以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明における解析システムの位置づけと機能を明らかにするため、まずビジネス顕微鏡システムについて説明する。ここで、ビジネス顕微鏡とは、人間に装着したセンサノードでその人間の行動や振る舞いを観測し、組織アクティビティとして人物間の関係性と現在の組織の像を図示することで組織の改善に役立てるためのシステムである。また、センサノードで取得される対面検出・行動・音声等に関するデータを、総称して広く組織ダイナミクスデータと呼ぶ。
図1A、図1B、図1C、図1D、図1Eは一つの実施形態であるビジネス顕微鏡システムの構成要素を示す説明図であり、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。
図1A〜図1Eは名札型センサノード(TR)から、基地局(GW)を経由し、組織ダイナミクスデータを格納するセンサネットサーバ(SS)、組織ダイナミクスデータの解析を行なうアプリケーションサーバ(AS)、閲覧者に解析結果を出力するクライアント(CL)までの一連の流れを示している。
本システムは、名札型センサノード(TR)、基地局(GW)、組織センサネットサーバ(SS)、アプリケーションサーバ(AS)、クライアント(CL)によって構成されている。なお、本実施例では、センサネットサーバとアプリケーションサーバとを別のデバイスとして説明するが、1のサーバでこれらサーバの機能を実現することも可能である。
図1Aに示すアプリケーションサーバ(AS)は、組織ダイナミクスデータを解析及び処理する。図1Bに示すクライアント(CL)からの依頼を受け、又は、設定された時刻に自動的に、解析アプリケーションが起動する。解析アプリケーションは、図1Cに示すセンサネットサーバ(SS)に依頼し、必要な組織ダイナミクスデータを取得する。さらに、解析アプリケーションは、取得した組織ダイナミクスデータを解析し、解析結果を図1Bに示すクライアント(CL)に返す。あるいは、解析アプリケーションは、解析結果をそのまま解析結果データベース(F)に記録しておいてもよい。
なお、解析に用いるアプリケーションは、解析アルゴリズム(D)に格納されており、制御部(ASCO)によって実行される。本実施例により実行される処理は、モデル化解析(CA)、パーソナリティ指標抽出解析(CA1)、パーソナリティ指標変換解析(CA2)である。
アプリケーションサーバ(AS)は、送受信部(ASSR)、記憶部(ASME)及び制御部(ASCO)を備える。
送受信部(ASSR)は、図1Cに示すセンサネットサーバ(SS)及び図1Bに示すクライアント(CL)との間で組織ダイナミクスデータの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(ASSR)は、クライアント(CL)から送られてきたコマンドを受信し、センサネットサーバ(SS)に組織ダイナミクスデータ取得依頼を送信する。さらに、送受信部(ASSR)は、センサネットサーバ(SS)から組織ダイナミクスデータを受信し、解析結果をクライアント(CL)に送信する。
記憶部(ASME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(ASME)は、解析のための設定条件及び解析結果を格納する。具体的には、記憶部(ASME)は、ユーザ/場所情報テーブル(I)、組織情報テーブル(H)、アンケート(G)、解析結果テーブル(F)、解析条件期間テーブル(E)、解析アルゴリズム(D)を格納する。
ユーザ/場所情報テーブル(I)は、ユーザの氏名、職位、ユーザIDなどの個人情報と、場の情報が記載されているテーブルである。
組織情報テーブル(H)は、生産性(HA)や事故不良(HB)などその組織モデル化の際に必要なデータや、気候や株価などの組織活動をする際に必要なデータが一般情報として格納されているテーブルである。
アンケート(G)は、ユーザに行なってもらうアンケートとその回答が格納されているテーブルである。
解析結果テーブル(F)は、組織ダイナミクスデータを解析した結果(組織ダイナミクス指標)や、アンケート結果を解析した結果が格納されるテーブルである。
解析条件期間テーブル(E)は、クライアント(CL)から依頼された表示のための解析条件を一時的に記憶しておくテーブルである。
解析アルゴリズム(D)は、解析に用いるプログラムが格納されている。クライアント(CL)からの依頼に従って、適切なプログラムが選択し、制御部(ASCO)に送られ、解析が実行される。
制御部(ASCO)は、中央処理部CPU(図示省略)を備え、データの送受信の制御及びセンシングデータの解析を実行する。具体的には、CPU(図示省略)が記憶部(ASME)に格納された各種プログラムを読み出して実行することによって各種機能を実現する。具体的には、通信制御(ASCC)、モデル化解析(CA)、パーソナリティ指標抽出解析(CA1)、パーソナリティ指標変換解析(CA2)が実行される。
通信制御(ASCC)は、有線又は無線によるセンサネットサーバ(SS)及びクライアントデータ(CL)との通信のタイミングを制御する。さらに、通信制御(ASCC)は、データの形式変換、及び、データの種類別に行き先の振り分けを実行する。
モデル化解析(CA)は、組織ダイナミクスデータとアンケート結果からその組織が抱えている問題の主要因をモデル化する処理である。モデル化解析(CA)は、対面テーブル作成(C1A)、身体リズムテーブル作成(C1B)、対面マトリックス作成(C1C)、ネットワーク指標抽出(CAA)、身体リズム指標抽出(CAB)、対面指標抽出(CAC)、組織活動指標抽出(CAD)、相関分析(CAE)、因子選択(CAF)から構成されている。
対面テーブル作成(C1A)は、組織ダイナミクスデータからユーザ毎に時系列に並び替えたものであり、対面に関するテーブルを作成する処理である。
身体リズムテーブル作成(C1B)は、組織ダイナミクスデータからユーザ毎に時系列に並び替えたものであり、身体リズムに関するテーブルを作成する処理である。
対面マトリックス作成(C1C)は対面テーブル作成(C1A)の結果からユーザ毎同士の対面をマトリックス状にまとめたテーブルを作成する処理である。
ネットワーク指標抽出(CAA)は、対面テーブルから組織ダイナミクス指標におけるネットワークに関する指標を解析する。
身体リズム指標抽出(CAB)は、身体リズムテーブルから組織ダイナミクス指標における身体リズムに関する指標を解析する。
対面指標抽出(CAC)は、対面テーブルと身体リズムテーブルから組織ダイナミクス指標における対面に関する指標を解析する。
活動指標抽出(CAD)は、対面テーブルと身体リズムテーブルから組織ダイナミクス指標における組織に関する指標を解析する。
相関分析(CAE)は、組織ダイナミクス指標とアンケート結果との相関を求める分析である。
因子選択(CAF)は、相関分析の結果、有益な因子を選択する処理である。
パーソナリティ指標抽出解析(CA1)とパーソナリティ指標変換解析(CA2)は、従来、アンケートからユーザの主観データを取得しているが、このアンケートを用いなくでも、組織ダイナミクスデータから、パーソナリティ指標を求めるための処理である。
パーソナリティ指標抽出解析(CA1)は、それぞれのアンケート項目に対して、組織ダイナミクス指標の寄与係数を求めるものである。これは、パーソナリティ指標係数抽出(CA1A)によって行なわれる処理である。
パーソナリティ指標変換解析(CA2)は、組織ダイナミクス指標と、パーソナリティ指標抽出解析(CA1)で求めた寄与係数から、アンケートの代替となる指標を求める処理である。これは、パーソナリティ指標変換(CA2A)によって行なわれる処理である。
解析した結果は解析結果テーブル(F)、または、送受信部(ASSR)から図1Bに示すクライアント(CL)の表示(J)に送信する。
図1Bに示すクライアント(CL)は、ユーザとの接点であり、データの入出力を行なう。クライアント(CL)は、入出力部(CLIO)、送受信部(CLSR)、記憶部(CLME)及び制御部(CLCO)を備える。
入出力部(CLIO)は、ユーザとのインタフェースとなる部分である。入出力部(CLIO)は、ディスプレイ(CLOD)、キーボード(CLIK)及びマウス(CLIM)等を備える。必要に応じて外部入出力(CLIU)に他の入出力装置を接続することもできる。
ディスプレイ(CLOD)は、CRT(CATHODE−RAY TUBE)又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ(CLOD)は、プリンタ等を含んでもよい。
送受信部(CLSR)は、図1Aに示すアプリケーションサーバ(AS)又は図1Cに示すセンサネットサーバ(SS)との間でデータの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(CLSR)は、解析条件(CLMP)をアプリケーションサーバ(AS)に送信し、解析結果を受信する。
記憶部(CLME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(CLME)は、解析条件(CLMP)及び描画設定情報(CLMT)等の、描画に必要な情報を記録する。解析条件(CLMP)は、ユーザから設定された解析対象のメンバの数及び解析方法の選択等の条件を記録する。描画設定情報(CLMT)は、図面のどの部分に何をプロットするかという描画位置に関する情報を記録する。さらに、記憶部(CLME)は、制御部(CLCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納してもよい。
制御部(CLCO)は、CPU(図示省略)を備え、通信の制御、クライアントユーザ(US)からの解析条件の入力、及び、解析結果をクライアントユーザ(US)に提示するための描画等を実行する。具体的には、CPUは、記憶部(CLME)に格納されたプログラムを実行することによって、通信制御(CLCC)、解析条件設定(CLIS)、描画設定(CLTS)、表示(J)の処理を実行する。
