はL***表色系の色空間立体イメージを示した模式図であり、(b)はL***表色系色度図である。 第1実施形態の多原色表示装置における4つのサブ画素のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の3原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 (a)は入力信号に示される色の変化を示す図であり、(b)は第1実施形態の多原色表示装置における黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示す図である。 比較例1の多原色表示装置を示す模式的なブロック図である。 (a)は入力信号に示される色の変化を示す図であり、(b)は比較例1の多原色表示装置における黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示す図である。 入力信号における階調レベルの変化に対する比較例1の多原色表示装置における各サブ画素の輝度レベルの変化を示すグラフである。 入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の比較例1の多原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 入力信号の黄色と比較例1の多原色表示装置の黄色との違いを示したxy色度図の一部拡大図である。 入力信号における階調レベルの変化に対する第1実施形態の多原色表示装置における各サブ画素の輝度レベルの変化を示すグラフである。 入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の第1実施形態の多原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 入力信号の黄色と比較例1の多原色表示装置の黄色との違いを示したxy色度図の一部拡大図である。 第1実施形態の多原色表示装置と比較例1の多原色表示装置との違いを説明するための模式図である。 XYZ表色系色度図を示した模式図である。 (a)は入力信号に示される色の変化を示す図であり、(b)は本発明による多原色表示装置の第2実施形態における黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示す図である。 比較例2の多原色表示装置を示す模式的なブロック図である。 (a)は入力信号に示される色の変化を示す図であり、(b)は比較例2の多原色表示装置における黄、緑、赤および青サブ画素の輝度レベルの変化を示す図である。 入力信号における階調レベルの変化に対する比較例2の多原色表示装置における各サブ画素の輝度レベルの変化を示すグラフである。 入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の比較例2の多原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 入力信号の黄色と比較例2の多原色表示装置の黄色との違いを示したxy色度図の一部拡大図である。 入力信号における階調レベルの変化に対する第2実施形態の多原色表示装置における各サブ画素の輝度レベルの変化を示すグラフである。 入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の第2実施形態の多原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図である。 入力信号の黄色と第2実施形態の多原色表示装置の黄色との違いを示したxy色度図の一部拡大図である。 第2実施形態の多原色表示装置と比較例2の多原色表示装置との違いを説明するための模式図である。 (a)は従来の多原色表示装置における画素の色再現範囲を示す色調図であり、(b)は画素によって表示される色の変化を示す図であり、(c)は黄、赤、緑、シアンおよび青サブ画素の輝度レベルの変化を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明による多原色表示装置の実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
以下に、本発明の多原色表示装置の第1実施形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態の多原色表示装置100の模式的なブロック図である。多原色表示装置100は、多原色パネル200と、画像処理回路300とを備える。なお、以下の説明において、多原色表示装置を単に表示装置と呼ぶことがある。多原色パネル200は複数の画素を有しており、各画素は、複数のサブ画素によって規定されている。
図1(b)に、多原色パネル200に設けられた画素Pおよび画素Pに含まれるサブ画素の配列を示す。図1(b)には、例として1つの画素Pを示している。各画素Pには、4つのサブ画素、すなわち、赤サブ画素R、緑サブ画素G、青サブ画素Bおよび黄サブ画素Yeが設けられている。
なお、以下の説明において、赤サブ画素のみによって表示される色の色相を色相(R)または単に(R)と表すことがある。同様に、緑サブ画素のみによって表示される色の色相を色相(G)または(G)と、青サブ画素のみによって表示される色の色相を色相(B)または(B)と、黄サブ画素のみによって表示される色の色相を色相(Ye)または(Ye)と表すことがある。
例えば、多原色パネル200は液晶パネルであり、この場合、表示装置100は液晶表示装置と呼ばれる。液晶パネルにはバックライトが設けられていてもよい。1つの画素における4つのサブ画素は、例えば、多原色パネル200に設けられたカラーフィルタ(図示せず)において1つの画素領域あたり4つの異なるサブ画素領域を形成することによって実現される。
図1(a)に示した画像処理回路300は入力信号に基づいて多原色信号を生成する。多原色パネル200は多原色信号に基づいて表示を行う。例えば、画像処理回路300は多原色パネル200上に実装される。
入力信号は、赤、緑および青の階調レベルr、gおよびbを示しており、一般に、階調レベルr、g、bは8ビットで表記される。あるいは、この入力信号は、赤、緑および青の階調レベルr、gおよびbに変換可能な値を有しており、この値は3次元で表される。例えば、入力信号はYCrCb信号であってもよい。なお、図1(a)において、入力信号の階調レベルr、g、bをまとめてrgbと示している。
入力信号は所定の規格にしたがった信号である。例えば、入力信号はRec.709(BT.709)に準拠する信号である。この場合、入力信号に示された階調レベルr、gおよびbは、それぞれ最小階調レベル(例えば、階調レベル0)から最大階調レベル(例えば、階調レベル255)までの範囲内にある。あるいは、入力信号はEBU規格に準拠する信号であってもよい。入力信号が黒を示す場合、階調レベルr、gおよびbは最小階調レベル(例えば、階調レベル0)であり、入力信号が白を示す場合、階調レベルr、gおよびbは最大階調レベル(例えば、階調レベル255)である。
画像処理回路300において生成された多原色信号は、多原色パネル200におけるサブ画素の階調レベルを示している。図1(a)では、多原色信号に示された赤サブ画素、緑サブ画素、青サブ画素および黄サブ画素の階調レベルをまとめてRGBYeと示している。多原色パネル200における各サブ画素は多原色信号の階調レベルに対応する輝度を示す。
表示装置100において、各サブ画素の輝度は、最小階調レベル(例えば、階調レベル0)に対応する最低輝度から最大階調レベル(例えば、階調レベル255)に対応する最高輝度までの範囲内で変化するが、以下の説明では、便宜上、最小階調レベル(例えば、階調レベル0)に対応するサブ画素の輝度レベルを「0」と表し、最大階調レベル(例えば、階調レベル255)に対応するサブ画素の輝度レベルを「1」と表す。赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは「0」から「1」までの範囲内で制御される。すべてのサブ画素、すなわち、赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルが「0」であるとき、画素によって表示される色は黒である。反対に、すべてのサブ画素の輝度レベルが「1」であるとき、画素によって表示される色は白である。なお、各サブ画素の階調レベルまたは輝度レベルが互いに等しい場合でも、赤、緑、青および黄サブ画素の実際の輝度は互いに異なり、輝度レベルは各サブ画素の最高輝度に対する輝度の比を示している。このように輝度レベルは各サブ画素の輝度を最高輝度で規格化した値を示しており、規格化輝度とも呼ばれる。なお、以下の説明において、多原色パネルにおける各サブ画素の輝度レベルが最低輝度レベルに相当する場合、各サブ画素は非点灯であるともいい、各サブ画素の輝度レベルが最低輝度レベルよりも高い輝度レベルを示す場合、各サブ画素は点灯しているともいう。
表1に、表示装置100において赤、緑、青および黄サブ画素のいずれか1つを最高輝度レベルで点灯した場合の色度x、yおよびY値を示す。
Figure 2011065332
図2(a)は、L***表色系の色空間立体イメージを示した模式図である。図2(a)では、明度はL*で表され、色相および彩度は色度a*およびb*によって特定される。具体的には、C*=√((a*2+(b*2)であり、彩度はC*で表され、色相は、色相角tan-1(b*/a*)で表される。図2(a)に示すように、+L方向に向かうほど明度が高くなり(白に近くなり)、−L方向に向かうほど明度が低くなる(黒に近くなる)。
図2(b)は、L***表色系色度図である。図2(b)の色度図は、図2(a)の模式図を水平方向に切った断面図に相当する。図2(a)および図2(b)に示すように、+a*方向は赤方向、−a*方向は緑方向、+b*方向は黄方向、−b*方向は青方向を表しており、色度a*およびb*の絶対値が大きいほど彩度が高く(色あざやかになり)、その絶対値が小さいほど彩度が低い(くすんだ色になる)。
