以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明における解析システムの位置づけと機能を明らかにするため、まずビジネス顕微鏡システムについて説明する。ここで、ビジネス顕微鏡とは、人間に装着したセンサノードでその人間の状況を観測し、組織アクティビティとして人物間の関係性と現在の組織の像を図示して組織の改善に役立てるためのシステムである。また、センサノードで取得される対面検出・行動・音声等に関するデータを、総称して広く組織ダイナミクスデータと呼ぶ。
図1(a)、図1(b)、図1(c)は一つの実施形態であるビジネス顕微鏡システムの構成要素を示す説明図であり、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。名札型センサノード(TR)から、基地局(GW)を経由し、組織ダイナミクスデータを格納するセンサネットサーバ(SS)、組織ダイナミクスデータの解析を行なうアプリケーションサーバ(AS)、閲覧者に解析結果を出力するクライアント(CL)までの一連の流れを示す。
本システムは、名札型センサノード(TR)、基地局(GW)、組織センサネットサーバ(SS)、アプリケーションサーバ(AS)、クライアント(CL)によって構成されている。
図1(a)に示すアプリケーションサーバ(AS)は、センシングデータを解析及び処理する。クライアント(CL)からの依頼を受けて、又は、設定された時刻に自動的に、解析アプリケーションが起動する。解析アプリケーションは、図1(b)に示すセンサネットサーバ(SS)に依頼を送って、必要なセンシングデータを取得する。さらに、解析アプリケーションは、取得したデータを解析し、解析されたデータをクライアント(CL)に返す。あるいは、解析アプリケーションは、解析されたデータをそのまま解析結果テーブル(E)に記録しておいてもよい。
解析アプリケーションは、チーム変換処理(CT1)、積極性解析(CS)、集中時間解析(CJ)である。
アプリケーションサーバ(AS)は、送受信部(ASSR)、記憶部(ASME)及び制御部(ASCO)を備える。
送受信部(ASSR)は、センサネットサーバ(SS)及びクライアント(CL)との間でデータの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(ASSR)は、クライアント(CL)から送られてきたコマンドを受信し、センサネットサーバ(SS)にデータ取得依頼を送信する。さらに、送受信部(ASSR)は、センサネットサーバ(SS)からセンシングデータを受信し、解析したデータをクライアント(CL)に送信する。
記憶部(ASME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(ASME)は、解析のための設定条件及び解析したデータを格納する。具体的には、記憶部(ASME)は、時間記録(D)、解析条件(ASMJ)、解析アルゴリズム(ASMA)、解析パラメータ(G)、端末情報−氏名対応表(ASMT)、解析結果テーブル(E)、一般情報テーブル(F)を格納する。
時間記録(D)は、解析を始める時刻、解析済みの時刻などが記録され、ここに記録されている時刻をもとに、解析が行なわれる。
解析条件(ASMJ)は、クライアント(CL)から依頼された表示のための解析条件を一時的に記憶しておく。
解析アルゴリズム(ASMA)は、解析を行うプログラムを記録する。クライアント(CL)からの依頼に従って、適切なプログラムが選択され、そのプログラムによって解析が実行される。
解析パラメータ(G)は、解析に必要なパラメータを記録する。例えば、特徴量抽出のためのパラメータである。クライアント(CL)の依頼によってパラメータを変更する際には、解析パラメータ(G)が書き換えられる。
端末情報−氏名対応表(ASMT)は、端末のIDと、その端末を装着した人物の氏名・属性等との対照表である。クライアント(CL)から依頼があれば、センサネットサーバ(SS)から受け取ったデータの端末IDに人物の氏名が追加される。ある属性に適合する人物のデータのみを取得する場合、人物の指名を端末IDに変換してセンサネットサーバ(SS)にデータ取得依頼を送信するために、端末情報−氏名対応表(ASMT)が照会される。
解析結果テーブル(E)は、チーム変換処理(CT1)、積極性解析(CS)、集中時間解析(CJ)によって、解析されたデータを格納するためのデータベースである。
一般情報テーブル(F)は、チーム変換処理(CT1)、積極性解析(CS)、集中時間解析(CJ)を行なう際に、ユーザ名やグループ名を記録しておくテーブルである。
制御部(ASCO)は、中央処理部CPU(図示省略)を備え、データの送受信の制御及びセンシングデータの解析を実行する。具体的には、CPU(図示省略)が記憶部(ASME)に格納されたプログラムを実行することによって、通信制御(ASCC)、チーム変換処理(CT1)、積極性解析(CS)、集中時間解析(CJ)が実行される。
通信制御(ASCC)は、有線又は無線によるセンサネットサーバ(SS)及びクライアントデータ(CL)との通信のタイミングを制御する。さらに、通信制御(ASCC)は、データの形式変換、及び、データの種類別に行き先の振り分けを実行する。
チーム変換処理(CT1)は、積極性解析(CS)や集中時間解析(CJ)から出力した個人の指標からチームの指標に変換する処理である。
積極性解析(CS)は、時間記録(D)に記載されている時刻になったら起動し、積極性解析(CS)を実行する。積極性解析(CS)では、1分動作検出処理(CS1A)、対面補完処理(IM)、5分対面検出処理(CS5I)、積極性処理(CSS)、積極性精度向上処理(CSK)、積極性統合処理(CST)を行ない、解析した結果を解析結果テーブル(E)に格納する。さらに、解析済みの時刻を時間記録(D)に記載する。
集中時間解析(CJ)は、時間記録(D)に記載されている時刻になったら起動し、集中時間解析(CJ)を実行する。集中時間解析(CJ)では、1分対面検出処理(CJ1M)、対面補完処理(IM)、5分動作検出処理(CJ5A)、集中時間処理(CJJ)、集中時間精度向上処理(CJK)、集中時間統合処理(CJT)を行ない、解析した結果を解析結果テーブル(E)に格納する。さらに、解析済みの時刻を時間記録(D)に記載する。
閲覧者の所望情報である解析条件設定(CLIS)がアプリケーションサーバ(AS)に送信され、その内容をもとに解析が行なわれる。その前に、解析条件設定(CLIS)から解析に必要な時間をチェックする。時間記録(D)と比較することにより、解析結果テーブル(E)のデータだけで処理ができるのか、できないのかを判断する。解析結果テーブル(E)だけの内容のみでは不十分で解析ができない場合には、不足している時間分の解析を行なう。
図1(a)に示すクライアント(CL)は、クライアントユーザ(US)との接点となって、データを入出力する。クライアント(CL)は、入出力部(CLIO)、送受信部(CLSR)、記憶部(CLME)及び制御部(CLCO)を備える。
入出力部(CLIO)は、クライアントユーザ(US)とのインタフェースとなる部分である。入出力部(CLIO)は、ディスプレイ(CLOD)、キーボード(CLIK)及びマウス(CLIM)等を備える。必要に応じて外部入出力(CLIU)に他の入出力装置を接続することもできる。
ディスプレイ(CLOD)は、CRT(CATHODE−RAY TUBE)又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ(CLOD)は、プリンタ等を含んでもよい。
送受信部(CLSR)は、アプリケーションサーバ(AS)又はセンサネットサーバ(SS)との間でデータの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(CLSR)は、解析条件(CLMP)をアプリケーションサーバ(AS)に送信し、解析結果を受信する。
記憶部(CLME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(CLME)は、解析条件(CLMP)及び描画設定情報(CLMT)等の、描画に必要な情報を記録する。解析条件(CLMP)は、クライアントユーザ(US)から設定された解析対象のメンバの数及び解析方法の選択等の条件を記録する。描画設定情報(CLMT)は、図面のどの部分に何をプロットするかという描画位置に関する情報を記録する。さらに、記憶部(CLME)は、制御部(CLCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納してもよい。
制御部(CLCO)は、CPU(図示省略)を備え、通信の制御、クライアントユーザ(US)からの解析条件の入力、及び、解析結果をクライアントユーザ(US)に提示するための描画等を実行する。具体的には、CPUは、記憶部(CLME)に格納されたプログラムを実行することによって、通信制御(CLCC)、解析条件設定(CLIS)、描画設定(CLTS)、表示(CLDP)の処理を実行する。
通信制御(CLCC)は、有線又は無線によるアプリケーションサーバ(AS)又はセンサネットサーバ(SS)との間の通信のタイミングを制御する。また、通信制御(CLCC)は、データの形式を変換し、データの種類別に行き先を振り分ける。
解析条件設定(CLIS)は、クライアントユーザ(US)から入出力部(CLIO)を介して指定される解析条件を受け取り、記憶部(CLME)の解析条件(CLMP)に記録する。ここでは、解析に用いるデータの期間、メンバ、解析の種類及び解析のためのパラメータ等が設定される。クライアント(CL)は、これらの設定をアプリケーションサーバ(AS)に送信して解析を依頼し、それと並行して描画設定(CLTS)を実行する。
描画設定(CLTS)は、解析条件(CLMP)に基づいて解析結果を表示する方法、及び、図面をプロットする位置を計算する。この処理の結果は、記憶部(CLME)の描画設定情報(CLMT)に記録される。
表示(CLDP)は、アプリケーションサーバ(AS)から取得した解析結果を描画設定情報(CLMT)に記載されている形式にもとづいて表示画面を生成する。例えば、描画設定情報(CLMT)には知識創造行動バランス表示(CL2M)等が格納されている。このとき必要であれば、表示(CLDP)は、表示されている人物の氏名等の属性も表示する。作成された表示結果は、ディスプレイ(CLOD)等の出力装置を介してクライアントユーザ(US)に提示される。ドラッグ&ドロップ等の操作によって、クライアントユーザ(US)が表示位置を微調整することもできる。
図1(b)に示す基地局(GW)は、図1(c)に示す名札型センサノード(TR)とセンサネットサーバ(SS)を仲介する役目を持つ。無線の到達距離を考慮して、居室・職場等の領域をカバーするように複数の基地局(GW)が配置される。基地局(GW)は、送受信部(GWSR)、記憶部(GWME)、時計(GWCK)及び制御部(GWCO)を備える。
送受信部(GWSR)は、名札型センサノード(TR)からの無線信号を受信し、センサネットサーバ(SS)への有線又は無線による送信を行う。さらに、送受信部(GWSR)は、無線を受信するためのアンテナを備える。
記憶部(GWME)は、ハードディスク、フラッシュメモリのような不揮発性記憶装置で構成される。記憶部(GWME)には、少なくとも動作設定(GWMA)、データ形式情報(GWMF)、端末管理テーブル(GWTT)、及び基地局情報(GWMG)が格納される。動作設定(GWMA)は、基地局(GW)の動作方法を示す情報を含む。データ形式情報(GWMF)は、通信のためのデータ形式を示す情報、及び、センシングデータにタグを付けるために必要な情報を含む。端末管理テーブル(GWTT)は、現在アソシエイトできている配下の名札型センサノード(TR)の端末情報(TRMT)、及び、それらの名札型センサノード(TR)を管理するために配布しているローカルIDを含む。基地局情報(GWMG)は、基地局(GW)自身のアドレスなどの情報を含む。また、記憶部(GWME)には名札型センサノードの更新されたファームウェア(GWMW)を一時的に格納する。
記憶部(GWME)には、さらに、制御部(GWCO)中の中央処理部CPU(図示省略)によって実行されるプログラムが格納されてもよい。
時計(GWCK)は時刻情報を保持する。一定間隔でその時刻情報は更新される。具体的には、一定間隔でNTP(NETWORK TIME PROTOCOL)サーバ(TS)から取得した時刻情報によって、時計(GWCK)の時刻情報が修正される。
制御部(GWCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、センシングデータの取得タイミング、センシングデータの処理、名札型センサノード(TR)やセンサネットサーバ(SS)への送受信のタイミング、及び、時刻同期のタイミングを管理する。具体的には、CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、通信制御部(GWCC)、アソシエイト(GWTA)、時刻同期管理(GWCD)及び時刻同期(GWCS)等の処理を実行する。
通信制御部(GWCC)は、無線又は有線による名札型センサノード(TR)及びセンサネットサーバ(SS)との通信のタイミングを制御する。また、通信制御部(GWCC)は、受信したデータの種類を区別する。具体的には、通信制御部(GWCC)は、受信したデータが一般のセンシングデータであるか、アソシエイトのためのデータであるか、時刻同期のレスポンスであるか等をデータのヘッダ部分から識別して、それらのデータをそれぞれ適切な機能に渡す。
なお、通信制御部(GWCC)は、記憶部(GWME)に記録されたデータ形式情報(GWMF)を参照して、送受信のために適した形式にデータを変換し、データの種類を示すためのタグ情報を付け加えるデータ形式変換を実行する。