通信制御(CLCC)は、有線又は無線によるアプリケーションサーバ(AS)又はセンサネットサーバ(SS)との間の通信のタイミングを制御する。また、通信制御(CLCC)は、データの形式を変換し、データの種類別に行き先を振り分ける。
解析条件設定(CLIS)は、ユーザから入出力部(CLIO)を介して指定される解析条件を受け取り、記憶部(CLME)の解析条件(CLMP)に記録する。ここでは、解析に用いるデータの期間、メンバ、解析の種類及び解析のためのパラメータ等が設定される。クライアント(CL)は、これらの設定をアプリケーションサーバ(AS)に送信して解析を依頼し、それと並行して描画設定(CLTS)を実行する。
描画設定(CLTS)は、解析条件(CLMP)に基づいて解析結果を表示する方法、及び、図面をプロットする位置を計算する。この処理の結果は、記憶部(CLME)の描画設定情報(CLMT)に記録される。
表示(J)は、アプリケーションサーバ(AS)から取得した解析結果を描画設定情報(CLMT)に記載されている形式にもとづいて表示画面を生成する。例えば、描画設定情報(CLMT)には図2Cに示すモデル描画(JA)等が格納されている。このとき必要であれば、表示(J)は、表示されている人物の氏名等の属性も表示する。作成された表示結果は、ディスプレイ(CLOD)等の出力装置を介してユーザに提示される。例えば、ディスプレイ(CLOD)には図2Cに示す科学的経営知モデル(KA)の様な画面を表示する。ドラッグ&ドロップ等の操作によって、ユーザが表示位置を微調整することもできる。
図1Cに示すセンサネットサーバ(SS)は、図1Eに示す名札型センサノード(TR)から集まったデータを管理する。具体的には、センサネットサーバ(SS)は、図1Dに示す基地局(GW)から送られてくるデータをデータベースに格納し、また、図1Aに示すアプリケーションサーバ(AS)及び図1Bに示すクライアント(CL)からの要求に基づいてセンシングデータを送信する。さらに、センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)からの制御コマンドを受信し、その制御コマンドから得られた結果を基地局(GW)に返信する。
センサネットサーバ(SS)は、送受信部(SSSR)、記憶部(SSME)及び制御部(SSCO)を備える。時刻同期管理(GWCD)がセンサネットサーバ(SS)で実行される場合、センサネットサーバ(SS)は時計も必要とする。
送受信部(SSSR)は、基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)との間で、データの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(SSSR)は、基地局(GW)から送られてきたセンシングデータを受信し、アプリケーションサーバ(AS)又はクライアント(CL)へセンシングデータを送信する。
記憶部(SSME)は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発記憶装置によって構成され、少なくとも、データテーブル(BA)、パフォーマンステーブル(BB)、データ形式情報(SSMF)、端末管理テーブル(SSTT)及び、端末ファームウェア(SSTF)を格納する。さらに、記憶部(SSME)は、制御部(SSCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納してもよい。
データテーブル(BA)は、名札型センサノード(TR)が取得した組織ダイナミクスデータ、名札型センサノード(TR)の情報、及び、名札型センサノード(TR)から送信された組織ダイナミクスデータが通過した基地局(GW)の情報等を記録しておくためのデータベースである。加速度、温度等、データの要素ごとにカラムが作成され、データが管理される。また、データの要素ごとにテーブルが作成されてもよい。どちらの場合にも、全てのデータは、取得された名札型センサノード(TR)のIDである端末情報(TRMT)と、取得された時刻に関する情報とを関連付けてデータテーブル(BA)に格納される。データテーブル(BA)は、図2Bのデータテーブル(BA)と同じものである。
パフォーマンステーブル(BB)は、名札型センサノード(TR)から又は既存のデータから入力された、組織や個人に関する評価(パフォーマンス)を、時刻データと共に記録するためのデータベースである。パフォーマンステーブル(BB)は、図2Bのパフォーマンステーブル(BB)と同じものである。
データ形式情報(SSMF)には、通信のためのデータ形式、基地局(GW)でタグ付けされたセンシングデータを切り分けてデータベースに記録する方法、及び、データの要求に対する対応方法等が記録されている。後で説明するように、データ受信の後、データ送信の前には必ずこのデータ形式情報(SSMF)が通信制御部(SSCC)によって参照され、データ形式変換とデータ管理(SSDA)が行われる。
端末管理テーブル(SSTT)は、どの名札型センサノード(TR)が現在どの基地局(GW)の管理下にあるかを記録しているテーブルである。基地局(GW)の管理下に新たに名札型センサノード(TR)が加わった場合、端末管理テーブル(SSTT)は更新される。
端末ファームウェア(SSTF)は、端末ファームウェア登録部(TFI)において格納された名札型センサノードの更新された端末ファームウェア(GWTF)を一時的に格納する。
制御部(SSCO)は、中央処理部CPU(図示省略)を備え、センシングデータの送受信やデータベースへの記録・取り出しを制御する。具体的には、CPUが記憶部(SSME)に格納された各種プログラムを読み出して実行することによって各種機能を実現する。具体的には、通信制御(SSCC)、端末管理情報修正(SSTM)及びデータ管理(SSDA)等の処理を実行する。
通信制御部(SSCC)は、有線又は無線による基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)との通信のタイミングを制御する。また、通信制御部(SSCC)は、上述の通り、送受信するデータの形式を、記憶部(SSME)内に記録されたデータ形式情報(SSMF)に基づいて、センサネットサーバ(SS)内におけるデータ形式、又は、各通信相手に特化したデータ形式に変換する。さらに、通信制御(SSCC)は、データの種類を示すヘッダ部分を読み取って、対応する処理部へデータを振り分ける。具体的には、受信されたデータはデータ管理(SSDA)へ、端末管理情報を修正するコマンドは端末管理情報修正(SSTM)へ振り分けられる。送信されるデータの宛先は、基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)又はクライアント(CL)に決定される。
端末管理情報修正(SSTM)は、基地局(GW)から端末管理情報を修正するコマンドを受け取った際に、端末管理テーブル(SSTT)を更新する。
データ管理(SSDA)は、記憶部(SSME)内のデータの修正・取得及び追加を管理する。例えば、データ管理(SSDA)によって、センシングデータは、タグ情報に基づいてデータの要素別にデータベースの適切なカラムに記録される。センシングデータがデータベースから読み出される際にも、時刻情報及び端末情報に基づいて必要なデータを選別し、時刻順に並べ替える等の処理が行われる。
センサネットサーバ(SS)が、基地局(GW)を介して受け取ったデータを、データ管理(SSDA)によってパフォーマンステーブル(BB)及びデータテーブル(BA)に整理して記録することが、図2Bにおける組織ダイナミクスデータ収集(B)に相当する。
パフォーマンス入力(C)は、パフォーマンスを示す値を入力する処理である。ここで、パフォーマンスとは、何らかの基準に基づいて判定される主観的又は客観的な評価である。例えば、所定のタイミングで、名札型センサノード(TR)を装着した人物は、その時点における業務の達成度、組織に対する貢献度及び満足度等、何らかの基準に基づく主観的な評価(パフォーマンス)の値を入力する。所定のタイミングとは、例えば、数時間に一度、一日に一度、又は、会議等のイベントが終了した時点であってもよい。名札型センサノード(TR)を装着した人物は、その名札型センサノード(TR)を操作して、又は、クライアント(CL)のようなパーソナルコンピュータ(PC)を操作して、パフォーマンスの値を入力することができる。あるいは、手書きで記入された値が後にまとめてPCで入力されてもよい。本実施の形態では、名札型センサノードがレイティングとして人(SOCIAL)、行(INTELLECTUAL)、心(SPIRITUAL)、体(PHYSICAL)、知(EXECUTIVE)のパフォーマンスを入力できる例を示している。入力されたパフォーマンス値は、解析処理に用いられる。それぞれの問いの意味は、人は「豊かな人間関係(協力・共感)をつくれましたか」、行は「やるべきことを実行できましたか」、心は「仕事にやりがい、充実を感じましたか」、体は「体に配慮(休養・栄養・運動)できましたか」、知は「新しい知(気づき、知識)を得ましたか」である。
組織に関するパフォーマンスは、個人のパフォーマンスから算出されてもよい。売上高又はコスト等の客観的なデータ、及び、顧客のアンケート結果等の既に数値化されているデータが、パフォーマンスとして定期的に入力されてもよい。生産管理等におけるエラー発生率等のように、自動で数値が得られる場合、得られた数値が自動的にパフォーマンスの値として入力されてもよい。さらに、国民総生産(GNP)などの経済指標を入力してもかまわない。これらを組織情報テーブル(H)に格納する。
図1Dに示す基地局(GW)は、図1Eに示す名札型センサノード(TR)と図1Cに示すセンサネットサーバ(SS)を仲介する役目を持つ。無線の到達距離を考慮して、居室・職場等の領域をカバーするように複数の基地局(GW)が配置される。基地局(GW)は、送受信部(GWSR)、記憶部(GWME)、時計(GWCK)及び制御部(GWCO)を備える。