図3に、本実施形態の表示装置100における4つのサブ画素のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。図3は、あるサブ画素のみを最高輝度レベルにして他のサブ画素を最低輝度レベルにした場合に表示される色の色相角を示している。色相角は、a*方向(赤方向)の軸を0°として、この方向から反時計方向に回転した角度である。赤サブ画素の色相(R)の色相角は46°、黄サブ画素の色相(Ye)の色相角は112°、緑サブ画素の色相(G)の色相角は140°、青サブ画素の色相(B)の色相角は323°である。
なお、このような4つのサブ画素のa*およびb*は多原色パネル200に応じて決定される。例えば、多原色パネル200が液晶パネルである場合、a*およびb*はカラーフィルタおよびバックライトの特性に基づいて設定される。
図4に、入力信号が赤、緑、青または黄を示す場合の3原色表示装置のa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。
入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)である場合、3原色表示装置において表示される赤の色相の色相角は50°である。また、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(0,255,0)である場合、3原色表示装置において表示される緑の色相の色相角は136°である。また、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(0,0,255)である場合、3原色表示装置において表示される青の色相の色相角は323°である。また、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、3原色表示装置において表示される黄の色相の色相角は102°である。なお、ここでは、入力信号および3原色表示装置はRec.709に準拠している。
以下において、入力信号が、赤および緑の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に青の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から黄色を経て白まで変化する場合を想定し、この黄色の色相を色相(IYe)と示す。例えば、入力信号がRec.709に準拠する場合、この色相(IYe)の色相角は102°である。なお、図3と図4との比較から理解されるように、この色相(IYe)は、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の色相(R)、(G)、(B)および(Ye)のいずれとも異なる。
ここで、図3および図4を参照して、色相の近さおよび位置を検討する。色相の近さは、色相角の差によって表される。ある色相と別の色相との色相角の差が小さいと、2つの色相は互いに近く、反対に、ある色相と別の色相との色相角の差が大きいと、2つの色相は互いに遠い。
入力信号の黄色の色相(IYe)を基準として表示装置100におけるサブ画素の色相の近さに着目すると、色相(IYe)に最も近い色相は黄サブ画素の色相(Ye)であり、色相(IYe)と色相(Ye)の色相角の差は10°である。なお、ここでは、黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)に対して反時計回りの方向にある。
また、L***表色系色度図において、入力信号の黄色の色相(IYe)に対して黄サブ画素の色相(Ye)とは反対側(ここでは、時計回りの方向)で入力信号の黄色の色相(IYe)に最も近いのは赤サブ画素の色相(R)であり、色相(IYe)と色相(R)の色相角の差は56°である。なお、入力信号の黄色の色相(IYe)は、表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と赤サブ画素の色相(R)との間にある。
また、L***表色系色度図において、入力信号の黄色の色相(IYe)に対して黄サブ画素の色相(Ye)と同じ側(ここでは、反時計回りの方向)で入力信号の黄色の色相(IYe)に対して黄サブ画素の色相(Ye)の次に近いのは緑サブ画素の色相(G)であり、色相(IYe)と色相(G)の色相角の差は38°である。
なお、ここでは、L***表色系色度図を参照して入力信号の黄色の色相(IYe)に対する表示装置100における各サブ画素の色相の近さおよび位置を検討したが、入力信号の黄色の色相(IYe)および表示装置100における各サブ画素の色相を色相環上に表し、入力信号の黄色の色相(IYe)および表示装置100における各サブ画素の色相の位置を検討してもよい。
ここで、図5を参照して、入力信号に示される色の変化と本実施形態の表示装置100におけるサブ画素の輝度レベルの変化との関係を説明する。図5(a)は、入力信号に示される色の変化を示しており、図5(b)は、表示装置100における黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示している。
はじめ、入力信号に示される色は黒であり、このとき、本実施形態の表示装置100におけるすべてのサブ画素、すなわち、黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルは「0」である。入力信号において黒から黄色への変化が開始されると、本実施形態の表示装置100において青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加することにより、画素によって表示される色の彩度および明度は増加する。
入力信号に示される色がこの色相の最明色になると、表示装置100における黄および赤サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは「1」よりも小さい。例えば、緑サブ画素の輝度レベルは「0.6」であり、これは、255階調表記で階調レベル202に相当する。
その後、入力信号において黄色から白への変化が開始されると、表示装置100における黄および赤サブ画素の輝度レベルは「1」に維持されたまま緑サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。入力信号に示される色が白になると、本実施形態の表示装置100においてすべてのサブ画素の輝度レベルが「1」となる。このように、入力信号に示される色が図5(a)に示すように黒から黄色を経て白に変化する場合、本実施形態の表示装置100における各サブ画素の輝度レベルは図5(b)に示すように変化する。
なお、理想的には、緑サブ画素の輝度の増加は黄および赤サブ画素の輝度の増加と同時に開始するが、上述したように、黄および赤サブ画素の輝度の増加の割合は、緑サブ画素の輝度の増加の割合よりも大きいので、実際には、この制御を具現化する回路における数値の量子化等の結果、黄および赤サブ画素の輝度の増加が先に開始し、その後、緑サブ画素の輝度の増加が開始することもある。
以下、比較例1の表示装置400Aと比較して本実施形態の表示装置100の利点を説明する。まず、図6〜図10を参照して比較例1の表示装置400Aを説明する。比較例1の表示装置400Aにおいても各画素は、赤、緑、青および黄サブ画素を有している。
図6に、比較例1の表示装置400Aの模式的なブロック図を示す。表示装置400Aは、多原色パネル500Aと、画像処理回路600Aとを備えている。なお、比較例1の表示装置400Aにおける多原色パネル500Aは、本実施形態の表示装置100における多原色パネル200と同様の構成を有しているが、比較例1の表示装置400Aにおける画像処理回路600Aは本実施形態の表示装置100における画像処理回路300と、入力信号に基づく多原色信号への変換の点で異なる。
ここで、図7を参照して、入力信号に示される色の変化と比較例1の表示装置400Aにおけるサブ画素の輝度レベルの変化との関係を説明する。図7(a)は、入力信号に示される色の変化を示しており、図7(b)は、表示装置400Aにおける黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示している。
はじめ、入力信号に示される色は黒であり、このとき、比較例1の表示装置400Aにおけるすべてのサブ画素、すなわち、黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルは「0」である。入力信号において黒から黄色への変化が開始されると、比較例1の表示装置400Aにおいて、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルは等しい割合で増加する。黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加することにより、画素によって表示される色の彩度および明度は増加する。入力信号に示される色がこの色相の最明色になると、比較例1の表示装置400Aにおける黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。
入力信号に示される色が黄色から白への変化を開始すると、比較例1の表示装置400Aにおける黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが「1」に維持されたまま青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。入力信号に示される色が白になると、比較例1の表示装置400Aにおいてすべてのサブ画素の輝度レベルが「1」となる。このように、入力信号に示される色が図7(a)に示すように黒から黄色を経て白に変化する場合、比較例1の表示装置400Aにおける各サブ画素の輝度レベルは図7(b)に示すように変化する。
図8は、入力信号に示された階調レベルと比較例1の表示装置400Aにおけるサブ画素の輝度レベルとの関係を示すグラフである。