アソシエイト(GWTA)は、名札型センサノード(TR)から送られてきたアソシエイト要求(TRTAQ)に対する応答(TRTAR)を送信し、各名札型センサノード(TR)に割り付けたローカルIDを送信する。アソシエイトが成立したら、アソシエイト(GWTA)は、端末管理テーブル(GWTT)と端末ファームウェア(GWMW)を用いて端末管理情報を修正する(GWTF)。
時刻同期管理(GWCD)は、時刻同期を実行する間隔及びタイミングを制御し、時刻同期するように命令を出す。あるいは、この後説明するセンサネットサーバ(SS)が時刻同期管理(GWCD)を実行することによって、センサネットサーバ(SS)からシステム全体の基地局(GW)に統括して命令を送ってもよい。
時刻同期(GWCS)は、ネットワーク上のNTPサーバ(TS)に接続し、時刻情報の依頼及び取得を行う。時刻同期(GWCS)は、取得した時刻情報に基づいて、時計(GWCK)を修正する。そして、時刻同期(GWCS)は、名札型センサノード(TR)に時刻同期の命令と時刻情報(GWCSD)を送信する。
図1(b)に示すセンサネットサーバ(SS)は、全ての名札型センサノード(TR)から集まったデータを管理する。具体的には、センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)から送られてくるデータをデータベースに格納し、また、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)からの要求に基づいてセンシングデータを送信する。さらに、センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)からの制御コマンドを受信し、その制御コマンドから得られた結果を基地局(GW)に返信する。
センサネットサーバ(SS)は、送受信部(SSSR)、記憶部(SSME)及び制御部(SSCO)を備える。時刻同期管理(GWCD)がセンサネットサーバ(SS)で実行される場合、センサネットサーバ(SS)は時計も必要とする。
送受信部(SSSR)は、基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)との間で、データの送信及び受信を行う。具体的には、送受信部(SSSR)は、基地局(GW)から送られてきたセンシングデータを受信し、アプリケーションサーバ(AS)又はクライアント(CL)へセンシングデータを送信する。
記憶部(SSME)は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置によって構成され、少なくとも、パフォーマンステーブル(BB)、データ形式情報(SSMF)、データテーブル(BA)及び端末管理テーブル(SSTT)を格納する。さらに、記憶部(SSME)は、制御部(SSCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納してもよい。更に、記憶部(SSME)には、端末ファームウェア登録部(TFI)において格納された名札型センサノードの更新された端末ファームウェア(SSMW)を一時的に格納する。
パフォーマンステーブル(BB)は、名札型センサノード(TR)から又は既存のデータから入力された、組織や個人に関する評価(パフォーマンス)を、時刻データと共に記録するためのデータベースである。パフォーマンステーブル(BB)は、図2(a)のパフォーマンステーブル(BB)と同じものである。
データ形式情報(SSMF)には、通信のためのデータ形式、基地局(GW)でタグ付けされたセンシングデータを切り分けてデータベースに記録する方法、及び、データの要求に対する対応方法等が記録されている。後で説明するように、データ受信の後、データ送信の前には必ずこのデータ形式情報(SSMF)が通信制御部(SSCC)によって参照され、データ形式変換(SSMF)とデータ管理(SSDA)が行われる。
データテーブル(BA)は、各名札型センサノード(TR)が取得したセンシングデータ、名札型センサノード(TR)の情報、及び、各名札型センサノード(TR)から送信されたセンシングデータが通過した基地局(GW)の情報等を記録しておくためのデータベースである。加速度、温度等、データの要素ごとにカラムが作成され、データが管理される。また、データの要素ごとにテーブルが作成されてもよい。どちらの場合にも、全てのデータは、取得された名札型センサノード(TR)のIDである端末情報(TRMT)と、取得された時刻に関する情報とが関連付けて管理される。
端末管理テーブル(SSTT)は、どの名札型センサノード(TR)が現在どの基地局(GW)の管理下にあるかを記録しているテーブルである。基地局(GW)の管理下に新たに名札型センサノード(TR)が加わった場合、端末管理テーブル(SSTT)は更新される。
制御部(SSCO)は、中央処理部CPU(図示省略)を備え、センシングデータの送受信やデータベースへの記録・取り出しを制御する。具体的には、CPUが記憶部(SSME)に格納されたプログラムを実行することによって、通信制御(SSCC)、端末管理情報修正(SSTF)及びデータ管理(SSDA)等の処理を実行する。
通信制御部(SSCC)は、有線又は無線による基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)との通信のタイミングを制御する。また、通信制御部(SSCC)は、上述の通り、送受信するデータの形式を、記憶部(SSME)内に記録されたデータ形式情報(SSMF)に基づいて、センサネットサーバ(SS)内におけるデータ形式、又は、各通信相手に特化したデータ形式に変換する。さらに、通信制御(SSCC)は、データの種類を示すヘッダ部分を読み取って、対応する処理部へデータを振り分ける。具体的には、受信されたデータはデータ管理(SSDA)へ、端末管理情報を修正するコマンドは端末管理情報修正(SSTF)へ振り分けられる。送信されるデータの宛先は、基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)又はクライアント(CL)に決定される。
端末管理情報修正(SSTF)は、基地局(GW)から端末管理情報を修正するコマンドを受け取った際に、端末管理テーブル(SSTT)を更新する。
データ管理(SSDA)は、記憶部(SSME)内のデータの修正・取得及び追加を管理する。例えば、データ管理(SSDA)によって、センシングデータは、タグ情報に基づいてデータの要素別にデータベースの適切なカラムに記録される。センシングデータがデータベースから読み出される際にも、時刻情報及び端末情報に基づいて必要なデータを選別し、時刻順に並べ替える等の処理が行われる。
センサネットサーバ(SS)が、基地局(GW)を介して受け取ったデータを、データ管理(SSDA)によってパフォーマンステーブル(BB)及びデータテーブル(BA)に整理して記録することが、図2(a)における組織ダイナミクスデータ収集(B)に相当する。
パフォーマンス入力(C)は、パフォーマンスを示す値を入力する処理である。ここで、パフォーマンスとは、何らかの基準に基づいて判定される主観的又は客観的な評価である。例えば、所定のタイミングで、名札型センサノード(TR)を装着した人物は、その時点における業務の達成度、組織に対する貢献度及び満足度等、何らかの基準に基づく主観的な評価(パフォーマンス)の値を入力する。所定のタイミングとは、例えば、数時間に一度、一日に一度、又は、会議等のイベントが終了した時点であってもよい。名札型センサノード(TR)を装着した人物は、その名札型センサノード(TR)を操作して、又は、クライアント(CL)のようなパーソナルコンピュータ(PC)を操作して、パフォーマンスの値を入力することができる。あるいは、手書きで記入された値が後にまとめてPCで入力されてもよい。本実施の形態では、図2に示すような名札型センサノードからレイティングとして人(SOCIAL)、行(INTELLECTUAL)、心(SPIRITUAL)、体(PHYSICAL)、知(EXECUTIVE)のパフォーマンスを入力できる例を示している。入力されたパフォーマンス値は、解析処理に用いられる。それぞれの問いの意味は、人は「豊かな人間関係(協力・共感)をつくれましたか」、行は「やるべきことを実行できましたか」、心は「仕事にやりがい、充実を感じましたか」、体は「体に配慮(休養・栄養・運動)できましたか」、知「新しい知(気づき、知識)を得ましたか」である。
組織に関するパフォーマンスは、個人のパフォーマンスから算出されてもよい。売上高又はコスト等の客観的なデータ、及び、顧客のアンケート結果等の既に数値化されているデータが、パフォーマンスとして定期的に入力されてもよい。生産管理等におけるエラー発生率等のように、自動で数値が得られる場合、得られた数値が自動的にパフォーマンスの値として入力されてもよい。さらに、国民総生産(GNP)などの経済指標を入力してもかまわない。パフォーマンス入力部から入力されたパフォーマンスは、パフォーマンステーブルに格納される。
図1(c)は、センサノードの一実施例である名札型センサノード(TR)の構成を示しており、名札型センサノード(TR)は人間の対面状況を検出するための複数の赤外線送受信部(AB)、装着者の動作を検出するための三軸加速度センサ(AC)、装着者の発話と周囲の音を検出するためのマイク(AD)、名札型センサノードの裏表検知のための照度センサ(LS1F、LS1B)、温度センサ(AE)の各種センサを搭載する。搭載するセンサは一例であり、装着者の対面状況と動作を検出するために他のセンサを使用してもよい。
本実施例では、赤外線送受信部を4組搭載する。赤外線送受信部(AB)は、名札型センサノード(TR)の固有識別情報である端末情報(TRMT)を正面方向に向かって定期的に送信し続ける。他の名札型センサノード(TR)を装着した人物が略正面(例えば、正面又は斜め正面)に位置した場合、名札型センサノード(TR)と他の名札型センサノード(TR)は、それぞれの端末情報(TRMT)を赤外線で相互にやり取りする。このようにすることにより、誰と誰が対面しているのかを記録することができる。
各赤外線送受信部は一般に、赤外線送信のための赤外発光ダイオードと、赤外線フォトトランジスタの組み合わせにより構成される。赤外線ID送信部(IRID)は、自らのIDである端末情報(TRMT)を生成して赤外線送受信モジュールの赤外線発光ダイオードに対して転送する。本実施例では、複数の赤外線送受信モジュールに対して同一のデータを送信することで、全ての赤外線発光ダイオードが同時に点灯する。もちろん、それぞれ独立のタイミング、別のデータを出力してもよい。
また、赤外線送受信部(AB)の赤外線フォトトランジスタによって受信されたデータは、論理和回路(IROR)によって論理和が取られる。つまり、最低どれか一つの赤外線受光部でID受光されていれば名札型センサノードにIDとして認識される。もちろん、IDの受信回路を独立して複数持つ構成でもよい。この場合、それぞれの赤外線送受信モジュールに対して送受信状態が把握できるので、例えば、対面する別の名札型センサノードがどの方向にいるかなど付加的な情報を得ることも可能である。
センサによって検出したセンサデータ(SENSD)はセンサデータ格納制御部(SDCNT)によって、記憶部(STRG)に格納される。センサデータ(SENSD)は通信制御部(TRCC)によって送信パケットに加工され、送受信部(TRSR)によって基地局(GW)に対し送信される。
このとき、記憶部(STRG)からをセンサデータ(SENSD)取り出し、無線送信するタイミングを生成するのが通信タイミング制御部(TRTMG)である。通信タイミング制御部(TRTMG)は、複数のタイミングを生成する複数のタイムベースを持つ。
記憶部に格納されるデータには、現在センサによって検出したセンサデータ(SENSD)の他、過去に蓄積した纏め贈りデータ(CMBD)や、名札型センサノードの動作プログラムであるファームウェアを更新するためのファームウェア更新データ(FMUD)がある。
本実施例の名札型センサノード(TR)は、外部電源接続検出回路(PDET)により、外部電源(EPOW)が接続されたことを検出し、外部電源検出信号(PDETS)を生成する。外部電源検出信号(PDETS)によって、通信タイミング制御部(TRTMG)が生成する送信タイミングを切り替えるタイムベース切替部(TMGSEL)、または無線通信されるデータを切り替えるデータ切替部(TRDSEL)が本実施例の特有の構成である。図1(c)では一例として、送信タイミングを、タイムベース1(TB1)とタイムベース(TB2)の2つのタイムベースを、外部電源検出信号(PDETS)によってタイムベース切替部(TMGSEL)が切り替える構成を図示している。また、通信されるデータを、センサから得たセンサデータ(SENSD)と、過去に蓄積した纏め贈りデータ(CMBD)と、ファームウェア更新データ(FMUD)とから、外部電源検出信号(PDETS)によってデータ切替部(TRDSEL)が切り替える構成を図示している。
照度センサ(LS1F、LS1B)は、それぞれ名札型センサノード(TR)の前面と裏面に搭載される。照度センサ(LS1F、LS1B)により取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、裏返り検知部(FBDET)によって比較される。名札が正しく装着されているときは、前面に搭載されている照度センサ(表)(LS1F)が外来光を受光し、裏面に搭載されている照度センサ(裏)(LS1B)は名札型センサノード本体と装着者との間に挟まれる位置関係となるため、外来光を受光しない。このとき、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度より、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度の方が大きな値を取る。一方で、名札型センサノード(TR)が裏返った場合、照度センサ(裏)(LS1B)が外来光を受光し、照度センサ(表)(LS1F)が装着者側を向くため、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度より、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度の方が大きくなる。