送受信部(GWSR)は、名札型センサノード(TR)からの無線を受信し、基地局(GW)への有線又は無線による送信を行う。さらに、送受信部(GWSR)は、無線を受信するためのアンテナを備える。
記憶部(GWME)は、ハードディスク、フラッシュメモリのような不揮発記憶装置で構成される。記憶部(GWME)には、少なくとも動作設定(GWMA)、データ形式情報(GWMF)、端末管理テーブル(GWTT)、及び基地局情報(GWMG)が格納される。動作設定(GWMA)は、基地局(GW)の動作方法を示す情報を含む。データ形式情報(GWMF)は、通信のためのデータ形式を示す情報、及び、センシングデータにタグを付けるために必要な情報を含む。端末管理テーブル(GWTT)は、現在アソシエイトできている配下の名札型センサノード(TR)の端末情報(TRMT)、及び、それらの名札型センサノード(TR)を管理するために配布しているローカルIDを含む。基地局情報(GWMG)は、基地局(GW)自身のアドレスなどの情報を含む。また、記憶部(GWME)には名札型センサノードの更新された端末ファームウェア(GWTF)を一時的に格納する。
記憶部(GWME)には、さらに、制御部(GWCO)中の中央処理部CPU(図示省略)によって実行されるプログラムが格納されてもよい。
時計(GWCK)は時刻情報を保持する。一定間隔でその時刻情報は更新される。具体的には、一定間隔でNTP(NETWORK TIME PROTOCOL)サーバ(TS)から取得した時刻情報によって、時計(GWCK)の時刻情報が修正される。
制御部(GWCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、センシングデータセンサ情報の取得タイミング、センシングデータの処理、名札型センサノード(TR)やセンサネットサーバ(SS)への送受信のタイミング、及び、時刻同期のタイミングを管理する。具体的には、CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、通信制御部(GWCC)、アソシエイト(GWTA)、時刻同期管理(GWCD)及び時刻同期(GWCS)等の処理を実行する。
通信制御部(GWCC)は、無線又は有線による名札型センサノード(TR)及びセンサネットサーバ(SS)との通信のタイミングを制御する。また、通信制御部(GWCC)は、受信したデータの種類を区別する。具体的には、通信制御部(GWCC)は、受信したデータが一般のセンシングデータであるか、アソシエイトのためのデータであるか、時刻同期のレスポンスであるか等をデータのヘッダ部分から識別して、それらのデータをそれぞれ適切な機能に渡す。
なお、通信制御部(GWCC)は、記憶部(GWME)に記録されたデータ形式情報(GWMF)を参照して、送受信のために適した形式にデータを変換し、データの種類を示すためのタグ情報を付け加えるデータ形式変換を実行する。
アソシエイト(GWTA)は、名札型センサノード(TR)から送られてきたアソシエイト要求(TRTAQ)に対する応答(TRTAR)を送信し、名札型センサノード(TR)に割り付けたローカルIDを送信する。アソシエイトが成立したら、アソシエイト(GWTA)は、端末管理テーブル(GWTT)と端末ファームウェア(GWTF)を用いて端末管理情報を修正する。
時刻同期管理(GWCD)は、時刻同期を実行する間隔及びタイミングを制御し、時刻同期するように命令を出す。あるいは、この後説明するセンサネットサーバ(SS)が時刻同期管理(GWCD)を実行することによって、センサネットサーバ(SS)からシステム全体の基地局(GW)に統括して命令を送ってもよい。
時刻同期(GWCS)は、ネットワーク上のNTPサーバ(TS)に接続し、時刻情報の依頼及び取得を行う。時刻同期(GWCS)は、取得した時刻情報に基づいて、時計(GWCK)を修正する。そして、時刻同期(GWCS)は、名札型センサノード(TR)に時刻同期の命令と時刻情報(GWCSD)を送信する。
図1Eは、センサノードの一実施例である名札型センサノード(TR)の構成を示しており、名札型センサノード(TR)は人間の対面状況を検出するための複数の赤外線送受信部(AB)、装着者の動作を検出するための三軸加速度センサ(AC)、装着者の発話と周囲の音を検出するためのマイク(AD)、名札型センサノードの裏表検知のための照度センサ(LS1F、LS1B)、温度センサ(AE)の各種センサを搭載する。搭載するセンサは一例であり、装着者の対面状況と動作を検出するために他のセンサを使用してもよい。
本実施例では、赤外線送受信部を4組搭載する。赤外線送受信部(AB)は、名札型センサノード(TR)の固有識別情報である端末情報(TRMT)を正面方向に向かって定期的に送信し続ける。他の名札型センサノード(TR)を装着した人物が略正面(例えば、正面又は斜め正面)に位置した場合、名札型センサノード(TR)と他の名札型センサノード(TR)は、それぞれの端末情報(TRMT)を赤外線で相互にやり取りする。このようにすることにより、誰と誰が対面しているのかを記録することができる。
各赤外線送受信部は一般に、赤外線送信のための赤外発光ダイオードと、赤外線フォトトランジスタの組み合わせにより構成される。赤外線ID送信部(IRID)は、自らのIDである端末情報(TRMT)を生成して赤外線送受信モジュールの赤外線発光ダイオードに対して転送する。本実施例では、複数の赤外線送受信モジュールに対して同一のデータを送信することで、全ての赤外線発光ダイオードが同時に点灯する。もちろん、それぞれ独立のタイミング、別のデータを出力してもよい。
また、赤外線送受信部(AB)の赤外線フォトトランジスタによって受信されたデータは、論理和回路(IROR)によって論理和が取られる。つまり、最低どれか一つの赤外線受光部でID受光されていれば名札型センサノードにIDとして認識される。もちろん、IDの受信回路を独立して複数持つ構成でもよい。この場合、それぞれの赤外線送受信モジュールに対して送受信状態が把握できるので、例えば、対面する別の名札型センサノードがどの方向にいるかなど付加的な情報を得ることも可能である。
センサによって検出したセンサデータ(SENSD)はセンサデータ格納制御部(SDCNT)によって、記憶部(STRG)に格納される。センサデータ(SENSD)は通信制御部(TRCC)によって送信パケットに加工され、送受信部(TRSR)によって基地局(GW)に対し送信される。
このとき、記憶部(STRG)からをセンサデータ(SENSD)取り出し、無線送信するタイミングを生成するのが通信タイミング制御部(TRTMG)である。通信タイミング制御部(TRTMG)は、複数のタイミングを生成する複数のタイムベースを持つ。
記憶部に格納されるデータには、現在センサによって検出したセンサデータ(SENSD)の他、過去に蓄積した纏め贈りデータ(CMBD)や、名札型センサノードの動作プログラムであるファームウェアを更新するためのファームウェア更新データ(FMUD)がある。
本実施例の名札型センサノード(TR)は、外部電源接続検出回路(PDET)により、外部電源(EPOW)が接続されたことを検出し、外部電源検出信号(PDETS)を生成する。外部電源検出信号(PDETS)によって、通信タイミング制御部(TRTMG)が生成する送信タイミングを切り替えるタイムベース切替部(TMGSEL)、または無線通信されるデータを切り替えるデータ切替部(TRDSEL)が本実施例の特有の構成である。図1Eでは一例として、送信タイミングを、タイムベース1(TB1)とタイムベース(TB2)の2つのタイムベースを、外部電源検出信号(PDETS)によってタイムベース切替部(TMGSEL)が切り替える構成を図示している。また通信されるデータを、センサから得たセンサデータ(SENSD)と、過去に蓄積した纏め贈りデータ(CMBD)と、ファームウェア更新データ(FMUD)とから、外部電源検出信号(PDETS)によってデータ切替部(TRDSEL)が切り替える構成を図示している。
照度センサ(LS1F、LS1B)は、それぞれ名札型センサノード(TR)の前面と裏面に搭載される。照度センサ(LS1F、LS1B)により取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、裏返り検知(FBDET)によって比較される。名札が正しく装着されているときは、前面に搭載されている照度センサ(表)(LS1F)が外来光を受光し、裏面に搭載されている照度センサ(裏)(LS1B)は名札型センサノード本体と装着者との間に挟まれる位置関係となるため、外来光を受光しない。このとき、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度より、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度の方が大きな値を取る。一方で、名札型センサノード(TR)が裏返った場合、照度センサ(裏)(LS1B)が外来光を受光し、照度センサ(表)(LS1F)が装着者側を向くため、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度より、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度の方が大きくなる。
ここで、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度と、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度を裏返り検知(FBDET)で比較することで、名札ノードが裏返って、正しく装着していないことが検出できる。裏返り検知(FBDET)で裏返りが検出されたとき、スピーカ(SP)により警告音を発生して装着者に通知する。