入力信号の階調レベルが、黒に相当する階調レベル(0,0,0)から階調レベル(255,255,0)に変化する場合、比較例1の表示装置400Aにおいて黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルは等しい割合で増加する。次に、入力信号において階調レベルが(255,255,0)から白に相当する階調レベル(255,255,255)に変化する場合、比較例1の表示装置400Aにおける青サブ画素の輝度レベルが増加する。
このように、比較例1の表示装置400Aでは、入力信号に示される色の変化に伴い、まず、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが等しい割合で増加し、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、青サブ画素の輝度レベルが増加する。
図9に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)または(255,255,0)である場合の比較例1の表示装置400Aにおけるa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)または(255,255,0)である場合、比較例1の表示装置400Aは赤、緑、青または黄をそれぞれ表示する。
入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)である場合、表示装置400Aでは赤サブ画素のみが点灯しており、赤サブ画素の色相(R)の色相角は46°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(0,255,0)である場合、表示装置400Aでは緑サブ画素のみが点灯しており、緑サブ画素の色相(G)の色相角は140°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(0,0,255)である場合、表示装置400Aでは青サブ画素のみが点灯しており、青サブ画素の色相(B)の色相角は323°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置400Aにおける黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルはいずれも最高輝度レベルである。以下の説明において、この場合の表示装置400Aにおける色相を色相(CYe)と示す。この色相(CYe=Ye+R+G)の色相角は108°である。
図4と図9との比較から理解されるように、入力信号における黄色の色相(IYe)の色相角は102°を想定しているのに対して、比較例1の表示装置400Aにおける黄色の色相(CYe)の色相角は108°であり、表示装置400Aにおける黄色の色相(CYe)は入力信号の黄色の色相(IYe)と大きく異なり、比較例1の表示装置400では表示品位が低下することになる。また、特に、黄色は色相のずれによる表示品位の低下が顕著である。
図10に、入力信号の黄色の色相(IYe)と比較例1の表示装置400Aにおける黄色の色相(CYe)を模式的に表したxy色度図の一部拡大図を示す。図10において、色度IOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の3原色表示装置の色度を示しており、色度COYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置400Aの色度を示している。
比較例1の表示装置400Aにおける黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)よりも緑サブ画素の色相(G)の側にある。比較例1の表示装置400Aでは、黄サブ画素とともに赤および緑サブ画素の輝度レベルを等しい割合で増加させており、色相(CYe)は黄サブ画素の色相(Ye)よりも赤サブ画素の色相(R)の側にあるものの、上述したように、色相(CYe)は入力信号の黄色の色相(IYe)よりも緑サブ画素の色相(G)の側にある。このように、表示装置400Aにおける黄色の色相(CYe)が入力信号の黄色の色相(IYe)と大きく異なっており、これにより、表示品位が低下することになる。
これに対して、本実施形態の表示装置100では、図5を参照して上述したように、入力信号において黒から黄への変化が開始される場合、青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始するとともに緑サブ画素の輝度レベルを黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させている。このため、表示装置100における黄色の色相が入力信号の黄色の色相(IYe)と略一致する。なお、以下の説明において、入力信号が色相(IYe)の黄色を示す場合の本実施形態の表示装置100における黄色の色相を色相(DYe)と示すことがある。
図11は、入力信号に示された階調レベルと表示装置100におけるサブ画素の輝度レベルとの関係を示すグラフである。
入力信号の階調レベルが、黒に相当する階調レベル(0,0,0)から階調レベル(255,255,0)に変化する場合、表示装置100における黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。例えば、入力信号の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは(1,0.6,0,1)であり、これは、255階調表記で階調レベル(255,202,0,255)に相当する。
入力信号の階調レベルが階調レベル(255,255,0)から白に相当する階調レベル(255,255,255)に変化する場合、表示装置100における緑サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルが増加する。
このように、表示装置100では、入力信号における色の変化に伴い、まず、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。黄および赤サブ画素が最高輝度レベルに達すると、緑サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。
図12に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)または(255,255,0)である場合の表示装置100におけるa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。
上述したのと同様に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)または(0,0,255)である場合、表示装置100における赤、緑および青サブ画素のうちの1つがそれぞれ点灯しており、赤、緑および青サブ画素の色相(R)、(G)、(B)の色相角はそれぞれ46°、140°、323°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置100において黄、赤および緑サブ画素が点灯しているが、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低く、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルの0.6倍である。この場合、色相(DYe=Ye+R+0.6G)の色相角は102°である。
図13に、入力信号の黄色の色相(IYe)と表示装置100の黄色の色相(DYe)を模式的に表したxy色度図の一部拡大図を示す。図13においても、色度IOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の3原色表示装置の色度を示しており、色度COYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置400Aの色度を示している。また、色度DOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置100の色度を示している。なお、上述したように、黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)に対して緑サブ画素の色相(G)の側にある。
表示装置100では、黄サブ画素とともに赤および緑サブ画素の輝度レベルを増加させているが、緑サブ画素の輝度レベルの増加割合を黄および赤サブ画素の輝度レベルの増加割合よりも低くしており、これにより、表示装置100における黄色の色相(DYe)は表示装置400Aにおける黄色の色相(CYe)よりも赤サブ画素の色相(R)の方にシフトしている。このため、表示装置100における黄色の色相(DYe)を入力信号の黄色の色相(IYe)とほぼ一致させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
なお、図5および図11を参照して説明した内容は、入力信号に示される色が黒から黄色を経て白に変化するときのサブ画素の点灯(輝度レベルの増加)の開始のタイミングのみを説明しているわけではないことに留意されたい。図5および図11を参照して説明した内容は、入力信号に示される色に対応したサブ画素の輝度レベル(階調レベル)を設定するためのアルゴリズムに他ならない。つまり、本実施形態の表示装置100では、入力信号に示される色を表示するためのサブ画素の輝度レベルの組み合わせが、上述したアルゴリズムに基づいて設定されている。言い換えると、図5および図11は、単に、サブ画素を点灯させる(輝度レベルの増加を開始する)タイミングを示しているだけでなく、入力信号に示される色を表示するためのサブ画素の輝度レベルの組み合わせそのものを示している。例えば、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置100において黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルは、「1」、「1」、「0.6」、「0」と設定される。なお、各サブ画素の輝度レベルは、上述したアルゴリズムに基づいて予め用意されていてもよく、あるいは、演算によって生成されてもよい。このように、本実施形態の表示装置100では、上述したアルゴリズムに基づいて入力信号の黄色の色相(IYe)と略一致する色相(DYe)の黄色を表示することができる。