ここで、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度と、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度を裏返り検知部(FBDET)で比較することで、名札ノードが裏返って、正しく装着していないことが検出できる。裏返り検知部(FBDET)で裏返りが検出されたとき、スピーカ(SP)により警告音を発生して装着者に通知する。
マイク(AD)は、音声情報を取得する。音声情報によって、「騒々しい」又は「静か」等の周囲の環境を知ることができる。さらに、人物の声を取得・分析することによって、コミュニケーションが活発か停滞しているのか、相互に対等に会話をやり取りしているか一方的に話しているのか、怒っているのか笑っているのか、などの対面コミュニケーションを分析することができる。さらに、人物の立ち位置等の関係で赤外線送受信器(AB)が検出できなかった対面状態を、音声情報及び加速度情報によって補うこともできる。
マイク(AD)で取得される音声は、音声波形及び、それを積分回路(AVG)で積分した信号の両方を取得する。積分した信号は、取得した音声のエネルギーを表す。
三軸加速度センサ(AC)は、ノードの加速度すなわちノードの動きを検出する。このため、加速度データから、名札型センサノード(TR)を装着した人物の動きの激しさや、歩行などの行動を解析することができる。さらに、複数の名札型センサノード(TR)が検出した加速度の値を比較することによって、それらの名札型センサノード(TR)を装着した人物間のコミュニケーションの活性度や相互のリズム、相互の相関等を解析できる。
本実施例の名札型センサノード(TR)では、三軸加速度センサ(AC)で取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、上下検知回路(UDDET)によって名札の向きを検出する。これは、三軸加速度センサ(AC)で検出される加速度は、装着者の動きによる動的な加速度変化と、地球の重力加速度による静的加速度の2種類が観測されることを利用している。
表示装置(LCDD)は、名札型センサノード(TR)を胸に装着しているときは、装着者の所属、氏名などの個人情報を表示する。つまり、名札として振舞う。一方で、装着者が名札型センサノード(TR)を手に持ち、表示装置(LCDD)を自分の方に向けると、名札型センサノード(TR)の転地が逆になる。このとき、上下検知回路(UDDET)によって生成される上下検知信号(UDDETS)により、表示装置(LCDD)に表示される内容と、ボタンの機能を切り替える。本実施例では、上下検知信号(UDDETS)の値により、表示装置(LCDD)に表示させる情報を、表示制御(DISP)によって生成される赤外線アクティビティ解析(ANA)による解析結果と、名札表示(DNM)とを切り替える例を示している。
赤外線送受信器(AB)がノード間で赤外線をやり取りすることによって、名札型センサノード(TR)が他の名札型センサノード(TR)と対面したか否か、すなわち、名札型センサノード(TR)を装着した人物が他の名札型センサノード(TR)を装着した人物と対面したか否かが検出される。このため、名札型センサノード(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。上述の通り、名札型センサノード(TR)は、さらに、三軸加速度センサ(AC)等のセンサを備える。名札型センサノード(TR)におけるセンシングのプロセスが、図2(a)における組織ダイナミクスデータ取得(A)に相当する。
名札型センサノード(TR)は多くの場合には複数存在し、それぞれが近い基地局(GW)と結びついてパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成している。
名札型センサノード(TR)の温度センサ(AE)は名札型センサノード(TR)のある場所の温度を、照度センサ(表)(LS1F)は名札型センサノード(TR)の正面方向などの照度を取得する。これによって、周囲の環境を記録することができる。例えば、温度及び照度に基づいて、名札型センサノード(TR)が、ある場所から別の場所に移動したこと等を知ることもできる。
装着した人物に対応した入出力装置として、ボタン1〜3(BTN1〜3)、表示装置(LCDD)、スピーカ(SP)等を備える。
記憶部(STRG)は、具体的にはハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発記憶装置で構成され、名札型センサノード(TR)の固有識別番号である端末情報(TRMT)、センシングの間隔、及び、ディスプレイへの出力内容等の動作設定(TRMA)を記録している。この他にも記憶部(STRG)は一時的にデータを記録することができ、センシングしたデータを記録しておくために利用される。
通信タイミング制御部(TRTMG)は、時刻情報(GWCSD)を保持し、一定間隔でその時刻情報(GWCSD)を更新する時計である。時間情報は、時刻情報(GWCSD)が他の名札型センサノード(TR)とずれることを防ぐために、基地局(GW)から送信される時刻情報(GWCSD)によって定期的に時刻を修正する。
センサデータ格納制御部(SDCNT)は、記憶部(STRG)に記録された動作設定(TRMA)に従って、各センサのセンシング間隔などを制御し、取得したデータを管理する。
時刻同期は、基地局(GW)から時刻情報を取得して時計(TRCK)を修正する。時刻同期は、後述するアソシエイトの直後に実行されてもよいし、基地局(GW)から送信された時刻同期コマンドに従って実行されてもよい。
通信制御部(TRCC)は、データを送受信する際に、送信間隔の制御、及び、送受信に対応したデータフォーマットへの変換を行う。通信制御部(TRCC)は、必要であれば、無線でなく有線による通信機能を持ってもよい。通信制御部(TRCC)は、他の名札型センサノード(TR)と送信タイミングが重ならないように輻輳制御を行うこともある。
アソシエイト(TRTA)は、図1(b)に示す基地局(GW)とパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成するためのアソシエイト要求(TRTAQ)と、アソシエイト応答(TRTAR)を送受信し、データを送信すべき基地局(GW)を決定する。アソシエイト(TRTA)は、名札型センサノード(TR)の電源が投入されたとき、及び、名札型センサノード(TR)が移動した結果それまでの基地局(GW)との送受信が絶たれたときに実行される。アソシエイト(TRTA)の結果、名札型センサノード(TR)は、その名札型センサノード(TR)からの無線信号が届く近い範囲にある一つの基地局(GW)と関連付けられる。
送受信部(TRSR)は、アンテナを備え、無線信号の送信及び受信を行う。必要があれば、送受信部(TRSR)は、有線通信のためのコネクタを用いて送受信を行うこともできる。送受信部(TRSR)によって送受信されるデータ(TRSRD)は、基地局(GW)との間でパーソナルエリアネットワーク(PAN)を介して転送される。
図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)、図2(e)は、一つの実施形態であるビジネス顕微鏡システムにおいて実行される処理の全体の流れを示しており、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。複数の名札型センサノード(TRA、TRB、〜、TRI、TRJ)による組織ダイナミクスデータの取得(A)から、センサデータの解析である積極性解析(CS)と集中時間解析(CJ)を行ない、その解析結果を知識創造行動バランス表示(CL2M)にて可視化を行ない、可視化結果は知識創造行動バランス(HA)として表示されるという、一連の流れを示している。
本実施形態では、端末のユーザの動きを示す加速度データ及び対面状態を示す対面データに基づいて積極性解析(CS)と集中時間解析(CJ)を行う点を特徴とする。これにより、ホワイトカラーの生産性の指標を求めることが可能となる。さらには、解析結果を知識創造行動バランスとして表示することにより、ホワイトカラー組織の課題が明らかになり、その課題をユーザあるいは組織にフィードバックできる。
まず、図2(a)を用いて組織ダイナミクスデータ取得(A)について説明する。名札型センサノードA(TRA)は、赤外線送受信器(AB)、加速度センサ(AC)、マイク(AD)、温度センサ(AE)等のセンサ類と、正味(AFA)、気づき(AFB)、感謝(AFC)のボタン(AF)のボタン類から構成されている。
赤外線送受信器から得られた対面情報を表示する画面(AG)と、レイティングを入力するユーザインタフェース(AA)、また図示は省略するが、マイクロコンピュータ及び無線送信機能を有する。
加速度センサ(AC)は、名札型センサノードA(TRA)の加速度(すなわち、名札型センサノードA(TRA)を装着している人物A(図示省略)の加速度)を検出する。赤外線送受信器(AB)は、名札型センサノードA(TRA)の対面状態(すなわち、名札型センサノードA(TRA)が他の名札型センサノードと対面している状態)を検出する。なお、名札型センサノードA(TRA)が他の名札型センサノードと対面していることは、名札型センサノードA(TRA)を装着した人物Aが、他の名札型センサノードを装着した人物と対面していることを示す。マイク(AD)は、名札型センサノードA(TRA)の周囲の音、温度センサ(AE)は、名札型センサノードA(TRA)の周囲の温度を検出する。
ボタン(AF)は名札型センサノードA(TRA)を装着している人物A(図示省略)の主観的な視点からの入力を行うものである。主業務を行っている場合には正味(AFA)、新しいアイデアなどが発見した場合には、気づき(AFB)、メンバに感謝することがあった場合には、感謝(AFC)のボタンを押す。
本実施の形態のシステムでは、複数の名札型センサノード(図2(a)の名札型センサノードA(TRA)〜名札型センサノードJ(TRJ))を備える。各名札型センサノードは、それぞれ、一人の人物に装着される。例えば、名札型センサノードA(TRA)は人物Aに、名札型センサノードB(TRB)は人物B(図示省略)に装着される。人物間の関係性を解析し、さらに、組織のパフォーマンスを図示するためである。
なお、名札型センサノードB(TRB)〜名札型センサノードJ(TRJ)も、名札型センサノードA(TRA)と同様、センサ類、マイクロコンピュータ及び無線送信機能を備える。以下の説明において、名札型センサノードA(TRA)〜名札型センサノードJ(TRJ)のいずれにも当てはまる説明をする場合、及び、それらの名札型センサノードを特に区別する必要がない場合、名札型センサノードと記載する。
各名札型センサノードは、常時(又は短い間隔で繰り返し)センサ類によるセンシングを実行する。そして、各名札型センサノードは、取得したデータ(センシングデータ)を、所定の間隔で無線によって送信する。データを送信する間隔は、センシング間隔と同じであってもよいし、センシング間隔より大きい間隔であってもよい。このとき送信されるデータには、センシングした時刻と、センシングした名札型センサノードの固有の識別子(ID)が付与される。データの無線送信をまとめて実行するのは、送信による電力消費を抑えることによって、人が装着したままで、名札型センサノード(TR)の使用可能状態を長時間維持するためである。また、全ての名札型センサノードにおいて同一のセンシング間隔が設定されていることが、後の解析のためには望ましい。
無線によって各名札型センサノードから送信されたデータは、組織ダイナミクスデータ収集(B)において収集され、データベースに格納される。データテーブル(BA)は名札型センサノードから得られたセンサデータを格納する。
ユーザID(BAA)はユーザの識別子、取得時間(BAB)は名札型センサノード(TR)が受信した時刻、基地局(BAC)は名札型センサノード(TR)と通信を行った基地局、加速度センサ(BAD)は加速度センサ(AC)のセンサデータ、IRセンサ(BAE)は赤外線送受信器(AB)のセンサデータ、音センサ(BAF)はマイク(AD)のセンサデータ、温度(BAG)は温度センサ(AE)のセンサデータ、気づき(BAH)は気づき(AFB)ボタンの押下の有無、感謝(BAI)は感謝(AFC)ボタンの押下の有無、正味(BAJ)は正味(AFA)ボタンの押下の有無を示している。
パフォーマンステーブル(BB)はパフォーマンス入力(C)やレイティング入力(AA)において入力されたパフォーマンスの値を格納する。
ユーザID(BBA)はユーザの識別子、取得時間(BBB)は名札型センサノード(TR)でレイティング入力(AA)した時刻、もしくは、パフォーマンス入力(C)した時刻である。SOCIAL(BBC)、INTELLECTUAL(BBD)、SPIRITUAL(BBE)、PHYSICAL(BBF)、EXECUTIVE(BBG)はレイティング内容である。
また、ダイナミクスデータ収集(B)では、データが届いた順に格納するため、必ずしも、時刻順になっているとは限らない。また、データテーブル(BA)やデータテーブル(BA)は1例であり、センサデータ毎にテーブルを作成しても構わない。
積極性解析(CS)はユーザの積極的な活動の解析を行う。組織ダイナミクスデータ収集(B)のデータテーブル(BA)を入力とし、センサデータから対面時の積極的な行動の指標を求める解析を行う。積極性解析(CS)の処理全体の流れを図2(b)、図2(c)を用いて説明する。