マイク(AD)は、音声情報を取得する。音声情報によって、「騒々しい」又は「静か」等の周囲の環境を知ることができる。さらに、人物の声を取得・分析することによって、コミュニケーションが活発か停滞しているのか、相互に対等に会話をやり取りしているか一方的に話しているのか、怒っているのか笑っているのか、などの対面コミュニケーションを分析することができる。さらに、人物の立ち位置等の関係で赤外線送受信器(AB)が検出できなかった対面状態を、音声情報及び加速度情報によって補うこともできる。
マイク(AD)で取得される音声は、音声波形及び、それを積分回路(AVG)で積分した信号の両方を取得する。積分した信号は、取得した音声のエネルギーを表す。
三軸加速度センサ(AC)は、ノードの加速度すなわちノードの動きを検出する。このため、加速度データから、名札型センサノード(TR)を装着した人物の動きの激しさや、歩行などの行動を解析することができる。さらに、複数の名札型センサノード(TR)が検出した加速度の値を比較することによって、それらの名札型センサノード(TR)を装着した人物間のコミュニケーションの活性度や相互のリズム、相互の相関等を解析できる。
本実施例の名札型センサノード(TR)では、三軸加速度センサ(AC)で取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、上下検知(UDDET)によって名札の向きを検出する。これは、三軸加速度センサ(AC)で検出される加速度は、装着者の動きによる動的な加速度変化と、地球の重力加速度による静的加速度の2種類が観測されることを利用している。
表示装置(LCDD)は、名札型センサノード(TR)を胸に装着しているときは、装着者の所属、氏名などの個人情報を表示する。つまり、名札として振舞う。一方で、装着者が名札型センサノード(TR)を手に持ち、表示装置(LCDD)を自分の方に向けると、名札型センサノード(TR)の転地が逆になる。このとき、上下検知(UDDET)によって生成される上下検知信号(UDDETS)により、表示装置(LCDD)に表示される内容と、ボタンの機能を切り替える。本実施例では、上下検知信号(UDDETS)の値により、表示装置(LCDD)に表示させる情報を、表示制御(DISP)によって生成される赤外線アクティビティ解析(ANA)による解析結果と、名札表示(DNM)とを切り替える例を示している。
赤外線送受信器(AB)がノード間で赤外線をやり取りすることによって、名札型センサノード(TR)が他の名札型センサノード(TR)と対面したか否か、すなわち、名札型センサノード(TR)を装着した人物が他の名札型センサノード(TR)を装着した人物と対面したか否かが検出される。このため、名札型センサノード(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。上述の通り、名札型センサノード(TR)は、さらに、三軸加速度センサ(AC)等のセンサを備える。名札型センサノード(TR)におけるセンシングのプロセスが、図2Aにおける組織ダイナミクスデータ取得(A)に相当する。
名札型センサノード(TR)は多くの場合には複数存在し、それぞれが近い基地局(GW)と結びついてパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成している。
名札型センサノード(TR)の温度センサ(AE)は名札型センサノード(TR)のある場所の温度を、照度センサ(表)(LS1F)は名札型センサノード(TR)の正面方向などの照度を取得する。これによって、周囲の環境を記録することができる。例えば、温度及び照度に基づいて、名札型センサノード(TR)が、ある場所から別の場所に移動したこと等を知ることもできる。
装着した人物に対応した入出力装置として、ボタン1〜3(BTN1〜3)、表示装置(LCDD)、スピーカ(SP)等を備える。
記憶部(STRG)は、具体的にはハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発記憶装置で構成され、名札型センサノード(TR)の固有識別番号である端末情報(TRMT)、センシングの間隔、及び、ディスプレイへの出力内容等の動作設定(TRMA)を記録している。この他にも記憶部(STRG)は一時的にデータを記録することができ、センシングしたデータを記録しておくために利用される。
通信タイミング制御部(TRTMG)は、時刻情報(GWCSD)を保持し、一定間隔でその時刻情報(GWCSD)を更新して時計(TRCK)として記録する。時間情報は、時刻情報(GWCSD)が他の名札型センサノード(TR)とずれることを防ぐために、基地局(GW)から送信される時刻情報(GWCSD)によって定期的に時刻を修正する。
センサデータ格納制御部(SDCNT)は、記憶部(STRG)に記録された動作設定(TRMA)に従って、各センサのセンシング間隔などを制御し、取得したデータを管理する。
時刻同期は、基地局(GW)から時刻情報を取得して時計を修正する。時刻同期は、後述するアソシエイトの直後に実行されてもよいし、基地局(GW)から送信された時刻同期コマンドに従って実行されてもよい。
無線通信制御部(TRCC)は、データを送受信する際に、送信間隔の制御、及び、送受信に対応したデータフォーマットへの変換を行う。無線通信制御部(TRCC)は、必要であれば、無線でなく有線による通信機能を持ってもよい。無線通信制御部(TRCC)は、他の名札型センサノード(TR)と送信タイミングが重ならないように輻輳制御を行うこともある。
アソシエイト(TRTA)は、図1Dに示す基地局(GW)とパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成するためのアソシエイト要求(TRTAQ)と、アソシエイト応答(TRTAR)を送受信し、データを送信すべき基地局(GW)を決定する。アソシエイト(TRTA)は、名札型センサノード(TR)の電源が投入されたとき、及び、名札型センサノード(TR)が移動した結果それまでの基地局(GW)との送受信が絶たれたときに実行される。アソシエイト(TRTA)の結果、名札型センサノード(TR)は、その名札型センサノード(TR)からの無線信号が届く近い範囲にある一つの基地局(GW)と関連付けられる。
送受信部(TRSR)は、アンテナを備え、無線信号の送信及び受信を行う。必要があれば、送受信部(TRSR)は、有線通信のためのコネクタを用いて送受信を行うこともできる。送受信部(TRSR)によって送受信される送受信データ(TRSRD)は、基地局(GW)との間でパーソナルエリアネットワーク(PAN)を介して転送される。
図2A、図2B、図2Cは、一つの実施形態であるビジネス顕微鏡システムにおいて実行される処理の全体の流れを示しており、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。図2Aに示す複数の名札型センサノード(TRa、TRb、〜、TRi、TRj)による組織ダイナミクスデータの取得(A)から、図2Cに示すセンサデータの解析であるモデル化解析(CA)、その解析結果をモデル描画(JA)にて可視化を行ない、可視化結果は科学的経営知モデル(KA)という、一連の流れを示している。
図2Aを用いて組織ダイナミクスデータ取得(A)について説明する。名札型センサノードA(TRa)は、赤外線送受信器(AB)、加速度センサ(AC)、マイク(AD)、温度(AE)等のセンサ類と、正味(AFA)、気づき(AFB)、感謝(AFC)のボタン(AF)のボタン類から構成されている。
赤外線送受信器から得られた対面情報を表示する画面(AG)と、レイティングを入力するユーザインタフェース(AA)、また図示は省略するが、マイクロコンピュータ及び無線送信機能を有する。
加速度センサ(AC)は、名札型センサノードA(TRa)の加速度(すなわち、名札型センサノードA(TRa)を装着している人物A(図示省略)の加速度)を検出する。赤外線送受信器(AB)は、名札型センサノードA(TRa)の対面状態(すなわち、名札型センサノードA(TRa)が他の名札型センサノードと対面している状態)を検出する。なお、名札型センサノードA(TRa)が他の名札型センサノードと対面していることは、名札型センサノードA(TRa)を装着した人物Aが、他の名札型センサノードを装着した人物と対面していることを示す。マイク(AD)は、名札型センサノードA(TRa)の周囲の音、温度センサ(AE)は、名札型センサノードA(TRa)の周囲の温度を検出する。
ボタン(AF)は名札型センサノードA(TRa)を装着している人物A(図示省略)の主観的な視点からの入力を行なうものである。主業務を行なっている場合には正味(AFA)、新しいアイデアなどが発見した場合には、気づき(AFB)、メンバに感謝することがあった場合には、感謝(AFC)のボタンを人物Aは押すようにする。
本実施の形態のシステムでは、複数の名札型センサノード(図2Aの名札型センサノードA(TRa)〜名札型センサノードJ(TRj))を備える。各名札型センサノードは、それぞれ、一人の人物に装着される。例えば、名札型センサノードA(TRa)は人物Aに、名札型センサノードB(TRb)は人物B(図示省略)に装着される。人物間の関係性を解析し、さらに、組織のパフォーマンスを図示するためである。
なお、名札型センサノードB(TRb)〜名札型センサノードJ(TRj)も、名札型センサノードA(TRa)と同様、センサ類、マイクロコンピュータ及び無線送信機能を備える。以下の説明において、名札型センサノードA(TRa)〜名札型センサノードJ(TRj)のいずれにも当てはまる説明をする場合、及び、それらの名札型センサノードを特に区別する必要がない場合、名札型センサノードと記載する。
各名札型センサノードは、常時(又は短い間隔で繰り返し)センサ類によるセンシングを実行する。そして、各名札型センサノードは、取得したデータ(センシングデータ)を、所定の間隔で無線によって送信する。データを送信する間隔は、センシング間隔と同じであってもよいし、センシング間隔より大きい間隔であってもよい。このとき送信されるデータには、センシングした時刻と、センシングした名札型センサノードの固有の識別子(ID)が付与される。データの無線送信をまとめて実行するのは、送信による電力消費を抑えることによって、人が装着したままで、名札型センサノード(TR)の使用可能状態を長時間維持するためである。また、全ての名札型センサノードにおいて同一のセンシング間隔が設定されていることが、後の解析のためには望ましい。