図14は、本実施形態の表示装置100と比較例1の表示装置400Aとの違いを説明するための模式図である。
図14に示すように、本実施形態の表示装置100および比較例1の表示装置400Aの両方に、同じ入力信号が入力される。この入力信号は、多原色パネル200および多原色パネル500Aの全体が黒から黄色を経て白まで変化するグラデーション表示を行うような信号である。このような入力信号を用いることにより、多原色表示装置が本実施形態の表示装置100であるか容易に確認することができる。
なお、図14に示すように、多原色パネル200において、黄、赤、緑および青サブ画素は短冊状の形状を有しており、ここでは、黄、赤、緑および青サブ画素の順番にストライプ状に配列されている。同様に、多原色パネル500Aでも、黄、赤、緑および青サブ画素も短冊状の形状を有しており、黄、赤、緑および青サブ画素の順番にストライプ状に配列されている。
比較例1の表示装置400Aにおいて、多原色パネル500Aの部分Kは黒を表示する。部分Kでは、すべてのサブ画素の輝度レベルは「0」である。多原色パネル500Aの部分Sは黄色の最明色を表示する。部分Sでは、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが「1」であり、青サブ画素の輝度レベルは「0」である。また、多原色パネル500Aの部分Wは白を表示する。部分Wにおいて、すべてのサブ画素の輝度レベルは「1」である。多原色パネル500Aでは、部分Kから部分Sに進むにしたがって黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが大きくなり、画素の明度が高くなる。また、多原色パネル500Aでは、部分Sから部分Wに進むにしたがって、青サブ画素の輝度レベルが大きくなる。これにより、画素の明度が高くなっている。
一方、本実施形態の表示装置100では、多原色パネル200の部分Kは黒を表示する。したがって、部分Kにおいてすべてのサブ画素の輝度レベルは「0」である。多原色パネル200の部分Sは黄の最明色を表示する。部分Sでは、黄および赤サブ画素の輝度レベルが「1」であるのに対して、緑サブ画素の輝度レベルは「1」よりも小さい。例えば、緑サブ画素の輝度レベルは「0.6」である。青サブ画素の輝度レベルは「0」である。また、多原色パネル200の部分Wは白を表示する。部分Wにおいて、すべてのサブ画素の輝度レベルは「1」である。多原色パネル200では、部分Kから部分Sに進むにしたがって、まず、黄、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加する。これにより、画素の明度が高くなっている。また、多原色パネル200では、部分Sから部分Wに進むにしたがって、緑および青サブ画素の輝度レベルが大きくなる。これにより、画素の明度が高くなっている。なお、これらのサブ画素の輝度レベルは、グラデーション表示を行う多原色パネル200および多原色パネル500Aの画素をルーペなどで拡大して観察することによってチェックすることができる。
なお、表示装置100における黄色の色相角は、入力信号に示される黄色の色相角と±3°以内の差であることが好ましい。上述したように、色相角hは、h=tan-1(b*/a*)と表される。
また、L*、a*、b*は以下のように表される。
*=116×f(Y)−16
*=500×[f(X)−f(Y)]
*=200×[f(Y)−f(Z)]
X/Xn>(24/116)3である場合、f(X)=(X/Xn)1/3と表され、X/Xn≦(24/116)3である場合、f(X)=(841/108)×(X/Xn)+16/116と表される。
また、Y/Yn>(24/116)3である場合、f(Y)=(Y/Yn)1/3と表され、Y/Yn≦(24/116)3である場合、f(Y)=(841/108)×(Y/Yn)+16/116と表される。
また、Z/Zn>(24/116)3である場合、f(Z)=(Z/Zn)1/3と表され、Z/Zn≦(24/116)3である場合、f(Z)=(841/108)×(Z/Zn)+16/116と表される。
ここで、Xn、YnおよびZnは完全拡散反射面の3刺激値である。ここでは、Xn=95.04、Yn=100、Zn=108.88としており、これは、D65の完全拡散反射面の3刺激値に相当する。色温度の設定などがしばしば異なり、多原色パネル200の白色がD65に相当するとは限らないため、厳密には、パネルの白色の3刺激値を測定する必要があるが、必ずしも厳密に測定しなくてもほとんど影響しない。特に黄色の色相については、パネルの色温度の違いに対してほとんど差が生じない。
なお、上述した説明では、入力信号において、赤、緑、青の階調レベル(255,255,0)に対応する色相(すなわち、色相(IYe))が、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の色相(R)、(G)、(B)および(Ye)のいずれとも異なる場合、緑サブ画素の増加割合を黄および赤サブ画素の増加割合よりも低くしたが、例えば、入力信号において、赤、緑および青の階調レベル(255,255,0)とは異なる階調レベルに対応する色相が表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と略等しい場合、赤、緑および黄サブ画素の増加割合を互いに等しくしてもよい。例えば、入力信号に示された色が黒から表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)の黄色を経て黒に変化する場合、表示装置100における各サブ画素の輝度レベルは図7(b)に示すように変化してもよい。
なお、一般に、多原色パネルを設計する段階では、黄サブ画素の色相(Ye)を入力信号の黄色の色相(IYe)と略等しくするように設定することが理想的ではあるが、生産性の観点からバックライトの発光特性やカラーフィルタの分光透過特性などに制限が生じるため、黄サブ画素の色相(Ye)を必ずしも理想的に設定できるとは限らない。上述した説明では、黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)よりも緑サブ画素の色相(G)の方に位置しており、入力信号の黄色の色相(IYe)は表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と赤サブ画素の色相(R)との間にあったが、本発明はこれに限定されない。バックライトやカラーフィルタ等に応じて黄サブ画素の色相(Ye)が入力信号の黄色の色相(IYe)よりも赤サブ画素の色相(R)の方に位置してもよく、すなわち、入力信号の黄色の色相(IYe)は表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と緑サブ画素の色相(G)との間にあってもよい。
この場合も、入力信号に示される色が黒から黄色を経て白まで変化するときに、表示装置100における青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄サブ画素とともに赤サブ画素および緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルを黄サブ画素および緑サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
なお、上述した説明では、表示装置100の画素が赤、緑、青および黄サブ画素を有していたが、本発明はこれに限定されない。画素は赤、緑、青およびシアンサブ画素を有してもよい。
ここでは、入力信号において緑および青の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に赤の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒からシアンを経て白まで変化する場合を想定し、このシアンの色相を(IC)と示す。入力信号のシアンの色相(IC)は、表示装置100における赤、緑、青およびシアンサブ画素のうちのシアンサブ画素の色相に最も近いが、シアンサブ画素の色相とは異なる。
入力信号のシアンの色相(IC)が表示装置100におけるシアンサブ画素の色相と緑サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からシアンを経て白まで変化するときに、表示装置100における赤サブ画素の輝度レベルを増加させることなくシアンサブ画素とともに緑サブ画素および青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、青サブ画素の輝度レベルをシアンサブ画素および緑サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
あるいは、入力信号のシアンの色相(IC)が表示装置100におけるシアンサブ画素の色相と青サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からシアンを経て白まで変化するときに、表示装置100における赤サブ画素の輝度レベルを増加させることなくシアンサブ画素とともに緑サブ画素および青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルをシアンサブ画素および青サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
または、表示装置100の画素は赤、緑、青およびマゼンタサブ画素を有してもよい。