データテーブル(BA)に格納されているセンサデータから対面に関する特徴量を求める処理として、5分対面検出処理(CS5I)と動作に関する特徴量を求める処理として1分動作検出処理(CS1A)を行う。
5分対面検出処理(CS5I)について説明する。対面検出の入力はデータテーブル(BA)のIRセンサ(BAE)である。ユーザ毎に誰と対面したのかを検出する。検出する際には、指定した時刻の区間毎に求めることが望ましく、5分対面検出処理(CS5I)では分析幅を5分間として指定している。
IRセンサ(BAE)の指向性が高いために、ユーザの動きの変化により検知できなくなってしまう場合がある。そこで、実際に対面している時間を求めると、分析幅を5分間とした時が、実際に対面した時間に近いことが判明したため、分析幅を5分間としている。なお、実際に対面している時間が反映されるのであれば、他の分析幅を用いてもよい。
抽出した結果を解析結果テーブル(E)の5分間毎の対面テーブル(EA5I)に格納する。ユーザを1レコードとして、5分間区切りで、時系列順に24時間分の特徴量を代入する。
解析結果テーブル(E)に格納される5分間毎の対面テーブル(EA5I)は、例えば、(EA5IA)の場合、ユーザID0001という人物が、2008/07/26の10:00から0:04までの間に対面した人は2名いて、その2名のユーザIDは0002と0003であるということを示している。他も同様である。 また、5分間毎の対面テーブル(EA5I)は、5分間毎に対面したユーザを特徴量として格納されていればよく、5分間毎の対面テーブル(EA5I)のテーブル構成と異なってもかまわない。
次に、対面補完処理(IM)を行う。対面補完処理の詳細については、図5(a)から図5(c)を用いて後述する。
対面補完処理(IM)した結果を解析結果テーブル(E)内の修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)に格納する。ユーザを1レコードとして、5分間区切りで、時系列順に24時間分の特徴量を代入する。
修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)は、例えば、対面補完処理前は、ユーザID0003という人物が、2008/07/26の10:00から0:04までの間に対面した人は1名(ユーザID0002)であったが、対面補完処理後は、ユーザID0001と0002の2名となっていることを示す(EA5IMB)。
また、修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)は、5分間毎に対面したユーザを特徴量として格納されていればよく、修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)のテーブル構成と異なってもかまわない。
次に、1分動作検出処理(CS1A)について説明する。動作検出の入力はデータテーブル(BA)の加速度センサ(BAD)である。ユーザ毎に動作リズムを検出する。検出する際には、指定した時刻の区間毎に求めることが望ましく、1分動作検出処理(CS1A)では分析幅を1分間として指定している。動作リズムとは、加速度センサ(BAD)から動きの周波数を求めたものである。対面中には積極的な場合と消極的な場合があり、それを区別して検出する必要がある。そこで、本実施形態では、5分対面検出処理(CS5I)の分析幅より短い1分間を選択している。なお、対面中の積極、消極を区別して検出することができれば、他の分析幅を用いてもよい。
抽出した結果を解析結果テーブル(E)の1分間毎の動作テーブル(EA1A)に格納する。ユーザを1レコードとして、1分間区切りで、時系列順に24時間分の特徴量を代入する。
1分間毎の動作テーブル(EA1A)は、例えば、(EA1AA)の場合、ユーザID0001という人物が、2008/07/26の10:00の動作リズムは2.3Hzであることを示している。他も同様である。 また、1分間毎の動作テーブル(EA1A)は、1分間毎のユーザの行動リズムを特徴量として格納されていればよく、1分間毎の動作テーブル(EA1A)のテーブル構成と異なってもかまわない。
次に、積極性処理(CSS)について説明する。積極性処理(CSS)は対面時の積極性を判定する処理である。入力は1日における修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)と1分間毎の動作テーブル(EA1A)である。ユーザ毎に時系列に並べて、同時刻の対面と動作を比較することにより求める。具体的には、対面している場合の動作の特徴量である動作リズムから対面時の積極性を判定する。
(CSS1)のユーザ0001の対面レコードは、修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)におけるユーザID0001の対面レコードである。また、(CSS1)の動作レコードは、1分間毎の動作テーブル(EA1A)におけるユーザID0001の動作レコードである。同時刻の対面と動作を解析パラメータ(G)内の積極性判定テーブル(G1)を用いて判定を行う。つまり、対面(G1A)と動作(G1B)から対応する該当する結果(G1C)を選択する。
例えば、2008/07/26の10:00の積極性を求める場合には、対面2名、かつ、動作2.3Hzなので、結果(G1C)から1が選択される。この結果を2008/07/26の10:00の積極性として、2008/07/26の10:00の結果レコードに代入する(CSS1A)。
(CSS1)では結果の分析に用いている時間幅が1分間となっているが、ここを任意の時間にしてもかまわない。その場合に、もし、対面と動作の時間幅と異なる場合には、平均などの既存の手法を用いて、時間幅をそろえてもかまわない。
ここで、積極性判定テーブル(G1)について説明する。業務中に積極的な行動をすることで、内部/外部からの情報を集めることや、白熱した議論をすることでアイデアを練ることを促進させることができる。その場合に想定される行動として、「言葉だけでなく身振り(ジェスチャ)を含めた対面」や「相手がいる場所まで出向く」などがあげられる。本発明者は、このような対面時のユーザの行動と動作リズムの関係に着目して実験を行ったところ、図13のような実験結果が得られた。そして、対面中で動作リズムが2Hz以上の場合が積極的な行動であることを発見した。そこで、積極性判定テーブルに示すように、動作(G1B)の閾値として2Hzを設け、「対面あり、かつ、2Hz以上」を対面時に積極的であると判定するようにしたのである。
次に、図2(c)の(CSS2)について説明する。(CSS2)は(CSS1)の結果のレコードをカウントした値を代入している。日付(CSS2A)は分析対象の日付、対面:NULL(CSS2B)はNULLのカウント数、対面:なし(CSS2C)は0のカウント数、対面あり(CSS2D)は1から3までのカウント数、動作:2Hz以上(CSS2E)は1のカウント数、動作:2Hz以下(CSS2F)は2のカウント数、動作:NULL(CSS2G)は3のカウント数、を示している。この結果をユーザ毎の積極性テーブル(EASU)に代入する。
ユーザ毎の積極性テーブル(EASU)はユーザ別にまとめたものである。(EASU1)はユーザID0001の積極性テーブルであり、1日をレコードとして(CSS2)を格納する。(EASU1)は日付順に並んでいる。
日付(EASU1A)、対面:NULL(EASU1B)、対面:なし(EASU1C)は、(CSS2)と同様である。また、対面あり(EASU1D)は(CSS1)の結果のレコードにおける1から3までのカウント数を示し、動作:2Hz以上(EASU1E)、動作:2Hz以下(EASU1F)、動作:NULL(EASU1G)は、(CSS2)と同様である。さらに、(2Hz以上)/(2Hz以上+以下)(EASU1H)は、分母を動作:2Hz以上(EASU1E)と動作:2Hz以下(EASU1F)の和で、分子を動作:2Hz以上(EASU1E)としたものである。このようにする理由は対面中の積極的な行動を示している割合を求めるためである。
次に、積極性精度向上処理(CSK)を行う。日々の業務は通常業務の他に、徹夜、出張、休みなどが含まれている。ユーザの業務の質を測定する際には、日常的な行動バランスの性質を知ることが必要である。そこで、できるだけ通常業務を選択する処理を行うことによって、積極性の指標における精度を高めることができる。
具体的には、ユーザ毎の積極性テーブル(EASU)を(2Hz以上)/(2Hz以上+以下)(EASU1H)の大きい順に並べる(CSK1)。そして、次にそれを三等分にし、その中間のグループの平均値を対面アクティブ度とする。
中間グループを選択することにより、徹夜、出張などの影響を少なくして日常業務を反映させることができる。さらにはその平均値を算出して、対面中の積極度を算出する。なお、日常業務を反映できるのであれば、三等分あるいは平均値とは異なる処理を採用できることはいうまでもない。
このように、対面中の積極的な行動の割合を算出し、一部の積極的な行動の割合に基づいて対面積極度を求めることにより、日常的な行動バランスの性質を知ることが可能となる。
ユーザID0001の人物について具体的に説明すると、中間のグループ(CSK1I)の平均値(CSK2F)を求める。(CSK2)は対面アクティブ度をまとめたテーブルである。ユーザID(CSK2A)はユーザのID、積極性(CSK2B)は積極性の指標、対面アクティブ(CSK2C)は対面アクティブ度の指標、有効日数(CSK2D)は分析に用いた日数、全日数(CSK2E)はデータを取得した日数である。
さらに、取得したデータを全て使用すると信頼性が低下することが考えられる。対面:NULL(CSK1B)の値がある閾値よりも大きい場合には、ほとんどデータが取得されていないために信頼性が低下する恐れがあると判断し、その日付のデータは分析には用いない。有効日数(CSK2D)は分析に用いない日のデータを省き、実際に分析に用いた日数を記入する。
積極性統合処理(CST)は、全ユーザの(CSK2)をまとめる処理であり、積極性テーブル(EAB)は積極性統合処理の結果を示し、解析結果テーブル(E)に格納される。ユーザID(EAA)はユーザのID、積極性(EAB)は積極性の指標、対面アクティブ(EABA)は対面アクティブ度の指標、有効日数(EABB)は分析に用いた日数、全日数(EABC)はデータを取得した日数である。この積極性テーブル(EAB)に全ユーザ分を記入後に、積極性解析(CS)が終了する。
次に、図2(a)に示す集中時間解析(CJ)について説明する。集中時間解析(CJ)は、ユーザに集中して作業を行っているか否かを判定する。組織ダイナミクスデータ収集(B)のデータテーブル(BA)を入力とし、センサデータから集中している行動の指標を求める解析を行う。集中時間解析(CJ)の処理全体の流れを示したものが図2(d)、図2(e)である。
データテーブル(BA)に格納されているセンサデータから対面に関する特徴量を求める処理として1分対面検出処理(CS1I)と動作に関する特徴量を求める処理として5分動作検出処理(CS5A)を実行する。
まず、1分対面検出処理(CS1I)について説明する。対面検出の入力はデータテーブル(BA)のIRセンサ(BAE)である。ユーザ毎に誰と対面したのかを検出する。検出する際には、指定した時刻の区間毎に求めることが望ましく、1分対面検出処理(CS1I)では分析幅を1分間として指定している。対面は集中している時に他者からの割り込みを検知するために用いるため、5分動作検出処理(CS5A)の時間幅より短い1分間とした。抽出した結果を解析結果テーブル(E)の1分間毎の対面テーブル(EA1I)に格納する。ユーザを1レコードとして、1分間区切りで、時系列順に24時間分の特徴量を代入する。
積極性解析(CS)では、5分対面検出処理(CS5I)を行っているが、1分間区切りにしたものが1分対面検出処理(CS1I)である。さらに、データを格納するテーブルも積極性解析(CS)で示した5分間毎の対面テーブル(EA5I)と同じであり、異なる点は、分析に用いている区間である。5分間毎の対面テーブル(EA5I)は5分間区切りであるが、1分間毎の対面テーブル(EA1I)は1分間区切りである。また、1分間毎の対面テーブル(EA1I)は、1分間毎に対面したユーザを特徴量として格納されていればよく、1分間毎の対面テーブル(EA1I)のテーブル構成と異なってもかまわない。
また、1例として1分幅を用いたが、集中時に他からの割り込みによる業務の中断を検知できるならば、ほかの分析幅を用いてもかまわない。
次に対面補完処理(IM)を行う。対面補完処理の詳細については、図5(a)から図5(c)を用いて後述する。対面補完処理(IM)の出力結果である解析結果テーブル(E)の修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)に格納する。修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)は、積極性解析(CS)における修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)と同様であり、異なる点は、分析に用いている区間である。修正後の5分間毎の対面テーブル(EA5IM)は5分間区切りであるが、修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)は1分間区切りである。
また、修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)は、1分間毎に対面したユーザを特徴量として格納されていればよく、修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)でのテーブル構成と異なってもかまわない。