無線によって名札型センサノードから送信されたデータは、図2Bに示す組織ダイナミクスデータ収集(B)において収集され、データベースに格納される。
データテーブル(BA)は名札型センサノードから得られたセンサデータを格納する。
ユーザID(BAA)はユーザの識別子、取得時間(BAB)は名札型センサノード(TR)が受信した時刻、基地局(BAC)は名札型センサノード(TR)からセンサデータを受信した基地局、加速度センサ(BAD)は加速度センサ(AC)のセンサデータ、IRセンサ(BAE)は赤外線送受信器(AB)のセンサデータ、音センサ(BAF)はマイク(AD)のセンサデータ、温度(BAG)は温度センサ(AE)のセンサデータ、気づき(BAH)は気づき(AFB)ボタンの押下の有無、感謝(BAI)は感謝(AFC)ボタンの押下の有無、正味(BAJ)は正味(AFA)ボタンの押下の有無、端末(BAI)は端末を識別するための情報である。
パフォーマンステーブル(BB)はパフォーマンス入力(C)やレイティング入力(AA)において入力されたパフォーマンスの値を格納する。
ユーザID(BBA)はユーザの識別子、取得時間(BBB)は名札型センサノード(TR)でレイティング入力(AA)した時刻、もしくは、パフォーマンス入力(C)した時刻である。SOCIAL(BBC)、INTELLECTUAL(BBD)、SPIRITUAL(BBE)、PHYSICAL(BBF)、EXECUTIVE(BBG)はレイティング内容、端末(BBH)は端末を識別するための情報である。
また、ダイナミクスデータ収集(B)では、データが届いた順に格納する例を示しているため、必ずしも、時刻順になっているとは限らない。また、データテーブル(BA)やデータテーブル(BA)は1例であり、センサデータ毎にテーブルを作成しても構わない。
組織ダイナミクスデータ収集(B)によって集められた組織ダイナミクスデータは、図2Cに示すモデル化解析(CA)によって有益因子によるモデルが生成され、モデル描画(JA)によって可視化され、その可視化結果が科学的経営知モデル(KA)となる。
モデル化解析(CA)とは、ストレスや生産性等はどの組織活動が有益因子となっているのかを明らかにする処理である。具体的には、ストレスや生産性等を目的変数、組織活動である組織ダイナミクス指標を説明変数とし、それらの相関処理を行なうことにより、相関結果をもとに有益な因子を選択する。これにより、どの組織活動がストレスや生産性等に影響を与えているかが明らかになり、改善すべき組織活動を特定することができる。
モデル化解析(CA)の全体の流れを説明する。モデル化解析(CA)は、組織ダイナミクスデータから対面テーブル作成(C1A)や身体リズムテーブル作成(C1B)によって、ユーザ毎に時系列上のテーブルに変換する。そして、この結果からユーザの対面状況をマトリックス状(対面マトリックス作成(C1C))にまとめる。これらのデータからネットワーク指標抽出(CAA)、身体リズム指標抽出処理(CAB)、対面指標抽出処理(CAC)、組織活動指標抽出(CAD)の処理を行なうことで組織活動を網羅する様々な組織ダイナミクス指標を求める。
アンケート(G)として、パーソナリティアンケート(GA)、リーダシップ/チームワークアンケート(GB)、社員のやりがい/充実度アンケート(GC)、ストレス/メンタル不調アンケート(GD)、組織活性化アンケート(GE)をユーザに回答してもらうことで、これを主観的なデータとして用いる。アンケート結果を解析結果テーブル(F)のそれぞれのテーブルに格納する。その際に、パーソナリティ指標(FAAE)は、説明変数(FAA)として用いる。この理由は、ユーザのパーソナリティは生まれもってきたものであり、変化しないという仮説に基づいている。また、組織における生産性指標(HA)や事故不良指標(HB)は目的変数として用いる。
相関分析(CAE)では、説明変数(FAA)と解析結果テーブル(F)の目的変数(FAB)との相関、説明変数(FAA)と組織情報テーブル(H)の目的変数(HA)との相関を求める。その際に、メンバの説明変数とユーザの目的変数の相関を求めるだけでなく、メンバと対面している周囲のメンバの値を目的変数として用いてもかまわない。すなわち、対面マトリックス(FC1C)によって、メンバと対面している周囲のメンバを特定し、その特定した複数の周囲のメンバの目的変数の平均や分散などを用いる。
この結果を因子係数(FAC)に格納し、因子選択(CAF)によって有益な因子のみを選択する。その際には、相関値が高いという判定だけでなく、検定結果(例えばP値)がよいものや、組織活動として網羅しているものを選択することも可能である。
因子選択(CAF)によって選択させた因子は、モデル描画(JA)により描画される。この結果が、科学的経営知モデル(KA)である。
対面テーブル作成(C1A)は、組織ダイナミクスデータの赤外線データからメンバ間の対面状況をある一定期間毎に時系列順にまとめる処理である。抽出した結果を解析結果テーブル(F)の対面テーブル(FC1A)に格納する。対面テーブル(FC1A)の1例を図3に示す。これは、ユーザを1レコードとして、時間分解能1分間(FC1A3)として、時系列順に1日(24時間)分を格納する。
対面テーブル(2009年7月1日)では、縦軸にメンバ個人を判別するためのユーザID(FC1A1)、横軸は時間分解能による時刻を示す分解能時刻(FC1A2)となっている。ある時刻におけるユーザの対面状況は、ユーザID(FC1A1)と分解能時刻(FC1A2)の対応関係を読み取るだけでよい。例えば、ユーザID001の2009/7/1 10:02の対面状況は2名と対面しており、対面していたメンバはユーザID002と003となっている。該当するユーザでかつその時刻の組織ダイナミクスデータの赤外線データが存在しない場合にNULLが対面テーブル(FC1A)に格納される。
対面テーブル(FC1A)は1日かつ時間分解能ごとに生成されるため、同じ日付でも、時間分解能が異なれば別テーブルとなる。例えば、(FC1A4)と(FC1A5)では、同じ(2009年7月2日)であるが、時間分解能が異なるため、別テーブルとなっている。また、対面テーブル(FC1A)は、対面人数と対面したユーザIDとして格納することが重要であるため、これが満たされるならば、対面テーブル(FC1A)で用いられているテーブル構成と異なってもかまわない。
身体リズムテーブル作成(C1B)は、組織ダイナミクスデータの加速度データからメンバの身体の動きをHzとして示すことで身体リズム状況をある一定期間毎に時系列順にまとめる処理である。
抽出した結果を解析結果テーブル(F)の身体リズムテーブル(FC1B)に格納する。身体リズムテーブル(FC1B)の1例を図4に示す。ユーザを1レコードとして、時間分解能1分間(FC1B3)として、時系列順に1日(24時間)分を格納する。
身体リズムテーブル(2009年7月1日)(FC1B3)では、縦軸にメンバ個人を判別するためのユーザID(FC1B1)、横軸は時間分解能による時刻を示す分解能時刻(FC1B2)となっている。ある時刻におけるユーザの身体リズム状況は、ユーザID(FC1B1)と分解能時刻(FC1B2)の対応関係を読み取るだけでよい。例えば、ユーザID001の2009/7/1 10:02の身体リズム状況は2.1Hzである。該当するユーザでかつその時刻の組織ダイナミクスデータの加速度データが存在しない場合にNULLが身体リズムテーブル(FC1B)に格納される。
身体リズムテーブル(FC1B)は1日かつ時間分解能ごとに生成されるため、同じ日付でも時間分解能が異なれば別テーブルとなる。例えば、(FC1B4)と(FC1B5)では、同じ(2009年7月2日)であるが、時間分解能が異なるため、別テーブルとなっている。また、身体リズムテーブル(FC1B)は、ユーザの身体リズムを格納することが重要であるため、これが満たされるならば、身体リズムテーブル(FC1B)で用いられているテーブル構成と異なってもかまわない。
対面マトリックス作成(C1C)は、時系列に並べられている対面テーブル(FC1A)から、時系列情報を取り除き、ユーザ毎にどのぐらい対面が行なわれているかを2次元マトリックスにまとめる処理である。
抽出した結果を解析結果テーブル(F)の対面マトリックス(FC1C)に格納する。対面マトリックス(FC1C)の1例を図5に示す。図5は、1ヶ月分の対面結果をまとめたものとなっている。また、対面テーブル(FC1A)における時間分解能を単位とするので、対面マトリックス(FC1C)に1と格納した場合、時間分解能が1分間なら1分間、時間分解能が5分間なら5分間対面していたということになる。
対面マトリックス(FC1C)では、縦軸はメンバ個人を判別するためのユーザID(FC1C1)、横軸は対面した相手を示すユーザID(FC1C2)である。例えば、ユーザ002におけるユーザ003との対面時間は、33分となっている。
この対面マトリックス(FC1C)を作成するにあたっては、多くの情報が1つのマトリックスに集約されてしまうため、もとの情報を記述しておく必要がある。期間:2009年7月1日−7月31日(FC1C3)は対面マトリックス(FC1C)に用いた期間をしている。日数:31日間(FC1C4)は期間(FC1C3)における日数である。実質日数:21日間(FC1C5)は期間(FC1C3)に営業日数である。時間分解能:1分間(FC1C6)は対面テーブル(FC1A)における時間分解能である。対面判定時間:3分間/1日(FC1C7)は対面したと判定するための閾値である。すれ違ったりした場合に赤外線送受信部が赤外線を受信すると、対面したという判定になってしまうが、数回の反応はノイズである可能性が高いため、このような閾値を導入している。また、対面マトリックス(FC1C)は、ユーザの対面状況を格納することが重要であるため、これが満たされるならば、対面マトリックス(FC1C)で用いられているテーブル構成と異なってもかまわない。