ここでは、入力信号において赤および青の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に緑の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒からマゼンタを経て白まで変化する場合を想定し、このマゼンタの色相を(IM)と示す。入力信号のマゼンタの色相(IM)は、表示装置100における赤、緑、青およびマゼンタサブ画素のうちマゼンタサブ画素の色相に最も近いが、マゼンタサブ画素の色相とは異なる。
入力信号のマゼンタの色相(IM)が表示装置100におけるマゼンタサブ画素の色相と赤サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からマゼンタを経て白まで変化するときに、表示装置100における緑サブ画素の輝度レベルを増加させることなくマゼンタサブ画素とともに赤サブ画素および青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、青サブ画素の輝度レベルをマゼンタサブ画素および赤サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
あるいは、入力信号のマゼンタの色相(IM)が表示装置100におけるマゼンタサブ画素の色相と青サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からマゼンタを経て白まで変化するときに、表示装置100における緑サブ画素の輝度レベルを増加させることなくマゼンタサブ画素とともに赤サブ画素および青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルをマゼンタサブ画素および青サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
図15は、XYZ表色系色度図を示した模式図である。図15にはスペクトル軌跡および主波長を示している。本明細書において、赤サブ画素の主波長は605nm以上635nm以下であり、黄サブ画素の主波長は565nm以上580nm以下であり、緑サブ画素の主波長は520nm以上550nm以下であり、シアンサブ画素の主波長は475nm以上500nm以下であり、青サブ画素の主波長は470nm以下である。また、マゼンタサブ画素の補助主波長は495nm以上565nm以下である。
(実施形態2)
上述した表示装置では、入力信号に示される色が黒から所定の色相の色まで変化する場合に表示装置における3つのサブ画素の輝度レベルの増加を開始したが、本発明はこれに限定されない。
以下に、本発明による多原色表示装置の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態の多原色表示装置100は、画像処理回路300による変換が異なる点を除いて図1を参照して上述した実施形態1の表示装置と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する説明を省略する。
以下において、入力信号が、赤および緑の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に青の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から黄色を経て白まで変化する場合を想定し、また、この黄色の色相を色相(IYe)と示す。
入力信号の黄色の色相(IYe)は、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の色相(R)、(G)、(B)および(Ye)のいずれとも異なる。ここで、入力信号の黄色の色相(IYe)は表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素のうちの黄サブ画素の色相(Ye)に最も近い。また、入力信号の黄色の色相(IYe)は、表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と赤サブ画素の色相(R)との間にある。例えば、入力信号の黄色の色相(IYe)の色相角は102°である。
本実施形態の表示装置100では、入力信号に示される画素の色が黒から黄色を経て白まで変化する場合に、緑および青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄サブ画素および赤サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加するように設定されている。
ここで、図16を参照して、入力信号に示される色の変化と本実施形態の表示装置100におけるサブ画素の輝度レベルの変化との関係を説明する。図16(a)は、入力信号に示される色の変化を示しており、図16(b)は、表示装置100における黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルの変化を示している。
はじめ、入力信号に示される色は黒であり、このとき、本実施形態の表示装置100におけるすべてのサブ画素、すなわち、黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルは「0」である。入力信号において黒から黄色への変化が開始されると、本実施形態の表示装置100において、緑および青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄および赤サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。黄および赤サブ画素の輝度レベルが増加することにより、画素によって表示される色の彩度および明度は増加する。
入力信号に示される色の明度が増大すると、表示装置100における黄サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルは「1」よりも小さい。例えば、赤サブ画素の輝度レベルは「0.38」であり、これは、255階調表記で階調レベル165に相当する。その後、入力信号に示される色の明度がさらに増大すると、表示装置100における赤サブ画素の輝度レベルが増加するとともに緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。
入力信号に示される色がこの色相の最明色になると、表示装置100における赤サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは1よりも小さい。例えば、緑サブ画素の輝度レベルは「0.6」であり、これは、255階調表記で階調レベル202に相当する。
その後、入力信号において黄色から白への変化が開始されると、表示装置100における黄および赤サブ画素の輝度レベルが「1」に維持されたまま緑サブ画素の輝度レベルが増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。入力信号に示される色が白になると、本実施形態の表示装置100においてすべてのサブ画素の輝度レベルが「1」となる。以上から、図16(a)に示すように入力信号に示される色が黒から黄色を経て白に変化する場合、本実施形態の表示装置では、各サブ画素の輝度レベルは図16(b)に示すように変化する。
なお、理想的には、赤サブ画素の輝度の増加は黄サブ画素の輝度の増加と同時に開始するが、上述したように、黄サブ画素の輝度の増加の割合は、赤サブ画素の輝度の増加の割合よりも大きいので、実際には、この制御を具現化する回路における数値の量子化等の結果、黄サブ画素の輝度の増加が先に開始し、その後、赤サブ画素の輝度の増加が開始することもある。
また、一般に、点灯するサブ画素の数が多いほど、画素によって表示される色の彩度が低下するため、本実施形態の表示装置100は、上述した実施形態1の表示装置よりも広い色再現範囲で表示を行うことができる。
以下、比較例2の表示装置400Bと比較して本実施形態の表示装置100の利点を説明する。まず、図17〜図21を参照して比較例2の表示装置400Bを説明する。比較例2の表示装置400Bにおいても各画素は、赤、緑、青および黄サブ画素を有している。
図17に、比較例2の表示装置400Bの模式的なブロック図を示す。表示装置400Bは、多原色パネル500Bと、画像処理回路600Bとを備えている。なお、比較例2の表示装置400Bにおける多原色パネル500Bは、本実施形態の表示装置100における多原色パネル200と同様の構成を有しているが、比較例2の表示装置400Bにおける画像処理回路600Bは、本実施形態の表示装置100の画像処理回路300と、入力信号に基づく多原色信号への変換の点で異なる。
ここで、図18を参照して、入力信号に示される色の変化と比較例2の表示装置400Bにおけるサブ画素の輝度レベルの変化との関係を説明する。図18(a)は、入力信号に示される色の変化を示しており、図18(b)は、表示装置400Bにおける黄、緑、赤および青サブ画素の輝度レベルの変化を示している。
はじめ、入力信号に示される色は黒であり、このとき、比較例2の表示装置400Bにおけるすべてのサブ画素、すなわち、黄、緑、赤および青サブ画素の輝度レベルは「0」である。入力信号において黒から黄色への変化が開始されると、比較例2の表示装置400Bにおいて、黄サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。黄サブ画素の輝度レベルが増加することにより、画素によって表示される色の彩度および明度は増加する。
入力信号の色の明度がさらに増加すると、比較例2の表示装置400Bにおける黄サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。その後、入力信号の色の明度がさらに増加すると、比較例2の表示装置400Bにおける緑および赤サブ画素の輝度レベルを開始する。ここでは、緑サブ画素の輝度レベルは、赤サブ画素の輝度レベルよりも高い割合で増加する。