次に、5分動作検出処理(CS5A)について説明する。動作が変化するときに名札型センサノードの動きが小刻みに動くため、行動が大きな値になりやすい。このような変化点を求めるのではなく、集中している時間帯の動作そのものを求めるためには、このような値をはずれ値として省く必要がある。分析幅が短いと変化点の影響を受けやすくなるため、分析時間幅を長くする。そこで、集中時間解析においては、動作の分析幅を5分間とした。1例として5分幅を用いたが、集中している時間帯の動作そのものを求めることができれば、他の分析幅でもかまわない。
動作検出の入力はデータテーブル(BA)の加速度センサ(BAD)である。ユーザ毎に動作リズムを検出する。検出する際には、指定した時刻の区間毎に求めることが望ましく、5分動作検出処理(CS5A)では分析幅を5分間として指定している。動作リズムとは、加速度センサ(BAD)から動きの周波数を求めたものである。 抽出した結果を解析結果テーブル(E)の5分間毎の動作テーブル(EA5A)に格納する。ユーザを1レコードとして、5分間区切りで、時系列順に24時間分の特徴量を代入する。
積極性解析(CS)では、1分動作検出処理(CS1A)を行なっているが、これは1分間区切りであり、これを5分間区切りにしたものが5分動作検出処理(CS5A)である。さらに、データを格納するテーブルも積極性解析(CS)で示した1分間毎の動作テーブル(EA1A)と同じであり、異なる点は、分析に用いている区間である。1分間毎の動作テーブル(EA1A)は1分間区切りであるが、5分間毎の動作テーブル(EA5A)は5分間区切りである。
また、5分間毎の動作テーブル(EA5A)は、5分間毎のユーザの行動リズムを特徴量として格納されていればよく、5分間毎の動作テーブル(EA5A)のテーブル構成と異なってもかまわない。
集中時間処理(CJJ)はユーザの集中を判定する処理である。入力は1日における修正後の修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)と5分間毎の動作テーブル(EA5A)である。ユーザ毎に時系列に並べて、同時刻の対面と動作を比較することにより求める。
(CJJ1)のユーザ0001の対面レコードは修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)におけるユーザID0001の対面レコードである。また、(CJJ1)の動作のレコードは、5分間毎の動作テーブル(EA5A)におけるユーザID0001の動作レコードである。同時刻の対面と動作を解析パラメータ(G)内の集中時間判定テーブル(G2)を用いて判定を行う。つまり、対面(G2A)と動作(G2B)から対応する該当する結果(G2C)を選択する。
例えば、2008/07/26の10:00において集中しているか否かを求める場合には、対面1名、かつ、動作3.1Hzなので、結果(G2C)から0が選択される。この結果を2008/07/26の10:00の集中時間として、2008/07/26の10:00の結果レコードに代入する(CJJ1A)。
(CJJ1)では結果の分析に用いている時間幅が1分間となっているが、ここを任意の時間にしてもかまわない。その場合に、もし、対面と動作の時間幅と異なる場合には、平均などの既存の手法を用いて、時間幅をそろえてもかまわない。
ここで、集中時間判定テーブル(G2)について説明する。集中した時間とは、机に座って文章作成や文献調査などの作業を行うこと、また、アイデアをじっくり考えたりすることである。その場合に想定される行動として、「誰とも対面を行わない」や「あまり身振り(ジェスチャ)を行わない」などがあげられる。本発明者は、上述したような実験を行うことにより、文章作成やじっくり考えている時の動作リズムの値は低く、人によるばらつきはあるものの2Hz未満であることを発見した。そこで、集中時間判定テーブルに示すように、動作(G2B)の閾値として2Hzを設け、「対面なし、かつ、2Hz以下」を集中していると判定するようにしたのである。
次に、図2(e)の(CJJ2)について説明する。(CJJ2)は(CJJ1)の結果のレコードをカウントした値を代入している。日付(CJJ22A)は分析対象の日付、動作:NULL(CJJ2B)はNULLのカウント数、動作:2Hz以上(CJJ2C)は0のカウント数、動作2Hz以下(CJJ2D)は1〜3のカウント数、対面なし(CJJ2E)は1のカウント数、対面あり(CJJ2F)は2のカウント数、全体(CJJ2G)は1のカウント数、第1継続時間(CJJ2H)は1が連続して格納されている中で1番目に長いもののカウント数、第2継続時間(CJJ2I)は1が連続して格納されている中で2番目に長いもののカウント数、第3継続時間(CJJ2J)は1が連続して格納されている中で3番目に長いもののカウント数、第3までの和(CJJ2K)は第1継続時間(CJJ2H)と第2継続時間(CJJ2I)と第3継続時間(CJJ2J)の和である。この結果をユーザ毎の集中時間テーブル(EAJU)に代入する。
ユーザ毎の集中時間テーブル(EAJU)は、集中時間解析処理(CJJ)をユーザ別にをまとめたものである。(EAJU1)はユーザID0001の集中時間テーブルであり、1日をレコードとして(CJJ2)を格納する。(EAJU1)は日付順に並んでいる。
日付(EAJU1A)、動作:NULL(EAJU1B)、動作:2Hz以上(EAJU1C)、動作2Hz以下(EAJU1D)、対面なし(EAJU1E)、対面あり(EAJU1F)、全体(EAJU1G)、第1継続時間(EAJU1H)、第2継続時間(EAJU1I)、第3継続時間(EAJU1J)、第3までの和(EAJU1K)は、それぞれ(CJJ2)と同様である。このようにする理由は集中している時間の継続時間を求めているためである。
次に、集中時間精度向上処理(CJK)を行う。日々の業務は通常業務の他に、徹夜、出張、休みなどが含まれている。ユーザの業務の質を測定する際には、日常的な行動バランスの性質を知ることが必要である。そこで、できるだけ通常業務を選択する処理を行うことによって、集中時間の指標における精度を高めることができる。
具体的には、ユーザ毎の集中時間テーブル(EAJU)を第3までの和(EAJU1K)の大きい順に並べる(CJK1)。そして、次にそれを三等分にし、その中間のグループの平均値を集中度とする。中間グループを選択することにより、徹夜、出張などの影響を少なくして日常業務を反映することができる。さらにはその平均値を算出して、業務集中度を算出する。なお、日常業務を反映できるのであれば、三等分あるいは平均値とは異なる処理を採用できることはいうまでもない。
このように、対面していない場合における動作リズム2Hz以下の継続時間(集中時間)を算出し、一部の継続時間に基づいて業務集中時間を求めることにより、日常的な行動バランスの性質を知ることが可能となる。
ユーザID0001の人物について具体的に説明すると、中間のグループ(CJK1L)の平均値(CJK2F)を求める。(CJK2)は集中度をまとめたテーブルである。ユーザID(CJK2A)はユーザのID、集中度 (CJK2B)は集中時間の指標、集中時間 (CJK2C)は集中継続時間の指標、有効日数(CJHK2D)は分析に用いた日数、全日数(CJK2E)はデータを取得した日数である。
さらに取得したデータを全て使用すると信頼性が低下することも考えられる。対面:NULL(CJK1B)の値がある閾値よりも大きい場合には、ほとんどデータが取得されていないために信頼性が低下する恐れがあると判断し、その日付のデータは分析には用いない。有効日数(CJK2D)は分析に用いない日のデータを省き、実際に分析に用いた日数を記入する。
集中時間統合処理(CJT)は、全ユーザの(CJK2)をまとめる処理であり、集中度テーブル(EAC)は集中時間統合処理の結果を示し、解析結果テーブル(E)に格納される。ユーザID(EAA)はユーザのID、集中度(EAC)は集中時間の指標、集中時間(EACA)は集中継続時間の指標、有効日数(EACB)は分析に用いた日数、全日数(EACC)はデータを取得した日数である。
この集中時間テーブル(EAC)に全ユーザ分を記入後に、集中時間解析(CJ)が終了する。
上述した積極性解析(CS)及び集中時間解析(CJ)の解析結果を用いて、図2(a)に示す知識創造行動バランスを表示する処理について説明する。図2(a)に示す積極性・集中度テーブル(EA)は解析結果テーブル(E)に格納されており、積極性解析(CS)の出力である積極性テーブル(EAB)と集中時間解析(CJ)の出力である集中度テーブル(EAC)を組合したものである。積極性テーブル(EAB)と集中度テーブル(EAC)は積極性・集中度テーブル(EA)に格納する際には、同じユーザを1レコードとする。
ここで、知識創造行動バランスとは、知識創造のために必要な行動のバランスを示すものである。知識労働者の業務においてはアイデアを具現化することが重要であり、そのプロセスとして、1人で突き詰めて考えること、他者とコミュニケーションして刺激しあうことの2つが不可欠な要素である。それぞれの質をバランスよく高めることが生産性の向上のために重要であると考えられる。そこで、その質を表す1つの切り口として、前者については継続して個人作業に集中できている時間を、後者については対面時に(受け身、聞き手ではなく)自ら積極的に関わっている割合をセンサから計測し、個人作業とコミュニケーションのバランスの良い業務スタイルを確立するために活用する。
その表示結果の1例が知識創造行動バランス(HA)である。縦軸は積極性(EAB)の対面時アクティブ度(HAA)、集中度(EAC)の集中継続時間(HAB)である。ユーザID0001のデータ(HAC)は、対面アクティブ度0.5、集中継続時間22の座標にプロットされる。
知識創造行動バランス(HA)は、知識創造行動の指標として対面アクティブ度と集中継続時間を用いて、それらのバランスを表示したものである。(HA)において右上に位置した場合には、個人作業時には長い時間集中し、コミュニケーション時には積極的であるという意味で、メリハリのある業務スタイルが出来ている理想的な状態であるといえる。一方、右下に位置している場合は個人作業には十分に時間が取れているが、コミュニケーションが受動的になっている。
また、ユーザをユーザID(EAA)という匿名の状態で扱っているが、ユーザへ提示する際には、実名のほうがわかりやすい。よって、ユーザID(EAA)と実名などの個人情報との対応表が必要になる。
一般情報テーブル(F)内に格納されているユーザ名称対応表(FA)は、ユーザIDと実名などの個人情報との対応を示すものである。ユーザID(FAA)はユーザの番号であり、積極性・集中度テーブル(EA)のユーザID(EAA)と対応が取れている。名称(FAB)はユーザの実名、役職(FAC)はユーザの役職である。例えば、ユーザID0001の実名は加藤であり、役職は部長である。
知識創造行動バランス表示(CL2M)は、ユーザ名称対応表を用いて、例えば丸アイコンによりユーザID0001の人物が部長であることを示している。また、アイコンの近くには名称と信頼度を記載してある(HAD)。信頼度の求め方は全日数から有効日数を割ったものを信頼度として表示する。なお、積極性の指標における信頼度として、上記の処理を採用しているが、公知の処理方法を用いてもかまわない。
また、知識創造行動バランス(HA)は、積極性(EAB)と集中度(EAC)を2次元マップ上へユーザに理解しやすい表記方法で表現することが重要であるため、これが満たされるならば、知識創造行動バランス(HA)の表示構成と異なってもかまわない。知識創造行動バランス表示(CL2M)は、知識創造行動バランス(HA)を出力した後に終了する。
また、図2は個人別の知識創造行動バランスであったが、これは個人だけでなくチーム別へ表示することも可能である。図3は、チーム別の知識創造行動バランスを示すものである。チーム別の知識創造行動バランスは、図2(a)の積極性・集中度テーブル(EA)を用いて求める。
チーム変換処理(CT1)は個人別の積極性・集中度テーブル(EA)をチーム別の積極性・集中度テーブル(EAM)に変換する処理である。変換には一般情報テーブル(F)のチーム/ユーザ対応表(FC)を用いるチーム/ユーザ対応表(FC)は、チームID(FBA)と、そのチームに属しているユーザを示すユーザID(FBB)が記載されている。
個人からチームへの変換方法は、チームID(FBA)に属しているユーザID(FBB)の積極性・集中度テーブル(EA)を参照し、それぞれの平均値を求めて解析結果テーブル(E)の積極性・集中度テーブル(EAM)に格納する。個人からチームへの変換方法として、上記の処理を採用しているが、公知の処理方法を用いてもかまわない。
積極性・集中度テーブル(EAM)は1チームを1レコードとして格納するテーブルである。テーブル形式は積極性・集中度テーブル(EA)と同じである。
知識創造行動バランス表示(CL2M)の表示結果の1例が知識創造行動バランス(HB)である。縦軸は積極性(EAMB)の対面時アクティブ度(HBA)、集中度(EAMC)の集中継続時間(HBB)である。チーム0001ID(HBC)のデータは、対面アクティブが0.535、集中継続時間32の座標にプロットされる。
また、チームをチームID(EAMA)という匿名の状態で扱っているが、個人別の知識創造行動バランスと同様に、ユーザへ提示する際には、実名のほうがわかりやすい。よって、チームID(EAMA)と実名などの個人情報との対応表が必要になる。
一般情報テーブル(F)内に格納されているチーム名称対応表(FD)は、チームIDと名称などの会社情報との対応表である。チームID(FCA)はチームの番号であり、積極性・集中度テーブル(EAM)のチームID(EAMA)と対応が取れている。名称(FCB)はチーム名称である。例えば、チームID0001は総務チームである。