ネットワーク指標抽出処理(CAA)は対面マトリックス(FC1C)から作り出されたネットワーク図から指標を求める処理である。そして、ネットワーク指標抽出処理(CAA)によって求められた指標を格納するテーブルの1例が図6のネットワーク指標(FAAA)である。ネットワーク指標(FAAA)はユーザ毎に指標が格納されるテーブルとなっている。ネットワーク指標とは、複数の人物それぞれと組織内の他の人物との繋がりを示す指標である。
テーブルはユーザを特定するユーザID(FAAA1)とネットワーク指標(次数(FAAA2)、結束度(FAAA3)、2ステップ到達度(FAAA4)、媒介中心性(FAAA5)、対面時間(合計)(FAAA6))から構成されている。期間:2009年7月1日−7月31日(FAAA6)は分析に用いた期間を示している。時間分解能:1分間(FAAA7)は分析時間分解能である。
図7のネットワーク図(ZA)は、対面マトリックスから作成されるネットワーク図の1例である。このネットワーク図(ZA)は(ZA1)〜(ZA5)は人物を表すノードと、(ZA6)〜(ZA11)は対面しているメンバ同士を結んだ線(エッジ)から構成されている。配置にはバネモデルを使用する。バネモデル(フックの法則)とは、2つのノード(点)がつながれている場合、そこにバネがあるとして力(内向きまたは外向き)を計算し、さらに自分とつながっていない全てのノードから距離に応じた斥力(反発する力)を受けるとして位置の移動を繰り返すことにより最適な配置にする手法である。このネットワーク図(ZA)の例を挙げて、ネットワーク指標(FAAA)を説明する。
次数(FAAA2)は、ノードに繋がっているエッジの数である。ネットワーク図(ZA)の例でいうと、高橋(ZA1)は田中(ZA2)と伊藤(ZA4)と接続させているため2となる。
結束度(FAAA3)は、自分の周りのノードの密度であり、ある人物の周囲において互いに連携している度合いを示す指標である。ネットワーク図(ZA)の伊藤(ZA4)について説明すると、伊藤(ZA4)の対面相手は、高橋(ZA1)、山本(ZA5)、田中(ZA2)の3人である。その3人の密度を調べればよく、その結果、3人間におけるエッジ数/3人間における最大エッジ数=2/3=0.67となる。
2ステップ到達度(FAAA4)は、全体において、2ステップ以内の範囲に存在するノードの数である。ネットワーク図(ZA)の例でいうと、渡辺(ZA3)の場合の2ステップでカバーできるノードは全部(ZA1)〜(ZA5)であり、4となる。
媒介中心性(FAAA4)は、ノードがネットワーク図全体の連結性に対してどの程度貢献しているかを表す値である。媒介中心性は、組織全ての人物の組み合わせにおいて、ネットワーク図上で最短ステップで到達するルート上に、その人物が存在する場合の数である。なお、人物Aと人物Bの間の最短ルートがn種類ある場合には、1/nとしてカウントして算出する。
対面時間(合計)(FAAA5)は、期間中の対面時間を合計である。これは、対面マトリックス(FC1C)から求める値である。対面マトリックス(FC1C)における各ユーザのロウ(横の列)の和が対面時間となる。
ネットワーク指標(FAAA)を説明したが、指標はこれに限らず、対面マトリックス(FC1C)から他の指標を作成し、これを分析に用いてもかまわない。
身体リズム指標抽出処理(CAB)は身体リズムテーブル(FC1B)から指標を求める処理である。そして、身体リズム指標抽出処理(CAB)によって求められた指標を格納するテーブルの1例が図6の身体リズム指標(FAAB)である。身体リズム指標(FAAB)はユーザ毎に指標が格納されるテーブルとなっている。
テーブルはユーザを特定するユーザID(FAAB1)と身体リズム指標(0〜1Hzの出現頻度(FAAB2)、1〜2Hzの出現頻度(FAAB3)、2〜3Hzの出現頻度(FAAB4)、0〜1Hzの継続性(FAAB5)、1〜2Hzの継続性(FAAB6)、2〜3Hzの継続性(FAAB7))から構成されている。
期間:2009年7月1日−7月31日(FAAB8)は分析に用いた期間を示している。時間分解能:1分間(FAAB9)は分析時間分解能である。時間区間:1日(FAAB10)は、期間(FAAB8)における平均等を求める際の範囲指定である。
身体リズムテーブル(FC1B)には、時間分解能毎のHz換算の身体リズムが格納されているため、これを1Hzの区間毎のヒストグラムを作成する。そして、0Hzから1Hzまでのヒストグラム値を0〜1Hzの出現頻度(FAAB2)、1Hzから2Hzまでのヒストグラム値を1〜2Hzの出現頻度(FAAB3)、2Hzから3Hzまでのヒストグラム値を2〜3Hzの出現頻度(FAAB4)を求める。
さらに、身体リズムテーブル(FC1B)には時系列上に身体リズムが格納されているため、それぞれのリズムの継続を求めることができる。具体的にいうと、継続の度合いを調べればよく、ある時刻の身体リズムと次の時刻の身体リズムを比較し、2つの身体リズムが0Hzから1Hzまでの場合をカウントし、それを時間区間(FAAB10)で割ることで、時間区間における0Hzから1Hzまでの継続性を求める。また、これと同じように、1Hzから2Hzまでの継続性を1〜2Hzの継続性(FAAB6)、2Hzから3Hzまでの継続性を2〜3Hzの継続性(FAAB7)として求める。
さらに、これは時間区間(FAAB10)である1日毎の値であるため、身体リズム指標(FAAB)に格納する場合には期間(FAAB8)の平均がそれぞれの値に格納する値となる。
身体リズム指標(FAAB)を説明したが、指標はこれに限らず、身体リズムテーブル(FC1B)から他の指標を作成し、これを分析に用いてもかまわない。さらに、身体リズム指標抽出処理(CAB)では期間(FAAB8)における平均を格納したが、分散などを用いてもかまわない。
対面指標抽出処理(CAC)は対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)から指標を求める処理である。そして、対面指標抽出処理(CAC)によって求められた指標を格納するテーブルの1例が図8の対面指標(FAAC)である。対面指標(FAAC)はユーザ毎に指標が格納されるテーブルとなっている。
テーブルはユーザを特定するユーザID(FAAC1)と対面指標(対面時間(FAAC2)、非対面時間(FAAC3)、アクティブ対面時間(FAAC4)、パッシブ対面時間(FAAC5)、2人対面時間(FAAC6)、3人〜5人対面時間(FAAC7)、6人〜対面時間(FAAC8))から構成されている。
期間:2009年7月1日−7月31日(FAAC9)は分析に用いた期間を示している。時間分解能:1分間(FAAC10)は分析時間分解能である。時間区間:1日(FAAC11)は、期間(FAAC9)における平均等を求める際の範囲指定である。
対面テーブル(FC1A)から組織ダイナミクスデータ取得時における対面時間と非対面時間を求める。対面テーブル(FC1A)に格納されている値が1名以上ならば対面時間、0名なら非対面時間としてカウントする。格納されている値がNULLの場合には対面時間と非対面時間をカウントしない。対面時間(FAAC2)は対面をカウントした時間、非対面時間(FAAC3)は非対面をカウントした時間である。分析時間分解能が1分間であるため、カウントした値そのものが時間となる。
対面テーブル(FC1A)により対面と判定された際の対面したメンバ間でのその時刻の身体リズムテーブル(FC1B)を調べることにより、対面の積極性、すなわちアクティブ対面かパッシブ対面かを判定する。この判定の閾値として、対面中の身体リズムが2Hz以上をアクティブ対面(積極的な対面)、2Hz未満をパッシブ対面(受動的な対面)とした。なぜなら、本発明者らが対面時のユーザの行動と動作リズムの関係に着目したところ、言葉だけでなく身振りを含めた対面のように積極的と考えられる対面は、対面時の動作リズムが2Hz以上であるという知見に基づくからである。アクティブ対面時間(FAAC4)はアクティブ対面をカウントした時間、パッシブ対面時間(FAAC5)はパッシブ対面をカウントした時間である。分析時間分解能が1分間であるため、カウントした値そのものが時間となる。
対面テーブル(FC1A)からその何人で対面を行なっていたのかを調べる。対面テーブル(FC1A)では、分析時間分解能毎に対面人数が記載されているため、それをカウントすることで値を求める。分析幅を2人、3人〜5人、6人の3つとした。2人対面時間(FAAC6)は、2人での対面をカウントした時間である。3人〜5人対面時間(FAAC7)は、3人から5人までの対面をカウントした時間である。6人〜対面時間(FAAC8)は、6人以上の対面をカウントした時間である。分析時間分解能が1分間であるため、カウントした値そのものが時間となる。
さらに、これらは時間区間(FAAC11)である1日毎の値であるため、期間(FAAC9)の平均がそれぞれの値となる。
対面指標(FAAC)を説明したが、指標はこれに限らず、対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)から他の指標を作成し、これを分析に用いてもかまわない。さらに、対面指標抽出処理(CAC)では期間(FAAC9)における平均を格納したが、分散などを用いてもかまわない。
組織活動指標抽出処理(CAD)は対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)から指標を求める処理である。そして、組織活動指標抽出処理(CAD)によって求められた指標を格納するテーブルの1例が図8の組織活動指標(FAAD)である。組織活動指標(FAAD)はユーザ毎に指標が格納されるテーブルとなっている。