入力信号に示される色がこの色相の最明色になると、比較例2の表示装置400Bにおける緑サブ画素の輝度レベルが「1」に達する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルは「1」よりも小さい。例えば、赤サブ画素の輝度レベルは「0.72」であり、これは、255階調表記で階調レベル220に相当する。
その後、入力信号に示される色が黄色から白への変化を開始すると、比較例2の表示装置400Bにおける黄および緑サブ画素の輝度レベルが「1」に維持されたまま赤サブ画素の輝度レベルを増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。入力信号において示される色が白になると、比較例2の表示装置400Bにおいてすべてのサブ画素の輝度レベルが「1」となる。このように、入力信号に示される色が図18(a)に示すように黒から黄色を経て白に変化する場合、比較例2の表示装置400Bでは、各サブ画素の輝度レベルは図18(b)に示すように変化する。
図19は、入力信号に示された階調レベルと比較例2の表示装置400Bにおけるサブ画素の輝度レベルとの関係を示すグラフである。
入力信号の階調レベルが、黒に相当する階調レベル(0,0,0)から階調レベル(185,185,0)に変化する場合、比較例2の表示装置400Bにおける黄サブ画素の輝度レベルが増加し、黄サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達する。その後、入力信号の階調レベルが、階調レベル(185,185,0)から階調レベル(255,255,0)に変化する場合、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加する。入力信号の階調レベルが(255,255,0)である場合、緑サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達する。このとき、表示装置400Bにおける赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは(0.72,1,0,1)であり、これは、255階調表記で(220,255,0,255)である。
入力信号の階調レベルが、階調レベル(255,255,0)から白に相当する階調レベル(255,255,255)に変化する場合、比較例2の表示装置400Bにおける赤サブ画素および青サブ画素の輝度レベルが増加する。
このように、比較例2の表示装置400Bでは、入力信号における色の変化に伴い、まず、黄サブ画素の輝度レベルが増加し、黄サブ画素が最高輝度レベルに達した後、緑および赤サブ画素の輝度レベルが増加する。ここでは、赤サブ画素の輝度レベルの増加割合は緑サブ画素の輝度レベルの増加割合よりも低くしており、色相の変化を抑制している。その後、緑サブ画素が最高輝度レベルに達した後、赤サブ画素の輝度がさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加が開始する。
図20に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)または(255,255,0)である場合の比較例2の表示装置400Bにおけるa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。
上述したのと同様に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)または(0,0,255)である場合、表示装置100における赤、緑および青サブ画素の1つがそれぞれ点灯しており、赤、緑および青サブ画素の色相(R)、(G)、(B)の色相角はそれぞれ46°、140°、323°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置400Bにおける黄、緑および赤サブ画素が点灯しており、赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは(0.72,1,0,1)である。以下の説明において、この場合の表示装置400Bにおける色相を色相(CYe)と示す。この色相(CYe=Ye+G+0.72R)の色相角は112°である。
図4と図20との比較から理解されるように、入力信号における黄色の色相(IYe)の色相角は102°を想定しているのに対して、比較例2の表示装置400Bにおける黄色の色相(CYe)の色相角は112°を示すことになり、表示装置400Bにおける色が入力信号に示される色と大きく異なり、表示品位が低下してしまう。
図21に、入力信号の黄色の色相(IYe)と比較例2の表示装置400Bにおける黄色の色相(Ye)を模式的に表したxy色度図の一部拡大図を示す。図21において、色度IOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の3原色表示装置の色度を示しており、色度COYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置400Bの色度を示している。
比較例2の表示装置400Bにおける黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)よりも緑サブ画素の色相(G)の側にある。比較例2の表示装置400Bでは、黄サブ画素の輝度レベルを増加させているため、表示装置400Bにおける黄色の色相(CYe)は入力信号の黄色の色相(IYe)よりも緑サブ画素の色相(G)の側にある。このように、表示装置400Bにおける黄色の色相(CYe)が入力信号の黄色の色相(IYe)と大きく異なっており、これにより、表示品位が低下することになる。
これに対して、本実施形態の表示装置100では、図16を参照して上述したように、入力信号において黒から黄への変化が開始される場合、黄および赤サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、赤サブ画素の輝度レベルを黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させており、これにより、表示装置100における黄色の色相を入力信号の黄色の色相(IYe)と略一致させることができる。以下の説明において、入力信号が色相(IYe)の黄色を示す場合の本実施形態の表示装置100における黄色の色相を色相(DYe)と示す。
図22は、入力信号に示された階調レベルと表示装置100におけるサブ画素の輝度レベルとの関係を示すグラフである。
入力信号の階調レベルが、黒に相当する階調レベル(0,0,0)から階調レベル(205,205,0)に変化する場合、表示装置100における黄および赤サブ画素の輝度レベルが増加する。このとき、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。例えば、入力信号の階調レベルが(205,205,0)である場合、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは(0.38,0,0,1)であり、これは、255階調表記で、(165,0,0,255)である。
入力信号の階調レベルが階調レベル(205,205,0)から階調レベル(255,255,0)に変化する場合、表示装置100では、赤サブ画素および緑サブ画素の輝度レベルが増加する。入力信号の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の輝度レベルは(1,0.6,0,1)であり、これは、255階調表記で、(255,202,0,255)である。
次に、入力信号の階調レベルが、階調レベル(255,255,0)から白に相当する階調レベル(255,255,255)に変化する場合、表示装置100における緑サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルが増加する。
このように、表示装置100では、入力信号における色の変化に伴い、まず、黄および赤サブ画素の輝度レベルが増加し、このとき、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加する。黄サブ画素が最高輝度レベルに達した後、赤サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに緑サブ画素の輝度レベルの増加が開始する。赤サブ画素が最高輝度レベルに達した後、緑サブ画素の輝度レベルがさらに増加するとともに青サブ画素の輝度レベルの増加が開始する。
図23に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)または(255,255,0)である場合の表示装置100におけるa*およびb*をプロットしたL***表色系色度図を示す。
上述したのと同様に、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,0,0)、(0,255,0)、(0,0,255)である場合、表示装置100における赤、緑および青サブ画素の1つがそれぞれ点灯しており、赤、緑および青サブ画素の色相(R)、(G)、(B)の色相角はそれぞれ46°、140°、323°である。入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(205,205,0)である場合、表示装置100において黄および赤サブ画素が点灯しているが、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低く、赤サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルの0.38倍である。この場合、この色相(DYe=Ye+0.38R)の色相角は102°である。なお、入力信号において赤、緑、青の階調レベルが(255,255,0)である場合、表示装置100において黄、赤および緑サブ画素が点灯しているが、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルよりも低く、緑サブ画素の輝度レベルは黄および赤サブ画素の輝度レベルの0.6倍である。この場合、この色相(DYe=Ye+R+0.6G)の色相角は102°である。