知識創造行動バランス表示(CL2M)は、チーム名称対応表(FD)を用いて、例えば丸アイコンによりチームID0001のチームが総務チームであることを示している。また、アイコンの近くには名称と信頼度を記載してある(HBD)。信頼度の求め方は全日数から有効日数を割ったものを信頼度として表示する。積極性の指標における信頼度として、上記の処理を採用しているが、公知の処理方法を用いてもかまわない。
さらに、アイコンの表示方法も任意に決めることができる。その際には、チーム名称対応表(FD)に追加する必要がある。例えば、支店名や地域などのエリア情報や、フロアや席などの場所情報などである。
また、知識創造行動バランス(HB)は、積極性(EBB)と集中度(EBC)を2次元マップ上へユーザに理解しやすい表記方法で表現することが重要であるため、これが満たされるならば、知識創造行動バランス(HB)の表示構成と異なってもかまわない。知識創造行動バランス表示(CL2M)は知識創造行動バランス(HB)を出力した後に終了する。
このように、組織を構成する個人あるいはチームの知識創造行動バランスを表示することにより、個人作業とコミュニケーションあるいはチーム作業とチーム同士のコミュニケーション、のバランスのよい業務スタイルを確立するために活用することができる。
次に、図2(b)及び図2(d)で示した対面補完処理(IM)に関し、図5(a)から図5(c)を用いて説明する。
対面補完処理(IM)は、対面検出で生じる誤判定を修正するための処理である。対面検出においては、対面相手のセンサノードが赤外線送受信部により送信したデータを受信できたとしても、必ずしもその逆が成立するわけではない。
例えば、図2(b)に示す5分間毎の対面テーブル(EA5I)は、ユーザID0001の人物が、ユーザID0002の人物とユーザID0003の人物と対面していること示している。しかし、ユーザID0003の人物からみた場合、ユーザID0002の人物と対面しているが、ユーザID0001の人物とは対面していない。もし、このような問題が生じた場合には、積極性解析あるいは集中時間解析の精度を高めるために、ユーザID0003の人物が、ユーザID0001の人物と対面しているようにする補完的な処理が必要になる。このような補完的な処理を対面補完処理(IM)で行なう。
図5(a)は、対面結果が一方向の受信だった場合に、双方向にするための補完処理を示すものである。図5(a)(IM1F)は、ある場面における対面を示したものである。ユーザは0001〜0005の5人いて、対面しているユーザ同士には実線で示している。すなわち、ユーザ0001とユーザ0002が対面し(IM1FA)、ユーザ0003とユーザ0004が対面し(IM1FB)、ユーザ0004とユーザ0005が対面している(IM1FC)。
この状況における対面検知の結果を、双方向適用前の対面テーブル(IM1A)に示す。このテーブルは、ある時刻において、ユーザ毎に誰と対面したかを示している。ユーザID(IM1AA)はユーザのIDが記載されており、(IM1AB)は時刻2008/7/26 10:00に対面した相手のユーザIDを示している。例えば、ユーザ0001は2008/7/26 10:00にユーザ0002と対面している。他ユーザも同様である。
対面双方向適用処理(IM1)は、対面が片方向の状態を双方向の状態にするための処理である。双方向適用前の対面テーブル(IM1A)では、ユーザ0001はユーザ0002との対面があるにもかかわらず、ユーザ0002はユーザ0001との対面をしていない。対面双方向適用処理(IM1)では、ユーザ0002はユーザ0001と対面しているように補完処理を施す。他のユーザについても同様である。
対面双方向適用処理の結果を双方向適用後の対面テーブル(IM1B)に示す。ユーザID(IM1BA)はユーザのIDが記載されており、(IM1AB)は時刻2008/7/26 10:00に対面した相手のユーザIDを示している。
この結果から、双方向適用前の対面テーブル(IM1A)で示されていた、対面の片方向の状態が、双方向適用後の対面テーブル(IM1B)では、全て双方向の状態になっていることがわかる。
図5(b)は、2人のユーザ間を別のユーザの名札型センサノードで媒介させることで双方向の対面状態にする。名札型センサノードは赤外線送受信部(AB)を保持しているため、このような処理が可能となる。
例をあげて説明すると、打ち合わせで右側に2人左側に1人いたとする。互いの方向を向きながら打ち合わせをしている場合、右側と左側の人の対面を検知できたとしても、右側同士の2人の対面を検知することができない。よって、この3人で打ち合わせをしているということが検出できない。しかし、この処理を行なうことによって、すなわち左側の人を媒介させることで、右側の2人同士の対面が行なわれていることを示すことができるようになるため、3人で打ち合わせをしているということを示すことができる。
図5(b)(IM2F)は、ある場面における対面を示したものである。ユーザは0001〜0005の5人いて、対面しているユーザ同士には実線で示している。すなわち、ユーザ0001とユーザ0002が対面し(IM2FA)、ユーザ0003とユーザ0004が対面し(IM2FB)、ユーザ0004とユーザ0005が対面している(IM2FC)。
そして、この状況において、対面検知の結果の例を送受信型ノード対面媒介適用前の対面テーブル(IM2A)に示す。このテーブルは、ある時刻において、ユーザが誰と対面したかを示している表である。ユーザID(IM2AA)はユーザのIDが記載されており、(IM2AB)は時刻2008/7/26 10:00に対面し相手のユーザIDを示している。例えば、ユーザ0001は2008/7/26 10:00にユーザ0002との対面している。他のユーザも同様である。
送受信型ノード対面媒介適応処理(IM2)は、名札型センサノード(TR)を用いた場合の媒介適応処理である。ユーザ0003はユーザ0004と対面し、ユーザ0004はユーザ0005と対面している。3人のユーザ(0003、0004、0005)は互いに近くにいる、かつ、ユーザ0003とユーザ0005はユーザ0004と対面を行っていることがわかるため、ユーザ0004を媒介することで、ユーザ0003とユーザ0005を対面状態にする。
送受信型ノード対面媒介適応処理(IM2)の結果を破線(IM2FD)で示している。すなわち、ユーザ0003とユーザ0005との対面である。この処理結果を送受信型ノード対面媒介適用後の対面テーブル(IM2B)に示す。ユーザID(IM2BA)はユーザのIDが記載されており、時刻2008/7/26 10:00(IM2AB)に対面した相手のユーザIDを示している。
送受信型ノード対面媒介適用処理前は、近くにいるにもかかわらず同じ方向を向いていたために対面できなかった状態が、送受信型ノード対面媒介適応処理(IM2)を行うことによって、対面していることがわかる。
図5(c)は、2人のユーザ間を赤外線端末によって媒介させることで双方向の対面状態にするための処理である。ここで、赤外線端末とは、赤外線を送信専用端末であり、赤外線を受信することができない端末をいう。この例を説明すると、打ち合わせ机の真ん中に赤外線端末を設置し、同じ方向を向いて2人が議論していたとする。2人とも同じ方向を向いているので、赤外線からは対面を検知することができない。よって、2人は対面していないということになる。しかし、この2人の名札型センサノードが、机の真ん中に設置した赤外線端末から赤外線を受信した場合、その赤外線端末を媒介させることで、この2人の対面が行なわれていることを示すことができる。
図5(c)(IM3F1)は、ある場面における対面を示したものである。ユーザは0001〜0005の5人いて、対面しているユーザ同士は実線で示している。また、赤外線端末は0E01〜0E02の2台設置されており、赤外線端末と赤外線端末の送信を受信したユーザとの関係を破線で示している。
つまり、ユーザ0001とユーザ0002が対面し(IM3F1A)、ユーザ0003とユーザ0004が対面し(IM3F1B)、ユーザ0004とユーザ0005が対面していて(IM3F1C)、赤外線端末0E02の赤外線をユーザ0005が受信し(IM3F1D)、赤外線端末0E01の赤外線をユーザ0001が受信している(IM3F1E)。
以降、ユーザの名札型センサノード(TR)が赤外線端末の赤外線を受信することを「赤外線端末との対面」と呼び、処理手順について述べる。
はじめに、場所と赤外線端末との対応付けを行なう。赤外線端末はある場所に設置するものであり、その場所のIDと赤外線端末のIDとを結びつける。これにより、1つの場所において設置できる赤外線端末の数は複数個可能となる。
場所/赤外線端末対応表(FB)は、一般情報テーブル(F)に格納されており、場所と赤外線端末との対応付けを示している。場所ID(FBA)は場所に対するID、赤外線端末ID(FBB)は場所ID(FBA)に置かれている赤外線端末のIDを示している。場所ID(FBA)0F01に設置されている赤外線端末は、0E01と0E02の2台である。
次に、赤外線端末がどのユーザと対面したかを検出する処理を説明する。赤外線端末は送信機能のみであり受信機能がない。よって、赤外線端末はどのセンサノードから赤外線を受信したのかがわからない。しかし、ユーザの名札型センサノードは赤外線送受信部(AB)を有しているため、ユーザの赤外線の受信記録から赤外線端末のIDから、赤外線端末がどのユーザと対面したかを検出することができる。
この結果を、赤外線端末の対面テーブル(IM3A)で示す。この表は個々の赤外線端末とユーザとの対面を示したものである。赤外線端末ID(IM3AA)は赤外線端末に対するID、時刻2008/7/26 10:00(IM3AB)は、その時刻に対面したユーザIDを示している。
赤外線端末の対面テーブル(IM3A)では、赤外線端末0E01は2008/7/26 10:00にユーザ0001と対面している。他も同様である。
場所ユーザ対応処理(IM31)は、赤外線端末が設置した場所にいるユーザを調べる処理である。入力データは場所/赤外線端末対応表(FB)と赤外線端末の対面テーブル(IM3A)である。これらの場所とその場にいるユーザの対応付けを行なう。
この結果が、送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)である。場所ID(IM3BA)は、場所を示すIDである。(IM3BB)は時刻2008/7/26 10:00にその場所にいたユーザIDを示している。送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)では、場所0F01には2008/7/26 10:00にユーザ0001とユーザ0005がいた、ということを示している。これにより、その場にユーザが存在したことがわかるため、これらのユーザ同士を対面していると判定できる。これを図示すると(IM3F2)となり、(IM3F1)との違いは、ユーザと赤外線との対面である(IM3F1E)と(IM3F1D)からユーザ同士の対面(IM3F2A)に変換したことである。この結果、赤外線端末を媒介することで、同じ場所にいるユーザを検出して対面情報を補完することができる。
次に、ユーザ同士の対面と組み合わせることで、場所とユーザの対面精度を向上させる送信専用型ノード対面媒介適応処理(IM32)について説明する。入力は、送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)と送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)である。
送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)は、ユーザ同士の対面の表である。ユーザID(IM3CA)はユーザのIDを示し、(IM3CAB)は時刻2008/7/26 10:00に対面した相手のユーザIDを示している。例えば、ユーザ0001は2008/7/26 10:00にユーザ0002との対面している。他のユーザについても同様である。送信専用型ノード対面媒介適応処理(IM32)はユーザの対面テーブル(IM3D)と場所の対面テーブル(IM3E)を出力する。
ユーザの対面テーブル(IM3D)は、送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)から得られる対面情報を送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)に反映させる処理により作成される。具体的には、ユーザ0001とユーザ0005との対面していることを送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)に書き加えることである。ユーザID(IM3DA)はユーザのIDを示し、(IM3DAB)は時刻2008/7/26 10:00に対面したユーザIDを示している。
次に、場所の対面テーブル(IM3E)は、送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)から得られる対面情報を送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)に反映させる処理により作成される。具体的には、送信専用型ノード媒介適用前の対面テーブル(IM3C)のユーザ0001とユーザ0005のカラムで対面しているユーザを送信専用型ノード媒介適用前の場所の対面テーブル(IM3B)に書き加えることである。
場所ID(IM3EA)は、場所を示すIDである。(IM3EB)は時刻2008/7/26 10:00にその場所にいたユーザIDを示している。つまり、場所0F01には2008/7/26 10:00にユーザ0001とユーザ0002とユーザ0004とユーザ0005がいた、ということを示している。