テーブルはユーザを特定するユーザID(FAAD1)と組織活動指標(就業時間平均(FAAD2)、出社時刻平均(FAAD3)、帰社時刻平均(FAAD4)、就業時間標準偏差(FAAD5)、出社時刻標準偏差(FAAD6)、帰社時刻標準偏差(FAAD7))から構成されている。期間:2009年7月1日−7月31日(FAAD8)は、分析に用いた期間を示している。時間分解能:1分間(FAAD9)は分析時間分解能である。時間区間:1日(FAAD10)は、期間(FAAD8)における平均等を求める際の範囲指定である。
対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)とから組織ダイナミクスデータ取得開始番地と終了番地を求めることで、これから就業時間、出社時刻、帰社時刻を求める。開始番地とは、組織ダイナミクスデータが取れていない(NULL)時からデータが格納されるようになった(0名以上)時の番地を意味する。また、終了番地とは、組織ダイナミクスデータが取れている(0名以上)時からデータ取れなくなった(NULL)時の番地を意味する。なお、本実施形態では、就業時間中に名札型センサノードを装着し、帰宅時には名札型センサノードを取り外すことを前提としている。
対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)は、時刻は格納されていないが、時系列順に格納されているため、取得した番地と時間分解能(FAAD9)から時刻を求めることができる。
就業時間は終了番地から開始番地を引くことによりその値が就業時間となる。就業時間平均(FAAD2)は、就業時間の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。就業時間標準偏差(FAAD5)は、就業時間の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。
出社時刻平均(FAAD3)は、開始番地の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。出社時刻標準偏差(FAAD6)は、開始番地の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。
退社時刻平均(FAAD4)は、終了番地の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。帰社時刻標準偏差(FAAD7)は、終了番地の期間(FAAD8)における時間区間(FAAD10)の平均である。
対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)から、エラー状態の組織ダイナミックデータを使用しないように判断することができる。例えば、名札型センサノード(TR)を放置して帰社した場合に、近くのノードとの対面を反応してしまったとする。実際には対面していないが、赤外線からでは判断できない。精度を高めるためには、このような誤判断を省く必要がある。対策としては、身体リズムテーブル(FC1B)と比較することで、対面テーブル(FC1A)の対面が正しいものであるかを判断する。すなわち、人間が正しく付けていないようなリズム(身体リズムが0Hz、かつ、長時間)が検出されたならば、そのときの対面テーブルの値を用いないようにする。
組織活動指標(FAAD)を説明したが、指標はこれに限らず、対面テーブル(FC1A)と身体リズムテーブル(FC1B)から他の指標を作成し、これを分析に用いてもかまわない。さらに、身体リズム指標抽出処理(CAB)では期間(FAAD10)における平均や標準偏差を格納したが、分散などを用いてもかまわない。
次に、各種アンケート(GA〜GE)から求められる指標及び客観的な組織指標(生産性指標、事故不良指標)について説明する。これらは、パフォーマンス入力(C)により入力される値に基づいて求められる。パーソナリティアンケート(GA)とは、思考・行動の特性を調べるアンケートである。パーソナリティアンケート(GA)の例として、以下の文献を参考にしてもよい。V. Benet−Martinez and O.P.John,“Los Cinco Grandes across cultures and ethnic groups: Multitrait method analyses of the Big Five in Spanish and English,” Journal of Personality and Social Psychology, 75,pp.729−750,1998.。
アンケートの例を図18で示す。ユーザはこのアンケートに回答もらい、その結果をパーソナリティ指標として格納する。パーソナリティ指標の1例として、図9のパーソナリティ指標(FAAE)テーブルを説明する。ユーザを特定するユーザID(FAAE1)とパーソナリティ(外向性(FAAE2)、調和性(FAAE3)、誠実性(FAAE4)、神経性(FAAE5)、開放性(FAAE6))から構成されている。回答日:2009年7月15日 (FAAE7)は回答した日付が記載されている。
ユーザに対して、外向性(FAAE2)、調和性(FAAE3)、誠実性(FAAE4)、神経性(FAAE5)、開放性(FAAE6)のそれぞれにはパーソナリティ値が格納されている。
外向性(FAAE2)の値が高いほど、外向的な傾向を意味している。調和性(FAAE3)の値が高いほど、他人に合わせる傾向を意味している。誠実性(FAAE4)の値が高いほど、誠実である傾向を意味している。神経性(FAAE5)の値が高いほど、神経質な傾向を意味している。開放性(FAAE6)の値が高いほど、新しい知識や経験に対して開放的な傾向を意味している。さらに、図17では、この値による効果を示した表である。また、ユーザの思考・行動により社会への適応度合いがわかればよく、別のアンケートを用いてもかまわない。また、それにあわせてパーソナリティ指標(FAAE)で用いられているテーブル構成を変更してもかまわない。
組織情報テーブル(H)について、図10を用いて説明する。組織情報テーブル(H)はその組織やメンバに関する指標が格納されている。
生産性に関する指標を生産性指標(HA)に格納する。テーブルはユーザを特定するユーザID(HA1)と生産性指標(成績(HA2)、貢献度(HA3)、プログラムステップ数(HA4)、営業件数(HA5)、売り上げ(HA6))から構成されている。期間は期間:2009年7月1日〜2009年7月15日(HA7)である。
もし、貢献度(HA3)のようにアルファベット表記ならば、好成績を大きな値になるように変換する。また、チーム毎の指標であるならば、そのチームに属するメンバは同じ値を代入する。生産性に関する指標であれば、この他の指標を用いてもかまわない。
事故や不良に関する指標を事故不良指標(HB)に格納する。テーブルはユーザを特定するユーザID(HB1)と事故不良指標(休業日数(HB2)、バグ数(HB3)、ヒヤリハット数(HB4)、不良件数(HB5)、クレーム件数(HB6))から構成されている。期間は期間:2009年7月1日〜2009年7月15日(HB7)である。
もし、チーム毎の指標であるならば、そのチームに属するメンバは同じ値を代入する。
また、事故不良に関する指標であれば、この他の指標を用いてもかまわない。
リーダシップ/チームワークアンケート(GB)とは、集団に属しているメンバが同じ目標を達成するために行う作業、協力、意識、行動を調べるアンケートである。リーダシップ/チームワークアンケート(GB)の例として、以下の文献を参考にしてもよい。三沢 良、佐相 邦英、山口 裕幸、看護師チームのチームワーク測定尺度の作成、社会心理学研究、24(3)pp.219−232、20090227.。
アンケートの例を図21で示す。ユーザはこのアンケートに回答もらい、その結果をリーダシップ/チームワーク指標に格納する。リーダシップ/チームワーク指標の1例として、図11のリーダシップ/チームワーク指標(FABC)テーブルを説明する。
テーブルはユーザを特定するユーザID(FABC1)と指標(チームの志向性(FABC2)、チーム・リーダーシップ(FABC5)、チーム・プロセス(FABC8))から構成されている。回答日:2009年7月15日 (FABC13)は回答した日付が記載されている。リーダシップ/チームワークアンケート(GB)からはチームの志向性(FABC2)、チーム・リーダーシップ(FABC5)、チーム・プロセス(FABC8)の3つの視点から求めている。
チームの志向性(FABC2)では、職務に関する態度や価値観を示す職務志向性(FABC3)やチーム内の対人関係の良好さを示す対人志向性(FABC4)を求める。
チーム・リーダーシップ(FABC5)では、メンバへの的確な指示・指導を示す職務遂行上の指示(FABC6)や対人関係の維持・強化を示す対人関係上の配慮(FABC7)を求める
チーム・プロセス(FABC8)では、各自の仕事の進捗状況を相互にモニターし、必要に応じて行なわれる調整行動を示すモニタリングと相互調整(FABC9)、職務内容をメンバ間の合意により明確化する行動を表す職務の分析と明確化(FABC10)、知識や情報の周知徹底を図る行動を表す知識と情報の共有(FABC11)や間違いや問題点に関するフィードバックを表すフィードバック(FABC12)を求める。
また、集団に属しているメンバが同じ目標を達成するために行う作業、協力、意識、行動がわかればよく、別のアンケートを用いてもかまわない。また、それにあわせてリーダシップ/チームワーク指標(FABC)で用いたれているテーブル構成を変更してもかまわない。
社員のやりがい/充実度アンケート(GC)とは、人間が存在する上で、健康で幸福で繁栄できる状態の度合いを調べるアンケートである。社員のやりがい/充実度アンケート(GC)の例として、以下の文献を参考にしてもよい。
Hills,P., and Argyle, M.The Oxford Happiness Questionnaire: a compact scale for the measurement of psychological well−being.Personality and Individual Differences,33,1073−1082,2002.。