図24に、入力信号の黄色の色相(IYe)および表示装置100の黄色の色相(DYe)を模式的に表したxy色度図の一部拡大図を示す。図24においても、色度IOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の3原色表示装置の色度を示しており、色度COYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置400Bの色度を示している。また、色度DOYeは、入力信号の赤、緑および青の階調レベルが(255,255,0)である場合の表示装置100の色度を示している。なお、上述したように、黄サブ画素の色相(Ye)は入力信号の黄色の色相(IYe)に対して緑サブ画素の色相(G)の側にある。
表示装置100では、黄サブ画素とともに赤サブ画素の輝度レベルを増加させており、これにより、表示装置100における黄色の色相(DYe)は表示装置400Bにおける黄色の色相(CYe)よりも赤サブ画素の色相(R)の方にシフトしている。このため、表示装置100における黄色の色相(DYe)を入力信号の黄色の色相(IYe)とほぼ一致させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
図25は、本実施形態の表示装置100と比較例2の表示装置400Bとの違いを説明するための模式図である。
本実施形態の表示装置100および比較例2の表示装置400Bの両方に、同じ入力信号が入力される。この入力信号は、多原色パネル200および多原色パネル500Bの全体が黒から黄色を経て白まで変化するグラデーション表示を行うような信号である。このような入力信号を用いることにより、多原色表示装置が本実施形態の表示装置100であるか容易に確認することができる。
多原色パネル200において、黄、赤、緑および青サブ画素は短冊状の形状を有しており、ここでは、黄、赤、緑および青サブ画素の順番にストライプ状に配列されている。同様に、多原色パネル500Bでも、黄、赤、緑および青サブ画素も短冊状の形状を有しており、黄、赤、緑および青サブ画素の順番にストライプ状に配列されている。
比較例2の表示装置400Bにおいて、多原色パネル500Bの部分Kは黒を表示する。部分Kでは、すべてのサブ画素の輝度レベルは「0」である。多原色パネル500Bの部分Sは黄色の最明色を表示する。部分Sでは、黄、赤、緑および青サブ画素の輝度レベルは(1,0.72,1,0)である。また、多原色パネル500Bの部分Wは白を表示する。部分Wにおいて、すべてのサブ画素の輝度レベルは「1」である。多原色パネル500Bでは、部分Kから部分Sに進むにしたがって、まず黄サブ画素の輝度レベルが大きくなり、黄サブ画素が最高輝度レベルに達すると、緑および赤サブ画素の輝度レベルが大きくなる。これにより、画素の明度が高くなる。また、多原色パネル500Bでは、部分Sから部分Wに進むにしたがって赤および青サブ画素の輝度レベルが大きくなり、画素の明度が高くなる。
一方、本実施形態の表示装置100では、多原色パネル200の部分Kは黒を表示する。したがって、部分Kにおいてすべてのサブ画素の輝度レベルは「0」である。多原色パネル200の部分Sは黄の最明色を表示する。部分Sでは、黄および赤サブ画素の輝度レベルが「1」であるのに対して、緑サブ画素の輝度レベルは「1」よりも小さい。例えば、緑サブ画素の輝度レベルは「0.6」である。なお、青サブ画素の輝度レベルは「0」である。また、多原色パネル200の部分Wは白を表示する。部分Wにおいて、すべてのサブ画素の輝度レベルは「1」である。多原色パネル200では、部分Kから部分Sに進むにしたがって、まず、黄および赤サブ画素の輝度レベルが増加し、黄サブ画素が最高輝度レベルに達すると、赤および緑サブ画素の輝度レベルが増加し、これにより、画素の明度が高くなる。また、多原色パネル200では、部分Sから部分Wに進むにしたがって、緑および青サブ画素の輝度レベルが大きくなる。これにより、画素の明度が高くなっている。なお、これらのサブ画素の輝度レベルは、グラデーション表示を行う多原色パネル200および多原色パネル500Bの画素をルーペなどで拡大して観察することによってチェックすることができる。
なお、上述した説明では、入力信号の黄色の色相(IYe)は表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と赤サブ画素の色相(R)との間にあったが、本発明はこれに限定されない。入力信号の黄色の色相(IYe)が表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と緑サブ画素の色相(G)との間にあってもよい。
この場合、入力信号に示される色が黒から黄色を経て白まで変化するときに、表示装置100における赤および青サブ画素の輝度レベルを増加させることなく黄サブ画素とともに緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。このとき、緑サブ画素の輝度レベルは黄サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加しており、これにより、表示品位の低下を抑制することができる。
なお、上述した説明では、入力信号において、赤、緑、青の階調レベル(255,255,0)に対応する色相(すなわち、色相(IYe))が、表示装置100における赤、緑、青および黄サブ画素の色相(R)、(G)、(B)および(Ye)のいずれとも異なる場合、黄サブ画素および赤サブ画素の輝度の増加を開始したが、例えば、入力信号において、緑、青の階調レベル(255,255,0)とは異なる階調レベルに対応する色相が表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)と略等しい場合、黄サブ画素のみの輝度の増加を開始してもよい。例えば、入力信号に示された色が黒から表示装置100における黄サブ画素の色相(Ye)の黄色を経て黒に変化する場合、表示装置100における各サブ画素の輝度レベルは図18(b)に示すように変化してもよい。
なお、上述した説明では、表示装置100の画素が赤、緑、青および黄サブ画素を有していたが、本発明はこれに限定されない。画素は赤、緑、青およびシアンサブ画素を有してもよい。
ここでは、入力信号において緑および青の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に赤の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒からシアンを経て白まで変化する場合を想定し、このシアンの色相を(IC)と示す。入力信号のシアンの色相(IC)は、表示装置100における赤、緑、青およびシアンサブ画素のうちのシアンサブ画素の色相に最も近いが、シアンサブ画素の色相とは異なる。
入力信号のシアンの色相(IC)が表示装置100におけるシアンサブ画素の色相と緑サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からシアンを経て白まで変化するときに、表示装置100における赤および青サブ画素の輝度レベルを増加させることなくシアンサブ画素とともに緑サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。この場合、緑サブ画素の輝度レベルをシアンサブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
あるいは、入力信号のシアンの色相(IC)が表示装置100におけるシアンサブ画素の色相と青サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からシアンを経て白まで変化するときに、表示装置100における赤および緑サブ画素の輝度レベルを増加させることなくシアンサブ画素とともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。この場合、青サブ画素の輝度レベルをシアンサブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
または、表示装置100の画素は赤、緑、青およびマゼンタサブ画素を有してもよい。
ここでは、入力信号において赤および青の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に緑の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒からマゼンタを経て白まで変化する場合を想定し、このマゼンタの色相を(IM)と示す。入力信号のマゼンタの色相(IM)は、表示装置100における赤、緑、青およびマゼンタサブ画素のうちのマゼンタサブ画素の色相に最も近いが、マゼンタサブ画素の色相とは異なる。
入力信号のマゼンタの色相(IM)が表示装置100におけるマゼンタサブ画素の色相と赤サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からマゼンタを経て白まで変化するときに、表示装置100における緑および青サブ画素の輝度レベルを増加させることなくマゼンタサブ画素とともに赤サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。この場合、赤サブ画素の輝度レベルをマゼンタサブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
あるいは、入力信号のマゼンタの色相(IM)が表示装置100におけるマゼンタサブ画素の色相と青サブ画素の色相との間にある場合、入力信号に示される色が黒からマゼンタを経て白まで変化するときに、表示装置100における赤および緑サブ画素の輝度レベルを増加させることなくマゼンタサブ画素とともに青サブ画素の輝度レベルの増加を開始する。この場合、青サブ画素の輝度レベルをマゼンタサブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させることにより、表示品位の低下を抑制することができる。