これを図示すると(IM3F3)となり、場所0F01にいるユーザを破線で示している。(IM3F3)は、場所とユーザが対面しているように示している。つまり、場所0F01とユーザ0002が対面し(IM3F3A)、場所0F01とユーザ0001が対面し(IM3F3B)、場所0F01とユーザ0004が対面し(IM3F3C)、場所0F01とユーザ0005が対面している(IM3F3D)。
このように、対面補完処理を施すことにより、対面データの精度を向上させ、ひいては積極性解析あるいは集中時間解析の精度を高めることが可能となる。
なお、赤外線送信ができるセンサノードであれば、赤外線端末以外を利用してもかまわない。
また、3つの異なるタイプである対面補完処理を、図5(a)、図5(b)、図5(c)を用いて説明した。これらは排他的な処理ではなく、対象毎に必要な処理を選択し、用いてもかまわない。
次に、図4(a)、図4(b)は、実施例1において実行される、知識創造行動バランスを表示する処理の手順を示すシーケンス図である。図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。
まず、端末(TR)の電源が入っており、かつ端末(TR)が基地局(GW)とアソシエイト状態になっていないとき、端末(TR)はアソシエイト(TRTA1)を行う。アソシエイトとは、端末(TR)が、ある一つの基地局(GW)と通信する関係であると規定することである。アソシエイトによってデータの送信先を決定することで、端末(TR)は確実にデータを送信することができる。
アソシエイトが成功した場合、端末(TR)は、次に時刻同期(TRCS)を行う。時刻同期(TRCS)において、端末(TR)は、基地局(GW)から時刻データを受け取り、端末(TR)内の時計(TRCK)を設定する。基地局(GW)は、NTPサーバ(TS)と定期的に接続し時刻を修正している。このため、全ての端末(TR)において時刻が同期される。その結果、データに付随した時刻情報を照らし合わせることで、人物間のコミュニケーションにおける相互の身体表現又は音声情報のやり取りを分析することが可能になる。
センサデータ格納制御部(SDCNT)は、例えば10秒ごとの一定の周期でタイマ起動(TRST)し、加速度、音声、温度及び照度等をセンシングする(TRSS1)。端末(TR)は、端末IDを赤外線によって他の端末(TR)との間で送受信することで、対面状態を検出する。センサデータ格納制御部(SDCNT)は、タイマ起動(TRST)せずに、常にセンシングを行ってもよい。しかし、一定の周期で起動することによって電源を効率的に使用することができ、長時間充電しないで端末(TR)を使用しつづけることができる。
端末(TR)は、センシングしたデータに、時計(TRCK)の時刻情報及び端末情報(TRMT)を添付する(TRCT1)。端末情報(TRMT)によって、端末(TR)を装着した人物が識別される。
センシング(TRSS1)と端末情報・時刻添付(TRCT1)が、図1の組織ダイナミクスデータ取得(A)に相当する。
一方、各端末(TR)を装着している各人物は、端末(TR)又はクライアント(CL)を介して、パフォーマンスの値を入力する。入力された値は、センサネットサーバ(SS)に記録される。
データ形式変換(TRDF1)において端末(TR)は、センシングされたデータ及びセンシング条件を、決められた無線送信フォーマットに変換する。変換されたデータは、その後、基地局(GW)に送信される。
加速度データ及び音声データ等の連続した多量のデータを送信する場合、端末(TR)は、データ分割(TRBD1)によって、一度に送信するデータ数を制限する。その結果、データが欠損するリスクが低下する。
データ送信(TRSE1)は、無線の送信規格に則り、送受信部(TRSR)からアソシエイトしている基地局(GW)にデータを送信する。
基地局(GW)は、端末(TR)からデータを受信(GWRE)すると、レスポンスを端末(TR)に返す。レスポンスを受信した端末(TR)は、送信完了(TRSF)と判定する。
一定の時間を経ても送信完了(TRSF)しない(すなわち端末(TR)がレスポンスを受信しない)場合、端末(TR)は、データ送信不可(TRSO)と判定する。この場合、データが端末(TR)内に記憶され、再び送信状態が確立されたときにまとめて送信される。これによって、端末(TR)を装着している人物が無線の届かない場所に移動してしまった場合、又は、基地局(GW)の不具合でデータが受信されなくなった場合にも、データを途切れさせることなく取得することが可能になる。これによって、組織の統計的な性質を安定して求めることができる。
このようなデータのまとめ送りの手順を説明する。端末(TR)は、送信できなかったデータを記憶しておき(TRDM)、再びアソシエイトの依頼を行う(TRTA2)。ここで基地局(GW)からレスポンスが得られ、アソシエイトが成功(TRAS)した場合、端末(TR)は、データ形式変換(TRDF2)、データ分割(TRBD2)及びデータ送信(TRSE2)を実行する。これらの処理は、それぞれ、データ形式変換(TRDF1)、データ分割(TRBD1)及びデータ送信(TRSE1)と同様である。データ送信(TRSE2)の際、無線が衝突しないように輻輳制御される。その後は通常の処理に戻る。
アソシエイトが成功しなかった場合、端末(TR)は、アソシエイトに成功するまで定期的にセンシング(TRSS2)と端末情報・時刻情報添付(TRCT2)実行する。センシング(TRSS2)及び端末情報・時刻情報添付(TRCT2)は、それぞれ、センシング(TRSS1)及び端末情報・時刻情報添付(TRCT1)と同様の処理である。これらの処理によって取得されたデータは、基地局(GW)への送信が成功するまで、端末(TR)内に記憶される。
データが分割されている場合、基地局(GW)は、データ結合(GWRC)を実行することによって、分割されたデータを連続したデータにまとめる。さらに、基地局(GW)は、基地局固有の番号である基地局情報(GWMG)をデータに付与し(GWGT)、そのデータを、ネットワーク(NW)を介して送信する(GWSE)。基地局情報(GWMG)は、その時刻における端末(TR)の大まかな位置を示す情報として、データ解析の際に利用することができる。
センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)からデータを受信すると(SSRE)、データ管理(SSDA)において、受信したデータを時刻・端末情報・加速度・赤外線・温度などの要素ごとに分類する(SSPB)。この分類は、データ形式情報(SSMF)として記録されているフォーマットを参照することによって実行される。分類されたデータは、データベースのレコード(行)の適切なカラム(列)に格納される(SSKI)。同じ時刻に対応するデータを同じレコードに格納することで、時刻及び端末情報(TRMT)による検索が可能になる。
このとき必要であれば、端末情報(TRMT)ごとにテーブルを作成しても良い。ここまでの処理が、図2(a)の組織ダイナミクスデータ収集(B)に相当する。
図4(b)は、センサネットサーバ(SS)に格納されているデータテーブル(BA)を用いて解析を行う手順を示すシーケンス図である
アプリケーションサーバ(AS)は、定期的に起動(ASST)し、タイム解析(TK)を行う。解析する区間を決めておき、その範囲のデータ取得依頼(ASSI)をセンサネットサーバ(SS)に対して行う。
データ取得(SSSU)では、必要なセンサデータをセンサネットサーバ内の記録部(SSME)から取得する。データ送信(SSSS)は取得したセンサデータをアプリケーションサーバ(AS)に対して送信する。積極性解析(CS)と集中時間解析(CJ)は、取得したセンサデータの解析を行う。
タイムトリガ解析(ASTK)の結果を記憶部(ASME)の解析結果データベース(E)に格納する(ASKU)。さらに、解析済であるかを確認し(ASKK)、解析済みであることを示すために、時間記録(D)を更新する。
クライアントユーザ(US)は、システムを解析起動(USST)し、所望の条件を入力(USIN)する。
入力情報である解析条件送信(CLSE)では、解析条件設定(CLIS)をアプリケーションサーバ(AS)に送信する。
チーム変換(ASCC)は、解析条件送信(CLSE)の内容によりチーム別で処理するよう判断したならば、チーム変換処理(CT1)を行なう。
結果送信(ASKS)では、解析の結果をクライアント(CL)に送信する。
クライアント(CL)は、結果送信(ASKS)の結果を受け取り(CLKJ)、これを表示し(CLDP)、出力デバイスに対して出力する(CLOT)。ユーザ(US)は、表示された解析結果を確認し、解析終了(USEN)する。
実施例1、2では、知識創造行動を特定することにより、2次元マップやタペストリによる表示を行った。実施例3では、組織内の積極的な行動から能動的行動か受動的行動なのか判定し、ネットワーク図にマッピングすることにより、組織のエネルギーの流れを可視化することを特徴とする。
実施例3では、制御部(ASCO)の一部のみが異なるため、この部分のみを説明する。
図9は、実施例3のビジネス顕微鏡システムの構成要素を示す説明図の一部である。全体は実施例1で示している図1(a)、図1(b)、図1(c)に記載しており、アプリケーションサーバ(AS)内の制御部(ASCO)の一部のみが異なるため、異なる部分のみ記載した。
チーム変換処理(CT3)は、積極マトリックス解析(CY)と対面マトリックス解析(CT)から出力した個人結果からチーム結果に変換する処理である。
積極マトリックス解析(CY)は時間記録(D)に記載されている時刻になったら起動する。積極マトリックス解析(CY)では、1分対面検出処理(CY1I)、対面補完処理(IM)、1分動作検出処理(CY1A)、積極マトリックス処理(CYY)を行ない、解析した結果を解析結果テーブル(E)に格納する。さらに、解析済みの時刻を時間記録(D)に記載する。
対面マトリックス解析(CT)は時間記録(D)に記載されている時刻になったら起動する。対面マトリックス解析(CT)では、1分対面検出処理(CT1I)、対面補完処理(IM)、対面マトリックス処理(CTT)を行ない、解析した結果を解析結果テーブル(E)に格納する。さらに、解析済みの時刻を時間記録(D)に記載する。
図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、図10(e)は、実施例3のビジネス顕微鏡システムにおいて実行される処理の全体の流れを示しており、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。複数の名札型センサノード(TRA、TRB、〜、TRI、TRJ)による組織ダイナミクスデータの取得(A)から、センサデータの解析である対面マトリックス解析(CT)と積極マトリックス解析(CY)を行ない、その解析結果を組織エネルギー流表示(CLSE)にて組織エネルギー流(HE)として表示する一連の流れを示している。組織ダイナミクスデータ取得(A)から組織ダイナミクスデータ収集(B)を求めるまでは、実施例1、および、実施例2と同じであるため省略する。
対面マトリックス解析(CT)は、組織ダイナミクスデータ収集(B)のデータテーブル(BA)を入力とし、対面しているユーザ同士のネットワーク図を描くための解析を行う。対面マトリックス解析(CT)の処理全体の流れを示したものが図10(b)である。
次に、データテーブル(BA)に格納されているセンサデータから対面に関する特徴量を求める処理として1分対面検出処理(CT1I)がある。
1分対面検出処理(CT1I)は、実施例1の集中時間解析で示した1分対面検出処理(CS1I)と同じ処理である。また、本実施例においても、1分対面検出処理後、対面補完処理(IM)を行って修正後の1分間毎の対面テーブル(EC1IM)を作成するが、実施例1と同じ処理である。
対面マトリックス処理(CTT)とは、修正後の1分間毎の対面テーブル(EC1IM)から対面マトリックス(EC)を作成する処理である。修正後の1分間毎の対面テーブル(EC1IM)と対面マトリックス(EC)は同じ2次元の表であるが、横軸が異なる。修正後の1分間毎の対面テーブル(EC1IM)の横軸は時間であるが、対面マトリックス(EC)の横軸はユーザである。
対面マトリックス(EC)は縦軸、横軸ともにユーザである2次元の表である。縦軸である0001(ECH)〜0005(ECL)は、対象となるユーザを示しており、横軸である0001(ECA)〜0005(ECE)は、対象となるユーザの対面相手を示している。ここに格納される値は、修正後の1分間毎の対面テーブル(EC1IM)で格納されている対面時間の和である。有効日数(ECF)は分析に用いた日数、全日数(ECG)はデータを取得した日数である。
例えば、2008/07/26の10:00にユーザ0001はユーザ0003と対面し、ユーザ0003はユーザ0001との対面している(EC1IMA)。これを対面マトリックス(EC)に示すと、ユーザ0001はユーザ0003との対面は(ECA)であり、(ECA)のカウント値を1つあげる。また、ユーザ0003はユーザ0001との対面は(ECB)であり、(ECB)のカウント値を1つあげる。このようにして、対面マトリックス処理(CTT)が行なわれ、全てのユーザが完了後、対面マトリックス解析(CT)が終了する。対面マトリックス処理(CTT)として、上記の処理を採用しているが、公知の処理方法を用いてもかまわない。
さらに、取得したデータを全て使用すると信頼性が低下することが考えられる。例えば、NULLが一定以上含まれている場合には、ほとんどデータが取得されていないため、信頼性が低下する恐れがある。有効日数(ECF)はこのような日のデータを省き、実際に用いた日数を記入する。
積極マトリックス解析(CY)は組織ダイナミクスデータ収集(B)のデータテーブル(BA)を入力とし、センサデータから集中している行動の指標を求める解析を行う。積極マトリックス解析(CY)の処理全体の流れを示したものが図10(c)である。