アンケートの例を図20で示す。ユーザにこのアンケートに回答してもらい、その結果を社員のやりがい/充実度指標(FABD)に格納する。社員のやりがい/充実度指標の1例として、図11の社員のやりがい/充実度指標(FABD)テーブルを説明する。テーブルはユーザを特定するユーザID(FABD1)と指標であるハピネス(FABD2)から構成されている。回答日:2009年7月15日(FABD3)は回答した日付が記載されている。ハピネス(FABD2)が高いほど、健康で幸福で繁栄できる状態の度合いが高いという意味である。
また、人間が存在する上で、健康で幸福で繁栄できる状態の度合いがわかればよく、別のアンケートを用いてもかまわない。また、それにあわせて社員のやりがい/充実度指標(FABD)で用いたれているテーブル構成を変更してもかまわない。
ストレス/メンタル不調アンケート(GD)とは、抑うつの心理状態の度合いを調べるアンケートである。ストレス/メンタル不調アンケート(GD)の例として、以下の文献を参考にしてもよい。Radloff,L.S.(1977)’The CES−D scale: A self report depression scale for research in the general population’. Applied Psychological Measurement 1: 385−401.。
アンケートの例を図19で示す。ユーザはこのアンケートに回答もらい、その結果をストレス/メンタル不調指標(FABE)に格納する。
ストレス/メンタル不調指標の1例として、図11のストレス/メンタル不調指標(FABE)テーブルを説明する。テーブルはユーザを特定するユーザID(FABE1)と指標である憂うつ(FABE2)から構成されている。回答日:2009年7月15日(FABE3)は回答した日付が記載されている。憂うつ(FABE2)が高いほど、抑うつ度の高い心理状態であるという意味である。
また、ストレスや抑うつの心理状態の度合いがわかればよく、別のアンケートを用いてもかまわない。また、それにあわせてストレス/メンタル不調指標(FABE)で用いたれているテーブル構成を変更してもかまわない。
組織活性化アンケート(GE)とは、活性化の施策後に主観的な効果度合いを調べるためのアンケートである。アンケートの例を図22で示す。ユーザはこのアンケートに回答もらい、その結果を組織活性化指標(FABF)に格納する。組織活性化指標の1例として、図11の組織活性化指標(FABF)テーブルを説明する。テーブルはユーザを特定するユーザID(FABF1)とコミュニケーション増(FABE2)や発言しやすくなった実感(FABE3)などの多くの指標から構成されている。この指標は組織活性化アンケート(GE)のアンケート項目と同じだけ存在する。回答日:2009年7月15日(FABF5)は回答した日付が記載されている。
また、活性化の施策後に主観的な効果度合いがわかればよく、別のアンケートを用いてもかまわない。また、それにあわせて組織活性化指標(FABF)で用いたれているテーブル構成を変更してもかまわない。
図2Cに示す相関分析(CAE)は、分析単位をある組織として、その組織のメンバそれぞれのストレスや生産性を目的変数、組織活動である組織ダイナミクス指標を説明変数とし、それらの相関を行う分析である。この相関分析の特徴は、分析には本人の変数だけでなく、本人の周囲のメンバの変数も分析対象にすることである。
本人の目的変数(CAE1)は、解析結果テーブル(F)の目的変数(FAB)や組織情報テーブル(H)の目的変数(HA)内にある本人のユーザIDのレコードに格納されている変数である。
本人の説明変数(CAE2)は、解析結果テーブル(F)の説明変数(FAA)内にある本人ユーザIDのレコードに格納されている変数である。
周囲の説明変数(CAE3)の周囲とは、本人と対面によって繋がっている周囲のメンバを意味している。そして、周囲の説明変数(CAE3)とは、周囲のメンバから求める説明変数である。
周囲の説明変数(CAE3)の処理方法を説明する。周囲のメンバ選択(CAE31)によって、周囲のメンバを選択する。対面マトリックス(FC1C)から自分と繋がっているメンバを選択する。本実施例では、1ステップのメンバと2ステップのメンバを選択した例を示す。ここで、1ステップのメンバとは、自分と繋がっているメンバである。また、2ステップのメンバとは、1ステップのメンバとそれに繋がっているメンバである。
特徴量計算(CAE32)とは、周囲のメンバ選択(CAE31)によって選択されたメンバの説明変数から周囲の説明変数を求める処理である。1ステップのメンバで選ばれたメンバの説明変数から周囲の説明変数を求める計算方法として、選択された周囲のメンバの説明変数の平均や分散を求める。また、2ステップの場合にも同様の計算を行なう。
相関(CAE4)は本人の目的変数(CAE1)と本人の説明変数(CAE2)や周囲の説明変数(CAE3)との相関である。この相関した結果を解析結果テーブル(F)の因子係数(FAC)に格納する。期間:2009年7月1日−7月31日(FAC1)とは、分析に用いた組織ダイナミクス指標の期間である。
因子係数(FAC)は、相関(CAE4)によって求めたれた相関係数を格納するテーブルの一部である。図12にその一例を示す。本人(FACA)とは、本人の目的変数(CAE1)と本人の説明変数(CAE2)との相関の結果である。1ステップ平均(FACB)とは、本人の目的変数(CAE1)と周囲の説明変数(CAE3)(その中でも1ステップのメンバの説明変数の平均値)との相関の結果である。2ステップ分散(FACC)とは、本人の目的変数(CAE1)と周囲の説明変数(CAE3)(その中でも2ステップのメンバの説明変数の分散値)との相関の結果である。
因子係数(FAC)は本人と周囲のメンバとの相関結果を代入すればよいので、1ステップのメンバの説明変数の分散値や2ステップのメンバの説明変数の平均値との結果を格納してもかまわない。
本人(FACA)のテーブル構成について説明する。縦軸の目的変数(FACA1)とは解析結果テーブル(F)の目的変数(FAB)や組織情報テーブル(H)の目的変数(HA)で格納されている変数である。よって、組織情報テーブル(H)の目的変数(HA)の生産性指標(HA)であった成績(FACA2)や貢献度(FACA3)という項目が代入される。横軸は、解析結果テーブル(F)の説明変数(FAA)で格納されている変数である。よって、解析結果テーブル(F)の説明変数(FAA)のネットワーク指標(FAAA)であった、次数(FACA6)、結束度(FACA7)、2ステップ到達度(FACA8)という項目が代入される。また、上述したように、アンケートから求められるパーソナリティ指標(FACA9)も、説明変数として格納される。図12では、パーソナリティ指標の例として、開放性(FACA10)を示している。
成績(FACA2)とネットワーク指標(FACA5)の結束度(FACA7)の相関は0.47であり、カッコで囲まれている0.01は検定結果である。この因子係数(FAC)ではP値を用いている。P値とは、観測した現象よりも起こりにくい現象が発生する確率である。さらに、検定結果によって表にハッチをかけており、P値<=0.001の場合には濃い色、0.001<P値<=0.01の場合には薄い色、P値>0.01の場合に色なし、というように識別できるようにしている。1ステップ平均(FACB)や2ステップ分散(FACC)も本人(FACA)のテーブル構成と同じである。
相関分析(CAE)では、変数同士の比較に相関を用いたが、有益な因子が見つけることができるならば、相関以外の手法を用いてもかまわない。また、因子係数(FAC)は、相関分析(CAE)によって求めた値を格納することが重要であるため、これが満たされるならば、因子係数(FAC)で用いられているテーブル構成と異なってもかまわない。
因子選択(CAF)は相関分析(CAE)によって求められた係数の中から有益な因子の選択を行う処理である。因子係数(FAC)の中から、係数(相関)値の高いものを選択する。また、選択基準を相関値だけでなく、検定結果(例えばP値)がよいものや、組織活動として網羅しているもの選択することも可能である。
モデル描画(JA)では、因子選択(CAF)によって、係数値が高かった目的変数と説明変数を用いてモデルを描画する。その例を科学的経営知モデル(KA)で示す。期間:2009年7月1日−7月31日(KA10)とは、分析に用いた組織ダイナミクス指標の期間である。
目的変数(KA11)として、ストレス/メンタル不調リスク(KA1)を選択し、説明変数(KA12)として、周囲の外向性(KA2)、本人の外向性(KA3)、本人の就業時間平均(KA4)、その他(KA5)を選択した。そして、目的変数(KA11)と説明変数(KA12)と線で結ぶ。配置としては、右側に目的変数(KA11)、左側に説明変数(KA12)を配置する。さらに、上から説明変数(KA12)の因子係数を大きい順に並べる。その他(KA5)とは、小さい因子係数をまとめたものである。説明変数(KA12)には、それぞれの因子係数を(KA6)〜(KA9)の様に配置する。また、類似している説明係数が因子選択(CAF)によって選択されたら、それらを統合してもかまわない。
モデル化解析することにより、ストレスや生産性に対して、どの組織活動が有益因子であるかが明らかになった。組織毎に抱えている問題が異なるように、組織毎に有益因子や因子係数も異なる。
このように、分析単位となる複数のメンバからなる組織において、メンバそれぞれのストレス又は生産性などの主観的又は客観的指標を目的変数とし、身体リズム指標や対面指標などの網羅的な指標である組織ダイナミクス指標を説明変数として相関分析を行う。これにより、分析単位となる組織における主観的又は客観的指標の要因を特定することができる。そして、このモデルにより、具体的にどの組織行動を改善すべきかを特定することができる。
なお、本実施例では、説明変数に組織ダイナミクス指標を求めたが、説明変数にアンケート(G)から求めた指標を用いてもかまわない。さらに、目的変数に組織ダイナミクス指標を用いてもかまわない。