また、上述した実施形態1および2の表示装置100では、各画素が複数のサブ画素を有していたが、本発明はこれに限定されない。
本実施形態の表示装置100は、フィールドシーケンシャル方式で駆動されてもよい。フィールドシーケンシャル方式では、1フレームを各原色に対応した複数のサブフレームで構成することによって、カラー表示が行われる。各原色に対応したサブフレームにおける輝度レベル(階調レベル)を図5(b)や図16(b)などに示したサブ画素の輝度レベルの組み合わせに対応するように設定することによって、同様の効果を得ることができる。この場合、多原色パネル200は、出射波長の異なる4つの光源を有しており、1フィールド内において各光源は順番に点灯する。光源は、蛍光管であってもLEDであってもよい。
また、上述した実施形態1および2の表示装置100では、多原色パネルとして液晶パネルを説明してきたが、本実施形態はこれに限定されない。多原色パネルは、CRT、プラズマ表示パネル(PDP)、SED表示パネル、液晶プロジェクタなどの多色表示が可能な任意の表示装置であってもよい。
なお、上述した実施形態1および2の表示装置100の画像処理回路300が備えている構成要素は、ハードウェアによって実現できるほか、これらの一部または全部をソフトウェアによって実現することもできる。これらの構成要素をソフトウェアによって実現する場合、コンピュータを用いて構成してもよく、このコンピュータは、各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)や、それらのプログラムを実行するためのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などを備えるものである。そして各構成要素の機能を実現するためのプログラムをコンピュータにおいて実行し、このコンピュータを各構成要素として動作させる。
また、プログラムは、記録媒体からコンピュータに供給されてもよく、あるいは、通信ネットワークを経てコンピュータに供給されてもよい。記録媒体は、コンピュータと分離可能に構成されてもよく、コンピュータに組み込むようになっていてもよい。この記録媒体は、記録したプログラムコードをコンピュータが直接読み取ることができるようにコンピュータに装着されるものであっても、外部記憶装置としてコンピュータに接続されたプログラム読取装置を経て読み取ることができるように装着されるものであってもよい。記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープなどのテープ:フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスク、MO、MD等の光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、CD−R等の光ディスクを含むディスク:ICカード(メモリカードを含む)、光カード等のカード:あるいは、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メモリなどを用いることができる。また、通信ネットワークを経てプログラムを供給する場合、プログラムは、そのプログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号の形態をとる。
本発明による多原色表示装置は、例えば、パソコンのモニター、液晶テレビ、液晶プロジェクタ、携帯電話の表示パネルなどに好適に用いることができる。
100 多原色表示装置
200 多原色パネル
300 画像処理回路

Claims (8)

  1. 複数のサブ画素によって規定される画素を有する多原色表示装置であって、
    前記複数のサブ画素は、第1の色相を有する第1の色を表示する第1サブ画素と、第2の色相を有する第2の色を表示する第2サブ画素と、第3の色相を有する第3の色を表示する第3サブ画素と、第4の色相を有する第4の色を表示する第4サブ画素とを含み、
    入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記複数のサブ画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相であり、前記第3の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相と同じ側で前記第1の色相の次に近い色相である、場合に、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第4サブ画素の輝度レベルを増加させることなく前記第1サブ画素、前記第2サブ画素および前記第3サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第3サブ画素の輝度レベルを前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている、多原色表示装置。
  2. 前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第4サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている、請求項1に記載の多原色表示装置。
  3. 複数のサブ画素によって規定される画素を有する多原色表示装置であって、
    前記複数のサブ画素は、第1の色相を有する第1の色を表示する第1サブ画素と、第2の色相を有する第2の色を表示する第2サブ画素と、第3の色相を有する第3の色を表示する第3サブ画素と、第4の色相を有する第4の色を表示する第4サブ画素とを含み、
    入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記複数のサブ画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相である、場合に、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第3サブ画素および前記第4サブ画素の輝度レベルを増加させることなく前記第1サブ画素および前記第2サブ画素の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第2サブ画素の輝度レベルを前記第1サブ画素の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている、多原色表示装置。
  4. 前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第1サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第3サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている、請求項3に記載の多原色表示装置。
  5. 前記入力信号において黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合、前記複数のサブ画素の輝度レベルは、前記第2サブ画素の輝度レベルが最高輝度レベルに達した後、前記第4サブ画素の輝度レベルの増加を開始するように設定されている、請求項3または4に記載の多原色表示装置。
  6. 前記第1、第2、第3および第4の色が、それぞれ、赤、緑、青および黄のいずれかであり、
    前記第1の色が黄であるとき、前記第2および第3の色は赤および緑である、請求項1から5のいずれかに記載の多原色表示装置。
  7. 画素を有する多原色表示装置であって、
    前記画素は、第1の色相を有する第1の色、第2の色相を有する第2の色、第3の色相を有する第3の色、および、第4の色相を有する第4の色を任意の輝度で任意に組み合わせて表示可能であり、
    入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相であり、前記第3の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相と同じ側で前記第1の色相の次に近い色相である、場合に、前記画素の各色の輝度レベルは、前記第4の色の輝度レベルを増加させることなく前記第1の色、前記第2の色および前記第3の色の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第3の色の輝度レベルを前記第1の色および前記第2の色の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている、多原色表示装置。
  8. 画素を有する多原色表示装置であって、
    前記画素は、第1の色相を有する第1の色、第2の色相を有する第2の色、第3の色相を有する第3の色、および、第4の色相を有する第4の色を任意の輝度で任意に組み合わせて表示可能であり、
    入力信号において赤、緑および青の3つの色のうちの2つの色の階調レベルを等しい割合で最大階調レベルまで増加させた後に残りの1つの色の階調レベルを最大階調レベルまで増加させることによって黒から所定の色相の色を経て白まで変化させる場合であって、前記所定の色相は前記第1の色相、前記第2の色相、前記第3の色相および前記第4の色相のいずれとも異なり、L***表色系色度図において、前記所定の色相は前記画素の色相のうちの前記第1の色相に最も近く、前記第2の色相は前記所定の色相に対して前記第1の色相とは反対側で前記所定の色相に最も近い色相である、場合に、前記画素の各色の輝度レベルは、前記第3の色および前記第4の色の輝度レベルを増加させることなく前記第1の色および前記第2の色の輝度レベルの増加を開始し、かつ、前記第2の色の輝度レベルを前記第1の色の輝度レベルよりも低い割合で増加させるように設定されている、多原色表示装置。
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