次に、データテーブル(BA)に格納されているセンサデータから対面に関する特徴量を求める処理として1分対面検出処理(CY1I)と1分動作検出処理(CY1A)がある。
1分対面検出処理(CY1I)は、実施例1の集中時間解析で示した1分対面検出処理(CS1I)と同じ処理である。また、本実施例においても、1分対面検出処理後、対面補完処理(IM)を行って修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)を作成するが、実施例1と同じ処理である。
また、1分動作検出処理(CY1A)も、実施例1の積極性解析(CS)で示した1分動作検出処理(CS1A)と同じ処理である。その結果作成される1分間毎の動作テーブル(ED1A)も同様である。
積極マトリックス処理(CYY)は、他のユーザと対面中のユーザの積極性を判定する処理である。入力は1日における修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)と1分間毎の動作テーブル(ED1A)である。ユーザ毎に時系列に並べて、同時刻の対面と動作を比較することにより求める。
(CYY1)のユーザ0001の対面レコードは修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)におけるユーザ0001の対面レコードである。(CYY1)の動作のレコードは1分間毎の動作テーブル(ED1A)におけるユーザ0001の動作レコードである。
そして、その出力結果をまとめたものが、解析結果テーブル(E)の積極マトリックス(ED)である。積極マトリックス(ED)は縦軸、横軸ともにユーザである2次元の表である。縦軸である0001(EDH)〜0005(EDL)は、対象となるユーザを示しており、横軸である0001(EDA)〜0005(EDE)は、対象となるユーザが積極的な行動をしながら対面した相手を示している。
例えば、2008/07/26の10:00の積極性を求める場合には、対面が1名でユーザ0003と対面を行っている。ユーザ0001が積極的な態度をユーザ0003に対して行っているという判断は、ユーザ0001の動作リズムを見る(CYY1A)。この場合には2.3Hzであるため、ある閾値(ここでは2Hz以上)を超えているため、積極的な態度であったと判断する。その結果を積極マトリックス(ED)に代入する。ユーザ0001がユーザ0003に対して積極的な対面を行ったということなので、(EDA)のカウント値を1つあげる。
なお、(CYY1)では結果の分析に用いている時間幅が1分間となっているが、ここを任意の時間にしてもかまわない。その場合に、もし、対面と動作の時間幅と異なる場合には、平均などの既存の手法を用いて、時間幅をそろえてもかまわない。
このようにして、積極マトリックス処理(CYY)が行なわれ、全てのユーザが完了後、積極マトリックス解析(CY)が終了する。対面マトリックス解析(CT)と積極マトリックス解析(CY)を終了すると、図10(a)に示すように、解析結果テーブル(E)に対面マトリックス(EC)と積極マトリックス(ED)が格納される。対面マトリックス(EC)と積極マトリックス(ED)は1日をベースにしているが、組織エネルギー流表示(CLSE)では表示に用いる日数を任意に指定できる。もし、1日以外ならばその日数の和と求めることが望ましい。
また、組織エネルギー流を表示する際には、実施例1と同様に、ユーザの実名のほうがわかりやすい。よって、実施例1と同様に、ユーザID(EAA)と実名などの個人情報との対応表(FA)を用いる。
次に、組織エネルギー流表示処理(CLSE)を図10(d)、図10(e)を用いて説明する。はじめに、レイアウトを行う(CLSL)。対面マトリックス(EC)をベースとして、ネットワーク図を作成する。ネットワーク図のレイアウト作成方法はいろいろあり、ばねモデルなどの公知の方法が提案されている。小さい値の線を描画するとネットワーク図が醜くなることが考えられるため、その際には、あらかじめ閾値を設定し、その閾値以上を描画することが好ましい。さらに、レイアウトの例として、図11(a)、図11(b)を示す。
図11(a)は、背景図をベースにネットワーク図を作成する方法であるレイアウト2(CLSL2)である。これを用いるためには、あらかじめに背景図とその背景図内にいるユーザ等のオブジェトの座標値が必要となる。その1例として、背景図を(CLSL2A)に示す。これは座席見取り図であり、各自席にはユーザ名が記載されている。また、オブジェクトの座標値をして、座標値表(FE)を用いる。
この座標値表(FE)は、1つのレコードにユーザID(FEA)とその名称(FEB)が格納されており、その背景図(CLSL2A)の何処に描画されているのかを示す座標(FEC)が記載されている。
レイアウト2(CLSL2)の入力は、背景図(CLSL2A)、座標値表(FE)、及び、対面マトリックス(EC)である。背景図(CLSL2A)と座標値表(FE)で示した図面の上に、対面マトリックス(EC)の対面の線を描画する。描画する場合には、あらかじめ閾値を設定し、その閾値以上を描画することが好ましい。さらに、背景図(CLSL2A)に存在しないユーザが対面マトリックス(EC)にいた場合にはそのユーザを描画しないことが好ましい。レイアウト2の結果を(CLSL2B)に示す。背景図(CLSL2A)で示したユーザ位置をベースに対面している人同士が線で結んでいることがわかる。
図11(b)では、センサデータから対面に関する情報を解析し、2次元マップで表示することで背景図を作成している例を示す。データの解析の流れは、修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)から対面人数と対面時間を求め、2次元マップ表示処理(CLSL3B)によって、背景図として対面人数/対面時間図(HJ)と、背景図内のオブジェクトの座標値表(FF)を出力する。
修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)までの処理は、実施例1の集中時間解析(CJ)の修正後の1分間毎の対面テーブル(EA1IM)と同じであるため、省略する。
対面人数/時間処理(CLSL3A)では、修正後の1分間毎の対面テーブル(ED1IM)から各ユーザする対面人数と対面時間を求めている。その結果を解析結果テーブル(E)の対面人数/時間処理テーブル(EE)に格納する。1ユーザにつき、1レコードを使用し、ユーザID(EEA)はユーザID、対面人数(EEB)は対面した時間、対面時間(EEC)は対面に用いた時間である。
対面人数/時間処理テーブル(EE)は1日をベースにしているが、2次元マップ表示処理(CLSL3B)では表示に用いる日数を任意に指定できる。
もし、1日以外ならばその日数の和と求めることが望ましい。実施例1と同様にユーザへ提示する際には、実名のほうがわかりやすい。よって、ユーザID(EAA)と実名などの個人情報との対応表(FA)を用いる。
2次元マップ表示処理(CLSL3B)は対面人数/時間処理テーブル(EE)とユーザ名称対応表(FA)から2次元マップを生成し、プロットしたオブジェクトの座標を出力する。出力した対面人数/対面時間図(HJ)では、縦軸(HJA)が対面人数、横軸(HJB)が対面時間となっている。各ユーザは対面人数/時間処理テーブル(EE)の結果からプロットする。対面人数/時間処理テーブル(EE)の結果だけではユーザ名前が特定できないため、ユーザ名称対応表(FA)を利用することで、名前を描画し、役職によってアイコンの種類を変える。
また、画像中の何処にプロットしたか不明であるため、座標値表(FF)を出力する。この座標値表(FF)は、1つのレコードにユーザID(FFA)とその名称(FFB)が格納されており、その対面人数/対面時間図 (HJ)の何処に描画されているのかを示す座標(FFC)が記載されている。このようにすることにより、場所や解析結果を用いたレイアウトが用いることが可能となる。
図10(d)の値選択(CLSS)はネットワーク図で繋がっている線のところの値から該当する積極マトリックス(ED)の値を選択する処理である。その結果の概念図を組織エネルギー流(IA)で示す。
組織エネルギー流(IA)では伊藤(ユーザ0004)と加藤(ユーザ0001)との関係を中心に説明すると、この結果では2:7と描画されている。加藤(ユーザ0001)が伊藤(ユーザ0004)と対面したときの積極的な対面は2、伊藤(ユーザ0004)が加藤(ユーザ0001)と対面したときの積極的な対面は7であることを示している。これを全ての対面が行なわれている場所で求める。
2者間値(CLS2)は値選択(CLSS)で求まった2者間の関係から積極時間を求める処理である。その結果の概念図を組織エネルギー流(IB)で示す。組織エネルギー流(IB)の伊藤+5では伊藤と加藤との2者間における相対的な積極度合いを示しており、計算式は「自分−相手」である。よって、「伊藤−加藤」の値は7−2=5となる。よって、伊藤からみた加藤との積極時間は+5となる。これを全ての対面が行なわれている場所で求める。
ノード和(CLSW)は2者間値(CLS2)から求めた2者の関係からユーザ毎に1つの値を求める処理である。その結果の概念図を組織エネルギー流 (IC)で示す。
組織エネルギー流(IC)の伊藤の+15(ICD)では伊藤と繋がっている加藤、斉藤、後藤の積極時間の和である。すなわち、伊藤からみた加藤との積極時間は+5(ICA)、伊藤からみた斉藤との積極時間は+5(ICB)、伊藤からみた後藤との積極時間は+5(ICC)の和が+15(ICD)である。これを全ての対面が行なわれている場所で求める。
その結果が、図10(e)の組織エネルギー流(ID)である。各ユーザに対して積極時間が示されている。例えば、伊藤+15、後藤+10である。表示(CLDP)は、ノード和(CLSW)から求めた組織エネルギー流(ID)をユーザに理解しやすいように描画する処理である。
組織エネルギー流(HE)では、各人物に対応する記号(ノード)を中心に円が描画され、円の大きさは積極時間の値の大きさを示している。また、例えば、値が正と負で色分けすることにより、区別しうる。
組織エネルギー流(HL)では、組織エネルギー流(HE)の一部をエンハンスしたものである。組織エネルギー流(HE)のノードとノードは実践で結んでいたが、線の太さや矢印などを変更している。このようにすることによって、誰が誰に対して積極的な行動を行ったかを示すことが可能である。
組織エネルギー流(HF)では、各ノードの大きさからエッジの方向を求め、積極の流れを示している。エッジの矢印は影響を与えている向きを示し、長さはその大きさである。
組織エネルギー流(HG)では、組織エネルギー流(HF)と同じように、積極の流れであるが、流れが連続となるところを結ぶことによって、ネットワーク図全体における影響の流れを示す。
組織エネルギー流(HH)では、積極の大きさを等高線のように示すことで、組織における積極の中心を示す。
このように表示(CLDP)でいろいろな表示方法を選択し描画できることが好ましい。組織エネルギー流表示(CLSE)はエネルギー流分析(HE)を出力した後に終了する。
次に、図10は個人別の組織エネルギー流であったが、これは個人だけでなくチーム別へ表示することが可能である。図12はチーム別の組織エネルギー流である。チーム別の組織エネルギー流は、図10(a)の対面マトリックス(EC)と積極マトリックス(ED)を用いて求める。
チーム変換処理(CT3)は対面マトリックス(EC)と積極マトリックス(ED)をチーム別の対面マトリックス(ECM)と積極マトリックス(EDM)に変換する処理である。変換には一般情報テーブル(F)のチーム/ユーザ対応表(FC)を用いる。チーム/ユーザ対応表(FC)は、チームID(FBA)と、そのチームに属しているユーザを示すユーザID(FBB)が記載されている。
個人からチームへの対面マトリックスの変換方法は、チームID(FBA)に属しているユーザID(FBB)のチーム内とチーム外で分けて、それぞれの和を求める。また、有効日数(ECMC)と全日数(ECMD)はチームID(FBA)に属しているユーザID(FBB)の内の平均を求める。
個人からチームへの積極マトリックスの変換方法は、チームID(FBA)に属しているユーザID(FBB)のチーム内とチーム外で分けて、チーム外との積極の和を求める。また、有効日数(EDMC)と全日数(EDMD)はチームID(FBA)に属しているユーザID(FBB)の内の平均を求める。
なお、本処理では平均を用いたが、チーム間の差異がわかればよいのでほかの方法を用いてもかまわない。
実施例1と同様に、ユーザへ提示する際には、実名のほうがわかりやすい。よって、実施例1と同じチームID(EAMA)と実名などの個人情報との対応表(FD)を用いる。
組織エネルギー流表示(CLSE)の表示結果の1例を組織エネルギー流(HK)として示す。(HKC)はチーム0001である総務チームのノードがプロットされており、各ノードを中心に相対的な積極度を示す円が描画されている。また、アイコンの近くには(HKB)Aのような名称と信頼度を記載してある。信頼度の求め方は全日数から有効日数を割ったものを信頼度として表示する。
アイコンの表示方法も任意に決めることができる。その際には、チーム名称対応表(FD)に追加する必要がある。例えば、支店名や地域などのエリア情報や、フロアや席などの場所情報などである。
また、エネルギー流分析(HK)は、チーム間の積極度合いをユーザに理解しやすい表記方法で表現することが重要であるため、これが満たされるならば、エネルギー流分析(HK)の表示構成と異なってもかまわない。
組織エネルギー流表示(CLSE)はエネルギー流分析(HK)を出力した後に終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形実施可能であり、上述した各実施形態を適宜組み合わせることが可能であることは、当業者に理解されよう。